闘牛の進行の仕方1



[1] 闘牛士の入場

 開始時間(季節によって異なるが4:30〜7:00PM)と同時に、主催者側の長(PRESIDENTE)が、 開始の合図をします。これは普通、白いハンカチで各場面の開始を告げます。 PRESIDENTE(主催者長)のPALCO(ボックス)の真正面にトランペットを吹く人とタンバリンを たたく人が位置し、トランペットとタンバリンの音が各場面の始まりと終わりを表します。

 開始合図と同時にALGUACILILLOという露払い騎士が登場。主催者長に挨拶をし、 闘牛士達を闘牛士の門まで迎えに行きます。

 闘牛士の門が開いて3人の闘牛士(TOREROS)の出現です。向かって右側が3人の中では 一番古い闘牛士左側が二番目、真中が3人の中では一番新しい闘牛士という伝統の順位に 並びます。その後ろに3人の助手(SUBALTERNO)、槍方(PICADOR)2名等と並んで、 主催者ボックスの真下で挨拶をして、その行進(PASEILLO)は終わり、各闘牛士達は 砂場に散ります。

 その後、露払い騎士は、その日の闘牛の入っている密閉牛舎の鍵を主催者側から 受け取り、闘牛の門のところで牛舎の開閉係りの人にその鍵を渡して、再び主催者長に 挨拶をして場内を去ります。砂場では、第一番目の闘牛士が、試合の準備をしています。

[2] 闘牛の出現(SALIDA DE TORO)

 トランペット・タンバリンが鳴って、闘牛の門(TORIL)が開いて闘牛が颯爽と出てきます。 砂場で一旦止まって、右へ左へと頭を動かして、助手たちが振っているカポテ(ケープ) めがけて突進していきます。助手たちは闘牛が突っ込んでくると、TABLA(板)の後ろに 逃げ隠れます。また、別な場所にいる助手がカポテを振って牛を呼びます。闘牛は方向を 変えて突進していきます。

 この間に、闘牛士は闘牛の癖、足は大丈夫か、目はどうかなど、どんな闘牛か判断を します。そして、闘牛士は砂場で、カポテの技に入っていきます。

[3] 槍方(PICADOR)の場

 トランペット・タンバリンの音が響いて、槍方の登場です。闘牛士のあるいは助手の カポテでの誘導があって、闘牛は槍方ののっている馬の右側から攻撃を加えます。槍方は 闘牛が馬に突入してくると同時に、闘牛の肩骨の隆起部に槍を、全体重を乗せてぐいぐいと 突き刺します。間合い、時間などは闘牛士が指示しますが、一応、闘牛規約によって 現在では2回槍を刺すのが義務になっています。

 闘牛の未知の強さを知る為と、力を弱くする為に槍を刺すことになりますが、槍方が 刺し過ぎて、闘牛が弱くなり過ぎてもだめですし、逆に刺さずに強いまま残すと、次の 闘牛士の場に悪影響を及ぼすわけです。非常に難しい場面で、槍方自身の深い闘牛の 知識が要求されます。闘牛の攻撃を受ける馬はプロテクター、目隠し、耳栓などを させられ出来るだけ、無理なく闘牛の攻撃をうけられるようにしてあります。 昔、馬のプロテクターがなかった時代のことを考えるといかに槍方が危険を背負った スター的存在であったかがわかります。 


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