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毎日のトップニュース


5月31日(水)

ETA、コマンド部隊を強化か?

内務省では、2月にビトリアでフェルナンド・ブエサ氏と彼の護衛警官がETAのテロによって殺害された件につき、事件直後はこのテロ行為を直接行ったのは“コマンド・ドノスティ”に所属する移動部隊によるものではないかという仮定を披露していたが、最近になって再生したコマンド・アラバによるものではないかとの仮定に傾きつつある。
“コマンド・アラバ”は“コマンド・ビスカヤ”“コマンド・ドノスティ”と並ぶ実行部隊であるが、1998年に治安警察隊によって解体された状態にあった。また、“コマンド・ビスカヤ”も治安警察隊のパトロール車襲撃が未遂に終ったことで力が弱まっていることからETAにとってはなるべく早く組織の立てなおしを図り、強化していく必要性が出てきている。
アンチテロリスト団体ではETAが資金集めのために新たな誘拐事件を計画している可能性についても捨ててはおらず、企業への“革命税”の支払い要求がきていることも確認されている。
一方、フランスの内務省はETA対策のための警察官の増員を発表しており、両国の協力を徹底していくという姿勢を示している。

現金輸送車襲撃の犯人の身元割れる

今月8日にビゴで起きた現金輸送車襲撃事件(5月9日のトップニュースの項参照)の犯人の身元が判明した。犯人はテロリスト集団GRAPOのメンバーで、3人のうちの1人は写真での目撃証言との照合だけでなく現場に残されていた遺留品の中にあった手書きのメモからもイスラエル・トラルバであると確定した。写真だけでの確認になっているが犯人の女性1人はエステル・ゴンサレスとみられ、残る1人はGRAPOの設立当初からのメンバーで1993年にグラナダの刑務所から脱走してから行方のわからなくなっているフェルナンド・シルバ・サンデの可能性があると公表された。
GRAPOはこの事件を起こす以前に政党の支部、公共施設、報道機関などを中心にテロ行為を繰り返していたが、人的被害までが至らなかった。
中央政府は諜報機関CESIDを通して彼らが起こした誘拐事件に関して交渉を続けていたが1997年に交渉が決裂してからテロ行為が再開している。警察ではフェルナンド・シルバがこの誘拐の情報を握っているとみている。

イニャキ・ウルダンガリン、シドニーオリンピックを最後に引退することを表明

スペインの代表ハンドボール選手であり、クリスティーナ王女の夫でもあるバルセロナのイニャキ・ウルダンガリンが引退を表明した。
19歳よりバルセロナに所属、ハンドボール選手としては最高の52のタイトルを取得、バルセロナ、アトランタのオリンピックでも活躍した同選手は32歳、最高潮の時点で選手生活を終わらせる決意をした。
昨日の記者会見では、この引退が“けがによるものでもなく、王女の夫としての公式行事をこなさなければならないという活動によるものでもなく、また、社会からの圧力によるものでもない”と説明。さらに、“引退の決意をすることは自分の人生の中で恐らく一番難しい決断であったと思う”と述べた。 会見の席にはヌニェス会長も同席、彼の今までの功績をたたえるコメントをするのも涙で声が詰まっていた。
同選手は、引退時期を代表監督が彼を必要とするのならば、シドニーオリンピック出場後となると述べた。


5月30日(火)

心臓外科医団体、手術待ち患者リスト問題で厚生省に直訴

最近、心臓の手術待ちをしている間に死亡してしまった患者がいるという告発、厚生省が手術待ち患者の人数を改ざんしているという問題に関して、心臓外科医団体は厚生省に問題の早期改善を図るよう求め、昨日第1回目の会合を持った。
この会合には厚相の代理人、社会保健事務所局長、事務長、心臓外科医団体のメンバーが参加、団体側からは5つの項目からなる医療の現状を記した報告書が提出された。この報告書には国民の高齢化に伴い心臓外科手術の需要が増加しており、医者の数がそれにおいついていないことや、人的物的両面にわたって強化して行く必要があることなどを述べている。
手術の順番待ちの人数を少しでも減らす為に、公立病院で働く心臓外科医が無報酬で午後も手術をする用意があると団体側は前向きな姿勢を見せている。
その反面、ビジャロボ厚相は、新聞に出ている告発記事や改ざんされたとされる人数に関しては新聞紙上で取り沙汰されていることなのだから、新聞記者が調査すれば良いことと一蹴している。

カタルーニャ自治体、大学入学選抜試験におけるスペイン標準語使用について譲歩

カタルーニャの自治体は大学入学選抜試験でスペイン標準語使用を認めることを取り決めた新しい規定についての通達を各大学総長宛て出した。
現在までのところ、カタルーニャ自治体で大学入学選抜試験を受ける場合、特別な場合を除いてはカタルーニャ語の試験問題しか用意されていなかった。特別な場合とは受験者が試験直前に別の地域から引っ越して来るなどして小中学校でカタルーニャ語教育を受けていないという証明をあらかじめ提出していた場合であった。それにもかかわらず、受験者には試験監督官がわからないことばを標準語に訳して説明するなどして、標準スペイン語でかかれた試験問題を配布することを妨げていた。
今回の規定改正では、受験者があらかじめ証明書を提出する必要なく、当日標準スペイン語での試験問題を試験会場で求めた場合にはそれを配布することが義務とされた。もちろん解答に関してはどちらの言語で書いてもかまわないこととなっている。
この2つの言語の使用をめぐっての論争は1998年にタラゴナの大学で受験者の求めに応じてスペイン標準語で書かれた試験問題を配布した同大学の教師がそれを理由に大学側から翌年の入学試験委員からはずされたことを裁判に訴えたことが発端となっている。
この改正はカタルーニャ自治体の大きな譲歩といえる。

同級生惨殺事件は日本刀で家族を殺害した少年を模倣したもの?

先週末に16歳の同級生の少女を惨殺した容疑で逮捕された16、17歳の2人の少女に対する尋問が昨日から始まっている。(昨日のトップニュースの項参照)
この2人が被害者を選んだ理由は“影響を受けやすく、弱いから”ということで動機に関してははっきりと示してはいないが、警察の調べて行く過程でこの少女2人が、先日ムルシアで両親と妹を日本刀で惨殺した16歳の少年に憧れていた様子であったことが明らかになってきている。
少女の部屋からは多数のホラー小説、上記の少年についての写真や記事の切抜き、彼女達が彼に対して憧れを抱いていたとみられる文章などが発見されている。
警察の質問に対しては最初は冷淡な態度を示し、殺害に関して“新しい経験だった、(殺害の行為が)気分が良かった、有名になれると思った”などと述べていたが、尋問後には泣き崩れ、後悔している様子であったという。。また、悪魔崇拝による儀式としての殺害行為なのか、もしくはロール・ゲームに参加していたのかということに関しては否定している。


5月29日(月)

アスナル首相、国家諜報機関の改革を提案

アスナル首相は、前任期の公約でありながら実現されていなかった国家諜報機関(CESID)の改革を今任期中に行うことを提案した。
この改革ではシークレットサービスをコントロールする目的、仕組みを明確化した法を立案し、何かと問題のあるCESIDを批判の対象からそらすことを意図している。さらには初めてCESIDの長官を民間人から出すことを明らかにしている。
実際には国会での検討を始めるのはPSOEの幹事長選終了後としており、新長官の任命は現長官の任期が切れる来年の夏以降となることを予定している。
また、現在国防省に属しているCESIDが内閣直属の機関となることも検討されているが、これに関しては懸案事項があり本決まりとはなっていない。もし、CESIDにからんだスキャンダルが発覚したときに首相に責任が及ばないようしかるべき地位の人間が辞任する必要性がでてくる。内閣直属となると副首相級の首が求められ、失う物があまりにも大きすぎるのではないかということのようだ。

ETAの被害者ロペス・デ・ラカジェ氏への敬意を表する集い

5月7日にETAのテロ行為の被害者となった“フォーラム・エルムア”の創始者で新聞記者でもあったロペス・デ・ラカジェ氏に敬意を表する集いが昨日、ギプスコア、アンドアインの彼の墓地で行なわれた。家族や友人、文化人、政治家などが生涯にわたり“フランコ主義との戦い”、“自由を伴った責務”を謳い続けた同氏をたたえた。
この集いの中で彫刻家のアグスティン・イバロラは「“フォーラム・エルムア”は民族主義の助けを借りたETAによって脅迫されている。」と述べた。
一方、ビスカヤのコルテスビではイバロラ氏の作品がETAの支持者によって攻撃されたのを受け“平和への行動”の催した反暴力を訴える行事が同時に行なわれた。

少女2人が同級生を惨殺、悪魔崇拝による儀式か?

カディスのサン・フェルナンドで土曜の朝に16歳の少女が惨殺死体となって発見された事件の容疑者2人が逮捕された。容疑者は被害者の同級生で16歳と17歳の少女。
この事件の夜、被害者は容疑者2人とともに他の仲間たちと遊びに行くといって出かけたまま、家に戻ってこなかったため両親が心配して捜索願いを出していた。少女達の他の仲間たちは被害者が約束場所に現れなかった理由を容疑者2人に尋ねていたが、今日は見ていないとの答えに何の疑いも抱いていなかったという。しかし、高校の友人達の話をもとにこの少女3人が約束をしていたことが判明、警察がこの少女2人の家に行くと血まみれの洋服と殺害に使ったとみられる凶器が発見された。
この事件を重く見た裁判所では少女2人の身柄を拘束するとともに、2人が口裏を合わせないようにサン・フェルナンドとカディスの別々の留置場に収容された。動機に関しては今だ不明。
友人達の証言には3人の少女に対する見方がわかれており、3人がいつも一緒におり、悪魔崇拝のような儀式にはまっていたとする証言もあれば、被害者の少女はずいぶんと前からこの2人とは離れており、成績も良くしつけの行き届いた問題のない子であったという証言も出てきている。


5月26日(金)

不法移民の合法化手続き申請者数、当初の予想を上回る

昨日公共行政省は、3月21日から始まっているスペインに不法に滞在する移民の合法化手続きの中間状況を公表した。
これによると、手続き開始前に政府の予想していた8万人という数を大幅に上回り、全国で126889人が既に申請書を提出しているという。そのうち42817人に関しては書類の審査が終了しており、これらほとんどの人が合法滞在者の資格を得ている。
手続き申請の大半ははマドリード、バルセロナ、アルメリア、ムルシアに集中しているが、マドリードで半数以上の手続きが終了しているのに対し、他の地域は結果を出すのに時間がかかっている模様。 公共行政省では最終的には15万から20万人の不法移民達がこの制度の恩恵を被ることになるだろうと見方を変えている。
この手続きを開始してから各国のマフィアが暗躍し、7月31日までにスペイン国内に入国すれば永久的にスペインに滞在できるという誤った情報を流し、移民の流入に拍車をかけている。密入国を試みる人々の母国にあるスペインの大使館、領事館では誤った情報が流れることを阻止することは不可能であるとお手上げ状態だという。さらに密入国者が何の身分証明書も持たないため一旦入国に成功してしまうと違法であることが明らかでもそれを証明するてだてがないため強制送還することも不可能であるという。

ETAの囚人支持者、ビスカヤとギプスコアの交通網を混乱させる

刑務所に収監されているETAのメンバーの権利を守る週間と称してETAを支持する団体によって様々な行動が起こされている。
昨日は、ビスカヤとギプスコアでビルバオにアクセスする鉄道の架線を支える支柱を壊し不通にしたのをはじめとして、高速道路をセメントを詰めたコンテナで封鎖し上り下り線を止め、利用者の足を乱した。
労働団体のLABはETAの囚人支持を声高に叫んでおり、ストライキ、デモの召集、さらには月曜日からはサン・セバスティアンのバスク大学でハンガーストライキを行っている。また、労働団体ELAにこの行動への参加を呼びかけていたが、拒否されていた。
一方、ビルバオ、ポルトガレテ、バラカルドの市議会ではETAを擁護するEHの議員が抗議文を読み上げようとしたため、議会が中止されている。
LABによると計55のデモが行なわれ、22000人が参加したということである。

社会保健事務所が心臓手術を待っている患者の数を粉飾報告したことが発覚

今週、厚生省大臣の発言に続き、社会保健事務所が心臓手術待ちの患者の数を公表していたが、その患者の数が操作されており、実際よりも少ない数が報告されていたことが判明した。
報告の中では全国で6ヶ月以上手術を待っている心臓病患者は16人とされていたが、カンタブリア、アストゥリアス、サラゴサ、バジャドリーの4県だけで65人に達していることがわかっている。
リストの人数を改ざんする方法がいろいろと挙げられているが、公立の病院では日常的に行なわれることだと言う。例えば、手術が必要だという医者からの告知後1ヶ月以上リストにのせてもらえない、長期待機患者は1度リストからはずされ、同じ日に新たな患者として登録される、手術の日をあらかじめ教えてもらえずひどい場合は当日に電話で知らされ、その電話に2回続けてでなかった場合はリストの一番最後にまわされる、この場合待機日数が0からはじめられるといった手法をとっている。
このような状況に対してPSOEは厚相に対して待機患者患者の人数を明らかにし、どのような対策をたてていくのかはっきりさせるよう求めている。


5月25日(木)

法務省、裁判の迅速化を図るための計画を発表

昨日、法務省アセベス大臣は裁判の迅速化を図るために、裁判官不足を補う為の計画を発表した。
この計画では、現在裁判官のポスト7席に1席の割合で欠員が出ており、合計すると約500人の定員割れ状態である。この欠員を少しでも埋める為に2003年12月末までに裁判官の定年を70歳から72歳に引き上げ、さらには75歳までは正規の裁判官の代役として活動できるよう定める予定にしている。その結果、経験のある裁判官200人あまりが、続けて裁判に携わることができることになるという。
また、司法研修所での研修期間を2年から1年半に短縮し、現在在籍している224人の研修生を繰り上げ卒業させることをも検討している。
さらに、アセベス法相は裁判官と検察官の採用試験を統合し、試験課目の削減することも計画の一つであると発表。上級裁判所の民事、刑事法廷の裁判官の仕事が少ない時には他の法廷へ振り分けることもありうることを示唆している。

アルサジュス氏、内務省はETAのコマンド部隊を捕らえる為にブエサ氏を利用した、と爆弾発言

昨日、バスクテレビでPNV党首アルサジュス氏は、ETAが標的としていた人物のリストを内務省はバスク警察に隠していたのではないかという疑問に関して意見を述べる中、内務省を攻撃する発言をした。
同氏は、内務省はETAのリストの中にブエサ氏(2月にETAのテロによって死亡)があったことを知りながら、そのことをバスク警察に隠し、ブエサ氏をおとりとして利用しコマンド部隊を一網打尽にすることを考えていたと糾弾。これは、テロ当日、その数日前、国家警察がブエサ氏の家の周辺をうかがっていたことを目撃されていることから推定されるものとする。
内務省マジョール大臣は、先週の内務省批判に続いて今回の発言に、全く根拠のないこと、と一蹴、バスクの社会を手に入れるためにPPとPSOEの間に亀裂を生じさせようと、PNVは嘘の上塗りをしていると批判した。

レアル・マドリード、チャンピオンズリーグを制す

昨日、パリで行なわれた欧州チャンピオンズリーグの決勝は史上初のスペインチーム同士の対決となり、レアル・マドリードがバレンシアを3−0で下し、2年ぶり8回目のヨーロッパ・チャンピオンに輝いた。
前半にモリエンテス、後半にマクマナマン、ラウルのゴールが決まり、危なげなく勝利をものにし、初めて決勝進出を果たしたバレンシアに古豪の雄であるところをみせつけた。 チャンピオンの優勝盃がスペインのフェリペ皇太子より、主将のサンチスに手渡され、長いリーグに終止符をうった。
今回のヨーロッパ戦ではサポーター達の暴走が悲劇を引き起こすことも多々あったが、昨日の試合前後には心配されていた衝突も全くなく、スペインのサポーター達のお行儀のよさもアピールする良い機会となった。
マドリードのシベーレス広場には優勝が決定する前後からぞくぞくと市民が集まりだし、喜びをわかちあい、花火や爆竹が鳴り響き夜中まで大騒ぎが続いた。
酔っぱらった急進派のサポーター達が警官隊にビンやいろいろな物を投げつけ、警官隊と衝突、これによって50人あまりが怪我をするといった嬉しくない報告もでている。


5月24日(水)

スペイン、フランス共同閣僚会議にてETA撲滅のための協力体制を確認

サンタンデールで行なわれている第8回フランス・スペイン共同閣僚会議にて、昨日ETAを撲滅する為の協力体制を強化することを確認しあった。フランス、シラク大統領はスペインに対し、無条件の協力を申し出ている。
シラク大統領は両国の司法手続きの相違を埋める何らかの解決法を見出す用意があることを示しているが、スペイン側は法改正をせずとも両国の相互協力で手続き期間を短縮することは可能だとみている。具体的にはバヨーナの警察センターとパリのテロ対策局でスペインフランス共同のテロ対策チームを拡大すること、フランス国内で逮捕されたETAメンバーの尋問にスペイン側が参加できるようにすることなどである。もし、直接尋問が不可能であるようなら、必要な情報を即時手にいれることができるよう取り計らってほしい旨の申し入れをしている。
それに対し、シラク大統領は前向きに検討して行くことを約束している。

社会保健事務所、手術の順番待ちの人数を発表

前日厚生省大臣が最近問題になっている手術の順番待ちリストの公表に関しての意見を発表したことに引き続き、昨日国内38%を支配する社会保健事務所が3月31日現在の人数を公表した。
但し、この報告に関しては毎年2回行っている通常の発表であることを付け加えている。
この報告の中では心臓の手術待ちの人数はスペイン全国で2200人、平均待機日数が75日としている。このデータについては社会保健事務所のほか各自治体の持つ保健システムの協力を得ての数値である。
社会保健事務所のモレノ所長は記者会見で前日の厚相の意見を踏襲、各病院、各科の詳細なデータは公表しない方針であることを確認した。
社会保健事務所に所属していないバスク自治州での平均待機日数は1ヶ月と短く、カタルーニャでは平均2.8ヶ月とスペイン国内で最悪の数値を示している。
一方、労働団体UGTではこのような医療の状況を訴えるよう市民に呼びかけており、また、消費者保護協会では各保健事務所の出している数値は粉飾されていると批判している。

マドリード自治体、麻薬中毒者を車で麻薬を打てる施設に運ぶことを検討

本日、マドリードの自治体はマドリードの郊外バランキージャに麻薬患者のための安全かつ、衛生的な環境で打つことができる施設をオープンする。この施設の設置はスペインで初めての試みで医者、看護士、ソーシャルワーカー、警備員常駐しており、注射器、精製水などを無料で配布する。朝9時から夜9時まで開いており、マドリード自治体が契約した会社が人員を派遣するシステムをとっている。
ここでは劣悪な環境で麻薬を打つことによって2次的な病気に感染する危険が増えることを麻薬中毒者に説明、さらには麻薬からの脱却を求める人には適切な助言を与え、指導する。
しかし、ここに一つの問題が出されている。この施設のある場所が通常ヘロインやコカインを売っている場所から1キロメートル程離れていることである。この1キロの道のりの間に買ったばかりの麻薬を強奪されるといった心配があるため中毒者がはたしてその危険をおかして施設にやってくるかどうかという点が疑問とされる。そのため麻薬対策機関はこれら中毒者を施設まで運ぶ中古RV車の購入を検討している。


5月23日(火)

ガルシア−カステジョン判事、テロ対策相互協力のためパリ赴任決定

全国管区裁判所のマヌエル・ガルシア−カステジョン判事がフランスとのテロ対策相互協力のためフランス法務省に赴任することが決定した。今週金曜日の閣僚会議で正式決定、辞令が発令される予定。
この決定はフランスとスペインがお互いの判事を交換することで両国の情報交換を円滑に進めることができるとした1996年12月の協定に基づいている。フランス側は1997年6月に既にフランソワ・バディ氏をマドリードに赴任させており、スペイン側からの早期着任を待っている状態であった。
同判事の任務は、お役所仕事や両国の司法の相違によって法的救済の申し立て手続きや身柄引渡しの遅れを避けることが主であり、また、逮捕者の尋問に参加する事もできる。
フランス法相は同判事には全ての事例をくまなく担当してもらうと公言しているのに対し、スペイン側はETAのテロ対策に重点をおくことを期待している。
同判事はバネスト事件、アトレティコ事件などの経済事例を担当しただけでなく、ETAによるアスナル首相(当時野党第1党党首)殺害未遂事件、エルムアでおきたミゲル・アンヘル・ブランコ殺害事件を担当した経験も持つ。

厚生省大臣、手術の順番待ちに関してガラス張りにすることを支持

先日、バルセロナの病院の心臓外科部長が手術を要する患者の順番待ちに関する批判を新聞紙上に掲載したことに影響を受けてか、各方面で病院内の問題が噴出する中厚生省ビジャロンガ大臣が手術の順番待ちに関しての意見を発表した。
手術の順番待ちリストに関しては常に明らかにして行くことに賛成の意を示しているが、各病院にどれくらいの人数の人が順番待ちをしているか、自分の手術がいつになるかといった細かいデータに関しては公表しない方針であることを述べた。例えば、心臓手術順番待ちリストに上る人数は去る1月に全国で692人いることが判明、平均待機日数は119日であったが、それ以降のデータは厚生省と各自治体が把握しており、細かいデータの公表は新聞の見出しを賑わせる効果しかないと説明。
順番待ちを少しでも減らす為に現在、公立私立を問わず、各病院の収容能力、かかる費用の算出を急いでいることを強調した。
一方、バレンシアのアルナウ・デ・ビラノバ病院では卵管検査の結果を出すのに7ヶ月もかかているということが判明している。一般的にこの種の検査は30日以内に結果を患者に告知するよう指導が出ている。この病院の分析センターでは年間11000件の検査を扱っており、90年代には人手不足のため結果が出るまでに14ヶ月かかっていたため5人の専門家を増やし、やっと半分の期間に短縮できたという経緯がある。

バラハス空港、霧の影響で44便のキャンセル、700便あまりが遅延

昨日午前中、マドリードのバラハス空港では深い霧のため、約700便の離発着に平均1時間の遅れを出し、44便が欠航、75000人が影響を受けた。
AENAではこれらの遅延、欠航の原因は視界不良であるが、それ以外の要因もあることを認めている。霧が発生していたのは夜中3時から午前10時までの間で、通常であれば1.5キロメートルまでの視界が開けるが、昨日の場合はそれが200メートルを切っていたため1時間に74便の離発着を行えるところ50便台にとどまった。さらに午前中の遅延がそのまま尾を引き、午後になっても平均1時間の遅延を回復することはできなかった。
霧以外の原因としては、乗務員の最長労働時間を超えることによるローテーションの変更、機体の変更、チェックインカウンター閉鎖や荷物・食事の積みこみの遅れなどが重なっている。
さらにAENAはユーロコントロールで把握しているバラハス空港の時間通りの離陸率は50%にしか達していないことを明らかにしている。


5月22日(月)

HBの内部で新たな派閥形成、ETA擁護派を批判

HBに属する25人から30人の党員がETAにおもねる党に対して、バスク、ナバーラの新聞に署名入り批判文を掲載、新たな派閥を形成することを発表した。この派閥にはイニャキ・アルデコアやパッチ・サバレタなどが名を連ね、6月中旬には正式発足を予定している。
この派閥はETAが党内部に入りこむことは受け入れがたいと考え、ETAに政治の舞台から身を引くことを求めるとしている。
この掲載文では、ETAやその配下の者達の暴力を真向から否定、政治活動はその分野においてのみなされる必要があることを説いている。
さらには昨今HBが、総選挙を棄権したこと、ゼネラル・ストライキを召集したことに疑問を呈し、自らの犯した間違いを検証し、目をつぶることのないよう“自己批判”を求めている。

間接税の上昇の影響を受けて、納税額が上昇

昨年度の税制改革により、所得税の支払いが減少したにもかかわらず、消費にかかる間接税が上がったため、実際には各人の納税額は前年度よりも増加している。
ガソリン、タバコなど消費の多いものにかかる税金の上昇、新たに創設された保険料や電気使用などにかかる税金で実質的には減税分を上回る税収となっている。
公式発表にはなっていないが、昨年度の納税額は国内総生産の35.37%にあたり、前年度より0.67ポイント上昇しており、増収分の80%は生産、輸入に係る税金、9%が所得税とみられている。 付加価値税(VAT)は輸入品の伸び、燃料の値上がり、個人消費に支えられ17.1%増を示し、特別税の中では昨年度、前年度比18.1%増の新たな登録があったことを受けて、自動車税の納入額が約27%増加している。

警察署内で死亡したギネア人の家族、再度の検死を求める

土曜日の夜中、ランサロテの警察署内で死亡した32歳にのギネア人男性の家族が死亡原因に不審を抱き、再度の検死を求めている。
この男性はマドリードに在住で、妹とともに先週ランサロテにバケーションに出かけた。パブから戻ってきた夜中の2時半頃にパトロール中の警官に身分証明書の提示を求められたが、それに抵抗、その場で逮捕された。
その翌日、家族が警察署に出向くと既にこの男性は死亡していることを告げられた。
警察の説明によるとこの男性は大量の麻薬を1度に飲んだための窒息死で、赤十字もこの説明を裏付けている。しかし、家族が男性の安置されている場所で撮影した写真の顔には打撲の跡が見られ、さらには身体中に同様の跡があることから、死亡原因が警察署内で行なわれた人種差別による暴行ではないかと疑っている。
打撲に関する警察の説明は、逮捕時の抵抗がすさまじかったこと、その際に地面に倒れこんでも抵抗をしつづけたことでおきたものということである。
家族の弁護士は逮捕をした警察官と目撃者の証言を求めている。


5月19日(金)

内務省議員、ETAに関する情報を隠蔽したとしてマジョール大臣を直接糾弾

昨日、バスク州議会で内務省のバスク議員ハビエル・バルサ氏は、内務省は警察によって押収されたETAの“コマンド・ビスカヤ”に関する情報を内務省のバスク局に知らせなかったことで同局の弱体化を狙ったとして、マジョール内務大臣を直接糾弾した。
このコマンド部隊の書類にはバスク州の裁判官の名が挙げられており、ETAの標的となっている可能性があるにもかかわらず、その書類の存在を2週間も省内に留め置いたとし、裁判官の安全性が問題になると批判している。
この糾弾に対して、内務省は公式な回答を避け、内務大臣は安全性についての事柄を公に論争することはできないため個人的にバルサ氏と話し合うとコメントした。

ガソリン、14日間で5回目の値上げ

昨日で、5月4日以来ガソリンの値上がりが5回目を数え、さらには原油の国際価格が変わらず、ドル高が進めば新たな値上がりの可能性も指摘されている。
スペインの大手3社レプソル、セプサ、BPは同時に値上げし、無鉛ガソリン1リットル137.9ペセタ、スーパー147.9ペセタ、ディーゼル113.9ペセタとなった。1月に比較するとそれぞれ13ペセタ、18ペセタ、6ペセタの値上がりである。
これだけの値上げを記録しているにもかかわらず、スペインのガソリン価格は国際価格より6ペセタ低くユーロ安に関しても全てを価格に反映しているわけではないと業界では説明している。さらにこれから夏に向かいガソリンの需要が増えること、ガソリンの産出量の増加を期待できないことなども同時に示唆している。
アナリスト達は、5月の消費者物価指数は1〜1.5ポイント上昇することは避けられず、政府の目指している2%を大幅に超え、3%以上になることは確実と見ている。

バルセロナの心臓外科部長、手術待ちの患者7人の死を告発

バルセロナにあるサン・パウ病院の心臓外科部長が、昨日発行された新聞“ラ・バングアルディア”にて、彼の勤める病院の心臓外科で昨年の夏から数えて既に7人の患者が手術の順番待ちの間に死亡していると告発した。
同病院では心臓の手術が必要とされる患者の順番待ちリストには111人の患者が記されている。病院責任者によると常に2つのチームが常駐し、この患者たちの中で容態が変化して、緊急手術が必要となった場合は対応できるようなシステムを取っていると説明する。
また、カタルーニャ衛生局長によるとカタルーニャでは現在800人の順番待ち患者がおり、平均して2.8ヶ月待機させられている状態だという。このような心臓外科手術を行える4つの病院では患者の容態によって優先順位をつけており、緊急時には別の公立もしくは私立の病院にバルセロナ自治州の費用負担で搬送し、手術が受けられると説明する。
外科部長の告発に対して、そのような出来事があったことを認知していない病院は報告を受けた自治州衛生局とともに調査を開始することとなった。
また、PSC及びIC−Vはこの事態を重く見、衛生局議員を議会に召喚し、説明を求めることを決定した。


5月18日(木)

テレフォニカ、テラ株、暴落

前日にテレフォニカの子会社テラが米国ライコス社を買収することを発表したばかりだが、それに反発してか昨日のマドリードとニューヨークの株式市場で両社の株価が暴落した。
テラ・ライコス社の40%の株式を握ることとなるテレフォニカは5.75%の下落を示し、資本換算額は13兆4千億ペセタまで落ち込んでいる。
テラの下落は10%に達し、2900億ペセタの損失、年間収益率が2.86%となった。
両社併せての1日の損失は1兆600億ペセタにのぼった。
ニューヨーク市場での状況はさらに悪化しており、テレフォニカは6%以上、テラは12%以上の下落を記録している。それに伴い、ライコス社も20.83%株価を落としている。
アナリスト達によれば、この買収にかかった費用2兆3千億ペセタは高すぎること、また3670億ペセタの増資をしたことが原因と見ている。

ホセ・ボノ氏、PSOEの幹事長選出馬表明

昨日、マドリードにて行なわれたコンファレンスの後、カスティージャ・ラ・マンチャの長官ホセ・ボノ氏が次期PSOE幹事長選に出馬する意思があることを表明した。
昨日の段階でははっきりとした公式出馬宣言は避けたが、各方面からの質問攻めに“私は貴方方の考えていることをするつもりです。決断は既に下しています”と明言した。
先日、ETAによって殺害されたPSOEのブエサ氏のことにふれながら、カスティージャ・ラ・マンチャで社会主義者でいるよりバスクで社会主義者でいることのほうがどれだけ大変かということをはなした。さらに、PNVを擁護しつつ、無実の人々の死を利用するようなことをしないための国家の協定をなして欲しいと求めた。

マドリード自治政府、“翌日のピル”導入を検討

マドリード自治政府は青少年に対して“翌日のピル”を処方することを検討している。
“翌日のピル”とは現在のところ市場に出まわっていないが、フランスでは既に商業化されている、性交渉をもった後に望まない妊娠を避けるために服用するピルである。このピルは性交渉を持ってから24時間以内に服用すれば99%の効果をあげられるとする。
公共衛生局長はこのピル導入に関してどのように処方するかを検討している最中だと言う。フランスのように学校内で与えることは良い方法とは思えず、われわれのもつ独自の医療システムを通しての配布に傾きつつあるとはなし、また、家族計画連盟との協力して行くことも一つの選択だとする。
ただ、このピルを服用するに当たって医師によるコントロールが重要であると婦人科の医師は話している。そのために医師のもとに赴くことになっても医者によっては拒否反応を示したり、対応する時間がまちまちであったりとなかなか障害となる部分が多い。
このピル導入の検討とともに公衆衛生局では青少年の望まない妊娠をさけるために、更なるコンドームの使用を推進すること、コンドーム購入時に割引制度を適用することなどを発表、25%の助成金をだすことなどを考えていることもあわせて公にした。


5月17日(水)

テラネットワークス、米ライコス社を買収

テレフォニカの子会社、テラネットワークスはアメリカ第3位のネット検索会社ライコスを買収したことを発表した。買収金額は125億ドルで、新会社の名前はテラ・ライコスとなる。社長にはテレフォニカ、テラネットワークスの社長、フアン・ビジャロンガ氏がおさまり、ライコス社社長のロバート・J・デイビス氏は副社長となる。本社はスペイン、マドリードに置くがオペレーションセンターはマサチューセッツの現ライコス社の設備を使用、37カ国6千万人の顧客を有し、6億ドルの収入を見込んでいる。
この買収計画は3月29日の役員会で承認されていたもので、主要株主であるBBVAとCAIXAの後押しもあり、迅速に進められた。
ライコス社はアメリカではアメリカン・オンライン、ヤフーに続くアメリカ第3位のネット検索会社というものの多数のネット会社と同様大幅な減収を見ていた。先の2社がオーディオビジュアルの分野へ進出、方向転換を図り増収を図っていたのに対し、この波に出遅れていた同社は緊急に提携先を探していた。

国王夫妻、ベルギーへ公式訪問

昨日、フアン・カルロス国王、ソフィア王妃がベルギーへ公式訪問した。
昨晩はアルバート2世の宮殿で公式晩餐会が催され、その席でEUの発展と協力、テロリストを根絶するために協力体制をとることなどを話し、さらには本年はヨーロッパを一つにするという考えを最初に持ったカルロス5世誕生500年の年にあたることを述べ、その目的をなす為にはいっそうの努力を惜しまないことを強調した。
一方、この国王夫妻の公式訪問を受けるために待っていた沿道の観衆の中から1人の男が飛び出し、警備の人達に取り押さえられるといった事件があった。
この男はスペイン人の元司祭で1982年にローマ法王がポルトガルのファティマを訪れた時にナイフで刺そうとした罪状でポルトガルの刑務所に7年間服役していたことがある。ベルギーでも文書偽造の前科を持つ。昨日は逮捕された後、精神科医のもとに連れて行かれた。

酔っぱらったすえ、自分の妻にガソリンをかけて火をつける

ドメスティック・バイオレンスによる悲惨な事件が続いているが、日曜夜中、セビージャの人口2000人の小さな村で51歳の男が自分の妻にガソリンをかけて火をつけるという残忍な事件が起こった。 この日はサン・イシドロのお祭の最終日で、酔っぱらって戻ってきた男が脳性麻痺の14歳の息子の前で犯行に及んだ。
被害者は全身に60%のやけどを負い重態であるが、たまたま祭の最終日で通りには人が残っており、敷物代わりの毛布を火だるまになって家から出てきた被害者にかけることで火を消し止めることができたため最悪の事態は避けられた。
この男はアルコール中毒で何年も前から妻に暴力をふるっていたが、妻は1度も訴えることをしなかったという。


5月16日(火)

花火工場爆発、6人死亡

昨日夕方、バレンシア県のラフェルコフェルの花火工場で大規模な爆発が起き、6人が死亡、3人が重態、5人が軽傷を負うといった事故が起こった。
爆発が起こったのは“カンデラ・ロマナ”という強力な発火装置を備えたチューブを製造する作業場で、爆発は次々と周囲の作業場へ飛び火し、工場群は全焼した。
消防隊やレスキュー隊は次々と起こる爆発のため現場に入ることができず、消火活動や行方不明者の救助が進まなかった。
事故原因はいまだ不明だが、この工場では1991年にも同様の事故が起こっており、1人が死亡している。
産業省によると昨年6月の定期検査では異常は見当たらず、全ての規則にのっとって運営されていたが、倉庫での労働者の危険予防のための対策を講じるよう勧告を出されていた。
安全上の規定では、第1級の火薬工場は市街地から3.5km以上離れている必要があるが1953年に建設されたこの工場は900mしか離れていなかった。

ドメスティック・バイオレンスによる死者、23人目

ドメスティック・バイオレンス(DV)による被害が年々社会的注目度を集めているのに比例し、それを訴える人達も増えている。しかし、被害状況は決して好転してはおらず、昨年1年間にそれによる死者は43人、今年5月の中旬までで、すでに23人に達している。
DVによる被害者のうち5%、どんなに多く見積もっても10%の被害者しかその相手を訴えることをしていない。理由としては加害者が刑に服することがなく、さらにはその復讐で血を見ることになることが明白であるということを被害者自身が知っているからである。
23人目の犠牲者となったウエルバのカルタジャに住む24歳の女性は日曜日の午後、32歳の夫に3人の子供の目の前で刺し殺されてしまった。原因は嫉妬によるものということであるが、加害者は殺害後に首をつって自殺してしまったため、詳しいことはわかっていない。
この夫婦を良く知る人達によると夫が妻に手を上げるということはなかったというが、口論が絶えず、関係は冷えていたという。
殺害現場を目の当たりにした子供達はとりあえず、精神科の医者と市役所の福祉課の職員の手に渡されている。

マドリード市長、社会に溶け込もうとしない移民はいらない発言

マドリードのアルバレス・デル・マンサノ市長はラジオのインタビュー番組でマドリードの移民問題に関して、“マドリードに働きにやってくる人はスペイン人であれ、外国人であれ歓迎する。そうではなく社会に溶けこもうとしない人達はいらない”という発言をした。この中には、マグレブ諸国から来る人達の大半は仕事を求めてくるが、ルーマニア民族は自分たちから社会に溶け込むことをしないとルーマニア人攻撃ともとれる発言も含まれている。
現在、マドリードにはルーマニア人が5000人いると推定され、そのうちの400人がルーマニア・ジプシーである。ルーマニア大使館の領事は、市長の発言に対し、「市長はルーマニア・ジプシーとその他ルーマニア人を区別できていない。ジプシーは時々周囲とは違う、適当ではない振る舞いをすることがあるが、それは民族的な歴史によるもの」と説明している。
市議会の野党からは、地方政府がまずすべきことは将来的な受け入れ体勢をととのえ、行政当局と一体となってこれらの問題に対処することであると、市長の発言を強く批判している。


5月15日(月)

本日はマドリッドの守護聖人、サン・イシドロの日で、マドリッドの祝日にあたりますので 今日のトップニュースはお休みさせて頂きます。


5月12日(金)

ヨーロッパの主要航空会社、インターネット上に旅行会社設立を検討

イベリア航空を含む11のヨーロッパ主要航空会社が提携してインターネット上に旅行専門のバーチャル企業を設立しようとの計画が進んでいる。早ければ、今年の第4四半期にも発足の予定。
どこの航空会社もインターネット上に独自のサイトを持ち、航空券の販売を行っているが、実際にこのシステムを利用して航空券を購入する顧客は1%にも満たない。アメリカではこの割合が10%に達していることを考えればまだまだこの分野では発展途上といえる。
一般に旅行を考えている人達は情報を求めて航空会社の各サイトの間をさまよっているのが現状で、その手間を考えると旅行代理店の方が簡単だというのが正直なところであろう。
このバーチャル企業では航空券の販売からパッケージ旅行の手配までをインターネット上で行い、顧客が知りたい全ての航空会社の運行ルートや時間割、料金などを一つのサイトで調べられるといったサービスを提供する。
もちろん、各航空会社は提携しても独立採算性をを採用する。
この動きに対し、スペイン旅行代理店協会では顧客のマーケットを奪われると徹底的に反対の意を示し、場合によっては航空会社を告訴する可能性もありうるとしている。
しかし、大手旅行会社では、スペイン国内ではネット上での旅行販売はあまり馴染みがなく、国民全体に浸透するのにかなりの時間がかかると見ておりそれほど大きな心配はしていない。また、この航空会社が提供する旅行の質と旅行代理店の提供する質とはおのずと違ってくるという見方を示している。

クリスティーナ王女、第2子妊娠、11月に出産予定

昨日、王室よりフアン・カルロス国王、ソフィア王妃の次女、クリスティーナ王女が第2子を妊娠したことが発表になった。出産予定は11月とのこと。
昨年9月に第1子フアンを出産したばかりのクリスティーナ王女だが、常日頃から子供は多いほうがいいと言っていたことから周囲はそれほど驚いてはいない様子である。
先日、長女のエレナ王女が11月に第2子出産予定を発表したのに続き、このクリステイーナ王女の妊娠で今年の秋は国王夫妻が4人の孫に囲まれることになる。
夫のハンドボ−ル選手、イニャキ・ウルダンガリンは報道陣の質問に対し、生まれてくる子供の性別は問わない、どちらにしても大変嬉しい、と話した.
生まれてくる子供は王位継承権第6位となる。

バスク教育委員会、バラカルドの小学校の父兄を告訴か?

バスク地方、ビルバオのバラカルド地区で問題となっている子供の不登校問題(昨日のトップニュース参照)に関して、バスク教育委員会は今日にも検察庁未成年局に訴えを起こす予定にしている。
教育委員会副委員長によると、この2ヶ月、ジプシー3兄弟の入学にあたり、彼らが他の生徒たちに何の問題も起こさずとけこむように指導して行くと提案し、父兄会との話合いを続けてきたが、父兄側の拒絶で解決を見ていないという。
昨日、ジプシー3兄弟は地元警察や登校に反対する父兄たちの抗議の中、登校した。
来週月曜日に父兄会を開き、これからの行動について決定することにしている。


5月11日(木)

PNV、バスク地方選挙の前倒しの可能性を示唆

PNVのスポークスマン、エヒバル氏は昨日バスク地方選挙の前倒しの可能性を示唆した。それまではアスナル首相より再三に渡って求められていた早い時期の地方選挙を徹底して拒否する態度を貫いてきていた。しかし、数日前のETAによる新聞記者殺害によってバスク内部での亀裂が顕在化、それにより地方政府を取り巻く状況が悪化してきていることもあり、EHに対し、ETAと距離をおくよう求めこれが最後通牒であること確認している。
EHがこの要求を無視するような場合は、PNVとしてはバスクの自治を推し進める政策にとどまり、社会主義政党と話合いを持ち、イバレチェ首長続投を交渉するといった方向に転換を図ると見られる。もし、この交渉が失敗に終った場合には地方選挙を行うことが先決になるとの見方を示している。

銀行強盗、サブライフルで警官殺害

昨日午後2時過ぎ、カステジョンのサン・イシドロ銀行ラ・バル・ドゥイショ支店に強盗が入り、駆けつけた警官4人に発砲、銃撃戦となった。犯人はサブライフルを乱射、数百メートル先に用意しておいた逃走用の車までたどりつき、警官隊の追跡から逃げ切った。
この銃撃戦で、警官の1人が数発の銃弾を浴び、そのうちの1発を頭部に受け死亡、脚に銃弾を受けた警官は病院に運ばれ弾丸摘出手術を受け重傷。あとの2人もパトカーのフロントガラスを割られたときにその破片を浴び負傷したが、退院している。
犯行が行なわれたときには支店内には12人の客と9人の銀行員がいたが、犯人のみなりのよさと手際のよさに犯行に気付かない人達もいたという。しかし、警報装置によって警官が駆けつけてから状況は一転、惨事へとつながった。
警察は、現段階ではプロによる単独犯行とみており、奪われた現金は300万あまり、逃走途中に携帯電話と充電器を落として行ったことと逃走車両の車種が判明している。幹線道路に非常線を張り、空からの捜索を続けているにもかかわらず、まだ犯人は捕まっていない。

ジプシーの3兄弟入学を反対して、ビルバオの小学校の生徒不登校

バスク地方ビルバオのバラカルド地区にあるカトリック系小学校の父兄会はジプシーの3兄弟の入学に反対して、子供達を登校させないという強硬な手段に訴えている。
事の発端は他の地区にあった13人のジプシーが通う公立小学校が、生徒や父兄の素行の悪さが原因で閉鎖してしまったため、別の小学校に子供達を振り分けたことにある。13人のうち10人はうまくおさまったものの、この3人の兄弟は教育委員会が指定した小学校が入学を認めなかったため、このカトリック系小学校に通うように決められた。
633人の生徒が通うこの小学校は年間2億5千万ペセタのバスク政府の助成金を受けている私立の学校で、父兄会では問題のある家庭の子供が入学することで子供達の身体的、精神的な問題が発生することに恐怖を感じると説明、決して人種差別をしているわけではないと強調している。
ジプシーまとめる団体の会長は、確かにジプシーには特殊性があることは事実であるが、それが、危険につながるわけではないとし、もし何らかの問題があるのならそれを解決していく用意があると述べている。
教育委員会では誰もが教育を受ける権利を持っていること、また、父兄は子供達が16歳になるまでは学校に通わせる義務を負っていることを確認し、このまま生徒の不登校が続くようなら何らかの措置をとらざる得ないとコメントしている。


5月10日(水)

外国人法の再改正が最優先事項

先の立法議会で新外国人法が可決され、施行されているが、アスナル首相率いる新政府は早くもこの外国人法の改正に着手しようとしている。
昨日、マリアノ・ラホイ副首相が今期立法会議の最優先事項として早ければ6月にも国会提出を考えていることを明らかにしたもの。
現行外国人法は先の立法議会でPPが改正反対を唱えていたものの他の政党の同意を得られず可決されたという経緯があり、3月の総選挙前よりPPが絶対過半数を占めた場合には再び改革を行うことを公言していた。
現在、スペインには35万人の合法移民が居住しているが、不法滞在者は数知れない。この新外国人法では1999年6月1日以前から滞在している8万人あまりの不法滞在者を合法化する手続きを行っており、これが呼び水となってか死を賭した密入国が激増している。
政府は密入国の陰にあるマフィアの暗躍をおさえる何らかのメカニズムが必要だと考えており、今週金曜日に行なわれる予定の閣僚会議で内務省に付属する政府移民局の創設を承認する予定でいる。

バレアレス諸島政府、観光税導入を検討

バレアレス諸島政府は今年から新たな観光税を導入することを検討している。社会主義政党が治めるこの自治体は観光収入が国内総生産の84%を占めており、それに伴い、環境破壊の問題や公共サービスの質の低下などが叫ばれている。
自治体政府はこの税金を夏季バケーションシーズンに大量の観光客が押し寄せるためにおこるバレアレスの自然破壊を修復することに利用したいと考えており、観光客1人当たり1日に1ユーロを超えない金額におさめたいという意向を示している。年間1000万人以上が訪れるバレアレスではこの税を導入することで100億から150億ペセタの増収がみこまれる。
ただ、ホテル業や飲食業など観光に密接している業種はこの税制の導入に真向から反対、旅行費用の値上がりが観光客減少を招くと指摘している。
さらに、どのような徴収の仕方をするかが問題となっており、大蔵省の関係局の協力も欠かせない。バレアレス政府は中央政府にもバレアレスの環境を守るための費用を分担してくれるよう期待をかけている。

ビゴでおきた現金輸送車襲撃犯はGRAPOのメンバーか?

月曜日にガリシア地方ビゴの市内で起きた現金輸送車襲撃事件(昨日のトップニュース参照)を捜査する警察は犯人グループの残していった袋に入っていた爆弾を調査したところ、テロリスト集団が好んで使う軍事用の爆発物を使って作られていたものであることが判明した。このテロリスト集団のなかにはGRAPOも含まれており、以前レオンとサラゴサでおきた輸送車爆破時にも使われている。 もし、この事件がGRAPOの手によるものであれば、1992年に刑務所から脱走して以来行方のわからなくなっているGRAPOの幹部フェルナンド・シルバ・サンデがかかわっているものと推定される。
犯行直後の目撃証言では犯行グループが男女4人とのことであったが、男女3人であったことが確認されている。
一方、労働団体UGTは1994年、1995年に同種の襲撃が起こった時にPROSEGURに対し、この仕事に従事するひとたちの安全性を確保する対策、特に輸送車が毎日同じルートを通らないよう求めていたにもかかわらず、その要求を受け入れなかったことでまた同じような事件が発生したとして訴えている。


5月9日(火)

バスク地方の対立深刻化

今週日曜日に新聞記者のホセ・ルイス・ロペス・デ・ラカジェ氏がETAによって殺害されたことで、昨日同氏の葬儀とともに反テロ行為の集会が各地で行なわれた。フアン・カルロス国王とソフィア王妃も訪問先のヘレス・デ・ラ・フロンテーラで行なわれたETAへの抗議集会に参加している。
アスナル首相は公式訪問先のモロッコからバスク州に向け、「民族主義者である前に民主主義者であるべきだ。このような恥ずべき行為を出きるだけ早く終らせる為には地方選挙を前倒しで行う必要がある」とのメッセージを発した。PNVのアルサジュス氏は非民族主義政党に対し、テロ行為を終結させる早道はPNV、EA、EH以外の政党もリサーラ同盟に加盟することとのべている。EHのリーダー、オテギ氏は新聞記者を殺害したという行為により報道がバスク地方の争いを助長する役目を果たしていることを示したかったのだとETAを擁護する発言をしている。
このような様々な思惑の中、"フォーラム・エルムア"が今日、反ETA集会を開催する予定にしているが、バスク政府及びPNVはこれを支持しないとのコメントを発表している。

現金輸送車襲撃、銃撃戦で2人死亡

ガリシア地方ビゴで昨日早朝、"PROSEGUR"の現金輸送車が襲われ、襲撃戦となり、輸送車に乗っていた運転手、警備員の2人が死亡、1人が重傷をおった。
襲われた場所はビゴ市内の人通りの多い道で、犯人は男3人、女1人の4人組。輸送車が走行中、あらかじめ道路上に用意されていた爆弾が破裂、輸送車の前部が破壊され、車が停止したところに火炎瓶を投げこんだ。賊は車内から出てきた警備員に発砲、警備員側も応戦したが、運転手は何発もの銃弾を浴び即死、他の警備員も重態で病院に運び込まれたものの数時間後に死亡、もう1人は命に別状はない。
犯人グループは何も盗らずに逃走をはかり、警察のしらみつぶしの捜査にもかかわらず、逃走用に使用したとみられる車両しか発見されていない。この車両には血痕がのこっていたことから犯人の中にけが人がいるものと推定される。
警察の現場検証では90発もの薬莢が回収されており、銃撃戦のすさまじさを物語る。
ここ5年間にビゴ市内で同様の手口を使った襲撃がこれで3件目であるが、いずれも犯人は捕まっておらず、テロ組織のGRAPOによるものか国際犯罪組織によるものかと憶測のみにとどまっている。

カタルーニャ語への映画の吹き替え論争決着をみる

1998年にジョルディ・プジョール率いるカタルーニャ政府がカタルーニャにおける興行収入の多い外国映画の吹き替えをスペイン標準語ではなくカタルーニャ語にするという法令を可決したことで、映画の配給会社はこの法令の差止めを求めて裁判に持ちこんでいた。この法令では興行収入の多い映画の半分以上をカタルーニャ語に吹き替え、16以上のコピーを作ることを強制しており主にハリウッド映画が対象となっていた。
高等裁判所がこの法律を認めなかったことと映画産業が拒否反応を示したことで、自治政府はこの法令の施行を延期せざるを得なくなり、1年以上にわたって、自治政府と配給会社との間で話合いが行なわれてきた。
昨日、この話合いの結果が発表され、両者の間でカタルーニャ語への吹き替えは強制されるものではなく善意を持って自発的に行なわれるという合意がなされた。 配給会社側は商業基準に基づきカタルーニャ語バージョンをとり入れることを決定するとし、特に子供用映画に適用するという判断を示している。
自治政府は1989年よりカタルーニャ語への吹き替えを製作にかかる費用に対して助成金を出してきているが、この制度はこれからも続けて行く方向でいる。


5月8日(月)

ETAの犠牲者、停戦後、既に4人目

昨日の日曜日午前9時45分、バスク州ギプスコアのアンドイアンにて新聞記者のホセ・ルイス・ロペス・デ・ラカジェ氏(62歳)がETAの"コマンド・ドノスティ"のメンバーと見られる2人組に銃殺されるという事件が起きた。
被害者は毎週日曜日の習慣で近所の売店に新聞を買いに出かけた後、バルで朝食をとり、自宅に戻る途中を狙われたもので、自宅マンションの入口で待ち伏せしていた犯人に背後から2発撃たれ、さらに倒れたあと頭部にも2発の銃弾を受けた。2人組の犯人のほかにも彼らの逃亡を助けた仲間がいるとみられている。
犠牲となったロペス・デ・ラカジェ氏は2年前に新聞社を退職後も執筆活動を続けており、1998年の"フォーラム・エルムア"の創設者の一員でもある。フランコ時代には反ファシズム、反フランコの筋金入りの共産主義者であったため5年間刑務所にはいっていたこともあるという経歴の持ち主でもある。度重なるETAからの脅迫や2月には自宅マンションに火炎瓶を投げこまれるといった嫌がらせに周囲からは護衛をつけるよう助言をうけていたが、拒否。ETAには決して屈しないといった強い態度を貫いていた。

被害者の住んでいたアンドイアン市はEH(ETAを否定しない急進派民族主義政党)が市議会を押さえており、今までにもETAの"コマンド・ドノスティ"の隠れ家となっていたことが少なからずある地域である。このテロ行為の現場に各地から友人知人、政治家、地方議員が駆けつけてきたが、その中には市長(EH)の姿は見えなかった。その後、EHはこのテロ行為を否定しない旨のコメントを発しており、市議会に対する非難の声も高まっている。
昨日夕方からバスク地方のさまざまな都市で"ETA、NO"の反ETA集会が開かれたが、本日はスペインの各都市で大きな同様の集会が行なわれる予定。

***フォーラム・エルムア***
1997年7月にエルムア市の市議会議員ミゲル・アンヘル・ブランコがETAによって殺されたのを契機として、1998年に2月に有識者300人あまりが集まって、バスクの平和、民主主義を守ることを趣旨として設立された団体。このフォーラムではあらゆる武装集団(ETA)との対話を拒否している。

古豪アトレティコ・デ・マドリード2部リーグ落ち決定

スペインサッカーリーグが残り2試合を残すのみとなった昨日、今シーズン不振をかこっていたアトレティコ・デ・マドリードがオビエドと引き分け、来シーズンは2部リーグに降格することが決定した。 2002年に創立100周年を迎えるアトレティコはリーグ優勝9回、国王盃優勝9回を誇る古豪で、年間予算150億ペセタはリーグ3位に位置する。
95−96年のシーズンにはアンティッチ監督のもとリーグと国王盃の両方を制したが、それ以降はジリ貧をつづけていた。今年は昨シーズンバレンシアで好成績を残したラニエリ監督を迎えチームのたてなおしを図ったがシーズン初めより低迷、シーズン途中で監督の交代をしたものの成果が挙げられず、61年ぶりの2部リーグ行きとなった。


5月5日(金)

PSOEの幹事長選挙にロサ・ディエス氏、立候補

3月の総選挙で大敗したPSOEはホアキン・アルムニア氏の辞任後幹事長席が空席となっているが、7月の定例会議での後継者選びを前にロサ・ディエス女史が一番に名乗りを挙げた。
現在ユーロ議会の議長を務める同女史は、バスク地方PSOEで名を馳せた新しい世代のリーダーである。前時代とはきっぱりと決別するとの決意を持ち、フェリペ・ゴンサレス元首相の事前お伺いをたてることもせず、立候補したという。“もし、自分より優れている人がいると思ったなら、立候補はしなかった”という自信をみせ、女性であるということが幹事長になることへの障害になるとは思っていないと語っている。
また、彼女が立候補を表明したことでカスティージャ・ラ・マンチャの長官ホセ・ボノ氏、ユーロ議会のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏も後に続くものと見られている。

EH、民族主義者の意見如何によってはETAの新たな停戦も可能と示唆

昨日、EHのリーダー、アルナルド・オテギは、民族主義政党が一致団結して現在ある自治の枠を超えてバスクのために新しい枠組みに転換を図ることができるなら、ETAの停戦あるいは全面的に武器を捨てることもありうると語った。
このコメントに対し、PNVのスポークスマンは平和を追求する過程において現実離れした砂上の楼閣のような計画をバスク人民に提示することはできないと徹底的に拒否する構えを見せている。

テレフォニカの役員会、KPNとの合併案を凍結

昨日行なわれたテレフォニカの役員会にて、KPNとの合併案(昨日のトップニュース参照)について話し合われた。
テレフォニカの筆頭株主であるBBVAやCAIXAなどはこの合併によってオランダ政府が17%の株式を取得することで、BBVAとCAIXAの株式の所有割合が減ることを嫌いこの案には反対の意を唱えている。
経済省のロドリゴ・ラト大臣はオランダ・経済省に対し、半官半民であるKPNからの撤退を要請し、同社の早期民営化を求めている。オランダ・経済大臣からは政府の持つ43%の株式を18ヶ月を超えない期間で売り出して行くとの回答を得ているが、ラト大臣は出きるだけ速い時期に、また詳細かつ具体的な内容を必要としている。役員会は本日も続けられる。


5月4日(木)

スペイン政府テレフォニカとオランダKPNの合併を拒否

テレフォニカがオランダKPNとの合併の話を進めているのに対し、スペイン政府が待ったをかけた。
政府は1997年にテレフォニカが民営化した際に、国益に反すると判断されるような戦略には国家権力をもって妨げることができるとする権利を残していたため、今回の合併に関してこの権利を行使したもの。具体的にはテレフォニカの株主にふさわしくないものが10%以上の株式を所有することが挙げられ、今回の場合はオランダ政府が43%のKNP株を握っていることから、この合併によりオランダ政府がテレフォニカ株の15%を所有することになると推定される。これはオランダ政府がスペインのトップ企業の大株主に収まることを意味し、スペイン経済省の危惧を招いてしまった。
テレフォニカはこの合併によりテレコユニケ−ションの分野でヨーロッパにおける主要3企業の一つに踊り出ることをもくろんでいた。

中国マフィア、モロッコの地下組織と組んで人間の密輸

今年に入ってから新外国人法の施行が呼び水となってか、密入国をたくらむ外国人が激増している。
最近警察によってセウタで逮捕された中国人は中国マフィアのセウタ側での受入れ責任者と見られている。この中国人は警察の取調べでは黙秘を続けているが、警察の地道な捜査によって中国人の密入国のルートが判明してきている。
ロシアやドイツ経由の伝統的な入国方法が閉ざされてきた現在、水面下で中国マフィアとモロッコの地下組織が接触し、新たなルート開拓をしていると見られる。今回捕まった密入国しようとした中国人の集団は韓国の偽造パスポートを使用してマレーシア経由でモロッコのカサブランカに到着、そこからモロッコと地続きのセウタへ潜入するといった方法をとっていた。マレーシアからの旅費は5000ドルといわれ、最終的にはマドリード、バルセロナに送られそこで劣悪な環境で労働に従事させられる。
また、このルート以外にもナイジェリア経由というルートも発見されており、次から次へと新たなルート、手法を考え出してきている。

アリカンテの病院職員、助けを求めた病人を見殺しにしたことを否定

先週、アリカンテ総合病院の救急病棟の職員が患者の家族の助けの求めに応じなかったとして訴えられた件について(昨日のトップニュース参照)この2人の職員はこの訴えを否定するコメントを寄せている。
この職員の身元は伏せられているが、所属する労働組合の幹部は彼らのコメントを代弁し、確かにその夜に女性が助けを求めて救急にやってきたので一緒に現場に行ってみたが、その時には男性はおらず、女性とともに救急車を呼びに戻ったが、その途中で女性が消えてしまったという。
10分程して、男性が2人の男性に腕を支えて入ってきたので対応したが、その時には女性の姿はみえず、さらにこの男性には1人も家族は付き添っていなかったという。
衛生当局はこの2人の職員のとった行動を調べるとともに何らかの規則違反があったかどうかの調査を始めた。
医療ミス被害者の会では死亡した男性が、最初に助けを求めた時点で治療をはじめていれば命を落とさずにすんだかどうかを調べるため、解剖できるよう求めている。


5月3日(水)

バスク政府、ETAとの同盟をきっぱり否定

先日、ETAによって14ヶ月に及ぶ停戦は平和を求めてのものではなくPNVのどっちつかずの態度をはっきりさせるための“わな”であったこと−マジョール・オレハ大臣がETAの本心ではなく、見せかけの停戦であると述べたことを認めた−、民主主義民族主義者達とあらかじめ同意がなっていたことを証明する書類が発表されたことに関し、バスク議会の中でETAの指摘したPNV及びEAに対するPP、PSEからの追及が激しくなっている。
PNV、EAはETAとの同意があったことをきっぱりと否定し、さらにはETAやそれを支持する人達は事実を歪曲し、バスク人民をだましていると主張。
マドリードからは中央政府のロドリゴ・ラト第2副首相が、1年半前にバスク地方選挙が行なわれた際にこのような同盟をバスク人民は知らされていなかったものであるとし、地方選挙の前倒しを強く求めている。
ETA、民族主義者、非民族主義者の三者三様の意見は交わることを知らず、平行線をたどり、事態は複雑化する一方である。

テレフォニカ株、歴史的な上げ幅を見せる

昨日メーデー明けのスペイン株式市場はテレフォニカが歴史的な上げ幅を見せ取引を終えた。
これは、テレフォニカとオランダKPNの提携の話合いが持たれていることが確認されたことを受けての反応で、9.23%の上昇、1兆2200億ペセタを取り戻し、14兆5千億ペセタの値をつけた。 この上げ幅は今年3月6日に年間最高を記録した18兆ペセタにはおよばないものの、世界的にテクノロジー、テレコミュニケーション関連が不調である中でこの伸びは突出している。
テレフォニカの今年に入ってからの上昇は7.82%となった。
テレフォニカ株の影響を受けて、子会社のテラが11.32%、TPIも4.16%の上げ幅を記録した。

救急センターの夜勤の職員、規則をたてに病人を見殺しにしたと訴えられる

アリカンテに住むホセ・アントニオ・デ・フアン(39歳)はアリカンテ総合病院にて、昨夏喉頭ガンの手術をし、気管切開を施され、今年1月まではX線治療を受けていた。その後も定期的に検査を受けていたものの先週水曜日夜、身体の不調を訴え、自宅から350メートル離れた同病院の救急に彼の妻とともに徒歩で向かった。救急の入口手前約25メートルのところで急な呼吸困難に陥ったため、彼の妻は救急センターに勤務している職員に助けを求めた。しかし、病院の外で患者を助けることは規則に反するからできないと断られ、タクシーか救急車を呼ぶようにとつきはなされた。
彼女は通りかかった車の運転手に助けられ、夫を救急の入口まで運びこみ医者の手当てを受けたが、その後呼吸停止のため死亡。
同病院の副院長は病院外で病人を助けることを明確に禁じた規則はないと説明しているが、病院で働く職員達は口頭では救急医療の現場を離れることは禁じられている、と話している。
病死したホセ・アントニオの妻は助けを求めた際に拒否されなかったら夫が助かっていたかどうかはわからないが、このようなことが2度と起こって欲しくないので裁判に訴えることにしたと語っている。


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