スペイン生活30年・今も続く私の冒険

くま伝

日本を飛び出してみたいと考えている方々、目的を見出せず悩んでいる方々へ


第42章 協会文化活動としての旅行(前編)

『運よく手に入れた宝』


 十年一昔とは良く言ったもので、12年も経つと、随分と様子が変わって来たが、
突然2014年にタイムスリップするのではなく、ここから、十二年前に書き残した内容に
連結させてみる事にする。

協会の文化活動と言う形で、ホームページを通じ、私の本来の専門分野であった「旅行」を
アピールするようになり、わかり易く言えば、インターネット上での旅行販売を開始した訳である。
かつてツアー会社を通じて案内していたような納得の行かない旅ではなく、自分が愛する
スペインを、自分が見せたいスペインを紹介するための旅行である。

相談を頂く方々一人一人と、緻密なやりとりを数ヶ月に渡って繰り返し、それぞれの人に適した
それぞれの人が求める「誂えの手作り旅行」を一緒に作り上げて行くのである。

 日本に住む方々が、どれだけ自分で考え、自分のニーズにあった個人旅行を行おうとしても、
スペインについての知識不足によりそのプランニングには必然的に限界が生じる。
そこで、現地事情に詳しい我々が、親身になったアドバイスを行う事により、個人では思いも
つかなかった内容を盛り込んだ、その方のための「唯一のプラン」へと育てて行くのである。
健常者だけではない。
一般ツアー会社からは納得の行く対応をしてもらえない、様々な障害を持つ方々に対しても、
現地事情に詳しい我々だからこそ力になれるのでは無いか?
五体満足で「健康」と言う最高の宝物を授かった我々、日本人健常者の中で、スペインの
現地事情に、単なる在住者としてではなく、「旅行の専門家」として精通している人間など、
いったい何人いると言うのか?
それだけ限られた人材であり得るからこそ、それを真に求めている人々の力になれる事は、
最大の喜びだと思う。
健常者だと思っている人にしても、それがいつまで許され、用意された権利なのか、誰にも
判らないのだ。
随分と先の章で触れた労働許可証の話しでは無いが、この「健康」こそが、私が「運良く
手に入れた」に過ぎないものであり、親から、そして神様から授かったもの。
私はこれを得るために何等、努力をしていない。
ならば、自分がこの大幸運に恵まれている間に、これを役立てたいと思う、、、
そう、必要以上にイイ格好をしようと思うと、長続きしないので、自分なりに、自分の出来る範囲内で。

 そんな思いを込め、ホームページを通じてこちらの気持ちを発信し続ける内に、健常者から、
そして障害を持つ方々からも、スペイン旅行の相談を受けるようになった。

初めの頃は、1年に数本程度の依頼だったが、これがどんどん増えて行く事になる。
いつの頃からか、毎月1本は催行されるようになり、更には年間、数十本と言うボリュームに
膨れ上がった。
これによりだんだんと安定した収入も得ることが出来るようになってきた。

 ところで、非営利団体の協会が、何かを有料にて販売すると言う事に、稀に首をかしげる方が
おられるのだが、誤解が無いよう、これについて少し触れておくことにする。

協会と言う組織は、非営利の法人であるが、例えば、弁護士協会、外科医協会、
歯科医協会などを想像して頂ければ良いと思う。

弁護士協会そのものは非営利団体であっても、それを構成しているメンバーは皆、プロの
弁護士であり、その仕事を生業としている。
協会に相談を持ちかけた場合、ある程度までのアドバイスは非営利団体として提供して
くれるであろうが、実際に個々人のニーズに合ったサービスを依頼するとなれば、それは
有料となる。

また、協会運営のために、仮にオフィスを持ち、受付スタッフを置けば、そこには必ず経費
と言うものが生じ、協会は何らかの形でこの経費を捻出しなければならない。
つまり、収入を得なければならない。
「非営利団体」と「収入を得る活動」とが共存して良いのかどうか、と言う素朴な疑問を持つ方も
おられると思うが、その答えは勿論「OK」である。

それでは営利団体である「企業」と、非営利団体である「協会」の間に、どう言った差異が
存在するのかについて少し触れておこう。
勿論、これはスペイン国内の法律上のお話であって、それが日本のそれと一致するかどうか
私は知らない。
また、スペインの法律のみに言及するとした場合でも、私は法の専門家では無いので、
あくまでも私と言う一個人が把握しているレベルでの説明であることを予めお伝えしておきたい。


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