チンチョン観光のノウハウ
マドリッド近郊の、この小さな村、何の変哲も無いこの村が、いつの頃からか、日本人観光客も 含め、世界中の観光客が訪れる所となってきました。一体、ここに何があるのでしょう? 地元の人は、自分達の村の宣伝をする時に、こう答えます。”ここには素晴らしいチョリッソ( 腸詰め)がある” 、”にんにくが名産だ”、”村の名前そのもので呼ばれるチンチョン(アニース酒)が有名だ”、 などなど、、、、。(アニース酒とは 氷を入れると白濁するお酒で、甘口と辛口とはっきりと 別れます。甘口は物すごく甘く、辛口は物すごく辛いと言う両極端な酒です。辛口で強いものに なると、ほとんどアルコールに近いものもあります。) さて、こう言ったものは 近郊に住むスペイン人にとっては たまに休日を過ごすのに良い所かも しれませんが、それだけでは わざわざ外国から来た人々が訪れる所でも無いように思われます。 それなのに、多くの方々が足を運ぶこの村には、何か他に良さがあるのでしょうか、、、。
観光地で無い観光地?
近代化されずに、昔の町並みがそのまま残っていれば、特に巨大な建造物がなくても、それはそれで 素晴らしい感銘を与えてくれるでしょう。田舎街で、昔ながらの人々の気質が今もなお 保たれているような所、、、これも素敵ですよね。何度も旅をしていると、特に同じ国を何度も 訪れると、そのうち、人々が求めはじめるのは、巨大なモニュメントよりも、住んでいる人そのも の、そこにある町並みそのもの、あるがままの生活臭のする質素な飾り気のない姿なのかも しれませんね。こう言う街や村は、一般的には観光地としては扱われないでしょう。 でも良さがある、、、つまり観光地では無い観光地なのです。おそらく、ここ チンチョンもそう言う所なのでしょう。ただ、そう言う村も人々に知られ始めると、 だんだんと生活臭は消えていくのです。この村も少しその匂いが薄らぎはじめてますね。 早めに足を運んでおきましょう。自分の住んでいる国、街には、是非とも人を案内してあげたい 自分なりの穴場があるものでしょう? 私が日本にいた頃、京都に住んでいましたが、仕事で案内 する所と個人的に友人を案内する所は お寺一つとっても、違う所でした。今、住んでいる スペインでも、やはりそう言う穴場は沢山ありますが、そのうち、大型バスでの観光が押し寄せる ことを考えると、それをあまり公開するのも、、、、と言うジレンマがありますね。これって エゴイズムでしょうか、、、、。
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