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2月28日(月)

アカデミー賞最優秀外国語映画賞に“Mar Adentro”

アレハンドロ・アメナバル監督、ハビエル・バルデム主演“Mar Adentro”(日本公開タイトル『海を飛ぶ夢』)が第77回アカデミー賞最優秀外国語映画賞を獲得した。スペイン映画がこの賞を受賞するのは、“Volver a empezar”(1982年ホセ・ルイス・ガルシ監督)、“Belle Epoque”(1992年フェルナンド・トゥルエバ監督)、“Todo sobre mi madre”(2000年ペドロ・アルモドバル監督)に続いてこれで4度目。
この映画は実在した人物ラモン・サンペドロ氏をテーマにしたもので、アメナバル監督は受賞に際し、この賞をサンペドロ氏、主演のバルデム氏、プロデューサーのフェルナンド・ボバイラ氏と撮影チームに捧げると述べた。この映画は、スペインでのゴヤ賞での14部門制覇のほか、すでにアメリカでゴールデン・グローブ賞、Indipendent Spirit賞の最優秀外国語映画賞、ベネチア映画祭で審査員賞、最優秀俳優賞を獲得している。
この映画は、最優秀メーキャップ賞にもノミネートされていたが、この受賞は逃した。また、最優秀短編映画賞にノミネートされていたもう一つのスペイン映画“7: 35 de la manana”も受賞を逃した。

アリカンテでETAによる小規模の爆発

昨日の午後3時10分、アリカンテ県ビジャ・ホイオサにあるBBVA銀行保養所の庭で小規模な爆発が起きた。保養所は無人で、小型の爆弾だったためこの爆発による被害はプールわきにある更衣室に使われていた小屋のみ。使われていた爆薬は硝酸アンモニウムであったことがわかっているが、その量については現在調査中。この保養所は国道340号線わきにあり、ETAの予告電話を受け、この道路は3時間にわたり通行止めとなり、付近は大渋滞となった。
また、昨日は、ギプスコア県のパサイア駅に午後7時55分火炎瓶が投げつけられ、駅長室が炎上したが、中にいた駅員1人は無傷で脱出した。列車の運行に影響は出なかったが、Eusukotren社によると被害額は1.5万ユーロにのぼるという。

再び寒波が到来

昨日の午後からのこの冬4度目となる寒波の襲来により、今日アラゴン州ではマイナス20度、カスティジャ・イ・レオン、ラ・リオハ、ナバラ各州ではマイナス15度、マドリッド州ではマイナス10度まで気温が下がることが予想されている。寒さは水曜まで続く見込み。
ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、カスティジャ・イ・レオン、カスティジャ・ラ・マンチャ、カタルニャ、エウスカディ、バレアレス各州では今日から明日にかけて雪が降り、2〜10センチの積雪が予想されている。また、アラゴン、カスティジャ・イ・レオン、ラ・リオハ、ナバラの各州では、風速80キロメートル、マドリッド、カナリアス州では60〜90メートルの強風注意報が出ており、セウタ、マラガ、カディスには大雨の予報が出ている。国民安全・非常事態対策局では、自家用車の使用を控え、やむをえず使用する場合は、ガソリンを満タンにして出かけること、出発前にブレーキ、タイヤの点検を行い、チェーンを装備していくことを勧めている。


2月25日(金)

カルメル地区陥没で2人が引責辞任

カタルニャ州政府公共工事担当官ジョアキム・ナダル氏は、昨日ジョルディ・ジュリア港湾・交通局長とラモン・セラGISA(インフラ管理株式会社)社長の辞表を受理したことを明らかにした。カタルニャ州議会にといてナダル氏は、バルセロナのカルメル地区で地面の陥没が起きたのは複数の原因が積み重なった結果であったと説明、ジュリア局長は同地区で行われていた工事に直接の監督責任があったわけではないが、工事の方法の変更を決定したのは彼であったことを明らかにした。(工事方法は1年以上前から変更されていたにもかかわらず、この変更に関する公式文書は残されていない。)ナダル氏はジュリア局長に行ったような弁護をセラ社長に対しては行わなかった。
陥没の原因については、掘削現場の天井を固めるセメントの量が通常より少なかったことが指摘されているが、これについてナダル氏はセメントの必要量は試験済みで、試験と実際の結果が異なるのはあり得ることであり、セメントは厚ければよいというものでもないとコメント、セメントの量が減らされたのが予算の節約だった可能性については一切触れなかった。陥没現場の住民は現在も1057人が避難生活を送っている。

遭難者8人のうち6人の遺体を発見

火曜日にルーゴ沖20マイルで転覆した漁船Siempre Casina丸は、昨日水深の浅い場所に曳航され、船内の捜索が行われ、この結果、午後5時頃行方不明となっていた乗組員8人のうち6人の遺体が発見された。残り2人の捜索は夜になっても続けられたが、現在のところ発見されていない。うち1人は船長のヘラルド・タボアダ・パルドさんで、唯一の生存者である息子は海に飛び込んだ父親を2度掴んだものの救命ボートに引き上げることができなかったと証言している。
捜索作業に立ち会ったマグダレナ・アルバレス勧業相によると、船内で発見された時計の止まっている時間から、Siempre Casina丸が転覆したのは火曜日の午前3時15分で、当初考えられていたより3時間前であったことが明らかになったという。この漁船に備えられていた自動救助信号発信装置からの救助信号を海難救助隊がキャッチしたのは午前6時過ぎで、マストの先端につけられたこの装置は、水につかると衛星信号発する仕組みとなっているため、事故からマストが水没するまで3時間が経過した可能性が高いが、アルバレス勧業相は調査の開始を宣言した。

11-M一周年記念式典の概要決まる

ピラール・マンホン11-M被害者協会会長は数日前、11-M一周年を記念するいかなる公式行事の開催についても反対であることを表明したが、イグナシオ・ゴンサレス・マドリッド州政府広報官はこの姿勢を“尊重するに値する”としながらも、「この日を何らかの形で思い出すことは必要だ」との意見を示した。マドリッド州政府とマドリッド司教区の間では、192人の命を奪ったテロ発生から1年となる来月11日午前7時37分に、マドリッドにある650以上の教会が一斉に5分間にわたり追悼の鐘を鳴らすことがすでに決められている。また、PSOE(社労党)、IU(統一左翼)は亡くなった192人の名前をスペイン各地で通りの名前とすることを提案している。
州政府はこの日を服喪の日とすることを決め、半旗が掲げられるほか、正午には追悼のための5分間の黙祷が捧げられる。このほか、マドリッドのレティロ公園では犠牲者の数だけ植樹された“Bosque de los ausentes(不在者の森)”がオープンするほか、アルムデナ大聖堂でミサが催される。


2月24日(木)

雪の影響でマドリッドとバルセロナで150便が欠航

この冬3度目の寒波の到来はイベリア半島に全域に降雪をもたらした。国立気象協会では、金曜日までは高地での降雪を予想している。12自治州に出されていた降雪注意報は、マドリッド、カスティジャ・イ・レオン、アラゴン、カスティジャ・ラ・マンチャ、バレンシアの5州に減らされたが、カナリアス州に対し新たに大雨強風注意報が発令された。
昨日は、スペインの多くの地方が明け方からの雪に覆われ銀世界となった。マドリッドでは、1984年2月24日に5〜10センチの積雪を記録して以来の積雪量となり除雪車が出動し、道路に塩が撒かれた。
午前7時から11時半頃まで市内の主要道路は渋滞、近郊電車、バスの運行にも大幅に遅延が出たほか、バラハス空港を出発する予定だったおよそ90便が欠航した。バルセロナでも57便が欠航となった。セゴビアでは2日続きの降雪により積雪が25センチとなり、市内でもチェーンの着用が必要となった。サラゴサではウクライナ人ホームレスの男性(43歳)が昨日の午後、エブロ川のほとりで死亡しているのが見つかっている。

“レグラリサシオン”申請者は現在のところ5万人

2月7日から不法滞在・就労外国人に対する滞在・就労合法化特別措置“レグラリサシオン”の申請受け付けが開始され16日目となった昨日、国会で途中経過の報告が行われた。この報告によると、これまでに申請を行ったのは、48,247人で、申請の多い国の内訳はエクアドル13,431人、コロンビア6,350人、モロッコ5,756人、ルーマニア5,242人となっており、申請の63%はマドリッド、カタルニャまたはバレンシア州で行われている。
ヘスス・カルデラ労働大臣が明らかにしたところによると、受付開始1週目の申請数平均は1日1800件、2週目が4,700件で3週目の今週最初の2日の平均は、7700件と申請件数は日ごとに伸びているという。現在のところ申請が最も少ないのはメリジャ自治都市のゼロ件で、続いてセウタ(2件)、エクストレマドゥラ(181件)、カンタブリア(216件)、アストゥリアス(306件)、ガリシア(467件)、ラ・リオハ(701件)、カスティジャ・イ・レオン(947件)、パイス・バスコ(970件)自治州の順になっている。

マドリッド-ジェイダ路線でAVE新車両お目見え

今週の土曜日から国鉄RENFEは、AVE用新車両S-102シリーズの運行を開始する。この車両はスペインのTalgo社とフランスのBombardier社により開発されたもので、車両の形から“アヒル”の愛称がつけられている。当初予定の運行速度は時速200キロ(PP政権時代に約束された速度より150キロ遅い)で、勧業省では夏までに時速250キロ、期限は設けないものの最終的には300キロでの運行をめざしている。
RENFEが発注したのは16台で、これにかかる費用は3.3億ユーロ。車両自体は時速330キロでの走行が可能だが、現行の線路信号装置(ASFA)ではこの速度での走行は不可能で、新システムERMTSに変えることが必要。このシステム開発の遅れが、マドリッド-バルセロナでのAVE路線開通(2007年を予定)の主要問題となっている。
昨日アトチャ駅で行われた新車両披露式でマグダレナ・アルバレス勧業大臣が明らかにしたところによると、今週末から運行するのは、新車両4車両で、5月にさらに4車両、残り8車両も今年中にこの路線での運行を開始するという。


2月23日(水)

漁船が転覆、乗組員8人が行方不明

昨日未明、ガリシア州とアストゥリアスの境界、海岸から20マイルの場所で、乗組員9人を乗せた底引き網漁船Siempre Casina丸が転覆した。乗っていたのは、船長、船長の息子、とスペイン人がもう1人、ペルー人3人、セネガル人2人、カボ・ベルデ人1人で、不寝番をしていた船長の息子(24歳)だけが救助された。
昨年6月にア・コルーニャ県沖で発生した漁船事故と同様、この船も1999年建造と比較的新しく、外装は鋼鉄、船長は経験豊富な船乗りだった。漁業組合は、船長のヘラルド・タボアダ・パルドさんについて、ガリシアの主要漁港の1つであるブレラで最も経験を積み、賢明な船長の1人であると述べている。昨日はしけではなかったものの、風が強く、波の高さは5Mにもなっており、転覆の原因については現在調査中であるものの、高波にぶつかった可能性が高いと見られる。
この船から自動救助信号が届いたのは午前6時すぎ。海難救助隊は、午前9時45分、転覆現場から45マイルの場所で救命ボートを発見、乗っていた船長の息子ヘラルド・タボアダ・フェルナンデスさん(24歳)が救助された。ヘラルドさんは病院に運ばれたが、低体温症を患っているものの、命に別状はない。ヘラルドさんは船長が海に飛び込んだ後、波に飲まれるのを見たと証言しているが、船室で眠っていた残りの乗組員については不明。行方不明者の捜索は今日も引き続き行われる。

ウィンザービル、出火原因調査難航

2月12日に起きたマドリッドのウィンザービルの出火原因の調査は難航している。火災が発生したと考えられている21階で証拠の採集を含む詳細な調査を行う必要があるが、捜査チームはまだこの階に入ることができていない。さらに、火が建物の大部分に回ってから近くの住民が録画し、建物内部に2人の人影が写っているビデオもまだ科学警察の手に渡っておらず、警察関係者の話によると、判事に最初の報告書が提出されるまでには少なくともあと8日はかかるという。
また、マドリッド市警察は、昨日の朝、ウィンザービルの地下駐車場につながる壁に穴があいているのを発見した。穴は人間が通るのは難しい大きさで、月曜日の見回り時には発見されていないことから火曜日未明に開けられたと考えられており、瓦礫の落ちている場所から見てウィンザービルから開けられたのは確実。警察では、野次馬または収集家がウィンザービルに別の場所から侵入し、この穴から脱出しようとしたと見て、捜査を開始した。

12自治州で降雪注意報

アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、ラ・リオハ、アラゴン、カタルニャ、マドリッド、カスティジャ・ラ・マンチャ、バレンシア、バレアレスの12自治州には今日も降雪注意報が出ている。サラゴサでは昨日15センチの積雪を記録、高速道路A-2が2時間にわたって通行止めとなり、有料高速道路AP-2のサラゴサ-ジェイダ間は午後2時までトラックの通行が禁止された。サラゴサ空港が閉鎖され、午前中はテネリフェとロンドンから到着した2便が別の空港に着陸、午後には4便が欠航し、サラゴサとソリア、マドリッド、バジャドリッド、ビトリアを結ぶ高速バスも運休となった。サラゴサ市内ではタクシーの大部分が休業、交通量が少なかったにもかかわらず衝突事故が相次ぎ、病院には転倒による患者が次々訪れた。
雪の影響は、ビトリア、ビルバオ、ログローニョ、レオンの空港でも出ており、レオン-アストゥリアス間の鉄道は2日連続で運休となっている。国立気象協会の予報では、スペインに現在雪を降らせている前線は、明日には勢力を弱めるという。


2月22日(火)

インターネット投票参加者はわずか0.54%

各県につき1市町村、全国52市町村の200万人に対し、参加資格が与えられていたインターネットによる投票実験の結果が明らかにされ、EU憲法批准国民選挙を利用したこの実験参加者には、18日間の投票期間が設けられていたにもかかわらず、参加したのは資格を持つ人のうちわずか0.54%、10,543人に過ぎなかったことが判明した。この実験による投票結果は効力を持たないが、この実験でもEU憲法批准を支持した人が78%と、不支持の13%、白紙投票の8.5%を大きく上回っている。
初めて全国レベルで行われたインターネットによる投票実験の目標は高い投票率を得ることではなく、インターネット投票による技術的問題を分析するためだとし、政府はこの実験の結果を前向きに評価。内務省によると、投票者の91.7%は各市町村役場に設置されたパソコンから投票したが、残り8.3%はその他の場所からの投票だったという。今回の投票のオブザーバーとなる許可を内務省に申請し、これに対する返答を得られなかったレオン大学電子投票監視局(OVE)は、今回の投票期間中、投票結果を集める治安警備隊のサーバーに侵入することに成功したと述べており、このシステムには安全性に大きな問題があると指摘している。しかし、電子投票システム担当会社のIndra社は、投票結果が集められていたのは治安警備隊のサーバーではなかったこと、身分照会番号にDNI(国民身分証)の番号が使われたとするOVEの報告は正しくないことを指摘、OVEが侵入に成功したのは、同社が投票前に作っていた実験・開発プログラムであって、本当の投票プログラム内ではなかったと反論している。

12自治州で降雪の可能性

国立気象協会は、新たな寒波の襲来によりスペイン北部および中央部で今日から明日にかけて気温の急激な低下を予測している。寒波はイベリア半島の北西部から入り、半島を東に横断、全国の標高の低い場所でも降雪が予想されており、道路情報に注意し、乗用車での移動は避けるよう市民に対して呼びかけられている。
昨日は、全国13ヶ所の峠が通行止めとなったほか、21ヶ所でチェーンの装着が義務づけられていたほか、イベリア半島北東部で17つの村の住民700人、アストゥリアスで、15村の住民410人が孤立した。また、ブルゴス県で735人、パレンシア県で498人、レオン県で494人、セゴビア県で17人、アビラ県で16人、ルゴ県で700人の生徒が雪のため登校することができなかった。ブルゴス県ではエスクド峠の閉鎖により、112人が宿泊施設で一夜を過ごした。
ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、ラ・リオハ、アラゴン、エクストレマドゥラ、マドリッド、カスティジャ・ラ・マンチャ、アンダルシア(東部)には、昨日から雪の注意報が発令されている。

ウィンザービル隣のデパート、一部営業再開

市役所から営業再開許可が出たのが金曜日、マドリッド市内で2番目に大きい“エル・コルテ・イングレス”(デパート)のカステジャーナ店の従業員2100人は、安全確保または火災による影響のため金属と木の塀で閉鎖された店内の一部を改造し、昨日の営業再開にこぎつけた。しかし、店内は雑然としており、こげた臭いがわずかに残っているのは否めず、顧客からはこういった状況で営業を再開したことに対する非難の声も上がっていた。“エル・コルテ・イングレス”では、この火災による被害額や、今後賠償金を請求するかについては明らかにしていない。
一方、損害賠償請求のため作られた小規模店主被害者協会(75店主が加盟)では、土曜日までに72万ユーロの損害が出たと見積もっており、190〜500人が失業の危機にあると述べている。同協会は、今日マドリッド市役所、マドリッド州政府の代表者と会談する予定。


2月21日(月)

EU憲法批准国民投票、ほぼ8割が“SI”

EU加盟国初のEU憲法批准国民投票が昨日スペインで行われた。投票率は42.32%と予想をわずかながら上回ったものの、昨年6月に行われた欧州議会選挙の投票率45%を下回り、スペイン民主政史上最低の記録となった。有権者数ほぼ3500万人のうち、投票したのは1420万人で、“SI”(支持)に投票したのは76.73%にあたる10,804,464人、“NO”(不支持)に投票したのは17.24%にあたる2,428,409人、白紙投票が6.03%(849,093人)、無効票が0.86%(122,697人)だった。ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長、ジョセップ・ボレル欧州議会議長は電話でホセ・マヌエル・サパテロ首相を祝福したが、最大野党PP(国民党)のマリアノ・ラホイ党首は、「棄権者がこれほどまでに多い結果となったのは、サパテロ氏の失敗だ。」と首相を批判した。
投票結果は、自治州間で差が出ており、最も不支持票が多かったのはパイス・バスコ州で33%、続いてナバラ州29%、カタルニャ州28%となっており、いずれの州も左翼民族主義政党の不支持キャンペーンが効果を発揮した形となった。例外はガリシア州でBNG(ガリシア民族党)の不支持キャンペーンにもかかわらず支持票は80%を超えている。

地下鉄6号線、今日から運転を再開(マドリッド)

2月12日のウィンザービルの火災によりクアトロ・カミノスからアベニーダ・デ・アメリカまでの区間が不通となっていた地下鉄6号線は、今日午前6時から運行を再開した。しかし、この路線はヌエボス・ミニステリオス駅は通過する。

セビジャ、バダホスでM4の地震

昨日の午後2時26分、バダホス県プエブラ・デル・マエストレ(人口およそ900人)が震源地の地震が発生、バダホス県、セビジャ県の多数の市町村で地震が感知された。プエブラ・デル・マエストレ、セビジャ県エル・レアル・デ・ラ・ハラではマグニチュード4が観測されたが、人的物的被害とも出ていない。

週末のスポーツの結果

フットサル:スペイン代表チームがロシア代表チームを2−1で下し、チェコのオストラバで開催されていたヨーロッパ選手権優勝を飾った。スペインがヨーロッパ選手権で優勝するのはこれで3度目で、この代表チームは昨年台湾で開催された世界選手権でも優勝している。
陸上競技:マドリッドのパラシオ・デ・デポルテス柿落としで行われた室内陸上国内選手権で、400M競技のダビ・カナル選手が15年ぶりにスペイン室内記録を更新、46秒台を切る45.93のタイムを出した。
バスケットボール:スペインプロリーグACBの国王杯決勝戦は、ウニカハ対レアル・マドリッドで行われ、レアル・マドリッドは1993年以来の優勝を目指したが、80-76の4点差でウニカハが勝利、初優勝を収めた。


2月18日(金)

バレンシアでETAメンバー2人が逮捕

昨日の午前8時半、ETAメンバーのミケル・オルベゴソ・エチャリ(1979年サン・セバスティアン生まれ)、サラ・マハレナス・イバレタ(1980年サン・セバスティアン生まれ)両容疑者がバレンシアで逮捕され、潜伏先のオスタルからはピストル2丁、すでに完成した爆弾1つ、未完成の爆弾1つ、起爆装置、爆薬が押収された。また、1100人以上の標的の名が載った書類も押収されている。中でも、軍高官、警察署、観光案内所の3つの標的はかなり具体的な情報が載せられており、攻撃が間近に迫っていたことを示している。警察では、EU憲法批准選挙前にETAがバレンシアでテロを企てていた可能性が高いと見ている。
2人は水曜日の夜からバレンシアの中心にあるオスタルに泊まっていた。昨日の朝、警察がオスタルから出てくる2人を呼び止めたところ、マハレナス・イバレタ容疑者はオスタルの建物内に駆け戻り、オルベゴソ・エチャリ容疑者は走って逃走したが、警察はオルベゴソ・エチャリ容疑者がウェストポーチに隠し持っていたピストルを抜く前に取り押さえることに成功した。同容疑者は、ピストルのほか、偽造マスコミ用身分証、あるNGO団体の会員証、偽造治安警察の身分証と偽造国民身分証3つを持っていた。オスタル内で逮捕されたマハレナス・イバレタ容疑者もまた偽造治安警察の身分証を所持していたほか、偽造学生証も持っていた。2人はマドリッドに移送され、日曜日に中央管区裁判所に供述のため出廷する予定。

地上の建物で振動感知、4駅を2日間にわたり閉鎖(バルセロナ)

カタルニャ州政府の発表によると、TMB(バルセロナ市内交通)は地下鉄4号線の4駅を2日にわたって閉鎖するという。
カルメル地区で地下鉄工事による地盤沈下が起き、1057人が避難して以来、バルセロナの住民は地下工事に敏感になっている。すでに苦情を提出したテイショネラ地区、コル地区に続き、今度はオリンピック村の隣にあるポブレ・ノウ地区から苦情が出された。しかし、この地区が地下鉄の振動について苦情を出すのは今回が初めてではなく、2年前から振動と建物内の亀裂についての苦情が出ており、カタルニャ州政府はようやくセルバ・デ・マル、リャクナ、ポブレノウ、ボガテルの4駅を閉鎖し、振動を軽減するための対策をとることを決めた。現在のところ閉鎖機関は2日間だが、作業が2日で終わらない場合は、夜間に引き続き工事を行うという。
一方、カルメル地区から700M離れたテイショネラ地区、コル地区では、現在建設中の新しいテイショネラ-コル駅付近の建物40戸に亀裂が出ているという。これらの建物については、カタルニャ工科大学が調査中で、亀裂の原因が地下鉄5号線延長工事であることが証明されれば、「地下鉄工事によるすべての被害者は平等に扱われる」とジョアン・クロス・バルセロナ市長は述べている。

ウィンザービル取り壊しにかかる期間は1年以下と予測

マドリッド市役所の見積もりによると、先週の土曜日火事でほぼ焼失したウィンザービルの取り壊し作業にかかる期間は1年以下だという。取り壊し工事の途中で建物の内部に入る必要が生じた場合は、クレーンから吊るされた小型ロボットが中に入ることを今日、市建物管理局長のエミリオ・ガルシア・デ・ブルゴス氏が明らかにした。
取り壊しは建物横に設置された2台のクレーンにより少しずつ進められるが、今日は、この設置場所の整地が始められた。ガルシア・デ・ブルゴス氏によると、取り壊し工事はまず、ビル屋上にある改装工事用のクレーンの取り外しから始められるが、作業開始の準備が整うのにはあと2日かかるという。


2月17日(木)

現状把握のため、消防士がウィンザービル内調査

土曜日の火災でほぼ全焼したウィンザービルの現状を把握するため、昨日の午前9時15分、建築士の資格を持つ4人の消防士が建物内に入った。3時間にわたるこの調査では建物の骨格の状態が重点的に調べられたが、調査の結果は“倒壊の可能性は非常に高い”だった。
建物内の階段を1階から上りながら状態を検分していった消防士によると、建物内の被害状況は階を上がることに増していったという。火災の炎が到達しなかった1階から4階までは水浸しで煙の跡が一面に残り、5階から17階までは、アルミ製の大型書類保管庫がかろうじて焼け残っている以外には何も残っていなかった。しかし、18階から上はさらに被害がひどく、上階から落下した鉄骨により入ることのできなかった部屋もいくつかあった。これらの残骸はいまだに熱を持っていたほか、鉄骨の下で引き続き燃焼が続いていると見られる個所があることも確認されている。被害がもっとも大きいのは、22階より上で、鉄骨が残るのみ。最上階28階の扉は開くことができなかった。
4人の消防士が内部の状態を確認した後、市役所の調査員、科学警察官も建物内に入ったが、出火した21階は損傷が激しく、出火場所を特定することはできなかった。警察は昨日、火災当日勤務にあたっていたガードマン4人とビルオーナーの1人を事情聴取、この日建物に出入りした人間についての調査も続けている。

プーマ社長宅に強盗、21万ユーロ盗まれる

今日警察が明らかにしたところによると、月曜日の午後9時過ぎ、エルチェ市内にあるスポーツウェア会社プーマ社長ビセンテ・ベルナッド氏宅に外国人と見られる覆面をした4人組が押入り、現金21万ユーロ、宝石を盗んで逃走したという。4人組が柵を飛び越えて侵入したとき屋内は無人だったが、その後社長とその妻、友人の3人が帰宅。犯人は包丁で脅し金庫を開けるよう要求した上、家中の引き出しを荒らし、発見した宝石も持ち去った。警察では、盗難だけを専門にしているグループの犯行と見て、捜査を進めている。社長は軽い怪我を負ったのみ。

コロン広場に巨大EU旗

今週日曜日にEU憲法批准国民投票が開催されることを記念し、今日の午後1時、マドリッドのコロン広場に青地に15の星がちりばめられたEU旗が掲揚される。掲揚の際の式典は、毎年5月9日のヨーロッパの日にEU旗を掲揚する際と同じで、式典にはミゲル・アンヘル・モラティノス外相、アルベルト・ルイス-ガジャルドン・マドリッド市長、EU加盟国大使、EU加盟予定国大使などが出席する。

EU批准国民投票不在者投票受付を明日までに延長

中央選挙委員会は、昨日までの予定だった郵便によるEU批准国民投票の受付を明日、金曜日の午後2時までに延長した。この措置がとられたのは、当初の締め切り前日である火曜日に、今回選挙の不在者投票者の数が前回総選挙に比べて66.79%少なく、昨年のヨーロッパ議会選挙投票全体数より41.31%少ないことが判明したため。火曜日の時点で不在者投票した人の数は18.6万人で、昨年3月の総選挙での不在者投票希望者は56万人(実際に投票が有効だったのは553,560人)、6月のヨーロッパ議会選挙での不在者投票希望者が32万人(実際に投票が有効だったのは316,924人)だったことと比べると、きわめて少ない。


2月16日(水)

マドリッドで最も高いビル8つのうち最新防火施設を備えているのは3つのみ

土曜日に火災が発生したマドリッドAZCA地区にあるウィンザービルより高いビルがマドリッドには7つあるが、このうち全館に防火施設を備えているのは3つだけであることが判明した。各ビルの現状は次のとおり:
1.Torre Picasso(ピカソタワー)…AZCA地区にあり1989年建造、157M。各階に取水口を設置、消火器、消火ホース、火災報知器を備え、借主にはスプリンクラーの設置が義務付けられている。
2.Torre de Madrid(マドリッドタワー)…スペイン広場にあり1957年建造、142M。スプリンクラーは設置されておらず、火災報知器があるのみ。現在、改装工事許可を市役所に申請中。1995年に起きた火災では、2人が煙を吸って手当を受けた。
3.Torre Europa(ヨーロッパタワー)…カステジャーナ通りにあり1985年建造、121M。機械室、駐車場と地下室にのみスプリンクラーを設置。オフィス部分にはスプリンクラーはついていないが、現在のところ設置の予定もなし。1990年の火災で1人が負傷。
4.Edificio Espana (スペインビル)…スペイン広場にあり1953年建造、117M。スプリンクラーは設置されておらず、設置の予定もなし。設備は老朽化が進んでおり、エレベーターも改修されていない。
5.Torres Colon(コロンタワー)…コロン広場にあり1976年建造、116M。所有者がこの件についての発言を拒んだため現状は不明。
6.Torres KIO(キオタワー)…カスティージャ広場にあり1998年建造、114M。全館にスプリンクラーと火災報知器を設置。マドリッドの高層建築の中では最も新しい設備を備えている。
7.BBVAビル…AZCA地区にあり1980年建造、107M。ウィンザービルと同時期に建設されたものの、その後の改装工事でスプリンクラーと新しい非常階段を設置。
8.ウィンザービル…AZCA地区にあり1979年建造、106M。新しい防火装置を取り付ける工事を行っていた途中。スプリンクラーは設置されていなかったが、火災報知器は設置されていた。
スプリンクラーの設置費用は1平方メートルあたり10〜20ユーロと安く、新しくビルを建設する場合、予算の3〜4%を占めるにすぎないが、施工主は設置に積極的でない上、2003年改正の消防法により最も基準の厳しい自治州となったマドリッドでも避難経路が高さ100m以上のビルに3年以内の設置が義務付けられたのみ。消防車のはしごが届くのは高さ50Mまでだという。

地中海で故障のクルーズ船乗客、スペインに帰国

月曜日、地中海沖で嵐に遭ったイベロジェット社のクルーズ船“Grand Voyager”の乗客のうち、負傷により入院した6人を除く全員が昨日、サルデーニャ島からスペインに飛行機で帰国した。この船は、乗客乗組員合わせて787人を乗せ、今月7日にバルセロナを出発、地中海をクルーズし、月曜日バルセロナに戻る予定だったが、チュニジアを出てから嵐に遭い、大波が船窓を破り船内が浸水、これにより電気系統が故障し、エンジンが停止した。船はSOS信号を出し、フランスからヘリコプター、飛行機と牽引船が現場に向かったが、高さ20Mにもなる波を前になすすべはなく、船は波にもまれるままとなった。その後、プロペラの一部が修理され、船はメノルカ島へ向かったが、悪天候により港が閉鎖されていたため、最終的にサルデーニャ島のカリアリに到着し、その後乗客はイベロジェット社のチャーター便でマドリッド、またはバルセロナに運ばれた。
昨日空港に到着した乗客たちは次々に恐怖の体験を語ったが、船がチュニジアを出航した時点ですでに波は相当な高さになっていたといい、乗客たちは共同で船長を相手どり告訴する意向。

カタルニャ、ブルゴス、カンタブリアで雪による被害

DGT(総合交通局)によると、雪のため今朝午前9時15分現在、全国12ヶ所の峠が通行止め、21ヶ所でチェーンの装着が義務づけられているという。雪による被害が最も多く出ているのは、カタルニャ州、ブルゴス県とカンタブリア州だが、レオン県、ソリア県、パレンシア県、ウエスカ県、テルエル県、アストゥリアス県、ラ・リオハ州、ナバラ州でも山間部で降雪により道路状況が悪化している。


2月15日(火)

火災のウィンザービル、スプリンクラー装備せず

昨日、マドリッド市役所が確認したところによると、土曜日の夜火災が起きたウィンザービルは、現在スプリンクラー設置工事を進めている途中で、出火した21階にはまだスプリンクラーが設置されていなかったという。このビルが建設された当時はスプリンクラーの設置が義務付けられていなかったが、2年前からマドリッド市が適用している規則でも、スプリンクラーの設置は高さ100M以上から避難しなければならない建物にしか義務付けられておらず、ウィンザービルは、建物自体の高さは106メートルだが、避難しなければいけない高さは96.7メートルで、この対象外となっている。ウィンザービルに設置されていた火災対策装置は警報装置だけで、この装置により土曜日の午後11時16分警備員が21階での火災を発見、消防署に通報すると同時に消火器で火を消そうとしたが、消しきれなかったという。
スプリンクラーの設置が義務付けられていなかったにもかかわらず、このビルのオーナー、レイサバル家は2002年ビルの改修工事と並行して火災対策工事も行うことを決定。この工事は2003年8月から始められ、90分間炎をさえぎることのできる消火扉を下の5フロアに、また建物外部に非常階段を設置する工事はすでに終了していたが、工事請負会社によると、スプリンクラーの設置は80%終了していたが、21階までは到達していなかったという。(消火活動にあたった消防士によりスプリンクラーが12階で作動していたのは、確認されている。)ウィンザービルが建物の設備について市役所の立ち入り検査を最後に受けたのは1999年7月だった。

スペインのアルカエダリーダーらに懲役62,512年求刑

中央管区裁判所のペドロ・ルビラ検事は、イマッド・エッディン・ヤルカス“アブ・ダダ”被告、ガソウブ・アル-アブラシュ・ガルヨウン“アブ・ムサブ”被告、ドリス・チェブリ被告の3人に対し、テロリスト組織所属の罪、ニューヨークの貿易センタービルテロ、ワシントンのペンタゴンテロ関与の罪などで、スペイン史上最高となる懲役62,512年の刑を求刑した。検事は、懲役刑のほか、3人に対し、両テロでの負傷者に対し1人あたり300,506ユーロの賠償金の支払いも求めている。しかし、求刑どおりの判決が下りたとしても、この罪を犯した時点でスペインの法律が定めていた刑期が最高30年であるため、3人はこれ以上の期間刑務所で服役することはない。
判事が求刑の根拠にした警察の報告書によると、アブ・ダダ、ドリス・チェブリ両被告は、11−Sのテロ実行犯をかくまったとされているほか、アブ・ムサブ被告は1997年8月アメリカに行き、貿易センタービル、シカゴのシアーズタワー、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなど、テロの標的とし得る建物をビデオで撮影し、このテープをテロ実行グループに渡したとされている。この3人と共にさらに21人のイスラム過激主義者が裁判にかけられるが、この21人のほとんどはテロリスト組織所属の罪に問われており、検事は9年から27年の懲役刑を求刑している。

テレフォニカ、子会社Terraを吸収合併

Terra社創設から6年、スペイン最大手の電話会社テレフォニカは、Terra社9株に対しテレフォニカ社の2株を提供することを決定した。テレフォニカ社は2003年5月にも1株あたり5.25ユーロで株の買取を申し出てTerra社の買収を試みたがこのときは失敗、その後、33.6%だった持ち株を75.87%にまで増やしている。前回とは異なり今回は吸収合併であるため、テレフォニカ社は証券取引委員会への届け出を必要とせず、両社の株主総会でこの申し出が受け入れられれば吸収合併成立となるが、テレフォニカ社がすでにTerra社の株の75.87%を所有しており、同社の他には大口株主がいないことから、吸収合併成立は確実となっている。
今回テレフォニカ社が吸収合併に踏み切った理由はたくさんあるが、そのうちの最も大きな理由は、現在テレフォニカ社とTerra社が提供しているADSL回線サービスを一本化すること。現在、テレフォニカ社はこのサービスを提供している他の会社に回線を貸与している状態で、貸与を受けている会社にTerra社も含まれている。すでに、競合会社からは回線貸与契約でテレフォニカ社がTerra社に他の会社にはない便宜を図っているとの告発も出ており、テレフォニカ社とTerra社の2社を運営させるのは無意味な状態となっていた。今回の吸収合併により、Terra社の顧客20万人がテレフォニカ社の顧客210万人に加わることとなる。


2月14日(月)

ビル火災によりマドリッド中心地域が通行禁止に

土曜日の夜マドリッドAzca地区にあるウィンザービル21階で火災が発生、ビルは倒壊は免れたが完全に焼失、今後も倒壊の可能性があるため、隣接するブロンセビル、エストレジャ保険ビル、デパート、エル・コルテ・イングレスと勧業省は立ち入り禁止、ライムンド・フェルナンデス・ビジャベルデ、オレンセの両通りが通行止めとなっているほか、今日正午までは地下鉄3路線(6号線、8号線、10号線)、国鉄近郊線8路線が乗り入れているヌエボス・ミニステリオス駅(1日の利用客60万人)は封鎖、国鉄近郊線アトチャ駅とチャマルティン駅を結ぶトンネルも通行止めとなっている。地下鉄6号線はこのビルの真下を通っているため、クアトロ・カミノス駅とアベニーダ・デ・アメリカ駅間が不通となっている。
火災が発生したウィンザービルは、1979年建造28階建てで、高さ106メートルのマドリッドで8番目に高い建物。このビルの21階が燃えていると消防署に最初の通報が入ったのは、土曜日の午後11時21分。消防車は通報から4分で現場に到着、21階で消火にあたったが火を消し止めることはできなかった。はしご車のはしごは50メートルしかない上、ガラス、溶けた鉄が次々に崩壊し始めたため、消防車は建物に接近することができず、火災発生から10時間後に建物の上半分はコンクリートの塊と化し、火が完全に消し止められたのは昨日の午後7時20分だった。火災の原因は不明で、原因が機械の故障によるものだったのか、人的ミスによるものだったのかを現在調査中。現場では消防車32台、消防士180人が消火活動にあたった上、マドリッド州政府からもトラック8台と職員25人が出動した。消火活動にあたった消防士7名が煙を吸ったため現場で治療を受け、うち2人が病院に運ばれた。このうち1人は一酸化炭素中毒で意識不明の状態だったが、その後意識を回復、しかし容態観察のため引き続き入院しているが、これ以外には死者もけが人もでていない。
倒壊せずに残ったウィンザービルは、鉄筋の冷却に少なくとも48時間はかかると見られる。この後専門家が調査を行い、上階から取り壊し作業が行われる。ビルの地下を鉄道が通っていることや、隣接する建物との距離が近すぎることからダイナマイトによる爆破は取り壊しの方法としては採用されないが、建物の枠組みに機械を設置するのか、建物の隣にクレーン設置用の足場を組むのかについては今後検討が進められる。また14階から下は炎による被害をあまり受けていないため、この部分を残すかどうかについても現在専門家が検討している。ウィンザービルは、2年半前から外装工事、外部非常階段の設置のほか、新しい火災対策に沿うための工事が行われていたが、この工事を請け負っている建設会社FCCは、工事は8つのフロアで行われていたがこの中に火災発生現場の21階は含まれていないこと、またこの日の作業は午後1時で終わっていることを明らかにし、火災とのあらゆる関係を否定している。
現場はマドリッドのビジネス中心街で、この火事により今日はおよそ1万人が出社できず、またヌエボス・ミニステリオス駅閉鎖による影響は60万人に及ぶと見られている。

バタスナ党、州選挙出馬を表明

サン・セバスティアンにある本部事務所で昨日、バタスナ党は記者会見を開き、ギプスコア、ビスカヤ、アラバ県の筆頭候補者をそれぞれアルナルド・オテギ、ジョネ・ゴイリセライア、ラケル・ペニャ氏とし、4月14日に開催されるバスク州選挙に出馬することを表明した。
オテギ代表は、バスクのかかえる問題は、“合法的仲介者で絶対的に必要な存在”であるバタスナ党を含め、次の政権で解決プロセスを始めるべきだとサパテロ首相およびイバレチェ知事に呼びかけた。また、イバレチェ知事に対しては、バタスナ党の出馬が確実に認められるまで州選挙を開催しないよう要求、バタスナ党抜きで選挙を開催する場合は、非民主主義的選挙から生まれた非民主主義的議会がバスク紛争の解決策の模索にどのように貢献できるのかについて説明すべきだと述べた。


2月11日(金)

政府、カルメル地区の住民に緊急支援金給付決定

バルセロナのカルメル地区で地下鉄工事により地盤が陥没してから10日あまりが経過したが、今日政府は閣僚会議でこの事故により被害を受けた住民に対し、立ち退きを余儀なくされた被害者家庭1軒につき11500ユーロの支援金給付を含めた緊急支援措置を決定する見込み。今日、EU憲法批准キャンペーンでバルセロナを訪問するホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、現場を訪問し、パスクアル・マラガル・カタルニャ州政府知事と会談すべく現在スケジュールを調整している。
政府の緊急支援措置は、水曜日に州議会で発表されたカタルニャ州による支援措置に加えて行われるもので、カタルニャ州はすでに1日1人あたり30ユーロ(夫婦の場合は2人で40ユーロ)の支援金を食費として支払い、建物が取り壊しとなった場合は2000ユーロ、再び同じ建物に戻れる場合は1000ユーロを即時支給、商店に対しては、従業員1人につき月1500ユーロすることを決めている。

西仏独首脳、今日バルセロナでEU憲法批准キャンペーン

2月20日、EU憲法批准のための初の国民投票がスペインで開催されるのにともない、今日、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ西首相、ジャック・シラク仏大統領、ゲルハルト・シュレーダー独首相はカタルニャ州議事堂で行われる批准キャンペーン行事に出席する。この行事にはシルビオ・ベルルスコーニ伊首相も出席の予定だったが、同首相は数日前からの風邪のため欠席。行事は午後6時開始予定で、3人が順番にEU憲法支持を訴えた後、出席者との質疑応答の時間が設けられている。

肥満対策プラン始動

厚生省は、研究者、企業、自治州、教育省の協力を得て、栄養・肥満対策国家計画に着手した。現在、スペイン人の半分以上が太りすぎ、または肥満であるとされており、肥満が原因の病気にかかる医療費は25億ユーロ(全体の7%)となっている。しかし、子供の肥満はさらに深刻(20年間で肥満児の数は4倍に増加)で、この計画では、給食、広告の見直しなど子供の肥満対策に特に重点をおいて行われる。
栄養、運動、肥満防止の頭文字をとってNaos計画と名づけられた厚生省の肥満対策計画立ち上げには、80以上の団体が協力、対策は特に対象を食品産業に絞り、今後数年間でナトリウムの量を10%削減する目標が掲げられているほか、砂糖と油脂の量の減少と、油脂の場合は、魚油、オリーブ油、大豆油の使用が推奨されている。また、食品につけられる成分表示はさらに詳しくされ、広告ではその食品の体によい面を強調するよう今後努力が行われる。レストランに対しては、料理の栄養分について客に情報提供を行うほか、野菜、果物を豊富に使った料理を置くこと、バターなどの動物性油脂を徐々に植物性油脂に変えていくことが求められる。
スペイン人の6歳から12歳の子供の肥満児の割合は、この10年間で5%から16.1%に増え、現在肥満児の割合は、ヨーロッパでは、イタリア、マルタ、キプロス、ギリシャの地中海沿岸諸国と同じレベルに達している。朝食を抜くことが肥満につながることはすでに検証済みであるが、スペインの子供の8%は朝食を摂らずに登校している。20%の子供は学校給食を食べており、給食センターが塩分を減らしているか、体によい油を使っているか、野菜、果物を豊富に使用しているかといった条件について、今後はPTAがチェックしていく予定。また、子供が勝手に食べ物を購入できないように、幼児、児童が簡単に購入できる場所に自動販売機を設置しない措置もとられる。
エレナ・サルガド厚生大臣によると、スペイン人は消費カロリーより19%多くカロリーを摂取しているという。専門家は、肥満防止のため、1日30分の散歩を毎日行うか、少なくとも週3日何らかのスポーツを行うことを勧めている。


2月10日(木)

内務省、昨日のテロは移動部隊の犯行の可能性が高いとの見解

昨日、マドリッドの見本市会場近くで発生し、43人が負傷したETAの犯行によるテロについて、内務省は、現時点でETAは首都マドリッドに固定された拠点は持っていないと考えており、今回のテロは移動部隊によるものである可能性が高いとの見方を示している。
昨日のテロは、2002年4月22日、マドリッドのRepsol-Ypf(石油会社)本社横で起きた車両爆弾テロと手口が酷似している。このときもテロに使われた自動車は爆発の数時間前に盗まれたもので、塩素酸塩と時限装置を使った爆弾だった。唯一の違いは、このときは予告電話がなかったことだが、いずれにせよこのテロ以降マドリッドでは昨日まで車両爆弾テロは起きておらず、マドリッドを拠点としているETAの部隊があるとは考えにくいという。
昨日は、内務大臣、捜査チームのいずれもこのテロの目的についての説明は避けており、「国際現代美術見本市をねらった、マドリッドの2012年オリンピック招致の妨害、メキシコに住むETAメンバーに対する政策について来西中のフォックス大統領へ警告、など目的については多くの可能性がある。」と捜査員の1人は語っているが、全般的には昨年の夏からETAが行っている“存在誇示”が目的であると見る向きが強い。

フォックス大統領、ETA対策協力を約束

3日間の滞在予定でスペインを訪問中のメキシコのビセンテ・フォックス大統領は、昨日のマドリッド見本市会場近くでのテロの後、改めてETA対策にメキシコ政府が全面的に協力する意志があることを表明した。アルベルト・ルイス-ガジャルドン・マドリッド市長が同行し、11−Mの現場の1つであるアトチャ駅を訪問した大統領は、昨日のテロについて“決して許容できない行為”であると非難、メキシコ政府はスペイン政府と緊密な関係を保ち、ETAを始めとし、いかなるテロリストもメキシコ存在しないようにすることをスペインに約束した。また、これまでメキシコがスペインからのETAメンバーの身柄引渡し要求には常に応えて来たことにも言及した。
アトチャ駅訪問の後、宿泊先のホテルに戻った大統領は、Repsol-YPF(石油会社)、BBVA(銀行)、ACS(建設会社)といったスペインの主要企業社長との会談を行ったが、どの社長との会談も20分以内に終了した。スペイン国王夫妻とARCO(国際近代美術見本市)開会式に出席する前に大統領は、マリアノ・ラホイPP党首とも会談している。夜には、商工会議所主催の晩餐会が行われた。晩餐会には、ペドロ・ソルベス経済大臣のほか、Caja Madrid(信用金庫)、Cepsa(石油会社)、Gas Natural(ガス会社)、イベリア航空、Telefonica(電話会社)、Union Fenosa(電力会社)、Sogecable(ケーブルテレビ会社)などの企業から出席があり、大統領はメキシコへの投資を呼びかけた。

スペイン居住の外国人350万人

INE(国立統計協会)が、市役所への住民登録数を発表、カルメン・アルカイデ会長によると、今年1月1日現在スペインの人口は約4370万人で、うち8%、350万人が外国人(EU国籍者含む)であるという。外国人居住許可が197万人に交付されている(2004年12月31日現在)ことを考えると、居住外国人の43%は不法滞在者ということになる。
アルカイデ会長によると、人口の8%が外国人という数字はフランス、ドイツに並ぶものだが、1999年のスペインの外国人人口は全体の1.9%で、8%に到達するまでの時間は両国に比べると格段に早かったという。調査結果についてはこれからさらに細かい分析が行われるため、現在の時点ではINEでは、登録外国人の国籍については把握していないが、昨年まではエクアドル人が最も多く、続いてモロッコ人、コロンビア人となっており、ヨーロッパ出身者ではルーマ二ア人の数が飛躍的に増えているという。


2月9日(水)

速報・・・マドリッドのカンポ・デ・ナシオネスにおいて爆発

今朝9時半を少し過ぎた頃、マドリッド郊外にあるカンポ・デ・ナシオネスにおいて 車爆弾が爆発した。
  いつもの如く、爆発の30分前に、犯行テロ組織ETAによる予告電話が地方紙ガラに入った。 この通告を受けて警察が周囲の避難誘導を行ない、大きな人的被害は出なかったが、爆発時の振動により隣接する建物のガラスなどが割れたため、飛び散ったガラスによって軽傷を負った人など27人が手当てを受けた。この中には、避難誘導を行っていた二人の警察官が含まれる。カンポ・デ・ナシオネスにはマドリッドの見本市会場があり、今日の午後、近代芸術見本市(ARCO)の開会が予定されている。
 車爆弾に使用された車種はルノー19で、カンポ・デ・ナシオネスへの入り口に面した 広場に駐車されていた。

続報・・・マドリッドのテロによる負傷者(いずれも軽傷)は43人

今朝9時35分に見本市会場のあるマドリッドのカンポ・デ・ナシオネスで爆発した車両爆弾はその後の調査により、20から30キロの爆薬を積んでおり、使用された車は今日未明、グアダラハラで盗まれたものであったことがわかった。今日の午前7時には、この場所に車が1台も駐車されていなかったことが確認されているため、車が爆発場所に駐車されたのは、この時間以降だと見られる。爆薬の種類については現在捜査中。
この爆発により少なくとも43人が負傷し、24人が病院に運ばれたが、うち18にはすぐに退院した。負傷者の大半は、爆発現場の隣にある建物に入っていた会社の従業員で、飛び散ったガラスによる切り傷、または鼓膜の負傷により手当てを受けた。負傷者のうち5人は、爆風により鼓膜を負傷した警官。マドリッド市役所の発表によると、爆発した場所が開けた場所であったことから、被害はかなり縮小したという。隣接する建物の構造には被害は出ていない。
今日は、テロ現場から500メートル離れた催し物会場でARCOの開会式が国王夫妻、フォックス・メキシコ大統領出席のもと行われる日で、テロにもかかわらず会場の準備は予定どおり進められた。

ETAメンバーと見られる14人を逮捕

スペイン国家警察は今日未明、パイス・バスコ、ナバラ、バレンシア、カディスでETAメンバーと見られる14人を逮捕した。内務省の発表によると、中央管区裁判所バルタサール・ガルソン判事の命により200人の警官が参加した今回の作戦により、ETAの新メンバー勧誘組織は壊滅したという。
逮捕者はラスカノ(ギプスコア県)1名、サムディオ(ビスカヤ県)2名、サントゥルセ(ビスカヤ県)1名、ラホナ(ビスカヤ県)1名、レキティオ(ビスカヤ県)1名、ルヤンド(アラバ県)1名、パンプローナ4名、アルサスア(ナバラ県)1名、バレンシア県1名、カディス県1名で、このうちの数名は次回の標的となる人物の情報収集にも従事しており、逮捕の際に警官、政治家といったこれらの人物の情報が見つかった。また、逮捕時の家宅捜査でこれ以外にも多数の書類が押収されたという。


2月8日(火)

レグラリサシオン初日の申請はおよそ1500人

労働・社会問題省が明らかにしたところによると、外国法改正にともなう“レグラリサシオン”(これまで不法滞在就労していた外国人に対し、一定の条件を満たせば居住就労許可を与える特別措置)受付開始の昨日は、スペイン各地でおよそ1500人分の申請があったという。昨日の申請は、マドリッド、サラゴサ、バレアレス、マラガ、バレンシア、ナバラ、ムルシアの自治州の順で多かった。
政府は今回の特別措置でおよそ80万人の不法就労者からの申請があると見込んでいる。申請期間は3ヶ月のため、彼らからの申請を受け付けるためには1日1.2万人の申請受理が必要という計算になるが、全国160ヶ所の社会保険事務所が受付窓口となっているにもかかわらず、昨日申請が受理されたのはわずか1500人分の書類。申請者の多くは書類の不備により、申請が受理されなかった。
このような形の特別措置が行われるのは、1991年以来7度目だが、申請者対象がこれほどまで広いのは初めてで、政府は、1〜2%はこの特別措置を悪用した申請となることが予測されていることを認めた上で、就労によりブラックマネーで働く外国人が社会保険および所得税を納入し、人材の不法利用を妨げることができることに大きな自信を示している。

ベルンのスペイン領事館襲撃される

昨日の午前8時前、スイスのベルンにあるスペイン領事館をピストルとナイフで武装した3人組が襲撃、職員2人を人質にとり、金庫を開けるよう要求した。事件が起きたのがスペイン領事館内であったため、スイス警察はスペイン外務省の許可を得なければならなかったほか、スイスの法務大臣が休暇中だったため、スイス警察が突入したのは午後1時半。しかし、内部は空だった。人質は領事館内の一室に閉じ込められていたが、10時半頃、警察の助けにより脱出に成功しており、犯人は警察が建物を包囲する以前にすでに逃亡していたと見られる。
スイス警察は、人質の証言により犯人3人を指名手配しているが、北アフリカ人と見られるこの3人に関する情報は今のところ寄せられていない。

アルモドバル兄弟、スペイン映画アカデミーを退会

映画監督ペドロ・アルモドバル氏とその兄弟でプロデューサーのアグスティン・アルモドバル氏は、昨日、12月末にスペイン映画アカデミー退会を申請したことを発表した。1987年から会員であるアルモドバル兄弟によると退会の主な原因は、“アカデミーの機能の仕方、特にゴヤ賞の投票方式に賛同できないため”だという。兄弟が退会を決めたのは、ペドロ・アルモドバル監督の新作『Mala Educacion(日本公開タイトル“バッド・エデュケーション”)』がわずか4部門でのノミネートに終わったゴヤ賞の候補作品発表後。(結局この映画はゴヤ賞を1部門も獲得していない。)アルモドバル監督は、「いくつ受賞するかの問題ではない。我々はすでにたくさんの賞を受けている。我々の退会は、同業者組合的投票方式によるものだ。」と述べている。
問題となっているゴヤ賞の投票方式は2002年から導入されたもので、第一回目の投票ではアカデミー会員は、最優秀映画、最優秀外国語映画、最優秀ドキュメンタリー映画、アニメーション映画部門のほかは、自分の専門部門にしか投票できず、第二回目の投票で初めてすべての部門に投票することができる。監督は、アメリカのアカデミー賞も同じ投票方式で決定されていることを認めたが、アメリカの会員数とスペインの会員数間には比較にならない差があることを強調した。また、監督は「投票する会員の数が少ないことはわかっているが、何人が投票したのかは一切明らかにされない。我々はその内容が知りたい。」とアカデミーが投票数を公開しないことにも抗議している。しかし、アルモドバル兄弟は、この決定は永久的なものではないとも述べており、抜本的改革があればアカデミーに戻る用意があることも明らかにしている。アカデミー会長のメルセデス・サンピエトロ氏は、この件についてコメントしていない。
先週、イタリア映画担当記者組合による2004年最優秀外国語映画賞を“Mala Educacion”が受賞したアルモドバル監督は、ローマで行われた授賞式に出席、「私の家はスペインではなくイタリアにあるような印象を持っています。イタリアの方々は、私と私の映画に対し、スペイン人より寛大です。」と述べている。“Mala Educacion”は、昨年のカンヌ映画祭開幕作品に選ばれているほか、ニューヨーク批評家賞最優秀外国語映画賞も受賞、フランス映画アカデミー主催のセザール賞(今月26日発表)候補、イギリスのアカデミー賞に相当するバフタ賞(来月12日発表)にもノミネート作品として選ばれている。


2月7日(月)

一酸化炭素中毒で18人が死亡(カステジョン)

日曜日未明、カステジョン県トドレジャにある宿泊施設で、ストーブの不完全燃焼による一酸化炭素中毒で25歳から50歳の男女18人が死亡した。
事件が起こったのは、カステジョン市の北およそ100キロにあるトドレジャ。土曜日の夜、バルトロメ・マセゲルさんの50歳の誕生日を祝おうと、およそ50人が15世紀の建物を利用したこの宿泊施設を訪れ、うちマセゲルさん夫妻を含む20人がここで夜を明かした。この宿泊施設ではセントラルヒーティングが故障していたため、出席者の1人が持ち込んだストーブ1台を囲んで18人が建物の中で一番大きな部屋で眠ったが、このストーブの燃焼装置は故障しており燃料が不完全燃焼を起こしたと見られている。翌日午後3時を過ぎても鍵の返却がなかったため、管理者が建物を訪れたところ、眠っているかのような状態で死亡している18人を発見、別の部屋で寝ていたマセゲルさん夫妻は、意識不明の状態で見つかり、病院に運ばれた。18人の遺体は、カステジョン県立病院に運ばれ、ここで今日検死が行われる予定。

“レグラリサシオン”今日から申請受け付け開始

居住・就労許可のない外国人を雇用し、これらの従業員の居住・滞在を合法化したいと考えている経営者は、今日の午後4時からこの申請を行うことができる。“レグラリサシオン”と呼ばれるこの措置は、現在不法就労しているが、昨年8月7日以前からスペインに滞在していること、自国およびスペインで前科のないことを証明でき、なおかつ雇用期間が半年以上の雇用契約書を提出することができる外国人に対し、居住・就労許可を与える特別措置。申請は全国160箇所で、平日午後4時から7時まで受け付けられ、受付は5月7日をもって締め切られる。政府は、今年の夏の終わりにはすべての申請の結果が出ていることを約束している。レグラリサシオンのねらいは、ブラックマネーで就労している外国人に所得税、社会保険料を納めさせることで、現在スペインには100万人以上の外国人が不法滞在していると見られている。政府は明日から電話902−401015(受付:平日9時〜21時)による情報提供を開始するが、すでに数日前からインターネットの4つのサイト(www.mtas.es www.map.es www.mir.es www.seg-social.es)でも情報を得ることができるようになっている。

ギニア共和国、200人を乗せた移民船の出航阻止

ギニア共和国からカナリアス諸島に向けて出航しようとしていた200人の密入国者を乗せた漁船が、5日前に警察により出航を阻止されていたことがわかった。船に乗っていた200人は出身国へ送還され、乗組員は逮捕されたという。
南はカメルーン、ナイジェリアから北はガンビア、セネガルまで、ギニア湾沿いの国々には、旧ソビエト、韓国、中国の古い漁船が放置されたままになっており、これらの船を使ってアフリカからカナリアス諸島へ密入国者を運ぶ船の発見、逮捕のために、スペインとアフリカ諸国は数ヶ月前から協力体制を取っており、今回の出航阻止もその成果の一部。
土曜日には、カナリアス諸島テネリフェ島沖で別の漁船が発見され、乗っていた227人が救出され、11人が病院に運ばれた。乗っていた者の一部は1ヶ月以上船は航海していると証言、別の者は1月6日にコートジボワールを出航したと証言していることから、この船はアフリカの数カ国で密入国希望者を乗せながらカナリアス諸島に向かった可能性が高いと見られている。この件は3人の判事が担当しており、今後移民の本国送還、または収容所送致の手続きが取られる。彼らの多くは、スペイン語、フランス語、英語、アラビア語のいずれも話さないと述べ、身分証明書も所持していないが、現在のところ、コートジボワール、イェメン、ガーナ、ガンビア、ギニア共和国、ギニアビサウ、リベリア、アンゴラ、セネガル、ケニア、シエラ・レオネ、マリ、コンゴ、赤道ギニアの14ヶ国出身者であると見られている。

スペイン、ハンドボール世界選手権優勝

チュニジアで行われていたハンドボール世界選手権で、スペインがアテネオリンピック覇者兼前回世界選手権チャンピオンであるクロアチアを40-34で下し、優勝し、アトランタ、シドニー・オリンピックで銅メダル、1996年、98年の欧州選手権銀メダル、2000年銅メダルだったスペインにとって初めての優勝となった。


2月4日(金)

EU憲法批准国民投票キャンペーン開始

2月20日に投票が行われるEU憲法批准国民投票キャンペーンが今日の午前0時、開始し、PSOE(社労党)党首のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相はマドリッドのカサ・デ・カンポから国民の共存と発展を保証するなどの理由から批准に投票するよう国民に呼びかけた。与党PSOEと最大野党PP(国民党)は共同で15日間にわたるキャンペーン活動を行うが、国民に向かってEU憲法批准の必要性を訴えかけるため、期間中にはスペイン全土でおよそ1200(PSOE主催750、PP主催500)の行事が予定されている。
PSOEのキャンペーン会場には、7人の官僚とPSOE執行部のほぼ全員が出席、PSOE外交問題担当のトリニダ・ヒメネス氏は、すべての人々にとってより確かで、経済的に発展し、さらに民主主義的で、社会保障が充実し、若者にさらなる可能性を与えることのできる平和な未来のため、EU憲法を支持するよう訴えた。一方、PPはビスカヤ県バラカルドでキャンペーンを開始。マリアノ・ラホイ党首は、若者の間での政治参加を活発にさせる目的で、党員の若者たちとの討論会を行った。ラホイ党首は、今日アラバ県の市町村数ヶ所を回った後、ビトリアでもキャンペーンを行う予定。

イギリス原子力潜水艦ジブラルタル到着にスペイン抗議

ジブラルタルにある英海軍基地に修理のため原子力潜水艦HMS Sceptreが昨日の午後2時到着したことについて、昨日、ミゲル・アンヘル・モラティノス・スペイン外務大臣はイギリスのジャック・ストロー外務大臣に電話で“断固とした抗議”を伝えた。
ジブラルタルには5年前にも修理のため、原子力潜水艦Tirelessが寄港している。このときは、原子炉の冷却装置が故障し、同潜水艦はジブラルタルに1年にわたって停泊したが、イギリス政府はHMS Sceptreの故障は原子力システムに全く関係のないもので、同潜水艦の停泊が1週間を越えることはないとストロー外相が約束しており、モラティノス外相はTirelessのときとは比べものにならない状況であると述べた。ベルナルディーノ・レオン外務書記官も在スペインイギリス大使を呼び、スペイン政府の抗議を伝えると共に、故障の種類、修理に必要な期間に関わりなく、HMS Sceptreがジブラルタルで修理される最後の原子力潜水艦となることを要求したという。

ムルシア、この6日で2度目のM4以上の地震

先週の土曜日、マグニチュード4.7の地震が起き、100軒以上の家屋に被害が出たたムルシアで、今度はマグニチュード4.2の地震が起きた。昨日の12時45分に起きたこの地震の震源地はブジャスで、土曜日の地震の余震と見られている。ムルシア州ロルカのサルシジャ・デ・ラモス、ラ・パカ、フォンタナレスの村では人々が地震に驚いて外に飛び出したが、負傷者は出ていない。
震源地の村には、土曜日から消防員、精神科医、ソーシャルワーカーなどからなる地震対応特別チームが待機しており、サルシジャ・デ・ラモス、ラ・パカ両村あわせて63家族が地震による被害で自宅を離れて避難中。国立地質学協会では、M4以上の地震の後は数日このように余震が起こるのは普通であるので怖がる必要はないと住民に呼びかけ、今後も余震が続く可能性は高いと述べた。実際、昨日はこの地震の約6時間後の午後6時32分にもM3の地震が同地域で起こっている。


2月3日(木)

イバレチェ知事、バスク州選挙前倒しを決定

国会でプラン・イバレチェが否決されて24時間後、バスク州政府特別会議を開いたフアン・ホセ・イバレチェ知事は、「国との交渉開始を要求するバスク社会の声を聞かせるべきときが来た」と、5月13日に予定されていたバスク州選挙をほぼ1ヶ月早い4月17日に開催することを決定した。このため州議会は2月23日をもって解散となるが、承認に向けての今後のさらなる審議が予定されていた11の新自治法のうち、少なくとも2つの承認が解散までに行われるよう知事は諸野党に努力を呼びかけた。
選挙を前倒しすることによって住民投票開催はあきらめるのかとの質問に対し、知事は「選挙は何かの代わりに行われるものではない」と回答、政党法の適用により非合法政党と認定されているバタスナ党について「政治の世界で唯一の判事となるのは選挙民の投票であるべきで、いかなる政治グループの選挙参加も禁止され、また妨害されないことを要求する」と言及している。しかし、知事としての再選を果たした場合、住民投票を開催するのか、今後自治州改正案をどのように発展させる考えであるのか等の再選後の話については、昨日知事は返答を避けた。

オリンピック委員会、今日からマドリッド視察

2012年の夏季オリンピック開催をめざす5都市の視察が今日のマドリッドを皮切りに始まる。視察団は、マドリッドの後、ロンドン、ニューヨーク、パリ、モスクワの順に回り、最終開催地は今年7月6日にシンガポールで決定される。
昨日の午後、バラハス空港に到着した使節団は今日、マドリッド開催推進委員会との質疑応答を行い、明日から施設見学を行う。見学対象となるのは、パラシオ・デ・デポルテス、ロッコドロモ、水泳およびテニス競技場の5ヶ所で、現在施設の70%が完成または工事中だが、2008年までには工事の90%が終了している見通し。報告書によるとマドリッドがオリンピック開催にあたり必要とする施設建設総費用は12億ユーロ程度で、他の候補地はこの4〜5倍の投資を必要としている。また、明日は候補地マドリッドの最大の強みであるオリンピック村予定地にも視察団が訪れる。ここには7000人の選手が宿泊することができ、メイン会場からは徒歩5分、開会式、閉会式会場に選手が歩いて行けるようになっており、隣接して地下鉄駅2駅が建設中。
マドリッドは第一回目の審査で、パリに0.2ポイント差をつけられ2位につけている。オリンピック委員会は、1992年と2008年の候補地に立候補したが敗れたパリに借りがあるが、パリは1900年と1924年の2度、オリンピックを開催しており、マドリッドでは1度も開催されたことがない。最終候補地は5つだが、実質的にはパリとマドリッドの一騎打ちになると見られている。

道路一部陥没のオルタレサ通り、今日通行再開へ(マドリッド)

国鉄アトチャ駅とチャマルティン駅を結ぶ地下トンネル工事により火曜日にあいた、幅10メートル、深さ4メートルのマドリッドのオルタレサ通りの穴は、昨晩コンクリートによって埋められ、今日からこの通りの通行が再開となった。勧業省は、穴は完全に埋められており、穴が広がる兆候も認められていないことから周辺地域の住民に今後危険はないとしている。この事件は、トンネル工事中に下水タンクが破壊され、ここから出た水により陥没がおこり、地上の建物3つで壁に亀裂が入ったもの。


2月2日(水)

国会、プラン・イバレチェに“NO”

昨日、下院議会は、バスク州政府で承認を受けたバスク州自治州憲章改正案“プラン・イバレチェ”を、ほぼ8時間にわたる審議ののち、313(PSOE5議員、PP1議員欠席のため)対29で否決した。
バスク州議会代表者として改正案擁護のため国会答弁席に立ったフアン・ホセ・イバレチェ知事は、国会審議の前に与党PSOE(社労党)と最大野党PP(国民党)が反対投票をすることで合意に達していたことを批判、バスク社会の将来は、PPおよびPSOEに決められるのではなく、バスク社会が決定するのだとする見解を繰り返し、パイス・バスコで住民投票を行う意志に変わりのないことを示した。ここ数日、バスク州政府は、5月に予定されている州選挙を前倒しで行うことを検討してきており、投票後、知事はパイス・バスコ州政府特別会議を今日開催することを決定した。
一方、イバレチェ知事の次に答弁席に立ったホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、バスク社会の半分でなく、さらに多くの人々の支持を得られる別の自治州憲章改正案を作ることを提案、「共に暮らすのなら、決定も共に行われるべきだ。決定は、すべてのバスク州住民とすべてのスペイン人によって行わなければならない。」と述べた。また、最大野党PPのマリアノ・ラホイ党首は、厳しい言葉でプラン・イバレチェを糾弾、「ETAのテロにより命を落とした人々は無駄死にしたのではない。我々は、犠牲者を裏切ることはしない。」と述べた。
CiU(カタルニャ連合)、ERC(カタルニャ左翼共和党)、PNV(バスク民族党)、BNG(ガリシア民族党)、EA(バスク連盟)、NB(ナバラ連合)の民族主義諸政党は、自治州憲章改正と国家のあり方の見直しにむけての話し合いを始める必要性を擁護し、イバレチェ・プランに賛成票を投じたが、彼らの票数は全体の10%にも満たなかった。昨日の国会審議で否決されたことにより、プラン・イバレチェはバスク州議会差し戻しとなった。
この審議の成り行きを見届けようと国会にかけつけた政治家たちで招待席は満席となった。フアン・マリア・アトゥチャ議長をリーダーとするバスク州議会議員35人のほか、出席者の中には、ジョセップ・ルイス・カロ・ロビラERC党首、アルトゥール・マスCiU党首、マルセリーノ・イグレシアス・アラゴン州知事、ハビエル・ロホ上院議長などの顔が見られた。取材に訪れたジャーナリストは総勢500人(議場に入ったのはうち60人)、周辺の警備には警官200人が特別配置された。

11−M犯行声明ビデオ出演者と見られる男、ブリュッセルで逮捕

アルカエダのヨーロッパにおけるスポークスマンを務め、11−Mの犯行声明ビデオに出演したのと同一人物と見られるユッセフ・ベルハジ容疑者(1976年モロッコ生まれ)がベルギーのブリュッセルで逮捕されたことが、昨日中央管区裁判所の発表により明らかになった。このほか、マドリッド州レガネス市でテロに関与した疑いで新たにモロッコ人の4人家族が逮捕された。犯行声明ビデオには指紋が残っていたが、この指紋に該当する人物はこれまで発見されておらず、これからベルハジ容疑者の指紋との照合が行われる。ブリュッセルで逮捕されたベルハジ容疑者のいとこ、モハメッド・ベルハジは、7人のテロリストが4月3日に自爆死したマドリッド州レガネス市の団地の借主で、現在逃亡中。
また、昨日マドリッド州で逮捕された4人は、GICM(モロッコイスラム戦闘団)につながりがあると見られており、4月3日のレガネスでの7人のテロリスト自爆後、行方がわからなくなっており、現在テロの犯人たちに資金援助、滞在先提供をした容疑で指名手配されているモハメッド・アファラ、アブデラマジッド・ブシャール両容疑者の逃亡をこの4人が手伝った可能性が高いという。

ネット投票実験開始

EU憲法批准国民投票のネット投票実験が、昨日スペイン全土から選ばれた52都市(一県につき人口10万人以下の一都市、ただし県都は対象外)で始められた。投票権を持つ人口のおよそ6%、200万人が参加できる今回の実験はこれまでスペインで行われてきたインターネット投票実験の中で最大規模のもの。52都市の住民には2月18日までが投票期間として与えられるが、この投票はあくまでも実験で、実際にEU憲法批准に投票したい場合は、20日に投票所に赴かなければならない。
この実験に参加するには、今回の実験用に特別に作られたデジタル身分証の交付を市役所で受けなければならないが、交付後は、インターネットに接続できるどのパソコンからも投票することができる。この投票結果は、実際の選挙に影響を及ぼさないよう、国民投票終了後に発表される。今回の実験に参加できるのは、現在スペインに在住しているスペイン人のみだが、電子身分証明証計画が進めば、将来的に海外在住のスペイン人にとってこのシステムが有用となることが期待されている。


2月1日(火)

プラン・イバレチェ、今日国会審議

昨夜遅く、憲法裁判所がPNV(バスク民族党)、EA(バスク連合)、IU(統一左翼)、NB(アラバ連合)からの告訴を却下したことにより、プラン・イバレチェについての国会審議は予定通り今日の午後 4時から行われることが確定した。
今日は、まずイバレチェ知事が最初に答弁席に立ち、エウスカディ自治州政治憲章提案、通称“プラン・イバレチェ”を擁護する演説を30分間にわたり行う。この後、ロドリゲス・サパテロ首相、ラホイPP(国民党)党首、ドゥラン・ジェイダCiU(カタルニャ連合)代表、プイグセルコスERC(カタルニャ左翼共和党)代表、エルコレカPNV(バスク民族党)代表、ジャマサレスIU(統一左翼)代表、リベロCC(カナリアス同盟)代表、ロドリゲスBNG(ガリシア民族党)代表、ラサガバステルEA(バスク連盟)代表、ラボルデタ・チュンタアラゴネシスタ代表、バルコスNB(ナバラ連合)代表の順に答弁席に立ち、各代表にはそれぞれ30分の時間が与えられる。イバレチェ知事には各党からの質問に答える権利は与えられない。
各党からの代表者の演説の後、マリン下院議長は、各政党に再び10分ずつの発言時間を与えることを考えており、この後最終的にプラン・イバレチェを今後国会で審議していくかどうかについての投票が行われる。しかし、すでにPSOE(164票)、PP(148票)、CC(3票)、IU(3票)、チュンタ(1票)が反対、IC-V(カタルニャ緑の党)は棄権を表明しており、CiU(10票)、PNV(8票)、ERC(7票)、BNG(2票)、EA(1票)、NB(1票)と民族主義政党6党は賛成を表明しているものの、結果は反対319票、賛成29票、棄権2票となり、プラン・イバレチェの国会審議は否決され、バスク州議会に差し戻しとなることがわかっている。
サパテロ首相は今日国会で、憲法を遵守し、すべての議会政党が承認する新しい自治憲章案の作成についてイバレチェ知事に提案する予定だが、バスク州政府がこの代替案を受け入れた場合、新案の作成開始は今春予定されているバスク州選挙後になる見通し。

カタルニャ州の4病院、治療目的でのマリワナ処方開始へ

カタルニャ州内の4病院と60薬局は、2005年4月頃から、多発性硬化症、エイズ、ガン、神経性の痛みを伴う疾患を持つが、従来の薬品では痛みが緩和されない患者に対し、カプセル状のマリワナの投与を始める見通しとなった。
治療目的でのマリワナの摂取はスペインでは違法だが、実際には痛みの緩和、または化学療法にともなう嘔吐、吐き気の緩和などの目的で多くの患者がマリワナを摂取しており、バルセロナ薬剤師会の調べではそのうちの57%が正しくない方法で摂取していることがわかっている。専門家のアドバイスなしにその危険性について知ることなく、成分についてのコントロールがないため主成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量も0.9%から30%と一定でない違法薬物を患者が摂取している現状を改善するため、カタルニャ州政府衛生局はすでに昨年、カタルニャ薬剤師組合と治療目的でのマリワナ販売案について検討を始めていたが、現在、州衛生局と厚生省の間で最終調整が行われており、今年の4月から6月頃にはマリワナの処方が始められる見通し。
当初のプランでは、患者はバルセロナ市内の4または5の病院のいずれかに通院、担当医師は薬剤師と連絡を密にとり患者の現状を常に把握し、患者は1年にわたってマリワナの投与を受ける。州政府は昨日、この治療対象となる患者数について明らかにしなかったが、すでにマリワナ摂取している患者を含め、スペイン初となるこのプランを“幅広く”適用する考えであると述べている。

今日からRENFE中距離以下列車全線禁煙

10月にマグダレナ・アルバレス勧業大臣が発表したとおり、今日から中距離以下(走行時間が5時間未満)の列車でRENFE車両は全面禁煙となる。走行時間が5時間以上の列車でも、廊下、カフェテリアは禁煙、他の乗客の迷惑とならないよう先頭または最後尾車両に喫煙車両が設置される。この措置は、政府がすでに発表したすべての職場と交通機関内の密閉空間での禁煙プランに先駆けて行われるもので、このプランは、100u以下のレストラン、バル(禁煙にするかどうかはオーナーが決定)、大規模娯楽施設内での隔離された場所の例外を除いて順次適用される。厚生省の禁煙プランはまだ承認されていないが、来年中には道路、または家庭以外のすべての場所を禁煙にすることを見込んでいる。RENFE車両内での禁煙は乗務員にも適用されるため、RENFEでは従業員対象に禁煙から来る不安感を解消する方法についてなどのセミナーを行った。
政府の禁煙推進プランにはタバコの宣伝の限定が含まれるほか、今年予定されていた250のタバコ販売店の開店が中止となり、さらに公共施設内にある300のタバコ販売店の閉店も予定されている。WHO(世界保健機構)によると現在、世界には13億人の喫煙者がおり、うち年間500万人がタバコ中毒により命を落としているという。現在、各国で協力して禁煙を進める動きが活発になっているが、喫煙者数を減らす最も効果的な方法については、WHOがタバコの値上げを提唱しているにもかかわらず、スペイン政府はインフレ率の上昇を懸念し、この方法は実行に移していない。世界銀行によると、タバコの値段が10%上がるごとに、喫煙者の数は4%減少するという。




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