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11月30日(火)

続報・ETAの休戦撤回に対して

日曜日未明に出たETAの休戦撤回宣言を受けて政党間で接触を図り結束を固めていく旨のコメントを発表している。
アスナル首相は昨日、PSOEのアルムニア幹事長と会談を持ち、また本日はIUのアンギータ党首と会見予定。
バスク政府首長・イバレッチェ氏もアスナル首相とアルムニア幹事長との連帯を深めていくことを確認。
PNV(バスク国民党)首脳はETAに対し、バスクの政治を翻弄するようなことはやめるよう強い態度を示し、さらに市民に対しては政党を信頼し、まかせて欲しいとコメントした。
HB(バスク人民連合)はバスク政府を後押しする姿勢は変わらないが、民族主義者達(PNV、EA)に対し、最近はことに対処する際の勇敢さ、一貫した方針に欠け、優柔不断な傾向であることを否めないと強く批判した。
ETAの休戦撤回に対しての隣国フランス政府もスペインと手を携え、テロリスト対策をとることを約束し、フランス国内にいる他のテロリスト集団とETAとの連携を警戒していくことを表明している。 また、ETAの武装部隊の責任者であった“カンタウリ”とその他12人(フランス国内で逮捕)の裁判が昨日フランスの裁判所にて行なわれる予定であったが、来週まで延期となった。

BSCH、ナットウエスト銀行をめぐる争いに参加

BSCH(サンタンデ−ル・セントラル・イスパノ銀行)はイギリス第3位の銀行である ナットウエスト銀行支配をめぐる争いに3160億ペセタあまりをかけ参入する。
BSCHの提携相手であるスコットランド・ロイヤル銀行はナットウエスト銀行の株式に対し 敵対的公開買付のオファ−をだし、同行の買収を計っている。この買付にかける予算は およそ6兆9千億ペセタ。この一部をBSCHが負担するというかたち。
スコットランド・ロイヤル銀行のナットウエスト銀行買収が成功すれば、同行は時価総額にして ヨ−ロッパ第4位の銀行となる。BSCHは買収費用援助のみかえりとして、買収後の 新銀行株の6.5%を支配する。


11月29日(月)

ETAついに休戦宣言の撤回を表明

14ヶ月に及ぶETAの休戦宣言が昨日ついに撤回された。最近のETAの行動から武装闘争の再開が懸念されていたのが現実となった。
この撤回宣言はバスクの日刊紙「Gara」に掲載され、今週金曜日(12月3日)より闘争を再開するとされている。その理由として、スペイン政府がETAの出した要求を飲まず、強硬姿勢をとっていること(引き続きETAを逮捕していること、ETAの囚人をバスク内刑務所へへ移送する数が少ないこと)特に、PNVとEA(バスクの穏健派政党)がETAとかわした同意を実行していないことなどをあげている。
これに対し、アスナル首相は以下の通り公式コメントを出した。(要約)
「本日、ETAによりテロ活動を再開する旨の発表があったが、これは多くのスペイン国民が平和への希求が無に帰したと感じることであろう。ETAは間違っている。国民の平和への切なる願いに耳を貸すことをしない。もし、ETAが脅しや取引や恐怖によって民主主義に亀裂を入れようと考えているのなら間違っている。...ETAとの会話を始めるようにコンタクトをとったが、ETAの方からそれを放棄した。...私はスペイン国民が自由と平和、そして法律を尊重する民主主義国家をめざす政府と共にいることを確信している。スペイン政府は恒久的な平和の道を探る為にできうる限り全てのことをしてきたし、しているし、これからもしていく。...必ずや平和への希望が勝利をおさめることを確信する。」
バスク州政府首長であるイバレッチェ氏は「バスク社会は再び暴力の舞台となることを許さないであろう」とコメントした。
PNV党首アルサジュス氏は1998年の休戦宣言直前にETAとの同意文書にPNVが署名したとするETAの発言を否定し、これからも平和に向けての会話を続け、努力していくとのコメントを発表した。
IUのアンギータ氏はこの休戦宣言撤回の唯一の責任はETAにありとし、政府にはこれまでのミスを見直し、再び悲劇が起こることのないよう求めた。
PSOEのアルムニア幹事長は「今は団結を求める時である。モンクロア(与党)を非難するべきではないし、絶望に陥る必要もない。平和のためにはスペインの社会を動かす必要があるのだ」と述べた。


11月26日(金)

最高裁、ガルソン判事を非難

ガルソン判事は、フェリペ・ゴンサレス元首相のGAL関与を最高裁に申し立てていたが、 最高裁は月曜に満場一致でこれを否定した。昨日、この際に最高裁がだした公式文書が公開され、 ガルソン判事を激しく非難しているものであることが明らかになった。
文書では、「マレイ事件」ですでに“白”と判断されたゴンサレス氏を、新たな証拠もないのに 再び訴えようとしたとして、最高裁はガルソン判事を非難している。
さらに、「ガルソン判事は、証拠と個人的意見を混同している」とまで述べている。

PP依然優勢、しかしPSOEとの差縮まる〜最新の世論調査

今月行なわれたCIS(社会調査センタ−)による政治に関する世論調査の結果が発表された。 それによると、依然与党PP(国民党)がPSOE(社労党)に対し優位を守っているものの、 その差は縮まってきている。今回の調査ではPP支持が40.6%、PSOEは35.8%。 今年一月の時点では5.7%の差があったが、今回4.8%まで縮まったことになる。
各リ−ダ−に対する評価は、10点満点でアスナル首相4.76、 アルムニア社労党幹事長4.54、となっており、両者とも前回調査時よりポイントを下げている。

スペイン人の体格にあったサイズの洋服を

16歳から40歳の0.5%から1%にあたる女性がかかっているといわれる拒食症に関する調査で、上院において次のような対策が発表された。
洋服の製造会社は、スペイン人の体格にあったサイズの洋服を作ること、また、誰もが困らないようにサイズのバリエーションを増やすこと。ファッションショーでは18歳以下のモデルを使わないこと、極端に痩せていることを良しとするイメージを避けること、若者向けの雑誌で痩身方法をのせないこと、効果のない痩せ薬の広告を取り締まることなどがあげられている。
さらに、拒食症を避けるには小さいうちからの教育、また家族の協力が必要であるとし、少なくとも 1日1回は家族と共に食事をとることが重要であると専門家は強調している。


11月25日(木)

テレフォニカのストック・オプション問題終結か

昨日、テレフォニカの社長以下役員会において国会でも問題化しているストック・オプションの行使による役員への“過剰な賞与”問題に対して現行通り何の修正も行なわないことを発表した。
テレフォニカ社長はこの特別手当に付いてテレフォニカの未来に“適切かつ必要”なものとコメント。 さらに政府スポークスマンのピケ氏とラト大蔵大臣の支援も受け、この問題に終止符をうつもよう。 これを受けて、テレフォニカ役員は来年の2月にも特別手当を受け取れることとなる。

セウタからバルセロナまで70万ペセタ

北アフリカからの不法移民者が絶えないスペインで、不法移民輸送を請け負うマフィアが逮捕された。 このグループはセウタ(モロッコの北にあるスペイン領)で移民希望者より70万ペセタを受け取り、 ヨットに乗せ、スペインのコスタ・デル・ソル地方の警備の甘いところに移送し、その後、レバンテ地方やバルセロナに送り込むといったシステム。
警察当局は10月にバルセロナで不法滞在で逮捕された人間の供述から、秘密裏に捜査を開始し、今回の逮捕となったもの。4人のマフィア以外にも23人のモッロコ人を逮捕。その場で強制送還となった。

フェリペ皇太子の自宅が2年後に完成

昨日、2年後にはフェリペ皇太子個人の邸宅がサルスエラ宮の近くに完成する予定との発表があった。 この邸宅には7億500万ペセタがかけられ、自然環境を存分に生かしたものとなる予定。
フェリペ皇太子は現在のところ、国王夫妻とサルスエラ宮に住まわれており、引き続き同居されるとのコメントを発表したが、もし周囲が勧めればその限りではないとも示唆している。


11月24日(水)

私立老人ホ−ムの園長逮捕〜マドリッド

マドリッド、アラバカ地区の私立老人ホ−ム、「ビルヘン・デラ・オリ−バ」の園長、 マリア・クリスティ−ナ・カラセドは入園している老人達の財産などを騙し盗った罪 で逮捕された。この捜査によって同老人ホ−ムの悲惨な実態が明らかにされた。
「老人達はなんの世話も受けていなかった。掃除もされていない。私の兄にはのみが 付いてしまっていた。」と老人の家族は語っている。
園長は老人らに白紙にサインをさせ、その後にさまざまな契約内容を書き加えるとう方法で、 老人らの財産や家屋を自分の物にしていた。

バスクの企業経営者ら平和交渉の停滞で政府を批判

昨日、アスナル首相はビルバオにおいてバスク地方の企業のトップらと会合を持った。 BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)やイベルドロラの社長らも参加した この会合で、一部の経営者からは停滞するETAとの平和交渉にたいする政府批判がでた。
企業トップらからは「平和交渉は1年前から全く進展していない」「政府はバスクの政党と もっと話合いを持つべきだ。とくにPNV(バスク国民党)と。」「政治的に大胆な決断 を期待する。」などの意見が出された。

2000年問題のために1500億ペセタ

現段階でスペインにおける2000年問題への対策費は既に1500億ペセタにのぼっている。 昨日、2000年問題の総責任者、アルバレス・カスコス副首相はコンピューターの誤作動を 避けるための準備は整ったこと、何事もなく新年を迎えられるであろうことを発表した。
但し、スペイン政府は万が一に備えた対策案を、次の閣僚会議で発表予定。この対策案によると 各公的機関の当直を増員することを余儀なくされ、RENFEでは通常の3倍の人員、スペイン銀行の 現金保有量も通常の3倍を用意する必要にせまられる。


11月23日(火)

ビルバオで行方不明の女性、死体で発見

日曜の未明よりビルバオで行方不明になっていたビルヒニア・アセベスさん(19歳) が、昨日死体となって発見された。
ビルヒニアさんは日曜の午前3時にビルバオ中心地の地下鉄の駅で、友人らと別れた あと、行方不明となっていた。日曜から、警察、彼女の同級生、近所の人々らにより 捜索が行なわれていたが、昨日、捜索が終了する間際にビルバオ近くの山中の道路付近で 彼女の死体が発見される結果となってしまった。
死体は半裸状態で、暴行の跡および刃物での傷があった。バスク地方では1990年以来 似たような事件がすでに3件おきており、いずれも犯人はつかまっていない。

若者の3人に1人はハシシを吸ったことがある

EUによっておこなわれた麻薬に関する調査によると、スペインの若者 (15歳から34歳)のおよそ3人に1人である32%がハシシを吸った 経験があることが明らかになった。これはヨ−ロッパではデンマ−ク(42%)、 イギリス(37%)に次ぐ高い率である。
またスペインではエイズ感染の32%が麻薬の使用に関係しており、これは 他の国と比べきわめて高い比率である。
ヨ−ロッパ全体ではおよそ4000万人がハシシを試したことがあり、 これは15〜16歳の5人にひとり、15〜34歳の4人に1人にあたる。

フェリペ・ゴンサレス前首相のGAL事件への関与を最高裁が否定

昨日、最高裁第2法廷において、フェリペ・ゴンサレス前首相がGAL創設に関与し、フランス国内における暗殺事件(オニェデラ事件)の容疑に関するバルタサール・ガルソン判事の判決を満場一致で却下した。
ガルソン判事によって提出されていた証拠物件はすでに“マレイ事件”の際に検討されており、なんら新しい発見があるものでないとされた。
これにより、ゴンサレス前首相は最終的にGAL事件とは無関係であると決定した。


11月22日(月)

週末の雪で、多くの道路が遮断

カスティ−ジャ・イ・レオン地方の200あまりの村が、週末の降雪による道路の遮断で 孤立状態となった。これは主に、レオン、パレンシア、ブルゴスの村。 さらにカンタブリア地方でも40あまりの村が同様の状態に。
また、バルセロナでは雪のため空の便に多くの影響がでた。プラット空港では 昨日午前4時から6時のあいだ除雪のため2つの滑走路の閉鎖を余儀なくされた。 それにより発着便に最高6時間までの遅れがでた。
天気予報によると今日も、標高400メ−トル以上の地域では雪が降るもよう。

EA内部分裂、初の女性党首誕生

バスクの民族主義政党の一つであるEAの内紛は党創設者の ガライコエチェア党首の辞任を引き起こし、党を2つに割ってしまったようだ。
EAは13年前にPNV(バスク国民党)から分離した政党。ここのところ、 民族主義のなかで中道路線をめざす主流派と、より民族主義の路線を希望する 革新派との間の対立が表面化していた。この週末に開かれた党大会で、 ガライコエチェア党首が辞任を表明、後任の選出が行なわれた。新党首には 主流派からベゴニャ・エラツィ氏が選ばれ、初の女性党首誕生となった。 エラツィ新党首は過半数の票を得たが、革新派からの対立候補も30%という予想以上の 票を得ている。
同じに改選された党幹部、役員などはすべて主流派から選ばれ、革新派は全て排除 される形となっている。

ETA、休戦の停止に向けて武装準備か

内務省のある筋によると最近のETAの行動から、水面下では休戦停止に向けて着々と武装準備を 開始していることがみてとれるとしている。
先日、フランス国内での爆発物の盗難未遂に続き、先週土曜日にはギプスコアのエイバルで 車のナンバープレートの鋳造機械が覆面をした2人組のテロリストに盗まれている。 この再編成されつつある武装集団を率いているのは数多くの暗殺を引き受けてきた“コマンド・ ドノスティ”のバレンティン・ラサルテの僚友のシャビエル・ガルシア・“シャポテ”とみられて いる。また、新しい世代の若者達がETAの精鋭部隊に教育されつつあることが、先週水曜日に イルンで20代の2人がナンバープレート鋳造機を盗もうとしたところを逮捕されたことから 判明している。
ハイメ・マジョール・オレハ内務大臣の「憂慮すべき事態である」とのコメントに対し、バスク 政府は昨日、「ETAの休戦が危ぶまれることはないし、過激な方法をもたずとも民族主義を 遂行していくことは可能である」と発表した。


11月19日(金)

移民法草案改正へ、今国会では立法は無理か

現在国会に提案されている移民法。この法により外国人不法滞在者の合法化のプロセスが 大幅に簡略化されることになる。しかしこの草案には数十ヶ所にわたり訂正が加えられる ことになり、現国会期間での立法は不可能となるもよう。
この法案を巡っては、PP(国民党)内での対立が表面化していた。 一刻も早く法案を通したいカスコス副首相、それに対しマヨ−ル・オレハ内務大臣 をはじめ数人の大臣が内容の訂正を求めていた。 内務大臣が法案の中で最も難色を示していた点は、不法滞在者に対して2年間スペインに 滞在していたことが証明できれば居住許可証を発行するというところであった。
この対立に終止符をうったのはアスナル首相。昨日法案の見直しを指示、すなわち 内務大臣側の意見に同意した。「スペインはヨ−ロッパにおいてヨ−ロッパ外の国々との 国境にあたる場所に位置している。移民法は慎重に検討しなければならない。」と述べている。

テレフォニカ子会社、ストック・オプション制度を改正へ

テレフォニカ役員に莫大な利益をもたらすことになったストック・オプション賞与が 問題となっているが、同じ現象が子会社のテラに関しても発生。 水曜日にマドリッド市場に上場された同社の株式の急上昇により、同社の ストック・オプションを保有する役員らに「過剰なボ−ナス」がもたらされることになった。 最もいい条件でストック・オプションを手に入れた役員らは総額でおよそ160億ペセタ の利益を得る計算となる。
国会などでも問題として取り上げられ、各方面からの批判も相次いでいることをうけ、 テラは早速同社のストック・オプション賞与の制度を改正することを発表した。 上場後2年間はストック・オプションの権利を行使できない、すなわち株式として売却が 出来ないようにするなど規制を加えるもよう。

ガリシアの“ランボー”ついに逮捕

水曜夜半、ガリシア地方オレンセのリバダビアにてガリシアの“ランボー”ことアルフレド・サンチェス・チャコンが2年間の逃亡生活の後、地元警察に逮捕された。
サンチェス・チャコンは殺人、殺人未遂、強姦、少なくとも23件の窃盗、さらに警察隊への発砲等の罪でビゴの刑務所に収容されていたが、1997年、シーツをつなぎ合わせて窓から脱走し、警察の銃弾の中をくぐりぬけて逃走に成功といった映画ばりのシーンを演じている。
それ以前にも殺人の罪で逮捕されながら、逃走したという前歴をもっており、ガリシア地方の警察ではこの2年間彼の足跡を追いつづけ、今回の逮捕となったもの。
ガリシアのランボーも酒場で酔っぱらっているところを踏み込まれ、38口径リボルバーを使うひまなく、御用となった。


11月18日(木)

テレフォニカの子会社の株式、上場初日に3倍まで上昇

テレフォニカの子会社であるインタ−ネット事業会社テラの株式の取引が昨日 マドリッド市場で開始された。上場初日に同社の株式はおよそ3倍の値段まで上昇した。
小口投資家向けに販売された同株式の値段は11.81ユ−ロ。昨日の終値は 37ユ−ロとなった。たった7時間半の間に、同社の株式は総額で、5960億ペセタから 1兆7千億ペセタへと膨れあがったことになる。時価総額にしてマドリッド市場第9位の会社と なった。

イルンで武器所有のETAメンバ−逮捕

火曜の夜、スペイン警察はイルンで偽造ナンバ−の車にのりピストルを所持していた 2人の若者を逮捕した。2人はETAのメンバ−であるとみられる。
逮捕された二人はいずれもフランスのバスク地方で生まれ育っており、 長年ETAのメンバ−として活動していた父親を持つ。
警察は当初、誘拐を計画していた可能性があると見ていたが、取調べの後、彼らの 目的は車のナンバ−偽造のための機械を盗むことであったらしいとコメントしている。
ETAの停戦宣言以来、フランスではETAメンバ−が逮捕されたことがあったが、 スペインでの逮捕は初めてである。

レアル・マドリード、4年間で7人の監督解任

昨日、レアル・マドリードの監督ジョン・B・トシャックが10ヶ月という短期間で監督解任となった。8月にリーグ戦がはじまってから戦績の振るわないチームに対し、内外からいろいろと取り沙汰されていたが、常にサンス会長が「今期はトシャック監督でいく」とのコメントを発表していた。
しかし、先日トシャック監督が自チームの選手を批判したことからはじまり、選手のメディアに対する 批判的なコメント、チームの不甲斐無さに対する観衆の不満等が重なり、いつ解任されてもおかしくない状況にあった。さらに、サンス会長の口を慎むようにとの注意に対し、「自分の言ったことをを正すよりもベルナベウ・スタジアムの上を飛ぶ豚を見るほうが簡単だ」との自殺行為ともとれる発言をし、 役員会の決定をはやめてしまった。
これにより、サンス会長が会長の座について4年間の間に7人の監督が解任となっており、それによる契約打ちきりの違約金が20億円にものぼっている。
トシャック監督の後任は今のところ、デル・ボスケ氏に委ねられた。


11月17日(水)

イベロアメリカ諸国首脳会議終了

社会主義国キュ−バで開催されたことで注目されていた第9回イベロアメリカ・サミット が昨日終了。経済の発展や民主主義、人権の尊重のため協力しあっていくという内容の 「ハバナ宣言」が採択された。
“公式訪問”ではないとはいえ、スペイン国王が初めてキュ−バを訪れた今回のサミット。 カストロ首相は彼の両親の肖像画をプレゼントするなどして、歓迎の意を表した。 しかし、サミット終了後アスナル首相は「カストロ氏の態度に変化が見られない限り、 国王の公式訪問は実現しない」と述べている。これはキュ−バ当局の規制の厳しさを 批判したもの。国王夫妻の行く先々では、当局の規制により一般庶民の姿は 見られず、国王はキュ−バ国民と接触することが一切出来なかった。

プジョ−ル氏、カタル−ニャ州首長に再選

昨日、カタル−ニャ州議会で首長を選出する投票が行なわれ、CIU (カタル−ニャ連合)のプジョ−ル氏が過半数の票を獲得し、首長として 6度目の当選を果たした。
プジョ−ル氏再選には、CIUの58票だけでは過半数に満たない為、 他党との協力、同盟が必要とされていた。
交渉は難航していたようだか、土壇場でプジョ−ル氏はPP(国民党)、ERC (連邦左翼連合)の協力を得た。PPはプジョ−ル氏に投票、ERCは投票を欠席 した結果、プジョ−ル氏支持68票、反対55票となり、1度の投票で首長への就任が 決定された。

スペインの若者の意識調査では女性優位

昨日、1984年より5年ごとに行なわれている“スペインの若者”のアンケート調査の結果が発表された。15歳から24歳を対象に3.853人が参加。 この調査で目立った点は、注意力や思慮深さ、忍耐力、直観力等、16項目中10項目までが女性の方が男性よりも優れていると考えられていることである。女性が男性よりも劣っている点については、決定権と戦闘能力の2点にとどまっている。
この5年間で目立って変化したことは宗教意識が希薄となったこと。熱心なカトリックの信者は13%にしか達していない。
現在、彼らの最も重要な問題は失業問題で、この問題を解決できない政府に不信感を抱いている。 離婚、安楽死、人口中絶には肯定的であるが、テロ行為、死刑等に関してははっきりと否定している。また、差別に関しての意識は若者になるほど希薄になり、他人種やエイズ患者、ホモセクシャルを受け入れることに抵抗がなくなってきている。


11月16日(火)

社会保険適用の病院を拡大へ

現在、社会保険を適用できるのは公立の病院だけとなっているが、ラモイ厚生大臣はこの適用範囲を私立病院にも広げる意向を明らかにした。
厚生大臣は昨日行なわれたシンポジウム「21世紀の医療」で、スペインの医療システムの改革について講演。他のヨ−ロッパ諸国のように市民が自由に診察を受ける病院を選べるようなシステムが目標であると述べた。私立病院が参入することにより競争意識がめばえ、医療の質の向上が期待される。また、現在のように公立病院で何時間も待たされるような事態も改善されるだろう、と語った。

バレンシアの村にネオナチの集団

バアレンシアのベンタ・デル・モロにある村、ロス・ペドゥリッチェス。住民もなく廃墟となった家屋があるだけの村であったが、この村の土地、家屋をテログル−プと関係を持つネオファシストのイタリア人が購入し問題となっている。
この村を購入したのは2人のイタリア人。彼らは極右グル−プARNに属し、このグル−プの武装部隊であるITPは1980年、85人が死亡したボロ―ニャのテロに関与している。ITPは同性愛者、移民、ユダヤ人などを標的としているネオナチ集団。
すでに何人かが廃墟を修復しながらこの村に住み始めているが、このうち数名はITPのメンバ−とされている。

ヨーロッパ内の空港で一番遅延率の高いのはスペインの2大空港

今夏3ヶ月間のヨーロッパ内の空港(主要27空港)での遅延率が、発表された。スペインの2大空港であるバルセロナ・プラッツ空港、マドリード・バラハス空港が1位、2位を独占した。この統計では両空港とも50%以上の飛行機が15分以上の遅れをもって出発したことを示している。
アリアス−サルガド勧業大臣はこの夏の時期は通常より便数が増えたためとしているが、実際には空の“交通渋滞”を引き起こしているのは管制塔員の不足であり、AENAもそれを認めている。
この大幅な遅延により一番大きな影響を受けたのがイベリア航空で実に60%以上の便が定刻に飛び立っていない。さらに一般的に優等生であるスカンジナビア航空がプラッツ空港では遅れが目立つことに関しては、スパンエアー(スペインの飛行機会社)との共同運航便が原因であるとしている。


11月15日(月)

カタル−ニャ州首長選出はじまる

カタル−ニャ州の首長選出の最初の投票が明日行なわれる。プジョ−ル現首長の再選なるかが注目される。
プジョ−ル首長の率いるCIU(カタル−ニャ連合)は議会で56議席を占める第一党だが過半数(68議席)には達していない。首長選出の投票で過半数を得るには、ERC(連邦左翼連合)かPP(国民党)の協力が必要となる。しかし、投票を明日に控え、プジョ−ル氏はまだどちらの党とも協力の合意に達してはいない状態である。

レバノン人の父親に誘拐された娘たちを回復

マリア・ヘスス・エステバンさんは2年間の戦いの後、やっと自分の娘達を取り戻すことができた。
マリアさんはレバノン人の眼科医であるワリド氏と2人の女児をもうけたが離婚。スペインの裁判所によって養育権はマリアさんのものと決定されていた。ところが2年前、ワリド容疑者は2人の娘と共にベイル−トへ旅行させてくれるようマリアさんに頼み旅行を実現させるが、そのまま娘達をベイル−トへ留めスペインへ帰すことを拒否。マリアさんはベイル−トの弁護士などを通じて法的措置をとろうとするが、ワリド容疑者の家族はレバノンで大きな影響力を持ち、裁判はワリド容疑者に有利にのみすすむという状態だった。
2年間この状態が続くが、先月、学会出席のためアメリカを訪れていたワリド容疑者はスペインの裁判所の命令によって動いたインタ−ポ−ルに誘拐の容疑で逮捕された。その後、誘拐の訴えが取り下げられるよう、容疑者の家族が娘達を母親の元に帰したという訳だ。
ワリド容疑者は現在フロリダの刑務所に収容されている。マリアさんは訴えを取り下げるつもりはないとのこと。

フアン・カルロス国王夫妻キューバを訪問

かねてよりフアン・カルロス国王の強い希望であった、キューバへの訪問が実現した。
民主主義政府となってからは政治的な問題により、棚上げとなっていたこの訪問は本日より 開催されるイベロアメリカ・サミットにからめる形で実現の運びとなったが、“公式”訪問 としての性格は持ち合わせてはいない。これはキューバ政府は政治的に何も評価にに値する ことをしていないとのアスナル首相の判断によりなされたもの。これに対し、キューバ政府の 同意も得ており、カストロ首相との会談は行なわれず、キューバ市内を訪ね、メキシコの 大統領と会食を持つ予定。


11月12日(金)

テレフォニカのストック・オプション賞与、法で規制か

テレフォニカ社長や役員に莫大な利益をもたらすことになったストック・オプションの賞与(昨日の記事参照)が国会でも問題となっているが、PSOEはこのようなケ−スを規制するよう株式会社法の一部改正を今日にも国会で提案する。
具体的には、民営化後10年を経過していない元公共法人であった企業、配当を出していない企業、料金に公的規制の課せられている企業、などのストック・オプション発行に規制を加えるというもの。この条件はすべてテレフォニカにあてはまる。また、現在テレフォニカ役員達の所有するストック・オプションの行使も規制するよう提案する。

BSCH、ポルトガル政府と和解

BSCH(サンタンデ−ル・セントラル・イスパノ銀行)とポルトガルの金融グル−プ、シャンパリム―ドの提携にやっとゴ−サインがでた。
この提携にストップをかけていたのはポルトガル政府。スペイン資本がポルトガル大手の金融グル−プを支配するのを嫌い、国会でこの提携を拒否する決議までだしていた。さらにシャンパリム−ドに自国のポルトガル商業銀行と提携するようすすめていた。
この件は、BSCHによって欧州委員会に訴えられ調査が進められていたが、昨日BSCHとポルトガル政府の間に合意が持たれ、和解したことが明らかになった。合意の内容は、BSCHはシャンパリム−ドを買取り、その後ポルトガルの国営金融機関CGDへグル−プの一部を売却する、というもの。

少年法案、国会にて可決

昨日、国会にて少年法に関する法案が過半数多数にて可決された。 当初考えられていた13歳からではなく、14歳より18歳の少年に適用されることと なった。また、裁判官の裁量により21歳まで適用年齢を広げることも検討されている。 現在のところ、刑法の成人年齢は18歳以上とされているが、16歳以上の少年が成人と 考えられている為、刑務所に収監されることもありうる。
さらにこの法案では、特別な審判員の採用、上級裁判所内に少年審判の為の部屋を創設、 少年達の矯正施設を増設することなどがとりあげられた。
各政党のスポークスマンは、処罰の年数が14歳から16歳までは最長2年間、16歳から 18歳までは最長5年間のとなるこの少年法の必要性をそろって強調した。


11月11日(木)

テレフォニカのストック・オプション賞与、議会で問題化

スペイン最大の電信電話会社テレフォニカが、社長をはじめ役員らに賞与として支給したストック・オプションが、総額で300億ペセタ以上の利益をもたらすことになり、問題となっている。
PSOEのアルムニア幹事長は、このテレフォニカの“過剰な賞与”に関して、政府のストック・オプションに対する規制の甘さを追求した。
アスナル首相は、これに対し現行の規制をみなおす方針を明らかにした。しかし同時に現行の規制はPSOE政権下で制定されたもので、PSOE政府は94〜95年にアルヘンタリア銀行関係者が同様にストック・オプションで巨額利益を得たときなんの 対策もとらなかったと指摘している。

郵便局の本部、勧業大臣の関係者のビルへ移転

マドリッドのアドゥアナ通りにあった郵便局本部の一部が、マドリッド郊外のカンポ・デ・ラス・ナシオネスにあるビルへ移転する。しかし、郵便局が年間5億4千万ペセタを賃貸料として払うこのビルの持ち主は、アリアス・サルガ勧業大臣や郵便局局長と会社を共同経営するなど、親密な関係にあることが明らかになった。
このビルの持ち主は、マジョルカを中心に不動産を賃貸する会社を保有。1991年までアリエス・サルガ大臣が、1997年まではホセ・ラモン・エステルエラス局長が同社の共同経営者として名を連ねていた。
エステルエラス局長は「現在のオフィスは11,800平米で5億7千万の家賃。新オフィスは16,600平米で5億4千万。広くなって家賃が安くなる、何の問題もないはずだ。」と述べている。

ラジオ・バルセロナ開局75周年

ラジオ・バルセロナの開局75周年を記念して、カデナ・セール及びバルセロナ・コンテンポラリー・カルチャー・センター(CCCB)により展示会“ティエンポ デ ラジオ”が始まる。本日、初日には国王夫妻も出席される。
CCCB社長ジョセップ ラモネダ氏は「スペインの歴史及び郷愁の記録である」と述べ、また、セール・カタルーニャの社長ジョセップ・マリア・マルティ氏はこの75周年行事に関し、「ラジオバルセロナのみならず全てのラジオ局に対し、敬意を表するものである」と強調している。
見学者は唯一音声として残存している共和国政府の大統領マヌエル・アサーニャの声をきくこともできる。また、各サロンにおいて懐かしい番組を楽しめる。


11月10日(水)

徴兵される若者の行き先、今夜決定

2000年に徴兵が予定されている若者達が派遣される先が、今夜コンピュ−タ−に よって抽選で決定される。およそ10万人が対象となっている。今回より、希望者以外は セウタ、メリ−ジャなどの遠隔地へは派遣されない。
1996年に政府は、6年以内に徴兵制を廃止し軍隊は全て職業軍人で形成することを とりきめた。しかし、実際には軍隊への入隊希望者が必要な人数にまったく及ばず、 現在のところおよそ50万人が不足している。防衛庁は、徴兵後そのまま 入隊を希望する者には、徴兵時にいた部署に引き続き残れるようにするなどの対策を提示している。
徴兵の対象となっている人は、軍隊へ行くか、代替的社会奉仕活動をするか選べるようになっている。 現在、社会奉仕活動の方を選ぶ人々は軍隊を選ぶ人の3倍にのぼっており、軍隊のほうが “代替的”になってしまっているようだ。

ソラナ氏、米国政府のソル・メリア・グル−プへの圧力を批判

スペイン資本のホテルチェ−ン、ソル・メリア・グル−プのキュ−バへの進出に対して、 アメリカ政府が政治的に圧力をかけていることが問題になっている。
EUの外交および安全保障の最高責任者ソラナ氏は、オ−ルブライト女史との会談で 米国政府のこの態度を批判、EUの全加盟国およびEU以外の同盟国(日本、オ−ストラリアなど) もソラナ氏の意見に同調していると述べた。
オ−ルブライト女史はコメントを控えたが、政府のコメントとして「米国の政策は、第3国の キュ−バへの投資を妨げるものではない」と発表された。

PSOEとPNV、党首会談へ

今月の終わりにも、PSOE(社労党)のアルムニア幹事長とPNV(バスク国民党) のアルサジュス党首が会談を持つ。
長年のあいだ良好な関係を保ってきた2党だか、ここのところPNVのEH(バスク人民連合) との協力関係を巡って、対立が表面化していた。アルムニア幹事長は「PNVはEHとETA を民主主義の場に引っ張り出そうとしたが、失敗した。今私達はPNVを助け、再び平和のために 協力して行きたい」と述べている。
一方で、EHがアルムニア氏とフェリペ・ゴンサレス元首相との会談を希望しているという 噂にたいして、PSOE幹部は、全く話合いに応じるつもりはない、と噂を打ち消している。


11月9日(火)

11月9日はマドリッドの祝日のため「今日のトップニュ−ス」はお休みさせて頂きます。


11月8日(月)

プジョ−ル氏、PPとの同盟解消へ

CiU(カタル−ニャ連合)の中心機構のひとつであるカタル−ニャ民主主義連合の会合でプジョ−ル現カタル−ニャ首長は、PP(国民党)との同盟を解消し、ERC(連邦左翼党)と同盟を組む方向で話合いを進めることを明らかにした。
カタル−ニャ州選挙を終え、金曜に同議会では新議長の選出が行なわれた。CiUとPPがCiUからの候補を支持、それに対し他の政党が共同で対立候補をたてた。新議長はCiUから選出されたものの1票差という辛勝。これによって、プジョ−ル氏はPPとの同盟を捨て、あらたな協力者を探すことを決意したもよう。今日にもCiUの幹部らが集まり、ERCに提示する同盟の条件党を話し合う。

カタル−ニャ税務局に新たなスキャンダル

贈収賄、脱税、株のインサイダ−取引などで既に数人の逮捕者もでているカタル−ニャ税務局を舞台にした一連のスキャンダル。ここにきてまた新たな名前が挙がった。税務局の内部調査部は数ヶ月前から地方監査部長のホセ・ル−カス・カラスコ氏を調査した結果、スイスに妻の名義で銀行口座を持っており、そこへ企業グル−プ「トラス」の関係者から多額の振込が行なわれていたことをつきとめた。ル−カス氏はPP(国民党)党員であり、PPによって同役職に任命されているため、PSOEは早速PPを糾弾。アスナル首相の責任を追求していくもよう。

15億ペセタの宝くじ、当選者はバルセロナ

土曜に抽選が行なわれた宝くじ「Loteria Primitiva」では、賞金額が15億7800万ペセタとなり、当選者はバルセロナからでた。この宝くじは6つの数の組合せを選ぶもので、該当者がない場合賞金は次回に持ち越される。土曜の賞金は1985年にこの宝くじがはじまって以来3番目の高額となった。当たりくじが買われたのはバルセロナのビジャ・オリンピカ地区の販売所。 92年のオリンピックで選手の宿泊所だった地域である。当選者の身元などは一切わかっていない。日曜にはこの宝くじ売場に当選者の素性を 尋ねる人々が押し寄せた。好奇心からやってきた“野次馬”的人々にまじって、各銀行の行員も訪れていたという。売場の持ち主は一切のコメントを控えている。


11月5日(金)

ユ−ロ利上げ、スペインのインフレに歯止めか

昨日ヨ−ロッパ中央銀行はユ−ロ金利を0.5%引き上げ3%とすることを 発表した。これによりインフレは押さえられるが、経済成長に支障はないとしている。ドイツ、フランスなどインフレ懸念がなく経済成長がこれから加速しようとしている 国にとっては「悪いニュ−ス」となったが、インフレに悩まされていたスペインにとっては朗報である。スペインの物価上昇率はEU加盟国平均のおよそ2倍となっていた。

ヘスス・ヒル氏総選挙出馬を断念

アトレティコ・マドリッドのオ−ナ−でマルベ−ジャ市長でもあるヘスス・ヒル氏は昨日記者会見を開き予定していた来年総選挙、およびアンダルシア州選挙への出馬を健康上の理由から断念すると発表した。 彼は公金横領などの疑いで数々の訴えを受けているが、出馬断念の理由はあくまでも健康上の理由で、これらの訴えとは無関係と主張。「1ペセタたりとも盗んではいない」と述べた。マルベ−ジャ市長の職務は「力が続く限り」続けるとしたが、同氏が率いる政党GILの党首の座からも来年には退く予定。これで事実上政界からは引退するかたちに なるもよう。

政府、ETAに回答の文書だす

およそ1週間前に政府は、ETAから平和交渉再開に関しての条件を示す手紙を受けとっていたが、これに対する回答の文書が出されたことが明らかになった。回答は2つの部分からなっており、最初の部分では、政府は前回行なわれた直接の話合いと同じ方法で、同レベルのメンバ−による再交渉を希望している。第2の部分では、「刑法に関する政策を変える用意がある」とし、ETAの態度によってはETA囚人たちの解放もありえることを示唆した。


11月4日(木)

テレフォニカの役員、子会社上場で19億ペセタの利益

スペイン最大の電信電話会社テレフォニカの役員であり、社長顧問でもあるマルティン・ベラスコ氏は同社子会社の株式上場により、少なくとも19億ペセタの利益を得る見込みであることが明らかになった。 上場が予定されているのはテレフォニカが出資しているインタ−ネット事業会社「Terra(テラ)」。ベラスコ氏はスペイン語圏で最大の検索エンジンのひとつ、「Ole(オレ)」を所有していた。この「オレ」を「テラ」に売却しそのかわりに「テラ」の株式の一部を購入した。購入価格は1株4.23ユ−ロ。上場価格は10.12ユ−ロと予測されているため、この価格はとても「寛大」なものだったといえる。この取引は「テラ」から証券取引委員会に提出された報告書によって明らかになった。「テラ」は「法的に正当な手順をふんだ取引であり、何の問題もない」としている。

建物に問題〜サンタンデ−ルの病院壁崩壊事故

サンタンデ−ルの公立病院の壁が崩れ落ち病院職員4名が死亡した事件 (昨日の記事参照)で、ロマイ厚生大臣は病院の建物に問題があったと認め、原因の詳しい調査を続けていくと述べた。しかし同時にこの事故は「予測できないものであった」とも述べている。病院関係者によって、この崩壊した壁は建設された1974年以来、1度も点検が行なわれていなかったことが確認されている。 労働組合は厚生省が強風と雨を事故の原因にあげたことに対し「そこらじゅうで強風がふいていたのに、崩れたのはこの病院の壁だけ。ばかげている。」と批判。点検を怠っていた当局の責任を追及していくもよう。

判事らと政府の交渉決裂

昨日全国の判事らの代表が25%の昇給を要求し政府との話合いをもったが、政府は既に2000年の予算に組み込まれてある2%の昇給しか認めないとし、交渉は決裂した。 交渉決裂後、判事協会のスポ−クスマンは政府の態度に「悪意」を感じるとし、政府は「前例のない混乱を招くことになる」と記者たちに語った。来週の水曜をめどに 全国の判事の代表らが検事代表とともに抗議集会を開く予定。政府は「2000年の予算には判事の昇給よりも優先されるべき事項がたくさんある」と述べている。


11月3日(水)

サンタンデ−ルの病院の壁崩壊、4人が死亡

昨日9時過ぎ、サンタンデ−ルのマルケス・デ・バルデシ−ジャ病院の壁が崩れ、病院職員4人が死亡、15人が怪我を負った。 事故の第一の原因は強風。その当時風速は105キロであった。またここのところ続いていた 雨による湿気も影響を及ぼしたとみられる。しかし同時に病院の基本的な建築構造にも問題があったと指摘されている。同病院は25年以上前によく使われていた建築方法 で建てられており、現在その方法は「問題がある」として使われていない。労働組合は病院が設備維持を怠っていたとして訴えるもよう。

ガルソン判事、アルゼンチン軍部関係者98人の逮捕を要求

ガルソン全国管区裁判所判事は、1976〜83年の間、アルゼンチンの独裁政権においてテロ行為、拷問、殺人などを行ったとして98人のアルゼンチンの軍部関係者の逮捕を要求した。ただちにインタ−ポルによってこれらの人物がスペインに引き渡され、裁判が行なわれることを希望している。アルゼンチンのデ・ラ・ルア大統領は、「この逮捕命令はアルゼンチン国内ではなんの効力もない」とガルソン判事とはまっこうから対立。スペインの外務省は、ガルソン判事のこの決断は、チリとのピノチェト問題に続き、スペインとラテンアメリカの関係を 複雑にするおそれがある、と述べている。

ミハスで行方不明の女性、死体で発見

およそ1ヶ月から行方不明となっていたミハスの19歳の女性が、昨日死体で発見された。
ロシオさんが姿を消したのは10月9日。その後ロシオさんの靴と付近に血痕が発見されていた。ミハスの住民らおよそ300人が協力しロシオさんの捜索が続けられていた。ロシオさんがベビ−シッタ−をしていた家族により、彼女を無事に発見した人には1千万ペセタの賞金が用意されたことからも話題を呼んでいた。
昨日マルベ−ジャのテニスクラブで女性の死体が発見され、指輪、衣服などによりロシオさんであることが確認された。死体は半裸状態で、身元をわかるにくくする為か焼かれていた。賞金を提供した家族からは、この賞金はこのまま維持し、犯人を捕まえた人にわたす、と発表があった。


11月2日(火)

全国の判事、25%の昇給を要求

明日、マリスカル法務大臣と判事の代表の話合いが持たれるが、その場で判事らの要求である25%の昇給が受け入れられない場合、17の自治州の代表判事が、検事の団体とともに大きな抗議集会を開くことになる。政府が2000年の予算に組み込んだ判事、検事の昇給は2%。彼らはこれを不服とし抗議を続けてきたが、法務大臣および政府の姿勢に全く変化は見られなかった。 明日の話合いでも政府の態度は変わらないことが予想される。集会では、市民に迷惑をかけずに政府にプレッシャ−をかける何らかの 象徴的な手段を取ることが話し合われる。具体的には全国の判事検事が15分間程度の短時間、一斉にストを行うなどが考えられている。

公立病院、エイズ死亡患者のカルテを遺族に渡さず

エイズ、およびC型肝炎で死亡した患者の遺族が、汚染された血液を輸血した病院等を訴えるため、ラ・パス病院(マドリッドの公立病院)に患者のカルテの提出を要求していた。しかし病院はカルテは本人にしか公開してはならないという法にのっとり、遺族への公開を拒否、遺族らはこの件を裁判へと持ちこむことになった。
訴えを起こしたのは、エイズ、C型肝炎によって死亡した4患者の遺族。彼らは80年代にエイズ菌などに汚染された血液を輸血され、ここ数年のうちに亡くなった数百人にものぼる血友病患者らの一部である。
ラ・パス病院の医院長は「もしあなたが誰にも知られたくない病気にかかっていたとしましょう。そして病気は誰にも知られないうちに完治し、あなたは一生秘密を守り通せたとします。しかしあなたの死後に遺族にカルテを渡せば全てが明るみに出てしまうことになります。こういったことを防ぐ為にこの法はあるのです。法が存在する以上、私はそれを遵守するだけ。法が改正されればその通りに対応するのみ。」と述べている。

BSCH、ソシエテ・ジェネラル、提携のうわさ

規模にしてスペイン第1位の銀行BSCH(サンタンデ−ル・セントラル・イスパノ銀行)がフランス第3位のソシエテ・ジェネラル銀行と提携するとの見方が市場で広がっている。
今年の8月にソシエテ・ジェネラルが同じフランスのBNP銀行に敵対的公開買付をしかけられたとき、BSCHがソシエテ・ジェネラルに資本を注入し乗っ取りの危機から救ったと言う経緯がある。それ以降もBSCHは同行への資本参加を着実に増やしつづけている。
合併、提携の噂に関しては今のところ両行とも沈黙を守っている。 しかしソシエテ・ジェネラルの株はこのうわさをうけここ3ヶ月で22%あまり上昇している。
BSCH経営陣は南ヨ−ロッパ一体をカバ−する巨大銀行となる構想を抱いており、このフランスの銀行との提携は、このプランの一環だとするのが市場の見方。 またチェコ共和国の新聞によると、BSCHは同国の銀行も物色しているとのこと。


11月1日(火)

10月30、31、 11月1日とスペインでは3連休のためトップニュースはお休みさせて頂いておりますのでご了承下さい。11月2日より再開致します。



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