アランフエス観光のノウハウ
マドリッドからすぐ近くにある緑豊かな街、、、昔からスペイン王室が好んだこの地には彼らの 離宮があります。なぜか、日本人の中でも女性に人気のある街ですね。ホアキン・ロドリーゴが 作曲したアランフェス協奏曲と言うギターコンチェルトでその名を世界に知られる街でもあります。 そんな曲は知らないと言う方、レコードを買ってその第2楽章を聞いてみれば必ずどこかで 聞かれたことのあるメロディーだと思います。知らず知らずのうちにどこかで耳にしている、、、 それだけ有名な作品です。 この作品のおかげで、日本人にもアランフェスと言う地名に聞き覚え のある方が多いのですが、残念ながら、スペイン人に向かって”アランフェス”と発音しても まず、通じません。ほとんど”アランホエス”と”エ”にアクセントを置いて 発音すればきっと通じるでしょう、、、。 タホ川に潤されたこの地には 昔から、イチゴ、アスパラガス、トウモロコシなどの栽培が 盛んです。
観光モニュメント
まずは”王宮(離宮)”ですね。ここは、本家本元のマドリッド王宮のまわり、その近郊の 町々に幾つか築かれた離宮の中の一つです。数世紀に及んで建てられているので、一つの建造物 で有りながら、幾つもの様式の交じり合った作品です。まぁ、スペインの歴史的建造物は、どれも そうですが、、、。内部見学が出来るので、是非とも行ってみましょう。やはりこれがこの街の 観光のメインでしょう。内部を見終えたら、ちょうど裏へ回り込むと大きな庭園が広がってい ます。そちらの散策も御忘れなく。
次に”農夫の家”と呼ばれるものがありますが、これをその名称から想像すると、とっても 田舎風な物を思い浮かべますが、これも王室のもので、立派な邸宅と言うか、ほとんど規模の 小さな王宮と言ってもいいでしょう。私にとっては、実際、この街の王宮よりも、この農夫の家 の方が素晴らしいものです。
それから”漁夫の家”と呼ばれるものも、この近くにあるのですが、こちらはと言うと これもまた、王室のもので、18世紀、19世紀の王様や御后の個人的持ち物であった、川遊び 用の船を保管、展示してあるところです。これらの船で、この街を流れるタホ川下りをして 楽しまれた訳ですね。
観光ノウハウ
さて、まず、この街へ行かれる方は、ほとんどがマドリッドにお泊りだと思います。 マドリッドからのアクセスの仕方として、バス、列車、タクシーと3つの方法があります。 タクシーだと、ゆっくり観光では無く、それぞれのモニュメントを見ている間、待ってもらって そのままずっと同じタクシーを使い続けて、最後、またその車でマドリッドまで戻ってくると 言う方法が一番経済的でしょうね。前述の王宮以下、計3つのモニュメントはそれぞれが 少しづつ離れているので歩いてまわるわけにはいきません。その点、タクシーの貸し切りと 言うのも便利な手ではあります。ただ、経済的に、できれば、半日で戻って来るようにしたい ところでしょうか、、。だったらタクシー代も3万円もあれば足りるでしょう。3、4人で割れば まぁまぁ、、、と言う所でしょうか?
さて、その他、バス、列車、どちらでも良いと思いますが、もしも、5、6、9、10月に来られるので あれば、更に条件がありますが、、、もしも土曜、日曜にあたれば、”イチゴ列車”と言うのが 運行されていますので、是非、これを利用しましょう。これはかつて、マドリッドの王室に アランフエスからイチゴを運ぶために作られた鉄道で、昔の蒸気機関車を再現したものを今も走らせて いるものです。乗務員も昔ながらの衣装を着た女性達です。SLの好きな方は勿論、そうで無い 方でも、最高に楽しめると思います。列車の中で、18、19世紀頃の衣装を身につけた女性が 手にかごを持って、皆さんにイチゴを配りに来ます。なんともタイムトラベルしたような気に させてくれます。更に、アランフエスに到着すると、一部ガイド付きの観光に連れていって くれます。勿論、これは強制でも何でもありませんから、時間さえ聞いておけば自分達で自由行動 するのも勝手ですが、どうせなら、一緒に行った方が、王宮、その他の入場料も含まれているので 得策でしょうね。説明はスペイン語、或いは英語になると思いますが、、、。そして、また 帰りも同じ列車でと言うことになります。このツアーに含まれていないものは昼食です。 これは時間を決めての自由解散となるので、地元のレストランで何かを食べるのもよし、何かお弁当を持参で行くのもいいでしょう。
さて、イチゴ列車では無く、全くのフリーで行く方は、もしも、前述の3つのモニュメントを 全部見る予定であるのなら、それぞれの場所で入場券を別々に買うのでは無くて、一ヶ所で3つ分を まとめた券を買うのが割安になります。ただし、ちゃんと時間的に3つを見に行くゆとりがあるの か、入場時間を確認してから買いましょう。もしも、時間的にどれかをはずさなければいけない ようであれば、私だったら、漁夫の家を削るでしょうか、、、。
王宮とそのお庭を見終わったら、お庭の前に幾つかあるお店で一服しましょう。もし、おやつを 食べる余裕がお腹にあったら、ここの名物、”イチゴのクリームがけ”を食べましょうか。 スペイン語で”FRESA CON NATA”、或いは ”FRESON CON NATA”、と書いてあります。 注文する場合は”フレサ・コン・ナタ”または、”フレソン・コン・ナタ”と発音します。 両者の違いは別に無いと思って頂ければいいのですが、敢えて言えば、後者の方が、特に大きな イチゴを使っていると言う意味になるのですが、その辺りは必ずしもそうではありません。
フリーで行って、更に十分に時間がある人は、ここから路線バスに乗れば、30分程でしょうか、 、、 チンチョン と言う村へ行くこともできますよ。またその村からもマドリッド行きのバスは出ています。
「ABC OF SPAIN」に記載のすべての事項に関する無断転載をお断り致します