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毎日のトップニュース


3月28日(木)

28日はイースターの聖木曜日、29日は聖金曜日のためトップニュースはお休みです


3月27日(水)

グラナダのヒッピー大集会で、2人の若者が麻薬とアルコールの併用により死亡

死亡したのは、イギリス人のマーク・イアン・ロバート・クロッカーさん(27歳)とフランス人のドノバン・エミール・ガブリエル・ブリエンヌさん(26歳)。2人はグラナダ県オルヒバで数日前から開催されていたヒッピーの大集会“フィエスタ・デル・ドラゴン”に参加していた。オルヒバの司法当局は、2人の遺体の司法解剖を命じ、また捜査当局は死因はいずれも過度のアルコール及び麻薬の摂取の可能性が高いと見ている。
この集会にはヨーロッパ中から約1500人の若者たちがキャンピングカーやトラックなどで集まって来ていた。しかしながら組織や救急体制などの不備などにより、同町のアドルフォ・マルティン・パディアル町長から非合法として、開催の禁止を言い渡されていた。それにも拘わらず若者たちが集っていたロス・タブロネス付近の峡谷では、先週集会の禁止を告知しに来た20数人の警官らを大勢の参加者が取り囲み、一人が警官らに暴力をふるおうとしてその場で取り押さえられ、それをきっかけにもみ合いとなり、多くの逮捕者がでた。一人の警官が空に向けて威嚇発砲したが、騒ぎがおさまることはなかった。結局オルヒバ町役場は、禁止通告を出したにも拘わらず、先週金曜日から日曜日まで集会の開催を許可し、日曜日にはすべての参加者が退去するということで主催者グループとの折り合いがついたが、火曜日の昨日になっても数百人の若者達が現地でキャンプを続けていた。2人の若者の死亡事件は、多くの参加者がようやく帰路につこうとしていた昨日の午後に起きた。2人の友人らは死亡の原因は数種類に及ぶ多量の麻薬使用ではないかと話した。オルヒバ町長は、「このような事件が起こることは目に見えていた。集会はすべてにおいて過剰、あえて言うならば乱痴気騒ぎ、ゴミのようなものだった」と述べた。これから春以降多くの若者がこの町を訪れるが、町役場では今後このような集会は一切許可をしないと発表した。

スペイン人の58%は、男女不平等が存在すると回答

社会調査センター(CIS)が2月に2499人のスペイン人に対して行ったアンケートで、多くのスペイン人は、まだ男女間の不平等がかなり強く残っていると感じているという結果がでた。「現在のスペインにおける男女不平等をどのように定義づけるか?」という問いに対して、11,8%が「非常に強い」46,3%が「かなり強い」と答え、全体の半数以上が「男女不平等が根強く存在している」と考えていることが明らかになった。それでもスペイン人の10人に7人(70,8%)は男女不平等は10年前と比べると緩和されていると感じていると回答した。また「具体的にどのような点で不平等が起きているか、またその度合いは?」という問いに対しては、もっとも強く表れている点に「給料」「社内昇進」「雇用機会」「仕事の安定度」「責任あるポストに就く機会」が挙げられた。しかし「教育の分野」に関しては83,5%もの人が「男女間の格差はない」と感じている。政治界や銀行は、女性にとって就職が難しく、また重要ポストに就ける機会が非常に限られている分野といえる。
大多数の回答者は、家庭において男女ともに収入を得ることが必要と考え、71%が共働き、家事分担をするべきと答えたが、12,5%は女性は家庭を守るべきと回答した。

カマチョ監督、ラウル選手に代表チームの「けん引役」を要請

「初めはまだ時期尚早に見えたが、いまははっきりと彼こそが今チームが必要としているリーダーだと言える。」サッカーのスペイン代表チーム監督、アントニオ・カマチョ氏は昨日、レアル・マドリッドのラウル選手についてこう語り、ラウル選手に代表チームを引っ張っていってほしいと述べた。これまでイエロ選手やグアルディオラ選手が務めてきた代表キャプテン役を、現在スペイン・サッカー界でひときわ輝いているラウル選手が引き継ぐ時期も近いのだろうか。同監督は、本日のオランダ戦を前にラウル選手と話し合い、監督の意向を示し、またラウル選手もこれを了承したと述べた。まだ24歳のレアルのフォワード、ラウル選手にとって今日のオランダ戦が代表選手としての50試合目にあたる。
ワールドカップ代表名簿発表まで1ヶ月半を切った昨日の会見で、カマチョ監督は17人の選手について代表入りを確約したが、レアル・マドリッドのカシージャス、バルサのルイス・エンリケ、元バルサ、グアルディオラの各選手に関しては決断を保留している。現在イタリアでプレーしているメンディエタ選手は、今日のオランダ戦には入っていないが、ワールドカップでの代表入りは確実と語った。
尚、今日のスペイン対オランダ戦は20:30(スペイン時間)からオランダのロッテルダムにて行われる。


3月26日(火)

ウエルバの移民に食料配給

赤十字、カリタス・ディオセサナ等人権擁護NGO3団体は、この時期ウエルバ県のイチゴ畑での労働を求めて海外からやってきている7000人の移民のうち、実際に仕事を得ることができなかった人たちに対して、緊急援助プランを実施することを決めた。昨日はイチゴの大きな産地であるレペでパンや果物、牛乳などの入った200袋が職のない移民たちに配られた。配給袋は週に3回、月、水、金曜日の午前11時から11時半の間に引換券を渡し、午後1時まで配給される。配給場所は、レペ、カルタヤ、モゲ−ル、パロス、ロシアナ、ボナレス及びウエルバの各市町村。この緊急援助プランにより、ウエルバで仕事を見つけることができなかった移民たちが、他の仕事を探すために別の地方へ移動できるようになることを見込んでいる。政府は約7000人の季節労働者(大多数は東ヨーロッパからの移民)に労働許可証を発給したが、実際雇われたのは半分の3500人だった。昨日の配給初日は、午前11時の開始時は、週末の市役所による宣伝にもかかわらず配給を知らなかった移民が多かったのか、受け取りに来る移民の姿もまばらだったが、11時半ごろから続々と集まってきた。受け取り場所に市民警察が待機していたために、それを怖がった人が多かったようだ。モロッコからやって来て、1ヶ月の間仕事探しに苦労している人は、「私達は動物ではないのです。ただ働きたいだけ。食料の配給だけでは不十分だ。」と語った。彼は労働許可は持っているが、仕事がないという状況にある。「毎朝7時に起きて、町の広場へ仕事を探しにいくが、あったためしがない。それで仕方なく仲間達とここに座って、一日が過ぎるのを待っているだけさ」と彼はまた嘆いた。アンダルシア州政府は90.151ユーロの予算を移民らの食料配給に充てており、カリタス・ディオセサナの会長は、「これで彼らが幾日かでも飢えをしのいでくれるだろう。移民たちがゴミ箱から食べ物を集めている姿を見るのは非常に悲しいことだ。」と語った。配給袋の内容は、パン、牛乳、果物、七面鳥あるいは鳥肉のハム、魚の缶詰、穀類、チョコレートとジュース。

ETA検挙作戦続行、プリエデ議員殺害メンバーも逮捕か

昨日未明より続けられているETA検挙作戦で、現在までに合計11人のETAドノスティ複合部隊メンバーが逮捕された模様。逮捕者の中には、先週木曜日にオリオ町議会唯一の社会党議員フアン・プリエデさん殺害、バスク市民警察官アナ・イサベル・アロステギさんとフランシスコ・ハビエル・ミハンゴスさん殺害の実行犯メンバーが含まれている可能性が強い。マリアノ・ラホイ内務大臣は、「逮捕者のうちに殺害犯が含まれているという確証はないが、逆にいないという確証もない」と述べた。彼らはギプスコア県内の物流を担当するグループで、ビジャボナに兵器庫を所有していた。家宅捜索を受けたその兵器庫では、100kgの爆発物、武器、書類のほか、「すぐにでも使えるように用意された」(ラホイ大臣談)爆弾が押収された。

マドリッド証券取引所、アルゼンチン経済危機の影響で2.14%の下落

アルゼンチンの経済危機が、マドリッドの株式市場に深刻な影響を与えている。昨日のIBEX35指数は、2.14%と大きく後退した。アルゼンチン市場でも大きく取引されているテレフォニカ、レプソルYPF、BBVA、SCHの各株価は軒並み2〜3%の下げ幅を記録した。
アルゼンチン政府は個人に対し1000ドル、企業に対しては1万ドルという上限を設けたり、両替所の営業時間を短縮するなどしてドル買い傾向を静め、自国の通貨崩壊に歯止めをかけようとしたが、アルゼンチン・ペソは先週の金曜日、一日で対ドル17%という大きな下げ幅を記録、1ドル3.10ペソとなり、昨日はさらに1ドル3.90ペソとさらにペソ安ドル高が進んでいる。このペソ下落により、この国に投資しているスペイン企業の多くは、危険を回避するために何らかの措置を講じる必要にせまられた。テレフォニカ・モビレスは、為替レートが1ドル3.1ペソにまで下がった時点で4000万ユーロの利益減を生じており、これにより2002年度第一四半期の決算に大きな影響がでると予想している。政府のドル買い規制にもかかわらず、アルゼンチン市民は自国の通貨ペソをドルに換えるために両替所に長い列を作り、また“アルボリート”と呼ばれる街頭両替屋(銀行からドルを買って、それを街頭でさらに高く売る)らが、一時1ドル4ペソまでレートを引き上げるなど、通貨危機の混乱はまだまだ続きそうだ。

スペインの山猫繁殖のために800万ユーロの予算

スペイン固有種で絶滅の危機に瀕している“リンセ・イベリコ”(オオヤマネコ)の繁殖プログラムに関して、環境大臣とヘレス動物園との間で今日合意が交される。 このリンセ・イベリコ繁殖総合計画は ハエン県のルガール・ヌエボとセジャドーレス−コンタデロの各地所で実施される。フランコ将軍も年に一度狩りに訪れていたという、アンドゥハル自然公園内にある1000ヘクタールの広さを持つセジャドーレス−コンタデロ地所で、隠しカメラにより10数匹のリンセが生息しているのが確認されているが、先週はドニャーナ国立公園近郊で4匹のリンセが死んでいるのが見つかるなど、次第に生息数が絶滅に近い数字になってきている。この計画に対し、環境省、UEおよび自治体からこれからの5年間で800万ユーロの予算を充てる予定。プログラム開始のを記念してジャウメ・マタス環境大臣がルガール・ヌエボでリンセの一番の好物である数十匹のウサギを放した。


3月25日(月)

バスク社会党、書記長選挙終える( サン・セバスティアン )

この週末に召集されたバスク社会党(PSE−EE)の特別議会において、パチ・ロペス氏が64.31%の支持率を獲得し、新しい書記長に選ばれた。ロペス氏の最大のライバルであった、エルムア町長カルロス・トトリカ氏は37%の得票率であった。ロペス新書記長はこれからが党の「新時代」の始まりであり、「ETA壊滅とバスクに自由を呼び戻すために、すべてのエネルギーを注ぎ込む」と意気込みを語った。また党内において統一執行委員会を組織し、テロ・グループに対して民主主義の統一戦線を張る、そしてその点に関してのみPNVとの協定を結ぶことができる、と述べた。またロペス氏はニコラス・レドンド氏派のリーダートトリカ氏や、ギプスコア県のバスク新社会主義グループのリーダー、ヘンマ・サバレタ氏らに新しい執行委員会への参加を要請したが両氏ともそれを固辞した。新書記長にとって、これから「ETA壊滅、自由を取り戻す」という目標のもと、PSE―EE党内での派閥取りまとめが重要な試練となるであろう。

ETAメンバー5人を逮捕、火薬庫も見つかる( ギプスコア )

本日未明よりギプスコア県各地で実施されていたETA検挙作戦において、これまでに少なくとも5人のETAメンバーが逮捕された。5人の所属しているコマンド(部隊)は正式に登録されているものではない模様。また県内のビジャボナでは、100kgの爆薬が保管されていた“火薬庫”および大量の書類が押収された。市民警察では、先週木曜日に起きたオリオの社会党議員フアン・プリエデ氏殺害事件と、逮捕された5人の関係についての捜査を進めている。本日午前中もビジャボナでは数件の家宅捜査などが続けられている模様。

バタスナ党の重要メンバーがフランス−ベルギー国境で逮捕される

逮捕されたのは、バタスナ党(ETAの政治母体)民族委員会メンバーであり、財務官でもあるホン・ゴロチャテギ容疑者と党職員ミケル・コルクエラ容疑者の二人。逮捕時、ゴロチャテギ容疑者は現金20万ユーロ(約3.320万ペセタ)を所持していた。両容疑者は、この現金はヨーロッパ・バタスナ党議員のコルド・ゴロスティアガ氏個人の銀行口座から引き出されたものであると証言している。この2名は「6000ユーロ以上の現金を他国に持ち出す際は、UE内であっても申請が必要である」という規定に反したという容疑で逮捕されており、フランスの反テロリスト法の適用は受けていないが、フランス司法当局は、これからの特別検察庁での裁判により「テロ行為目的」の犯罪の適用もありうるとしている。

マドリッド地下鉄内でのスリ、盗難、一日平均32件

警察本部の発表によると、マドリッド市内の地下鉄では一日に平均30件のスリ、2件の恐喝が報告されている。スリ集団の“好む”場所はソル、アト−チャ・レンフェ、アベニ―ダ・デ・アメリカの乗り換え地点などであり、10グループに及ぶスリ集団が地下で暗躍している。マドリッド地方政府は4月から地下鉄内警備を現行の2倍に増やすことにしている。
スリ・泥棒の好む時間帯は、車内が満員ではない時間帯(最も危ないのは午前8時半から10時の間)で、乗客のカバンや財布などが簡単に盗めるのだという。「あまり混雑しすぎていると、犯人らが動くことができなくなってしまう」からだ。また乗客が少なすぎても犯行が目立ってしまい、他の乗客に疑われるとの理由であまり行われないようだ。彼らは常に3人〜4人のグループ単位で行動し、一人が被害者の気をそらせるような事をし(ちょっとぶつかったりするだけでよい)、もう一人がカバンを開けて中に手を入れる。「それら一連の犯行は非常にすばやく、多くの場合、列車がブレーキをかける際の反動を利用している」と市民安全対策部長オルティス氏は説明した。以前はスペイン人グループの犯行が多かったが、現在では東、北アフリカ人グループが中心となっている。犯行の対象は財布だけではなく、携帯電話やその他貴重品と見られるものは全て盗もうとする。またオルティス氏は、特に乗客が背中に背負っているリュックサックなどに注意をするように呼びかけた。


3月22日(金)

バスクの社会党議員、ETAに射殺される

昨日午後、ギプスコア県オリオで市会議員フアン・プリエデ・ペレスさん(69歳)が自宅近くのバルのカウンターでコーヒーを飲んでいたところを、ETAメンバーと見られる二人組に背中から発砲され死亡した。プリエデさんには常に2名の護衛がついていたが、この日、護衛が13:30にプリエデさんを自宅に送った数分後、いつものようにひとりで近所のバルへ行ったところをその40分後に襲われた。ETAに襲われた社会党議員は今月に入ってから3人目になる。プリエデさんの所属していたオリオ市議会の議員数は11名、その内5人がPNV(バスク国民党)、3人がバタスナ党(ETAの政治母体)、2人がエウスコ・アルカルタスナ党の議員でいずれも保守派および民族主義派、社会党系議員はプリエデさんただ一人であった。犯行前、犯人らはラサルテという町で1台の車を運転していた男性を襲い、アンドラインという町でその男性を木に縛り付けてそのまま犯行現場へを向かった。1年前にやはり社会党議員のフロリアン・エレスペさんをラサルテで襲撃したときも、今回とまったく同じやり方だった。プリエデさんは2日後の23日にバスク社会党(PSE)の時期党首候補のヘマ・サバレタさんを応援するために党大会に出席する予定であった。アスナル首相とレエンダカリ(バスク自治州政府代表)のイバレチェ氏は社会党(PSOE)のサパテロ党首に、1999年にETAとの和平協定が破られてから4人目の社会党からの犠牲者となったプリエデさんの死に対し、電話で弔意を述べた。ザパテロ氏はETAの脅迫などの脅威にさらされているすべてのバスク社会党議員らに向けて、「PSOEはこれまで以上にみなさんを保護していく」とのメッセージを送った。
与党国民党(PP)とPSOEは、昨日新たな政党法案を採択することで合意し、その第8条では広範囲にわたってバタスナ党を中心とする急進的民族政党連合を非合法化し解散させる根拠を打ち立てることができるようになっている。本日上院・下院各50名の議員および司法省で構成される評議会が召集され、特定の政党の非合法化を“最高裁に対し懇願する”ことを話し合う予定。この法案が可決されれば、裁判所が人の生命を奪うテロ、民主主義や憲法を尊守しない、あるいはテロ行為で刑罰を受けている者を指導的な立場に立てたり、選挙名簿に入れるなどを行った政党に対して解散を命じることができるようになる。

EUスペイン代表部事務所で火災、2名が死亡( ブリュッセル )

昨日ベルギー、ブリュッセルにあるEUスペイン代表部事務所の建物で火災が発生し、スペイン人の警察官とベルギー人の消防士の2名が死亡した。火災は昨日の午後7時50分(現地時間)に欧州理事会議長室のある建物の5階で発生した。ブリュッセル市長のフレディ・シールマンス氏によれば、火元は電気ケーブルで、火災は事故である可能性が高いとのこと。現場のリージェント大通り52番地には55人の消防士、40人の警察官、および救急隊員らが駆けつけ消火・救助にあたったが、火の周りが非常に早く、6階建ての建物のうち、4,5,6階が全焼した。火災発生当時、建物内部で勤務していたスペイン政府関係者は「あっという間にものすごい勢いで燃え広がり、誰もが即座に逃げなくてはならず、何も持ち出すことはできなかった。私も上着を取る間もなかった」と話した。死亡したスペイン人警察官は外交使節らの警護にあたる6名の警察官のうちの一人で、建物の4階で倒れているところを救助されたが、その後亡くなった。消火作業は燃えさかる炎を前に難航し、その中で一人のベルギー人消防士が命を落とした。この建物は非常に廊下が多く、多量の書類やコンピューターなどがあり、これらが延焼を引き起こした原因であると見られる。スペイン外務省や在ベルギー・スペイン大使館、また欧州委員会はハビエル・ソラナ氏を通じて、EUスペイン代表部に対して代わりの建物、コンピューターや事務用品一式、車などの提供を申し出ている

チャンピオンズリーグ、準決勝組み合わせ決まる

先ほど現地時間の12:30からサッカーのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝の組み合わせ抽選会がスイスの二ヨンで行われた。第二次予選を勝ち抜いた8チームのうち、3チームはスペインのチームで、特にグループ2位となったデポルティーボ・ラ・コルーニャが他のスペインチーム(レアル・マドリッドとFCバルセロナ)対戦する確立が高く心配されていたが、抽選の結果ダービー戦は免れた。準々決勝の組み合わせは、
レアル・マドリッド対バイエルン・ミュンヘン、デポルティーボ対マンチェスター・ユナイテッド、FCバルセロナ対パナティナイコス、リバプール対バイエルン・レべルクセン。試合は4月2〜3日と9〜10日に行われる。


3月21日(木)

ガルソン判事の指揮により親ETA組織の5人を逮捕( ビスカヤ )

ラジオ局Cadena SERによると、今日未明、テロ組織ETAを支持するグループのメンバー5人がバスク地方のビスカヤ県ビルバオで逮捕された。この逮捕は全国管区裁判所がルソン判事が指揮のもと行われた。また同時に家宅捜索も行われ、バスク自治警察により大量の書類が押収された。ビルバオで逮捕されたのは男性4名、女性1名の計5名で、いずれもテロ組織ETAへの協力の罪に問われている。

厚生省医薬局は無認可の自然食品などの商品撤去を命じる

厚生省医薬局は昨日、各自治州に対し、自然健康食品店や訪問販売などにより流通している「自然」を名乗るやせ薬、かぜ薬、ガン、アルツハイマー、エイズなどの治療、緩和薬のうち、無認可で販売されている118品目の販売停止を命じた。セリア・ビジャロボ厚生大臣は、これらの自然薬を使用している消費者に対し、医師への相談および成分を改めて確認することなどを勧めた。ビジャロボ大臣はまた、「これらの商品は危険なものではないが、今回の販売停止は“自然”という言葉に消費者が惑わされ、副作用がない、薬局で販売されている薬と同じような効果があるなどど信じてしまうことに警鐘を鳴らす意味で確信をもって行われたものである」と述べた。医薬局による調査は3月5日から実施されていたが、その中で、「やせる」と称した3つの商品が、植物性と謳いながら実際はカフェインや甲腺状ホルモン、麻酔薬、利尿剤などの厚生省から医薬品として販売認可を受けなければならない成分が含まれていたことが、毒物学研究所の検査で明らかになった。またその他の商品にもパッケージ表示に「ガン治療」「エイズ治療」などと書かれ医薬品ではない禁止物質が含まれているものなどがあった。現在のところ、このコントロールは無認可商品が多く見つかったバレンシア、アラゴン、カタルーニャ及びバスク各自治州に集中して行われている。

「ガウディ・イヤー」開幕、バトリョ邸も一般公開される

世界的に有名なカタルーニャ出身の建築家アントニオ・ガウディの生誕150年を記念して、バルセロナ市役所の主催で「国際ガウディ年」が開幕した。セマナ・サンタやこれからの観光シーズンに向けて、展覧会、一般特別公開、「ガウディ・バス」運行、国際会議、出版などガウディに関する様々な催し物が開かれる予定。そのうちの、ガウディの建築物の中でも象徴的な建物のひとつ、バルセロナのパセオ・デ・グラシア通りにあるバトリョ邸の一般公開が3月19日から始まった。入場者はホール、バトリョ氏の書斎、パセオ・デ・グラシア通りに面した居間、裁縫部屋、廊下、中庭、食堂、広いテラスなどを音声による説明つきで見学することができる。開館時間は9時から14時、見学料は10ユーロ。


3月20日(水)

濃い霧で、車の玉突き衝突多発

今日未明からスペイン全土を覆っていた濃い霧のため、国内の3ヶ所で車の玉突き衝突が続発した。もっとも被害が大きかった事故は、今朝8時30分ごろバジャドリッドから15km地点の道路上で、30台の車が玉突き衝突を起こし、少なくとも6人が死亡、39人が重軽傷を負った。負傷者のうち、女性1人がすでに脳死状態、8人が重体、22人が重傷、9人は軽い怪我で病院に運ばれた。また国道4号線(N−IV)のサンタ・クルス・デ・ムデラ(シウダッド・レアル)付近でも車50台による同様の事故により、2人が死亡、15人が重軽傷、セビージャのラ・リンコナーダでも7台が衝突、12人が怪我をした。これらの事故は濃霧による視界不良により引き起こされた可能性が高い。
また政府交通局のまとめた統計によると、19日(火)がサン・ホセの祝日にあたり、連休をとった多くの国民の大移動があったこの週末に、全国の道路で合計41件の事故が発生し、46人が命を失ったとのこと。

元葬儀社社員宅で20死体、骨などが発見される( マラガ )

おとといマラガ郊外のサンタ・ロサリア地区で、41歳の元葬儀社社員の車のトランク、および自宅にて合計20人分の頭蓋骨や多量の骨などが見つかった。18日午後、マラガ治安警備隊が県道をパトロール中に、元社員のトランクを開けたところ、8体の頭蓋骨が見つかり、その後の家宅捜索によってさらに12人分の頭蓋骨やそれらに相当する骨の一部などが発見されたため、元社員は治安警備隊によって逮捕された。元社員の証言によると、頭蓋骨や骨などは大きな柩に入れ、自宅の中庭に保管していたという。しかし18歳になる息子にそれらを発見され、家族から処分をするようにと責められたので、一部を車で運ぼうとしていた時に警察に発見された。警察当局では、この元社員は4年前から、壁がん(遺体や骨壷を納めるための壁のくぼみ)の賃貸期限が切れて共同墓地に埋葬されるはずであった遺体の一部などを自宅に持ち帰り、保管していたと見ている。押収された頭蓋骨や骨などは、DNA鑑定のためにパルセマサのマラガ墓地に搬送された。
警察当局はまた、この事件の背景には1997年に起きた葬儀社不正事件があると見ている。これには6人の葬儀社数社の社員が加担し、その内の一人、マラガ霊園の元社員が壁がんの賃貸期限の切れた遺体3000体を不正に焼却していた罪に問われた。彼らは遺族らに「セビージャで火葬したほうが安い」と偽り、搬送料をとりながら、実際はセビージャには運ばずにマラガの火葬場で規定に反して不正に火葬し、遺族にも正しい遺骨を渡していなかった。この事件の裁判は昨年12月に始まっていたが、一時中断されていた。今回の新たな遺骸の発見により、再開されることになるだろうと検察当局は示唆した。

殺された少女の親族、絞首体で発見される( アルメリア )

アルメリアのピエドラ・レドンド地区で、18日未明にダンボール箱の中で7歳の少女の死体が発見されたが、その約24時間後にあたる昨日午前、少女の母親のいとこ、アントニオ・サンティアゴ・トーレスさんが自宅近くの空き地で木に首を吊って死亡しているのが見つかった。アントニオさんの妻フアナさんは、昨日午後3時半ごろ警官らに付き添われて自宅に戻ったが、自宅周辺には多くの地元住民が詰め掛け、家宅捜索が1時間半にわたって続けられる中、夫妻を非難していた。また午後には殺害された少女モンセラちゃんの葬儀ミサが執り行われた。またアントニオさんの絞首体のそばには塩が盛られていたなど、小さな村で起きた2つの事件の関係はまだわかっていないが、住民や親族の間でははアントニオさん夫妻への疑惑が持ち上がっている。

アスナル首相の「犯罪対策計画」、大都市では効果あがらず

1999年春にアスナル首相政権のもと、当時の内務大臣ハイメ・マヨール・オレハ氏が大都市における社会的不安を引き起こす犯罪(麻薬、発砲、強盗、窃盗、車の盗難および空き巣)を減らすための「犯罪対策計画」を打ち立てたが、昨年1年で起きた犯罪の集計結果により、この計画が全く効果を発揮していなかったことが明らかになった。内務省の発表によると、2001年度計画の対象となっていた犯罪の発生率が軒並み増加したという。犯罪の種類別に見ると、窃盗は116.292件と前年より18.3%、強盗・恐喝は12%、車両の盗難も9.9%とそれぞれ増えた。1999年からこの計画が実施されているスペインの大都市(マドリッド、バルセロナ、バレンシア、アリカンテ、セビージャ、マラガ)でも犯罪率の増加がはっきりと見られている。たとえばアリカンテでは、全体で25.5%という大きな数値の伸びを示した。この結果は、2000年度からこの計画を引き継いだ現内務大臣マリアノ・ラホイ氏に対し、社会党PSOEが国会で説明を求める格好の材料となった。ラホイ氏は、犯罪率の増加を不法移民の増加と関連付けたが、エル・パイス紙がアンケートを行った裁判官や検察官らは、移民問題と市民の安全が損なわれてきている状況を関連づけることは、“外国人排斥の培養液”となってしまうと危惧を表した。

バルサ快勝、準々決勝進出を決める

昨日トルコ・イスタンブールのアリ・サミ・イエンスタジアムで行われたサッカーの欧州チャンピオンズリーグ第2次予選で、FCバルセロナが1−0でガラタサライに快勝した。この結果により、準々決勝はすでに8強進出を決めているレアル・マドリッド、デポルティーボ・ア・コルーニャとともにスペインの3チームが顔を揃えることになった。今日はレアル・マドリッド対パナティナイコス(ギリシャ)、デポルティーボ・ア・コルーニャ対バイエル・レベルクセン(ドイツ)の2試合が行われる。


3月19日(火)

本日はサン・ホセの祝日のためトップニュースはお休みです。


3月18日(月)

スペインでもサフィヤさんを投石刑から救うための大量署名

世界中で多くの人々が今日のナイジェリア、ソコト州の上告裁判の判決に注目している。サフィヤ・フサイニさん(35歳)は離婚した後に持った他の男性との関係(2回目の口頭弁論では強姦されたと主張)によって姦通罪に問われ、死刑、それも投石刑の判決を受けて控訴している。この問題は21世紀において個人の性の自由がこれほどまでに、残酷なやり方で制限されている状況を浮き彫りにし、世界中で反響を呼んでいる。アムネスティ・インターナショナルのスペイン支部長ベルトラン氏は、「この10日間でスペイン国内だけで35万人分の投石刑に対する反対署名が集まった」と発表した。その内、30万人分の署名は、去る3月14日に在スペイン・ナイジェリア大使館に渡された。アムネスティ・インターナショナルは、“サフィヤさんを救おう”というキャッチフレーズで、フサイニさんを支持するキャンペーンをインターネットを通して開始したが、同団体は、「アムネスティ・インターナショナルは、いかなる国の宗教や法律をも尊重するが、死刑及び苔刑、切断刑、投石刑など、拷問や非人道的、屈辱的扱いを伴う懲罰に対しては無条件で反対しているのである」と声明を発表している。また今回のバルセロナ首脳会議でも、UE15カ国の首脳らが「UE各国はナイジェリアで一人の女性が投石刑に処されるかもしれないという情報を得て、非常に遺憾に思っている」とフサイニさんを支持する声明を発表し、ナイジェリア政府当局に対して「あくまでも人権と人間としての尊厳を尊重してほしい」と特に女性に対する寛大な処置を求めた。

バルセロナ首脳会議閉幕

EU15カ国の首脳が集まってバルセロナ開かれていた欧州理事会が、2010年までにEU経済の競争力を世界トップに押し上げるための様々な取り決めを採択し、16日閉幕した。首脳会議開催にともなって、世界中から多くのアンチ・グローバリゼーション団体が駆けつけ、デモ行進を行った。行進は、機動隊がすぐ近くで参加者に姿を見られないように待機する中、非常に平和的なムードで行われた。デモ参加者は当初5万人を予想していたが、結局ジェノバのG−8首脳会議とほぼ同じ30万人以上(主催者側の発表では50万人、市警察発表では25万人)もの人が集まりグローバリゼーション反対を唱えた。抗議運動は全般的に、音楽、手拍子、歌などを加えて“平和的”に行われ、デモ参加者が1名死亡したという悲惨な結果に終わったジェノバ会議のような、大きな混乱は避けられた。

バレンシアで爆竹暴発により1名死亡

世界的に有名な「サン・ホセの火祭(Las Fallas)」を明日に控えた地中海沿岸のバレンシアではお祭りムードが最高潮に達しているが、昨日午後2時半ごろ、旧市街に建てられた“ファジャ”(このお祭りのために市内のいたるところに建てられる大小の張子の人形、大きいものは高さ20メートル以上にもなり、テーマも政治風刺などいろいろ)の近くで、遊んでいた爆竹が暴発し頭に重症を負った34歳の男性が、運ばれた病院で死亡するという事件が起きた。また前日夜から降り続いていた雨と風により1体のファジャが倒壊し、下敷きになった人たちのなかで、1人が大腿骨骨折、6人が打撲傷を負った。また巨大ファジャのうちの1体、40以上の張子人形で構成され、寓話部門で銀賞を獲得していた“エル・ピラール”(最も高いところで22メートル)が、やはり風雨により、数百人の見物人の目前で一部倒壊したが、けが人はなかった。地元警察と消防は、見物客に被害が及ばないように、本日午後倒壊などの危険のありそうなファジャの点検を行う予定。


3月15日(金)

バルセロナEU首脳会議開幕

EU15カ国首脳が集まり、EU内の諸問題を話し合う欧州連合理事会が本日午前9時15分、厳戒態勢が敷かれる中バルセロナで開幕した。初日の会議では各国の経済大蔵大臣および欧州議会のコックス議長も交えて、経済改革と雇用創出を推し進めるための話し合いがもたれる予定。開幕にあたり、今年上半期の議長国を務めるスペインのアスナル首相は昨日、「2年前のリスボン会議で合意したいくつかの経済改革案は、もう実現を引き伸ばすことはできない」「各マーケット、各状況、各段階に応じていつまでに、何をしなければならないのかをはっきりさせる」さらに、「この会議で得られる結論は、EU各国にいくつもの“宿題”を課すことになり、それらの課題の実現は各国政府の“政治的意欲”にかかっている」と述べ、、この首脳会議にかける議長国としての意気込みを見せた。事実、この首脳会議において“明白で短期的な決断”を各国の合意の下とることができれば、エネルギー、雇用、金融市場、通信事業、研究事業について、また「ガリレオ・プロジェクト(欧州独自の衛星測位システム)」および「欧州はひとつ(欧州横断運輸ネットワーク)プロジェクト」の始動に大きく貢献することができるであろう。

亡命希望の北朝鮮市民ら、フィリピン経由で韓国入り予定

昨日北京のスペイン大使館に、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)市民と見られる25人が韓国への政治亡命を希望して駆け込んだが、在中国スペイン大使エウヘニオ・ブレゴラー氏と中国政府当局との間でもたれた数時間にわたる交渉の結果、亡命希望者全員が一時フィリピンに滞在し、日曜日にも韓国ソウルに到着する手筈が整った。韓国政府筋は、中国はこの問題を人道的に解決するためにいくつもの案を提案した、と述べた。昨日の交渉では、スペインも韓国入国前の経由地の候補に挙がっていたという。韓国への亡命を希望していた大人14人、子供を含む未成年者11人の北朝鮮市民らは昨夜北京のスペイン大使館にて夕食を取り、マットレスや寝袋を受け取り同大使館の居間や庭などで睡眠をとった。別の大使館筋によると、「彼らは夕べは落ち着いて夜を過ごし、今朝(スペイン時間の今日未明)は朝食のあと、シャワーを浴びたり、庭で散歩をしたりした」と様子を語った。彼らは6家族の集まりで、その中には朝鮮労働党員だった農民、炭鉱労働者や元警察官が含まれているという。彼らの北朝鮮出国および北京スペイン大使館乱入のシナリオは、スターリン主義国家における飢餓や抑圧政策による住民への被害に詳しいヨーロッパの人道グループにより作られたもの。昨年の6月にもやはり韓国への政治亡命を希望する北朝鮮の7人家族が北京の国連事務所に駆け込み、4日間にわたる交渉の末、フィリピンとシンガポールを経由してソウルに入る許可を得た。韓国の人道的組織によれば、15万人から30万人の北朝鮮市民が中国東部の山岳地帯に散在しており、北朝鮮当局に発見されることを恐れながら生活しているという。

プラド美術館にて“世紀の競売”展始まる

スペインのフェリペ皇太子とイギリスのチャールズ皇太子は、昨日マドリッドのプラド美術館において、1649年の英国チャールズ1世処刑後に競売にかけられた絵画を集めた展覧会の開会式を執り行った。1604年に、和平条約によって、それまでの英国エリザベス1世とスペインフェリペ2世時代の両国の対立に幕を閉じ、17世紀前半、特に1623年のウェールズ皇太子のマドリッド訪問からは、(彼のスペイン、カトリック王女マリアとの結婚という真の目的は果たせなかったが)両国王室の文化芸術的交流が深まった。しかし1648年クロムウェルの指導したピューリタン革命により、チャールズ1世は処刑され、その財産が競売にかけられた。その中には王が約30年にわたり収集した数々の美術品が含まれており、非常な美術愛好家だった当時のスペイン王フェリペ4世はその多くを秘密裏に手に入れた。それらはスペイン王室の美術コレクションに前代未聞の豊かさを与えたのであった。
今回“世紀の競売展”と名づけられたこの展覧会には、プラド美術館所蔵品のほか、英国ナショナルギャラリーをはじめとする海外の美術館、図書館から集められた合計63点の絵画が展示されている。開会式の昨日は、展覧会役員ジョナサン・ブラウン氏およびジョン・エリオット卿、文化教育大臣カスティーリョ氏、プラド美術館のセラ会長、スガサ館長も顔を揃え、約200人の招待客を前に、フェリペ、チャールズ両皇太子が開会を宣言した。(6月20日まで)


3月14日(木)

石油会社談合問題で、検事総長は検察側の告訴に対し拒否権を行使

検察庁汚職対策局カルロス・ヒメネス・ビジャレホ検事が全国管区裁判所に提訴直前だった石油会社レプソルYPFとセプサ両社をガソリンおよび軽油価格の談合問題で、この告訴に対し拒否権を行使する考えを明らかにした。
消費者グループの告発をもとに検察、警察による1年半に及ぶ捜査が続けられ、スペインの石油事業の90%を占める2社の流通部門と販売部門が中小の販売業者に対しガソリンの価格の談合を強いていたという疑いで、ようやく80ページにも及ぶ告訴状を作り、提出しようとしていた矢先だったが、カルデナル氏は「告訴に必要な刑事法上の条件を満たしていない」としてこれを棄却した。それを受けてビジャレホ検事は昨日上司にあたるカルデナル氏の"命令"に反対する書面を提出したため、今後カルデナル検事総長は最高裁検察評議会の召集を余儀なくされる。

2月の消費者物価指数発表

昨日、経済省国立統計局が発表した2月期のIPC(消費者物価指数)は、0,1%増に留まったが、市民の反応や民間の統計は、1月からのユーロ導入による “レドンデオ”(端数切り上げ)で生活にかかる費用がかなり増大したと見ており、政府の出した結果とは食い違いがあるようだ。野党もこの結果に対して疑問を投げかけた。

家事を手伝うスペイン人男性増える

ヨーロッパでは、近年家事労働をうまく分担しているカップルが増えてきたが、やはり女性は外で働いている場合でも家庭内の諸事の責任をになっていることが多い。ある家電メーカーがまとめたアンケートによると、スペイン人男性はドイツや英国の男性と同じように、他のヨーロッパ諸国に比べて家事労働を比較的多く"手伝って"いるという結果がでた。

FCバルセロナ―リバプール戦引き分けに終わる

昨夜バルセロナのカム・ノウスタジアムにて行われた欧州チャンピオンズリーグ第2時予選Bグループ、FCバルセロナ対リバプールの試合は、0−0の引き分けに終わった。この結果により、バルサは準々決勝に進出するには、次回トルコのガラタサライに勝たなければならなくなった。またバルサは土曜日、スペインリーグでレアル・マドリッドと対戦するが、"アスルグラナ(青とえんじの縦縞のユニフォーム)"はそれまでに再びやる気を充電させることができるのか。


3月13日(水)

欧州連合理事会バルセロナで開催間近

今週末15日〜16日にEU15カ国首脳が参加してバルセロナで開かれる欧州連合理事会を前に、テロリスト組織や暴力的なデモ隊などへの警戒態勢が強まっている。スペイン政府は先月13日に、欧州委員会に対して、テロリスト組織や過激派集団による事件に関する情報交換のための書類形式を作ることを提案しているほか、スペイン国軍も開催地周辺の空と海の両面から警備を行うことにしている。今回の非公式理事会は、2002年上半期の欧州理事会の議長国を務めるスペインのバルセロナで開催される。話し合いの焦点となるのは家庭用エネルギーの自由化、財政および通信事業の統合や雇用問題などで、スペイン首相であり現EU理事会議長でもあるアスナル氏は、「具体的な話し合いの結果を出すという意気込みでぜひバルセロナに集まってほしい」と15カ国の首脳らにメッセージを送った。

裁判所は夏までに裁判の迅速化実現を予定

スペイン各国会政党は昨日、裁判の迅速化実現に向けて60もの犯罪審理法の改正を夏までに終わらせることを取り決めた。これにより盗み、損傷などの違反行為に対しては即時または当日、現行犯および特別な社会的警戒が必要な犯罪に関しては15日以内に判決が下せるようになる。「特別な社会的警戒が必要」な犯罪には、家庭内暴力、窃盗、傷害、強要、脅迫、身体的および精神的暴力、道路交通法違反などが含まれる。政府はこれらの迅速裁判は、懲役9年以下の犯罪にのみ適用するべきという意見を述べた。

マドリッドの地下鉄で警備体制強化

マドリッド地方政府は、4月から地下鉄の警備員を現在の473人から707人にまで増やすことにしている。運輸委員会はメトロスール建設など、このところの運行距離の拡大や駅増加に伴い警備体制の強化を余儀なくされた。これらの警備員の一部は地下鉄車内を無線で交信しながらのパトロールを行う。さらに大多数の駅にはプラズマ画面が設置され、駅構内を監視できるようになる。この警備強化にかかる費用は約6000万ユーロ。この計画に参加している警備会社の1つは、「これによりマドリッドの地下鉄はヨーロッパ内で最も警備体制の強固な地下鉄となるだろう」と述べている。現在パリやロンドンの地下鉄でもプラズマ画面の構内設置を検討しており、一部の駅で試験的に設置しているところもあるという。

欧州サッカーチャンピオンズリーグ、スペイン2チームが勝利

昨日行われた欧州チャンピオンズリーグの第2次予選は、デポルティーボ・ラ・コルーニャが2−0でアーセナルに、レアル・マドリッドがスパルタ・プラハに3−0で勝ち、勝ち残っているスペイン3チームのうち、2チームが準々決勝に勝ち進んだ。デポルは先週の国王杯決勝戦で、その日100周年を迎えたレアル・マドリッドを敵地で圧倒した勢いそのまま、前半にバレロンとナイベッそれぞれのゴールで試合を意のままにした。またレアル対スパルタ・プラハの試合では、試合開始から60分ソラ―リ、64分グティ、70分サビオと立て続けのゴールか決まり、結局3−0で勝利した。残るバルサは本日13日、準々決勝進出をかけてリバプールと対戦する。


3月12日(火)

教育改革法案 ― 高校の卒業試験には4度まで挑戦可能に

ピラール・デル・カスティーリョ教育文化大臣は昨日、初等・高等教育制度の改革を図るための基本法案を明らかにした。法案の柱には、1)1970年以来廃止されていた高校の卒業試験「レバリダ」の復活、2)14歳、15歳の生徒を進路別に分けて教育する、3)高等義務教育課程(ESO)の1年にあたる12歳から、教育の成果のあがらない生徒やスペイン語が「全くわからない、あるいは少しだけわかる」というような移民の生徒のために特別クラスを設ける、4)現行ではESOでの留年は、1年次では不可および4年間の学習期間の内2回だけ認められていたのを、毎年1回に限り可能にする、などが挙げられた。まず新しいレバリダは「高校卒業試験(PGB)」と呼ばれ、高卒の資格を取得するためには、これに合格しなくてはならない。試験は4回まで挑戦でき、試験の結果と2年間の高校在学中の成績との平均値で最終的に判断される。試験内容は、生徒の選択した外国語による口頭試問とその他の科目の筆記試験の2部構成である。2番目の進路別教育課程については、ESOの3年次(生徒の年齢14歳)で職業専門課程進学とバチジェラト(日本の高校にあたる)進学との2コースに分け、さらに4年次(15歳)でバチジェラト組を文系、理系の2つに分けるという案である。昨日発表された法案の書類ではこの改革の予算案などは示されなかった。社会党PSOEは、進路別教育という案に対して反対する意を表明している。

高速列車AVEのマドリッド―バジャドリッド間の建設着工

2007年開通予定の高速列車AVEのマドリッド、セゴビア経由バジャドリッド間の建設が昨日着工し、アスナル首相が、マドリッド自治州のガリャルドン知事に伴われて最初の枕木を置いた。2007年に開通予定のこの路線は、マドリッドのチャマルティン駅を出発し、グアダラマ山脈でトンネルを抜け、出発から25分でセゴビアに到着、その30分後にバジャドリッドに着くことになる。しかしこの路線の完成に至るまでには、ヨーロッパ屈指の長さを誇ることになる、グアダラマ山脈トンネルの建設という非常に難しい課題が待ち受けている。30メートルの間隔をおいて作られる双方向2本のトンネルは、直径8.5m、長さ28.4kmにわたり、列車はトンネル内を最高時速350キロで通過する。新路線建設の総費用は19億2400万ユーロ(3200億ペセタ)だが、その内10億8200万ユーロ(1800億ペセタ)がこれらのトンネルの建設費用に当てられるという。

ロサさん、ついに"エウロビシオン"スペイン代表に選ばれる

昨年10月に国営チャンネルで放映が始まり、スターを夢見る若者たちが汗と涙、希望と挫折を、テレビ画面を通して視聴者と共有してきた番組"オペラシオン・トリゥンフォ"で昨夜、最終選考に残った"エウロビシオン(ヨーロッパ歌謡祭)"出場候補3人の中から、グラナダ出身の21歳、ロサ・ロペス・コルテスさんが、視聴者からの49.9%という高い得票率で選ばれ優勝した。ロサさんは、今年の5月25日からエストニアで開かれる、第47回エウロビシオンにスペイン代表として出場することが決まった。昨夜の番組では、ロサさんが、迫力のある歌声でエウロビシオン候補曲"Europe's living a celebration"を披露し、観客と視聴者を魅了した。今年第47回を迎えるこのヨーロッパの歌謡祭は毎年高い視聴率を記録しているものの、スペインは1969年以来優勝していない。今年は社会現象ともなった"オペラシオン・トリゥンフォ"から出場者が選ばれたとあって、例年以上に国民の関心を呼ぶであろう。


3月11日(月)

政府の灌漑プログラムに反対する大規模デモが行われる

昨日バルセロナ市内で、政府がCiU(カタルーニャ民族主義政党)の支持により推進している灌漑プログラムおよびエブロ川からの取水問題に反対する、これまでで最大規模のデモが行われた。主催者側の発表では40万人(地元警察の発表では15万人)のカタルーニャ、アラゴン両地方の市民が駆けつけた。デモに参加したアラゴン首長マルセリーノ・イグレシアス、カタルーニャ社会主義系リーダーのパスカル・マラガル両氏は、欧州委員会に対し、エブロ川取水計画に出資をしないことを請願した。反対運動のシンボルである取水パイプで作った大きな結び目を掲げた一団を先頭にしたデモ隊は、カタルーニャ広場からバルセロナ大聖堂まで行進し、最後にこの問題に関する政府与党およびCiUの対応を批判する声明文を発表し、5日後にバルセロナでエネルギーの自由化などを話し合う欧州15カ国サミットが開かれるのにあたり、各国がこの問題に目を向けてくれるようメッセージを発信した。

モンクロアの予定表に空きはなし

社会労働党党首ロドリゲス・サパテロ氏はここ3ヶ月の間、バスク情勢について話し合うために、4度にわたりアスナル首相との直接会談を要請しているが、モンクロア(首相府)からは「スケジュールの都合」という理由でいまだに機会を与えられず、社会労働党および社会党系の地方自治州知事らはモンクロアに対し批判を浴びせている。アスナル首相が最後にサパテロ氏と会談を行ったのは一昨年の6月末、サパテロ氏が社会労働党の党首に就任したときで、それ以来二人の間では一度も直接会談は持たれていない。サパテロ氏の他、アンダルシア自治州知事チャべス氏、エストゥラマドゥーラ自治州知事イバラ氏、バレアレス自治州のアンティック知事らも数ヶ月まえより首相との会談実現を要請しているが、やはり首相の予定表にはまったく空きがないようだ。

マドリッド市中心部へのテロ攻撃を想定した軍事演習が行われる

米同時テロから半年を迎える3月11日を前に、スペイン国軍の通常空中防衛訓練の中で、「バラハス空港に向けて飛行中の旅客機が、着陸直前にマドリッド市中心部に激突する目的で進路変更した」という想定の下、マドリッドのトレホン基地から出発した戦闘機がそれを阻止するまでの時間を見積もるシミュレーションが行われた。演習ではトレホン基地に警戒態勢で待機していたF−18戦闘機2機が、1体の旅客機が航路をはずれ、管制塔の指示を無視してマドリッド市内に向かっているという緊急連絡を受けた。予定では2機のF−18戦闘機のうち1機が連絡を受けてから5分後には飛び立っているはずだったが、航空システムの起動までに5分以上時間がかかってしまった。F−18機の最高時速は2000km/hだが、実際バラハス空港とマドリッドの中心地プエルタ・デル・ソルまではたったの14キロしかなく、旅客機の飛行時間は約1分。F−18機が旅客機をインターセプトする予定の現場に到着したときには旅客機はすでに墜落してしまっていたことになり、今回の演習は失敗におわった。


3月8日(金)

バスク社会党は首相および与党に"不誠実"発言の撤回を求める

バスク社会党(PSE−EE)は243名の市会議員を中心として、アスナル首相及び与党に対し、社会労働党(PSOE)を反テロリスト協定に"不誠実"と非難することをやめ、協定を自らの政治的利益のために用いないことを要求する公式声明を出すことで合意した。全員がETAの脅迫にさらされているPSE−EEの議員らは、与党PPと社会労働党の反ETA協定による結びつきを保証し、さらにバスク全体のあらゆる民主主義勢力にまで拡大させるという考えを示すことにしている。

バスク、ナバラでETAの少年組織所属の11人を逮捕

国家法廷判事のバルタサール・ガルソン氏は、約200人の警察官を動員して、ETAの政治組織に対する新たな作戦を指揮した。これにより昨夜バスク、ナバラにおいて、これまでに少なくとも11人の"セヒ"(非合法組織ハライの少年グループ)メンバーが公共および私物損壊、市会議員および公職者への脅迫の容疑で逮捕された模様。数多くの立ち入り検査などによるこの作戦は、逮捕後もさらに続けられる。

"ボテジョン"全滅に向けて新たな法案を可決

マドリード地方政府は昨日、 "ley seca(ドライ法)"のひとつとして、 公道での飲酒を全面的に禁止するなどを盛り込んだ法案を可決した。この法案が州議会で承認されれば、年々激しさを増してきていた"ボテジョン"(若者が週末広場や通りなどで集まって飲酒して騒ぐこと。騒音、ゴミ、モラルなどの面で社会問題となっている)を壊滅させる有効な手立てとなることが期待される。法案の内容は、1)公道での飲酒を全面禁止する。違反した者には労働による社会奉仕の罰を科す。2)ガソリンスタンドや自動販売機でのアルコールの販売を禁止する。3)急性アルコール中毒にかかった未成年の治療をした医師に、その親への知らせを義務付ける。などとなっている。果たして"ドライ法"の名にふさわしく広場や通りをアルコールの湿気から守ることができるのか、行方が注目される。

ピカソ美術館開館予定の宮殿で火災

今日未明、マラガのブエナビスタ宮殿で火災が発生し、建物の一部に天井が落ちたり、へこんだりするという被害があったが、1時間後に鎮火された。アンダルシア州政府は、この宮殿に2003年10月をメドにピカソ美術館をオープンする予定である。ここには、マラガ出身の画家ピカソの親族から寄贈された186点の絵画が展示されることになっている。


3月7日(木)

フランシスコ・ゴンサレス氏、取締役会メンバーを21名に減らしBBVA内の勢力を均等化。

スぺイン最大手の銀行BBVAの頭取フランシスコ・ゴンサレス氏は、3月9日に予定されている同行の株主総会において、取締役員数の削減を提案する旨を発表した。現職32名の取締役の内、元BBV銀行系の12名の取締役に辞任を勧告し、残り20名の内10名を旧BBV銀行系、10名を旧アルヘンタリア銀行系からの役員とし両銀行系派閥の勢力均等化を計ると共に、新たに大株主のテレフォニカから1名役員として迎え入れ、計21名からなる新しい取締役会を提案する予定。1999年にBBV銀行とアルヘンタリア銀行が合併してBBVA銀行が誕生して以来、頭取職をアルヘンタリア系のゴンザレス氏とシェアしてきたBBV系のイバラ氏が、その内部抗争に決着をつける為に、片腕であったウリアルテ専務と共に昨年末急遽辞任したのは記憶に新しい。今回の取締役会再編成は、BBV系のトップ2を失った後のBBVA銀行内の勢力均衡を正し、新しい路線を敷くための内部改革第1歩と見られている。

フエルテベントゥーラ島の移民収容所の「憂うべき?」現状

昨日、国会においてIU左翼連合代表の質問への答弁の中で、アスナル首相は「フエルテベントゥーラ島の移民収容所の環境は確かに改善の余地がある」と認めた。カナリア諸島、特にモロッコに近いランサロテ島とフエルテベントゥーラ島には、モロッコからパテラと呼ばれる粗末な船に乗り込み命からがら新天地ヨーロッパの玄関口であるスペインを目指す移民が多数たどり着いている。モロッコ・スペイン間の外交関係が悪化している中、昨年改正された新移民法にのっとり、数百名に上る移民達がスペイン政府管轄下、旧フエルテベントゥーラ空港ビルに収容されている。この収容所の環境が「基本的人権」を犯すほど「憂うべき」ものであると、IUなど野党やNGOなど人権擁護団体から非難の声があがっている。 IU代表が「照明や換気もない場所に、300名を超える移民が司法上の基本的人権も与えられず、情報を得る術も無く、十分な医療サービスも受けられない状況に暮らしている」と指摘すると、政府側は「たしかにこれらの島への移民の数は急増しているが、3月1日現在収容されている移民は354名であり、2島の収容所のキャパシティー合計600名の範囲内にある。これら移民は弁護士、通訳のサービスを受ける事ができ、衣類や医療サービスも提供されている。」と対応。これに対し野党側は、政府は情報を操作・攪乱していると非難している。

サッカー国王杯決勝;デポルティーボが敵地マドリッドで大勝利

昨夜行われた、サッカー国王杯決勝戦でデポルティーボ・デ・ラ・コルーニャが2−1でレアル・マドリッドを下し優勝、フアン・カルロス国王よりトロフィーを受け取った。"デポル"のセルヒオが前半試合開始から5分でキーパーの足の間を抜ける先制ゴール、つづいて37分にはトリスタンの2点目で試合の行方を決めた。後半レアルはラウルのゴールにより1点を返したものの、デポルの堅い守りに阻まれ、結局レアル・マドリッドはクラブ創立100周年を勝利で祝うことができなかった。
試合が行われたレアルのホームグラウンド"サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム"には72.000人の観衆がつめかけ、フアン・カルロス国王夫妻、フェリペ皇太子、大臣らの見守る中、戦いが繰り広げられた。夜9時の試合開始後はマドリッド市内には人影もなくなった。デポルが始めから勢いよく攻めていったのに対して、レアルのほうは、クラブ創立100周年記念日と決勝戦が重なりチーム内に緊張があったのか、デポルの先制ゴール後次第にあせりが出てきたようだった。港湾都市として知られるガリシア地方のラ・コルーニャ市ではこの夜、市内の体育館に大画面スクリーンを設置し、優勝決定後は大勢の地元市民が通りに繰り出して大勝利の喜びを分かち合った。

麻薬"エクスタシー"の蔓延状況が浮き彫りに

先週末マラガで開催されたテクノの大コンサートで2人の若者が死亡した事件で、精神興奮剤"エクスタシー"の多量摂取が死亡原因ではないかと疑われているが、昨日、この事件以前にも2人の女性が同じように"エクスタシー"の使用後に死亡していたことが明らかになった。スペイン国内における"エクスタシー"の押収量は2000年に30万錠、2001年には60万錠とこの2年間で倍増している。他の薬物に比べ入手が容易で価格も安い"エクスタシー"は14歳から18歳までの若者の間で、パーティーやディスコなどで頻繁に使用されているという。マラガのようなテクノコンサートは、通称"レイヴ"(英語で"錯乱、熱狂"などという意味)と呼ばれディスコ以外の体育館や大ホールで催されるが、"エクスタシー"のような精神興奮剤が大量に使用されていることで知られており、マラガでの2人の若者の死亡原因がはっきりすれば、このような催し物への規制・監視や責任の所在などがこれから議論されていくであろう。


3月6日(水)

ヘスカルテラ社主カマチョ氏、CNMV(証券マーケット委員会)の厚遇?に驚いた。

全国管区裁判所のテレサ・パラシオ予審判事は、顧客がヘスカルテラ社に投資した1億ユーロ「消失」事件を担当している。昨日法廷に喚問されたヘスカルテラ社主アントニオ・カマチョ氏は、その証言の中で、ヘスカルテラ社にCNMVの監査が入った後のCNMVの取った措置が同社にとって非常に好意的だった事に驚いたと述べた。CNVMの要請で、同社は社内全ての部署の資産に関する情報を提出していた。カマチョ氏自身、少なくとも3件の重大過失に関する罰金が予想されていたし、同社の営業ライセンスの更新も危ぶまれていたと述べているが、実際は2件の罰金が科されるに留まった。この「厚遇」の理由についてカマチョ氏は、同社幹部ピラール・ヒメネス・レイナ氏の兄であり当時経済省高官だったエンリケ・ヒメネス・レイナ氏の力でもなく、ヘスカルテラ社がおこなったCNMVメンバーへの手厚い「もてなし」の成果でもなく、「全ての情報を手にしながら行動に出なかったのは、CNMV内部での意見対立」があったからと示唆している。 カマチョ氏は今までと一変して、「ヘスカルテラ社の経営状態は客観的にみても先が無い事は明白だったの、誰も手を下さなかった」と1億ペセタ消失の責任を他者に転嫁する戦術に出た様だ。

国民党書記長アレナス氏の社会党に対する「不義」発言を社会党が非難。

国民党書記長アレナス氏から、PNV(穏健派バスク民族主義系政党)と話し合いを持つなどした社会党の態度は、国民党と社会党間で結ぶテロ対策協定に対する「不義」であり、社会党はこの協定を維持する意志があるのかなどの発言があった。またこのテロ対策協定を詰める為にアスナル首相と社会党書記長ロドリゲス・ザパテル氏との間に予定されている会談の早期実現に関し、アスナル首相から「意志が存在しない」という発言もあった。 この様に、ここ数日国民・社会両党間の不協和音がめだっている。社会党員を標的にしたETAによるテロ行為が2件続けてバスク地方で起こっている最中の、国民党のこれらの発言に対し、社会党側はその憤りを昨日正式に抗議文という形で国民党側に提示した。

9ヶ月連続で失業率上昇

INEM(国立職業安定局)の発表によると、2月の失業者の数は前月比14.321人増の、 1.666.049人となった。これはスペインの労働人口の9.75%にあたる。失業率はこの9ヶ月間連続で上昇している。自治体別にみると、バレアレス地方を筆頭に4つの地方自治体、県別ではバレアレス県、ジローナ県をはじめ15の県において失業率の低下が目立った。2月の無期限雇用契約の求人登録は全体の求人件数の10.02%にあたる114.180件で、2000年同月に比べ9.25%の増加となった。そのうち83.781件の固定労働契約が昨年3月に行われた雇用改革の下で交わされた。

国防省は今年86.000人の職業軍人の増加を目指す

昨年、231年にわたる徴兵制の歴史に終止符を打ったスペインは、新たな職業軍人の募集を続けており、今年は11回にわけて合計86.000人の採用を見込んでいる。今までのところ陸海空軍の兵隊および船員8.045人の募集が行われた。これらの兵士の任期は12ヶ月から3年としている。徴兵制終了後の軍人の補充にあたって、国防省はスペイン全土に53のリクルートセンターを設けて情報提供および選考を行っている。選考システムの改革により応募者は各都市のリクルートセンターで直接選考試験を受けることができ、カウンセラーが本人の適正と希望に見合った配属先を探すことができるようになった。 移民の入隊に関しては、今後3年間で2000人の外国人兵士の採用を見込んでいる。


3月5日(火)

ETA"ビスカヤ・コマンド部隊"、ビルバオ証券取引所に爆弾をしかける

昨日午前10h30頃ETAの名前で、急進派民族主義系地方新聞"ガラ"へ「ビルバオ証券取引所に仕掛けた爆弾が11h00に爆発する」旨の電話が入った。証券取引所のトイレに爆薬21kgからなる爆弾が仕掛けられており、通報を受けた地方警察エルチャンチャは爆弾処理班が作業にかかるとともに、証券取引所を始め隣接ビルに働く人々を避難させ、付近一帯の交通を遮断し、隣接する地下鉄駅、国鉄駅なども一時的に閉鎖したが、爆弾は時限爆破装置のなんらかの欠陥により結局は爆発するに至らなかった。もし爆発していたら設置場所が証券取引所ビルの燃料タンクのすぐ近くだった事もあり大惨事になるところだった。証券取引所は、社会見学として訪れる小中学校生なども含め、多くの人々の出入りがある場所だが、警備カメラなどの設置もなく、ガードマンもおらず、セキュリティーチェックは一切行われていなかった。 証券取引所はビルバオ市の商業・金融の中心地に位置しているが、今年1月12日にバーゲン客などであふれるビルバオ繁華街にETAが車両爆弾を仕掛けた場所から200メートルほどしか離れていない場所にある。ビルバオ市民は昨日のこの騒ぎで生々しい惨事を思い起こさせられた。 2月19日にセスタオで社会党員の青年マディナさんの車に爆弾を仕掛け大怪我を負わせ、3月1日にポルトガレテにて買い物カート爆弾で社会党員の市役所助役とその護衛官に怪我を負わせ、そして昨日この爆弾を設置するなど、最近ETAのビスカヤ・コマンド部隊の活動がエスカレートしている。
一方元UGT(社会党系大手労組)書記長で、現在は政治・労組活動から退いているニコラス・レドンド氏の自宅(3月1日に買い物カート爆弾が爆破されたのと同じ街ポルトガレテにある)の玄関先に不審な包みが置かれていた。通報でかけつけた警察の調べで、それは圧力鍋を利用した簡易爆弾である事が分かった。爆破装置はなく爆発の可能性は無い事が最終的に分かったが、一時は建物全体に避難命令がでるなど騒然とした。

政府は犯罪率増加の理由に移民の増加と被害届簡易化の成果を挙げる

2000年度から2001年度の犯罪率の増加が10%を超えた事実が世論を騒がせているが、政府はこのほどこの犯罪率増加の理由をいくつか挙げた。第1の理由は不法移民の増加。NGOの発表によるとスペインには20万に上る不法移民が存在している。彼らは、スペイン国に対して移民手続きを行い合法移民として認めてもらう道は断たれている一方、その祖国からは国民として認められていない。このような事情の為スペイン側も強制送還をする事もできないので、彼らは法の狭間に漂う人々といえる。強盗引ったくりなどの犯罪逮捕者の50%近くが不法移民という数字が出ている。第2の理由は軽犯罪において、逮捕されてもすぐ釈放される犯罪者が繰り返し犯罪を起こす事。昨年だけでも4000人の「常習犯」が一人平均5回逮捕されては釈放されている。現場に臨む警察官などから、検察や裁判官に対しもっと厳しい処置を希望する声が強くなっている。第3の理由として政府は被害届手続きが簡素化し、今まで届を出さなかったようなケースでも電話やインターネットを通して被害届を出すようになった為としている。また損保会社などが保険金支払いの際被害届の提出を義務付けるようになった為、被害届件数が増えているともしている。
このように政府が挙げている犯罪増加の理由は全て政府の政策とは無関係な部分で、"デフィシット・ゼロ"(赤字ゼロ国家予算)達成のために行ってきた治安政策予算の削減、それに伴う警察官数の削減などには一切触れておらず、この点に野党などの非難が集中している。

マラガでの大コンサートで2人の若者が薬物中毒により死亡

死亡したのは、イバン・ガルシア・アランダさん(19)とホセ・ホアキン・フェルナンデスさん(20)。2人は2日深夜から4日夜にかけてマラガの体育館にて開かれたテクノ音楽の巨大コンサートに来ていた。8000人収容のこの体育館には最も多い時で15000人がつめかけ、参加していた未成年の間でも多量の麻薬使用と飲酒が行なわれていたと見られている。捜査当局筋は会場内では「莫大なデザイナー・ドラッグズ(「違法」とされている薬物の分子構造の一部を別の物に置き換えた擬似薬物)の使用」を示唆した。
ウエルバ出身のイバンさんは、2日土曜日の深夜1時ごろから気分が悪くなり、ひきつけを起こし始めた。赤十字のスタッフが駆けつけたときには、脈拍が通常の約3倍にあたる200を超えており、マラガ診療病院に運ばれたが、すでに手の施しようがなく午前3時ごろ死亡した。捜査当局に近い筋は、イバンさんは幻覚剤エクスタシーの過剰使用の他にもおそらくLSD使用および多量の飲酒をしていたのではないかと言及している。日曜に検死が行なわれ、数日中には結果がでるといわれている。この事件に対し、司法、警察両当局による捜査が開始された。 また20歳のホセ・ホアキンさんは昨夜9時30分ごろに同病院で死亡、病院の発表によると、死因は「いかなる治療も結果を得られない多機能不全」であった。この夜赤十字のボランティアスタッフたちは、15歳から20歳までの若者20人の手当てをした。彼らはみなデザイナードラッグズ中毒の症状がみられた。年長の若者たちは麻薬を購入していたが、年少者はみな会場にて無料で配られたという証言で一致している。 イバンさんの父親フアン・ガルシアさんは、本日中にもコンサートの主催者を訴えを届け出ることを表明し、「息子の死因がはっきりするまで戦うつもりだ」と述べた。主催者側は、コンサートの開催にあたっては全ての法的義務は遂行されたとしている。 国立麻薬撲滅計画が一昨年2万人の学生を対象に行なった調査によると、アンフェタミンの擬似薬物の一種であるエクスタシーは、14歳から18歳の若者の娯楽の場面でもっとも使用されている麻薬であるという。

100周年記念に優勝なるか、レアル・マドリッド

スペインの名門サッカークラブ、レアル・マドリッドは6日、クラブ創立100周年を迎える。しかもその記念すべき日に、「コパ・デル・レイ(カルロス国王杯)」の決勝戦でデポルティーボ(ラ・コルーニャ)と対戦することになった。試合が行なわれるのもレアルのホーム「サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム」。100歳の「誕生日」に国王杯を手にする事ができるか?


3月4日(月)

ETAが買い物カート爆弾をしかける

先週木曜28日午前9時ごろバスク地方のポルトガレテ市の路上に放置されていた買い物カートが爆発した。これはテロ集団ETAがポルトガレテ市役所の助役で社会党員のエステル・カベスドさんを暗殺する為彼女の通勤路上に30キロのダイナマイトを仕込んだ買い物カートを放置し、リモートコントロールで爆破したもの。エステルさんとその護衛官は、カートと反対側の歩道を歩いていたが、たまたま爆発時に小型トラックがその間を横切った為、二人は爆破の直撃を免れ、怪我は負ったが命に別状はなかった。朝の出勤時のためこの他にも3名の怪我人が出た他、周囲12軒の建物内の45戸の住居に被害が及んだ。翌3月1日金曜にはポルトガレテ市議会臨時総会が開かれた。議会では各政党がこのETAのテロ行為に対する抗議声明を発表したが、バタスナ党(ETAの政治母体)がお決まりの声明文(バタスナ党はETAのテロ行為に対し、遺憾は表明するが告発はしない)を読み上げると、詰めかけた一般市民から野次や怒号が飛び交い一時は会議場が騒然となった。 3月2日土曜には同市で呼びかけた抗議デモに約5万人が集結し、「ETA、NO。平和と自由を」の横断幕を先頭に、静かに市内を練り歩き、「ETAの無差別暴力に対する無言の抗議」を示した。

マドリッド・セビーリャ両市間で持たれていた共同オリンピック候補の話合中止

アテネ,北京に次ぐ2012年のオリンピック開催地の候補に名乗りをあげいるマドリッドとセビーリャの両市間で持たれていた共同開催の為の話合は28日金曜に急遽中止となった。これは最近国際オリンピック委員会で、「各種競技を行う競技場の間の距離は最高50kmを越えてはならない」という新しい規定が採択された事によって、500kmはなれた両市での共同開催は事実上不可能となった為、ここ2ヶ月ほど両市のオリンピック開催候補準備委員会が行ってきた交渉は水泡と帰してしまった。

ヨーロッパ室内陸上ウイーン大会、スペインにメダルの雨

スペイン陸上界が熱く燃えている。2日の8個のメダルに加えて、3日にはさらに3個のメダルを獲得した。特に女子3000メートルで優勝したマルタ・ドミンゲス選手の活躍が目立った。これによって3日までの最終結果は、5個の金メダル、銀、銅3個づつの計11個のメダルという、スペイン陸上界始まって以来の快挙を達成した。メダル獲得数では2位にロシア、3位にはポーランドと続いた。 パレンシア出身のマルタ・ドミンゲス選手は96年、97年、98年と3大会連続で銅メダルを獲得してきたが、ついに初の金メダルに手が届き、女子3000メートルの女王の地位に輝いた。3日の大会ではその他に男子800メートルでアントニオ・レイナ選手、男子400メートルリレーでそれぞれ銅メダルを獲得した。2005年のマドリード大会に向けて、かつてない輝きを見せているスペイン陸上のさらなる活躍が期待される。

スペイン人の3人に1人は買物中毒?

スペイン消費者連合(UCE)がさきごろ発表した統計によると、スペイン人の3人に1人は必要以上の消費をしていると自ら認識しているという結果がでた。 心理学者でUCEの協力者でもあるガルセス氏は、この結果および類似の研究結果がでたマドリード市役所の発表を踏まえて、「スペイン人口の3パーセントが"消費中毒"にかかっている」と言っても過言ではないと指摘した。オニオマニアと呼ばれる消費中毒の主な症状には、「気分をよくするために買物に出かけ、必要のないものまでたくさん購入し、時には同じ商品をいくつも買ったりする。また購入した商品を実際に使用することはほんどなく、結局は返品してしまうこともあれば、開封することもなく包みを溜め込む、さらには家族にも見られないように隠してしまう」、などが挙げられる。ガルセス氏は、過度の消費を避けるためにはクレジットカードでの買物を控え、家計簿をつける、また買物欲を押さえるには「欲しい」とおもったらすぐにお店やショッピングセンターから出て、いまいちど本当に自分に必要なものかどうかよく考えてみるという習慣をつけていくことを勧めている。またサンティアゴ大学臨床心理学教授オテロ・ロペス氏は、「とくにバーゲンの季節は、買物に多くの時間を費やしがちで、さらに広告につられて衝動買いをしてしまうことが多い」と指摘している。




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