4月30日現在

新農林水産大臣にヘスス・ポサダ氏、意外な任命

ロヨラ・デ・パラシオス農相がヨ−ロッパ議会選挙出馬のため、
農相を辞任するが、かわりの新大臣として昨日ヘスス・ポサダ氏が
アスナル首相より任命された。現商業観光業担当事務官のエレナ・ピソネロ
氏が有力候補と噂されていただけに、周囲に意外感を与える結果となった。

ポサダ新大臣はもとカスティ−ジャ・レオン州首長、96年には
勧業大臣候補として名前が挙がっていた。そのため、空港の混乱問題から
アリエス・サルガ勧業大臣の進退が取り沙汰されたとき、後任として有力視されていた

さらにマスコミや関係者の間では、アスナル首相は、新農相にピソネロ氏を
任命し、その場を利用してアリエス・サルガ勧業大臣解任、後任にポサダ氏の
就任を発表するだろうとみられていた。しかし、ふたを開けてみると、勧業大臣ポスト
には動きはなく、ポサダ氏の農林水産大臣への就任が発表されたのみとなった。

発表の場で、アスナル首相は一連の空の便の混乱問題についてコメントした。
一昨日、「私のせいにするのはばかげている。」と国会で発言した勧業大臣
とは一線をかくし、国民や旅行者に大変な迷惑をかけていることを申し訳なく
思うと、謝罪の意を表明した。


4月30日現在

レプソル、アルゼンチンの石油会社の株を公開買付

スペインの最大手石油会社レプソル・グル−プは、昨日、アルゼンチンの
石油会社YPHの株式の公開買付のオファ−を発表した。レプソルは既に
同社の株15%を所有しており、買付は残りの85%をタ−ゲットにする。
この買付けが終了すれば、レプソル・YPHは世界で第10位の石油会社となる。

レプソルはこの買付に2兆800億ペセタ(およそ134億4千万ドル)を投入。
YPH株1株あたりの買付値段は44.78ドルに設定された。これは現在の市場の
実勢の値段におよそ25%のプレミアムがつけられている。


4月30日現在

「車のない日」キャンペ−ン、バルセロナでは成功、
マドリッドでは失敗

昨日、交通量をすくなくする「車のない日」キャンペ−ンが行われたが、
バルセロナでは、通常より12%少ない交通量を記録。騒音は2.5デシベル
低下、大気汚染も通常の69%程度となった。
バアルセロナ市役所も、全面協力。道路を規制する、350台の自転車を
貸し出すなどした。プジョ−ル・カタル−ニャ首長も昨日は地下鉄で出勤した。

一方マドリッドでは、わずか3%の交通量減少を記録するのみとなった。
天気があいにくの雨となったこともあるが、このキャンペ−ン、ほとんどの
市民に無視されたかたちとなった。


4月29日現在

「私に罪をきせるのはばかげている」勧業大臣、空港混乱問題で

昨日、アリエス・サルガ勧業大臣は国会で、現在の空の便の混乱問題に
ついて、答弁した。一連の混乱の責任は、「イベリアのパイロットのストと、
航空会社が自分のキャパシティ−以上の便を運行していたことにある。」とし、
「私の責任だとするのはばかげている。」と述べた。

野党PSOE(社会主義労働者党)の議員達はこの答弁に対し、「責任の
所在を主張するだけで、解決策をなにも提示せず、残念だ。」と語っている。

勧業大臣が具体策を提示できないなか、スペイン航空会社協会の会長、
フェリペ・ナビオ氏は問題解決に、勧業大臣ではなく首相自らが乗り出すよう
アスナル首相に直訴するまでにいたっている。

昨日のマドリッド、バラハス空港では全体の74%の便が15分以上の遅れを
記録。バルセロナ、プラット空港では強風の為ひとつの滑走路がしよう不可能となり
全体の55%の便が遅れて出発した。


4月29日現在

イベリア航空株引き受け企業決まる

Caja Madrid(マドリッド信金)、BBV(ビルバオ・ビスカヤ銀行)、
Tabacalera(タバカレラ)、El Corte Ingles
(エル・コルテ・イングレス)、Ahorro Corporacion
(45の信金からなる組合)の5社がイベリア航空の新たな大株主となる。
Caja Madridは資本のの10%、BBV7.3%、タバアカレラ6.7%
のこり2社はそれぞれ3%、5社ト−タルで全体の30%の株式を所有することになる。
むこう3年間、これらの会社はイベリア株を保有し続ける。

すでに、2月にブリティッシュ・エア−(9.3%)とアメリカン・エア−ライン
(0.7%)の株購入が決定されていた。今回はスペイン企業のなかから購入者
が選ばれた。株は1%あたり58億ペセタとなった。
市場での取引は今年10月からの開始が予定されている。


4月29日現在

工学部学生、新建築発注法に反対のデモ

昨日マドリッドで工学部の学生15000人が、政府によって国会に
提出されている新建築発注法(LOE)に反対するデモをおこなった。

これは、技術者(Ingeniero)と建築家(Arquitecto)の
2つの業種間の問題。「技術者」の卵である工学部の学生達は、
新法LOEによると、建築物の発注は「建築家」に非常に有利になるとして
反対している。


4月28日現在

アスナル首相5月4日まで議会に登場せず

5月4日に臨時国会が召集され、NATO会議の報告がアスナル首相に
よって行われることが決まった。

しかし野党は、もっと早急な報告を要求。本日の国会でカスコス副首相が
ユ−ゴスラビア問題における政府の政策を説明するが、それは副首相ではなく
首相自らが行うべきだとしている。首相はモロッコとの首脳会談の為本日の
国会での答弁はできない。

イギリス、フランスの両首相は昨日国会でNATO会議の結果報告をした。
ドイツのシュロ−ダ−首相は帰国後すぐに各党の党首を召集し報告を行っている。
このような他のNATO加盟国首相とくらべると、会議が終了してから9日後に
報告を行うアスナル首相の態度は野党にとっては理解しがたいものとなっている。


4月28日現在

本日、F.C.バルセロナ100周年記念試合

サッカ−チ−ム、F.C.バルセロナは今年100周年をむかえる。
それを記念し、本日ブラジル代表チ−ムをむかえホ−ムスタジオ
カンプ・ノウで試合が行われる。

ロマリオ、ロナルド、リバルドをそろえるワ−ルド・カップ準優勝チ−ムと
現在リ−グ首位を独走するバルサとの豪華な顔合わせ。本日夜9時に試合開始。


4月28日現在

国政討論会、6月末に開催

PPと同盟民族主義政党、CIU(カタル−ニャ連合)、
PNV(バスク国民党)、カナリアス連盟、は国政についての
討論会が例年より1ヶ月ほど遅い6月末に開催されることに同意した。

政府サイドは「単なるミ−ティングにはしたくない」として、準備
に時間をかけ、テレビで生中継をするおおがかりなディベ−トにする
ということで開催時期を遅らせることを説明している。

野党側は6月の地方選挙前の開催を要求していたが、却下された
かたちとなった。PSOEのボレル首相候補は
「政府は選挙前に、ユ−ゴ問題や内政問題など政府の弱点が
追求される場を持ちたくないからだ」と開催延期を批判している


4月27日現在

テロ犠牲者賠償新法、まだ議会に提案されず

テロの犠牲者に対する賠償法案の議会への提出がてこずっている。
すでに2月9日に草案は提出され、4月9日に閣僚会議で承認をえている。
同じ日に、カスコス副首相は早急に法案を国会で通過させることを確約した。
しかし、その後未だに下院での法案提出すら行われていない。これはまだ、
具体的な賠償金額のテ−ブルが出来ていない為。

この事態に対し、野党PSOE(社会主義労働者党)とIU(左翼連合)は
「まだ煮詰まっていない法案の制定を、宣伝果のために確約した」ものとし
批判。賠償金額のテ−ブル設定は過去の裁判の記録などを全て学習しなければ
ならず時間がかかるということは判りきっていたはず。それなのに、
副首相が「すぐに新法を成立させる」と公約したのは、政府のバスクの
平和交渉における態度が消極的だと言う批判をかわすためだ、というのが
野党の意見。


4月27日現在

ワ−ルドユ−スサッカ−優勝者達に静かなお出迎え

昨日、金メダルを胸にさげた18人のサッカ−選手たちがスペインに
帰国した。選手達はナイアガラよりマドリッド、バラハス空港へ到着。

しかし、サッカ−連盟の幹部がだれも出迎えに来ていなかったことに
チ−ムに同行していた連盟メンバ−のアントニオ・ボラス氏は落胆を
隠せない。「世界一になって帰国すれば、他の国では大歓迎をうけるはずだ。
ここではスペインの国旗がひとつも見えないなんて。」と述べている。

監督のイニャキ・サエス氏は今日は平日。しかも選手がついたのは朝の
11時。人が少なくて当然。むしろ何百万人もの人々が決勝戦をテレビで
見ながら応援してくれたことに感謝したい。」と”優等生”的コメント
をしている。

今回の勝利は国内に「スペインサッカ−リ−グにもっとスペイン人を」
という議論を再燃させた。1部リ−グの選手にしめる外人の割合は年々
高まっている。


4月27日現在

PP(国民党)関係者4人、脅迫の容疑で起訴

テネリフェのPPの弁護士フリア・バンゴさんが、脅迫を受けていた
事件で、PP党員2人、PPの弁護士2人、その他2人が容疑者として起訴された。

フリアさんは、テネリフェ島北部のテゲステの都市計画工事に絡む不正を
調査中であった。その間に、数々の脅迫をうけ、昨年12月にはバイクに乗った
容疑者に襲われている。

PPのアレナス幹事長は、今回起訴されたうちPP内の役職についていた2人
にはすでに役職を辞任するよう告げていると述べている。


4月26日現在

マドリッド、バラハス空港53%の便が遅れる

昨日のマドリッドバラハス空港では午前8時から午後6時の
あいだで、256便のうち147便が15分以上の
出発の遅れを記録した。平均すると24分の遅れとなっている。

空港側の発表によると、昨日の遅れの原因は、気象状況によるもの。
マドリッド周辺で、1日中強風があったため離陸に困難が生じたとの事。

本日、イベリア航空とパイロットの労働組合のあいだに話し合いがもたれる。
両者の間に合意がみられないまま話し合いは1週間の間凍結されていたが、
今日再開されることとなった。

一連の空の便の混乱で、政府および勧業大臣の責任を追及する声は、
野党を中心にやまないが、アリアス・サルガド勧業大臣はある新聞社との
インタビュ−で、「PSOE(社会主義労働者党)政権のとき、政府は
1991から1996年にかけ就航便数が40%増えていたのに、
空港管制官を削減した。それが現在の混乱の大きな原因だ。」とPSOEの
責任を指摘している。また「150人の管制官を増員したところで、
さらに今150人が研修期間を終えようとしている。別の150人がさらに
研修中である。」と2003年に向けて大幅な空港職員増員が予定されている
ことを明らかにした。


4月26日現在

極右グル−プの集会で衝突

昨日、ビルバオにて、極右集団「国家統合のための同盟(AUN)」
のリ−ダ−、イネストゥリジャス氏とその支持者およそ30人が集まった。
この集会へ反対するHBなどの勢力と警察のあいだに衝突がおき、8人の
逮捕者がでる結果となった。

AUNの集会は警察に守られながらおこなわれた。しかし、イネストゥリジャス氏
とその支持者がビルバオへ到着するやいなや、集会を阻止しようとする
HB、Jarraiなどの民族主義グル−プはデ電話ボックス、
ごみ用コンテナに放火をはじめた。また、周辺の建物への投石もおこなわれ、
銀行の支店数件のガラスが壊される結果となった。後に、8人がバスク警察に
よって逮捕された。

AUNの集会はここのところ各地で行われており、ビトリアではAUNメンバ−
投げられた石が頭に当たり、怪我人がでた。昨日の演説のなかで、6月の
地方選挙前に再びバスクに戻ってくると極右集団のリ−ダ−は確約した。


4月26日現在

大蔵調査官、調査対象企業に金銭を要求。

大蔵省カタル−ニャ支局は、アルバロ・ペルナス調査官を
調査対象企業に賄賂を要求していた疑いで告発した。

ペルナス容疑者は、カタル−ニャの3つの企業に、監査を企業側に
有利に進めることを条件に金銭を要求。

大蔵省関係の汚職疑惑では先日すでに、株のインサイダ−取引および
脱税の疑いで、大蔵官僚フゲット、アギラ−ル両氏に対する
取調べが行われている。ペルナス氏は彼らと共に、大蔵省内部の株式投資
グル−プにはいっており、投資の指示を出4靴討い拭


4月23日現在

闘牛士ヘスリン・デ・ウブリケ突然の引退表明

人気闘牛士、ヘスリンことヘスス・ハネイロさん(25歳)はセビ−ジャにて
突然、闘牛界からの引退を表明した。

ヘスリンは1990年に正闘牛士に昇格して以来、第一線で活躍していた。
1995年には161のオレハ(牛の耳のことで、見事に闘牛をしとめたときに
贈られる。その数によって、闘牛士はランク付けされる。)を獲得し、
ナンバ−1の座にかがやいた。

引退の理由として「少し疲れたようだ。もう闘牛に夢がいだけなくなった。
興行契約こなす為だけに闘牛はつづけたくない。もうすぐ子供が生まれ
父親になるのを機会に、仕事をはなれ自分の人生を楽しみたいと考えた。」
とかたっている。

完全な引退なのか、と言う報道陣の質問には、「2、3年休んだ後に
復帰する可能性もあるかもしれないが、今はなにも考えていない。」
と答えた。


4月23日現在

ロジョラ農林水産大臣、欧州議会へ出馬

6月13日に予定されている欧州議会選挙の
PP(国民党)の候補者リストのトップには
ロジョラ・デ・パラシオ現農林水産大臣が
たつことにほぼ確定した。今日にも正式に発表される。

ロジョラ大臣は48歳、独身。法学を専攻し1986年
より議員を務める。彼女の交渉力は、EUの数々の会合で
すでに高く評価されている。


4月23日現在

「サモラ事件」関与の2議員辞職

サモラにおける公共事業の発注において不正な金銭の
授受があったとさあれる「サモラ事件」。この事件に関与し
建設業者から不正にマ−ジンを受けっとた疑いて取調べを
うけているPP(国民党)の2議員が辞任を表明した。

この事件は今、国会議員が関与していることから最高裁で
審議されている。この2議員の意図は、彼らが議員で
なくなることにより、この件を最高裁から、サモラの裁判所へ
戻すこと貲ある。

先日、最高裁にて事件関連の建設業者がアスナル首相に100万ペセタ
を献金したと証言したばかり。首相の関与が疑われはじめた今、
PPとしてはこの事件を最高の司法機関から一地方の裁判所へ移したい
とういのが本音か。


4月22日現在

マドリッド発便93%が遅れ

ここのところ、もう毎日の話題になってしまっている空の便の
遅れ。昨日マドリッド、バラハス空港では全便の93%が遅れて
出発するという結果になった。キャンセルは20便にのぼり、
うち18便がイベリア航空。バルセロナ、プラット空港では
45%の便が遅れた。

空港、航空会社はユ−ゴスラビアの戦争を混乱の原因として
挙げているが、ヨ−ロッパ全土の空路を管制する組織、
ユ−ロコントロ−ルは、スペインの航空便の遅延は
ユ−ゴスラビアの戦争によるものではいと見解した。
他のヨ−ロッパの主要空港で何の混乱も起きていないことから、
スペインけが戦争による影響を受けているとは考えられないとのこと。

一連の混乱の責任を追及されている勧業大臣アリアス・サルガド氏に対する
辞任要求は、一昨日議会で否決された。辞任反対、すなわち勧業大臣擁護側に
回ったCIU(カタル−ニャ連合)党首のプジョ−ル氏は「大臣に責任がないと
は思わない。辞任要求に反対したのは政府PP(国民党)との同盟のため。
政府を混乱させたくなかったから。協力関係を維持するには時にはいやなことも
受け入れなければならない。」と述べている。


4月22日現在

アスナル首相「サモラ事件」での金銭の受領を否定

サモラでの公共事業をめぐる汚職疑惑で、建設業者からアスナル首相に
金銭が贈与されたとの疑いがもちあがっている。
「サモラ事件」の公判で、ある建設業者が1987年にアスナル氏に
他の会社経営者と一緒に合計300万ペセタを政治献金として渡したと
証言している。

昨日議会で、PSOE(社会主義労働者党)の議員から、不正な金銭の授受に
関連した以上は、辞任して責任を取るべきではないか、との質問がアスナル氏に
向けられた。これに対首相は、いっさい。違法な金銭のやり取りには関与していない
と、「サモラ事件」関与を否定、さらに、不正な金銭授受に明け暮れているのは
PSOEだと激しく抗議した。


4月22日現在

国家監査局所長インサイダ−取引関与の疑いで辞任

大蔵省や監査局関係者のなかで80年代に集団で株式投資
をしていたグル−プがあった。それが大蔵省の内部情報を
利用したインサイダ−取引をしていたとして調査されており、
すでに元大蔵省幹部のアギアル、フゲット両氏のスイスの秘密口座
が発見されている。

バルセロナ国家監査局所長のモンラト氏はこのグル−プに所属していた
ことを認め辞任した。モンラト氏は2年前から同職についていた。


4月21日現在

イベリア航空年内に16、368便を削減

昨日、イベリア航空は空の便の混乱解消の為、6月から12月
にかけて飛行が予定されている便のうち16、368便をキャンセルすると
発表した。1日あたりおよそ77便削減されることになる。

イベリア航空がこれを発表したのは、議会が始まる直前。昨日の議会では
野党から空港混乱の責任は勧業大臣にあるとし、大臣の辞任請求が出されていた。
イベリアの決断は勧業大臣を助けるかたちとなり、投票結果は164対145で
勧業大臣は辞任を免れた。

イベリア航空は、他の航空会社にも便削減に同調するよう求めたが、スペインの
大手2社、エア−・ヨ−ロッパとスパンエア−の回答は明白、「ノ−」。
事業発展の計画を犠牲にする気はないとのこと。


4月21日現在

サンタンデ−ル・セントラル・イスパ−ノ銀行株暴落

昨日、サンタンデ−ル・セントラル・イスパ−ノ銀行(BSCH)株が
5.09%と大幅な下落を記録した。サンタンデ−ル銀行とセントラル・
イスパ−ノ銀行は先ごろ合併されたスペイン最大の銀行だが、合併が発表
されてから2行の株価はかなりの上昇をみていた。昨日は利益確定の売りに
押され、マドリッド市場も軟調な地合だったことから下げに歯止めが
かからなかったものと思われる。

ニュ−ヨ−ク市場の下落を6けヨ−ロッパ市場も下落。マドッド市場は
1.65%の下げとなった。スペイン経済には依然強いインフレ懸念がある。


4月21日現在

グアラダハラ議会会計に46億ペセタの架空債権

グアラダハラ議会の会計を調査していた会計裁判所は同会計が
全く実態を反映していないと指摘。

1995年の会計ではおよそ59億ペセタの債権を持っていることに
帳簿上なっているが、そのうち46億ペセタは、権利が認められないもの、
または帳簿記入上のミスであった。帳簿記入ミスだけでも8億ペセタ分に
のぼる。

グアラダハラ検察は、当時グアラダハラ首長だったフランシスコ・トメイ氏
および関係者を公文書偽造の疑いで調査するもよう。


4月20日現在

イベリア航空45便を削減

スペインの空港の混乱は続いている。昨日、マドリッド、
バルセロナでは84%の便が遅れを記録。3月末の復活祭の
連休から続いているこの混乱、利用者の忍耐は限界に来ている
ようだ。

昨日、イベリア航空社長と勧業省大臣の間に対策を話し合う為
会合が持たれた。イベリアは同社運行便の5%にあたる45便
を削減し、混乱の解消に努めるとし、同時に勧業大臣に他の航空会社も
便の削減を行うように説得するよう求めた。

勧業大臣は、空港のキャパシティ−としては1時間75便あり、
1時間64便しか離陸していない現状での混乱を理解しがたいものと
している。しかし乗員側は「我々のせいにするのはやめて欲しい」と戦争の
ため空路の規制が行われているなどの難しい状況を主張している。

責任の所在のわからないままの空の便の混乱が続くなか、消費者協会は、
航空便の遅れ、キャンセルなどに対する賠償のシステム改正を求める訴えを
おこした。現在遅延だけでは殆ど賠償の対象になっておらず、キャンセルの
場合でもチケット代は返還されるが、キャンセルによって引き起こされた
損害についての賠償は、認められるまでかなりの時間がかかっていると
協会は主張。迅速な対応と、便の遅れに対しても損害賠償を請求できるよう
なシステムの改正を要求した。


4月20日現在

亡命クルド人会議開催問題

バスク州会議で、反トルコ政府の団体「亡命クルド人会議」を
開催すると言う問題。これは、バスク州会議においてすでに可決され
ていたが、トルコ政府との関係に深刻な問題をもたらすことから、
政府は憲法裁判所にこの差し止めを求めていた。

バスク議会第1党であるPNV(バスク国民党)党首
アルサジュス氏は昨日、PNVは憲法裁判所の判断を尊重する、
と表明しながらも、アスナル首相の態度を、ユ−ゴスラビアの
ミロシェビッチ大統領と同じだと激しく批判した。


4月20日現在

ラ・コル−ニャでホテルのフロント係り殺される

昨日未明、ラ・コル−ニャのポンテデウメのホテル・エウメサ
においてフロント係りの男性が死体で発見された。

猟銃と思われる銃弾をうけ死亡したのはホセ・マヌエル・カミノ
さん、63歳。昨日の午前5時に通りかかったそのホテルの元従業員
によって発見された。ホセ・マヌエルさんを最後に見たのは、ホテルの
バ−の従業員。午前2時ごろにその日の売上をホセ・マヌエルさんに
預けている。この売上は全部残されており、ホテル関係者によると、盗まれたのは
従業員のチップを貯めていた分だけで、金額にするとわずかなものということ。

2月の末にもポンテデウメ近くでガソリンスタンド従業員が射殺されており、
2ヶ月足らずの間にこの地方で2度も銃器による殺人が起きたことになる。


4月19日現在

空の便またまた混乱

昨日はまた空港利用者の忍耐が試される日となった。
マドリッドとバルセロナの空港では合計46便がキャンセルとなり、
そのうち36便がイベリア航空の便であった。
国際便のおよそ55%、国内線の43%が送れての出発。
マドリッド、バルセロナでは平均28分の遅れ、マジョルカでは42分、
マラガでは40分となっった。

空港側は混乱の原因として、航空機、および乗務員のロ−テ−ションが
上手く行ってないこと、ユ−ゴスラビアとの戦争の為空路に規制が
増えていることなどをあげている。


4月19日現在

PP(国民党)、PSOE(社会主義労働者党)を7ポイントリ−ド

「EL PAIS」の春の世論調査によると選挙における指示率は
PPが24.3%と野党PSOEの17.6%に対して以前優位に
たっている。また、多くが国の経済的発展を認めているが
家計には反映されていないと感じている。詳細は以下の通り。

Q)明日選挙があるとしたらどの政党に投票しますか。
A)PP(24.3%)、PSOE(17.6%)、
  投票しない(15.6%)

Q)明日選挙があるとしたら、どの政党が勝つと思いますか。
A)PP(65%)、PSOE(12%)

Q)今の政府は10点満点で・・・
A)5.2点(総平均)

Q)スペインの経済的状況は・・・
A)良い(44%)、普通(37%)、悪い(18%)

Q)家計はの状況は・・・
A)良くなった(14%)、変わらない(70%)、悪くなった(15%)


4月19日現在

サッカ−リ−グ戦の結果

週末の試合の結果をふまえたあらたな1部リ−グの
順位は以下の通り。バルセロナの優位は揺るぎ無いものに
なっている。( )内はポイント数。

1.バルセロナ(62)
2.セルタ(53)
3.レアル・マドリッド(52)
4.バレンシア(51)
5.デポルティ−ボ(51)
6.マジョルカ(51)

ゴ−ル数
1.ラウル(レアル・マドリッド)−21
2.リバルド(バルサ)−19
3.ウルサイス(アトレティック)、クラウディオ・ロペス
  (バレンシア)、デリ−・バルデス(オビエド)−14


4月16日現在

ピノチェット将軍スペインへ

昨日、イギリスのストロ−内務大臣はチリの
ピノチェト将軍は拷問、暗殺関与に関して裁きを
うけなければならないと判断を下した。
元国家主席としての特権は認められないとし、
ピノチェト氏側から「人権的見地」より要求されていた
釈放を却下した。

ピノチェト氏はガルソンスペイン最高裁判事の訴えにより、
6ヶ月前にイギリスにて逮捕されていた。
去る3月24日に、既にイギリス最高裁判事によって、
ピノチェト氏の特権は認められず、逮捕は有効という
判断が出されていたが、最終的決断は内務大臣の手に委ねられていた。

ピノチェト将軍はスペインに引き渡され、裁判を受けることになったが
裁判の開始は、スペインに将軍が引き渡されてから4ヶ月後になるもよう。


4月16日現在

3月の物価上昇率0.4%、インフレ危険信号

3月の物価上昇率は0.4%、これで直近12ヶ月の
物価上昇率は2.2%となり、インフレ
圧力は依然として強い。

特に上昇が大きかったのは食料品、燃料、サ−ビスの
分野。サ−ビス部門に関しては3.8%の上昇を記録した。

スペイン政府の年間のインフレ率予測は1.8%、
また、欧州中央銀行はユ−ロ加盟国のインフレ率の
上限を2%としている。政府は、対策として今日にも
電気、ガス料金などの値下げを決定する。


4月16日現在

100便に7便のみが時間通り出発―バラハス空港

昨日、マドリッドのバラハス空港では出発便の93%が
遅れを記録するという、とんでもない結果となった。

平均すると40分の遅れ、マドリッド―バルセロナ
のシャトル便に関しては平均55分の遅れ。中には
10時間遅れで出発した便や、キャンセルされた便も
あった。

スパン・エア−の659便(アストゥリア行き)の乗客は、
6時間待たされた後、便がキャンセルとなった。既に乗客は
飛行機に乗っており、乗務員から降りるように説明があった
とき、およそ80人の乗客がそれを否定。彼らは飛行機の
なかで夜を過ごすと主張し、飛行機にたてこもるような
状態となった。乗客の1人、ホセ・ルイスさんは
「我々は、めまいがするほど飛行機のなかで待たされた。
その後で、こんな夜中に今度は降りろという。これはとても
納得できるものではない。」と携帯電話で機内からコメント
している。

空港側は遅れの原因として、乗務員のロ−テ−ションがうまくいって
いないこと、飛行機の故障があったことをあげている。


4月15日現在

新たな汚職疑惑「テネリフェ事件」

テネリフェPP(国民党)の元リ−ダ−、
フランシスコ・デ・ラ・バレダ氏の訴えにより
検察は昨日、PPのテネリフェでの汚職疑惑の
調査開始を決定した。

デ・ラ・バレダ氏は、カナリアス諸島におけるガス供給
事業、パルマの公園建設の2つの公共事業の業者決定に
おいてPPの産業部門担当者と業者の間で不正が
はたらかれたと訴えていた。これをうけ検察は
「テネリフェ事件」として調査を開始する。
既に公判が行われている汚職事件「サモラ事件」と並び、
PPにとっては選挙を前に大きな問題となろう。


4月15日現在

バスクでの「亡命クルド人議会」開催は違憲か

バスク州議会は、反トルコ政府の「亡命クルド人議会」
を同議会にて開催することを決定しているが、
スペイン政府はこの決定を違憲として、憲法裁判所に
訴えていた。
憲法裁判所は昨日、この件に関する結論がでるまでは、
バスク議会のクルド人議会招待の決定は一旦棚上げ
となる、と見解した。

バスク議会のこの決定は、トルコ、スペインの関係に
亀裂をもたらしている。スペインにとってトルコは
大事な貿易相手であり両国の関係の悪化は、経済的
に深刻な影響がでる。従って、スペイン政府は
合法的に、バスク議会の決定を無効にするため、
憲法裁判所へ持ちこんでいた。


4月15日現在

肉牛に禁止薬品投与、53人が逮捕

食用の牛には投与が禁止されている、牛を太らせるための
薬品を違法に販売していた組織が摘発され53人が逮捕された。

組織のリ−ダ−はマドリッドとムルシアの肉牛流通業者。
その他、アンダルシアの獣医、イベリア航空の乗務員
などが共犯として逮捕されている。

この薬品はECでは禁止されているもので、アメリカ、
韓国などからメキシコ経由でスペインへ持ち込まれていた


4月14日現在

犯罪のおよそ50%が未解決

昨日、検察と警察の幹部らの会合が行われ、その席で
検察側よりスペインで訴えられた犯罪のおよそ50%が
犯人検挙にいたっておらず未解決におわっていることが
明らかにされた。検察は警察にいっそうの努力を求めた。

会合では、犯罪の減少を目的とする数々の対策が話し合われた。
司法のプロセスをはやめる、犯罪通報専用電話をもうける、等が
提案されたが、検挙率が半分たらずである事実を前に効果的な対策は
なにもみあたらなっかたようだ。ちなみにスペインで1年間に
警察に訴えられる犯罪の件数はおよそ100万件。


4月14日現在

合法中絶の6%のみが社会保険利用―ガリシア

ガリシアで昨年行われた合法的中絶は2742件、
そのうちおよそ6%である、166件が公的機関で、
すなわち社会保険を適用しておこなわれたが、その他は
全て実費を各自が負担していることが明らかになった。

ガリシアの健康衛生部門の責任者エルナンデス氏は、
「病院を選ぶのは各女性の自由であり、社会保険
適用は義務ではない。」といっている。しかし、ガリシア州
で中絶を行える公立機関は1ヶ所のみで、昨年社会保険が
適用された166件の内半分は患者をマドリッドに送って
手術を行っており、設備の決定的不足は否定できない
事実であろう。

スペインでは中絶は、強姦の場合、母体に危険がある場合、
胎児に先天的異常が認められた場合、のみ認められている。
さきごろ、女性の意思によって中絶ができるように法の改正が
求められていたが、わずかな差で議会で否決されたところだ。


4月14日現在

ピケ産業大臣対PSOEの対立続く

野党PSOE(社会主義労働者党)はピケ産業大臣
の政府補助金に関する不正を糾弾し両者の対立は
深まっていたが、昨日さらにひと騒動。

議会の産業委員会において、ピケ大臣が同委員会の下にある
エネルギ−委員会の新メンバ−を指名したところ
PSOE側はそれに反対し委員会から党員全部が退場してしまった。
PSOEによると、新メンバ−はすべて「ピケ氏寄り」でピケ氏は
エネルギ−委員会を「飼いならそう」としているとのこと。


4月13日現在

電気、ガス料金値下げへ

政府および経済省は金曜にも電気、ガス料金の
値下げを決定する見通し。

これは、インフレ防止のための経済政策の一環。
スペインの2月のインフレ率は1.8%となり、ユ−ロ
加盟国の平均が1%に満たないなか、政府は欧州中央銀行が
上限としているインフレ率2%をスペインだけが超えることを
懸念している。さらにユ−ロ金利の引き下げ、石油価格の上昇
などインフレ圧力は強まる傾向にあることから、一連の経済対策
発動にふみきる。

エネルギ−部門の他、交通機関、衛生部門などのセクタ―で
も値下げ等が検討される。


4月13日現在

バスクで1時間のスト

昨日バスクのリサラ同盟(PNV、EH、EA、IUの連合、
すなわち民族主義政党+左翼連合)の政党により政府の
バスクにおける平和交渉での消極的な態度への抗議のため
1時間のストがおこなわれた。各政党は公共機関、一般企業、
市民等へ参加を呼びかけていたが、追随するものはあまり
多くなかったのがふたをあけてみた結果。公共の交通機関で
唯一このストに参加したのはビルバオの地下鉄。昨日12時から
1時までの1時間、一切運行されなかった。

これに対し、アスナル首相は「まったく理解しがたい行為」と、
バスク州首長みずからがストを先頭に立って呼びかけている
ことを批判した。


4月13日現在

セビ−ジャ市民警察発砲事件続報

土曜に、アルコ−ル検査をしていた市民警察が
検問を突破した車両に対して発砲し、同乗していた
女性が死亡した事件(4月12日の記事参照)で、
市民警察サイドはこの警察官の拳銃の使用はまったく
不適切なものであった、と認めた。拳銃は、本人(警官)
または第三者の生命が危険にさらられている
場合、市民の安全を守るため使用されるものであり、
このケ−スはそれに該当しないとしている。

発砲した警官は、女性の死亡を知って以来、精神的に不安定な
状態に陥っており「車の左のタイヤを狙って撃った」と
威嚇のためのみに発砲したことを繰り返し主張している。


4月12日現在

市民警察の発砲で21歳の女性死亡

事件は土曜未明、セビ−ジャにて起きた。
市民警察は通行車に対し飲酒検査を実施していた。
そこで、ベルトゥラン・サンチェス(20歳)の運転する車に
停車を命じたところ、彼は無視して検問を突破。そのとき
サンチェスは免許を携帯しておらず、また3年前に同じく検問に
遭い、所持していたハシシを発見されたこともあり停車せずに
逃走した。市民警察はパトカ−で追跡、その後「威嚇」の為に
発砲(警察側の見解)したところ、銃弾は助手席に乗っていた
サンチェスの恋人であるミリアム・ゴメスさん(21歳)の
心臓にあたり彼女が死亡してしまう結果となった。

発砲した市民警察は、ペドロ・ヒメネス(46歳)。直ちに
職務からはずされている。25年市民警察として働いていた。

ここで、誰にでも起こる疑問は、果たして飲酒運転の検問を
突破しただけの車に発砲する必要性があったのかどうかだ。
内務大臣は直ちに調査を開始することを確約している。


4月12日現在

バスク、ナバ−ラでまた家屋、車など放火

また、非民族主義政党の党員に対する攻撃が行われた。

被害に遭ったのはゲチュ団地(ビスカヤ)、そこには
PPメンバ−のビルヒリオ・メンデスさんが住んでいた。
またナバ−ラのビジャバ町長のアルフォンソ・ウカ−ルさん
(ナバ−ラ連合)の車も放火された。

「街頭の破壊活動」はバスクだけではなくナバ−ラにまで
広がってきている。昨日未明、パンプロ−ナをはじめとする
7ヶ所で、ごみ廃棄用コンテナが放火され、消防車が出動した。

HB(バスク民族党)は一連の破壊活動を行っている
若者達に対し、彼らのやっていることがもたらす政治的影響を
考えるよう呼びかけ、これらの破壊活動はHBのポリシ−ではない
ことを強調した。


4月12日現在

オラサバル、マスタ−ズを制覇

スペイン人ゴルファ−、ホセ・マリア・オラサバル選手は
昨日、2度目のマスタ−ズ優勝を成し遂げた。

オラサバル選手は94年にマスタ−ズで優勝した後、脚部の
故障に苦しみ、2年間一切試合から遠ざかっていた。
「もう一生プレ−できないと思うこともあった。」と、優勝後
苦しかった時期を振り返って語った。

また、同じくスペインからアマチュアとして参加したセルヒオ・
ガルシア選手(19歳)はアマチュア選手のなかでトップとなり、
将来が期待される。


4月9日現在

ユ−ロ金利2.5%へ

昨日、欧州中央銀行はユ−ロの政策金利を0.5%さげ
2.5%とすることを発表した。
利下げは予想されていたものの、大半の下げ幅の予想は
0.25%だったため、市場に大きなインパクトを与える
結果となった。

ドイスンブルグ総裁は「ヨ−ロッパ経済の成長は以前より
にぶっている。インフレの懸念はないので、経済刺激のため
利下げを決断した。」と述べ、引き続き好調なアメリカ、
回復のみられるアジア、ラテンアメリカ諸国と比べ、ヨ−ロッパ
の経済が鈍化していることに対する懸念も表明した。

これはスペインにとっては、良い決断だといえるのだろうか?
依然高い経済成長率を維持し、個人消費も好調な中の大幅な
利下げは、物価の上昇を引き起こしかねない。
ただ、期待できるのはロ−ン金利がこれによって下がること。
ちなみにスペインはユ−ロ加盟11ヶ国の中で住宅ロ−ン金利が
一番高いといわれている。


4月9日現在

セビ−ジャでネオナチグル−プ逮捕

八人のスキンヘッドの若者が、アフリカ人の青年を
襲い怪我を負わせた疑いで逮捕された。

事件が起きたのは3月26日。ギニア出身のR.Mさん
が友人達とセビ−ジャ市内でお酒を飲んでいたところ、
15、6人の若者達があらわれ、R.Mさんらを侮辱する
言葉をなげはじめた。若者達は、みなスキンヘッドで
鍵十字のマ−クの入ったTシャツなどをきていた。
R.Mさんらはかかわりあいにならないよう、その場を
立ち去ろうとしたが、彼らはナイフを出し攻撃を始め、
R.Mさんらはそれぞれ指、顔、などに傷を負った。

警察の調査により、22歳から30歳までのネオナチの
グル−プのメンバ−8人(女性もふくむ)が犯人として
逮捕された。彼らの部屋には、ファシズム、ナチズム
関係の雑誌等がたくさんあったという。
セビ−ジャでこの種のグル−プが問題化したのははじめて。


4月9日現在

ボレル氏の税務申告再調査

大蔵省税務局は、社会主義労働者党(PSOE)の
首相候補ボレル氏の97年の申告に関して、書類の
再提出を求めていたことがわかった。

PSOEスポ−クスマンによると、これは申告漏れの疑い
などによるものでなく、単に不足していた書類を要求された
だけで、全てを提出してボレル氏は協力したとのこと。

ボレル氏は国民党(PP)の産業相ピケ氏の汚職疑惑を
激しく追及していることから、PSOE側からは、
「ピケ氏の件に対する政府の報復だ」とする声も
ある。


4月8日現在

航空会社協会、空港の混乱に抗議

58社の航空会社からなる航空会社協会は
連休前後のスペイン各地の空港での大混乱(相次いだ
便の遅れやキャンセルなど=3月29日〜31日の記事参照)
に関して、「一部のエリ−トたちに責任があり、彼らのせいで
航空業界の発展が妨げられている。」と激しく抗議した。
「一部のエリ−トたち」とは航空管制官と連休中にストを
行ったイベリア航空のパイロット達をさしている。

航空会社協会は、このような状況が改善されないようなら、
空港使用料の支払いを拒否すると警告している。
(スペインでは空港使用料は、航空券購入時に航空券代と
いっしょに支払われるシステムになっている。したがって、
航空会社か旅行代理店の窓口でそれぞれが支払われている。)

また、イベリア航空は、連休中にストを行ったパイロット
労働組合にたいして、彼らによって引き起こされた航空便の
混乱の代償として40億ペセタの損害賠償を要求する。


4月8日現在

ETAのテロリスト、不治の病により釈放される

昨日、全国管区裁判所は、ETA(バスク地方の
テロ集団)のメンバ−で、20数件の暗殺、爆破に関与し
合計で2500年の刑を言い渡されていたエステバン・ニエトを
釈放した。彼はガンの末期症状にあり、残り6ヶ月足らずの
命だという医師の判断による。

エステバン・ニエト(44歳)はETAの「マドリッド部隊」
に属しており1987年に他のメンバ−と共に逮捕された。
数々の大規模なテロ行為に関与しており、中でも、市民警察
のバスを爆破し、12人を死亡、47人に怪我を負わせた事件
は有名。


4月8日現在

フランコ将軍の墓に爆弾

昨日、反ファシストグル−プ「GRAPO」
が、エル・エスコリアルそばのフランコ将軍の
棺があるバジェ・デ・ロス・カイ−ドスの教会に
爆弾を仕掛け爆破させた。フランコ将軍の棺に
損傷は無く、周りのベンチなどが破損するにとどまった。

爆弾はGRAPOによってその日およそ2100人いた
観光客に混じっておかれたものと思われる。
教会は清掃のため数日間閉鎖される


4月7日現在

バスクの平和交渉に新体制必要−イバレチェ州首長

バスク州首長のイバレチェ氏は昨日、これからのETAとの
平和交渉のあり方に対する独自の意見を表明し、民族主義政党を
はじめ各政党に意識の変革を求めた。

イバレチェ氏は昨日の演説の中で、今までの民族主義政党だけの
協力体制では、平和交渉を前進させることはできない、
特定の政党を排除したりすることのない、新たな、より大きな
協力体制で取り組んでいくべきだと述べた。同時に、
今までの民族主義政党の排他的な、「子供じみた」態度を
批判した。

一方、イバレチェ氏の所属するPNVの党首である
アルサジュス氏は、政府の平和交渉に対する消極的な態度にも
かかわらず、ETAがテロ活動を再開しないことについて、
ETAを称賛するコメントを述べている。


4月7日現在

ユ−ゴ人サッカ−選手、リ−グ戦へ復帰

先週末のサッカ−リ−グ戦において1部リ−グの
ユ−ゴスラビア人選手6人がNATOの攻撃に抗議し
試合をボイコットした。ボイコットしなかった選手も
爆撃機の絵がかかれたTシャツをきてプレイするなど
さまざまな方法で抗議があらわされた。

その6人の内4人は球団との話し合いの結果
今週末のリ−グ戦へは出場する。
まだ試合への復帰が明らかにされていないのは
セルタのジョロビックとレアル・マドリッドの
ミジャトビック。ジョロビックは今日にも球団と
話し合いをもつ。

最も強固な態度を示したのはレアル・マドリッド。
先週日曜の試合に参加しなかったことにより、
ミジャトビックに500万ペセタの罰金を課した。
さらに試合の参加を拒否するようなら、チ−ムから
除外すると述べている。ミジャトビックは近々、
この件に関して記者会見をする予定。


4月7日現在

バレンシア首長選挙、社労党候補決定

バレンシア州首長選挙におけるPSOEの候補は
元内務大臣のアスンシオン氏となる。

バレンシア社労党幹事長であり、首長候補でもあった
ホアン・ロメロ氏が選挙を2ヶ月後に控え突如辞任した
ことから、PSOEは新たな候補者を探さなくてはなら
なくなっていた。
PSOEは元文部大臣のアルボルチ氏に打診していたが
彼女はそれを拒否。結局、元内務大臣のアスンシオン氏を
擁立することとなる。


4月6日現在

連休中の交通事故による死者165人

昨日夜8時までの時点で、大型連休、セマナ・サンタ
中の交通事故による死者は165人にのぼり、昨年比
60%増という恐ろしい結果になった。

この事態に対し、野党は議会において急遽政府の説明を
求める。交通規制の当局の責任者であるムニョス・レピソ
氏は、「個々の運転手の不注意が積み重なったもので、60%
も死者が増えた根本的な原因はわからない。天気に恵まれ
交通量が増えたことが起因しているとは思う。」と述べていた。
野党は、このムニョス・レピソ氏の見解を「軽薄な言い訳」
とし、議会においてマジョ−ル・オレハ内務大臣の見解を
求め、責任の所在を追及する模様。


4月6日現在

ETAフランスに1250キロの爆薬を隠し持つ

昨日、フランスのバヨナにおいてETAが武器、爆薬等を
隠していた倉庫が発見された事件が伝えられたが(4月5
日の記事参照)、その後の捜査の結果、倉庫には1250キロ
もの爆薬があったことが明らかになった。29の対戦車砲、
20のピストル、多数の長銃なども同時に発見された。

これは、今まで発見されたETAの「火薬庫」のなかで
第3番目の規模となる。この倉庫は昨年末に若い女性によって
借りられたもので、そのとき提示された彼女の身分証明等は
全て偽造されたものであった。ETAから停戦の申し入れが
あった後にこの倉庫が借りられていることから、停戦後も
ETAの活動はまだ水面下で続けられていることが
明白となった。


4月6日現在

IMF、スペインに歳出、公務員数の削減を提言

IMFのスペイン経済に対する見とおしが昨日発表された。
99年は、経済成長率は3.25%から3.5%のあいだ(98
年は3.8%成長)、インフレ率2%前後を予想。

安定したインフレ率のもとの経済成長が続く見とおしだが、失業率に
ついては改善は見られるものの他のIMF加盟国より高い水準であり、
給与のレベルもまだヨ−ロッパの平均以下であることが指摘された。

IMFからの提言として、一般支出、債務を削減するため、公務員の
数を減らすことが挙げられた。


4月5日現在

連休中の交通事故による死者141人

先週は大型連休セマナ・サンタだったが、昨日までに
141が交通事故で亡くなっており、1995年以来
最悪の事態となった。月曜日もいくつかの州では祝日で
あるため連休はまだ完全に終わったわけではない。
153人を死者がでた95年の数字を超えなければよいが。

3月26日金曜から昨日日曜の午後8時までで、116件の
交通事故。141人が死亡、83人が重傷、49人が軽傷と
なっている。ほとんどの事故の原因は運転手の不注意。
今年は、天気に恵まれたこととイベリア航空パイロット
のストなどにより例年より交通量が多かったとされる。 


4月5日現在

バヨナでETAの武器、大量に発見

フランス警察により、バヨナ(フランス領バスク地方)の倉庫
にてETAのものと思われる大量の武器、火薬等が発見された。

この発見は偶然の結果。25歳から30歳ぐらいの男(素性は
フランス国籍ということ以外明らかにされていない。)がこの
倉庫に盗み目的で侵入したところ、中にあったのは「異様な物」
ばかりで、すぐに逃走しようとしたところ近所の人の通報により
駆け付けた警察に逮捕された。その後の調べによりこの男はETA
の活動と何ら関係のないことが判明し、釈放された。


4月5日現在

「バスク愛国の日」民族主義政党共同で祝う

昨日、「アベリ・エグナ(バスク愛国の日)」を祝う催しが
初めてバスク民族主義政党(PNV,HB、EA)いっしょに
大多数のバスク、ナバ−ラの市役所参加のもとで行われた。
彼らはこれを独立国家建設への大きな第1歩であるとし、HBの
スポ−クスマン、オテギ氏は「来年は全ての政党とともに、バスクの
独立を祝いたい。」と述べている。

「アベリ・エグナ」までの3日間いわゆる「街頭の破壊活動」は行われていない。
木曜の未明にパンプロ−ナの銀行に火炎瓶が投げられたのが最後である。
マヨ−ル・オレハ内務大臣が先週発表したデ−タによると、3月は平均
1日に3件の破壊活動が記録されている。PNV、EAはともに破壊活動は
政府に平和交渉に後ろ向きであることの言い訳を与えるだけだと、即座の
停止をよびかけた。HBは破壊活動についてはなにもふれなかったが、先週
バスクのテレビで放映されたETAメンバ−へのインタビュ−にて、彼らが
当面武力を放棄する意向が無いことは明らかにされている。


4月1日現在

4月1日から4日までスペインは連休です。その間トップニュースはお休みさせて
頂きますのでご了承下さい。