スペインでの公式戦も総て終わり、一部の闘牛士を除いて、来春までのつかの間の休息の時期に入りました。今年の闘牛興行数だけあげてみますと、1998年に比べて
減っているようです。 CORRIDA DE TOROS 941 回 (1998年−958回) NOVILLADAS CON PICADORES 629 回 (1998年−738回) その他、REJONEO、NOVILLADA SIN PICADORESは上記に含めていません。 成績ランキング上位10人をあげてみます。 EL JULI 135試合-280耳数 ENRIQUE PONCE 108-175 EL CORDOBES 96-161 RIVERA ORDOÑEZ 81-72 MIGUEL ABELLAN 72-90 PEPIN LIRIA 71-103 MANUEL CABALLERO 69-103 VICENTE BARRERA 68-83 ESPARTACO 68-78 LITRI 65-47結果を見ると,矢張り今年は、EL JULI 旋風でした。1960年代の MANUEL BENITEZ(EL CORDOBEZ)がどの闘牛場も超満員にした時代から、久し振りに闘牛界に客 を呼べるスタ−の出現が、今年最大の話題です。前人の記録を破ることはできませ んでしたが、30年振りの興行主にとってはボ−ナスの年になったようです。来年も 暫くは、EL JULI で続きそうですが、マネ−ジャ−、本人達は、年間の試合数、7 0-80に押さえたい意向です。 1999年は、LITRI、TOMAS CAMPUZANO、CRISTINAの引退、2000年RINCON、JESULIN 等の休息が発表さ れています。ESPARTACOが復帰しかなりの成績をあげています。 今年の闘牛界NO.1 は誰か、これは JOSE TOMAS 以外に見当たりませ ん。試合数の問題ということではなく、TOREO の問題になります。数年ずっと100試 合以上をこなすENRIQUE PONCEも、もう歴史上の闘牛士にランクされてもいい筈で す。若手MIGUEL ABELLAN、MORANTE、EUGENIO DE MORA、DAVILA MIURAが育ってきていま す。2000年の闘牛開幕ももうすぐです。 (11月22日) |
10月に入って、闘牛も最終コ−ナ−です。大きなお祭りは、サラゴサのピラ−ル祭、
ハエンのサン・ル−カス祭を残すのみと成りました。新大陸では月末から闘牛が開
始されます。ペル−のリマの祭りからシ−ズンがスタ−トします。
今年は例年になく闘牛士の引退がおおい年でした。Jesulin de Ubrique(ヘスリン・デ・ウブリケ)、 Litri(リトゥリ)、Tomas Campuzano(トマス・カンプサノ)、Cesar Rincon(セサル・リンコン)、Cristina Sanchez(クリスティ−ナ・サンチェス)、Sergio Sanchez(セルヒオ・サンチェス) らが引退を発表しまし た。Jesulin de Ubrique, Cesar Rincon は一時的なもので近い将来復帰するでしょ う。Litri は31歳という歳を考えると、まだ十分な復帰がかんがえられます。 ちなみに彼は、1001 試合の闘牛をしました。Cristina は結婚という ことをかんがえると、非常に難しいでしょう。闘牛界のマチズムのなかで再び戦うの は大変なことです。Sergio は 髷を切りました。正式な引退です。 (10月5日) |
闘牛士、モランテ・デ・ラ・プエブラ(Morante de la Puebla)は、9月10日(金)San Martin de
Valdeiglesia(マドリッド) で腰骨第三脊椎骨折のため、今期闘牛終了を発表、マドリッド秋季闘牛祭(Madrid Feria de Otono)は出場不可となりました。 エル・フリ(El Juli) は8月30日の角傷も回復、9月16日、Cazorla(Jaen/ハエン)より復帰戦です。 (9月15日) |
Zaragoza(サラゴサ)のピラ−ル祭、今年は10月9日(土曜日)から17日(日曜
日)まで、8 Corrida de Toros と 1 Rejoneo と決まりました。出場メンバ−は
未だ発表になっていません。 Madrid の最終闘牛は10月24日、Novilladaとなりまし た。Barcelona は9月19日、26日が最終になります。Valencia は10月9日、10日、 Sevilla は、10月12日が最終です。 (9月13日) |
9月3日、Feria de Otoño(マドリッド秋闘牛祭)の出場メンバ−の発表がありまし
た。5回のCorrida de Toros、1回のNovillada、1回のRejoneo、計7回の興行です。8月
Ventas の闘牛場をPuerta Grande(大門)で出た、Frascueloが出場切符をてにいれ久
振りのFeriaです。ベテランEspla(San Isidro祭不出場)も往年の組み合わせ、
Victorino Martin牧場の闘牛です。一番良い組み合わせは、10月2日です。
Vicente Barrera がSan Isidro祭で、2度目の出場が、怪我でできず、今回は雪辱
戦、やる気満々です。10月12日Torera,Cristina Sanchezがマドリッドサヨナラ興行
です。有終の美を飾って欲しいものです。
10月1日 (Novillada) ― Fernando Robreno, Antonio Barea, El Fandi (9月4日) |
エル・フリ(El Juli)は、昨日8月30日、リオハのCalahorra(カラオラ)で闘牛試合中、Valdeolivas牧場の闘牛の角傷を右足大腿四頭筋に負い重症。15−20日間の入院となりました。よってEl Juli が挑戦していた8月最高試合数は,今日一日を残して達成できたのかどうかの確認がとれていません。今日はValencia県のRequena(レケナ)という町で試合が予定されていました。20試合近く不出場と言うことで年間最高出場試合数も望みが断たれました。ファンの方々,闘牛界にとっても残念なことです。
(8月31日) |
Madrid Feria de Otono(マドリッド秋闘牛祭)の日付けが決まりました。10月1,
2,3,8,9,10日で4回のCorrida de Toros,1回のRejoneo,1回のNovilladaで闘牛士
の名前はまだ決まっていません。闘牛牧場では、Victorino Martinが決まっていま
す。 Torero-Cesar Rincon (セサル・リンコン)が8月16日に、2000年シ−ズンは、1年の休息をすると発表しました。-----8月17日付け EL MUNDO紙 (8月18日) |
8月から9月中旬までは、スペイン中何処へ行ってもお祭りだらけ、闘牛だら
け、Encierro(牛追い)は、パンプロ−ナ(サン・フェルミン祭)のパテントだと
思ったら大間違い、カスティジャ地方何処の村、町のお祭りでも流行っています。 この夏の闘牛界の体制はあまり変化なし、昨年からの、El Juli(Julian López)旋風 は、留まる所を知らず、El Juliを一目見ようと田舎のおばさん、おじさん達が闘牛場 へと足を運び、彼の出場する闘牛場は、連日満員御礼、興行的には救世主的存在で す。彼も期待を裏切らず、16歳の好少年、愚痴も言わずひたすら闘牛をしています。 このEl Juli旋風は今年も暫くは続きそうです。闘牛回数を重ねる毎に、彼の闘牛も 良くなっていくことでしょう。他の誰よりも闘牛技(わざ)を知り、観客前で披露し てくれています。これも観客に好かれる一因なのでしょう。今の所、大きな角傷事故 もなく、順調と言えば,順調過ぎるぐらいのペ−スです。闘牛ランキングは、もちろ んトップ、牛の耳の数,出場回数とも群を抜いています。今月、8月中には、100回出 場を越えて、Jesulin de Ubriqueの持つ一シ−ズン最高出場記録158回を破りそうな 勢いです。8月は、30年来破られたことのない、El Cordobés(Manuel Benitez)の記 録、8月32回闘牛を破り、33回に挑戦中、事故さえなければ、記録は塗り替えられそ うです。何はともあれ、El Juliの1999年シ−ズンです。 他は、相変わらずの、Enrique Ponce、そしてJosé Tomásがサン イシドロ祭以降絶好調、連日新聞の闘牛コ−ナ−を賑せています。ラ・コル−ニァの闘牛祭でMiguel Rodríquezが角傷で重症です。月末には、マドリッド郊外、San Sebastian de Los Reyes、Colmenar Viejoのお 祭りです。1985年8月30日Colmenar Viejoで心臓を一突きされ昇天した、21歳の闘牛士、Yiyo(José Cubero)のことが思い出されます。 (8月17日) |
マドリッド、サン・イシドロ闘牛祭はホセ・トマスが最優秀闘牛士。3年連続というのも大変なことです。エンリケ・ポンセはギリギリで耳一枚の演戯があり、今年も安泰です。この2人はまちがいなく、どこの有名なお祭りにも出場することでしょう。サン・イシドロ祭を避けたエル・フリも順調。この3人が今後の闘牛試合の主役となりそうですが、後半にまだ誰かか出てくる余地はあります。
6月も末になるとスペイン国中いたるところでお祭りが始まります。代表的な都市の闘牛際を挙げてみますと、
“牛追い祭り”で有名になったパンプロ−ナの祭りは恒例のように7月6日〜14日まであり、その日に闘牛試合に使われる牛が毎朝8時に市役所の横の牛舎から闘牛場まで約800メ−トル追われます。
その間は、問題がなければ5分、事故があれば10分というところです。毎年数十人の怪我人がで、牛の角にかけられて死者が出ることもあります。“当局は一切関知しません”の言葉通り、人が死んでも祭りは何百年と続いています。ヘミングウェイの小説に出てくることもあってアメリカ人の旅行者も多いのがこの祭りです。 (6月15日) |
中間地点を過ぎて、まだ波乱含みの闘牛祭ですが、今年はホセ・トマスの一人舞台の年になりそうです。 5月18日耳を2枚もぎ取って、プエルタ・グランデ。26日は剣さえ失敗しなければ再度のプエルタ・グランデだったのですが、惜しくも耳は1枚。マドリッドの観衆はホセ・トマスの話のみ。他のトレロ(闘牛士)がでても義理の拍手しかせず、雰囲気は冷たくホセ・トマス以外は燃え上がらない状態です。6月1日にもう1回の出場が予定されていますが5月26日の剣の失敗で右ひじを痛めたらしくひょっとすると休場になるかもしれません。6月17日の慈善興行試合には大丈夫でしょうが。 サン・イシドロ祭開始直前セビ−ジャのフェリアで調子が悪かったヘスリン・デ・ウブリケが急きょ引退を表明、怪我で出場を危ぶまれていたモランテ・デ・ラ・プエブラが前半休場。その穴に5月9日、サン・イシドロ祭前闘牛で耳を獲得したエル・ボテが出場、5月17日再度耳を獲得する幸運に恵まれました。 喜ばしいのはビセンテ・バレラが5月20日出場、剣の失敗で耳は逃したものの、数年かかってやっとマドリ−ドの観衆からオ−レの拍手をもらいました。 エンリケ・ポンセは2度の出場でしたが、長年の彼の闘牛の仕方があきられてか、拍手もなく、マドリ−ドの観衆にソッポを向かれています。しかしあと1試合残っていますので、名誉挽回となるか。 後半になって、エル・コルドベス、リトゥリ等の常時上位闘牛士が出てきます。誰がホセ・トマスに近づくか興味あります。 (5月28日) |
カステジョン
南米の巡業から乗りに乗ったエル・フリ(フリアン・ロペス)が計2回のプエルタ・グランデで最優秀闘牛士に選ばれました。 バレンシアの火祭り
地元、エンリケ・ポンセが再々度最優秀闘牛士となり幕がおりましたが、エル・フリはバレンシアを無難に消化し、エスパルタコは復調、プエルタ・グランデ。 闘牛界もポンセ、エル・コルドベス、リベラ、ヘスリン等を中心とした年令層が安定してきています。若手はなんといっても今年の台風の目はエル・フリです。16歳という若さが気になりますが、スタ−を求めている闘牛界の救い手になるか。厳しい批判、批評も出はじめてきています。まあ、もう少し待ちましょう。 (3月23日) |
SAN ISIDROのCARTEL(組合せ、出場メンバ−)は4月9日に締切りですが、
エンリケ・ポンセ、ホセ・トマスは2試合確実で、ポンセは同時期のPRENSA
(プレス)闘牛にも出場とのこと。今年の注目の的、エル・フリ(フリアン・
ロペス)は予想通りSAN ISIDROには出場しないことが伝わっています。
世界一カテゴリ−の高いVENTASの闘牛場で見せ場をつくらなければ(すなわち
失敗)、その後の彼の契約にもかなり影響してきます。16歳と若い
エル・フリにとってはまだまだ不安がつきまとっています。マネ−ジャ−
(ビクトリアノ・バレンシア)は機会はまだまだあるとみて安全策を取ったようです。
破竹の勢いですが、つまづいた時の不安はまだ残っています。将来性ある闘牛士をつぶすのは
もったいないというところでしょうか。
暫くクロ−ズして使われなかったマドリ−ドの第2の闘牛場VISTA ALEGRE(CARABANCHEL)が装いも改に、屋根付で5月には完成。ただ、たまたまSAN ISIDRO祭と重なるため、オ−プニングは6月中旬になる様子です。 60年代はOPORTUNIDADといって無名闘牛士を育て、有名なエル・コルドベス、パロモ・リナレス などを生み出した闘牛場でもあります。OPORTUNIDADとは闘牛試合のチャンスのない無名闘牛士にもチャンスを与える興行で、かなり成功を収めた時期がありました。ちなみにランクは第2カテゴリ−です。 (3月22日) |
「スペインなんでも情報リアルタイム」に記載のすべての事項に関して無断転載を禁じます。