闘牛場

闘牛場　

　かって、闘牛場は街の公的な大広場で、仮設の柵を設けて催されたのはご存知だとおもいます。１８世紀初頭になって、闘牛を催すための闘牛場建設が始まりました。初期の頃は、木製、後に粗石積み闘牛場へと変わっていきました。 Madrid（マドリッド）,Bejar（ベハル）,Sevilla（セビ－ジャ）,Ronda（ロンダ）,Granada（グラナダ）,Aranjuez（アランフェス）,Almaden（アルマデン）等に出現した闘牛場は、他の都市にも影響を及ぼし、闘牛場建設の大波は拡大の一歩をとりました。

　一般的には、皆似通った闘牛場で、木柵により、砂場と通路(Callejon)と観客席に分離され、砂場は平らで円形であり、直径Mと決められ、闘牛を行うところは、周囲より少し硬く用意されています．砂場が円形であると言うことは、長い間の闘牛に関する経験によって得た形lということになります。未だ、伝統的にPlaza Mayor（マヨ－ル広場）を使って闘牛を行う所も存在しています。Chinchon（チンチョン）、Colmenar de Oreja（コルメナル・デ・オレハ）、Tarazona de la Mancha（タラソナ・デ・ラ・マンチャ）、Peñafiel（ペニャフィエル）、Algemesi（アルヘメシ）、Turegano（トゥレガノ）, Tembleque(テンブレケ）......等の街の名は聞いたことがあるとおもいます。ラ　マンチャ地方にあるLas Virtudes de Santa Cruz de Mudela（ラス・ビルトゥデス・デ・サンタ・クルス・デ・ムデラ）の闘牛場は、横にErmita(庵）があって、原始的な闘牛がいかに催されたかを知るのに良い例の一つです。

　闘牛場はReglamento de Espectaculos Taurinos(闘牛興行規約）によって、カテゴリ－（級）に分かれます。

第一級闘牛場
Madrid（マドリッド）,Sevilla（セビ－ジャ）,Barcelona（バルセロナ）,Valencia（バレンシア）,Zaragoza（サラゴサ）,Bilbao（ビルバオ）,San Sebastian（サン・セバスティアン）

第二級闘牛場
各県庁所在地闘牛場とAlgeciras（アルヘシラス）,Aranjuez（アランフェス）,Calatayud（カラタジュ）,Gijon（ヒホン）,Jerez de la Frontera（ヘレス・デ・ラ・フロンテラ）,Linares（リナレス）,Merida（メリダ）,El Puerto de Santa Maria（プエルト・デ・サンタ・マリア）

第三級闘牛場
上記に属さない闘牛場

　尚、各級闘牛場でも催される闘牛(Corrida de Toros)の牛の最低Kgがきめられています。第一級、４６０ Kg,第二級、４３５Kg,第三級４１０Kg以上となりますが、Novilladaは、別の規定があります。

　砂場の二本の同心円は、槍方の場面で、槍方と闘牛間の最低距離をきめたものですが、これは、１９５９年４月に闘牛士、牧場主であったDomingo Ortega（ドミンゴ・オルテガ）の要請により、闘牛の野性さ、勇敢さを見るために規定したものです。

　スペインでは、４００を越える闘牛場がありますが、観客収容人数の大きいのをかかげると，マドリッド２３８００人、バルセロナ(Monumental) ２２０００あるいは１８０００人、アリカンテ１５０００人、セビ－ジャ１３０００人、ムルシア１８０００人、バレンシア１６０００人、プエルト・デ・サンタ・マリア１５０００0人、となりますが、数字は参考する資料によって、異なり実数は各闘牛場に問い合わせないと分かりません。ここでは大体ということにしておきます。

　スペイン外での闘牛を興行している国を, 挙げてみましょう。特に中南米はスペイン植民地として、闘牛がそのまま受け継がれたところです。メキシコではメキシコ・シティのモヌメンタル闘牛場は世界一、４万人の観客を収容できます。Monterrey（モンテレイ）,Guadalajara（グアダラハラ）,Merida（メリダ）,etc.,に闘牛場があります。ベネズエラでは、Caracas（カラカス）,Valencia（バレンシア）,Maracaibo（マラカイボ）,Maracay（マラカイ） etc,コロンビアでは、 Bogota（ボゴタ）,Cali（カリ）,Medellin（メデジン）,Cartajena de India（カルタヘナ・デ・インディア）,ペル－のLima（リマ）,エクアドルのQuito（キト）などの名がしられています。

隣国ポルトガルでは５０近くの闘牛場がありますが、Arena(砂場）で牛の死を与えることは禁止されているため、徒歩闘牛(A Pie)より、騎馬闘牛 (Rejoneo)の方が催行数が多くなっています。 Lisboa（リスボン）,Evora（エボラ）,Leiria（レイリア）,Nazare（ナザレ）,Poralegre（ポルタレグレ）,Santarem（サンタレム）,Alges（アルジェス）,Reguengos de Monsaraz（レゲンゴス・デ・モンサラ）等に闘牛場があります。

フランスでは、南部、スペインと接した所で,闘牛が行われ,一番有名なのはNimes（ニ－ム）です。NimesとArles（アルル）はロ－マの円形闘技場を改築利用しています。その他、Bayona（バ－ヨン）,Beziers（ベジエル－）,Marsella（マルセイユ）,Beancaire（ベアンケ－ル）,Perpignan（ペルピニョン）等があります。