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3月31日(金)

検察庁汚職対策局、セウタをGIL党に売った元PSOE党員、知事を贈収賄容疑で起訴

昨年の7月に行なわれたセウタの地方選挙後にPSOE党員であったスサナ・ベルムデスが寝返り、PSOE、PP、PDS(イスラム系政党)の連合政府に対してGIL党から提出されていた不信任案にサインし、GIL党のアントニオ・サンピエトロを知事に押し上げた件を捜査していた検察庁汚職対策局は、ベルムデスとその夫フランシスコ・カサジャ、サンピエトロとその妻カルメン・セコを総収賄容疑で起訴した。
サンピエトロは知事の座を得た見返りにベルムデスを文化局理事に任命、さらに彼女のパリへのバケーション代を妻のセコが支払ったとされる。また、カサジャも地方政府の要職を得たことで、収入が増大している。
国家検察庁はこの起訴についての根拠が薄弱であると指摘している。

昨年度の給与のアップ平均は2.3%

国家統計局の発表したデータによると昨年度のスペイン人の平均月収は225.147ペセタ(税込み)で前年度からの給与アップ率は2.3%である。全体の収入は平均して5000ペセタあまり増えた事となっているが、インフレ率が2.9%であること、税制が変更したことを考えると実質的にはマイナスとなっている。手取り金額は約16万ペセタ、女性の平均となるとさらに低くなり税込み約20万ペセタ、手取りだと14万2千ペセタとなり、男性平均の75%に過ぎない。 給与の一番低い職種は建設業で、建設業界の追い風によって3.6%のアップがみられたにもかかわらず、20万ペセタを切っている。
地方別見ると、一番の高収入はバスク州、最低はムルシアとなり、その開きは84000ペセタに達する。
労働団体UGTは政府に対し、少なくとも実質マイナスとならないよう給与所得者を保護するよう求めている。

バルセロナ警察、ありもしない犯罪を捏造か?

バルセロナ警察は、去る2月5日にバルセロナの中心地カタルーニャ広場でスキンヘッドによって若い女性が背後からいきなりバットで殴られ病院に運ばれ、その後その女性は半身不随になったことを発表した。また、この事件についての目撃情報を求め一般市民の協力を要請していた。報道陣から被害者についての情報を求められた際には、被害者のプライバシーを守るために詳しい情報は発表できないと答えていた。
その後バルセロナ高等警察本部よりこの事件に相当するような事実の確認ができていないとのコメントがでてきた。
存在しない犯罪についての情報を流したことに対する警察の説明では事件が起こったとされる2日後に弁護士と名乗る女性と被害者の母親と目される女性が警察署を訪れ、この事件の逮捕者がでていないかどうかを訪ねてきたという。そのときには被害届を提出してはいないこと、その女性2人の身元を確認していないことも付け加えている。しかし、警察署に入る時点、出る時点で弁護士であろうと身分証明書の提示を求められ、全て来訪者の名前が控えられることが義務づけられていることから、この警察の説明に疑問が呈されている。


3月30日(木)

来期国会の上院、下院とも女性議長で

昨日、ホセ・マリア・アスナル首相は来月より発足する新内閣の組閣に先立ち、下院の議長に現サラゴサ市長であるルイサ・フェルナンダ・ルディを任命した。上院では現議長エスペランサ・アギーレがそのまま続投するため、スペイン史上初めて上院下院ともに女性議長が取りしきることとなった。
ルディ氏は以前に下院の議会執行部のメンバーを務めたことがあり、昨年6月にサラゴサ市長継続の決定をした時に議会へ戻る可能性も捨てきれないことを示唆していた。同氏は明日にもサラゴサ市長の職を辞任する予定でいるが、この辞任によりPPが市長職を継承するかどうかについては最近関係が芳しくないアラゴン党(PAR)との調整が必要となり、一悶着ありそうだ。
現下院議長のトリージョ氏には次期国会では法務大臣もしくは国防大臣の椅子が確約されているとPPのある筋から明らかになっている。

パキスタン人の集団、フランス国境で追い返される

昨日早朝、フランスから入ってきた列車に乗っていたパキスタン人の集団が国境駅ポルブとバルセロナで足止めされ、その日のうちにフランス側へ移送された。
ポルブの駅で警察が職務質問をしたところ、彼らは身分を証明するものを携行しておらず、また、全くスペイン語がわからなかったことから集団のうち40人はポルブで降ろされた。残りの57人はポルブ警察より連絡の入っていたバルセロナの警察によってサンツ駅で足止めされ、やはり身分証明書不携行のため警察の管理下におかれた。
午後には彼ら97人の為の特別の車両が用意され、警察の監視の下フランス側へ移送された。
これらのパキスタン人はスペインで先週から行なわれている新外国人法による不法滞在移民合法化手続きを目当てに必要条件が何であるかも知らずやってきたものと思われる。
スペイン警察はこれら97人を国境でフランス警察に引き渡し、彼らの行き先はフランス警察の判断に任せることとなった。

スペイン語を使う権利を制限するのは憲法違反

バルセロナのタラゴナにあるロビラ・イ・ビルグリ大学の総長、ジュイス・アロラは、この大学の女性教員がカステジャーノ語(標準スペイン語)を使用したとして制裁を加えた件につき裁判を受けることとなった。
この女性教員は試験中に生徒の求めに応じ、カステジャーノ語で書かれた試験用紙を用意し、配ったということで総長より大学入学選抜試験の採点委員をはずされていた。
裁判官は、学生はカステジャーノ語を使用する正当な権利を有するため、この教員のした行為は何ら過失を問われるものではなく、制裁を加える根拠がないと説明した。また、カステジャーノ語の使用を制限するすべての規則は憲法違反となると断言している。
被告弁護人は総長は大学の機能を規定した規則を実行したに過ぎないと弁明している。


3月29日(水)

マジョール大臣、新聞記者を狙った爆弾テロ未遂事件はPNVの報道批判が原因と糾弾

月曜日にセビージャのラジオナショナル(RNE)で朝の番組を担当している新聞記者カルロス・エレーラ宛てに爆弾小包が届いた事件(不審を持った警備員の助言で最後まで小包を開くまでに至らず、未遂に終る)に関して、内務省ハイメ・マジョール・オレハ大臣はPNVの報道批判が今回のETAの爆弾テロ未遂の誘因となっていると断言した。同大臣は、特定した誰かを政治的な側面から批判した場合にその人物を攻撃対象としているテロリスト達を鼓舞するものであるとし、PNVに批判的な報道陣に対しこのような方法で圧力をかけるのはナチスの用いた戦術であると厳しく非難した。

不発に終った爆弾小包を調査したところ250グラムのダイナマイトが入っており、これらは昨年フランスでETAによって盗まれたものと同種のものと判明。これに時限装置が取りつけてあり、包み紙を取った時点で爆発するようになっていた。警察ではこれらの装置は専門家によって作られたかなり精巧なもので、フランス国内で製造された後セビージャに持ちこまれたとみている。

バジャドリー大学でのエイズ予防キャンペーンに反対して一部の若者が破壊行為

バジャドリー大学法学部で催されているエイズ予防キャンペーンに反対して、若者のグループが月曜夜にキャンペーンを宣伝する看板を破壊するといった行動に出た。
この破壊行為が行なわれる直前、法学部の教授でオプス・デイ(厳格なカトリックの一宗派)に所属するホセ・ルイス・マルティネス氏より大学総長宛て、商業主義に操られた人間の尊厳を踏みにじるような行為に手を貸し、校内を“売春宿”にしたとの抗議の手紙を送られたばかりであった。さらに同時期に法学部長が法学部の教師(オプス・デイ所属)15人連名のこのキャンペーンに抗議する同様の手紙を受け取っている。
このキャンペーンはスペイン国内のエイズ罹患率が高いことを鑑み、若者たちの性行為による感染を予防するために若者の意識を高めようというものであった。このキャンペーンを後援している財団は現代のこの世の中、多くの人がこの病気で苦しんでおり、さらにオプス・デイの信者の中にも患者はいるにもかかわらず、このような暴挙に出ることは信じられないことであるとのコメントを発表。大学側は昨年度は糖尿病の影響による網膜の病気予防のキャンペーンをはったところ、多くの学生が参加し大盛況をみたため今年はエイズを題材にとったという。
カスティージャ・イ・レオンの教育委員会はこのようなことが起こったことに遺憾の意を示している。
これらの破壊行為をした学生達の身元は判明していない。

エクアドル人の学生、少年の集団に襲われけが〜マドリード

先週末、マドリードのアルグエージェス地域でエクアドル人の青年が、10数人の少年達にいきなり襲いかかられ、殴るけるの暴行を受け、腕の骨を折り、全身打撲で病院に運ばれた。
この学生は当日19歳の誕生日を迎え、友人との待ち合わせの途中、時間をつぶすために若者達が集まるこの地域を歩いていたもので、背後から言葉もなく殴りかかられたと言う。襲った少年達の風体はごく普通であったようだが、警察は外国人排斥のグループが関与していないかを調査している。
この地域は以前にもネオナチのグループが友人と歩いていた青年を襲い、刺殺したという事件、さらに付近のオエステ公園では昨年10月にやはりスキンヘッドの4人組が浮浪者2人を殺したという事件が起こっており、犯人は捕まっていない。
被害に遭った青年は右腕を折られ、手術を受け全治3ヶ月の診断を受けているほか精神的ショックも大きく、怒りよりも恐怖が先に立っており、このようなことは2度と起きて欲しくないと語った。


3月28日(火)

RENFEのストライキの後始末、労働団体SEMAFの幹部の責任問題

先週末に行なわれたRENFE(スペイン国鉄)の運転士によるストライキが昨日、会社と労働団体SEMAF(運転士の半数以上が所属する団体)との同意で一応の解決をみたが、これからこのストライキを先導したSEMAFの幹部の処分問題をどうするかということについて再び交渉の席につくことになる。
会社側の説明によるとSEMAFのストライキ実行委員会幹部達約15名はこのストライキの責任をとることを了承しているとしている。また、実行委員会は迷惑をかけた人々に公式に謝罪を求めた。
RENFEはこのストライキによる損失を40億ペセタと計算している。

バラハス空港新ターミナル建設費用は900億ペセタ

マドリードバラハス空港に新しいターミナルを建設予定のAENAはこの建設にかかる費用が約900億ペセタであることを発表した。この金額は1997年当時の概算が300億ペセタであったことを考えると3倍に膨れ上がっている。
この新ターミナルは建築面積47万u、39ゲート、年間利用者数3500万人と計算されている。着工は今年5月、工期40ヶ月、2003年10月に完成予定としている。 この新ターミナル建設の受注に関する選考では国内線の乗り換えに30分以上、国際線の乗り換えに45分以上かからないこと、駐車場へのアクセスが250m以上とならないこと等が課されていた。 また、新ターミナルをイベリア航空専用にとのイベリアからの要求はヨーロッパの自由競争の原理に反すると言う理由で政府勧業省、AENAより拒絶された。

マドリード検察、社会保険庁に少年達専用の精神科施設の新設を求める

マドリードの未成年担当検察官フェリックス・バントハ氏は社会保険庁にマドリードに青少年専門の精神科施設を設立するよう要請した。
同検察官によると、精神的に問題があるために事件をおこしている子供達の親が手に余って同氏を訪ねてくるが、これらのケースは法律で解決できる問題ではなく精神科の助けを必要とする。しかしながら、このような問題を抱えた子供達を専門に受け入れる施設がないため、大人達と同じ場所で治療を受けざるを得ないというのが現状である。
この要請を受けて、マドリード自治体ではマドリード県に属する(社会保険庁ではない)グレゴリオ・マラニョン病院の精神科に少年達を専門に診療する部署を設けたが、まだ、正式に受け入れはしていない。
カタルーニャではこのような専門の診療網が整備されており、青少年専門の精神科の入院病棟があり、さらに32の精神科センター、近郊にも28の診療所がある。さらに、この診療網を発展させて行く計画がある。


3月27日(月)

RENFEのストライキ終了、労働者側と会社の同意をみる

先週金曜日より始まっていたRENFE(スペイン国鉄)の運転士によるストライキは本日未明、会社側と労働者側の話合いで同意に達し、本日5時半より平常運転に戻ることとなった。
会社側は土曜日の段階でこれ以上のストライキを続けるようならば、運転士達の所属する労働団体SEMAFの幹部を運転士達が仕事をしないよう強制したという理由で解雇すると表明していた。
同意の内容は運転士達の休憩室を改善すること、近郊列車を単独で運転する場合の手当の割増の2点に絞られた。RENFEが助手なしで運転士を各列車1人に限定する方式を採用することで助手を運転士に格上げする必要があり、そのための手当の増額が1人年間80万ペセタとなる。また、このストライキの中心となった人物の解雇問題に関しては棚上げされることとなった。
今回のストライキによって影響を受けた乗客は100万人と推定される。昨日の運行率は28.9%で時間通り運行されたのはAVE(マドリッド−セビージャ)、EUROMED(バルセロナ−バレンシア)、ALARIS(マドリッド−バレンシア)のみでその他はバスによる振替輸送でしのいだ。

アカデミー外国映画賞はペドロ・アルモドバルに決定

スペイン時間本日未明、ロサンゼルスで行なわれたアカデミー賞の発表で外国映画賞がペドロ・アルモドバルの「Todo sobre mi madre (All about my mother)」に決定した。 以前より最有力候補と目されていたこの作品に出演していたペネロペ・クルスとアルモドバルが男性俳優では唯一目をかけていたアントニオ・バンデラスが今回の外国映画賞の発表を担当。
昨年はソフィア・ローレンがやはり同朋のロベルト・ベリーニを「ロベールト!!」と読み上げたように今年はペネロペ・クルスが大喜びで「ペドロー」と叫んだ。 スペインの映画がアカデミー外国映画を受賞したのは1983年、1994年についで3度目。
この受賞についてペドロ・アルモドバル監督は「この受賞は私にとっては大きな意味をもつものであるけれど、だからといって私の生活、私の映画がこれによって変わることはない」と感想を述べ、さらにアメリカで映画を撮影する事も考えていることを明らかにした。

身よりのない半身付随のエイズ患者を受け入れてくれる場所はない〜マドリッド

39歳になるアイーダは1984年からエイズをわずらっており、そのうえ半身付随で車椅子の生活をしている。1998年の1月に元の夫の家の4階の窓から投身自殺を図ったが病院に担ぎ込まれ九死に一生を得た。その後、いくつかの病院、麻薬矯正施設、保護施設を転々としたが、車椅子であるという理由や、彼女が禁煙をしないことや今まで飲んでいた薬をやめられないなどの理由で入園を拒否され、ついには行き場所を失った。路上での生活を余儀なくされたため元の夫の家へ行き、鍵をこじ開け居座ってしまった。元の夫は彼女の引取りを拒否し、警察に訴えたが、彼女を面倒見てくれる施設はなく結局は彼が面倒を見ることになってしまった。
1度は救いの手を差し伸べたエイズ患者の収容施設であるカリタスは彼女への援助を否定してはいないが、今は入居待ち状態だと言う。さらに彼女の場合はエイズが原因で施設に入れないのではなく自分のことが自分で何もできない状態であると言うことなのだと話し、スペイン国内には彼女のようなケースの患者を見てくれるような社会のシステムがないと説明している。


3月24日(金)

RENFEの運転士のストライキで40万人の足をとめる

3月15日より断続的に行っているRENFE(スペイン国鉄)の部分的ストライキで、昨日、50人中40人の運転士が“病気”を理由に欠勤し、マドリード・チャマルティン駅発の近郊列車9路線のうち6路線が朝からストップ、40万人が他の交通機関を使うことを余儀なくされた。また、長距離路線の利用客3000人もRENFEの用意したバスで目的地へ移動することとなった。
RENFEの従業員の所属する労働団体はCCOO、UGT、SEMAFなどがあり、前2者が大勢を占めているが、運転士たちの半数以上はSEMAFに籍をおいている。 今回の運転士のストライキはSEMAFによって召集されたもので、運転席の衛生、安全、ボーナスの増加、不本意な移動を中止するよう求めている。しかし、CCOO、UGTはこのSEMAFの暴走に対して、運転士だけに有利な労働条件を求めていると強く批判している。
SEMAFは会社が彼らの要求を受け入れるまではストライキを続ける予定であることを発表している。

最高裁判所の管轄権を変更することを検討

昨日政府より各最高裁判官宛てに裁判所の管轄権を根本的に改革する可能性を示唆する草案が電子メールにて届けられた。この草案では現在最高裁判所が抱えている膨大な事件を地方自治体の高等裁判所へ移管し、各系統にわかれている裁判所を監督する役割を残すこととなっている。
特に最高裁判所への上告制度について制限を設け、地方自治体の高等裁判所の権限をひろげることなどを検討。

空軍機墜落事故の犠牲者、DNA鑑定で身元確認へ

一昨日、空軍機が7人の乗員を乗せたままグアダラハラの山中に墜落した事故で、昨日機体の回収作業が行なわれた。7人の乗組員は全員機内に閉じ込められたままとなっており、身もとの判別不明状態である。このため、専門家によってDNA鑑定が行なわれ、身元確定作業が進められる。鑑定結果は1週間ほどで判明予定。
この事故原因の究明が急がれる中、事故当時の状況を把握する為のブラックボックスが装備されていなかったため、手掛かりとなるようなモーターの残骸や圧力計の破片などに頼る事となる。この空軍機は墜落時に無線での緊急事態の連絡をしてきていないことからみても急降下し、そのまま地上に突っ込んだとみられる。


3月23日(木)

PSOE幹事長代行委員会のメンバーが決定

昨日、総選挙大敗の責任をとって辞任したホアキン・アルムニアPSOE幹事長の席を埋める代行委員会のメンバーが決定となった。
メンバー総数は15名でうち女性が6人、派閥や地方による偏りがでないような構成となっている。委員長となったのがアンダルシア州長官のマヌエル・チャベス氏で、7月の定例会議での幹事長選びまでの期間、この委員会を引っ張って行くこととなった。
臨時会議の開催を要求していたが却下されたゲーラ派からは2人、ボレル派からはユーロ議員のエレナ・バレンシアが代表となった。
代行委員会の基本方針やメンバーの役割などは明日の会合にて話し合われる。

BSCH、インターネット上で金融スーパーを展開

昨日、サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行(BSCH)はパタゴン・コムとオープン・バンクと共にインターネット上で金融スーパーマーケットを展開することを発表した。
BSCHは最大のライバルBBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)にインターネットビジネスで先を越された感があったが、今月の9日にラテンアメリカ進出への道筋ともいえるパタゴン・コムの75%の株式を915億ペセタで取得したことを発表したばかりであった。
この新ビジネスではパタゴン・コムの名を残すが、83%をBSCHがおさえ、17%をパタゴン・コムの創設者2人が握ることとなった。
新会社の価値は4500億ペセタと見積もられ、顧客数6万人を予想しており、オンラインの金融サービスとしては最大の企業となることは間違いないとみている。

バルセロナで教育改革を求めて教師2万人がデモ

昨日、バルセロナでカタルーニャ州の公立小中学校の教師47000人のうち20000人が集まり教育現場の改革を求めデモを行った。
教師たちの主目的は教育にかける予算アップで、さらに公立学校の0歳児から3才児の人数枠を広げること、小中学校間の調整、時間割の改良を求めている。
カタルーニャ州公立教育庁のカルメ・ラウラ・ヒルは全ての要求を満足させることはできないことをはっきりさせ、教育現場、労働団体との交渉が暗礁に乗り上げているということは全くないことを語った。

空軍機墜落、7人の乗組員全員絶望か

昨日、夕方セビージャのモロン・デ・ラ・フロンテーラにある空軍基地よりサラゴサへ向かって飛び立った空軍機がグアダラハラの山中に墜落した。
現在のところ、乗組員7人の生死は確認されていないが、墜落直後燃え上がり機体が黒こげとなっていることから絶望的とみられている。
事故の原因はまだわかっていないが、事故現場付近に住む住民の話では事故当時曇ってはいたが雨も風もなかったということである。本日夜明けと共に捜索を開始する予定である。
この事故によって今年に入ってからの空軍で起きた死亡事故は3件となった。


3月22日(水)

厚生省、痩身薬4種の販売禁止を決定

昨日より、市場に出回っている痩身薬4種類の販売がスペイン厚生省より禁止された。これら4種の薬は、食欲を減退させるが身体に良くない影響を与える13の成分のうちの3つの成分を含んでおり、ヨーロッパ委員会の決定に従っての禁止となった。
この措置により、現在この薬を使用している患者には医師の管理の下、徐々に使用を止めるようにとの指導が出ている。
ヨーロッパ委員会は禁止されたこれらの薬品は確かに体重を減らす効果をもたらすが、減少の度合いは少なく長期間に渡っての効果はないとの判断をしている。さらに、同委員はスペインで販売禁止となった薬に含まれる成分には神経系統に影響を与え、鬱状態や痙攣を引き起こす危険性を持ち、この薬への依存症や乱用へと至る例もみられていると指摘している。

17歳の精神分裂症の息子を殺し、母親は投身自殺

昨日、ガリシア地方フェロルの隣町で50歳の母親が17歳になる精神分裂症の息子を刺し殺し、自分は海に身を投げて自殺をするという事件が起こった。
仕事から戻ったタクシー運転手である父親は自宅で息子の死体と、息子を手にかけてしまったこととこれから自殺をするという置手紙をみつけ警察に連絡、その後近くの海岸で母親の水死体が発見された。
この息子は幼少より精神を病んでおり、そのための特殊な施設に入所していたこともある。この施設の教師は彼のことをとても攻撃的で精神に問題があり、9歳の時よりそのための薬を処方されていたことを語っている。
地元の教育検査官は彼を普通学級に通わせることを試みたが、父兄会の反対にあい、断念。それ以降、彼の暴力は家庭に向かい、母親が攻撃対象となっていた。
この解決策を求め、各方面への助けを求めていたがかなわず、八方ふさがりとなったことでこの犯行におよんだもようである。

マドリードで7、8校目の私立大学設立許可の申請再び

マドリードで7、8校目にあたる私立大学を設立しようとの計画を1998年に教育委員会より却下された企業が再び設立申請書を提出した。2つのうちの1校はサテライト方式で、もう一校はビジャベルデとカラバンチェルの間に開校の予定としている。
来月4日にセビージャで行なわれる国立大学委員会でまず、この計画に対して話合いが行なわれ、意見がまとめられる。ここで、検討の価値ありと判断された場合は、マドリード県の6つの公立大学で構成される大学計画調整委員会にもちこまれるが、その反対である場合は設立の可能性は限りなくゼロに近づく。
現在、マドリード県には20万人が在籍する6つの公立大学と3万2千人が在籍する5つの私立大学があり、来期にもう一校開校予定である。
1998年には最近の出生率の低下により学生数が年々減少しており、定員不足の問題が解消されつつあり、既に大学が飽和状態であるとの理由で却下されている。


3月21日(火)

アスナル首相、EU首脳会議に雇用、年金問題等の改革案を提出予定

今月23、24日にリスボンで行なわれるEUの首脳会議においてアスナル首相は雇用から年金問題、税制、政府助成金、新技術の採用等の広範囲な、しかし具体案に欠ける改革案を提出する予定にしている。
この改革案は2010年までに完全雇用を目指し、ユーロのてこ入れ、新たな経済への適応、と競争力を高めることでアメリカと対等に競うことを目的としている。また、この案は3段階にわかれており、1年以内にEU諸国の調整を図り、ヨーロッパ委員会の役割を充実させること、2004年までにインターネットビジネスの障壁を取り去ること、学校にインターネットを導入すること、次期ヨーロッパ選挙の投票をインターネット経由で行えるようになることなどをあげている。最終段階では2010年までに年金問題を解決されることが必要となってくるが、各国の抱える共通の問題は老人人口の増加と出生率の低下であり、労働年数の減少により年金の財源が確保できなくなることにある。そのため、各人の労働年数を引き上げることを提案している。

PSOEの地方長官、幹事長代行委員会のメンバー選出にあたり会合をもつ

本日、PSOEの地方長官達がマドリードにて会合をもつ予定にしている。アンダルシア州のマヌエル・チャベス氏が、7月の定例会議までの幹事長代行委員会のメンバーについての同意を取りつける目的で召集したものである。
この代行委員会のメンバーには地方長官の他、何人かの市長も加わることが検討され、さらにチャベス氏は辞任した元幹部達も円滑な引継ぎをなすために必要としている。
この会合への出席を拒否したのが、エストゥレマドゥーラ州長官フアン・カルロス・ロドリゲス・イバーラ氏で会合だけでなく委員会へ名を連ねることをも拒否している。カスティージャ・ラ・マンチャのホセ・ボノ氏は委員会参加は否定したもののこの委員会に対しては賛成の意を表している。
各地方の長官、その他地方の幹部達の全員一致での賛成をみないことにはこれからのPSOEの先行きが怪しくなるため、なんとしてでも意見をまとめておきたいところである。

交通違反の罰金の支払い率は44%〜マドリード

マドリードで昨年交通違反によって罰金を課せられた件数は約70万件で前年度よりも4%減少している。このうち約30万件(約44%)の罰金が支払われているが、支払い率は1995年より5倍も増えている。この4年間で支払い率が増加した原因は地方政府の罰金支払いの通知の方法を変更したことにある。大蔵省では罰金の通知を郵便によるという昔の方法に戻し、この通知が本人に届かない場合は政府官報にのせるという方法を採用した。これにより10%に満たなかった罰金支払い率が大幅にアップした。
罰金を課せられた理由のトップは駐車違反で、交通違反の40%を占める。また、運転中に携帯電話を使用していたという違反は前年度に比較し、4倍に増えていることが特徴的である。
歩行者でも罰金を課された人が444人いることが報告されている。一番の“重罪”は渡ってはいけない道路を渡った為に交通事故を引き起こしたという罪で15000ペセタの罰金を課せられる。また、ローラースケートを履いてバスやトラックにつかまって走りまわったという違反が15%にのぼる。市警察によるとこれらの違反の70%は30歳以下の若者によるものと発表している。


3月20日(月)

中央政府、イバレッチェ氏の協力者選択の期限を秋までとする

バスク州首長イバレッチェ氏はバスク議会での新たな協力者選びの期限を今秋までと中央政府にきられることとなった。
PNVは先週の総選挙では前回より2議席増やしての7議席を獲得したが、バスク地方議会においては75議席のうちの27議席しかもっておらず、単独過半数にはほど遠い。今期はEHの協力を得てバスク議会を制してきたが、先日のETAによるテロ行為でアラバ県のPSOE議員とその護衛が殺されたことで、EHとの関係に亀裂が生じている。地方予算を決定する時期までにPPかPSOEとの協力関係を築くか、もしくは再びEHとよりを戻すかの決断をせまられることとなった。
しかしながら、PNVがエステジャ同盟から脱退しない限り、PP、PSOEの協力を得られないことも明白である。PPは今秋までに解決がつかないようであるなら、イバレッチェ氏に対する不信任案の提出、バスク議会解散の可能性もあることを示唆した。

国防省、新しく軍部諜報機関を創設

スペイン国防省は、軍部諜報センターを新設することを決めた。
現在、軍情報は陸・海・空軍の各司令部と国家諜報機関(CESID)の2つの系統を経て流れてくる。これらの情報系統を新しく創設する諜報センターに集中させ、情報の収集のみならず、遠隔地への軍隊派遣に役立てることを目的としている。
現在は軍事情報を収集するためにフランス、イタリアと共に“エリオス1”というプログラムに参加し、衛星より映像を取得しているが、さらに、スペイン独自の衛星を打ち上げることも検討している。しかし、枝分かれした情報収集の方法では迅速かつ的確な情報が他のセクションに回らないという問題を抱えている。そのためにアメリカのDIA(Defense Intelligence Agency)をモデルに新たな命令系統を創設しようというものである。この機関は同盟を結んでいる他の国との情報交換も円滑に行えることをめざす。
この新機関は国防省参謀長官に属することとなる。

勧業省、環境省の許可なくAVEの工事を開始し、問題化

マドリード・バルセロナ間のAVEの工事を開始した勧業省は環境破壊の疑いで訴えられる可能性が出てきた。
このAVEの通るルートにマドリードのヘタフェにあるスールエステ公園が重なっているにもかかわらず、勧業省が環境に与える害を無視して工事をすすめたため、ヘタフェの市長が工事の差止めをしたことに端を発する。
環境省は勧業省からは環境に与える影響についての報告を何も受けていないことを確認し、さらに先週“早急に”報告書を提出するよう求めたことに言及し、勧業省からは非公式にバイパス工事をするだけなので環境に与えるダメージの可能性についての報告書は必要ないと考えていると伝えられたことを明らかにしている。
ヘタフェ市は「環境に関する犯罪」という理由で勧業省を告訴する用意があることを発表。これについて勧業省は口をつぐんでいる。


3月17日(金)

PSOEの派閥争いが目立つ中、ボノ氏がPSOEの幹事長に立候補の可能性を表明

ホアキン・アルムニアPSOE幹事長の辞任に伴い、7月の定例会議までの幹事長代行委員会のメンバー選出やその後のPSOE幹事長選出に関して、PSOE内部での派閥間で意見の食い違いが目立ってきている。そのような状況の中でカスティージャ・ラ・マンチャの長官ホセ・ボノ氏が次期PSOE幹事長として指揮をとる用意があることを表明した。
この立候補表明に即座に反応を示したのが元政府副首相アルフォンソ・ゲーラ氏で、以前PSOEの立候補者リストからゲーラ派であるとみられる人達を排斥した幹部会にとても近い筋にいた人物であるため立候補資格はないと批判した。
さらに、アンダルシア州長官のマヌエル・チャベス氏は派閥間の争いよりも彼らに投票してくれた800万人の支持者のことを考えるべきとPSOE全体に呼びかけている。
また、昨日、総選挙大敗の責任を取っての辞任者リストに、アラゴン地方ののPSOE幹事長イシドロ・エステバン氏が名を連ねることとなった。

検察庁、大蔵省検査官7人を告訴

検察庁は贈収賄、背任、その他の容疑でカタルーニャの大蔵省検査官7人とその責任者、税務顧問、弁護士等を告訴した。この告訴を受け、バルセロナ裁判所は容疑者の自宅、事務所の家宅捜査を命じ、昨日警察によって行なわれた。この家宅捜査によって押収された書類の分析次第では、さらに容疑者が増えるもよう。
このカタルーニャ大蔵省を巻きこんだ汚職事件は、1984年から1994年まで検査官だったホセ・マリア・ウゲとその妻ロサ・グアシュ、カタルーニャ州特別財務局長であったエルネスト・デ・アギアルがその地位を利用し税務検査に手心を加えた謝礼5億ペセタを、スイスの秘密口座に所有していたことが発覚したことに端を発している。この秘密口座の発覚した当時、両者は株でもうけたものと釈明をしていたが、その入金元の不透明さを指摘されており、この点についての捜査がすすめられるとみられる。

新外国人法による不法移民の合法化手続きが来週21日に開始、7月31日まで

スペインに不法滞在する移民の合法化手続きが来週21日に始まる。この手続きでは人数に制限を設けない方針でおり、どれだけの人達がこの恩恵に浴するかは未定であるが、当局では7万から10万人くらいではないかと予想している。
スペイン政府は今までの苦い経験からこの申請書の受け付け場所を全国162ヶ所に、対応する職員の数も911人に増やすとしている。さらに、通訳、各国語での申請書の用意ができており、電話でのインフォメーションも無料で各国語で説明される。
この合法化手続きの宣伝やパンフレットの作成費用などで政府は30億ペセタを注ぎ込んでいる。

エル・エヒドでは現在のところ、ストライキを召集しないことを決定。また、エル・エヒドのフアン・エンシソ市長は来週マドリードでスペイン政府に移民のおかれている状態を向上させるための240億ペセタの投資を陳情する予定としている。


3月16日(木)

PSOE、幹事長代行委員会のメンバー選出の為の話合いをもつ

先日のホアキン・アルムニアPSOE幹事長の辞任により、7月の定例会議までPSOEのトップの席を埋める幹事長代行委員会のメンバー選びが進められている。各地方のPSOEの長官がより構成されることとなるが、この委員会を引っ張っているのが、アンダルシア州の長官で、アンダルシアPSOEの幹事長でもある、マヌエル・チャベス氏である。また、カスティージャ−ラ・マンチャの長官ホセ・ボノ氏、エストレマドゥーラの長官フアン・カルロス・ロドリゲス・イバーラ氏が重要な位置を占めている。この委員会に辞職した元幹部を含め、新旧のスムーズな交代を促すという方針をとろうとする意見もあるが、ロドリゲス・イバーラ氏は一旦辞任した人間は去るべきとの姿勢を打ち出している。
今月22日にはこの委員会の構成メンバーが決定する予定である。

1999年の対外赤字、前年度の9倍

昨日発表されたスペイン銀行の報告書によると、昨年度の対外赤字は1兆9400億ペセタに達し、前年度の約9倍に跳ね上がった。この対外赤字はサービス業、特に観光業界の突出したプラスも国内総生産でみると、残高のマイナスは2.1%で1998年が0.2%、それ以前の3期はプラスであった。
商業赤字は4兆5400億ペセタで、前年度より63.9%も増えている。この赤字は輸出が6%の伸びを示しているにもかかわらず、国内消費の需要が高まった為に増えた輸入が14%ものびていること、原油価格の高騰が原因となっている。

エル・エヒドのいくつかの移民代表の意見の食い違い

先月、エル・エヒドで起きた移民の襲撃後に地方政府といくつかの移民の団体との間で同意を得た件について団体の間での意見の食い違いが目立ってきている。
マグレブ移民労働者委員会はマドリードでのデモ、抗議集会を開き、再びビニールハウスでの仕事を取りやめるストライキを予定しているのに対し、モロッコ移民労働者協会(ATIME)はこれと同道せず、ストライキには参加しないときっぱり宣言している。また、別の団体、モロッコ移民協会(AEME)もマドリードでのデモを否定している。
マグレブ移民労働者委員会の会長は、自分達の尊厳を守る為に必要なことは全てする用意があるのだ、ここはいかにも何もなかったかのように何も変わっていないと強い態度をくずしていない。これに対し、ATIMEの会長は襲撃の起きた時にいなかった関係のない人達が先導している、このようにまとまりのない行動はさらに対立をひきおこすものだと批判している。


3月15日(水)

アスナル首相、CIUとCCの協力を求める

先の総選挙で大勝した国民党(PP)のアスナル首相はカタルーニャ連合(CIU)とカナリアス連合(CC)と話合いを持ち、組閣の際の協力を求めた。PPは単独過半数を制した為、基本的には他の政党の力を借りる必要はないのだが、前回と同様これら2党の協力を得ることで、議会での勢力がより強固となる。前議会では、バスク国民党(PNV)の協力も得ていたが、今回はPNVがリサラ協定を継続しつづける姿勢をくずさないため今回はこの協力体制からははずすことに決定した。
また、アスナル首相は組閣時期についてイースター以降にずらすことを発表。4月23日より前には行なわれないことを明確にした。

今年2月のインフレ率は3%

昨日国家統計局(INE)から発表された2月の消費物価指数は前月より0.1%上がり3%となった。この数字は1996年12月に記録した3.2%に次いで高い上昇率となり、ヨーロッパ中央銀行によって決められている上限で、政府が予想していた今年の最終インフレ率よりも1%高いものとなった。
この物価上昇の原因となっているのがここ1年で171.2%の上昇率を見せた原油価格の値上がりで、直接ガソリンの価格に反映している。生鮮食料品と電話料金の値下がりだけではこの急上昇をとどめることができなかったことが明らかになっている。 ユーロ安はEU諸国全体にに影響を与えているが、その中でもスペインはアイルランドに次いで物価上昇率が急加速している。

エル・エヒドの移民代表、交渉のテーブルを10分でける

先月に起こったアルメリアのエル・エヒドで起こった移民襲撃事件に関しての移民の代表と地方政府の話合いの席で代表団は政府は約束を果たしていないとし、10分にも満たない時間で席をたった。さらにこの今月26日に抗議の意味をこめてマドリッドでデモを召集すること発表した。
代表団によるとまず、移民達の住居を確保する為仮設住宅を建設することであったが、移民達の働く集落から全くはなれたビニールハウスのそばであることに不満の意を表し、また、賠償金支払いを早急に終えること等を求めている。
この問題から派生して、スペイン政府とモロッコ政府は移民への対応をする為のモロッコ領事館をアルメリアに開設することを検討している。


3月14日(火)

総選挙から一夜明けての各党の動き

総選挙が終り、昨日から早速、各党はさまざまな動きを見せ始めている。
PPのアスナル首相は懸念とされていた新外国人法の改正について早速手をつけることを明らかにしている。先の議会中に施行されたばかりのこの新外国人法はPPの意に反して可決されてしまったが、総選挙にて単独過半数を獲得した現在、再度の改正に何の問題もないと自信を見せている。さらに、移民が多く流入し、大きな勢力になりつつあり暴力沙汰や外国人排斥運動が起きているレバンテ地方などではPP支持率が64.12%まで達していることも後押しとなっているもよう。
PSOEは選挙直後、大敗の責任をとってアルムニア幹事長が辞任を表明していたが、後継者選びは7月に行なわれる定例会議まで持ち越され、幹事長代行は党内で選ばれた委員会が務める予定で、各地方の長官たちがメンバーとして名をつらねることとなりそうである。
ジョルディ・プジョール率いるカタルーニャ連合(CIU)は前国会ではPPとの連立として重要な位置を占めていたが、今回PPが単独過半数を獲得した為CIUの協力は必要なくなってしまった。しかし、対PPの共同戦線を張る民族主義政党のに加担することは拒否し、この連合団体と中央政府とがうまく同意に至ることをのぞんでいることを示唆し、PPにCIUの存在をアピールしている。

携帯電話の認可4つ目はXfera

昨日、携帯電話の認可4つ目の枠がXferaに決定したことが、政府官報で発表された。
勧業省アリアス−サルガド大臣のサインは金曜日の段階でなされていたが、総選挙前の微妙な時期だったため発表が控えられていた。
この認可決定について以前よりXfera社の株式を20%所有しているACS社の社長が同大臣と懇意であったことから、この認可を求めていた他の携帯電話会社MOVI2とMOVILWEBの2社が不利益を被っているという不満がくすぶっていた。
Xferaはこの事業に1兆3千億ペセタを注ぎ込み、8000人の雇用を計画していることを発表。
現在の携帯電話のシェアはテレフォニカ、アイルテル、アメナの順となっている。

ジローナで父親が4歳になる双子を銃で撃った後、自殺

カタルーニャのジローナで、日曜日の午後、自宅のアパートで34歳の父親が4歳になる自分の双子の娘を猟銃で撃ち殺し、その後自殺していたことがわかった。
この凄惨な事件では、この男の妻が日ごろから度重なる暴力に耐えかね10日前から別居していた間におこったもの。事件の数時間前に妻へ電話をかけ子供達を殺すといったことから、アパートにかけつけたところ玄関の鍵が取りかえられており、警察に通報、ドアをこじ開けたところ3人は既に死亡していた。
この男には精神科の診察をうけた前歴もなく、また近所の人は物静かなとてもいい人だったと話しており、事件のはっきりした動機はまだ判明していない。
妻の方は地元の警察に夫の家庭内暴力を訴えていたとのことである。


3月13日(月)

総選挙、PPの圧勝

昨日、スペイン総選挙が行なわれた。即日開票された結果、中道右派の国民党(PP)が予想以上の得票率を得、大勝した。
下院では350議席のうち、1996年の総選挙時より27議席多い183議席を獲得し、単独過半数に達した。
社会主義労働党(PSOE)と左翼連合(IU)は共同戦線を張るなどして、PPに対抗していたが、結果的にはPSOEが16議席減の125議席、IUも21議席から8議席へと大幅に獲得議席数を減らした。
その他、カタルーニャ連合(CIU)が1議席減の15議席、バスク国民党(PNV)が2議席増の7議席を獲得。初めて議会に代表を送り出したのが、アラゴン評議会(CHA)、アンダルシア党(PA)で1議席ずつ手にしている。
上院では208議席を争う選挙となったが、下院と同様にPPが議席数を伸ばし前回より15議席増の127議席、PSOEが20議席減の61議席、目だったところではカナリアス連合が1議席から5議席へと大躍進を遂げた。

PPのアスナル首相はこの選挙結果に興奮した様相で、国民がさらなる信頼を寄せてくれたことに対する感謝を表し、これから国民が一丸となって協力し、助け合うことがスペインの発展に欠かせないと呼びかけた。
PSOEのホアキン・アルムニア幹事長は大敗の責任をとって辞任を表明。IUも大幅に議席を失ったことで将来的にPSOEとの同意をどうするか、また、率先して同意を取りつけた幹部達にも批判が集まっており、状況は複雑化するもよう。
PNVはHB(バスク人民連合)がこの“スペイン”総選挙をボイコットした為、宙に浮いた2議席を横滑りで手に入れたが、PPの躍進の前には議会での影響力は制限されることが明らかである。また、HBが総選挙ボイコットの戦術を使ったにもかかわらず、バスク州での投票率は全国平均(約70%))を6%下まわったにとどまり、前回総選挙時も全国平均より6%低かったことを考えれば、大した影響はなかった。

地方別に見ると、PSOEのお膝元であるエクストゥレマドゥーラでPPがPSOEより議席数を上回り、アンダルシアでも追い上げられていることが目だった特徴である。前回総選挙よりも投票率が7%下がったことが右派に有利に働いたと見られている。
元々、PPの地盤の弱いカタルーニャでもジローナで初議席を獲得したのを始め、バルセロナでも2議席増やしたことからCIUと共に右派が強くなるもよう。

アンダルシアの地方選挙ではPSOEの勝利

昨日、総選挙と共に行なわれたアンダルシア州地方選挙ではPSOEが再び勝利を納めたが、単独過半数には達せず、前回同様52議席にとどまった。
このPSOEの勝利はアンダルシア議会が始まって6期連続の勝利で、現PSOEアンダルシア長官のマヌエル・チャベス氏にとっては4期連続の当選となる。
しかし、この地方選挙でもPPの躍進は大きく、前回40議席より46議席に増やしており、その反面IUが前回の半分以下の6議席までに落ちこんでいる。


3月10日(金)

総選挙まであと2日

3月12日の総選挙まであと2日と迫り、各党とも最後の追いこみに入っている。
PPはアスナル首相がセビージャにて、スペインをヨーロッパ一の国にするためにもう4年間信頼してくれるよう支持を求め、PPには安定性と進歩、繁栄があるのに反し、PSOEは汚職や失業の時代を克服することの出来ないような政党に成り下がってしまったと強く批判。
PSOEのアルムニア幹事長はスペインをアスナルの友人達で私有化することを避けなければならないと強く訴え、今日にも総選挙をにらんでPPが新しい携帯電話の認可を与えることは権力の濫用であると切り返した。
バスク州ではPNVがEHのETAのテロ行為容認の態度からリサラ協定がなし崩しになったと判断し方向転換、PSEもPNVが根本的に態度を変化させることで連立の可能性を示唆している。

フランス警察、ETAの爆発物製造所に踏みこむ

昨日、フランス警察はバジョーナから20キロ離れた小さな村の一軒家に踏み込み、170キロの爆発物や電気部品、拳銃の弾薬等を発見、押収した。
この一軒家は現在刑務所に収監中のETAのコマンド部隊長“カンタウリ”の恋人で先月2日にやはりフランスのタルノで逮捕されたコンチータ・イグレシアスが借りていたもので、ETAの爆弾製造場所となっていた。この爆弾製造所の存在はイグレシアス逮捕時に所持していた書類で判明し、その時より警察当局の監視下にあった。
この家の持ち主もETAに協力した容疑で逮捕されている。
内務省オレハ大臣は、このETAの爆弾製造工場を押さえたというニュースに、新たな犠牲者を出すことを避けることができたと喜びを表した。

ヒホンで造船所の工員の暴動、警察隊と対立

先月より閉鎖されているアストゥリアス、ヒホンにある造船所、ナバル・ヒホン社の工員達は月曜日より、造船所内に立てこもり、経営者側と対立している。
昨日は、工員達がバリケードを燃やし、街の西部に続く道路を閉鎖したほか、街中にこの騒動が飛び火するのを食い止めようとする警察隊と対峙した。この暴動によって警察官1人が怪我したたほか、工員10人が打撲を負った。
前社会主義政党の議員ハビエル・フェルナンデス氏は経営者側と労働者との対立に終止符をうとうと話合いを持つことを再び提案。
内務省のカスコス大臣も経営者側が、先週達した同意を実行しなかったことが全ての事態を複雑にさせているとのコメントを発し、労働者達には暴力行為は何の解決にもならないと訴え、このような状態にピリオドをうつよう求めた。


3月9日(木)

テレフォニカに14億ペセタの罰金支払い命令

昨日、テレフォニカはライバル社レテビシオンによって1998年4月に営業妨害を理由に告訴された件につき14億ペセタの罰金を課されることとなった。
1998年1月、レテビシオンはそれまでテレフォニカの独占市場であった電信電話業に新規参入したところ、テレフォニカがまだ当局の許可を得ていなかった割引プラン(プラネス・クラロス)のキャンペーンを消費者の誤解を招くような広告でうちだし、レテビシオンの顧客開拓を妨害したというものであった。
判決ではレテビシオン側の言い分を認めたうえ、さらにこの件についての解決法を2ヶ月以内に全国的日刊紙にのせることとした。
この判決に対し、テレフォニカ側は全国管区裁判所に上訴し、罰金の支払い期限1ヶ月を停止するよう申し立てる予定である。
この罰金支払い命令はビジャロンガ氏が社長となった14ヶ月の間に5回出されており計28億8400万ペセタにのぼる。

1999年の貿易赤字、52.5%増える

昨日、経済、大蔵省より1999年の貿易収支についての報告があった。通常、2月の下旬には発表になるのだが、今年に限っては総選挙が3月に行なわれる為、その影響を考え総選挙後の3月15日まで発表を控えると言われてきた。しかし、経済省は発表を迫る内外からの圧力に屈するかたちとなり、総選挙を待たず、公表することとなった。
報告書によると、貿易赤字は5兆4千億ペセタに達しており、52.5%も増えている。輸出部門では5.6%の伸びを見せており、EU諸国の平均やUSAより高い数値を示している。しかし、輸入部門では14%と輸出の3倍の増加がみられる。さらにユーロの弱さにもかかわらず、1999年の最終四半期では23.7%の成長を見せている。

スペインの合法滞在外国人の3分の1が就職の際に外国人という理由で拒否されている

国際労働団体(OIT)の報告書によるとスペインに合法的に居住している外国人の3人に1人は就職の際に正当な理由なく、外国人であるということで拒絶されているという。差別されている国籍の筆頭がモロッコで彼らの4分の1は正式に申請書を提出することすら拒絶されている状態である。特に顕著に表れているのが、サービス業や製造業であるという。地域的に見るとバルセロナ、マラガでは拒否される率が50%近くまであがり、マドリードでは28%と一番低い。
モロッコ人労働者協会の会長はこのような差別を受けている状況について、人種差別というよりはモロッコ人が集団となって組織化し、社会に順応しない現実を指摘し、特に黒人や東ヨーロッパからの移民に比べうるさい存在となっていることがスペインの労働社会から阻害される原因と考えたいとする。さらに、拒絶されている分野、特に飲食業ではモロッコ人の人手を必要としていないという現実があり、農業セクターではスペイン人と労働のポストを争う必要がないという単純な理由によって拒絶されることがないのだと説明している。


3月8日(水)

ETAのテロ行為に対してのバスク内での反応

昨日、サン・セバスティアンの司教、フアン・マリア・ウリエテはETAの起こしたテロ行為について強く非難し、さらに彼らの行動は社会の動揺、対立を助長していると指摘した。
司教は、テロ行為は社会の安寧を踏みにじり、人間としての尊厳を汚すもので、何の釈明の余地も残されていないとし、さらに、ETAに対し、バスク人民の平和を求める声を聞くべきであり、この問題解決を暴力ではなく平和的な方法で解決することを望んでいることを知るべきだと発言。
それに対し、バスク州首長イバレチェ氏の発言はずいぶんとトーンダウンしており、バスク社会に信念と希望を持ちつづけることを求め、話し合って解決することが必要なのだとするにとどまった。

ETAよりの2つのテロ行為についての声明文

本日、日刊紙「GARA」にETAの最近起こしたテロ行為の声明文が載せられた。この中でバスク州首長イバレチェ氏、PNV、EAを強く攻撃し、休戦宣言を撤回した理由を述べている。
犠牲者となったフェルナンド・バウサ氏に関しては彼の政治活動はバスクを嫌悪し、迫害するものであり、対立を解消するためのありとあらゆる交渉を否定する立場を貫いていたと非難している。
またイバレチェ氏に対しては、左翼”アベルツァーレ”のおかげで現在の地位についていることを忘れて、それに背を向けるという恥ずべき姿勢を持ちつづけ、異端審問所やフランコ派の検閲の忠実な後継者と成り下がっているとする。
さらに、PNVとEAはバスク内での自由で民主主義的な選挙よりスペインでの選挙に参加することを望んでいると付け加えている。
最後に昨年末、治安警察隊によって爆発物を積んだワゴン車が取り押さえられたこと、車のナンバープレート偽造のための資材を押収されたことを残念に思っていると表明している。

エレナ王女、おめでた、9月に誕生予定

昨日、エレナ王女がおめでたで来る9月に出産予定であることが王室より発表された。
フアン・カルロス国王、ソフィア王妃の長女であるエレナ王女は1998年に長男を出産、昨年は次女のクリスティーナ王女がやはり長男を出産したことから、国王夫妻にとっては3番目の孫の誕生となる。生まれてくる子供は王位継承権4番目になる予定である。
この妊娠がメディアに知らされた時、国王はサルスエラ宮で執務中で、ソフィア王妃は新財団の開館式に出席している最中であったが、夫妻とも喜びを隠せないもようで又1人孫がふえることはとても嬉しいこととコメントした。


3月7日(火)

サン・セバスティアンで車が爆発、7人が重軽傷

昨日夜遅く、バスク州サン・セバスティアン、インチャウロンド地区の道路で駐車中の車が爆発し、通りがかった治安警察隊の車両が中央分離帯まで吹っ飛び、さらにその後ろを走っていた車両も被害に合い同乗の男女が病院に運ばれた。。パトロール中であった治安警察隊の車両には2人の男女が乗っており、男性は自力で脱出したが女性の方は重傷を負い救出された。また、歩道を歩いていた3人もこの爆発に巻きこまれ怪我を負ったが命に別状はない。
警察の発表によると、爆発した車両には30キロの爆発物が積んであり、リモートコントロールによって爆発させたもので、パトロール中の治安警察隊の車を狙ったETAの犯行と特定。
このETAの爆弾テロに対し、HB(EH)以外の全ての政党が怒りの意を表し、さらにPNVにはETAを支持するようなHBとの関係を絶つよう求めた。

ヨーロッパ初のネット上の銀行創設に向けてUNO−EとFIRST−E合併

昨日、UNO−E社長より日曜日にFIRST−Eとの合併によりヨーロッパ初の銀行をインターネット上に創設する同意を得たことが発表された。
UNO−EはBBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)とテレフォニカの子会社テラ・ネットワークスによって設立されたインターネット銀行。FIRST−Eはダブリンに本部を置く金融サービスを行うEUBAの100%子会社。
新会社、UnoFirstグループはスペイン側が67.5%、アイルランド側が32.5%の資本を持ち、2001年をめどに株式上場を計画している。従業員数は400人で15カ国に配置される予定で、手始めにドイツ、ポルトガルでオペレーションを始める。その後、その他ヨーロッパ各国、ラテンアメリカ、最終的にはUSAやアジアにも進出する構想を持っている。

厚生省への160億ペセタの不払い訴訟に関して製薬工業に支払いの保留を認める

1998年に厚生省は製薬工業と健康保険の公的薬剤支出の膨張を削減する為に、1998年、1999年の2年に渡り製薬工業が厚生省に650億ペセタの支払いをする、という同意を取りつけていた。この同意では、製薬工業が一定の薬剤に関する値段の維持を条件に支払いを認めていたものだが、昨年6月、7月に厚生省が一つの病理学につき、市場に出回っている一番安価な薬品のみ採用することを決定、さらに医薬品の6%値下げを敢行した。この厚生省の一方的な変更により50億ペセタの損失を受けたとして、同意の見なおしを迫っていたが厚生省からは否定的な返答しかもらえなかったため、厚生省への支払いを160億ペセタ残してストップし、裁判所に訴えていたもの。
厚生省は裁判の進行中も製薬会社から、健康保険延滞料という名目で回収を図ろうとしていた。
全国区管区裁判所はこの裁判が全て終了するまでは厚生省が製薬工業に金銭を求めることはできない、との姿勢を打ち出した。


3月6日(月)

総選挙を1週間後に控えての世論調査では前回総選挙時と大きな変化なし

来週3月12日に総選挙が催されるが、世論調査によると1996年に行なわれた総選挙時と大した変化がないことが明らかになった。
社会主義政党が強いのはアンダルシア、エクストゥレマドゥーラ、カタルーニャであるが、その中でPSOEが確実に票を伸ばしそうなのはエクストゥレマドゥーラのみになりそうである。アンダルシアは伝統的に社会主義の地盤であるにもかかわらず、PPの追い上げが激しく、前回より苦戦しそうであるし、また、カタルーニャでもジローナがPP初議席を獲得しそうな勢いである。
カスティージャ・イ・レオン、マドリードではIUが大幅に議席を失い、失った議席をPPとPSOEでわけあうこととなるもよう。
バスク、ナバーラではHBが今回総選挙をボイコットするよう呼びかけた為、その分の票がPNVに流れ、議席数を増やすことが予想される。

BBVA、メキシコ第2の銀行と合併の可能性について話合い

メキシコ第5位のBBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)−プロブルサはメキシコ第2位の銀行バンコメルとの合併についての可能性について話合いを持っている。当初、インターネット事業の分野での提携を考えていたが、話合いが進むに連れ巨大銀行設立の可能性に方向転換したもの。但し、合併となると銀行を監督する連邦委員会の承認がいる。
この合併が成立すると369億ドルの資産を保有することとなり、国内市場の30%を占める。
バンコメルの株式16%を所有するモントレアル銀行はこの新銀行設立問題に自分たちの領分が侵されない限りという条件付で肯定的な興味を示している。

麻薬中毒者の為の集会所建設に対して、先駆者のスイスより助言

マドリードのバランキージャに麻薬中毒者達が衛生的な設備の下で麻薬を打てるように医師・看護婦常駐の集会所を建設するという計画に、同様の施設を14年前から国内に14か所持つスイスより助言をもらった。
スイスのテクニカルスタッフは「現在考えられているような個人個人が使用できるボックスは極力避けるべきで、必ず顔色がわかるところで打たせなければいけない。なぜなら、麻薬患者の具合が悪くなったことがその場でわからないと手遅れになる危険性が高く、適切な処置が取れない。またヘロインのとりすぎで具合が悪くなった場合は酸素吸入を行うのが適当で、それでも回復しない場合は救急車で病院に運ぶ必要がある。その場で意識を回復させるような薬を与えてしまってはヘロインを打ちつづけ死に至る可能性が非常に高い。常に医師による監視が必要。」と説明している。
また、スイスではこのような中毒者に対する適切な対応のために、年間115件程度ヘロインの服用過多の患者が手当てを受けているが今まで死者は出ていないという。


3月3日(金)

ピノチェト氏、ついにチリに帰還

昨日、イギリス内務省ジャック・ストロー大臣の命によりチリの元独裁者ピノチェト氏の釈放が決定し、同氏は空港で待機していた軍用機でチリへと飛び立った。スペインのバルタサール・ガルソン判事のスペインへの身柄引渡し要求によってイギリス政府がピノチェト氏を逮捕してから503日目であった。
1月に既に釈放の方針であることが同大臣により発表されていたが(1月12日付トップニュースの項参照)、ピノチェト氏釈放反対の人権団体やその他数カ国がその釈放決定の基となったピノチェト氏の健康状態を診断した6人の医師の作成した診断報告書の開示を求めるなど釈放がのびのびとなっていた。この釈放決定に不服申立てをする国はなかったが、ベルギー、スペインはチリの裁判所まで足を運ぶ可能性を捨ててはいないことを示唆。
チリの司法当局は、ピノチェト氏の裁判を開始するにあたり、軍部の強い圧力を受けることは避けられないとみられている。

HBの幹部、ETAの国際組織に関係している容疑で逮捕される

昨日未明、HBの幹部、ホセ・マリア・オララが治安警察隊によって自宅で逮捕された。
同容疑者はHBのナンバーツーで、以前にもETAに協力した容疑 iで逮捕されたことがある。
今回は、昨年3月に逮捕された“アベルツァーレ”の幹部ミケル・エヒバルの供述とETAのコマンド部隊の幹部ホセ・ハビエル・アリスクレン・“カンタウリ”がフランスで逮捕された際にフランス当局によって押収された書類が証拠となっている。
この逮捕に対し、HBのリーダーアルナルド・オテギは早速、抗議のデモを召集。PNVのアルサジュス党首はこの逮捕は選挙運動を妨害し、現政府に有利になるよう仕組まれたものとの判断を下し、内務省のオレハ大臣は司法当局決定を尊重するとのコメントを発表している。

レアル・ソシエダのサポーター刺殺事件の容疑者、殺人を否定

1998年12月に起こった、マドリード、ビセンテ・カルデロンサッカー場付近で起こった、レアル・ソシエダのサポーター、アイトール・サバレタが何者かによって刺殺されて事件の裁判で、容疑者リカルド・ゲーラは殺人についての関与を否定した。
同容疑者は他の事件で刑務所に収容中の身であったが、夜を刑務所で過ごし、日中は刑務所外で過ごせる制度を適用されていた。殺人が行なわれた試合当日、友人と20メートル離れたバルにいたことを認めたが、事件の起こった時間には既に刑務所に戻っていたと供述した。
この事件はアトレティコ・マドリッドの熱狂的なサポーターでネオナチ集団の“バスティオン”が襲撃したとして警察が捜査をすすめていたが、サバレタ青年を刺殺した容疑者の特定が困難を極めていた。
被告弁護人はサバレタ青年を襲撃したグループの中に同容疑者がいたかどうかについての目撃証言があやふやであることを指摘し、事件後発見された凶器のナイフは同容疑者の所有していたものではないとしている。


3月2日(木)

勧業省、スペインの飛行場の民営化を検討

スペイン勧業省は悪名高きスペインの飛行場の未来についての報告書に基づき、現在の飛行場運営システムを大幅に改革し、一部を民営化することを検討し始めた。
現在、飛行場と航空管制を担当し、1600人の管制塔員を要するAENAと空港施設の拡張や航空規定を守らなかった場合の制裁を加える権限を持つ民間航空局の2つの系統にわかれており、それぞれは勧業省に属している。これを報告書のモデルでは、4つの系統に分割し、そのうちの一つはスペイン国内42の飛行場の運営を勧業省から委託され、49%の株式を民間に売り出すことを受け持つとしている。
報告書を作成したコンサルタント会社では核となる株主は金融関係もしくは旅行関連の企業が望ましく、航空会社の参入の可能性を否定している。
この発表を受けて5つの自治州は勧業省の改革案に反対の意を表明している。

モロッコのモハメッド4世、フアン・カルロス国王と会談

モロッコの国王、モハメッド4世の突然のスペイン訪問は公式なものではなくプライベートな形でとのことであったが、昨日スペイン国王フアン・カルロスと会食し、その席にはアスナル首相も列席、ここ数ヶ月両国の間で起きている様々な問題解決に向けて同意を持った。
この同意の中では、年間何百人もの犠牲者を出す海を渡ってやってくる不法入国者や、スペイン国内で劣悪な状況で働いている不法移民対策にむけ、両国の勉強チームを創設することを決定した。
アスナル首相は総選挙後にモロッコへの公式訪問をすることを表明。また、モハメド4世国王は9月に予定しているスペイン公式訪問に関して、フアン・カルロス国王よりの正式な招待を受けた。
スペインの外交筋は、このモロッコ国王の訪問によって得た成果に大変満足していることを発表。

マドリードの市長の公金流用疑惑、さらに深まる

ここ数週間マドリード議会でPSOE等、市長反対派によるマンサノ市長の市長裁量の銀行口座よりのプライベートな旅行に対する調査はさらに昔にさかのぼり、私的流用疑惑は深まっている。
特に夫人同伴で夏のアルメリアへの訪問、イースターの時期のセビージャ訪問などさらにユステの僧院の騎士として任命され、その式に出席する為、夫妻と同伴の人たちの旅行費用が支出されている点など。また、個人的に招待されている結婚式に出席する為の旅行費用が特定されていない第三者の分まで支払われたと反対派は指摘しており、市長はこれらの支出に関する説明をする必要が出てきた。


3月1日(水)

公的赤字は国内総生産の1.1%に減少、社会保険は黒字転換

1999年の公的機関の赤字は国民総生産(PIB)の1.1%にとどまったことが発表された。
赤字の減少は高い経済成長率(7%)、低金利、税制の変更があったこと、社会保険が導入以来、初めて黒字転換したことが影響していると考えられている。
収入の面では、所得税、社会保険割当金が微増、また、付加価値税(IVA)の大幅な増加がみられる。この税制は間接税収入に頼る傾向が顕著に現れており、消費の増大、輸入の上昇、ガソリンの値上げなどに支えられている。
スペインの失業率はEU諸国の中でもきわめて高く、個人所得もヨーロッパ平均に達していないにもかかわらず、公的赤字はヨーロッパの中でも最低に位置する。

テレフォニカグループ、収益増大

テレフォニカグループは1999年の収益を発表したが、スペインの企業で初めて3000億ペセタを超えた。
同グループの前年度に比べての収益増大(38%)はTPI−パヒナ・アマリージャ、テラ、インフォネットの株式上場による収益が大きく影響している。
増収に沸くグループ企業の中でもテレフォニカ・エスパーニャは340億ペセタの減収となっているが、これは雇用の削減のための早期退職制度の採用、配線の新設などにかけたもので税金対策としては有効なものであるとしている。携帯電話の部門のテレフォニカ・モビルでは28%の電話料金の値下げにもかかわらず、1998年に比べ16.6%の伸びをみせており、契約者の人数は85%増、最終的には900万にのぼるとみられている。

メリージャで、イスラム教の復活祭の為の羊をめぐって争い

昨日、多くの住民がイスラム教徒であるメリージャで、モロッコ産の羊の輸入禁止をめぐり暴動がおこった。3月17日はイスラム教の復活祭のメインの日にあたり、アラーの神に羊の生贄をささげるという重要な宗教行事が行なわれる。その生贄に供される羊は特別な条件がついており、そのためモロッコから買ってくることが多い。ところが、このモロッコ産の羊がある種の伝染病にかかっているため、メリージャ政府はヨーロッパの規制にのっとり輸入禁止措置をとった。
農業省大臣はこの伝染性の強い羊をスペインに輸入することは他の動物への感染の恐れや、それに伴い国際的な畜産市場から締め出され、経済的な損失は計り知れないとのコメントを出している。
イスラム教徒の多く住む居住区でこの禁止措置に反対し、100人以上の若者がコンテナで作ったバリケードに火をつけたことに始まり、警察隊と衝突、消防隊の出動となり、この騒動が次々とイスラム教徒居住区に広がっていった。この騒動の首謀者8人の身元は既に判明しているが、現在のところ逮捕には至っていない。



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