*スペインサッカー・コラム「Fuera de juego」 by 武田正明*


第14回
(2008年6月4日)


開幕目前のユーロ・コパ

 最後まで注目を集めたラウールは代表選出されず、ルイス・アラゴネス監督には色々と批判が下ったが、
それを話題にしている暇はなく目前に迫ったユーロ・コパにスペイン代表は発進している。
代表選出に関しては今季大躍進でリーグ2位を手中に収めたビジャレアルのカソルーラと1部降格した
サラゴサのセルヒオ・ガルシアが初の代表に選ばれ注目を引いている。

 ところで、5月31日のテストマッチ、ホームにペルーを迎えて37分にビージャで先制し、後半の
73分、DFのミスからドローをくらったが、終了直前のロスタイムにカプデビーラがファイン・ゴールで
2−1としてなんとか勝ち取っている。
前半こそ主導権を制したが、後半はペルーの前に屈しドロー・ゲームが妥当な結果だったように思われる。
そして、6月4日には米国を迎えてテストマッチを行い、いよいよスイスに飛び立ち本番を迎える。

by 武田正明
 
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第13回
(2008年5月8日)


リーグ3ゲームを残して2連覇を達成!!!

 2連覇を目前に中々優勝できないレアルは2週間ばかりが過ぎた5月7日の35節、
ホームのバルサを問題とせずラウールの先制をスタートに、ロッベン、イグアイン、
ファン・ニーステルロイ(PK)で加え、アンリーに一矢を返されるが完璧にライバルのバルサを
4−1のスコアで圧倒している。
すでに31回目のリーグ制覇は5月4日の前節、アウェーのオサスナで劇的な勝利を収めて
待ちに待たれた優勝を決め、今節はホームで最大のライバル・バルサに優勝の花道で迎えられると云う、
バルサに取っては最大の屈辱で今リーグの優勝が決まっている。

 リーグ優勝が確実視されるようになってから2週間ばかりが過ぎ、レアル優勝時の祝典の場、
大地の女神の噴水は2度にわたって祝典の準備がされたがついに前節の勝利で待ちに待たされた
レアルサポーターの喜びが爆発している。
前半早々の先制で勝利を導く結果になったラウールはいまだルイス・アラゴネス監督の代表に選出されて
おらず、サンティアーゴ・ベルナベウ球場では”ラウールを代表に選べ”の声で騒然となっている。

 リーグ終了目前となった現在、レアルで最高得点を挙げ優勝に大貢献したラウールの代表選出は
最も大きな関心事となっており、スイス・オーストリアで開催されるヨーロッパ・ネーションズ・カップを目前に
ルイス・アラゴネス監督がラウールを選出するかが注目を集めている。

by 武田正明
 
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第12回
(2008年4月2日)


リーグ制覇に一歩前進するレアル

3月23日の前節、ホームでバレンシアの前に2−3で屈したレアルは、バルサが勝利を挙げたことで
両者の差は4勝点となり、リーグ9ゲームを残して一段と両雄の争いは活気を帯びつつある。

ところがである、3月30日の30節、レアルに王手を掛けたいバルサはアウェーのベティスを前半に
ボジャンとエトーで2点のリードを奪いながら、後半にエドゥーの一撃で生き返ったベティスに
3ゴール食らう逆転劇で千載一遇のチャンスを逃がしている。

そして、レアルはホームに強敵セビリアを迎え7分早々にエインセの初ゴールで先制し、37分には
カノウテでドローにされたが、すぐの38分、ラウールがレアル通算290ゴール目をファインゴールで飾り、
65分には久々のスタメンで大活躍のイグアインが加え3−1と圧倒している。

 この結果、首位レアルとバルサの差は7勝点と開き8ゲームを残すだけとなった現在、バルサは優勝戦線から
離脱して代わりにビジャレアルが今節の勝星で首位に6勝点差の2位に浮上している。

 ところで、レアル歴代2位の290ゴールを決めたラウールは得点王争い16ゴールで3位に絡んでおり、
ここ数年来のゴール量産でチームの躍進にも貢献し絶好調を維持している。

 当然のごとくスペイン代表に呼ばれてもまったくおかしくないのだがルイス・アラゴネス監督はいまだに
ラウールを選出せず、これがスペインの日常の社会問題になっており、サッカーが庶民の生活の
一部となっているのがうかがわれる。

by 武田正明
 
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第11回
(2008年3月4日)

レアル、バルサの連敗に助けられる!!!

 チャンピオンズ・リーグをローマの前に屈してまたもやベスト8に勝ち抜けなかったレアルはコパ・デル・レイを
マジョルカに敗れたのに続く不運を迎え、残るところはリーグ制覇しかなく開幕時の目標だった三冠王は夢の如く
消え去っている。
ただ今回のC・リーグ敗退はかなりのショックでカルデロン会長を始めサポーターはベスト8の夢を砕かれ、
敗戦の翌日にはシュスター監督更迭の噂がスポーツ紙のトップを飾っている。

 この結果、レアルはリーグに集中できることになり、3月9日の27節、ホームのエスパニョールを
元レアルのバルドに先制を食らうスタートとなったが前半終了近くにイグアインでドローを返し、
72分にはPKを得たラウールが自ら決勝ゴールをゲットして2−1で逆転勝利を収めている。

急追していたバルサは3月2日の26節、アウェーのアトレティコを4−2で落とし、その後すぐの
C・リーグ、ホームのセルティク・グラスゴーを下してベスト8進出を決めたがメッシーをけがで
約1ヶ月半失うと云う大きな代償を払っている。
そして迎えた今節はホームのビジャレアルを予想に反して1−2で敗れてしまい、なんとリーグ2連敗で
2勝点差まで首位レアルに急追したバルサは8勝点と差を開けられている。
しかしながらバルサはC・リーグ、コパ・デル・レイ、リーグの三冠制覇の可能性を残しており、
けが人を多く抱えて大物のロナウデーニョ、デコも精彩を欠いているが唯一レアルを脅かしている。

by 武田正明
 
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第10回
(2008年2月26日)

失態を繰り返すレアルと追撃のバルサ

 2月24日の25節を終了して首位レアルと2位バルサの差が2勝点に縮まり、ちょうど1ヶ月前の差は
9勝点あってレアルのリーグ制覇はかなり確実視される傾向になっていたが、前節、アウェーでベティスに
2−1の逆転負けを食らった今節のレアルはホームにヘタフェを迎え、後半にロッベンの先制が決まり
ほとんどの選手が祝福の輪を広げているときレェフリーは非情にもオフサイドの判定、そのすきを狙って
ヘタフェは電撃速攻でウチェが64分に先制を挙げ、 結局、それが決勝点となって0−1とレアルは
実に痛い敗戦を喫している。

 片やバルサは前節、アウェーのサラゴサを1−2と実に久々にロナウデーニョがPKの決勝ゴールで
1−2と勝ち取り、 今節、ホームのレバンテをメッシーの活躍とエトーのハットトリックで5−1と圧勝している。
前リーグ、レアルが首位バルサを追撃して 逆転優勝したときのシナリオと全く同じことが繰り返され、
今回ばかりはバルサが追う立場でリーグ制覇は混沌とした状況を呈してる。
 けがで長期欠場後、アフリカ・カップと今季は本領を発揮できなかったエトーがバルサで初のハットトリックを達成し、
 絶好調のメッシーに前季ほどではないがロナウデーニョも復活しつつあり、けが人を多く抱えるけれども
レアルを追う身のバルサは非常に恐い存在となっている。

by 武田正明
 
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第9回
(2007年2月7日)

天敵フランスを下す!!

 代表は2月6日の友好マッチ、ホームにフランスを迎え両者互角の戦いを制して、 終了近くの79分、
イニェスタがPKエリア外から放ったシュートのこぼれ球をカプデビーラが押し込んで先制、残る10分少々、
フランスの大反撃をGKカシジャースがファインセーブで守り切り1−0と、過去苦杯をなめされてきた
フランスを下している。

 代表はゲームを迎える前からテストマッチ以外のことで話題が彷彿しており、ヨー ロッパ・ネーションズ・カップ以後は
代表監督を退くルイス・アラゴネスの後釜をサッカー連盟が捜していることが新聞にスクープされている。

 これに怒ったルイス・アラゴネス監督は連盟のアンヘル・ビジャール会長に対して、まだ欧州選手権も終っていないのに
監督捜しとは、私に信頼を置いていないのかと不満をもらし、両者の間はかなりきわどい状態になっている。
そんな状況の中迎えたゲーム、もし落としていれば、ルイ ス・アラゴネス監督更迭の話も急激に進んでいたかもしれず、
フランスに勝ったこと で一時的に平静を保っている。

 ところで、初選出のボジャン(バルサ)は体調不良でベンチ・ウオ―マーに終わり、待望の17歳で代表ゲーム出場の
最年少記録を打ち立てられぬままである。

by 武田正明
 
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第8回
(2008年1月31日)

強敵ビジャレアル、レアルの前に屈する!!

 1月27日の21節は、前節のマドリッド・ダービー、苦戦が予想されたアウェーのアトレティコを
0−2で圧倒したレアルがリーグ3位を維持する好調ビジャレアルをホームに迎え好ゲームを展開している。
ゲームはこの日スタメン、グティーによる前半早々からの天才的なスルーパスで ロビーニョが先制したが、
ケガから復帰した若手イタリアFWロッシーにドローを返され1−1で前半を終了。 
このドロー・ゴールでGKカシージャスの被得点記録が573分でストップしている。
後半は52分に再びロビーニョでリードを奪い、75分にはDF陣のミスからカプデビージャに
再度ドローを食らったが、すぐの76分、交代したばかりのスナイダーがガゴの絶妙のアシストで
敵の息の根を止める決勝ゴールを挙げ、 3−2でレアルが波乱にとんだ好ゲームを制してる。
 この結果、追撃するバルサがアウェーのA・ビルバオを1-1で引き分けたため首位レアルとの差は9勝点と
広がり、早くもレアルのリーグ制覇の可能性がささやかれ始めてい る。
過去の統計では現時点で9勝点差をつけたチームはすべて優勝しているため、当然の如くレアル2連覇は
確実視されつつあるが、シュスター監督はまだリーグは終ったわけではないと気の緩みに警告を発している。

ところで、レアルに取って一番恐いバルサはエトーこそアフリカ・カップで欠いているが、今節から
メッシーがスタメンに完全復帰し、弱冠17歳のゴールゲッター・ボジャンも 新人とは思えない活躍をしており、
コパ・デル・レイ準々決勝(国王杯)では ロナウデーニョ復活も期待されるだけに今後最も恐い存在となるのは確かで、 
足もとをすくわれないようにしなければならない。

by 武田正明
 
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第7回
(2008年1月16日)

バレンシアのお家騒動(その2)

 クーマン新監督就任以後、キャプテン・アルベルダ、GKカニサレスに戦力外通告して周囲のものを驚かせたが、
今度はやはりベテランのスペイン代表・アングーロも戦力外に加え、これに今季のために大枚の金をはたいて
補強したジキッチ、マヌエル ・フェルナンデスもクーマン監督の戦力外と云われており移籍の可能性があるようだ。

 ところで、アルベルダ、カニサレスの戦力外通告が出された数日後あまりに影響力が大きかったせいか
フアン・ソレール会長は、監督が二人を戦力外としているが別に解雇するわけではないと非常に歯切れの悪い
記者会見を行っている。

 大方の予想ではソレール会長が影で暗躍していると云われ、超ベテランで高給取りの二人を切りたいために
監督に戦力外通告をさせたと噂されている。
ただ、大物監督 招聘でかなりの期待が抱かれたバレンシアはクーマン監督采配以後、リーグ8戦1勝 4敗3引き分けで
リーグ7ゲーム勝利が挙げられず1995年度リーグ以来の不振となって首位レアルとは20勝ち点差の7位まで
落ち込んでいる。

ところで、1月13 日の今節はアウェーでアトレテイコと対戦したが、GKのミスからアグェーロに
決められる不運で1−0で敗れている。

唯一の好材料は冬の補強市場で取ったバネーガ (ボカ・ジュニオール)が今節初出場で冴えた働きを披露していることか。 




by 武田正明
 
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第6回
(2008年1月15日)

レアル、冬のチャンピオンに輝く!!!

ちょうどリーグの折り返し点となった1月13日の19節を終わり、レアルの首位は変動なく、
今節、アウェーのレバンテを苦しいゲームながら後半終了15分前からフアン・ニステルローイが
2ゴールを決める活躍で0−2として冬のチャンピオンに輝 いている。
 今年初のリーグとなった1月6日の18節、レアルはホームのサラゴサをGKカシージャスの
再三にわたるファインセーブで今節と同じく後半終了近くにフアン ・ニステルローイとロビーニョで
2−0として後続のバルサとの7勝ち点差を維持し ている。
そして迎えた今節、レアル、バルサが共に勝ち星を挙げて首位レアルはバルサとの7勝ち点差をキープしたまま
次節の1月20日、アウェーでアトレティコと相対するマドリッド・ダービーを控え大きな注目を集めている。

by 武田正明
 
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第5回
(2007年12月31日)

レアルの首位揺るがず!!!

 クラシコが終って一週が過ぎレアル・サポーターに取っては予想通りレアルが首位で今年の幕を閉じることになり、
これでレアルとバルサの差は7勝ち点と広がり新年1月に決まる冬のチャンピオンの座をほぼ確実にしている。

 ところで、私はクラシコが前半だけ見られなかったが、レアルがアウエーの不利をものともせずシュスター監督から
スタメン起用されるようになったバプティスタが前半35分にファイン・ゴールで先制を決め、このままレアルは
先制を守って0-1で快心の勝利を挙げている。

 スタメンかベンチかで注目されたグティーこそ出場しなかったが、今季初めオポルトから高額の契約金で取った
ペペが前節に続いて文句のない活躍で、GKカシジャース を軸にカンナバーロ、セルヒオ・ラモス、エインセ、ペペで
構成するDF陣がバルサの攻撃陣にドローを許さずかなり完璧に押さえ切っている。
DFではレアル最高の契約金となって獲得したペペは開幕早々怪我に倒れ、この補強は失敗だったのではないかと
各方面から批判を食らっていたがついに本物の働きを披露している。
早くもハイケンス監督で制したチャンピオンズ・リーグ獲得の名DFイエローの再来とまで云われている。

 さて、バルサはグティーのスタメンと並んで注目されたロナウディーニョは結局スタメンに顔を出し、
テレビ観戦では前半こそまずまずの働きをしているように見えたが、スタデイアムで生で見たバルサOBの
カルデレやヘスス・ペレダ、口のうるさい サポーターなどは全く動きが悪くみえたようで2年前に
チャンピオンズ・リーグを制 したときの精彩はないとまで断言している。
実際のところ今季のロナウディーニョは好 不調の波が激しくスタメンから外れることもあり前シーズンでは
考えられないことだったが、クラシコを落としたことでライカールト監督はますますプレッシャーを感じ、
メッシー、ジヨバンニ、ボジャンなど若手攻撃陣の活躍でロナウディーニョの使い方も変わってくるかもしれない。
すでにチェルシー、ACミラン入りが噂に上がるロナウディーニョ、クリスマス休暇が終って珍しく遅れないで
バルセロナに戻り練習参加 しているが彼の今後の去就が注目を集めている。  

by 武田正明
 
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第4回
(2007年12月20日)

バレンシアのお家騒動

16節、バルサにホームで惨敗したバレンシアはその数日後、クーマン監督がシンボル的存在のキャプテン・アルベルダと
GKカニサレスを今後起用しないと爆弾発言している。
 今季開幕前からカルボーニ・ゼネラルマネジャーとキケ・フローレス前監督の確執でカルボーニGMが解雇され
落ち着いたと思われていたが、サポーターから人気を欠く キケ・フローレス監督はチームの不振とともに首が飛び、
急遽オランダのPSVアイ ントフォーヘン監督クーマン氏を新監督に迎えている。
 ところがである期待されたクーマン監督采配以後、8戦中わずか1勝しか挙げられずチャンピオンズ・リーグは
逃がすわで最悪の状態をさらけ出している。
こんな中、 ついに大改革の第一弾が行われている。   

by 武田正明
 
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第3回
(2007年12月19日)

 12月16日の16節を終わり、レアルはホームのオサスナをオランダ・コンビの ファン・ニステルローイと
スナイダーの2ゴールで勝利をものにして首位の座を確実 にしている。
バルサはアウェーのバレンシアを敵とせず、復活を果たしたエトーの2ゴールとロナルデーニョに代わった
グジョンセンで0−3と圧倒している。
 この結果、首位レアルとバルサの勝ち点差は4ポイントとなって、待望の次節、バルサ−レアルのクラシコが
一段と注目を集めてる。
 レアルはグティー、バルサはロナウデーニョが今節スタメンに顔を見せず、ロナウデーニョはベンチ・ウォーマーと
監督の信頼を欠き、クラシコを前にこの2人の天才 の動向が注目を引いている。
ただ、バルサが勝っても首位で2007年を終るのはレアルで、来年の折り返し点で決まる冬のチャンピオンの
可能性は強いようだ。 

by 武田正明
 
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第2回
(2007年12月3日)

 11月中旬に代表はスウエーデン、北アイルランド戦を制してヨーロッパ・ネーショ ンズ・カップの切符を
手に入れている。
予選グループでは最強のスウエーデンを相手に圧倒し、中盤のチャビ、セスク、イニェスタが完璧な内容を
披露して、今季 ラ・コルーニャからビジャレアルに移籍したカプデビージャが先制を挙げる大活躍で勝利に
貢献している。
 片やスウエーデンは予想外の不調でイタリア・ユベントスのエース・イブラモイ ビッチも全く精彩なく終わり、
最高の出来を披露したスペインの前に屈している。
この結果、代表は予選グループを勝ち抜きスイス・オーストリアで行われる欧 州大会への切符を手にしている。
 ところで、色々と門儀をかもし出していたルイス・アラゴネス監督はスウエーデンに勝って反対勢力を黙らし、
続く北アイルランドを下してやっと本来の名声を取 り戻している。
ただ、今後注目を集めるのはレアル・マドリのラウールとグテイー の代表選出で、好調にもかかわらず
ふたりを代表に呼ばなかったルイス・アラゴネス監督には批判が集中していたが、果たしてふたりの代表復帰は
ありうるの か???    

by 武田正明
 
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第1回
(2007年10月28日)

 リーグは10月7日の7節を終わり、首位レアル・マドリ(レアル)と2位バルセ ロナ(バルサ)は共に
無配で他を圧倒していたが、代表ゲームでわずかに息抜きした 後、10月21日の8節を迎えて
レアル、バルサの両雄がついにアウエーで初黒星を 喫している。
開幕早々のレアルは新外人スナイダーの活躍が群を抜きアメリカに去ったベッカム の存在を忘れさせ、
得点王争いのトップに立ってすべてのものを驚かせたが、ゲーム ごとに精彩を欠いて行っている。
攻撃的サッカーを唱えるシュスター監督は首位に 立っているにもかかわらず、最初のころと違って
早くもカペッロ前監督時と大差ない ではないかと批判を食らっている。
 バルサはエトーのケガに始まり、大物アンリーが片目を中々開けられず、ロナウ デーニョも
好不調の波が激しく本来の実力からは程遠かったが、ゲームを重ねるごとに調子を上げ
若いメッシーが得点王のトップにも立つ獅子奮迅の活躍を見せている。
今のところゲガ人を多く抱えているが充実した控え陣がそれを補い、メッシーに続く若手の
大物ジョバンニ、ボジャンも冴えたところを披露しており、最もリーグ制覇に 近いと思われる。

 さて、10月最終の9節を迎える直前にセビリアのファンデ・ラモス監督が電撃速攻で
プレミア・リーグのトッテナム・ホットスパーに移籍している。
今リーグ不調の 滑り出しとなったセビリアは前節の勝ち星で4連敗から抜け出したばかりで、
いざこれからだと思われていた矢先だけに、今節、ホームのバレンシアに影響しないかと心配されている。
新監督には元スペイン代表SBのマノロ・ヒメネス2軍監督が選ばれ、セビリア2軍を2部Aリーグに
昇格させた采配が認められている。
 今リーグ開幕前からフアンデ・ラモス監督のトッテナム・H入りは噂になっており監督が
契約更新したことで移籍はなくなったと考えられていたが、復調の兆しを見せかけたころの監督移籍は
チームの士気を乱している。
ところで、トッテナム・Hのオファーは超破格で、監督として最高給のファーガソン監督
(マンチェスター・ユナイ テッド)についで2番目となり、フアンデ・ラモス監督もこのチャンスを
逃すことは 出来なかったようだ。 

by 武田正明
 
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