レオン観光のノウハウ
何と言っても大聖堂(カテドラル)ですね。 ここはサンティアゴ(ヤコブ)巡礼路
の大切な中継地点にあたる街なので、昔から数限りない人々がこの街を訪れ、そしてこの聖堂で
旅の安全を感謝し、また祈りをささげて通り過ぎていったのです。この巡礼路はスペインを語る
時に、決してはずすわけにはいかない、あまりにも重要なものですが、ここではレオンの街の
説明にとどめましょう。(巡礼路について知りたい方は街名を選ぶページに戻ってサンティアゴ・デ・コンポステーラをクリックして下さい。)
さて、この大聖堂は前述した
ように、スペインにある沢山のカテドラルの中でも最も素晴らしいステンドグラスを持っている
ことで知られています。それも昔のままのオリジナルがほとんどです。この国のステンドグラスは
1755年11月1日にポルトガルを襲ったリスボン大震災の影響と、1936年に勃発した
スペイン市民戦争、更に1808年のナポレオン戦争の影響で、その多くが崩れ落ちてしまい、現在見られるものは 今世紀になって
からの再現が多いのです。そう言った中で、ここレオンのカテドラルのステンドグラスは非常に
貴重なものと言えるでしょう。是非、ご覧になって下さい。はっきりとテーマを持って作られて
います。
それから、サン・イシドロのバシリカ(お墓)も見所です。外から見た時の建築様式の不思議な 違和感、、、様式が統一されていないために生じるものですが、中に入るとローマ建築の 王室のパンテオン(お墓)もあり、、その壁画とフレスコ画は見ごたえがあります。
そして、観光モニュメントではありませんが、この街のパラドール(国営ホテル)はスペイン屈指 のホテルで、外見だけでも見る価値有りです。出来れば中でお茶をするなり、リッチに夕食を とるなりしてみるのもいいでしょう。建物に入ってコンセルジュの前あたりに、回廊へ出るガラスの 扉があります。そこから回廊へ入って、ぐるっと一周回って見ましょう。それだけでも素晴らしい モニュメントと呼ぶことが出来ます。ここはかつての修道院後を使ったホテルなのです。
まず、大聖堂ですが、正面門の中央に、マリア様の像があって、その左の方にある数本の柱の上に キリスト教の12使徒のメンバーの像が乗っかっているのですが、その内の一本だけ人間の手の 形に柱の一部が摩耗してへこんでいる所があります。これは、長年の間、ここを訪れた巡礼者達が 聖ヤコブの像が置かれたこの柱に手を当てる習慣から出来上がったへこみ なのです。皆さんも、このヤコブゆかりの地を訪れたからには 宗教に関係なく、聖堂に入る前に 挨拶として、一度は手を置いてみましょう。
さて、中へ入ると、その内壁の大部分がステンド グラスに覆われているのに驚かされますが、ステンドグラスが最もきれいに見られるのは朝と 夕方です。大聖堂と言うのは通常ヨーロッパでは正面玄関が西向きで、大祭壇が東の方向に作られ ます。そのため、朝日と夕日のさす時間帯が東西に作られた円形ステンドグラスを最もきれいに 浮かび上がらせるタイミングとなるのです。また、出来れば土曜日にこの街の観光をするように すれば、この聖堂では一日に数回の結婚式が行われることがあるので、そのどれかに行き当たる 可能性が大でしょう。なかなか日本には無い雰囲気で興味深いと思います。 それから、夜、暗くなってから必ず大聖堂の夜景を見に行きましょう。圧巻です。
次に、サン・イシドロのバシリカですが、建物に向かって立つと、中央と左右に 三つの門があるのが判ります。右側の門は「許しの門」と呼ばれますが、これは 常に閉まっており、左側の門は、パンテンオンと美術館への入り口で、開館時間には いつも開いています。一見の価値ありです。 中央の門は、24時間、閉ざされる ことはありません。 夜中でも出入りできるようになっており、誰でもいつでも 祈りに来れるようになっています。
この町にある5つ星のパラドールですが、歴史的な建物であるだけに宿泊者では なくても中を見学したいと言う衝動にかられる人は少なくないと思います。 が、門をくぐると、左側、つまりカフェテリアへは入れますが、正面方向、つまり レセプションへの入り口には「宿泊者以外の立入りお断り」との看板が立っています。 本来、これは守るべき事なのでしょうが、一つ、裏技をご紹介しておきましょう。 門をくぐって、左方向へ、つまりカフェテリアへ迎います。 せっかくですから、 ここでせめてコーヒーの一杯でも頂きましょう。 そして、このカフェテリアの カウンター横にあるお手洗いへの通路に入ります。ここのお手洗いが、実は そのまま、奥へ続いているのです。 つまり、お手洗いを利用したあと、カフェテリアの方向へ戻らず、もう一方の方向へ進むと、そのままパラドールの中へ進めます。 エレベーターの前に出ますから、そこから左へ行くと奥の立派なサロンも見学 出来ますし、エレベーターの前を通過すると、そのままレセプションのあるホールへ 出ることが出来ます。
次に、モニュメント見学だけでなく、この街で是非とも楽しみたいのは 夜のバル(バー)めぐり でしょう。 大聖堂の周りに地元の人がバリオ・ウメド(湿った地区)と呼ぶ酒場街が広がって います。マドリッドやバルセロナの様な都会と違って治安も良いので、ここは是非夜の街に 繰り出したいところです。この辺りはロゼと赤ワインの上手い所です。酒のつまみに何を 頼めばいいのでしょう???
勿論、迷わずセシーナを注文しましょう!! これはレオン県の名物です。 生ハムと言えば、スペイン全国で美味しいのが食べられますが、このセシーナはこの街だけです。 これは牛の肉で作った生ハムの様な薫製のようなもので、噛めば噛むほど深い味が出て、ワインの うまみには最高です。 薄くスライスしてくれたものを そのまま食べてもいいのですが、それにオリーブオイルをたらして、更にレモンをたっぷりと絞っても良いものです。 これは 小奇麗なカフェテリアなんかでは 出してくれません。小汚い飲み屋で頼みましょう。
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