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4月30日(水)

乗客1人がSARS感染の疑い、バラハス空港で乗客全員飛行機に缶詰

昨日夜、フランクフルトからマドリッドに到着したルフトハンザ機の乗客の中に高熱を出している中国人の女児がいたことから、乗客120人がおよそ3時間にわたって飛行機の中に閉じ込められた。
この飛行機にはエア・チャイナ機から乗り継いだおよそ20人の中国人が乗っており、乗客の緊張はスチュワーデスがマスクをかけ始めたときから高まり始めたが、マスクは数人の子供がいたにもかかわらず、乗客には配られなかったという。バラハス空港到着後、飛行機は空港内の離れた場所に止められ、英語とドイツ語で機長から機内放送があり、衛生当局者が到着するまでは全員飛行機から出られない旨が伝えられた。乗客の1人は「フランクフルトで搭乗する前からあの女の子が病気であるのは明らかだった。航空会社は彼女を乗せるべきではなかった。」と憤りを隠せない様子だった。
書類に所定のデータを書き込んだ乗客が飛行機から解放されたのは到着から3時間後の午前2時過ぎ。高熱の女児とその家族だけが病院に運ばれた。

バタスナ党関係容疑の8人を逮捕

中央管区裁判所のバルタサール・ガルソン判事の命により、昨日パイス・バスコ州で6人、ナバラ州で2人が逮捕された。この8人の容疑はUdalbiltzaと呼ばれるバタスナ党選出地方議員団体(同名のPNVとEA、バタスナにより結成されていた団体から2001年分裂)に所属しており、司法関係者筋の話によると逮捕容疑はETAの命によりバタスナ党違法化されても党員を5月25日の地方選に立候補させるための機関設立を担っていたこと。今回の逮捕命令は今年2月にETA幹部のイボン・フェルナンデス・イラギ容疑者逮捕後に押収した書類から得た情報に基づいて出されたもので、8人の逮捕以外にもビルバオ、ビトリア、パンプローナ、アスティガラガ(ギプスコア県)のUdalbiltza事務所閉鎖令、Udalbiltzaの口座凍結命令も出されているため、5月の選挙に左翼民族主義団体が候補者を立てることに多大な影響を与えると見られる。

フェリウ将軍、バグダッドの治安維持準責任者赴任へ

イラクにイラク国民による暫定政権が設置され、実際に機能し始めるまでの間、影の大臣としてORHA(米国防総省復興人道支援室)のジェイ・ガーナー室長が採用する補佐官の1人としてスペインのルイス・フェリウ将軍が治安維持部門補佐官として赴任する模様。この補佐官たちは主としてアメリカ人によって構成されているが一部オートラリア人やスペイン人も参加する。フェリウ将軍が赴任するのはスペインに与えられた最も重要なポストで、主な役割はイラク軍の再構築となる。また、外務省国際経済関係福責任者のミゲル・ベンソ氏もガーナー氏の補佐官助手として赴任する。このほか、イラク復旧のためスペインから20〜30人の公務員の派遣が予定されているほか、トリジョ-フィゲロア防衛大臣も数週間以内にイラクを訪問する予定となっている。
現在イラク南部に駐留しているスペイン軍は630人で、市民の人道的支援にあたっているが、防衛省はこれに加えて先の国会審議で承認された最高派遣人数1500人に達する軍人をさらに派遣し、作業の拡大を計画している。


4月29日(火)

選挙運動開始まで10日

来月25日の地方選挙では3450万人のスペイン人が8108人の市町村長を選出し、アンダルシア、カタルニャ、ガリシア、パイス・バスコを除く13の自治州では知事選挙も行われ、1860万人が投票する。
投票日の2週間前にあたる5月9日から選挙運動が開始されるが、PP(国民党)党首、国家元首として最後の選挙となるアスナル首相はこの2週間で22の集会、一方最大野党PSOE(社労党)書記長としては初めての選挙運動となるサパテロ書記長は18の集会をスペインの主要県都で予定している。マドリッド、バルセロナ、ムルシア、ログローニョ、サン・セバスティアン、テネリフェ、サラゴサ、ビーゴ、セビジャ、バジャドリッド、パルマ・デ・マジョルカの11都市ではアスナル首相、サパテロ書記長とも集会を開く。
前回の地方選挙(1999年)ではPPとPSOEの得票数がわずか4.2万票、得票率でいうとどちらも34%という実質上引き分けという結果が出ていた。石油タンカープレステージ事故とイラク戦争により国民のPP離れが進んでいることが最近の調査結果に表れているものの、PP側ではバグダッドの陥落により事実上イラク戦争が終結した4月9日からPP支援の減少には歯止めがかかっており、多くのPP支持者は戦争への拒絶感によりPP支援を表立って示していなかったものの、PSOEに投票すると決意するには至っていないと楽観的な見方をしている。

PP、選挙人名簿を事前に受け取った嫌疑

地方選挙に候補者を立てるすべての政党は今日、選挙管理委員会から選挙人名簿を受け取り、彼らに対して自身の党への投票を働きかけることになっているが、PSOEはこの名簿使用に関し、PPが選挙法違反を犯しと指摘している。これは、外国に住む有権者50万人に対しPPがすでにPPへの投票を求める書簡を送っているためで、「前回選挙時の名簿を使用しているとしても、選挙人名簿は使用後返却されていなければならないし、我々はPPが新しい選挙人名簿を事前に入手し、使用した証拠を持っている。」とPSOEの選挙運動責任者ホセ・ブランコ氏は述べている。PSOEはこの選挙法違反を司法機関に訴える用意があるとし、書類の準備を進めているという。

ムルシアの井戸で遺体発見

28日前に家族から捜索願が出されていたムルシアのペットショップ店長(34歳)の遺体が、ビニールで包まれ、両手足が縛られた状態で昨日、同県トタナの涸れ井戸で見つかった。2週間前には彼の車がタイヤを切り裂かれ、窓ガラスが割られた状態で見つかっていた。この半年でムルシア県の涸れ井戸から死体が発見されるのはこれで4件目。

ローマ法王来西間近

5月3日、4日のローマ法王ヨハネ・パウロ2世スペイン訪問を前に、マドリッドでは準備が着々と進められている。滞在中法王はクアトロ・ビエントスで若者達と対話を持たれるが、これにはすでに10万人以上が参加申し込みをしている。またコロン広場でミサが行われ、スペインの5人の福者(アンヘラ・デ・ラ・クルス、へノベバ・トレス、ホセ・マリア・ルビオ、ペドロ・ポベダ、マラビージャス・デ・ヘスス)が列聖される。

キューバの反体制派逮捕、処刑に反対する声明文に50人の文化人署名

数日前にキューバの新聞『グランマ』に文化人たちが載せた“ハバナから遠く離れた友人達へのメッセージ”に応え、“親愛なるキューバの友人たちへ”というタイトルの声明文が出され、50人以上の文化人(大部分はスペイン人)の署名が寄せられた。
署名しているのは、映画監督フェルナンド・トゥルエバ氏、ペドロ・アルモドバル氏、俳優ピラール、ハビエル・バルデム氏親子、ミュージシャンのジョアン・マヌエル・セラッ氏、ホアキン・サビナ氏、作家フェルナンド・サバテル氏などで、声明文には「我々は今回のカストロ政権の行いを自由と生命への攻撃であると見なし、糾弾する。どの国で行われようと、誰によって行われようと、人道に反する不正と犯罪は市民によって裁かれるべきだ。我々はキューバ市民を支援する。」という内容が載せられた。


4月28日(月)

小泉首相、スペイン訪問

昨日午後、日本の小泉首相がマドリッド入りした。今日は、国王フアン・カルロス1世を表敬訪問、その後、アスナル首相と会談、イラク攻撃により生じた世界の危機状況について分析する予定。日本の首相がスペインを訪問するのは16年ぶり。
アテネで開かれる日本−EU会議出席の前に訪れる国として、イギリス、フランス、ドイツ、スペインというイラク危機により関係に亀裂の入った4ヶ国が選ばれていることから、日本がこれらの国々の関係修復の調停役を務めるのではないかとの外国記者団の質問に対し、小泉首相は「当事国同士であれだけの話し合いを持ったにも関わらず亀裂が入った関係の修復を日本が行うのは非常に難しい」と否定、ヨーロッパとアメリカの関係修復調停の役割の可能性についても否定した。
スペインと日本間での年間貿易額は60億ユーロ。フランスと日本は500億ユーロ。日本の輸出額ではスペインは第23位につけており、輸入額では38位。スペインを最後に訪れた日本の首相は1987年の中曽根康弘首相で、アスナル首相は1997年、フェリペ皇太子はその翌年訪日している。

サラゴサで長距離バス事故、少なくとも5人が死亡

マドリッド-バルセロナを結ぶALSA社のバルセロナ行き長距離バス(乗客43人)が今日の午前2時半頃、サラゴサ県ピナ・デ・エブロで車線から飛び出しAVEの高架の柱に激突、車体前部右側が鉄くずと化すほどの衝突によりこれまでに少なくとも5人の死亡が確認されており、7人が集中治療室にいるほか、13人が重傷。乗客リストがないため、被害者の身元確認が難航しているが、死亡した5人のうち3人はスペイン人、残り2人はポルトガル人とコロンビア人であると発表されている。
ALSA社によると、バスは2001年9月製造の新しいもので、運転手(43歳)はこの路線運転のベテランである上、30分前に運転を交代したばかりだったといい、今のところ事故の原因はわかっていない。事故発生後乗客の1人と、現場を通りかかったドライバーの通報により救急車が急行、5人が無傷でバスから救出された。

週末のスポーツの結果

バイク:南アフリカのウェルコムで行われた南アフリカグランプリで、125CCクラスでダニ・ペドロサ選手(ホンダチーム)、モトGPクラスでセテ・ジベルナウ選手(ホンダチーム)とスペイン人選手2人が優勝。チームメイトで日本GPの事故で亡くなった加籐大治郎選手の番号74を左胸に、腕には喪章をつけてレースに臨んだジベルナウ選手の今季初優勝は、加籐選手に捧げられた。目に涙を浮かべ、両腕を突き上げてゴールしたジベルナウ選手は「僕が感じたことを言葉にすることはとてもできない。この勝利は大治郎のための最良の追悼になると思う。まるで彼が一緒に運転しているみたいだった。」と述べた。
一方のペドロサ選手は昨日の優勝により勝ち点33で総合成績1位に立っている。
テニス:バルセロナで行われたゴドー伯杯でスペインのカルロス・モヤ選手がロシアのマラト・サフィン選手を破って優勝。ATPランキング2位に浮上した。
マラソン:フリオ・レイ選手がハンブルグ・マラソン出場。スペイン記録には4秒届かなかったが2時間7分27秒という好タイムで優勝。1.5万ユーロを手にした。


4月25日(金)

スペイン、治安警備隊をイラク派遣へ

治安警備隊本部は7つのGRS(地方治安維持部隊)支部へ、イラクで警察として働く志願者を募集する旨通知を出した。GRSはスペイン最大の自転車レース“Vuelta Ciclista a Espana”や、地方でのデモの際に出動する群集コントロールが専門の部隊で、治安警備隊はこの部隊からイラクに125人の治安警備隊員を派遣し、群集コントロールに従事させる計画。この募集はすでにコソボ、東ティモールに派遣されている部隊員(次回の隊員交代日、5月1日)に対しても行われている。応募要項は、軍曹、上官クラスの者に対して英語の知識が求められているだけ。GRSに所属する約1000人の隊員の中からすでに40人近くの応募があったことを関係者が明らかにしている。
公式に彼らの出発日は決定されていないが、5月25日の選挙後となる可能性が高いという。派遣が決まった隊員は、IRE(仮居住手当)という職務のため外国に派遣される公務員が受ける手当を受けることが決定されており、これは一月あたりおよそ2400ユーロとなるという。今回の派遣が治安警備隊内のほかの部隊ではなくGRSに決められた理由について治安警備隊本部は「任務の内容がGRSの専門分野であるため」としているが、別の関係者は「国内での出張勤務が多いGRSには比較的予算に余裕があるためだろう」と話している。

5年以下の刑に対する裁判開始までの所要期間短縮

来週の月曜日から“スピード裁判”が適用されるのを受け、昨日ホセ・マリア・ミチャビラ法務大臣がその内容を解説した。法務大臣は「成果を見極めるには時間が必要だろう。」と述べながらも、9800万ユーロの予算を充てた今回の裁判スピード化により市民の役に立つより効果的な司法が行われることに自信を見せた。
スピード裁判は主に5年以下の刑が科せられる窃盗、強奪、自動車泥棒、ドメスティック・バイオレンスなどに適用されるもので、1881年から適用されてきた裁判への道が大幅に短縮されることになる。これまでの当番判事の役目は警察の証明書、被害者の証言、検事からの報告書、専門家、裁判医からの報告書依頼であったが、今度からはこれらの報告書を受け取り審理を行うことが当番判事の役目となる。判事、検事とも電子手帳で情報を共有、今後はすべての裁判の日時を全員が正確に把握するようになる。
スピード裁判の適用により、現在は4〜7ヶ月かかっている調書の作製が24時間勤務の判事を持つ10都市では1日、その後裁判開始までかかっていた3〜5ヶ月という期間も最長15日と大幅に所要期間の短縮となる。その他過失、ドメスティック・バイオレンスといった裁判まで4〜8週間かかっていた犯罪も10大都市では24時間以内に当番判事により裁判開始、その他の地域でも7日以内に裁判開始となる。

第6回ALFAGUARA賞授賞式

昨日、マドリッドの出版社Santillanaグループ本社で第6回ALFAGUARA賞の授賞式が行われ、メキシコ人Xavier Velasco氏(1958年、メキシコシティ生まれ)が『Diablo Guardian』で受賞した。審査委員長は作家で王立アカデミー会員のルイス・マテオ・ディエス氏。氏は、受賞作品について「口語体の使い方がうまく、ダイナミックでユーモアがあり、ピカレスク小説の要素も含んだ作風で読者をひきつける」と表している。
ハビエル・ベラスコ氏は賞金17.5万ドルと彫刻家マルティン・チリノ氏デザインの像を受け取った。今回のALFAGUARA賞応募は473作で、うち328作がラテンアメリカ、145作がスペインからの応募だった。出版社Santillanaグループが主催するこの賞の応募作品はスペイン語で書かれた未発表の作品に限り、受賞作はスペイン、ラテンアメリカで同時出版される。
今日午後8時からCirculo de Bellas Artesで、ハビエル・ベラスコ氏とエルビラ・リンド女史の対談が行われる。


4月24日(木)

セルバンテス賞授賞式

昨日、スペイン語文学最大の賞セルバンテス賞2002年度の授賞式がアルカラ・デ・エナレス大学大講堂で行われた。今回の受賞者は、小説、エッセイ、詩集を合わせて50作品以上を発表しているホセ・ヒメネス・ロサノ氏(1930年アビラ生まれ)。
イラク戦争はこの授賞式にも影を落とし、例年になく警備の強化された授賞式では、大学の中庭で受賞者にレパートリーの一曲を歌うトゥナ(伝統的衣装をまとった大学生4、5人による楽隊)も入場を許されず、有名人を見ようと集まった野次馬も例年より出入り口から遠ざけられた。授賞式に出席したのは国王夫妻のほか、アスナル首相、妻のアナ・ボテジャさん、ピラール・デル・カスティジョ文部大臣、ルイス・ガジャルドン・マドリッド州知事などPPの政治家も多く、彼らに対して一部のプラカードを持った野次馬が“No a la Guerra”と叫んだ。その他の出席者は作家のグスタボ・マルティン・ガルソ氏、マヌエル・デ・ロペ氏、スペイン王立言語アカデミーのビクトル・ガルシア・デ・ラ・コンチャ氏、PSOEのカルメ・チャコン女史、サルバドール・クロタス氏など。
セルバンテスの命日にあたる昨日は、その後午後6時からマドリッドの王宮で恒例の国王夫妻主催のパーティーが行われ、作家、芸術家、政治家、新聞記者など約500人が出席している。

最高裁、バスク州議会のバタスナ党関連グループに解散命令

昨日、最高裁判所政党法適用特別法廷はバタスナ党関連グループの、自治州および市町村議会、市町村役場におけるバタスナ関連グループの解散命令とそのグループの資産差し押さえ命令を通知した。また、バタスナのホームページも停止される。この最高裁命令がSozialista Abertzaleak(SA)にまで適用されるのかは明らかにされていない。SAにはバタスナ党元メンバーが名を連ねているが、すでにバスク州議会への公式書簡でSAのメンバーとバタスナ党のメンバーが同一人物であるかの調査を依頼している最高裁が、正式な返答を得てから適用に踏み切ると見られる。差し押さえられた資産は競売にかけられ、収益はテロの犠牲者に贈られる。

アントニオ・カマチョ被告が横領した金額、700万ユーロ以上と判明

被害者1800人の大規模詐欺事件“へスカルテラ事件”の首謀者、へスカルテラ社オーナーのアントニオ・カマチョ被告が1998年から2001年の間に顧客から横領、自分の個人名義口座に横流ししていた金額が7,055,882ユーロであることが事件の調査にあたっている専門家グループがスペイン銀行に送り、昨日テレサ・パラシオ判事により承認された仮報告書により明らかになった。会社名義の預金口座から引き落とされていたクレジットカード使用額も含め、カマチョ被告の横領額は818万ユーロに上るが、これに個人名義からの引き落とし分を加えると横領額はさらに増大することになる。カマチョ被告の横領した金額が明らかにされるのは今回が初めて。
カマチョ被告には今月10日に3億円で保釈する判決が出されているが、弁護士によるとカマチョ被告にそれだけの支払能力はなく、保釈金未払いのため、被告は今も刑務所に収監中。1998年から2001年7月を対象に行われた今回の専門家調査では、へスカルテラ社の顧客がこの期間に投資した金額は1.93億ユーロ、引き上げられた投資額は1.73億ユーロだという。調査担当者の話ではこの期間の銀行預金の動きの98.4%の調査がすでに終わっており、残り1.6%はおよそ1.04億ユーロにあたるという。

イサベル・ラ・カトリカの列福へ3年で10万通の嘆願書

来年はカトリック女王イサベルの死後500年にあたる。この女王の列福推進運動は1957年にバジャドリッドの大司教が始めたもので、ローマ法王庁に繰り返し福者の認定を依頼しており、2001年9月13日にはアントニオ・マリア・ロウコ枢機卿が書簡を送っている。この手紙にはヨハネ・パウロ2世の目が通され、その後調査が開始されるよう列聖省へ送られた。1993年から95年の間にバチカンに送られた福者認定の嘆願書は105,600通に上るという。
ブラウリオ・ロドリゲス大司教は「イサベル女王の高潔さは、現代キリスト教徒の模範である。」とコメントしているが、女王が福者として認定されるまではイバラの道が予想されている。これは、数世紀にわたって語り継がれてきた女王の黒い伝説のせいだけではない。スペインユダヤ人コミュニティ協会の代表者カルロス・ショア氏は「彼女がユダヤ教徒とイスラム教徒に対して取った社会的、宗教的強硬姿勢を考えると、彼女は列福されるのにはふさわしくない」とし、異端審問を始めた“異なったもの”を尊重せず、寛容でもなかった女王が21世紀に列聖されることへ疑問を投げかけている。


4月23日(水)

バタスナ党幹部、バスク州、ナバラ州で立候補画策

最高裁判所が、テロリストグループETAとの結びつきにより違法政党であると認めたバタスナ党の幹部が、新しい団体AuBまたはその他の独立政治団体のバスク州およびナバラ州での候補者名簿に名前を載せていることが明らかになった。AuBは今週中にもすべての候補者名簿を公表する予定だが、すでにこの候補者名簿を支援する署名8万人分を集めている。
政府は、候補者名簿を詳細に調べ、バタスナ、エリ・バタスナ、エウスカル・エリタロック(裁判所により同一団体と認定)の幹部を候補者名簿から排除するためのあらゆる努力を行う方針であると述べており、ナバラ州の主要政党は中央検事局に対し、違法化されているバタスナ党の人間が立候補することのないよう政党法を厳格に適用することを依頼している。

PPマンハッタン事務所責任者、外国人差別発言

PPのマンハッタン事務所の責任者であるだけでなく、ニューヨークのスペイン領事館CERA(在外選挙人名簿)担当者でもあるアントニオ・モラレス・ミラネス氏が、自分の政党へ投票するよう在ニューヨークスペイン人に対し書簡を送り、その中に外国人差別的発言が含まれていたことが明らかになった。1994年からニューヨークのスペイン領事館に公務員として勤務しているモラレス氏は、昨日付けで両職務を解かれている。
問題になっているのは、『政権がPPになったお陰でスペインが発展し、“hasta los moros tienen trabajo”(モーロ人でさえ仕事に就けるようになった。)』という文章。“moros(モーロ人)”という言葉には差別的な意味合いを含み、公式な場で使うべき言葉ではない。PP幹部で在外選挙キャンペーン責任者であるサンドラ・モネオ女史は「PP執行部へ問い合わせることなく、しかも選挙キャンペーン開始が法律により認められている5月9日以前に有権者に投票を求めるという選挙法違反も犯しているモラレス氏に対してはそれなりの処分を下すつもりです。」と述べ、執行部の決定によっては除名処分もありうるとした。
今回の件に関して野党PSOE(社労党)は、アナ・パラシオ外相とINE(国立統計局)のカルメン・アルカイデ局長に、PPの役職者がCERAの担当者という職務に就いていることについて国会に出頭、説明を求める意向であるという。

4月23日、サン・ジョルディの日

今日、4月23日はサン・ジョルディの日。カタルニャ地方では本とバラを贈る習慣があり、この日1日の本の売上は年間の10%、およそ1800万ユーロに上り、花屋も500万本のバラの売上を見込んでいる。『本の日』を祝う行事は昨日からすでに始まっており、バルセロナ市役所ではアルゼンチンの漫画家キノさん(彼の作品『マファルダ』は世界的に有名)の講演があったほか、マドリッドのシルクロ・デ・べジャス・アルテス(芸術協会)では恒例の『ドン・キホーテ』の朗読リレーが始められた。
また、今月2日に亡くなったテレンシ・モイシュ氏を偲ぶ行事として、カタルニャ図書館で彼の作品のいくつかを展示、Cine Aquitaniaでは午後7時半から妹のアナ・マリア・モイシュさん、映画監督のロサ・ベルへスさんなどが参加し、討論会も行われる。カタルニャ書店組合の予想では、テレンシ・モイシュ氏の作品は今年度のベストセラーリスト入り有力候補だという。その他の作品でよく売れているのは、マリオ・バルガス・リョサ(ペルー)著“El paraiso en la otra esquina”、ダニエル・メイソン(アメリカ)著“El afinador de pianos”、ジョン・グリシャム(イギリス)著“El rey de los pleitos”、アントニオ・ガラ(スペイン)著 “El dueno de la herida”、ガブリエル・ガルシア・マルケス(コロンビア)著 “Vivir para contarla”、フェルナンド・サバテル(スペイン)著“Mira por donde”。
『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスの命日でもある今日は、スペイン語で執筆する作家に贈られる最大の賞“セルバンテス賞”(賞金9万ユーロ)の授賞式も行われる。今年の受賞者はスペインのホセ・ヒメネス・ロサノ氏で、授賞式には国王夫妻も出席、会場はセルバンテスの生誕地であるアルカラ・デ・エナレスのアルカラ・デ・エナレス大学講堂。


4月22日(火)

PP、PSE、前回選挙より立候補者数増加

5月25日に行われる地方選挙で、PP(国民党)がバスク州3県(250市町村)で候補者を擁立する市町村の数は4年前の189から246、PSE(バスク社会党)は146から193に増加する。1999年の前回選挙後ETAにより暗殺された地方議員の数はPPが6人、PSE2人、UPN(ナバラ民族同盟)1人で、当選後少しずつ暗殺の恐怖により議員が辞職していく環境では候補者を見つけるのは容易でないが、バスク州の独立に反対を表明している2つの政党は「議員が選出されなかったが投票があった市町村での有権者の声に応えたい」と、候補者擁立市町村数増加の努力を行った。全250市町村のおよそ99%に候補者を立てるPP(バスク州での党所属者およそ4500人)は、ギプスコア、アラバ両県の30%の市町村でバスク州外から招いた候補者を立てるが、バスク州での党所属者およそ8000人のPSEは外部者には頼らずほぼ80%の市町村に候補者を立てる道を選んだ。公示の日からこれらの候補者にはボディガードがつけられる。

スペインの閣僚評価、及第点なし

ラジオ局カデナ・セールが行っている電話アンケート“pulsometro”(Opina協会に依頼し、18歳以上のスペインに居住する1000人対象のスペインの経済、政治、社会情勢を調査するもの)で4月2日に行った閣僚評価アンケート(10点満点。及第点5点)の結果が昨日発表された。前回から最も評価が下がったのはイラク戦争に直接関与しているトリジョ防衛大臣とパラシオ外務大臣。パラシオ外務大臣は評点3.56で最下位。その他評価の低いのはカニェテ農業大臣3.62、デル・カスティジョ文部大臣3.64、カスコス勧業大臣3.80。逆に評価の高かったのはラホイ第一副首相とアセベス内務大臣で4.67、続いてラト経済大臣4.66となっている。
今回も及第点の閣僚ナシで、これで1月、2月の結果から3回連続で及第点5に達している閣僚がいない結果が出ている。

ラウル選手、盲腸で緊急手術

昨日の午後3時頃、サッカーチーム、レアル・マドリッドのラウル選手(25歳)が腹部に強い痛みを訴え、病院に運ばれた。診察の結果、急性盲腸炎と判明、手術が行われた。術後の経過は良好で、午後8時には病室でジョークを飛ばすほどに回復していたものの、これから1ヶ月はプレーできない見通し。
「日曜からすでに選手は腹部に違和感を訴えており、今朝になってもその状態が続いたため、薬を投与しました。しかし効き目がなく、昼食を摂りに自宅へ向かった後発熱を伴った激しい痛みに襲われ、ラウル選手は食事ができないほどでした。」とレアル・マドリッドのチームドクターアルフォンソ・デル・コラル氏は語った。
この盲腸により、ラウル選手は明日のチャンピオンズリーグの対マンチェスター・ユナイテッド戦を始めとし、今後予定されているスペインリーグの3試合にも出場できなくなった。


4月21日(月)

イバレチェ氏、自治領化案推進、9月に議会審議の意向

Aberri Eguna(バスク語で“国家の日”の意)の昨日、ビルバオでPNV(バスク民族党)の支持者およそ5000人を前に、バスク州知事フアン・ホセ・イバレチェ氏はバスク州自治領化案は推進あるのみで、9月に州議会でゲルニカ憲章に変わる新しい憲章の審議、その後住民投票を行う意向であることを示した。
集会には党首のハビエル・アルサジュス氏も出席、「実現がいつかは分からないが、我々は欧州連合にも加盟を求める。スペインまたはフランスを通してではなく我々自らが意見を述べるために。」と、具体的な政策は示されなかったものの、PNVは今後、バスク州の欧州連合参加も進めていく考えであることも明らかにした。またアルサジュス氏は、すでにPNV、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)が議会での支持を表明している新しい憲章の内容が、バスク独立に向けたものでも中央政府に迎合するものでもないとし、PNVがETAとも中央政府とも異なった道を歩んでいることを強調した。
イバレチェ、アルサジュス両氏ともに、ETAがバスクの民族主義にとっての障害物であることで意見が一致しており、イバレチェ氏はあらためてバタスナ党に向けETAに解散を求めるようメッセージを送り、「バタスナ党との会談の場はETAの解散が実現すれば行われるであろうった。バタスナ党との会談の場はETAの解散が実現すれば設けられるであろう」と述べた。両氏ともに5月25日の地方選でPNVが過半数を獲得することに強い自信を見せている。

セマナ・サンタ休暇中、死亡交通事故96件

DGT(交通総合局)によると、金曜日の午後3時から昨日の午後8時までの間に発生した死亡交通事故は96件、この事故で110人が命を落とし、73人が重傷、55人が軽傷を負ったという。カタルニャ、バレンシア、ラ・リオハ、ナバラ、パイス・バスコ州が今日は祝日のため、DGTのセマナ・サンタ特別警戒週間は今日の24時に終了する。昨年のこの特別警戒週間では108件の死亡事故で128人が亡くなって いる。

ガリシア州のホテル業界におけるセマナサンタ休暇中のプレステージ事故の影響は?

好奇心からか助け合いの心からか、セマナサンタ休暇中ポンテベドラ県を訪れた観光客の数は昨年と比べてもあまり減少していなかった。ホテル業界関係者の話では、ホテルは前年比90%以上の混み具合だという。バイオナのパラドールは昨年同様満室。しかし、最も被害の大きい地域であるア・コルニャ県ではホテルは40%程度の部屋が埋まっていた程度だという。
事故の影響は予想されたほどではなかったが、セマナサンタはガリシア州の観光業関係者にとって最も重要な時期ではなく、すでにこの期間中に訪問客にアンケートを配り、一番のかきいれどきである夏に向けての対策を練っているホテルもある。「浜辺はこれまでにないほどきれいになっており、我々の提供できる海産物の種類も戻りつつあります。しかし、我々はこの休暇中に来られたお客様たちがなぜガリシアを選ばれたのかを知り、夏にむけて準備する必要があります。」とこのホテルの関係者は話した。ガリシア州では観光業はGDPのほぼ10%を占めている。

週末のスポーツの結果

テニス:モンテカルロ・マスターシリーズでスペインのフアン・カルロス・フェレロ選手がアルゼンチンのギジェルモ・コリア選手を6-2、6-2で下して優勝、245万ドルの賞金を手にした。ATPツアー大会で8回目、今季は初めての優勝。また、ブダペスト・女子トーナメントでもスペインのマグイ・セルナ選手が優勝、11万ドルを手にした。セルナ選手が優勝するのは先週のエストリル・オープンに続いて2週連続。


4月18日(金)

今日は聖金曜日の祝日のため、トップニュースはお休みです。


4月17日(木)

今日は聖木曜日の祝日のため、トップニュースはお休みです。


4月16日(水)

セマナサンタ休暇による首都脱出、今日、明日がピーク

すでに先週の金曜日からセマナサンタ休暇による首都脱出は始まっているが、今日から明日にかけてこの移動がピークを迎える。マドリッドでは市民の10人に3人がこの休暇を旅行に充てると見られているが、このうち66%が自家用車、18%がバス、11%が電車、5%が飛行機を移動手段に使うことが予測されている。DGT(交通総合局)では今日の正午から午後11時(特に午後3時以降)、明日の午前8時から午後3時、金曜日の午前9時から午後2時の間に各地の道路で著しい混雑が見られると予想している。詳しい道路状況については、DGTが電話(900-123-505)、インターネット(www.dgt.es)で情報を提供する。
今日一日の南バスターミナルの利用客数は4万人強と見られており、出発ピークの今日はバスの出発本数が通常の2倍にあたる約1200台、月曜日には到着バス数が1100台の予定。
気象庁発表のこの休暇期間中の天気予報によると、明日からガリシア地方で雨となり、この雨雲の東への移動により金曜日は全国的に雨、また週末は気温が低くなるという。

スペイン政府、イラク政府の資金凍結を検討

アメリカ合衆国政府からの強い要請により、スペイン政府は、スペインにあるイラク政府の資金凍結について検討を進めており、現在、凍結を行える十分な法的根拠があるかどうかの調査、またイラク政府だけでなく政府関係者個人も含めた資産の全貌の割り出しを行っている。
アメリカ政府からは先週すでに、イラク政府の資金凍結と外交官の国外追放の要請が行われていた。これを受けて日曜日、スペイン政府は駐マドリッドイラク大使館の大使館員7人に対し明日までの期限で、スペインを出るよう勧告している。この国外追放の理由について公式な説明はなかったが、大使館の建物内に武器庫があったことが一等書記官の告発で明らかになったことと関連があると見られている。
アメリカ政府はサダム・フセイン大統領とその側近が国外に200億ドル以上の隠し財産を持っていると主張しており、すでにアメリカ以外にもスイスとリヒテンシュタインがイラク政府の資金を凍結している。しかし、スペインの資金を凍結することがイラク政府の隠し財産問題解決へ何らかの意義ある結果をもたらすことに疑問を投げかけているスペイン政府関係者もいる。

Renfeのスト回避

CCOO(労働者委員会)は、今日と月曜日に予定されていたRenfeのストの回避を、昨日の午後遅くに決定した。これは、会社側との間で決裂していた賃金交渉が月曜日に再開されることになったため。会社側では賃上げ率を具体的には提示せず交渉の場で話し合う構えだが、この他にも2002年度にインフレ率の上昇を反映しなかった賃金による損失(CCOOの計算では1人人あたり1000ユーロ)の補填を会社が行うかどうか、法的には夫婦ではないが長年にわたり同居しているカップルに法的夫婦と同等の権利を与えるかどうかなどについても話し合われる予定。

DVによる今年の死者、少なくとも19人

グラン・カナリアス島のガルダルで口論中に恋人にガソリンをかけ、火をつけられた女性が日曜日に死亡、これにより今年に入ってからDV(ドメスティックバイオレンス−夫または恋人から受ける家庭内暴力)により亡くなった女性の数が少なくとも19人に達する(エル・パイス紙調べ)ことがわかった。
被害者の女性はヤイサ・ロドリゲスさん(25歳)で、目撃者の話では日曜日の午後、マルトレル浜近くに止められていた車から火だるまになったロドリゲスさんが転がり出てきたという。近所の住民が毛布で消火し、救急車に通報したが、ロドリゲスさんはこの日の夜、病院で亡くなった。犯人のフアン・ホセ・V.A.容疑者(29歳)は「愛の確認のためにやった」と現場で話しており、救急車の到着を見届けてから逃亡、翌日明け方逮捕されている。ロドリゲスさんによるDVの通報はなかったが、周辺の住民が顔に打撲傷のある彼女を見るのはよくあることで、日常的に暴力を振るわれていたと思われる。
彼女の死により、今年に入って夫、恋人または元恋人により殺害された女性の数は少なくとも19人にのぼり(エル・パイス紙調べ)、2002年(16人)、2001年(14人)の同時期を上回るこのペースに、今年度の犠牲者数が2002年の犠牲者数52人(婦人協会データ)を超えることが危惧されている。


4月15日(火)

ガリシア州の魚介類、94%が食用にして問題なし

今月の9日までにガリシア州の専門家が沿岸で集めた235の魚介類のサンプルの検査結果が昨日発表された。これによると、うち94%にあたる221のサンプルから石油の残滓が全く検出されない、またはWHO(世界保健機構)の定める食用限界値を下回る石油の量が検出されるにとどまったことがわかった。ガリシア州沿岸のうち湾内に石油が入り込まなかったリアス・バハスではシエス諸島を除いて海産物への石油付着はゼロであったのに対し、最も被害を受けたコスタ・ダ・モルテでは一部のベルベレチョ貝、ムール貝のほか、特にペルセベ貝から石油の残滓が検出されている。現在もガリシア州沿岸ではおよそ180キロメートルの海岸線が石油で汚染されている(大部分はコスタ・ダ・モルテ)が、現状はプレステージ事故発生時に予想された状況より良好であると関係者は話している。
一方、ガリシア州商工会議所は昨日、プレステージ事故による経済的被害の見積もり額を発表。大きくダメージを受けたのは漁業、観光業で、ガリシア州での私的部門での経済損失はおよそ13.9億ユーロに上るという。

スペインでさらなるSARS感染疑惑患者

厚生省は昨日、スペインで新たにSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染している疑いのある患者が見つかったことを発表した。この患者、31歳の男性は、感染が広まっているアジア大陸以外では最も大きな被害の出ているカナダのトロントに先週の金曜日およそ16時間滞在しており、日曜日からSARSに似た症状を訴えマドリッドのカルロス3世病院に入院、病室は隔離されている。
また、バレンシア自治州衛生局も、アリカンテのサン・フアン病院にイギリス人肺炎患者がSARS発症の疑いにより隔離入院されていることを明らかにしている。この患者は10日前に香港の空港に2時間滞在していた。
これらの患者が普通の肺炎に感染しているのかSARSに感染しているのか断定するには数日後に出る検査結果を待たなければならないという。

CCOO、Renfeで明日と月曜日にスト召集

CCOO(労働者委員会)は、セマナ・サンタの休暇初日の明日と最終日の月曜に24時間ストを国鉄Renfeで行う。これは、2002年にIPC(消費者物価指数)が4%上昇、2003年も2%の上昇が見込まれているにもかかわらず、職員の賃金にこの物価上昇が反映されていないためで、スペイン全土のRenfeが影響を受ける。これにより近郊電車(セルカニアス)の運行は通常の50〜80%、長距離列車はスト両日で古間に120本、夜間に30本の運行、AVEは一日35本の運行の予定。Renfeでは電話窓口(902-240-202)を設け、24時間体制で対応にあたる。


4月14日(月)

殺人女医、動機は「スパイされていたから」

今月3日に刃物で切りつけ3人を殺害、5人を負傷させたコンセプシオン・クリニックの研修医ノエリア・デ・ミンゴ容疑者(31歳)が、収容されているグレゴリオ・マラニョン病院を火曜日に訪れた判事に行った証言の一部が明らかにされた。それによると、彼女は「スパイしているのでなければわからないことまで同僚たちに知られていた。」と供述、2ヶ月間にわたって復讐のチャンスをうかがっていたという。犯行に使われた刃物は前日に購入された生ハム切り用の刃渡り15センチのもので、殺戮を始めるまで白衣のポケットに隠し持たれていたものだった。デ・ミンゴ容疑者は、どのように殺戮を開始したかということも誰を刺したかということもはっきりと覚えていることがこの供述によりわかっている。容疑者は精神分裂症の診断を受けており、4ヶ月前から処方されていた被害妄想用の薬を服用していなかったという。

バタスナ党公職者、党の違法化にもかかわらず地方選候補者名簿作製

テロリストとの結びつきにより違法とされたバタスナ党に所属する市長とその他の公職者が、AuB(バタスナ党により形成された新たな組織)またはその他の地方組織の候補者名簿に名前を連ねることが明らかになった。この形式での立候補は政党法により再び禁止される可能性があるが、バタスナ党関係者はその場合には有権者に棄権ではなく、白紙投票または無効投票を呼びかける用意があるとしている。AuBでは立候補を成立させるための5万人の署名集め運動も続行している。

ホセ・コウソさんの葬儀行われる

今月8日に米軍戦車の砲撃により死亡したテレシンコのカメラマン、ホセ・コウソ氏の遺体が昨日の明け方クウェ−トから軍用機でマドリッドのヘタフェ基地に到着した。遺体はマドリッド南葬儀所に移され、家族、友人だけでなく戦争に反対を表明するため一般の人々も弔問に駆けつけた。霊柩車が葬儀所を後にし、ラ・アルムデナ墓地に向けて出発すると参列者は拍手で車を見送ったが、参列者の中からは“No a la guerra”“Asesinos”の叫びも上がった。葬儀にはテレシンコ関係者のほか、IU(統一左翼)からの参列も見られた。
ラファエル・ペルムイ氏が故人の家族を代表して発言したが、彼は「ホセの家族はたとえ彼が戦闘中に亡くなったのであったのであっても、今と同じように涙を流していただろうが、今我々が感じている、このひどい戦争犯罪に対する激しい怒りを感じることはなかっただろう。」と、今回の米軍の砲撃に対しあくまでも“正義”を求めていく所存であることを表明した。

最近の脱線事故多発は線路の老朽化、劣化によるもの−RENFEの報告書より

国鉄RENFEの敷設局長が取締役会に提出した報告書から、最近の悪天候により老朽化していた線路の劣化が急速に進み、これがここ12ヶ月間で21件(死者4人、負傷者246人)というRENFEの脱線、衝突事故の原因となっていることが明らかになった。
線路敷設維持団では緊急線路整備プランを提出したが、このプランの採用は3月末のRENFE取締役会で見送りとなっている。次の取締役会はセマナサンタ後に開かれる予定で、RENFE関係者の話ではこの取締役会で整備プランが採用される見通しが強いという。このプランは緊急に全線路の85%で点検を行い、地形の変化、路盤の傾き、レールの劣化など、日常の点検で発見、修復の不可能な点についての整備を促すもの。また、何らかの問題が発見された地点で事故を防ぐために車輌と徒歩の両方での毎日の点検、重い貨物を積んだ列車に別の線路を通らせるなどの提案も行っている。このプランが採用されれば合計で9400万ユーロの特別支出が必要になるという。

週末のスポーツの結果

マラソン:ロンドン・マラソンでハビエル・コルテス選手が10位、ロッテルダム・マラソンでチェマ・マルティネス選手が3位の成績を修めた。
ラリー:ニュージーランドで行われたラリー世界選手第四戦、カルロス・サインス選手は12位に終わった。現在の総合成績は5位。
テニス:全仏オープンの次に権威あるクレーコートの大会として知られるモンテカルロ・トーナメントで、フェリシアーノ・ロペス選手が7-6、6-3でアレックス・コレチャ選手を下した。


4月11日(金)

テレフォニカ、1万人以上の従業員リストラ計画

今日マドリッドで開かれる株主総会に先立って昨日スペインの電話通信会社テレフォニカのセサル・アリエルタ社長は記者会見を開き、今後5年間で1万人から1.5万人の人員削減を行うことを発表した。
スペイン語、ポルトガル語圏で営業を行っているテレフォニカの総従業員数は157,504人。不良投資を一気に清算した昨年は55.77億ユーロの赤字を出しており、これを黒字化するための戦略の一つとしてリストラが決まった。会社側は労組側との話し合いを持った上で、早期退職を中心として5年間で段階的に1万から1.5万人の人員を削減する予定。これにより2005年には業績が黒字化することが見込まれている。
テレフォニカは3年前にも当時のフアン・ビジャロンガ社長のもと10,841人(うち7,869人が早期退職)の大規模な人員削減を行っている。

薬剤師誘拐・監禁事件犯人グループに判決

1992年の11月から94年の3月までの492日にわたりジローナ県オロットの薬剤師マリア・アンジェルス・フェリウさんを誘拐・監禁していた事件に関与していたとし、昨日ジローナ裁判所が5人に14から22年の懲役判決を下し、逃亡の危険があるとし、被告たちにはただちに刑務所収監が命じられた。誘拐計画を立てたと検察側が主張し、6ヶ月刑務所に収監されていたジョアン・カザルス、シャビエル・バッサ両被告とフアン・マヌエル・ペレス・フネス被告は証拠不十分で釈放された。
判決ではスペイン犯罪史上最も長い監禁期間を記録したこの事件の首謀者はオロットの地方警察官アントニ・ギラド、ラモン・ウジャストレ両被告であるとし、監禁の罪で17年、重度の傷害で5年、あわせて22年の懲役が言い渡された。フェリウさんの監視役であったセバスティア・コマス被告に対しては彼女の話し相手となり、最終的に彼女を解放したことを考慮し、判事は監禁により12年、傷害で5年の計17年の判決、ホセ・ルイス・パス被告には事件に全面的に関わっていたとし、監禁で12年3ヶ月、傷害で2年4ヶ月の合計14年7ヶ月の刑が宣告された。またウジャストレ被告の妻で法廷で監禁を知らなかったと証言したモンセラッ・テイシドール被告には状況証拠により18年の懲役刑が宣告されている。
5人は出所後も5年間はフェリウさんとその家族に近づくことを禁じられた上、損害賠償金として100万ユーロの支払いも命じられた。

アントニ・タピエス氏、ベラスケス賞受賞

文学者へのセルバンテス賞に値する芸術家への賞として文部省により創設されたベラスケス賞の第2回目の受賞者(昨年の受賞者はラモン・ゴヤ氏)が昨日発表され、今年9万ユーロの賞金と35歳以下の新人アーティストを選んで3万ユーロのベラスケス奨学金を与える権利を獲得するのはアントニ・タピエス氏に決定した。
昨日受賞の知らせを電話でピラール・デル・カスティジョ文部相から受けた今年の12月で80歳になるタピエス氏は、高齢のため日ごとに視力、聴力が衰えているものの精力的に活動を続けている。ニューヨーク、ロンドンを始めとする世界各地で展覧会が開かれており、2004年初めにはバルセロナの現代美術館で大規模に彼の制作活動を振り返る展覧会も予定されている。
今回タピエス氏が受賞芸術家に選ばれたのは「スペインだけでなく世界を代表する造形芸術界の改革者の1人」であるためで、20世紀の前半に活躍した画家、ピカソ、ダリ、ミロ、グリスに対し、後半に活躍した画家の代表としてタピエス氏の名が挙げられた。1923年バルセロナ生まれのタピエス氏はアンフォルメル(1950年代に抽象画の1つとしてヨーロッパ特にフランスで広まった傾向で、幾何学的な抽象画に対抗するもの)の代表的な作家として世界的に知られている。受賞のコメントを求められたタピエス氏はベラスケスについてのすぐれた評論も残しており、自分の尊敬する画家の名を冠した賞を受賞した喜びを表現すると共にイラク戦争に対する悲しみと不快感も表明している。

イラクでスペイン軍物資配給開始

イラクのUmQasr港に到着してからわずか20時間後、昨日からスペイン軍はイラクでの物資配給を開始、カディスのサン・フェルナンド基地所属の海兵隊員たちは1時間以上も、スペインから運んできたイスラム教徒用に用意された食料パックの配給がスムーズに行われるよう努力を続けたが、その努力は無駄に終わった。配給を受ける者のリストもなく、列も作らず物資配給トラックに人が群がる状態で、1人で何度も配給を受ける者もいた。彼らは“何か”をもらおうとトラックに群がり、包みを受け取るやいなや開封し、水を飲用化する錠剤、火を熾すための錠剤といった自分の知らないものはその場で捨てていた。
トラック周辺は混沌とした状態で、事故を避けるため配給は途中で中止された。今後もスペイン軍により物資の配給は続けられるが、今回のような混乱を避けるため、自治体を通しての配給という方式に変えられるという。


4月10日(木)

彫刻家ホルヘ・オテイサ氏、死去

20世紀を代表する現代彫刻家、ホルヘ・オティサ氏が昨日午前7時15分サンテバスティアンのギプスコア総合クリニックで亡くなった。享年94歳。空間の芸術家オティサ氏は、昨年8月に亡くなった同じくバスク地方出身の彫刻家エドゥアルド・チジダ氏を剽窃で糾弾し40年間仲たがいをしていたことで知られていた(1997年和解)が、彼が1月30日から肺炎で同病院に入院し、昨日亡くなった病院は奇しくもチジダ氏が亡くなったのと同じ病院。遺体は今日、1991年に亡くなった妻イツィアさんの眠るナバラ県アルスサにある墓地に埋葬される。
1908年ギプスコア県オリオに生まれたオテイサ氏はマドリッドで医学を勉強していた19歳のとき建築学に興味を持ち始め、翌年造形芸術の道へ。1935年にアルゼンチンに渡り、その後中南米諸国でも自分の創作スタイルの模索を続け、1948年ビルバオに戻った後はバスクの芸術家社会をまとめるのに奔走した。1966年ETAに所属していたことを後に認めているオテイサ氏は、Yoyesさん暗殺事件(元ETAメンバーだったYoyesさんが脱退後ETAにより暗殺された事件)後、テロリストグループ反対のポスター最初の製作者に変わり、バスク州を治める政府の民族主義と袂を分かったオテイサ氏は1975年、妻とナバラ県に移り住んだ。1992年にオテイサ氏とナバラ市の間で美術館創立のためすべての作品、蔵書を寄贈する取り決めが交わされているが、彼の夢であった自分の名前をつけたこの美術館の創立は、準備にあたっている財団法人ホルヘ・オテイサ美術館の内紛によりいまだ叶っていない。
気性の激しいオテイサ氏は、バスク州政府、州政府文化政策、グッゲンハイム美術館、美術ギャラリーを批判、過激な発言でも知られた。彫刻家だけでなく、すぐれた詩人、エッセイストでもあったオテイサ氏は数年前に自身の芸術家としての死を通達していた。

へスカルテラ事件のアントニオ・カマチョ被告の保釈金300万ユーロ

1800人が被害にあった大規模詐欺事件“へスカルテラ事件”の首謀者である証券会社社長アントニオ・カマチョ被告の保釈金が昨日、テレサ・パラシオス判事によって300万ユーロと決定された。カマチョ被告はマドリッドのソト・デル・レアル刑務所に2001年7月17日から収監されている。昨日はもう1人の事件関係者であるアニバル・サルドン容疑者(2002年11月11日からアルカラ-メコ刑務所に収監)に対し150万ユーロの保釈金も決定されている。
しかし、犯罪者裁判法第504条に懲役6年以下の犯罪に対する仮収監は1年以下、それ以上の犯罪も2年以下でテロ、殺人、麻薬密売の罪に問われている者だけにこの法令の例外が認められると定められている以上、カマチョ被告が保釈金を納めるか否かに関わらず、彼の釈放は逃亡防止のための収監が2年を満了する今年の6月17日には釈放されなければならないことになる。事件の性質が詐欺・横領のため、判決が下されても懲役は6年を超えることはできない。
今回の保釈金設定は判事が両被告の逃亡の可能性、証拠捏造の可能性が少なくなったためであるという判断のもと行われたが、銀行ユーザー協会は事件に深く関わったと見られる人々の証言がまだ残っているためカマチョ被告の保釈に反対、今回の決定変更請求を行う意向。

メトロスール、明日開通(マドリッド)

明日午後5時、12号線“メトロスール”が開通する。この新しい路線はマドリッドの南西にあるアルコルコン、レガネス、ヘタフェ、フエンラブラーダ、モストレス各市を通るもので、この地域は人口およそ100万人、労働者人口も40万人ほどを抱える地域。1999年にマドリッド州が住民の需要にこたえるべく新しい公共交通機関を開設することを決定した。新しい路線は長さ40.5キロの環状線で、27の駅を持ち、各市で一駅がRENFEのCercanias(近郊電車)と連絡、地下鉄とは延長された10号線の終点Puerta del Sur駅で連絡する。開通により見込まれる1日の利用客数は14万人。


4月9日(水)

2人目のスペイン人犠牲者−米軍ミサイルがホテルに命中

昨日の午前11時55分(現地時間)、米軍の戦車が外国人特派員が多数宿泊しているホテル・パレスティナの15階にミサイルを発射、1503号室に命中した。このミサイル命中により1503号室の上下階の部屋も多大な被害を受け、この時1403号室のベランダから戦場の様子を撮影していたスペインのテレビ局テレシンコのカメラマンホセ・コウソ氏(37歳)が右足とあごを負傷した上、ガラスの破片が腹部と鎖骨にささる大怪我を負った。すぐに同僚のジョン・システィアガ氏が止血処置を施し、コウソ氏は意識のあるまま病院に運ばれた。2時間の手術中に命を救うため右足が切断されたが、担当医師は若く健康なコウソ氏が命を取り留めると楽観的に見ていた。しかし、集中治療室に運ばれた10分後コウソ氏は呼吸困難に陥り、息を引き取った。この砲撃により、ロイター通信特派員のウクライナ人記者(35歳)も死亡したほか、彼の同僚2人もまた負傷している。
外国人記者が宿泊しているホテルへの攻撃についてアメリカ国防総省は「狙撃手がいたため」と説明しているが、狙撃手を見たものも発砲音を聞いた者もいず、しかも戦車からホテルは直線距離で1キロ近く離れている。アメリカ政府がヨーロッパ各国政府に対し報道関係者をバグダッドから立ち退かせるようにと圧力をかけ始めていることから、報道関係者の間ではこの戦車による砲撃は米軍からの警告であると見る向きが強い。
1週間前からバグダッドでは報道関係者が情報省のガイドなしにホテルを出ることが禁止されているが、2日前からドル稼ぎより命が大事とこのガイドも運転手もほとんどが姿を見せなくなった。外国人の泊まるホテルは安全であると考えて開戦後ホテル暮らしを始めた裕福なイラク人もいるが、もはやバグダッドには安全な場所など存在しないことが昨日の攻撃で証明されたといえる。

PP国会議員、イラク攻撃に反対して議員辞職

ウエスカ市の元市長で現在は下院議員を務めているルイス・アシン・ボネッ氏が昨日議員辞職届を提出、イラク戦争に関してホセ・マリア・アスナル首相が取っている姿勢への抗議表明としてPP(国民党)も離党するという。アシン・ボネッ氏は2年前からPP所属。元はPAR(アラゴン地方主義党)に所属しており、1983年から在籍したこの党から市会議員、ウエスカ市長、州議会議員としてアラゴン州政府で6年にわたって働いていた。氏は辞職にあたって「デモがこれだけ行われているということが政府の決断が間違っていたことをはっきりと示している。今回の私の決断は政治的なものではなく私の良心に基づくものである」と述べた。イラク攻撃に反対してこれまでに公職を辞しているPP党員の数は20人だが中小規模市町村議員に限られている。

パイス・バスコ大学で暴徒7人逮捕

昨日午前10時半頃、ビスカヤ県レイオアにあるパイス・バスコ大学でLOU(大学法)の改正による大学規定の変更を協議していたところ、大学講堂に石、ナット、ねじ等が投げつけられた。バタスナ党とつながりを持つ学生組合のIkasle Abertzaleak(バスク語で“愛国者の生徒たち”を意味)が“LOUへの不服従”をスローガンに掲げ、この日を“対決の日”とすることを予告していたため、大学駐車場には朝早くからバスク州警察のバン4台が待機していた。襲撃に参加したのは覆面をしている者も含めおよそ100人ほどで、Ikasle Abertzaleakのプラカードを掲げ、講堂に投石、入り口にいたガードマンが彼らを阻止しようとし、ただちにバスク州警察官20人ほどが駆けつけた。その場で3人が逮捕されたが、暴徒による破壊活動は構内でその後1時間ほど断続的に続き、さらに4人が逮捕された。
Ikasle Abertzaleakによる抗議行動は前夜の立てこもりから始まっており、ガードマンの話によると立てこもっていた生徒108人をひとりずつ立ち退かせたという。昨日、パイス・バスコ大学のキャンパスはLOU反対、新しい大学規定反対、パイス・バスコ大学反対の落書きで溢れかえり、中にはバタスナ党支持の落書きも見られた。昼食時には学内は通常どおりの状態に戻ったが、大学駐車場にはバスク州警察のバン2台が待機したままだった。


4月8日(火)

イラク戦争で初めてのスペイン人犠牲者

スペイン外務省の発表によると、昨日バグダッドの南15キロ地点でアメリカ合衆国第三師団第二歩兵部隊報道センターがイラク軍のミサイルを被弾し、同行していたEl Mundo紙の記者フリオ・アンギタ・パラド氏(32歳)が亡くなったほか、ドイツの雑誌Focusのカメラマン1人と兵士2人も死亡、15人が負傷しておりうち2人は重体だという。アンギタ・パラド氏はIU(統一左翼)の元代表フリオ・アンギタ氏の息子で、息子の訃報を集会が行われる予定だったマドリッドのヘタフェ市にあるフェデリコ・ガルシア・ロルカ劇場で受け取ったアンギタ氏は、舞台に上がり息子が命を落としたことを発表し、戦争とそれを支持する人々への拒絶を露にした。
コンプルテンセ大学卒業後、Diario de Cordoba紙を経てEl Mundo紙で10年働いていたアンギタ・パラド記者は同紙のニューヨーク特派員で、アメリカ合衆国第三師団第二歩兵部隊にクウェイトから同行、イラクを米軍とともに縦断していた。出身地のコルドバ市が今日を公式服喪の日に定めたほか、父親に国王が電話お悔みを述べ、アスナル首相は弔電を送っている。またマスコミ界からも哀悼の意を表する声が相次いだ。戦争開始から19日、報道関係者の犠牲者の数は8人となった。

ビルバオで入院の患者、スペイン最初のSARS感染者という結論に

バスルト(ビルバオ県)の病院に入院中の31歳の男性に対しおよそ40の検査が行われた結果、バスク州政府衛生局によって結成された専門医委員会は昨日、この患者の病気がSARS(重症急性呼吸器症候群)であるという結論に達した。しかし、これは患者が発症の数日前に感染地域にいたこと、原因不明であるが肺炎の症状を見せていることに加え、検査でSARS以外の肺炎である結果が出なかったための決定で、病気が特定できる病原体は見つかっていない。これについては衛生局ではSARSの原因自体がいまだ判明していない今、SARSであることを断定できるケースというのはありえないと説明している。
患者は、3月中旬に仕事で中国南部地域に滞在しており、スペインに帰国した週から高熱、咳という肺炎の症状を訴え始めた。SARSの潜伏期間は5日から10日で、彼自身が医師にSARSではないかと話していた。現在患者は快方に向かっており、数日以内に退院する予定だという。

殺人研修医、引き続き入院中

木曜日にマドリッドのラ・コンセプシオン・クリニックで8人を死傷させた31歳の研修医ノエリア・デ・ミンゴ・ニエト容疑者は引き続き、警察の監視のもと、他の患者から隔離された状態でグレゴリオ・マラニョン病院精神科に入院している。容疑者からの事情聴取は医師からの許可が出てからになるという。また事件当時現場に居合わせた職員15人が休職願いを出したことが昨日病院側から明らかにされた。申請は受理され、代理の職員がすでに勤務についている。
昨日は、3人目の犠牲者となったフェリックス・バジェスさん(76歳)の埋葬がグアダラハラ県のテンディジャで行われ、息子のルイス・バジェスさんは、残り2人の犠牲者の家族とコンタクトを取り、共同でデ・ミンゴ容疑者と病院を相手に訴訟を準備することを明らかにした。引き続き入院中の負傷者4人については、2人がいまだ集中治療室にいるものの、全員が回復に向かっているという。


4月7日(月)

マドリッドで6度目の大規模反戦集会

昨日、マドリッドのプエルタ・デ・アルカラに主催者側の発表で50万人、警察発表で1.5万人参加の反戦コンサートが行われ、マノロ・テナさん、ハビエル・グルチャガさん、パコ・イバニェスさん、アナ・ベレンさん、ペドロ・ゲラさんなどアーティストが多数参加したほか、中央管区裁判所のバルタサール・ガルソン判事が急遽駆けつけ、娘のマリア・ガルソンさんと共に声明文を読み上げる一幕もあった。
警官隊との衝突で怪我人が出たデモ以来、反戦集会の参加者には家族連れが減り、若者が圧倒的に多くなっていたが、好天に恵まれた昨日は再び家族連れの参加が多く見られる集会となった。集会は“イマジン”で締めくくられ、ハビエル・グルチャガさんが1ヵ月半後にせまった地方選で民主的に“彼ら”を追い出そうではないかと民衆に語りかけた。
昨日はガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステラでも集会が行われ、イラク攻撃を支持し、ガリシア州に打ち寄せる黒い波に十分な対策を行えていない政府に対し、2万人(警察発表)が抗議の声をあげた。

スペイン政府、イラク戦後処理をアメリカ政府と秘密裏に会談

イラク戦争終了後の再建計画をめぐるスペインの政治・軍事・経済的参加についてすでにスペイン政府はアメリカ政府との話し合いを始めている。先週政府高官3人からなるスペイン公式代表団が秘密裏にワシントンに飛び、アメリカ政府と話し合いを持っている。この3人は、外務事務官のラモン・ヒル-カサレス氏、防衛事務官のフェルナンド・ディエス・モレノ氏、商務事務官のフアン・コスタ氏の3氏でいずれもアスナル首相の腹心の部下。彼らはワシントンでアメリカ政府の政府高官との会談を持ち、フセイン大統領打倒後のイラク戦後処理へのスペイン参加についてかなり好感触を持ったとスペイン政府関係者が漏らしているのに対し、アメリカ政府関係者は「この件に関してはスペイン企業にもかなりのチャンスがあるとは思う」と述べる程度に留めている。しかし、同関係者が「アメリカ政府はスペイン政府の最初からの支持に感謝しており、スペイン企業はフランス、ドイツ、ロシア企業と違った処遇を受けることになるだろう」とも述べている。しかし、スペイン政府は今のところこの訪問について正式発表は行っていない。
アメリカ政府に戦後処理への自国企業売り込みにはすでに先週の月曜日、オーストラリアのダウナー外相がワシントンを訪れているほか、駐ブルガリア・アメリカ大使もブルガリア企業の戦後処理参加の可能性についての会合をすでに行っているほか、イギリスの80社以上の企業に対し、政府が今週の木曜日に具体的再建参加計画について発表を行う予定。いずれの国もスペイン同様、アメリカの主要同盟国である。

スペイン一人あたりの所得はEU平均の87.8%

Fundacion de las Cajas de Ahorro(Funcas)信用金庫財団の調査によると、2002年度、スペインの国民一人あたりの所得額は欧州連合平均の87.8%だという。 この結果は2001年度とほぼ同じ(87.46%)で、マドリッド、バレアレス、ナバラ、カタルニャ、パイス・バスコの5つの自治州(所得額の大きさもこの順)がEU平均以上の所得額であることにも変化はなく、またガリシア、カスティジャ・ラ・マンチャ、ムルシア、アンダルシアの5つの自治州と自治都市メリジャ、セウタがEU平均の75%を下回る所得額でEUの地域援助金受給対象地域となっていることにも変化はない。
スペインの所得額はゆっくりとEU平均に近づいており、1995年には平均の80.18%だったのが、2002年には87.8%。このリズムで行くと平均値に到達するにはあと12年かかる見通し。しかし、欧州連合の東方拡大により、EU所得平均額は下がると見られている。
自治州別に見て最も所得額が上がったのはムルシア州の2.85%。バレアレス州は所得額2位につけているものの、ドイツの不況により主要収入源であるドイツからの観光客が激減、成長は前年比わずか0.24%にとどまっている。2003年度の展望についてFuncasは、イラク戦争が始まっている現在は予測不可能だという見方を示している。

フェルナンド・アロンソ選手、ブラジルGP3位

整備状態がよくない上、雨が降ったサン・パウロのホセ・カルロス・パーチェ・サーキットで行われたF1の世界選手権今シーズン第3戦目にあたるブラジル・グランプリでは事故が続出。レース55週目でスペインのフェルナンド・アロンソ選手(ルノー・チーム)も左フェンスに激突、衝撃で車は反対側の防御壁に追突する大事故となった。アロンソ選手は自力で車から脱出したものの、すぐに救急車でサーキット内の病院に運ばれ、その後ヘリコプターでサン・パウロ市内の病院に搬送された。
アロンソ選手のこの事故の後、ゴールまで18周を残すもののレースの中止が決定され、ブラジル・グランプリの最終順位は規定どおり中止の2周前の順位、つまり1位キミ・ライッコネン選手(マクラ−レン・メルセデスチーム)、2位ジャンカルロ・フィジケッラ選手(ジョーダン・フォードチーム)、3位フェルナンド・アロンソ選手という結果となった。フェルナンド・アロンソ選手は医師の診断により大事をとって12時間の安静を命じられたが、命に別状はなく、左足に打撲と数箇所の切り傷を負っているだけだという。

週末のその他のスポーツの結果

バイク:鈴鹿サーキットで日本グランプリが行われたが、125CCクラスでパブロ・ニエト選手が6位、ダニ・ペドロサ選手が7位、250CCクラスではフォンシ・ニエト選手が6位、モトGPクラスではセテ・ヒベルナウ選手4位、カルロス・チェカ選手10位とスペイン勢は1人も表彰台に上がらなかった。


4月4日(金)

精神不安定の研修医、2人を刺殺、6人が負傷(マドリッド)

昨日の午後2時25分、マドリッドのラ・コンセプシオン・クリニック4階のナースセンターで、研修医のノエリア・デ・ミンゴ容疑者(31歳)がいきなり同僚のレイラ・エル・オウアマアリさん(27歳)を背後から刃物で何度も刺した。周りにいた同僚たちがレイラさんを助けようと近寄ったところ、正気を失ったデ・ミンゴ容疑者は彼らにも襲いかかった。
ナースセンターを通りかかった目撃者は、まずレイラ・エル・オウアマアリさんが白衣を血で真っ赤にして、出血をとめようと手で刺し傷を押さえながら部屋から走り出るのを見、その後もう1人、首に大きな切り傷を負った白衣の女性が逃げ出してくるのを見たほか、ガラス越しにナイフを持った血まみれのデ・ミンゴ容疑者も見えたという。
4階の電話室で電話をしていたハシンタ・ゴメス・デ・ラ・ジャべさん(77歳)は逃げ出したエル・オウアマアリさんが出血しているのを見て、助けようと近寄ったところ、デ・ミンゴ容疑者に腹部4箇所を刺された。2人とも手術室に運ばれたが間もなく亡くなった。
病院の廊下はいたるところが血にまみれ、床には血だまりができており、目撃者は一様に「ホラー映画の一場面を見ているようだった」と述べた。デ・ミンゴ容疑者を止めようと数人の従業員が彼女に近づくことを試みた。そのうちの1人が点滴用の支柱をとり、容疑者を壁際まで追い詰めることに成功、目撃者の証言では周りを取り囲まれたデ・ミンゴ容疑者はここで観念したという。ガードマンが容疑者から刃物を取り上げ、警察の到着するまで容疑者は病室の1つに閉じ込められ、その後同病院内の精神科に連行された。
死亡したエル・オウアマアリさん、ゴメス・デ・ラ・ジャべさんの他に、妻の見舞いに訪れ事件当時廊下にいたフェリックス・バジェスさん(77歳)が胃と脾臓、大動脈を切られて重体、51歳の女性従業員も左肺と横隔膜を切られて重体となっているほか、4人が負傷。デ・ミンゴ容疑者は合計8人に対し少なくとも17箇所を切りつけた。
昨日エル・オウアマアリさんの恋人フェルナンド・アルベルカ氏は「避けられたはずの事件が病院のずさんな管理体制によって起こった」と、報道陣の前で病院を訴える意向であることを明らかにしている。アルベルカ氏によると、デ・ミンゴ容疑者は精神分裂症を患っており、真っ暗なパソコン画面に向かって診断書を書いたり、1人で笑うなど不審な行動が多く、少なくとも1週間から患者の診察、1年前から病院での宿直勤務を禁じられており、同僚は皆、彼女を恐れていたという。一方の病院側はデ・ミンゴ容疑者が精神分裂病であったという報告は受けておらず、「彼女はうつ病であったと認識している」とコメントしている。ゴメス・デ・ラ・ジャべさんの子供達も同様に病院を提訴することを検討中であるという。

学生による第6回目のデモ

昨日もスペイン全土で高校生、大学生によるデモが行われた。このデモにマドリッドで参加した3000人のうち10人が衣料品店破壊行為で逮捕(うち9人は未成年)、300人が参加したビゴではひき逃げ事件があり、参加者の2人が自動車に轢かれ、病院に運ばれた。運転手は後に逮捕されている。その他、バルセロナで4000人、レオンで5000人、バレンシアで2000人、セビジャで1500人などスペイン各地でデモが行われ、PP事務所には卵、オレンジ、石が投げつけられた。学連では来週の木曜日にも授業ストを予定している。
一方、一昨日アスナル首相に対する提訴状を最高裁判所に提出した運動団体La Cultura Contra la Guerraは今週の日曜日午前11時から午後3時までマドリッドのプエルタ・デ・アルカラで反戦コンサートを開くことを昨日発表、およそ25人の歌手が出演するほか、作家、脚本家、その他の文化人も参加し、平和を支持し、国際的合法性を尊重するという内容の声明文を読み上げる予定。

アレナスPP書記長、PSOE、IU幹部80人を糾弾

与党PP(国民党)の書記長であるハビエル・アレナス氏は昨日PPの事務所襲撃とPPの行事妨害に参加したPSOE(社労党)およびIU(統一左翼)の幹部のうち、49人(ほとんどがIU)の氏名を公表、残りは役職を発表し、公の場で彼らを糾弾した。アレナス氏は「これは政治的糾弾である」とし、すでにPPが事務所襲撃に関して裁判所に訴えている93件にこれら幹部を含めるかの問いに対しては具体的な返答をしなかった。
昨日PPはPSOE、IUに2通目の書簡で、両政党のいかなるメンバー、公職者ともPP事務所やPPの行事に反対、妨害する活動に参加しないよう求めた。これに対しPSOEは名誉毀損でアレナス氏を訴える構え。IUのジャマサレス代表もアレナス氏を中傷により訴えるとしている。しかしPP側は、PP事務所の襲撃のあったデモに参加していたことの“証拠”として、新聞に掲載された写真、テレビニュースに写ったPSOEまたはIUメンバーを録画したビデオを用意しており、PSOEのホセ・ブランコ氏はアスナル氏の行動を「日ごとに異端審問の様相を帯びてきている。」と糾弾している。

ロバート・デ・ニーロさん、ハーベイ・カイテルさん、スペインで映画ロケ

映画『ミーン・ストリート』で共演のロバート・デ・ニーロさんとハーベイ・カイテルさんが再び共演、今日からマドリッドでロケが始まる。この映画“El Puente de San Luis Rey(サン・ルイス・レイの橋)はアメリカの作家ソーントン・ワイルダー氏のピュ−リッツア−賞受賞作を原作にした映画で、スペイン、イギリス、フランスの共同制作。
昨日は記者会見が行われると発表されていたものの、撮影会後両俳優は集まった50人ほどの記者を残し会場を後にした。プロダクション側では両俳優は撮影会の予定しか聞いていないと釈明している。
18世紀異端審問時のペルーが舞台のこの映画のスペインロケはマドリッドのほかにもマラガ、クエンカで行われる予定。


4月3日(木)

作家Terenci Moix氏、死去

昨日未明、作家のテレンシ・モイシュ氏がバルセロナの自宅で肺がんで亡くなった。愛煙家であった彼は、酸素マスクを使っていながらも死の30日前までタバコをやめることはなく、治療のために使われていた薬の副作用のため、椎骨の1つが折れるほど体全体の骨がもろくなっていたが、痛みのない最期で息を引き取った。享年61歳。
昨日の午後6時前からバルセロナ市役所に安置された遺体には多くのファン、友人が別れを告げに訪れ、今日の午後に遺体は荼毘に付され、灰は彼の愛した地エジプトにまかれる。彼の遺言により、葬儀にはPPを始めとする右翼政党メンバーの出席は受け付けられない。
1942年1月5日、バルセロナのバリオ・チノ生まれ。16歳のとき、別のペンネームで最初の作品が出版。1968年“La torre dels vicis capitals”で本格的に作家としてデビュー、翌年“Onades sobre una roca deserta”でジョセップ・プラ賞(カタルニャ語文学新人賞)を受賞。1969年発表の“El dia que va morir Marilyn(1984年スペイン語に翻訳)”は市民戦後のバルセロナの固定概念を破り、カタルニャ文学界に新風をもたらした作品。1986年にプラネタ賞を受賞、最期の作品となった“El arpista ciego”は先月13日にホセ・マヌエル・ララ・エルナンデス財団から2002年度最優秀小説賞を贈られたばかりだった。遺作として70年代のハリウッドを扱った作品が未完成のまま残された。

CCOO、反戦2時間スト参加案を却下

昨日、CCOO(労働者委員会)執行部会議が開かれ、4月10日にイラク攻撃に対する答えとしてUGTが予定している2時間のストに参加するかどうかについて激しい議論が行われた。その結果投票の59%(86票)が反対を占め、委員長ホセ・マリア・フィダルゴ氏とその支持者グループの意見が通り、CCOOは公式的には参加しないことが決まった。賛成票を投じた41%(59票)は、UGT(労働者総同盟)が同日召集している2時間のストに参加すると表明している。
一方のUGTのカンディド・メンデス書記長は昨日PSOE(社会労働党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長と会談し、サパテロ書記長は、PSOEがUGTのストを全面的に支持することを約束した。

民族主義3政党、毎週国会解散要求提出へ

1998年バルセロナ宣言に調印した3つの民族主義政党CiU(カタルニャ連合)、PNV(バスク民族党)とBNG(ガリシア民族党)の3党は、昨日イラク戦争反対の姿勢を表明するために、 “好戦的紛争が終結するまで”毎週国会で解散要求を提出することで合意に達した。3政党はこの解散要求に他政党も調印するように働きかけ、これによりPSOE(社労党)とIU(統一左翼)主導ではない自らの反戦姿勢を示していく意向。
今回の会合では、イラク戦争問題という緊急議題のため、その他の問題についての話し合いは先送りにされた。5月25日の地方選挙後に行われる予定の次回の会合では、選挙結果の分析と今後の戦略についてのほか、欧州連合への自治州としての加盟、憲法裁判所の改編といったバルセロナ宣言での要求事項にについての話し合いが持たれる予定。


4月2日(水)

9人のETA協力者を逮捕

昨日未明、警察はパイス・バスコ州とナバラ州で合わせてETAの協力者と見られる9人を逮捕した。10ヶ所で家宅捜査が行われ、パソコン、書類などが押収された。今回の捜査は、ETAの実行部隊長Susper逮捕後12月にフランスで逮捕されたETAメンバーのマンションから押収された活動家リストに関連するもので、中央管区裁判所バルタサル・ガルソン判事の命によるもの。午後1時頃にはビスカヤ県レケイト市役所前に、今回の一連の逮捕に抗議する人々が集まり、バスク州警察が抗議鎮圧のため出動した。
また昨日は、フランス南西部にあるアヴェロンでも、左足の銃創の手当を受けに薬局を訪れたETAメンバーと見られるシャンガリン・レコンド・セラノ容疑者(23歳)が逮捕されている。薬局から通報を受けた警察が現場に急行し、ピストルを所持していた容疑者の逮捕となった。

PP、野党のイラク攻撃終了要求を拒否

全野党が与党PP(国民党)に対し、国連の決定を尊重し、イラク攻撃に反対するよう求めていたのに対し、昨日再びPPは国会で過半数の威力を発揮、165対133でこの要求を却下した。CiUスポークスマンのイグナシ・グアルダンス氏は、イラクで市民が犠牲者になっている責任はブッシュ大統領支持のPPのもので、PPは国会で戦争、つまり死に賛成票を投じたのだと述べた。グアルダンス氏の演説はイラク攻撃に関してこれまでで最も厳しくPPを批判するものとなり、一時はPP議員たちが議席で騒然となった。
一方、PPの上院議員マヌエル・アルケロス氏はブッシュ大統領支持の理由を述べないアスナル首相の姿勢を批判、国内外からの世論のプレッシャーはPPに影響を及ぼし始めている。

選挙人名簿70万人分の登録増加

昨日、INE(国立統計局)が発表したところによると、5月25日に行われる市町村長、市町村議会選挙で投票権を持つ人は34,535,700人、また州知事選挙が行われる13州(アンダルシア、カタルニャ、ガリシア。パイス・バスコ州以外)で投票権を持つ人は18,600,785人であるという。市町村選挙に投票権を持つ人々のうちの143,070人はEU加盟国またはノルウェーの国籍を持ち、スペインに合法的滞在をしている人々で、1,060,447人はCERA(在外選挙人名簿)に登録されているスペイン人。投票権を持つ人の数は1999年の市町村選挙時より707,804人の増加だが、2000年の総選挙時と比べるとわずか138,162人の増加。市町村選挙者の増加の主な理由はこの選挙後成人になった462,823人であるが、それに加えてU加盟国またはノルウェーの国籍を持ち、スペインに合法的滞在をしている人々の数が71,174人から倍増し143,070人となったことも挙げられる。
また在外選挙人名簿登録のスペイン人の数も前回より30万人近く増えており、これからも増加が続くのは確実で、政府では2004年の総選挙時には120万人の登録を予想している。登録が最も多いのはガリシア州で続いてアストゥリアス州となっている。在外選挙人名簿の登録が増えたのは、1月9日に国籍法が変わり、スペインから移住した人々の息子や孫が両親または祖父母の持っていたスペイン国籍を取り戻すための条件が緩和されたため。外務省では今年中にもこの法改正にのっとった60万から100万のスペイン国籍申請があると見ている。
選挙人名簿に登録されている人々には昨日から各人のデータを記載した選挙カードの送付が開始された。記載に誤りがある場合は4月7日から14日までの間に各市長村役場または選挙管理事務所支部に申し出なければならない。選挙運動は5月9日から開始される。


4月1日(火)

芸術家エドゥアルド・ウルクロ氏急死

画家であり彫刻家でもあるエドゥアルド・ウルクロ氏が昨日マドリッドで心臓発作のため、急死した。享年64歳。1938年サントゥルセ(ビスカヤ県)に生まれたウルクロ氏は、スペイン・ポップ・カルチャーの代表的芸術家として国際的にも知られ、北京での展覧会を終え、新作展示も予定されていた7月のニューヨークでの展覧会の準備を行っている間の予期せぬ死であった。
過去にニューヨークのマウント・ザイオン病院でバイパス手術を受けていたウルクロ氏は、昨日マドリッド州知事候補のエスペランサ・アギレ女史とのマドリッド学生寮での昼食後発作を起こし倒れた。即死で、遺体は判事の到着後、検死解剖協会に移された。今日の午前10時からトレス・カントスの葬儀場で弔問が受け付けられる。
ウルクロ氏の絵画は、帽子とスーツケースをテーマにした静物画が多く、また彫刻家としては作品がオビエド、マドリッドの街に飾られている。抽象的画風でポスターも多く手がけており、特にメネンデス・ペラヨ国際大学の広告シリーズが有名。近年はネオキュービズムに傾倒しており、美術関係者たちからはウルクロ氏が新しい作風を発展させきれずに亡くなったことを悔やむ声があがった。映画好きとしても知られ、アカデミー賞受賞監督ホセ・ルイス・ガルシ氏司会によるTVEの“Que grande es el cine”にコメンテーターとして出演もしていた。

軍用ヘリコプター墜落、5人死亡

昨日午後5時半頃、バジャドリッドからおよそ20キロメートル離れたビジャヌエバ・デ・ロス・インファンテスの平原に訓練中の陸軍のヘリコプターBO-105が墜落、乗組員5人全員が死亡した。事故原因はまだ解明されていない。
ヘリコプターは墜落直後に炎上、乗組員のうち4人(見習士官2人、軍曹1人、一級軍曹1人)は即死、5人目(見習い士官)は近くにいた農夫によって救出されたが体の90%に火傷を負っており、間もなくその場で死亡した。目撃者の話では、墜落直後にヘリコプターから上がった炎は高さ3メートルにもなったといい、ヘリコプターは現場で焼け焦げた鉄くずと化した。
犠牲者のうち3人はバジャドリッドの軍事訓練学校生で残り2人はログローニョのアゴンシージョ基地所属のパイロット。事故当時は訓練中であった。防衛省ではただちに事故原因究明のための調査を開始する予定。

ガリシア海岸7月1日にはきれいに−中央政府の見解

環境省が発表したところによると、ガリシア地方の海岸でいまだに石油汚染の跡が見えるのは2つのビーチだけで、残りの197箇所では岩にへばりついているか、砂の下に埋もれているかで目には見えないという。しかし、先週コスタ・ダ・モルテでは数ヶ所で50センチにもなる石油の塊が層となって埋もれているのがみつかったばかりで、エルビラ・ロドリゲス環境大臣がガリシア地方のすべての浜辺は7月1日には海水浴用にきれいになっているだろうとの見解を示したことに、地元の漁師たちは懐疑的である。
また昨日はマリアノ・ラホイ第一副首相が、閣僚委員会が来週石油会社Repsol社に沈没しているタンカーからこれ以上石油が漏れ出さないための措置を講じる契約を結ぶことを発表しているが、科学委員会が政府に進言しているように、深さ3800Mに沈むタンカーから石油をポンプでくみ出す方法を取るのか、それよりもコストが低いが専門家の目から見ると、効果的な成果も前者ほど得られない方法である、船全体を囲い込んで封印してしまう棺方式を取るのか、具体的にどういう方法を取るのかは明らかにされていない。
さらに昨日は事故発生から4ヵ月半たって初めて、政府がプレステージ事故の直接被害を受けている60の自治体から代表者を招いて会合を開いている。

観光バス転覆事故で1人死亡、17人負傷(タラゴナ)

昨日の午前7時45分、高速道路A-7のラメトジャ・デ・マル(タラゴナ県)でバスが転覆事故を起こし、乗っていたムルシア県シエサのロス・アルバレス経営・商科専門学校の生徒37人と教師4人のうち、18歳の女生徒1人が死亡、17人が負傷(うち3人は重体)した。彼らはバルセロナに修学旅行で向かう途中であった。
事故が起こったのは最近アスファルト舗装されたばかりの道路で、まだ車線が塗られていなかったが、“ojos de gato(猫の目)”と呼ばれるイルミネーション標識がつけられていた。事故発生当時は視界はよく、警察では運転手が居眠りをしていたか、よそ見をしていたかが原因だと見て捜査を進めている。




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