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10月31日(火)

マドリードで起きたテロによる負傷者は64人、被害家屋400軒

昨日午前中に起きたETAによるテロによって最高裁判事、護衛の警察官、運転手が殺害されたが、このテロではその他64人の負傷者を数えており、近隣の建物は爆風が原因となって400軒あまりが大きな被害を出している。
30キロのダイナマイトを積んだ盗難車はケロル判事の通勤経路の一つに数日前から駐車され、爆発の機会を狙っていたもようで、前日にETAのメンバー1人が付近をうろついていたことを多くの近隣住民に目撃されている。駐車車輛のそばに銀行の監視カメラが備え付けられてあったことから、犯人グループが映っているのではないかと警察では分析を急いでいる。
ケロル判事の使用していた公用車は防護用の特別車輛でもなく爆弾などのリモコン操作を遮る防止装置もついていなかった。
護衛についていたヘスス・エスクデロ警察官は子供の学費の足しにと特別任務を自ら志願し、3週間前にグラナダから派遣されてきたばかりであった。また、炎上した市バスの運転手は病院に収容されているが、危篤状態が続いている。

ヨーロッパ委員会、カタルーニャ政府への助成金支払いを凍結

ヨーロッパ委員会はカタルーニャ自治政府に支払われる予定である助成金6200万ユーロを凍結する予定であることを明らかにしている。2週間前に同委員会は1400万ユーロの支払い凍結を決定したいたが、これは自治政府が助成金を失業者の職業訓練のため使われなければならないにもかかわらず使途が不透明であり、職業訓練校の経営者フィデル・パレロル氏に不正に流れている疑惑がもたれたことが理由となっている。
スペイン労働省は自治州宛ての助成金の使途についての報告書をヨーロッパ委員会へ送っているが、同委員会ではこの報告書の分析後、凍結解除か否かを発表する予定としている。
一方、カタルーニャ州の労働局ジュイス・フランコ氏は数日中にもヨーロッパ委員会の雇用社会行政局担当官との直接会談を持ちたいという意向をほのめかしている。
6200万ユーロのうち400万ユーロは1998年分であり、残りは1999年分にあたるがこれら助成金は失業者職業訓練の基金以外にも複数のプロジェクトに割り振られている。スペイン政府が同委員会からの説明要請に迅速に対応しなかったことでその他のプロジェクトに対する助成金までもが凍結されてしまったもようである。

ガリシアの麻薬密輸組織の親玉、ついにギリシャで逮捕される

ガリシア最大の麻薬密輸組織の親玉であり、スペインから逃亡中であったラウレアーノ・オウビーニャがついにエーゲ海の小島で逮捕された。
昨年10月に麻薬取締りの一斉摘発があった際に彼の妻、その息子が逮捕されたものの彼自身は逃亡することに成功していた。この一斉取締りでは17人の逮捕者が出、15トンのハシシ(300億ペセタ相当)が押収された。その数日後には被告人不在のまま1997年にガリシアからオランダへ6トンのハシシを密輸しようとしたという罪状で懲役4年4ヶ月、24億ペセタの罰金という刑を言い渡されている。
オウビーニャは逃亡を図っている最中の今年2月にスイスとドイツの国境にてポルトガルの偽造パスポートを使用してドイツへ入国しようとした際にスイスの警察に一時足止めをくらったが、彼の弁護士によって身元が明らかになったためすんでのところで逮捕を免れていた。この一件がスペイン側に知らされたのは釈放された後であったため、スペイン警察では国際指名手配、逮捕要請を各国に出した。
オウビーニャはヨーロッパ間に取り交わされたシェンゲン協定のおかげで協定加盟国を自由に移動することが可能であったが、その反対に今回の逮捕によってスペインへの身柄引渡しも簡単に済まされることになるもよう。オウビーニャは逮捕当時スペインの偽造パスポートを所持していた。


10月30日(月)

マドリードで最高裁判所判事、爆殺される

本日、午前9時15分頃、マドリードにて最高裁判所軍事第5法廷判事ホセ・フランシスコ・ケロル氏(69歳)が出勤途中、ETAによって爆殺されるという事件が起こった。同氏が乗っていた車の通り道で20キロ相当と推定される爆発物を登載した車が炸裂、ケロル氏の車も同時に吹き飛ばされ同乗していた警護の国家警察官、運転手も同時に死亡した。テロリストたちはリモートコントロールによって同氏の車が通りかかった瞬間を狙い、爆発させたもよう。ケロル氏は1992年から同職についておりあと1ヶ月で退職する予定になっていた。
この爆発により反対車線に駐車していた市バスも被害を受け、通行人を含め30人以上が負傷している。このバスの運転手をはじめ6人が重態でそれ以外の被害者は軽傷であるもようだが、負傷者の中には妊婦、児童も含まれている。さらには、付近を通行中の車両にも飛び火、近隣の建物のガラスが割れるなどの物理的被害もかなり大きくなっている。
マドリード自治政府では目撃情報のための専用電話を設け、市民の協力を求めている。

IUの新リーダー決定、ジャマサレス氏に

昨日、第6回左翼連合(IU)連邦大会では新リーダーの発表が行なわれた。左翼連合政治委員会においてフリオ・アンギータ前リーダーの推薦を受けていたガスパール・ジャマサレス氏が、対抗馬のフランシスコ・フルト氏に1票差という僅差で選出された。
ジャマサレス氏は42歳、アストゥリアス選出の議員で、これからの左翼連合の改革を担う。選出後には連合の他勢力との協力体制を敷くことをも約束、改革、結束、相互理解を深めて行くことを強調している。さらには、PSOEに対し、PPと対抗する為の新たな左翼政道を建設するためには現在のような中道政治ではなくもっと左寄りへ方向転換することを求めた。
また、連邦大会では現在のバスクの問題に触れ、バスク州とナバーラには独立する権利があることを認めることを決定、しかしながら、その場合にも全ての自治州の自由な協力体制に基づいた連邦国家でなければならないとしている。

バルセロナの枢機卿、モンセラット修道院での内紛を理由にミサを司ることを拒否

カタルーニャにあるベネディクト会モンセラットの修道院内で、1989年及び今年と2人の修道院長が更迭されているという内紛が原因となってバルセロナの枢機卿が昨日の同修道院でのミサを司ることを拒否したことが明らかとなった。大司教区のスポークスマンは枢機卿にはどのミサを司るかを決定する権利があり、昨日は別の行事があっためであると説明している。
同修道院には80人の修道士がいるが以前より修道院内での専横主義と修道士間の同性愛の存在がささやかれ、それにより表向きは“一身上の都合”であったが、実際はローマからのお目付け役によって上記2人の修道院長が辞職に追い込まれていた。
これら事実の報道に対して、モンセラット修道院からは大手新聞社が修道院の内部事情を捻じ曲げて報道したことは悲しむべきことであると抗議の声明文が出されている。


10月27日(金)

“タイアレス”問題の早期解決を求めるPSOE、アスナル首相に圧力をかける

5月よりジブラルタル港に停泊している英国原子力潜水艦“タイアレス”問題(10月25日のトップニュースの項参照)につき、野党第1党であり、アンダルシア州与党であるPSOEがアスナル首相に対し“タイアレス”の英国移送を同国プレア首相に強く求めるよう国会にて申し立てた。
PSOEの外務担当スポークスマン、マヌエル・マリン氏、カディスのサルバドール・デ・ラ・エンシナ議員は6月の段階での“タイアレス”問題の政府の説明と現段階では状況が異なること、住民への十分な説明がなされていないことに対して納得できないと話す。また、潜水艦の英国への移送は海上の状況から不可能であるとの政府の説明に対して、いくつもの潜水艦輸送会社から可能であるとの判断を得ていることで厳しい態度で臨んでいる。
中央政府では“タイアレス”の構造的欠陥が発覚した後にピケ外相が英国クック外相に非公式ながらスペイン側の専門家の派遣を打診したにもかかわらず無視された経緯があるため、本日にもプレア首相にアスナル首相自らが回答を求めていく。しかし、スペインと英国はNATOの同盟国でもあり、余計な摩擦を起こすことのないような対応が望まれている。

バスク内務担当、ETAへの協力者釈放に関して検察を糾弾

8月にバスク地方警察エルチャインチャが行なったETAのコマンド部隊の一斉検挙によって逮捕されたETAの協力者が最低の保釈金もしくは保釈金なしで釈放された件につき、バスク州議会で全国管区裁判所検察の判断に疑問を呈する声が挙がっており、昨日アラバ連合より説明を求められた。さらに、バスク州内務担当ハビエル・バルサ氏からもテロリストに対する検察の対応は理解に苦しむと指摘された。25人の逮捕者の中にはコマンド・ビスカヤのメンバーとの密接な関係を自白している者がいたが、実際には釈放されている。
この疑問に関して、全国管区裁判所の検察長官は検察側が警察の捜査を困難にした事実はないし、捜査ではそれなりの結果が出ているとのコメントを発表している。また、同様の筋からは逮捕者がETAに協力したという明らかな証拠をエルチャインチャが提示しなかった、との証言も出ている。

ジローナの監察医、解剖後の処理状況に問題ありと告発

カタルーニャのジローナで監察医をするルジェー・ラカシ医師により、解剖後に遺体から摘出された臓器、体液などの処理方法に問題があるとの告発を受けて、カタルーニャ自治体の法務局は現状の処理方法で衛生上には問題はないとの回答を出している。
この告発では、解剖後に遺体から排出されたものの処理に関する規定がないことから、体液はそのまま排水溝から下水へと流されているのが現状であるとする。たとえ、解剖された遺体がエイズや肝炎などに感染していたとしても同様の処理をしていることも指摘されている。
1999年4月に監察医たちが摘出された臓器のための特別なビニール袋、それを保管する容器を求めた要求書を提出するまではその他のゴミと同様、自治体のゴミ回収に出していたという。ジローナの法務局では現在では特別な専門処理業者が遺体から摘出されたものを回収処理していることを強調し、ラカシ医師がいたずらに社会を不安に陥れていると非難。しかし、カタルーニャ監察医協会では現在の監察院、病院での慣行は非常に危険であり、また耐えがたいことであるとコメントを出している。


10月26日(木)

アスナル首相、バスク政府に政治体制の改革を要求

今月の22日にETAのメンバーによって殺害されたマシモ・カサド・カレーラ刑務官の遺族が、現在居住しているバスク地方を後にすることを表明したことを受け、アスナル首相はバスク政府に、現在のバスク政府の政治体制を改革することを要求した。
現在のヨーロッパの国において、テロや暴力などによって故郷を捨てざるをえない市民がでてしまうという状況は尋常でないとし、これ以上、このような事例がでる必要のない様にする為には、バスクの現状を分析し、テロなどの犯罪を防ぐ努力をし続けることが重要であると判断したアスナル首相は、バスク議会に早急に対応策を講じることを要請し、また、テロ対策法も見なおす必要があるとした。
一方、今月9日に殺害されたアンダルシア高等裁判所検事長のルイス・ポルテロ氏の遺族は、ポルテロ氏が殺害された当時、護衛がついていなかったことに対して、「(護衛面で他の検事達と比較して)待遇に平等でない面があった」と内務省に不服を申し立てた。

優良病院上位20軒のうち13軒がカタルーニャの病院

先日、スペイン全土の病院を対象に国家保健機構が実施した調査によると、カタルーニャ地方には優良病院が多くあることがわかった。
今回の調査に参加した病院は計140軒で、優良病院と認められた上位20軒の病院のうち、13軒をカタルーニャの病院が占めるという結果になった。上位20位内にランクされた病院では、今回の調査ででた平均値よりも、死亡率においては19%、合併症に関しては2,6%数値が低かった。さらに、これらの優良病院は経営面においても、他の病院と比較して優れているものであった。
今回の調査はスペイン全土の病院を対象としたものであったが、実際に調査に参加した病院の数は、地域によってかなりのばらつきがでた。バレンシアやバスク地方では全ての公共病院が調査に参加したが、ガリシアではわずか6%の病院のみが参加しただけであった。
今回の調査に参加した140軒の病院のうち51%が社会保証に所属していた。


10月25日(水)

アスナル首相、ジブラルタルに寄港中の原子力潜水艦の故障についてプレア首相に説明を求める予定

今年5月よりジブラルタルの港に寄港中の原子力潜水艦"タイアレス"の故障について、アスナル首相は今週スペインを訪問予定のブレア首相にはっきりした説明を求める予定でいる。
"タイアレス"は当初2ミリメートルの溶接部分の亀裂を修理するという理由によりジブラルタル港に寄港、しかしながら、先週金曜日ジョゼップ・ピケ外相は英国外相から直接"タイアレス"は原子炉の冷却循環装置の設計ミスと材質の劣化が重なり、配管そのものを取り替える必要性があることを知らされた。この大がかりな修理を行うための専門家チームを要請するのに時間がかかることなどもあり本年中に終了する予定であった修理期間が少なくとも来年の3月末まで延長されることが確定的となった。
現在、原子力安全委員会の代表団とともにイギリスの専門家チームが潜水艦の検査をしており、その報告書が提出された時点でスペイン政府は英国政府にたいしてどのような態度に出るかを決定する。
スペイン側としては20万のスペイン人の居住する場所での原子力船の修理の危険性と住民の不安感を鑑み、イギリス本国送還を希望していたが、冬季は海上が悪化するために不可能であるとの結論が出ている。

来年度予算案で与党、野党間で意見割れ

昨日、政府は来年度予算案を議会に提案した。
政府が提案した予算案は、赤字ゼロ、3,6%の国民総生産、2%のインフレを目指したものであり、また、38万7千の雇用ポストを確立するというものである。政府は1995年度から段階的に雇用ポストを増加させており、さらに来年度にも雇用ポストを増加させ、スペイン社会の大きな問題の一つとなっている失業率を低下させる狙い。これらに加え、政府は、更なる減税を実現させることも提案した。
一方、第一野党であるPSOEは、政府の予算案を、「実現性に欠ける」と批判しているが、大蔵大臣であるクリストバル・モントロ氏は、「PSOEこそ具体案を提示しない」とPSOEの姿勢を非難した。

刑務所前に2000人の市民が押しかける

1995年4月に、夫であるビセンテ・モリナを殺害した罪で、14年の禁固刑に処せられたテレサ・モレノ・マジャ(49)が昨日、アルカラ・メコ刑務所に入所する際に、約2000人の市民が刑務所前に殺到した。
刑務所前に押しかけた市民の大多数は女性で、日常的に受けていた暴力を苦にし、夫を殺害したテレサ・モレノに声援を送った。テレサ・モレノに声援を送っていた市民の中には、女優や歌手などの著名人の顔も見られ、「先日、妻を殺害した犯人には、わずか2年のみの禁固刑が課せられただけであり、法は男女の平等をうたっているが、実際にはそれは守られていない」と女性が受けている差別を訴えた。
テレサ・モレノは子供達に付き添われ、アルカラ・メコ刑務所に入所した。


10月24日(火)

ビトリアでの反ETAのデモ、8万人以上が集まる

日曜日に新たなETAの犠牲者を出したアラバ県のビトリアで雨の中、反ETAのデモ集会が行なわれた。この集会はイバレッチェバスク州首長、マリアノ・ラホイ副首相をはじめとして、テロ被害者の会、フォーラム・エルムアなどの団体、日曜日に殺害されたマシモ・カサド氏の所属していた労働団体などが中心となり市民8万人以上が参加するという大規模なものとなった。集会ではビトリアのアルフォンソ・アロンソ市長が「武器は我々のETA、NOという叫びをおさえることはできないのだ」と発言、ETAの存在しなくなる未来のために何回でも、テロリストたちが理解できるまで叫びつづける用意があることを明らかにした。また、被害者の同僚の1人は労働団体が自由と民主主義のもと闘って行く決意を新たにした旨の声明文を読み上げた。
一方、カサド氏殺害に関して、バスク地方警察エルチャインチャではETAの“コマンド・ドノスティ”の関与、もしくはそれに近い筋の協力者が存在しているしている可能性を指摘している。さらにはカサド氏が住むマンション住民がETAへの情報提供者になっていたのではないかとして、取調べを受けている。

地中海沿岸での大雨の被害さらに広がる

先週末から続いている地中海沿岸地方での大雨による被害はさらに増え、昨日も死者、行方不明者が出ている。気象庁の予報では今日も引き続き大雨が降るとしており、その地方の住民への警戒を喚起している。
カルタヘナでは1時間に130リットル/uの降雨量を記録しており、住宅への浸水被害が報告されている。急激に増大した水量で車が流され女性が1人また行方不明となっている。 日曜日に行方不明になっていた親子のうち母親はエブロ川のデルタ地域の砂浜で水死体となって発見されたが、4歳の息子は依然として行方不明のままである。
さらにタラゴナでは90歳になる女性が地下にある自宅で浸水が原因となって溺死するという事件もおこっている。
この大雨によりマドリード、バレンシア間の高速道路、国道が通行止めとなり国鉄も運休状態となっていたが、昨日午後に復旧している。また、ベニドルムにあるテーマパークのテラ・ミティカが閉園を余儀なくされている。


10月23日(月)

ETA、車爆弾でビトリアの刑務官を殺害

昨日早朝、バスク州アラバ県のナンクラレス・デ・ラ・オカの刑務所に勤務するマシモ・カサド・カレーラ刑務官(44歳)が自宅駐車場で車に乗り込んだところ、仕掛けられていた爆弾が爆発、車ごと粉砕され即死した。仕掛けられていた爆発物は非常に精度が高く、微妙な動きに反応し爆発するような仕組となっていた。
同刑務官は15年前より同刑務所で指導教官として勤務しており、刑務所労働組合の代議員を務めていた。数年前に同刑務所の同僚であったホセ・オルテガ・ララ氏がETAにより一年以上に渡って誘拐監禁されていた時期には他の同僚と同様に脅迫の手紙を送りつけられていた。さらには3ヶ月ほど前から同じマンションに住むHBを支持する息子を持つ住人と郵便受けを壊したという理由で争いがあったこと、それ以降、以前にも増してETAからの脅迫が執拗になっていたことなどから非常にナーバスになっていたことが伝えられている。
ETAによるこの犯行は、先週のアンダルシアでのETAメンバーの逮捕、前日の土曜日に10万人以上が集まったバスク州イバレチェ首長が召集した反ETAのデモ行進などに敏感に反応しているように見うけられる。
さらに、サンセバスティアンの弁護士協会の会長宅に小包が送りつけられ、不審に思った同人がそのまま地方警察に持ち込み、爆弾であることが発覚、その場で処理され事無きを得ている。

地中海沿岸の大雨の被害、3人死亡、3人行方不明

土曜日から日曜日にかけて地中海沿岸を襲っている大雨により現在までに3人の命が失われ、3人が行方不明となっている。
カタルーニャのタラゴナ県ではレウス、サラゴサ間をつなぐ大半の道路が通行止めとなり、15600軒が電気の供給が止まったままとなっている。
タラゴナのボタレルでは日曜日の夜中2時ごろレウスに向かう途中の川にかかる橋をを渡ろうとしたRV車が水流に押し流され、乗っていた家族が濁流に飲み込まれることとなってしまった。家族5人のうち10歳になる少年だけが通りかかった近所の人に助けられ一命をとりとめた。彼の両親、叔父は水死体で発見され、妹は行方不明のまま。
ムルシアでは日曜日の朝8時半頃にエクアドル人一家の車がラモネテ川支流の鉄砲水に押し流され父親は脱出することができたが母親、息子はそのまま流され行方不明となっている。
バレンシア地方では多いところではこの24時間に200リットル以上の降雨量があり、高速3号線、国道332号線が依然として通行止めとなっており、バレンシア、ウティエル間の国鉄も運休状態となっている。

ついにクーロ・ロメロ現役引退を発表

スペイン闘牛界のベテラン中のベテランであり、多くのファンを持つ闘牛士クーロ・ロメロが67歳にして現役引退を決意した。昨日、セビージャのラ・アルガバで行なわれたフェステバル闘牛に出場した後、ラジオの闘牛番組に出演、現役引退を表明したもの。
引退の決意については誰にも洩らしてはおらず、妻のカルメンさんですらラジオ番組を聴いた友人から知らされたと語っている。引退の理由については明らかにされていないが、先月セビージャで行なわれサン・ミゲルのお祭りの際の闘牛出場リストからはずれたことで気を落としていたとも、持病の腰痛が原因とも言われている。
クーロ・ロメロは1954年に見習い闘牛士としてデビューし、1959年に正式に闘牛士として認められている。その後は数々の逸話を残し、厳しい批判にさらされてもきたが、常に熱狂的なファンに囲まれ闘牛界の第一人者として名をはせてきた。


10月20日(金)

元ETAのナンバーワン“パキート”、法廷で裁判官を脅迫

昨日、全国管区裁判所における1989年の検察官カルメン・タグレ殺害に関する裁判の開廷直後、被告であるETAの元幹部フランシスコ・ムヒカ・ガルメンディア、通称“パキート”は裁判長の「着席」の言葉に反抗、暴言をはき退廷させられた。“パキート”は裁判官に対してバスク語で「バスクの現状の責任は君たち裁判官にある。われわれにとって君たち全てがタグレだ。」と脅し、着席を拒否した。
“パキート”はタグレ検察官殺害の罪状で検察側から懲役30年を求刑されているが、弁護側は無罪を主張している。実際に犯行を行ったのはフランス人アンリ・パロとジャック・エスナルの2人で既に有罪判決を受けている。パロは昨日“パキート”に関して、“パキート”を見知っていたことは認めたがタグレ殺害の命令を受けたことはないと証言。治安警察隊と裁判官の前で“パキート”がコマンド部隊の責任者であったと証言したことについて拷問の末の自白であると訴えていたが、それに関する証拠が全く認められないとされた。
“パキート”の弁護人は被告が出廷を拒否していることを告げているが裁判は本日も開廷され、新たな証人が召喚されることとなっている。被告が出廷しない場合は被告の証言の機会は失われることとなる。

スペインの若者の意識調査、移民蔑視の意識根強く残る

青少年研究所は“スペインの青少年に関する報告書”と題するアンケートによる若者の意識調査結果を発表した。このアンケートは1999年10月15日から11月15日にかけて15歳から29歳までの6432人に対して行い、1995年に行った同様の調査と比較分析している。
この調査の中で移民の流入に民族としての危機感を感じるとする若者が30%、スペイの道徳観や慣習に悪影響を及ぼすと考える人が24%という結果が出ており、前回の調査で前者が55%後者が41%であったことに比較して軽減していることがうかがえる。とはいえ、移民に対するこれらの意識は人種差別、移民排斥につながっているとして“憂慮すべき”問題であるとされる。
また、調査の中で目を引く項目は“親からの独立”という点であるが、25歳の段階で経済的に親からの独立を果たしているのは32%、29歳で72%という結果である。家を出る年齢の平均は26歳となっているが、独立できない大きな原因としては就職が困難であること、それにより、学生である期間が長期に渡りいつまでも親に頼っているということがあげられる。女性の場合同棲、結婚生活に入るのが遅くなる為に自然と出産に至るのが遅くなるということを意味し、スペインの出生率低下と切り離しては語れない状況が浮き彫りとなっている。

個人所得税減税、早ければ11月から

スペインの個人所得税が早ければ11月から減税されることが本日にも閣僚会議にて承認される。
今回の減税措置では扶養する親がいる者や独身者、離婚者などで子供のいる単身家庭などで所得の多くない層が恩恵をあずかることとなる。大蔵省のクリストバル・モントロ大臣は総計で110万人にこの減税が適用されることとなるだろうと話している。
個人所得税は企業勤務者の月々の給与より企業が差し引き、翌年に申告する形をとるためこの減税は今年の大蔵収入に直接影響を与えない。
また、同大臣は減税政策に関しては他にもまだ議会の審議が残っている項目もあり、この個人所得税減税だけに終ることはない、と話す。特に経済的弱者に適用される項目から手をつけ始めることとなるとコメントしている。


10月19日(木)

レプソルYPF、政府にエンデサと自由に競争ができるように要請

昨日エンデサとの合併を発表したイベルドロラをめぐり、レプソルYPFは、自由競争体制のもとでエンデサと競争ができるように政府に要請する方向であることがわかった。
レプソルYPF筋によると、レプソルYPFはイベルドロラに、自社の傘下にあるガス・ナトゥラル社との合併を申し出ていたが、それを拒否されたことを不服として、公平に競争ができるように政府に要請するとのこと。レプソルYPFは、政府から自由競争の承認を得た際には、再びイベルドロラに合併を申し出るとしている。
このようなレプソルYPFの動きを知ったエンデサは、「レプソルYPFがいかなる行動に出ようと、真向から戦うつもりである。」とコメントしており、また、イベルドロラも、レプソルYPFが再び合併を申し出ても、エンデサとの協定を解消することはないであろう、とした。
また、イベルドロラがエンデサとの合併に合意したことを受けて、BBVAの会長であり、エンデサの理事でもあるフランシスコ・ゴンザレス氏は、エンデサの理事を辞任することになった。レプソルYPFの株主でもあるBBVAは、イベルドロラとエンデサの合併に反対していた。

一酸化炭素中毒で一家5人死亡

昨日、マドリッドに住む一家が一酸化炭素中毒で死亡しているのが発見された。
死亡したのは、フアン・カルロス・エレロさん(31)、妻のマリア・デル・マル・ホセ・ルアノさん(36)、長男のオスカルくん(3)、双子のアレックスくんとアルバロくん(2)。
一家が死亡しているのを発見したのはベビーシッターのマリア・デ・ロス・アンヘレス・ヒメネスさんで、昨日朝8時半頃、子供達を保育所に連れて行く為に一家の自宅を訪れたところ、返答がなかったので不審に思ったマリア・デ・ロス・アンヘルさんは、マリア・デル・マルさんの家族に連絡を取り、通りかかった警察官に通報した。
発見された際には5人ともが既に死亡していた。フアン・カルロスさんとマリア・デル・マルさんは浴室にて倒れており、子供達3人はベッドに寝かされた状態であった。
一酸化炭素を発生したのは台所のヒーターと見られており、そのヒーターの燃料が燃焼不良を起したのが原因のもよう。一酸化炭素は無色・無臭の気体の為、一家のうち誰も一酸化炭素が発生しているのに気付けなかったのでは、と見られている。

逮捕されたETAのメンバー、複数の殺人を犯していたことが判明

月曜日に逮捕された2人のETAのメンバー、ジョン・イゴル・ソラナ・マタランとアリエット・イラギ・グルチャガが、アントニオ・ムニョス・カリニャノス氏殺害の犯人であった他に、マラガでのPP党員の殺害、グラナダでのアンダルシア高等裁判所検事長の殺害の犯人であったことが判明した。さらにソラナとイラギの2人はホセ・アセンホ氏や防衛省職員などの乗用車に爆発物をしかけていたこともわかった。
また、2人は警察から逃れる為に頻繁に隠れ家を変えていたもよう。8月には標的にする人物の情報を収集する為に陸軍部隊のあるバレンシアに移り、9月には上部からの指示を仰ぐ為にフランスに渡っていた。今までに警察は、セビージャで2ヶ所、グラナダで1ヶ所、マラガで3ヶ所の隠れ家を発見している。


10月18日(水)

逮捕されたETAのメンバー、アンダルシアでの全てのテロに加担した疑い

ハイメ・マジョール内務大臣は、月曜日に逮捕されたETAのメンバー、ジョン・イゴル・ソラナ・マタランとアリエット・イラギ・グルチャガの2人が、アンダルシアで7月から繰り返されている全てのテロ行為に加担していた可能性があることを発表した。
内務省筋は、ジョン・イゴル・ソラナとアリエット・イラギの逮捕によって“コマンド・アンダルシア”は解散された可能性があることを認めているが、マジョール内務大臣はそのことについては詳しく触れなかった。
また、月曜日にアントニオ・ムニョス・カリニャノス氏が殺害されたセビージャでは、昨日、約15万人の市民がデモに参加し、ETAのテロ行為に反対の意を表した。昨日のデモには、アスナル首相、サパテロPSOE幹事長、マジョール内務大臣、フェデリコ・トゥリジョ防衛大臣なども参加し、ETAの犯行を強く非難した。
一方、フアン・ホセ・イバレチェバスク州首長は、今週土曜日にビルバオにて、ETAに反対するデモ行進を行う予定であり、PSOEをはじめとする社会党グループも土曜日のデモに参加することを、昨日表明した。

エンデサとイベルドロラ、合併へ

昨日、電力会社のエンデサとイベルドロラは合併することを発表した。
イベルドロラにはレプソルYPFの天然ガスセクションとの合併の話もあったが、結局、「折り合いがつかなかった」としてイベルドロラはレプソルとの合併を断念し、主要株主のBBVAやBBKなどの反対はあったものの、エンデサとの合併に踏み切った。
合併後のエンデサ・イベルドロラ社は、スペイン電力市場において約80%の売上を占めることになり、世界電力市場にいても上位5位以内にランクされる大企業となる。合併後、2003年の春まではロドルフォ・マルティン・ビジャ氏(現エンデサ会長)とイニィゴ・オリゴル氏(現イベルドロラ会長)がエンデサ・イベルドロラ社を率いる事になり、それ以降は、現エンデサ副会長であるマヌエル・ピサロ氏が2人の後任を引き継ぐ予定となっている。
しかし、合併を実現させるには、政府が課している条件をクリアする為に資産の一部を売却しなければならない。

老人ホームの入居待ち、スペインでは1年から1年半

現在スペインでは、1万人以上の人が公共の老人ホームに入居する為に順番を待っている状態である。
老人病学者のホセ・マヌエル・ルエス氏によると、スペインの老人ホームの数は先進国の平均を下回っており、公共の老人ホームに入居する為に、1年から1年半も待たなければならない状態であるとしている。現在、スペインでは老人ホームに18万8千のベッドがあるが、ルエス氏の見解では、需要と供給を一致させるには、さらに15万程のベッド数が必要であるとし、政府にベッド数を増やすことを要求している。さらに、ここ近年は老人ホームの利用者が多様化してきた為、デイケアセンターなどの施設の増設も要求している。


10月17日(火)

ETAによってセビージャの軍医殺害される、犯行グループのうち2人逮捕

昨日午後6時50分頃、空軍の軍医であるアントニオ・ムニョス・カリニャノス氏(58歳)が同氏の診療所内でETAの手により殺害された。殺害実行犯は2人で順番待ちをしている患者の横を通り診察室に入り、突然発砲、同医師は頭部に銃弾を受け即死した。犯人は歩いて逃亡、多くの目撃者から通報を受けた警察隊が緊急配備をしき、15分後にはパトロール隊が犯人グループ3人を発見、銃撃戦となった。その場で1人を逮捕したが、他の2人は追跡を振り切り逃亡に成功、しかし、夜中の1時ごろ銃撃戦で肩に重傷を負った犯人の1人が犯行現場から1.5キロメートル離れた場所で発見され病院に収容された。残る1人はまだ逮捕にいたっていない。
最初に逮捕されたのはジョン・イゴル・ソラナ・マタラン(26歳)で、7月のマラガの市会議員暗殺、また、先週グラナダで起こった高等裁判所検事長殺害にもかかわっていたと推定されている。ソラナは1990年からETAに所属、ビスカヤにおける数多くのテロ行為に加わっていたとされる。1993年に地方警察官に暴行を加えたという罪状で逮捕されているが、裁判ののちフランスに逃亡しコマンド部隊に所属していた。
負傷して逮捕されたのはアリエット・イラギ・グルチャガ(23歳)でETAの年少部隊である“ハライ”に所属しており、“コマンド・アンダルシア”の構成員としては警察に把握されてはいなかった。1996年に他の6人の少年たちとともにパトロール中のバスク警察を襲撃したということで騒乱罪を適用され実刑判決を下されている。やはり昨年の夏より自宅から姿を消していた。 また、これらのコマンド部隊が隠れ家として使用していたマンションも家宅捜査されている。さらに、今までのアンダルシア内で起きたテロ行為から“コマンド・アンダルシア”が組織されていることは確実と見られ、セビージャ、マラガ、グラナダに警察に発見されていない隠れ家、警察に知られていない協力者が存在すると推定される。
今回被害者となったアントニオ・ムニョス氏は耳鼻咽喉学の権威で空軍の総合病院の病院長でもあり、他のクリニックの責任者も務めていた。

サパテロ幹事長、DVの加害者名を公表するというボノ氏の提案を支持

先週、カスティージャ・ラ・マンチャ州の長官であるホセ・ボノ氏が激増するドメスティック・バイオレンス(DV)の加害者名を一般に公開するという提案をしたが、この案が世論でも討議されるようサパテロPSOE幹事長はボノ氏を支持することを公表した。
加害者名公開に関しては法曹界から違憲にあたるといった厳しい批判がなされているが、女性やDV被害者の会からは支持されており、激しい論争を引き起こしている。
名前の公表か否かを問う800人への電話によるアンケートでは71.1%が公表することに賛成の意を示している。また、このようなDVに関して裁判官に責任があると考える人が39.3%と最も多く、政府に責任があると考える人は19%となっている。
ボノ氏は、この提案に批判を下す人達は現実を見ることなく偽善的であり、政府内務省は1年半前にDV対策を講じると約束したにもかかわらず、有効なてだてを見出していない、と批判している。


10月16日(月)

燃料高騰問題再燃、新たな抗議運動に発展か?

原油価格の高騰により国内の燃料値上がりに対して関係各団体の激しい抗議運動が実を結んだ形となり中央政府が直接及び間接的に総額1200億ペセタの援助をすることで沈静化していた燃料問題が再び熱を帯びてきている。発端となったのは先週の金曜日に国内シェア45%を占めるレプソル社がディーゼルオイルを1リットルあたり5ペセタ、その他のガソリンを2ペセタ一気に値上げしたことにある。さらに翌日、BP社も4ペセタの値上げを敢行したことで、農業団体、漁業組合、運送業界がすぐさま反応、中央政府に何らかの代償を求めている。
しかしながら、中央政府ではこれらの要求を真向から拒否、今までになされた同意に変更を加えることはないとしている。農業団体のUPAでは、先日の同意は過去の損失を穴埋めする為の措置であり、今回新たな値上がりが発生したのであるから政府は柔軟に対応するべきである、と話し、要求が認められない場合には先月と同様の抗議行動を起こす可能性もある、と強硬な態度を示している。

バスクからの文化人の流出続く

フォーラム・エルムアに所属し、バスク大学で教鞭をとり、スペイン現代史を研究するホセ・マリア・ポルティージョ氏が度重なるテロリストたちからの攻撃に耐えきれず、バスク地方を後にし、アメリカ合衆国へ移住することを発表した。同氏は1997年、昨年と2度にわたり、所有する自動車に爆弾を仕掛けられるなどの攻撃を受け、自由な研究活動を続けることができないと判断、この決断に至ったもよう。
この発表にバスクの各方面から遺憾の意が寄せられており、バスク州議会スポークスマン、ジョス・ジョン・イマス氏、バスクPPのカルメロ・バリオ会長などは、ETAによる脅迫は“思想浄化”以外のなにものでもないと強く非難、バスク社会は表現の自由が欠如していると嘆いている。
海外移住を決断したのはポルティージョ氏で3人目。つい先頃もミケル・アスルメンディ大学教授が、歌手のイマノール・ラルサバルが“バスクでは呼吸ができない”とし、バスクを後にしたばかり。

ピラールの連休での交通事故死亡者は59人、負傷者は66人

スペイン交通局は先週木曜日のピラールの祝日をはさんだ連休中に起きた国内での交通事故が49件、事故による死亡者は59人、負傷者は66人であることを発表した。負傷者のうちの35人は重態、31人は軽傷である。
49件の交通事故の中でもセビージャ近郊で金曜日の夜中に起きた事故が最も悲惨なものであり、2台の自動車が正面衝突し、5人が死亡している。また、土曜日の夕方にビルバオ近郊の高速道路で起こった衝突事故では10台の車を巻き込み3人の若者が死亡、7人の負傷者がでた。
一方、空の便に関しては通常の週末と同様の運行で大きな乱れは認められなかった。


10月13日(金)

PNV、EUにバスク問題解決のための介入を求める

昨日、エンダジャで開催されたバスク国民党PNVの集会で500人あまりの党員を前にシャビエル・アルサジュス党首は、EUの首脳陣にバスク問題の解決のために介入するよう求めた。これはフランス側のバスク地方にあるビアリッツでのヨーロッパ首脳会談を本日に控えての発言であり、バスクにおける紛争がヨーロッパとはかけ離れたスペイン国内の問題と考えることのないよう、ヨーロッパ諸国の配慮を促している。同党首は現在バスク地方で起きている暴力的な事件の原因が政治的な問題であることは明らかであり、この解決には政治的に、対話を持って解決されるべきものであるとコメントした。
さらにはバスクという集合体はヨーロッパで最も古いものであるからして、その国家をなすという権利を有するはずであるとし、エストニア、スロベニア、クロアチアなど他の国家から分離して手にした自決権をバスクも所有する資格があることを認めて欲しいと付け加えた。

レジオネラ症に19人が感染、2人が死亡〜ビゴ

ガリシア地方のビゴで、9月の下旬頃から普通とは異なる症状の肺炎がみられるようになり、それがもとで10月初旬に相次いで2人が死亡したことが公表された。今週に入ってから、毒物学分析により“レジオネラ”病原菌の存在が認められた。現在、このビールスに感染している患者は17人にのぼり、そのうちの11人はビゴのシェラル病院に入院、4人は集中治療室にて治療を受けている状態である。
同病院では2年前にもレジオネラ感染症にかかった病院職員がおり、今回死亡した患者の1人がやはり病院職員であったため、病院が感染源になっているのではないかという不安が持たれている。しかし、自治体厚生局ではこの可能性をきっぱり否定、全ての患者はこの病院に入院する前に発症していると説明する。この病原菌の出所はほとんどの患者の住むビゴの中心街ではないかとみられており、この界隈のビルの空調用の冷却塔で発生し、空中に散布されたのではないかと推測されている。
自治体厚生局では住民に無用な心配はしないようにと呼びかけ、今月5日をもって新たな患者が出ていないこと、潜伏期間が2日から10日であることから、既に沈静化したと考えられると発表している。


10月12日(木)

本日は柱の聖母マリアの祝日の為お休みです


10月11日(水)

グラナダにて大規模なデモが行なわれる

月曜日にアンダルシア高等裁判所検事長のルイス・ポルテロ氏がETAのメンバーによって殺害されたことを受け、昨日、テロが行なわれたグラナダにて、ETAの犯罪行為に反対の意を表する大規模なデモ行進が行なわれた。
昨日のデモ行進には約10万人の市民が参加し、参加者の中にはアンダルシア評議会議長のマヌエル・チャベス氏、グラナダ市長のアウグスト・メンデス・デ・ルゴ氏、ニコラス・レドンド氏、カルロス・イトゥルガイス氏、PSOE幹事長などの顔ぶれも見られた。デモは約1時間にかけて行なわれ、最終目的地である市役所に到着した際に、グラナダ市長はETAに対し、「いかなる場所においても殺人行為は行なわれるべきではない」と強く非難の言葉を浴びせた。
また、ルイス・ポルテロ氏自宅の近隣住民の証言によると、ポルテロ氏を殺害した3人の犯人のうちの1人はゴルカ・パラシオス・アルダイである可能性が出てきたが、内務省は何らかの証拠が出てこない限り、ゴルカ・パラシオスを犯人であると限定することはできないとした。

ホセ・ボノ氏、家庭内暴力を振るった人物の実名を公表することを提案

カスティージャ、ラ・マンチャ評議会議長のホセ・ボノ氏は、家庭内暴力を振るった人物の実名を公表することを提案した。
ボノ氏によると、カスティージャ、ラ・マンチャでは家庭内暴力の被害に遭った女性が、その被害を訴える為の手段が他の地と比較して少ないとしており、また、家庭内暴力の問題は裁判所の手のみに委ねられるべき問題ではないとしている。よって、政府レベルでもこのような問題を考えていくべきであるとし、今回の提案に踏み切った。
ボノ氏は議会にも実名公表案の支持を仰いでおり、それに対してPPも党をあげての協力を申し出た。PPは、実名公表に加え、暴力を振るった人物に社会的な刑罰を科すことも提案した。
アナ・マリア・ペレス・デル・カンポ離婚女性組合会長は、ボノ氏の提案を、「是非実現させて欲しい」と賞賛しており、中央政府にも家庭内暴力の問題を最重要問題として扱うことを要請している。
内務省の報告によると、33人の女性が今年8月に夫や元夫の暴力によって命を絶たれている。

セプサ、ガソリンの価格を2ペセタ値上げ

スペイン石油市場の25%を占め、業界第2の企業であるセプサが昨日、ガソリンの価格を2ペセタ値上げすることを発表した。
セプサ側の説明によると、ユーロの価値が下がっているのに加え、パレスチナとイスラエルの関係悪化の影響により、ロンドン市場にて原油価格が先週よりも2ドル上昇したことを理由に、ガソリンの値上げを決行したとのこと。
ガソリンの値上げは今朝未明から実施され、セプサでは1リットルにつき121,9ペセタでガソリンを販売することになった。これは、レプソルやBPなどの他の石油販売業者のガソリン販売価格と比較して2ペセタ高いものとなっている。


10月10日(火)

アンダルシア高等裁判所検事長、ETAの銃弾に倒れる

昨日午後2時20分頃、グラナダでアンダルシア高等裁判所検事長ルイス・ポルテロ・ガルシア氏(59歳)がETAにより殺害された。同氏は自宅マンションのエレベーター前で背後から銃弾を2発浴び病院に運ばれたが、午後7時ごろ正式に死亡が確認された。3人組とみられる犯人は、NGOのがんに関するアンケート調査と称し、インターフォン越しに住人にマンションの共同玄関のロックを解除させマンション内に入り込み、同氏が帰宅するのを待ち伏せていたもよう。
同氏は1989年にアンダルシア高等裁判所が設立された時からこの職についていた。ここ数日、裁判官、検事がETAの標的となっていることを警告されていたが、同氏は特別に警戒する事もなく午前中に裁判所に出勤する時のみ警護をつけ帰宅時はいつものように公用車で送られるだけであった。
この事件の数時間のち、事件現場から40メートルほど離れた場所で車が爆発、大破した。爆破された自動車は犯人グループがセビージャで軍人の車に爆発物をしかけた後にグラナダまで移動する際に使用、証拠隠滅を図る為に爆破したものとみられている。この爆発により付近のマンションの壁やガラス窓が割れるなどの被害があったが、人的な被害はでていない。
テロ対策本部では、ここ最近のETAのアンダルシア内での犯行の手際のよさからみて、グラナダ、セビージャ、マラガなどにテロリスト達のベースとなる住居があること、また、この地に精通した情報提供者がいることを確信している。
このテロ事件に即座に反応して、被害者の妻が教壇にたっているグラナダ大学の学生5000人が昨夜市中に出て、ETAに対する抗議のデモを行った。

サラゴサでのデモは公金を流用しておこなったものとPPが非難

今週日曜日にサラゴサにて25万人が参加した国家灌漑計画に反対するデモに関し、PPスポークスマンであるラファエル・エルナンデス議員は、PSOEはこの計画反対のデモに民衆を動員するために公金を流用し、世論の操作を行ったとPSOEを攻撃した。さらに、この灌漑計画に関しては1992年アラゴン議会が承認した水道条例に基づいた工事を全て含んでいるもので、この条例には現在問題となっているエブロ川の水を利用する事も提案されていると説明、海に流れて行く水をレバンテ地方やその他水不足に悩む地方へ提供することに反対することは理解に苦しむと話している。
これらの非難に対し、アラゴン州の経済局議員エドゥアルド・バンドレス氏はエルナンデス氏の発言は全て虚偽のものであり、アラゴン政府は水を守る為のキャンペーン経費として使用したのだと反論している。


10月9日(月)

国家灌漑計画に反対してサラゴサで大規模なデモ、25万人が参加

昨日、国家で検討されているエブロ川の水を水不足の地域へ供給する為の灌漑路建設に関する国家計画に反対する大規模なデモがサラゴサで行なわれた。このデモには25万人の市民及びPPを除く全ての政党、労働組合が参加した。このデモでは国家計画を白紙状態に戻すことを要求している。
アラゴン議会のマルセリーノ・イグレシアス議長(PSOE)自ら、アラゴン地方より発展している地域をさらに豊かにするためのしわ寄せが来るような計画を支持することはできないと話している。
サラゴサのアタレス市長は環境省のジャウメ・マタス大臣に民衆の意思を伝えることを約束、また、アラゴン議会では臨時閣僚会議開くことを決定、環境大臣にこの計画の取り下げを求め、地方自治体の求める新たな計画の草稿を始めることを予定している。

マジョール内相、次期バスク地方選挙にて首長に立候補予定

以前から噂されてはいたが、現内務省大臣であるハイメ・マジョール・オレハ氏が次期バスク州地方選挙に出馬することが確定的となった。同氏は1996年からアスナル内閣の中でETAとそれに属す急進的な民族主義者に対して民主主義政策を推し進めた立役者となった。
PPでは1998年の地方選挙での躍進に続き、翌年の市町村選挙でもPNVとの距離を縮めた。今年3月の総選挙でバスク州3県の首都でPPが最高得票を獲得したことを受け、アスナル首相の後押しもあり出馬を決定したもよう。次期選挙は来年の3月頃と考えられているが、現バスク州イバレチェ首長が選挙を召集した時点でマジョール内相は大臣の職を辞任することとなる。
マジョール氏はバスク社会党との連立も考慮に入れており、議会をおさめるのに十分な票が得られると考えている。さらに、PNVが現在の主権主義の考えを捨てることを条件にPNVを含めた3党での連立も視野に入れている。

セビージャで立て続けに爆弾テロ、人的被害なしに終る

先週土曜日から今日にかけてセビージャで立て続けにETAによる爆弾テロが計画されていたが、3件とも爆弾が不発もしくは発見が早かった為に、人的被害を出さずに済んだ。
爆弾は全て車に仕掛けられており、標的となったのは軍人もしくはその家族とみられる。
土曜日の1件目は車の所有者が100キロ以上離れた場所まで運転している間に、不審な音が続いていたことから爆発物処理班に連絡し、同班のコントロールのもと爆発させた。2件目は、他の軍人の自動車の運転席の下にタッパに入った爆弾が置かれているのが発見され、やはり爆発物処理班によって仕掛けが解除された。3件目は今日の午前中に同様に空軍准尉の車に仕掛けられていたのがみつかっている。どの爆弾も不発に終っており、大事にはいたっていない。


10月6日(金)

イバレチェバスク州首長への不信任案決議、否決される

バスク州議会において、バスク穏健派民族主義政党であるPNVが急進派のEHから連立を切られ議会内で少数派となったことにより、バスクPSOE及びPPから提出されていたバスク州首長への不信任案投票が昨日行なわれた。14時間に及ぶ討議の後、PSOE、PP、UA(アラバ連合)の賛成32、PNV、EA、IU(左翼連合)の反対29という投票結果となったが、過半数38に達しなかった為、決議は否決された。この結果により、イバレチェ首長は続投、地方選挙前倒し案も当面却下されることとなった。
討論の中でイバレチェ首長はPSOEとPPに対し、右(PP)と左(PSOE)というイデオロギーの全く違う政党が民族主義への憎悪のために結託したと強く非難、不信任動議はバスクの政治状況を悪化させるだけであると話した。

ETA−Ekinのメンバー9人を逮捕

昨日、国家警察はETA−Ekinのメンバー9人を逮捕した。
全国管区裁判所バルタサール・ガルソン判事が指揮をとった9月の一斉検挙に続き、今回の摘発ではETAが活動するための隠れ蓑として利用していたと推定される2つの財団を家宅捜査した。内務省によれば、逮捕された9人は表向きにはこの財団に属しながら、ETA−Ekinにおいてスペイン国家と並立するバスク政府の樹立、スペイン憲法の否定、スペインの身分証明書を否定しバスク身分証明書を作成することなどを目的とした活動をしていた。
この逮捕のきっかけは1999年3月にパリにてETAの幹部“カンタウリ”が逮捕された際に押収された書類による。全国管区裁判所では逮捕された9人をマドリードにてテロリストグループの構成員であるという犯罪により起訴する方向でいる。
EHのスポークスマンであるオテギ氏は内務省はスペイン国家の根幹を揺るがす要因の排除を目的としたようであるが、バスク民主主義樹立の為にわれわれはスペイン国家を倒す用意があるし、それを犯罪であるとは解していない、というコメントを出した。

カルロス5世生誕500周年記念式典、トレドのカテドラルで行なわれる

昨日、カルロス5世生誕500周年式典が国王夫妻、その他ヨーロッパの王室、国家首班を招いてトレドのカテドラルにて盛大にとりおこなわれた。
この式典でフアン・カルロス国王は、カルロス5世スペイン国王はヨーロッパとスペインをつなぎ一つにするという発想の先駆者であったことをたたえ、現在のヨーロッパが全ての構成しているものを超越した存在であるべきだという考えのもと、治世25年間にわたって情熱を持ってヨーロッパの建設に力を注いできたことを述べた。
カルロス5世の特別展“Carolus”はトレドのサンタ・クルス美術館にて350点あまりの作品を展示、来年の1月12日まで公開される。


10月5日(木)

輸送業界と産業振興省、ようやく合意達成

昨日行なわれた会談で、運送業界と産業振興省は燃料価格高騰対応策に関しようやく合意に達することができ、月曜日から続いていた運送業界のストライキは終結を迎えた。
合意の内容は、荷物積み下ろし業者が運送業者に支払っている料金を現行のものより10%値上げするということと、輸送業界に対し政府が529億ペセタの補償金を支払うということである。
運送業界と荷物積み下ろし業者間での意見の相違は以前から起きていたものであり、両者間の対立は今年1月より激しさを増していた。よって、両業界とも産業振興省に仲裁を求めていたが、なかなか話合いはうまく行かず、昨日、荷物積み下ろし業者が料金値上げを承諾したことにより、長引いていた両者の緊張関係はようやく解消した。
昨日の運送業界と産業振興省との合意達成により、燃料価格高騰で打撃を受けた農業、漁業、運送業の各業界は、合計1200億ペセタの補償金を受けることになる。
また、ヨーロッパ委員会は、昨日、今回のような原油価格高騰の際には、全てのしわ寄せが消費者に向かわないように、燃料にかけられている付加価値税を引き下げることをEU加盟国に対し提案した。

政府諮問委員会、テロ犯罪に加担した少年に対する刑罰改正案の見直しを要求

昨日、政府諮問委員会は、政府が提出したテロリズム対策法改正草案の中の少年法に関する改正案に対し見直しを求めた。
見直しを求められたのは、テロ犯罪に加担した16歳以下の少年に対し最長10年間の禁固を求刑できるという草案。同諮問委員会は、「16歳以下の少年に対し成人と同等の刑罰を求めるのは重すぎる」としており、16歳以下の少年犯罪者については、どのような場合においても5年以上の禁固を求刑すべきではないとの見解を示した。また、同諮問委員会は、テロ犯罪を行った犯罪者に対し、6年間から20年間あらゆる資格を剥奪するという草案も見直しすることを政府に要求している。
政府から提出された改正草案の他の点に関しては、政府諮問委員会もおおむね同意しており、テロ犯罪の犠牲者に対し中傷行為を行うことも犯罪と見なすという点に関しても、同諮問委員会は評価している。しかし、どのような行為が犯罪の対象となるのかなどの、具体的な調整を政府に求めている。

PP、不法移民に対し幼児教育を受ける権利を否認

PPは外国人法を改正するにあたり、合法的にスペインに居住している移民と不法に居住している移民との間に差別化を図る方針であることを発表した。
この、PPの方針が最も顕著に表れているのは、教育の権利に関する改正案であり、PPが提案している内容では、18歳以下の全ての外国人に対し義務教育を受ける権利は認めているが、それ以外の教育についてはスペイン人と同様の権利を与えることを認めていない。つまり、0歳児から6歳児までの幼児教育や、義務教育以降の高等教育については、不法移民の子供に対しその権利を認めない、ということになる。
このようなPPの方針に対し、PSOE、CiUは、「子供の人権を犯している」と非難している。しかしPP側は、「幼児教育などは、スペイン人に対しても義務的な教育であるわけではなく、無償の教育でもないので、不法移民に対しそのような教育の権利を保障するべきではない」と反論している。


10月4日(水)

470人の不法移民、逮捕される

昨日、アルヘシラス、タリファ、セウタの海岸にて470人の不法移民が逮捕された。
うち、アルヘシラスとタリファの海岸では、計13隻の不法移民を乗せた船が発見され、わずか8時間で445人もの不法移民が逮捕された。逮捕された不法移民は北アフリカ系の民族であり、うち数名は昨日のうちに強制送還されたものの、大部分は疲労や低体温、脱水などの症状を見せており、現地の医療機関に収容された。
警察筋は、これらの大量の不法移民は1度大型船に乗り込み、沖にて小型船に乗り換えジブラルタル海峡を超えてきたものとみている。しかし、逮捕された不法移民の誰一人として、警察側の仮定を認める者はおらず、また、密航するにあたり、ブローカーにどの程度の金額を支払ったかも詳述する者もいなった。
今年度は昨日の時点で既に約1万1千人の不法移民が逮捕されており、これは昨年度逮捕された不法移民総数の倍以上のものとなっている。このような事態を受け、タリファ赤十字の会長であるフアン・トリビニョ氏は不法移民収容施設の建設を要求している。

アイルランド沖でガリシアの漁船が沈没

昨日未明、アイルランド沖にてガリシアの漁船が沈没し、乗組員5人が死亡し、7人が行方不明となった。
沈没したのはポンテベドラの船舶業者所有の漁船アロサ号であり、13人の乗組員が乗船していた。アロサ号は機械の故障の為、一旦アイルランドのロサベル港に避難しようとしていたところ、風速70キロメートルの突風にあおられ、港からわずかの所で座礁したもよう。アロサ号は午前5時20分に遭難信号を発信したが、レスキュー隊が到着するまでに乗組員達は、強風による高波に次々と飲み込まれていった。遭難信号を受信したアイルランドの海難救護センターのレスキュー隊は、唯一の生存者であるリカルド・アリアス・ガルシアさん(24)を含め3人が岩場にいるのを発見し救出したが、残る2人は低体温のため死亡した。のち、レスキュー隊は他の3人の乗組員の遺体を発見した。13人の乗組員のうち残る7人は未だ行方不明となっている。
沈没したアロサ号は、1974年製の漁船であった。

ヨーロッパ委員会、スペイン政府にストライキ解消の対応策を取ることを要求

ラ・ジョンケラとイルンでのトラックによる道路の封鎖は今日も続けられ、昨日にはポルトガルとの国境にまで道路の封鎖は拡大した。このような状況に、ヨーロッパ委員会は、「運送業界のストライキは交通に麻痺をもたらし、商品の流通に影響を及ぼす懸念がある」とスペイン政府に対し、ストライキを解消する為の対処法をまとめた報告書を24時間以内に提出することを命じた。
ヨーロッパ委員会からの要求を受け、ジョセップ・ピケ外務大臣は、「スペイン政府はストライキを必ず解消させる」とコメントした。
また、ヨーロッパ委員会は先週、フランス、オランダ、スエーデン各政府に対してもストライキ解消の為に対応策を取ることを要求している。


10月3日(火)

バスクPSOE、PNVへのいかなる歩みよりも拒絶

今週木曜日に予定されているバスク州議会でのイバレチェ州首長に対する不信任案提出に関する討論を控え、PNV、PPともども三者三つ巴の舌戦が繰り広げられている。
PNVではイニャキ・アナサガスティ議会スポークスマンがバスクPSOE書記長に対して、「ニコラス・レドンドはバスク首長になることにご執心なため、イバレチェ氏を排除しようとしている。イメージ先行の政党であることを選択したロドリゲス・サパテロPSOE幹事長には絶望した」と批判。同様のPNVからの非難に態度を硬化させたPSOE陣営は、“選挙が終了するまではPNVへいかなる場合にも歩みよることはないであろう、選挙後であってもPNVが戦術を明白に転換させ、公式にリサーラ協定を破棄しないことにはPSOEの姿勢はかわらない”ことを明らかにしている。さらにPPが提出した不信任案が“建設的”であること、かつ“バスクの政治的不安定からの脱出”を意図する為の地方選挙の前倒しが目的である限り、それを支持することを表明した。
一方、PNVとEAはPSOE及びPPに対し議会規約で定められている不信任案の討議が開始される48時間までに提出されなければならない政策綱領を求めている。

国境付近の道路封鎖が続く

昨日から始まった運送業界のストライキはフランスとの国境である、ラ・ジョンケラとイルンでトラックによって道路が封鎖され、交通渋滞がひどくなっている。また、運送業界と荷物の積み下ろし業者との話合いが折り合いを見せておらず、ストライキは明日まで続けられる予定。
この業界の労働組合ではカタルーニャでのトラック運転手のストライキ参加率は85%にのぼると発表、フランス方面へ抜ける高速7号線では7.5キロメートルの渋滞を記録、1400台のトラックが道路を埋めた。
バルセロナでは市中を走る車両が走行時速を落とし、“ゆっくり走る”という抗議行動にでていたが大した影響はでなかった。

実の母親、裁判直前に自分を訴えた娘に酸をかける

昨日午前中、ガリシアのポンテベドラ地方裁判所の廊下で、母親が19歳になる実の娘に酸をかけて重傷を追わせるという事件が起きた。
この事件は娘が13歳の時から長年にわたり実の父親から性的関係を強要され1998年、17歳のとき妊娠してしまい、父親とその事実を傍観していた母親を訴えたことに起因する。
母親に対する裁判が行なわれる予定となっていたこの日、母親はその裁判直前にソーシャルワーカー2人に付き添われてきた被害者に近づきフラスコに用意してあった酸をひっかけ、さらには殴りかかり、髪の毛をつかむなどの暴行を働いた。被害者は救急車で運ばれたが、顔と首を中心に身体の15%が第3度の火傷をおっている。
この被害者一家は父親が密漁をするなどして生計を立てていたが掘建て小屋に住み極貧の生活をおくっていた。被害者は17歳の時に妊娠を期にガリシアの自治政府の福祉事務所に訴え、未成年者保護施設に収容された。裁判官からの許可のもと妊娠中絶を行い、胎児のDNA鑑定では被害者の父親が胎児の父親であることが確認された。両親を訴えた形となった被害者は父親が刑務所に収監された後、母親の復讐におびえながら身を隠すように過ごしていたという。


10月2日(月)

運送業界、3日間のストライキに突入

本日より運送業界がストライキに入り、3日間の予定で主要道を封鎖する。
先月より続いている燃料高騰に対して政府に何らかの措置を求める運送業界は、政府の提示する税制を調整し計480億ペセタ程度を援助する、という申し出を断り、強攻策を推し進めている。
ストライキを召集した同業界の組合ではトラックを道路上に駐車し、交通の遮断を図ると話しており、特にフランス国境近くのラ・ジョンケラ付近を封鎖、バルセロナ、アリカンテ間の高速8号線も市内へのアクセスが困難となっている。一般車輛については交通を止められることはないが、渋滞が広がるという影響はでてきている。
この輸送機関の停滞により、生鮮食料品やガソリンの供給が止まるという問題が発生することとなる。 同様にタクシー業界でも明日から全国一斉にストライキに入ることを確認している。
政府勧業省では早急な問題解決のため、本日午前中にも関係団体との話合いを持つことを予定している。

バスクの一企業、非合法の手錠、腰鎖を外国に販売

バスク地方ギプスコアにある企業がスペイン国内では使用が許可されていない囚人用の鎖付き手錠、足鎖、腰鎖等を海外に販売していることが発覚した。
この企業のいくつかの製品については国連の基本的人権に関する協約を侵害しているという。スペインではこれらの手錠、鎖、拘束服などは刑罰として使用されることを禁じられており、さらに行動を抑止する為の手段として用いられることもできない。
同企業では2年ほど前からこれらの製品を製造し始めたが、輸出先は南米及びUSAであるとコメントしている。さらには手錠、腰鎖の輸出には特別許可も求められてはいないとし、許可申請を必要と考えたことはないとも話している。しかし、人間の行動を制限する為の道具に関しては手首及び手の動きを制限する24センチ以下の手錠のみ許可を免除されているだけでそれ以外の道具は免除の対象にはなっていない。
国連が輸出を禁止している1994年に大量虐殺が起こしたルワンダが同企業の輸出先50カ国の中に含まれている疑いが持たれているが、同企業ではそれを否定している。

深刻なポルトガルの看護士不足、スペイン人看護士1万人求む

ポルトガルでは新しい病院、新しいサービスの創設などで人員不足が深刻化してきているが、ついにスペインへ看護士の求人が舞い込んできている。リスボンのある病院の看護士長、看護士労働組合ではリスボン最大の病院では500人の看護士が不足していることを明らかにし、中央政府でもポルトガル全国であと1万人の手が必要だということを認めている。
ポルトガルでは専門学校卒業後資格を取得できる新人が年間1000人程度にとどまる為、早急に人員不足を補うことが不可能であるという。このような状況で多くの業務が停止状態となり、適切な手当てができなくなってきている。
ポルトガルとスペインでは国家レベルでの労働の契約をとり行うことができないため、ポルトガル政府ではスペインの各市町村、自治体レベルでの募集を行い、発生してくる資格の認定や居住許可、労働許可の問題をポルトガル政府で解決していく、とする。すでにエクストレマドゥーラ、ガリシア、アンダルシアなどポルトガルと国境を接する自治体には人材探しの要請が届いている。
ただ、スペイン人がポルトガルで働くということについて、言葉や住居、両国の給与レベルの違いという問題が発生し、なかなかうまく行かないことが現実のようだ。



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