二月初旬の恒例、マドリッド郊外、Valdemorilloの闘牛祭も終って、闘牛界はつかぬ間の休息。
マドリッド、ベンタスの闘牛開幕を待つのみと成りました。今年は、3月3日、フェスティバル、
そして、一週間後3月10日のノビジャダから、公式戦がスタートです。3月は、カスティジョン−
マグダレナ祭、、バレンシアーラス ファジャス祭と立て続けに大きな闘牛祭です。
有名、有力闘牛士達のスタートはこれらのお祭りからです。南米で大活躍したEl Juliは、
2月5日メキシコのモヌメンタル闘牛場で109本目のRabo(尻尾)を切り取り健在です。
往年の大スター、Paco Ojedaの復帰もファンにとっては見逃せないでしょう。引退の歳月が、
どう影響したか、するかが最大の課題です。タイプは違うにしても、動かない闘牛士同士、
Jose Tomasとの競演はあるのでしょうか。難しいかもしれませんね。昨年は思わぬ所で、
ファンをがっかりさせたJose Tomas、今年もJoselitoとのコンビ カルテルで出場が多いはずで
す。どうもここ数年、Novilleroからアルテルナティバをして、直ぐ大スターの道を歩む幸運な
闘牛士が少ない様です。それだけ質が落ちたのか、或いは、大スター達がスキをみせないのか、
不明な所です。今年の大闘牛祭も、昨年のカルテルの並び替えで開始される様です。
マドリッド サンイシドロ祭後は少しは変わったカルテルをみたいものですが、如何なものでしょうか。
El Juli,Ponceは別格として、Finito,Caballero,Morante,Jose Tomas,Joselito,Abellan;
El Cordobes etc,がまだまだ上位を占めそうな予感です。
そんななかで、ベテラン、Esplaの活躍も期待したいところです。ニュースとしては、1985年にコルメナル
ビエホの闘牛場で死去したYiyoの時代の、マドリッド闘牛学校3羽ガラス、(Yiyo,Lucio Sandin,Julian Maestro)の一人、Julian Maestroが、35歳で再度Matadorに挑戦です。助手としての寄り道が、良い結果に
なってくれればいいですね。何はともあれ、今年もEl Juli,Ponceの名前を聞く年、両極の年が未だ続きそうです。
(2月17日) |
10月末のハエン、サンルカスの闘牛祭を最後にスペイン闘牛界は暫くの休戦で
す。トップの闘牛士達は南米へと旅立っていきました。2001年のスペイン闘牛界を振
り返ってみましょう。スタートの悪かった、PONCEは中盤から調子を取り戻し、シー
ズン末には100試合の大台に乗せました。これで10年連続100試合以上を記録、前代未
聞の大闘牛士の箔をつけたことになります。かっての大闘牛士も数回は100試合を超
えたことがありますが、10年連続と言う数字は、これは誰も打ち立てることの出来な
い、記録となるはずです。後はこの記録を何処まで伸ばすかと言う事ですが、これは
本人次第と言う事です。FINITO DE CORDOBA が今年はトップランクになりましたが、
今年は良い事続きで、シーズン末の最後の闘牛、ハエンでINDULTO闘牛をし、その
後、結婚と言う事でした。闘牛界では、汽車に乗れた闘牛士ということでしょう。
乗った汽車から降りない様に来期も頑張って欲しいものです。 春先、セビリアを好スタートし、マドリッドのサンイシドロ祭では、アイドルで迎えられた、JOSE TOMASは、サンイシド ロ祭2試合目に、TRES AVISO(三回アヴィソ)で、闘牛を殺す権利を放棄、それも変 な放棄の仕方で、マドリッド、アフィショナード連中に嫌われ、アイドルもちに落ち た感じでした。昨年、矢張りサラマンカの闘牛場で同じような事をやっていて、マド リッドでは2回目と言う事でした。本人は理解しがたい状況,、要はパニくった感じで す。これが原因してかは、不明ですが、その後、契約書は余り舞込んでこなかったの か、本人が試合数をセーヴしたのか、一年の試合数としては余り納得できない数で シーズンを終えてしまいました。 EL JULI旋風は今年も相変わらずでした。一時の勢いはなかったにして も、前向きに自分の闘牛をしています。南米での評判も良く、もう南米での活躍が、 伝わってきています。PONCEの闘牛が、このEL JULIと一緒にでることによって、少 し、変化をしてきています。EL JULIの闘牛が影響していると言う事ですが、そうし た影響を受ける余地、余裕を残している、PONCEも、非凡な闘牛士と言わざるを得ま せん。 (12月12日) |
4月上旬、2001年度、サン イシドロ祭のカルテル(プログラム)が発表されま
した。五月12日から6月9日まで、22回のコリーダと3回のレホネオ、3回のノ
ビジャダ、1回の恒例ジャーナリズム協会のコリーダ、総計29回の闘牛試合です。 復帰のORTEGA CANO、1試合、JESULIN,2試合は妥当なところでしょうか。昔の名前で出場権獲得です。JOSELITO,JOSE TOMASの出場がなんといっても、圧巻です。JOSE TOMAS の時代は、EL JULIを含めて未だ続きそうです。 PONCEは1回の出場、それも後半戦、その上、牧場がDOLORES AGUIRREとは、なんとな く腑に落ちない所です。不調の兆しが見えてきたと言う所でしょうか。長年トップを 走ってきて、ふと立ち止まる時期なのかもしれません。牧場と言えば、JOSELITOの ADOLFO MARTINの闘牛も不思議な気がします。1991年から10年、2001年と いうゲンを担いで、CESAR RINCONが復帰するのではないかと言うかすかな期待もむなしく、病気と戦っているようです。病気との闘いに勝って再び、彼の勇姿をサン イシドロ祭で見たいものです。不 出場のMIGUEL RODORIGUEZは昨年の不調が響いているようです。昨年の優勝者、EL CALIFAは、金銭面での折り合いがつかなかったようで、残念です。復帰者が多く、今 年のカルテルは、何時もの年に比べると、BIEN REMATADO(上手く組み合わせた)で す。NO HAY BILLETES.(満員御礼)がかなりでそうです。なにはともあれ、今年もマラソン闘牛は、新しいスターを生み 出すのでしょうか。 (4月12日) |
昨年は、TV放映闘牛場の出場を拒否したため、大きな祭りには顔を出さなかった
2人ですが、今年は、セビリアのフェリア出場(ホセリート 2回、ホセ トマス
3回)あたりから解決策を考えていた様です。サン イシドロ祭には、ホセ トマス
は2回出場、一回目は、カバジェロ、モランテと、TV DIGITAL放映、2回目は、
ホセリート、アベジャンと出場、TVなしの契約。ホセリートはこれ一回だけの契約
なのか、もう一度あるのか、いまのところ確認は取れていません。いずれにしても、
今期は二人の偉大な闘牛士をラス ベンタスで見れそうです。
(3月17日) |
21世紀の闘牛は、狂牛問題からスタートです。英国に原因を発した狂牛
に
関する問題は、スペイン闘牛界にまで、波紋を投げつけています。狂牛病感染を恐
れ
て、闘牛試合に殺された闘牛は、焼却、切り取った耳は観客に投げてはいけない、
良
い試合後の、闘牛の頭を剥製にすることも禁止、という非常に厳しい問題を抱えて
き
ています。本来、闘牛は肉牛として、目方で精肉業者に卸され、市民が闘牛の肉と
言
う事で消費していたわけですが、それが出来なくなってしまったと言う事は、興行
主
にある程度の経済的負担がかかり得ると言う事です。その分は、結局、我々観客に
し
わ寄せの形でもたらされるものです。今の所、一頭の闘牛を焼却するにかかる費用
約
三万ペセタは、州なり、国の負担と言う状況ですが、この先どのような形で、解決
さ
れて行くか余談を許さない状況です。焼却が続けば続くで、大気汚染の問題を発
生、
エコロジストの反対運動が、動物愛護団体との連携プレーをしてくるのが目に見え
て
います。80年代半ばから、如何した事か、闘牛が良く倒れる、変な動きをする、
と
いうことで問題にっていましたが、全く原因不明で、現在まで来ていますが、単純
に
考えると、闘牛としてアレナに出てくるのが、4−6歳牛ということで、丁度、狂
牛
症状が現れてくる年齢に達してくるわけです。これが、本当に原因だとすると、闘
牛
界は、完全に汚染されていたということになり、暫くは、この狂牛感染の世界か
ら
抜け出れない状態になるのは目に見えています。恐ろしい事です。ハッキリとし
た、
原因究明の調査が、必要な時に来ているようです。 さて、21世紀闘牛界の展望です。昨年秋、突然、クーロ ロメロが引退を表明、 (やっとか、)の声も多く聞こえました。これで、セビリアのフェリアに確実に4 − 5席の空席が出来た事に成りました。この空席を埋めるのが、若いトレロ達、後輩 に 席を譲るのが遅すぎた感もありますが、セビリアでは、神話の闘牛士、クーロのい な いフェリアは、フェリアでない、と明言されたくらいでした。何はともあれ、時が解決してくれた一例です。復帰組みは、オルテガ カノ、ヘスリン デ ウブリッ ケ、 往年の星、エル コルドベス。エスパルタコは、今期で終了、引退興行はしない 旨、 大闘牛士の道をゆっくり歩いています。昨年、一試合のみ復帰した、ルイス ミゲ ル は、ビクトリーノ、ミウラ牧場の闘牛試合、記録更新のためスタンバイしていま す。 若手は健在エル フリ 人 気はまだ続きそう。ポンセ、カバジェロ、エル コルドベス、エル カリファ、ア ベ ジャンは、前へ進むのみ、ビセンテ バレラ も復帰して、バレンシアあたりか ら、 出場でしょう。ホセ トマス、ホセリートのテレビ放映の件に関しては、少しずつ 解 決策を出している様ですが、マドリッドのサン イシドロ祭ではどうなるのでしょ う か。セビリアのフェリアは、解決した様です。 公式戦は1月の中旬から、始まっていますが、マドリッド ベ ン タス闘牛場は来る3月11日のノビジャーダからスタートです。同時に、バレンシ ア も始まり、有名闘牛士は始動し、今年も闘牛界は、スターを求めて、動き始めま す。 (3月9日) |
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