車椅子で行くスペイン・アンダルシアの旅(10日間) 

前年度に引き続き、東京にお住まいの「どすっこさん」からのご要望を頂き、車椅子で行くスペイン南部・アンダルシアの旅を企画しました。
成田からマドリッドへ入り、車椅子対応の超特急AVEに乗り、一気にセビージャまで南下。
初めてのアンダルシア訪問という事で、ここは外せない主だった町々を訪問しつつも、通常のツアーでは 足を踏み入れる事の無いような地域への冒険も組み込んでの、こだわりの旅となりました。
健常者の参加も交えての、文字通り 「障害の壁を取り去った旅」 です。
その時の日程と旅の感想をご紹介させて頂きます。

皆さんも勇気を出して日本を飛び出してみませんか? 興味や疑問を持たれた方、お問い合わせは下記アドレスへメールでどうぞ!

 

当初、車椅子の方1名と、アシスタントの方1名、健常者2名の計4名で催行の予定でしたが、 出発前に健常者1名が諸事情でキャンセルせざるを得なくなり、計3名での催行となりました。

利用航空会社には、乗り換え時のアシストを約束してもらい、あとは、車椅子ごと持ち上げたり する必要がある時のため、協会文化アドバイザー1名に加えて、現地在住の日本人2名に同行頂きました。

同行頂いた現地在住日本人は、共にプロの通訳ガイドさんで、車椅子のお手伝いだけではなく、 どうしても車椅子でのアクセスに無理がある場所などでは、健常者組みと車椅子組みとに分かれ、 それぞれの組みに彼等プロの通訳ガイドが同行。

これにより参加者全員が詳しい解説を聞きながらの見学を楽しみました。

下記の日程は、その時のおおまかな内容です。

同行案内総責任者はSNJ日西文化協会・会長の古村氏(ネット上でのハンドルネーム:マドリッドのくま

☆1日目

日本から飛行機でロンドン経由にてマドリッドに夜到着。
車椅子対応の専用バスで市内ホテルへ。

マドリッド市内ホテル泊




☆2日目

超特急AVEにてセビージャへ向けて出発。あっという間にマドリッドを後にし、 ラ・マンチャ地方をつっきり、太陽の国、アンダルシアへ突入です。
お昼頃、アンダルシアの都、セビージャに到着です。
まずは市内ホテルにチェックイン。
セビージャでは2日かけて、のんびりと散策です。
昼食のあと、サンタ・クルース地区をお散歩しながら ムリージョの公園からスペイン広場へと、時間を気にする事も無く、気ままな食後の運動です。
スペイン広場の横に新しく出来た観覧車に車椅子ごと乗り込み、空からセビージャの町を見下ろしました。
スペイン広場では、各地方ごとに作られたタイルの装飾がありますが、これを1つ1つ、ゆっくりと 時間をかけて心行くまで見学です。
通常、ツアーでは15分程度の写真ストップのみで通過してしまう広場ですが、やはりゆっくり見たいところです。
見学の後は、皆でアイスクリームを食べながら一服。
そのあと、この日はじっくりと時間をかけてアルカサル一本に絞っての見学です。
アルカサルを堪能したあと、ホテルへ戻って一服。
夕刻はフラメンコ鑑賞に出かけました。

セビージャ市内のホテル泊





☆3日目

ゆっくり朝食を楽しんだあと、引き続きセビージャ散策です。
この日は大聖堂に絞り、内部だけで、じっくり2時間かけての見学です。
ギネスブックにより世界最大規模の大聖堂との指定を受けるこの建物は、 巨大な美術館であり歴史博物館です。
時間を気にせずじっくりと見学したい遺産ですね、、、
昼食を頂いたあと、一旦、ホテルへ戻って休息です。
夕刻、あらためてホテルを出発して、いよいよ闘牛観戦。
古い闘牛場だけに、車椅子での入場は困難な建物ですが、そこをなんとか、、、
'成せば成る、、何事もチャレンジです。
無事、中へ入れてもらい、最高の席を用意してもらっての観戦です。
セビージャの春祭りの時期にあわせての闘牛はいつも最高レベルの闘牛士が勢揃いします。良い経験になりましたね。
夕食を頂いたあと、セビージャの素晴らしい夜景を楽しみながらホテルへ。

セビージャ市内のホテル泊



☆4日目

ゆっくり朝食を楽しんだあと、専用バスにてグラナダへ向けて出発。
道中、トイレ休憩や昼食を挟みながら、のんびり移動です。
15時ごろ、グラナダに到着。 まずはアンダルシア観光のハイライトとも言えるアルハンブラ宮殿の見学です。
アルハンブラ宮殿内部は、その一部が車椅子での観光が可能となっています。
本当は大部分の観光が可能なのですが、介助の方が一人だけの場合、見学出きる範囲が 極端に限られてしまうのです。
今回は同行スタッフ3名の力を合わせて、アルハンブラ宮殿からその傍にある、ヘネラリフェ離宮まで、 庭園も含めて、健常者の観光で訪れる部分のほぼ全てをクリアしました。
同行スタッフさん、お疲れさま!
夕刻、ホテルでゆっくりと骨休めです。

グラナダ市内のホテル泊



☆5日目

いつものごとく、朝はのんびり出発で専用バスにてコルドバへ。
途中、トイレ休憩を挟みながら、延々と広がるオリーブ畑の中を移動してお昼過ぎにコルドバへ到着です。 
着後、まずは腹ごしらえ。
食後、旧大モスク・現在の大聖堂を含むコルドバ旧市街をこれまたじっくりと見学。
通常のツアーでは半時間から1時間以内でその内部を通り過ぎてしまうこの旧大モスクは、 稀に見る多文化融合の結晶とも呼べる人類遺産です。
駆け足で通り過ぎるべきものではありません。
この貴重な歴史の宝庫を時間を気にかけることなく、腰掛けて、休息を入れながら 心行くまで見学してから、次の行動に移りたいものですね。

この日はあえて街中での宿泊を避けて、田舎に宿をとることにしました。
午後は時間的にもゆとりがあったので、翌日の移動距離を少なくするためにも、 それが得策と考え、少しコルドバから北上したあたりでの宿泊としました。
アンダルシアに見渡す限り広がるオリーブ畑の真っ只中にぽつんと一軒、その昔、オリーブ絞りに 使われいた小屋を改装した素敵な宿があります。
今日はここを借り切っての宿泊です。
周囲にはオリーブ以外、何もありません。
静けさの中、暮れ行くテラスで冷たいビールを頂きながら地元のオリーブをおつまみに、 今日一日の出来事について語り合う憩いの一時です。

日が落ちて暗くなると、オリーブの絞り器具などが置いてあるお洒落な食堂でオーナーの 手料理に舌鼓。
見事なお料理でした。どれもこれも美味しかったです。

オリーブ畑の真っ只中の旧オリーブ小屋ホテル泊



☆6日目

ゆったりとした朝食の時間を楽しんだあと、オリーブ小屋ホテルを後にします。
広いオリーブ畑の合間に、赤いアマポーラのお花畑が広がる田舎道を抜けて北上を開始。
アンダルシア地方を通過して、いよいよラ・マンチャ地方に突入です。
  お昼はラ・マンチャの郷土料理を楽しみ、そのあと、静かで落ち着いた町アルマグロに到着。
パラドールにチェックインしたあと、午後はのんびりとアルマグロを散策です。
夜は地元の牧場から直接取り寄せた新鮮なお肉を頂きながら赤ワインで乾杯となりました。

アルマグロのパラドール泊



☆7日目

パラドールでの朝食を楽しんだ後、更に北に向けてホテルを出発。
ラ・マンチャに多く残る風車を見学するために途中、コンスエグラ村に立ち寄ってから、 スペインの古都、トレドへ向かいました。
この日もお天気が良かったので、道中、お肉やイカリング揚げ、生ハムやサラミ、ポテトなどを 仕入れ、パンと飲み物を揃えて、トレドの展望台で青空のもと、ピクニックです。
天然の要塞都市と呼ばれたトレドの町並みを、冷たいビールを頂きながら心行くまでまで 楽しみました。
バスで5分ばかりの写真ストップだけをして立ち去る他のツアーの方々が羨ましそうに 我々のピクニックを見ていましたね(笑)

食事のあと、じっくりと時間をかけて古都の見学です。
石畳の町、坂道の多い町ですが、皆で力を合わせれば、どんな所へでも 車椅子で入って行けるものです。
迷路のように入り組んだこの要塞都市をたっぷりと楽しみました。
見学のあと、バスに戻り、マドリッドへ移動です。

マドリッドに到着後、ホテルにチェックイン。
ずっとスペイン料理を食べてきたあとですから、夜は協会・会長の自宅にて、 手打ちラーメンを頂きました(笑)

マドリッド市内ホテル泊



☆8日目

今日は首都マドリッドの見学です。
まずはプラド美術館を、これまた時間を気にすることなくじっくりと見学しました。
勿論、協会スタッフによる解説付きです。
午前中いっぱい使ってプラド美術館を見学したあと、日本食レストランでお寿司を頂きました。

食後は、ソフィア王妃近代美術館の見学です。
ここでもゆっくりと解説付き見学を楽しんだあと、夕刻、ホテルへ戻り一服です。
今回最後の夜は、中華料理店にて海産物を肴に乾杯しました。
中華を食べに行ったと言う訳ではなく、海産物をエコノミーなお値段で楽しめるお店なのです(^^)

マドリッド市内ホテル泊




☆9日目

13:45 ホテルを出発。
いよいよ帰国です。ロンドン経由で成田へ。
きっとまた近い将来、スペインを再訪することが出来ますように!

機内泊泊

ご帰国後、車椅子利用者のどすっこさんからお便りをいただいています。

くまさん、こんにちは!
まだまだ時差ぼけで、だらだらやっています(^^)
ほんとうにお世話になりました。 来年に向けて、クリアしなくてはならないことが見えてきて、 解決できそうなら、ピレネー越えを是非お願いします。
Yさんいわく、私がスペインにハマッタ理由がわかったと言ってました。
風景や建築もそうだけれど、それを取り巻く人に魅力を感じたようです。
もちろんくまさんや、スタッフのKaikuさん、ジャジャナさんもそうですし、バリアフリーに あたたかい街の人々や、生き生きとして遊ぶ子供がいる広場を持つ国は、 Yさんの気持ちの中にも残ったようでした。
Junjunroseさんと話したのですが、去年の巡礼路の印象が強くて、 セビージャやトレドの大聖堂も感動したのですが、サンティアゴの大聖堂の方が良かったかなと思えるのです。
それは観光客ばかりでなく、巡礼をしてきた人の思いがこもっている場所だからかもしれませんね。
行けども行けども、これでいいと思えないスペイン。
11時間の飛行機も慣れてきましたので、今度こそ体重落として再挑戦します!
くまさんもゆっくりお休みください。
朝のニュースでセビージャの春祭りを放送していました。
スペインの人達、、いつ働くのか心配してます(^^)
では、今日はこの辺で。         

2006年4月6日




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