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毎日のトップニュース


12月27日(月)

ただいまSpainnews.comのスタッフが風邪をひいて寝込んでいますので、 誠にご迷惑をおかけ致しますが、トップニュースはお休みとさせて頂きます。皆様も風邪をひかれませんようお気を付け下さい。


12月24日(金)

内務省、爆発物を積んだワゴン車とETAの関連について調査

月曜日に引き続き、火曜日にも発見された爆発物を積んだワゴン車と ETAとの関連について捜査をしている内務省は警察のつかんでいなかった ETAの別部隊の基地がアラバ地方に存在する事を確認した。
火曜日に発見されたワゴン車から逃走したETAのメンバーである イゴル・マルティネスの家宅捜査をしたところ、9月にフランスで 盗まれたダイナマイト25キロを始めとして数々の武器が発見された。
治安警察隊によるとこの住まいはコマンド部隊の司令基地となっている とのこと。

総選挙、来年3月12日に行われる予定

昨日、政府スポークスマンのピケ氏は次期総選挙は来年3月12日に行われる 可能性が高い事を発表した。最終的な日にちの決定は1月中旬頃に アスナル首相によって正式発表となる。
また、アンダルシア地方選挙が総選挙と同日に行われる予定である事を アンダルシア州知事のマヌエル・チャベス氏は表明した。以前より、総選挙と 地方選挙を同日に行いたい意向を持っていた同氏は政府がその意向を考慮に いれてくれたものと満足の様子を示している。
この選挙日によれば、選挙戦は2月25日から3月10日までとなる。

貧困にあえぐジプシーたち

議会の付属機関の調査によって、50万人以上のジプシーたちが常に偏見や 差別にさらされている事が指摘された。
全国の掘っ立て小屋に住む 人たちの95%がジプシーであり、数としては約5万人と推定されている。 そのうちの20%あまりは極貧の生活を強いられており、満足な医療を 受けられず、平均寿命が49歳から61歳との報告も出ている。
彼等がその貧困から脱出できない理由として、偏見、差別が大きな要因と なっているが、70%にのぼる成人が教育不足による文盲のため 就労への障壁となり、不定期な仕事に就かざるをえないのが実状である。
住宅問題に関しても政府の提供する住宅が、限られた 地区に建てられた質の悪い物件のため、他の住人と一線を画される場合が多く 本来目的としている社会への融合は困難をきたしている。


12月23日(木)

クリスマス宝くじ、大当たりはエルチェ

昨日、発表されたクリスマス宝くじの1等大当たりはアリカンテのエルチェから出た。大当たりの番号は「65379」。全てエルチェで売られており、賞金総額は435億円。
エルチェは靴製造業が中心の人口20万人の市で多くの工場労働者たちに大きなクリスマスプレゼントが舞い込んだ形となった。
2等は、ここ数年運に見放されていたマドリードのベッドタウン、バリオ・デ・ピラール地区からでた。「17193」という末尾が縁起のよくない“13”であったにもかかわらず、総計205億円の当たりとなった。
3位はトレドを初めとしてバレンシア地方、アンダルシアの各都市に散らばった。

アトレティコ・マドリードの会長ヘスス・ヒル、詐欺の容疑で会長を解任される

昨日、全国管区裁判所のガルシア・カステジョン裁判官によりアトレティコ・マドリードの会長ヘスス・ヒル、副会長のエンリケ・セレソ、その他の役員が解任された。彼らに対する容疑は詐欺、横領、公文書偽造等で、検察庁の調べでは詐欺の金額は94億円あまりにのぼるとみられている。
さらに、ヒルとセレソによりクラブの株式資本の94.5%にあたる19億5千万ペセタが全く支払われておらず、さらに組合員の支払った残り5.5%、1億1千200万円をも我がものとしていると追求されている。
また、裁判官はクラブ及びヒルの所有する会社の銀行口座を凍結し、全ての金銭の流れを調査する命令を発し、上記株式資本の差し押さえに入った。
このクラブ首脳陣の解任により、法定管財人のルイス・マヌエル・ルビ氏がヘスス・ヒルの後任を務めることになる。

移民法、上院で可決

昨日、上院にて採決された改正移民法はPPとCIUが提出していた修正案の賛成票が過半数に達しず(昨日の記事参照)、結局下院にて通過したオリジナル通りの移民法が採択された。
この改正移民法によって、多くの外国人移民の権利が保障されることとなり、法の下で合法、不法の別なくスペイン人と同様の権利と自由を享受できる。
主な改正点は次の通り。
居住許可について:不法入国者でも2年以上スペインに滞在している場合、生活に必要な経済力を証明できれば、自動的に居住許可証を与える。その後、5年以上の居住許可、永久居住許可へと移行する。
労働許可について:大筋の変更はないが、農業に従事する者が数ヶ月スペインにて働き、その後国に帰る場合合法とする。
医療:全ての移民が緊急医療を受ける権利を有する。居住する地区の役所に居住登録をすれば、スペイン人と同様の医療を受けられる。
社会保険サービス:スペイン人が受けるサービスと同様の権利を保障されるが、それに伴い、同様の義務も課せられる。
教育:全てを保障される。スペイン人と同様、援助や奨学金を受けることができる。
ビザ:新しい改正点はないが、ビザを却下する場合にその理由を明示しなければならない。


12月22日(水)

950キロの爆弾を積んだワゴン車、検問にひっかかる

昨日、月曜日にサラゴサ地方のカタラジュ近郊で950キロの爆発物を積んだワゴン車が治安警察隊の検問にかかり、運転手が逮捕されていたことが発表された。
内務省の発表によると、カタラジュ近郊の国道を重量オーバーで車体の落ちた不審なワゴン車が走行していたため、治安警察隊が不審尋問を行い、車両内にあった爆発物が発見されたというもの。
車内には1m四方のジュラルミンケースが固定されており、その内部に50キロのダイナマイトを含む950キロあまりの爆発物が隠され、鍵のかかった金庫には時限装置が備え付けられていた。
逮捕された32歳の男はサラゴサで別の人間から5万ペセタと引き換えにこのワゴン車をマドリードに運ぶよう頼まれたと供述している。

PP、移民法修正案に関してカナリアス連合の支持を得られず

昨日、カナリアス連合(CC)はPP及びCIUの提出している移民法修正案に関して本日の票決にに反対票を投じるとの発表をした。この決定により、PP、CIUは可決に必要なだけの過半数を得ることができず、11月に下院で可決したオリジナル通りの移民法に落ち着くもよう。
CCのリベロ党首は最終的には、ここ18ヶ月にわたって様々な機関や社会との討議によって同意を得たオリジナル通りの移民法に忠実であることを選択したと弁明した。

スペイン女性の平均出産人数は1.07人

国家統計局の出した報告によると、1998年度の出産可能なスペイン女性(15歳から49歳)の平均出産人数は1.07人とイタリア、香港とならんで世界最低となっている。
EU内では既に1997年に平均1.15人で最低の地位を占めている。世界では他にブルガリア、チェコ、ルーマニア、日本が低出産国である。
女性の学歴による出産人数の調査では、学校に通った年数が5年以下もしくは文盲の女性の出産人数は多く、高校・大学を出ていると極端に減少する。宗教による違いはカトリック・イスラムが平均して1.29人、1.23人に比べプロテスタントのほうが低く、平均1.01人にとどまっている。


12月21日(火)

ETA、ゆすりの手紙を30の企業に送りつける

12月3日に一方的に休戦停止宣言をしたETAがこの2週間の間に30あまりのバスク、ナバーラ地方の企業に“革命税”と称する金銭を支払うよう、脅迫の手紙を送りつけていることが判明している。
休戦中もその資金集めをやめることなく着々と経済的基盤を固めてきたETAであるが、現在、休戦停止という人民の恐怖心を利用してさらに“割り当て”を増やそうと画策している。手紙を受け取った企業の中に以前、ETAに誘拐され、その釈放の際にその身代金の支払いを猶予されていた企業があり、既に5千万ペセタを支払ったという事実も報告されている。
ナバーラ企業連盟(CEN)の会長はETAのこの恐喝、ゆすりに決して屈することなく断固支払いを拒否する姿勢を示している。

運転中の携帯電話の使用の危険性

消費者・利用者団体(OCU)が運転中の携帯電話の使用についての危険性についての報告書を発表した。
OCUの行った実験データによると一般的な携帯電話の使用で、交通標識を見逃す率が使用していない時の5%に比べ42%に跳ね上がり、交差点やロータリーの優先順位のある地点でも4人に1人が見間違いをしている。時速120kmで走行中に番号を押す作業をすると平均10.6秒、350mの間注意力散漫になり、危険性が増す。
運転者の中には走行中の通話で通常70から90の脈拍数が145まであがった例もみられ、心臓負担が増す危険もある。
交通法規上は運転中の通話はどのような場合においても使用を禁止されている。しかし、道路基準では両手が自由になるタイプの電話ならば使用が認められている。OCUでは現在、市場に出まわっているタイプで声に反応するものに限っては安全性の面で受け入れられるだろうとしている。

大学生の47%が移民の流入は犯罪を増加させると信じている〜マドリード

マドリードの大学に在学する大学生4200人(18歳から25歳)を対象に聞き取り調査を行ったところ次のような結果が出た。
スペインへの外国人移民はこれ以上増やすべきではないが、現在国内にいる移民は国外追放するべきでないと考える学生は56.8%、それに対してもっと外国人を受け入れるべきだと考える学生は30.9%。人類学者で今回の聞き取り調査の行ったカルボ・ブエサス氏は一番心配なのは29.5%にも上る学生が不法移民を国外追放させるべきだと考えていることだとしている。これはある特定の文化レベルにありがちな情報不足を反映していものと説明している。
また、89%の学生がネオナチ集団、スキンヘッドを拒否しているのに対し、0.9%の大学生(全体でみると200人ほどに当たる)が夜間、黒人やアラブ人を襲撃しに行きたいと考えているという。
死刑に賛成する大学生は18%という結果も出ている。


12月20日(月)

PSOEアルムニア幹事長、IUに連帯を呼びかける

昨日、PSOEのアルムニア幹事長はグラナダの討論集会にて、IUのリーダー候補フランシスコ・フルトスに総選挙前後にわたって、反右政権として連帯を深めるように呼びかけた。
IUは突然、リーダーのアンギータ氏が心臓疾患によって、次期総選挙への立候補を断念した為、フルトス氏が候補となったものだが、PSOEとしては、アンギータ氏の後継者としてフルトス氏と協力関係を保ちたい意向。
それに対し、フルトス氏はPSOEが正式に“文書”で同盟を求めてきた時に話合い、決定するとし、明確な回答は避けた。

勧業省の技術者、勧業大臣に抗議文を手渡す

先週、勧業省道路港湾局のもとで働く220人のうち88人の技術者が連名で勧業省のアリアス大臣に抗議文を手渡した。
この抗議文の内容では、透明度、客観性、責任そして効率を鑑みて日々の職務を遂行すべきであるのにもかかわらず、当局はその原則を破り、政治的目的を達成する為に公共事業を利用していると非難。
また、公共事業を同じように必要とする地方のうちどこを選択するかといった規範や事前調査といったものが日に日に失われているとし、この不公平な選択によって影響を受けた地方は、エストゥレマドゥーラ、アンダルシア、そしてカスティージャ・イ・レオンだとしている。

麻薬中毒者の犯罪、被害者と和解への道を探る〜マドリード

今年5月よりモラタラスの援助協会によって始められた計画で、現在までに22人の麻薬中毒者が調停により犯罪被害者に損害賠償をすることで刑務所行きを免れている。
この調停の対象になる犯罪は刑法によって規定されている5年以内の懲役に当たる犯罪で、すりや置き引き、強盗(但し、人的被害が軽微な場合)などが含まれる。
法的な手続きをふんで和解に落ち着いた今までの例では、盗んだ金銭を返済する、盗もうとした車を洗う、障害者施設での手伝いなどを行っている。但し、それと同時に麻薬中毒の治療を受けることが要求される。このようなシステムはアメリカ合衆国では定着しており、スペインではカタルーニャで既に始められている。


12月17日(金)

移民法修正案、上院通過に黄信号

与党国民党(PP)が提出している移民法の修正案が来週水曜日に上院にて採決される予定だが、PPを支持する政党がカタルーニャ連合(CIU)だけとなり過半数を獲得できず、上院での通過が危ぶまれている。
当初、カナリアス連合(CC)の支持を取りつける予定であったのだが、CCが申し入れた唯一の修正案をPPとCIUが拒絶したため、CCの支持が得られない可能性もでてきた。
この移民法修正案を是が非でも可決したいPPは法律の解釈の仕方によっては過半数を獲得せずともよい条項があるのではないかとまた別の道を探っている。

F.C.マラガの会長、タバコ密売とマネーロンダリングの容疑で逮捕

昨日、スペインのサッカー一部リーグに所属するF.C.マラガの会長フェルナンド・プチェと彼の右腕であり副会長でもあるペドロ・アントニオ・マルティンが逮捕された。
以前から、プチェ容疑者が合法的な会社を隠れ蓑にし、タバコの密売組織を操っていることについて警察は内定をすすめていたが、決定的な証拠をつかめないでいたもの。プチェ容疑者は複雑化した組織を利用し、タバコの密売、マネーロンダリングをすることで25億円の脱税をしたことも判明している。 この組織の摘発で既に80人以上の逮捕者がでている。

フリオ・アンギータ、緊急手術

左翼連合(IU)のリーダー、フリオ・アンギータは昨日、マドリードのラモン・イ・カハル病院に緊急入院し、心臓外科手術を受けた。93年に選挙運動中に最初の心臓発作をおこし、昨年の夏も同じ原因で入院したという前歴がある。昨日も急に体調が変化したため、入院し検査したところ狭窄がみられたため、心臓に3つのバイパスを通す手術を行うこととなった。手術は3時間半に及んだが、問題なく終了、3ヶ月後には普通の生活が遅れるようになる予定。
この手術による3ヶ月間の政界離脱はIU内に大きな波紋を投げかけている。来年、3月には総選挙が行われるため、アンギータの後継者を選ぶ必要があるのかどうかといったことについて連合内の調整を図っていくもよう。


12月16日(木)

物価上昇率高騰のため、年金受給者に年金の追加支給を決定

先月11月の物価上昇率は昨年同時期に比べ、当初の予想1.9%に反して2.4%となったため、それによって生じた不利益の穴埋めとして、年金受給者に追加で年金を支給することとなった。このため政府は来年2月に一人当たり、7千ペセタから2万ペセタ、計600億円を支出することを余儀なくされた。
昨日、国家経済局のモントロ長官は今年のインフレ率は最終的に2.6%から2.8%との見通しを発表したが、専門家たちの間では2.9%まであがるのではないかと予想されている。
物価上昇の主な原因は、光熱費と生鮮食料品の値上がりにあると発表された。

ラサ−サバラ事件、裁判2日目

前日に引き続き、ラサ−サバラ事件の裁判が行なわれ、昨日は元治安警察隊情報局長ガリンド容疑者が検察側の質問に答えた。
起訴状によるとラサ、サバラ両人を誘拐及び殺害を命じた罪により懲役92年が求刑されているが、ガリンド容疑者は、全面的にこの事件への関与を否定。この両人が誘拐されたことは一般の人と同じように新聞記事にてはじめて知ったとことを確認。“ガリンド容疑者の命を受けてラサ、サバラ両人の身柄を拘束した”との自白を撤回することはないとする元治安警察隊バジョ容疑者(すでに刑務所に収監中)に対しては、テロリストに立ち向かった多くの治安警察隊の中で最優秀の人材であったと誉め、彼の供述を変えさせるような発言はなかった。

マドリード市中心街の無料バス、初日はガラガラ

年末年始のこの時期、マドリード市内の交通渋滞は想像を絶するものとなる。これを少しでも回避しようとマドリード市役所の鳴り物入りで登場したのが12月15日から1月9日までの期間限定の特別無料バス。乗車時に当日他のバス路線もしくは地下鉄で使用した切符を提示すれば無料というシステム。公共交通機関の利用を促し、自家用車の市内中心部への流入をとめる有効策と考えられ、市内中心地を12の路線が走り始めたのであるが、ほとんど人が乗っておらず、初日は失敗に終った。
原因は、市民への宣伝が足らず、ほとんどの人がそのようなバスの存在すら知らなかったこと、そのバスがどのようなルートで走るのかバス停に何の表示もないことがあげられる。


12月15日(水)

ラサ−サバラ事件の裁判、始まる

昨日、1日延期されていたラサ−サバラ事件の裁判が開始された。
この裁判では1983年10月に起こったETAのラサとサバラ両人を誘拐・拷問のうえ殺害したとされる容疑者たちが元バスク州政府の要人や警察関係者であり、どのような答弁が行なわれるかに注目が集まっている。
エルゴリアガ容疑者はこの容疑に対して、全面的に関与を否定。当容疑者の下で警察官として働いていたカリジョ容疑者が当時交際していたETAによって殺害された議員の未亡人との関係をエルゴリアガ容疑者に壊されたとの個人的な恨みによって事件に巻き込まれたものと説明した。
また、裁判が延期となる原因となったバジョ容疑者も出席した。

有鉛ガソリンの禁止によって影響を受けるのはスペインの車の25%

EU内での有鉛ガソリンの使用禁止についての協議がブリュッセルで行なわれるが、禁止によって影響を受けるのはスペインの車輛の25%に及ぶものとみられている。
使用禁止までの猶予期間が1年となるか、2年となるかは定かではないが、この問題に対する有効な対策が練られていないのが現状である。
補助金を出して有鉛ガソリン使用車輛を無鉛ガソリン使用車輛に買いかえる、無鉛ガソリンでも利用できる装置をつける、ガソリン自体に新成分を混入させる等、それぞれに問題点をかかえた方策しかだされていず、スペイン政府はイタリア、ギリシャと共に猶予期間をなるべく長く取るよう求めている。

スペインの医療システムの欠陥は情報不足

昨日、提出された調査報告で、将来自分で病院を選択できるようなシステムにかわっても国民にあまり利益をもたらすことはないであろうことが指摘された。医療サ−ビスを受ける側へ詳しい情報提供がないと言う不満、病院側は国の医療政策のためにデータ収集に困難をきわめることが大きな問題となってる。
それとは別に、国の医療システムが急速に発達したと言う点では国民の満足度は高いということが私立の医療保険の加入者が国民全体の10%にとどまっていることからも判明している。特に91年から96年の5年間で満足度は20%から50%まであがり、特に初期医療に関しては80%の国民が合格点をつけている。


12月14日(火)

アルサジュスPNV党首、“バスク独立には過半数の支持があれば十分”

昨日、アルサジュスPNV党首はラジオの対談で、PNVの“シンパ”は彼同様バスク独立支持の票を投じるだろうこと、バスクの“国民投票”で過半数の賛成が得られれば十分であると考えていることを明らかにした。
と同時に、同党スポークスマン・アナサガスティは別のラジオ局にて、ヨーロッパが統合し、国家の境界がなくなりつつある状況でバスク独立をめざすという考えはばかげていると党首とは正反対の発言をしている。
アルサジュス党首の発言をうけて、アスナル首相は、誰も、いかなる方法によってもスペイン憲法の枠をこえることはできないと強調。

ラサ−サバラ事件の裁判、延期される

昨日、全国管区裁判所において開かれる予定であったラサ−サバラ事件の裁判が被告の1人であるフェリペ・バジョの健康上の理由で突如延期となった。
被告はアルカラ・デ・エナーレスの軍刑務所に収容されていたものだが、当日になって腰痛のために裁判に出席できないとの連絡が入ったため、裁判所側が被告の病状が裁判に耐えうる状態かどうかの判断を下すため出頭するようにとの要請を出した。
下着姿のまま救急車で運ばれてきた被告を診察した医師達は出頭要請後に大量の薬を投与されたため、筋肉弛緩、脈拍微弱の状態となっていると確信。
裁判所は、当被告を民間病院へ移すこと、また防衛省には裁判の進行を阻害する目的があるかどうかという疑惑について解明するよう命じた。

脳死状態の女性の胎児は順調

アストゥリアス地方ヒホンで34歳の妊娠中の女性が1ヶ月前から脳死状態で病院に収容されている。
この女性は9月初旬、妊娠12週で敗血症の症状にて入院、集中治療室で治療を受けていたが、神経系統の損傷がひどくなり、11月中旬には脳死を宣告された。
この女性の自分の死後もできうる限りの方法で胎児を救って欲しいとの希望を尊重し、妊娠34週までこの女性の子宮で人工的に育てていく予定。
医療チームはこの胎児に二次的な障害が現れる可能性については否定。また、胎児を実験材料にしているのではないかとの疑問について、胎児を救う唯一の目的はこの女性と家族の希望によるものと答えた。


12月13日(月)

国王夫妻の2番目の孫、洗礼を受ける

昨日、フアン・カルロス国王夫妻の次女であるクリスティーナ王女とイニャキ夫妻の息子フアンの洗礼式がサルスエラ宮で行なわれた。国王夫妻にとってはエレナ王女の息子フェリペ・フアンに次いで2番目の孫にあたり、9月29日にバルセロナにて産声を上げている。
当初、“フアン”という名前だけの予定であったが、ウルダンガリン家の祖先のサン・バレンティン・デ・ベリオチョアにちなんで“フアン・バレンティン・デ・トドス・ロス・サントス”という名前に落ち着いた。
介添え役はクリスティーナ王女の姉エレナ王女とイニャキの兄ミケル。式にはアスナル首相夫妻をはじめとして、出産を担当したバルセロナ・テクノン病院の医師たちも出席した。

PP、バスク議会の選挙期日を繰り上げるよう要求

バスク・ETA問題に関して、PNVと一線を画してしまったPPは昨日、バスク自治州首長イバレッチェ氏に対して、バスク議会の問題早期解決、バスク州の選挙期日繰上げを要求した。
この要求はバスク州PPが中央政府の援護をうけて発表したもので、1998年10月に行なわれた選挙では、現在PNVが主張しているバスクの主権問題に関してリサーラ同盟は独立を目的とするもではないとしており、バスクの有権者の認識とは異なった方向に進んでいると指摘。
これに対し、各政党とも反対の意を表明し、選挙期日が繰り上げられる可能性はないであろうとの見方をしている。

時代遅れのピルに公的助成金

現在、妊娠可能な年齢のスペイン女性のうち16.5%にあたる168万3千人が経口避妊薬を使用している。他のヨーロッパの国々に比べ、使用率が低いとはいえ、1998年は年間60億円にのぼっている。
今年、申請された新しい経口避妊薬は公的助成金を却下され、時代遅れであまり使用されないピル3種類が対象になることとなった。この決定により婦人科の医師達が薦める新薬を利用しようとすれば個人負担となる。
スペイン厚生省では新薬に対し、副作用の可能性があることを指摘、また、助成金を出す場合の指針として現在のあるものと同等以上の効果を持ち安価であることが必要としている。


12月10日(金)

PNV、バスクの独立についてHBと提携の道をとるか

アスナル首相のバスク政府に対する批判的な発言(12月7日の記事参照)はPPとPNVの間に決定的な亀裂を生じ、バスク民族主義者達の態度を硬化させてしまった。
昨日、PNVのアルサジュス党首はバスク地方の独立への道−それが、たとえ不可能な空想の産物だとしても−についてHBと交渉する用意があることを表明。但し、ETAには一歩も譲らない構えを示した。
また、アルサジュス党首はアスナル首相に関して、PPとPNVの断絶の責任は首相自身にあるとし、「南で票をとるために北で戦争状態を作り出そうとしている」と非難した。

飲酒運転は罪にならず?

1997年2月にPSOEの議員ハビエル・バレーロが車を運転中、パトロール中の治安警察隊に止められアルコール検査を求められたが、2回にわたり拒否、議員の身分を明かし、その場をのがれた。彼のこの行動は重大な不服従の罪に当たるとし、最高裁判所で審議されていた。検察側はアルコール検査を拒否したことを刑法に照らし合わせ、懲役6ヶ月を求刑していたが、道交法では10万ペセタの罰金と最長3ヶ月の免停を規定している。
最高裁の判決はアルコール検査を拒否したことは不服従の罪に当たるが、と同時に飲酒運転の予防として検査を求められた場合に飲酒の兆候が見られず、その影響下にないと認められる場合は犯罪としての性格は持ち合わせず、行政処分の域を超えることはできないとした。また、明らかに身体的能力や判断力の欠如を引き起こさないならば、血中アルコール度がある程度あったとしても犯罪ではないとの判断を示した。

警察官、大晦日の特別出勤手当が5万ペセタ

マドリード市警察の6つの組合と地方議会代表者は市警察官の大晦日の特別出勤手当に関し、1人当たり5万ペセタ(手取り)プラス1日の代休を取ることで合意した。当初は10万ペセタを要求していたが、3回にわたる協議で上記金額におさまったもの。
この決定により、大晦日の夜は55歳以下の警察官1220人が2つの時間帯にわかれて、厳戒態勢に臨む。これにより、マドリード市は8千万ペセタの出費となる。
また、国家警察も内務省に対して、大晦日の特別手当として1人あたり3万ペセタを要求する予定。


12月9日(木)

PP、上院にて移民法草案の大幅修正を提案

先月25日、下院にて移民法草案が絶対多数で可決しているが、上院にてPP(国民党)より大幅な修正案が提案された。この修正案では合法滞在者はスペイン人に較べ行使できる権利がせばめられ、さらに不法滞在者の権利は医療と教育に限られることとなる。
この期限ギリギリに提出された修正案に対し、PSOE、PNV、IUは真向から反対の態度を示し、CIUのジョルディ・プジョール党首は“今のところ”PPより出された大幅な変更に賛同の意を示していないが、本日会合を持ち歩み寄りを見せるもよう。
政府はこの修正案を通すために絶対多数を必要とし、CIUとカナリアス連合の協力が欠かせない。

大型連休最終日、交通機関に大きな乱れ

昨日8日、スペインの大型連休最終日は霧のために空の便が大幅に乱れたのをはじめとして、RENFEの人為的ミスのためマドリードとアンダルシア、レバンテ地方を結ぶ路線がストップした。
マドリード・バラハス空港では朝から濃い霧による視界不良のため、離発着に乱れが出ていたのに加え、ILSシステム(機械による着陸システム)の故障によりさらに事態は深刻化し、159本の便がキャンセルされ、800本にのぼる便が何時間もの遅れを出し、最終的には4万人あまりの人が空港に残されることとなった。
また、トレド県のカスティジェホ駅では夕方7時ごろ電力の供給が止まり、駅より数キロ離れた地点で20本の列車が止まり、5千人あまりの人達が6時間以上列車内に缶詰となった。RENFEの発表によると、この路線について熟知した人間によって電力供給ポイントを切られたためとしている。

アストゥリアスの家族とロシア政府の対立、深刻化

夏になると民間団体の招聘によって多くのロシア人孤児達がスペインでの夏休みを過ごすためにやってくる。その中でも1997年にアストゥリアス地方にやってきた9歳から13歳の9人の孤児達は特別措置によってスペインの家族の下、2年間地元の学校に通ってきた。今年の8月、ビザの期間が終了した為、ロシアに戻らなければいけなくなったのだが、このアストゥリアスの家族は全て彼らを養子にとの希望で、ロシアに帰すことを拒否している。
これに対して、ロシア政府は養子の手続きはその子供がロシアに居住する状態で進めなくてはならないので、一旦子供達を返すことを要求。さらに、子供を返さないのなら、これからのロシア人孤児のスペイン滞在計画は中止すると発表。
スペイン人家族は、法律が要求するようにロシアの孤児院で手続きが完了するのを何年も待つ必要性は全くないし、子供達の意見を聞こうともしていないと反撃。


12月8日(水)

本日は「無原罪のお宿り」の祝日にあたるため、トップニュースはお休みにさせて頂きます。


12月7日(火)

アスナル首相、民族主義者を民族浄化に走っていると批判

ETAの休戦撤回宣言から1週間。バスク地方、中央政府ともども様々な思惑が錯綜している中で、昨日、アスナル首相はバスクの民族主義者たちに痛烈な批判を浴びせた。
「バスクの民族主義者はユーロを代表として統合の進むヨーロッパよりも排除、民族浄化を標榜するコソボというヨーロッパにより近い態度を示している。」とし、更にバスクの独立を手に入れるための手段として、ETAは殺人を犯す権利を手中にしていると強く非難した。
また、昨日、次の総選挙は来年3月に行なわれる予定であることを発表。

スペインの電気代は高い

スペインにおける電気料金体系に“ゆがみ”が生じていることがOCDEによって指摘された。工業生産者用の1キロワット当たりの料金は世界でも9番目に位置するのだが、個人消費者の電気料金は日本、デンマーク、ベルギーに次いで高い。これについて、スペイン国内でのシェア〈76%〉がエンドサ社とイベロドローラ社の2社に集中していることが市場の寡占を招くと警告している。

モロッコの検察、ハシシを持ち出そうとした罪でスペイン人に10年の求刑

昨日、モロッコ、タンジェールの裁判所でスペイン人マヌエル・トリヴィニョに対してハシシ1379キロを持ち出そうとした罪により10年間の刑が検察により求刑された。
この事件は、去る11月19日、モロッコからトラックにて出国しようとした被告がタンジェールの税関にて1379キロものハシシを発見されて逮捕となったもの。しかしながら、当被告によれば、タンジェールより898キロ離れた町で20トンのトマトとピ−マンをのせての帰路、トラックがこじ開けられたような跡を見つけた為、警察に届け出、更にタンジェールの税関ではトラックの内側から不審な物音がするのを聞き、密入国者が入りこんだと思い、届を出したとのこと。
この裁判に抗議をする100人あまりの同業者達がカディスの港でモロッコ行き及びモロッコからのトラックを封鎖するといった行動をとった。


12月6日(月)

本日はスペインの憲法記念日で祝日にあたるため、トップニュースはお休みにさせて頂きます。


12月3日(金)

民族主義者、ETAの休戦停止を前にバスクの主権を強化

昨日、リサーラ同盟加盟政党による会談において、民族主義者達がこれまで果たしてきた平和へのプロセスを故意につぶしたとしてスペイン及びフランス政府を糾弾した。
また、この会談に先立ち、PNVはHBに対し、全てのバスク人民のための法律上及び政治上の主権に関する新たな計画案を提示。アルサジュスPNV党首とHBスポークスマンのオテギはこの新しい計画に向かい、民主的な方法を持ってまい進していくことに同意した。
また、ETAに対しては再び、武器を取ることをしないよう強く求め、オテギHBスポークスマンも「テロ行為は全ての人々に失望感をあじあわせるもの、おそらくETAにとっても同じであろう。」とコメント。

安心して麻薬を打てる場所をマドリード政府が提供か

依然、解決すべき問題が残っているが、麻薬中毒者のためのサロンを建設する方向でマドリード政府はゴーサインを出した。
このサロンでは劣悪な衛生状況の下で麻薬を打っている麻薬中毒者を医者やソーシャルワーカーなどが管理・指導し、病気の感染やその他の危険から守ろうとというものである。HIVの感染予防のために使い捨ての注射器、精製水(ヘロインを溶くため)、感染予防のタオル、コンドームを配布する予定である。
このようなサロンはアムスデルダムやスイスなどに先例があるが、スペインでははじめてのケースで、この計画が成功すればマドリード以外の都市にも広がる可能性がある。

“ピラミデスの強姦魔”に690年の求刑

昨日、マドリードにて“ピラミデスの強姦魔”として知られるアルリンド・カルバーリョに対する裁判が行なわれ、検察側は41件の暴行・強姦、31件の窃盗に対し、690年を求刑。
カルバーリョは「自分のことを狂人だと思ったこともなければ、サイコパスだと思ったこともない。ただ、今までの生活でここで取り沙汰されているような問題があった。はっきりといえることは決してこれら全てのことをやったのではないということだ。」と釈明。
弁護側は被告が罪状を認めていないことをあげ、精神錯乱を理由に情状酌量を求めた。


12月2日(木)

アスナル首相、バスク自治州首長に責任を果たすよう求める

12月3日のETAの武装闘争再開を前にして今週は各政党とも慌ただしい動きを見せている。昨日は バスク自治州イバレッチェ首長がアスナル首相を訪問し会談をもった。バスクの現状にに対してどのように対処して行くのか、それぞれの見解の違いを確認。その相違に関しての公式発表はなされなかったが、相違の一つは次の通り。イバレッチェ首長はこの問題に関してHBを含んだ政党で新たなテーブルを囲みたい意向を示したが、アスナル首相はそれを拒否。過去にもPNV主導で提案されたことがあったが、PPの反対にあっている。
アスナル首相はイバレッチェ首長に彼の責任を果たすよう求めたが、同時にEHとの関係を損なうような圧力をかけることはしないことを約束した。

HB、平和への集会に参加することを表明

明日、バスク州内においてバスクの各政党によって平和への集会が行なわれる予定であるが、HBがこのような性格を持つ集会に初めて参加することを表明した。
HBはこの集会に参加することを表明した際、バスク社会が平和を欲し、必要とし、求めていることは疑う余地のないところである、というコメントを発表。ただ、HBの目的とするところは党独自のバスクの平和に対する教義を披露するためのものとみられる。
このHBの決定に対し、各方面で波紋が広がっている。イバレッチェバスク自治州首長は好意的な受け止め方をしているが、このHBの行為によってバスク自治州首長がHBと袂を分かつことが難しくなる との見方もある。

捨てられた赤ちゃん無事保護される〜マドリード

昨日朝、マドリードのテトゥアン地区で近所の人が犬を散歩中、不審なスーパーの袋を発見、警察に駆け込んだ。警察官がかけつけてみると袋の中には生まれたばかりとおぼしき赤ちゃんが入っており、即座に連れかえり病院へ運んだ。
この日の朝の温度は6度。へその緒のついたままの赤ちゃんの体温は31度まで下がっていたが、回復の経過は順調とのこと。
警察の調べでこの赤ちゃんの母親は近所に住む18歳のエクアドル女性。妊娠が判明した時点で家を飛び出し、その後父親に当たる恋人に捨てられ、さらに不法滞在がばれるのが恐ろしく病院にいくこともできないまま1人で自宅の風呂場で出産。思い余って、外に捨てにでてしまった模様。


12月1日(水)

アスナル首相とアルムニアPSOE幹事長、イバレッチェバスク自治州首長と会談予定

本日、アスナル首相はETA対策についてアルムニアPSOE幹事長とまたイバレッチェバスク自治州首長と別々に会談を持つ予定であるが、それに先立ち昨日IU党首アンギータ氏と会見した。アンギータ党首はETAが再び武器を取るのであればリサーラ同盟から脱退することをアスナル首相に伝えた。また、リサーラ同盟を破ることはETAの暴走に歯止めをかけられる可能性は全くないと示唆した。
本日の会談に関してはETAの休戦宣言撤回をうけての対策会議といえるが、アスナル首相、アルムニア幹事長ともどもイバレッチェ首長が両党と協調路線をとるかどうかについては懐疑的である。しかしながら、イバレッチェ首長との関係を保っておくことは有益であるとしている。

汚職捜査担当検察官宅、盗聴される

マドリードの汚職捜査担当検察官ヒメネス・ビジャレホ氏の自宅電話が盗聴されていたことが、発覚。
先週、電話に妙な雑音が混じっていることに気付いた当氏が警察に捜査を依頼、いたるところにマイクが設置されているのが発見された。この盗聴行為に対して、犯人の心当たりは全くないが、このような行為をしたところで犯罪行為追及の手が甘くなると思ったら大間違いであると強調。

スペインのエイズ患者、昨年より24%減少

本日12月1日は世界エイズデーとして、毎年、エイズと戦うキャンペーンが行なわれる。
スペインではヨーロッパの中でもエイズ罹患率の高い国で、100万人に8人がエイズ患者であるとの統計が出ている。潜在的患者は12万人とも20万人とも言われている。とはいえ、1995年を境に患者の数は減ってきており、昨年に比べ24%減少している。
エイズの感染源は50%以上が麻薬を注射する際の注射器を共有することにあり、それに続き、異性間の性関係、同性間の性関係となっている。



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