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11月30日(木)

動物飼料使用禁止によりスペインの90企業に影響が出る見込み

昨日、ヨーロッパ委員会は狂牛病対策として、病気の感染源と思われる動物飼料を6ヵ月間使用禁止にすることを提案した。この提案により、スペインでは90の飼料生産企業に影響が出る見込み。
現在、スペインでは年間40万トンの動物飼料が生産されている。今のところストックはさほど大量ではないが、今後、ストックが増えてゆく事が予想されている。使用が禁止された後には、ストックの動物飼料は焼却処分される見通し。しかし、スペインには現在、動物飼料用の焼却炉はない為、焼却炉の建設が急がれている。今後は、動物飼料の代わりに大豆などの穀物類を原料にした飼料が使用される予定となっている。また、ヨーロッパ委員会は、生後30ヶ月以上の牛は狂牛病検査なしでは出荷を許可しないという措置も提案した。
ヨーロッパ全域に広がった狂牛病の影響により、スペインでもここ1週間で牛肉の価格が1キロあたり平均70ペセタ下がっている。また、牛肉生産業者によると、ここ数週間で出荷量が70%減少したとのこと。この出荷量減少は、牛肉の輸出を中止したことも大きく影響している。

雇用主組合、女性労働者が産休期間にも社会保障の負担金を支払うことを要求

雇用主組合は、女性労働者は産休期間にも社会保障の負担金を支払うべきであるとし、早急な労働市場の改革を要求した。
マヌエル・アスピリクエタ雇用主組合長や発案者のロレンソ・ベルナルド・デ・キロス氏、アルベルト・イスラ氏などから提案された改革内容は、現在、企業が賄っている産休期間の社会保障の負担金分を女性労働者の月給から差し引くと言うもの。また、産休を取らなかった場合には、差し引いた分全額を返還することになっている。
しかし、この提案に対し中央政府やPSOE、UGTやCCOOなどの労働組合は痛烈な批判を浴びせている。フアン・カルロス・アパリシオ労働大臣は、「(この提案は)政府の意図とはかなり食い違っている」とコメントし、PSOEは、「雇用主組合はスペインの出生率を更に下げようとしている」と非難した。また、UGTとCCOOは、「この計画は後退的であり、不真面目なものである」と批判した。
痛烈な批判を受けた雇用主組合は、「提案は、女性労働者の雇用を促進することが目的であった」と弁明している。

テルエルの存続、発展を求めて県民がストライキ

アラゴン州にあるテルエル県では、昨日、“テルエルは存在する”と称する団体、 労働組合が中心となって、ゼネラル・ストライキおよびデモ集会を決行した。
これは、県人口136000人、全国一人口の少ない県庁所在地であるテルエル市3 万人の人々が、テルエルにも国家の投資と過疎対策を求め、県民が団結したもの。 工場、レストラン、オフィス、商店が臨時休業、学校も休校となった。
テルエル市では県庁所在地でありながら、世間からは忘れられた存在となっており、 政府は地域復興のための措置を講じていないため、過疎化、高齢化が進み、人口の 30%以上が60歳以上であり、この1世紀の間に人口が40%減少したと説明する。 また、大学進学者のうち、地元に戻ってくる人は5%にも満たないという統計も出ている。 県内には高速道路が走っておらず、マドリードとダイレクトに結ぶ鉄道もないうえ、 鉄道管理がおろそかになっているため、今年1年間だけで50回ほど列車が不通に なるという事態も発生しているという。病院の緊急集中医療体制も不十分で県境の アルカニス市とテルエル市の2ヶ所にしか設置されていない。
このストライキでは21世紀にふさわしい都市整備を求め、100億ペセタを国家予算に 組み入れるよう要求している。


11月29日(水)

PSOE、テロ対策の会談にPNVを除外すべきでないとPPを批判

中央政府がPSOEに求めていたテロリズム対策に関する質疑に対する回答が、昨夜、PSOEから与党側に届けられた。PSOEは、寄せられていた7つの質疑のうち、6つに関しては肯定的な回答を出したが、テロリズム対策の会談にPNVを除外する旨の質疑に関しては否定的な回答を出した。
ホセ・ルイス・ロドリゴ・サパテーロPSOE幹事長は、PNVがリサーラ協定を破棄するという趨勢を見せない限り、テロ対策の会談にはPNVを除外するというPPの姿勢を批判し、はじめからPNVを除外するのではなく、PNVがその姿勢を断固として改めないようであれば、その時に除外すべきである、とした。また、同氏は、PSOEからの質疑に対してはなかなか回答を出さないでいるのに、自らの質疑には回答を急かせるというアスナル首相の態度も非難した。
サパテーロPSOE幹事長は、PPからの7つの質疑は、“質疑”ではなく“尋問”であると批判し、さらに、「アスナル首相は、テロリズムという、とても深刻な問題について話し合っているという認識をしっかりとすべきである」と忠告した。

ギリシャで逮捕されたオウビーニャがスペインに送還される

10月30日に逃亡中を捕らえられたラウレアーノ・オウビーニャが4年4ヶ月の禁固刑を果す為に、昨日、ギリシャから本国送還された。
スペインに戻されたオウビーニャに対し、1997年6月に約6トンのハシシを密輸しようとした罪で4年4ヶ月の実刑判決が今日言い渡される予定となっており、明日は、1997年7月に6,000キロのハシシを密輸しようとした疑いで法廷に出頭を命ぜられている。この件に関しては、オウビーニャは懲役6年9ヶ月と75億ペセタの罰金と言う刑が言い渡される予定。
また、昨年、約12トンのハシシの密輸を試みた罪でも法廷に出頭が命ぜられている。

ガリシア地方で突風により4人が死亡する

昨日、ガリシア地方で突風により4人が死亡した。死亡したのは、アルダラ・ソモサ・チャルリンちゃん(9)、ホセ・フェルナンデスさん(45)、エミリア・ベサダ・ガルシアさん(60)と身元の確認が取れていない男性1人の計4人。
4人のうち、アルダラ・ソモサちゃんとホセ・フェルナンデスさんは、倒れてきたクレーンの下敷きになり、アルダラ・ソモサちゃんは即死、ホセ・フェルナンデスさんは応急処置を受けている時に死亡した。ホセ・フェルナンデスさんの同僚のカルロス・ポルタス・ゴンザレスさんもクレーンの下敷きになり重傷を負った。同じく犠牲となったエミリア・ベサダさんは、強い風によって折れた木の枝が激突し死亡したもよう。また、身元の確認が取れていない男性は、車の上に倒れてきた木の下敷きとなって死亡した。
昨日ガリシア地方で記録した瞬間最大風速は、時速120キロメートルであった。
一方、月曜日にサラゴサで2人が雪崩に巻き込まれ死亡した。死亡したビルヒニア・カタランさんとヘルマン・ロペス・ガルシアさん(共に33)の2人はフォルミガルスキー場近くの避難所へ向かっている途中であったが、ここ数日の気温上昇によって起こった雪崩に飲み込まれた。今回2人が死亡した同じ場所で、5年前に5人の犠牲者が出た雪崩が起きている。


11月28日(火)

中央政府、バスク問題に関し、PSOEの対話要請にこたえる

中央政府はPSOEからバスク地方の現状、テロ対策問題に関しての対話を求められていたが、昨日になり、7つの命題を示し話合いの開始に同意する姿勢を見せた。
ETAのテロの頻発化、バスク議会与党であるPNVの少数派化及びバスク主権主義への傾倒など、バスク地方の状況が切迫してきており、現状打開、地方選挙前倒しを進めるには両党の合意が必要とされてきている。
外遊中のアスナル首相に代わってPPのハビエル・アレナス幹事長はPSOEのロドリゲス・サパテロ幹事長とアスナル首相の会談の有無については明言を避け、PSOEから提出されている書類への署名に関しても回答を控えている。

バルセロナでレジオネラ菌の発生源を特定、アルコイでは患者数増加

ここ最近レジオネラ症に感染した患者が48人に達していたバルセロナでは昨日、バルセロナ市と自治州衛生局より、バルセロネタ地区でレジオネラ菌発生源3ヶ所を特定したことが公表された。
発生源となった場所はバルセロネタ地区のシンボルともいえる建物の空調冷却塔であるが、この場所で採取された菌についての詳細は判明しておらず、感染した患者の持つ菌とが同種のものであるかどうかについては検査結果待ちであるという。
専門家による水質検査では20ヶ所の冷却塔、4ヶ所の噴水、上水道の供給ポイント16ヶ所のサンプルが調べられていた。菌の発生したビルにあるレストランでは特定前より一時的に休業するよう求められており、冷却塔の清掃作業を行った後は営業を再開していた。
また、菌の存在を認められた他のビルでは3ヶ月に1度の検査を行っており、今月16日の時点では何の異常も指摘されなかったという。
一方、バレンシア州のアルコイではレジオネラ菌に新たに感染した患者9人を加え、昨年9月から14ヶ月間で患者数が133人にのぼっている。最近では26日に84歳の女性が死亡し、先週末にはその疑いを持たれる患者10人が入院している。
環境省ではアルコイの飲料用上水道供給ヶ所10ヶ所のうち2ヵ所からレジオネラ菌が検出されたことを認めており、シャワーの水質検査をした30ヶ所の家屋のうち20〜30%の割合で菌が検出されていることを明らかにしている。

有鉛ガソリン仕様の車輛買い替えの際に補助金

2002年1月1日よりヨーロッパ各国で有鉛ガソリンの販売が禁止される法律が施行されることで、スペインでは有鉛車から無鉛車への買い替えを促進するために、補助金を出す措置を打ち出した。これは科学技術省、環境省がEU規定に速やかに適応できるようにと音頭をとって進められてきたもの。 補助金の額は12万ペセタで、有鉛車の所有者がその自動車を所有してから9ヶ月以上経過していること、廃車にすることが義務付けられていることが補助金を受ける必要条件となる。
科学技術省では1990年に有鉛車の新車販売が禁止される以前に登録された有鉛車が400万台ほどあるとみているが、実際には登録抹消をしていないまま廃車にされたり、捨てられたりというケースが多い為200万台ほどがこの措置の恩恵を受けることになりそうである。
自動車業界ではこの措置が新たな車の需要につながることになると歓迎しているが、この措置を新車購入の際だけではなく5年以内の中古車にも適用されるよう求めている。


11月27日(月)

バスク社会党書記長、レドンド氏再選される

昨日ビルバオで行なわれた第4回バスク社会党地方大会にてニコラス・レドンド前書記長が再選された。レドンド書記長によって構成された新たな党執行部メンバーリストの承認も行なわれたが、全投票数503票のうち239票が白紙投票、賛成票を投じた人は257人と結果的には51%の支持しか得られなかったこととなった。
大きな支持を得られなかった裏側には執行部メンバーに若い層の参入が認められなかったこと、前執行部マルティン・マルティネス氏の続投を良しとしないビスカヤ支部の強力な反対が存在したこと、さらには、ユーロ議員であるロサ・ディアス女史が執行部から身を引いた、という事情が挙げられる。 同書記長は、次期地方選挙の際にはバスク州首長候補として名乗りを挙げる予定にしていたが、この支持率の低さを考慮し、バスク社会党内でも対立候補出馬を促し、予備選を持って党候補を選出する運びとする考えを明らかにし、1週間の猶予期間を設けるとした。

エイズ患者に対する障害者年金の受給資格基準厳格化の結果100人以上が資格喪失

今年3月よりエイズ患者に対する障害者年金の受給資格基準を変更したため資格を喪失してしまった患者が100人以上にのぼる。以前の基準ではCD4と言われる免疫細胞の数によっていたが、基準改正後は年間における最低入院日数も勘案されるようになった。
スペインにおける現在までのエイズ患者は6万人といわれそのうちの60%、36000人はすでに死亡している。24000人の患者のうちの半数は免税措置を受けた障害者年金を受けており、その額は月にして4万ペセタである。
改正以前は一旦エイズによる障害者として認められると、この免疫細胞の数が不変のため障害の程度の見直しがなされることはなかった。労働・社会福祉省では昨今の薬剤の進化によりエイズ患者の障害の程度も変化していることから、他の障害と同様適宜見直しがなされるべきである、との説明をしている。今回の改正で障害の程度が65%以上と認められなかった患者は障害者年金資格を喪失した。
社会主義政党や各エイズ擁護団体ではこの政策を強く批判しており、わずかな年金を削って減税分を補うようなことをする前にエイズに罹患している人々を雇用しようとする企業を開拓することが先決ではないのかと怒りの声をあげている。

第3世界の対外債務の放棄を叫ぶ団体と警官隊が衝突

昨日、マドリードで第3世界の対外債務の放棄を叫ぶ団体が抗議デモを行い、警官隊の静止を振り切り国会議事堂に登り、団体の主張を記した垂れ幕を張ろうとした。
刑法には国会前に留まることを禁じた条項があるため警察の介入を余儀なくされ、デモ隊と衝突することとなった。この衝突によりデモ隊及び警官隊から24人の負傷者を出し、7人が騒乱罪を適用され逮捕されるに至った。
この事件に対しIU左翼連合ではデモ隊の行動は合法的であり、友好的に行なわれたものであり、警察の行動には行きすぎがあった、と強く批判している。


11月24日(金)

ETAへの抗議デモ、バルセロナで90万人が参加

今週火曜日にバルセロナにて元厚生大臣エルネスト・ジュック氏がETAによって殺害されたことに対する抗議デモがバルセロナで昨日夕方より行なわれた。雨の降る中2時間にわたってデモが続けられたが、アスナル首相、ロドリゲス・サパテロPSOE幹事長、イバレチェバスク州首長、プジョールカタルーニャ知事などの政府関係者などをはじめとして、バルセロナ市民約90万人が参加した。
カタルーニャ語で書かれた“カタルーニャに平和を”“対話を”というプラカードを掲げ静かな行進となった。抗議集会では故人と親交の深かった新聞記者ヘマ・ニエルガが、ジュック氏がバスクを愛し、平和のためならば彼を殺害した人物とまで話し合おうとしたであろう、と抗議文を読み上げ、政治家に向かい問題解決のための対話を求めた。
一方、同氏を殺害した犯人グループについては未だ身元が判明していないが、警察では“コマンド・バルセロナ”と称するイデオロギー希薄な暴力に狂信的な若者達ではないかとみている。また、テロ対策局では、犯人グループはこの犯行に及ぶ以前にはバスク地方において市中での暴力、破壊行為に加わっていた、停戦破棄後に台頭してきた“ニューETA”である可能性を指摘している。

狂牛病検査、生後30ヶ月以上のガリシア産牛に義務付け

一昨日、スペインで初の狂牛病が発見されたことを公表した農業省アリアス・カニェテ大臣はガリシア地方政府と会談をもち、生後30ヶ月以上のガリシア産食用牛の屠殺の際に狂牛病検査を義務付けることの同意をとりつけた。この検査の義務化により理論的には消費者の口に入る前に病気に感染した牛肉は全て排除されることとなる。また、スペイン全国にいる35万頭の食用牛にも数ヶ月以内にこの検査を適用して行くことも同時に発表された。さらに、フランスでも禁止された反芻動物が原料となっている飼料の使用禁止措置を発し、フランスからその飼料がスペインへ不法に流入してこないようコントロールを厳しくしているということも明らかにしている。
海綿状脳症国家研究所所長によれば、狂牛病の原因となるプリオンは牛が年齢を重ねる毎に凝縮して行き危険性が増すという。生後20ヶ月までの牛は何ら問題は発生せず、30ヶ月までに関しても許容範囲内であるとする。
EUの常任委員会ではこれらの検査にかかる費用の補助として少なくとも約100億ペセタを支給することを決定している。

パラリンピックに不正あり?健常者が出場してメダル獲得?

昨日発売された雑誌「CAPITAL」で、先月行なわれたシドニー・パラリンピックに出場したバスケットボール、陸上、水泳、卓球の選手が健常者であったということを指摘されている。これは、金メダルを獲得した知的障害者バスケットボールチームの選手として参加した同誌の記者カルロス・リバゴルダ氏が自らの経験談としてすっぱぬいたもの。
同氏によれば、メダル獲得数を増やし、助成金をより多く受けることが要求されるためこのような不正に発展する、という。選手の登録の際どの程度の障害があるかの検査は行なわれていないのが現状のため健常者が選手として出場することが可能であり、バスケットチームの場合3人が健常者であった、とも話す。
スペイン知的障害スポーツ連盟(FEDDI)では同記者の糾弾を真向から否定。出場した選手は全て条件にあてはまっていたことを強調し、同選手が2年間も選手として活躍していながらいまさらこのような発言をすることは理解できない、とコメント。
パラリンピックの基準となる知的障害のレベルは知能指数85以下であり、スペインでは知能指数が70以上あれば軍隊にも入隊できることとなっている。
スペインパラリンピック委員会ではこの件につき臨時会議を開き調査を開始する予定。


11月23日(木)

PSOE、中央政府にPNVと会談を持つことを要求

21日夜、バルセロナにてエルネスト・ジュック氏がETAのメンバーによって殺害されたことを受け、昨日、カタルーニャ社会党(PSC)本部にてジュック氏の追悼式が行なわれた。
昨日の追悼式には、サパテロPSOE幹事長、フェリーペ・ゴンザレス前首相、イバレチェバスク州首長など多数の政治家達も参加し、PSC本部に入りきれなかった多数の市民が記帳の為に長蛇の列を作った。午後にはマジョール内務大臣もPSC本部に到着し、社会党員やバルセロナ市民に遺憾の意を表した。PSOEやPSCを初めとする社会党グループは、マジョール内務大臣に、テロ問題を早期に解決する為にも中央政府にPNV、バスク州首長との会談を持つことを要求したが、マジョール内務大臣は、これ以上社会党員がETAの犠牲にならないように護衛などの安全面での強化を図ることは約束したものの、PNVとの会談を持つという要求は拒否した。
また、バルセロナでは今日も午後7時半からETAのテロ行為に反対の意を表するデモが予定されている。今日のデモには、アスナル首相、サパテロPSOE幹事長も参加することを表明している。
一方、スペイン君主制25周年の祝典に列席されていたフアン・カルロス国王は、ジュック氏の死を無駄にしない為にも全員が団結しテロリズムに立ち向かう必要がある、とした。

スペインでも狂牛病のケースが発覚

ミゲル・アリアス・カニェテ農林水産大臣は、昨日、スペインにおいて狂牛病のケースが初めて発覚したことを発表した。
狂牛病のケースが発覚したのは、ガリシア地方のルゴにある牧場。病気に犯されていたのは、同牧場で飼育され、先月の25日に死亡した5歳の雌牛であった。農林水産大臣によると、狂牛病に掛かっていた雌牛の親牛は、オランダの血統であったとのこと。また、ガリシア評議会は、先月死亡した雌牛は4頭の子牛を生んでいるが、うち1頭は6ヶ月で死亡し、他の3頭は食用肉として出荷されたことを公表した。しかし、農林水産省は、食用として出荷された3頭の牛は、2歳未満で出荷されたため、その肉によって人が狂牛病に掛かる恐れはないとしている。同牧場で飼育されていた他の牛も処分される予定となっている。
また、ラ・コルーニャのコリスタンコの牧場でも、狂牛病が疑われるケースが発覚している。このケースも5歳の雌牛で、公式な検査結果は今日もしくは明日中には出る予定となっている。ガリシアの牧場同様、この牧場でも飼育していた牛を処分する予定。
スペインでは年間220万頭の牛が食用として出荷されているが、うち、もし狂牛病に掛かっていれば人体にも被害を及ぼす2歳以上の牛は35万頭となっている。

低迷する株式市場、投資家離れすすむ

スペイン株式市場が低迷する中、昨日のマドリードでは3%近い下落を記録、今年に入って から2番目に大きな下げ幅を示した事になった。
証券会社では小口投資家の信頼が薄れ、株離れが起きていること、損失を最小限に留めるため 下落傾向にある株式を早い時期に売ろうとする姿勢が見えることなどを指摘している。 また、米国大統領選挙の余波を受け、テクノロジー、テレコミュニケーション関連株が弱さを露呈 している。さらに、ユーロ安が影響し、ヨーロッパ全体の証券市場が冷え込み軒並み大幅な下落を 見せている。
スペインの各大手企業は南米諸国へ大きな投資を行っているため、実際には他のヨーロッパ諸国 の株式市場は異なり、市場が急速に冷え込んだ場合大きな危険性をはらむこととなる。
一方、テレフォニカグループのテレフォニカ・モビレスの上場初日は大きな株価の動きがなく、11ユーロ の終値となった。


11月22日(水)

ジュック氏、ETAの銃弾に倒れる

昨日午後10時数分前、バルセロナにて元PSOEの厚生大臣、エルネスト・ジュック氏がETAのメンバ−によって殺害された。頭部に2発の銃弾を受け、即死状態であった。
犯行を行ったETAのメンバーは、ジュック氏が帰宅するのを待ち伏せし、同氏が駐車場に車を止め、車から出てきた瞬間を狙ったもよう。ジュック氏が死亡しているのが発見されたのは、殺害された後、だいぶ時間が経過した午後11時30分であった。第1発見者は、ジュック氏と同じマンションの住民で、駐車場を通った際に2台の乗用車の間に倒れている被害者を発見した。
さらに、ジュック氏を殺害する数分前の午後9時55分、ETAのメンバーは、同氏に対するテロを犯したわずか50メートル先の空き地で、逃亡の為に使用していた白い乗用車を爆破させた。爆破した乗用車は、偽造ナンバーを使用していた。乗用車爆破の連絡を受け現場に集まっていた警察官、プジョールカタルーニャ州知事を初めとする政治家達は、その場にてジュック氏がETAによって襲われたという連絡を受けた。
当初、爆破した乗用車は、現場付近に住むPPカタルーニャ支部長のアルベルト・フェルナンデス・ダイス氏を殺害する目的で用意された物が事故的に爆発したと見られていたが、実際には既にテロは犯された後であった。
停戦撤回後21人目の被害者となってしまったジュック氏は、大臣職を退いた後、メネンデス・ペラジョ国際大学の学長を務め、後、バルセロナ大学にて教鞭を執っていた。

政府、教育プログラム改編に115億ペセタを割り当てる予定

中等教育と高等教育にて予定されている教育プログラム改編の費用に、政府は計115億ペセタを割り当てる予定となっていることを公表した。
115億ペセタのうち92億3500万ペセタは、中等教育での国語と数学の時間数の増加に伴う費用と、高等教育での哲学の授業数増加の費用に割り当て、残りの22億6500万ペセタは高等教育のギリシャ語や古典文化などの授業の助成金とする見通しとなっている。
国語、数学、哲学の授業数増加に充てられた92億3500万ペセタのうち、31億2600万ペセタが国語の授業数増加に、同じく31億2600万ペセタが数学の授業数増加に、29億8200万ペセタが哲学の授業数増加に費やされることになっている。
昨日、ピラール・デル・カスティージョ文部大臣はこの予算案をPSOEに提出した。PSOEは、近日中には予算案に対する党としての意見をまとめる予定。
また、17の自治州のうち、アンダルシア、アストゥリアス、カスティージャ-ラ・マンチャ、カタルーニャ、バレンシア、エクストレマドゥーラ、マドリッド、アラゴン、バレアーレスの9自治州が教育プログラム改編に伴う費用の見積もりを出した。この9自治州が出した見積もりは、政府が提示した額より40%程上回ったものとなっている。

発見された子供の遺体、行方不明になっていたジョナサンくんか?

5月27日からマドリッドのサン・フランシスコ・デ・エナーレスにて行方不明となっていたジョナサン・バルルくん(当時2歳)のものと思われる、白骨化した子供の遺体の一部が発見された。
遺体が発見された場所は、ジョナサンくんが母親と2人の兄弟と一緒に住んでいた自宅から、わずか1,500メートルのところの松林であり、発見者は、土砂を捨てに来たトラック運転手であった。
遺体の一部を発見したトラック運転手の話によると、「最初は犬の骨かと思ったが、近づいてみると人間の子供の頭蓋骨であり、警察に通報した。5月からこの付近でジョナサンくんが行方不明になっているのを知っていたので、もしかしたらジョナサンくんの遺体ではないかと思った。」とのこと。
また、遺体の20メートル先に、行方不明になった当時、ジョナサンくんが身に着けていたオーバーオールと靴が発見され、ジョナサンくんの母親と祖母によって、これらはジョナサンくんの物であると確認された。
警察は、「発見された遺体は、ジョナサンくんである可能性が非常に高いが、DNA鑑定の結果を待つ必要がある」としている。
昨日発見された頭蓋骨と肋骨の一部には、暴力を加えられた痕跡はなかった。


11月21日(火)

バスク地方での警備体制強化について中央、バスク両政府で同意をみる

ETAによるテロ行為、脅迫行為により、バスク地方における要警護人物の増加に伴い、警護する側の人員が不足してきている。現在、国家警察、治安警察、バスク地方警察の3つの警察組織がこの活動を担当、必要に応じて警備会社のへ応援を頼むこととなっている。警護をするか否かの決定権はバスク地方警察が握っており、組織間の話合いによりあらかじめバスク警察と合意を得ていなければ自由に警護活動をする事はできない。
昨日は中央政府内務省とバスク政府の内務担当局との会談が実現し、警護活動に関して今まで地方と中央に深く存在した溝を埋め、縄張り意識を薄める効果をもたらした。
公式な記録によれば、現在警護に当たっている警察官はバスク地方警察官が600人、全体の65%を占めるとされる。しかしながら、これだけでは需要においつかず、市中のパトロール担当警察官200人を警護担当にまわすことを余儀なくされた状態となった。そのため、今回の会談では国家警察、治安警察からも派遣人数を増やし、中央からの派遣の割合を50%にまで引き上げることで同意をみることとなった。
また、バスク政府では警備会社への外注のための費用として8億ペセタを計上することを決定している。

政府、天然ガス料金の4.1%の値上げを決定

昨日、中央政府エネルギー政策局は本日より天然ガス料金を4.1%値上げすることを発表した。この値上げで1サーム7.99ペセタのところ8.33ペセタとなる。再三にわたる値上げにより、今年に入ってからの上昇率は19.1%となった。また、液体ガスについても同様の措置をとっているため、プロパン、ブタンガスの値段は先月よりも3.6%上昇している。
経済省ではガス料金の見直しについて原油価格の高騰に加え、取引通貨であるドルが高値続きであることと説明している。
この決定に対し、野党、消費者団体などから大きな苦情が寄せられており、スペイン消費者主婦連盟では利益確保のための値上げが許されているとして、レプソル社及びガス・ナトゥラル社を訴えることを明らかにしている。
一方、ガス料金の値上げは即時11月の消費物価指数に反映することは間違いなく、年金の改訂作業にも大きな影響を及ぼすことが指摘されている。


11月20日(月)

スペイン民主主義25周年に際して

フランコの死及びフアン・カルロス国王の即位から25年、スペインの民主主義25周年でもある。この記念すべき日に際し、フアン・カルロス国王は即位当時から現在までを振返りその歴史について語った。
この四半世紀は長いようでもあり短いようでもあったが、常にスペイン国民を愛し、役に立てるように心がけてきた、という。長い目で見てみれば、それを成し遂げ、結果として悪くなかったようにみえる、と付け加えている。
また、独裁時代から立憲君主制への移行には困難がつきまとうことを自覚していたことを認め、民主主義なくしては君主制もありえないということが出発点であった事を話した。そして、移行への尽力を果たした2人の人物についても触れた。独裁時代の政治を良く知り、新たな時代を築こうとする志を持っていたアドルフォ・スアレスに信頼を置き、トルクアト・フェルナンデス・ミランダとは政党の合法化、恩赦を実施し、誰もがないがしろにされたと感じないような憲法の考案を行ったことを思い起こし、語っている。
現在のスペインが抱える大きな問題がテロ問題であることにも触れ、民主主義を擁護しながらも解決する道があるだろう、と明言した。

ETA、PNVに対し、主権主義を捨てた、と強く非難

ETAの停戦撤回宣言から1年が経過しようとしている現在、これまでのテロ行為について1年の決算報告ともいえるようなETAの声明文が「GARA」紙と「EGUNKARIA」紙に発表された。この声明文では穏健派民族主義政党であるPNV及びEAに対し、主権独立主義を捨て“新たな自治への道”を歩もうとしている、と強く非難、そして、両党が冷静かつ平和的な方法でのバスク国家の建設を阻んでいくのだ、と断言し、10ヶ月の間で20人を殺害したことを正当化している。 これに対し、PNVのアルサジュス党首は、ETAはただ責任の分散を図りたいだけで、彼らの“弱さ”を露呈したとやり返している。さらに、このような血なま臭い行動を取りつづけていてもPP(現中央政府与党)の票を増やすだけだと批判した。
しかし、アルサジュス党首はETAと同様、マスメディアはスペインの司法官と組んで、民族主義者であることは損なことだという不当なキャンペーンをはっており、これらの“爆撃”は市民戦争時の空爆よりもひどい、と厳しい態度に出ている。

野党、中央政府の提案する外国人法改正案に対し、譲歩を求める

今年に入ってから施行された外国人法であるが、中央政府が議会に改正案を提出して久しい。中央政府からは移民政策担当局長であるエンリケ・フェルナンデス・ミランダが筆頭となり野党各党(PSOE、CIU、カナリアス連合)との意見調整を続けている。
これは、昨年にPPが議会において過半数の議席を有していなかったために思う通りの改革ができず、野党に押し切られる形で外国人に大幅な権利を与えることとなった新外国人法を、3月の総選挙時で大勝した中央政府が数にものを言わせ、合法滞在外国人と不法滞在外国人との権利を明確に線引きするような提案を行っているもの。国会での採決に至った場合、数字的には可決への道に障害はないが、中央政府としては上記3党の合意を得た上で改正案を推し進めたいという意向をもつ。
野党3党は政府の提案する集会、デモ、結社の自由、組合への加入、ストライキに関する権利を合法滞在外国人に限る、という項目を削除しない限り、政府案を指示することは不可能であるという態度を明確にしている。
PSOEのディエゴ・ロペス議員は、政府の提案する改正案は違憲の可能性があるだけでなく、ヨーロッパ間で取り交わされた人権に関する協定に抵触すると示唆しており、この協定で認められている権利は出身国にかかわらず、享受することができると話している。


11月17日(金)

中央政府の刑法改正案、PSOEの支持を得る

昨日の国会で中央政府が提出していた刑法及び少年法改正案に関しての投票が行なわれ、PSOEも改正案を大筋で支持し、PNV、IUなどの反対勢力を完全に押さえた結果となった。
この改正案では昨今のテロ行為、それに付随する市中での破壊行為などを取り締まることに主眼を置いており、さらにはこれらの犯人が低年齢化していることから少年法もそれに伴い見なおして行く必要性があることを中央政府では説いている。
PSOEでは「PPではなくわが国の民主主義政府を支持する」とのコメントを出しており、カタルーニャ連合、カナリアス連合と共にPPと改正案の詳細をつめていく姿勢を見せている。
改正案では市中における破壊行為を一つの犯罪として分類し、刑罰を重くする、テログループに所属していない場合でも国家騒乱、転覆の目的ありとして罰することができるようにする、テロ行為を賞賛、正当化するような発言、テロによる被害者・その家族を辱めるような行為に懲役刑を課すなどを大きな柱としている。
また、少年法ではテロ行為に関った少年の施設への収容期間の最長を5年から10年に延長し、年齢も16歳から18歳のところを14歳まで引き下げるなどとしている。

銀行業界、今年に入って29%の増収

スペイン銀行協会は昨日、今年9月末までの銀行業界の収益が昨年同時期と比較し、29.2%の伸びを見せたことを公表した。
この大幅な増収については、USドルの売買での利益によるものが大きく、税引き前収入の5分の1、約1560億ペセタ、に達していることを明らかにしている。この項目に関してだけに限れば昨年の第3四半期と比べ271%という大幅な上昇が記録されている。銀行の財務筋ではこれからもドルに対する信用が続くとみており、残る数ヶ月も好調に収益を伸ばすことになるだろうと予測をたてている。
また、金融投資、特に株式の売買などによる手数料収入も増えており、伸び率は9%となっている。

セウタのモロッコ人の少年達、警察の警護のもと通学開始

今週の月曜日から登校する予定であったモロッコ人の少年達30人が、スペイン人の父兄たちに学校内への立入りを阻止されていた問題について(11月14日付トップニュース参照)、昨日ついに警官隊の警護のもと、通学が可能となった。
問題となっている公立中学校は午後3時までを一般のスペイン人の子供達が通学する時間、それ以降8時までをモロッコ人少年達への授業時間にあてることとなっているため、子供同士の接触はない。しかし、父兄会ではモロッコ人少年達の危険性を訴え、昨日もバスにのり集団で登校してきた少年達を罵倒するなどの言動をとっている。
セウタ自治体の代表は少年達は健康であり、社会への適応段階にあり、学習意欲もある、と説明、父兄達の反対行動を“嘆かわしいこと”とし、彼らにもスペイン憲法で保証された学習する権利があることを理解していない、と批判している。


11月16日(木)

10月の消費者物価指数が4%に上昇

昨日、10月の消費者物価指数が4%まで上昇したとの統計結果が発表された。
この数値は1995年からの5年間のうちで最も高い数値となっており、政府が定めた目標指数の倍近いものとなっている。昨年の9月−10月間の消費者物価指数の変化は0%であったのに対し、今年の同期間の指数の変化は0,3%の上昇となっている。消費者物価指数がここまで上昇したのは、1996年3月にPPが与党となってから初めてのこと。
この消費者物価指数の上昇の原因として考えられているものは、国際原油取引価格の高騰による燃料の値上げ、生鮮食品の値上がり、大学教育費の上昇など。また、工業製品も先月と比較して0,4%価格が上昇し、昨年の価格と比較して約倍の価格となったことも影響していると考えられている。
このような状況を前に、ルイス・デ・ギンドス経済企画政務次官は、「今回の消費者物価指数の上昇は、燃料や生鮮食品など価格の変動が激しいものの値上がりが原因となっている為、今後、指数は下降するであろう」とのコメントを発表した。また、ロドリゴ・ラト経済企画庁長官は、「満足できる結果ではない」と簡潔にコメントを述べただけに留まった。

バルセロナのレジオネラ菌感染者、33人に

レジオネラ菌に感染したとして、既に17人の患者が入院しているバルセロナのマル病院にて、昨日、新たに16人の感染者が発見され、レジオネラ菌に感染した患者の人数は33人となった。
マル病院の医師によると、昨日新たに感染がわかった16人の患者は、既に肺炎の症状で入院していた患者であり、通常の肺炎治療を施しでも回復の兆しを見せなかった為、精密検査検査を行ったところ、レジオネラ菌が検出されたとのこと。
菌発生元は空調設備の冷却塔が原因ではないかと見込んでいる専門家達は、昨日、バルセロネータ地区の空調設備の冷却塔に使用されている水のサンプルを集めたが、現時点では菌発生元を特定できていない。
レジオネラ菌が発生したバルセロネータ地区は、海岸に面している為、風向きが変わりやすい地区である。風によってレジオネラ菌が繁殖している水蒸気が拡散し、さらに感染者が増えることが懸念されている。


11月15日(水)

カタルーニャ自治政府、パレロル氏の不正流用を知りつつ、EU助成金を支払いつづける

ヨーロッパ委員会から毎年支払われている失業者の職業訓練のための助成金が 職業訓練校の経営者フィデル・パレロル氏に不正に流れているという"パレロル事件" に関する議会の調査命令から1年、ついに調査に関する報告書が提出された。
不正疑惑が明るみに出てから数年間に渡り、議会内で調査委員会を設けることを 拒否してきた与党CIU(カタルーニャ連合)は今回EU委員会が60億の助成金の 支払いを凍結したことで、この問題を取り上げざるを得ない状況となった。 すでに会計監査院では、助成金の使途不明によりパレロル氏に対して1996年分 に関し、7千万ペセタの返還を求めているが、同氏はそれには応じていない。 これらの調査は自治政府の労働担当局をしきるカタルーニャ民主連合(UDC)へも 飛び火し、UDCへのお金の流れについても調査の対象となっている。
調査報告書によると、自治政府は1994年に不正を指摘されていながら、何の手も うたず、それ以降も14億ペセタの助成金を支払いつづけた、ことになっている。
不正の方法については同氏の経営する職業訓練校3校はアンドラに本部を設け、 税金を免除されたかたちをとっており、さらには異常なまでに膨れ上がった 必要経費の計上、在籍していない学生の存在、署名の偽造、などの方法を 用いている。

文部省、教育プログラム改編に伴う資金供給を表明

昨日、文部省は中等教育と高等教育の教育プログラムを改編するに伴う費用を出資することを表明した。
予定されている教育プログラム改編の主な内容は、中等教育の第1学年、第2学年において国語、数学の授業時間数が共に週1時間増加し、高等教育にて哲学の時間数が週1時間増加するというもの。ピラール・デル・カスティージョ文部大臣によると、このプログラム改編案は、世界規模で進められている教育システム改良計画に則ったものであるとのこと。
しかし、CCOOやUGTなどの労働組合は、国語、数学の時間数が増加することに対しては賛同しているものの、今回の改編は中等教育や高等教育が現在抱えている問題を根本的に解決するものではない、と文部省を批判している。特に、UGTは、音楽と造形美術の時間数が削減されることに対して強く非難している。
昨日行なわれた会合では、改編案のいくつかの点について異議が出たものの、政府教育諮問機関は、近日中には報告書を作成する見通しである。
カタルーニャ自治州では、今回の教育プログラム改編に伴い、約20億ペセタの資金が必要となると見込んでいる。

レジオネラ症で17人がバルセロナの病院に入院

計17人がレギオネラ菌に感染したとしてバルセロナのマル病院に入院したことがわかった。
今回レジオネラ菌の検出が発覚したのは、バルセロナ自治州保健研究所にマル病院から、入院患者のうち5人にレジオネラ・ニューモフィラ菌が検察されたと報告を受けた今週の月曜日。さらに、昨日の午後、他の12人がレジオネラ菌による肺炎の症状で入院した。17人の感染者のうち4人は症状が重く、集中治療室にて治療を受けている。マル病院に入院した感染者の年代は、レジオネラ菌に最も感染しやすい50歳代から90歳代であり、9人が男性、残る8人が女性であった。
レジオネラ菌検出の報告を受けたバルセロナ自治州保健研究所は、昨日、感染者が訪れた場所の水質検査など、菌の発生元を特定する為の調査を開始した。現時点でわかったことは、全ての感染者がバルセロネータ地区の海岸部で菌に感染した可能性が強いということである。
レジオネラ菌は消化器官を穿通して血行に入り散布されることから、経口感染による集団感染を防ぐ為に、病院内の衛生管理にも細心の注意を払う必要があるとしている。


11月14日(火)

保護監察中のETAの元ナンバー2、フランス警察の目を盗んで逃亡

フランス国内においてフランス警察の保護処分中にあったETAの元ナンバー2“モブトゥ”が居住先のホテルより監視の目を盗んで逃亡を図った。“モブトゥ”は身柄を拘束されていたわけではないが、常時警察官の監視下にあり、ホテルのあるオブソン市から外にはでることができないこととなっていた。
“モブトゥ”は年少の頃よりETAに所属、1992年より幹部組織に属していた。しかし、1994年にフランス警察に逮捕され、7年の実刑判決をうけ今年7月に出所。フランス側は同人に国外退去命令を出したが、ETA側がベルサイユ行政裁判所及びヨーロッパ人権裁判所に命令撤回の処分を求め控訴、処分が中断されることとなり、ヨーロッパ人権裁判所はフランス側に判断を委ねることとなった。ベルサイユ行政裁判所は“モブトゥ”からのスペイン側への引渡しは同人の身体にかかわる危険がある、との申し入れを取り上げ国外退去命令を却下したが、第3国への退去命令処分を下した。この判決に対しても再び上告し、係争中であった。
ホテルのあるオブソン市は周りを森に囲まれ、人口の少ない街であり、協力者が車で逃亡を手伝ったことは間違いのないところである、とみられている。フランス当局では“モブトゥ”の逃亡に関し、“不幸な出来事である”とのコメントを出している。

バスク、ナバーラの報道関係者、ETAの脅しに屈しないことを表明するための集会を開く

昨今、ETAの報道に携わる機関、人々に対する脅迫、攻撃が頻繁に起されていることに関して、バスク、ナバーラ地方の報道関係者が抗議の意を示し、サン・セバスティアンで集会を開いた。
先週には、「エル・パイス」紙の編集員と「アンテナ3」TV局の特派員の夫婦の自宅に爆弾が仕掛けられたり、スペイン国営放送「TVE」や「RNE」にも火炎瓶が投げ込まれるなどの事件があいついでいる。このようなETAの攻撃に対して、「ETA独裁反対」と題した声明文を読み上げた。
声明文では、どのような場合にもETAのピストル、爆弾などの脅しに屈しないし、殺害という手段によって恐怖を与えられようとも、我々プロの報道関係者は表現の自由を守って行く、とする。
また、バスク社会に向かって、表現の自由を制限されることは民主主義社会の崩壊の危険性をはらみ、独裁への道を歩むのだということを自覚してもらいたい、と呼びかけた。
この集会には各方面の知識人、教育関係者、政治家などが参加、唯一参加を拒否したETAを擁護する政党EHは「他の目的を隠す為に表現の自由という傘を利用した詐欺行為である」と批判している。

セウタの中学校の父兄、モロッコ人の通学を阻止

モロッコと国境を接するセウタの公立中学校の父兄が不法にスペインに入国したモロッコ人の中学生30人の通学を阻止する行動に出ている。13歳から16歳までの30人のモロッコ人たちは未成年の保護施設に収容されており、スペインの法律により合法、不法にかかわらず義務教育を受ける権利を持つため、スペイン文部省により通学を許可されている。
このような行動に出た父兄達は、人種差別や外国人排斥のために通学反対をしているわけではなく、これらの子供達がシンナーを吸ったり犯罪に走ったりと、問題行動を起こしていることが反対理由なのだと説明する。さらに、スペイン人の子供にも課している厳格な健康診断を受けているのかどうかについても疑問を呈しているが、病気の感染だけでなく、攻撃性があることで子供達が危険にさらされる可能性があるとも話している。
父兄会では、文部省がこれからもこれらモロッコ人の通学を強制するようであるならば、700人の生徒全員が学校にはいかない、と強硬な態度をとっている。


11月13日(月)

「アルディ・ベルツァ」の編集長、全国管区裁判所に召喚されることが決定

法務省のアンヘル・アセベ大臣は、月刊誌「アルディ・ベルツァ」の編集長ペペ・レイ氏を全国管区裁判所に召喚することを決定したと発表した。これは同氏によってこの月刊誌上で“内務省の手先”、販売したビデオ内で“バスク民族の敵”と名前を挙げて攻撃された新聞記者のうちの2人が検察に告発、数日後には他の2人が全国管区裁判所に訴え出たことによる。
アセベ法相は、検察が同氏の言動はETAに協力するものであり、審理を開始するに値するだけの証拠がそろったと判断したことを明らかにしており、テロ幇助、もしくは重大犯罪の教唆の罪で起訴される可能性を示唆している。
金曜日の朝に、サン・セバスティアンでやはり最新号のビデオ内で実名を挙げられていた新聞記者の夫婦と1歳半になるその息子が狙われた爆破未遂事件を例にとり、同雑誌の論調とETAの行動に何らかの関連性があることは明らかである、との意見を広報省のカバニージャス大臣は閣僚会議後に発表している。

密入国者のモロッコ人家族団体、行方不明者の調査を促す

モロッコからスペインへ海を渡って、密入国を企む人々は後をたたない。しかしながら、密入国者の多くは家を出てからの消息を絶っており、自国で待つ家族は彼らの生死すらわからない状態にさせられている。モロッコでは秘密裏に海外に出国することは犯罪となるため、家族も公に捜査を依頼することをためらうことになる。
このような状況が続く中、消息を絶った者の家族が集まり、モッロコ人権団体とアンダルシア人権を擁護する会に働きかけた結果、今週タンジェに“両国の岸辺”と名づけられたフォーラムが結成される運びとなった。このフォーラムでは行方不明者となった人々のリストを作成、スペインNGOの助けも借り、調査を始める予定。
モロッコとスペインを隔てる海でボートが転覆するなどして溺死してしまいスペインの海域で遺体を回収しても身元が判別しないケースが大変多い。これは救助された場合に備え身元を証明するものをあらかじめ捨ててしまうためである。身元が判明しなければ、強制送還を免れることができることを考えての策である。そのことが原因となってスペイン側でも遺体の返還ができず、発見された地で無縁仏として埋葬することとなってしまっている。


11月10日(金)

フランス警察、GRAPOの中枢機構のメンバーを一斉検挙

昨日夕方、スペインのマジョール・オレハ内省はフランス警察によってテロリストグループGRAPOの幹部、協力者総計7人が検挙されたことを発表した。検挙された中には最高幹部マヌエル・ペレス・マルティネスや未だ解決をみていない“コルドン氏誘拐事件”の鍵を握ると見られるフェルナンド・シルバ・サンデも含まれている。
今年9月にGRAPOの幹部の1人であるホセ・アントニオ・ペニャ・ケサダがマドリードのバラハス空港でパリ行きの飛行機に搭乗したことをスペイン治安警察に確認されたことで、フランス警察がパリ市内に潜入した同容疑者を内偵していた。捜査の段階でGRAPOのメンバーが出入りする隠れ家5ヶ所を確認し、昨日午後一斉検挙に踏み切った。家宅捜査の結果、爆発物が押収されたことは認めているが、マジョール内相は捜査に関する詳細なコメントを控えた。
また、GRAPOはETAに対してETAの活動を支持する旨の書簡を送っており、内務省では両集団がどのような関係にあるのかも明らかにしたい意向。
***GRAPO:1975年10月1日に結成されたアンチファシズムを標榜する狂信的テロリスト集団で、社会的な支持が得られず、セクトとしての要素が強く現れている。現在までの25年間で計82人を殺害、3件の誘拐事件を起している。フランコ政権が終わり、民主主義への移行期に大半の事件は集中しており、その頃の誘拐事件2件に関しては人質は無事釈放されている。95年のサラゴサの実業家コルドン氏が誘拐された事件については家族が4億ペセタの身代金を支払っているが返還されず、同氏の生死は現在においても定かではない。

“コマンド・ビスカヤ”のメンバー、ビルバオで逮捕

本日未明、ビルバオでETAの“新コマンド・ビスカヤ”のメンバー4人が逮捕された。メンバーの出入りしていた隠れ家3ヶ所に捜査が入っており、80キロのダイナマイト、リボルバー、機関銃などがが発見されている。逮捕時には男女3人が武装しており、街頭には逮捕を阻もうとする急進派の支持者達が押し寄せたため、機動隊が空中発砲するなど、一時は騒然となった。
逮捕された人物は7月に行なわれた“コマンド・アラバ”一斉摘発時に存在をつかまれたアシエル・カレラ、及び昨年12月から爆発物運搬の疑い手配されていたイゴル・マルティネス他2人。
“コマンド・ビスカヤ”は警察によって現在までに8回の一斉摘発を受け、その度に新メンバーによってコマンド部隊の刷新を図ってきている。今年8月に同部隊幹部以下4人がビルバオ市内において爆発物の操作ミスにより自爆したことで、新たな部隊を再構築したことは疑いのないところである、と内務省では見ている。

フランス、アイルランドの牛肉の輸入禁止措置は違法の可能性あり

スペイン政府が昨日から狂牛病対策としてフランス産、アイルランド産の牛肉を向こう1年間輸入禁止とするという措置をとったことが、ヨーロッパ委員会で問題視されている。スペインのとった措置は国民の健康に悪影響を及ぼすという証明がなされなければ、権利侵害にあたり、違法行為となるというもの。
スペインの狂牛病に関する専門家は狂牛病が散見されるようになった何年も前から非公式ではあるが農業省に対し、「関連国との国境を開いていることは不必要な危険を伴う」と輸入禁止措置をとるよう要求してきたという。
ヨーロッパ委員会の勧告を受けジョゼップ・ピケ外相は、「ヨーロッパ委員会の言い分は十分理解できることであるが、自由経済の前でも常に消費者の健康が優先される」と説明している。


11月9日(木)

本日は、マドリードの祝日にあたる為、お休みさせて頂きます。


11月8日(水)

ETAのメンバーなど、8人が逮捕される

昨日、マドリードとバルセロナにてETAのメンバー4人、ETAの協力者4人の計8人が逮捕された。今回逮捕された4人のメンバーは、ビクトル・ゴニィ・マルティネス、アシエル・ウレタビスカイア・メリノ、ネレア・ガロ・ペレス、アイナラ・エステラン・クルス。この4人は10日ほど前にマドリードに入ったばかりであったが、既に、近日中にマドリードでテロ行為を犯す計画を立てていた。
警察は9月に、グアダラハラの家屋の定住していたアシエル・ウレタビスカイアの居場所を突き止め、同容疑者の行動を監視していた。のち、1985年にビトリアで1度逮捕されているビクトル・ゴニィ・マルティネスと連絡を取り合っていることが発覚、さらに、マドリードの中心地に3軒の隠れ家を発見した。
今回の逮捕の直接の切っ掛けとなったのは、月曜日の午後にネレア・ガロ・ペレスとアイナラ・エステラン・クルスが政治亡命を求めキューバ大使館に出向いたことであった。2人はキューバ大使館から出てきた際に逮捕され、のち、かねてから警察によってその行動を監視されていたビクトル・ゴニィとアシエル・ウレタビスカイアも逮捕された。さらに、警察は、この4人に協力していたとしてルルデス・サンチェスとアリシア・ヤグエの2人も逮捕した。
また、マドリードでETAのメンバーなど6人が逮捕されたことによって、バルセロナでビクトル・ゴニィがしばしば出入りしていた隠れ家の場所が突き止められ、フランス国籍とアルゼンチン国籍のETA協力者2人も逮捕されている。
しかしながら、今回逮捕されたメンバーは先月30日に3人の死者を出したマドリードのテロには関係していなかった。このことを受け、マジョール内務大臣は、「今回の逮捕によって新たなテロ行為を未然に防ぐことが出来たが、“コマンド・マドリード”が完全に解散されたとは考えにくい」とのコメントを残した。

乗用車の売上、12%以上減少する

例年と比較して今年の10月は乗用車の売上が減少していることがわかった。
昨年10月には11万2676台の乗用車を売り上げたのに対し、今年の10月は、わずか9万8894台を売り上げたのみとなっており、12,23%も売上が減少した。12,23%もの売上指数減少は、近年において最も大きな減少となっている。
今年1月、2月は、順調に乗用車の売上を伸ばし、昨年の140万6246台という過去最高の販売台数を2000年はしのぐのではと予想されていたが、その予想に反し、3月には1%売上指数を落とした。6月には更にまた1,3%売上が減少し、翌月の7月には6,2%もの売上が減少した。8月には少し回復したものの、9月に入るとまた売上は減少。
昨年順調であった乗用車の売上が今年になって伸び悩んでいる原因として、利率の上昇とガソリンなど燃料の価格が高騰していることと見られている。しかし、乗用車販売関係は、例年乗用車の売上が伸びる12月には、落ち続けいている売上指数に一旦歯止めがかかるのではないかとの見通しをたてている。


11月7日(火)

不法滞在外国人特別合法化手続きで却下された人々の救済措置を政府が承認

今年に入ってから行なわれた不法滞在外国人の特別合法化手続きを申請した人々の総数は245.684人でそのうちの185.663人に関しては審査が終了している。その中で57.646人が合法化を却下されている。
昨日の国会ではPSOEから提出されていた外国人法の修正案の一部を認める形となって、中央政府はこれらの申請を却下された人々の救済措置を設けることを承認した。これは申請条件の1つであった「1999年6月1日以前よりスペインに滞在していることの証明」ができなかった人にのみ適用されるという条件がつくが、新たな申請書の提出は求められないこととなった。この措置によってアルメリアだけでも1万人ほどの外国人がこの枠に入るものと推定される。
合法化を却下されていた多くの人々はスペインで働いている状況にあり、却下されたからといって国外追放の措置をとることは不可能に近い、と社会主義政党などからも早急な解決策を求められていた状況に沿ったものとなった。ただ、中央政府はこの救済措置についての合意に関して、新たな外国人への手続きに発展させるつもりがないことを確認しており、あくまでも先の特別合法化手続きの延長であることを強調している。

市民団体“BASTA YA”が「DEIA」紙の副編集長、雑誌「アルディ・ベルツァ」を糾弾

テロリスト、ETAに反対する市民団体“BASTA YA”は記者会見を開き、ヨーロッパ議会においてサハロフ賞を授与されたことに対する感謝の意を表し、と同時にその席で「DEIA」紙の副編集長でありコラムニストでもあるシャビエル・ラピツ氏が“テロを鼓舞”する記事を執筆している、と糾弾した。また、元“EGIN”の調査局長であるペペ・レイが監修する雑誌「アルディ・ベルツァ」をも同様の理由で槍玉に挙げている。
“BASTA YA”のスポークスマンを務めるフェルナンド・サバテル氏や国立図書館長であるジョン・フアリスティ氏はラピツ氏の執筆した同氏らの名前を挙げたコラムが掲載されてからETAの“コマンド・ビスカヤ”の標的となり始めたこと、「アルディ・ベルツァ」が40人の新聞記者の名前を挙げたビデオを制作、「貴方の名前がここに挙がっているなら、要注意」といったコメントが入っており、その数日後にはホセ・ルイス・ロペス・デ・ラカジェ氏の殺害事件があったことを例にあげている。 さらに、PNVのアルサジュス党首の昨日までの見解に言及し、実際にバスク地方去っている人がいるにもかかわらず、その事実を隠し嘘をついていると非難した。

暴風雨、スペインでも大きな被害を出す

ヨーロッパ全体が悪天候にみまわれている中、スペインでも各地で大きな被害を出しており、特に海上では暴風と高波によって航行中の船舶が危険な状態に陥り、空から救出されるという海難事故も起きている。ガリシアの漁船が英国の沿岸付近で同国の救助ヘリコプターに救出されたのをはじめとして、ヨットに乗ったフランス人がガリシア政府の救助隊に、アルメリアでは養殖業者が、アストゥリアス北部の海上を航海中の英国帆船がスペインとフランスのヘリコプターに救出されている。総勢37人との数字が出ているが、2人が軽いけがを負った以外は全て健康に異常がないもよう。
また、カンタブリア、ガリシアなど6ヶ所で強風のため道路が遮断され、床上浸水などの被害も報告されている。スペイン北部地方を発着地とする空の便も欠航が相次ぎ、乗客の足を乱すこととなった。 気象庁ではこれから先、お天気が回復していくという予報を発表しているが、現時点では全国10州に強風警報を流している。


11月6日(月)

アルサジュス党首バスクの自決権を認めることはバスクを平和に導く、と発言

バスク穏健派政党であるバスク国民党(PNV)のアルサジュス党首は先週の木曜日にイタリア紙にバスク問題に関する独自見解を語ったが、さらにカタルーニャの「エル・ペリオディコ」紙のインタビューでもそれに続く見解を披露した。
アルサジュス党首はバスクの自決権を認めるとする同意がなるならば、平和が訪れるであろうし、ETAも武器を捨てるであろう、との意見を述べた。現実的な問題としては次期地方選挙後は、バスクを治めるのにはPNVとPSOEの連立が望ましいこと、PSOEとPPの連立は容認できないと語っている。
これらの発言に対し、バスクPPのイトゥルガイス氏は、平和に政治という値段をつけたこと、ETAの行為を合法化している、と強く非難。PSOEの連邦書記長ホセ・ブランコ氏は自治権を認めることなしに平和を手に入れることは可能であると批判している。
一方、急進派民族主義政党であるEHは、新たな枠組によってバスクを構築し、主権主義による政府であるならば、支持することもありうることを明らかにしている。

NGO、スペイン政府を不法入国外国人に対する人道的な救済策欠如で告発

毎日のようにジブラルタル海峡を渡ってくる密入国者が海岸沿いで逮捕されているが、今年に入ってからその数はすでに1万を超えている。スペインでは逮捕された密入国者の出身国との協定がないため即時強制送還が不可能となっており、そのために逮捕者は何日間もスペイン政府の身柄預かりとなる。 逮捕された外国人はその間、何らかの施設に収容されることとなるが、あまりに数が多い為に数少ない収容施設は飽和状態で、体育館などを代替施設として利用しているのが現状である。また、施設以外にも医療物資や生活用品が不足し、各方面からの寄付やボランティアの応援が頼りとなっている。中央政府の対応の遅れから“国境なき医師団”や“赤十字”が介入するようになり、NGOでは適切な救済策を講じていない政府を告発している。
不法入国者が押し寄せているタリファ市の市長は新たな収容センター建設を求めているが現在までは色よい返事を受け取ってはいない。カディス県議会でも現況を把握しており、建設計画があることを認めてはいるが具体的な日程については白紙状態だと説明している。その期間は旧アルヘシラス刑務所を外国人たちの収容施設として利用することも考えていることを明らかにしている。


11月3日(金)

アルサジュス党首、バスク人のアイデンティティーについてイタリア紙に語る

バスク国民党PNVのアルサジュス党首はイタリアの新聞紙のインタビューでバスク地方のこれからの行方、バスク人のアイデンティティーについて独自の見解を語った。
アルサジュス党首はバスク地方の政治形態について自治権を持つだけでは現在の問題解決にはならず、ヨーロッパの体制の中での独立が必要であると話す。具体的にはスコットランドのような体制を想定していることを示唆している。また、バスク独立を標榜しテロ行為に走るETA自体が問題なのではなくそれを容認する15万人とも20万人ともいわれる支持者に問題があるとする。
さらにバスク民族に優越性があるとは言わないがバスクという種族は遺伝的にRhマイナスという血液型を持つということが、先史以前からの独自の種族であると証明していると述べた。
現実問題としてバスク地方から多くの知識人や企業家が生命の危険を感じて去っていることに関してははっきりと否定、バスク社会の分裂が存在することはなく、バスク地方はスペインにくらべてずっと豊かであるのだと断言した。そして、バスクの現状全ての責任はアスナル首相にあり、と非難し、自分を信じてくれるよう呼びかけた。

ポランコ判事に対しての審問開始

10月31日に行なわれたETAのメンバーで“コマンド・アンダルシア”のアリエット・イラギに対する裁判の法廷で、全国管区裁判所のポランコ判事が被疑者の脅し文句に不適切な発言をしたことが問題化しているが、昨日、同裁判所統括法廷にてこの事案につき審議が開始されることとなった。
ポランコ判事の言動は不注意な発言として処理できる程度ではなく、重大な過ちであると考えられた場合には、訓戒、罰金などの制裁が下される可能性がある。もし、それ以上に重大であると判断された場合には司法審議委員会で諮られることとなる。
自らの発言がこのような大きな問題と化したことについてポランコ判事は、客観性を欠いた発言であったことを認めているが判事を辞任するつもりは全くないことを明らかにし、さらにはイラギ容疑者からの脅しに恐怖を感じることはないとコメントした。
この一件により、イラギ容疑者に対する裁判はバルタサール・ガルソン判事が受け持つこととなった。

スペイン人の最も心配することはETA、及びテロ問題

社会学調査センターの本年9月のアンケート調査で、スペイン人が最も心配している事柄はETA及びテロ問題であるということが公表された。複数回答が可能なこの質問に70%の人がこの問題を挙げ、昨年まで常にトップであった失業問題が64%と2位に甘んじ、ETA、テロ問題はせいぜい10%程度、多くても35%程度であったことを考えれば驚くべき結果である。
これから1年間でスペインの経済状況はよくなるかという質問に対しては42%が変わらないと答え、上向きになる(15.6%)と考える人より悪化する(24.2%)と答えた人の方が多かった。この理由としてはユーロの下落、燃料価格の高騰などが挙げられる。
コンピュータ関連では常時使用している人は17.3%に過ぎず、33%の人はEメールが、22%はインターネットが何であるかを知らなかった。
それに引き換え、携帯電話の所有率は42%と高く、そのうちの60%以上は1年以上前から所有していると答えている。


11月2日(木)

今度はバルセロナで車爆弾が爆発

今日午前0時58分、バルセロナの中心地にてETAによって仕掛けられた車爆弾が爆破した。マドリードでのテロからわずか2日後のことである。
爆破が起きた場所は、ディアゴナル大通りにあるショッピングセンターに隣接するクララ・カンポアモール公園であり、F.C.バルセロナのホームスタジオであるカンプ・ノウからわずか600メートルのところに位置する場所であった。
爆破が起きる8分前の午前0時50分にはETAのメンバーと名乗る人物から、アヴイ新聞社とバルセロナ消防署に、「白い乗用車に爆弾を仕掛けた。15分以内に爆破する」と電話による犯行声明が届けられた。アヴイ新聞社から連絡を受けたバルセロナ市警察は、直ちに現場に向かったが、犯行声明によって知らされた時刻よりも少し早く車爆弾は爆破した。
目撃者達の証言によると、犯人と思われる若い男が、白いワゴン車に乗ってディアゴナル大通りをタラゴナ方面に向かって逃走したもよう。
昨夜はカンプ・ノウにてF.C.バルセロナとヌマンシアの試合があり、試合終了2時間後に爆発は起きている。今回の爆破による死者はいなかったが、バルセロナ市警察の警官1人と警備員1人が負傷し病院に運ばれた。また、付近の建物や乗用車にも被害が出ている。
警察によると、今回のテロの標的は警察関係の職員だったのではないかと見られている。

英国国籍の原子力潜水艦12隻のうち7隻に問題が発覚

5月よりジブラルタル港に停泊している“タイアレス”を含む英国国籍の原子力潜水艦12隻のうち、7隻に何かしらの問題があることが発覚した。
英国防衛庁によると、「今回発見された問題は、危険を及ぼす可能性がほとんどないものだが、さらに精密な検査を行う必要がある」としている。また、今回の検査で良好な状態と判断された5隻の原子力潜水艦のうち4隻は調整を行い、トマホークミサイルの砲台を搭載した1隻は、間もなく航海に戻る予定であることを発表した。
一方、PSOEは昨日、政府に“タイアレス”問題を深刻に受け止め、英国政府に早急な対応を求めるように要求した。クリスティーナ・ナルボナPSOE環境長官は、「“タイアレス”問題によって影響を受けいているスペイン国民の安全をいち早く確保する為に、政府は真剣な態度で問題に取り組むべきである」とした。

セビージャで妻に重傷を負わせた男が逮捕される

昨日、セビージャのマイレナ・デル・アルハラヘにて、妻に重傷を負わせたとして45歳の男が逮捕された。
男を取り押さえた警備員によると、男は妻を車で引いた後、農作業に使われる刀のマチェテで繰り返し妻を切りつけたもよう。警備員と近隣住民にて取り押さえられた男は、通報を受け現場に駆けつけた警察官によって逮捕された。
頚部や胸部などに大きな怪我を負った妻は、ビルヘン・デル・ロシオ病院に収容され、7時間以上に及ぶ手術を受けた。加害者もまた、手などに軽傷を負い、同病院で手当てを受けた。
取り調べによると、男は前もって犯行を計画していたもようで、あらかじめ凶器のマチェテを車の中に用意し、妻が仕事に出かけるのを待ち伏せていたことがわかった。
夫婦は離婚協議の最中であったが、近隣住民は、口論や暴力などの前例は見られなかったと証言している。


11月1日(水)

本日は諸聖人の祝日の為お休みです。



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