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1月31日(金)

バルセロナ駐車場連続殺人事件の容疑者逮捕

バルセロナのプチェ地区にある立体駐車場で今月11日と22日に起こった2件の殺人事件の容疑者として、昨日警察はフアン・ホセ・ペレス・ランヘル容疑者、24歳を逮捕した。犯人は前科はないが現在失業中で警察は殺人の動機を金目当てと見る一方で、殺害の仕方が凶悪だったためその他の可能性も捨ててはいないが、共犯がいたとの見解はすでに却下、ペレス・ランヘル容疑者が単独で及んだ犯行だと見ている。警察は逮捕後容疑者を拘留できる72時間でさらなる証拠を発見すべく、捜査を急いでいる。
容疑者は昨年4月と5月にこの立体駐車場に自分のオートバイの駐車スペ−スを借りていたことから、現場についてはよく知っていたと思われる。検死の結果、2人の被害者はどちらも同じ鈍器で撲殺されたと推定されており、2人とも携帯電話、財布を盗まれていたが、宝石、時計類は盗まれていなかった。最初の被害者の口座から事件後300ユーロが引き出されており、その後被害者の夫に犯人の情報提供と引き換えに2000ユーロを要求する電話があった。夫は2000ユーロを用意し、約束の場所に向かったが、情報提供者は現れなかった。今回の逮捕の決め手となったのは、この待ち合わせ場所となったショッピングセンターの防犯カメラに写っていた人物が、300ユーロが引き出された2分後にATM機のある駅のカメラに写っていた人物と同一人物だったためで、警察はペレス・ランヘル容疑者の尾行を開始、容疑者の指紋がついたコップをバルで回収し、ATM機に詰まっていた最初の容疑者のクレジットカードについていた指紋とすでに照合していた。
事件後、この駐車場の入り口では私服警官が中に入る人間の身分を紹介するようになっていたが、今回の犯人逮捕により住民の間に広がっていた不安はひとまず解消された。容疑者は物静かな青年として近所では知られており、彼を知る人々は凶悪事件の犯人としての彼の逮捕の知らせに対し、一様に驚きの表情を示した。

モロッコ、スペイン外交危機脱出へ

モロッコとスペインの間で15ヶ月前に始まった外交危機は昨日、一旦終結した。昨日モロッコのアガディールにある王宮で行われた両国の会見で、モロッコの国王モハメド六世とモハメド・ベナイサ外務大臣はスペインのアナ・パラシオ外務大臣と数日以内にそれぞれの大使を赴任地に戻すことで合意した。
今回の外交危機は、まずモロッコのモハメド六世が自国の駐スペイン大使を召還したことに始まり、数ヵ月後モロッコによるペレヒル島占拠により、スペイン政府もラバトの駐モロッコ大使を召喚、両国で大使不在の状態が続いていた。

イラク攻撃をめぐり、ヨーロッパ諸国内で意見の相違

アメリカ合衆国のイラク攻撃を支持すると公式の書簡にヨーロッパ9カ国-スペイン、イギリス、イタリア、ポルトガル、ハンガリー、デンマーク、ポーランド、スロバキア、チェコ-が署名したことにより、ヨーロッパ諸国内での亀裂が深まっている。この書簡の作成はアメリカ政府が提案し、アスナル首相が草案作成を引き受けたといわれており、現在EU議長国のギリシャはアスナル首相のとった行動がEUという枠を逸脱、一丸となってヨーロッパ全体で問題に立ち向かう妨害をしているとし、ドイツ、オーストリアは“失望”を表明している。このEU諸国内での意見の相違は欧州議会での採決結果如実に表れている。採決により、イラクを攻撃するには国連の新たな決議が必要である、つまりEUは一方的なイラクへの攻撃を拒否することが決定したが、これは賛成287対反対209、棄権26という薄氷の差での決定であった。
昨日はブレア・イギリス首相とアスナル首相の会談がマドリッドで行われ、国連の決議があろうとなかろうとアメリカ政府の決定を支持することを確認している。

フラガ氏、演説中にめまい

ガリシア州政府知事マヌエル・フラガ氏は昨日、マドリッドで開かれているFitur(国際ツーリズム見本市)で、プレステージ事故による被害の最も大きいCosta da Morteの良さについて演説している途中、目まいを訴えた。フラガ氏は意識を失うにはいたらず、会場の隅で飲み物と食べ物を少しとって元気を回復し、Fitur見学という昨日の予定の続きを終了させた。その後、医師である娘の勧めでマドリッド市内の病院で心電図検査、エコー検査を受けたが、異常は見つからなかった。マヌエル・フラガ氏は現在80歳。

カナリアス、エクストレマドゥラ州を除くスペイン全自治州に悪天候による注意報

雪、雨、強風の予報により、カナリアス州、エクスとマドゥラ州を除くスペイン自治州に注意が呼びかけられている。注意報が出ている地域では雪だけでなく、ところによっては風速120キロにもなる強風の吹く恐れもある。昨日はスペイン北部の30以上の峠でチェーンの使用が義務付けられ、パレンシア県とブルゴス県では89の村が雪のため孤立、一時停電となった。多くの州で今日がこの冬一番の寒さとなりそうだが、明日は天気は回復に向かう見通し。

スペイン、ハンドボール世界選手権準決勝進出

昨日、スペイン代表チームは予選リーグ第2ラウンドでアイスランドと対戦、32-31で辛くも勝利。前日、カタールに40-15で快勝していたスペインチームは勝ち点6でグループ1のトップとなり準決勝進出を決めた。明日、グループ3をトップで通過したクロアチアとの対戦が行われ、もし決勝に進出できればフランス対ドイツの勝者と対戦することになる。

ファン・ハール監督の後任にアンティッチ氏

チーム不振により解任されたFCバルセロナのファン・ハール氏の後任がセルビア人のラドミール・アンティッチ氏に決定した。これは、今朝ジョアン・ガスパール会長と行われた会談で決定したもので、アンティッチ氏はシーズン終了までチームの監督を務めることになった。


1月30日(木)

雪と強風により11自治州に警戒呼びかけ

昨日の午後、ブルゴスを襲った大雪により、スペイン北部へ向かう主要幹線道路であるN-TとA-Tで最高40キロにわたる大規模な渋滞が起こった。強い寒さにより、道路の雪が凍結、事故の多発を防ぐため、昨日はセゴビア県とバスク州ではブルゴス方面への夜間トラックの通行が禁止された。
国立気象協会の予報により、ナバラ、ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、バスク、ラ・リオハ、カタルニャ、アラゴン、カスティジャ・イ・レオン、カスティジャ・ラ・マンチャとバレアレスの11の自治州で警戒が呼びかけられており、この大雪は強風を伴い、強いところでは最大風速100キロを越すところもある見込み。

スペインとモロッコの外相、今日会談

モロッコ国王が1年の大部分を過ごす町、モロッコ南部海岸沿いにあるアガディールで今日、スペインのアナ・パラシオ外務大臣とモロッコのモハメッド・ベナイサ外務大臣が会談を行う。この会談では2001年4月のモロッコとEUの漁業交渉決裂以来悪化しているスペインとモロッコの関係改善の一角として、本国に呼び戻されているスペインのフェルナンド・アリアス-サルガド大使、モロッコのアブデサラム・バラカ大使をそれぞれラバト、マドリッドへ再び赴任させることについて話し合われる予定。両外相の会談は7月にモロッコの首都ラバト、12月にスペインの首都マドリッドで行われて以来これで3度目となる。

沈没したプレステージの亀裂処理順調に進む

昨日、プレステージ事故の政府の諮問機関である科学委員会の発表したところによると、ガリシア沖130マイルの海底に沈んでいる石油タンカープレステージにあいている亀裂20のうちすでに13が塞がれ、現在タンカーから流出している石油の量は一日2トンに減ったという。フランスの潜水艦ノーティルによる作業が開始される以前の12月中旬には一日当たり125トンが流出していたが、この量は1月初めには80トンに減少、現在は20ある亀裂のうち13が完全に塞がれ、3つがほぼ塞がれ、1つが部分的に塞がれている状態で、委員会では2月中旬にはすべての作業が終了すると見ている。
しかし、数日前にこの委員会がホームページで発表したように、このまま放っておくと海底の船は23から40年以内に海中の酸素と二酸化炭素の作用によって壊れ、内部の石油が再び流出する恐れがあるため、潜水艦による作業が終了した後、委員会は沈没した船のその後の処理について国際委員会で発表することになっている。

ガウディ・イヤー、公式に終了

昨日、バルセロナ市役所でガウディ・イヤーの終了式が行われた。モデルニスモを代表する建築家アントニオ・ガウディの生誕150周年を記念して、バルセロナを中心にカタルニャ州全体で50の市町村が参加して2002年に通年で行われたこの催しを、関係者は「バルセロナオリンピック以来の国際的イベント」と評している。期間中にバルセロナで行われた催し物とガウディの建築物を訪れた人の数は580万人(入場が有料だった催し物、モニュメントのみの数字)と予想の5倍の人数となった。
最も入場者が多かったのは、マドリッドとバルセロナで開催された“Universo Gaudi”で30.2万人、続いて“Gaudi, Arte y Diseno”(217,894人)、“Gaudi. La busqueda de la forma”(15.5万人)となっている。また、サグラダ・ファミリア教会入場者は前年より50万人多い2,024,091人、ラ・ペドレラにも961,415人(2001年の入場者766,891人)が訪れた。ガウディ・イヤーによりこれらのモニュメントは3950万ユーロの入場料収入を上げており、前年比21%から50%の収入増となった。
直接計算することのできないこのガウディ・イヤーによる国際的宣伝効果も絶大で、ガウディの建築物すべてがユネスコの世界遺産に登録されるための運動が始められた。

Fitur開幕(マドリッド)

第23回Feria Internacional de Turismo(国際ツーリズム見本市)、Fiturが昨日マドリッドで開幕した。170カ国から9970の観光局、旅行会社(前年比406増)が参加するこの見本市の開幕式には、スペイン国王夫妻も出席、開幕演説で国王は特に観光地としてのガリシア地方の価値について強調、また同様に深刻なプレステージ事故による被害を受けているカンタブリア地方についても言及された。
昨年の入場者数は一昨年よりほぼ1万人多い94800人だった。見本市は金曜日までは旅行業界関係者にだけ開かれ、週末は一般開放される。

フェリペ王子、35歳の誕生日

スペイン王室王位継承権第一位であるフェリペ王子は今日35歳の誕生日を迎える。マスコミからは王子の結婚問題についての質問が相次いだが、アメリカ人女優のグゥイネス・パルトローさんとの噂もあった王子は「心からその人を愛していると感じたら結婚するつもりです。2人の関係が誠実で深いものとなれば、家庭を築くでしょう。」とお答えになった。


1月29日(水)

アスナル首相、国会で対イラク攻撃に関する政府の方針説明へ

アスナル首相とブッシュ大統領の間で12月18日に会談が持たれて以来、諸野党から出頭が求められていたアスナル首相は、いまだに自国の国会でイラク攻撃に関する政府の方針説明を行っていないEU諸国内唯一の国家元首である。そのアスナル首相がようやく、来週の水曜日、2月5日に国会の答弁席に立つことを決めた。明日にはアスナル首相とブレア・イギリス首相との会談が予定されており、ブレア首相はその後31日にアメリカを訪問、ブッシュ大統領と会談することになっている。
1991年(与党PSOE-社労党)の湾岸戦争においてスペイン政府がイラクに対する武力行使を支持したときは、当時の外相フランシスコ・フェルナンド・オルドニェス氏が首相に代わって国会で政府の方針説明を行い、IU(統一左翼)を除くすぺての政党がクウェート解放のための武力行使を支持していた。今回のイラクへの武力行使に関して首相からの説明が遅れたことについて、政府は「報告すべき事項が十分揃っていなかったため」であるとしており、またすでにアナ・パラシオ外相を通して一度政府の姿勢は表明していると述べている。パラシオ大臣はアスナル首相の国会答弁に先立って金曜日に再び首相に代わって政府の方針を説明する予定。

公衆電話荒らしのルーマニア人グループ、逮捕者77名

昨年の12月に警察が開始した“ブロカ作戦”により、バルセロナ、バレンシア、カステジョン、マラガ、バジャドリッドで77人が逮捕されたことを昨日警視庁が明らかにした。これはルーマニア人の大規模な公衆電話荒らしのグループで、被害にあった公衆電話はおよそ10万台、電話会社テレフォニカの被害額は2500万ユーロに上ると見られる。
一つの窃盗団は3人から6人のグループで構成されており、彼らはまず数枚のコインを投入し、電話機内にコインが一杯にたまっているかを確認した後電話機の上部にドリルで穴を開け、そこから鉤状に曲げた針金を差し込んで防犯装置を解除、横についている鍵を開けてから、テレフォニカの集金人から入手した本物の鍵、またはフォード社の車の鍵を使って集金箱を開けていた。犯罪に気づかれないよう、ドリルの穴は粘土でその後埋められていた。公衆電話を1回開けるごとに盗まれていたコインは800〜1000枚になったという。彼らは盗んだ金の一部をグループの資金にし、残りは祖国に送っていた。

OT2優勝者をめぐる論争

月曜にOT(オペラシオン・トリウンフォ)第二段の最終選考が行われ、900万人以上が視聴した。32.9%の得票率で優勝したのはアイノアさん(22歳)で、VALEミュージックと12万ユーロで契約、レコードデビューが決定したが、彼女がバスク地方ビスカヤ県出身であることから論争が起こっている。
現在裁判所の命令で活動を停止されているバタスナ党のアルナルド・オテギ氏はアイノアさんの優勝は、OT放送テレビ局TVEによって仕組まれたものであると昨日発言した。オテギ氏は、アイノアさんの優勝には不自然な点があり、これはユーロビジョンにスペインの代表として出るアイノアさんをバスク人社会が応援することにより、バスク人社会にスペインを応援させようという与党PP(国民党)の陰謀だと非難している。またアイノアさんの出身地であるビスカヤ県ガルダカノの市長(PNV-バスク民族党所属)も、オテギ氏にアイノアさんが優勝したことを素直に認めるよう諭しながらも、「民族主義者としては、アイノアさんがエウスカディ(バスク)代表としてユーロビジョンに出てくれればと思う。」と述べている。
OT2の優勝者と準優勝者、3位の3人に対して昨日行われた記者会見では、アイノアさんにこれらの民族主義発言に対する意見を求める記者もいたが、彼女は「私は政治には無関心で、ここには音楽が好きで来ているだけです。」と繰り返した。

『クレヨンしんちゃん』へ未成年擁護委員からクレーム

現在テレマドリッドで放送中の人気アニメ番組『クレヨンしんちゃん』(スペインでのタイトルは“Shin Chan”)に対して寄せられた視聴者の苦情が、新聞『20minutos』に届いた読者の手紙と共に未成年擁護委員によって集められ、マドリッド州視聴覚委員会を動かした。今日、委員会特別会議が開かれ、この番組が子供に対してふさわしいかどうかが検討される。
すでにテレマドリッドでは、未成年擁護委員ペドロ・ヌニェス・モルガデス氏の勧めに従って、各放送分の内容チェックを行うと発表している。ヌニェス・モルガデス氏は、このアニメの主人公しんちゃんが “女好きで、すぐに局部を露出する上、男尊女卑発言もあり、年齢に相応しくない行動をとっている”とし、父親は“精神的に幼稚”、母親は“買い物魔で夫に完全に従属”で、子供の精神的発育によくない影響を与えるとし、この番組の内容、放送時間について討論するための、テレビ局、視聴者団体、広告主によるフォーラムの開催を提案している。


1月28日(火)

AVE、マドリッド-ジェイダ開通へ

1999年から政府は2002年12月にAVEマドリッド-ジェイダの営業を開始すると繰り返していたが、12月は何も起こらないまま終わってしまった。そして昨日、アルバレス-カスコス勧業大臣は、数週間以内にAVE、Alsthom、Altaria、Talgoの車両を使って“プロモーションとして”運行を開始することを発表した。現在AVEサラゴサ駅(Delicias駅)の工事が3交代制で急ピッチで進められており、この駅の一部が完成する3月初めには運行が開始される見込み。このAVEの開通により、マドリッド-サラゴサ間はノンストップだと1時間45分、マドリッド-ジェイダ間は2時間40分で結ばれることになる。
この路線で使用される予定の新車両、Talgo-BombardierとSiemensが運行するのは早くとも今年度末になる見込みで、2002年の12月までに運行を開始できなかった理由については昨日、政府からも勧業省からも説明されることはなかった。

バルサのファン・ハール監督、解雇

スペインサッカー一部リーグ、FCバルセロナのオランダ人監督ルイス・ファン・ハール氏の解雇が決定的となった。成績不振が続くバルサは昨日、臨時取締役会議を開き、これに監督も出席、契約破棄のための条件についての合意を早急かつ友好的にチームと監督の間で探ることになり、今朝両者が契約破棄条件について合意に達したと監督が記者会見で発表した。
ファン・ハール監督不在の今朝のトレーニングは、アシスタントコーチのトニョ・デ・ラ・クルス氏が監督した。当面の後任候補としては前監督で現技術部長のカルル・レシャク氏の名が挙がっている。

5カ国共同の不法入国対策法今日から始動

スペインはイギリス、フランス、ポルトガル、イタリアと共同で、今日から地中海西側の不法入国対策作戦“ユリシーズ”を始動させる。スペインは治安警備隊を使ってボートでやってくる移民へのパトロールを行い、数週間後にはパトロール範囲をサハラ周辺地域大西洋岸にまで広げる予定。この地域が現在スペインへ不法入国を企てるものたちの主要ルートとなっており、カナリアス諸島で逮捕された不法移民の数はこの2年間で4倍となっている。2000年には2410人だった逮捕者が2002年は9756人であった。このうち自国に送還されたのは4283人。5473人が送還されなかったのは主として送還先が彼らを自国民として承認するのを拒んだか、彼らの国籍が確認できなかったため。

カンタブリア海も石油で汚染

バスク州政府広報官ジョス・ジョン・イマス氏は昨日、沈没した石油タンカープレステージによるカンタブリア海の汚染が予想を上回る規模で広がっていることを発表した。4月はビスカヤ湾での漁特に鰹、片口いわし漁のシーズンであるため、この石油汚染による生態系の深刻な破壊が懸念されている。昨日、イマス氏は社労党の要求により、プレステージ事故以来初めてバスク州議会に状況説明のため出頭したが、この席で中央政府が今後沈んでいる船に対しどのような対策をとる方針でいるのかについて全く情報を流さないことを明らかにした。
これまでバスク州沖で船により回収された石油は2200トン(うち1700トンはカンタブリア州の協力による)、浜辺では270トンの石油が回収されている。

現在スペイン結婚事情

教会で結婚式を挙げているカップルが最も多いのは、エクストレマドゥラ、カスティジャ・ラ・マンチャ、ムルシア、アンダルシア州、つまりスペインの南半分の州で結婚式の80%はカトリック式で行われていることが、ラ・カイシャ財団の調べでわかった。これによると、2000年に結婚したカップルのうち100組に76組の割合でカトリック教会で式が行われており、残りは役所、またはその他の宗教での挙式。逆に最も教会での結婚が少ないのは、バレアレス諸島とカタルニャ州で3人に1人は役所で挙式している。
また調査の結果、結婚する年齢が男女とも着実に上がっていることも明らかになっており、スペイン人が結婚するのは男性が平均30歳、女性は28歳となっており、マドリッドを含めたスペイン北半分で年齢が高くなる傾向にある。
2001年は離婚(3.3%)、別居(6%)の数も前年より増加しており、全国平均より別居率が高いのはカタルニャ、バレアレス、バレンシア、マドリッド、ムルシア、カンタブリア州との結果が出ている。逆に別居率が低いのはカスティジャ・ラ・マンチャ、カスティジャ・イ・レオン、エクストレマドゥラ州で、離婚率の高さではカタルニャ、バレアレス、マドリッド州が抜きん出ている。


1月27日(月)

今月3件目のタルゴ特急事故起こる

土曜日午後6時10分頃、ブルゴス県のパンコルボでバルセロナ-サンタンデールを結ぶタルゴ特急(乗客46人)が脱線したが、列車が止まっただけで脱線時に怪我人は出なかった。そのすぐ後にマドリッドとビスカヤを結ぶ急行列車(乗客75人)が事故現場を通りがかったが、タルゴ特急の運転手が外に出て急行列車の運転手に合図を送り、この列車がブレーキをかけたため、止まっていたタルゴの機関車と接触する程度の事故で済んだ。この接触時にタルゴの乗客14人が怪我をしたが、13人はすでに昨日退院している。
アルバレス・カスコス勧業大臣は線路の状態に何ら問題はなかったと昨日発表しているが、カスティジャ・イ・レオン地方の線路で脱線事故が起こったのはこの1ヶ月で5件目、タルゴ特急の事故も全国で3件目であり、いずれの事故も原因が究明されていないことから、事故原因についてさらに詳しい調査が行われる。

アルカエダメンバー16人刑務所行き

先週の金曜日、カタルニャ州で行われた大掛かりな捜査により逮捕された16人のDHDS(サラフィスト主義者同盟)のメンバーは、テロリストグループ、アルカエダと連携している罪で昨日全国管区裁判所より保釈なしの収監を言い渡された。裁判所では1時間半にわたって16人の供述が取られたが、彼らは以前に警察で行ったのと同じ内容の供述、無罪を繰り返した。しかしながら、検察官の要求通り、判事は彼らに保釈なしの刑務所行きを宣告、これはフランス政府からこの16人に対し尋問を行いたいとの依頼があったためであり、フランス政府が彼らの身柄引渡しを要求してくることが考えられている。
彼らに対する尋問は、2000年12月ドイツの警察により発見、中止に追い込まれたフランス、ストラスブールのカテドラルと市場に対するテロ計画に関してであると関係者筋は語っている。

アストゥリアス沖に長さ2マイルの石油溜まり

昨日海上保安庁の監視船カペジャは、アストゥリアスのブスト岬おき10.5マイルに長さ2マイルの石油溜まりが漂流しているのを確認、ナビア沖8マイルでも、400メートル×2メートルにわたって海面が虹色に光っているのが見られている。アストゥリアス州ではすでに109の浜辺が汚染されており、バスク地方でも数日以内に新たな石油の漂着が予想されている。
ガリシア地方のコスタ・ダ・モルテでも海の表面が虹色になっているのが上空から認められており、この水面下で石油の塊が漂流していると見られ、ガリシア地方への石油の漂着はさらに続く見込み。カルノタの浜辺ではこの10日間、毎日ガジェタス(石油が固まりビスケットのようになったもの)が波に運ばれて漂着している。この週末はガリシアの浜辺で約5500人が回収作業に従事したという。

スペインの“mantas”20000軒

スペインでの“mantas”(道端に敷物を敷き、その上に商品、特にコピーCDを並べて売る違法の商売。)は最盛期には2万軒以上あったが、この数字は警察の取り締まり強化により最近6ヶ月で減少の傾向にあり、2002年にはCD全体の売上の30%を占めていたコピーCDの売上は年末には22.9%に落ちているという。
警察関係者の話によると、これらのコピーCDはマフィアによって組織化された大規模なグループによって製造、販売されており、街頭で販売を請け負っているのは大部分が移民で、CD1枚につき20セントを受け取っているという。こういった犯罪は組織化、プロ化されている傾向にあり、製造、販売といったセクションを独立させているため、グループ全体を撲滅させるのが難しくなっている。
コピーCDの販売が盛んなのはマドリッド州で、SGAE(スペイン著作権協会)によると、コピーCDの売上は合法的CD売上の41.7%にも上るという。アンケートによると、150万人のスペイン人が日常的にコピーCDを購入しているといい、これはCD購買者全体の12.3%にあたる。女性の方が男性よりよく買い、コピーCDをよく買うのは15〜24歳の年齢層だという。
スペインは西洋諸国の中でも最もこういったコピー商品の販売が盛んな地域で、その理由について上述の警察関係者は当局の受動的な姿勢と、犯罪に加担しているという意識が人々の間になく社会的拒否がないことを挙げている。コピーCDが2002年度に音楽業界にもたらした損害は2億ユーロ近いとSGAEは述べている。

週末のスポーツの結果

ハンドボール:ポルトガルで行われている男子世界選手権予選リーグ最終戦、スペインはチュニジアと対戦し、33-25で勝利、3日前にユーゴラビアに22-20、前日クウェートに45-18で勝っているスペインは5戦全勝でAグループトップとして予選を通過、第2ラウンドでカタール、アイスランドと対戦する。
ラリー:今季からシトロエンチームと契約したカルロス・サインス選手がモンテカルロ・ラリーに出場、3位となった。


1月24日(金)

行方不明のドノバン少年、遺体で発見

11ヶ月前から行方不明になっていたドノバン・パラガ君12歳が昨日、グアダラハラ県トリフエケにある自宅から約300M離れた民家の浄化槽から遺体で発見された。治安警備隊はすでに自宅周辺地域の捜索はすませており、住民たちが浄化槽を探すよう依頼していたが、これまで民家の捜索は表面的に行われただけであった。
最後にドノバン少年の姿が見られたのは、柔道のクラスに向かう少年がバス停でバスを待っているところで、その後数ヶ月たって警察はドノバン少年がすでに死亡しているのではないかという仮説に基づいた捜査方法に変更、付近の井戸、洞窟、野原の捜索に重点を置いた。今回少年の遺体が見つかった浄化槽は数人の持ち主の共同所有となっている建物に属し、この横10メートル、縦15メートル、深さ5メートルの浄化槽をさらうのに必要な裁判所の許可が出たのが今週で、浄化槽をさらったところ、底から少年が昨年2月27日に行方不明になっていたとき身に付けていた衣服と靴などと共に子供のものと見られる骨が見つかった。
行方不明からの11ヶ月、ドノバン君の捜索は、ポスターが街頭に貼られ、ヨーグルトのパッケージには少年の写真が印刷されるまでに及び、警察にはたくさんの目撃情報が寄せられた。マドリッドのバジェカス地区で少年を見かけたという情報が最も多かったが、80件近くの情報については警察が詳しく捜査をしたものの決め手となる手がかりの発見には至らなかった。警察は行方不明となった日に誤って少年が浄化槽に落ちたのではないかとみているが、今のところ原因はまだ解明されていない。ドノバン少年の家族は、少年が事故ではなくなんらかの事件に巻き込まれて亡くなったと主張している。

作家のペレス-レベルテ氏、王立アカデミー入り

現在のスペイン小説界を代表する作家アルトゥロ・ペレス-レベルテ氏(51歳)が、2001年8月のマヌエル・アルバル氏死去以来空席となっていたスペイン王立アカデミーのT席に座ることが、賛成26票、白紙4票で決まった。カルタヘナ出身で、1973年から1994年までは新聞、ラジオ、テレビ業界で記者として働いていたペレス-レベルテ氏は、30年前から常連となっているマドリッドの老舗カフェ・ヒホンでこの知らせを受け、彼の編集者、友人たちと喜びを分かち合った。王立アカデミー入りを夢にも思っていなかったというペレス-レベルテ氏は、博識で経験豊かなスペイン語の専門家であるアカデミー会員たちが自分の作品を読んでいたことを光栄に思うと述べている。

ドイツでETAメンバー逮捕

水曜日の夜、ドイツのニュルンベルグでETAのアラバグループ所属のパブロ・エルコロ容疑者が逮捕された。ドイツ警察によりETAメンバーが逮捕されるのは1997年以来。
エルコロ容疑者は1998年にスペインから逃亡、ETAに協力していた罪に問われている。昨日、アンヘル・アセベス氏は今回の逮捕がスペイン警察とドイツ警察の協力の賜物であることを強調、エルコロ容疑者は1997年5月5日にアラカの軍事基地を襲撃した罪で裁判中の身。武装集団に所属し、テロに関与している罪で全国管区裁判所から彼の逮捕を全世界に命じていた全国裁判所は、昨日彼の身柄引渡しを要求した。
エルコロ容疑者はHB(エリ・バタスナ)の創設メンバーであるホセ・ルイス・エルコロの息子で、弟はETAグループ内組織であるXakiのメンバー。

3000トンの石油溜まりがアストゥリアスに接近

沈没した石油タンカープレステージから流出した石油はいまや、大部分は約400uの大きさの1000の石油溜まりと直径30センチから1メートルの小さな石油の玉となって12,347kuの範囲に散らばっているという。これらの石油を回収するため昨日もカンタブリア、バスク州から118艘の漁船が海に出たが、石油は日ごとに小さくなって拡散し、回収がどんどん難しくなっている。
昨日バスク州ギプスコア県の浜辺では90キロの石油が回収された。ガジェタス(石油がビスケット状に固まったもの)はすでにサン・セバスティアンのコンチャ湾にも漂着しており、バスク州の海岸では8羽の鳥が石油汚染で死んでいるのが見つかっている。
ガリシア州ではカルノタからフェロルにかけての地域に再び石油が漂着、16日に撮られた衛生写真を見てもいまだにガリシア州沖には大量に石油が漂流していることから、今後も石油の漂着が続くことは確実。
昨日ガリシア州政府はプレステージ事故対策のため16.63億ユーロの投資を発表した。政府第一副首相マリアノ・ラホイ氏は、フランスの潜水艦ノーティルによる海底のプレステージに開いている亀裂を塞ぐ作業は順調に進んでおり、現在プレステージから漏れ出る石油の量は1日1トンに減少したと発表している。アメリカは、沈没しているプレステージに残る石油対策への技術提供による協力を申し出た。


1月23日(木)

フランス警察、8月に脱走したETAメンバーを逮捕

昨日午前6時、フランス警察はフランス南部ポー県エスティアレクの民家で、イスマエル・ベラサテギ・エスクデロ容疑者を逮捕した。ベラサテギ容疑者は昨年の8月18日、パリのラ・サンテ刑務所から面会に来た兄ホセ・アントニオ容疑者と衣服、身分証明書を取り替え、兄になりすまし脱走していたETAメンバーで、、昨日はベラサテギ容疑者と共にフランス人ローレンス・ギモン容疑者も逮捕されている。ギモン容疑者はETAの隠れ家、倉庫とするためのアパートをフランスに手配する専門家。2人が逮捕された民家は、ETAの偽造書類と車のナンバープレート工場で、偽造のための道具類のほか、火器5丁、偽のナンバープレートが付けられた盗難車2台が見つかった上、ETAに所属するメンバーのものと見られる身分証明書の入った箱がいくつも見つかっているとアンヘル・アセベス内務大臣は発表している。先週の金曜日、17日にブルージュで逮捕された二人のETAメンバーからの情報提供により、この民家は以降警察の監視下に置かれており、昨日の逮捕へとつながったという。

ガリシアの浜辺に人文字

ガリシアの市民グループNunca Mais内のグループであり、ガリシアの教職員で構成されているArea Negra(スペイン語でArena Negra-黒い砂)は昨日、ガリシア州の14〜20歳の生徒45000人を集めた。彼らが手をつなぐと長さ40キロにもなり、生徒たちは浜辺で手をつないで海に向かって立ち、彼らの浜辺を汚した石油への抗議を沈黙によって表した。
この沈黙の抗議はビゴ、ア・コルニャ、サンティアゴ、バイオナ、オレイロスを始めとするいくつもの村で行われ、トラバではVIDA(生命)という人文字が浜辺に作られ、参加していた教師たちはこの日の抗議活動により生徒が大きなものを学んだと口をそろえた。市民グループNunca Maisはガリシア州政府と中央政府から過激独立主義者の団体であると非難されているが、この日、過激的なシンボルも、独立を求めるプラカードもガリシアの浜辺には見当たらなかった。

スペイン政府、アメリカにイラク攻撃の際基地を提供

政府関係者筋の話によると、スペイン政府はすでに、国連の承認があろうとなかろうと、アメリカがイラクを攻撃する際にはロタ基地(カディス)とモロン・デ・ラ・フロンテラ基地(セビジャ)の提供をアメリカ政府に約束しているという。以前からスペイン政府は「国連の承認があることが“望ましい”が“必ずしも必要ではない”」との見解を表明しており、すでに両基地ロタ基地には飛行機、戦艦が集められ始めており、アメリカ軍兵士のためのベッドを設置した建物、病院の用意も始まっているという。スペイン政府は「アメリカ政府から“公式の”支持依頼はまだ受けていない」とする一方で、スペイン政府が支持する意向にあるか、どのぐらいのレベルで支持を受けられるかの探りは入っていることは認めている。12月にフェデリコ・トリジョ防衛大臣がまず訪米、2週間後にアスナル首相もブッシュ大統領と会談して以来、両国の間で高級官僚による話し合いが盛んに行われているとの情報もある。

同じマンションで10日の間に2件の殺人(バルセロナ)

バルセロナの中産階級上位の人々が暮らす地区プチェにあるマンションで2件目の殺人が起きた。昨日の午後19時50分頃、夫が死体を発見し警察に通報があったが、女性(46歳)は頭を鈍器で殴られ死亡していた。このマンションでは今月11日にも別の女性の死体が見つかっており、この49歳の女性も同じ方法で殺されている。
盗難または強姦に抵抗したような後はどちらの女性にも見当たらず、この2件の殺人は動機が不明で被害者が女性である以外にも共通点を持っており、どちらの被害者も駐車場の6階の階段で殺されている。また、偶然の一致か何かの関連性を持つのかはいまだに不明だが、最初の被害者は5階の15番に駐車スペースを持っており、2人目の駐車スペースは2階の15番だった。警察は、被害者たちが駐車場に入るか出るかする際に犯人と遭遇、逃げようとして階段を上ったが、逃げ場がなくなり殺されたのではないかと見ている。現場は最近建てられたマンションで、駐車場の上に住居が作られており、各階に20の駐車スペースが設けられている。住居部分は上の2フロアだけで、ここには6家族しか住んでおらず、駐車場の利用者のほとんどはこのマンションの住人ではない。

スペインの生徒、3人に1人が移民に反対

人権擁護委員事務所が現在作成している調査結果の一部が昨日発表された。彼らが移民の多い自治州であるマドリッド、カタルニャ、アンダルシア、バレンシア、ムルシア州の公立小中学校181校で行ったアンケート(10,936人のスペイン人生徒、1,270人の移民生徒が回答)の結果によると、10歳から16歳の生徒のうち36.5%が移民の増大に反対を表明しているという。このうち9%ははっきりと反対を表明し、「それぞれ自分の出身国にいるべきである」との意見を持っており、27%は「スペイン人の職を奪わない範囲でなら移民を受け入れてもよい」と答えている。このアンケートの結果、女子生徒より男子生徒の方が移民に反対で、アンダルシア州では比較的移民受け入れに対し理解を示す生徒が多いこともわかった。
スペインにおける移民の生徒数はこの10年間で着実に増えている。1992年には生徒数全体の0.5%だった移民の生徒数は1996年に0.8%、2000年には2.2%となっている。移民の生徒の大部分が公立の学校で学習しており、人権擁護委員は彼らの教育のための人員、設備不足となっている学校が多いことを指摘、政府に改善を求めている。


1月22日(水)

アルヘシラス沖で、石油供給用艀が沈没

昨日未明、カディス県にあるアルヘシラス湾で1029トンの他船給油用石油と自身のガソリンタンクに345トンのガソリンをつんだ艀“Spanbunker W”が沈没した。この艀は通常この場所に停泊して、他の船に給油していた船で、船長のミゲル・ロイグ氏は沈没により死亡、死体は数時間にわたる捜索後に石油まみれになって発見された。この艀は水深50メートルに沈んでいるが、海上保安庁によると、今のところ沈んだ艀からの石油漏れの形跡はなく、現場は潜水隊とヘリコプター、海上保安庁によって監視されており、勧業省の処置決定待ちであるという。

憲法裁判所長官の発言に、3つの自治州が猛反発

エウロパ・プレスとヌエバ・エコノミアの主催で開かれた昨日のフォーラム・エウロパにおける憲法裁判所長官マヌエル・ヒメネス・デ・プラガ氏の発言が物議をかもしている。ヒメネス・デ・プラガ氏は昨日の講演で、歴史的に見てスペイン国内に別の民族があったとするのは間違っているという内容の発言をしたため、ガリシア、バスク、カタルニャ3州で民族主義政党からだけでなく社会主義政党からも猛烈な反発が起きている。特にカタルニャ州からの抗議は強く、与党PP(国民党)を除くすべての党が長官の辞任を求めている。またカタルニャ自治州政府は憲法制定25周年記念式典へ参加しないことも表明した。

マドリッド、2012年オリンピック開催候補地として立候補へ

昨日の午前中、マドリッドでスペインオリンピック委員会の会議が開かれ、2012年のオリンピック開催のスペインからの候補地として、マドリッドが立つことが決定した。投票結果はマドリッド157対セビージャ103であった。都市の規模、施設が整っていることなどがマドリッドの候補地決定に作用したが、来年マドリッドは2012年夏季オリンピック開催候補地として、国際オリンピック委員会の会議にかけられ、ニューヨーク、モスクワ、パリ、リオ・デ・ジャネイロといった都市と競うことになる。最終的に開催地が決められるのは2005年7月。

諸野党、アスナル首相の国会でのブッシュ大統領支持理由説明を求める

通常は与党PP(国民党)と連合政権を組んでいるCiU(カタルニャ同盟)とCC(カナリアス連合)も今回はPPと袂をわかち、昨日アスナル首相に対し、国会でブッシュ大統領支持の説明を行うことを要求した。PPを除く全ての政党は、国連の決議なしにスペインがイラク攻撃に参加することに反対している。PPがあくまでもアスナル首相を出頭させないため、諸野党はすでにアメリカに対しスペインが協力を約束しているからではないかとの疑念を抱いている。

歴史家アントニオ・ドミンゲス・オルティス氏、死去

歴史家でスペイン王立歴史アカデミーの会員でもあったアントニオ・ドミンゲス・オルティス氏が昨日、脳溢血を起こしグラナダの病院に運ばれたが数時間後に亡くなった。享年93歳。1982年にアストゥリアス皇太子社会科学賞を受賞しているドミンゲス・オルティス氏は16世紀から18世紀の歴史の専門家で、亡くなる直前まで精力的に活動を続けており、アンダルシア州議会からの依頼でアンダルシアの総合史を編纂中、またスペインの奴隷史についての本も執筆予定だった。

ハンドボールスペイン代表チーム、2勝目挙げる

ポルトガルで開かれている男子ハンドボール世界選手権で、スペイン代表チームがポーランドに34−25で勝利。月曜日、モロッコに23−18で勝利しているスペインは現在同じく2勝のユーゴスラビアとの得失点差により、グループ2位につけている。

スペイン勢、姿消す(全豪オープン)

昨日、男子シングルスでフアン・カルロス・フェレロ選手が南アフリカのウェイン・フェレイラ選手に7-6,7-6,6-1で敗れ、女子シングルスのビルヒニア・ルアノ選手がベルギーのジャスティン・へニン選手に6-2、6-2で敗れ、スペイン勢は全豪オープンのコートから全員姿を消した。


1月21日(火)

マドリッド警察、海賊版CD、DVD網を壊滅

昨日スペイン内務省が発表したところによると、マドリッド警察がこれまでヨーロッパで見つかった中で最大の海賊版CD,DVD製作、販売に係わっていた40人を逮捕したという。このグループは中国人が率いる“青い虎団”という名のグループで、年間6000万枚の海賊版CDとDVDを製造することができる大規模なものであった。これまでみつかっている倉庫、製造場所などはマドリッド州内にあるマンション13ヶ所に分散しており、うち製造に使われていた2ヶ所で27人の中国人がなかば奴隷のように働かされていたといい、警察の計算では、彼らが大蔵省とエンターテイメント業界(レコード会社からレンタルビデオ屋まで含む)に与えうる損害額は6億ユーロにのぼるという。
グループを率いていた2人の中国人のうちスペインに合法的滞在許可を持っていた1人はマドリッド市内にパソコンショップを開いていたため、疑惑を抱かれずに大量の生CD、DVDを仕入れることができた模様。生CDは1枚30セントで仕入れて2ユーロで販売、DVDは1.80ユーロで仕入れ、ケース代とジャケット印刷に1ユーロかけたのち8〜9ユーロで販売とどちらも丸儲けできる商売であった。このグループから警察が押収したのは、CD,DVDのコピーをする機械346台、販売用CD27,810枚、DVD11,178枚、生CD164,214枚、DVD37,060枚、印刷済みジャケット150万枚、ケース506,150個。マドリッド市の南隣ヘタフェ市にあったアジトからは1日分の売上に相当する42,000ユーロも見つかっている。

ジブラルタル警察、グリーンピース活動家と新聞記者20人を逮捕

昨日午前9時ごろ、ジブラルタル警察はラ・リネア沖に停泊している一重船体のタンカーへの抗議行動に出た6人の環境保護活動団体グリーンピース活動家と取材をしていたスペイン人記者14人を逮捕した。このタンカーVemamagnaは1978年建設、積載量87,290トンのもので、他の船への石油供給を行っているが、ここから度々石油が流出し、アルヘシラス湾に汚染をもたらしているため、スペイン政府はこれまで重ねて抗議を行ってきていた。今回、抗議行動に出たグリーンピース活動家のうち2人はこの石油タンカーのマストに登ることに成功、“石油、危険”と英語とスペイン語で書かれたプラカードを掲げるに至ったが後逮捕された。昨日の午後7時過ぎ、12人の記者と12人の環境活動家は釈放されたが、残る記者2人と活動家4人は今日裁判所に出頭する。
タンカー停泊地に関しては両国が自国領内であるとの考えを示しており、スペイン外務省は昨日口頭でイギリス大使館に今回の出来事に関する説明を求めた上、2人の記者の釈放を要求している。

AVE建設現場で作業員2人が死亡

マドリッドとバジャドリッドを結ぶAVE用のトンネルを工事中のグアダラマ山脈南側にあるミラフローレス・デ・ラ・シエラで昨日13時30分、掘り出した瓦礫を流し入れる巨大漏斗を支える柱が倒れ、作業員2人が一瞬にして瓦礫320トンの下敷きになった。消防隊4チームが救助作業にあたったが最初の死体を発見するまで3時間、2人目はほぼ7時間かかる作業となった。事故の原因はいまだ究明されていないが、勧業省とUGT(労働者総同盟)とCCOO(労働者委員会)の両労組は原因調査を行うことを発表している。
マドリッドとバジャドリッドを結ぶAVEの建設は19.24億ユーロを投資して行われており、この建設の中にはヨーロッパで最も難しい技術を要するグアダラマ山脈を突き抜ける全長28.4キロメートルの双子トンネルの建設も含まれる。開通は2007年の予定で、セゴビアを通るこのAVEにより現在、鉄道で2.5時間かかるマドリッドとバジャドリッド間がわずか55分で結ばれることになる。


1月20日(月)

アルモドバル監督、ゴールデン・グローブ最優秀外国語映画賞受賞

スペイン現地時間の今日明け方開催された第60回ゴールデン・グローブ賞授賞式で、スペインのペドロ・アルモドバル監督の“Hable Con Ella (アメリカ公開タイトル“Talk to her”)”が、最優秀外国語映画賞に輝いた。3年前には“Todo sobre mi madre(邦題:オール・アバウト・マイ・マザー)”でこの賞を受けている監督は受賞スピーチを英語で行い、今回の受賞は彼の人生とキャリアに対する価値あるほうびの一つで、これをアメリカの観客に捧げたいと述べた。

難破後行方不明の不法入国者捜索続く

水曜日にカナリアス諸島のフエルテベントゥラ島沖で難破した筏に乗っていた不法入国者のうち、12人(モロッコ、マリ、ガーナ国籍)は逮捕、彼らが筏に乗っていたのは24人だったと証言したため、行方不明者の捜索が水曜日から行われているが、昨日までに昨日までにソラナ・デ・マトラル浜から500メートル、水深15メートル地点で死体で見つかっているのは9人で、残り3人(男性2人、女性1人)の捜索が今日も引き続き行われる。しかし、この週末も不法入国を企てる者は後を絶たず、フエルテベントゥラ島だけで57人の不法入国者と3人の手引き者が逮捕されている。

悪天候により石油回収作業難航

ガリシア地方が見舞われている悪天候のため、土曜日フランスの潜水艦ノーティルは沈没しているタンカープレステージの亀裂を塞ぐ作業に出られなかった。この日は波が高く、装備しているポンプでの石油吸入が不可能なため、フランスからの2艘、デンマークからの2艘、ノルウェーからの2艘とオランダからの1艘からなる汚染対策船チームも港につながれたままだった。
同様にビスカヤ湾でも、高さ4〜5メートルの波と6メートル以上の強風により、石油の回収に出た9艘の漁船が港に戻らざるをえなくなった。しかし、バスク州政府からの情報によると、この日カストロ・ウルディアレスとオンダラビア間では6艘の漁船が回収作業にあたったという。
この悪天候により昨日も海岸での回収作業が難航した。昨日ガリシア州政府が発表したところによると、プレステージの難破からこれまでに回収された石油の量は会場が24500トン、陸では37000以上になるという。

マドリッドで、イラク攻撃反対デモ

主催者側の発表では2万人、警察の発表では6000人が昨日マドリッドのカニジェハス地区から軍基地のあるトレホン・デ・アルドスまでイラク攻撃に反対するデモ行進を行い、“PAZ(平和)”などのプラカードを掲げた参加者の間からは「殺人者、ブッシュ」との叫びも聞かれた。

週末のスポーツの結果

テニス:全豪オープンが始まってから2週間。参加した25人のスペイン人選手のうち、現在も残っているのは2人だけ。昨日は、男子シングルスでフアン・カルロス・フェレロ選手が88年のマリオ・アンシック選手以来の準決勝進出を決めている。また、女子シングルスでもビルヒニア・ルアノ選手がチェコスロバキアのデニサ・クラコバ選手を下し、自身グランドスラムでは最高成績となる準々決勝進出を決め、世界ランキング5位のベルギー人ジャスティン・へニン選手と対戦する。
ハンドボール:今日からポルトガルで世界選手権が開催され、スペインは予選グループA組として、今日モロッコと対戦、その後ポーランド、ユーゴスラビア、クウェート、チュニジアと対戦する。その後グループ内上位2チームが29日と30日に行われる第2ラウンドに進出、決勝ラウンドは2月1日、2日。優勝候補としては、デンマーク、スウェーデン、フランス、ロシア、ドイツの名が挙がっているが、ディフェンスに問題があるとされるスペインチームの健闘が期待されている。


1月17日(金)

ガリシア州政府のナンバーツー、辞任

ガリシア州政府知事であるマヌエル・フラガ氏の右腕として12年間仕え、フラガ氏の後継者と見なされていた州政府土地政策・公共工事担当大臣のショセ・クイニャ氏が昨日辞任を発表した。
プレステージ事故後の対応をめぐって、クイニャ氏とその他州政府大臣、議員との対立が続いていたが、最終的にクイニャ氏を辞任に追い込んだのは、ラジオ局CADENA SERの昨日の朝のニュースだった。ラジオ局はこのニュースで、クイニャ氏の家族の経営する会社が、政府と契約している会社にプレステージからの流出石油回収作業用品を売っていたことを暴露、取引金額は41970ユーロと大きくはなかったが、クイニャ氏が政治家として成功の階段を上るにつれ、彼の家族の経営する建築資材会社が特に公共工事がらみの取引で大きく成長していったことは周知の事実であり、ガリシア州政府を中央政府よりにさせようと目論んでいた与党PP(国民党)はこの機会を逃さなかった。
早速マドリッドからフラガ氏に決断を迫る電話が殺到、昨日の午後フラガ氏はクイニャ氏を呼び、辞任するよう求めた。10年以上彼を補佐してきたクイニャ氏にとっては驚きの宣告だったが、結局彼は11行からなる手書きの辞任状を提出した。
クイニャ氏の辞任はあくまでもガリシア州政府改編の一部にすぎず、フラガ氏は今日明日中に改編を終える意向だが、PPガリシア支部の若い世代の任命のほか、クイニャ氏の長年のライバル、中央政府副首相マリアノ・ラホイ氏(ガリシア出身)の親しい友人として知られるポンテベドラ市のピラル・ロホ文化局長を始めとする親中央政府の政治家の顔が並ぶことも予想されている。

レオンで列車の脱線事故、8人負傷

昨日正午頃、レオン市から20キロほどの場所にあるレリエゴス村で、車両9両からなるヒホン発アリカンテ行きのタルゴ特急のうち6両が脱線したが転覆にはいたらず、8人が軽い怪我を負った。打撲傷や切り傷を負っていたこの8人は到着した救急隊員から応急処置を受けた後、レオンのビルヘン・ブランカ病院に移送されたが、全員午後には退院している。残りの乗客は自分の荷物に腰掛け、線路上で2時間待った後バスでマドリッドに運ばれた後、電車でそれぞれの目的地に向かったが、RENFEから事故について全く説明がなかったとし、数人はRENFEを訴える考え。
最も怪我人の多かった2両目では窓ガラスが壊れ、座席が外れる被害があった。この電車の乗客の何人もが、脱線の直前にたくさんの石をひきずったような音を聞いたと証言しているが、国鉄RENFE側ではいたずらの可能性を否定、嵐の後に行った工事で出た砂利であると発表している。スペインでは12日前にアルバセテ県のトバラで脱線転覆事故があり、2人が死亡、24人が怪我をしたばかり。

スペイン映画、10本に7本は赤字

昨日スペイン映画アカデミーが発表したところによると、2002年度にスペインで製作された映画(前年比3本減の114本)の10本に7本が赤字であるという。映画を見に行く人の数は2001年度に2620万人だったのが1年後には1500万人と大幅に減少しており、これは全体の12.5%、4000万ユーロの収入を逃したことに相当する。
昨日発表の報告書『スペイン映画年次報告書』で挙げられたスペイン映画界不振の理由は次の通り。
−観客の外国映画を好む傾向(昨年最も興行収入の大きかったスペイン映画は“El otro lado de la cama”で1190万ユーロだったのに対し、昨年スペインで最も興行収入の大きかった映画『スパイダーマン』は2270万ユーロだった)
−有料ケーブルテレビの普及、路上での海賊版DVD販売
−世界的な経済不況
−外国映画の市場席捲
昨年は映画の鑑賞券がインフレ率を大幅に上回る値上がりをしたにもかかわらず、映画館の収入は年々減少している。報告書作成を担当したホセ・マリア・アルバレス・モンソンシジョ教授によると、スペインでは映画館に足を運ばない人が国民の50%を占めるという。


1月16日(木)

経営者組合、労組と賃上げ3%で合意

CEOE(スペイン経営者連合会)とUGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)の間での2003年度団体賃上げ交渉は去年と同じ3%で合意に達した。この合意はおよそ600万人の労働者に適用され、これによる消費の拡大、インフレの緩和が期待される。今回の協議内容はこの後細部の取り決めが行われ、来週にも調印される見通し。経営者側と労組の間では、実際のインフレ率が予想を大きく上まった際に賃金の見直しを行うことを定めた協定を適用するかどうかで意見が分かれていたが、これについては団体交渉ではなく各社が自由に決定するということで今のところ落ち着いている。

プレステージ事故による被害額は少なくとも10億ユーロ

政府の見積もりによると、石油タンカープレステージ沈没事故の被害対策にかかる金額は少なくとも10億ユーロだという。これは政府がこれまでに使った金額(2.6億ユーロ)と今年の今後の必要額の予想から算出された。10億ユーロの内訳は次の通り。
海の清掃 5億ユーロ
海岸の復旧 3.5億ユーロ
大西洋諸島国立公園 7500万ユーロ
その他 7500万ユーロ
10億ユーロの中には沈没地点での作業費用や、被害者援助の金額は含まれていない。
昨日は、モロッコで漁を行う漁船が出発した一方、ジブラルタルがEUの禁止令が執行されるまではプレステージのような一重船体のタンカーを寄港させ続けると物議をかもす発表を行っている。
また昨日清掃会社Tragsaが明らかにしたデータによると、バスク地方の浜辺の90%がすでに漂着した石油に汚染されているという。46ある浜辺のうち42が汚染されており、被害の大きいのはソペラナ、ムスキス、イスンチャ、レケイティオ。

アスナル首相、ブッシュ大統領寄りの姿勢強める

フランスとドイツが“対イラク軍事行動の決定は国連安全保障理事会が行い、しかも新たな安保理決議採択が不可欠”との立場を明らかにしている中、昨日、ホセ・マリア・アスナル首相は、国連安保理が新たな決議を採択する必要があるかどうかについて今のところはっきり返答することはできないと述べた。首相はすでにアメリカとイギリスに対する武力行使支援の姿勢を明らかにしているものの、イラクはこれまで国連の決議を無視し続けており、すでに国連から警告を受けているのだから、“誰もこの紛争を望んでいない”ながらももしイラクが大量破壊兵器の武装解除を行っていなかったことがわかれば、軍事力行使は仕方ないと重ねて述べた。スペイン政府関係者筋は、政府は1月27日に査察団の報告書が提出された後、国連安保理の新たな決議採択を求めるかどうかを決定すると述べている。
昨日のこの発言は、チュニジアのモハメド・ガヌチ首相同席の記者会見で行われたが、アスナル首相の発言に反し、ガヌチ首相は「イラクと対話し、国連の採択を守ることが必要である。そのためのあらゆる努力を行わなければならない。イラクはこれまでのところ採択を尊重しているし、今後もイラクをその方向に導いていかなければならない。」とスペイン政府首相とは異なった意見を示している。
一方、最大野党PSOE(社労党)のサパテロ書記長は、昨日はっきりとイラクへの攻撃反対を表明した。「アメリカを初めとする数カ国がイラクに対する戦争の準備を行っているが、彼らが本当に準備しなければならないのは、この戦争を正当化できる理由で、正直に言って他のスペイン国民と同様私にはその理由が見えない。私の意見では、この戦争に対するいかなる支援も参加もすべきでないと思う。」と書記長はあるラジオ番組で述べている。書記長はアスナル首相が無条件にブッシュ大統領とその好戦的姿勢を支持し、国会に出向き、自分の姿勢を表明していないことを非難した。

ペドロ・アルモドバル監督、アメリカで2つの授賞式に出席

ペドロ・アルモドバル監督の最新作“Hable Con Ella(アメリカでは"Talk To Her"というタイトルで公開)がヨーロッパ映画協会賞5部門を制覇して1ヶ月も経たない昨日、ペドロ・アルモドバル監督はすでに受賞の決まっていた2つの外国語映画賞を受け取るため、まずニューヨークで全米批評家協会賞授賞式に出席、その後ロサンゼルスに飛び、ロサンゼルス批評家協会賞授賞式にも出席し、受賞スピーチを行った。アルモドバル監督は来週の月曜明け方(スペイン現地時間)にはゴールデン・グローブ賞授賞式にも出席するが、下馬評どおり最優秀外国語映画賞を取ることができるかどうかに注目が集まっている。もし受賞すれば、2月11日のアカデミー賞最終候補作品リストに載り、監督が再びオスカー像を手にすることも十分ありうる。


1月15日(水)

ユーロ導入最初の年、インフレ率が4%に急上昇

去年、スペインでの物価の上昇率は4%であったことが、INE(国立統計局)の発表で明らかになった。これは、政府が目標としていた率の倍、そしてECB(欧州中央銀行)がユーロ導入国に対して定めたインフレ率の上限の数字である。ヨーロッパ全体が石油の値段の上昇の影響でインフレ気味となっているが、ドイツ(1.1%)、フランス(2.2%)、イタリア(3%)等その他のユーロ導入国と比べてもスペインのインフレ率は高い数値となっている。これは、2002年度の初めにスペイン政府が特別税の引き上げを実施したためであると見られている。4%という上昇率は2000年度の締めくくりにも見られたが、この時のスペイン経済上昇率は今の2倍以上の4.2%であった。労働組合は経営者側に対し、インフレ率の上昇を反映し、労働者の給与を上げるよう要求している。

ガリシア州政府内で人事異動

ここ数日、マヌエル・フラガ・ガリシア州知事は州政府の組閣改編に向け、PP(国民党)幹部、議員との話し合いを続けている。今回のプレステージ危機後、以前からの確執が表面化、今のところ予定されている人事異動はルゴとビゴの市長選に出馬予定の2人の女性州政府大臣の穴埋めだけであるが、ガリシア州政府ナンバーツーで、現在80歳のフラガ氏の後継者と見なされているホセ・クイニャ・州政府土地政策・公共工事担当大臣の辞任も含め、一部の幹部、議員が一月末の改編へ向けてフラガ知事へ圧力をかけている。PPガリシア支部内では、その他にも環境担当大臣カルロス・デル・アラモ氏がプレステージ事故事後処理の引責辞任する可能性もささやかれている。
州政府内での対立が強まっているのは、州議会のプレステージ調査委員会からPSOE(社労党)、BNG(ガリシア民族党)の両野党代表が抜けたことにより議事が止まったことも影響している。昨日の委員会会議にはPPからの代表4人しか出席せず、定員に達しなかったため会議は中止、今後の日程も白紙となった。

スペインの国民、83%がプレステージ事故調査の必要性を認識

ラジオ局Cadena SERの依頼を受けてOpina協会が18歳以上の男女1000人を対象に電話で行ったアンケートにより以下のような結果が出た。

1.プレステージ事故の難破についての解明調査を行うべきである。 83%
2.政府が実際より被害を小さく見積もっている 71%
  政府は現実を直視している 21%
3.今回の事故が環境災害にまで拡大したことに対する政府の責任はとても大きい、またはかなり大きい 57%
  政府の責任は小さい、またはほとんどない  24%
4.内閣の辞任が必要である  52%
  必要ではない 34%
5.勧業大臣は辞任すべきだ  46%
  しないでよい  35%
6.ガリシア州知事は辞任すべきだ 57%
  しないでよい   30%

昨日、フランスの潜水艦ノーティルは新たに2つの亀裂を塞ぐことに成功し、これで塞がれた亀裂の数は20見つかっているうちの12となった。また、周辺地域の生態系調査の結果、今月末からリアス・バイシャスで海産物の漁が再開できることになった。

ローマ法王、5月にスペインを訪問

ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が5月3日、4日とスペインを訪問されることを昨日、ローマ法王庁が発表した。最終公式スケジュールとして決定はされていないが、この発表によると法王のマドリッド滞在は48時間以内で、5月3日の午後到着し、翌日ローマに戻られる。日曜日の荘厳ミサで、スペインの福者数人が聖人の列に加えられる予定。ヨハネ・パウロ二世がスペインを訪れらるのは1978年10月の就任後、1982年の初訪問以来5回目。


1月14日(火)

プレステージ事故調査委員会、行き詰まり

先週の金曜日からガリシア州議会で開かれていたプレステージ事故の調査委員会は空中分解の様相を見せている。これは、PSOE(社労党)とBNG(ガリシア民族党)が、政府が事故に関するあらゆる書類の提出と政府関係者の出頭を拒否たことに抗議する目的でこの委員会から脱退したためで、委員会運営規則第6条に“メンバーの過半数が出席した場合は委員会の議事が有効となる”とあるため、必要人数割れとなった委員会による調査の続行は棚上げとなった。
12人の委員からなるこの調査委員会ではPP(国民党)、PSOE、BNGが団結して中央政府に事故に関する書類の提出と事情聴取のための関係者の出頭を求めていたが、先週の木曜、政府がこれを拒否する書簡を送ったことから、PSOEとBNGは委員会からの脱退を予告、昨日実行に移し、両党からの代表8人が席を後にした。しかしこの脱退は最終的決定ではなく、両党のスポークスマンはPP及び中央政府が“態度を改めれば”委員会に戻ると退席前に述べている。一方のPPは明日再び、委員会を開くことを提案している。議事内容は専門家、漁業関係者の出頭日程調整といった小さな事柄についてだけであるが、脱退した野党が求めているように、中央政府に書類提出や出頭の要請を再び行うことは予定していないという。

流出石油で汚染された浜辺の数、409に

ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、バスク地方にある1064の浜辺のうち、石油の汚染被害を受けているものが、10日前の調査では327だったのが、環境省の11日付の調査では409に上ることがわかった。409の浜辺のうち、272ヶ所では石油が混ざり海水が玉虫色になっており、25ヶ所では石油の塊が見られ、112ヶ所では岩場、沼沢地、海底に石油が付着しているため特別な作業が必要とされており、この2日間も石油はバスク、アストゥリアス、カンタブリア、バスク地方に漂着を続けている。
昨日、バスク地方海岸では直径2〜10センチの“ガジェタス”(石油が固まりビスケットのようになったもの)が総量にしておよそ150トンほど見つかった。バスク州政府は昨日1日中かけて、海岸線から2、3マイルの場所に漁船を出して、およそ30トンの石油を回収した。また、水深の浅い場所での作業用に試験的に8艘の小型遊覧船も出動し、800キロを回収している。しかし、バスク地方が最悪の事態に見舞われるのは今から6〜10日後で、現在アストゥリアス地方の沖60マイルにある2000トンの石油溜まりの漂着が予想されている。

デポルティボのキーパー、モリナ選手、癌治療から復帰

「肉体的にも易しいことではなかったが、精神的にはもっときつかった。」悪性睾丸腫瘍のため一時フィールドを離れてから3ヶ月、デポルティボのゴールキーパー、ホセ・フランシスコ・モリナ選手(32歳)が昨日、来週の月曜日からチームの練習に参加すると発表した。昨日の記者会見には主治医のビセンテ・ギジェン医師も出席し、モリナ選手が厳しい化学療法を受けるにあたって理想的な辛抱強い患者であったと話した。モリナ選手はバレンシア・腫瘍学センターで20回にわたる化学療法を受けたが、使用した薬がよく反応し、腫瘍は完全になくなったという。今後、モリナ選手は定期的に検査を受けるが、プロサッカー選手としての活動には支障は出ない。これからはモリナ選手の試合復帰への闘いが始まる。

2012年オリンピック開催に向けたプラン発表(マドリッド)

1月21日にマドリッドとセビジャのどちらかが国際オリンピック委員会の2012夏季オリンピック公式開催地候補としてスペインオリンピック委員会から選出されることになっているが、昨日オリンピック召致に向けたマドリッドの施設改良計画発表に出席したマドリッド市長アルバレス-マンサノ氏は、マドリッドが候補地としてセビジャに勝つだけでなく、パリにも勝つことに強い自信を示した。
マドリッド2012事務所が昨日発表したところによると、1月1日からマドリッド市役所の所有となっており、通称“ラ・ペイネタ(櫛)”と呼ばれる元マドリッド自治区のスタジアムが、オリンピック開催が決定されれば最高7.5万人を収容できるまでに拡大(現在の収容人数は2万人)されるという。市長はマドリッドが有力候補地となれる理由として、ほとんどすべての競技開催場所が近いことに加え、ヨーロッパで離着陸数の多さ5位につけているバラハス空港と競技会場が近いという交通の至便さも挙げている。カヌー、ボート競技(アランフェス)、野球、ソフトボール(リバス)とサッカーの予選地(バルセロナ、アリカンテ、コルドバ、マラガ)、ヨット競技(パルマ・デ・マジョルカ)以外のスポーツはマドリッドの中心で行われ、そのための施設は乗馬とトライアスロンの行われる西競技地区(サルスエラの旧競馬場とカサ・デ・カンポ)、東競技地区(メインスタジアム、水泳競技用プール、体操競技用体育館)、中央競技地区(マラソン、自転車競技の開催、バスケットボール用体育館、サッカー用にサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム、マンサナレス・スタジアム、ハンドボール用に新築されるパラシオ・デ・デポルテス)に分かれる予定。
来週の火曜日にスペインの候補地として選ばれた都市は、2004年春に開催される国際オリンピック委員会の候補地検討会議にかけられる。


1月13日(月)

不法入国手引者に対する刑罰も強化

昨日、バルセロナで開かれた5月25日(予定)の地方選に向けた与党PP(国民党)選挙キャンペーン会議で、マリアノ・ラホイ副首相は不法入国の手引きをする者に対する刑罰も強化することを発表した。不法移民手引き者に対する刑罰の強化は、対テロリスト、対軽犯罪者への刑罰強化と共に、今度の選挙キャンペーンにおけるPPの公約の目玉となる。
現行の刑法ではこの種の犯罪に対する懲役は6ヶ月から3年だが、昨日発表された改正案により、これが最高8年に延ばされ、移民の入国目的が売春であることが判明した場合には最長10年の刑となる。改正適用となる対象は、未成年者の不法入国を斡旋した場合、なんらかの不法入国斡旋グループへの所属している場合、不法入国者の声明や安全を危険にさらした場合となっている。
また、犯罪を犯した移民の即刻強制送還命令発行とその者に対する以後10年間のシェンゲン加盟国入国禁止のための改正案も発表されている。

マラガの留置所火災、6人目の犠牲者

12月27日、マラガの留置所で起きた火災から16日経った昨日、病院の集中治療室で手当を受けていた一人が死亡し、これで犠牲者は6人となった。この火災はモロッコに送還される直前に不法入国者が収容されていたマラガ警察の留置所で、送還を阻止しようと収容されていた男の一人(最初の犠牲者で、後に不法入国の斡旋者と判明)が起こしたもので、昨日死亡した男性は、皮膚の30%に負った火傷により、腎臓機能不全、呼吸困難に陥り死亡した。他の犠牲者と同様15分間に渡り煙を吸っていたことが致命的となり、回復することはなかった。マラガのカルロス・アジャ病院には他にも2人がいまだに集中治療室で治療を受けているが、この2人は命に別状はないという。
この不法入国者のグループのほとんど全員がすでにモロッコに送還されているが、唯一アルジェリア人だった男は現在送還手続き中で、もう一人の男は、彼らが今回利用した、セウタにあるモロッコとスペインにまたがる不法入国斡旋にかかわるマフィア網について名前、詳細などを供述したため、アンダルシアのNGOグループはこの移民について、外国人法第59条の“人身売買にかかわる組織の壊滅に協力したため”という条項に基づき、合法的居住許可申請を検討している。

漁獲高減少により魚、値上がり

「例の事故の前には一箱(17kg)35ユーロだったバカラディニャスが、2、3日前には一箱62ユーロした。この値段では、小さな魚屋を経営してる人たちは仕入れが出来ないよ。」とア・コルニャ県リベイラの魚市場で働く仲買人の一人が言った。この値段の高騰はプレステージ事故のせいだけではない。援助金が出るため漁に出ない船も多いからだと彼は言う。
一方、魚の仕入れに来ていた、小さな魚屋を経営しているホセファさんは言った。「その日に買えるものだけを今は買っています。顧客を維持するために値上げはできないので、儲けはかなり少なくなりました。」またメルセデスさんは「大変だけど仕方ないです。」と言い、「今はリベイラの漁船のすべてが操業しているわけではありません。なぜなら漁師の多くは魚が取れるかどうかに不審感を抱いているし、他の人は禁止区域外まで出て行けるような船を持っていませんから。」とドロレスさんは述べた。
水揚げされた魚の品質チェックを研究所で行えるようすでにガリシア州政府への申請がされているが、現在リベイラでは待機している州政府の獣医が、魚が石油に汚染されていないかのチェックをその場で行っている。この地の人々は、現在水揚げされている魚の品質を保証し、何の問題もないと豪語しているが、獣医は、「今後この地域では特に魚の繁殖に問題が出るのではないか」と慎重な姿勢を示している。

中小規模商店、5%しか営業せず(マドリッド)

マドリッド自治州政府が従来の営業可能日曜日に加えて決定した2003年度の営業可能21日曜日の最初の日曜にあたる昨日、マドリッド州内で営業していた中小規模商店の数が全体のわずか5%であったことがわかった。昨日営業していた商店は大規模ショッピングセンターの近くにある店がほとんどで、その他の商店は、従業員との就労協定の中で休日出勤が認められていないため閉店していた。


1月10日(金)

中央政府、ガリシア州議会独自のプレステージ事件調査を妨害

11月13日午後3時、石油タンカーに原因不明の事故が起こったときから、11月19日正午にこのタンカーが二つに割れて沈むまでの間に何があったのかを独自に調べるため、今日からガリシア州議会はプレステージ事故調査委員会を始動させるが、行政省は、要請されたガリシア州議会への出頭のうちの10件と、すべての書類の提出を拒否することを書簡で通達した。事故に遭ったプレステージの牽引先決定についての書類の閲覧の権限は限定されており、中央政府は国会からの要請についてのみ応じる義務があると憲法で定められている限り、地方政府の調査委員会は自らが持つ権限内で調査を進めるしかないというのが中央政府の言い分で、「いかなる国家公務員、国立機関とそれにかかわる人物も出頭しない」とガリシア州議会に通達したことから、当時の状況説明には、中央政府ガリシア州担当官アルセニオ・フェルナンデス氏も、Sasemar(海上保安を司る政府の機関)の責任者も、行政省の命により救出作業を担当した牽引船とヘリコプターのオーナーも出頭せず、漁業関係者、ガリシア州議員7人とプレステージのギリシャ人船長だけが委員会に出頭することとなる。
この書簡で政府が言及している“中央政府に限定される権限”には「捜索活動、救出作業、海上保安、汚染対策活動」が含まれており、これはまさに非常時に必要とされた活動そのもので、これこそが調査委員会が究明しようとしているものである。この政府の通達に対し、BNG(ガリシア民族党)、PSOE(社労党)は強い反発を示している。

アセベス内務大臣、7つの刑務所建設計画を発表

昨日、訪問先のマラガで、アンヘル・アセベス内務大臣は、内務省と財務省が現在、新たに国内に7つの刑務所を建設することを検討中であると発表した。うち3ヶ所はただちに建設に取りかかる予定で、2ヶ所がマドリッドに1ヶ所がアンダルシアに建てられる。現在マドリッドには7ヶ所の刑務所があり、約7000人が服役中で、スペイン全体の服役者数は52000人と史上最高人数を記録している。
これは、今日閣僚委員会が裁判法の改正案を提出することにより予想される、改正後の服役者の増加に対応するためで、この改正案には、窃盗、自動車泥棒、市中での小規模テロ行為(火炎瓶を投げたり、公共の器物を破損したり、また放火したりすること)といった刑法で2年以下の懲役が科せられる罪の犯人に対し、刑務所への一時的服役を判事が命じられるよう、裁判法の条項を改正することが盛り込まれている。スペインでは2年前から犯罪率が増加しており、これに歯止めをかけられないアスナル政権は、警官と治安警備隊員の増員と懲役2年以下の犯罪者への懲罰強化を軸にした対策案を昨年の夏、国会で発表している。

ナニ・ローマ選手、パリ・ダカールラリー、リタイヤ

ジョアン・ナニ・ローマ選手は、オートバイで参加中のパリ・ダカールラリー第9ステージ(サバスタート、ジッラゴール)で事故に遭い、リタイアを余儀なくされた。選手はこの事故で頭部に外傷を受け、また脊椎の痛みも訴えたため、ただちにヘリコプターでスタート地点のサバへ搬送された。第8ステージ終了時点で選手は総合成績3位につけており、トップのイタリア人ファブリツィオ・メオーニ選手との差はわずか2分7秒だった。また、オートバイで参戦していたもう一人のスペイン選手イシドレ・エステベ選手もメカの故障によりリタイヤしている。


1月9日(木)

さらなる寒波、大雪の襲来

昨日、交通局長カルロス・ムニョス・レピソ氏は、イベリア半島にやって来る大雪の到来を前に、今日は車の使用を控えるよう勧告した。どうしても使用しなければならないときは、コート、食糧、携帯電話を持って、ガソリンタンクを満タンにした上で出かけるように呼びかけている。
国立気象協会は、北部は標高300M,南部も600N以上で雪となると予報しており、これを免れるのは地中海岸だけとなる。現在13自治州に注意報が出ているほか、32ヶ所の峠でチェーンの使用が義務付けられている。チェーンの使用が義務付けられる場所は今日、さらに増えると見られている。昨日、グラナダの高速道路A-92のラ・モラ峠では雪のため、259キロ地点と268地点が数時間にわたって通行できなくなり、大規模な渋滞が起きている。
マドリッド市役所は日曜日まで続くと見られるこの寒波の襲来により、地下鉄アトチャ駅をホームレスの人々に夜の10時から朝の8時まで開放することを決定。アトチャ駅にはおよそ100人が眠る場所が用意され、NGOが暖かいコーヒーとボカディジョを配り、また毛布も支給される。これは、市内にある施設(計1300人収容)がどこもほぼ満員であるためとられた措置。バルセロナでは、ボランティアグループがガリシアに向けて出発する予定だったが、カスティジャ・イ・レオン地方の道路でバスが動けなく可能性があるとして、出発は中止された。

アナ・ボテジャさん、マドリッド市政入りへ

数ヶ月前からささやかれていた噂が実現した。マドリッド市長に立候補するアルベルト・ルイス-ガジャルドン現マドリッド州知事からの要請を受けて、ホセ・マリア・アスナル首相の妻、アナ・ボテジャさんの名が与党PP(国民党)のマドリッド市選挙候補者リストに載ることが今日、発表された。マドリッドのホテルで行われたPPの定例集会に出席したアナ・ボテジャさんは、「党の選挙委員会が認めるのでしたら。」と述べ、会場は大きな拍手に包まれた。5月25日の地方選挙で当選が決まれば、ボテジャさんは社会福祉を担当することになる。

プレステージから漏れ続ける石油は1日80トン

深さ3600メートルの海底に沈んでいる石油タンカープレステージからは今も毎日およそ80トンの石油が漏れ出している。しかし、フランスの潜水艦ノーティルが20ある亀裂のうちの8つ(完全に塞いだもの6つ、ほぼ完全に塞いだもの、部分的に塞いだもの、それぞれ1つ)を塞いだため、1日125トン漏れていた1ヶ月前よりは流出する石油の量は少なくなっている。沈没から50日、プレステージから流れ出た石油の量は沈没前が2.5万トン、沈没後が5960トンの計3.1万トンになるといい、53350トンの石油が船内にまだ残っている。ノーティルが悪天候のためここ数日間作業に出られなかったことから、今後は乗組員なしのロボット潜水艦を使う予定。
一方、政府により結成され、今回のプレステージ事故の対策案を練る科学委員会は、より効果的な対策案を検討中で、政府への報告書の提出は2月にずれ込む見込み。
ガリシア州政府のホームページではガリシア沖にある石油の状況を日替わりで更新、公開しているが、それによると昨日コスタ・ダ・モルテの沖に1500平方メートルの濃い石油溜まりが見られたという。イベリア航空は政府に、マドリッドまたはバルセロナからボランティアとしてガリシアに行く人たちが無料で飛行機を利用できるようにと、5万席を提供した。

マラガでガス爆発自殺、2人が死亡

昨日の午前10時13分、マラガ市内のアパートでガス爆発が起こり、2人が死亡、8人が負傷、周囲の建物5ヶ所が損壊した。
ガス爆発が起きたのは、アナ・モレイラ・リバスさん(57歳)宅。一人暮らしのモレイラ・リバスさは数ヶ月前から家賃を滞納していたため、裁判所が立ち退きを命じることとなった。このため昨日の午前10時ごろ、裁判所職員が立ち退き命令を持ってモレイラ・リバスさん宅を訪れたが、強いガスの臭いがしたためただちに警察に通報した、数分後消防士たちが住居の中に入ろうとしているとき、爆発が発生した。これにより住居の壁とベランダが崩壊し、モレイラ・リバスさんは死亡、爆発時にこの建物の真下を歩いていた歩行者の男性50歳も病院に運ばれた後、死亡した。その他、消防士5人、歩行者2人、警官1人が負傷、6人が病院に運ばれ、うち3人は引きつづき入院している。警察は、自殺を図ろうとしたモレイラ・リバスさんがガスボンベ数個を爆発させたと見ている。

ビトリアでETAメンバー2人を逮捕

警察はビトリアで、ホセ・マヌエル・マルティネス・ベイチェギ容疑者、通称“ティト”とミゲル・エチャニス・エラツィ容疑者を逮捕したと発表した。マルティネス・ベイチェギ容疑者はべネズエラに逃亡していたのを1984年フランス経由で送還され、スペインでテロ活動に参加した容疑で1年間服役していた。
2人が逮捕されたのは今朝未明で、罪状はETAへの協力。家宅捜査により、住居の一つからETAが通常使っているピストルブローニング9ミリが装填され、いつでもつかえる状態で発見された。逮捕後2人はすぐにマドリッドに移送された。


1月8日(水)

絶え間ない石油の漂着に疲弊し絶望するラ・コスタ・ダ・モルテ

10日前から、プレステージから流出した石油は行き先をフランスに変更した。しかし、コスタ・ダ・モルテにはその間も毎日石油の塊が漂着しつづけている。ムシア、カルノタ、カマリニャスといった町では日ごとに不信感と絶望感が増している。
漁業関係者の大半は、現在漂着しつづけている石油は最初に漂着した2つの大きな石油溜まりから派生したものだと考えている。 カルノタ町長はこれは岩についていた石油が波に洗われたものだと述べているが、カルノタの漁業組合は昨日同町の3つの浜辺に流れ着いた石油はさらに黒く臭いも強いことからプレステージから新たに流れ出した石油であるとの見方を発表している。浜辺の清掃作業を進めても、毎日新しく石油が流れ着き、浜辺がきれいになっていることは決してない。「これは悪夢にほかならない。」と町長は述べた。
コスタ・ダ・モルテで石油の回収作業にあたっている人々の間には、海が元通りきれいになることはないのではないかという不信感と絶望感が広まっている。現在は、最初に石油が漂着した後回収作業を進められなかった岩場に張り付いた石油が波に流され海上に漂っている状態で、回収作業に沖に出る漁船が発見するのは黒い石油の塊ではなく、油のような液体状の石油の染みだという。
一方、フランスでは悪天候によりいまだに海上での石油回収作業が始められないでいる。木曜には風向きの変わることが予想されており、そうすると新たに石油が海岸に漂着することになるため、漁業関係者の間では焦りが募っている。アルカション湾はビゴ湾より規模が小さいものの、湾の入り口の形が似ているため、フランスではガリシアの人々がどのようにして湾への石油の流入を食い止めたのかを知りたがっている。フランスでも、ガリシアと同じように漁船を出して必要ならば手で石油を回収することを考えており、昨日ガリシアから3人の漁業関係者がその方法をフランスの同業者に伝えるため、アルカションを訪れた。

タルゴ脱線事故の原因は依然として不明

土曜日にアルバセテ県トバラで起こり、死者2人と負傷者28人を出したマドリッド発カルタヘナ行きのタルゴ特急脱線事故の原因はいまだに解明されていない。証拠がないため、人的ミス、機械的ミスともに肯定も否定もできない状態であると司法関係者筋は述べているが、Renfe(国鉄)の報告書に基づいてアルバレス-カスコス勧業大臣の発表した見解では、きっぱりと人的、機械的ミスの可能性が否定されており、Renfe側は悪質ないたずらであるとの見方を示している。
司法関係者が人的ミスの可能性を否定しない一方、Renfeは回収された記録箱(飛行機のブラックボックスのようなもの)にはいかなる異常も記録されていないと強調した。運転手は線路上におかしな物体があるのと見なかったと証言しているが、機械が“何か”による強い衝撃を受けたことも認めている。
裁判所では付近の住人の尋問は、「状況証拠だけしかない現状では意味がない」として行わない方針で、マドリッドの作業所へ昨日搬送された貨車と機関車の専門家による詳細な調査結果と、研究所へ運ばれた脱線部分の線路の調査結果が現在待たれている。ラジオ局カデナ・セルの集めた情報によると、これらの証拠物品とともに事故現場では粉砕されたコンクリートブロックではないかと見られる物体も回収されており、このブロックが線路の上に置かれていたのではないかという見方もされている。

フランス警察、ETA収監者の脱走を阻止

フランス警察は、今月2日、パリのラ・サンテ刑務所の収監者ETAメンバー間のメッセージを発見、5人のETAメンバーの脱走計画を阻止することに成功した。これに関与したと見られる全員がフランス国内の別々の刑務所に移動された。
詳細は警察の捜査結果の発表を待ってから報告されるが、この計画は、外にいる仲間が爆薬で刑務所の扉と壁を爆破し、5人が脱走するというものであった。公式発表はまだだが、ETAメンバー内でのメッセージのやりとりが発覚したのは、共同房にいる他の収監者からの密告があったためだという。
この刑務所の前では、2週間ほど前に、ETAの支持者たちが集まり、ETA収監者をパリからフランス、バスク地方の刑務所に移すよう抗議していた。彼らのうちの何人かは刑務所の塀にのぼり、ETA支持の垂れ幕を下げたが、刑務所ではこれはカムフラージュで実際は脱走経路確認のための行動であったと見ている。
昨年8月に収監されていたETAメンバー、イスマエル・ベラサテギ容疑者が面会に来た兄とすりかわり脱走するという不祥事の後、ラ・サンテ刑務所では囚人の数を減らし、また9月に国会で承認された新たな法律の適用も受け、警備が強化されている。

大雪続く

INM(国立気象協会)によると、ルゴ、オレンセ、ポンテベドラ(以上ガリシア地方)、アストゥリアス、カンタブリア、バスク、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、ラ・リオハ地方とウエスカ(アラゴン地方)、マドリッドで今日は雪が降りそうだという。今日から明日にかけてイベリア半島とバレアレス諸島を強い寒気を伴った前線が通過するため、スペインの北半分では雪、南半分とバレアレス諸島でも標高600M以上では雪が降ると見られている。この前線の通過後は強い北風が吹き、半島北半分は気温が零度前後、南半分でも6度前後と気温が急激に下がる見込み。この寒さは週末まで続きそうだという。
現在、ブルゴス、カンタブリア、ルゴの4つの峠が通行禁止となっており、アビラ、ブルゴス、パレンシア、サモラ、ソリア、レオン、アストゥリアス、グラナダ、ウエスカの山道ではチェーンの使用が義務付けられている。


1月7日(火)

各地で大雪による交通の乱れ

スペインの大部分の地域が昨日、風、雨、そして特に雪による被害を受けた。この大雪の影響で、ジロナにあるフランスとの国境ラ・ジョンケラでは7時間にわたって高速道路A-7、N-Uが通行止めになり、およそ5000台のトラックと乗用車が足止めを食った。昨日はカタルニャ地方北部で1平方メートル50から100リットルの雨と雪が降り、ジロナ県ではその他9つの道路が一時通行禁止となった。アストゥリアス、レオン、カンタブリア地方の山沿いではチェーンの使用が義務付けられ、グラナダ県のエル・べレタ峠、ウエスカ県のポルタレット峠でもチェーンが必要となったほか、メリジャとアルメリアを結ぶフェリーは運休、パレンシア県ではカリオン川が決壊した。現在も、アストゥリアス、カンタブリア、バスク、ナバラ、アラゴン、カタルニャ、カスティジャ・ラ・マンチャ、バレンシア、ムルシア、アンダルシア、バレアレス地方に注意報が出されている。

今年の当選番号は89836

昨日、今年のニーニョ・ジャンボ宝くじの抽選が行われ、1等、前後賞あわせた賞金6400万ユーロは、マドリッドの東にあるサン・ブラス地区のレストランのものとなった。この食堂は、工業地帯に隣接し、トラック運転手や工場勤務者、近所の人が朝の5時から立ち寄る場所で、店主のホセ・ルイス・フェルナンデスさんがこれまでの17年間と同様グランビアのショッピングセンターにある宝くじ売り場で買ったこのくじに出資した顧客たちは、1口あたり16万ユーロを受け取ることになる。
2等の当選番号は44801で、賞金は2500万ユーロ。このくじはオビエドの宝くじ売り場で販売されたもので、グループ買いはされておらず、小口で買った近所の人々がそれぞれ賞金を手にする。

ビゴで5万人デモ、アスナル首相とフラガ知事の辞任を求める

地方警察の発表では昨日5万人以上がビゴのプラサ・ド・レイから州庁の建物までバグパイプ、太鼓などの音楽に合わせてデモ行進、プレステージ事故に対する、政治的、刑事的責任を追及した。このデモは、ヌンカ・マイスグループと合併したガリシア出身のアーティスト達による抗議集団ブルラ・ネグラが主催したもので、トラックの荷台に設けられた舞台では東方の三博士の扮装をした三人が“ラ・クカラチャ”の替え歌を歌い、その後にはデポルティボ対セルタのサッカーの試合中、リアソル・スタジアムで見られたのと同じ“辞任を”と記された黒い垂れ幕が続いた。デモの最後は、花火と合唱で締めくくられたが、フラガ・ガリシア州知事、アスナル首相、ラホイ副首相を真似たカベスド(頭でっかちの人形)が現れると、移動舞台の上から東方の三博士が石油を象徴するカカオと小麦を混ぜたものを人形に浴びせ掛け、参加者たちは“辞任せよ!”の連呼で一つになった。
ガリシアへの石油の漂着はまだまだ続いている。昨日もコスタ・ダ・モルテには石油が固まってビスケットのようになったもの“ガジェタス”が新たに漂着、アロサ湾の沖とフィニステレの沖20マイルにそれぞれ大きな石油溜まりがあり、木曜にも陸地に到達すると見られている。

バーゲンシーズン到来(マドリッド)

冬のバーゲンは1月1日に始めることができ、3月31日に終わるがマドリッドの商店の大部分はロス・レジェスの祭日明けから値下げを始める。FUCI(個人消費者、ユーザー協会)の調べではマドリッドの人々は例年と大体同じで平均90ユーロをバーゲン期間中に使うという。商店主たちは、今年は消費者のユーロへの信頼感が増しているため、バーゲン期間中の売上は去年より上がると見ている。期間中は市役所職員が、値段表示が正しく行われているか、バーゲン商品の品質などを監視する。

ユーロに両替されていない3600億ペセタ

2002年12月10日現在、ユーロに換金されていないペセタの紙幣とコインを合わせると総額21.65億ユーロ(3602.26億ペセタ)、2001年に流通した貨幣の4%に上ることがわかった。ペセタの86%は2002年の1月から2月にかけて換金されており、その後換金額は減少(6月から12月の間に換金されたのは5.58億ユーロ)している。現在はスペイン銀行の本支店でだけ換金を行うことができるが、国民の手元に残されるペセタはすべて、国にとっての特別収入となる。


1月6日(月)

今日は、主顕節の祝日のため、トップニュースはお休みです。


1月3日(金)

筏で不法入国を企てた少なくとも5人が溺死(タリファ)

昨日の朝6時頃、カディス県タリファの海岸から約50メートルの岩場に衝突した筏に乗っていたマグレブ地域(チュニジア・アルジェリア・モッロコ三国の総称)出身の不法入国者のうち少なくとも5人が溺死した。治安警備隊は35人を逮捕したが、うち8人は逃走、さらに10人がいまだに行方不明となっている。この衝突は昨夜現場付近に立ち込めていた濃い霧のせいで視界が悪かったため起こったと見られている。
周辺地域は筏による不法入国を防ぐための最新監視装置が備えられており、治安警備隊は午前4時半頃すでにこの筏の存在を確認し、浜辺で待機していた。しかし長さ9メートルほどのこの筏は、治安警備隊の目の前で岸から50メートルほどの岩場に衝突、ただちに救出作業が行われたが、今のところ5人が溺死体で見つかっている。残り10人の捜索は今日も続けられる予定。

IU、PNV、政府の刑法改正案に反対

昨日、IU(統一左翼)とPNV(バスク民族党)は政府の提案する刑法の改正で、テロリストに対する最長刑期を30年から40年に延長し、収監されているテロリストに対しても特典審査を厳しくすることに反対した。反対の理由をIUは“合憲性に疑問が残るため”“テロリストの更生を不可能にする”とし、PNVは“政府の人気とりのためにすぎない”“受刑者の更生、社会復帰を不可能にする”としている。また政府から会談に呼ばれなかったBNG(ガリシア民族党)も反対を表明している。両政党の反対にもかかわらず、大筋に関してはPSOEを含む大部分の政党が同意していることから、この刑法改正案は今日開かれる閣僚会議で承認される見通し。

科学委員会、プレステージに新たな亀裂ができる可能性を否定

プレステージ事故対策のため政府により結成されたCSIC(科学調査高等委員会)は、昨日、船体は現在沈んでいる場所の気圧(350気圧)の3倍を上回る圧力に耐えられるように作られているため、今後新たな亀裂が開いたり、船体が壊れたりすることはないという内容の報告書を発表した。現在発見されている亀裂は、プレステージが沈没し、船体が海底に衝突したときの衝撃でできたものだという。フランス潜水艦が作業を始めてから新たに開いたとされる亀裂からの石油の流出も、船体の一部にはそれまで接近することができなかったため発見できていなかった亀裂であって、新しく開いたものではないと報告した。この報告書によると、石油の流出が起こっている亀裂の数は、船の前半分と後ろ半分を合わせて全部で20で、12月21日にフランスの潜水艦ノーティルがうち2つを完全に、3つを部分的に塞いだという。これらの亀裂から流出していた石油は1日あたり125トンであったという。政府の発表では沈没した船体に残っている石油の量は5万トン以上で、委員会はこの石油が5〜39ヶ月間流出しつづけるとの見解を発表している。
一方、フランス南西部にはプレステージから流出した石油が小さな塊となって漂着し始めており、すでに海岸線17キロが汚染されている。フランス政府はこの週末に新たな大量の石油が漂着することを懸念している。

交通事故死者数2年連続で減少

DGT(交通総合局)が昨日発表したところによると、2002年の交通事故死者数は前年からほぼ3%減少したという。昨年の交通事故死者数は4026人で2001年は4145人だった。死亡事故数も、2001年の3525件から昨年は3434件に減っており、同時に重傷者数(2061人から1958人)、軽傷者数(1959人から1918人)も減少した。専門家は減少の理由として車の買い替えが進んだこと、道路が改良されたこと、新しい道路交通法の適用をあげている。スペインは自家用車の所有率が毎年上がっており、DGTによるとこの10年間で自動車の所有率は1730万台から約2500万台と約50%上昇し、国民1.6人あたりに1台の自動車がスペインにあるという。


1月2日(木)

2003年の生活費は?

昨日から電気代、電話代、公共交通機関は値上がり、石油も世界的値上がりの影響で値上がり、一方、個人所得税(IRPF)は引き下げで、これにより2月から労働者の給料は平均で11%上がることになる。また中小規模商店に対する経済活動税(IAE)は撤廃、女性用衛生用品への付加価値税(IVA)も9ポイント下げられる。2003年、主要な値上がりは以下の通り。
電話:市場の85%を占めるテレフォニカの通話料は値下がりするものの、毎月の電話使用料が8.05%値上がりするため、毎月の請求書は値上がりすることになる。その他の電話会社はレテビシオン社のようにすでに通話料の大幅値下げを通知している会社もある。
電気:電気代は家庭用1.5%、業務用2%の値上がりで、ここ8年間凍結または値下がりを続けていた傾向が止まった。2010年までは毎年平均1.4%の値上がりが予定されている。
郵便:2003年の値上がりは平均2%。国内郵便が25セントから26セントに、ヨーロッパ向け郵便は50セントから51セント、日本向けは75セントから76セントになる。
長距離バス:年初は値上がりはなく、4月1日に値上がりが予定されている。
市内公共交通機関:都市によって値上がり率は異なるが、全般的に予想インフレ率を上回る値上がり。マドリッドでの切符は平均4.05%の値上がり(メトロの切符は例外で15%の値上がり。現在の95セントから1.10ユーロになる。)で、回数券は4%、バルセロナは切符3.6%、回数券3.57%となっている。
飛行機:今のところ航空会社の値上がりは予定されていないが、空港サービス会社AENAは空港使用料を約4%値上げする。
国鉄:近郊電車1.3%、中距離列車1.9%、長距離列車とAVEは3%の値上げ。これに昨年から適用されている鉄道安全税を加えなければならない。この税額は近郊電車、中距離列車で0.02ユーロに値上げされるが、長距離(0.15ユーロ)とAVE(0.3ユーロ)は凍結。
高速道路通行料:IPC(消費者物価指数)と交通量を考慮した上で道路によって値上げ率は異なるが平均して3.5%の値上がり。

また税金と給料の変化は次のようになっている。
IRPF(個人所得税):労働者は2月の給料から減税に気がつくであろう。財務省によると、減税率は平均して11%。最も高い税率が48%から45%、最も低い税率が18%から15%となる。
IVA(付加価値税):女性用衛生用品(ナプキン、タンポン)は16%から7%に引き下げ、しかし乳児用おむつは引き下げなしで16%のまま。
働く母親への援助:財務省は3歳以下の子供を持つ母親と、養子を引き取った母親の最初の3年間に対し年間1200ユーロをIRPFから還付する。還付は毎月100ユーロ前貸しで行われ、46万人の女性がこれを受けるという。
IAE(経済活動税)の廃止:年間収入100万ユーロ以下の会社(全体の92%)に対するIAEを撤廃、逆に大企業によっては昨年より35%増の税額となるところもある。
タバコ、アルコール:増税は凍結。
最低保証給与:2%の上昇でこれにより最低保証給与は月451.2ユーロ、日当15.04ユーロとなり、また年間給与額は14か月分と計算し、6316ユーロとなる。
失業保険料:月額最低394.8ユーロ、最高1158.08ユーロで据え置き。

プレステージの石油、フランス海岸に到達

2002年の終わり、ついにプレステージから流出した石油はフランスに到達した。石油の到達が確認されたのは、ボルドーの南70キロの地域の観光地Las Landas地方で、ここはフランス有数の牡蠣の養殖地としても知られている。
石油はBiscarroseからラ・ロシェル港沖にあり大西洋岸の避暑地として有名なレ島にいたる地域で確認された後、フランス当局関係者は一様にこの石油の出所がプレステージであると断定はしない慎重な姿勢をとったが、2つの研究所による分析の結果この石油はプレステージのものであることが確認された。
悪天候と高さ4メートルを超える波のせいで、フランスでは海からの回収作業は少なくとも明日まで予定されていない。しかし回収作業には、ガリシア海岸でも活躍した汚染対策船AiletteとAlcyonのほか、特別な網を搭載し、フランス政府により1日5600ユーロでチャーターされている漁船も数艘出動し、またD'Entrecastaux地域には海軍の海洋学船も待機する。

マラガ警察留置所火災による3人目の死者

金曜日にマラガ警察の留置所で、騒ぎを起こして自国への送還を阻止しようと前日に捕まっていた不法入国モロッコ人が起こした火災による3人目の犠牲者が出た。この火災での14人の怪我人のうち8人はすでにモロッコに送還、6人はいまだに入院中。これが木曜日の夜、マラガ海岸で逮捕されたいかだによる不法入国モロッコ人の行く末である。
火災発生の瞬間から完全にその場の状況を記録したビデオがすでに裁判所に提出されており、このビデオには、牢屋が開けられるまでにかかった20秒間とその後、牢屋からほかの逮捕者が逃げるのを邪魔しようとする船主と水先案内人の姿が写っている。アンダルシア人権擁護委員のホセ・チャミソ氏は一人当たり5000ユーロを取る船主と不法入国希望者を同じ牢屋に入れるのは死刑執行人と犠牲者を同じ房に入れるようなものだと強く批判、しかし当局は火災の後まで誰が船主だったかはわからなかったと弁明している。
モロッコ政府は火曜日、テレビを通して移民問題担当の女性大臣が今回の悲劇の犠牲者への哀悼の意を表し、スペイン政府から事故の詳細な説明が受けられることを望むと述べた。

爆竹の音を聞いてベランダに出た男性、銃弾を受け死亡

マドリッドのプエンテ・デ・バジェカス地区にあるマンションに住むフランシスコ・ペロミンゴ・オジョさん、39歳が昨日収容先のグレゴリオ・マラニョン病院で亡くなった。フランシスコさんは年明け直後の午前0時10分頃、通りで鳴り響く爆竹の音を聞いてベランダに出、家の中に戻ろうとしたところ後頭部に激しい衝撃を受けて倒れた。家族は爆竹が頭にあたったと警察に通報。しかし救急車が到着し、あたったのは爆竹ではなく銃弾であったことが判明、フランシスコさんは直ちに病院に運ばれたが14時間後に死亡した。翌朝警察が捜査したところ、事故現場のマンションのうち、他にも2軒の窓に銃弾の貫通した後が見つかった。これによる怪我人は出ていない。住民たちは爆竹の音があまりにうるさかったので、誰かが発砲したのには全く気づかなかったと証言している。


1月1日(水)

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