闘牛士の出場契約の形態



 闘牛試合が興行的にある程度採算が合うのは、Novillada(数え4歳牛を使う 見習闘牛士のための試合)、Corrida(数え5歳、6歳牛を使う正闘牛士のための試 合)ということで、興行主、闘牛士、闘牛士マネ―ジャ―の契約の流れを見てみま しょう。Novillero,Toreroの意味の違いは闘牛士の進級(Alternativa)の項を参照してくださ い。

 普通、将来有望なNovillero,実力のあるToreroに対してマネ―ジャ―が付き 興行主との間で試合契約を闘牛士本人にかわってします。試合契約数、どこの闘牛場 で試合をするかは、このマネ―ジャ―の闘牛界での<力>関係が、かなり左右します が、売り物(闘牛士)さえよければどことでも言いなりに契約を結ぶことができま す。不運にもマネ―ジャ―がつかない闘牛士は、本人が直接興行主と契約ということ になります。

@が正規ル―トですが、有名闘牛士になるとAの場合もあります。

 客(観衆)を多く呼べるToreroが、その年の闘牛界をリ―ドします。闘牛界では MANDAR(支配する)と言う言葉を使いますが、上位のTorero がやり安いようにその年の闘牛界を指示できる図式になっています。逆に落ち目の闘 牛士、新人闘牛士は、興行主が与えてくれる試合を契約することになり、残り物の感 があります。ただ、契約試合があり上位に上がる機会があると言うことだけで、満 足しなければいけません。

 マネ―ジャ―と闘牛士は金銭的な関係ですが、その時の契約によって、例え ば年間の報酬の何パ―セントとかを決めます。闘牛士としては、良い試合を上位ラ ンクの闘牛場で、多く契約書を取って欲しいわけで、それが満たされない場合はマネ― ジャ―との契約解除、別のマネ−ジャ−を探すことになります。

 興行主から支払われる契約報酬は、闘牛士に必ず試合前にチェックで渡され ます。所謂前払い制度で、闘牛試合が始まって何が起こるか分からないということで 取りはぐれのないようになっています。生死を賭ける職業としては当たり前なのかも 知れません。あくまでも、正規ル―トの話をしましたが、闘牛界も他の世界と同じ ように陰の部分が存在します。報酬をもらわずに出場、金を払って出場などといった ケ―スもあります。この件に関しては闘牛牧場も同じことが言えます。人気商売の ため、芸能界と同じと考えれば想像がつくものと思います。


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