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6月28日(金)

ETAがバスク州の社会党議員に送りつけた脅迫状が公開される

「親愛なるベラ氏、今日もまたあなたの家の玄関に来ています。しかし次回来る時には、このような小包を届けるためではなく、直接あなたの頭をぶち抜くでしょう。あなたにはそれが相応しいからです。」このような文面で始まるテロ組織ETAからの脅迫状が、昨日アンドアイン市(ギプスコア県)の社会党議員ホセ・ルイス・ベラさんの元に届いた。
ETAの休戦を約束する「リサーラ協定」が定められた後の1999年に市町村選挙が行われたが、協定を支持する立場から、穏健派民族主義政党PNV−EA連合がバタスナ党に投票し、ベラ議員の所属するアンドアイン市議会では、63票の差でPSEがETAの政治母体であるバタスナ党に行政を譲ることを余儀なくされた。バタスナ党政権樹立以来、PPやバスク社会党(PSE)所属の議員らは、日々ETAからの脅迫にさらされている。
昨日は、このベラ議員の元に届いた脅迫状が公開され、同じように出勤中、散歩中、車の中などいつ暗殺されてもおかしくないような状況に陥れられている他の社会党4議員らとともに、来年の市町村選挙でバタスナ党を打倒し、議会から急進派を一掃するために、ひるむことなく闘いを続ける意思を明らかにした。
またPSEのマヌエル・ウエルタ党首は昨日、バスク州知事のイバレチェ氏(PNV)に対して、いま社会に欠けているのは、積極的戦いであるとして、暴力に対抗できるだけのリーダーシップをとるよう強く求めた。そして、脅迫を受けている議員らを支持する大規模な集会を開くべきであると主張した。
ベラ議員に対する脅迫行為は、昨年の11月ごろから始まったという。夫人の乗用車を爆破されたり、同じ苗字を名乗っている隣人の家に間違って放火されたりしたことがあった。また今回届いた脅迫状には、1ヶ月前のものと同じように、自宅の鍵が同封されており、「他にも47本の合鍵をメンバー(ETA)が持っている」と書かれていた。それでもなお、ベラ議員はこれからも同市で議員を続けていく意思が固まっているという。

マドリッド市長選のPP候補者問題について、アスナル首相がカナダから終結宣言

2003年の市町村選挙で、マドリッド市長選へのPP(国民党)の筆頭候補者がまだ指名されていない問題で、ハビエル・アレナス幹事長が候補者擁立のために、市民に対してアンケート調査を行っていたことが明らかになった。
これに対して、前幹事長で、現在は勧業省大臣を務めているアルバレス・カスコス氏が異議を唱えた。アルバレス・カスコス大臣は、アンケートという手段によって候補者を決めるというのは失策であり、アレナス幹事長が「党内に危機をもたらした」として強く非難していた。これを受けて、G−8サミットのためにカナダのカルガリーに滞在しているアスナル首相は、選挙前に様々な方法で情報収集するのは「然るべきこと」と認めながらも、「選挙の候補者指名に関して、PPにはちゃんとした規則があるはず。それは、総選挙であろうが、他の選挙であろうが変わることはない。」と野党にとって有利になるだけの党内論争がこれ以上拡大するべきではない、との意向を示した。

治安の悪化と移民急増に不安感

スペイン人が最も心配しているのは失業とテロであるが最近、治安の悪化と急増する移民への不安が高まっている。社会学調査センター(CIS)の調べによると、5月と比べて治安の悪化は5ポイント、移民への不安は9ポイント上昇し、それぞれ23.8%、23.5%となっている。
トップに立つのは、失業(69.6%)、テロ(54.3%)で、問題となっている改正失業法に関しては、54%が「他都市に引っ越さなければならなくてもその仕事に就く」と答え、仕事を断るとしたのは26.7%だった。
移民に関しては、スペイン人の3人に1人(34.5%)が、ヨーロッパにおける極右勢力趨勢の主要原因は移民増加だとみている。
今回の調査では、経済とユーロ導入についての意見も明らかにされており、それによると、スペイン人の23%が自国経済は好調またはとても好調であると考えており、スペイン人の3人に2人はペセタをユーロに換算するために電卓をもう使っていないという。

ナバロ選手がNBAドラフト指名

バルセロナのガード、フアン・カルロス・“ラ・ボンバ”・ナバロ選手が昨日、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われたドラフトで、マイケル・ジョーダンの所属するワシントン・ウィザーズから40位指名を受けた。スペイン人選手が世界最高のバスケットボールリーグNBAのドラフトで指名されるのは、フェルナンド・マルティン、ホセ・アントニオ・モンテロ、ロベルト・ドゥエニャス、パウ・ガソル、ラウル・ロペス(実際に契約したのはマルティンとガソルのみ。)に続いて6人目。
「NBAでプレーするのは、僕の夢だった。特に僕の憧れのマイケル・ジョーダンのいるチームだったらなおさらのことさ。でも、プレーするのは今年になるのか来年か、まだわからないよ。今は、まず世界選手権に意識を集中させて、それから所属クラブと今後について話し合うつもり。僕との契約はまだ切れていないし、移籍金は高額だからね。」と、喜びの隠せないナバロ選手は語った。ナバロ選手が来シーズンからNBAでプレーするためには、ウィザーズは5百万ユーロの移籍金をバルセロナに払わなければならない。
NBAでガソルと対決することになりそうなもう1人の選手、マドリッドのラウル・ロペス選手は昨年のドラフトで24位指名されたユタ・ジャズと来週にも契約する見とおし。最近NBAでドラフト指名された3人のスペイン人、ガソル、ナバロ、ロペス選手はいずれもカタルニャ出身。


6月27日(木)

スペインの子供の出生率が上昇、移民の増加が一因

スペインの子供の出生率は、1999年から3年連続で上昇していることが、このたび国立統計局(INE)の調べで明らかになった。この統計によると、昨年1年間にスペインで生まれた子供の数は403.859人で、2000年に比べて8.103人増となった(99−2000年には17.947人増)。これにより、1991年以来初めて40万人台を回復した。最終的に、昨年は15歳から49歳の出産可能年齢にある女性が子供を産む率は、前年より0.01増の1人平均1.24人となった。しかしながら、スペインは依然としてEU諸国(平均1.53人)のなかで、最も出生率の低い国であることには変わりない。
INEは、この出生率の上昇は、外国人移民の増加に起因しているのではないかという見方を強めているが、今のところ、昨年生まれた外国人移民の子供のはっきりした数はつかめていないという。スペインでは1998年に1.15人という低い出生率を記録して以来、非常にゆっくりとではあるが、徐々に回復してきた。ちょうど移民の増加が顕著になってきた時期と重なったといえるだろう。実際、出生率が底をついた98年に比べ、99年には外国人の母親から生まれた子供が約15.000人増えている。しかしながら、国内での移民の居住地には地方ごとに偏りがあるため、移民増加だけが出生率上昇の原因とはいえない。
最後に、9つの自治州(リオハ、エストレマドゥーラ、バスク、ラ・マンチャ、カンタブリア、アラゴン、アストゥリアス、カスティージャ・イ・レオン、ガリシア)では、出生数が全体の死亡者数を下回り、州内の人口が減少の傾向にあることがわかった。

お祭りのお菓子を食べて、900人がサルモネラ食中毒にかかる( ジローナ )

カタルーニャ地方のトロエラ・デ・モントグリー(ジローナ県)で、この時期のお祭りのお菓子「コカ・デ・サン・ジョアン」を食べたとみられる約900人以上が、腹痛や下痢などの中毒症状を起こし、次々と病院へ診察に訪れた。検査の結果、患者らからサルモネラ菌が検出された。このお菓子に使用されていたカスタードクリームが菌に汚染されていたとみられる。食中毒にかかった住民は、みな同じ菓子店からコカを購入していた。
この菓子店は昨月行われた衛生局の検査に合格していたが、「小規模生産」のみを許可されていたという。ところが、サン・ジョアン(6月24日)のお祭りを控え、多量の注文があったため、約800個のコカ(6.500人分)を生産することになった。しかし、これだけのコカを作るには厨房の面積が足りなかったため、店外で作業が行われたことにサルモネラ菌汚染の原因があるとみられている。おとといから昨日にかけて食中毒の症状で病院を訪れたり、救急車で運ばれたりする人の数はどんどん増えつづけ、市の衛生局の得た情報では919人に上った。そのうち55人が入院、2人が重傷で集中治療室で手当てを受けている。

バスケット世界大会のスペイン代表メンバー発表さる

8月29日から9月8日までアメリカのインディアナポリスで「FIBA男子世界バスケットボール選手権」が開催される。昨日は、スペイン代表チームの監督ハビエル・インブロダ氏より、14人の代表選手リストが発表された。今回の選考の目玉は、今シーズン国内のACBリーグで、唯一1試合平均10のリバウンドをとった、オリオル・フンジェント選手。代表チームは、来月からマラガでキャンプに入る。選手リストは、以下の通り 。
プレイメーカー:ラウル・ロペス(R.マドリッド)、ナチョ・ロドリゲス(FCバルセロナ)、カルレス・マルコ(フォーラム・バリャドリー)、ホセ・M・カルデロン(フエンラブラダ)
ガード:フアン・C・ナバーロ(FCバルセロナ)
フォワード:カルロス・ヒメネス(アデコ・エストゥディアンテス)、ホセ・A・パライソ(パメサ・バレンシア)、ルシオ・アングロ(R.マドリッド)、アレックス・ムンブルー(DKVホベントゥー)
センター:パウ・ガソル(メンフィス・グリズリーズ)、ホルヘ・ガルバホサ(ベネトン・トレビソ)、アルフォンソ・レイエス、フェリペ・レイエス(共にアデコ・エストゥディアンテス)、オリオル・フンジェント(グラナダ)

フェリペ皇太子の新居が完成

スペインの王位継承者、フェリペ皇太子がサルスエラ宮殿敷地内に建設していた邸宅がこのほど完成し、昨日メディアに公開された。新居は、国王夫妻の住むサルスエラ宮殿から約1Km離れたところにあり、建設にかかった費用は、約424万ユーロという。設計は国に所属する建築家マヌエル・デル・リオ氏が担当し、皇太子自身が個人的な好みで若干の修正を行った。広い玄関ホールをはじめとして、公務に使用される2つの執務室、客間、図書室、食堂のほか、プライベート用の居間兼食堂、いくつもの寝室、書斎などが1.800平米におさまっている。
昨日昼、フェリペ皇太子は数十人のメディア関係者を新居のホールに迎え入れ、その後招待されたプリンシペ・デ・アストゥリアス財団のメンバーらが次々と訪れ、新居の完成を祝った。


6月26日(水)

「政党法」上院で可決、3日以内に施行される

6月4日に国会(下院)で可決された「政党法」法案が昨日上院で審議にかけられ、賛成214票、反対15票で可決された。新法は、3日以内に官報(BOE)に掲載され、同時に施行される。政府と社会党PSOEは、ETAの政治母体バタスナ党の非合法化に向けて、新法のもとに厳しく目を光らせていく方針。首相府省のフアン・ホセ・ルカス大臣は、法案には特に修正事項がなかったため、国会(下院)への差し戻しは行われないと発表した。
法案の支持に回ったのは、PP,PSOEの他、CiU、カナリアス連合(CC)、逆に反対票を投じたのはPNV(バスク民衆党)、IU(統一左翼)、バスクEA、ガリシア民族主義BNG。カタルーニャ左派では票が分かれた。PSC(カタルーニャ社会党)では賛成6票、反対2票。反対にまわった穏健派PNVのホセバ・アレコエチェア氏は、バタスナ党の非合法化によってバスク社会が分断され、主要政党によって「仕組まれた戦略」で反テロリスト協定にひびが入るのではという危惧を表した。PNVにしろ、他の反対政党にしろいずれもこの法律の是非よりも、「政策の間の悪さ」を批判しているといえる。
しかしながら主要2大政党は、この法律が民主主義の浄化のために今必要不可欠で、民主民族主義政党に対して、今この法案に反対することは「歴史的過失」であるとこぞって強調した。
投票前の意見陳述で、PPスポークスマン、ピオ・ガルシア・エスクデロ氏は、PNVの示した危惧に対して、「バスク社会の半数がETAの脅迫にさらされている現在の状況において、これ以上の社会崩壊はないはず。政治の力を借りて、テロリズムに対抗し、暴力を根絶しようとするのは、極めて時宜を得た行為である。我々の民主主義においては、ひとつの政党が殺人者の集まりとなり、議席からプロパガンダを送り、さらに政党への助成金を利用して彼らと同調しない者を脅迫したり抹消したりするために、銃や選挙票を買っているという現実を容認することはできない。」と訴え、さらに「時宜ということが問題ならば、この法案を可決する好機会は25年後に訪れるかもしれない。しかしその時には、さらに1000人近くが殺され、数千のダイナマイトが爆発しているだろう。」と締めくくった。
PSOEスポークスマン、ホアキン・ガラン氏も同じくバタスナ党の非合法化を支持し、法律の必要性を強く認識しながらも、この「政党法」が直接ETAの暴力を根絶する働きをもつか、という点については懐疑的とした。そして与党に対しては、バタスナ党のスポークスマン、オテギ氏のフランスでのETA称揚発言に関して最高裁が刑法の適用をしなかったことについて論議を呼んだような事態にならないように、法の「厳格な管理」を求めた。

バスクでボディガードの集団抗議

契約書にある月164時間の時間外勤務を越える労働を拒否して、昨日250人以上のセグリベル社のボディガードがETAに脅迫されている120人の護衛をしなかったため、彼らの大半はバスク警察と抗議に参加していないボディガードに護衛をされた。しかし、中には自宅に引きこもることを余儀なくされた人々もいた。
セグリベル社によると、この集団抗議に参加したのは同社の400人のボディガードのうちの250人で、“まともな”労働条件の交渉に会社が入るのを強制するため、7月1日まで続けられる予定。
集団抗議の予告を受けていたバスク政府内務局は、ETAの脅迫を受けている人々が護衛なしにならないように臨時代替ボディガードをつけたが、普段は2人護衛がついている人物に1人しか護衛がつかないケースもあった。
ボディガードたちは午前中、車と携帯している武器を預けるためゲチョ(ビスカヤ県)にあるセグリベル社の本社に集まった。午後になって労組はゲチョ本社での無期限立てこもりを決めたが、10時45分、バスク警察の介入により解散させられた。
昨日の集団抗議はナバラ県エウレンで、労働条件に抗議して私立ボディガードが行ったものに続いて2件目。5月には、スペインボディガード協会(Ases)によりストが呼びかけられたが、バスク内務省が法令により彼らの最低サービス限度を100%とし、ストを阻止。
それ以来状況は悪化しており、7月25日から労組とバスク・ボディガード協会に属するボディガードで、契約書にある月164時間の時間外勤務をした者は、セグリベル社のボディガード達と同様、8月まで超過勤務をしない方針。「この4ヶ月間の超過勤務は、契約書にある1年分、1804時間だった。」とセグリベル社のあるボディガードは語った。

清掃会社職員のストライキ暫定的停止、騒乱で27人が逮捕される( マラガ )

マラガ市役所がごみ回収や道路清掃を委託している民間の清掃会社の社員らが、完全週休2日制を求めてストライキを開始し、昨日9日目を迎えた。昨日になって、市役所側が放置されていた4000トンに上るゴミ回収を他の12の民間会社に委託し、アンダルシア自治政府に仲介役をたてるように依頼したことから、社員らは、暫定的にストを中止することを発表した。さらに昨日深夜には、190個のゴミ回収コンテナが路上で炎上し、27人が治安妨害で逮捕、警官4人が怪我をするという騒乱が起きたことも、この暫定的スト停止の大きな理由となった。
州政府は、この騒乱に関して、各地で同時に、同じガソリンをかけるというやり方でコンテナ放火が行われたことから、組織的に労働問題を治安問題に発展させようとしたとの見方を強めている。しかしながら、騒乱の背後にどのような組織が存在するのかは明らかになっていない。集中してコンテナが燃やされたのは、マラガ市内西部の交通量も非常に多い地域であった。消防隊は休むことなく消火活動を続け、さらには機動隊が出動して、炎と巻き上がる煙、サイレンで一時は大混乱に陥った。

スペイン政府に禁止された胚母細胞研究に対してEUが助成金支出

アリカンテ・エルチェ市のミゲル・エルナンデス大学バイオ工学研究所のベルナット・ソリア所長は、2年前にネズミの胚母細胞をインスリンを分泌する膵細胞に変化させ、I型糖尿病(インスリン注射が不可欠)にかかったネズミを治療する研究開発に成功した。ソリア博士は、これと同じ技術をヒトの胚母細胞に適用する研究で世界的に知られた学者であるが、3〜4年後には臨床研究段階にも入ることができるとされているこれらの実験・研究には、行政面での支援が不可欠である。スペインでは、毎年約3000人が、新たにこのI型糖尿病にかかっており、かつては「若年型糖尿病」と呼ばれていたように、そのほとんどは、子供や若年層で占められている。
しかしソリア博士のこの研究に対して、スペインでは宗教界と保守的な団体などから、受精後10日が経過した胚細胞は、すでに一個の人間であり、母細胞を得るために破壊することは倫理的に許されるべきではないとの主張があった。この姿勢は、胚母細胞は糖尿病だけでなく、現在不治の病とされている様々な病気の治療を可能にする大きな可能性を秘めていると考える世界の大多数の科学者らと、対立する形となった。
昨年の7月に、このソリア博士の研究が明るみにでたとき、厚生省は研究所に対して繰り返し胚母細胞の実験研究を行う事は、重大な過失であることを強調した。しかし当のセリア・ビジャロボス厚生大臣がこの研究を支持していたため、それ以上の措置は取られなかったという。
当時ソリア博士は、ニューヨークの若年糖尿病患者基金から72万ユーロという高額の助成金を受けることが決定しており、政府からの援助なしに研究を続けていくことは可能と考えられていた。しかしスペイン政府の姿勢を理解した博士は、宗教的支配の薄い国々へと研究の視野を広げていった。そして英国(3ヶ所)、ドイツ(2ヶ所)、スイス、ベルギーとエルチェの研究所、あわせて8つの研究機関のコンツェルンを設立し、博士自身が飛行機にのって各地を飛び回りながら指揮をとるという方法にたどり着いた。特にヒトの胚研究を認めているイギリスの各研究所が大きな鍵となっている。そしてこの度、同コンツェルンは、ブリュッセルの科学倫理委員会の承認を得て、欧州委員会から213万ユーロの助成金を受け取ることに成功した。しかしながら、スペイン政府の対応が遅れたため、博士は若年糖尿病患者基金からの助成金72万ユーロを辞退せざるを得なくなってしまった。
昨日は、I型糖尿病の子をもつ親を中心に構成されている、ソリア博士を支持する会の会合がコルドバで開かれ、スペイン政府に対して胚母細胞を使った研究の許可を求めた。


6月25日(火)

スペイン証券市場で主要企業株が軒並み下落、終値で年間最安値を記録

スペインの主要企業が集まる株式市場IBEX35は、23日の終値に対して3.96%下落し、6651.40ポイントと今年の最安値を記録した。これは米同時テロ後の昨年9月21日に6498.40ポイントまで急落したのを除いては、97年12月並の低水準。スペイン株式相場は、98、99年および2000年第一四半期にかけて大きく値上がりし、99年12月には13000ポイントまで上り詰めたが、それがここ2ヶ月間の値下がりで、すべて水泡に帰した。
主要企業では、テレフォニカ、エンデサ、レプソールが、それぞれ6.21、4.65、5.32%の下げ幅を記録。ロシアやアジアの経済危機の影響で大きな値下がりを記録した5年前の株価を下回った。また大手銀行株も同様に売りが加速し、SCH(6.37%)、BBVA(2.19%)の値下げ。
昨日の最終取引高は、わずか1428.56ユーロ。欧州経済の回復に対する懸念やドイツを中心とする市場への失望感から、値下がりは市場全体に及んだが、アルゼンチン経済危機が深刻化し、既に通貨レアルの対ドル安という状況を招いているブラジル経済への波及を怖れ、ラテンアメリカに大きな資本を持つ企業株の売りが目立った。
証券アナリストは、経営状況の悪化と市場への信頼感が薄れることにより、イモヅル式に売りが加速することを恐れている。また投資コンサルタントにとっては、今後の指数の動向如何で、証券投資からいち早く離脱して、他の資産運用に切り替えを勧めていく必要が生じてくるだろう。
昨日は、欧州市場でもドイツで一時は4%の下げを記録したが終値で2.49%、パリ市場では3.43%、ミラノは2.71%と軒並み下落、ロンドン市場では1.38%の下落に留まった。逆に為替は、ドル安・ユーロ高の動きが加速し、昨日は一時は1ユーロ0.98ドルまで値上がり、終値は1ユーロ0.978ドルと28ヶ月ぶりの最高値を記録した。

与党PPは、「ゼネスト扇動」CiUとの協調関係を凍結

政府与党PPは、6月20日に実施されたゼネストの独自評価を行っている。その結果、ジョルディ・プジョール氏率いるカタルーニャ連合(CiU)が、「ゼネストを扇動し、政府を嘲笑した」として、これまで両党の間で築かれてきた協力体制を凍結することを発表した。これは、昨日首相府の朝の定例会議後にPPのアレナス幹事長の口から公にされたもの。しかしながら、今回の「凍結」は、1年以内に行われるカタルーニャ地方選を踏まえた「関係見直し期間」であると示唆し、総選挙以降関係が悪化の一途をたどっている両党の決定的な「決別」ではないことを強調した。
2年半前に行われた前回の地方選では、カタルーニャ州議会の中でCiUは議席を減らし、その後アスナル首相が個人的にプジョール党首に対して提案してきたCiUの中央政府への参画による協力体制の強化も頓挫した。今年に入ってからは政党法の法案審議、反テロリズム協定への参加に関して非常に優柔不断な態度を示し、予算安定法には反対票、そして今回の20−Jゼネストをカタルーニャ社会党(PSC)のパスカル・マラガル党首とともに「直接的、間接的に」支持・扇動した、として政府与党にとって「関係を見つめなおす期間が必要」との結論を生み出した。また2003年にはカタルーニャ地方選が行われるため、このままではPPの最大のライバルであるマラガル氏に有利に傾くことを怖れての布石といえる。
このアレナス幹事長の発言を受けて、カタルーニャ自治政府のアルトゥール・マス議長は、CiUが中央政府に対して「独立した判断基準を持ち続ける」ことを強調した。

スペイン人の約7割は、車の制限速度を守らない

スペイン交通協会(RACE)がこのほど発表した「実質交通速度」の調査結果によると、車を運転するスペイン人の68.2%は、規定の制限速度を遵守していないということが明らかになった。また都市で車の運転をする場合、制限速度は50Kmだが、それを守っている人はほとんどいない(0.02%)という。たとえば、マドリッドのカステリャーナ大通りでは大半の車が時速80Km程度で走行しており、123Km/hで走っていた車も実際に記録された。
この調査の対象となったのは、都市道路および国道などを走行する乗用車、バス、トラック、あわせて9000台。このうちの14%は重大な速度違反を犯していた。また制限速度80Kmとされているトンネル内でも、バスやトラックを含めた95%の車両が、サーキットさながらの運転をして、制限速度を完全に無視していた。しかし逆に、制限速度がかなり守られていたのは最高速度が120Kmに制限されている高速道路で、ここでは速度オーバーしていた車両は17.08%に留まった。
半数以下の運転手しか制限速度を遵守していないという状況は、通学路などにも現れており、非常に危険である。子供達が学校の授業を終える時間帯は、道路の通勤ラッシュと重なり、比較的車の走行速度が落ち着いているともいえる。しかしながらそれも長くは続かず、15分もしないうちに再び車はものすごい速さで車道を駆け抜けていく。当の子供たちを乗せたスクールバスもまた然りである。

W杯から帰国のスペイン代表チーム、空港で暖かく迎えられる

サッカーのワールドカップに出場し、土曜日の準々決勝で惜しくもPKで韓国に敗れたスペイン代表チームが昨日午後、失意と審判への憤懣が覚めやらないままチャーター機でバラハス空港に到着した。タラップを降りてきたカマチョ監督以下代表選手らは、今回の敗退に対する国民の反応に不安を持っていたようだ。しかし、ふたを開けてみると、空港ロビーには1500人ものファンらがスペインの国旗を振りながら選手団を暖かく迎える姿が待っていた。集まった人々は口々にPKをはずしたホアキン選手を励ましたり、ラウル選手に喝采の声をあげたり、代表引退を決めたキャプテン、イエロ選手に別れを告げたりしていた。
これまでの緊張と長旅で疲れきった様子ながらも、先頭をきってゲートから出てきたカマチョ監督は「まるで我々がW杯で優勝したようだ。みんなよくやったと思う。」と盛大な出迎えに驚きと喜びを表した。韓国プサンで搭乗前に行われた記者会見で、同監督は、代表監督を続けるかどうかという問いに関しては、「私の将来については、私自身で決断したい。現在思案中である。」とはっきりした回答を保留した。また取り沙汰されている審判問題に関しては、「あの試合で、我々はできるだけのことをした。勝ちに行く気持ちでピッチに立った。そして2つのゴールを決めたはずだったが、それが取り消されてしまい、それ以上どうすることもできなかった」と個人的な審判への批判を避けた。
到着後一行は、サルスエラ宮殿に向かった。そして待っていたフアン・カルロス国王夫妻をはじめ、王室一家、孫王子らから労いの言葉をかけられた。選手らには今日から1ヶ月間の夏休みが待っている。


6月24日(月)

EU諸国は犯罪を犯した不法移民から強制送還する意向

セビジャサミットにおいてEU加盟15ヶ国が合意に達した不法移民送還プログラムは、不法移民犯罪者と合法滞在の申請を拒否された不法移民から強制送還することを提案している。どちらのケースでも、まず本人の自主的帰国を促すのは、この方法が“最も簡単な行政的措置ですむ”つまり“最も安上がり”なものであるからである。このプログラムの中には、1台の飛行機で15カ国の不法移民を自国へ送還するという提案も含まれている。
セビジャサミットで話し合いがもたれたこのプランは、4月11日に欧州委員会が承認したポルトガル人の司法・内務委員アントニオ・ビトリノ氏著“不法移民の送還に関する共同政策”(通称リブロ・ベルデ)を元にしたものである。現在EU内には300万人の不法移民がおり、年間50万人ずつ増えているとみられている。EU諸国は今回の提案に対する自国の意見を7月中にブリュッセルに送らねばならず、10月には不法移民送還に関するプロジェクトが始められる予定。
来月欧州委員会は、不法移民問題にEUが使える予算枠についての報告書を提出する。ブリュッセルの関係者の試算では、今日現在で6千万ユーロが使用可だが、欧州委員会の報告書の金額はさらに多額になる見こみ。この予算の一部は自主的帰国をする不法移民の援助に使われ、残りは各国の入国管理強化プロジェクトの補助に使われる。
2000年にEU15カ国が強制送還したのは367.552人で、87.628人が自主的帰国をしている。ヨーロッパ統計局(Eurostat)などの行ったアンケートによると、EU15カ国のうち「移民が国の治安を悪化させていると思う」と答えた人の数は11カ国でほぼ半数または半数を越えている。最も少なかったのはスウェーデンの26%、続いてフィンランドの34%、スペイン37%、イギリス38%となっている。

SCH銀行株主総会、ボティン頭取は外部取締役3名の登用を推薦

サンタンデール・セントラル・イスパノ(SCH)銀行の定期株主総会が本日開催される。この席上で、エミリオ・ボティン頭取は、政財界出身や学識経験者などの外部取締役の起用によって、様々な主体が協働してよりよい運営を目指す「グッド・ガバメント(よき統治)」体制を強化することを提案する。外部取締役として推薦されるのは、財政家でトレアル社長のフアン・アベジョー氏、ギジェルモ・デ・ラ・デエサ氏(元経済長官、パストール銀行取締役)、アベル・マトゥテス氏(元外務大臣)の3名。
ボティン頭取は、外部取締役の存在によって、CH側のボティン一族で牛耳っているとの批判が強い同銀行の監査・報酬部門の刷新・強化を図りたい考え。また監査委員会の新委員長に、元アーサー・アンダーセン社長で、サンタンデール銀行とセントラル・イスパノ銀行合併の際にボティン頭取の推薦によって取締役に就任したマヌエル・ソト氏が起用される見通し。この監査委員会は、ソト委員長以下、外部取締役だけで構成されることになる。

旧通貨「ペセタ」、30億ユーロ分が依然として換金されず

欧州単一通貨ユーロの流通開始に伴い、現在ではスペインの旧通貨ペセタは使用できなくなっている。しかし、いまのところ紙幣と硬貨あわせて30億ユーロ分以上(紙幣20億100万ユーロ、硬貨10億4600万ユーロ)の旧貨幣が、ユーロに換金されないまま残っているという。これは、ユーロ切り替え直前の、昨年12月末の時点で流通していたペセタ貨幣の約6.25%に当たる。これらのペセタ紙幣や硬貨の多くは、古銭収集家の手や、家庭の引き出しの奥深くに残っていたり、観光客が思い出に持ち帰った、あるいは紛失・破壊されたものと考えられる。
市中の各銀行の窓口でペセタをユーロに換金できるのは、6月30日まで、それ以降はスペイン銀行Banco de Espanaの本支店のみで行われる。

マドリッドの地下鉄10番線、7−8月の運転休止

新線メトロスールの建設に伴い、マドリッドの地下鉄10番線が、7月と8月の2ヶ月間にわたり運転を休止することになった。メトロスールで利用される7000台の新型車両を10番線に乗り入れできるようにするため、現在の600ボルトのケーブルから、1500ボルトの新しいケーブルに変更する必要が生じた。7月の第1週に、まずはフエンカラールからヌエボス・ミニステリオスまでのケーブル敷設工事開始、終了後、再び開通する。その後8月には同じようにヌエボス・ミニステリオス−アルーチェ間の工事が行われる。全線が新たに開通するのは9月まで待たなければならない。
これらの工事により、約14万人の足に影響が出ると見られる。交通局は、いまのところ代替交通機関として、無料バスを運行させる見通し。

国王夫妻の5番目の孫、ミゲル王子の洗礼式が行われる。

スペイン王室は昨日、クリスティーナ王女とパルマ公爵、イニャキ・ウルダンガリン氏の3男、ミゲル・ウルダンガリン・デ・ボルボン王子の洗礼式を祝った。ミゲル王子は国王夫妻にとって5番目の孫にあたる。洗礼式はアントニオ・マリア・ロウコ枢機卿によってサルスエラ宮殿で執り行われた。パルマ公爵夫妻の親族や関係者、出産に立ち会った医師団、またスペインのホセ・マリア・アスナル首相夫妻も招かれ、式の後にパーティーが催された。

週末のスポーツの結果

陸上競技:ヨーロッパ杯Bグループの各競技がセビージャで行われた。総合成績で、スペインが2003年のスーペルリーガ(フィレンツェ)に男女ともに出場できることが決まった。5000mのマルタ・サンチェス、レイエス・エステベス(1500m)、アロシエ(100mハードル)各選手の活躍に期待がかかる。
自転車競技:カタルーニャ一周レース「ボルタ・ア・カタルーニャ」7日目最終日。モンカダ〜バルセロナ間の116km。総合成績で、ロベルト・エラス選手(USポスタル)が優勝。サラマンカ出身で28歳のエラス選手の優勝は、2001年のブエルタ・エスパーニャに続いて2度目。2位にアイトール・ガルメンディア選手(コースト)、ルイス・ペレス選手(コースト)3位と続いた。
テニス:伝統のトーナメント、ウインブルドン選手権が今日開幕する。先のローランギャロスではクレイコートでのスペイン人選手の活躍が目立ったが、ウインブルドンの芝コートは比較的苦手とされる。しかしながら、今回はスペインチームにコスタ、コレッチャ、モヤ、A.サンチェスの各選手を欠き、唯一カルロス・フェレーロ選手と女子ではコンチータ・マルティネス選手に期待がかかる。また前回優勝のイバニセビッチ選手やラフター、クエルテンの各選手も欠場。
サッカー:W杯準々決勝で、スペインは韓国にPK3−5で惜しくも敗退。本日午後、代表選手や関係者はチャーター便で帰国する。また、キャプテンのイエロ選手に続いて、やはりベテランのルイス・エンリケ選手(32)がラジオのインタビューに答え、今回のW杯をもって代表チームから引退し、所属するFCバルセロナでのプレーに専念すると発表した。ルイス・エンリケ選手はヒホン出身、1991年にルーマニアとの親善試合で代表デビュー、以来11年間に渡り、バルセロナ・オリンピック優勝、アメリカ、フランス、そして今回の日韓共同開催と、3回のワールドカップを経験した。


6月21日(金)

アンダルシアのリゾート地でETAによる爆弾テロ、観光客らが重軽傷( マラガ )

今朝午前7時05分、スペイン南部のマラガ県にある海岸リゾート地フエンヒローラで、ホテルに隣接する路上に止めてあった乗用車が爆発した。地元警察の発表によると、現在のところ、観光客ら数人が爆発の衝撃で割れた窓ガラスなどによって怪我をした模様。けがをしたのは、イギリス人夫婦のうち1人が重傷、その他にスペイン人1人、未成年がモロッコ人1人と英国人2人いるという。
この車両爆発の約40分前の午前6時20分と6時35分の2度にわたって、サン・セバスチャンのDYA(道路安全協会)にETAを名乗る匿名の人物から「フエンヒローラで7時に車が爆発する」との予告電話が入った。2度目の電話で、車両がグレーのプジョー205で、場所がホテル・ラス・ピラミデスに隣接しているということなどが知らされた。当時ホテルには約500人の宿泊客らがいたが、警察当局は全員を危険区域外に避難させるのは時間的に不可能として、爆発の影響がないと考えられた建物の5階以上に誘導した。この爆発により、ホテル・ラス・ピラミデスの低層階(美容院やレストラン)部分で、壁面や窓ガラスが破壊されるなどの被害があった。車には30〜40キロの爆薬が搭載されていたと見られる。
この爆弾テロは、今日から同じアンダルシア州のセビージャで始まる欧州連合の首脳サミットにあわせて実行されたものと見られる。内務省のマリアノ・ラホイ大臣は、「先日夏場のリゾート地での爆弾テロを計画していたETAメンバーの一部が逮捕されたが、まだまだテロ実行能力が残っていると思われる。今後も同じようなテロが起こらないとは限らない」とさらに警戒を強めていく必要を語った。

20−Jゼネスト終了:実施率の発表に政府−労組で大きな食い違い

失業者の保護をめぐる政令の改革に反対するゼネラル・ストライキが昨日行われた。大都市では、交通機関の最低運行限度も遵守され、通勤・通学する人の姿も多くみられた。商店などは、ピケ隊の攻撃を怖れてシャッターを半分しめたりして密かに営業をする店もあった。全体的には、平日ではあったが、さしずめ日曜日といった雰囲気だった。
マドリッド、バルセロナ、セビージャ、バジャドリー、ビーゴなどでは、失業者保護令の全面撤回を求めて100万人以上がデモ行進に参加した。マドリッドのシベレス広場からプエルタ・デル・ソルまでのデモ行進には、労組側の発表では50万人が参加したとされたが、警察当局はわずか2万人と公表。
ストライキ参加率が高かったのは、業界別では工業・建設・交通、地域別ではアンダルシア州、アストゥリアス州だった。最終的なスト実施率に関して、CCOOとUGTが全国で84%と発表したのに対して、政府はわずか17%しかストに参加した労働者がいなかったとして、ゼネストの失敗を指摘するほか、各業界でのスト実施率についても、発表された数字に大きな食い違いが見られた。
昨日ピケ隊の暴力行為などで逮捕されたのは、全国で98名(うちマドリッド47名、バルセロナ24名)だったが、大きな混乱はなかった。しかし、首都郊外のレガネスでは、ピケ隊を制止しようとしていた46歳の警部が心臓発作に見舞われ、運ばれた病院で死亡した。

セビジャでEUサミット開催

今日、11時半頃からセビジャでEUサミットが開催される。議長国としてのスペインはこのサミットを最後に、任務をデンマークに譲る。本来の開始時間から2時間近く遅くなっているのは、昨日のゼネストの影響でセビジャに今日の朝到着する首脳が多いためである。
28人の首脳(EU加盟15ヶ国プラス加盟予定国)と58人の外相、経済相が出席するこのサミットは、最近のヨーロッパの政界変化を反映して、初めて首脳の大半が右派を占める。
今回一番の争点になることが予想されているのは不法移民取締りに関してである。ホセ・マリア・アスナルスペイン首相とトニー・ブレアイギリス首相が、EUの国境警備の強化、15カ国間での警察の協力の確立、不法移民強制送還プランの共同研究などからなるこの案の推進者で、スペインは不法入国の幇助を犯罪として取り締まる、またはマフィアの資産を押収するなどで発展途上国が不法移民取締りに協力することを義務づける協約をもちたい。この提案の中で問題になっているのは、この義務の不履行の際は“EUからの借款の見直し”、“EUとの協約の撤廃”を第11項と第13項でうたっているからである。
フランス、スウェーデン、ルクセンブルグ、フィンランドはこの提案に反対しており、フランスの外相ドミニク・ビルパン氏は「資力のある国が貧しい国を恐喝することはできない」と発言している。フランス政府は発展途上国を“罰する”のではなく、“協力をとりつける”方がよいとしているが、反対にイギリス首相ブレア氏は、昨日ロンドンで「国際組織的犯罪は今までにない規模で繰り広げられており、市民の不安を解消するための何らかの答えを各国首脳は今回のサミットで出す義務がある」と述べた。
セビジャサミットでは、欧州連合理事会と欧州サミットの開催方法についての再編案も審議される。アスナル首相とハビエル・ソラナ事務総長は、現在満場一致で可決をとっているサミットを、多数決で可決をとるように変えることを提案しているが、これに関してもフランスの反対が予想されている。
さらに、反対が見込まれるのは欧州連合理事会再編に関しての提案で、現在の外相理事会から分離した総合問題理事会を創設し、16人いる理事を12人に減らすというもの。これにより理事の数が減り発言権が縮小、サミット開催権も失うベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ)にとっては決して有り難いものではない。目新しかったのは、欧州連合理事会の会議の様子を公にし、テレビ中継もありうるという提案。


6月20日(木)

20−Jゼネスト突入:朝方の交通機関に大きな混乱はなし

今日20日午前0時より、「失業者保護令」に反対する大手労組UGTとCCOOの呼びかけで全国一斉ゼネストに突入した。最低運行限度をめぐって、政府と労組間の折衝が物別れになったままの交通機関だが、今朝のラッシュ時は大きな混乱もなく、間引き運転による通勤が行われた。長距離列車やAVEは予定通り運行を全面休止している。各地で暴力に訴えてスト参加を強制しようとするピケ隊の姿も報告されているが、各労組は、現在のところゼネストは概ね成功のと見解を示している。
ストライキ開始の午前0時には、明日からEU首脳会議が行われるセビージャに、UGTのカンディド・メンデス書記長とCCOOのホセ・マリア・フィダルゴ書記長が駆けつけ、市場に搬入のために出入りしようとするトラックや路線バスなどに対して、情報ピケ隊とともに、ストライキへの参加を訴えた。3日前に行われたアンケート調査では、国民の47%が今回のゼネストを「支持する」と答えたが、休むとその日の給料を受け取れない、会社をクビになるのが怖いなどの理由から、実際にストライキに参加するかどうかは、また別の問題であるようだ。
昨日緊急召集された最高裁で、政府が海上交通や国営および民放テレビ局に対して定めた最低サービス限度令が合法であることが認められ、したがって労組側もこれに従わざるを得なかった。今日は国営1チャンネルでは、生放送のニュース番組の他は、すべて録画番組を放映している。今朝の各新聞は、ページ数を大幅に減らして発行された。
また昨日19日は、バスク州で民族主義的労組ELAとLABを中心にしたストライキが召集された。ストが実行されたのは、主にギプスコア県とビスカヤ県。しかしながらギプスコア県では、ストに参加しない労働者や買い物客などに対して暴力によりスト参加を強制するピケ隊の姿が見られ、地元警察との衝突などが起きた。
さらにスペインのゼネストと前後して、フランスを中心としたヨーロッパ各国で、欧州連合の航空政策に反対する空港管制塔職員がストライキを起こしており、昨日はスペイン国内の各空港に発着予定だった国際線に軒並み欠航や遅延が生じた。

サッカー・スペイン代表、韓国戦に向けて最終調整

土曜日に迫ったワールドカップ準々決勝での韓国との戦いに向けて、スペイン代表チームは、カマチョ監督を中心にキャンプ地のウルサンで練習に臨んでいる。アイルランド戦での怪我が心配されるラウル選手は、物理療法やストレッチ、軽いジムトレーニングなどを行っており、トレーニング中は笑顔も見せているという。チームの外傷専門医ヘナロ・ボラス医師は、「土曜日の試合でプレーができる状態かどうか、今はまだ確信をもっていない。しかし、明日には実際にフィールドでランニングなどをして回復の様子を見ることができるだろう」と述べた。
またイタリア−韓国戦で、イタリアの選手に対する審判の判断に問題があったとの見解が広がり、同様に韓国で試合を行うスペイン代表も心配しているようだが、土曜日のスペイン−韓国戦で主審を務めるのは、エジプト人のガマル・ガンドゥールさん。ガンドゥール審判は、スペインが3−1で勝利したパラグアイ戦でも主審を務めており、スペイン代表にとっては幸運を呼ぶ審判と期待される。ウルサンに滞在中のスペイン・サッカー連盟幹部は、「日本−トルコ戦でのコリーナ氏(イタリア)のような、公平な審判を望んでいる。」と語った。


6月19日(水)

元BBVA銀行頭取イバラ氏、チャベス大統領への政治資金供与を認める

昨日、全国管区裁判所のバルタサール・ガルソン判事のもと、海外秘密口座などに関わる「BBV事件」の公判が行われた。昨日証人として法廷に立ったのは、昨年12月までBBVA銀行の頭取だったエミリオ・イバラ氏。さらにイバラ氏の答弁と前後して、ガルソン判事の元には、BBVAの専務取締役ホセ・イグナシオ・ゴイリゴルサーリ氏から1通の文書が届き、法廷で読み上げられた。この文書によると、98年12月から99年7月にかけて、当時のベネズエラ大統領選に出馬していたウゴ・チャベス氏(現大統領)に対する選挙運動資金援助を行っていたという事実を、当時の中南米部門の責任者だったゴイリゴルサーリ氏自身が認識していた。これにより、先に元専務取締役ペドロ・ルイス・ウリアルテ氏が、両氏ともに政治資金供与への関知を否定した証言が、覆されたことになる。
1998年終わりごろ、当時のベネズエラ大統領選に立候補していたウゴ・チャべス氏の選対幹部は、BBVグループを含む国内各企業に選挙運動資金の援助を求めていた。この求めを在ベネズエラのプロビンシア銀行(BBVグループ)のフアン・カルロス・ソリーリャ取締役社長から相談されたゴイリゴルサーリ氏は、当時のベネズエラの社会状況から見て、他社に追随し資金援助を行うことは妥当と考え、それを当時の専務取締役ウリアルテ氏とイバラ頭取に伝えた。そしてイバラ頭取の口から最終的に資金提供の決定が下された。第1回目の資金援助は525.586ドルで、98年12月に行われたが、その7ヵ月後の翌年7月にも再度チャべス氏の選対より求めがあり、再びソリーリャ氏→ゴイリゴルサーリ氏→ウリアルテ氏とイバラ頭取という順序で事実が伝えられ、結局合計1500万ドル(35億ペセタ)が支出された。
ゴイリゴルサーリ氏は、これらの事実を認めたものの、チャべス氏への資金援助が実際にどのような手段で行われたかについては当時は全く関知せず、昨年12月になって、イバラ氏からBBV銀行の正規の会計から支出されたのではないことを知らされたとのこと。そしてその事実を現頭取のフランシスコ・ゴンサレス氏にも話したという。
また公判の席で、イバラ前頭取は、政治資金供与に関して部下に指示や許可を自身が与えたことや、それらの資金がジャージー島に存在していた口座から支出されたことを認め、責任の所在を明らかにした。そして4時間にわたる公判の中で終始、海外口座の運用や、政治資金供与などの判断は全て自身が治める銀行グループの利益のためだったと主張した。次回の公判は24日で、フランシスコ・ゴンサレス現頭取が証人として出廷する。

大学立てこもりの移民ら、ハンストを告知

ウエルバでのイチゴ収穫期の季節労働を東欧からの移民にとって代わられた北アフリカ系住民らが、仕事と居住許可を求めて今月10日から、セビージャのパブロ・オラビデ大学構内で抗議の立てこもりを続けている。そして昨日は、今週中に48時間のハンガー・ストライキを実施するとの告知を行った。このハンストが、同じくセビージャで開催されるEU首脳会議の日程に合わせて実施されるかどうかは、まだはっきりしていないが、アンダルシア州のマヌエル・チャべス知事に対して、「ハンスト以外に居住許可を要求する方法があるのなら、教えて欲しい」と切に訴えた。
移民の代表者は、彼らが仲介者としてアンダルシア人権擁護委員のホセ・チャミソ氏を立てて政府と交渉することを拒否している、大学構内の移民の中に未成年者がいる、移民擁護団体などに扇動されているなどの報道を真っ向から否定し、「我々はただ貧窮に踊らされているだけなのだ」と主張した。
また昨日未明には、カナリア諸島のラス・パルマスで52人(うち女性1人)のサハラ周辺地域の住民らが、4隻のボートに分かれて漂着し、全員が警察当局に不法入国の疑いで逮捕された。

20−Jゼネスト:最低サービス限度をめぐって最高裁が緊急召集

政府の「失業者保護令」に反対するゼネスト実施はいよいよ明日に迫った。交通機関の最低運行限度などをめぐって、政府と労組側の決着が着かないままストに突入することになりそうだ。今日は、先週の金曜日に閣僚会議で承認された国営テレビ局(RTVE)と民間放送局の最低サービス限度の合法性について、緊急に最高裁法廷が召集される。また労組側は、勧業省が指示した交通機関の最低運行限度の合法性についても全国管区裁判所に訴えを申し出ることを明らかにしたが、同裁判所では、通常の手続きを行うとの決定を下し、これについてはゼネスト終了後に持ち越されることになった。
昨日UGTとCCOOは、最低サービス限度に関しては、合意に達した項目以外は、政府側の指示を一切考慮しない考えを再度明らかにし、労組側が提案している限度だけは極力実行できるようにすると発表した。交通機関に関して地方政府と労組側の合意が出来ているのは今のところカタルーニャのみであり、その他の州においては、明日のゼネスト当日、ふたを開けてみないとわからない、という状況である。
バレアレス諸島(マヨルカ、メノルカ、イビサ各島)では、州政府が提示した5%の最低運行限度を労組側が遵守しないとの姿勢を崩していないため、この日各島に飛行機で出入りする外国人観光客6万人が、ホテルまでの交通手段がなく、空港に足止めされるものと見られている。

アリカンテで乳児1人が死亡、その双子の妹が負傷。虐待の疑いで両親を逮捕

昨日、午前7時55分、アリカンテ総合病院で生後3ヶ月の乳児が死亡した。この乳児は月曜明け方、脳血腫の診断を受け、ベガ・バハ地域病院(オリウエラ)小児科から緊急に運び込まれていた男児で、数時間後には、この双子の妹が、ピラル・デ・オラダダ保健センターに運び込まれた。彼女はまぶたに殴打による外傷があったうえ、上腕を骨折していた。
怪我の類似性から救急担当の医師が子供たちの詳細な診断を小児科に依頼、虐待の疑いが持たれたため、報告書がアリカンテの検察庁少年課に送られ、捜査が始まった。
警察の話によると、35歳のO・B氏が息子をピラル・デ・オラダダ保健センターに連れてきたのは月曜の午前2時45分頃で、乳児は窒息状態であった。関係者は、心配している父親の様子から虐待の疑いは持たなかったと述べるが、乳児の心臓疾患が殴打によるものであると医師は直感していた。
頭部皮下出血の疑いは、後に運び込まれたベガ・バハ地域病院で確認され、この病院で蘇生が試みられたが容態は悪化し、乳児はアリカンテ病院へ搬送され、ここで昨日死亡した。
男児が運び込まれた数時間後、月曜日の午後11時45分、この父親が同じ保健センターに今度は双子の妹を連れてきた。「女児は上腕を骨折、上まぶたに眼球の打撲による溢血斑があった。前夜当直勤務について双子の兄の心停止を蘇生した同僚から、虐待の可能性について聞いていたので、小児科に連絡をとって暴行を受けていたことを確認した。女児は脱水状態と栄養失調状態にあったため、入院させる必要があった。」と、女児を診断したパストラ・ミゲル医師は述べた。
虐待の疑いで、男児死亡の6時間後、警察はまずマグレブ地域(チュニジア・アルジェリア・モッロコ三国の総称) 出身の父親を逮捕。24歳の母親も昨日午後5時に自宅で逮捕された。


6月18日(火)

セビージャ・サミット間近、重要課題で各国が同調せず

今週の金曜と土曜に迫ったEU首脳会議を前に、昨日ルクセンブルグでEU15ヶ国外相会議が行われた。しかしながら、会議では議長国としての任期終了を前にスペインがまとめようとしている、3つの項目について各国の意見が同調せず、サミット前に事前協定を結ぶことは難しくなった。最重要課題とされるのは、1)不法移民に対する取締りを行わない国に対する処罰規定の設置、2)将来EUに加盟する国にたいする農業支援、3)欧州連合の組織改革、の3項目。
1)については、スペインのアスナル首相と英国のブレア首相の2人による“個人的な”提案といえる。またルクセンブルグやフランス、スウェーデンは、議長国スペインが、予算不足などで不法移民の取締りを行うことが出来ない国々に対して処罰を行おうとしているなど、移民問題に関して行き過ぎた姿勢をとっていると非難している。
2)の農業支援については、欧州連合の予算から直接支援を行うという最低ラインで各国外相が合意に達しているが、ドイツとオランダは結論を先送りしたい考え。2004年には10の国が新たにEUに加盟する。
3)の組織改革は、アスナル首相とハビエル・ソラナ上級代表の提案だが、欧州理事会だけで決定することや、サミットの企画・準備する総務委員会の設置に対して反対の声が強い。
重要課題において各国の足並みがそろわないまま開始されるセビージャ・サミットでは、話し合いの難航が予想される。

20−Jゼネスト迫る。政府と労組が真っ向から対立

「失業者保護令」に反対するゼネストが明後日に迫っているが、当日の公共交通機関の最低運行限度に関して、政府と労組側の折衝は完全に物別れとなっている。UGTやCCOOなど労働組合側は、「失業者保護令」が失業者の権利をないがしろにしているとして、政令の全面撤回を求める訴えを続けている。しかし政府側は、全面撤回は全く受け入れる余地がないとして、ゼネスト当日の公共交通機関の最低運行限度に関する折衝に力を入れている。昨日は政府側の求める最低運行限度が発表されたが、労組側はそれではストライキをするという労働者の権利が守られないとして、政府側の提案を遵守しない考えを明らかにした。交通機関以外のサービス(医療機関、学校、ガソリンスタンドなど)については、すでに大方の決着がついている。
政府の管轄の交通機関に関しては、昨日勧業省から指示があった。
・自治州間および長距離列車については、最低運行限度を取り下げ。したがって運行はゼロ。
・近郊列車(セルカニアス)はラッシュ時(9:00〜12:00、18:00〜21:00)は通常の30%、その他の時間帯は25%運行。
・FEVE(狭軌鉄道)は、ラッシュ時50%、その他25%
・空の便は、半島内500km以上距離が離れている主要都市間、半島とカナリアスおよびバレアレス諸島、セウタ、メリージャを結ぶ便、それぞれ各社1往復
・海上交通、半島−バレアレス諸島、バルセロナ−パルマ、マオン−バルセロナ−イビサ、および半島とセウタ、メリージャを結ぶ船は1往復。カナリア諸島については、ラス・パルマスから11:30に出航する船のみ運航。
しかし、上記の提案に対して労働組合側は「労働者のストライキをする権利をないがしろにするもの」として、当日これらの最低運行限度を遵守しない構えを見せている。
また都市交通に関しては、各自治州政府と労組による個別折衝が行われた。
マドリッド:ルイス−ガリャルドン知事は、市内の地下鉄、EMT、近郊バスは通常の40%、その他の交通機関は30%まで間引きして運転することを指示したが、労組側は当日25%のみ運行するとしている。
カタルーニャ:唯一決着がついた自治州で、全ての都市交通の25%の運行が行われる。
バレアレス諸島:自治政府は、空港から旅客を運ぶ為に30本のバスを運行することを支持したが、労組CCOOはこれを遵守しないとしている。
アンダルシア、アラゴン、バスク:最低でも通常の20%運行が保証される予定。
バレンシア:ラッシュ時25%、その他10%の予定。
ムルシア:市内および近郊路線で33%の運行を予定。

壁の落書き清掃中に100人が中毒症状( マドリッド )

昨日昼頃、マドリッド郊外のヘタフェ市にある建物で、壁の落書きを落とす作業を行っていたところ、建物内部で働いていたテレフォニカ系列会社「アテント」の社員ら100人が突然中毒症状を起こした。社員らは、次々に頭痛、呼吸困難、喉の痛み、皮膚に斑点ができる、目のかゆみなどの症状を訴えて、そのうち46人が病院に運ばれたが重傷者は出なかった。
会社側は、落書きを落とすのに使われていた洗浄剤に含まれている化学物質が気体となり、エアコンの排気口を通して建物内に流れ込み中毒症状の原因になったのではないかとの見方を強めており、明日落書きを除去していた会社の責任者を呼ぶことにしている。


6月17日(月)

EU内各国のADSL料金調査---欧州サミットでも、情報インフラ整備が課題

いよいよ今週に迫ったセビージャで開かれるEU首脳会議を前に、各国におけるADSLの料金に関する調査が行われた。スペインは、EU内で最もインターネット導入が遅れている国のひとつで、その結果、新しい高速データ通信技術であるADSLの料金も他のインターネット先進国に比べて価格競争が少なく、割高になっているといえる。
情報技術や遠隔通信技術は、年間20億ユーロという金額を動かし、UE内だけでも200万人の雇用を創出している。それでもまだ1.600万人の技術者が必要とされているという。ADSLの導入率については、公式な数字は発表されていないものの、米国の10%に比べて、EUはまだ6%と大きく遅れをとっているといわれている。また料金に関しては、スペインはひと月あたりの最安値(1MB/秒)が、昨年12月の時点で90.73ユーロとポルトガル(106.40ユーロ)に続いてもっとも高い。最もADSL接続料金が安かったのはドイツ(24.09ユーロ)、ベルギー、デンマーク、オランダなどで、8カ国でスペインの半額以下という結果がでた。
EU15カ国の首脳は、約2年前から社会の情報化を目指して日々努力をしている。これによりインターネットの導入率は当時と比べて平均2倍となった。現在ではほとんどの学校や会社で接続が可能であり、接続料金も日増しに高まる価格競争で安くなる一方である。それでもなお、インターネット普及率や接続料金などの面で、アメリカ合衆国のレベルには到底追いつくことができないでいる。
欧州委員会の部局である情報社会総局のリーカネン局長は、昨年3月のバルセロナ・サミット後、「e−Europa」プロジェクトを立ち上げ、今回のサミットでは2005年度版に改訂されることになっている。この計画の目的は、3年後をメドに教育および衛生機関において公共サービスの情報化を実施できる環境を整え、企業での通信技術の利用を最大限に拡大するというもの。そしてその為には、「ブロードバンドへの加入増加とそれに伴う価格競争による値下げ、そして機密データ保持を確実にするシステムを作る為の情報インフラ整備」が必要不可欠としている。今後EUによるインフラ整備やe−コマースに対しての助成金などが増やされていく予定。

スペインのビーチは軒並み良質との結果がでる

昨日からスペイン人の夏休み“バカシオネス”が始まったが、このほど欧州委員会は、EU各国のリゾート海岸、湖、河川などの水質調査を行った。その結果、スペイン国内にある合計1.637のビーチのうち、1.452ヶ所で、水質が「極めて良い」、152ヶ所が「良い」と判断され、全体の約98%が海水浴に非常に適している海岸であることがわかった。また海水浴のできるビーチの数は92年の1.335ヶ所から大幅に増えていることも明らかになった。
しかしながら、北部の避暑地として知られるバスク地方では、29のビーチのうち7つがEUの定める海水浴可能な水質基準に達しなかった。またバレンシア、バレアレス諸島(マヨルカ島では全てのビーチ)、カタルーニャ、アンダルシア、カナリア諸島などでそれぞれやはり「海水浴には不適格な水質」とされたビーチが数ヶ所ずつ見つかった。それでもEU内では、水質の良い海岸の数で、ギリシャに次いで2番目に多い。
また貯水池や河川、湖の水質に関しては、調査対象となった185ヶ所のうち約80%で水質は良好(33.5%が極めて良質)とされたが、水遊びに適さないとされたのは全体の14.6%で、1976年以来最悪の数字となった。EU内のランキングでも最下位となった。

バルセロナでマグレブ人を襲ったスキンヘッド8人組を逮捕

土曜日の明け方、サン・ビセンス・デ・カステジェでスキンヘッド8人組の襲撃を受け、マグレブ地域(チュニジア・アルジェリア・モッロコ三国の総称) 出身の37歳、ムスタファ・E氏がマンレサ(バルセロナ)の病院に運ばれた。医師によると、ムスタファ・E氏は頭蓋骨外傷と、指と腕の骨折で重傷。
ムスタファ・E氏はマグレブ人の夫婦、その4人の子供と祖父とアパートに住んでいた。昨日、警察が逮捕した18歳から23歳の若者8人は、このアパートの近辺の住人で、うち何人かは過去に同様の襲撃に参加していた。
関係者によると、事件の発端は車の小さな衝突に関しての口論だった。人数は明らかにされていないが、スキンヘッドのグル−プが、マグレブ人数人を棒を持って追いかけ始め、地域住民が通報。警察の介入により、最初の襲撃は避けられた。しかし、問題が解決した訳ではなかった。しばらく後、スキンヘッドグル−プは再集結し、まず火炎瓶でマグレブ人たちの住むアパートを襲撃したが、入口ドアのガラスの破損程度の軽い被害ですみ、火事には至らなかった。
警察の話では、アパートに押し入ろうとしたスキンヘッドグループの試みは成功せず、ムスタファ・E氏が火炎瓶襲撃の釈明を求めて表に出たところ、アパート近くのピ広場で暴行を受けた。現場近くで警察は23歳のフアン・L・V、19歳のアントニオ・M・T両容疑者を逮捕した。
土曜日のうちに、警察は事件に関与したとみられる残り6人を逮捕すると共に、暴行に使われたと思われる長さ1メートル強の棒6本も押収した。
昨年5月には33歳のギニア人、数年前にはカタルニャ人青年が暴行を受けており、サン・ビセンス・デ・カステジェのジョアン・モンセシュ市長は昨日、この種の事件の首謀者たちが相応の罰を受けるように、スペイン法律制度の改正を求めた。

週末のスポーツの結果

二輪世界選手権:オートバイの世界選手権シリーズ第6戦、カタルーニャGPが16日、バルセロナで行われた。125ccクラスでは、ペドロサ選手が2位と健闘。オリベー選手6位、パブロ・ニエト選手8位。250ccクラスは、フォンシ・ニエト選手が3位、トニー・エリアス選手9位。モトGPではカルロス・チェカ選手が3位と、昨日は全クラスでスペイン人選手が表彰台に上った。総合ランキングでは、250ccでフォンシ・ニエト選手が1位につけている。
サッカーW杯:2次リーグ、スペイン対アイルランドの試合が行われた。試合開始8分でモリエンテス選手のゴールが決まり、後半に入ってもスペインの勝利を誰もが確信していた。ところが、1−0で試合終了間近となった89分、キャプテンのイエロ選手がアイルランドのクイン選手のシャツを後ろから両手で引っ張り、痛いペナルティを取られる。これをキーン選手がゴールに収めて同点となり、延長戦へ。
予期せぬラウル選手の怪我などで、カマチョ監督が交代を全て使い切ったあとにアルベルダ選手が怪我で延長戦に出られなくなった。ピッチに残った10人のなかでもルイス・エンリケ選手が負傷中でほとんど走れず、実質9人での戦いを強いられたが、なんとかPK戦に持ち込んだ。PKには弱いスペイン、しかし今回は自身も「危ない状況ではかえって落ち着いていられる」とコメントした21歳の守護神カシージャス選手が、アイルランドのPKを3つも止めるという素晴らしいプレーを見せ、またPK5人目のメンディエタ選手が勝利を決定づける5球目を見事にゴールネットに収め3−2とし、苦しい戦いの幕を閉じた。
準々決勝に進んだスペインは、明日18日に行われる韓国対イタリアの試合の勝者と22日(土)に対戦することになる。ルイス・エンリケ、バラハ、バレロンの各選手などが、本来の力が発揮できないポジションにつけられているとの批判、心配されるラウル選手の負傷などを乗り越え、カマチョ監督の采配にさらに期待がかかる。


6月14日(金)

5月の消費者物価指数が発表。先月から0.4%の上昇。

物価の上昇はとどまるところを知らない。成長が減速しているスペイン経済は、ユーロ導入の余波からまだ立ち直らない。これが5月の消費者物価指数(IPC)の示しているところで、物価は4月に比べると0.4%の上昇、この12ヶ月の指数は3.6%。5月のインフレ率は4.1%(生鮮食品と動力費を除く)と、1996年にPP(国民党)が政権を握って以来最悪の数字となった。衣料品、飲食費、パック旅行と食料品が指数悪化の主要原因で、今年に入ってのインフレ率3.7%は、ユーロ導入諸国平均より1.7ポイント高く、1999年1月に通貨統合をして以来最大の差となった。
昨日。国立統計局が発表したこの数字は、誰もが予測していなかったもので、ゼネストとEU経済財務相会議を前にするスペイン政府は、よりどころとするための良好な統計結果がほしかったところである。経済相であり副総理であるロドリゴ・ラト氏は、この数字を“好ましいものではない”としながらも、融資の強い需要があるため、消費は促されるものとみている。
広がるインフレ率の差
今年のインフレ率はフランス、1.5%、ドイツ1.2%、イタリアでさえ2.3%で、スペインは再び、統一通貨諸国との差を広げた。欧州委員会の目標はユーロ導入諸国平均インフレ率2%である。「4月に1.3ポイントまで縮まったインフレ率の差が、5月に一気に1.7ポイントと通貨統合以来最大となったことが、スペイン経済の競争力に影響を及ぼすであろう」と昨日ラト大臣は認めた。今年1月のユーロ導入以来、他のEU諸国と反対にスペインでは物価の上昇が進んでいる。
食用油、20%の上昇
生鮮食品の中では、鳥肉類(4月から1.2%の上昇)、魚(0.7%)、果物(0.6%)に顕著な上昇がみられ、加工食品では4月から1.4%、この1年でなんと20%の値上りをしている食用油が目立っている。食料品全体で値を下げたのは、卵(0.8%)と羊肉(0.8%)だけであった。
サービス業部門全体では、レストラン、バルの値上りにより、4月から0.3%、年間で4.8%の上昇。公共交通機関の値上り(4月から0.4%、去年から6.6%)も大きな影響を与えている。逆に値下がりしたのは医薬品(4月から0.5%)で、教育費と電話代はそのままであった。

“デクレタソ”国会投票で、与党孤立するも絶対多数で可決

5月25日に緊急閣僚会議で承認され27日に発効した「失業者保護令」に関して政府は野党や各労働組合から“デクレタソ(とんでもない政令)”と痛烈な批判を浴び、国内でで20−Jのゼネストを容認する動きがさらに強まっている。政府はこの政令が緊急閣僚会議で決定されてことについて、「審議なしの可決」と各党から批判を受けたため、話し合いの場を設けるために、この政令の法案化を提案した。そして昨日、国会で法案化手続きを始めることを承認するための投票が行われた。当初は与党国民党(PP)のほかにCiU(カタルーニャ連合)とCC(カナリアス連合)も賛成票を投じると見られていたが、両党は、アスナル首相の姿勢を「弱い者に対して傲慢、圧制的、冷笑するような態度」と批判し、結局投票には欠席した。しかしながら、国会での絶対多数を誇る与党PPは、169票中、賛成129票(PP)反対16票(PSOE,IU,PNVほか)と、孤立したにもかかわらず圧倒的な差で可決に持ち込んだ。これから夏以降にこの政令を法律にするための法案審議が行われていく予定。

20−Jゼネスト情報

政府の「失業者保護令」に抗議するゼネストが6月20日に予定されている。これに関して、各業界で当日遵守すべき「最低サービス限度」についての折衝が続いている。パイス・バスコ(バスク)では火曜日、また昨日はマドリッド、アンダルシアの各自治州における最低サービス限度について、労使および州政府間の話し合いに大方のポイントで決着がついた。しかしながら、これらの各自治州でも、最も難航が予想されていた公共交通サービスに関しては依然として決着のつかないところもある。
マドリッド、アンダルシア、バスクの各州で現在予定されているストライキの項目は以下のとおり。
ガソリンスタンド:総店舗の10%のみが営業。
交通:≪マドリッド≫ルイス−ガリャルドン知事が示した内容は、市内交通を担うEMT社のバス・地下鉄と市内と郊外を結ぶ路線バスは、通常の40%運行。アルカラ・デ・エナーレスやフエンラブラダなど、郊外の地域内路線バスは通常の30%。スクールバスや障害者用バスなどの特別便は、通常どおり運行。しかし労組側は、「これではストライキに参加する権利が守られない」として認めない方針。またタクシー業界では、州全体の3分の一にあたる5.200人のタクシー運転手がストライキを行うとしている。  
≪アンダルシア≫州政府と労働組合で通勤ラッシュ時の間引き運行に関して依然として折衝が続けられている。
≪バスク≫全ての交通機関は通常の20%が運行する。
教育機関:各州とも、ゼネスト当日は大学以外の教育機関で、校長、教頭および職員と事務員各1名ずつが校内に待機する。全寮制でない特別擁護施設では、職員の25%が出勤し、食堂勤務者は全員出勤。
テレビ:マドリッド州のテレビ局は総人員の25%が出勤し、特にニュース番組に力を入れる。アンダルシア州の局では、カナル・スールが報道生番組のみを放映。
病院・医療施設:祝日に準した人員(平日の約40%)で稼動する。透析、手術、薬局、放射線科などはそれよりも多い人数で稼動。救急医療体制は、セビージャ市で翌日から開催される欧州首脳サミットのために、救急体制を通常の120%にまで増強すると発表し、労組側もこれに同意しているアンダルシア州を除いては、通常どおり行われる。薬局は、日曜祭日に準じた営業。救急車は通常どおり。診療所などは、医師、看護婦、事務員各1名ずつ待機。郊外の町村では、土曜日に準じた営業。
水道・電気:祝祭日営業。
老人ホーム:各階に医師と看護婦それぞれ1名ずつ待機。食堂担当の従業員は祝祭日に準じた人員。清掃員は2名。

大学立てこもりの移民らに対し、警察の包囲続く( セビージャ )

仕事と居住許可を求めて、セビージャ市のパブロ・デ・オラビデ大学には引き続き400人以上の北アフリカ系の移民が抗議の立てこもりをしている。警察当局は、水曜日は構内に押し入り2人の移民を逮捕、そして現在も大学周辺を完全包囲し、敷地内を出入りする全ての車に対して検問を行い、移民を載せていないかなどを調べている。これに対して大学の最高決議機関である大学役員委員会は、警察の介入を「完全に拒否」する姿勢を示した。同委員会は、警察当局が、ロサリオ・バルプエスタ学長の許可を得ずに大学敷地内で活動を行うことを全面的に拒否するとし、「大学の自治擁護、大学敷地の保全」を約束する声明を公表した。
また構内の移民らは、緊張をほぐすために、娯楽活動やスペイン語のクラスなどを行っているという。


6月13日(木)

ETAが欧州首脳会議中に、リゾート地でのテロを画策していたことが発覚

今週月曜日に、バレンシア市のアルヘメシー地区で、ETAメンバーのアイツォル・マイルトゥア容疑者が逮捕され、その後も警察による捜査や取り調べが進んでいる。
昨日は容疑者の自白に基づいて、市内から約80kmの山中で捜索が行われた結果、爆発物などが3ヶ所にわたって隠されていたのを発見した。ETAが隠し場所としたのは、zuloと呼ばれる地面に掘った穴の中で、これらの穴の中から120kgの塩素酸塩類、ダイナマイト11kg、時限装置6箱および起爆装置の入った箱ひとつが見つかった。内務省のマリアノ・ラホイ大臣は、昨日の会見で、「ETAは今月21〜22日にセビージャで開かれる欧州サミット中に、地中海沿岸のリゾート地で、観光施設を狙って車両爆弾などを仕掛ける計画をしており、国民感情に一種の“カオス(混沌)”を生み、不安感を煽ろうとしていたのではないか」と語った。
これより以前の先月2日、フランス国内で4人のETAメンバーが逮捕されている。彼らは、地中海のリゾート地ベニドルム(アリカンテ)にアパートを借りており、そこを拠点にカタルーニャ、バレンシア、アンダルシア各地の観光施設を標的としたテロを計画していた。しかしながら、この警察による介入により、計画の変更を余儀なくされたETAは、セビージャ・サミットも近づいた先週、急遽マイルトゥア容疑者と、イニゴ・バジェホ・フランコ容疑者(逃走中)の2人をバレンシアに送ったと見られる。
内務省は、昨日山中で発見された合計131kgの爆発物を使うことにより、少なくとも5台の車両爆弾を作ることが可能であり、これらの火薬は、先月フランスで逮捕された4人のうちの誰かの手で運ばれたものであるという見解を示した。
また、昨日未明にはバスク州ギプスコア県で、2人の女性が警察によって逮捕された。逮捕されたのはエリサベテ・インチャウスティ・イリオンド容疑者とジョネ・イラシュスタ・エグレン容疑者で、いずれも今月5日にフランスで逮捕されたETAのドノスティ部隊構成員らに協力していた疑いが持たれている。

各政党は「生前発効遺書」に関する法律を作ることで一致

昨日国会の衛生問題委員会において、患者の権利に関する法案が全会一致で可決された。主な内容は、年老いた人が、病気にかかった時の治療法や、死後遺体をどのように扱ってほしいかなどを生前に文書にしておくことを可能にするというもの。この法案が可決されたことにより、今後厚生省を中心にこれらの「生前発効遺書(リビング・ウィル)」の発効条件や保管の仕方などが検討されていく見通し。
各党の代表者らは、この「患者の権利と義務に関する法律」は安楽死問題とは切り離されるべきという考えで一致した。カタルーニャ、ナバーラ、ガリシアおよびエストゥラマドゥーラの各州では、すでにこのような生前発効遺書や生前に意思を告げる文書の登録を始めている。国会ではこれらの文書を「予備的指示書」と名づけた。PSOEのスポークスマン、アルベルト・フィダルゴ議員は「法案は尊厳ある死を迎える権利について語っているのであり、自殺幇助を勧めるものではない」と話した。今回衛生問題委員会で可決したこの法案は、このあと6月20日に国会全体で討議され、ここで可決・通過すれば、さらに上院での審議へと進むことになる。 この法案の主なポイントは、予備的指示書(生前発効遺書)を作る時の条件や取り扱い方、患者への情報開示、治療などに関する本人の同意について、未成年者の場合、予備的指示書その他の文書の管理に関してなど。

大学構内立てこもりの移民らに、学長の依頼に反して警察が介入( セビージャ )

今週の月曜日から、スペインでの職と居住許可を求めて北アフリカ系の移民らがセビージャ市のパブロ・デ・オラビデ大学(UPO)構内に立てこもっている事件で、昨日は警察当局によるの介入が行われた。。当局の発表ではこの逮捕は敷地外で行われたとしているが、大学側は、同大学のロサリオ・バルプエスタ学長が警察当局の介入を拒否したにもかかわらず、騎馬警官などが構内に押し入り、アルジェリア人らを逮捕したと発表した。 またこの2日間で立てこもりに参加しようとしていた移民ら41人が大学周辺などで逮捕された模様。警察は6台のワゴン車を待機させ、引き続き構内周辺を包囲しているという。現在構内で抗議の立てこもりを続けているのは、565人程と見られている。彼らのほとんどはモロッコ、モーリタニア、アルジェリア出身。彼らは、例年のようにウエルバのイチゴ収穫の季節労働が、東欧からの移民にとってかわられたことに反発し、仕事と居住許可を求めている。アンダルシア州人権擁護委員会のホセ・チャミソ議員は、明日にも構内の移民と面会する予定。

サッカーW杯:スペインは予選全勝で16強進出

ワールドカップ予選で、スペイン代表にとっての第3戦が行われ、南アフリカに3−2で勝利、Bグループ1位での予選通過が決定した。カマチョ監督は、メンディエタ、トーレス、ホアキン、アルベルダなど第2戦までは控えにまわっていた選手らを多く起用し、スペイン代表チームの層の厚さを見せつけた。ゴールは、4分と56分にラウル、46分にメンディエタの合計3点。これにより、2次リーグ予選で、Eグループとアイルランドと対戦することが決定した。試合は16日(日)の13:00(スペイン時間)から。


6月12日(水)

ラト大臣、ヨーロッパ経済相会議をゼネストの日にマドリッドで開催することを提案

エコフィン(経済財務相特別会議)の議長に当たっているロドリゴ・ラト大臣は、EUの予算案を大筋で承認するための会議を、ゼネストが予定されている6月20日にマドリッドに召集する模様。この会議は当初、セビジャでのEU首脳サミットで加盟15ヶ国首相が審議、承認するための充分な時間を得られるようにとルクセンブルグでサミット前日に開催される予定であったものである。
ブリュッセルの常任代表団はこのニュースを昨日昼電話で確認したものの、正式な開催通知はまだ受け取っておらず、スペインの常任代表団によると、政府の目的はエコフィンをマドリッドで開催することだという。
EUの協定では4月、6月、10月開催のすべての会議はルクセンブルグで行われることになっており、これを変えるためにはルクセンブルグとその他EU諸国の承認を得なければならない。
この会議でラト大臣が直面するのはゼネストに伴って生じる様々な物理的障害だけではない。今回の予算案承認の最大の障害であるフランスは、同じく不服をもつドイツ、ポルトガル、イギリスとサミットの前に会談を持とうとしている。フランスを含む全ての加盟国の同意を得ており、しかもその後サミットで修整されない予算案を20日午後7時に提出できるかどうか、ラト大臣の能力が問われる。

5万人の生徒が大学入学のための「セレクティビダー」に挑戦

現在スペインでは、大学に入学するためには「セレクティビダー」と呼ばれる共通試験を受験しなければならない。この試験の点数によって、自分の希望する学科に進学できるかどうかが決まる。昨日はマドリッド、バレンシア、エストゥレマドゥーラ、アラゴンの各州で、約5万人の生徒らが緊張の中、試験に臨んだ。この共通試験は3日間続く。また、このたび改正された教育資質法により、セレクティビダーは来年を最後に廃止され、2004年からは、新たに設けられた「PGB(仮称)」と呼ばれる高校の卒業試験をもって、高卒の資格を得た上で、さらに希望する各大学の個別入学試験を受験することになる。
マドリッド州では25.000人が受験、会場となった州内の各大学では、休憩時間にも廊下などで最後の見直しをする生徒らの姿が見られた。受験者の一人で、国語と文学の試験を終えたマリア・カジェハさん(18)は、「現行の共通試験より、各大学の個別試験のほうがよいと思う。私は体育教育学科に進みたいが、今の試験では自分の勉強した学科に全く関係のない科目まで勉強しなければならない。」と話し、再び試験会場に姿を消した。24日に結果が発表されるまで、彼らの緊張は続く。

「音楽のない一日」−音楽業界は海賊CD販売に反対するキャンペーンを行う

スペインでは街頭などで販売されている違法音楽CDの蔓延に対して、音楽業界から強い反対の声があがっている。今年に入ってから国内で合法的に販売されたCDの数は7.600万枚だが、これに対し海賊版のほうも2.000万枚に達しおり、その売上は6千万ユーロとも言われる。海賊版の市場に占める割合も、昨年は全体の15%だったのに対し、今年はすでに30%に達しており、取り締まり強化や対抗措置が急務とされている。
このような状況を危惧したアーティスト、プロデューサー、技術者、音楽ジャーナリストら多くの関係者が昨日、マドリッドの美術サークルに集まり、海賊版が音楽業界に与える打撃や、当局に対して有効な措置を求める声をあげた。会場のステージでは、歌手のロサーナさん、マリア・ヒメネスさん、ラファ・サンチェスさん、ハビエル・グルチャガさんらがそれぞれの持ち歌の歌詞のみを朗読し、音楽のない世界がどれほど味気ないものかを訴え、それを作る業界を守ることの必要性を強調した。また午後の1時から2時まで、キャンペーンの趣旨に賛同するCD販売店やラジオ局などでも店を閉めたり、音楽を一切流さないなどの抗議行動が行われた。
これまで違法業者に対して行われた警察当局の介入により押収された海賊CDの数は、爆発的に増えているのが現状である。2000年には37万枚、昨年は75万枚と倍以上に増えたが、それでも留まるところを知らないこの商売は泡のように膨らんでいき、今年は最初の3ヶ月だけで16万5千枚が押収されているという。これらの海賊CDは、通常工場のようにしつらえた民家やアパートの一室などで、“トースター”と呼ばれるCDコピー機で違法に生産されている。

ジブラルタル海峡で海に投げ出された19歳の船員が、自力で生還(カディス)

先週日曜日の午後11時ごろ、タグボート(大型船舶の離着岸補助などを行う曳船)で仕事中の料理担当船員パトリシオ・ララ・アイリョンさん(19)が、ごみを捨てようとした際に船尾付近でつまづき、海に落ちてしまった。すでに辺りは暗く、パトリシオさんの叫び声を聞いた者もいなかった。彼は船のモーターに巻き込まれないように、必死に泳いだ。船が過ぎ去ったあと、真っ暗な波間にひとり取り残されたパトリシオさんは、身に付けていた服やブーツを脱ぎ捨てて泳ぎ始めた。そして数時間後約8KMの距離を泳ぎきり、午前2時30分ごろようやくカディス県のタリファ沿岸に自力でたどり着き、海岸にあるタリファ海難救助隊事務所で助けを求めた。そしてそのまま市内の病院に運ばれた。48時間後の昨日午後、記者会見を行い、心境などを語った。
「いつかは必ず岸に戻れると信じて泳いだ。誰もが持ち合わせているサバイバル本能を最大限に利用した。海峡を小さなボートで渡ろうとして、海でおぼれてしまう移民が多いがそのたいへんさがよくわかった。自分は運がよかったのだと思う。」
泳いでいる時は、足がつったりしたが、リラックスするように自分に言い聞かせ、脈を取ったりしたという。最もつらかったのは、約150メートルという近さを市民警察の捜索船が通ったが、気付いてもらえなかった時だった。それでも諦めずに泳ぎ続け、無事生還を果たした。
海軍のフランシスコ・トレンテ参謀総長は、「強固な意志と物事に打ち勝とうとする精神力、経験がなければ、このような事故から生還することはできないだろう」とこの若い船員に対して賞賛を送った。パトリシオさんにはしばらくの休暇が与えられた。


6月11日(火)

バレンシアでETAメンバー1人を逮捕、もうひとりは逃走中

昨日、地中海沿岸のバレンシア市アルヘメシー地区で、テロ組織ETAのメンバーと見られる男が地元の警察官によって逮捕された。男はアイツォール・マウルトゥア・エグレン容疑者(21)で、内務省の発表によると、この夏に地中海沿岸のリゾート地で観光施設などを狙った連続爆弾テロを計画する部隊に所属している疑いが持たれている。
逮捕のきっかけとなったのは、路上に駐車してあった乗用車のナンバープレートが、車体に比べてひどく古びていることに気付いた住民からの警察への通報による。先月のビスカヤ県での市民によるETAメンバー追跡に続いて、今回も一般市民の協力によりテロリストを逮捕することができた。
通報を受けた警察官が、乗用車に近づきナンバープレートが車種と一致していない上、車は数週間前にフランス国内で盗まれたものだということを確認した。すると2人の男性が近づいてきて、その乗用車に乗ろうとした。警察官が職務質問をすると、2人はバレンシア市内のホテルに宿泊していると告げ、その場から走って逃げた。現場にいた地元住民も手伝い、マウルトゥア容疑者を逮捕したが、もう一人は逃走に成功した。内務省によると、捕まった容疑者は持っていたリュックサックの中にピストル1丁、弾丸14発、複数の身分証明書、偽の警察官バッジなどを所持していた。乗用車には、車両爆弾として使用する為に近日中に爆発物を搭載する予定であったという。
マウルトゥア容疑者は、数ヶ月前にETAに入隊するために実家を離れ、バスク自治州内で複数の路上テロ行為を行ったと見られている。内務省のマリアノ・ラホイ大臣は昨日の会見で、「同容疑者と逃走した男は、バレンシア州内のリゾート地で、観光施設を狙ったテロを画策していたと見られる」と発表した。
ちょうど1年前、やはりETAのバレンシア常駐部隊が地中海沿岸でのテロを実施しようとしていたが、直前にトーレビエハ(アリカンテ)のアパートで、取り扱っていた爆発物が暴発し、メンバーの一人が死亡したため計画は失敗に終わっている。今回の逮捕劇の舞台となったアルヘメシー地区は、人口25.000人の普段は静かな町である。住民らはテロリストの存在を間近に感じ、テロに対する恐怖感を新たにしているという。

大学構内に移民ら400人が居住許可と仕事を求めて立てこもり( セビージャ )

昨日、アンダルシア州セビージャにあるパブロ・デ・オラビデ大学構内に、約400人の北アフリカ系移民らが集まった。例年イチゴの一大産地であるウエルバでは、収穫期には、彼ら北アフリカ系の住民が主に農作業に携わっている。しかし今年は東欧諸国から来た移民らが、事前に自国で農園の経営者らと労働契約を結んでいたため、北アフリカ系住民らの働き場所が失われたことに抗議している。この抗議立てこもり集会を主催したODITE(移民および外国人労働者のための民主組織)のデシオ・マチャード代表は、「社会的な観点から、彼らの労働環境が守られるようになるまで無期限で続行」と話している。また同大学のロサリオ・バルプエスタ学長は、警備当局の介入を避け、アンダルシア人権擁護委員のホセ・チャミソ氏に仲介を依頼したとのこと。

20−Jゼネスト情報:社員に対してスト参加で解雇とおどしたスーパーマーケット

●労組CCOOマドリッド支部の商業・ホテル観光業連盟のニコラス・マタ代表は昨日、州内の大手スーパーマーケット2社の社員2.800名が、6月20日のゼネストに参加した場合、契約社員に対しては契約更新をしない、正社員は解雇という「おどし」を会社側からかけられていたことが明らかになったと話した。
●ゼネスト当日の最低サービス限度については、各自治州および政府レベルでの折衝が始められているが、いまのところ特に合意に達している項目はない。

スペイン人の子供の食生活調査−−−脂肪、糖分、調理済み食品の過剰摂取ぎみ

このほどスペインの子供達の食生活に関しての大規模な調査の結果が公表された。この調査は5年間にわたって国内の複数の病院や国立衛生局、マドリッド自治大学などにより実施され、このたび雑誌European Journal of Clinical Nutrition誌上で発表されたもの。これにより、現代のスペイン人の子供の食に関する様々な悪習慣が浮き彫りになった。調査対象となったのは、マドリッド、オレンセ、ムルシア、カディスの各県に住む1.112人の6〜7歳児。
最も懸念されるのが、脂肪分の取り過ぎである。子供達が摂取するカロリー全体のうち、45%が脂肪分で占められている。これは専門家が推奨する25%という数値を大きく上回っている。また糖類(20〜22%)についても過剰摂取が見られた。たんぱく質は推奨値の15%をわずかに超えた範囲で、「節度ある数値」とされた。専門家らは、チョリソやハムなどの動物性脂肪や砂糖を使用した食品、甘味炭酸飲料、調理済み食品などの取り過ぎにより、脂肪、糖分の取り過ぎという栄養の偏りが生じていると見ている。特に腸詰製品やおつまみ類、調理済み食品などには血液中に過剰蓄積されると高血圧を引き起こすナトリウムの含有率が高い。
また家庭でのビタミン類のサプリメント(錠剤などの補助食品)も、子供の30%が日常的に摂取しているという結果が出ている。サプリメントは、栄養素が欠乏している時に必要とされるもので、調査対象となった子供達には摂取の必要性は見られなかったという。
今回の調査で、肯定的な結果が出たのは、子供達がフルーツや繊維質、野菜類などをきちんと取っているという点であるが、これも行き過ぎればビタミンや複合炭水化物の過剰摂取を招きかねないとの指摘があった。
最後に、子供達の健康な成長に必要不可欠である牛乳や乳製品であるが、これも取りすぎが心配されている。調査結果では、一人当たり一日630〜640グラムの乳製品を取っており、これにより摂取カロリー全体に対して脂肪分が20%、たんぱく質は25%を占めることになる。牛乳やヨーグルトは、肉よりもたん白質の含有率が高いため、これらの食品を取りすぎると栄養が偏っていく傾向を生み出すといえる。また牛乳には多くのカルシウムが含まれているが、世界保健機構(OMS−WTO)の推奨する一日の摂取量は800グラムなのに対して、調査が行われた4県のうち、最も数値の低かったムルシア県でも平均1.458グラムと大幅にこれを上回った。ただカルシウムの取りすぎは、必ずしも健康を害する原因に直結しないという。
調査報告は「肥満や心臓疾患などを予防するためにも、スペイン人の子供達の食生活を緊急に改善する必要があることは明らかである」と締めくくっている。


6月10日(月)

雨不足でマドリッド、ムルシア、バレンシアが取水制限の危機

今年の春の終わりに降った雨が恵みをもたらしたのは、スペイン国内のいくつかの地域だけであった。カタルニャ地方では年始からの旱魃を救ったが、マドリッド、ムルシア、バレンシアは夏に向けて厳しい状況にある。エントレぺニャス・ブエンディアダムの貯水量が少ないため、タホ−セグラ川灌漑委員会は去年と同じ水量は供給できない見通し。フカル川も夏の供給量を20%カットする。
この水不足の影響を最も受けるのは、タホ−セグラ灌漑路から水を供給されているアリカンテ、ムルシア、アルメリアの78市町村で、その中にはベニドームのように夏の人口が急増するバカンス地が含まれている。
エントレぺニャス・ブエンディアダムの貯水量が32.6%にしか満たないことから、先週の金曜日、タホ−セグラ川の水の供給を管理、運営している灌漑委員会は、スペイン南東地方の去年と同水量の供給申請を認められなかった。
9月までの本年度第3期の供給量は去年より1億少ない、1億1400万立法メートルになる見込み。
すでに稼動しているはずのアリカンテとサン・ペドロ・デ・ピナタル(ムルシア)の海水を真水化する施設は、この夏までの稼動開始は無理で、セグラ川用水組合によると、年間1800万立法メートルを真水化できるアリカンテの施設は今年度最終期、サン・ペドロ・デ・ピナタルの施設にいたっては2003年まで稼動開始はできない。
タビジャ、セグラ両川からの供給量が不十分なため、灌漑委員は3千立方メートルの不足分を1994−95年の旱魃の際に掘られた緊急用の井戸など、他の方法により供給しなければならない。
今年、雨量測定器の記録はイベリア半島に寛大な数値を示していない。昨年11月から今年4月までの平均降水量は1930年から1996年までの平均を大きく下回り、1月と2月は、月平均記録の半分にも満たなかった。
この数週間の雨は、カタルニャ地方以外ではそれまでの水不足を補うにはいたらず、「これから気温がますます上がり、地面が乾くことによって、水の蒸発量がさらに増えるだろう。地面に水が染みるのに時間がかかり、泉や小川を潤すための涌き水すら得られないだろう。」と、ある専門家は言う。
こうした状況は、すでにタホ、フカル両川の源流で見られている。マドリッド自治区に影響を及ぼすタホ川については、組合が「今年度供給分ギリギリの水量」と述べている一方、フカル川の貯水量は28%。主要ダムであるアラルコンダムは、年間3億9千2百万立方メートルの取水資格をもつアセキア・レアル・デル・フカルの住人たちの主要取水源であるが、貯水量が17%であることからその20%を供給するにとどまっている。
アルメリアでは、エブロ川から水の供給を待つことなく県都とカボ・デ・ガタ国立公園の間のランブラ・モラレス地区に灌漑専用の井戸を掘った。しかし、塩分を多く含むこの水は、今年大きく値段が下がったため農業従事者たちが捨てているトマト以外の耕作には使用できない。彼らのうち260人で灌漑用水利権者組合を結成、問題の早期解決を目指している。
「我々は、エブロ川から水を供給してもらえるのを待つことはできない。」と、組合のアントニオ・F・ガルシア・パルド代表は言う。
ガルシア・パルド氏は自分たち専用の海水真水化施設をという決定的解決法を勝ち取るため、4年以上も闘ってきた。海水真水化施設の設置が、アルメリアの農業用水不足解決のためのアンダルシア州議会の政策と一致するため、州議会は真水化に必要な費用の50%を負担することを決定した。
一般公募の結果、ランブラ・モラレスに1日6万立方メートルの塩水を真水化する施設の建設をテクニカス・レウニダス社(旧社名イニテック)、施設から屋根付き貯水池までのパイプ路の建設ををドラガドス社が落札した。
工事費用は総額7200万ユーロに達し、この半分は州議会が負担、のこり半分はカハ・スルが融資する。
2003年夏から稼動するこの施設があればエブロ川の水は必要なくなるのか?「もしくれると言うなら、いつでもこっちは歓迎するよ。」とガルシア・パルド氏は答えた。

“デクレタソ”に抗議するデモ行進が行われる( セビージャ )

5月25日に緊急閣僚会議で承認され27日に発効した「失業者保護改革令」に関して政府は野党や各労働組合から“デクレタソ(とんでもない政令)”と痛烈な批判を浴びている。昨日はアンダルシア州セビージャ市において、今週木曜日に国会で法案化決議が予定されているこの政令の完全撤回と、20−J(6月20日)ゼネスト召集を呼びかける大規模なデモ行進が行われ、二大労組UGTとCCOOを中心に、与党PP以外のアンダルシア州の全ての政党が参加した。主催者側の発表では25万人(警察当局は5万人と発表)が結集し、アンダルシア州では近年にない大規模デモとなった。
欧州理事会議長国としての任期が終わるこのセビージャ・サミットの前日にゼネストを予定され、つらい立場にあるアスナル首相は、先週土曜日のPPミーティングの席上でも、「ゼネストはわが国を傷つけ、惑わせる以外の何物でもない」と非難を続けているが、これに対してUGTのカンディド・メンデス書記長は昨日、「労働者を惑わせようとしているのはアスナル首相のほうである。我々は2001年の労働改革と今回の“デクレタソ”ともう2度も被害を被っている」とさらに反発を強めた。

大規模フィエスタで急性麻薬中毒により、6人が緊急入院( マドリッド )

昨日午後、マドリッド郊外のレガネス市にあるディスコで開催されたテクノ音楽のフィエスタに来ていた若者ら6人が、麻薬による急性中毒とみられる症状で次々とマドリッド市内の病院に運ばれた。入院したのは22歳から31歳の男性5人、女性1人、いずれもフィエスタ会場内で急に嘔吐、痙攣、意識が朦朧とするなどの症状が起きたという。その内の一人は会場内で昏睡状態となったが、病院で数時間後意識を取り戻した。
会場となったディスコ「ユニバーサル・アイランド」では毎月第2日曜に大規模なフィエスタを行うことで知られている。警察当局の発表によると、昨日は約3000人が集まり、午前10時から、夜中0時すぎまで踊りに興じていたという。参加者の間ではドラッグが広く使用されており、特に入院した6人が摂取したと見られている「液状エクスタシー」は香水ビン1杯8〜10ユーロで売られていたと、参加者の一人は話している。
今年3月にマラガでの同じようなフィエスタで、やはりエクスタシー過剰摂取により2名の死者が出て以来、麻薬使用の低年齢化および普遍化が加速していることは明らかである。マドリッド麻薬撲滅局のホセ・マヌエル・トレシーリャ局長によると、マドリッド州内での「液状エクスタシー」の使用状況は、いまのところ錠剤のエクスタシーよりも少ないものの流行の兆しがあるという。正式名はGHB(ガンマ−ヒドロキシ酪酸)といい無色無臭で、服用過多やアルコールとの併用により、昏睡状態に陥るなどの危険性がある。錠剤がアンフェタミン製剤(覚せい剤)であるのに対して、液剤の方は鎮痛剤や催眠剤として治療に使われてきたように、逆の作用があるのが特徴。バレアレス諸島を中心に拡大し、マドリッド州のディスコなどでは1995年ごろから使用が報告されている。

全仏オープン決勝、アルベルト・コスタ選手が初優勝( パリ )

パリのローラン・ギャロスで行われていたテニスの全仏オープン最終日の昨日、男子決勝ではアルベルト・コスタ選手対フアン・カルロス・フェレーロ選手の対戦となった。決勝でスペイン人同士が対戦するのは、全仏史上3度目。試合前はフェレーロ選手有利と見られていたが、結果は6−1、6−0、4−6、6−3(2時間30分)とコスタ選手が初めから優位に立ち、終始落ち着いたプレーで見事優勝した。カタルーニャ・レイダ出身、26歳のコスタ選手にとって、これがはじめてのグランドスラム優勝となった。今週の金曜日に結婚式を挙げる同選手にとっては、二重の大きな喜びとなった。


6月7日(金)

20−Jゼネストの最低サービス限度の労組案が発表される

政府主導で改革が進められ、5月27日に発効した「失業者保護令」に強く反対する各労働組合を中心に、6月20日(木)に全国でゼネストが予定されている。昨日は労組CCOO、UGTより公共の交通機関やサービス施設がスト中に遵守すべき「最低サービス限度(案)」が発表された。
空の便:全ての国内線および国際線が運休。ただし、セウタ、メリーリャ、カナリア諸島、バレアレス諸島発着便は一往復のみ運行。
陸上交通:長距離列車は、マドリッドと主要都市間がそれぞれ一往復、地方列車は長距離列車が停車しない地域間を結ぶ列車がやはり一往復ずつ。路線バスや地下鉄は通常の5%〜10%の運行が実施されると見られている。また近距離列車(セルカニアス)の通勤ラッシュ時は25%の運行が見込まれているが、市内交通に関しては常に交渉の大きな障害となっており、どのように決着がつくかは未定。
海上交通:海難救助船と、救急船は通常どおり対応。
エネルギー、電話:営業するガソリンスタンドはわずか10%。電気の供給に関しては、祝日扱いとする。テレフォニカは昨日、スト当日は通常の5%の人員で業務を行うことで、労組側と合意した。
病院・衛生施設:急患、透析、集中治療室(ICU)は通常どおり。救急車や消防などの緊急電話は祝日扱い。老人ホームやリハビリ施設なども祝日営業する。
教育機関:全寮制の特別養護施設のみ
また清掃サービスに関しては病院での廃棄物回収など必要最低限の業務のみ、公共役場などはクリスマスイブや大晦日のように時間を短縮して業務を行うとした。
労組側は、これらのサービスに関して利用者のために文書やテレビ・ラジオを通じて情報を提供する必要があるとしている。民間の警備会社は、当日の警備範囲をスペイン銀行の金庫、爆発物倉庫などに限定して業務を行う予定。労組側は政府が事前に民間の警備会社数社に対して、どの程度ゼネストに参加するか報告するように通知していたことを非難している
これらの提案は、昨日労組側から労働省に提出されたものだが、これから両者の間で折衝が進められていくことになる。交渉期限はストライキ前日の19日だが、CCOO、UGTともに来週にも政府代表との折衝にはいりたい構えを見せている。
6月20日という日付は、政府にとって非常に都合の悪い日である。なぜなら翌日から2日間、セビージャでEU首脳会議が開催されることになっているからだ。しかもこの首脳会議開催をもって、半年間勤めてきたスペインの議長国としての任期が終了するため、有終の美を飾りたいアスナル首相としては、このゼネストは非常にやっかいな問題となってしまった。

将来のアルツハイマー発病を予告するプロジェクト(バルセロナ)

バルセロナ・クリニック病院では、遺伝学的診断を通じて将来アルツハイマー病にかかるかどうかを早期診断し、他の家族の遺伝子との関わりなどを研究するプロジェクトへの参加者を募っている。このような試みはヨーロッパでは唯一である。アルツハイマー病は、複数の遺伝子に異変が起きたり、特殊なたんぱく質が脳内に蓄積して神経細胞が死んでいき、痴呆症が進行し、身体も次第に弱ってくる破壊的な病気である。スペイン国内では約40万人がこの病気にかかっているという。
現在のところ、150名がこの計画に参加し、その大半が遺伝学的解析の結果を待っているという。参加条件は、家族の中に現在65歳以前に発病したアルツハイマー病患者が少なくとも2人はいることである。クリニックの研究者らは、アルツハイマー病には3つの変異した遺伝子が関係しており、二世代中3人がアルツハイマー病を患った場合、他の家族も同じ病気にかかる可能性が非常に高いとみて、患者の家族が、遺伝的にどの程度自分も発病する可能性が将来あるのか予告するプロジェクトを立ち上げた。この変異遺伝子が見つかった場合、クリニック病院の遺伝学委員会と情報提供プロジェクトは家族に対し、変異遺伝子を受け継いだため、アルツハイマー病にかかる可能性が高い旨を通知する。
神経科医、遺伝学医、心理学者などで構成されるこのプロジェクトでは、この数週間2人の早期アルツハイマー病患者を抱える家族一人一人の遺伝子を調査している。プロジェクトの責任者ホセ・ルイス・モリヌエボ氏は、「この家族の80%に関してはすでに診断が下されており、その半数は将来60歳以前にほぼ確実にアルツハイマー病にかかるであろう。前もってこのような重大な痴呆症にかかる可能性について知っておくことは、本人だけではなく家族にとっても有意義なことである。また将来の人生設計、子供への遺伝などに関しても様々な判断材料を与えることになるだろう。そしてこのプロジェクトに参加した人たちは、今後臨床研究が行われる際、優先的に発症を抑えたり遅らせたりする薬を試すことができる。」と話している。
この新しい遺伝子学的試みに対して、バルセロナ大学生物倫理および権利監視機構のアナ・サンチェス・ウルイタ氏は、「有効な治療法がなく、将来自分を死に至らせる病気にかかるということを10年も20年も前から予告されるというのは一人の人間にとって、非常に重大である。就職などに影響を及ぼす可能性のあるこのような情報の漏出を防ぐため厳しい管理をしなければならないだろう。また未成年に対する扱いに関しても今のところはっきりした法規制などがないのが問題である(クリニック側では未成年は対象外としている)。さらに結果に拘わらず精神的ケアが必要である。」との考えを示し、倫理の観点から疑問を投げかけた。

EU各国のインターネットの利用状況報告---スペインは大きく遅れをとる

ヨーロッパの情報社会化は各国独自のスピードで進んでいるようだ。アウナ財団がまとめた「eエスパーニャ2002報告書」によると、@インターネットの家庭への普及率、A利用者の割合ともにスペインはヨーロッパの情報先進国から大きく遅れをとっていることが明らかになった。
二つの項目で、断然優位なのはスカンジナビア諸国である。@では1位がオランダ(63.8%)、2位スウェーデン(60.7%)、3位デンマーク(58.6%)、欧州連合中インターネットの家庭への普及率が最も低かったのは下からギリシャ(9.9%)、スペイン(24.7%)、ポルトガル(26.1%)の順。この項目での15カ国平均は37.7%であり、スペインはかなり平均を下回ったことになる。次にAを見てみると、1位はデンマークの70.3%、2位オランダ(68.6%)、3位がスウェーデン(67.9%)。スペインは12位(36.8%)で後にイタリア、ポルトガル、ギリシャと続いた。15カ国平均は47.9%。
またインターネットで商業取引や買い物をしたりする個人や、中小企業でインターネットを商売に取り入れている会社の数もスペインではあまり多くはないようだ。昨年はインターネットにアクセスする人は多くがニュースを読んだり(50.1%)、銀行取引(24.2%)、商品やサービスを購入(11.6%)、情報収集(80.7%)あるいはゲームを楽しんだり(13.6%)している。また全体の利用者のうち、13%がオンライン・ショッピングをしているという。しかしながら、今のところEメールでのやりとりのためにインターネットを使っているという人が大半というのも事実である。
接続料やプロバイダの質、そして言語の壁がスペイン人にとって大きな障害となっているようだ。インターネット上の全てのコンテンツで、スペイン語で書かれているのは全体のわずか6%に過ぎない。また不足する情報技術者の数は年間6万人とも7万人ともいわれる。
報告書は、これからの重要課題として業務の情報化を推進し、行政機関が新しいテクノロジーを取り入れる際にも努力を怠ってはいけないとした。
今回の報告書に挙げられたもうひとつの懸念は、国内の各自治州ごとに情報化に大きな格差があるということである。先にあげた@とAともにヨーロッパの平均を超えているのは国内では商業の中心であるマドリッド州とカタルーニャ州のみ。デジタル社会が「都会に顕著な現象」であることがはっきりと読み取れる。
最後に「eエスパーニャ2002」は世界の様々な社会的分野(博物館・美術館、病院、観光、文化施設) にニューテクノロジーが与えた影響についても初めて触れた。

80年代を代表するミュージシャン、カルロス・ベルランガ氏が長年の肝臓疾患の末、死去

水曜日に死去した作曲家、ミュージシャン、グラフィック・デザイナー、イラストレーター、そして画家でもあったカルロス・ガルシア・ベルランガ氏が昨日、マドリッドのポスエロに埋葬された。カカ・デ・ルクセ、アラスカ・イ・ペガモイデス、アラスカ・イ・ディナラマなどのグループの一員として、彼の創造性はスペインポップ・ミュージック界に衝撃を与えるものであった。モンテプリンシペ病院付属礼拝堂で行われた葬儀には、ペドロ・アルモドバル、ミゲル・ボセ、アラスカ、ナチョ・カヌ、アナ・ベレン、ビクトル・マヌエルの各氏を始めとする多くの文化関係者が出席した。
ルイス・ガルシア・ベルランガ監督の息子、カルロス・ベルランガ氏が1978年、マドリッド・ムーブメントの創生期にナチョ・カヌ、エンリケ・シエラ(ラディオ・フトゥラ)、エル・スルド(ラ・モデ)、オルビド・ガラ(アラスカ)各氏の若いミュージシャン達と結成したパンク・グループ、“カカ・デ・ルクセ”はビジャ・デ・マドリッドコンクールで優勝。
その後、カルロス、オルビド、ナチョの各氏は、アナ・クラ、エドゥアルド・ベナベンテ両氏を加えて、パンクから離れポップの要素を濃くしたグループ、アラスカ・イ・ペガモイデスを結成。
しかし、その成功の真っ只中、アラスカ、カルロス、ナチョの三氏は新たにアラスカ・イ・ディナラマを結成。アルバム「カンシオネス・プロファナス」(1983年)、「デセオ・カルナル」(1984年)、シングル「ペルラス・エンサングラダス」「ア・キエン・レ・インポルタ」等のヒットで、国内レコード市場で最も重要なバンドの一つとなった。
アラスカの強烈なキャラクターに対し内気なことで知られたベルランガ氏は、その後プロデューサーとソロ歌手としての活動を始め、「エル・アンヘル・エクステルミナドール」(1990)、「インディシオス」(1994)、「ビア・サテリテ」(1997)、「インペルメアブレ」(2001)等の曲を発表した。現在はファンゴリアという名で活動しているアラスカとナチョ・カヌは、バイニカ・ドブレ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ペット・ショップ・ボーイズ、ブライアン・フェリーの崇拝者であったカルロスに協力して、「ビア・サテリテ」、「インペルメアブレ」でバックコーラスを務めているが、1990年にベルランガ氏が始めたソロ活動は、以前のようなヒットを生むことはなかった。


6月6日(木)

スペインの都市別生活水準ランキング発表さる

銀行グループのラ・カイシャがこのほど発表したランキングによると、スペインで最も生活水準の高い県はカタルーニャ地方に多く集まっていることがわかった。住民一人当たりの平均所得が最も高いのはジローナ、続いて同じくカタルーニャのジェイダ、またバルセロナは5位につけた。首都のマドリッド県は7位であったが、99〜2000年の間の経済成長の度合いでは32位と大きく後退した。
マドリッドもバルセロナも一人当たりの平均年間所得は11.400ユーロから12.000ユーロで、同じような水準の他県にはアラバ、バレアレス、ギプスコアが挙げられる。それよりもさらに所得が多いのがランキング1位のジローナと2位のジェイダで12.000ユーロから13.000ユーロであった。この2都市の数字は、最も平均所得の低いバダホスやカディス(6.400〜6.975ユーロ)のおよそ2倍である。全般的にアンダルシア地方やエストゥラマドゥーラ地方の各県は下位にランクされている。
次に1995年から2000年の5年間に経済成長が最も顕著に見られたのは、マラガ、アラバ、バダホスで、バルセロナは8位、マドリッドは32位だった。逆に経済に活力が見られなかったのはサラゴサ、ルゴ、オウレンセの各県。
人口5万人以上の市町村の中では、生活水準の高さからみて1位はドノスティア(サン・セバスチャン)、続いてゲッチョー(ビスカヤ)、ジローナ、ジェイダ、ポスエロ・デ・アラルコン(マドリッド)、ラス・ロサス(マドリッド)、サント・クガット・デル・バレス(バルセロナ)と続いた。これらの市町村全体の住民一人当たりの年間平均所得は13.000ユーロ以上であることがわかった。
スペインには8.107の市町村が存在し、その61%は人口が1000人以下で、残りの3.166市町村(人口千人以上)で国全体の人口の96%を包含している。特に99年から01年にかけて急激に増加した移民により、スペインの人口が増える結果となった。またこの期間、人口5万人の市町村の中で、最も人口増加が顕著だったのは、トーレビエハ(アストゥリアス)、ラス・ロサスとサント・クガット・デル・バレス、逆に人口が最も減ったのは、サンタ・コロマ・デ・グラメネット、オスピタレット・デ・ジョブレガット(共にバルセロナ)およびカディス。
さらにラ・カイシャは、スペインの各市町村における住民一人当たりの様々な施設やサービスの数やここ数年の変遷についても調査しデータを公表した。車両保有台数はスペインの人口千人あたり423台、固定電話機は414台、銀行の支店1軒、21の商店、レストラン、バー、カフェテリア、キオスクが7軒という結果になった。96年から01年にかけて、銀行の支店数は11.6%減少したものの、信用金庫の数が逆に24.3%増加したという。これは信用金庫の自由化が銀行よりも遅れたためと説明している。

政府は移民の合法化を厳しく制限

一昨日マリアノ・ラホイ内務大臣から、政府が外国人法の再改正を準備しているとの発表があったが、さらに具体的な改正内容が明らかになってきた。
・EUによる国境警備のための警察機構作り
・定住者の正規化措置の廃止
現行では「少なくとも5年間スペイン領内に連続して定住したことが認められた場合、自動的に正規移民となることができる」という規定があるが、これを全面的に廃止する。
・移民取引に従事する者
不法移民の斡旋や仲介などに関わった者に対する刑罰の強化。最高8年の懲役刑に拡大を予定
・正規書類を持たない移民の雇用
現行法よりもさらに厳しく、刑法適用も検討する。今のところ、不法移民を雇った場合、6ヶ月〜5年の営業停止処分。
・配偶者特別措置
現在、移民の配偶者と認められるのは妻(夫)と18歳未満の子であるが、改正後は子の年齢を16歳未満に制限する。
ルクセンブルグを訪問中のアスナル首相は、日毎に増加する不法移民に対してEUが「要塞化」することはよしとしないが、「恒久的にすべてを受け入れる器」になることは避けるべきと話した。そして、「スペインの状況は変わってきており、不法でも合法でもまだまだ入りますよ、とは言っていられないのが現状」と付け加えた。
また社会保険庁が公表したデータによると、今年の5月に新しく社会保険に加入した人のうち、4人にひとりは移民であるという。

フランスでETAのメンバー2人を逮捕

昨日フランス中部のオーブッソンにて、フランス憲兵隊が銀行強盗犯を追跡包囲中に行ったコントロールにより、指名手配中のETAメンバー2人を逮捕した。逮捕されたのは、フェルミン・ビラ・ミチェレナ容疑者(32)とアイトール・アギレバレナ・バルダライン容疑者(35)。2人は自動小銃(1丁はETAのロゴ入り)などの武器を携帯し、偽造身分証明書を所持していた。
ビラ容疑者は1970年イルン生まれ、昨年12月にEUおよび米国で承認された21名のETA最重要容疑者リストのひとりに挙げられている。14歳からETAの少年組織ハライ、エキンに所属。その後マドリッド部隊に入り、フスト・オレハ将軍を自転車爆弾で、警察官ルイス・オルティス・デ・ラ・ロサさんを車両爆弾で殺害した疑い。
アギレバレナ容疑者は、1999年にETAから勧誘され、ドノスティ複合部隊の構成組織トロット部隊に所属。2000年にジャーナリストのホセ・ルイス・ロペス・デ・ラカーレさんと元ギプスコア県知事のフアン・マリア・ジャウレギさん、および2人の市民警察官殺害の容疑がかけられており、それぞれインターポール(国際刑事警察機構)から追跡されていた。

全仏オープン、雨により順延しスペイン3選手に影響

パリのローラン・ギャロスで行われているテニスの全仏オープンは、悪天候により中断、延期となった試合があり、過密スケジュールとなっている。女子のほうはすでに本日準決勝の2試合が行われているが、男子部門では準々決勝に勝ち残った3人のスペイン人選手にとっても波乱含みとなった。
一昨日のパヴェル選手(ルーマニア)対アレックス・コレッチャ選手の試合では、6−7(7−5)、5−7とコレッチャ選手優勢だったが、第3セット5−4となった時点で空が暗くなったため試合が中断。試合は今日まで延期されたが、今度はパヴェル選手が自身の第二子誕生に立ち会うために、パリからドイツに行ってしまったという事件がおきた。同選手は「準決勝に進めなかったら妻のところへ行く」と言っていたものの、長女の時は難産だったこともあり、急に産気づいた妻の出産に立ち会うために500km離れたドイツ国内の町へ急行した。昨日の時点でもパヴェル選手がコレッチャ選手との試合のためにパリに戻ってくるのかは不明で、コレッチャ選手側も非常に困惑している状態ではあったが、なんとか試合には間にあったようだ。今日午前に行われた試合の続きでは、第3セット7−5でコレッチャ選手が勝利、準決勝で同じくスペインのアルベルト・コスタ選手と対戦することになった。
またやはり準々決勝でアメリカのアンドレ・アガシ選手と対戦したフアン・カルロス・フェレーロ選手だが、この試合も6−3、1−0と有利な運びとなっていたにも拘わらず、途中で雨により中断、本日続きの試合が行われる。


6月5日(水)

政党法案が国会で可決、今月末にも施行される

バタスナ党の非合法化などを目的とした新しい「政党法」の法案が、昨日国会で可決され、その後上院でも特に変更もなく通過した。国会投票では、賛成票が95%を占めた(与党PP、社会党PSOE、カタルーニャ民族主義CiU、カナリア連合CC、アンダルシア党PAが投票)。反対票は左翼連合IU、バスク国民党PNV、バスクEA、ガリシア民族主義BNGを合わせた16票で、この新しい法律がバスク自治州内の苛立ちをさらに加速させるのではないかという懸念から反対票を投じるに至ったという。
この政党法を適用すれば、ETAの政治母体であるバタスナ党を非合法化できるものと期待されているが、実現にはバタスナ党とETAの関連性を証明する、EUがこの政党をテロ擁護政党として追及する必要があると認めるなどのいくつかの条件を満たさなければならない。
昨日の国会での審議にあたりPSOEのガリード氏は、「テロリズムや人種差別、外国人排斥を擁護し、正当化することに対して、常に恐怖心を抱いてなければならない。」と主張し、バスク自治州内の民主主義化、民族自決のために必要な法律であると述べた。しかしながら、この法律は主義やイデオロギーを追及するものではないという考えも明らかにした。PPのハビエル・アレナス幹事長もまた、民主主義を強化し、暴力という仮面を取り払うことができるようになるだろうとの主張を繰り返した。
反対に、PNVのエルコレカ議員は、この政党法が憲法に違反しているのではないかという疑問を掻き立てるとの考えを表明し、CiUのスポークスマン、マヌエル・シルバ氏は、賛成票を投じたものの、事前にバスク自治政府と合意に至らなかったことを遺憾に思うと語った。

ラホイ内務大臣は、外国人法の改正に向け検討を進めると示唆

昨日、スペイン第一副首相で内務大臣のマリアノ・ラホイ氏は滞在中のバルセロナで、政府が今後「外国人法」の改正を強く進めていく方針であることを明らかにした。同大臣は改正の内容には深く触れなかったものの、現行法をさらに固め、ドイツでは移民の配偶者優遇措置がスペインのそれよりもさらに制限されていることを例に挙げ、他のヨーロッパ諸国と足並みをそろえていくための改正であることを示唆した。
ラホイ大臣は昨日のカタルーニャ自治州ジョルディ・プジョール知事との会談後の会見で、外国人法改正についてプジョール氏の意見とは多くの共通点が見られたと語り、カタルーニャの民族主義的政党との連携に期待するとした。
会談終了後、カタルーニャ自治政府のアルトゥール・マス議長は、カタルーニャ政府が現行法の若干の見直しに同意する考えを明らかにし、国境警備の強化のために将来的に“モッソス・デスクワドラ”(カタルーニャの市民警察)をその任に当てる用意があることを示唆した。また今年から季節労働者を集めるために、出身国内での移民の募集・登録を始めていることから、自治政府により海外に移民登録所を設けることを提案した。ラホイ大臣によると、このような措置により、これまでに32.079人の外国人移民が家庭内労働や、農業、建設業に従事するためにスペインに入国し、その内の4.030人はカタルーニャ地方で採用されたという。

また同大臣は、外国からの移民の問題が現在のヨーロッパ全体で最も重要な政治テーマであるとの認識を示し、約2週間後にせまったセビージャ首脳会議において、各国が協調していく必要があると述べた。この点において、欧州では近年外国人移民の法的地位についての考え方が大きく変わってきているため、今こそ欧州共通の見解をまとめていく必要があるのではないかと語った。
またラホイ氏のもうひとつの提案は、移民の配偶者優遇措置についての約款を定める委員会の設置である。現在のところ、この優遇措置については、各国で取り扱い方がバラバラである。ラホイ氏が模範的な例に挙げたドイツでは、移民の配偶者を親と16歳以下の子供のみに限定しているが、スペインではその制限が兄弟、祖父母など二親等まで拡大されているのが現状。
ヨーロッパ歴訪中のアスナル首相もまた、外国人法の強化に同意を示し、各国の首脳との会談を通じて移民に関する基本的なコンセンサスが存在しているとの認識を強めたと話している。
政府はこの外国人法の改正法施行を今年の12月31日以前と予定している。これが可決されると、この3年間で3度目の改正となる。

この12ヶ月で失業者の数が110.854人に増加、5月の無期限雇用契約は18.62%の減少。

5月に職業安定所に登録された失業者の数は47.281人(2,89%)、昨年同月の56.957人と比べると少なくなっている。最新のデータは、スペイン経済成長の減速が失業率増加に影響を与えていることを如実に示しており、この12ヶ月で新たに失業した人の数は110.854人(7,5%)に増加している。
昨日、労働省が発表した5月締めのデータによると、失業者の数は1.558.987人で、労働人口中失業率は8,76%にのぼる。
失業者数は3ヶ月連続で減少しているものの、昨年5月と比べると失業率は7,5%の上昇、昨年9月から始まったゆっくりとした失業者増加の傾向が続いていることがこのデータから読み取れる。
先月の減少人数は昨年同月よりも少なく、過去15年間の平均(56.424人)と比べても少ない。季節労働とサービス業、観光業における急激な雇用増加のお陰で、この部門で33.299人と失業者が最も減少している。工業部門で6.011人、建設業部門で3.930人、就労経験のない人の部門で2.633人、農業部門で1.408人と、全ての部門において失業者の減少が見られた。
自治州別に見ると、アンダルシア(7.207人)、マドリッド(6.608人)、バレアレス諸島(6.110人)が最も大きく失業者が減少した自治州であった。
5月現在、男性失業者は639.027人で、4月と比べて20.384人の減少、女性失業者は949.960人で、26.897人減少している。昨年5月と比べると、男性失業者は62.751人、女性失業者は48.103人多い。依然として女性の失業率は高く、男性の5,83%の倍以上、13,23%となっている。

雇用体系の変化
5月に職業安定所に就職を登録した人の数は1.238.066人と5月の歴代記録を更新、昨年5月と比べても2.794人(0,23%)増加している。今年度5ヶ月連続で雇用されている人の数は5.895.440人で、昨年同時期と比べて4,24%の増加。
しかし、この5月の増加のうち無期限雇用契約によるものは、116.370人(全体の9,4%)で、昨年同月と比べると、18,62%もの急激な減少を見せている。今年度5ヶ月間では573.712人が無期限雇用契約によるもので、昨年同時期と比べると4,97%増加している。パート契約でも減少は見られ、その比率は10,9%と見られている。
ハーグに滞在中のホセ・マリア・アスナル首相は5月の失業者数の減少について、「スペインを“すべての人に仕事を”の目的達成に近づけるよいデータだ。」とコメントした。CEOE(スペイン企業連合)は、今年度に入って5ヶ月間の雇用が増加している点に着目。しかしながら、PSOE( スペイン社会労働党)の経済担当官ジョルディ・セビジャ氏は、職業安定所のデータがスペイン経済における雇用創出能力の低さを月ごとに証明していると信じている。UGT(労働総同盟)は無期限雇用契約の10倍の期限付き雇用契約が結ばれていることから、“不確かな就労状況における増加”であることを強調、一方でCCOO(労働総協議会)は、失業者の年間増加リズムが経済状況全体の段階的な悪化を示すデータであると見ている。


6月4日(火)

セビージャ欧州サミットに向けて、アスナル首相の各国訪問始まる

スペインのホセ・マリア・アスナル首相は、セビージャで6月に行われる欧州理事会に先立ち、開催3日前の6月18日までUE内の8カ国14都市を歴訪中である。
このセビージャ・サミットは6月21、22日の両日にかけて開催される予定。この会議において、半年間勤めてきたスペインの議長国としての任期が終了する。
最初の訪問地フィンランドのパーボ・リッポネン首相との会談では、不法移民問題が主要テーマとして取り上げられた。今後の訪問地でも不法移民対策のほかに欧州連合の拡大プロセスの推進、制度改革などが中心議題となっていくであろう。
ヘルシンキを後にしたアスナル首相は、スウェーデンのヨーラン・パーション大統領と会談するためにストックホルムを訪れ、続いてベルリンでドイツのシュローダー首相と会う予定になっている。

マンション崩壊で1人死亡、モロッコ人の男性が2人を瓦礫の中から救助(バルセロナ)

昨日午前5時40分ごろ、バルセロナ郊外のロスピタレット・デ・ジョブレガット市にある5階建てのマンションが突然崩れ落ちた。この崩壊により、瓦礫の下敷きになって少なくとも1人が死亡、6人が重軽傷を負った。
このアパートには24名が住んでおり、倒壊時22人が建物の内部にいたと見られる。その内の14人は無事に消防隊によって救助されたが、残る7人が瓦礫の中に取り残された。当初行方不明となっていた1名は、倒壊の約30分前に外出していたことがわかった。 現場には70名ほどの消防士が駆けつけ、救助にあたった。
市長のホセ・アントニオ・モリナ氏によると、このマンションは1967年の建築で、93〜95年にかけてアルミ構造の不具合により部分的に修繕が施された。しかし最近駐車場を作るために隣接地区で行われていた工事により、倒壊マンションの工事不備や不均衡な構造が被害を招いた。
また倒壊したマンションの向かいに住むモロッコ出身のアブデサラームさん(23)とオマールさん(48)は、午前5時45分ごろ、マンションが崩れる音とそれに続いて娘を探し、助けを求める女性の悲鳴を聞き、すぐさま現場に駆けつけた。マンション周辺には煙が立ち込めていたが、彼らは瓦礫の中に入っていき、初めに娘を、その後母親を無事に助け出すことに成功した。アブデサラームさんは救助中に足に怪我をしたが、インタビューに答えて、「人を殺すのは神のなせること。善意から行った行動だったので、自分には何も起こるはずがないと信じていた。」と埃煙で覆われた現場に立ち入っていくことになんの恐怖も感じなかったと話した。

メキシコ大統領はノーベル平和賞候補としてガルソン判事に太鼓判

メキシコを訪れているスペイン全国管区裁判所のバルタサール・ガルソン予審判事は、昨日ビセンテ・フォックス大統領とリカルド・クレール内務大臣との会談に臨んだ。大統領公邸で行われた45分間の会談の中で、人権やテロリズム、麻薬取引、汚職、NGO連合によって創設された国際刑事裁判所(ICC)規定などがテーマとなり密な話し合いが行われたようだ。
ガルソン判事は、フォックス大統領が人権を擁護し、麻薬取引やETAのテロリズムと戦っていることに感謝の意を表した。そしてメキシコ、スペイン両国の司法の現状に関しても意見交換がなされたという。大統領側の公式声明によると、「フォックス大統領は、正義なき平和はありえないという信念の下、ガルソン判事が築いてきた業績を高く評価、判事がノーベル平和賞候補となることを支持すると述べた。」とのこと。
ガルソン判事の今回のメキシコ訪問の目的は、92年にノーベル平和賞を受賞したリゴベルタ・メンチュさんの平和財団が後援者となって設立されたマヤ大学の創立セレモニーに出席するため。

アストゥリアス皇太子賞―芸術部門でウッディ・アレン氏が受賞

映画監督、俳優そして脚本家でもあるアメリカ人のウッディ・アレンさん(1935年生まれ)の、2002年のプリンシペ・デ・アストゥリアス賞の芸術部門での受賞が決定した。アレンさんの長い映画界での経歴と、独立した人物で批評眼に優れている、自身の映画製作に様々なスタイルを取り入れているなどの点が評価された。10月にオビエドで行われる授与式にも出席するとのこと。


6月3日(月)

バスク自治州イバレチェ代表は、司教教書を「大多数のバスク市民の意見を反映」と評価

木曜日にバスク3県の司教により「平和を築く」というタイトルで司教教書が発表され、この中で現在政府主導で検討されている「新政党法」によりETAの政治母体であるバタスナ党を非合法化する動きへの懸念を表明した。このようなバスク三司教の考えに対して、政府、野党、各大臣らの様々な反応が持ち上がっている。
バスク自治州のフアン・ホセ・イバレチェ代表(PNV)は、昨日3人の司教と会い、この教書が「大多数のバスク市民の意見を反映したものだ」と評価した。またイバレチェ氏は「私達はETAの暴力には反対だが、教書にあるETA服役囚のバスク移送という案には賛成。バスクの未来は我々自身の手にあると考えている。今回のことでは、我々が政府と反対の意見を持つということが罪であるかのように扱われたようだ。」と政府を非難し、バスク市民に対して、「恐れずに意見を言おう」とメッセージを送った。
これに対し、政府与党(PP)とバスク社会党(PSE)は教書は「屈辱的」なものであると非難している。昨日トレドの聖体祭に参加していた文化教育省のピラール・デル・カスティーリョ大臣は、ビルバオ、ビトリア、サン・セバスチャンの三司教は「この教書の内容に対する彼らの責任の度合いをはっきりさせていない。バスク地方の現在の状況をきちんと解釈できていないまま、現実からはずれた意見を公にし、混乱を招いた」と語った。また与党PPの国会スポークスマン、ルイス・デ・グランデス氏は、三司教と教書への同意あらわした358名の聖職者らを、「カトリック信者、信者でない人々全てに向けて公にスキャンダルを撒き散らしたのは不道徳だ」と強く非難した。
昨日党首に再選されたUDC(カタルーニャ民主連合:カトリック民主主義、民族主義)のジョセップ・アントニ・ドゥラン・レイダ氏は、司教らが公に政治に関する意見を述べることは当然の権利とし、政府の反応を「無礼だ」と中傷した。しかしながら、バタスナ党とETAの関係を重要視しないという司教らの考えには反対するとし「バタスナ党からETAに対して資金援助が行われているというならば、それは刑法で罰せられるべきである」と述べた。バスク自治州の民族主義ではないカトリック信者らは、この司教教書に対抗する文書の発表を予定しているという。エル・サルバドール・フォーラム筋によると、この文書には教員、リベラル系労働者、聖職者などが参加するとのこと。各地の司教らの間でも賛否両論。アラバPSEのハビエル・ロホ氏はバスク国民党(PNV)のアルサルス党首について「彼はバスク・カトリック教会に対して指導したり、命令を下したりミサの説教をしたりする役割を持っており、すでに教会の一端を担っている。司教教書に賛成しても全くおかしくはない立場。バスクの教会は、民族主義に加担し、擁護・推進している。」と語った。
また左翼連合(IU)は、政府に対して「ゼネスト論議から気をそらせるために教書に対する非難をふっかけた」と別の観点から非難した。

4000以上の貨物コンテナを調べた結果、市民警察が17人の不法入国者を発見

現在EUは、どこからどうやって移民たちがヨーロッパに入りこんでいるのかの究明に躍起になっている。以前の調査で毎月5000人が空港から入国していることが明らかにされているが、毎日荷揚げされる何千もの第3諸国からの貨物コンテナにどれだけの人間が隠れて入国しているのかも解明しようと、EU各国警察の協力のもと、ヨーロッパ警察は3日間で28790台の貨物コンテナを捜査、189人の不法入国者を逮捕した。スペイン国内では市民警察が4137台を捜査、隠れていた17人と3人の“パサドーレス”(不法入国の手助けをする者)を発見、逮捕した。
ペガサス作戦と名づけられた今回の捜査は、EU加盟15ヶ国の警察によって、スペインのアルヘシラスからギリシャのイゴウメニツァ間で無作為抽出した高速道路、鉄道駅、ヨーロッパ主要港で5月21〜23日にわたって行われた。
「貨物コンテナの扉のこじ開けられた跡から直接踏み込んだ例もあるが、特殊訓練を受けた犬、二酸化炭素探知機、音センサーを使って人間の心拍音、呼吸から探し出した例もある。」と、作戦に参加した市民警察の広報担当は語った。
全体のたった0.2%、56台の貨物コンテナからしか不法入国者は発見されなかったが、それでもヨーロッパ全体で189人の不法入国者と、10人のパサド−レス(大部分は高額な金額をとって、不法入国者を自分のトラックに隠し乗せるトラック運転手)が逮捕された。
今回の捜査によると、この方法でヨーロッパに毎時3人、つまり毎日63人、毎月1890人、毎年22680人の人間が不法入国していることになる。市民警察は「このデータから、貨物コンテナに隠れて入国する方法が、飛行機による入国に次ぎ、2番目か3番目に多いヨーロッパへの不法入国方法であると言えるだろう。」と述べる。
最も多く不法入国者がみつかった場所は、ギリシャのイゴウメニツァからベネツィアへ向かう道路で、イラク人25人とスーダン人1人がルーマニアのトラックに隠れていた。 次に多かったのがフランスのカレーの道路で、ベルギーからイギリスへ向かうポーランドのトラックに乗ったウクライナ、ユーゴスラビア、アルジェリアの9人が逮捕された。 ヨーロッパ警察によると、この道路は不法入国者が最もよく使うルートの一つで、フランスでは最も多い14126台の貨物コンテナが捜査され、最多の89人が逮捕された。 スペインではアルヘシラスを中心に捜査が行われ、4137台を調べた結果、9台の貨物コンテナから不法入国者がみつかった。逮捕されたのは17人の不法入国者と3人の“パサド−ル”で、これらのトラック運転手たちは最終目的地がスペインである人間1人につき、約100000ペセタを徴収していた。
今回の捜査によって得られたデータから、この方法でスペインだけで毎日6人、毎月180人、毎年2160人が不法入国していることがわかった。

週末のスポーツの結果

ワールドカップ:31日(金)に開幕。スペインの第一戦目の相手はスロベニアだったが、3−1で勝利。スペイン代表チームは52年ぶりにW杯初戦で勝利するという快挙を成し遂げた。次の試合は7日(金)対パラグアイ戦。常にスペインに対して非常なライバル心を燃やしているパラグアイGKチラベルト選手との対決となる。
二輪ロードレース:125ccでパブロ・ニエト選手が3位、ペドロサ選手が4位。パブロ・ニエト選手の父は元バイクレーサーで現在コメンテーターのアンヘル・ニエト氏。250ccのフォンシ・ニエト選手とは従兄弟同士。表彰台に上った息子にインタビューする父の声が震えていた。250ccクラスではその従兄弟フォンシ選手が3位、トニー・エリアス選手4位。モトGP(旧500ccクラス)ではカルロス・チェカ選手が4位という結果。次回は6月16日(日)カタルーニャGP。
自転車レース:ジロ・イタリア最終日。スペイン人選手の総合成績は、フアン・マヌエル・ガラテ選手が4位、アイトール・ゴンサレス選手6位、フェルナンド・エスカルティン選手8位など。優勝はイタリアのパオロ・サボルデリ選手。
テニス:パリで開かれている全仏オープンの男子準々決勝で、スペインのアレックス・コレッチャ選手がアルゼンチンのサバレタ選手に、アルベルト・コスタ選手が97、2000、01年と全仏3回優勝のブラジルのクエルテン選手にそれぞれ見事な勝利。今日はフェレーロ選手が出場。女子はスペイン人選手一人も準々決勝に進めず。
バスケット:リーグACBプレーオフ。準決勝がFCバルセロナ対タウ・セラミカ(ビトリア)、ウニカハ(マラガ)対アデコ・エストゥディアンテス(マドリッド)の2組で行われている。全5試合のうち、2試合が終了。バルセロナとタウは今のところ引き分け、ウニカハ−エストゥディアンテスは2−0。




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