前章で、海外において違法労働を強いられているツアー添乗員と、それぞれの国で
合法的に労働を行なっている現地在住日本人ガイドの差異について触れたが、ここで、
スペインと言う国に合法的に滞在し、労働を行なう事について、私の体験に基づくお話を
少し紹介してみようと思う。
恐らく、30代後半の私が綴った未熟な体験談をここまで読み続けて頂いた方の中には、
スペインに渡り、あわよくばこの国に住んでみたい、或いは、そうでなくても、今の生活を変える
何かきっかけのような物を見出したい、、、 そうお考えの方もおられるのではなかろうか。
この先、別章で触れるインターネットを通じた活動の中で、誰もが自由に投稿できる
「掲示板コーナー」を通じて、私が、毎日のスペインでの生活について書き込んでいると、
ある日、一つのトラブルが起きた。
私はただ、毎日の生活をありのまま伝えていただけであったが、それを読んでいた人の中に、
これを妬む人が現れたのである。
「自分がスペインで住むための許可証を持っているからと言って、調子に乗るなよ!
世の中には、スペインに住みたいと思っても許可証を入手出来ないがために
住めない人だっているんだ。
お前はただ運良く、許可証をもらえただけじゃないか!」
人の心と言うのは不思議なものである。
このようなクレームをつけて来たこの方にしても、スペインが好きで、スペインに住もうと
思った事もあり、スペインが好きだからインターネットでスペイン関連のサイトを探していて、
私が運営するサイトを見つけ、そこに集まるスペイン仲間の輪に入りたいと思ったのだろう。
それなのに、何かが狂って、先のような一方的なクレームを残し、その後、大勢の
スペイン仲間が集う私のサイトに、自らの言動により二度と出入り出来なくしてしまった。
本当なら、同じスペイン仲間として、他の皆さんとも仲良くなれた方だったかもしれないのに。
ところで、この方が言うように、私は「運良く滞在・労働許可証を手に入れた」のだろうか?
そして、この方は、「運が悪くて手に出来なかった」のだろうか?