子供の頃から、何が嫌いだったかと言えば、ただ機械的に暗記する事だった。
自分で考えたり、自分で創作したりすると言う楽しみが全く無く、また、
努力したからと言って、それが実生活において役に立つわけでもない。
これは私にとって非常に辛いものであり、時間の浪費としか思えないものであった。
そして、その最たるものが世界史や日本史の授業で強要された歴史年号の暗記である。
それでも当時苦労して覚えた幾つかの年号語呂合わせが今でも私の頭に残っている。
「鉄砲伝来銃ごよみ(1543年)」
「いいくに(1192年)作ると幕府立て」
「富さんざん(1333年)使い果たした鎌倉幕府」
「意欲に(1492年)もえるコロンブス」 etc.
とにかく、これらの事務的な作業が嫌いだった。
一旦、嫌いと思えば、一切勉強しない性格であった私は、小学生から高校生に至るまで、
歴史の成績は最悪であった。 まるっきり興味がもてなかったのである。
その完全なまでに劣等生であった私が観光ガイドとしてマイクを通じて話す事を、
歴史の先生方が一生懸命にメモをとってらっしゃる姿を見ると、我ながら可笑しくなってくる。
「スペイン史の本を書かないのですか?」
「我々、授業でもこれだけの事は教えられません。是非、本を出して下さい。」
今までに、一体何度このようなもったいない言葉をかけて頂いた事だろうか。
私はいつも笑ってこう答えた。
『私はいつも社会科は5段階評価で2をもらっていた劣等生ですよ』
私の歴史年号を記憶する事に対する嫌悪は今も変わらない。
そもそも、そんな昔の事を、一体誰がどのようにして立証しているのか?
種子島に鉄砲が伝来したのは、本当に1543年なのか?
鉄砲を日本に伝えた当事国であるポルトガルでは、1541年に伝えたと
教えているではないか。
コロンブスが新大陸を発見したのは、本当に1492年だったのか? ブラジル発見は?
日本にキリスト教を最初に伝えたのは、本当にフランシスコ・ザビエルだったのだろうか?
最初にヨーロッパへ渡った日本人は、本当に天正遣欧少年使節団だったのか?
それよりも古い史実が発見された場合、テストでそう答えずに×をもらった生徒に対して、
教育委員会は何と言って弁明するのか?
こんな不正確で、あいまいな事を暗記させられて、それで点数をつけられたのでは
たまったものではない。
これが子供の頃から、今も変わらぬ私の歴史の授業への反感である。
他にもっと大切なことがあるだろうに、、、