スペイン生活30年・今も続く私の冒険

くま伝

日本を飛び出してみたいと考えている方々、目的を見出せず悩んでいる方々へ


第46章 マドリッドのおうち(第二部)

『デリシアス』


私はまず、マドリッド市内で、一体どのエリアが最も次ぎの条件を満たすだろうかと
考えてみた。

1、 治安上の問題が最小限であること。
2、 交通の便が良いこと。
3、 マドリッドを訪れる旅行者にとってその一般的な行動を考えた場合に便が良い事。
4、 留学生や駐在員など、長期で暮らす人にとって生活に便利なところ。
5、 物価が安いところ。

 治安の良いところ、それはすなわち、一般的なツーリストの行動範囲からはずれている
と言う事である。
つまり、プラド美術館や王宮、ガイドブックに紹介されている写真スポットやお買い物スポットから
離れたところは基本的に問題は無いが、離れすぎていてはツーリストにとっては不便な場所と
なってしまう。

これらの全ての条件を満たすところ、それがマドリッド中心部の僅かに南に位置する
デリシアス地区であった。
プラドを中心とする主要美術館三角地帯や中央駅であるアトーチャ駅へは歩いて行くことが出来、
町のど真ん中とされるソル広場までは地下鉄で7分程度。
また、マドリッドといろいろな街を結ぶバスが発着する主要バスターミナルの内、一つは
すぐ傍にあり、もう一つも列車で6分と言うこの立地は、長年、ツーリストの案内に従事し、
彼等の一般的な行動パターンを見てきた私が選んだ、「これ以上に便利な場所は無い」
と言い切れるエリアであった。

エリアを確定できたところで、次のステップに入った。
この辺りの不動産物件の偵察である。
不動産屋へ行くのではなく、このエリアをひたすら歩き回った。
そして売り物件の広告を見つけては電話をして中を見せてもらった。
これを続ける事により、同じエリアでもどこにどんなお店があるのか、近くのバス停には
何番のバスが止まるのかなど、不動産物件の価格相場だけでなく、実用的な情報も手に入れて行った。
そうしてある日、見つけたのだ。
このエリア内でも、更に群を抜いて便利な場所にあった理想的な物件を。

すぐに私は、ずっと付き合いのあった経理コンサルタント会社に相談を持ちかけた。
そこは、経理上、会計上の相談だけではなく、その他、諸々の法的相談も受けていたので、
軽い気持ちで相談したのが間違いの元となり、その後、要らぬ苦労を強いられるのだが。


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