9月30日現在

フランスの爆薬窃盗事件はETAからの“通告”

火曜にフランスのブレタニャの火薬倉庫から8トンの産業用ダイナマイトが盗まれた事件。
いまだ、犯人は逮捕されておらず、重要な手掛かりもみつかっていない。
しかし、フランス警察はETA(バスク祖国と自由)の犯行と見て捜査を進めている。

スペインのマジョ−ル・オレハ内務大臣は、これを平和交渉において政府がETAの主張を
受け入れない場合のための脅しであり、「ETAからの恐怖の“通告”」だと述べた。

こうしている間にも、バスク、ナバラ地方では破壊活動が頻発している。
昨日、ビルバオ中心部ではバスが放火され全焼、ナバラのノアインでは市議会議員宅が
放火され、近所の女性が巻き添えで軽傷を負った。


9月30日現在

フアン・カルロス国王、孫と対面

昨日未明に国王の次女であるクリスティ−ナ王女が男児を出産したが、
昨日午後3時、フアン・カルロス国王は公務の合間をぬってバルセロナの
病院をおとずれ2番目の孫に初対面した。

国王は対面の後「とてもかわいく、とてもおおきな赤ちゃんだ。2人のどちらに
似ているかはわからない。多分両方に少しずつにているんだろう。」と記者たちに
感想を述べた。

バルセロナのこの病院へは続々とお祝いの花や贈り物が届けられている。
届けられた贈り物は、病院の2つのサロンを埋め尽くすほどの量になった。
花束、ぬいぐるみなどが多いが、かわったものでは、離乳食用のカタル−ニャ産の
小麦粉50キロ、などもあった。地元のサッカ−チ−ムFCバルセロナ(バルサ)
は、同チ−ムの会員証をプレゼントする予定。


9月30日現在

ピノチェト裁判、弁護側戦略を転換

拷問などの罪によりスペインへの身柄引渡しが要求されているピノチェト元将軍。
これらの拷問において元将軍の責任を証明するものはないということ、また、
この訴えは政治的思想によるもの、すなわち政治的迫害だ、というのが弁護側の
主張の2本柱であった。

しかし、昨日突然、弁護側はこの“政治的迫害”の主張を取り下げた。
現時点では“証拠不充分”の主張のみにし、もし身柄引渡しが決定されれば、
“政治的迫害”の主張をあらためて使って控訴する、とのこと。
ヨ−ロッパ身柄引渡し協定には、「人種、宗教、国籍、政治思想を理由に人を罰する為の
身柄引渡しは認められない」とある。これを控訴時の根拠とするもよう。

本日弁護側の最終弁論が行われる。


9月29日現在

クリスティ−ナ王女、男児出産

フアン・カルロス国王に2人目の孫が誕生した。
今日の午前2時にバルセロナの病院で、ソフィア女王と夫に付き添われ、
国王の次女であるクリステ−ナ女王は無事男のこを出産した。
午前4時、夫のイニャキ・ウルダンガリンさんが記者会見をした。
赤ちゃんは体重4070グラム、身長53センチで金髪。
フアン(Juan)と名づけられるとのこと。
この男のこは、第5番目の王位継承権を持つことになる。


9月29日現在

フランスのダイナマイト盗難事件、犯人はETAか?

昨日、フランスのブレタニャにある火薬倉庫から8トンの産業用ダイナマイトなどが
盗まれた。犯人は覆面を被った7〜8人組。フランス警察は、組織的なテロ集団の
手口であること、またブレタニャ周辺にはETAの協力者が多いことから、
これをETAの犯行とみている。

この火薬倉庫の警備員が、犯人達が逃げるときにスペイン語で会話をしていたのを
聞いた、という情報もあるが、これはまだ確認されていない。


9月29日現在

ピノチェト裁判

ピノチェト元将軍のスペインへの身柄引渡しを決める裁判の第2回が
昨日開かれた。今回は弁護側の陳述の番で、ピノチェト氏の弁護士クリ−ブ・ニコルス氏
は、ピノチェト氏が拷問等に責任者として関与していたという証拠は一切ない、とし、
スペインの全国管区裁判所ガルソン判事(ピノチェト氏の身柄引渡しを要求した
本人)を、「政治的理由のみで行動しており、恥ずべきことだ。」と批判した。


9月28日現在

ピノチェト裁判開始

昨日、ピノチェト氏のスペインへの身柄引渡しを最終的に判断する裁判が
イギリス、ロンドンで始まった。

検察側の代表であるジョ−ンズ氏はピノチェト氏は「イギリスの裁判史上では
前例のない、最悪の犯罪」を犯したとし、スペインへの身柄引渡しを要求した。
ジョ−ンズ氏は昨日の検察側の持ち時間のほとんど全てを、ピノチェト氏が
犯したとされる36件の拷問の描写に費やした。

本日、弁護側の弁論が行われる。結審は金曜日の予定だったが、早まる可能性も
ある。


9月28日現在

バスク地方で破壊活動続発

HB(バスク人民連合)関係の若者らによる破壊活動が昨日頻発した。
標的となったのはバスク、ナバ−ラ地方のPP(国民党)、PSOE(社労党)の市会議員や
エル・パイス紙の記者など。ビスカヤのゲチョでは覆面をした集団によって
公営バス2台が放火された。夜になって警察は犯人と思われる数人を逮捕、そのうちの
一人はHBのメンバ−であった。

これらの破壊活動のきっかけとなったのは元ETAの囚人エステバン・ニエト氏の死である。
彼は12人の警官を死亡させたマドリッドのレプブリカ・ドミニカ−ナ広場の爆破事件など、
複数のテロ活動により合計2635年の刑を言い渡され、1987年より服役していた。
しかし、ニエト氏が末期ガンにおかされており、余命が幾ばくもないと判明したため、
人道的理由によりさる4月7日に釈放されていた。彼は日曜日にガンのため自宅で息をひきとった。


9月28日現在

エクアドル―コロンビア国境の誘拐事件、人質1人が解放される。

去る9月11日にコロンビア国境近くのエクアドルの森林でスペイン人3人が
誘拐されていたが、その人質のうちの一人が日曜日に解放されていたことがわかった。

解放されたアンデ−ル・ミメンサさんは、NGO団体で働きながら現地に住んでいた。
彼の姉が新婚旅行でエクアドルを訪れており、誘拐現場近くの自然公園で姉夫婦と
共に数日を過ごす為移動中であった。

犯人についてはほとんどなにもわかっていない。アンデ−ルさんは「政治的ゲリラ
かもしれないし、単なる金目当ての犯罪者集団かもしれない。」と語っている。
他の人質については「生きている。健康に問題はない。犯人達は彼らももうすぐ
開放すると思う。」と述べている。

犯人と有力視されていたFARC(コロンビア革命武装集団)は犯行を否定している。


9月27日現在

PSOE「トレド協定」から脱退か

現行の年金制度を決めたトレド協定。これには各政党と労働組合が参加している。
長期的に安定した年金制度実現の為、1995年に調印された。
しかしPSOEのアルムニア幹事長は昨日「政府がこの協定の内容をちゃんと実行しない
ようなら、トレド協定から脱退する」と述べた。
アルムニア氏は具体的に政府の実現していない内容を挙げながら、
「無知で敏感さに欠け、周りが見えていないような運転手の運転するバスには
私も、PSOEも乗りたくない。」とアスナル首相を運転手に例えて痛烈に批判した。


9月27日現在

「ピノチェト事件」の判事はサ−チャ―女史寄り

チリのピノチェト元将軍のスペインへの身柄引渡しを決める裁判が本日始まる。
結審は10月1日の予定。

しかし、この裁判の判事であるロナルド・バ−トゥル氏が“親ピノチェト”で知られる
サッチャ−元首相と交友関係をもっていることが明らかになっている。
バ−トゥル氏は「セント・ジョ−ジ・ロイヤル・ソサエティ−・クラブ」という
保守派の会に所属しており、その会の副会長がサッチャ−氏である。

裁判は本日イギリス時間10:30(スペイン時間11:30)に始まる。


9月27日現在

“ピラミデスの暴行魔”刑務所でハンガ−ストライキ

マドリッドでは前例のない、史上最悪の連続暴行事件の犯人、アルリンド・カルバロ被告
は数日前から食事を拒否しハンガ−ストライキの状態にはいっている。
彼の要求は、子供のころから睾丸にある傷の手術を受けることと、精神科医の治療を
受けることである。

“ピラミデスの暴行魔”として市民の間に恐怖を巻き起こしていたカルバロ被告は逮捕後、
150件の暴行を認めた。本日よりマドリッド管区裁判所で43件の暴行に対する
裁判が開始される。検察側は20年の禁固刑を要求するもよう。43人の被害者のうちの
20人を代表する「性的暴力の被害者を助ける会」は400年以上の刑を求めている。


9月24日現在

民事訴訟関係の法改正案、国会を通らず

民事訴訟のなかでも、市民の日常生活に最も関りのあるのは、
離婚、相続、借金の返済、などに関することであろう。
これらの裁判の簡易化、スピ−ド・アップを目的とし、
2つの司法関係の法の改正案がPP(国民党)より国会にだされていた。
具体的には、ある一定金額以下に関する提訴ついては弁護士をたてる
必要をなくす、などの内容。しかしこれは法曹界、とくに弁護士らから
「誰でも弁護がうけられるという基本的権利を侵害する」と反対の声が
挙がっていた。

昨日、この2法のうちの1つが国会で否決された。PPと協力関係にある
CIU(カタル−ニャ連合)が全員欠席したため、賛成は過半数にとどかなかった。
この否決された法案は再び国会の司法評議会へ戻されて再検討されることになる。
この2法の両方の改正が承認されなければ、政府のめざす民事訴訟の簡易化は実現しない。


9月24日現在

2000年の国家予算、今日にも国会通過

今日の国会で承認される2000年の国家予算では、年金、雇用関係へ合計
1兆ペセタが向けられる。

雇用増加のためには昨年より700億ペセタ多く予算が割り当てられる。
その他、45歳以上の長期失業者のための失業保険支給条件改善のためなどにも
多くの予算が振り分けられた。

年金に関しては、昨日労働組合と政府の間で合意がみられた最低年金支給額引き上げ、
また将来の安定した年金制度の為の基金設立用などに大幅に予算が増額された。


9月24日現在

プジョ−ル氏の言語政策はカタル−ニャを分裂させる〜マラガル氏

10月に選挙を控えたカタル−ニャ州。現プジョ−ル首長の対抗馬である
マラガル氏(PSC=カタル−ニャ社会党)は、言語政策にたいするプジョ−ル氏
との見解の違いを強調している。

2年前に改正された「言語政策法」により、カタル−ニャ語の使用義務が
広げられる結果となった。しかし、マラガル氏はこれを「意味の無いものだった」
とし、カタル−ニャ語使用の押しつけはカタル−ニャを分裂させる結果となる、と批判。
プジョ−ル氏は言語を民族意識高揚のための道具に使っているとした。

マラガル氏が首長となった場合、カタル−ニャ語を尊重しながらも、その使用に関しては
もっとフレキシブルに対応して行きたいと述べた。


9月23日現在

政府、GILコントロ−ルのため法改正

スペインの市町村における都市開発計画は、まず市町村議会で承認された後、
さらに自治州の承認を受けなければ実行できない。しかし、セウタとメリ−ジャの特別自治区
は例外的にこの2重の承認を必要とせず、議会を通ればそれで計画を進めることができる。
今回政府は、この2市の都市開発にも2重の承認を課する方針。
2市は自治州のかわりに、勧業省の承認をうけなければならないよう法を改正する。

混乱が続きなにかと話題になっていたセウタ、メリ−ジャの両議会。
結局、GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる政党)がセウタでは市長の座を獲得、
メリ−ジャでも大きな勢力となっている。そこで政府は、GILの思うように
都市開発が進められないようこの法改正にふみきったことは明らか。

マルベ−ジャ市長であるGIL党首のヘスス・ヒル氏は実際に、彼の進めていた
都市開発計画がマルベ−ジャの議会を通ったものの、アンダルシア州の承認を
受けられなかったという苦い経験を持っている。



9月23日現在

スペイン―チリの関係悪化は誰の責任?

国会でも“ピノチェト問題”が争点となっている。
昨日、PSOEのマルティネス・ナバロ議員はアスナル首相にスペイン―チリの
関係悪化について質問。同じくピノチェト問題に関っているイギリスとの関係に悪化は
見られないのに、なぜチリ政府はスペインとの関係のみを見直そうとしているのか、
それはスペイン政府の態度に問題があったのではないか、とスペイン政府が水面下では
政治的解決を承諾しておきながら、結局はそれを撤回、司法の判断に全て委ねると表明した
ことが関係悪化の原因ではないかと問いただした。

それに対しアスナル首相は、「チリは友好国である。当然政治的解決の可能性も検討しなければ
ならない。しかし検討の後、不可能だという結論をだした。」と答えた。同時に
「一国の元元首を訴える以上、その国との関係悪化は避けられない。しかしその亀裂を最小限に
食い止めようとしているのが我々政府だ。反対にPSOEはその亀裂を最大に広げようとしている。」
とPSOEを批判した。


9月23日現在

マリオ・コンデ氏総選挙に出馬

バネスト銀行を舞台にした不正事件の主役であるマリオ・コンデ氏。
横領などの罪で先日49年6ヶ月の刑を求刑されたばかりだ。
しかし来年の総選挙にCDS(中道社会民主党)から出馬をするもよう。

昨日コンデ氏はCDS側からの出馬要請を正式に受け入れた。
来週のCDSの党総会で承認されれば、コンデ氏の出馬は現実となる。

CDSは1998年に創設され、今のところ国会議員、地方議員ともに
当選者は出していない。


9月22日現在

全ての移民に無料の医療サ−ビスを

滞在が違法、合法にかかわらずスペインにいる全ての外国人移民は、公共の
医療サ−ビスを無料で受けられることになる。昨日、国会を満場一致で通過した法案で
それが保障される。

今まで不法滞在者で公共医療サ−ビスの対象となっていたのは、妊娠している女性、
18歳以下の未成年、成人に関しては救急の措置を必要とする場合のみであった。
労働組合CC.OOによると現在スペインには7万5千から8万人の不法滞在者が
いるという。今回、これらの人々全てに公共医療サ−ビスの適用範囲が広げられる。


9月22日現在

所得税申告時の寄付先選択方法を改定

個人が支払う所得税(IRPF)の0.52%はカトリック教会、または他の
福祉団体へ寄付されることになっている。納税者は申告時にどちらに寄付したいか
一方を選択することになっていたが、今回、カトリック教会と政府は、納税者は寄付先を
選択しなくてもよいように改定することで合意した。
これは来年6月に行われる確定申告から実施される。

「カトリック教会も、他の福祉団体も恵まれない人々を助けるために寄付金を使う。
同じことを目的としているのだから、あえて寄付先を指定する必要性はないのではないか。」
というのがカトリック教会の主張。政府はこれを受け入れた形となった。
1998年の確定申告では納税者の35%がカトリック教会を指定。教会はおよそ
150億ペセタの献金を受けた。今回の合意と同時に政府は来年以降数年間210億ペセタを
カトリック教会へまわすことを約束した。


9月22日現在

スペイン、チリ両外相ついに会談

現在、国連定例総会のため、各国の外相がニュ−ヨ−クへ集まっている。
この機会を利用し、スペイン、チリの両外相は会合をもち“ピノチェト問題”
について話し合う予定だった。しかし、チリ側は数日前に「スペインと話し合うことは
何もない」と話合いを否定し、両国間の緊張は高まっていた。

しかし、最終的にはチリ外相は話合いを“すっぽかす”ことはせず、予定通り
20分あまりにわたって両国間の関係について話合いが持たれた。
ピノチェト問題で悪化しつつある両国間の関係を、修復して行く方向で
合意した。

一方、本日にもチリ政府はピノチェト問題を国際司法裁判所へ持ち込み、
ピノチェト氏釈放を要求するもよう。


9月21日現在

年金準備基金、600億ペセタで2000年に設立

昨日、アスナル首相は記者会見で、将来の年金支払いに備える
年金準備基金を2000年に設立、最初の注入額は600億ペセタ
とすることを発表した。

この基金の設立は1995年のトレド合意(現在の年金制度を制定した合意)
ですでに決定されており、やっと実現することとなった。野党は実現までの
あまりの時間のかかりようを批判している。


9月21日現在

マリオ・コンデ氏に49年6ヶ月の求刑

バネスト銀行を舞台にした横領事件で検察は元バネスト頭取のマリオ・コンデ氏に
49年6ヶ月を求刑した。横領、文書偽造など8件の罪にたいしての求刑である。
長期戦となっているこの“バネスト事件”の裁判、いよいよ12月に結審が予定されている。

検察は同時にマリオ・コンデ氏所有のシウダ・レアルとセビ−ジャにある2軒の家屋の
没収も要求。これらの家屋の名義はマリオ・コンデ氏が利益隠しにつかっていたダミ−会社
のものになっている。


9月21日現在

環境省ダム建設に不利な報告書を隠蔽?

ナバラのイトイスに既に建設されたダムに関して、10年前の1989年に
ダム建設の危険性を報告する文書が提出されていたが、環境省はそれを無視した
疑いが持ちあがっている。

この事実を告発したのはイトイスのある市民団体。彼らによると、1989年に
インテスカという会社によって調査がおこなわれ、ダム建設は周辺の地盤の
スリップを引き起こし、周辺の山が崩壊する危険性があると報告書にまとめられた。
それはナバラ政府、および環境省に提出されているはずなのに、両者はそれを無視、
報告の事実を隠蔽しているを訴えている。

ナバラ政府、環境省はともにこの事実を否定。
イトイスのダムは既に完成しているが、まだ使用は開始されていない。


9月20日現在

28人死亡〜サラゴサのバス事故

昨日、サラゴサ近くの道路で、マドリッドからコスタ・ブラバへ向かっていた
バスがスリップ、ガ−ドレ−ルに衝突し横転、28人が死亡、25人が怪我を負った。

乗客のほとんどは、引退した高齢者で、コスタ・ブラバで数日間のバケ−ションを
過ごす予定だった。当時は激しい雨が降っており、それが事故の原因と見られるが、
詳しい事情はまだわかっていない。しかし、この激しい雨は、事故を引き起こしただけでなく、
救助の到着をも遅らせた。当初は死亡者は7人とされていたが、事故から4時間後に
やっとクレ−ン車が到着し、バスの車体を吊り上げると、下からさらに死体や重傷者が
発見された。

28人の死亡者をだしたここ3年で最悪の事故。しかしこの週末、交通事故の犠牲になった
のは彼らだけではない。金曜から昨日日曜の午後8時までの間に、スペイン全土で
24件の交通事故が発生し、全部で62人が死亡、56人が負傷、そのうち46人が
重傷となっている。


9月20日現在

PPとPSOEの差縮まる

エル・パイス紙が行った世論調査によると、今選挙が実施されたとしたら
40.8%がPP(国民党)を、36.7%がPSOE(社労党)を支持する
という結果が出た。6月に行われた調査では差は5%あった。わずかながらも
PSOEがPPとの差を縮めているようだ。

カタル−ニャにおいては、PSC(カタル−ニャ社会党)が与党CIU
(カタル−ニャ連合)との支持率の差を1.2%まで縮めている。

また、先ごろ政府が行ったETAの囚人のバスクへの移送については、
半分以上が肯定、平和交渉にプラスになったと思っている。


9月20日現在

ピノチェト問題は国際司法裁判所へ?

チリ政府はピノチェト氏のスペインへの身柄引渡し問題を、
国際司法裁判所へ持ちこむ方針であることを明らかにした。
これに対し、スペインのマトゥテス外相は「これは、良い解決法だ。
この問題は政治的、外交的に解決されるべきではなく、あくまでも
司法の手に委ねられるべきであるから。」とコメントしている。

スペイン、チリの両外相は今日ニュ−ヨ−クの国連の会合で顔を合わせる。
しかしチリのバルデス外相は「スペイン政府と話すことはもうなにもない」
と述べており、2者の会談は実現しそうにない。


9月17日現在

最低年金額引き上げ〜政府と労働組合合意

昨日、政府と各労働組合(CC.OOとUGT)は、最低年金支給額を来年より
引き上げることで同意した。この対象となるのはおよそ300万人。
平均して月3000ペセタの増額となる。

政府、およびピメンテル労働大臣は、現在の年金制度を定めた“トレド合意”
の期限(2000年12月)が切れるまで、年金額の変更は断固行わない方針であった。
しかし、アンダルシア州、カタル−ニャ州などが独自に引き上げを決定、2000年の総選挙
をにらみ政府も姿勢を変えざるを得ない状態となったもよう。


9月17日現在

スペイン人科学者、エストロゲンの謎を解明

女性ホルモンの一種であるエストロゲンが、心臓発作や脳内出血を予防する
効果があることは知られていたが、そのメカニズムは解明されていなかった。

しかし、バルセロナのポンプ・ファブラ大学、ミゲル・バルベルデ教授と
そのグル−プがこの度その謎を解明。今日発売の科学雑誌“サイエンス”
紙上にて発表される。

数多くの科学者がここ数10年取り組んでも発見できなかったメカニズム。
バルベルデ教授がこの研究に取り掛かったのは2年前。
この発見によって、心臓発作予防のための画期的な新薬の開発が期待される。


9月17日現在

ETAが武力を放棄しなくても話合いを進める〜マジョ−ル・オレハ内務大臣

武装集団ETA(バスク祖国と自由)が停戦を宣言してから1年が経った。
これに関し、マジョ−ル・オレハ内務大臣はフランスの新聞“ル・モンド”
のインタビュ−に答えている。

そのなかで、大臣はETAが完全に武力放棄を宣言しなくとも、政府は平和交渉
に応じるつもりである、また刑法に関しても柔軟な措置をとる、とETAの囚人たち
へのなんらかの対応を示唆した。


9月16日現在

教育制度改革法案、国会討論なしで実施か

政府は教育制度改革法案を、予算案添付法を利用して、国会を通過させる見こみ。
この予算案添付法というのは、予算案に関係する他の法案を、予算案が承認されれば
自動的に一緒に承認するというもの。したがって、この予算案に添付された法案は
国会での討論を経ずに国会を通過できる。

この教育制度改革法案の内容は、FP(職業訓練過程)に関するもの。
現在FPには中級と上級の2種類があり、中級FPは中等教育(Bachillerato)
を終了していない生徒、上級FPは終了した生徒のみを対象としている。
しかしこの新法案で、中等教育を終了していなくても、中級FPを終了すれば
上級FPへ進むことが出来るようになる。

最も重要な課題のひとつである「教育問題」に関する法案を、国会で話し合わずに
“裏技”ともいえる方法で承認させようとしている政府のやり方に、野党らは反発している。


9月16日現在

ピノチェト問題でチリ、スペイン政府の間には合意があった

ピノチェト元将軍スペイン移送問題に関して、去る火曜にスペイン政府は
「仲介者」をいれて政治的に解決することを拒否した。
これに対し、チリのバルデス外相は「スペインとの関係を見なおさなくてはいけない」
と記者会見で述べた。

同時に、スペイン政府との間にピノチェト氏をスペインへ送還しないことで合意が既にあった
ことを明らかにした。「我々は実現不可能なことを要求していたわけではない。すでに
スペイン政府も同意していた。問題は野党PSOEの反対だった。」と述べた。
スペインのマトゥテス外相は問題解決の為、密かにチリに“特使”を送っていたことも明らかに
した。水面下ではピノチェト氏釈放に同意しながら、最終的には公式に拒否をしたスペイン政府
の“2枚舌”的行為をバルデス外相は非難。「イギリス政府との交渉は簡単だ。なぜなら
彼らは裏で言うことと、表で言う事に違いがないからだ」と述べた。


9月16日現在

ジロ−ナ空港で着陸失敗、60人が怪我

火曜の深夜、ブリタニア航空のボ−イング757機がジロ−ナ空港へ着陸時
滑走路から反れ、壁に激突、乗客236人のうち60人が軽傷を負った。

当時、ジロ−ナ上空は暴風雨に見舞われており、管制塔はバルセロナのプラット空港に
着陸するようパイロットに勧めた。しかしパイロットは独自の判断でジロ−ナ空港に
着陸したとのこと。

事故後の機体は3つに割れてしまっている。およそ4000リットルの燃料が積まれていたが、
それに引火しなかったのが不幸中の幸いであった。


9月15日現在

政府、インフレ率予想を2.4%へ引き上げ

政府が昨年末に発表した今年の消費者物価指数の上昇予想は1.8%であった。
しかし、昨日これを一気に2.4%へと変更した。これによって、年金や
物価スライド式の給与が見なおされる。見直しの対象となるのは年金生活者800万人、
物価スライド式給与の契約をもつ人達400万人。コストは1000億ペセタにのぼる見こみ。

現時点で年間のインフレ率はすでに2.1%に達しており、今後もさらに悪化すると
みられる。最も価格が上昇したのはエネルギ−部門。これは原油価格の急激な上昇が原因。
つぎに食料品部門。特に生鮮食料品が値上がりしている。今後も今年の水不足の影響から
値上がりの傾向が続くことが予想される。

年末に予想を出した時点では石油価格の急激な値上がり、ユ−ロ金利の引き下げの影響
などを計算に入れていなかったことを政府は認めている。急遽4月にインフレ対策の政策を
発動したが、結局その効果はなく、物価上昇の歯止めとはならなかった。


9月15日現在

フランコの軍事蜂起について国会で論議

フランコ将軍の独裁政権から民主政権に移行して22年。
はじめて国会で、1936年のフランコの軍事蜂起に関して
「合法的に存在していた共和国政府に対するク−デタ−」であった、という
判断が示された。これは外交問題評議会で、PP以外の全政党の支持によって
だされた共和派の亡命者やその子孫にたいする政府援助の提案のなかで明示された。

その提案は「スペイン国会外交問題評議会は、1936年の軍事ク−デタ−を
大変遺憾に思う」「あのク−デタ−により、長い市民戦争が引き起こされた」
「我々は、問題を解決するのは武力ではなく話合いだということを学んだ」
などの文章ではじまっている。

唯一この提案に同意しなかったのはPP。PPの同評議会代表のロブレス・フラガ氏
は、「フランコの軍事蜂起を唯一の市民戦争の原因とするのは、
歴史を短絡的に見すぎている」と、その文書に同意出来ない理由を述べている。


9月15日現在

プジョル、マラガル両氏、マドリッドへ

10月に行われるカタル−ニャ州選挙での首長候補の2人が同時に
マドリッド入りした。両氏はそれぞれ、企業トップなどど会合を持ち
“カタル−ニャとスペイン”のこれから関係についての意見を述べた。

社会党からの候補マラガル氏はマドリッドのあるホテルでおよそ20名の企業トップ
を招き昼食会を開いた。マラガル氏は中央政府とは信頼に基づいた協力関係を築くと述べた。

一方現首長のプジョル氏はレプソルの本社で企業、銀行のトップらと会合。
その席で、1993年以来の中央政府との協力関係を取り上げ「スペインがユ−ロに参加
できるまでになった経済発展にカタル−ニャは貢献した」「スペインはCIU
(カタル−ニャ連合)に勝って欲しいはずだ」とこれまでの実績を強調した。


9月14日現在

スペイン政府、“ピノチェト氏問題”への仲介者を拒否

今月の3日、チリの外相よりスペイン政府へ、ピノチェト氏問題に関して
国際的仲介者をたて、ピノチェト氏のスペインへの引渡しを避ける方向で
話合いを進めたい旨の手紙が出された。それに対して、スペイン政府は
昨日、ピノチェト問題に関しては一切政治的仲介者は受け入れず、司法の判断に
委ねると公式に返答した。

両政府の間でピノチェト問題の“政治的”解決が図られていたことに対して、
スペイン国内では司法界をはじめ、あらゆる方面から反発が起きていた。
政府としては、チリとの関係の悪化は避けられないが、世論を尊重した形と
なった。

チリのフレイ首相は今年11月に開かれるイベロアメリカ・サミット(スペインと
ラテンアメリカ諸国の首脳会談)ボイコットの意向を表明。アルゼンチンもこれに
同調する。ピノチェト問題はチリだけではなく、他のラテンアメリカ諸国との
関係にも影響を及ぼしてきている。


9月14日現在

判事の給料引き上げ要求は却下

スペイン各地の判事、検事協会は彼らの給料の25%引き上げを要求していたが、
昨日、マリスカル法務大臣は、この要求を却下した。
法相は、判事、検事の給与は国家一般予算法によって決定される、すなわち
国会によって決定されるものであるとし、「国会はもっと重要なことをかかえており、
判事、検事の給与問題は最優先課題ではない」と述べた。

法相はさらに判事らに対し「周りをみてみなさい。他の職業の人達の給料がどれくらいか
わかるでしょう。状況に応じた行動をとって欲しい」と述べた。これに対し
判事検事協会のひとつが直ちに、「他の職業の人達とは、弁護士や司法書士のことを
いっているのか?それならば我々の給料は彼らには到底及ばない。」と反論している。


9月14日現在

政府、新たに対インフレ政策発表

スペイン政府の今年の目標インフレ率は1.8%であったが、石油価格の値上がり
などにより、これを越えてしまうことはほぼ確実となっている。
しかしヨ−ロッパ中央銀行の制定したユ−ロ参加国の上限インフレ率は2%。
これを超えないために、ピケ政府スポ−クスマンは昨日新たな対策を金曜にも
発表することを表明した。

政府は4月にもインフレ対策を実施したが効果はあまり見られず、7月の消費者物価指数は
2.2%の上昇となった。8月分はまだ発表されていないが2.2〜2.3%となる見こみ。
銀行系の調査機関では今年のインフレ率を2.5%と予想するところも出てきている。
なんとしても越えてはならない2%の壁を守るため、エネルギ−、農業、観光、自動車の
セクタ−にたいして何らかの対策を実施するもよう。


9月13日現在

3人のスペイン人、エクアドル、コロンビア国境で誘拐

エクアドルのコロンビア国境から60KMの地点で、スペイン人3人を含む
12人が誘拐された。未だ犯行声名は出されていないが、現地の警察は
FARC(コロンビアの武装ゲリラ集団)の犯行であるとみている。

ビスカヤ出身のマリア・ヘスス・ミメンサさんとヘスス・マリア・
マグナゴイコエチエアさんは新婚旅行でエクアドルを訪れていた。
現地に仕事で滞在しているマリア・ヘススさんの弟、その同僚とともに
現場近くの国立公園で数日を過ごす予定であった。

目撃者によると、犯人は軍服をきたおよそ25人の集団で、言葉にはコロンビア訛が
あったという。

現在、このほかにも5人のスペイン人がコロンビアのゲリラ集団によって誘拐された
ままとなっている。


9月13日現在

携帯電話、2000年には通常の電話を上回る普及

ここ数年のスペインでの携帯電話普及率の伸びはすさまじいいきおいである。
今年8月時点で、登録台数は1120万台となった。現在、固定式の電話は
1790万台。来年の上半期には、携帯電話の台数の方が上回ることが確実となる。

テレフォニカの分析によると、中長期的に、固定式電話の普及率が人口の50%を
越えるのは難しい一方、携帯電話の普及率は70%まで伸びる見こみ。


9月13日現在

義務教育、16歳までに延長

およそ3ヶ月の長い夏休みがおわり、学校では新学期が始まっている。
今学期より義務教育は6歳から16歳までとなり、スペインの
教育の歴史上、最もながい義務教育期間が実施されることとなる。


9月10日現在

汚職対策検察、GILのセウタ議会での買収疑惑調査へ

セウタ議会議員にPSOE(社労党)から当選したのち、突然離党しGIL
(ヘスス・ヒル氏の政党)側についたスサナ・ベルムデス議員。彼女の1票によって
市長不信任案は通過し、GILから新市長が選ばれることとなった。

この彼女の離党に関し、GILがなんらかの買収をおこなった疑いがあるとPSOE
は検察に訴えていた。昨日ビジャレホ検察長は、汚職担当検察に調査開始の許可を出した。

ベルムデス議員は新市長から議会の文化評議会理事に任命され、彼女の夫にも
市役所内で要職が与えられている。

マルベ−ジャ市長でアトレティコ・マドリッドのオ−ナ−でもあるGIL党首の
ヒル氏はこの調査開始に対して「新たな政治的陰謀であって、全く心配はしていない」
とコメントしている。


9月10日現在

EU内で使用言語を巡って論争

EUでは11カ国語が公用語とされているが、実際会議などでは、英語、フランス語、
そして主催国(半年ごとにかわる)の言葉のみを使用するようになっている。
その為、通常は英語とフランス語の2つの同時通訳しか用意されない。
ここ1年、主催国はドイツ、オ−ストリアであったので主催国の言語としてドイツ語も会議で
使用されていた。しかし今回から主催国はフィンランドで、当然ドイツ語の同時通訳は
用意されていなかった。

それにもかかわらず、ラポニア(フィンランド)でひらかれたEU15カ国の会議で、
ドイツのフィッシャ−外相がドイツ語で話しはじめたことから、議論が巻き起こっている。

このフィッシャ−外相のドイツ語での発言の直後、スペインのマトゥテス外相は、
通常はEUの会議では英語で話すのだが、あえてスペイン語で「もし英語とフランス語以外の
言語を話す者がいるなら、我々もスペイン語を使う」と発言した。
イタリアの外相も、もし会議でドイツ語の使用を認めるのならば、スペイン語とイタリア語の
使用も認められるべきだ、と主張している。


9月10日現在

“ブロウアルド事件”で政府関係者刑務所へ

HB(バスク人民連合)のリ−ダ−であったブロウアルド氏が1984年に
暗殺された事件。この事件を計画、組織したとしてフリアン・サンクリストバル氏
(元国家保安機構幹部)とラファエル・マサ氏(市民警護隊大佐)は直ちに刑務所へ
送られることが決定した。逃亡の危険性があるとして、保釈は認められない。


9月9日現在

ETAが平和交渉に応じるまで政府に新たな動きはなし

一昨日、武装集団ETA(バスク祖国と自由)の服役中のメンバ−105人を、
バスク、又はその近くの刑務所に移すという政府の決定が発表された。

ETAの停戦宣言から一年たとうとしているが、交渉は事実上中断状態で、ETA、政府
ともに交渉停滞の原因は相手あるとする声名をだしていた。
その現状を打開する為、政府はこの決定におよんだ訳だが、
昨日マジョ−ル・オレハ内務大臣は「ETA側から平和交渉再開の働きかけがあるまで、
政府としては新たな動きはない」とラジオのインタビュ−に答えた。


9月9日現在

スペインの経済成長予想、上方修正

政府は今年の経済成長率の予想を3.5%から3.6〜3.7%へと修正した。
これは輸出の好調による。今年上半期の貿易収支は前年に比べて56.3%増となっている。
また観光業界も好調。今年の5月までの同業界の売上は昨年同期に比べ15%増となった。
今年の7月末までの時点で、およそ2880万人がスペインを訪れている。


9月9日現在

女性の祭り参加を巡り衝突〜オンダリビア

バスク地方のオンダリビアでは、1638年にこの地域をフランスから
開放した戦いを記念してこの時期、お祭りが催される。
この祭りでは“アラルデ”とよばれる行進が行われる。戦いを模して参加者は
兵士の扮装をする。昨日、このアラルデに参加しようとした女性のグル−プと
バスク警察の間で衝突がおき怪我人がでた。

この行進への参加が認められているのは男性のみ。これに対し女性グル−プが4年に渡って
抗議し参加を希望していたが、“伝統に反する”として認められていなかった。
しかしこのグル−プは参加を実行、他グル−プとの衝突を避けるためバスク警察は強行的に
同グル−プの参加を阻止した。


9月8日現在

ETAの囚人105人、バスクへ移送

政府は、服役中の武装集団ETA(バスク祖国と自由)のメンバ−105人を
バスク、又はその近くの刑務所へ移すことを発表した。

昨年ETAから停戦が発表されてから1年が経とうとしている。
マジョ−ル・オレハ内務大臣は記者会見で、停戦宣言以来ETAが“殺人”
を犯していないことを今回の決断の理由としてあげた。
バスクに移送される囚人の中には、フアン・カルロス国王暗殺未遂で35年の刑を
うけたフアン・ホルヘ・レゴ、イグナシオ・レゴの親子も含まれている。

しかしこの政府の決断に対するバスク民族主義政党の反応は冷ややか。
PNV(バスク国民党)は「遅すぎる決断」、HB(バスク人民連合)は
「ETAの囚人を政治的かけひきの道具に使っている」とそれぞれコメントしている。


9月8日現在

30人の移民が乗った船、転覆〜カディス

昨日の午前4時、カディスのタリファで、海岸からおよそ50メ−トルのところで
船が転覆しているのが発見された。市民警護隊が直ちに救出活動にあたり、19人の
マグレブ系移民を救助した。船にはおよそ30人が乗っていたという。
残りの人々は泳いで海岸にたどりついた可能性が高いとして救出活動は午後2時に
打ちきられた。

警察の情報筋によると転覆した船からはおよそ20キロのハシシが発見されたという。
不法入国者が少量の麻薬類を持ちこむことは最近頻繁になっている。これは、わざと
警察につかまりスペインで裁判をうけるため。そうすれば少なくとも裁判終了まで
自国に送還されるのがまぬがれるからである。


9月8日現在

130人のル−マニア人移民のテント、撤去

マドリッドのサン・ロケ(フエンカラル地区)には、移民収容所のそばに
そこに入れないル−マニア系不法移民、およそ130人がテントはって住みついている
空き地があった。昨日早朝、警察は突然20台のパトカ−でこの空き地到着、
移民たちにテントを撤去させ、空き地から出て行かせた。

この撤去の理由として警察、市役所はこの空き地で工事が予定されていること、
また、収容所のボランティアたちからの苦情が相次いでいたことをあげている。
収容所で働いているボランティアにたいして、この収容所の外にいる移民たちが
「収容所内の移民と同じように世話をするよう」要求、
ときには“脅し”に至っていたとのこと。移民たちはこの事実を否定している。


9月7日現在

プジョ−ル氏、首長の座を失う可能性を認める

来る10月17日に選挙が予定されるカタル−ニャ州。現首長のプジョ−ル氏は
昨日、はじめて自党CIU(カタル−ニャ連合)の敗北の可能性を認めるコメントを
した。

先週おこなわれたアンケ−ト調査によると、プジョ−ル氏率いるCIUとマラガル氏を
擁立するPSC(カタル−ニャ社会党)の人気はいまのところ五分五分。
19年間、無風の状態で首長の座を守ってきたプジョ−ル氏にとって、
はじめての強力なライバル出現である。

プジョ−ル氏はCIUが過半数を維持できず、PSCに敗れた場合でも“野党”
のリ−ダ−として議員活動は続ける、と述べた。


9月7日現在

メリ−ジャ市長、GILぬきで一からやり直し

PP、PSOEの擁立する候補をやぶり、GIL(ヘスス・ヒル氏の率いる
政党)の後押しをうけメリ−ジャ市長に就任したアベルチャン氏。
しかし、その後GILとの協力体制は決裂、メリ−ジャ議会は混乱が続いていた。

昨日、アベルチャン市長は、PP、PSOEをはじめとする、GIL以外のすべての
政党で協力体制を組むことを提案した。メリ−ジャ議会は全部で25議席。GIL以外
の党を全部あわせると18議席で、絶対的過半数を形成できる。

しかし、アベルチャン氏がこのまま市長を続けることに難色を示している政党も
あり、協力体制の実現は難しそうである。



9月7日現在

4歳児、遊具から落ちて死亡〜アリカンテ

昨日、アリカンテのトレビエハに設置されていた架設遊園地の
遊具から4歳の男の子が落下し、死亡する事故がおきた。

遊具は、回転しながら上下、左右に激しくうごく乗り物で、通常安全バ−によって
乗車者は支えられている。しかし、4歳児の小さな身体はその安全バ−では固定できず
すり抜け、落下てしまった。

この乗り物は子ども単独での乗車はできなくなており、大人の同乗が必要となっている。
死亡した男の子は祖父といっしょにのっていた。警察は、遊園地側の管理ミスと、
同伴していた祖父の不注意の2点から事故の原因を調べている。


9月6日現在

公立病院、患者の記録管理を民間へ委託

社会保険医療システムの一部民営化が検討されているなか、
14の公立病院が患者の記録管理を民間企業に委託する方針を
明らかにした。病院は、マドリッドのドセ・デ・オクトゥブレをはじめ
スペイン各地の10の自治体にわたる。


9月6日現在

プジョ−ル氏対マラガル氏、接戦

10月17日に選挙が予定されているカタル−ニャ州。
現首長のプジョ−ル氏がCIU(カタル−ニャ連合)から再出馬、
対抗するPSC(カタル−ニャ社会党)は元バルセロナ市長の
マラガル氏を擁立している。

各マスコミ等によって行われたアンケ−ト調査によると、PSCの議席増、
CIUの議席減の傾向が明らかになった。
1980年の初当選以来、強力な対立候補がなく、無風選挙ばかりを
通りぬけてきたプジョ−ル氏だが、今回は事情がちがってきているようだ。


9月6日現在

アレックス・クリビジェ、500ccでまた勝利

バイク500ccの世界大会、イモラ・グランプリ(イタリア)でスペインの
アレックス・クリビジェ選手(レプソル・ホンダチ−ム)が見事優勝。
これで、彼は2位に66ポイントの大差をつけ世界ランキング1位の座を維持。
今シ−ズンはまだあと5つの世界グランプリが残っているが、500ccのカテゴリ−で
スペイン人初の世界チャンピオン誕生の期待が高まっている。


9月3日現在

8月の失業者数、3501人増加

ここ6ヶ月減少が続いていた失業者数だが、その傾向も8月でストップとなった。
7月と比べると3501人の増加。ト−タルでおよそ155万4500人。
率にして、9.52%。前月比で失業者は増加したものの、8月の失業率としては
ここ18年以来、最も低い水準となった。


9月3日現在

大雨による洪水で死者〜アビラ

昨日の雨により、国道110号線(ソリア―プラセンシア)の下を流れる
川の水があふれ、アビラ付近で3人の死者がでた。
そのうちの2人は2歳と14ヶ月の幼い兄弟であった。

2人の子供を失ってしまったフェルナンド・アギラルさん(34歳)は、その日
妻とともに家族4人で、自家用車にてバケ−ションに出かけているところだった。
国道110号の橋の部分(真下に川がながれている)であふれる水により進めなく
なってしまった。フェルナンドさんは先に車からおり、子供を車の中から外に
出そうとしたが激しい水のながれに全員がのまれてしまった。
フェルナンドさんと妻は奇跡的に助かったが、2人の幼児は命を失う結果となってしまった。


9月3日現在

不法入国者ら収容所を放火〜メリ−ジャ

メリ−ジャで国境をこえ密入国してきた者たちは一旦収容所へ入れられる。
そこで、本国へ送還されるのか、スペイン本土へ送られるのかの決定を待つ。

昨日未明、その不法入国者収容所がおよそ300人の収容者(おもにアルジェリア国籍)
によって、放火、破壊された。
まず警備員駐在所に投石がなされ、その後暴動は収容所全体にひろがり、
最後には火がつけられた。

直ちに消防、警察が駆けつけ、2人の移民が逮捕された。
建物は破壊されてしまったが怪我人はでていないとのこと。
収容者によると、収容所の警備員が日ごろから彼らに対して暴力的な態度をとっており、
それに対する抗議だという。


9月2日現在

政府も最低年金引き上げ検討

カタル−ニャ、アンダルシアなどの自治州が独自に最低年金額引き上げを決定し、
全国一律の年金制度を唱える中央政府と対立していたが、とうとう政府も最低年金額
引き上げの検討を決定した。

これは昨日持たれたCC OO、UGT、各労働組合との話合いで表明された。
政府は直ちに検討にはいり、来年の総選挙前の実施をめざす。

しかし同時に政府は、独自に年金追加支給を決定したカタル−ニャ州を憲法裁判所へ
訴えることも表明した。


9月2日現在

夏の交通事故死亡者1042人

6月15日から8月31日までのバケ−ション・シ−ズンの交通事故による
死亡者は1042人にのぼった。その他怪我人は1146人、うち616人が
重傷となった。

交通事故死亡者の数は昨年同時期に比べると2.7%減少(昨年は1070死亡)。
カタル−ニャとアンダルシアが事故の最も多かった州となった。


9月2日現在

テレフォニカ、子会社上場、売却により上半期73%の増益

スペイン最大の電信電話会社テレフォニカの今年上半期の利益は
10億2千万ユ−ロ(1697億ペセタ)となり、前年同期比で
73%の増益となった。

事業の中枢である基本電話回線による収益は11.5%減となったが、
子会社TPI(電話番号情報の会社)の株式市場上場、また別の子会社
Temasa(海底ケ−ブルの会社)の売却により大幅な利益増となっている。


9月1日現在

イラン誘拐事件の人質解放

8月14日スペイン人3人を含む5人がイランで誘拐されていたが、昨日全員が
開放された。今日の午後にもテヘランへ到着する。

イラン・スペイン大使館によると、3人の健康状態に問題はない。犯人達は最初から
「殺すつもりはない」と人質に伝えていたため、精神的にも耐えうる状態だったということ。

犯人は麻薬密売組織で人質と引き換えに逮捕されている組織リ−ダ−の開放を要求していた。
スペイン大使館はどのように人質開放が実現したのか、引き換えに組織のリ−ダ−は
開放されたのか、などに付いてはコメントしていない。


9月1日現在

カタル−ニャで年金追加支給決定

昨日、カタル−ニャ政府は最低年金受給者へ追加の年金支給を決定した。
これは、国内一律の年金支給制度という政府の方針に真っ向から対立する。

カタル−ニャの物価上昇率はスペインの国内平均を上回っているため追加の
支給が必要、というのがカタル−ニャ政府、すなわちプジョ−ル首長の意見。
来るカタル−ニャ州選挙で対立候補となるマラガル氏はこの追加年金支給を
「票集めのためのあからさまな“プレゼント”」だと批判している。


9月1日現在

エルト−ル社売却に関する不正調査開始

1991年、エルクルス社は所有していた石油会社エルト−ルをセプシャ社に
売却した。その売買の際に税制上の不正が行われた疑いがあるとして、
汚職担当検察は全国管区裁判所へ訴えた。

この売却が行われた当時、ピケ産業大臣(兼政府スポ−クスマン)は
エルクルス社の役員であったことから、野党から大臣の責任を追及する声が
あがっている。