アビラ観光のノウハウ
スペインで城壁の街、、と言えばまず頭に浮かぶのがこの街、アビラでしょう。 かつてのキリスト教徒とイスラム教徒の争いの時代に築かれた見事な城壁が、素晴らし保存状態で この街を取り囲んでいます。マドリッドから日帰り可能な、世界人類遺産に指定された街の一つです。 また、ここは聖人の街としても知られています。カトリックの世界では非常に有名な聖人テレサ、 スペイン語で”サンタ・テレサ・デ・アビラ”、または、”サンタ・テレサ・デ・ヘスス”、 日本では”大テレジア”、とか,”アビラのテレジア”、と呼ばれている人物が生まれ育った 街、そして、彼女と共に活躍した、”十字架の聖ヨハネ”のゆかりの地でもあります。 私にとって、何かしら歴史の影と言うか重々しさを感じさせる街でしょうか。
観光モニュメント
まずは城壁そのものが見ごたえのあるモニュメントだと思いますが、入場モニュメントとなると
ここでもやはりカテドラルでしょうか。これは12世紀、スペイン最初のゴシック建築に
よる大聖堂です。ロマネスク建築の終わりからゴシックへの過渡期にあたるのでそれらが
入り交じった建築と言うべきでしょうか。無料で入れる部分と有料の部分とに別れます。時間に
ゆとりがあって、特に教会関係に興味のある方は有料部分も入ればいいでしょう。この教会は
なんと街を取り囲む城壁の一部をなしている典型的な要塞建築による教会です。街の防御の役割
も果たしているわけですね。
次にサンタ・テレサの教会でしょうか。もともと彼女の家があった場所に後に教会を建てました。 昔のまま残されたお部屋もあります。
城壁の外にも素晴らしいモニュメントがあります。エンカルナシオン修道院に サント・トマス修道院でしょう。 前者がサンタ・テレサが修道女生活を送った 修道院で、素足のカルメル会修道院で、後者がドミニコ会修道院です。 共にキリスト教徒の 方には勿論、そうでない方にもカトリックの国、スペインを訪れたからには これぞこの国の 文化の根底に流れるものですから、 一度は足を運んで欲しいモニュメントですね。
最後にサン・ビセンテのバシリカもあげておきましょうか。どうしてもこの街のことに 触れるときには 宗教的なお話が多くなってしまうので、ここは 聖ビセンテのお墓だと 言うことだけにとどめておきましょう。
まず、この街は完全に傾いた地形を持っているので、歩いて観光を行う際、出来るならば 上から下へ歩くのがずっと楽です。言うなれば大聖堂やサン・ビセンテのバシリカのある側から 旧中央広場を抜けてサンタ・テレサの教会の方へと観光を進めるべきでしょう。まぁ、仮に逆に 回ったからと言って、そう極端につらい訳でもありませんが、、、。 城壁の外に新中央広場がありますが、その広場から城壁をくぐるとすぐ左に城壁へ登る階段が あります。ちっぽけな小屋が立っていてそこで入場券を買って登ることが出来ます。 更にもう一箇所城壁への上り口がありますが、それは大聖堂の すぐ横の門をくぐったすぐ左手にあります。 城壁の上からの見晴らしは一見の価値ありです。 ただしお昼休みがあるので要注意。
城壁の外にあるエンカルナシオン修道院と、サント・トマス修道院は歩くとちょっと 遠いです。 車の無い人はタクシーを利用しましょう。
この街は標高1000メートルをこえる位置にあります。夏はいいのですが、冬前後の季節に 行く場合は 十分に警戒しないと、大変冷え込むことがあります。まわりの山々は勿論、 町中も雪に覆われることも有りますのでスペイン風邪をひかないように要注意!!
見事な城壁に囲まれた街の外観を写真に収めたい人は 街の西の方にCUATRO POSTES(クアトロ ポステス)と呼ばれるローマ時代の小さな遺跡のある高台があります。歩くとちょっと距離が ありますから、タクシーで行くといいでしょう。ここからいい写真が撮れます。ただし、午前中は 逆光です。
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