スペイン生活30年・今も続く私の冒険

くま伝

日本を飛び出してみたいと考えている方々、目的を見出せず悩んでいる方々へ


第35章 新しい挑戦(前編)

『宇宙語』


 1995年、パーソナルコンピューターのオペレーション・システムの一つ、
Windows95が世界中で話題になった。
この時である、私が今更ながら初めてコンピューターに手を出したのは。

昔からこの業界で活躍していた弟から言われたのだ。

「今は、インターネットと言うものがあって、それを使うと、日本とスペインの間でも
市内通話と同じ料金で電話が出来るから、やってみないか」と。

最初、この意味がさっぱり理解出来なかった。
インターネットなどと言う言葉その物が全くの初耳である。
一体、それはどう言うもので、どこで誰がやっているものなのか?

弟からいろいろと説明してもらったが、どうもピンと来なかった。
まあいい。要するに安くで国際通話が出来るのであれば、始めてみようではないか。

まずはコンピューターを買わなければ始まらないらしい。
はて、どこへ行けば買えるのだろう? 
どんなものを買えば良いのだろう? 
何の知識も無かった私は、とにかくコンピューターショップらしき所へ行って、
パンフレットを貰ってきたが、書いてある内容がさっぱり理解できない。
仕方なく、弟に国際電話をかけて相談した。
当時のスペインの電話代はとても高く、日本と1時間も話そうものなら、
軽く1万円以上かかった。
安く国際電話をするための準備に随分と資本がかかるものである。

何度も電話のやりとりをし、何度もショップに通った末、やっと初めての
パソコンなるものを手に入れた。
ペンティアム100、16MBのメモリーに850MBのハードディスクと言えば、
パソコンをご存知の方なら、どう言った時代であったかお判り頂けると思う。

同時に弟が日本からwindows 95日本語バージョンのオリジナルCDを送ってくれた。
それからが大変である。これを「インストール」するらしい。

はて、「インストール」とは一体何をするのだろう? こんな有様である。

またまた弟に国際電話をして、手ほどきを受けながら初めての
「インストール」作業が始まった。
当時、スペインに在住の日本人でWindows 95のインストールをやった事があり、
その手助けをしてくれる人など、まだ誰もいなかったのだ。
なにせ、業界にいた弟は発売と同時に送ってくれたのだから。


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