スペイン生活30年・今も続く私の冒険

くま伝

日本を飛び出してみたいと考えている方々、目的を見出せず悩んでいる方々へ


第49章 メンバーズハウス誕生(第三部)

『会員専用宿舎』


 小さな持ち家が無事、イサベルと言う実にステキな女性の持ち物となり、
これを手放した事によって得た収入を頭金にして、私は「マドリッドのおうち」
を作るための物件購入の手続きを進めた。

3度目の不動産売買経験であるが、今度はまた、買う立場である。
手付金を打ち、近所の銀行が用意した公証人立会いの下、サインが
交わされ、売買手続は無事、終了したが、残った問題は、これをどうやって
安全な宿泊施設として合法的に利用してもらえるようにするかである。

 長い長い脱線のあと、ようやく、このテーマに戻ってきたが、第四十六章で
この物件を買うところまで漕ぎつけたものの、幾つかの理由でここでの
オスタル運営のライセンスが下りない事を説明した。
この問題をなんとかクリアしようと、弁護士に相談した結果、出てきた案が
ホテルやオスタルと言ったカテゴリーではなく、全く別のものを作れば良い
と言うものだった。
つまりそれは、一定の法人に所属する人々だけが利用する事の出来る
会員制施設である。

SNJ日西文化協会と言う、マドリッド自治州政府に登録された協会が
存在し、その会員のみが利用する事の出来るレジデンスを作ろう
と言うのである。

早速、弁護士を通じて、会員専用レジデンスの登録と運営許可申請手続き
が始った。
快適な施設となるべく、全面的な改装工事が必要だったが、レジデンス
としての認可を得るために必要な条件を満たせるよう、建築士が
その改装内容、図面、構造、全てに目を通し、マドリッドの自治体に
書類申請を行なって、無事、許可を得ることが出来た。

ここに、SNJ日西文化協会の会員のみが利用出来る安全な
「マドリッドのおうち」が理論上、誕生した。
設置するための物件を入手し、そのライセンスが下りたのである。

違法宿の存在が当たり前であるこの国で、その同列に並ぶ事無く、
合法的に登録された施設が今、誕生しようとしていた。
これこそが後に、会社と協会による2本柱と並んで、全ての活動を支える
もう一つの大切な拠点であり、ベースとなって行ったメンバーズハウスである。

あとは、許可の下りた内容どおりの改装工事を行うだけ。
工務店が示した約束の工期は2ヶ月だった。


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