8月31日現在

マラガ空港で5億ペセタ強奪される

昨日、マラガ空港の貨物タ−ミナルで5億3700万ペセタの現金とダイヤモンドが、
覆面をした5人組みに強奪された。

事件は午前8時10分から15分のわずか5分の間におきた。
犯人は自動小銃を持ち、盗難車であるバンで現場にあらわれ、2発発砲し、
警備員を銃でなぐりつけ現金を強奪した。

ただちに駆けつけたマラガ警察は現場からおよそ500メ−トルのところに
乗り捨てられた犯人のバンを発見した。犯人らはあらかじめ用意していた別の車で
逃走したと思われる。

強奪された現金の持ち主は明らかにされていない。


8月31日現在

ETAの意見は必要無い〜PNV

平和交渉におけるPNV(バスク国民党)の一部の態度を批判する声名が
ETA(バスク自由と祖国)からだされているが(昨日の記事参照)、
これに対しPNVは「我々は武装集団の意見や批判を必要とはしない。」と
昨日確固たる姿勢を表明した。

「平和交渉において、我々はETAの後押しを必要とはしていない」
「ETAは武力を放棄する義務があるが、我々はETAにたいして何の義務も
おっていない」と、PNVスポ−クスマンは昨日の記者会見で述べた。


8月31日現在

イベリア航空便、全面禁煙へ

明日9月1日より、全てのイベリア航空便の機内で禁煙となる。
現在の法では飛行時間90以内の国内線は全て禁煙が義務付けられている。
およそ1ヶ月半後には全ての国内線での禁煙を義務付ける条例が施行されるが、
イベリアはそれに先駆けて、全面禁煙を実施する。


8月30日現在

PNV内部に、HBとの協力に反対の声

ETA(バスク自由と祖国)の停戦宣言から1年が経とうとしているが、土曜日に
その1年に渡る平和交渉を振り返る声名文がETAから出された。

その声名のなかでETAは、平和交渉の主導権は中央政府ではなく、バスクの
民族主義政党が握るべきであり、それがバスク国家の建設に繋がって行く、と述べている。
同時に、バスクの民族主義政党第1党であるPNV(バスク国民党)について、
「PNVのなかには平和交渉を、腐敗した、無意味なものにしようとしている者がいる。
その者たちを排除するべきだ。」と指摘している。

PNVのアルサジュス党首は確かにPNV内部にはHB(バスク人民連合、ETAの
テロ行為を容認する立場をとっている)との協力に反対の立場をとる者があることを
認めている。HBも含む民族主義政党によるリサラ同盟はバスク政界の機軸となっているが、
この体制にPNV内部から亀裂が入り始めたようだ。


8月30日現在

セビ−ジャ世界陸上閉幕

9日間に渡って繰り広げられてきたセビ−ジャの世界陸上が昨日幕を閉じた。
国別には、アメリカが17のメダルを獲得し、トップ。続いてロシア(13)、
ドイツ(12)となった。スペインは金2、銀1、銅1を獲得した。

最終日の男子1600メ−トルリレ−で金メダルを獲得したマイケル・ジョ−ンズ選手
(アメリカ)は、世界大会での金メダルがこれで通算9個となり、カ−ル・ルイス選手の
記録を破った。


8月30日現在

プリカがコンティネンテ買収

世界の企業間に押し寄せている合併・吸収の流れはスペインの流通業界へも
やってきたようだ。フランス資本の大手ス−パ−チェ−ンのプリカ(フランスではカレフォ−ル社)
が同じく大手ス−パ―のコンティネンテ(同じくフランス資本、プロモデス社)の株を友好的に
公開買付することを発表した。合併後同社は世界2位、ヨ−ロッパで1位の流通業社となる。
もちろんスペインでも流通業界第1位となる。プリカとコンティネンテを合わせると、現在
スペインには114の店舗がある。


8月27日現在

バスクの平和交渉ストップ

昨日、バスクのテロ集団ETA(バスク祖国と自由)は、政府との平和交渉の現状に
ついて声名を発表。それによると、交渉は中断した状態であり、今後、もっと直接的、
かつ確実な手段での交渉には応じていく用意があるとしている。いままでETAとの
交渉にあたってきた政府関係者は“軽率”であり、また政府が選挙のために平和交渉を
利用したのが交渉中断の原因としている。
この声名は、アスナル首相が平和交渉停滞の原因はETA側にあるとコメントしてから
およそ24時間後に出された。

ETAと政府の最初の直接交渉は5月に持たれた。しかし、これを政府は
「たった1ヶ月の間すら、秘密にしておけなかた」とETAは政府の“口の軽さ”
を批判。しかもその事実を公表したのは6月の地方選挙のためだというのは明白であり、
「我々を利用した」とも述べている。


8月27日現在

400メ−トル走で世界新記録〜セビ−ジャ世界陸上

昨日、セビ−ジャで世界新記録が誕生した。アメリカのマイケル・ジョンソン選手が
400メ−トル走で43秒18をマ−ク。1988年以来世界最高記録であった
ハリ−・レイノルズ選手の43秒29を11年ぶりに更新した。



8月27日現在

ヘスス・ヒル氏、アスナル首相との会談を希望

マルベ−ジャ市長でアトレティコ・マドリッドのオ−ナ−である、ヘスス・ヒル氏。
彼の率いる政党GILがメリ−ジャ、セウタで論議を巻き起こし、中央政府との関係
が緊迫した状態となっている。
これに対し、ヒル氏は問題解決のためアスナル首相に会談を申し入れることを明らかにした。
「マスコミをつかって攻撃をする前に、敵のいうことに耳を傾けるべきだ」と首相に対して
メッセ−ジをおくっている。


8月26日現在

平和交渉停滞の責任はETA側にある〜アスナル首相

夏のバケ−ションを終え、職務に復帰するアスナル首相は昨日、この夏の間、
ETAとの平和交渉には何の進展もなかったことを明らかにした。
今年の5月にチュ−リッヒで政府代表とETAの会合がもたれたが、それ以降
なんの接触もないことになる。アスナル首相は2回目の会合を提案したが、
ETA側に拒否されたと述べ、平和交渉が進展しない原因は相手側にあることを主張した。


8月26日現在

モロッコのハイジャック機、バルセロナへ着陸

昨日、カサブランカからチュニジアへ飛んでいたロイヤル・エア−・モロッコ
の便がハイジャックされた。犯人はフランクフルト行きとそれに必要な燃料の補給を要求し、
そのためバルセロナ空港に昨夜22:50に着陸した。
犯人は複数なのか単独なのかなど詳しいことはわかっていない。
ただ、犯人はスペイン政府との交渉においてフランス語を話しており、
フランスかモロッコの出身と思われる。

この飛行機には79人の乗客と9人の乗務員がのっている。


8月26日現在

マリオン・ジョ−ンズ選手故障〜セビ−ジャ世界陸上

セビ−ジャの世界陸上で4冠が期待されていたアメリカのマリオン・ジョ−ンズ
選手が昨日、200メ−トルの準決勝において走行中、腰を押さえて倒れてしまった。

医者の診断によると原因は背中の筋肉の痙攣。
ジョ−ンズ選手は短距離と幅跳びにおいて6つの競技にエントリ―しており
セビ−ジャ入りして以来、1日も休息する暇がなかったという。
本来短距離走が専門である彼女には幅跳びにおける技術が不足しており、着地の際に
筋肉をいためていたと思われる。

大会のスタ−である陸上の女王の故障に、大会関係者や観客は大きなショックをうけている。


8月25日現在

CIU、年金問題で政府と対立

最低年金支給額の引き上げ問題で、各地方政府と中央政府が対立している中、
カタル−ニャ政府は6万人の年金生活者に対して8000ペセタを追加で
支給することを発表した。これはカタル−ニャにおける物価上昇率が国の
平均を上回っているための措置。今後も全国平均以上に物価の上昇が見られた場合、
この追加の支払いを実施して行く方針。

これに対し、PPのラト副首相は「国の社会保険制度に反する行為」と厳しく批判。
総選挙に続きカタル−ニャ州選挙の実施日も発表されたばかりだが、はやくも選挙を
にらみ、同盟関係にあるPP、CIU(カタル−ニャ連合)に意見の対立がみられる。


8月25日現在

セウタ議会新体制

PP(国民党)のフォルテス氏にかわり、市長に就任したGIL(ヘスス・ヒル氏
の率いる政党)のサンピエトロ氏。この与野党逆転劇の主役となったのは突然PSOE
(社労党)を離党してGIL支持にまわったベルムデス女史である。
サンピエトロ新市長は約束通り、ベルムデス氏に文化担当理事の役職を、そして彼女の
夫に市民活動担当副理事の役職を与えた。

就任後の記者会見で、サンピエトロ市長はモロッコとの漁業協定をセウタ漁民に有利
な方向に動かして行くと表明した。これに対し、政府スポ−クスマンのピケ大臣は
「漁業協定は国と国との問題。GILは外交問題に口を出すべきではない」と批判している。


8月25日現在

1500メ−トルでエステベス選手銅メダル

厳しい暑さの中、セビ−ジャの世界陸上大会は続いているが、
スペイン人選手3人が参加しメダルが期待されていた男子1500メ−トルで、
レイジェス・エステベス選手が銅メダルを獲得した。
他の2人(フェルミン・カチョ選手、アンドレス・ディアス選手)は
惜しくも4位と5位となった。


8月24日現在

カタル−ニャ州選挙は10月17日

昨日、プジョル・カタル−ニャ州首長は、同州の選挙を10月17日に
実施することを発表した。プジョル氏はCIU(カタル−ニャ連合)の党首として
州首長に、6回目、そして最後と思われる出馬をする。プジョル氏は現在69歳。
同州首長として19年目をむかえている。

対抗馬となるのはPSC(カタル−ニャ社会党)のマラガル氏。
彼は元バルセロナ市長である。

20年近く続いたカタル−ニャでの“プジョル体制”に変化がおきるのか
注目される。


8月24日現在

セウタ議会、新市長選出

混乱が続いているセウタ議会(昨日の記事参照)で、昨日、PPのフォルテス市長
に対する不信任案が可決され、同時にGILのサンピエトロ氏が新市長に選ばれた。
一連の騒動の発端となったベルムデス議員はPSOE離党、GIL支持を表明した後
姿を消していたが、昨日は議会に登場し、GIL不信任案に賛成の1票を投じた。

ベルムデス女史はどこに姿を隠していたのだろうか?
8月9日に離党の書類にサインしてから昨日まで、彼女はサンピエトロ新市長の
家にかくまわれていたことが明らかになった。そのうえ、その間1週間、
サンピエトロ氏の妻、娘、ベルムデス氏の2人の娘と共にユ−ロディズニ−ランド
でバケ−ションを過ごしていたこともわかった。もちろんこのバケ−ションの経費は
GILが負担したという。


8月24日現在

幅跳びでスペイン、金メダル

セビ−ジャで行われている世界陸上選手権で、モンタルボ選手がスペインに
金メダルをもたらした。女子走り幅跳びで95年の世界チャンピオン、
イタリアのフィオナ・メイ選手をやぶり、7.03メ−トルを記録し、優勝。
モンタルボ選手がスタ−トのラインを踏み越えていたと、イタリアチ−ムから
このジャンプを無効とする抗議があったが、審判団はプラスティックのラインを
調べた結果、靴跡がなにも見つからなかったことからこのジャンプを有効とした。

モンタルボさんはキュ−バ出身。この5月にやっとスペイン国籍を手に入れた。
キュ−バからスペインへ、と聞くと、政治的、経済的に複雑な背景を想像しがちだが、
モンタルボさんがスペインへ来たのは亡命などではなく、仕事でたびたびキュ−バを
訪れていたスペイン人男性との恋愛結婚のため。

一方、モンタルボ選手のジャンプの無効を主張したが却下され、銀メダルとなった
メイ選手。彼女は試合後のインタビュ−などでも「あのジャンプはどう見ても無効だ」
と主張しつづけている。また「今回のことで私はとても幻滅した。引退を考えている」
とも述べている。


8月23日現在

総選挙は2000年4月2日

与党内の一部から総選挙の次期を早めるよう求める声が挙がっていたが、
アスナル首相は任期を最後まで全うし、選挙の期日を早めないことを明らかにした。
今のところ来年の4月2日が総選挙の実施日となる予定。選挙日がほぼ確定した今、
PP(国民党)、PSOE(社労党)間の、半年に及ぶ長く厳しい選挙戦が事実上始まった。


8月23日現在

セウタ議会で市長不信任案可決か

セウタ議会ではGIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)が第1党であるが、
過半数にはおよばないため、PP、PSOEをはじめとするGIL以外の党の
連合が与党となっていた。しかしPSOEのベルムデス議員が突然離党、GIL支持
を表明したことから与野党逆転。PSOEはGILがベルムデス女史を買収したと
検察に訴えるなど混乱が続いていた。

混乱の最中、姿を消していたベルムデス氏は昨日GILのガ−ドマンに付き添われ
本日の臨時議会出席の為セウタに戻ってきた。本日議会では市長不信任案が通り、
GILのアントニオ・サンピエトロ氏が新市長に選出される予定。


8月23日現在

サン・セバスティアンに“Kursaal”今日オ−プン

9年の歳月をかけて完成した、会議やコンサ−トなどに使用できる多目的ホ−ル
“Kursaal(クルサ−ル)”が本日オ−プンする。
設計はナバ−ロ出身の建築家ラファエル・モネオ氏。5万平米の広さで、カンタブリア海
を臨むサン・セバスティアンの海岸に位置する。90億ペセタと9年の歳月が費やされた。
300平米、120平米の2つのホ−ル、1000平米の展示会場、レストランなど
から成っている。
水曜日にはジョニ−・デップ主演、ロマン・ポランスキ−監督の映画
“La Novena Puerta(第9の扉)"の世界に先駆けての公開ショ−が予定されている。
ビルバオのグッゲンハイム美術館に続くバスクの観光名所となるか。


8月20日現在

メリ−ジャ市長、PP、PSOEと同盟

GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)の後押しを受け、メリ−ジャ市長に
当選していたアベルチャン氏は昨日突然GILとの同盟解消を発表した。

今日か明日にも臨時議会が開かれ、PSOEを離党し、議員辞任を表明していた2議員
(そのうちの1人モハメッド氏は辞任を撤回したが認められず)にかわり、新たにPSOE
より2名を議員として承認する。同時に市長は議会の各委員会委員長に任命されたいた
GIL党員を委員長より解任する。

PP、PSOEはアベルチャン氏率いるメリ−ジャ同盟(5議席)との同盟を早速
検討するが、アベルチャン氏に市長の座を保障はしないという。しかしアベルチャン氏には
市長辞任の意思はない。どうしてもメリ−ジャ連合の5議席が欲しいPP、PSOEが
どう折り合いをつけるかが焦点となる。

一方、PP、PSOEのアベルチャン氏の市長就任を喜ばしく思っていない一連の態度には、
アベルチャン氏がモロッコ系であり、イスラム教徒であることからの差別ではないか
との批判の声もあがっている。


8月20日現在

マトゥテス・グル−プ、カボ・ベルデに進出

アフリカ大陸の西に浮かぶ10の島からなる元ポルトガル領、カボ・ベルデ。
そこへ、大規模な高級リ−ゾ−ト地域が建設される。このプロジェクトを
進めるのはホテル経営会社を筆頭とするマトゥテス一家の企業グル−プ。
現スペイン外相、マトゥテス氏の家族である。

1998年にマトゥテス外相が公式訪問をするまで事実上スペインとカボ・ベルデの
国交は停止状態であった。これは80年代にETA(バスク祖国と自由)の多くの
テロリストたちが、カボ・ベルデを経由して逃走し、カボ・ベルデ政府が何の措置も
執らなかったことに起因していた。

この外相の公式訪問のときに、マトゥテス・グル−プの幹部もカボ・ベルデに渡り
今回のリゾ−ト開発の交渉をはじめたといわれており、外相が公務を自分の企業のために
利用したとの批判があがっている。


8月20日現在

コンゴ人にもコソボ人と同じ扱いを・・・

4歳の少女が国境の柵を越えてスペインへ投げ込まれた事件(昨日の
記事参照)。その後の調べによると、少女には何の怪我もなかったことから、
2.7メ−トルの柵を越えて投げ込まれたのではなく、紐のようなものを使用し
注意深く吊り下げられて国境の柵を越えたものと思われる。
この少女の父親は現在ヒホンで職業訓練を受けている。

明日この親子は晴れて対面となるが、それを前に父親は記者らのインタビュ−に
答え、「コンゴ人にも、コソボ人にとっているような対応をして欲しい。私たちは
同じように戦争の被害者だ。違いは、我々は黒人で、コソボ人は白人ということだけだ」
と述べた。

さっそくこの事件をドラマにしたいとテレビ局から申し入れがあったとのこと。
しかし彼は「私たちを助けようと思っているのなら、ドラマを作るんではなくて、
私に仕事を下さい。」といっている。


8月19日現在

メリ−ジャ市長、GILとの同盟解消

GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)の後押しをうけメリ−ジャ市長に
当選したアベルチャン氏は昨日、GILとの同盟解消を発表した。
GILの中央政府との対立姿勢、また党首ヒル氏の人種差別的態度などに
どうしても同意できない、というのが原因。

またアベルチャン市長はGILに“利用された”と感じていることも
述べている。セウタ議会でGILが市長不信任案提出を表明したとき、
GILは同時にアベルチャン氏にメリ−ジャ議会の臨時開催を再三求めたという。
しかしこれは中央政府を刺激する為以外のなにものでもなく、市長は同意しなかった。

アトレティコ・マドリッドのオ−ナ−でマルベ−ジャ市長でもあるGIL党首は
この“離婚劇”に対していつもの調子で「アベルチャンは単なる臆病者だった」
とコメントしている。


8月19日現在

4歳の少女が投げ込まれる〜セウタの国境

毎日およそ20〜25人がスペインへの不法入国を試みるセウタの国境で、
昨日未明、警備にあたっていた市民警察は国境を囲む柵付近で物音を聞いた。
また誰かが柵を登って国境を越えようとしていると思いすぐにかけつけると、
そこには泣き叫ぶ女の子が横たわっていた。国境の向こう側から2.7メ−トルの
柵を越えて投げ込まれたのだった。

さらに驚くことに、女の子は手紙を持っており、それにはスペインの
ヒホンにいる彼女の父親の携帯電話の番号が書かれていたのだ。
直ちに警察は父親と連絡をとったが、父親は彼女を発見した警官以上に
驚いたことは間違いない。

父親はコンゴ共和国(旧ザイ−ル)出身で、同国の独裁政権が倒されたのち、
スペインへ密航し政治亡命者として在留していた。彼は最近家族にあてて
自分の住所、携帯電話の番号を記した手紙を送っていたが「その結果がこんな
ことになるなんて」と娘に会えたことを喜ぶ反面、驚きもかくせないようす。
現在ヒホンの職安で職業訓練を受けており、早く仕事を見つけ家族と再会したい
と言っている。


8月19日現在

最低年金支給額引き上げ問題、9月に話合い

最低年金支給額などを全国レベルで取り決めた“トレド合意”。
来年まで有効となっているこの取り決めだが、政府はまだ6ヶ月
期限が残っている来月9月にもう一度見直しの話合いを持つことを
決定した。

現在、アンダルシア州を皮切りに、カタル−ニャ州などが独自に最低年金支給額
の引き上げを決定している。これは政府の方針と対立するもので、政府としては
この問題の早期解決のため、話合いの期日を早めることにした。


8月18日現在

イラン旅行者誘拐事件、犯人の隠れ家確定

土曜日にイランで旅行者ら5人が誘拐された事件。イラン警察は犯人が
人質と共にたてこもっている場所を確定できたと発表した。人質の安全
のため強硬突破には踏み切らないとのこと。
犯人らは人質の一人、スペイン人のペドロ・ガルシアさんに電話で警察と
話をさせ、それにより警察は人質が無事であることを確認できた。


8月18日現在

PSOE、セウタ議会での汚職調査を依頼

PSOE(社労党)のスサナ・ベルムデス議員が突然離党し、
野党のGIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)側へついたため、
与野党逆転となり、混乱が続いているセウタ。月曜に開かれる議会で
いまや過半数を占めるGIL側から現市長への不信任案が提出される予定。
PSOEは最後の抵抗として、司法の場へ訴えを起こした。

PSOEは問題の発端となったベルムデス議員の離党に関して、GILの買収があったと
汚職担当検察に調査を依頼し、事実関係がはっきりするまで、予定されている
月曜の議会開催の延期を要請した。


8月18日現在

アルサジュス氏、EHへ暴力の放棄を呼びかけ

PNV(バスク国民党)のアルサジュス党首は、昨日サン・セバスティアン
で行われた同党の幹部会議において、EH(=HB、バスク人民連合)に
「破壊活動を行う者たちを擁護するような姿勢」を破棄し、暴力を否定するよう
呼びかけた。

そうしている間にも、バスクでの「街頭の破壊活動」は続けられている。
昨日、パンプロ−ナとビスカヤで建物に火炎瓶が投げ込まれ、市民警察の警官が
目に軽い怪我をおった。また、月曜夜、ビルバオでは警察のパトカ−が若者の集団に
投石されるなどの襲撃をうけた。


8月17日現在

アスナル首相モロッコ新国王を訪問

アスナル首相はモロッコのモハメッド6世新国王を公式訪問、即位後新国王に会う
最初のヨ−ロッパの首脳となった。およそ1時間の会談がもたれたが、問題となっている
セウタ、メリ−ジャ両自治州の件には触れなかった。
会談後の記者会見で、首相は再び「2つの自治州に関して政府が干渉する必然性は
ない。」と繰り返した。

一方、カタル−ニャ州のプジョ−ル首長はスペイン、モロッコ両政府が2自治州の
混乱収拾になんらかの手立てをとるべきだ、とアスナル首相とは反対の意見を表明している。


8月17日現在

イランでスペイン人旅行者誘拐

イランで旅行者ら5人(スペイン人3名、イタリア人1名、イラン人1名)が
誘拐された事件。犯人は麻薬密売組織の者で、人質と引き換えに、逮捕されている
かれらのリ−ダ−の釈放を要求していることが明らかにされた。

事件がおきたのは土曜日。スペイン人、イタリア人の旅行者とイラン人のガイドの
計5人がテヘランからおよそ800キロのところにあるホテルで夕食を取っている
ときに武装した5人の男女に誘拐された。

イランの警察筋によると、被害者らは無事で健康状態に問題はない、という。
しかし、被害者のひとりである修道士のホアキン・フェルナンデスさんは70歳
という高齢のため、この状態が長引いた場合のかれの健康状態が心配される。


8月17日現在

ブタンガス値上げ

本日よりブタンガスの値段は182ペセタ上がり、ボンベ1本が1313ペセタとなる。
今年6月以来3度目の値上げ、値段は4月以来、35.6%の上昇。
史上最高の値段を記録してる。

値上げの原因となったのはここのところのめざましい原油価格の値上がりである。
今年のインフレ率の政府見とおしは1.8%だが、相次ぐ燃料の値上げでこの見とおし
の達成は危ぶまれはじめている。


8月16日現在

昨日の聖母被昇天の祝日が日曜日と重なったため、本日は振り替え祝日となりますので
今日のトップニュースはお休みさせて頂きます。また明日から再開致しますので宜しく
御了承下さいますようお願い申し上げます。


8月13日現在

セウタ、メリ−ジャ議会の混乱早期収拾をモロッコ政府が要請

アフリカ大陸のスペイン領、セウタ、メリ−ジャ議会でGIL(ヘスス・
ヒル氏の率いる政党)を巡り混乱が続いているが、これに関し、モロッコの
ユスフィ首相は「こんな“ショ−”をいつまでも続けていてはいけない。」
「スペイン、モロッコの両政府が解決に乗り出すべきだ。」とスペイン政府に
呼びかけた。また、メリ−ジャでのモロッコ系のアベルチャン市長の就任を
阻止しようという動きを批判した。

スペイン政府は直ちにこの申し出を却下。モロッコ政府がメリ−ジャ、セウタを
自国の領土に組み入れることを目的に、両自治州への干渉をはじめている
とうい懸念があるようだ。


8月13日現在

第2四半期の失業率15.6%

今年4月から6月の間、失業者数は210,100人減り255万700人
となった。率にして15.6%、1982年以来最低の水準である。

しかし、依然男女間の雇用格差は改善されていない。4月〜6月の間に男性の失業者数
はおよそ12%減少したのに対し、女性は4%の減少にとどまっている。
また雇用のおよそ32.7%が一時的雇用であり、これは前4半期にくらべ3%上昇と
なっている。


8月13日現在

中国人女性2人、不法堕胎で逮捕

マドリッドで、医師の免許も持たず不法に堕胎手術を行っていた
中国人女性2人が逮捕された。

彼女らは同じ中国人女性を相手にマドリッド市内のアパ−ト2室において
手術を行っていた。それらの場所は設備、衛生状態など、とても手術の行われるべき環境
ではなかった。また、麻酔が不足していた為、患者にゴムのボ−ルをくわえさせるなどして
叫び声がそとにもれないようにしていたという。

そこで手術をうけた中国人女性らは、政府の“一人っ子政策”のため第2子を
堕胎しなければならなかった人達、または、中国系マフィアの手によって不法に
スペインに入国し売春をさせられていた人達であった。


8月12日現在

今世紀最後の皆既日食

昨日はヨ−ロッパとアジアの一部で皆既日食に人々がわいた。
スペインでは最高78%までの部分日食であった。
最も日食が進んだ地域のひとつであるサン・セバスティアンでは
太陽の陰りに伴い、気温が32℃から25℃へと7℃低下した。
一方マドリッドでは気温の低下などはみられず、明るさの変化も
ほとんど感じられなかった。しかし、動物園の狼たちは
日食が開始すると遠吠えをはじめたという。

肉眼で太陽を見ないよう呼びかけられていたが、スペインではおよそ
50人が眼の痛みをうったえて病院で治療をうけた。


8月12日現在

セウタ議会混乱の続報

PSOE党員であったベルムデス議員が突然離党、野党であるGIL
(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)につくことを表明し、セウタ議会は
与野党逆転、市長不信任案提出と、あわただしい局面を迎えている。

突然の離党で周囲を騒然とさせたベルムデス議員だが、彼女の父親
(もとPSOE議員)は、GILはこの見返りとして、彼女の夫に市役所
に重要なポストを用意することを約束した、と述べた。

さらに、PSOEは昨日、ベルムデス議員がおよそ1ヶ月前、GILから
協力とひきかえに7千5百万ペセタ、マルベ−ジャのマンション、夫への
仕事、をオファ−されていたことを党の仲間に打ち明けていたことを明らかにした。


8月12日現在

ガソリン値上げ、1リットル130ペセタへ

ガソリンの価格が史上最高を記録している。
消費者団体は、政府へこの値段の上昇へなんらかのブレ−キを
かけること、また価格協定が影で結ばれている可能性があるとして
その調査を要請した。
原油の価格がここのところ上昇しているのは事実だが、消費者側は
原油価格上昇時にはすぐにガソリン価格に反映されるが、原油価格が
下がるときはそれがすぐには反映されない、と主張している。

こういった液化燃料の値上げは、スペイン経済の懸念材料であるインフレ
に深刻な影響をあたえそう。


8月11日現在

セウタ議会でも波乱、GILが不信任案提出で政権奪取へ

先の地方選挙でセウタにおいてGIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)は
第一党となったものの、過半数には達しなかった。そこで、GIL除く全党、
PP、PSOE、PDS(民主社会主義党、イスラム系の政党)は連合を組み
PPから市長を選出、GILは野党に回ることとなった。これをうけ、GIL党首の
ヘスス・ヒル氏は「2ヶ月以内にセルタの政権はGILが握ることになる」と
宣言していたが、これが現実となった。

PSOE党員のスサナ・ベルムデス議員が突然離党を発表、GIL指示を表明したのだ。
セルタ議会の総議席数は23、GILはそのうち11議席を占めている。3党連合の
与党は過半数の12議席を持っていたが、このエルムデス議員の離党で、与野党は
逆転することになる。GILは直ちに市長不信任案を提出し自党から市長を出す意向。
不信任案は23日に議会で票決がとられる。

PSOEをはじめとする与党連合の面々はベルムデス氏が“買収”されたのでは、
という疑いを表明している。


8月11日現在

ピノチェト氏の自主的スペイン入国に弁護団は断固反対

昨日、チリ軍部からマドリッド入りしている使節団とピノチェト氏の弁護団
の間で会合がもたれた。その席で、弁護団はスペインへの身柄引渡しが正式に
手続きを経て行われるまで、ピノチェト氏はスペイン入りするべきではない、
と主張した。自主的にスペインへ来ることはピノチェト氏にとって「自殺行為」
だとも述べている。

イギリスの最高裁でピノチェト氏がスペインで裁きを受けることが決定されたが、
それは拷問と拷問幇助についてのみとされた。スペイン側は大量殺人、
テロ行為などの罪も主張していたがそれは認められなかった。
ピノチェト弁護団によると、もしピノチェト氏が自主的にスペインへ来て裁判をうけるならば、
これらの、スペイン側が主張していたがイギリスでは認められなかった罪についても、
裁きを受けなければならなくなってしまう、とのこと。


8月11日現在

年金問題

各自治州と政府の間で意見が衝突している年金最低支給額引き上げ
問題。政府の反対をよそに、すでにアンダルシア、カタル−ニャ、
バレアレス、カナリアスは引き上げを決定している。
アンダルシア州のチャベス首長は全州一律の引き上げを実施するよう
各州首長に呼びかけ、カスティ−ジャ・イ・ラマンチャ、アラゴン、
エストレマドゥ−ラはこれに同意するもよう。

一方政府は、これら一連の州政府の決定を「財源のない、偽善的決定だ」と
している。


8月10日現在

マリオ・コンデ氏仮釈放

マリオ・コンデ氏はバネスト銀行(Banesto)の元社長で、
6億ペセタの会社の金を不正に流用した罪(いわゆる“アルヘンティ−ナ・
トラスト事件”)により4年2ヶ月の刑をうけていた。
しかし、今日にも仮釈放で自由の身になるもよう。コンデ氏が刑務所にいたのは
16ヶ月だけだったことになる。

自由の身になるコンデ氏だが、現在検察が証拠書類などを調査中の
“バネスト事件”でも被告であり、審議が進めば、横領、文書偽造などの罪で
およそ35年が求刑される見こみ。


8月10日現在

アスナル首相、ピノチェト問題でガルソン判事を批判

アスナル首相は昨日、ピノチェト問題に対して、「外交というのは政府がやるものだ、
裁判所がやるものではない」「政府は司法の判断にたいして敬意をはらっている、
同じことを司法界は政府たいしてしてほしい」と述べ、具体的にガルソン全国管区
裁判所判事の名前は出さなかったものの、明らかにピノチェト問題に対する
彼の態度を批判した。


8月10日現在

明日、ヨ−ロッパで皆既日食

明日の皆既日食をヨ−ロッパ中が待っている。とはいっても完全な皆既日食が
みれるのはイギリスからブルガリアの一部のみである。
スペインでは部分日食となり、明日10:47にポンテベドラにはじまり、
13:48にマジョルカで終了する見こみ。
眼に危険なので、くれぐれも太陽を直視しないようよびかけが行われている。


8月9日現在

チリ軍部、スペインへ使節団派遣

去る土曜日にサルガド少将をリ−ダ−とするチリ軍部の使節団が
マドリッドに到着した。目的はもちろん、ピノチェト氏問題。
第一にスペインのピノチェト弁護団のリ−ダ−と今後の対策について
協議するため、そして2番目には裁判なしに“友好的に”解決する方法を
スペイン政府に打診するため、とされている。

一方で“アムネスティ−・インタ−ナショナル”および“チリ独裁者による犠牲者達”
という名の元で、スペインが引き渡し請求を撤回した場合も、ピノチェト氏の
犯罪について法的追求を続けるようイギリス政府に要請が出されている。


8月9日現在

スペイン全土で年金最低支給額アップを

アンダルシア、カタル−ニャなどいくつかの州で独自に最低年金支給額の引き上げ
が決定されているが、PSOE(社労党)、IU(左翼連合)および各労働組合は
これをスペイン全体で実施するよう政府に要求した。

しかし、ピメンテル労働大臣は、年金支給額の決定は政府が行うもので各自治州に
その権限はないと主張。憲法裁判所に訴えるなど、あらゆる手段をつかって各州の
独自の判断を阻止するとした。


8月9日現在

スペイン電力業界への政府援助、欧州委員会の調査対象へ

スペインの電力会社が受け取ったおよそ1兆3000億ペセタの政府からの
援助金は、その根拠に疑問点あり、と欧州委員会は調査を開始する。
まずはスペイン産業省に20の質問が提出された。

質問の一つには、スペインの原子力発電所のコストがOECD加盟国平均より
50%も多くなっていることはなぜか、ということが挙げられている。
その他、企業側から発表された数字に数々の矛盾点があると指摘。
欧州委員会は、政府からの援助を正当化するため電力会社がコストを水増しして
発表しているのでは、との疑いを表明している。


8月6日現在

全国管区裁判所検事長、ピノチェト氏釈放を支持

政府間が裁判なしに政治的に解決を模索しているとして、
司法界の全面的反対を引き起こしている、ピノチェト氏問題。
しかし、昨日全国管区裁判所のルビオ検事長はピノチェト氏は釈放
されるべきとの見解を示した。また、先日同じ全国管区裁判所のガルソン判事が
外相にチリ政府に渡した書類の提出を求めたことに対し、「全く無用な要求である」
と真っ向から対立している。
検事はピノチェト氏は国王と同様、国家元首としての免責特権があるとしている。


8月6日現在

メリ−ジャ市長、選挙委員会の判断に意義

元PSOE議員の「議員辞任の撤回」を巡って混乱が続くメリ−ジャ
(過去の記事参照)。メリ−ジャ選挙委員会は提出された「辞任の撤回」
は認められないとして、PSOEを離党したモハメッド氏が議員として
復活できないとした。同時にPSOEの後任候補を新議員として承認した。

この判断に対してアベルチャン市長は直ちに同委員会に「議会の権限を侵害するもの」
と意義を申し入れた。


8月6日現在

ウニオン・フェノサ、出火を消防署に連絡せず

去る土曜日、電力会社ウニオン・フェノサのマドリッド、メンデス・アルバロ
にある発電施設でおきた出火で、ウニオン・フェノサは消防署に一切連絡をいれず、
内部で解決しようとしていたことがわかった。消防隊員たちは近所人々の通報で
駆けつけたが、そのときはすでに火の勢いは激しいものとなっていたという。
消防署、マドリッド市は通報を怠ったウニオン・フェノサを訴えるもよう。


8月5日現在

議席はPSOEのもの〜メリ−ジャ議会

PSOE(社労党)より出馬しメリ−ジャ議会議員に当選したモハメッド氏。
市長選で党の方針に背きその後辞任を表明したが、先日それを撤回し、
PSOEを離党した。この議席はモハメッド氏のものか、それともPSOEの
選んだ後任者のものか、メリ−ジャ議会では混乱が続いていた。

昨日、メリ−ジャ選挙委員会は議席はPSOEのものだという判断を下し、
PSOEの選出した後任者を議員として正式に承認した。
これにより、PPとPSOEの“反市長派”は、メリ−ジャ連合と
GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)の“市長派”を数で上回ることになる。
PP、PSOEが市長不信任案を議会に提出することが予想される。


8月5日現在

チリ政府に送られたピノチェト事件の書類公開要求

スペイン、チリ政府間で“政治的”解決が図られようとしていると、
司法界の抗議を受けている“ピノチェト事件”。PSOEは昨日、チリ政府に
送られたこの件に関する書類の議会への提出を要求した。

ロンドンのスペイン大使館前では亡命チリ人らによるスペイン政府の態度
に対する抗議行動が行われた。アムネスティ−・インタ−ナショナル等の
人権団体からも、「犠牲者達を蹂躙する行為」とスペイン政府への抗議の
声名が後を絶たない。


8月5日現在

ヨ−ロッパの人達、助けてください〜密入国ギニア人2名死亡

ギニア国籍の14歳と15歳の少年が、ブルッセル行きの飛行機の
車輪部分に乗り込み密入国を図ったが凍死体となって月曜に発見された。
少年の手には手紙が握られており、それには「ヨ−ロッパの人達、助けてください。
僕たちはとても苦しんでいます。貴方たちのようになれるよう、ぼくたちは勉強したい。
そのために助けを下さい。」と書かれていた。
この手紙に心を動かされたベルギ−政府は直ちにコピ−を各ヨ−ロッパ政府、
欧州委員会へと送った。

少年達はサバナ航空のギニア―ブルッセル便の車輪を収納する部分へひそかに乗り込んだ。
しかし上空では気温は氷点下40〜50℃となるため、凍死体となって発見される
結果となった。


8月4日現在

ガルソン判事、外相にピノチェト事件の説明要求

スペインで、大量殺人、拷問等の罪に対する裁きを受けることになっている
ピノチェト元将軍。しかし、スペインとチリ政府の間でこの件を“政治的”に
解決することが検討されているという。

昨日、全国管区裁判所のガルソン判事は、こういった政府の行動を、「司法の独立を
脅かすもの」であるとし、事実関係の説明をマトゥテ外相に要求した。
外相はこの要求にすぐに応じるもよう。

ピノチェト氏のスペイン引渡しの判決はイギリスで下され、彼は現在
同国で身柄を拘束されている。イギリス政府は「スペインが訴えを取り下げるの
ならば、直ちにピノチェト氏を釈放する」と述べている。


8月4日現在

陸軍中佐、麻薬密売で逮捕

マッシモ・ブランコ陸軍中佐は昨日、組織的麻薬密売の容疑で逮捕された。
中佐が関っているとされる密売組織は先週金曜日に摘発され、5400キロの
ハシシが押収された。

ブランコ中佐は1992年までギプスコアで麻薬対策の責任者を務めていた。


8月4日現在

メリ−ジャ議会で買収疑惑

新市長就任以来混乱が続いているメリ−ジャ議会に新たなスキャンダル。

党の方針に従わず対立市長候補に投票したPSOEのモハメッド氏は、責任を
とって議員を辞任したが、一昨日一転してその辞任の取下げを主張した。
モハメッド氏の辞任をうけ、その後任としてメリ−ジャ議会議員
となったエルナンデス・ソレル氏。彼は、彼の辞任と引き換えに2千万ペセタ
の報酬を提示されたことを明らかにした。買収を試みた人間の名前、政党などは
明言していないが、GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)の者であったことを
ほのめかしている。

買収を試みた側としては、モハメッド氏の後任のソレル氏が辞任すれば、モハメッド氏
が議員として返り咲けるという思惑。PSOEを脱退したモハメッド氏が議会に
復活すればPP、PSOEが協同で市長不信任案を提出しても過半数の賛成は得られなくなる。


8月3日現在

スペイン司法関係者、ピノチェト事件の“政治的”解決に反対

スペインへの身柄引渡しが待たれるピノチェト元将軍。
スペインの判事、検事の各協会はスペイン政府とチリ政府がこの件を
政治的に解決することに断固反対する声名を出した。

ピノチェト元将軍の身柄引渡しをどうしても避けたいチリ政府は、スペインの
マトゥテ外相にこの件の“政治的“解決を持ちかけていると報道された。
これをうけ、スペインの判事、検事など司法関係者からなる各協会は
「この事件は法のもとで裁かれなければならない。いかなる政治的圧力も法に
影響を及ぼすことはできない」「政府が政治的圧力をかけるならば、それは憲法に
違反する行為だ」と、この件に政治が介入することへ断固反対する声名を出している。

PSOE(社労党)は直ちにマトゥテ外相にこの件についての議会での説明を要求する
もよう。


8月3日現在

メリ−ジャのPSOE議員辞任を取り消し

PP(国民党)、PSOE(社労党)の推す候補を下し、GIL
(ヘスス・ヒル氏率いる政党)の支持をうけた新市長が誕生した
メリ−ジャ。この以外ともいえる市長選の結果は、2人のPSOE
議員が党の方針に従わず、対立候補に投票した為であった。
2議員は「PPと協力することはGILと協力する以上に堪えられないことだ」
として、市長選後、党の方針に背いた責任をとり辞任希望を提出していた。

しかし、ここへきて、辞任を表明していた2議員のうちの1人、
モハメッド氏は、辞任を取り消すといいだしている。彼女はPSOEから
メリ−ジャ連合(新市長の率いる政党)へ移籍し議会に残ることを希望している。


8月3日現在

ナバラで、また「街頭の破壊活動」

昨日の深夜に、ナバラのアルサスアでパトロ−ル中の市民警護隊の車が、
火炎瓶、石などで攻撃された。アルサスアはその町議会においてEH(バスク
人民連合)が最大多数となっているところである。

17人の覆面をかぶった集団によって攻撃は行われた。犯人らはごみコンテナの
影に隠れながら火炎瓶などを投げ、直ちに旧市街の方向へ逃げて行った。
逮捕者はでていない。

6月13日の地方選挙まで停止されていた「街頭の破壊活動」。
しかし選挙後直ちに再発し、現在までで、バスク、ナバラ地方においては
20件が記録されている。


8月2日現在

バケ−ション開始、交通事故で44人死亡

この週末は8月のバケ−ション開始と重なり、最も交通量が多い
週末の一つとなった。32件の交通事故、44人の死者、30人の重傷、
14人の軽傷者を記録。
死者の数は昨年の同時期より7人少なくなっている。

一方、空の便の方は、昨日マドリッド・バラハス空港では出発便で
平均60分の遅れを記録した。



8月2日現在

バスクの市民警護隊駐屯地、攻撃される

ビスカヤのゲチョにある隊員とその家族105世帯の
居住する市民警護隊駐屯地。昨日未明の1時半頃、15〜35人からなる
集団によって火炎瓶が投げ込まれ、窓ガラスや屋根の一部が破損した。
幸い負傷者はでなかった。

この週末、ゲチョではお祭りが行われていた。攻撃をうけた市民警護隊は
直ちに空に向かい威嚇射撃をおこなった。火炎瓶の爆発する音と銃声で
祭りの音楽はかき消されてしまった。

ここ2週間あまりのあいだ、バスクにおける「街頭の破壊活動」は激しさを
増してきている。


8月2日現在

アスナル首相も夏休み

昨日、オロペサ・デル・マルにてアスナル首相は夏休み1日目を
迎えた。

ここのところ、2000年に予定されている総選挙について、
次期をはやめて実施するべきだという声がPP(国民党)幹部の中からあがっていた。
6月の地方選挙の結果が芳しくなかった為、これ以上政府の人気が落ちる前に
総選挙をやってしまいたいと言うのが推進派の意見。

アスナル首相はこれに対して慎重な姿勢をとっており、「夏休みの間ゆっくり考えてみる」
としながらも、選挙次期を早める意思はない模様。