スペイン生活30年・今も続く私の冒険

くま伝

日本を飛び出してみたいと考えている方々、目的を見出せず悩んでいる方々へ


第51章 住み込み奨学生

『24時間常駐体制』


 利用者が安心して滞在出来るための大切な条件として、MHに日本人スタッフを
常駐させる必要があった。
かと言って、そのような経費が協会に出せる訳も無く、頭を悩ませた結果、
思いついたのが 「住み込み奨学生制度」 の導入だった。

MHの中に、小さなオフィスルームと、住み込み奨学生用の部屋を一つ用意した。
オフィスルームは、約10年間、SNJ日西文化協会とスペインなんでも情報社と言う
二つの違った法人のオフィスを兼ねる事となり、その間、後者の社員が朝から夕刻に
かけて、会社の業務をこなすと同時に、協会付属宿舎MHのスタッフとして、
利用者に対するアテンドを行った。
そして、会社のスタッフが帰宅する時間から、翌朝の出社時間までの間、
MH利用者へのアテンドは、住み込み奨学生にバトンタッチされた。

奨学生スタッフは、協会宿舎に住みつつ勉学に勤しむと言う形で学生ビザを取得し、
朝から夕刻までは学校に通ったり、その他の目的で自由に外出する事が出来るが、
夕刻、スペインなんでも情報社の社員が帰宅する時間から翌朝までは、MH内で
過ごす事となる。
夕刻、社員スタッフと交代したあと夜までの間に、MH内の清掃を担当してもらった。
勿論、夜間に起きている必要は無く、普通に休めば良い。
重要なのは、夜もスタッフがいるという事なのだから。

社員が出勤しない土日、祝日については、別に土日、祝日用スタッフを設けること
によって補った。

こうする事によって、MHには、二四時間体制で日本人スタッフが常駐していると言う
環境を整える事が可能となった。
勿論、これらスタッフ等とは別に、基本的には私も同じオフィスで仕事をするようにし、
可能な限り、私自らMH利用者と接するように心がけた。

住み込み奨学生は、1年半~2年に一度ぐらいの周期でホームページ上で募集した。

顔を合わすことも無く、送られてきた履歴書だけで人選するには無理があったので、
何度目かの募集から、電話面接を行なうようにした。

奨学生スタッフは、MHに住むことにより、スペイン留学に必要となる住居費を節約
する事が出来るため、募集をかけると、常に数十人の応募があった。
誰もが少しでも低経費での留学を望んでいただけに、その中から一人だけを選ぶのは
忍びない感があったが、それ以上の事は、SNJ日西文化協会の規模では
どうしようも無かった。
それでも、今、思い出せるだけで、計8名ぐらいの奨学生スタッフを受け入れる事が
出来たと思う。
「受け入れる」と言う表現をすると、こちらが何かをしてあげたような響きがあるが、
勿論、そんな感覚ではなく、貴重な人生の一部を割いて協会のお手伝いをしてくれた
代々の住み込みスタッフには、協会責任者として心より感謝を述べたい。


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