10月29日現在

先日、フランス南部でETAの幹部、ベレン・ゴンサレス・ペニャルバが拘禁された事件に
対してバスク議会、内務省顧問ハビエル・バルサ氏が去る水曜日、スペイン中央政府に、
「同氏拘禁に対するETAへの何らかの代償を差し出すべき」と言う旨の申し立てを行った。

これに対して、国民党政府は「この発言は彼の業務を遂行する事が不能である事を示すもの
である」として、ハビエル・バルサ氏に対する不信任案を提出することとなった。

これはバスク議会における、歴史上、初の不信任案提出となった。
ハビエル・バルサ氏の発言は、バスク議会における全ての野党からの強い批判をかったのは
勿論、同党内部からも、「好まれざる発言」とする個人的見解も出されているもよう。



10月29日現在

バルタサル・ガルソン判事、虐殺、テロ、拷問の罪状により多数のアルゼンチン軍関連者の
起訴を終える。その中には軍司令部の首脳陣10人が含まれる。

この提訴はアルゼンチンやスペインなどの7つの人権擁護団体からの要請を受けていたもので
ある。ガルソン判事が、この起訴にもとづいてこれら関連者の身柄の引渡しを要求すると、
12月よりアルゼンチン新大統領となるフェルナンド・デ・ラ・ルア氏が、この問題への
対処をせまられる事となる。


10月28日現在

詩人、ラファエル・アルベルティさん死去

スペイン文学の第2次黄金期とされた「27年の世代」を代表する詩人、
ラファエル・アルベルティさんが今朝未明、カディスのプエルト・デ・サンタ・マリアの
自宅でなくなった。96歳であった。アルベルティさんの生まれた場所でもある
プエルト・デ・サンタ・マリアの市長は3日間全市が喪に服すことを発表した。

画家、政治家としても名を馳せたアルベルティさんは、スペイン内戦時代に国外に
亡命。77年にスペインに帰国したときには「私はこぶしを握り締めてスペインを出ていったが、
手のひらを開いて帰ってきた。平和とスペイン人みんなの友愛のシンボルとして。」
と言った。

アルベルティさんの遺骨の灰は彼の希望により、カディスの海にまかれる。


10月28日現在

2億1千万ペセタが石に〜謎の窃盗事件

1年以上前から極秘に捜査が行なわれていた謎の窃盗事件が公になった。
これは、98年6月に起きた事件。マドリッドからロンドンへ輸送されていた
2億1千万ペセタの現金が、ロンドンに到着したときには石にすりかえられていたというもの。

スペイン中銀を出たこの現金は、エクステリオ−ル銀行(現在はアルヘンタリアに
吸収されている)のロンドン支社に送られるため、バラハス空港に運ばれた。
現金の入れられた袋は厳重に封がされており、スペイン中銀をでてから飛行機に
運び入れられるまで常に警備員がついていた。
飛行機内では酸素のない特別な部屋に保管され、その部屋には操縦室からしか
入れないようになっていた。しかしロンドンのヒ−スロ−空港についてみると、
現金袋をいれていた箱にこじ開けられたあとがあり、開けてみると現金は石ころに
摩り替えられていた。

市民警護隊は100人以上の空港、航空会社、警備会社関係者を取り調べたが、
有力な手掛かりは得られておらず、事件の公表に至った。


10月28日現在

ETAからの文書、政府へ届く

ETAから、停滞している平和交渉再開のための条件を提示する書簡が政府に送られた
ことが先週末発表されていた。まだ書簡は政府に届いていなかったが、マスコミをとおして、
その内容は明らかになっており、ETAの態度の硬化を示すような条件が提示されていた。
アスナル首相もマスコミを通してすでにETAの条件は受け入れない旨を発表していたが、
書簡が届いた今、いよいよ政府は正式にETAへ回答することになる。


10月27日現在

逮捕されたETAメンバ−、暗殺リストを保持

去る月曜にフランスで逮捕されたETAメンバ−、ベレン・ゴンサレス容疑者は
テロの標的となる人物のリストを保有していたことが明らかになった。
逮捕時にそのリストを破って投げ捨てるなどし、隠匿をはかったがフランス警察により
回収された。

そのリストには、マドリッド、カタル−ニャ、アンダルシア各州の政治家、企業家、
警察関係者などの名前が載せられていた。またマドリッドのアルカラ・メコ刑務所の
職員のものである車のナンバ−も記されていた。

HB(バスク人民連合)は、このベレン・ゴンサレス容疑者の逮捕を「平和交渉を
だいなしにするもの」と激しく非難している。


10月27日現在

スペイン初の腸移植手術成功

先週の木曜日、マドリッドのラ・パス病院にてスペイン初の腸移植手術が行なわれ、
患者である2歳の子供の経過は良好であることが昨日医師らによって発表された。

この患者の腸は食物の消化吸収が一切できないというる病気にかかっており、
生後15日以降ずっと、点滴など血管を通してのみ栄養分が与えられていた。
水さえも口からは飲むことは出来ないという状態であった。

8時間に及ぶ手術はラ・パスとラモン・イ・カハルの2病院合同でおよそ
100人の医師、職員らによって行なわれた。患者の経過は良好で、もう1週間ほど
集中治療室にいなければならないが、2、3ヶ月後には“普通の生活”が
おくれるようになるとのこと。


10月27日現在

地方公務員の昇給、国家公務員を上回る

去る月曜日に、アンダルシア州と労働組合は州公務員の昇給率を3.6%にする
という合意に達した。国家公務員の昇給率は2.7%と既に決定されていた為、
この合意は政府および他の州政府に波紋を投げかけた。

アンダルシア州につづいて、バスク、アラゴン、ムルシアも国家公務員を上回る
昇給率を決定するもよう。最低年金支給額の決定時につづき、またもや中央政府と
地方政府の意見の食い違いが表面化している。


10月26日現在

政府と平和交渉にあたったETAメンバ−逮捕

4件の殺人、1件の誘拐に関与したとされるETAのメンバ−、
ベレン・ゴンサレス容疑者が昨日フランスで逮捕された。
これはフランス南西部の道路で行なわれていた警察の検問によるもの。

ゴンサレス容疑者は5月にスイスで行なわれた政府とETAの平和交渉に
ETAの代表の一人として参加していた。

週末にETAからの平和交渉再開の条件が提示され、それを政府が拒絶したばかりだったが、
政府はこの逮捕は偶然であり、条件交渉のもつれには関係ないとしている。


10月26日現在

ビルバオ浮浪者殺害事件、容疑者逮捕

去る土曜にビルバオで浮浪者が殺害、放火された事件(昨日の記事参照)で
バスク警察は容疑者として20歳の男性を逮捕した。

事件の翌日警察が現場を捜査しているところにこの男性があらわれ、事件を目撃したと
自分から証人としての協力を申し出た。しかし、彼の証言内容には多くの混乱、矛盾が
みられ、容疑者として逮捕される結果となった。目撃者らの証言により、スキンヘッド集団の
犯行との見方が強かったこの事件、別の可能性がでてきたようだ。

被害者の身体は可燃性の液体がかけられ燃やされており、発見された時には炭化した状態で、
未だに身元はわかっていない。


10月26日現在

労災による死亡者859人

今年1月から9月までの労災による死亡者は859人で、前年比9%
増加していることが明らかになった。この数時は労働現場での死亡者数で、
これに通勤途中での死亡者を加えるとト−タルで1181人となり、
1日あたり4人が死亡していることになる。

9月までの労働現場での事故件数はおよそ66万件で、前年同月比の22%増
となっている。労働組合は企業側が安全のために法で決められている各種の
ノルマを達成していないせいだとしている。


10月25日現在

ETAの平和交渉再開の条件を政府拒否

昨日ETAはガラ(HBよりの新聞)において、アスナル首相に平和交渉再開の条件を
提示する文書を送ったことを明らかにした。

ここのところ停滞しきっていた政府とETAの平和交渉だが、新たに提示されたETA側の
条件はいっそう厳しい物となっていた。彼らは以前のように服役中のETAメンバ−の釈放
などを要求するのみではなく、バスク地方からのスペイン軍の撤退なども要求。

この条件を政府が受け入れるのは不可能であろうと言うのが大筋の見方。
政府は今のところETAからの正式な文書は受け取っていない、と発表している。


10月25日現在

スキンヘッドの集団、浮浪者を殺害

土曜の深夜ビルバオで、スキンヘッドの集団と思われる若者たちによって、
一人の浮浪者が殺害された。被害者は線路の側の橋の下に住んでいたが、土曜深夜、
若者達は彼に殴る蹴るの暴行を加えた後に放火するという残虐な行為におよんだ。
近所の人の通報によって警察が駆けつけたときには、既に被害者は黒焦げの状態だったという。

近所の人達によると、被害者は食べ物やお金などをもらいながら橋の下で生活していたが、
周りの住民に迷惑をかけることはなかったという。

今年の4月にもゲチョ(ビスカヤ)で若者達により浮浪者が殺害される事件が起こっている。
この事件の犯人として4人の若者が逮捕されたが、そのうちの一人はまだ16歳であった。


10月25日現在

アレックス・クリビジェ、世界のトップに

昨日のブラジル・グランプリによって、アレックス・クリビジェ選手の500CC
バイクでの世界ランキング1位が確定した。

この大会で10位以内に入れば世界ランキング1位が確定することになっていたが、
クリビジェ選手は6位で終了。世界ランキング1位の座を争っていた最大のライバル、
岡田選手(9位)を押さえてのゴ−ルとなった。


10月22日現在

電力業界への補助金問題、欧州裁判所へ

スペイン政府は電力業界各社に自由競争導入のため1兆3000億ペセタを支給していた。
しかしこれは国からの補助金にあたるとし、欧州委員会から削減を求める決定が出されていた
(EU各国が支給する補助金にはEU内での規定があり、その規定の額を超えている為)。

ピケ産業大臣はこの決定の撤回を欧州委員会と交渉中であるが、同時進行で政府は
この件を欧州裁判所に訴えていることがわかった。
またピケ大臣は年内にもスペインの要求が受け入れられるだろうと、楽観的なコメントを
だしている。


10月22日現在

ブロウアルド事件に判決

HB(バスク人民連合)のリ−ダ−、ブロウアルド氏の殺害(1984年)に
政府や警察関係者が関与していた事件、「ブロウアルド事件」の判決が出された。

判決によると、この事件の主犯、最高責任者は治安局の局長であったサンクルストバル氏
であり、ブロウアルド氏殺害の為5000万ペセタの公金を使った、とされた。
その他8人が事件に関与したとされ、そのうち実行犯だったモルシ−ジョ氏以外の7人は
全てPSOE政権時代の政府または警察関係者である。


10月22日現在

合併2銀行の株、一転下落

火曜日に合併が発表されたBBVとアルヘンタリアの2行の株は、昨日の
マドリッド株式市場でそれぞれ3.88%、4.07%と、大幅な下げを記録した。

原因は、合併の目的、合併後の収益の見通しなどについて行なわれた銀行側の説明が
アナリスト達に疑問を抱かせるものだったため。
アナリストらによるとこの2行の合併は前向きなものではなく、
保身の為の受身的なものである、という。
また合併後、規模が大きくなることにより何らかのメリットは得られると思うが、
具体的にどの点が、どう良くなるのか一切銀行側が示していないことも市場の不満を買った。


10月21日現在

BBV、アルヘンタリア、マドリッド株式市場をにぎわす

昨日、合併が正式に発表されたBBVとアルヘンタリアの2銀行の株式は
マドリッド市場の全売買高のおよそ半分を占める大商いとなった。

1日を終え、BBV株は1.56%の上昇、アルヘンタリア株は逆に1.38%下落した。
新銀行株への交換比率等の条件がアルヘンタリア株主に不利であると市場では
受け止められたよう。

またBBVのイバラ頭取はバンコ・ポプラ−ルとの提携にも興味を示していることを
明らかにした。しかし、バンコ・ポプラ−ルは直ちに提携の可能性を否定した。


10月21日現在

冷戦時、スペインの米軍基地に原子爆弾

1958年から1976年の間、スペインの米軍基地には200もの
原子爆弾が貯蔵されていた― この事実はアメリカの科学雑誌
「The Bulletin of the Atomic Scientists」によって明らかにされた。

同雑誌によると、冷戦時代に米国は世界27カ国に1200の原子爆弾を保有していた。
しかしそれらの国の政府のほとんどは原子爆弾保有の事実を知らされていなかった
という。

スペインではトレホンとロタの基地におよそ200の原子爆弾が保有されていた。
これは1976年6月まで、すなわちフランコ将軍の死後8ヶ月にスアレス政権が
発足するまで続いていたことになる。


10月21日現在

ヨルダン国王夫妻、公式訪問

ヨルダンのアブダラ2世国王夫妻は昨日マドリッドに到着、これはスペインはもちろん、
EUの国への初の公式訪問となる。

到着後、フアン・カルロス国王夫妻、フェリペ皇太子、エレナ王女夫妻とともに昼食、
その後トレドなどを訪問、夜は王宮で晩餐会が催された。

本日国王夫妻は国会やマドリッド市役所を訪れ、金曜日には帰国の予定。


10月20日現在

BBVとアルヘンタリア合併、巨大銀行誕生

スペインで業界2位と3位の銀行が合併する。BBV(ビルバオ・ビスカヤ銀行)と
アルヘンタリアは9ヶ月後の合併を昨日発表した。合併後BBVA
(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)と名称をかえる。

新銀行は、同様に合併を経たBSCHに次ぎ規模では業界2位、
しかし収益と株式の時価総額ではBSCHを上回る。

2002年の株主総会まで2行の頭取が協同でリ−ダ−シップをとって行くが、
それ以降はBBVのエミリオ・イバラ頭取は引退し、アルヘンタリアのゴンサレス頭取が
唯一の頭取となる予定。BBVの歴史上、バスク出身者以外の頭取を向かえるのは初めて。
なお政府は本社をマドリッドに置くことを希望していたが、ビルバオに置かれる。


10月20日現在

ピノチェト問題続報

昨日、スペインのマトゥテス外相は、イギリスのストロ−内務大臣がもし
ピノチェト氏の健康状態を理由に釈放を決定した場合、抗議せず、
それを受け入れると表明した。「スペイン政府はイギリス政府の決定を尊重する」
と述べている。

しかし、イギリス検察局は既にスペインのガルソン判事から、ピノチェト氏のスペインへの
身柄引渡しを妨げるいかなる決定にも直ちに抗議、控訴するよう支持を受けている。
ガルソン判事と政府の意見の食い違いが明らかになったのはこれで2度目。
前回はイギリス検察がスペイン政府へ国内での意見の統一を求める文書を出すまでに至った。


10月20日現在

“アトレティコ事件”でヒル氏の事務所家宅捜索

サッカ−チ−ム、アトレティコ・マドリッドのオ−ナ−でマルベ−ジャ市長でもある
ヘスス・ヒル氏。彼がマルベ−ジャの公金40億ペセタを自分のサッカ−チ−ムに
流用したとされるのがいわゆる“アトレティコ事件”である。
昨日、ガルシア-カステジョン全国管区裁判所判事はヒル氏の数ヶ所のオフィス、
彼の弁護士の事務所等の家宅捜索を命じた。

ヒル氏は「まるでゲシュタポのようだ」「執拗に続く個人攻撃だ」と
今回の家宅捜索を批判している。


10月19日現在

アスナル首相プジョ−ル支持を表明

選挙をおえたカタル−ニャ州。次は議員らの投票によって州知事が選出される。
アスナル首相はPPの12議員はプジョ−ル氏に投票すると確約した。

一方PSCのマラガル氏はPSC、CIU、ERC、ICの4党、すなわち
PPを除く全ての党での連立政権を提案している。


10月19日現在

グッゲンハイム美術館会館2周年

ビルバオの新しい名所となったグッゲンハイム美術館がオ−プン2周年を
向かえた。それを記念し、アンディ−・ウォ−ホ−ル展が開かれている。

アンディ−・ウォ−ホ−ルの作品500点あまりを展示。絵、彫刻、写真をはじめ
映画、音楽にいたるまで彼の30代においての作品を集めている。


10月19日現在

PSOEのカディスのPP議員を買収

カディスのサンルカル(人口およそ6万人)の市議会では今日PSOEの市長に
対してだされた不信任案への投票が行なわれる。
しかし、昨日PPはPSOEがPPの市議員を不信任案に賛成しないよう買収しようとした
として訴えた。

訴えによると、PSOEのサンルカル地域のリ−ダ−、ガルシア・ラポソ氏が、PPの
ラミレス議員に土曜未明、現金、手形とうであわせて4千3百万ペセタを渡したとのこと。
さらに、2002年まで保障された仕事をオファ−、2003年の選挙でPSOEのリストに
載せることも約束した。引き換えとして、不信任案の票決に欠席し、賛成しないことを求めた。

PSOEはこの訴えを受け、直ちにラポソ氏を解任した。


10月18日現在

プジョ−ル氏辛勝、PSC大躍進

昨日行われたカタル−ニャ総選挙。結果はかろうじてプジョ−ル氏率いる
CIU(カタル−ニャ連合)が56議席を得、第1党の座を保持した。
PSC(カタル−ニャ社会党)は前回より18議席増の52議席と大躍進。
プジョ−ル氏、マラガル氏はそれぞれ勝利宣言をだしている。

過半数にはとどかなかったCIUは同盟相手を模索しなければならない。
PP(国民党)と左派のERCはそれぞれ12議席づつを獲得している。どちらと同盟を
組むことになるかが注目される。

投票率は59.92%と予想以上の低さであった。


10月18日現在

ラジョ・バジェカ−ノ、リ−グのトップに

週末にサッカ―1部リ−グの各試合が行われたが、ラジョ・バジェカ−ノが
1―0でアラベスを下し、リ−グ1位の座におどりでた。
トップだったバルサがヌマンシアと引き分けたため、ラジョはバルサに2ポイント差をつけ
1位。昨シ−ズンまで2部リ−グにいたこのチ−ムの大躍進には驚くばかり。

一方名門アトレティコ・マドリッドはベティスに破れ、最下位となっている。


10月18日現在

スペイン、イギリス大使館前で抗議行動〜チリ

ピノチェト氏がイギリスで逮捕されてちょうど1年となる。
さる土曜日にチリのスペイン、イギリス両大使館前で、ピノチェト氏を
支持する人々による抗議行動が行われた。しかし警護にあたった警察と衝突が起き、
61人が逮捕された。

去る8日にピノチェト氏のスペインへの身柄引渡しを認める判決がだされたが、
今日にもピノチェト氏は上級審に告訴するもよう。


10月15日現在

元恋人殺害の犯人は仮釈放中だった

一昨日に起きたこの事件(昨日の記事参照)、容疑者のルイスは以前にも恋人であった
別の女性を拳銃で殺害しようとし4年の刑をうけており、出所したばかりだったと
報道されたが、実は刑を終えていたのではなく、まだ仮釈放中であったことが明らかになった。
さらに、10月6日に仮釈放中止の要請が検察から出されていたが裁判所により
却下されていたことも明らかになり、問題となっている。

ルイス容疑者は93年に彼と別れようとした恋人に4発の銃弾を発砲し、12年の刑を
言い渡されていた。99年には精神科医の反対にもかかわらず仮釈放が認められた。
出所してすぐに被害者のマリマルさんと知り合う。しかしルイス容疑者の異常な嫉妬深さや
暴力などから関係は続かなくなった。その後も容疑者はマリマルさんの後をつけたり、
1日40回以上も電話するなどの行為を続けた為マリマルさんは警察へ訴え、
そのとき初めてルイス容疑者の前科を知った。マリマルさんの訴えをうけ検察はルイス容疑者の
仮釈放中止を申し入れるが却下された。仮釈放中の者が再び罪をおかした場合仮釈放は
中止されるが、今の段階ではルイス容疑者は罪を犯したとは言えない、
というのが理由であった。


10月15日現在

チリ政府、ピノチェト氏解放をイギリス内務大臣に要請

昨日、チリ政府はピノチェト氏の健康状態や高齢であることを理由に、
人道的見地から同氏を解放するようイギリスのストロ−内務大臣に要請した。
イギリスの法によると内務大臣は裁判が全て終了した後、判決に反してでも
ピノチェト氏を釈放する権限をもっている。しかし、ストロ−内務大臣は
いまのところ「司法の決定に干渉するつもりはない」との立場を表明している。

チリのバルデス外相が明らかにしたところによると、イギリスの医師による診断書が
添えられたこの要請書はイギリスの外交局に届いたことが確認されたとのこと。

これを受け、ピノチェト氏独裁時代の逮捕、行方不明者の家族の会はピノチェト政権
によって逮捕され、拷問を受けた高齢者のリストを直ちに作成、これを政府に送り
“人道的見地”からの説明を要求する。


10月15日現在

ICO代表、6日間で辞任

ICO(公共与信機構)の代表に就任したばかりだったアレハンドロ・ペドゥラス氏
はバルセロナ税務局を舞台にした汚職疑惑に関与した疑いで起訴され、就任後
わずか6日で代表を辞任した。

ペドゥラス氏はバルセロナ税務局の汚職事件で証拠隠匿などに関与した疑い。
ICOの代表は政府によって選ばれるが、野党は今回、どのような基準で同氏が
選出されたのか、政府を追及するもよう。


10月14日現在

元恋人を刺殺〜マドリッド

昨日、ルイス・パトィリシオ容疑者(36歳)は元恋人のマリア・デル・マルさん(23歳)を
ナイフで刺殺したと自首し、逮捕された。ルイス容疑者は93年にも恋人に発砲して逮捕され
4年の刑を終えていた。

マリア・デル・マルさんは今までにもルイス容疑者から暴行をうけており、警察に数回訴えを
だしていた。テレビ番組に出演して恋人の暴力を訴えたこともあった。2人は1ヶ月半前まで
一緒に暮らしていたが、暴力にたえられず被害者はルイス容疑者と別離。
しかし、それが我慢ならず容疑者は別人の名前をつかい被害者を呼び出し、
借りていたバンにのせ、殺害した。マリア・デル・マルさんの度重なる訴えはなんの
意味もないものとなってしまった。


10月14日現在

セウタで住民と警察衝突、17人が怪我

2年前にセウタをおそった大雨。家を失い、それ以来ずっとプレハブ住宅で暮らしていた人々が、
2週間前の大雨で、更にその簡易住宅までも失ってしまった。

セウタの与党であるGIL(ヘスス・ヒル氏率いる政党)は直ちに住民を公営体育館へ移し、
“48時間”以内に問題を解決すると公約した。しかし一向に進展はみられず、相変わらず
体育館住まいを強いられている住民(ほとんどがイスラム系)はとうとう行動に出た。
セウタ政府の本部に押し寄せた住民に対し、警察が出動。17人の怪我人がでる結果となった。


10月14日現在

出生届には母親の名前を記入しなければならない〜最高裁判決

1957年に採用された法により、出生届の母親の欄には、「母親不明」と記入する、
すなわち母親の身元を明らかにしないことが許されていた。しかし、今回最高裁は
母親の身元記入を義務付けるという判決をくだし、物議をかもし出している。

様々な事情により自分で子供を育てることが出来ず、出産後すぐに養子に出す場合、
母親欄は「不明」と記入されることが多い。これは母親自信の希望で自分の身元を
隠したい場合もあるが、ある52歳の女性は、自分の意思に反して、自分の子供
(出産後すぐ養子に出された)の母親欄に「母親不明」と記入されたと訴えていた。
最高裁はこの女性の訴えを認めると共に、「母親不明」の記入事態も子供が親が誰であるかを
知る権利を侵害し“違憲”だとした。

この判決に対しては、それでは自分の身元を隠したい母親の権利は?プライバシ−は?等、
賛否両論が飛び交っている。


10月13日現在

反ファシズムの集団が破壊活動〜バルセロナ

昨日、バルセロナで50人あまりの反ファシズムの若者の集団がオフィスの窓を割ったり、
ごみコンテナに放火したりなどの暴動をおこした。これは近くで行われていた極右集団による
集会に抗議したもの。

10月12日はコロンブスのアメリカ大陸発見を記念した「イスパニヤの日」。
毎年この日にリカルド・サエンス・デ・イネストゥリジャス率いる極右集団が集会を
ひらいている。91年にも集会に参加していたスキンヘッドの若者らによる暴動が起き
警察が出動したが、それ以来大きな騒ぎは起きていなかった。

極右集会が行われていた場所までは反ファシズム集団は近づかなかったため、両グル−プ
の衝突はおきなかったが、近くの銀行などのオフィスの窓ガラスが割られ、中のオフィス機器など
まで破壊が及んだ。

警察は26人の若者を逮捕。この中には14〜5歳の少年も含まれていた。


10月13日現在

チリ最高裁、ピノチェト氏起訴の手続き開始

自国のチリでもピノチェト氏の罪が問われることになる可能性がでてきた。
チリの最高裁は、ピノチェト氏を46件からなる「暴力的な人権侵害」によって
取り調べる手続きを開始した。

5人の最高裁判事は満場一致で手続き開始を決定した。フアン・グスマン判事によって
数ヶ月にわったって準備された依頼書が現在ピノチェト氏の裁判が行われている
ロンドンの裁判所に送られる。

昨年の11月にグスマン判事はエル・パイス紙のインタビュ−で
「ピノチェト氏には権力がある。しかし私達には法という味方がある。
私はかなりの年寄りだから、恐れることはもうなにもない」と、ピノチェト氏に
関する取調べを進める決意を語っていた。


10月13日現在

テロ対象者の警護削減計画、ストップ

今年の夏に内務省は、ETAの停戦宣言をふまえ、テロの対象となりうる人々にたいする
警護を削減する計画をたてていた。しかしここへきて、ETAとの平和交渉の停滞、
建造物破壊などの暴力の増加などにより、この計画を一旦中止するもよう。

現在警護の対象になっているのは1300の家屋。しかしこれを650へ削減する
予定であった。内務省は「危険が高まっている訳ではない。ただ、慎重な対策を
とりたいだけだ。」とコメントしている。この決定に関しては、
先日、フランスでおきたETAによる8トンの爆薬窃盗事件が大きな影響を
及ぼしているようだ。


10月12日現在

今日は 「柱の聖母マリア」 の祝日ですのでトップニュースはお休みさせて頂きます


10月11日現在

レオンのPP、230億ペセタの公共投資で、不信任案を回避

レオンではPP(国民党)が第1党で、知事が選出されているが、過半数には至っていない。
野党であるPSOE(社労党)とUPL(レオン人民連合)が組めばいつでも不信任案が通って
しまう状態であった。しかし、PPは今後2年間の間にレオンでの公共事業におよそ230億ペセタ
を国家予算から回すことを条件にUPLと協力関係を結ぶに至った。

この合意について、PSOEは「金で政権を買っている。」「厚顔無恥な行い」とPPを
激しく批判。しかし批判はPP内部からもおこっている。同じカスティ−ジャ・イ・レオン州の
他のPPの知事たちの間では「レオンだけにこれ以上予算をまわすのは不公平だ」
「野党の脅しに屈している」などの声があがっている。


10月11日現在

PNV党員の弁護士宅放火

ギプスコアのアルツで土曜の夜、PNV(バスク国民党)の党員である弁護士宅が
放火され、全焼した。被害にあったのはピラ−ル・スリアラインさん。彼女は数々の
HB(バスク人民連合)に対する訴えを手掛けていた。

目撃者によると、犯人は2人の男で、スリアラインさん宅に放火した後車で去っていった。
家族は直ちに家から脱出したため怪我などはなかったが、およそ3世紀の歴史を持つ建物は
スリアラインさん一家の持ち物とともに全焼し、一部の壁が残ったのみとなった。


10月11日現在

スペインチ−ム優勝〜ゴルフ、ダンヒル・カップ

国別対抗の大会ダンヒル・カップで、オラサバル、ミゲル・アンヘル・ヒメネス、
セルヒオ・ガルシアのスペインチ−ムが見事優勝をかざった。

午前中の準決勝では2―1で南アフリカをくだし、続いて行われた決勝でも2―1で
オ−ストラリアをやぶった。

怪我から完全に復活したオラサバル、世界的にはまだ無名のヒメネス、
そしてもう説明の必要もない99年ゴルフ界の新星ガルシア。このゴルフ「三銃士」によって、
スペインに15年の大会史上、初の勝利がもたらされた。

スペインが世界のトップに位置するスポ−ツはもはやサッカ−でもテニスでもなくゴルフだと
いえるだろう。



10月8日現在

リセウ劇場再オ−プン

バルセロナのリセウ劇場はプッチ−ニのオペラ「トゥ−ランドット」とともに
帰ってきた。5年半前におきた火災から、ずっと閉鎖されていた名門オペラ劇場。
やっと修復もおわり、昨日、フアン・カルロス国王、アスナル首相、
プジョ−ル・カタル−ニャ首長らを招待し開幕のオペラが上演された。
劇場の入口付近には、国王の到着を見ようと多くの人がつめかけた。


10月8日現在

ピノチェト裁判、スペイン政府も控訴を認める

ピノチェト氏のスペイン身柄引渡しは実現するのか・・・
今日、イギリス時間11:00、スペイン時間12:00より、判決が発表される。
スペイン全国管区裁判所ガルソン判事は、身柄引渡しが却下された場合、直ちに控訴の
手続きをとるようイギリス検察に指示をだしていたが、政府はそれに待ったをかけ、
イギリス検察から意見の統一を求められるような状態となっていた。
しかし昨日、マトゥテス外相はガルソン判事の出した指示を認めるとのべ、
控訴手続きを進めることに政府も同意したことが明らかになった。


10月8日現在

PSOEが公営放送の映像操作〜PPの訴え

PSOE(社労党)が、RTVE(公営のテレビ、ラジオ放送局)の報道はあまりにも
PP(国民党)よりだと抗議したばかりだが、今度はPPが、RTVEに関してPSOEを
糾弾した。

PPのエルナンド氏は、PSOEがTVEのニュ−スの記録のなかから、
フェリペ・ゴンサレス元首相のイメ−ジダウンになるような映像を削除した、と主張。
具体的には1993年にゴンンサレス元首相がマドリッド自治大学を訪問した祭に
学生から、野次なとの攻撃をうけている映像であるという。

しかし、RTVEのカバニ−ジャス社長はこの訴えは「事実無根」であると直ちに
会見を開いて説明をした。指摘されている映像は消されておらず、記録としてちゃんと
保管されている、と述べている。また同時に、「政治的争いを、テレビに持ちこまないで
欲しい」と抗議した。


10月7日現在

政府とガルソン判事の意見の相違にイギリス検察困惑

いよいよ明日に判決がせまっているピノチェト裁判。しかしここに来て、
政府と、全国管区裁判所のガルソン判事の間の意見の違いが問題化している。

もし、スペインへの身柄引渡しが却下された場合、ガルソン判事は直ちに控訴するよう
イギリス検察に指示を出したが、スペイン政府はその指示を無効とし、控訴はしないと
言っている。裁判でスペイン側の代弁者の役割をはたしているイギリス検察は、
各方面から違う指示が出されるような状態ではやっていけないと困惑している。
同検察は5日付けで全国管区裁判所あてに意見の統一を求める書簡を出した。

政府スポ−クスマンのピケ氏はこの件に関して、政府が控訴しないと言っている訳ではない、
と説明している。控訴をするかどうかの判断は判決後に検討の後だされる、よって今の
段階では決定できないといっているだけだ、とのこと。


10月7日現在

バスクの税優遇措置は違法

企業誘致を促進する為、バスクで取られている新規設立企業に対する税金の
優遇措置はバスク最高裁で違法とされた。

「税金の特別休暇」とよばれるこの制度は、新たにバスク地方に設立された企業に対し、
初年度は利益の99%、2年目は75%、3年目50%、4年目25%、を課税対象から
はずすというもの。

バスク最高裁はこの制度を自由競争を妨げるとして違法とした。
EUもこの件の調査にのりだしている。


10月7日現在

テレフォニカ、また公正取引法違反の疑い

スペイン2番目の電話会社、レテビシオンによって、テレフォニカに対して出されていた
訴えは公正取引委員会によって認められ公正取引裁判所へと持ちこまれることになった。

訴えの内容は、レテビシオンが営業を開始した数週間後にテレフォニカが最大規模の
割引キャンペ−ン(Planes Claros)をはじめたこと。これは、電信電話部門への新規参入を妨害し、
テレフォニカの独占状態を維持するためで、公正取引法に違反するとしている。

テレフォニカが公正取引法違反に問われるのはこれで今年に入って既に3回目。
今件以前の2件はブリティッシュ・テレコムとアイルテルによる訴えで、テレフォニカに
合計13億6千万ペセタの罰金が課せられた。


10月6日現在

スペイン政府、ピノチェト裁判で控訴はしない

スペイン政府は、8日に発表されるピノチェト氏の身柄引渡しに関する判決が
ピノチェト氏側に有利なものであった場合、すなわちピノチェト氏の釈放が決定された場合
でも控訴はせず、その判決をうけいれる旨をイギリスに通知した。

スペイン全国管区裁判所のガルソン判事は既にイギリス検察局にピノチェト氏の身柄引渡しが
却下された場合、直ちに控訴の手続きをとるよう指示をだしていた。しかしスペイン政府は、
外務省と駐イギリススペイン大使館の関係者をイギリス検察局に送り、スペイン政府からの
新たな指示があるまでは控訴の手続きは行わないように命じ、ガルソン判事の指示を無効とした。

ピノチェト問題に関しては「法を尊重し、司法の手に全てを委ねる」としてきた政府の姿勢は
ここに来て崩れたようだ。


10月6日現在

テロの脅迫によりナバ−ラの議員辞任

昨日ナバ−ラ地方のノアインの村議会で、UPN(ナバ−ラ連合)所属の
ホセ・マリア・マルコ氏とアランス・サンチェス氏の2人の議員が辞任を表明した。

2人とも辞任の理由は「個人的なもの」としたが、マルコ氏は先週の水曜日に爆発物
が自宅に送られ、2人の軽傷者がでたばかり。アランス・サンチェス氏もここのところ
ずっと脅迫電話をうけていたという。

フリアン・アランス村長(アランス・サンチェス氏の父親)は「今日は民主主義に
とってとても悲しむべき日だ。2議員が去って行くのは辛いことだが、彼らの事情を
理解しなければいけない。」と述べた。


10月6日現在

スペイン国営放送は情報を操作している〜PSOE

PSOE(社労党)はRTVE(スペインの公共のラジオ、テレビ放送局)が、
情報をPP(国民党)に有利に、PSOEに不利に操作しているとし、
PSOEから同局に派遣している2人の役員を辞任させた。
PSOEは「これ以上公共の電波をPSOE攻撃のために使われるのは許せない」
と激しく抗議。「表現の自由の侵害だ」とも述べている。

PSOEによると、9月1〜29日、午後3時から9時までの間にTVE1で放送された
ニュ−ス番組において、PPはPSOEの7倍の時間取り扱われているとのこと。
また政治家別に出演時間を分析すると、1位(アスナル首相)から4位まではPP党員、
5番目にやっとPSOEのアルムニア党首がでてくるという。

しかしRTVEの言い分は全く反対。TVE1、La2の2つのチャンネルで
9月1〜29日に放送された全ニュ−ス番組で、アルムニア氏が12分間出演しているのに
対し、アスナル氏はPPの党首としては(スペインの首相としてではなく)6分間しか
取り扱われていないとしている。


10月5日現在

対ETAで全面的にスペインと協力〜フランス、シラク大統領

昨日からスペインを公式訪問しているシラク大統領。昨日はアスナル首相との会談、
フアン・カルロス国王との夕食などをこなし、本日の国会でスピ−チで訪問のスケジュ−ルは
終了の予定。
昨日の記者会見では「スペインはフランスの重要な同盟国」であると述べ、特に両国共通
の問題でもあるETA(バスク自由と祖国)のテロ対策では、協力を惜しまないことを表明した。
また、ラテン系民族が文化的に団結し、アングロ・サクソン中心の現状に対抗していこう、とも
よびかけている。


10月5日現在

タバカレラ、フランスのセイタと合併

スペイン、フランスのタバコ会社、タバカレラとセイタの合併が大筋で決定。
細かい点についてはこれからさらに話合いで決定されて行くが、これで
タバコ部門ではヨ−ロッパで第3位、葉巻では世界1位の会社が誕生することになる。

両社は既に1997年から業務提携を結んでおり、相手の商品の自国での販売を
行っていた。今回いよいよ合併が決定。株式の交換比率はセイタ1株に対し
タバカレラ3.2株となる。


10月5日現在

亜麻加工業3社の免許とりあげ

カスティ−ジャ・イ・ラ・マンチャ州のボノ首長は、昨日EUからの補助金を
不正に受けていたとして、同州の亜麻加工業者3社の業務免許を剥奪する手続きを
始めることを発表した。

農業環境問題評議会が同州の4業社を調査したところ、うち3社は補助金を受ける為に
実際よりも多く亜麻加工製品を生産したように申告していたことがわかった。
業社の消費した電気代、雇用者の数などから考えるととても不可能な生産量を
申告していたのだ。

この事態を「深刻な不正だ」としてボノ首長は業者の免許を取り上げると共に、
EUに補助金を予定の25%しか支払わないように要求する。


10月4日現在

セルヒオ・ガルシア優勝〜リンデ・ドイツ・マスタ−ズ

1週間前に、ライダ−ズ・カップでアメリカチ−ムに敗れ、悔し涙を流した
ばかりだったが、“エル・ニ−ニョ”、ガルシアははやくもプロ選手としての
2つめの優勝カップを手にした。
昨日、コロン郊外で行われていたリンデ・ドイツ・マスタ−ズで、ベテランのウ−スナム、
ハリトンらを押さえ見事優勝した。

「ライダ−ズ・カップではプレッシャ−に打ち勝つことを学んだ」と19歳のエル・ニ−ニョ
は語っている。アイルランド・オ−プンに続くこの勝利で彼は30万ドル
(およそ5000万ペセタ)の賞金を手にした。これでヨ−ロッパでの賞金ランキング2位に
浮上。今月はボルボ・マスタ−ズ、11月にはアメリカン・エクスプレス選手権と
大きな大会が控えており、19歳の賞金王誕生が期待される。


10月4日現在

公立学校でイスラム教の宗教教育を実施

スペインにはおよそ50万人(不法滞在者は含まず)のイスラム教徒いる。
今までは公立の学校において、カトリック教徒の児童に行われているような
宗教教育は、イスラム教の児童に対しては行われていなかった。
しかし、今回、宗教の自由を保障する法に基づき、イスラム教の児童の宗教教育をうける権利が
保障される。

宗教の自由は憲法によって保障されているはずなのに、今まで教育現場でこれが“無視”されて
いた現状を、イスラム教協会が教育文化省に訴え、改善が約束されるに至った。
これにより、イスラム教の授業のため500人の教師が必要となるが、現在のところは80人
しかいない。スペインで教師となる資格を満たす人材が不足しており、今後の課題となりそう。

なお、ユダヤ教徒、プロテスタントの学童にも同様に宗教教育が行われる保障がされた。


10月4日現在

両親の子供を扶養する義務を免除〜サラゴサ

両親は既に成人である(スペインでは18歳より成人)19歳と20歳の息子達を扶養する
義務を免除され、子供達は直ちに両親の家から出て行かなければならない・・・
サラゴサのある家族で、両親が子供達が家から出て行くよう裁判に訴えていた事件で、
このような判決がくだされた。

この子供達は、学校教育を終了もせず、途中でドロップアウト、その後仕事にもつこうとせず、
両親の元で生活していた。両親の証言によると親子関係は“最悪”の状態、息子達は何度か
両親に対する暴行で逮捕までされていた。

判決では、子供が成人したからといって、両親の扶養の義務が自動的に消滅する訳ではない、
子供が引き続き教育を必要とする場合、仕事を探す場合など、両親は扶養を続けるべきで
あるが、これは両者の間に相互の尊敬がある場合、このケ−スはそれに該当しない、
と述べられた。


10月1日現在

フランス警察、爆薬窃盗犯人としてETAメンバ−を逮捕

火曜日にフランスのブレタニャでおよそ8トンのダイナマイトが盗まれていたが、
その犯人として昨日、3人のETAメンバ−が逮捕され、盗まれた爆薬も
全て無事押収された。

逮捕された3人のうちの1人は通称“カラカ”ことジョン・ビエンソバス。
彼は1996年2月、フランシスコ・トマス―バリエンテ教授がマドリッド自治大学
校内で射殺された事件で犯人として指名手配されていた。


10月1日現在

ETAとPNVの秘密合意文書発覚

ETA(バスク祖国と自由)の幹部で非合法活動部門のリダ−であった“カンタウリ”こと
ホセ・ハビエル・アリスクレンは今年3月にフランスで逮捕されていた。
彼を取り調べているフランス警察により、停戦宣言前にETAとPNV、EAの
バスク民族主義政党2党との間に交わされていた合意文があったことが発覚した。
カンタウリはその文書のコピ−を所持していた。

その合意文は、PNVとEAはPP(国民党)、PSOE(社労党)との協力を
破棄し、民族主義政党同志で協力してバスク国の建設を目指す、かわりにETAは武力の放棄を
発表する、という内容。停戦期間は最初は4ヶ月とし、その後PNV、EAが合意を忠実に
守っていれば、さらに延長すると書かれてある。文書は5段落からなる短い物で、
署名欄にPNV党首の名前があるが、署名はされていなかった。

PNVはこの合意の存在を否定。しかし、この文書によってETAの停戦宣言のたった
4日前に民族主義政党の連合「リサラ同盟」が結成されたことの説明がつくとの見方が
強い。


10月1日現在

ピノチェト裁判終了

昨日の最終弁論をもって、ピノチェト氏のスペインへの身柄引渡しを
決める裁判は終了。判決は10月8日、イギリス時間11時、スペイン時間12時に
ロンドンのボウ・ストリ−ト裁判所にて発表される。

弁護側の最終弁論で、ニコルス弁護士は、再び証拠の不充分を強調。
また、電気ショックなどで直ちに死亡した場合は、苦しんだとはいえず、拷問
にはあたらない、という新たな主張をした。すなわち、瞬時に死をもたらした場合は
“殺人”ではあるが“拷問”にはあたらない、ということ。
これはイギリスの最高裁がピノチェト氏は拷問の容疑においてのみ裁かれる、
と決定しており、殺人に関してはイギリスで裁くことは認めていないからである。