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スペインのニュース

現地のメディアよりスペインのニュースを毎日更新でお伝えします
土日、祝日はお休みです。


2017年12月28日(木)

スペインを訪れる外人ツーリストの数、記録を更新

国家統計局の本日の発表によると、今年1月から11月までにスペインを訪れた外国人観光客の数は7780万人に達し、昨年1年間の7560万人を上回った。
昨年の例では、12月だけで440万人が訪れているため、昨年と同レベルが保たれた場合、今年1年間のツーリスト数は、これまでで初めて8000万人を超えることとなる。
今年はカタルーニャの独立問題やテロ事件などのネガティブな出来事があり、カタルーニャを訪れるツーリストの数が減ったにも関わらず、スペイン全体としては過去最大の記録となった。
11月における前年度同時期との年間比較では、カタルーニャ以外のスペイン全国平均では7%の増加となっているのに対し、カタルーニャでは2、3%のマイナスとなった。
また、同様のマイナスがカタルーニャでは10月にも記録されている。
11月に最も増加率が高かったのがバレンシアで、前年度同時期比較20%のプラス、そして15%のプラスとなったマドリッドとバレアレスがこれに続いた。

スペインのAVE、サウジアラビアで31日に試運転

サウジアラビアにあるイスラムの聖地、メッカとメディナをつなぐ高速列車は「砂漠のAVE」と呼ばれ、スペインブランドの名誉をかけた大プロジェクトとされているが、その試運転がいよいよこの年末、スペイン、サウジアラビア両国からの招待客を伴って、31日に行われる。
今回の試運転では全行程を高速で走る訳では無く、部分的に時速300キロで走る所も150キロで走る所もあるが、メッカとメディナ間の全行程を走るとのこと。
二つの聖地を結ぶ同路線は全長450キロ以上あり、通常サービスの開始後は平均時速300キロ、最高速度350キロで両都市間を2時間半で移動出来るようになる。


2017年12月27日(水)

マドリッド、年末年始の警備を強化

今月30日にプエルタ・デル・ソル広場で行われる年越しカウントダウンの予行演習、そして31日の本番に合わせて、政府は様々なテロ対策を用意している。
まずソル広場では30日、31日共に、21時ごろ、広場内にいる全ての人々に対し退場命令が出され、一旦、広場には誰も居ない状態が 作り出される。
同時に広場にある地下鉄の出入り口も閉鎖され、決められた入り口のみからの広場への再入場が許可され、その入場者数は、去年より5千人少ない2万人に制限される。
広場への入り口となるのはマジョール通り、アレナル通り、アルカラ通り、サン・ヘロニモ通りで、これらの通りでは入場者数と持ち物のコントロールが行なわれ、爆竹、発煙筒、旗、ガラス製ボトルなどの持ち込みは禁止される。
また、広場からの出口となるのはプレシアードス通り、カルメン通り、モンテラ通り、そしてカレタス通りとなる。
 次に31日に行われるサン・シルベストレ・マラソンでは、コース上にある交通取り締まり用のカメラ35基が警備目的に利用される。
また、リュックなどの持ち込みは不可で、スタート地点で預け、終了後に所定の場所で受け取る事となる。
そしてこれらの預け荷物の爆発物チェック用に、警察犬が動員される模様。
 更に東方三賢人のパレードについても昨年よりも更に警備が強化される。
1月5日に中心部で行われるメインパレードは、ヌエボス・ミニステリオスからシベレスにかけて行われるが、この日、17時から22時の間、その付近を通行出来る車両は乗用車のみとなる。
昨年は3,5トントラック以上の通行が禁止となっていたが、バルセロナのランブラス通りで起きたワゴン車による突入テロの例を受けて、乗用車以外の車両は全て通行禁止となる模様。

ラス・ベンタス闘牛場改装工事、6月に開始

マドリッドのラス・ベンタス闘牛場の大改装工事は、2018年6月の開始と決定した。
3月、4月頃に足場が組まれるが、5月に行われるサン・イシドロ祭が終わるまで工事は始まらないとのこと。
また、2018年の夏、そして秋祭りの闘牛も、工事のため収容人数は少なくなるが、通常通り行われる模様。
工期は最大で20カ月とされ、2019年末ごろの終了が予定されている。
今回の改装工事では、特に有事の際の避難路の確保や、車椅子ユーザーなどへのアクセスの改善が組み込まれているが、工事終了後の 収容人数は、現在の23700名よりも2000〜2500名少なくなる予定。


2017年12月26日(火)

カタルーニャにおける特別警備体制、間もなく解除

カタルーニャ独立プロセスに伴って拡大しつつあった同州内における社会情勢不安に対し、スペイン内務省は全国から多数の国家警察官や 治安警備隊員をカタルーニャに駐留させると言う前代未聞の措置を取ったが、憲法155条の適用によるカタルーニャ州政府の一時的・部分的停止処分と、中央政府によるカタルーニャの一時的な統治、そして前倒し州選挙開催により、カタルーニャの情勢が正常化しつつあるとして、内務省は本日、今月末(30日)までに、カタルーニャに増員された特別部隊を全て引き上げることを発表した。
これにより、カタルーニャには以前より同地担当として配属された警官や治安警備隊員のみが残されることとなる。

マドリッド地下鉄、近郊線列車、バス、年末年始の運行時間

マドリッドの地下鉄は31日の夜、平常通りの運航時間が維持されるが、ソル広場における0時のカウントダウンに向けて大勢の人々の集結が予想されるため、21時から0時30分までの間、地下鉄ソル駅の出入り口は閉鎖となる。
また、その前日の30日についても、カウントダウンの予行演習が行なわれるため、31日と同じ時間帯にソル駅は閉鎖となる。
元旦の朝は、サービス開始が普段よりも遅く、7時頃になるとのこと。
近郊線列車については、31日はいつもより早めの22時頃にはサービス終了となり、元旦は7時頃からの開始。
市バスについては、31日は21半から22時頃に各路線の最終便が発車し、23時ごろには終了となるが、22時半から夜間バスのサービスが開始となり、翌朝の6時45分〜7時ごろに最終便の発車となる。
そのあと、元旦の7時18分〜7時45分から日中の通常運行が開始となる模様。


2017年12月22日(金)

カタルーニャ、反独立派政党の勝利、しかし独立プロセス打倒ならず

昨日行われたカタルーニャ州選挙において、イネス・アリマーダス氏がカタルーニャ代表を務めるCiudadanos党が最多票数、最多議席数を獲得してトップに立った。
同党は2015年に行われた選挙では12議席数を得るに止まったが、今回の選挙では37議席と大きく前進し、2位につけたプーチデモン氏率いる独立派政党JxCに対し、15万票と言う大きな差を付けて引き離した。
これにより、カタルーニャにおいて同地の住民から最も大きな支持を得ている政党は反独立派政党であることが明確となり、勝利者となった イネス・アリマ―ダ氏は、「今後、独立派政党はカタルーニャの名を使った一般論のような発言は出来ない」と通告した。
 カタルーニャ社会における記録的な大飛躍を遂げたCuidadanos党だが、カタルーニャで適用されている「地方村落の票に、より重きが置かれ、全体の獲得票数が議席数に反映されない」と言う独特の選挙システムにより、大幅な差をつけて勝利したにも関わらず、その議席数は2位につけたJxC党と僅か3議席、また3位となったERC党と僅か5議席の差しか無く、また、その他の反独立派政党の結果が芳しく無かったことから、全部で7党に分かれて競われた今回の選挙を、独立派と反独立派の2ブロックに分け、それぞれのブロックが連立政権をたてた場合、独立派が僅かに過半数を超える結果となるため、明確な勝利を得たCiudadanos党が今回、カタルーニャの政権を取る可能性は無いと言える。
新政府が誕生するとすれば、2位、3位、そして6位につけたJxC党、ERC党、CUP党の3党が協力しての連立政権が考えられるが、 過激独立派政党CUPは選挙前より、協力する条件として、今後も中央政府や憲法を無視した「一方的な独立プロセスを進める事」を挙げている。
今回の選挙のあと、新政府樹立までのタイムリミットは4月6日となっている。

尚、各党が獲得した投票数は次のとおり。
1位 Ciudadnos(反独立派)110万2099票(25.37%)
2位 JxC(独立派)    94万602票(21.65%)
3位 ERC(独立派)    92万9407票(21.39%)
4位 PSC(反独立派)  60万2969票(13.88%)
5位 Comu(反独立派) 32万3695票(7.54%)
6位 CUP(独立派)   19万3352票(4.45%)
7位 PP(反独立派)   18万4108票(4.24%)

反独立派政党獲得票合計 221万2871票 (51.75%)
独立派政党獲得票合計   206万3361票 (48.25%)

クリスマス宝くじ、1等賞は71198

クリスマス宝くじの発表が本日、午前9時11分ごろからマドリッドの王立劇場で開始された。
開始後間もなく3等賞や5等賞、2等賞などが例年に無い早さで次々と出始めたが、開始後約2時間半経った11時54分になって、1等賞の当選番号、71198が登場した。
この番号を持つクーポン券は、マドリッドをはじめ、ルゴ、マラガ、ウエスカ、ハエン、ジェイダ、カンタブリア、カディス、ラス・パルマス、ムルシア、サンタ・クルス・デ・テネリフェ、バレンシアなどで販売された。
当選者はクーポン券1枚につき40万ユーロの賞金となり、本日午後より受け取る事が可能。


2017年12月21日(木)

カタルーニャ、外国からの投資75%減

カタルーニャにおける一連の独立騒動が続く中、10月1日に行われた違憲州民選挙直前の今年第3・四半期の同州への海外からの投資額は、75%減と言う異常とも言える減少を見せた。
カタルーニャへの諸外国からの投資の減少は今に始まった事ではなく、2012年に独立プロセスが開始されてから継続的に見られた減少だが、カタルーニャ前政府による一方的独立宣言を行なうための違憲投票開催に向け、その勢いが一機に増したのが伺われる。
また、今年第3・四半期における州内の総生産額は、カタルーニャが1724億8200万ユーロ、マドリッドが1728億400万ユーロと、2013年以降、初めてマドリッドが約100万人、人口が多いカタルーニャ州を上回った。
海外資本によるカタルーニャへの投資が激減する一方で、マドリッドやバスクへの投資は増加しており、これまでで初めて、バスクがカタルーニャを抜いて、マドリッドに次ぐ2位の地位を獲得した。

マドリッド、インフルエンザ流行により看護体制強化

マドリッド州では、住民10万人あたりのインフルエンザ感染者が42.76人に達したことにより、病院や診療所のスタッフ増員による対インフルエンザ体勢強化を開始した。
これに伴い、病院や診療所における医師や看護師1056名、大人用のベッドが220台、子供用のベッド107台が新たに配備された。

マドリッドの空港におけるセキュリティーコントロールスタッフのスト、中止

本日より開始される予定であったマドリッド・バラハス・アドルフォ・スアレス国際空港におけるセキュリティーコントロールスタッフ等によるストは、裁判所命令により中止となった。
担当裁判官によると、1年で最も利用者数の多いこの時期にストは社会的影響が大きすぎるため、カオス状態に陥る事を防ぐためにも避けるべきであるとしているが、これに対し、労組は命令には従うが、労働者の基本権利であるストライキ権が侵されたとして、今後も抗議活動を続ける構え。


2017年12月20日(水)

カタルーニャ州選挙、13000人の警官が警備

明日行われるカタルーニャ州選挙では、約13000人の警官がその警備に当たる。
その内訳はカタルーニャ警察が1万人、そして国家警察と治安警備隊員が3000人で、更には非常時に備え、2000人の国家警察官と治安警備隊員がスタンバイするとのこと。
これら物理的な警備以外に、政府が最も警戒しているのはインターネットを利用した攻撃で、投票集計システムのハックやフェークニュースによる混乱が起きないよう、ネット上の警備を強化している。
去る10月1日に行われた違憲州民投票では、投票会場で国家警察が市民に発砲したと言ったようなフェークニュースが多数見られた。

最低賃金、2020年には1000ユーロへ

昨日、政府は2018年から最低賃金を4%引き上げることを発表した。
これにより、今年は月額825.53ユーロだったものが858.55ユーロとなり、約53万人がこの恩恵を受ける事となる。
政府は、今後も国民総生産が2.5%以上のプラス値を維持し、社会保障への新規加入者数が平均45万人レベルを維持出来る限りは、最低賃金の引き上げを続行し、2020年には月額991ユーロを目指すとしている。
欧州内諸国の中では、最低賃金が最も高いのがルクセンブルグで、2017年現在2242ユーロ、これにベルギー(1751ユーロ)、アイルランド(1751ユーロ)、オランダ(1705ユーロ)、フランス(1700ユーロ)、英国(1608ユーロ)、スペイン(826ユーロ)、ギリシア(797ユーロ)、ポルトガル(687ユーロ)、ポーランド(477ユーロ)、ルーマニア(253ユーロ)、ブルガリア(215ユーロ)と続く。


2017年12月19日(火)

マドリッドの空港、21日よりセキュリティーコントロールスタッフによるスト

マドリッド・バラハス・アドルフォ・スアレス国際空港で、今月21日よりセキュリティーコントロールスタッフ等によるストが予定されている。
今日、明日中に何等かの進展が無ければ、ストは5時半〜6時半、10時半〜11時半、14時〜15時、19時〜20時と、1時間単位で 行なわれる。
また、スト開始後、空港事業団と労組との間での同意が得られなければ、ストは1月8日まで続く見込み。
この期間に同空港の利用を予定している人は、充分な時間のゆとりを持って空港に到着する必要があるだろう。


2017年12月18日(月)

マドリッドの地下鉄、本日よりスト開始

本日月曜日より今週末の金曜日まで、マドリッドの地下鉄サービスは運転士組合によるストの影響を受ける。
ストは、毎日17時〜21時までで、ミニマムサービスとして普段の62%の頻度で運行される模様。
更に交渉がまとまらない場合は、1月8日〜12日の午前5時半〜9時半までのストが予定されている。

カタルーニャ問題の影響でバスクの独立熱下がる

カタルーニャで続く独立問題の影響で、バスクでも独立運動が再燃するのでは無いかとの危惧が持たれていたが、結果はその逆で、カタルーニャで見られる社会情勢の変化を前に、バスクで独立を支持する人の比率に減少傾向が見られる。
12月に行われたバスク社会世論調査の結果によると、1979年に可決されたバスク自治州と中央政府との関係を善しとする人の割合は77%に達しており、53%が現状維持に賛成票を投じると答えている。
また、バスク独立を希望するかどうかと言う質問では44%がノーと答え、15%が多少はそう言った希望もあると答え、30%がイエスと回答。
バスク独立の意思を問う州民投票を行なうべきかどうかと言った問いに対しては、47%がノーと答え、30%がイエスと答えた。
またカタルーニャ問題についてのアンケートでは、10月1日に行われた違憲州民投票が有効だと答えた人は僅か15%で、81%が無効と判断。
一方的独立宣言についても、これを認めると答えた人は27%で、認められないと答えた人が64%を占めた。
更に、カタルーニャで行われているような独立プロセスをバスクでも行なうべきかどうかと言う問いについては、66%が反対、25%が賛成と、反対を唱える人が圧倒的に多かった。


2017年12月15日(金)

カタルーニャ警察:カタルーニャ独立派政党のためのスパイ機関

10月1日にカタルーニャで行われた違憲州民投票のあと、中央政府がカタルーニャ自治州自治権の部分的停止処分を決定するかしないかの 判断は、当時、州知事を務めていたカルラス・プーチデモン氏が同州議会を解散し、前倒し州選挙を発表するかどうかにかかっていたが、その発表のある可能性がほぼ無いと思われた時点で、国家裁判所は独立プロセスに関する書類でカタルーニャ警察が所有するもの全てを押収し、裁判所へ提出するよう命じた。
これを受け国家警察は、関連書類やデジタル情報を焼却処分するため搬送中であったカタルーニャ警察のワゴン車2台を探知、拘束し、その積荷を全て没収した。
それら全資料の調査結果が徐々に公開されつつあるが、その中で、カタルーニャ警察が警察機構としてはではなく、独立反対派の政治家、 企業、市民団体などの動向を探るためのスパイ機関として運用されていた事が判明。
過激な独立プロセスが始まる発端を開いたアルトゥール・マスの州知事時代、そしてその後を継いだプーチ・デ・モンの州知事時代にこのスパイ機構としての運用が行われており、カタルーニャに住む独立反対派政党の議員等をエスコートしていたカタルーニャ警察官等は、全て彼等をエスコートするように見せかけたスパイであったことが明らかとなった。
また中央政府の議員や閣僚等がカタルーニャを訪れた際に、その身辺警備のために配備されたのも、カタルーニャ警察官の姿を装ったスパイで、その行動の一部始終がカタルーニャ独立派政府に報告されていたとのこと。
同様に、独立に反対する姿勢を見せる企業や市民団体についても、その主要人物にはカタルーニャ警察がスパイとして付けられ、どこで誰と ミーティングを行なっているかなど、細かく写真を添えてカタルーニャ州政府へと送られていたことが判明。
カタルーニャ警察のある情報筋によると、これらのスパイ行動の任務を受けたカタルーニャ警察官については、独立賛成の意思を持つメンバーが選ばれており、本人が同意した上での任務遂行であったと言う。

カタルーニャのホテル、外国人ツーリスト離れにより19%の値下げ

一方的な独立プロセスを進めた結果、カタルーニャの社会情勢不安が直接的原因となって、同地を訪れる外国人ツーリストの減少が目立っている。
そう言った中、カタルーニャのホテル業界では、少しでもこれを補おうと値段を下げる傾向が見られ、違憲州民投票が行われた10月1日時点の値段と比較すると、その価格は19%ダウン、夏場のハイシーズン時と比べると26%ダウンと、その落ち方はバレアレス諸島と並んでスペイン全国でトップを切っている。
カタルーニャでは依然、自治州権の一部停止処分が続いており、中央政府の介入により一見、その情勢は落ち着きつつあるように見えるが、 今月21日に自治州としての新政府確立のための州選挙が予定されており、その結果次第で今後、同地の社会情勢がどう変化するかが左右されると思われる。


2017年12月12日(火)

世論調査、ERCが勝利

カタルーニャのエル・ペリオディコ紙が、今月21日に投開票が行われる同州選挙に関する世論調査の結果を発表した。
それによると、独立推進派のERCがトップで30〜31議席、次いで、やはり推進派のJxCatが29〜30議席獲得となる。
3位は反対派のPSCとシウダダノスが29〜30議席でしのぎを削る。
また、やはり推進派のCUPは7〜8議席となる。
これら推進派3党の上方の数値を合わせれば絶対過半数も可能となるが、下方の場合は過半数に達しない計算となる。
尚、中央政府与党のPPの予想議席数は6〜7で、主要政党のなかでは最下位であった。

違憲州民投票、宣伝費に公庫から50万ユーロ

治安警備隊の調査によると、10月1日に当時の州政府によって強行された違憲州民投票の宣伝費に、公庫から50万ユーロが支払われていた事がわかった。
このうち約27万7000ユーロは同州のテレビやラジオで放送されたスポットの製作費に充てられ、残りは海外向けの宣伝活動に使われた模様。
同警備隊は公費の不正流用で調査しているが、不透明な部分が多く、正確な数値を出すのは非常に困難な状況であるという。
このため同警察では、国政レベルの会計監査を求めるとしている。

宗教美術品、シヘナ修道院に返還

ウエスカの裁判所の判決により、同県のシヘナ修道院への返還が命じられていた宗教美術品44点の移動が、昨日午前11時半ごろ開始された。
所蔵していたジェイダ(レリダ)の博物館前には多くの市民が集まり抗議集会を行い、中には州警察の停止線をくぐって輸送車の出発を阻止しようとする者もいた。
同博物館館長は、「非常にデリケートな状態にある作品もある」と移送を危惧した。
一方、返還先のウエスカでは、政治家や一般市民がこれらの作品を出迎えるために修道院付近に集まった。


2017年12月11日(月)

カタルーニャ州前閣僚、パスポートはく奪でも更新申請

報道によると、カタルーニャ州議会の前閣僚のひとり、ジョルディ・トゥルル氏が、パスポートの更新を行おうとしていたことがわかった。
同氏はカタルーニャ州の違憲州民選挙や一方的な独立宣言に関連して逮捕されたが、保釈金の支払いとパスポートはく奪、出国禁止と法的機関への定期的な出頭を条件に先週仮釈放されていた。
釈放後、同氏はバルセロナの警察署に期限切れパスポートの更新申請を行ったため、同警察署が最高裁判所に連絡し、これが発覚した。
最高裁判事は、はく奪命令が実行されている間はパスポートの更新ができない事を同氏に改めて通達した。

カタルーニャの医療予算、独立政策で大幅削減

エル・パイス紙の報道によると、カタルーニャ自治州の公共医療に充てられる予算は、2012年以降大幅に削減されたという。
アルトゥール・マス元州知事が州知事となった2010年以降、予算の多くは独立推進に流れ、また3期連続の州選挙前倒しで、削減の影響を最も大きく受けたのは医療であった。
これに伴い、医師やベッドの削減などが大幅に行われた模様。
一方でカルレス・プーチデモン前州知事の時代以降、手術の順番待ち期間が増加した。

暴風雨アナ、各地で被害も雨は期待外れ

今回初めて命名された発達性低気圧「アナ」。
イベリア半島北部や北西部では暴風による特別警報が発令され、最大風速は140キロに達すると予測されていた。
各地で倒木や冠水などの被害が発生し、特にガリシアなどでは現在も複数の自動車道が通行止めとなっている。
しかしながら、降雨量に関しては記録的な水不足を補うには程遠いものとなり、大きな期待外れとなった。


2017年12月5日(火)

最高裁判事、前州知事らの逮捕令を撤回

最高裁判所のパブロ・ジャレナ判事は今朝、ベルギー滞在中のカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事らの国際指名手配を取り下げるよう指示した。
これにより、現地で今月14日に行われる予定であった司法裁決は無期延期となった。
撤回の理由について同判事は、カタルーニャ独立問題に関連した容疑者が、全員同じ条件の下で審理が行われるようにするためとしている。
前州知事らベルギー組は、現地の裁判において公金横領や不服従の罪では審理を受けても、反逆罪では裁かれないという。
取り下げにより、前州知事らはベルギーから他国へ出国できるが、スペイン国内での逮捕令は有効であるためスペインに帰国する ことがあれば逮捕の対象となる。

スペイン国籍取得の外国人、32%増加

国家統計局(INE)の調査によると、昨年のスペイン国籍取得件数は15万944件で、2015年より32%増加した。
取得者を国籍別でみると、最も多かったのはモロッコで3万7009件、これに続くのが、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ドミニカ共和国、ペルー、キューバ、アルゼンチン、パラグアイ、と中南米諸国が大多数を占めているが、アジアではパキスタンが際立っている。
男女別では女性が半数をやや上回り、年齢層では30〜39歳が最も多かった。
一方、取得者が最も多かった自治州はカタルーニャとマドリッドだった。

大晦日のソル広場入場者数を縮小

大晦日に新年のカウントダウンが行われるマドリッドのソル広場では、世界中から大勢の人が集まるため、例年入場制限が行われている。
同市役所は、今年の入場者数の定員を縮小する事を検討していると発表した。
これは、テロなどの有事に備えて、パトカーや救急車などの通路と、負傷者の応対のための救護隊員のスペースを確保するためという。
同市のマヌエラ・カルメナ市長は、これらの対応は全て、市民や訪問客の安全を第一に考えたためであるとコメントした。


2017年12月4日(月)

最高裁判事、前副知事らの拘留を継続

パブロ・ジャレナ最高裁判事は、オリオル・ジュンケラス前カタルーニャ州副知事、元閣僚のジョアキム・フォルム氏、さらにオムニウムとANC代表のジョルディ・クイシャールとジョルディ・サンチェス両氏の拘留を継続すると発表した。
それによると同判事は、前副知事らに逃亡の危険性はないものの、裁判所で検察側の質問への回答を拒否していることから、再犯の恐れがあると判断したためという。
一方でそれ以外の前閣僚らに対しては10万ユーロの保釈金の支払いと引き換えに釈放すると通達した。
彼らについても再犯の可能性はあるが、前副知事らほどの影響力はないためとして、代わりに裁判所への定期的な出頭義務やパスポートはく奪、出国禁止令などが出されている。

11月の失業者数増加、特にカタルーニャで顕著

雇用・社会保健省によると、先月の失業者数は前月比7255人増加した。
これで総失業者数は347万4281人となった。
先月のデータでは特にカタルーニャでの失業者数増加と雇用の減少が目立っており、バレアレスとカンタブリアに次いで、全国で3番目に失業者数が増加した。
同省では、観光シーズンや農作物の収穫時期の終了などにより、11月は例年失業者が増加傾向にあるが、カタルーニャの政情不安定も影響していると懸念している。

14県に低温注意報

気象局は本日14県に低温注意報を発令した。
それによると、注意報が出ているのはコルドバ、ウエスカ、サラゴサ、アルバセテ、クエンカ、グアダラハラ、レオン、サモラ、バルセロナ、ヘロナ(ジローナ)、ジェイダ(レリダ)、マドリッド、アリカンテとオレンセで、最低気温は5度からマイナス4度となる見込み。
また、ヘロナ(ジローナ)とメノルカには強風注意報も出ている。


スタッフの休暇のため、11月30日から1月半ばまで、毎日では無く、不定期の掲載とさせていただきます。


2017年11月29日(水)

文化省、カタルーニャにある宗教美術品44点のシヘナへの返還を命令

アラゴン州、ウエスカ県にある12世紀建築のサンタ・マリア・デ・シヘナ王立修道院の所蔵であった宗教美術品が、カタルーニャ州のジェイダにある博物館に展示されていたが、これの返還を求める裁判が行われていた。
返還を命じる判決が下されたあと、昨年、ジェイダ博物館は同地に展示されていた97点の美術品の内、53点のみを返還し、残り44点の返還を拒絶し続けていたが、今回、憲法155条適用の元でカタルーニャの文化局長を代行するメンデス・デ・ビゴ文化大臣は、判決に従い全てを返還することを命じた。
罷免され、ブリュッセルに滞在中の元カタルーニャ州政府文化局長のジュイス・プーチ氏は、自身のトゥイッターを通し、今回の措置について「これでまた一つの架け橋が崩れ落ちた。こんなことをしながらカタルーニャとの対話を復旧させると言うのか?」と批判した。
その一方でメンデス・デ・ビゴ文化大臣は、「未返還の美術品の返還を命じたのは、裁判所が出した判決に従っただけで、カタルーニャ問題に油を注ぐものでは無い。法廷が下した判決に従わない人々が存在すると言うことそのものが驚きである。」とコメント。

タクシーの全国スト、マドリッドでも大渋滞

本日、全国規模で行われているタクシーのゼネストにより、マドリッドでは早朝より大渋滞となっている。
スペイン各地で一斉に行われるストだが、首都マドリッドでのデモに参加しようと、全国各地からタクシーが集結しているため、同市内では、サービスを行なっていないスペイン各地のタクシーの姿が見られる。
これらタクシーによる抗議デモは、マドリッド市内中心部において本日12時から15時にかけて行なわれる予定。


2017年11月28日(火)

EU議会、プーチデモン氏の言動に反論

EU議会の広報担当官は昨日、罷免された前カタルーニャ州知事カルレス・プーチデモン氏の言動に反論した。
これはイスラエルの公共放送の番組で、同氏がEUを批判したことを受けたもの。
前州知事は、EUは退廃的で時代遅れの国々の集団であると評し、その地域の一部の人権や民主主義に無関心であると批判した。
そして、EU離脱を問う住民投票をカタルーニャで行うべきであると主張した。
これに対してEU議会の広報官は、EUは民主主義を基本とした連盟であり、世界有数の経済市場であると反論した。
尚、プーチデモン氏は、EUやその通貨であるユーロそのものは支持しており、欧州連合の体制を変えるために尽力していくと述べた。

プラド美術館、デジタル化資料をウェブで公開

マドリッドの国立プラド美術館は、デジタル化された同館所蔵の資料のウェブ公開を開始した。
200年近い歴史を持つ同美術館は、12000点近くに上る資料をデジタル化した。
その内容は1819年の開館に向けたプロジェクトのものから近年の資料まで、歴代館長の個人的資料からピカソのゲルニカ移動のプロジェクトに関するものなど、多岐にわたっている。
同館ではすでに所蔵作品15000点以上がデジタル化されウェブで閲覧できる。
同館の担当者は、デジタル部門はすでに同美術館の主要部門であるとコメントしている。

装飾博物館でマノロ・ブラニク展

マドリッドの装飾博物館では、靴のロールスロイスと評されるマノロ・ブラニクの作品の特別展示を開催中。
カナリアス出身のブラニクの靴は、世界中のセレブに愛され、ハリウッド映画でもしばしば使用されており、安い物でも一足600ユーロする。
スニーカーにヒールがついたような奇抜なものや、見るだけで目が回りそうな高いピンヒールなど独特のデザインの靴212足と80点のデザイン画が展示される。
この展示は来年3月8日まで。


2017年11月27日(月)

全国のタクシー、水曜日に24時間スト

スペイン最大のタクシー組合は、その他の組合と協力して、今週水曜日に24時間ストライキを行うと発表した。
今回のストは、最高裁判所がUberなど運転手付きレンタカーに有利となる判決を下した事に抗議するもので、組合代表はタクシー業界の崩壊につながると危惧している。
一方Uberは、これにより新法が導入されれば、消費者の選ぶ権利が拡大すると評価している。
尚、このストでは、緊急・救急や空港、駅などでのサービスは対象外となる。

カタルーニャ州選挙世論調査、ERCがトップか

カタルーニャ自治州選挙まで4週間となった先週、全国紙エル・パイスは世論調査の結果を発表した。
それによると、独立推進派のERCが得票率26.5%で1位、これに次ぐのが反対派のシウダダノスで25.3%だった。
3位は社労党カタルーニャで14.9%、4位はカルレス・プーチデモン前州知事が代表となっているJxCATで13.6%、PPは5.8%だった。
一方、保守系全国紙ラ・ラソンの調査では、独立推進派3党の予想議席数は絶対過半数に達しないとの結果が出ている。

12県に低温注意報

気象局は本日、12県に低温注意報を発令している。
予報が出ているのはテルエル、サラゴサ、クエンカ、グアダラハラ、ブルゴス、レオン、パレンシア、セゴビア、ソリア、バジャドリッド、マドリッドとバレンシアで、最低気温が零度以下となる地域もある模様。
またマジョルカ、メノルカとジローナでは高波注意報も出されている。
ただし、水不足が深刻化しているなか、降雨に関してはジブラルタル付近とアンダルシア、エクストレマドゥーラの一部で小雨が予測されている程度という。


2017年11月24日(金)

独立主義者、1-O担当判事の自宅にペンキ

バルセロナに住む裁判官、フアン・アントニオ・ラミレス・スニェル氏は、1-O(10月1日)に行われた違憲州民投票事件の裁判の担当をしているが、 彼の家に脅迫文などがペンキで書かれると言う、独立主義者等による嫌がらせがあった。
最近、法機関に属するメンバーへの嫌がらせ行為が激化しつつあり、一昨日にはバルセロナ検察長を務めるアンナ・マリア・マガルディ氏の自宅の電力ケーブルとTVアンテナケーブルとが切断されている。
そう言った中、カタルーニャで働く裁判官や検察官から、職務を行なうための正常な環境か無いとして、他地方への転勤依頼が相次いでいる模様。

カタルーニャにおける特別警備態勢、緩和へ

憲法155条適用のあと、特に深刻な暴動が生じていないことから、内務省はカタルーニャに特別配備されていた警官隊の一部を撤退させつつある。
カタルーニャにおける違憲独立運動が高まる中、スペインの他地方から国家警察官、治安警備隊員など約6000人がカタルーニャに特別配備されていたが、その内の半数が本来の勤務地へと戻された。
普段からカタルーニャで働く国家警察官と治安警備隊はそれぞれは2929名、3164名で、計6093名が同地に配備されているが、現時点ではこれらに加えて3000名が特別配備として残されており、予定では少なくとも12月21日の州選挙終了後、年末まではこの状態が維持されるとのこと。


2017年11月23日(木)

PDeCAT、 一方的独立政策を破棄

PDeCAT党とERC党は、2015年度選挙の際、Junts per Siと言う名の元に合同で統一候補を立て、これまで「一方的独立政策」をベースにした独立運動を共に展開して来たが、来る12月21日に行われる選挙では、それぞれが各々の候補を立てて独自の参選を予定している。
ただし、独立プロセスを続行するために両党の間で今後の方針についての討議が重ねられており、その中で、これまでの戦略の土台となって来た「一方的独立政策」を破棄する事で同意した模様。
「一方的独立政策」による独立プロセスは失敗に終わったとして、今後は中央政府との対話をベースにした「双方向からの独立プロセス」を進めて行くと言うことだが、それにはスペイン国憲法の改正が必要となるため、12月21日の選挙で仮に独立派勢力が 再度、政権を握ることとなった場合、中央政府は憲法改正に向けての圧力への対応に迫られることとなろう。

カタルーニャを訪れるツーリスト減少

今年10月のホテル利用者数は、スペイン全国平均で見た場合、昨年同時期と比較して2%プラスの950万人となり、また、宿泊日数合計も1.14%プラスの3090万泊に達した。
しかしながら、10月1日に違憲州民投票が行われたカタルーニャ州では、ホテル利用者数が州内平均4.4%のマイナスとなった。
特にジロナでは12.4%と大きく後退し、バルセロナでも4.5%のマイナス、ジェイダでは1.8%のマイナスとなっており、タラゴナだけは6.2%のプラスと、カタルーニャ危機が続く中にあってもプラス傾向を維持した。
また、宿泊日数合計にしても、スペイン全国平均では1.14%のプラスとなったのに対し、カタルーニャ州平均では2.7%のマイナスとなった。
国内旅行者のみで見ると2%のマイナスで、外国人ツーリストについては2.9%のマイナスとなっており、外人ツーリストの減少が目立ったのが判る。
州内の地域別で見た場合、ジロナで8.8%のマイナス、バルセロナで3.3%のマイナス、ジェイダで0.3%のマイナスとなっているが、ここでもタラゴナだけ7.3%の増加とプラス値を維持した。
これらの動きがホテル代にも影響を及ぼしており、スペイン全国平均では5.6%の値上がりとなっている中、カタルーニャ州内平均では0.5%の値下がりとなった。


2017年11月22日(水)

不正選挙防止対策

12月21日に行われるカタルーニャ州選挙に向け、すでに混乱を招くためのネット攻撃が始まっている。
カタルーニャ独立派勢力は今回の選挙を不当としており、参加はするが、その結果が意図するものと異なる場合は、同選挙の不当性と不正性を訴える構え。

 そう言った中、ネット上で「どうすれば中央政府による開票時の不正行為を防ぐことができるのだろう?」と言った類の「正常な開票が行われるはずが無い」と言う印象を植え付けるためのメッセージが無数に流されており、これらのネット攻撃は、独立主義者、またはカタルーニャ独立を推し進めることによって、スペインの、更にはEUの統率を乱す事に意義を見出す海外勢力によるものと思われている。

 実際にスペインではどのような開票システムが使われているのかについて、マラガ大学、政治科学学科長を務めるアンヘル・バレンシア氏は次のように説明している。
「スペインの開票システムと開票結果の発表システムは、極めてその操作・改ざんが困難なものと言うことができ、その大きな理由として次の三つが挙げられる。
一つ目は、開票作業が契約を得た企業により行われるのではなく、全て投票会場のある地域住民によって行われると言うこと。
二つ目は、投票、そして開票作業の現場からその結果が発表される現場までの全てのルートにおいて、全ての政党が必要とあれば常にチェック出来るようになっていること。
そして三つめは、結果発表が全て市民と全政党のチェックの元に物理的に集められた情報に基づいて行われ、そこにはデジタル情報が一切含まれないこと。
地域住民から選ばれた選挙委員が開票作業を行ない、その間、全政党の党員は現場でチェックを行なう事が出来る。
開票と集計が終わると、そのまとめが三つの封筒に納められ、一つは裁判所に保存され、残り二つが地域の選挙委員会の管理下に置かれ、いつでも内容を再確認する事が出来る。
これらを実現するためには相当な時間を要するため、開票後すぐにメディアを通じて報道される開票結果は単なる参考資料程度のもので、正確性や合法性に欠ける。
最終的な選挙結果は、先述のとおり全て地域住民と全政党の党員による連係プレーによる手作業により、デジタル情報を排除した形で発表に至るため、選挙結果を操作したり改ざんするのは不可能に近い。」

 その他の専門家等を含め、今後、ネットを利用した攻撃によって、仮集計情報を好評するWEBページがブロックされたり、集計中と見せかけた偽のWEBページが公開される、また、偽の開票情報を次々に流し混乱を招くことによって、選挙の公正さについての信頼性を落とすと同時に懐疑心を高める、などの行為が行われる可能性は充分にあるが、投票と開票システムそのものについては、インターネットを含め、デジタル情報による介入がゼロであるため、内・外部からの不正が行われる可能性は極めて低いと言う意見で一致している。


2017年11月21日(火)

バルセロナEMA誘致ならず

欧州連合の一般事項審議会は昨日、欧州医薬品庁(EMA)の移転先を決める投票を行った。
EMAは現在ロンドンに本部を置くが、英国のEU離脱によってその移転先を決める必要があった。
その経済効果の大きさから複数の都市が候補に名乗りを挙げ、スペインからはバルセロナが立候補していた。
有力な候補地のなかでもバルセロナは唯一本拠地用の建物が存在していたため、本命とされていた。
しかしながら10月以降のカタルーニャ問題の影響を受け、第一回目の投票で落選となり、誘致を決めたアムステルダムと決戦投票に持ち込むことさえできなかった。
スペイン政府のドローレス・モンセラ保健大臣は、この敗退は独立推進派の失敗のひとつであると述べた。
一方で、引き続きベルギー滞在中のカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事は自身のツイッターで、10月まではバルセロナは最有力候補であったが、憲法155条の適用が影響してしまった、と中央政府を非難した。
尚、この投票は非公開で行われており、どのような票の動きがあったかは不明である。
また、選択の基準には、その国にEUの機関が少ないほど有利というポイントがあったが、スペインにはすでに複数のEU機関が存在している。

前自治州閣僚、155条遵守と引き換えに釈放要求

国家裁判所の判事によって予防拘束中の前カタルーニャ自治州閣僚の弁護士が、同裁判所に、担当する2名の前閣僚の釈放を要求した。
この弁護士によると、彼らは逃亡や証拠隠滅の危険性はすでにないとしたうえで、憲法155条についてはその内容等に異議はあるものの、遵守する事を約束しているとして、先日釈放された前州議会議長と同様の措置を取るよう求めた。

60%の成人が運動不足

保険会社の調査によると、18歳から65歳までの成人の60%が全く運動をしていない事がわかった。
このうち23%は定期的に歩く事さえしていないと答えた。
またこのうち60%が体重オーバーを認め、さらに9%が20キロまたはそれ以上オーバーしていると答えた。
運動をしない理由は、家庭の雑事や仕事に追われてというのが最も多かったが、違うタイプの趣味を持っているためという回答もあった。
また10歳から18歳の子供を持つ親の3人に1人が、子供が十分に運動しているとは言えないと答えた。
自治州別でみると、最も運動不足なのはカスティージャ・イ・レオン、バレアレスとバレンシアで、逆に最も運動量が多いのはアストゥリアス、カナリアスとアンダルシアだった。
専門家は、スペイン人は、喫煙・飲酒やファーストフードを食べることは体に良くないと思っているが、運動不足の危険性はあまり重要視しない傾向があるとみている。


2017年11月20日(月)

カタルーニャから本部移転の企業、2573社に

商業登記所のデータによると、先週木曜日までにカタルーニャから州外に本部を移転した企業は、2573社に達した。
但し、移転企業の数値は減少傾向にあり、木曜日の移転数は33社、同じ週の火曜日(27社)に次いで2番目に低い数値となった。
尚、10月9日以降、最も移転数が多かったのは同月19日で268社、これに次ぐのが同9日の212社だった。
ここ最近は一日の数値は平均50社以下となっている。

国家警察と治安警備隊をネットで中傷の男ら逮捕

スペイン国家警察は、同警察および治安警備隊に対する脅迫文やボイコットを訴える文章をインターネットのSNSに掲載したとして、カタルーニャ在住の男2人を逮捕した。
同警察によると、この男らは同州の違憲州民投票を阻止するため配属されていた警官に対し「賞金稼ぎの殺し屋」、「生きる資格なし」などと罵倒したほか、「宿舎に火をつけろ」、「我々の子供たちが、奴らの子供たちと一緒に勉強したり遊ぶ事を阻止せよ」などと、憎悪をあおるようなメッセージもあった。
報道によるとこの二人は50歳と28歳で、いずれも州内の小規模自治体在住、逮捕容疑は憎悪と差別行為の教唆、脅迫と誹謗行為であるが、どちらもすでに釈放されている。

プラド美術館、193周年で特別イベント

マドリッドの国立プラド美術館は昨日、193周年の記念行事を行った。
その一環として、午前10時から19時まで常設・特別展示ともに入場無料となったほか、館内のホールでクラッシック・コンサートが開催された。
また、14歳以下の子供たちには、家族4人まで同伴して次回も無料で入場できるミュージアム・カードを贈呈した。
さらに193周年を記念して、オーディオガイドの利用範囲が拡張された。


2017年11月17日(金)

バルセロナ、テロ予防の障害物を設置

テロ対策の一環として、人通りの多い地域に障害物を置くようにとの助言が中央政府からあったにも関わらず、バルセロナ市行政は「障害物を置いたところで、テロリストは障害物が無い場所を選んで車突入テロを行なうだけで無意味である」として対策を取らずにいたところに起きたのが8月17日のランブラスをはじめとするカタルーニャにおけるダブル突入テロであったが、被害があった後になって、バルセロナ市行政は障害物の設置を決定した。
クリスマスシーズンが近づき、テロのリスクが高まる中、再度の車突入テロを防ぐため、ランブラス通りを始め、市内中心部の人通りの多い所に重量の大きいコンクリート製の花壇などの設置が行われる。
また、ツーリストが集結するサグラダ・ファミリア教会の周囲の道路は、全て車両通行止めとなる模様。

カタルーニャ最大のホテルチェーンHotusa、マドリッドへ引っ越し

10月1日にカタルーニャで行われた違憲州民投票以降、カタルーニャから脱出した企業の数はすでに2500社近くに上るが、この度、カタルーニャ最大のホテルチェーンとして知られるHotusaが、その本部のマドリッドへの引っ越しを決定した。
Hotusaは4000人以上の従業員、10億ユーロ以上の年商を持つ。
同社は、現時点では今回の本部移転決定についてのコメントを避けている模様。


2017年11月16日(木)

PSOE、カタルーニャ問題におけるロシア介入についての詳細情報を政府に要求

政府スポークスマンを務めるイニゴ・メンデス・デ・ビゴ氏は、去る金曜日、カタルーニャ問題に関してロシアやベネズエラなど外国からの情報操作、情報偽造による攻撃を受けている事を公表したが、これについてPSOE党は詳細情報を要求している。
PSOE党は、同問題は政府だけの問題ではなくスペイン国家全体の問題であり、慎重に対処すべきものであるとし、その情報操作による介入の詳細、そしてそれらの攻撃を防ぐために政府がどのような対策を講じているのかなどについて、正確な情報の提供を求めた。
また、スペイン国家情報局の責任者を務めるサエンス・デ・サンタマリア副首相自らによる説明を要求している。

ベルギー法廷、プーチデモン氏以下、元州政府閣僚の行動を監視

ベルギー法廷は、元カタルーニャ州知事であるプーチデモン氏を含むブリュッセルに逃亡、在留中の同州政府元閣僚ら5名に対し、自由に行動する権利を認めてはいるが、毎日の行動の監視を続けている。
元閣僚等5名は滞在している固定住所を届け出ると共に、毎朝、その日の行動予定を当地の警察に連絡することが義務付けられている。
また、ベルギーからの出国は禁じられ、法廷からの呼び出しがあれば常に出頭する必要がある。
これら5名の元閣僚等の身柄がスペインへ引き渡されるかどうかの決定が下されるのは、1月か2月頃になるとの見方が強い。


2017年11月15日(水)

マス元州知事、保証金集めに苦戦

2014年11月9日に行われた違憲州民投票において、その開催に必要な費用をカタルーニャ州の財政から賄ったとして、アルトゥール・マス元カタルーニャ州知事他、数名の元閣僚等に対し公金横領の罪で裁判が行われているが、保証金520万ユーロの納入期限が今月の16日と迫ってきており、現時点で220万ユーロが納入済みで、残り300万ユーロが未納となっている。
納入済みの220万ユーロは、そのほとんどが独立推進派団体であるANCやOmniumなどが中心となって集めた独立派州民からの寄付金に よるものだが、足らない分について、マス元州知事は彼等の個人的資産である不動産を充てる用意があるとしている。

カタルーニャにおける特別警戒レベル引き下げへ

内務省は、カタルーニャにおける特別警戒態勢を、少なくとも州選挙が行われる12月21日までは維持するものと見られるが、一時期に比べると同州の主要都市の様子は落ち着きつつあるとして、カタルーニャに特別配備されていた警察官等の一部引き上げを開始した。
撤退を開始した国家警察、及び治安警備隊は情報捜査班のメンバーが特に多く、国家警察だけでも200名が増員されていたが、その約3分の2が引き上げ、治安警備隊についても同様の措置が取られた模様。
また、非常事態に対応すべく訓練を受けた特別部隊についても、近日中に撤退を開始すると見られる。


2017年11月14日(火)

カタルーニャ独立活動家、ジュリアン・アサンジ氏との会合認める

カタルーニャの企業家で、独立推進運動の重要人物の一人とされているオリオル・ソレール氏は、先週木曜日にウィキリークス編集長のジュリアン・アサンジ氏と会合を持ったことを認めた。
アサンジ氏は米国の司法当局の追随を逃れてロンドンの駐英エクアドル大使館に5年以上前から政治亡命している。
ソレール氏はもう一人の活動家とともに同大使館を訪れ、現地時間の午後5時から、およそ4時間にわたって会合を持ったことをエル・パイス紙に明かしている。
しかしながら、その内容については、カタルーニャもアサンジ氏と同様、スパイ行為、検閲、不正法的措置、拘留などといった被害を受けてきたため、それらの経験を交換しあったものであるとして、来月の自治州選挙などカタルーニャの現状について言及したことを否定した。
一方スペインのアルフォンソ・ダスティス外務大臣は、カタルーニャについて何も話さなかったとは思えないとコメントし、これまでもカタルーニャについて大量の偽情報を流したとされるアサンジ氏と活動家らの接触に警戒感を強めている。

税務省、カタルーニャ州市長200人の経費を調査へ

スペイン税務省は、カタルーニャの独立推進派市長ら200人のベルギー滞在費の 支払元の調査を裁判所に要請すると発表した。
これは今月7日カタルーニャ州内の市長ら200人がブリュッセルを訪れて、カルレス・プーチデモン前州知事を支持するイベントに参加したもので、当初からその経費の出どころが取りざたされていた。
帰国後これらの市長の中には全て自腹であったと主張する者もいたが、ある市長はこれは公務であり自分が代表を務める自治体の経費となると主張した。
またイベントに利用された施設の使用料に関しては、独立推進政党ERCのEU議員が支払ったと説明する者もいたが、この議員はこれを否定している。
税務省は、このイベントを主催した2団体のうち1つは自治体の公費を受けているため、この団体が支払った場合でも公費濫用にあたるとしている。

8県で強風による警報・注意報

気象局は本日、4自治州の8県に強風などによる警報・注意報を発令している。
それによると、バレアレスのマジョルカとメノルカ、カタルーニャのジローナでは強風や高波による警報が発令されている。
特にバレアレスでは、海上では波の高さが4〜6メートル、地上では最大風速が80〜90キロに達すると予測されている。
一方、カタルーニャではジローナで最大風速が110キロに達するほか、バルセロナとレリダにも強風高波注意報が出ている。
さらにアラゴンのウエスカとサラゴサ、ナバラにも強風注意報が出されている。


2017年11月13日(月)

プーチデモン氏、「独立」以外の解決策に言及

引き続きベルギー滞在中のカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事は、地元メディアのインタビューに応じた。
その中で同氏は、中央政府との現実的な関係を受け入れる可能性があると述べた。
そして、カタルーニャ州独立以外の解決策は「常に存在する」と付け加えた。
さらに、私はこの可能性を実現するために30年以上努力してきたが、ホセ・マリア・アスナル元首相が政権を握った時点でこれが阻止されてしまった、と中央政府の責任を強調した。
このように前州知事は中央政府との合意を受け入れる姿勢を示す一方で、現在の危機の原因は、2010年に司法裁判所がカタルーニャ自治州法の一部を違憲と判断した事にあると批判した。

レンフェ、列車運行妨害を告発

スペイン国鉄レンフェは、カタルーニャのゼネラル・ストライキにおける妨害行為の損害賠償を求める訴えを起こすと発表した。
それによると、同社では列車の遅延などによって発生した多額の損害額を算出し、さらにビデオ解析などで、妨害の責任者らを特定するという。
このストは先週水曜日に実施されたが、鉄道の線路に多くの人が降りて列車の進路を塞ぐなどしたほか、障害物が置かれた路線もあった。
これらの妨害行為により、高速列車では1万人以上、近郊線では15万人以上の利用者に影響が出たという。

マドリッドのクリスマス・イルミネーション、今年も24日から

マドリッド市は、今年のクリスマス・イルミネーション点灯を昨年と同じ今月24日から開始すると発表した。
同市役所はこの日に設定したのは、商店主らの要望によるもので、近年スペインでも流行しているブラック・フライデーに合わせたためという。
今年は中心地のイルミネーションのデザインを一部リニューアルしたほか、多くの市民が楽しめるように、これまでイルミネーションがなかったバラハス地区のマヨール広場など住宅地にも新たに設置される。
尚、イルミネーションは来年1月6日までの間、毎日午後6時に点灯され、通常は午後11時まで。
週末や12月の祝日前日は午前零時まで、さらに12月25日、1月1日と6日の祝日も午前零時までとなるほか、クリスマスイブは午前3時、大晦日は午前6時までとなる。
これにより総点灯時間は256時間となる。


2017年11月10日(金)

カタルーニャ州議会議長、カルメ・フォルカデル氏、保釈金を納入し釈放へ

国家への反逆罪、憲法違反などの罪で昨夜より仮留置されていたカルメ・フォルカデル カタルーニャ州議会議長は、150.000ユーロの保釈金を納入した事により釈放が決まった模様。
同氏はカタルーニャ州議会が行った一方的な違憲独立宣言が単なるシンボリックなものであり、合法的且つ正当なものでは無い事を認め、更に中央政府が行った憲法155条適用についてもその正当性を認めた事により、最高裁は保証金を納める事により仮留置を避ける可能性を与えていた。
同氏は仮留置判決を受けた昨日、刑務所にて一夜を過ごしたが、本日、指定された150.000ユーロの保証金が納められ、国外逃亡を避けるための パスポート剥奪、週に一度の地元裁判所への出頭義務、そして最高裁からの命令があればいつでもすぐに出頭しなければならない等、幾つかの条件付きで本日中に釈放される模様。

カタルーニャ危機、バスクの世論に影響せず

バスク世論調査によると、カタルーニャ危機によるバスク州民の政治的見解への影響はほとんど見られない模様。
今年10月24日から30日にかけてバスク州政府によって行われたアンケート調査によると、今、バスク州選挙が行われた場合、PNV(バスク国民党)とPSE(バスク社会党)による連立政権が維持される形となる。
正確にはPNVが1議席増しの29議席を獲得し、PSEは2016年選挙時の9議席を維持、そしてEH Bildu党は18議席を維持、Elkarekin Podemos党は前回の11議席から1席マイナスの10議席、PPは前回同様の9議席を維持すると言う予測となり、カタルーニャの違憲州民投票や憲法155条適用があり、その現実を目にしたにも拘わらず、バスク人の投票意思にはほとんど変化は見られなかった。

2050年にはスペイン人の40%が65歳以上に

35か国によって構成される経済協力開発機構発表によると、30数年後には、スペイン、日本、ポルトガル、ギリシャ、韓国などで65歳以上の人口が全体の40%近くに達する見通しとのこと。
また、スペイン、イタリア、ポルトガル、ドイツなどでは、2050年には80歳以上の人口が2倍以上に膨れ上がることが予測されている。


2017年11月9日(木)は、アルムデナの聖母の祝日にあたるため、ニュースはお休みとさせていただきます。


2017年11月8日(水)

カタルーニャで半ゼネスト

本日、カタルーニャにおいてカタルーニャ独立派州民の一部による半ゼネストが行なわれているが、その影響が同州各地で見られている。
バルセロナ市内、中でもディアゴナル通りやグラン・ビアなどの中心部数か所で通行止めとなっている箇所があり、交通に混乱をきたしている。
また、カタルーニャ内の国道や州道など約30本の道路がデモ隊の集結により一部、通行不能状態に陥っている模様。
鉄道についても、ジロナの駅では朝からデモ隊が集まり線路を占領するなどして列車の通行を妨害しており、バルセロナとフィゲレスをつなぐ超特急AVEも運行不能となっている。
また、バルセロナのサンツ駅でも、夕刻になってAVEの線路を学生を中心とした一団が占領し、その運行に支障が生じている模様。

カタルーニャ以外の地方に住むスペイン人の20%がカタルーニャ製品をボイコット

10月最終週にスペイン全国の1150名を対象に行われたアンケート調査によると、カタルーニャ州民の47.8%が今回のカタルーニャ危機を理由に他地方へ立ち去った企業を批判しており、38.3%が理解を示している。
またカタルーニャ以外の地方の住民は、カタルーニャから脱出した企業に対し賞賛の意を表し、約20%がカタルーニャ製品の購入を辞めたとしており、更に20.9%が今後、購入を辞めようと思っていると答えた。


2017年11月7日(火)

欧州議会、プーチデモン氏の入場認めず

欧州議会は本日、カタルーニャのカルレス・プーチデモン前州知事が申請していた同議会への入場許可を却下した。
これは本日、独立推進派のカタルーニャ州の自治体首長協会に所属する200人の市長らがベルギーを訪問するのに合わせて、前州知事が同議会で演説を行うための申請であった。
欧州議会では、プーチデモン氏は裁判所命令により常に警察の監視を要するが、欧州連合の法律により、警察は同議場内に自由に出入りする事ができないという。
このため議会は、プーチデモン氏自体を拒否したわけではないが、入場には常に判事の許可が必要であるためとしている。
尚、ブリュッセルを訪問する200人の市長らは、市内にある文化センターで会見や写真撮影を行うが、この際プーチデモン氏やその他罷免された4人の元閣僚がこれに出席するかは明らかにしていない。

授業中に警察批判の教員8人が裁判所出頭

カタルーニャ州ジェイダの8人の学校教員が地方裁判所の出頭命令を受け、本日午前9時より聴取を受ける。
これらの教員は、10月1日に強行された違憲州民投票の際の警察介入を、授業中に強く非難した。
生徒の中には両親またはどちらかが治安警備隊員である子供もおり、教師や同級生の一部から侮辱、中傷を受け、なかには暴力があったケースもあるという。
子供たちや一部の教員の証言をもとに、これらの学校に子供を通わせる治安警備隊員たちが先月18日に訴えを起こしていた。

収監の前カタルーニャ閣僚、刑務所で陶芸教室に参加

司法裁判所判事によりアルカラメコの刑務所に先週木曜から収監されている2人の女性前閣僚が、刑務所内の陶芸教室に参加したりジムで汗を流しているという。
これらの活動はセラピーや娯楽目的で行われているもので、他に寄せ木細工、絵画や裁縫教室もあるという。
一方、エストレメラ刑務所に収監されている男性の元閣僚らは、現在の所なにも活動をしていない模様で、刑務所事情に詳しい専門家によると、通常は収監されても環境になじむのにある程度時間がかかり、すぐにこのような活動を始める人は少ないという。


2017年11月6日(月)

前州知事ら、条件付きで釈放

カルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事及び前閣僚4名は、昨日午前9時頃にベルギーの裁判所に出頭した。
裁判後に同国の判事は、許可なく出国することを禁止したほか、居住地を定め裁判所の要求に応じて本人が出頭することなどを条件に釈放した。
スペインの裁判所より身柄の引き渡し要請が出されているが、15日以内にこれが審議される。
さらに判決に対する控訴などが行われた場合、最終決定には最高で3カ月を要する。
このため、前州知事らが来月21日に実施される自治州選挙前にスペインに引き渡される可能性は低いとみられる。

ポデム代表が辞任

カタルーニャにおけるポデモス党の徒党であるポデムの代表アルバノ・ダンテ・ファチン氏が、本日辞任と離党を発表した。
同氏はカタルーニャの独立問題に関して再三中央執行部と対立、ポデモスが違法州民選挙を支持しなかった事を批判していた。
今回も、同党が自治州選挙においてバルセロナのアダ・コラウ市長率いるカタルーニャ・エン・コムとの連立を決定したことに異議を唱え、中央からの強行令であると批判した。
尚、他の独立推進派の筆頭となる可能性は否定したが、選挙人リストに加えられる可能性はあるとしている。
また、ポデモスでは同氏が辞任しなければ解任すると発表していた。

フレシネ社長、州選挙の結果次第で移転再考

カバで有名なカタルーニャの企業フレシネの社長でスペイン商工会議所の会長であるホセ・ルイス・ボネ氏は、来月21日実施の自治州選挙後も状況が改善しなければ、再び同社の移転を検討するとコメントした。
ラジオ番組に出演した同氏は、憲法155条の適用により、状況が安定したため本社移転を見送ったと説明。
しかしながら、選挙後再び同じような状況になれば、移転を検討する重役会議を再び行うと述べた。
また、多くの大学の専門家が独立がもたらす結果について嘘をつき、多くの経営者は黙秘していたと批判した。
さらに選挙に向けて有権者に、これまで起きた事象をよく考えて投票するよう呼び掛けた。


2017年11月3日(金)

Tous、「我が社がスペイン企業で無いなどと誰からも言われないように」

カタルーニャに拠点を置く大手ジュエリー、アクセサリー、ファッションメーカーのTousは、社長名で全ての社員に対し、「我が社がスペイン企業では無いなどと誰からも言わせないように」との指示を出した。
同社がカタルーニャ独立を擁護する企業であるとの噂が広がり、同社製品のボイコットが始まりつつあるが、これはネット上に広がった1枚の写真に起因する。
写真は自称カタルーニャ共和国の旗を持ち微笑むプーチデモン元州知事やラポルタ元バルサ会長、ピラール・ラオラ記者などの独立派メンバーと一緒にTousのアルバ・トウス社長が写っているもの。
Tous社は、この写真が作為を持って作られたフェーク画像であること、アルバ・トウス社長がこれらメンバーの会合の場にはいなかったことを訴え、同社がカタルーニャ独立には反対しており、心よりスペインの一部としてのカタルーニャの企業であることを誇りに感じていることを強調している。
アルバ・トウス社長は各店舗の状況把握と、各地における記者会見を行なうため、スペイン全国のTous販売店を自ら訪問する予定とのこと。

カタルーニャ各地で大規模反政府デモ

オリオル・ジュンケラス元副州知事と元閣僚の計9名が、逃亡と証拠隠滅の可能性が高いとして仮留置処分を受けた事に対し、カタルーニャ各地で大規模な反政府デモが行なわれた。
それぞれの会長が同様に拘束されている、カタルーニャ民族市民団体であるANCとOMC等が中心となって呼びかけられた集会に、多数の独立派市民が詰めかけ、市警察の発表によると、バルセロナの中心部に約2万人が、ジロナの中心部に15000人が、ジェイダでは3000人が、タラゴナ、レウスでも8000人が集結し、拘束中のメンバーの開放を求めると同時に、「逮捕したところで我々の運動を止める事は出来ない」、「ゼネストにより国中を麻痺させよう」、と言ったリーダー等による演説が見られた。


2017年11月2日(木)

検察、カタルーニャ州政府元閣僚等に懲役の求刑

カタルーニャ州政府の元知事をはじめ、全閣僚等に対し出された国家裁判所への出頭命令に従い、今朝、オリオル・ジュンケラス元副知事を含む9名が出頭した。
残りの閣僚4名とプーチデモン元州知事の計5名は逃亡先のベルギーに残留しており、国家裁判所には現れなかった。
出頭したのはオリオル・ジュンケラス元副知事、ジョルディ・トゥルール元官房局長、ジョセップ・ルル元勧業局長、サンティ・ビラ元経済局長、メリチェル・ボラス元統治局長、ジョアキム・フォルン元内務局長、ラウル・ロメバ元外務局長、カルラス・ムンド元法務局長、ドロールス・バサ元労働局長の9名。
出頭しなかったのはカルラス・プーチデモン元州知事、ジュイス・プーチ元文化局長、アントニ・コミン元厚生局長、メリチェル・セレ元牧業・漁業・食糧局長、クララ・ポンサティ元教育局長の5名。
出頭した9名の内、サンティ・ビラ氏を除く8名は、全て自己の弁護人からの質問にのみ返答を行ない、裁判官、検察からの質問には黙秘を通した模様。
また、同じ8名に対し、検察は国家反逆罪、扇動罪、公金横領の罪で無条件懲役の求刑を行ない、カタルーニャ元州政府が一方的独立宣言を行なう前に辞任したサンティ・ビラ氏についてのみ、保釈金による懲役回避の可能性を残した。

一方で、カタルーニャ州議会議長をはじめとする議会運営委員のメンバー6名についても、最高裁より本日の出頭命令が出されており、全員がこれに従ったが、弁護人からの「弁護の準備に必要な時間が必要」との要求が受け入れられ、再出頭日は11月9日となった。

検察、ブリュッセル残留グループに対し、逮捕を要請

国家裁判所からの出頭命令に応じず、その義務を怠った元州知事と元閣僚4名に対し、検察から国際指名手配と逮捕要請が出された。
また同時に、検察はEU法に基づいた逮捕と引き渡し要請に必要な手続きを開始するよう求めた。
この場合、逮捕要求は裁判官からスペインの国家警察を経由してベルギーの国家警察へ渡されることとなる。


2017年11月1日(水)は、諸聖人の祝日にあたるため、ニュースはお休みさせていただきます。


2017年10月31日(火)

前州知事、ベルギー訪問発覚、政治亡命申請?

一方的な独立宣言と憲法155条適用後初の平日であった昨日、カルレス・プーチデモン前州知事が罷免された5人の元閣僚らと共にベルギーのブリュッセル入りしていたことが判明した。
一部の報道では、同国に政治亡命を申請する可能性を示唆しているが、現在判明しているのは、同国の弁護士と会合を持ったと言う事である。
この弁護士事務所は以前スペインバスク地方の独立を訴えるテロリスト集団ETAの容疑者を庇護した経験があるという。
亡命の可能性について政治学者ら専門家は、ベルギーはEUの一員であり、スペインが民主主義国家であることを承認しているため、これを受け入れることはないとみている。
尚、最新情報によると、本日前州知事らがベルギーで記者会見を行う模様。

中央政府、自治州公式ウェブを閉鎖

スペイン政府は憲法155条の適用に伴い、本日よりカタルーニャ自治州政府の公式ウェブサイトを閉鎖した。
閉鎖されたのは州政府と州知事のページで、アドレスを入力して入ろうとしてもエラーがでる。
ただし、州民の諸手続きや天気、交通状況など有益な情報を掲載している行政のページは引き続き利用できる。
尚、このページには現在もカルレス・プーチデモン氏が州知事として記載されている箇所がある。

独立推進派、州議会選挙参加表明

独立推進派政党であるERCは昨日、12月21日に実施されるカタルーニャ州議会選挙に参加を表明した。
当初同党はこの選挙について、実施を決定したのが州知事ではなく中央政府であることから、違法かつ脅迫行為であると強く批判していた。
だが昨日になって一転参加を表明、選挙を恐れてはいないとして勝利に自信を示し、これによって独立をより堅固なものにするとしている。
またプーチデモン氏が所属するPDdCATも参加を表明し、ラホイ首相に挑戦状を叩きつけるとコメントしている。
一方CUPは当初この選挙のボイコットを表明していたが、現在は参加を検討している模様。
しかしながらこれらの独立推進派政党が誰を擁立し、どのような協力体制を行うかは不明である。


2017年10月30日(月)

カタルーニャ独立宣言、政府は155条適用

先週金曜日、自治州選挙実施を発表すると思われていたカタルーニャのカルレス・プーチデモン州知事は、結局一方的な独立宣言を行った。
これを受けて中央政府は上院で可決された憲法155条を適用、州知事以下閣僚ら155人を罷免し、12月21日に州議会選挙を実施すると発表した。
またこの措置によりソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア副首相が、州知事及び副知事代行を兼任するほか、中央政府の閣僚が各々相当する役職を代行する。
尚、同憲法の適用は選挙までとなるため、実質上は2カ月足らずの施行となる。

世論調査、独立推進派過半数に届かず

全国紙エル・ムンドが行った世論調査によると、今カタルーニャ州で選挙が行われた場合、ERCら独立推進派3党の議席は計65で、2015年と比較すると7議席失うこととなり、政権を握るには3議席足りない。
このうちERCの議席が最も多く41〜43議席、次いでPDeCATが13〜15、CUPは7議席となる。
一方、独立反対派で最も議席が多いのはシウダダノスで26〜28議席、これに次ぐのがPSCで20〜22議席、 中央政府与党のPPは10〜12議席との調査結果が出ている。
尚、この調査は今月23〜26日の間に1000人を対象に行われている。
従ってカタルーニャ州の独立宣言及び中央政府の155条適用以前のアンケートである。

前州知事、インスタグラムに州庁舎内部写真をアップ

中央政府によって先週末罷免されたカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事は、今朝写真投稿SNSのインスタグラムに州政府庁舎内部の写真をアップした。
この投稿にはカタルーニャ語でボン・ディア(おはよう)と書かれた後にスマイリーの絵文字が添えられている。
この風景は内部に入れる者だけが撮影できるが、投稿では写真がいつ撮影されたものかは明らかにされていない。
前州知事は中央政府による罷免措置を認めない演説を行っているため、本日登庁するかが注目されており、早朝から州庁舎前に多くのメディアが駆け付けている。


2017年10月27日(金)

州知事、選挙実施を否定

カタルーニャのカルレス・プーチデモン州知事は昨日午後会見を行い、州議会の解散・選挙を実施しないことを表明した。
同知事は、州政府は選挙を行う構えであったが、中央政府から安全な選挙実施のための保証が得られないため断念した、と述べた。
これは中央政府による憲法155条適用について触れたものだが、昨日一日でマドリッドの上院議会出廷を取りやめ、会見の時間を2度変更し、その間州政府閣僚らと何度も会議を重ねた。
州選挙は、一時は12月20日に実施とまで報道されていたが、独立推進派の強いプレッシャーがあったものとみられる。
尚、選挙実施が予測されていた昨日午前には州議会前に独立推進派が集結して抗議、州知事に対して「裏切り者」などと叫ぶ者もいた。

ラホイ首相「憲法適用を進めたのは州知事自身」

スペイン上院議会では本日午前より憲法155条適用の審議と票決を開始したが、これに先立ってマリアノ・ラホイ首相が演説を行った。
まず首相はこれまでの経緯を述べ、カタルーニャ州政府が憲法を無視し、無関心な態度で自分勝手な行動を取り続けてきた事を激しく非難した。
このような州政府の姿勢に対して、中央政府としては「合法的」に対処するしか選択肢はないとし、155条の適用を擁護した。
そして同法の適用を先に進めてしまった責任はプーチデモン知事にあると述べたうえで、その適用の必要性を議員らに訴えた。

今週末から冬時間開始

欧州連合諸国では今週末から冬時間が適用される。
スペイン本土では、午前3時に時計の針を1時間遅らせ、午前2時になる。
尚、夏時間の際は1時間時計の針を進めるため、毎回どちらなのか混乱する人も多い。
また変更直後の数日間は軽い時差ボケになる人もいる。


2017年10月26日(木)

州知事、上院出廷を取りやめ

中央政府による憲法155条適用を受けて、上院議会で申し立てをする予定であったカルレス・プーチデモンカタルーニャ州知事だが、同州政府はこれを撤回すると発表した。
当初同州政府は、知事が本日午後5時にマドリッドに到着できるよう、午後5時開始予定だった州議会の閣議を午前に変更していた。
しかしながら、この撤回を受けて再び開始を午後5時に戻した。
一方、上院議会では155条適用の票決を午前に予定していたが、州知事の出廷を受けて予定を午後にずらしていた。
州政府はこの決定について、憲法の適用はすでに決められており、知事が出向いて説明を行っても無駄であると判断したとしている。
一方中央政府の報道官はこれについて、出廷しないと言う事は話し合う気がないと言うこと、最初からそのような姿勢であったので、何も驚かないとコメントした。

州知事、12月20日選挙実施を発表か

報道によると、カルレス・プーチデモンカタルーニャ州知事は、州選挙の実施を本日午後1時30分に発表する模様。
それによると、日程は12月20日となる可能性が高い。
この発表により中央政府の155条適用を阻止する狙いがあるとみられる。
州選挙の招集の権限を持つのは州知事だけであるが、これによってさしあたり独立宣言の可能性は遠のくこととなり、独立推進派を大きく失望させることになる。

10月1日に警官に危害を与えた男を逮捕

治安警備隊は昨日、バルセロナのサン・ジョアン・デ・ビラトラーダで、10月1日に警察官に危害を加え、その公務を妨害したとして40代の男を逮捕した。
この男はカタルーニャ州政府が強行した違憲州民選挙の投票所において、司法裁判所の命を受けて突入した最初の警官に椅子を投げつけた。
この警官は床に倒れて大けがを負った。
同州では数日前にも警察官の頭を脚で蹴り上げて負傷させた22歳の若者が公務執行妨害などで逮捕されている。


2017年10月24日(火)

カタルーニャ州議会、臨時閣議を明後日招集

中央政府の憲法155条適用を受けて、カタルーニャ州議会は今週木曜日に臨時閣議を開くと発表した。
これは同州の独立推進派2党の要請によるもので、カルレス・プーチデモン州知事が演説を行う。
この閣議では討議の後、各党につき3件の解決策を提案できるが、独立推進派が改めて独立宣言を提議する可能性がある。

州知事の従姉妹経営の企業も州外移転

違憲州民選挙以降、カタルーニャから州外に本部を移転する企業が後を絶たない。
今月2日以降20日までの間にその数は1302社に上っているが、その中にはプーチデモン州知事の従姉妹が経営する企業も含まれている。
この企業の経営者はエステル・プーチデモンさんで、車いすや松葉づえなどの医療器具を販売している。
同社は現在の所移転先を明らかにしていないが、理由についてはカタルーニャの不安定な政情を鑑み、経営の安定とさらなる発展のために決断したと発表している。
尚、先週1週間だけでも移転企業は670社で、このうち最も多かった木曜日には268社が届出ている。

カイシャ・バンク、移転は恒常的

カタルーニャからの本部移転を真っ先に行ったスペイン有数の銀行カイシャ・バンクは、本日その幹部総会を初めて移転先のバレンシアで行った。
この総会では同行の第3四半期の収支報告が行われたが、その後記者会見を行った同行頭取は、暫定的なものであれば、最初からそのように伝えている、あくまで顧客、従業員と株主の皆さんの事を考えてこのような決断を下したと述べ、移転が恒常的まものであることを強調した。
また、決定はあくまで銀行の上層部によって下されたものであるとし、独立賛成派が訴えているような、中央政府の圧力を暗に否定した。


2017年10月23日(月)

首相、155条適用可決を発表

先週土曜日に行われた政府臨時閣僚会議の後、マリアノ・ラホイ首相が会見し、カタルーニャ州に対して憲法155条を適用する案が可決した事を報告した。
それによると、この適用によりカルレス・プーチデモン州知事以下同州政府の閣僚全員の罷免措置が行われるほか、州議会の権限が限定され、6カ月以内に選挙が実施される事となる。
さらに同州警察と州の管理下にあったテレビ及びラジオ局も中央政府が管理し、正確な情報の提供を保証するという。
ラホイ首相は会見の中で、決して同州の自治権が消滅するわけではないと強調し、違憲行為を犯した者たちへの合法的な制裁措置であると述べた。

68.6%の州民が選挙実施を支持

カタルーニャ発の全国紙ペリオディコの調査によると、68.6%の州民が自治州選挙の実施を支持していることがわかった。
一方で27.4%が選挙は現状の解決にはならないとし、4%がどちらともいえない、または無回答だtった。
また29.3%がカルレス・プーチデモン州知事はただちに独立宣言をすべきであると回答し、24.8%が一方的な独立宣言ではなく、中央政府との話し合いを行うべきであるとしている。
一方、同州知事が今月10日に独立宣言を行ったかどうかについては、48.1%がしていないと答え、37.5%が宣言はあったとしている。
尚、このアンケートは今月16〜19日の間に800人を対象に行われた。

クリスマス宝くじ、00155が売り切れ

カタルーニャ州に対する適用で話題となっている憲法155条だが、意外なところで人気を博している。
毎年12月22日に発表される国民的イベントともいえるクリスマス宝くじ。
毎年その購入される番号や購入額などが話題となっているが、10月1日以降、00155の番号くじが急激に売れ始め、ほぼ完売であるという。
この現象は地域を問わず、ガリシア、エクストレマドゥーラ、カナリアス、マドリッドはもちろん、渦中のバルセロナでも同様に起きている。
ほとんどの販売所では2〜3週間前に売り切れたが、中には10月1日以降数日で完売した所もあるという。
それにもかかわらず、毎日この番号があるかと問い合わせる電話が全国各地の販売所に寄せられており、対応に追われて仕事にならないと苦笑する販売員も多い。
毎年げんを担いでなんらかの行事にちなんだ番号を購入する人は多く、子供の出生や記念日など個人的なものから、贔屓のサッカーチームの優勝日などを選ぶ人もいるが、このような現象は前代未聞であるという。


2017年10月20日(金)

カタルーニャ州選挙、来年1月か

明日、土曜日に予定されている臨時閣僚会議において、カタルーニャに対し憲法155条の適用が妥当であるかどうかが協議されるが、それに先立ち、ラホイ首相と第一野党PSOEのペドロ・サンチェス党首との間で、今後とるべき対策についてのミーティングが行われている。
その中で、憲法155条についてその適用範囲と適用期間を最小限に抑えるべきであるとし、一刻も早くカタルーニャ州が法治社会に戻れるよう、最短期間内にカタルーニャ州選挙を行なうことで合意に至った模様。
明日の閣僚会議で155条適用申請案が可決された場合、今月末の上院議会で同議題が取り上げられ可決された後、国王のサインを得て、政府広報を通じて155条の適用とその内容が発表されることとなる。

一方、カタルーニャ州議会は閣僚会議において憲法155条の適用申請が可決されたかどうかの結果が判明したあと、週明けの火曜日に議会開催を 予定しており、その中で、憲法を無視したカタルーニャ独立の路線を突き進むか、或は、中央政府からの進言に従いカタルーニャ州の前倒し選挙を発表する事により155条の適用を避けるか、選択を迫られる事となる。
その時点で独立路線を進んだ場合でも、その後、今月末に上院で政府から出された155条適用案が可決されるまでの約1週間、カタルーニャ州政府にはまだ後戻りする機会が残されている。
ここでも独立運動を続投した場合、155条適用案が上院で可決された後、その書類に国王が署名を行ない正式発表が行われるまでの僅かな時間が、 カタルーニャがその自治権を停止されるのを防ぐための最後のチャンスとなる。

中央政府としては、これまでにもカタルーニャ独立派が法治社会に復帰出来るよう何度かに渡ってその機会を提供したが、今回、155条適用についてもその最終決定が行われるまでに、それを避けるための時間と、カタルーニャ議会自らによる前倒し選挙の発表と言う現状打開案を用意する形となった。

中小企業1300社がカタルーニャから脱出

10月1日に違憲州民投票が行われて以降、カタルーニャの社会不安から逃れるため、その登記を他地方へ移した中小企業の数は、すでに1300社にのぼる。
これは社員250名以下の企業を対象にした調査で、同数は全体の1%に達しており、更に2.2%が移転を検討中とのこと。
また、11%がすでに会社の銀行口座をカタルーニャ以外の地方に開いており、13%がこれに続く予定。

マドリッドーバルセロナ間のAVE、利用者増加

カタルーニャ危機により、バルセロナをはじめカタルーニャのホテル利用者数が減少しているにも関わらず、マドリッドとバルセロナを結ぶ高速列車AVEの利用者数が増加している現象について、イニゴ・デ・ラ・セナ勧業大臣は「カタルーニャからの企業移転が急増しているため、それら企業の運営陣を中心とした社員の移動が増加しているためと考えられる」 とコメント。

イワシ漁、禁止か?

国際海洋探査委員会ICESは、「欧州で行われてきた漁獲量制限の効果は見られず、大西洋、カンタブリア海におけるイワシの生息数は減少する一方で、 このままでは絶滅の危機を招く」として、2018年におけるイワシ漁を完全に禁止するよう欧州諸国に求めている。


2017年10月19日(木)

スペイン政府、憲法155条の適用へ

カタルーニャのプーチデモン州知事が10月10日に行った曖昧な表現による演説の中で「独立宣言を行なったのか否か」についての明確な回答を出すようスペイン政府が求めていたが、その1度目の回答期限が1週間後の10月16日とされ、この要請に対し州知事は明確な回答を行なわなかった。
その後、政府はその3日後にあたる本日の午前10時を2度目の期限とし、今朝、期限が訪れる30分程前に州知事からの返答が政府に届けられたが、その内容は前回と同様に、明確な回答を示すものでは無かった。
これにより、政府はカタルーニャ自治州政府が独立宣言の否定と対話による問題解決への意思を持たないと判断し、カタルーニャ州民を含むスペイン全国民の利益と安全を守るため、カタルーニャの自治権の停止と、それに伴い、同州の政治を中央政府が担うことを可能とする憲法155条の適用に向け、正式に必要な手続きを開始することを発表した。
政府は明後日、土曜日に臨時閣僚会議を開き、憲法155条の適用許可を議題として上院へ提出する事となる。
上院では政府与党のPPが議席の過半数を有しているため、これが可決されるのは確実と思われるが、同決議が行われるのは今月末の27日から31日ごろとされるため、それまで10日前後の猶予が、第3度目の期限としてプーチデモン州知事に与えられる事となる。
カタルーニャ自治州を政府がそのコントロール下に置くと言う、前代未聞の事態を招く事となるかどうかは、再び今後のカタルーニャ州知事の動向次第となる。

カタルーニャから脱出する企業数800社を超える

10月1日に行われた違憲州民投票以降、カタルーニャの社会情勢に不安を感じて同州からの脱出を決断する企業が急増し、その数は日々増え続けている。
違憲州民投票が行われてから10月7日までの1週間にカタルーニャからの登記住所の変更を行なったのは、カイシャ銀行、サバデル銀行、ガス・ナトゥラル社をはじめとする数社の関連会社だけだったが、これら大手企業の脱出を見て危機感が高まったからか、9日には212社が、10日には177社が、11日には155社が、そして12日の祝日を挟んだあと、13日には81社がカタルーニャから他地方への引っ越しを決定した。
その後、一時、その動きは静まるかに見えたが、17日には再び105社が移転を決定しており、すでに10月1日以降にカタルーニャが失った企業は800社以上に達する。


2017年10月17日(火)

カタルーニャ民族主義NGO団体代表2名を収監

最高裁判所のカルメン・ラメラ判事は昨日、カタルーニャ独立推進派協会ANCのジョルディ・サンチェス代表とオミウムのジョルディ・クイシャール代表をマドリッドの刑務所に収監させた。
容疑は騒乱を誘発し、治安警備隊の捜査を妨害した事によるもの。
事件は先月20日バルセロナで発生、治安警備隊が10月1日の違憲州民選挙に関連した捜査をカタルーニャ州政府の経済省で行った際、この2団体がネットで事実上の捜査妨害を 呼び掛けていた。
実際、経済省の周辺では平穏な集会とは程遠い雰囲気に包まれ、警察の車が完全に破壊されるなどの暴動が起きていた。
一方同判事は、やはり聴取を行ったカタルーニャ自治州警察幹部については証拠不十分として収監はせず、15日ごとの裁判所出頭や パスポートのはく奪及び出国禁止令を出すにとどまった。
この決定を受けてカタルーニャ州では各地で小規模な抗議集会が行われたが、ANCは本日、大規模な抗議デモを行うとしている。

カバ販売企業も州外に移転

カタルーニャ自治州による違憲州民投票直後から、その本部を他の自治州に移転する企業が相次いているが、中小企業も含めてその数は先週木曜日の時点で500社に上っている。
昨日はカタルーニャの名産品として知られる発泡ワイン「カバ」の製造販売企業コドルニュー社が、ワインの産地として知られるリオハへの移転を発表した。
同社の広報は、同州の不安定な政情を踏まえ、従業員や消費者の事を考えて、移転に踏み切ったと発表している。
尚、同社は以前からリオハにワイン農場や製造拠点を設けており、生産量などに影響はないとしている。
一方同業者であるフレシネ社も今月末に役員会を開き、今後の事を決定する方針。
カバはカタルーニャを象徴するワインとしてしばしば取りざたされ、クリスマスシーズンに不買運動の対象となったこともあった。

ティッセンでピカソ/ロートレック展

マドリッドのティッセン・ボルネミサ美術館では、本日から来年1月21日まで、ピカソ/ロートレック展を開催する。
ピカソがロートレックに大きな影響を受けていることはよく知られているが、これまでこの2大芸術家を同時に扱った特別展は開催されたことがなかった。
ピカソが19歳でパリに到着したのはロートレックが36歳で早逝する1年前であり、彼はすでにボルドーで死の床に伏していたため、二人が会うことはなかったが、ピカソの作品のあちこちにその影響が見られる。
今回は100点以上の作品が集められ、パリの風景やデッサンなどが展示される。


2017年10月16日(月)

カタルーニャ州知事、独立宣言について明確な言及せず

独立問題で揺れるカタルーニャのカルレス・プーチデモン州知事は、中央政府の要求に対し、文書で回答した。
これは、今月10日に州議会で行われた同知事の演説の際に独立宣言を行ったか否かという政府の質問に対する回答であった。
同知事は、この文書でカタルーニャ及び同州民に対する攻撃を控えるよう要求しているほか、2カ月以内に国内外の専門家を交えて、問題解決のための第一回目の交渉に応じるよう求めている。
しかしながら宣言についてはこの文書にも明言していないため、中央政府はこの文書を無効であるとし、ソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア副大臣は、「イエスかノーかと答えるのはさほど難しいことではない」と批判、早急に明確な回答を行うよう求めている。

カタルーニャ州、経済のマイナス面でも全国トップ

カタルーニャ州といえば、国内総生産の20%を占めるなど、スペイン経済を牽引する州のひとつとされているが、マイナス面でもトップに位置している。
報道によると、今年の第2四半期にローンや家賃の支払いが不能となり退去命令を受けた、またはそのプロセス中というケースは3千625件で全国1位、全体の21.5%を占める。
また、負債を抱えて破産、倒産した個人や企業の数も全国一だった。
さらに昨年の公債の金額は750億ユーロで全体の27%、こちらも全国トップであった。

マドリッドでアルフォンス・ミュシャ展開催

マドリッドのパラシオ・デ・ガビリアではアール・ヌーボーの父と呼ばれるグラフィック・デザイナー、アルフォンス・ミュシャの特別展を開催している。
ミュシャは現在のチェコ出身であるが、パリで活躍した。
今回の特別展では彼の出世作である演劇の宣伝ポスター「ジスモンダ」や「自画像」など200点以上の作品が展示される。
同展は来年2月25日まで。


2017年10月13日(金)

ユンケル委員長:EUのカタルーニャ問題への介入の可能性を再否定

カタルーニャ州政府は、これまで幾度かにわたって独立問題についての仲介役をEU政府に依頼しているが、EUはこれを拒絶する姿勢を維持している。
先日、10月10日に行われたカタルーニャ州知事による独立宣言を含めた演説においても、「カタルーニャ問題を、EUがEUの問題として取り上げるべきである」と主張したが、これについてユンケルEU委員長は、EUが同問題に介入することは、少なくともスペインの中央政府がそれを要請しない限りはあり得ないことを、改めて通達した。
また、委員長は独立問題について次のようにコメントした。
「カタルーニャの非合法なプロセスで進められてきた独立を認めるような事になれば、その他にも次々に独立問題が持ち上がり、
15年後にはEUは98か国で構成されるに至るであろう。EUは28か国だけでもなかなかまとまらないのが実状であり、
これが27か国に減ったからと言って、まとまりやすくなることは無いが、98か国にもなれば全く機能しなくなるだろう。」

カタルーニャ独立派政党による虚言が露わに

2015年、選挙運動の中でアルトゥール・マス元カタルーニャ州知事は、カタルーニャが独立してもこの地から金融機関が立ち去るようなことは無く、それどころか、この地から追い出されることが無いよう競って努力するだろうと、笑顔いっぱいで大言したのはまだ記憶に新しいが、それから2年経ち、独立プロセスが進められてきた今、カタルーニャの主要銀行であるカイシャバンク、サバデル銀行の2行が、すでにそれぞれバレンシア、そしてアリカンテへと避難し、大手企業が続々とそのあとを追っている。
このままでは、その場から動きようのない零細企業や公的事業とつながりのある企業しか残らず、カタルーニャの生産性は地に落ちるのが目に見えている、とカタルーニャ企業連副会長のカルラス・リバドゥーラ氏は言う。
現時点でカタルーニャ産の商品は、その43%がスペイン国内のその他の地方で消費され、また月額にして60億ユーロ分のカタルーニャ製品が海外輸出されているが、その内の64%がEU諸国向けとなっている。
ところが、カタルーニャが万が一独立するような事になれば、同時にEUから脱退する事となり、これによりスペインを含め、EU諸国全てとカタルーニャとの間に経済面におけるバリケードがはられ、EU諸国によるカタルーニャ製品に対する一種のボイコットが始まるため、孤立したカタルーニャの経済は大打撃を受けるであろう、と同氏は指摘する。


10月12日(木)はイスパニア・デーの祝日のため、ニュースはお休みとさせていただきます。


2017年10月11日(水)

カタルーニャ警察、10月1日の違憲州民投票開催のため治安警備隊の動きをスパイ

10月1日にカタルーニャで行われた違憲州民投票において、これの阻止命令を受けていたカタルーニャ州警察がその命令に従わず、治安警備隊や国家警察に協力するどころか、その邪魔をしていた疑いがあるとして捜査が進められているが、治安警備隊の動きを察知し、その事前捜査と当日の行動を阻止するための組織的スパイ行為がカタルーニャ警察によって行われていた事が明らかとなった。
カタルーニャ警察は最新のシステムを使って治安警備隊の連絡網を傍受、分析し、その動きを最小限に抑える働きをしており、また、後日の捜査を逃れるため、内部連絡はプリペイド式携帯電話を使うと言う、テロリストが常習する手段を講じていたことも判明している。
カタルーニャ警察が治安警備隊の動きを監視するために使用した、この最新モデルのシステムを導入するのに必要となった費用をどこから賄ったのか、現在調査している。

カタルーニャ州知事、独立宣言とその取り消しを同時に発表

昨夜、カタルーニャ議会において18時に行われる予定であったカタルーニャ州知事による「一方的独立」についての発表は、独立派政党内部での意見対立などが理由で、1時間以上遅れて始まった。
世界中の報道陣が注目する中、州知事の演説は約30分間続いたが、その内容は、その場を利用してカタルーニャがどれだけスペイン政府より不正な扱いを受けているかについて語ることにより、国際社会に対し、カタルーニャ独立運動の必要性と正当性を訴えかけるものとなった。
長い演説のあと、最後の1分間にスペイン全国民を始め、世界の報道陣が待ち構えていたテーマ、「独立か否か」についての発表が行なわれたが、州知事は、共和国としての独立を宣言した直後、その10数秒後には独立プロセスの中止を発表し、二つの相反する内容の発表をほぼ同時に行なうと言う、多くの人々にとって意味不明の発表を行なって演説を終了。
発表の順番からすれば、最初に独立宣言を行ない、その後、これを取り消したため、一般的には「独立宣言は行われたが、その意思はその場で取り消された」と言った解釈となった。
その後、独立派政党のメンバーが一人一人檀上に上がり、一旦、独立宣言書にサインを行なうと言う、一切法的効力を持たない、シンボリックな独立宣言証書のようなものが作成された。

独立を祝うつもりでカタルーニャ議会の周囲に集まり、独立宣言の瞬間を待っていた群衆は、一瞬、歓喜の様相に包まれたが、その直後、誰もが顔をしかめ、何が起きたのか判らないと言った表情に変わり、状況を理解出来たあとには、独立宣言を取り下げた州知事に対する罵声が飛び交う様が見られた。
尚、中央政府はこの州知事の演説について、その内容には不正確、更には事実と異なる情報が多く含まれており、州知事としての立場を利用した、国民、そして特に国際社会に対する情報操作を図るものとして、更には、民主国家への反逆と独立を促す扇動的発言としてこれを強く非難しており、本日、憲法155条の適用と、それによるカタルーニャ自治州の自治権停止処分を発令したが、この措置を避ける最後の可能性として、州知事に対し、昨夜の独立宣言と宣言の取り消しの同時発表と言う意味不明とも思える発表の中で、例えばシンボリックでもあれ独立宣言をしたのかどうかを明確にするよう要請。
州知事の返事次第で、カタルーニャ自治州の存続の有無が決まると言う状況となった。


2017年10月10日(火)

カタルーニャ独立宣言か?州議会周辺厳戒態勢

今月1日に行われた違憲カタルーニャ州民投票の結果を踏まえて、本日午後6時にカルレス・プーチデモン州知事が同州議会に出廷する。
事実上の独立宣言が行われるとみられるが、現在の状況から、その場合でも日付や日程などは特定しない、無期限の独立宣言となる可能性が高い模様。
州民投票以降、カタルーニャの大手2銀をはじめとした主要企業が続々とその本部の州外移転を発表、これまで目立たなかった独立反対派も先週日曜に大規模デモを行うなど、動きをみせている。
一方でCUP党などの独立推進派は、明確な独立宣言を迫っており、州知事は両サイドから強いプレッシャーを受けている。
州議会周辺では賛成・反対派がそれぞれ集会を予定しており、早朝から厳戒態勢が敷かれてている。

今年の軍隊パレード、例年より北寄りに

毎年10月12日のイスパニア・デーに行われるマドリッドの軍隊パレードのルートが発表された。
それによると、今年のパレードはカスティージャ広場から始まり、サン・フアン・デ・ラ・クルス広場で終わる。
また、国王夫妻や政府閣僚らの観覧席はサンティアゴ・ベルナベウサッカー場付近に設置される。
例年はネプチューン広場であったが、今年はより多くの市民が見物できるよう、カステジャーナ大通りのなかでも、より広いスペースがとれる北寄りに設置される。
また、今年はパレードに初めて国家警察の参加が予定されている。
尚、式典は午前11時開始で、パレードのほかに航空ショーなども行われる。

ムリージョ生誕400周年、600点以上の作品がセビージャに

セビージャ市は、同市出身の画家バルトロメ・エステバン・ムリージョの生誕400年の記念行事を、今年11月から来年12月まで開催する。
記者発表を行った同市市長によると、期間中セビージャに600点以上の作品が集められ、8つの特別展が開催される他、関連のコンサートやイベントが各地で行われるという。
尚、ムリージョ・イヤー最初のイベントは、マエストランサ劇場で行われるクラシックコンサートとなる。


2017年10月9日(月)

バルセロナで反独立集会

独立問題で揺れるカタルーニャの州都バルセロナで昨日、独立に反対し国の団結を訴える集会が行われた。
この集会には違憲である州民投票をごり押しし、独立を推進しようとする州政府のやり方に異議を唱える多くの州民が参加した。
ノーベル賞作家でスペイン国籍も所有するペルー人のマリオ・バルガス・リョサ氏がマニフェストを読み上げ、全国民の団結を訴えた。
一方、元経済大臣でカタルーニャ出身のジョセップ・ボレル氏も、カタルーニャ語で演説を行った。
同様の集会はこの週末、国内各地だけでなく、ヨーロッパの主要都市でも行われた。
尚、この集会の参加人数は主催者発表では95万人、警察発表では35万人となっている。

独立問題で、州外に口座開設急増

先週、カタルーニャの大手2銀行が独立問題を受けてその本部の州外移転を発表したが、この状況に不安を感じて預金を州外の口座に移動する州民が急増しているという。
州内の銀行窓口には、独立した場合預金がどうなるかを問い合わせる人が列を作っている。
どの銀行も、独立が起きた場合でも預金の安全を保障しているが、希望者には近隣の州の支店に口座を開設し、そこに送金することを勧めているという。
事実、州境にあるアラゴンのウエスカやバレンシアのカステジョンなどに口座を開設した人が急増している。
但し銀行側は口座を開設した顧客はごく一部で、パニック状態にあるわけではないとしている。

マドリッド市、グランビアの自家用車通行禁止を撤回

マドリッド市の交通担当官は先週、目抜き通りのグランビアをクリスマスシーズン以降も交通規制を行い、公共交通機関や居住者以外の車両通行を禁止すると発表していたが、これを撤回し、クリスマス以降は通常通り通行できるようになると訂正した。
ただし、シーズン終了後は歩道拡張工事を開始するため、車線が上下1本づつ閉鎖される。
尚、工事終了後には一般車両の通行は禁止となる見通し。
同市によると、現在グランビアの車両通行量は一日平均5万5000台で、これを1万台まで減らす計画であるという。


2017年10月6日(金)

大手企業、続々とカタルーニャから撤退

カタルーニャの一方的な違憲独立宣言を目の前に、同地方2大銀行であるサバデル銀行はその本部をアリカンテへ、カイシャ銀行はバレンシアへ移す事を決定したが、銀行だけでなく、その他の企業も同様にカタルーニャからの撤退の準備を進めている。
こう言った経済界の動きがあることはカタルーニャ企業連を始め、各方面から独立派勢力に対し警告が出されていたが、独立を進めるカタルーニャ州政府はこれら忠告に耳を貸すどころか、州民に対し、そのような事は起こりえないと断言していた。
そして今、来る月曜日に一方的独立宣言が行われる可能性が高まる中、その悪影響をすでに大きく受け始めた銀行が、その被害が拡大する前に早急に 撤退行動を開始したが、これに続いて、光熱費供給会社の大手であるGas Natural Fenosa社や、高速道路、テレコミュニケーションなどのインフラ設備関連の最大手であるAbertis社なども、一方的独立宣言が行われた時点でのカタルーニャ撤退を予告している。
また外国資本企業についても同様の動きが見られ、Volkswagen、 Bayern、 Lidlなどが、一方的独立宣言があればカタルーニャから撤退すると予告している。


2017年10月5日(木)

バンコ・サバデル、カイシャ・バンク、バルセロナから移転か

カタルーニャ危機によるスペイン企業の株価への影響が拡大する中、カタルーニャの主要銀行であるバンコ・サバデルとカイシャ・バンクは、その登記住所を他地方へ移す可能性について検討している。
サバデル銀行は本日の午後の臨時会議で決定を行なう予定としており、移転先としてはマドリッド、アリカンテ、オビエドなどが選択肢として挙がっている。
また、カイシャ銀行もまだ決定時期は定まっていないが、バレアレスへの移転を検討中とのこと。
両銀行共に、万が一、カタルーニャがスペインから独立するような事があれば、それはスペイン、そしてEUの預貯金保障システムから除外され、顧客の財産が危機にさらされることになるため、登記の移転は、そう言った事態を防ぐための必用措置であるとしている。

憲法裁判所、月曜日のカタルーニャ州議会開催に中止命令

来る月曜日に予定されているカタルーニャ州議会で、10月1日に行なわれた違憲州民投票の結果についての評価が行われ、これに基づいて一方的な スペインからのカタルーニャ独立宣言が行われる可能性があるが、これについてカタルーニャ社会党が憲法裁判所に対し、その開催停止を求めていた。
これに対し、憲法裁判所は本日、違憲投票に関する協議が予定されている月曜日の州議会開催中止命令を下した。
これにより、仮に月曜日に州議会が開催されどのような決議が行われたとしても、その全てが法的に無効なものとなる。


2017年10月4日(水)

カタルーニャにおける警備強化、10月12日まで延長

カタルーニャへの治安警備隊や国家警察の特別動員体制は、当初10月5日までとされていたが、当地における状況が悪化するなか、内務省は同体勢を全国共通の祝日である10月12日まで延長することを決定した。
治安警備隊、国家警察官へのカタルーニャ独立派勢力による圧力は高まる一方で、幾つかの市では、内務省が契約して警官隊の宿舎として利用していたホテルが、独立派市長や市民からの圧力に負け、警官隊をホテルから追い出すと言う事態に至っている。

カタルーニャ市民協会、沈黙の反対派勢力に大規模デモの呼びかけ

カタルーニャ市民協会、Societat Civil Catalana は、カタルーニャ独立に反対する「沈黙の大多数」に対し、反独立の大規模デモへの参加を呼びかけた。
デモは10月8日、日曜日の12時にバルセロナ市の中心部、ウルキナオナ広場において行われる予定。

失業者数27.858名の増加

夏のバカンスシーズンが終わる9月は、例年、失業者数が増加する傾向にあるが、今年もその例にもれず、昨日の政府発表によると、9月の失業者数は27.858名の増加となり、総失業者数は3.410.182名となった。

スペインにおけるツーリストの消費額14.2%増加

国家統計局の発表によると、今年1月から8月までの8か月間にスペインを訪れた外国人ツーリストが消費した金額は604億6100万ユーロに達し、昨年度同時期と比べると14.2%の増加となり、これまでの記録を更新した。
バカンスシーズンである8月の1カ月間だけでも、外国人ツーリストによる消費金額は113億4200万ユーロにのぼり、前年度同時期比較10.3%のプラスとなっており、月々の前年度比較としては63カ月間に渡って上昇を続けている。


2017年10月3日(火)

カタルーニャでゼネスト開始

カタルーニャ自治州は、今月1日の州民投票実施に対する国家警察などの実力行使に抗議して、本日ゼネストを開始した。
公務員たちがストに参加しても欠勤扱いにならず、ミニマムサービスも25%に設定されるなど、州政府は特例措置を行った。
尚、本日のストには公共交通機関、医療機関、教育機関などが参加、サッカー1部リーグのFCバルセロナも参加を表明している。
一方で、2大労働組合であるCCOOとUGTはこのストから距離を置くという姿勢を表明し、話し合いによる解決を求めている。
現在、同州内では40以上の自動車道が閉鎖され、各地で大渋滞が発生している。
また、スペイン国鉄レンフェは151便の高速列車AVEをキャンセル、空の便も25%のミニマムサービスで運航されている。

サッカースペイン代表の公開練習、ピケに壮絶なヤジ

サッカーのスペイン代表チームは昨日、マドリッドのラス・ロサスで公開練習を行った。
バルサ所属でカタルーニャの州民選挙を支持し、先日の警官隊による実力行使も批判していたDFジェラール・ピケがピッチに登場すると、観客席からすさまじいヤジが飛び交った。
「ピケ、出ていけ」といったものから、「ビバ・エスパーニャ(スペイン万歳)」といったフランコ独裁政権時代を彷彿とさせるものもあった。
同選手を揶揄する横断幕を持ち込んだ者もおり、警備員によって没収されたが、中には表現の自由を掲げてこれを拒否する者もおり、治安警備隊が介入する一幕もあった。

英LCC破綻、スペインでは12空港に影響

英国の格安航空会社モナークは、先日経営破綻と運航するフライトの全便キャンセルを発表したが、これによりスペイン国内では12の空港の69便に影響が出る。
同航空会社は主に英国からのツーリストがスペインの海辺のリゾート地へ向かうのに利用されており、スペイン発着便の多くはカナリアスやバレアレスに集中している。
影響を受けるのは、バレアレス諸島のイビサ、メノルカ、パルマ、カナリアス諸島のフエルテベントゥーラ、グラン・カナリア、ランサロテとテネリフェ、さらにアリカンテ、アルメリア、バルセロナ、マドリッドとマラガ。


2017年10月2日(月)

カタルーニャ州民投票、90%が賛成と発表

昨日カタルーニャ自治州政府が強行した独立の是非を問う州民投票は、未明に開票結果が発表された。
それによると賛成票は226万2424票で、全体の90%に相当するという。
同州広報担当官は、さらに400の投票所が閉鎖され、大量の投票用紙が押収されていることを挙げて、これがすべての結果でないことを強調した。
一方、同州のカルレス・プーチデモン州知事はこれに先立って会見し、事実上の勝利宣言を行い、数日中に「独立」宣言を行うことを示唆した。
尚報道によると、州政府は投票開始の45分前にシステムを変更し、身分証明の提示や投票用の封筒が不必要となり、一部で2重投票などの不正行為があったとみられる。

州政府、警察介入の負傷者は893名と発表

昨日実施されたカタルーニャ州民投票のために、全国から千人近い国家警察と治安警備隊の警官が現地に派遣されていた。
州内各地ではこれら警官隊と市民との衝突が相次いで起きたが、同州ではこれらの事件による負傷者を893名と発表している。
このうち1名が国家警察官が発砲したゴム弾により目を負傷、また心臓発作を起こして重体の男性もいるという。
一方スペイン内務省は、19名の国家警察官と14名の治安警備隊員が負傷したと公表している。
さらに少なくとも6名が公務執行妨害などの疑いで逮捕された。
このうちもっとも衝突が大きかったのはジローナにある投票所で、州知事の投票が予測されていたため、50人以上の警官が窓ガラスを割って突入し、会場を封鎖した。

FCバルサ、抗議のためリーガの試合を非公開

カタルーニャ州民投票の実施の支持を表明していたサッカースペインリーグ1部のFCバルセロナは昨日、その状況から判断して、スペインプロサッカー連盟に対ラス・パルマス戦の延期を申し入れたが、拒否された。
同クラブではこの対応に抗議して、同試合の開始26分前に非公開にすると発表、無観客の状態で試合が行われた。
FCバルサは同日正午過ぎに緊急会議を開いて、試合延期を検討し要請したが、同連盟は延期する明確な理由が見当たらないとしてこれを拒否した。
尚、試合は3対0でバルセロナが勝利した。


2017年9月29日(金)

カタルーニャ自治州の国庫への債務総額、525億ユーロに

スペイン銀行の発表によると、今年第2・四半期におけるカタルーニャ自治州のスペイン国庫への債務総額は、524億9900万ユーロに達しており、240億3000万ユーロの債務を負うアンダルシアの2倍以上、また、354億500万ユーロのバレンシアが負う債務よりもはるかに上回っている。
カタルーニャの債務は今年3月には506億7700万ユーロであったため、その後の僅か3か月間で3、5%の増加となった。

カタルーニャ警察、違憲州民投票開催に関与しない可能性を示唆

スペイン内務省は、10月1日にカタルーニャで予定されている違憲州民投票開催について、これを協力して阻止するよう治安警備隊、国家警察、 そしてカタルーニャ警察に対し命令を下しているが、カタルーニャ内務局は、カタルーニャ警察は投票開催については関与しない可能性もあると している。
中央政府内務省は治安警備隊、国家警察、カタルーニャ警察の各機構が合同作業を行なうにあたって、その指揮権を治安警備隊に与えたが、カタルーニャ州はこれを否定し、同州警察は独自の判断を優先し、内務省の命令には従わない姿勢を見せている。

バルセロナのエル・コルテ・イングレス、10月1日は閉店

バルセロナ市内中心部にある大手デパート、エル・コルテ・イングレスは、10月1日も営業を行なう予定であったが、違憲州民投票開催予定日と 重なり、当日の社会状況の予測が困難であるため、閉店することを決定。
その他、Zara、Pull & Bear なども営業を予定しているが、現時点で予定どおり開店するかどうかについての発表は無い。


2017年9月28日(木)

バルセロナ市警、投票箱監視

バルセロナ市警察は本日、同市内に保管されている国所有の投票箱の監視を開始した。
この投票箱は国政選挙に使用されるもので、管理は市が行い、市営の倉庫に保管されている。
同市警は検事総長の命令を受けて、これらの投票箱が来月1日に計画されているカタルーニャ自治州の州民投票に利用されないよう、当日まで監視する。

ライアンエアーキャンセル拡大、スペインでは2路線に影響

アイルランドのローコスト航空ライアンエアーは、あらたに今年11月から来年3月にかけて運航路線のキャンセルを行うと発表した。
発表された全34ルートのうち、スペイン発着便は2路線だった。
1つはカナリアス諸島のラス・パルマスとスコットランドのグラスゴーを結ぶ路線で、現在週1便が運航している。
もう1つはカステジョンとブルガリアのソフィア間で、こちらは週2便運航している。
同航空会社によると、期間は11月17日から来年3月18日までで、所有する400機のうち25機が運行停止、40万人の利用者に影響がでるという。
一方、スペイン旅行業経営者協会は、直接・間接的損害を被るとして、法的手段に訴える構えであることを発表している。

カタルーニャ影響?スペイン国旗の注文3倍に

経済紙インテルエコノミアによると、スペイン国旗の注文がここ数カ月で大幅増加し、通常の3倍近い数値に達しているという。
国旗の製造販売を行うマドリッドの老舗企業の社長によると、先月は最も売れ筋の100x150センチの商品は1万枚以上、それ以外の製品も7000枚程度販売したという。
同社長は、これまで国旗と言えばサッカーの試合であったが、愛国心から購入する人が増えたようだと語っている。
同社では経済危機の時には利益が半減するなど苦しい状況にあったが、カタルーニャの独立問題で思わぬ恩恵を受けることとなった。
尚、カタルーニャ独立のシンボルであるエステラーダは、サッカーに使われる旗と同様中国製であるため、同社では製作販売を行っていないという。


2017年9月26日(火)

検事総長、州知事に対する逮捕の可能性示唆

国家総合検察のホセ・マヌエル・マサ検事総長は昨日、カタルーニャのカルレス・プーチデモン州知事の逮捕状を請求する可能性について言及した。
ラジオ番組に出演した同総長は同州知事について、背任、不服従と公金横領の嫌疑があり、特に横領については最高8年の刑に該当すると述べた。
しかしながら現時点では逮捕状の請求は適切でないとして、今すぐ逮捕される可能性はないとした。
一方で、違法州民選挙の取り締まりに対する検察の手段に対する批判があることについて尋ねられると、これを否定し、解決に向けて総力を挙げて努力していることを強調した。

レイナ・ソフィア、個人寄贈絵画の特別展開始

マドリッドのレイナ・ソフィア美術館では本日より元画廊経営者であるソレダ・ロレンソさんの 寄贈作品の特別展を開始する。
ロレンソさんは1986年マドリッドに画廊を開き、スペイン現代アートの象徴的存在となった。
2012年にギャラリーの閉鎖を決めた際、同美術館への寄贈を思い立ったという。
同氏は、レイナ・ソフィアが所蔵すれば多くの市民が楽しむことができると考えたといい、89人のアーティストによる計392点を寄贈した。
これらの作品の特別展は2度に渡って開催され、今回の展示は11月27日まで、2回目は12月19日から来年3月5日まで開催される。

サン・セバスチャンにターミネーター出現

現在開催中のサン・セバスティアン映画祭に昨日、ターミネーターことアーノルド・シュワルツェネガーが到着、著名なハリウッド俳優をひとめ見ようとマリア・クリスティーナホテルの前には大勢の人だかりができた。
今回の訪問は自らプロデュースし、ナレーションも務めた環境保護を訴えるドキュメンタリー映画の宣伝のためで、今年の映画祭のゲストの中で最も注目をされているスターのひとりだった。
元カリフォルニア州知事の同氏は、政治の話はしないとしたものの、環境保護の大切さを訴え、パリ協定から離脱したトランプ政権を暗に批判した。
尚、映画「ターミネーター2」のスペイン語吹き替え版では主役のシュワルツェネガーが「アスタ・ラ・ビスタ」という部分が「サヨナラ」と変更されていたため、同氏に向かってサヨナラと叫ぶファンもいた。


2017年9月25日(月)

州民投票関連の偽ウェブ登場

カタルーニャ自治州政府が来月1日に計画している違法州民選挙に関する偽ウェブページが登場した。
これは、同州政府が開設し、その後司法裁判所によって閉鎖された「公式」ウェブと非常によく似たデザインで、生年月日、国民身分証明番号と居住地の郵便番号を入力すると、最寄りの投票所が表示されることになっている。
しかしながら実際に入力してみると、居住地から数十キロ離れた場所が表示されるという。
また、実在しない身分証明番号や郵便番号、さらにはありえない生年月日を入力しても投票所が表示されるという。

レンフェ、2時間足らずで2万5000枚の切符販売

スペイン国鉄レンフェは、本日午前零時より公式ウェブにて列車チケットの特別キャンペーンセールを開始したが、1時間45分で2万5000枚のチケットを完売した。
このセールは高速列車AVE運行開始25周年を記念したもので、毎月25日に2万5000枚のチケットを25ユーロで提供するもので、今回で6回目となる。
今回のセールは来月1日から11月30日までの旅程が対象で、高速列車と長距離列車が利用できる。
今回もこれまでと同様、セール開始直後からアクセスが極端に増えたため、ウェブの反応が遅くなりエラーも多発し、多くの利用者からクレームが出た。
これについてレンフェは、今後もできるだけスムーズに利用してもらえるよう、ページの質の向上に努めるとしている。

ビルバオ美術館、ピカソの「肘掛け椅子に座る女」を展示

ビルバオ美術館では明日から来年2月27日まで、パブロ・ピカソの「肘掛け椅子に座る女・ドラ」の特別展示を行う。
この作品は1938年に描かれたもので、タイトル通りピカソの愛人のひとりであったドラ・マールがモデルとなっており、前年に製作された「ゲルニカ」と同様の作風となっている。
同作品はスイスの財団が所蔵しているが、ゲルニカ製作80周年の特別展が行われていたマドリッドのレイナ・ソフィア美術館で展示されていた。
ビルバオ美術館の館長は、この作品の展示により、世界的に著名な芸術作品が少ないパイス・バスコにおいて埋め合わせができた、とコメントした。


2017年9月22日(金)

グラナダ、地下鉄運行開始

グラナダの新しい交通機関として、地下鉄が昨日よりそのサービスを開始した。
一日当たり3万人の利用者数が予想されるこの地下鉄は、グラナダ市、アルミージャ市、アルボロテ市、マラセナ市の4つの市をまたぐ形で運行され、その16キロの路線には地上駅を23個、地下駅を3個有している。
また線路の83%が地上を通り、残り17%が地下を通っている。

カタルーニャ州政府、Twitterを通じて投票会場を通知

国家警察と治安警備隊、並びに法順守を基本と考えるカタルーニャ警察の一部の警官等による、関係諸機関への立ち入り捜査や違憲投票の準備に 関与する人物の逮捕が進められる中、カタルーニャのプーチデモン州知事は個人のTwitterを通じて、10月1日の投票会場の通知を開始した。
州知事のTwitterに記されたWEBページに入ると、カタルーニャ住民は自身の身分証明証番号と生年月日、そして住居の郵便番号を打ち込む事によって、投票会場となる学校の住所が表示されるシステムとなっている。


2017年9月21日(木)

ラホイ首相、カタルーニャ州知事への最後通告

昨夜、ラホイ首相はカタルーニャのプーチデモン州知事に向け、違憲投票の中止を要求する最後通告を行なった。
その中で首相は、「政府は武力介入を含めた全ての法的措置を取る」ことを明らかにし、これ以上の状況悪化を防ぐためにも、一刻も早く違憲投票の中止を発表するよう通達。

治安警備隊員、カタルーニャ経済局に20時間閉じ込められる

昨日の朝、カタルーニャ州政府の諸機関への立ち入り捜査が開始されたが、これに抗議する多数の民衆が現場へ詰めかけ、捜査の妨害をしようとする 光景が見られた。
そう言った状態が続く中、更に多数の民衆が集結し、駐車してあったパトロールカーが破損し、立ち入り捜査に入った治安警備隊員が外へ出られなくなり、閉じ込められると言う事態に発展。
立ち入り捜査で建物内部へ入ってから、実に20数時間経った今朝になって、ようやく脱出できた。


2017年9月20日(水)

カタルーニャ違憲独立プロセス関連速報:

*14名を逮捕、カタル―ニャ州政府機関への行政調査開始

今朝、治安警備隊によるカタルーニャ州政府機関への本格的な立ち入り調査が 開始され、現時点で14名が逮捕された模様。
14名の中にはカタルーニャ副知事を務めるオリオル・ジュンケラスの片腕であり カタルーニャ州政府の経済局長を務めるジョセップ・マリア・ジョベ氏をはじめ、 副知事の下で違憲州民投票の準備を進めていた数人のチームが含まれる。
また、行政立ち入り調査の対象となったのは現時点ではカタルーニャ州政府の 経済局、外務局関連など、複数に及んでいる。
立ち入り調査が始まった建物の入り口には独立派市民等が多数集結し始め、 その中には治安警備隊のアクセスを阻止しようとする者もあり、現場での緊張が 高まりつつある。
内務省は、これらの状況を受け、カタルーニャに配備されている治安警備隊員、 国家警察官に対し、今後、10月5日までの間、すでに認可済みであった 休暇やバカンスなどの取り消しを通達。

*FCバルサ 違憲独立プロセス擁護を公式発表

スペインサッカーリーグの主要チームの一つであるFCバルサが カタルーニャ独立違憲プロセスを進める全ての人々、全ての機関の側に立って その運動を擁護すると発表。

*ラホイ首相 PSOE、CIUDADANOSの党首を招集

カタルーニャのカルラス・プーチデモン州知事による「違憲州民投票を中止する 意思無し」の発表を受け、マリアノ・ラホイ首相はこれより10月1日まで 政府がどのような対応を続けるかについての説明を行なうため、 PSOEのペドロ・サンチェス党首、CIUDADANOSのアルベール・リベラ党首等に 対し招集をかけた。

*国家警察、カタルーニャのCUP本部に強制行政調査開始

カタルーニャの極左翼・独立過激派政党であるCUPの本部に国家警察が 強制立ち入り調査を開始。


2017年9月19日(火)

政府、北朝鮮大使に退去通告

スペイン政府は昨日、駐スペイン北朝鮮大使に対して、今月末までに国外退去するよう通告したと発表した。
国連総会出席のためニューヨークを訪れているアルフォンソ・ダスティス外務大臣が明らかにした。
これは北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に抗議するもので、同大臣は「これらの行為は世界の安全と平和に対する脅威である。」と判断したためと述べた。
尚、政府は先月末にも同大使を外務省に招集し、外交官の人数を削減するよう要求している。
駐スペイン北朝鮮大使館は2014年に開設された。

ライアンエアーのキャンセル、スペイン発着便にも影響

アイルランドのローコスト航空会社ライアンエアーは先週、10月末までの間に1日40〜50便のフライトをキャンセルすると発表した。
これは、従業員のストライキ、悪天候やパイロットらの休暇が重なり、定時発着のパーセンテージが80%を切ったためで、この措置により期間中2000便以上がキャンセルされることとなる。
昨日月曜日のスペイン発着便は、バルセロナ発ポルト、ロンドン、ダブリン、ミラノ行やマドリッド発着の4便など、計16便がキャンセルされた。
また、本日はバルセロナ発の5便やマドリッド発の3便等が欠航した。
同航空会社ではチケットの払い戻しや振り替えを約束しているが、消費者団体FACUAは損害賠償の請求も行うよう呼び掛けている。

カディスのIU、闘牛士の勲章はく奪を要求

左派連合(IU)カディス支部は、同県議会に対し、同県出身のフアン・ホセ・パディージャ闘牛士に授与した勲章のはく奪を求めた。
これは先週ハエンで行われた闘牛後、同闘牛士がフランコ政権時代の紋章入りの国旗を背中に巻いて行進したことに対するもので、このような人物は県の勲章に値しないと批判した。
また同県へレス市でも、ポデモス党がこれを受けて、同闘牛士の名前が付けられた通りの名称を直ちに変更するよう求めた。
これについてパディージャは、勝利に感動して、客席から投げられた国旗を体に巻いたが、紋章には気が付かなかったとコメントしている。
また、スペインの国旗には違いなく、自分の国を象徴するものであるが、自分はフランコのシンパでもなく、ましてや挑発しようなどと言う気はまったくなかった、と釈明した。


2017年9月18日(月)

市民警備隊、サバデルで州民投票の資材を押収

市民警備隊は本日、カタルーニャの州民投票に使用されるとみられる投票箱などをバルセロナ県のサバデルで押収した。
それによると、現場は同市の工場地帯にある倉庫で、様々な資材が見つかったという。
また昨日日曜日には、やはりバルセロナ県内で130万枚以上の選挙活動用ポスターやチラシなども押収されている。
さらにその前日にもポスターなどの印刷用機材が県内で押収されている。

8月の消費者物価指数、1.6%上昇

国家統計局(INE)は先月の消費者物価指数の最終結果を発表した。
それによると、8月の数値は前年同月比1.6%上昇した。
また7月の数値からは0.1ポイント上昇している。
INEではこの上昇の理由について、燃料の値上がりにより運輸関係や光熱費が上昇したことによるとしている。
一方で果物の値段や保険料、通信費などは値下がりしている。

マドリッドでアルモドバル監督撮影の作品展示

マドリッドのフレッシュ・ギャラリーでは今月21日より、スペインを代表する映画監督の一人であるペドロ・アルモドバル氏が撮影した作品の特別展を開催する。
同氏によると、これらの作品は写真で綴る自身のバイオグラフィーで、ほとんどが普段身の回りにある物が撮影対象となっている。
そして、ある日退屈しのぎに目の前にあったコップに花を入れて撮影したのがきっかけだったと語っている。
。 尚、収益はNGO団体に寄付されるという。
この展示は来月25日まで開催される。


2017年9月15日(金)

7月の住宅売買件数、16.8%増加

国家統計局(INE)の調査によると、今年7月の住宅売買件数は3万8441件で、前年同月比16.8%増加した。
これで前年比の数値は3カ月連続の増加となる。
このうち中古物件は17.7%増加して3万2049件、新築物件は12.5%増加した。
一方で、6月の数値と比較すると12%減少している。
これらの数値を自治州別でみると、最も増加率が高かったのがリオハで、これにラ・マンチャとマドリッドが続く。
逆に増加率が低かったのはエクストレマドゥーラとガリシアだった。

郵政局、州民投票関連書類の不配を局員に命令

スペイン郵政局は、カタルーニャ自治州の独立の是非を問う州民選挙に関するあらゆる書類の配達や送付を行わないよう局員に通達した。
これらの書類は、宣伝のビラや選挙管理人の招集文書なども含まれている。
同局の広報担当官によると、この件については州内のすべての郵便局に通達され、関連郵便物を発見した場合はただちに上司に報告するよう指示しているという。
一方、同州の地方ラジオ局の報道によると、自治州政府はこれを受けて、代替案を検討中という。

マドリッド市、アトレティコの新スタジアム来場者に公共交通機関利用を呼びかけ

サッカースペインリーグ1部のアトレティコ・デ・マドリッドは、今週土曜日に初めて、新スタジアムであるワンダ・メトロポリタノサッカー場で試合を行う。
マドリッド市役所の広報担当はこれに先立って会見を行い、来場には必ず公共交通機関を利用するよう呼び掛けた。
同スタジアムは収容人数は7万人近いが、駐車場の収容台数は3000台しかないため、車を利用しないことは「最重要ポイント」であるとしている。
またこの駐車場は、試合当日はクラブが管理し、事前予約制の上、ドライバーを含めて最低でも2名以上が乗車していないと駐車できないという。
さらに同広報担当は、セキュリティの都合上、2時間前には到着するよう求めた。
尚、同スタジアムには市バスのほか地下鉄も乗り入れているが、スタジアムに向かう出入り口の工事の遅れが問題となっていた。


2017年9月14日(木)

フェリペ国王、カタルーニャ問題に言及

フェリペ6世国王は昨日、カタルーニャ州議会が州民選挙法を可決して以来初めて、カタルーニャについて言及した。
レティシア王妃と共に2016年度国民文化賞の授与式に出席した国王は演説の冒頭で、「初めに、カタルーニャで起こっている問題について言及することをお許しください」と話し始めた。
この中で国王は、「すべての国民に自由が保障されています。皆さんご存知の通り、我々スペイン国民が手に入れるのに大変苦労した自由です。しかしながらいかなる考え方も憲法の下にあり、民主主義における共存を促すものでなけらばなりません」と述べ、憲法違反を犯している自治州政府をけん制した。

州民投票のウェブ、閉鎖直後に新たに開設

市民警備隊は本日、裁判所命令によりカタルーニャ州政府が開設した州民投票のオフィシャルウェブを閉鎖した。
関係筋によると、同警察はこのページを管理するバルセロナの企業に司法命令の書類を直接持参、このウェブはただちに閉鎖された。
しかしながら、カルレス・プーチデモン州知事は、その直後に自身のツイッターにあらたに海外のドメインのアドレスをアップした。
さらに同知事は、メディアのインタビューの中で現代のネット時代に国境はないとして、政府の対処を19世紀のやり方であると揶揄した。
一方で、州民投票の開催が周知の事実となったためこのページの役目はすでに終わっているともコメントした。
尚、この海外のドメインにはウィキリークスのジュリアン・アサンジェ氏が関わっているという。

ナダルのツィッター、ハッカー被害に

テニスの世界ランキング1位でマジョルカ出身のラファエル・ナダルの公式ツイッターがハッカーに遭った、と本人が報告した。
ナダルは「自分のアカウントが一時的にハッカー被害に遭い第三者に利用されましたが、取り戻すことができました。非常に残念なことです。」と述べた。
乗っ取りが起きた直後には、下院議会において、カタルーニャの州民投票を支持する政党の議員とソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア副首相との応酬の場面のビデオと共に、副首相を応援するコメントがアップされた。
尚、ナダルは先日、アメリカからの帰国の際にカタルーニャ問題に対するコメントを行い議論を呼んだ。


2017年9月12日(火)

ディアダのデモ、参加者の数値にばらつき

スペイン継承戦争でバルセロナが陥落した日である9月11日のディアダ。
カタルーニャの祝日であるこの日、今年も独立推進派が中心となったデモ行進が行われたが、10月1日に予定されている州民投票と8月に起きたテロを受けて、例年以上に緊迫した雰囲気に包まれた。
カタルーニャ自治州政府の独立推進政策が強硬であることに反発する州民も多いためか、昨年や一昨年に比べると参加者はやや少なめで、中央政府は35万人と発表している。
さらに統計やコンピュータによる解析を行ったカタルーニャ市民協会の発表では、その数値は22万5000人にとどまっている。
しかしながら州政府は、その数値を100万人と発表しており、中央政府発表との間に大きな差が発生している。
それでも投票箱と投票用紙が描かれた巨大な旗がそれぞれ参加者によって運ばれ、投票が実現するというシンボリックなイベントが大々的に行われた。

ダリの娘と主張の女性、結果を疑問視

自分はダリの娘であると主張し、DNA鑑定を求めていたピラール・アデルさんは、ダリの娘ではないとの判定を不服とし、上告する構えであると述べた。
国営放送のインタビューに応じたアデルさんは、ダリ美術館に埋葬されている遺体から採取されたDNAの保管状況などに疑問を持ち、別の解剖医に調べてもらうよう要求するとしている。
一方で、鑑定を指示した女性判事の事を信頼しており、確固たる理由があったからこそ、命じたのであろうと述べた。
また、サルバドール・ダリ財団から遺体発掘費用を請求される可能性があることについては、自分には支払い能力はないと強調した。
さしあたって、今月18日に予定されている「父子関係の認定」の裁判は中止するという。

シートベルト着用監視レーダー、運用開始

総合交通局(DGT)は、昨日よりシートベルトを着用していないドライバーを監視するレーダーの運用を開始した。
今回は50台設置されたが、最終的には計220台が運用される。
違反者には自動的に撮影された写真が送付され、罰則は200ユーロの罰金と3ポイントの減点となるが、 開始から2カ月は適用されず、違反の通達のみになるという。
DGTではこれに合わせて、昨日からシートベルトとチャイルドシートの適正な使用をチェックする強化週間も開始した。


2017年9月11日(月)

50%以上のカタルーニャ人、州民投票は無効

カタルーニャ州政府が来月1日に実施を予定している州民投票について、全国紙エル・パイスが世論調査を行った。
それによると、56%のカタルーニャ州民が現在の同州政府のやり方は無効、もしくは違法行為であると回答した。
特に18歳〜36歳の若者の間では、この数値が63%と高くなっている。
また82%の回答者が、州民投票実施に対する中央政府の対応を批判し、独立の気運を弱体化させるどころか、むしろ強化することに貢献しているとしている。
さらに66%が現在のカタルーニャの政情は良くないとし、44%が州民投票法の可決について納得していないと答えた。
一方、投票が行われた際には、たとえ独立賛成派が多数であっても、一定以上の投票率が必要であると回答した人は56%だった。

国家警察、地下鉄で人種差別の男を逮捕

国家警察は、マドリッドの地下鉄車内でムスリムのカップルに暴言を浴びせた後に逃走した男を特定し、先週金曜日に逮捕した。
事件は先週水曜日の正午前に発生。
同地下鉄6番線走行中の列車がレプブリカ・アルヘンティーナ駅に到着した時、40代の男がムスリムのカップルに、自分の国に帰れ、マドリッドから出ていけ、などと罵声を浴びせ、ベールを被った女性に手をかけようとした。
その時点で居合わせた他の乗客が男を非難し、「自分が降りろ」などと叫んだため、この男は下車を余儀なくされた。
しかしながらこの男は、降車後も罵声を浴びせ続け、最後はナチスの敬礼を行ってその場を去った。
運転士は警察に通報、乗客が撮影した映像と列車やホームの監視カメラを解析し男を特定、逮捕した。

マドリッドのプエンテ・デ・バジェカス地区、スポーツ施設の名称をアンヘル・ニエトに改称

マドリッド市南部のプエンテ・デ・バジェカス地区では、市営スポーツセンターの名称を、8月に亡くなったバイクの元世界チャンピオン、アンヘル・ニエトさんの名前に変更すると発表した。
ニエトさんはサモラの出身だが、1歳の時に家族と共に同地に移住し、バイクの修行のためバルセロナに引っ越すまで、この地区で過ごした。
そのためバジェカスへの愛着は強く、たびたび戻ってきてイベントなどにも参加していた。
尚、同地区ではこのほか、地区内の通りまたは広場の名称をアンヘル・ニエトに変更する事や、2013年に閉鎖されたアンヘル・ニエト博物館の再開なども検討している。


2017年9月8日(金)

司法裁判所、州民投票法認めず

水曜夜にカタルーニャ州議会で可決された独立の是非を問うための州民投票法について、スペイン中央政府がその違法性を訴えていた。
これについて司法裁判所はその訴えを認めたため、可決から24時間足らずで、この新法の施行は暫定的に停止されることとなった。
また、マリアノ・ラホイ首相は昨日緊急会見を開き、州民投票の違法性を主張し、カタルーニャはあくまでスペインの一部であることを訴えた。
一方カタルーニャ州議会では、カタルーニャを共和国とするための新たな法律が可決されたが、前日同様、主要政党が退出して棄権した。

マドリッドのレンタサイクル、メトロのカードで利用可能に

先日導入された、マドリッド自治州の様々な公共交通機関で利用できる非接触型カードが、年内に市営レンタサイクルでも利用できるようになる。
これは同州のクリスティーナ・シフエンテス知事が明らかにしたもので、先日工事が終了した地下鉄5番線の駅を視察した際にコメントした。
レンタサイクルはマドリッド市の管轄であるため、市との協議が必要だが、早ければ10月、遅くとも年末までには利用可能となる模様。
このカードは地下鉄、バス、近郊線などで利用でき、1回券、回数券や割引適用者向けの料金など、さまざまな料金体系に対応している。

グッゲンハイムの入場者記録更新

ビルバオのグッゲンハイム美術館は、今夏入場者の最高記録を更新した。
同美術館によると、7月と8月の入場者は32万2247人で前年同月比6891人増加した。
このうち入場者の76%が外国からの観光客で、前年同月比2%増加した。
最も多かったのはフランス人で22%、2位がイタリア人で8%、以下英国人、ドイツ人、オランダ人と続く。


2017年9月7日(木)

カタルーニャ州議会、レファレンダム法を可決

カタルーニャ州議会は昨日、独立の是非を問う州民投票選挙法の導入を可決した。
ただし、シウダダノス、社会労働党(PSOE)、民衆党(PP)など野党は棄権した。
午後11時半頃に可決された直後、カルレス・プーチデモン州知事が来月1日の州民投票招集の勅令書類にサインした。
午前9時に始まった閣議は、過半数の独立推進派と反対派の野党との間で終始怒号が飛び交う大荒れの議会となった。
最終的には賛成72票と白票11票で可決したが、その時点で野党議員のほとんどが退出していた。

DNA鑑定の女性、ダリの娘にあらず

ラ・バングアルディア紙の報道によると、芸術家サルバドール・ダリの娘であると主張していた女性のDNAとダリのそれは、鑑定の結果一致しなかった。
女性によると、1955年頃にダリの家で働いていた母親とダリの間に生まれた、と亡くなる直前にこの母親が知人女性に明かしたという。
フィゲラスのダリ美術館に埋葬されている遺体発掘作業には、世界中からメディアが駆け付けて大々的に報道されたが、謎の解明はあっけないものであった。
今後は、サルバドール・ダリ財団が発掘作業の経費をこの女性に請求するかが注目される。

テニス世界ランキング、男女ともスペイン選手が1位

現在開催中のテニスUSオープンの現在の結果を受けて、ATP世界ランキングは来週月曜から、男子はラファエル・ナダル、女子はガルビネ・ムグルサのスペイン勢が1位を占める。
ナダルは先月21日の時点ですでに1位に返り咲いていたが、同オープンで準々決勝に進出し、トップをキープした。
一方のムグルサは今回すでに敗退しているものの、月曜から1位となり、スペイン人女性としては二人目となる。
尚、これまでは1995年にアランチャ・サンチェス・ビカリオが女性部門で1位となって以来、男性部門でもナダルの他にカルロス・モジャ、フアン・カルロス・フェレロがトップに立ったが、男女同時は初の快挙。


2017年9月5日(火)

カタルーニャ州政府、州民投票のCM放送

カタルーニャ自治州政府は昨日、独立の是非を問う州民投票を呼び掛けるコマーシャルを放映した。
このCMは10秒ほどの短いもので、鉄道の線路が映し出され、ナレーションが入る。
その内容は「あなたは自分で決断する能力を持って生まれてきました。それを捨てるのですか?」というもので、投票に対する直接の言及はないが、それをほのめかす内容となっている。
尚、このスポットはカタルーニャの地方局TV3のプライムタイムのニュース開始直前に放映された。

バルセロナ空港のスト、10月6日に再開か

バルセロナのプラット空港のセキュリティ・コントロール係員で構成される労働組合は、来月6日にストライキを再開する予定であると発表した。
それによると、このストは労使交渉の仲介者の裁定を会社側が順守するよう訴えるもの。
ただし労組代表は、この裁定自体を受け入れたわけではないとコメントしている。
一方、今月8日に予定されていたストに関しては、企業側がミニマムサービスを順守しなかった社員に対する解雇や制裁措置を取り下げたため、キャンセルとなった。
同代表は、約1カ月の間に合意に達することを期待していると述べた。

レイナ・ソフィア入場料、明日から値上げ

マドリッドの国立レイナ・ソフィア美術館は、一般入場料を現行の8ユーロから10ユーロに引き上げる。
同美術館の入場料は2013年に6ユーロから8ユーロに値上げして以来、4年ぶりの料金改正となる。
施行は本日付けだが、実質上は明日からの導入となる。
また、同館ではこれに合わせて、1年の間に2度入場ができる特別チケットなど、新たな料金体系を設ける。
また、無料チケットの対象者はこれまで通り適用される。
さらに無料入場時間もこれまでどおり行われるが、日曜日はこれまでの15時以降から13時30分以降に前倒しされる。


2017年9月4日(月)

8月の失業者数、4万人以上増加

雇用・社会保険省の発表によると、先月の失業者数は、4万6400人増加した。
これで失業者の総数は338万2324人となり、6か月続いていた減少傾向に歯止めがかかった。
これらの数値を業種別でみると、最も増加したのは建設業と工業で、それぞれ2.4%増加している。
これに続くのがサービス業で1.3%増加した。
農業だけが唯一減少しており、これは夏の果物などの収穫で雇用が増加したためという。
男女別の数値を前年同期で比較すると、どちらも減少しているが、男性の減少率は女性の倍となっている。
自治州別でみると、最も増加したのはムルシアで3.57%、これにバレアレスとカタルーニャが続く。
一方、カンタブリア、リオハ、ナバラ、ガリシア、カナリアス、ラ・マンチャとアストゥリアスの7州では減少した。
同省では8月のバカンスシーズン終了とともに失業者が増加するのは通常の事であるとコメントしている。

7月の宿泊施設価格、8.4%上昇

国家統計局(INE)の調査によると、7月の国内の宿泊施設料金は前年同月比8.4%上昇した。
また、6月と比較すると16.1%値上がりしている。
これにより国内旅行のパッケージツアーの価格も24.7%上昇した。
これに対し海外旅行のパックツアーは6%の上昇にとどまっている。
尚、パッケージの上昇は、航空券の値上がりも反映されている。
自治州別でみると、最も値段が上がったのはバレアレスで4.5%、これにカタルーニャ、アラゴンとパイス・バスコが続く。

フラン・リベラ、闘牛士引退

曾祖父の代から闘牛士や闘牛飼育に携わっている家系に生まれ、闘牛場で不慮の死を遂げたパキーリを父に持つフラン・リベラが、ロンダで行われたゴイェスカ闘牛をもって闘牛士を引退した。
この日闘牛界の御曹司の最後の雄姿を見るため、家族や著名人を始め多くのファンが駆け付けた。
2頭目の牛を相手にした際には危険にさらされたものの、最後は耳を2つ与えられ、弟でやはり闘牛士のカジェタノに肩車をされて、プエルタ・グランデをくぐった。


2017年9月1日(金)

カタルーニャ警察シンジケート、嘘偽りがあったなら内務局長と警察長の辞任を要求

米国のCIAがバルセロナのラ・ランブラにおけるテロ発生の可能性を警告していたことについて、「もしもこの警告を受けていたにも拘らず、その事実をカタルーニャ内務局長とカタルーニャ警察長が偽っていたことが事実であれば、両人の辞任を求めるが、そのような事実が無かったことを信じている」と、カタルーニャ警察の組合が警告。
また同組合は、CIAからの情報に耳を貸して対処していれば、今回のテロを防げたと言う理論は、無意味であり間違いであると断言している。
その理由として、今回のテロの本来の目的は、爆発物による観光モニュメントの破壊であったが、爆発物の取り扱いでミスがあり暴発を招いた結果、予定変更をせざるを得なくなり、その結果としてラ・ランブラへの車突入テロを招いたものであり、ラ・ランブラにおけるテロは当初、予定されていなかったことを挙げている。
しかしながら、CIAからの警告があったのは今年の5月であったことから、当初、爆発物によるテロが計画の主要部分を占めていたかどうかは不明と言える。

住宅ローン契約数16.5%の増加

今年6月に組まれた住宅ローンの契約数は29516件で、昨年度同時期比較16.5%の増加となった。
また、平均貸与額も1件あたり116.629ユーロと、前年度同時期比較にして4.4%プラス、また、前月比では2.6%の増加となり、不動産業界がその勢いを取り戻しつつあるのが伺われる。
今年6月の1カ月間に金融機関が住宅ローンとして貸与した金額は、総額34億4200万ユーロにのぼり、前月比4.4%のプラス、前年度同時期ににして21.6%のプラスとなった。


2017年8月31日(木)

CIA、5月の時点でカタルーニャ警察にラ・ランブラでのテロ発生を警告

カタルーニャの新聞社El Periodicoによると、アメリカの中央情報局CIAは、今年5月25日付で、カタルーニャ警察に対し「この夏、ISISがバルセロナ市内の観光地、特にラ・ランブラを標的にしたテロを計画している」との明確な情報を含むアラ―ムを発していた。
また、この警告はスペイン国家警察機構でも受信しており、中央政府からもカタルーニャ警察に対し、ラ・ランブラ付近を含む観光エリアの警備強化を要請していた。
この警告は、テロリストの名前や住所、電話番号などを伴った具体的な情報は含んでおらず、警戒を強める必要性を示すものだった。
バルセロナでのテロがあった翌日、El Periodico紙は、この米国CIAからの警告の存在についての報道を行なったが、カタルーニャの プーチデモン州知事をはじめ、ジョアキン・ホルン内務局長、ジョセップ・ジュイス カタルーニャ警察長等は、その事実を否認した。

今年7月までの外国人観光客数、4700万に

スペインを訪れる外国人観光客の数は増加の一途を辿っており、今年の1月から7月までの間に、すでに約4700万人に達している。
これは昨年の同時期と比較すると11.3%の増加となっている。
国別に見ると、1090万人が英国からのツーリストで昨年比8.7%の増加を示しており、現時点ではBrexitによる悪影響は見られない。
イギリスに次いで多いのがドイツ人ツーリストで、昨年より9.4%増しの690万人。
次いで昨年比4.3%増し、630万人のフランス人ツーリストがスペインを訪問した。

9月15日開始予定の全空港でのスト、一旦、回避

9月15日から年末にかけて、断続的に25回に分けて行われる予定となっていたスペインの全空港におけるスペイン空港事業団AENAスタッフ等によるストは、一旦、ペンディング状態となった。
勧業省から労組に「賃上げ、スタッフ数の増加など、彼等が要求している項目について、どれだけの対応が可能かどうかを調べ、返答する時間が欲しい」との要求が出されたのに対し、労組側はこれを承諾し、ストの決定は9月7日まで延期される事となった。


2017年8月30日(水)

ラス・ベンタス闘牛場、大改装

マドリッド自治州政府は、ラス・ベンタス闘牛場の大改装工事を行なう事を決定した。
闘牛だけでなく様々なイベント開催に対応出来る多目的会場とするため、そしてアクセスや避難経路の充実による近代化を図るのが目的となっており、これに充てられる予算は1510万ユーロで、工事は早くても来年の後半の開始となる見込み。
改装内容の詳細はまだ決まっていないが、重要ポイントとしては次の項目が挙げられている。

*座席の幅、奥行きを広げ、より快適なものにする。
*プラスチック製の座席の導入は避け、これまでの雰囲気を維持しつつ、背もたれの設置を検討。
*車椅子でのアクセスを可能にする。
*上方の席はあまりに勾配がきついので、これをより緩やかなものにするため、競技場部分(円形の砂地部分)の直径を縮める。

これらの改善のため、現在23700ある観覧席数が2000〜2500席減少するものと思われる。

マドリッド地下鉄5番線、日曜日より2カ月ぶりに運行再開

マドリッド自治州政府は、7月3日に始まった地下鉄5番線の改善工事が予定通り9月2日に終了し、9月3日から運行が再開されることを発表した。
今回の工事には6650万ユーロの予算が組まれたが、自治州政府は更に、新しい地下鉄車両導入のため、2000万ユーロの予算を追加する旨を1週間前に発表している。


2017年8月29日(火)

悪天候で各地に被害

昨日スペイン各地で降った大雨により、各地で浸水や通行止めなどが起きた。
特にイベリア半島中央以南のアンダルシア、ラ・マンチャやマドリッドなどで大きな被害が発生した。
アンダルシアのマラガ空港では、昨日午前に着陸するはずだった5便が、セビージャやグラナダなどの空港に迂回した。
同じくマラガのアンテケーラ付近では河川の氾濫が起き、国道が通行止めとなった他、周辺の道路や家屋が浸水した。
マドリッド州では、午後5時までの間に消防隊の出動回数が266回に及んだ。
そのほとんどが地下の浸水や街路樹の枝の落下などによるもので、人的被害は出ていない模様。
ラ・マンチャのトレドでも消防隊の出動回数は市内だけで22回に達し、枝の撤去や溜まった水の除去に追われた。
一方ガリシアでは、少なくとも3000回以上の落雷が観測されたという。
気象局によると、本日はやや落ち着いた天候となるものの、引き続き15県で警報や注意報を発令されており、注意を呼び掛けている。

AVEマドリッド発着便 最高で45分の遅延

昨日午前、マドリッドから南部やレバンテに向かう高速列車AVEで遅延が発生し、最高で45分の遅れがでた。
国鉄レンフェによると、線路への異物の落下を探知するシステムの作動により起きたもので、マドリッド―トレド間で何者かがケーブルを盗もうとした疑いがあるという。
遅延が起きたのはいずれもAVEで、マドリッド発着のセビージャ、マラガ、アリカンテ、バレンシアとトレド行きの路線。
レンフェによると、これとは別に、悪天候によりマラガ近辺やトレドなどの中距離や近郊路線などでも遅延が発生したという。

アトレティコの新スタジアムで雨漏り

昨日マドリッドで起きた大雨の影響で、スペインサッカーリーグ1部アトレティコ・デ・マドリッドが今季から新しい本拠地として使用するワンダ・メトロポリタノで雨漏りが発生した。
いくつかのメディアやSNS上で公開された映像によると、スタンド席に大量の水が流れ、中には滝のように流れている所もあった。
アトレティコは、来月16日にリーグ第4節の対マラガ戦で同スタジアムでの初試合を行う。
クラブ側はこの雨漏りについて、工事完了後に保護のためにカバーされている部分があり、そのために起きた事であると説明し、安全上の問題はないと強調している。


2017年8月28日(月)

バルセロナ反テロ集会、独立推進派が国王と首相にヤジ

先週土曜日にバルセロナで行われた反テロリズムのデモ行進には、フェリペ6世国王やマリアノ・ラホイ首相をはじめとした政府閣僚や野党党首らが参加した。
多くの参加者は反テロリズムと平和を訴えていたが、カタルーニャの独立推進派は、この場を利用して国王らにヤジや罵声を浴びせた。
特に国王やその他マドリッドからの参加者が到着した際には「出ていけ」などと叫ぶ者もあり、行進が終わるまで罵声やヤジがやむことはなかった。
これに対し首相は、「自分たちはいるべき場所にいただけ。罵声は聞いていなかった。」と述べた。
一方バルセロナ州知事カルレス・プーチデモン氏とバルセロナ市長アダ・コラウ氏は、これらの行為について批判も擁護もせず、「表現の自由」とコメントするにとどまった。
これについて全国紙などのメディアは、テロ事件直後に見られた国の結束は、10日ほどで崩壊したと伝えている。

27県で悪天候による警報・注意報

気象局は本日、27県に悪天候による警報・注意報を発令している。
それによると、マドリッドでは大雨及び嵐による警報及び注意報が出ており、1時間あたり25立方メートル以上の降雨の他、強風や直径2センチ以上の雹も予測されている。
また、ラ・マンチャのトレドとシウダ・レアルでも同様に警報・及び注意報が出ている。
さらにアンダルシアではマラガで警報、コルドバ、ハエン、グラナダとセビージャでは注意報が発令されている。
ガリシアのア・コルーニャ、ルーゴ、オレンセとポンテベドラ、そしてバレンシア州でも大雨注意報が出ている。
一方、アラゴンのウエスカやカタルーニャ州の4県とバレアレス諸島では、高気温による注意報が出ており、最高気温は34〜36度に達する模様。

マドリッド空港セキュリティースタッフ、10月にストの可能性

マドリッドのバラハス空港のセキュリティコントロールのスタッフが参加する労働組合は、来月初めに組合員による投票を行い、10月にストライキを決行するかどうかを問うと発表した。
これはバルセロナ空港と同様に待遇改善や昇給を求めて行うもので、人員増加も訴えるという。
尚、テロ事件を受けて中止していたバルセロナのストも、来月8日からの再開を発表した。


2017年8月25日(金)

ラホイ首相、政治家等のバルセロナへの移動に専用機を用意

明日、26日の夕刻、バルセロナ市内で先日のテロを受けた反テロデモが行なわれるが、これに参加するため、ラホイ首相は主要政治家等をバルセロナまで運ぶ専用機を用意するとのこと。
すでにこの専用機への混乗意思を表明している人物は次のとおり。
マリアーノ・ラホイ首相、ホセ・ルイス・ロドリーゲス・サパテロ元首相、ポデモス党首のパブロ・イグレシアス氏、アナ・パストール国会議長、ピオ・ガルシア上院議長、ソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア副首相、アルフォンソ・ダスティス外務大臣、ラファエル・カタラ法務大臣、マリア・ドローレス・デ・コスペダル防衛大臣、フアン・イグナシオ・ソイド内務大臣、イニーゴ・メンデス・デ・ビゴ教育・文化大臣、ファティマ・バニェス労働大臣、イサベル・ガルシア・テヘリナ農業大臣、ルイス・デ・ギンドス経済大臣、ミゲル・アリアス・カニェテ元農業・食糧・環境大臣、PP国会スポークスのマンラファエル・エルナンド氏、PPゼネラルコーディネーターのフェルナンド・マルティネス氏、ムルシア州知事のフェルナンド・ロペス氏、カナリアス州知事のフェルナンド・クラビホ氏、マドリッド州知事のクリスティーナ・シフエンテス氏、カスティージャ・イ・レオン州知事のフアン・ビセンテ・ヘレラ氏、セウタ州知事のフアン・ヘスス・ビバス氏、スペイン中小企業連盟のアントニオ・ガラメンディ会長。
更には、バルセロナに到着したあと、イニーゴ・デ・ラ・セルナ勧業大臣とドロールス・モンセラ厚生大臣の合流が予定されており、大臣の中ではクリストバル・モントーロ財務大臣とアルバロ・ナダル エネルギー大臣等2名の出席がペンディングとなっている。
またこの他、同デモにはマリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ元副首相、ガリシア州知事のアルベルト・ヌニェス・フェイホー氏、カスティージャ・ラ・マンチャ州知事のエミリアーノ・ガルシア氏、スペイン企業連会長のフアン・ロセル氏、労働組合連合UGTのホセ・マリア・アルバレス会長、労働組合連合CCOOのウナイ・ソルド氏などの出席が予定されている模様。
デモは明日、26日の18時の開始予定で、ラホイ首相はスペイン全国民への参加を呼び掛けている。

国王フェリペ6世、反テロ・デモに参加

明日の夕刻にバルセロナ市内で予定されている反テロ・デモに、国王フェリペ6世も参加を表明している。
反テロ・デモに国王が参加するのはこれが初めて。
フェリペ6世は、13年前のアトーチャテロの際に行われたデモにも、彼の姉であるドニャ・エレナ、ドニャ・クリスティーナの2姉妹と共に参加しているが、当時、彼はまだ王位にはついておらず、当時の国王フアン・カルロス1世は同デモには参加していない。

ドイツ法廷、アンダルシアの胡瓜に軍配 ハンブルク行政に慰謝料の支払いを命令

2011年、ドイツのハンブルク地方行政は、ドイツで56名の死者を出したバクテリア e-coli の発信源が、スペインのアンダルシア地方産の胡瓜であるとして、これを告発した。
このため、アンダルシア産の胡瓜が大量にヨーロッパ諸国から撤去されるなど、アンダルシアの農家に対し大打撃を与えることとなったが、後の調査で、バクテリアの震源地は別にあったことが判明し、アンダルシア産の胡瓜告発は、全くの濡れ衣であったことが明確となった。
これに対し、アンダルシアの大手胡瓜農園2軒が、ドイツ法廷にハンブルク行政を相手取って告訴していたが、あれから6年経った今、ドイツの裁判所はハンブルク市に対し、慰謝料の支払いを命じた。
慰謝料の金額は不明だが、エル・パイス紙によると6桁の数字であるとのこと。


2017年8月24日(木)

ベルギー警察、カタルーニャ警察へテロの危険性を警告済み

先日、「ベルギーの警察から、スペインの警察に対して、バルセロナ・タラゴナ2重テロに関連する危険人物についての警告が行われていた」との報道があったが、これについて、スペイン国家警察も治安警備隊も、そしてカタルーニャ警察も、そのような情報は受けていないと発表をしていた。
エル・ムンド紙の調べによると、その真相は次のとおり。
ブリュッセルから約12キロ離れたところにある街、Vilvoordeの地元警察からカタルーニャ警察へ、苗字を“es Satty”と名乗る人物についての照会があった。
「スペインから来たと思われる“es Satty”なる挙動不審な人物がいるが、スペインにおけるテロ関連の経歴は無いか」、と言った問い合わせだった。
“es Satty”は、今回のカタルーニャでの2重テロを行なったグループのリーダーと見られる、イスラム過激派指導者。
過去のイスラム系テロ捜査の記録によると、まず“Mustapha es Satty”と言う同じ苗字を持つ人物が、13年前のアトーチャ・テロの事件で逮捕されており、また、ベルギーの警察が照会して来た“Abdelbaki es Satty”についても、その身分証明書がすでに、ジハディストのリクルートを行なっている罪で逮捕された過激派“Mohamed Mrabet”の家で発見されており、彼らが2003年から2005年にかけてバルセロナのVilanova i la Geltru市で同居していたことが判る。
ところがカタルーニャ警察は、ベルギー警察からの問い合わせに対し、スペイン内務省が持つ過去のテロ関連捜査のデータベースへの照会を行なうことなく、「“es Satty”なる人物については、テロ関連の要注意人物リストには含まれていない」との返答を返している。

この事実について、カタルーニャ警察は次のように弁明している。
「ベルギーからの照会はオフィシャルなものではなく、以前、テロに関する合同捜査の際に生じた友好関係により、ベルギーの地元警察から非公式なものとして、カタルーニャ警察へ届いた問い合わせである。
そのため、カタルーニャ警察はプライベートな交信として受け止め、スペイン内務省を通さず、単独で自分達の知り得る範囲での情報を持って返信した。
公式な照会であれば、ベルギー内務省からスペイン内務省へ届くはずである。」

カタルーニャ警察の対応と弁明について大きな批判の声が上がっているが、ベルギー警察が、今回のカタルーニャ2重テロのキーワードとなった人物が、ベルギーでジハディストのリクルート活動を始めようとしていた事実を伝えようとしたにも関わらず、その情報を生かせなかった事が悔やまれる。

また、同人物率いるテログループがタラゴナのアルカナルでテロに使うための爆弾を準備中に暴発した事件のあと、同件を担当した裁判官が、暴発現場で見つかった多数のガスボンベはテロに使われる予定であった可能性がある旨を警告したにもかかわらず、カタルーニャ州政府は、同爆発事件をテロとは無関係として処理していた。

Wanda Metropolitanoスタジアムへのアクセス工事、間に合わず

マドリッドのサッカーチーム、アトレティコ・デ・マドリッドの新スタジアムとして建設が進められているワンダ・メトロポリターノ・スタジアムだが、それ自体の建設は間に合うものの、スタジアムへのアクセスを伴う道路工事が間に合わないことが確実となった。
同スタジアムへの車両によるアクセスは3つの経路が予定されており、一つはA2号線からルイス・アラゴネス大通りへ入るもの、二つ目が環状線M40からアルセンタレス交差点へ入るもの、そして同じくM40から直接、駐車場へ至るアクセスである。
しかし、3つ目の道路工事は現時点で80%完了しているが、一つ目と二つ目の工事は未だ始まってもおらず、9月16日に予定されている同スタジアムでの最初の試合までに工事が終わる可能性は全く無いとのこと。


2017年8月23日(水)

バルセロナ、市内に障害物の設置を検討

車を使った突入テロを防ぐため、大勢の人が集まるエリアに大型の花壇などの障害物を設置するよう、中央政府内務省よりカタルーニャ行政に要請があったが、カタルーニャ行政はこれについて、「障害物を置いたところで、障害物の無いエリアを選んでテロが行われるだけである」とし、障害物設置は無意味であるとして、中央政府からの要請を無視していた。
しかし、今回の2重テロのあった後になって、障害物の設置を検討するとのこと。
中央政府勧業省は、カタルーニャ行政の対応を待たず、バルセロナにある国鉄サンツ駅の前に障害物を設置した。

国家警察、治安警備隊、カタルーニャにおける地方警察による単独捜査を非難

スぺインの治安警備隊協会と警察機構シンジケートは、今回のバルセロナとタラゴナで起きたテロについて、スペイン国家の警察と協力するどころか、その調査に国家警察が参入するのを事実上妨害し、カタルーニャ警察が単独で行なうように仕向けたとして、カタルーニャ行政、およびカタルーニャ警察を強く避難した。
非難声明によると、カタルーニャ警察は捜査で得た情報の公開を行なわず、あくまでも単独で進め、一部、それが今回のテロ発生の原因ともなっているとのこと。
健全なる共同作業が行われていれば防げた事もあったとし、その一例として、タラゴナのアルカナルでラ・ランブラでのテロの数日前に起きた爆発事件の際に浮かび上がった人物が、3.11のアトーチャ・テロの際に逮捕されたテロリストの弟子であった事もカタルーニャ警察は把握しておらず、この爆発事件が、数日後に予定されていたテロに使う爆弾の準備段階で生じた事故であることに気付く事も出来なかったとしている。
治安警備隊協会と警察機構シンジケートは、今回のカタルーニャ警察による「国家警察締め出し体勢」は、テロによって多くの人命が失われたにも関わらず、それを利用して、国際社会に対し、自称カタルーニャ国家が、自前の警察機構で充分にテロに対応する事が出来ると言う事をアピールすることだけを優先したもので、住民の安全性を疎かにしたとして強く批判。

カタルーニャ州行政:「国家警察は、手柄を独り占めにされたのがお気に召さないらしい」

スペインの警察機構からの連名による、カタルーニャ警察の非協力的な捜査活動に対するクレームがあったのに対し、カタルーニャ自治州政府スポークスマンのジョルディ・トゥルール氏は、次のように述べ、スペインの国家警察を事実上、侮辱した。
「テロの捜査について、最初から最後まで全ての情報は他の警察機構と共有されていた。捜査の中でカタルーニャ警察が比類なき活躍を見せたことにより、カタルーニャはカタルーニャ警察に対し名誉賞を授与するが、それがスペインの警察にはお気に召さないらしい。名誉賞は誰にでも与えられる ものでは無いのだ。」 


2017年8月22日(火)

カタルーニャのイスラム教徒、反テロ訴えデモ

先週木曜日のカタルーニャのテロ事件を受けて、昨日、同州在住のイスラム教徒団体らが反テロリズム集会を行った。
集会は、事件現場近くのカタルーニャ広場で行われ、複数のイスラムコミュニティから1300人余りが参加し、反テロを訴えた。
マニフェストを読み上げた代表者の女性は、自分たちを受け入れてくれたカタルーニャへの謝意を示し、カタルーニャで生まれ育った人間は、この地に反旗を翻すような事があってはならないと訴えた。
また、参加した人々は、イスラム=テロではないと強調した。
尚、集会に参加した関係団体の多くは、今週土曜日に同州主催で行われる追悼式典に参加する予定であるという。

カタルーニャ・テロ、逃走車内で見つかった男性を15人目の犠牲者に認定

カタルーニャ警察は昨日、ランブラ通りのテロ実行犯が逃走に使った自家用車の車内で遺体で見つかった男性を、今回の事件の15人目の犠牲者として認定した。
この男性はビラフランカ出身の34歳で、車を駐車中、徒歩で逃走していた容疑者と遭遇、容疑者は男性を刺殺して後部座席にのせたまま逃走、途中の検問所を突破した際に警官をはねている。
不幸な偶然に遭ったこの男性は、車の所有者であったため、当初はテロに関与しているとの報道もあった。

スペイン人競泳選手、一人で黙とう

ハンガリーのブダペストで開催されていた水泳のマスターズ世界選手権で、スペイン人選手が一人で黙とうするという珍事が起きた。
この選手はカディスのスイミングクラブに所属するフェルナンド・アルバレス氏で、カタルーニャのテロを受けて、主催者の国際水泳連盟に1分間の黙とうを要請した。
しかしながら同連盟は、時間のロスを理由にこれを拒否したため、同選手は、200メートル平泳ぎ予選開始の合図と同時に、一人で黙とうを行った。
この選手は当然予選落ちとなったが、一人黙とうする姿がSNSで大きな話題となった。
尚、同大会では、結局、別の競技で1分間の黙とうを行った。


2017年8月21日(月)

カタルーニャテロ犠牲者、12人の身元判明

先週木曜日、カタルーニャ州バルセロナと同カンブリルスで起きたテロ事件で犠牲となった14人のうち、現在のところ12人の身元が確認された。
死亡者の内訳は、ランブラ通りのテロが13人、カンブリルスのテロが1人。
犠牲者の国籍は、スペインの他、ベルギー、イタリア、米国、ポルトガル、英国ーオーストラリア及びスペインーアルゼンチンの二重国籍者だった。
また、事件後に行方不明とされていた英国ーオーストラリア国籍の7歳の男児も、この犠牲者に含まれていたことが判明した。
さらにカナダ政府は、同国国籍の犠牲者がいると発表している。
一方、負傷者は132人で、このうち51人が現在も入院中で、10人が重篤な状態にあるという。
その多くが観光客であったため、負傷者の国籍も多岐にわたっている。
また、当局の発表によると、テロ容疑者については、5人を射殺、4人を逮捕、2人が事件前の爆発事故で死亡し、少なくとも1人が逃走中とのこと。

カタルーニャ州知事、CUPの姿勢に苦言

先週のカタルーニャテロ事件を受けて、今週土曜日にバルセロナで反テロリズムの集会が予定されている。
この集会にはフェリペ6世国王やマリアノ・ラホイ首相らも出席するが、これについて反資本主義を掲げるCUP党が難色を示し、出席者のメンバーによって集会不参加の可能性を示した。
これに対して同州のカルレス・プーチデモン知事が苦言を呈した。
昨日テレビ局のインタビューに応じた同知事は、CUPに考えを改めるよう要請し、反テロの集会にはすべての政党が参加するべきであると強調した。
一方で、テロ行為によって我々が目指すオープンな社会が妨げられることはない、と訴えた。

テロを受けてプラット空港のスト中止

バルセロナのプラット空港で行われていたセキュリティ・コントロール係員のストは、同市内で起きたテロ事件を受けて中止となった。 先週金曜午後からスタッフが通常通り勤務に就き、業務は平常に戻った。
一方、これと同時にサンティアゴ・デ・コンポステーラとバレンシアの空港で予定されていたストも中止となった。


2017年8月18日(金)

(スペイン国内の各報道機関により、報道内容に大きな食い違いが見られ、 まだ情報が混乱していると思われるため、お伝えする情報に間違いが含まれている 可能性があります。)

タラゴナ、カンブリルスでテロ

昨日17時頃に起きたバルセロナ市内、ラ・ランブラ通りでのテロのあと、本日未明、タラゴナのカンブリルスで同様に車を使ったテロが発生。
テロリストが運転する黒色のAudi A3が通行人等に突っ込み、6人が負傷し、その内の2名が重症の模様。
駆けつけたカタルーニャ警察のパトロールカーが、その車体を使ってテロリストの車を止めるのに成功。
車から降りて来たテロリストら5名が全員、身体に爆発物と思われるものを巻いていたため、警察は発砲。
これにより5名の内、4名がその場で死亡し、残り1名は数時間後に死亡。
その後の調査により、犯人らが身に付けていた爆発物は偽物であったことが判明。
当局では、バルセロナ市内であったテロとタラゴナで起きたテロとが最初から2重テロとして計画されていたものとして、調査を続けている。

バルセロナ テロ: 3人目を逮捕

バルセロナ市内で起きたテロのあと、今朝、ジロナのリポルにおいて3人目の逮捕があった。
最初に逮捕されたのは、同じくリポルで逮捕されたモロッコ国籍の男性、ドリス・オウカビルで、身分証明書を盗まれたとして地元警察に届け出を 出しに来たところを逮捕された。
警察では、ドリスの兄弟であるモウサ・オウカビルが、彼の身分証明書を使ってテロに使われたレンタカーを借りたとの見方を強め、捜査を続けていたが、今朝、モウサ・オウカビルも逮捕された。
このモウサ・オウカビルが今回のバルセロナ、タラゴナで起きた2重テロの主犯と考えられている模様。
尚、警察は、バルセロナのラ・ランブラ通りで人の群れに突っ込んだワゴン車を運転していた犯人はこれまでに逮捕された中にはおらず、依然、逃亡中と見ている。
バルセロナ・テロによる死亡者は13名、負傷者は100名(エル・ムンド紙より)

バルセロナ、カンブリルス 連続テロ 続報

*昨日夕刻、バルセロナ市内で起きたテロによる死亡者の数は現時点で13名との 発表が定着しつつある。

*今朝未明に起きたカンブリルスでのテロで負傷を負った女性ツーリストがその後、 死亡した事により、連続テロによる死亡者数は14名となった。

*バルセロナでのテロによる130名の負傷者の内17名が重症とのこと。

*バルセロナテロの主犯と思われるモロッコ人モウサ・オウカビル(17歳)は カンブリルステロで死亡した5名のテロリストの中に含まれていた。

*現時点で4名が逮捕されているが、その内訳は1名がメリージャ生まれ、 残り4名がモロッコ国籍でいずれも男性。

カタルーニャ州政府、車突入テロ防止用障害物設置を拒絶

ニースやベルリンなどで起きた車を使った突入テロを防止するため、 スペインを含む欧州各国で、人通りの多いエリアには、大型の花壇などの 障害物を配置しており、同様の対応を行なうようスペイン内務省より カタルーニャ州政府に対し要請が出されていた。
配置するエリアとして、ラ・ランブラやカタルーニャ広場などが挙げられていたが、 これに対し、カタルーニャ州政府、バルセロナ市行政共に、「障害物を置いたとしても テロリストは障害物の無いエリアにターゲットを変えるだけで無意味である」、 「バルセロナ市内全てに障害物を置く事などは不可能である」、 「障害物を置く事に寄って通行人の交通の妨げになる」、などを理由として 中央政府からの要請を却下していた模様。


2017年8月17日(木)

海上救助隊、1日で593名を保護

昨日、地中海を渡りアンダルシアの大地にたどり着いた違法移民の数は、僅か1日の間に593名に達した。
まず昨日未明、ジブラルタル海峡にて139名が保護され、その後、早朝に簡易ボートで渡って来た200名(全員男性、内2名が未成年)を保護。
更に同日16時40分ごろ、2艘のボートが発見され、この日、ジブラルタルを渡って入国しようとした違法移民の数は424名となった。
また昨日の正午ごろ、アルボラン海でも169名(内女性が14名)が救出されており、24時間以内の到達者数としては、過去の記録の中でも多い一日となった。
これまでに最多数を記録したのは、2014年8月12日で、920名がカディス付近で保護されている。
また、2008年9月30日には329名がカナリアスで、2007年5月14日には464名がカナリアスで保護されている。

バルセロナ、ラ・ランブラ通りでワゴン車が通行人の群れに突っ込み逃走

本日17時過ぎ、バルセロナのランブラ通りで、白いワゴン車が通行人の群れに突っ込み数人をひいたあと、車を捨てて逃走した模様。
現在、周囲は通行止めとなり、複数の救急チームが現場の対応に当たっているが、被害の詳細は不明。
また、テロリストによる犯行かどうかについても現時点では不明。

バルセロナ テロ 続報

(まだ情報が混乱していますので、現時点での報道には誤報も含まれいてる 可能性があります)

*カタルーニャ警察はテロリストによる犯行と発表。

*少なくとも13名の死亡者が出た模様。

*犯行に使われたワゴン車は2台と思われ、一台は犯行現場で、残り1台はVICで発見。

*2台のワゴン車の内、1台の運転手は車から出たあとバルセロナ市内のHospital通りにあるバル、El Rey de Estambul に武器を持って閉じ籠った模様。

*カタルーニャ広場付近は通行止めとなり、同広場の地下鉄駅、鉄道駅は閉鎖。

*付近の商店は、シャッターを閉め、避難する市民を保護。

*地元警察は、現場で建物から出ないよう市民に警告。

*付近にいた市民に、速やかに帰宅するよう通達。

*タクシー業界は、帰宅する人、ホテルへ帰りたいツーリスト等を無料で送迎開始。


2017年8月16日(水)

AENA 9月15日よりストライキを開始

スペイン空港事業団AENAの労働組合は、9月15日より、スペイン全国の空港において25回に渡る24時間ストライキを行う旨を発表した。
AENAスタッフのストは、空港内の消防機能から滑走路における全てのサービス、情報セキュリティー、電気関係、商業エリア、セキュリティー全般、管制塔メンテナンスなど、空港内のあらゆる機能に影響を及ぼすこととなる。
現時点でストライキは、9月15日以降、年内に25回行なわれるとのことで、その予定は次のとおり。
9月15日、17日、22日、24日、29日
10月1日、6日、11日、15日、27日、30日、31日
11月3日、5日
12月1日、4日、5日、7日、8日、10日、26日、27日、28日、29日、30日


8月15日(火)は聖母被昇天の祝日にあたるため、ニュースはお休みとさせていただきます。


2017年8月14日(月)

プラット空港、24時間スト突入も混乱はなし

バルセロナのプラット空港のセキュリティ・コントロールスタッフは、本日より24時間ストライキを開始したが、ミニマムサービスは90%に設定されており、市民警備隊の介入もあるため、現在の所、目立った混乱はない模様。
コントロールのための待ち時間は15〜30分ほどで、1時間以上の待ち時間があった部分ストの時と比較して、大幅に削減されている。
ただし本日未明の時点では、一時的に待ち時間が1時間以上となった。
尚、州政府の提案(200ユーロの昇給)を受け入れるかどうかの投票が昨日、Eulen社の従業員によって行われたが、反対150票、賛成36票で否決されたため、24時間スト決行となった。

連休初日、大渋滞なし

8月下旬のバケーションと15日の祝日が重なるこの時期、総合交通局(DGT)は特別警戒キャンペーンを行うが、同局によると、先週金曜午後3時から昨日午前零時まで、これといった大渋滞は起きておらず、死亡事故も発生していないという。
同局ではこの日、800万台以上の移動を見込んでいたが、マドリッド、マラガ、セビージャ、セゴビアとソリアで一時的に渋滞した以外は、特に問題は起きなかった。
尚、ソリアの渋滞は森林火災による一部閉鎖のために起きたという。
またDGTは、火曜の24時までの期間、アルコール及び薬物検査を強化し、全国で2万件以上のコントロールを行うという。

ベンタス闘牛場に侵入の反闘牛活動家29人逮捕

先週土曜日、マドリッドのラス・ベンタス闘牛場で興行中に29人の反闘牛活動家が侵入した。
事件が起きたのは闘牛士らの入場行進が行われている最中で、牛はいなかった。
闘牛を見に来ていた観客からは罵声が浴びせられ、場内は騒然となり、主催者らはただちに国家警察に通報し、駆け付けた警官によって退場させられた後、逮捕された。
同警察によると、逮捕された29人は全員成人で、そのほとんどがスペイン国籍であったという。
彼らは職務質問を受けたあと、釈放された。


2017年8月11日(金)

エル・プラッツ空港のセキュリティーコントロールスタッフ 24時間ストに突入か

バルセロナのエル・プラッツ空港では、セキュリティーコントロールスタッフ等による週3回の4時間ストが行なわれており、これによる大混雑が続いている。
昨日、この解決に向けて数時間に渡る交渉が行われたが、決裂に終わり、組合側は予定どおり、来週の月曜日から無期限24時間ストに入る事を決定した。
これを受けて、本日、勧業省と内務省とによる緊急会議が持たれ、エル・プラッツ空港の安全性の維持と空港利用者への影響を最小限にとどめるため、空港のセキュリティーコントロールを治安警備隊の管理下に置く事が決定された。

1000年前の修道院、FACEBOOKで売り広告

ルゴ県にある、約1000年の歴史を持つ修道院「サン・サルバドール・デ・アスマ」が、FACEBOOK上にて「興味本位の問い合わせではなく、真剣な問い合わせのみ受け付けます」として、売りに出されている。
同修道院は、1836年の教会財産没収政策以来、教会の手を離れて個人所有となったまま、幾人かの持ち主の手を経て今日に至っている。
現在の持ち主は、この歴史遺産を売却する意思のあることを掲載しているが、その値段については触れられていない。
地元行政は、これを機会に公共の歴史遺産として買い取るべきであるとして、現オーナーとの交渉と、必要に応じてガリシア自治州政府やスペイン中央政府による経済援助の要請を検討中。


2017年8月10日(木)

不動産賃貸料、今年に入って9.6%の高騰

不動産会社FOTOCASA調べによると、今年7月時点でスペインにおける住居物件の全国平均賃貸料は、年間比較9.6%のプラスとなった。
しかし、6月と比べると7月は0.4%のマイナスとなっており、前月比較としては実に29カ月ぶりのマイナス値となる。
7月時点の1平米あたりの全国平均賃貸料は8.08ユーロで、2010年11月の8.1ユーロのレベルまで戻りつつあるが、経済危機が始まる前の2007年5月の平均値10.12%に比べると、まだ20.2%低い数値となっている。
スペイン国内で州別に見ると、中古物件の平均賃貸料が最も高いのはカタルーニャで1平米あたり月額11.97ユーロとなっており、これにマドリッドの11.55ユーロ、バスクの10.57ユーロが続く。
また最も安いのは、エクストレマドゥーラの4.77ユーロとカスティージャ・ラ・マンチャの4.97ユーロとなっている。

40歳以降の初出産率、イタリアに次いでスペインが2位

ヨーロッパ諸国の中で、40歳を過ぎてから第一子を出産する女性が最も多いのがイタリアで、スペインがこれに続いている。
EU統計局調べによると、2015年にスペインで生まれた第一子の内、15808名は40歳以上の母親から生まれており、全体の7.4%を占めた。
ヨーロッパ諸国の中でこれを上回ったのは唯一イタリアだけで、全体の8%が40歳以上の女性による初出産だった。
スペインに続いて多かったのはギリシアの5.5%、アイルランドの4.9%、ルクセンブルクの4.5%。
逆に40歳を過ぎてからの初主産が最も少なかったのはリトアニアとポーランドで、僅か1.1%、そしてこれにラトビアとスロバキアの1.5%、ルーマニアの1.6%、マルタの1.7%が続いた。
また欧州諸国平均では、第一子を出産した女性が最も多い年齢層が20〜30歳であったのに対し、スペインでは61.69%が、ギリシアとアイルランドでは57%が、イタリアでは56.2%が、ルクセンブルクでは54.1%が、そしてポルトガルでは53.7%が30〜39歳の年齢層に含まれていた。


2017年8月9日(水)

Ernai、バスク観光局本部を攻撃

バスク愛国主義急進派左翼の若者等によって構成されるグループ「ERNAI」は、今朝、ビルバオにあるバスク観光局本部オフィスの出入り口付近を赤色のペンキで塗りたくり、壁には新たな抗議運動への参加を呼びかける落書きを残した。
同グループは、今月17日にゲルニカとサン・セバスティアンで、そして22日にビルバオでの反ツーリズム・デモ実施を呼びかけている。
今朝のバスク観光局本部の攻撃については、ERNAIがその様子をネット上にアップしており、そのビデオの中で、覆面で顔を隠した数人のグループが、観光局本部オフィスに赤ペンキを吹き付けているのが見られる。

レティロ公園の展望台、2018年初頭にオープン予定

マドリッドのレティロ公園内にあるアルフォンソXIIの騎馬像には、秘密の展望台と呼んでも良い程に知る人の少ない展望台があり、一時期、80年代に同用途で使われていた。
1902年に建築が始まり、1922年に完成したこの騎馬像を頂く塔は、石の部分の劣化が激しく、その修復作業が続けられているが、この工事は年内に終了すると見られており、来年初頭には展望台が再オープンする予定。


2017年8月8日(火)

ラホイ首相、ぎっくり腰で国王との会談遅刻

マリアノ・ラホイ首相は、昨日マジョルカ島でフェリペ6世国王と会談を行ったが、当日朝に行っていたウォーキング中にぎっくり腰となり、予定より3時間ほど遅れて同島に到着した。
会談後にメディアの前に現れた首相に対し、記者らから健康状態を問う声が上がった。
これに対し首相は、状態はすこぶる良好で次の選挙に勝つ自信があると述べる一方、これからはやり過ぎないよう注意すると付け加えた。
また、先日発表された社会学研究所の世論調査で党の支持率が下がったことについて質問されると、アンケートの結果は良い時もあれば悪い時もあると答え、現在総選挙の予定はないので特に問題視していないと強調した。

6月の住宅売買19.3%増

国家統計局(INE)の発表によると、6月の住宅売買は4万4135件で、前年同月比19.3%増加した。
これで2カ月連続の増加となる。
このうち82.1%が中古物件で、前年同月比19.2%増加した。
これらの数値を自治州別でみると、全ての自治州で増加しているが、最も多かったのはナバラ、リオハとマドリッドだった。
逆にもっとも増加率が低かったのはアラゴン、パイス・バスコとガリシアだった。

バルサ、チャペコエンセと親善試合、結果は5−0

スペイン・サッカーリーグ1部のFCバルセロナは、昨日、本拠地カンプ・ノウ・サッカー場でブラジルのチャペコエンセと親善試合を行った。
チャペコエンセは昨年11月、コロンビアで移動中の航空機が墜落し、選手やスタッフのほとんどを失うという悲劇に見舞われた。
今回の試合は、新しい選手を獲得してチーム再建に励むチャペコエンセを応援するために、バルセロナが招待したもの。
尚、試合はメッシの2点、ルイス・スアレスの2点とジョルディ・アルバの1点による5対0でバルサが圧勝し、力の差を見せつけた。


2017年8月7日(月)

PSOE、世論調査で躍進

社会学研究所(CIS)は先週、総選挙に関する最新の世論調査の結果を発表した。
それによると、与党民衆党(PP)は得票率28.8%で首位を維持したものの、前回の調査より3ポイント近く落とし、総選挙以降最も低い数値となった。
一方、野党第一党の社労党(PSOE)はペドロ・サンチェス氏が党首に再選して以来初めての調査であったが、24.9%と躍進、PPとの差を4ポイントまで縮めた。
3位はウニドス・ポデモスで20.3%、前回の調査より0.6ポイント上昇した。
これに続くのはシウダダノスであるが、こちらはわずかに下がっている。
尚、各党党首に対する評価においてもPSOEのサンチェス氏が最も高かった。

プラット空港のスト、本日も1時間程度の待ち時間

引き続き行われているバルセロナ空港のセキュリティ・スタッフのストライキにより、同空港の出発ロビーでは長蛇の列ができ、午前9時30分の時点で平均1時間待ちとなっている。
これに加えて、多くの利用客が乗り遅れを避けるために出発時刻の3〜4時間前に空港に到着するため、空港内は大勢の人であふれ、空港財団AENAのスタッフが列の整理に追われている。
尚、本日午前11時より再び労使交渉が行われるが、決裂した場合は14日以降24時間ストに突入する可能性もある。

へレス・サーキット、アンヘル・ニエト・サーキットに

先日交通事故で死去したバイクの元世界チャンピオン、アンヘル・ニエトさんに敬意を表し、へレス・サーキットの名称をアンヘル・ニエト・サーキットに改称すると、へレス市市長が発表した。
ニエトさんは13回世界チャンピオンに輝き、スペイン・モータースポーツ界のパイオニアとして知られる。
近年は解説者としてテレビなどに出演していたが、先日イビサ島でクアッドを運転中事故に遭遇し、搬送先の病院で回復に向かうと見られていたが、状態が悪化し死去した。
尚、敬虔なクリスチャンであった同氏は、不吉な数字である13を避けるため、自らを12+1回チャンピオンと称していた。


2017年8月4日(金)

エル・プラッツ空港、セキュリティーコントロールスタッフのストにより混乱

バルセロナのエル・プラッツ空港では、セキュリティーコントロールを行なうスタッフ等によるストライキのため、利用者による長蛇の列が続き、夏のバカンスシーズンによる利用者増と重なって大混雑をきたしている。
同ストライキはこのあと6日の日曜日、7日の月曜日に繰り返される予定となっている。
空港のセキュリティーコントロールは、空港事業団AENAが契約しているEULEN社によって行われいるが、AENAは昨夜、EULEN社と労働組合、両者の話し合いに立ち会うとして、本日午前中に対話の場を設定した。
両者の交渉がまとまらない場合、今月14日より無期限の24時間ストライキが始まる予定。

CUP関連の別グループが観光客迫害行為に参加表明

カタルーニャ独立を推す極左翼政党CUPに属する若者たちによって構成されるグループ、ARRANによる観光業に対する攻撃が広まる中、同じくCUP関連の別グループであるEndavantが、これに加わる事を表明。
観光客用のレンタサイクルのタイヤをことごとくパンクさせる、レンタサイクルを営業している店や荷物一時預かり所などの鍵穴にシリコンを流し込んで固める、町中に「ツーリストは地域文化を破壊する」と言ったシールを張り付けるなど、反ツーリスト行為を行なっている様子を撮った動画をネット上にアップした。
同様の行為がカタルーニャだけでなく、バレアレス、バスクなどにも広がりつつあり、バスクのサン・セバスティアンでは、間もなく始まる夏祭りに合わせて反ツーリスト活動が活発化する恐れがあるとして、行政はその対応を迫られている。


2017年8月3日(木)

反ツーリズム運動、バスクに拡大

カタルーニャのCUP党所属のグループによるツーリスト迫害行為が、カタルーニャ、バレアレスなどでエスカレートする中、バスクにも同様の動きが広がりつつある。
Sortu党などに代表される、バスク愛国主義左翼急進派の若者等によって構成されるグループERNAIは、バスクにおける反ツーリズム運動を組織的に展開する事を決定した。
バスク州ツーリズムの中心とも言えるサン・セバスティアンでは、すでに「観光客は出て行け!」、「火あぶりにするぞ!」と言った落書きが街中で見られる。
サン・セバスティアンでは、間もなくラ・セマナ・グランデと呼ばれる夏祭りが始まるが、これに合わせて観光客に対するサボタージュが行われるのではないか、という危惧が高まっている。

カタルーニャ独立キャンペーン、9月15日より開始

カタルーニャ独立賛成派の主要市民団体である「カタルーニャ・ナショナル・アセンブリ」は、9月15日から独立キャンペーンを開始することを、本日、発表した。
同アセンブリはプーチデモン州知事が10月1日の州民投票開催を正式発表するのを、9月11日から15日までの間と見ており、この発表があったあと、15日になる0時から開始するとのこと。
同キャンぺ―ンには、市民団体や独立派政党などが参加すると見られる。

マドリッド住民、4世帯に1世帯がバカンスに出かけるゆとり無し

国家統計局調べによると、マドリッド自治州住民の内、4家族の内1家族が金銭的余裕が無いため、1年間に1週間以上のバカンスに出かけることが出来ない状態となっている。
また、10人中3人が1カ月に600ユーロの予想外の出費があった場合、それに対応出来ないとしている。
更にはMadrid住民の12%が、毎月、経済的に月末を迎えるのが非常に困難であるとし、全国平均では同じ状況にある人は16.6%に達する。
尚、平均年収は全国平均が10.707ユーロであるのに対し、マドリッド自治州での平均は12.646ユーロとなっている。


2017年8月2日(水)

セルカニア ソル駅、工事のため8月12日から27日まで閉鎖

国鉄近郊線「セルカニア」のソル駅は、工事のため今月12日から27日まで閉鎖となり、これによりC3番線、C4番線などが影響を受けることとなる。
アランフエス − エル・エスコリアル間を走るC3番線列車の場合、アランフエス発の列車はアトーチャ止まりとなり、エル・エスコリアル発の列車はヌエボス・ミニステリオス駅止まりとなる。
また、パルラ ー アルコベンダス/サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス間を走るC4番線列車の場合、パルラ発の列車がアトーチャ駅止まりに、そしてアルコベンダス、サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス発の列車がヌエボス・ミニステリオス駅止まりとなる模様。

グラナダでマグニチュード3.9の地震

本日未明、1時16分ごろ、グラナダ県でマグニチュード3.9の地震が観測された。
震源地はグラナダ県ニグエラス市の北東部、地下12キロメートルとのこと。
揺れはグラナダ市、パドゥル市、チュリアーナ・デ・ラ・ベガ市、オトゥーラ市、ラス・ガビアス市、オルヒバ市など、多くの市町村で感じられ、地震発生直後より緊急電話への通報が相次いだが、人的、物的損害の報告は無い模様。

プラッツ空港のセキュリティーコントロールスタッフ、24時間ストライキ

バルセロナのプラッツ空港では、セキュリティーコントロールを通過するのに長蛇の列となっており、これに要する時間が長すぎる事が原因でフライトに乗り遅れると言う例が目立っている。
そう言った中、セキュリティーコントロールを行なうスタッフ等による24時間ストライキが、今月の14日か15日から無期限で開始される可能性が濃厚となりつつある。
また、24時間無期限スト開始以前にも、金曜、日曜、月曜日に4時間ストが予定されている。
これは8月中の全ての金、日、月曜日において5:30〜6:30、10:30〜11:30、16:30〜17:30、18:30〜19:30の計4時間、ストを行なうと言うもので、バルセロナの空港の利用を予定している人は注意が必要。


2017年8月1日(火)

13県に警報・注意報

気象局は本日、13県に大雨や高温による警報・注意報を発令した。
アラゴン州3県とジローナ、レリダで大雨や強風による警報が、バルセロナ、タラゴナ、ナバラ、カステジョンとバレンシアでは同注意報が発令されている。
一方マジョルカ及びメノルカでは高温警報、マラガ、イビサ、ムルシア、レリダとタラゴナでは同注意報が出ている。

政府、スペイン最古の原発閉鎖を発表

アルバロ・ナダル観光・エネルギー大臣は本日、国内最古のガローニャ原子力発電所の閉鎖を発表した。
この発電所はブルゴス県のサンタ・マリア・ガローニャに位置し、1971年に運転開始、国内最古かつ最小の原発である。
ガローニャの運営会社はライセンスの延長を求めていたが、安全性の問題から2012年より運転停止となっていた。
同大臣は今回の決定について、与党の議席数が野党を下回り、閣議において発電所の存続が否決されることが明らかであるためとし、これまで同発電所を政治的に利用してきた野党各党を批判した。

C.ロナウド、裁判所で証言

脱税容疑で起訴されているスペインサッカーリーグ1部レアル・マドリッド所属のクリスティアーノ・ロナウド選手が、昨日マドリッドの裁判所に出廷した。
同州北部の高級住宅地ポスエロ・デ・アラルコン市にある裁判所前には、多くのマスコミが詰めかけたが、証言を行ったロナウドは足早に裁判所を後にし、メディアの質問に答える事はなかった。
1470万ユーロの脱税容疑で起訴されているロナウドは、不正行為は一切行っていないと主張し、すべての容疑を否認した。
また自分がC.ロナウドという名前でなければ今日ここにはいなかったであろう、と述べ、自分が有名なスター選手であるが故に攻撃対象となったと示唆した。


2017年7月31日(月)

マドリッド市、クリスマス・イルミネーション予算として40万ユーロを追加

マヌエラ・カルメナ市長率いるマドリッド市行政は、今年のクリスマスシーズンに市内を飾る電飾に充てる予算として、昨年よりも40万ユーロ多い250万ユーロへの増額を決定した。
これにより、昨年よりも更に、イルミネーションが設置されるエリアが広がる予定。
昨年の予算は210万ユーロで前年度比8%のプラスとなったが、全てLEDを使用しているため、電気代に費やされたのは210万ユーロの予算の内、僅か0.91%だったとのこと。

Arran、バルセロナの観光バスを攻撃

先週の木曜日に、バルセロナ市内のカンプノウ・サッカー場の傍を走っていた観光バスが襲われると言う事件があった。
目撃者によると、観光バスの前に数名の覆面をした人物が現れ、バスを止め、一人がフロントガラスに「観光は地域を破壊する」とスプレーペンキで書く間に、その他の仲間がタイヤを切り、パンクさせたとのこと。
その後、この様子を写したビデオがネット上にアップされたが、同攻撃を行ない、ビデオをアップしたのは、カタルーニャの独立を推す極左翼の政党CUPに属する、Arranと呼ばれるグループであった。
Arranは、今回の攻撃を「我々を奴隷化し、我が国をブルジョアジーと資本家のみが潤う遊園地に変えようとする動きに対する、正当な防衛行為である」とし、犯行表明と共に、その正当性を主張。
 バルセロナのアダ・コラウ市長は、「観光業に対する抗議が他人への脅しや破壊行為に及ぶ事は、許される事では無い」として、同事件についての詳しい調査を開始した。

今年前半にスペインを訪れた外国人ツーリスト数は3600万人

国家統計局の本日の発表によると、今年1月から6月までの6か月間にスペインを訪れた外国人ツーリストの数は、3.630万人を越え、2016年同時期と比較すると11.6%の増加となった。
国別に見て最も多かったのはイギリスからの旅行者で、前年度比9.1%プラスの860万人。
これに続いたのが前年度比9.6%増のドイツ人、4.9%増のフランス人だった。
また、特に増加が目立ったのは、前年度比40%増となった米国からのツーリストで120万人、25.1%増となったスイス人の91500人などとなっている。


2017年7月28日(金)

バルセロナ、近郊線列車事故により54名が負傷

今朝7時5分ごろ、バルセロナのフランシア駅で、国鉄近郊線列車が駅に入ったあと停止せず、衝突すると言う事故があった。
事故を起こしたのはタラゴナのサン・ビセンテ・カルデルス発のR2線の列車で、70名の乗客があった。
死者は無かったが、運転士を含む54名の負傷者を出し、1名が胸部に受けた強い打撲のため、肺に影響を及ぼし重症とのこと。

カタルーニャ企業連盟、同州政府による独立プロセスを法的クーデターとして非難

カタルーニャ企業連盟のジョアキン・ガイ・デ・モンテジャ会長は、プーチデモン州知事が進めているカタルーニャ独立プロセスについて、法を完全に無視したものであり、法的クーデターであるとして、これを強く非難した。
スペイン企業連盟のフアン・ロセル会長は、このデ・モンテジャ氏の主張を支持すると同時に、これまでカタルーニャ独立派が進めて来たプロセスについて口を閉ざして来た同州企業連が、政界に対し、経済界からの声を上げたことを、歴史に残る出来事であるとして高く評価。

失業者数、2008年以来、初めて400万人を割る

国家統計局による昨日の発表によると、今年第2四半期には375000人の新規雇用があり、失業者数は340.700名減の3.914,300名となった。
失業者数が400万人を切ったのは2008年の第4四半期以来のことで、失業率は前四半期と比較してマイナス1.53%の17.22%となった。
また、過去12カ月間における失業者数の変化はマイナス660.400名(14.44%減)となった。
特に雇用増が目立つのがサービス業で、同カテゴリーに含まれる労働者数は18.813.300名と、2010年の第3四半期以来の数値を記録した。


2017年7月27日(木)

本日、スペイン全国でタクシーのスト

本日、複数のタクシー組合が集まって、全国一斉24時間ストが行なわれている。
また、全国から集まったタクシードライバー等によるデモが本日、マドリッドで行なわれた。
デモは正午にマドリッドのクスコ広場から始まり、14時頃、勧業省の前で終了。
また、バルセロナでも今朝10時30分ごろ、約2000台のタクシーがプラッツ空港を出発し、全車、のろのろ運転を続けながらバルセロナ市中心部まで走行を続け、空港ーバルセロナ市内間の交通を妨害した。
今回の全国ストは、UBER、CABIFY、CAR2GO などのコントロールが充分になされていないことに対する抗議で、政府の設定では、こう言った新タイプのサービスを行なう車両のライセンス数は、タクシー30台につき1台と言う事になってはいるが、タクシー組合によれば、11台につき1台の割合にまで増えているとのこと。
 尚、タクシー組合の中でも最大規模のFEDETAXIのミゲル・アンヘル・レアル会長は、今回のストには参加しないよう組合員に呼び掛けている。
レアル氏は、スペイン政府もEU政府もこの問題の解決に向け、従来のタクシー業界の存続を念頭に置いて対処しているのが見受けられるので、この問題への取り組みはストではなく、あくまでも該当機関、法機関、そして対話を通じて行なうべきであると呼びかけている。

マジョルカ島、パルマ市で民泊を完全禁止

バレアレス諸島では、一般住居のツーリスト向け賃貸がエスカレートした結果として、住居費の異常な高騰と、それに伴う地元住民の住居不足が大きな社会問題となっているが、本日、パルマ市議会でこれを全面的に禁止する条例がMes,Podemosの賛成票、PP、PSOEの棄権票によって可決された。
反対票を投じたのはCiudadanos党のみ。
この条例案は、地元住民が集めた6076人分のサインから始まったもの。


2017年7月26日(水)

国連、カタルーニャのインターナショナル・オブザーバー承認を拒絶

カタルーニャ州政府は国連に対し、同州の外交局が国際オブザーバーとしての承認を得られるよう申請したが、国連担当課は、これを全員一致で拒絶した。
関係筋によると、拒絶の理由は、カタルーニャのカルラス・プーチデモン州知事率いるカタルーニャ外交局の目的が、国際オブザーバーの一員となる事では無いと判断されるのと、同件が、スペインと言う国連メンバーの一員である国家の利益と主権に大きな影響を及ぼす事になるため、とのこと。
国連の国際オブザーバー・リストは、カーターセンターによる後ろ盾を有しているが、プーチデモン州知事が今年の4月に元米国大統領であるジミー・カーター氏に対し、カタルーニャ独立の賛否を問う州民投票開催のバックアップを打診した際、「私もカーターセンターも独立投票に関与することは無い」との返答を受けている。

RENFE、28日のストライキで274便の長距離列車がキャンセル

今月28日金曜日は8月のバカンスシーズンの開始日にあたり、民族大移動が予想されているが、この日に合わせる形で、スペイン国鉄RENFEの23時間ストが予定されている。
そのため、RENFEはすでにこの日のAVEを含む長距離列車について、274便のキャンセルを発表した。
利用予定便がキャンセルとなった場合、利用者はRENFEに対して無料での他の便への変更、または返金を求める事が出来る。
これら長距離列車については、77%のミニマムサービスが勧業省より設定されている。
また、中距離列車については65%、近郊線列車についてはラッシュアワーで75%、その他の時間帯は50%のミニマムサービスとなる模様。


2017年7月25日(火)

バルセロナ・オリンピック25周年、市内各地で記念行事

1992年のバルセロナ・オリンピック開会式から25周年となる本日、バルセロナ市内ではいくつかの記念イベントが行われる。
特に同オリンピックでヨット競技に参加し、入場行進の旗手も務めたフェリペ6世国王(当時は皇太子)は、2つの記念式典に出席する。
記念イベントは午前10時から開始されるが、クライマックスは午後8時から行われる式典で、国王、バルセロナ市長をはじめ、当時の選手やオリンピック委員らも参加し、聖火リレーなども行われる。
最後にはオリンピックスタジアムで、当時開会式を演出したグループの元メンバー演出による、パフォーマンスやコンサートも行われる。

ガリシア列車脱線事故から4年、現地で追悼集会

2013年7月24日にア・コルーニャで起きた列車断線事故から4年を迎えた昨日、現地で追悼集会が行われた。
この事故では80人が亡くなり、144人が重軽傷を負う大惨事となった。
被害者やその遺族らは、事故の責任は運転士だけでないとし、運営する国鉄や当時の勧業大臣らの政治責任を問うよう訴えてきた。
今年になってやっと国鉄の関係職員の事情聴取などが行われたが、建設当時の勧業大臣は社労党、事故当時は民衆党であったため2大政党が事故調査委員会の設立に難色を示していた。
ペドロ・サンチェス氏が社労党党首に就任し、同党の方針が変わったため、調査委の設立を支持するようになったが、まだ道のりは遠い模様。

バレアレスで新闘牛法可決

マジョルカ島やイビサ島などが属するバレアレス州議会は昨日、同州の新闘牛法を可決した。
この新法では、牛を殺すことを禁じるほか、槍や銛などの使用も禁止し、さらに闘牛士及び牛のドーピング検査を義務付ける。
動物愛護団体は、闘牛禁止に向けて大きな前進であると大きく評価している。
一方闘牛関係者は、牛が死ななければ闘牛ではなく、闘牛を馬鹿にした見世物でしかないと批判している。
尚、この新法では、闘牛のほかに動物を使ったサーカスなどの興行も禁止している。


2017年7月24日(月)

6月の観光地宿泊料金上昇

国家統計局(INE)の調査によると、先月の国内宿泊施設の料金はすべての自治州で上昇した。
その中でも特に上昇したのはマドリッドで16.3%、これにバレアレス(12.5%)とカタルーニャ(9.3%)が続く。
また全国平均は9%の上昇で、前月比1.8ポイント、前年比では3.5ポイント上昇した。
一方、施設の客室占有率については、バレアレス、カタルーニャとも上昇しているが、マドリッドでは下がっている。

8県で高気温や強風注意報

気象局は本日、8県に高気温や強風などによる注意報を発令している。
それによると、カステジョン、ジローナとタラゴナには強風注意報が出ており、最大風速は80キロに達する見込み。
さらにジローナとタラゴナでは、大雨による注意報も出されている。
また、ウエルバ、コルドバ、ハエン、グラナダとアルバセテには高気温に対する注意報が出ており、最高気温は38度を超える模様。

ダリの遺体発掘作業完了

先週金曜日午前、ガラ・サルバドール・ダリ財団は、前日の夜に行われたダリの遺体発掘作業が無事完了したと発表した。
この作業ではダリの毛髪、歯、腓骨と脛骨が取り出され、DNAの抽出が行われる。
同財団は作業を終えたうえで、発掘命令を下した裁判所の判断を改めて批判し、またダリの娘であると主張している女性との間に親子関係が認められなかった場合には、これらの作業にかかった費用をこの女性に請求する構えであると述べた。
一方、28年前に遺体の防腐加工を行ない、今回の作業にも加わった医師がメディアの取材に応じ、遺体の保存状態は完璧であったと述べた。
毛髪も完全な状態であり、特徴的な口ひげも「10時10分」のまま保存されているのを見て感激したとコメントしている。
尚、鑑定の結果が判明するのは8月下旬から9月初旬となる見通し。


2017年7月21日(金)

カタルーニャ自治州に対し週に一度の会計報告を義務化

本日の閣僚会議で、カタルーニャ自治州に対し、週に一度の会計報告義務を課す事が可決された。
カタルーニャ州議会が可決した予算案の中に、スペインからの独立の賛否を問う州民投票を開催するための予算枠が確保されていたが、憲法裁判所はこれを違憲として、州民投票に関わる全ての予算を無効とした。
この憲法裁判所命令が正常に順守されているかどうかを確認するために下されたのが今回の会計報告義務の決定で、カタルーニャ州政府の全ての課の会計責任者は、週に一度の頻度で、担当する課の予算が州民投票の準備予算に割かれていない事を証明する書類を提出しなければならない。
万が一、この報告義務を怠った場合は、中央政府から各自治州へ定期的に送られる割り当て予算の送金が、即刻、停止される。
また、州民投票開催準備のための出費が確認された場合には、更なる対策が用意されているとのこと。

カタルーニャ独立賛成派減少

カタルーニャ世論調査センターが行った最新の調査によると、カタルーニャ州民の49.4%が独立に反対しており、賛成派の割合は41.1%と、2012年以降に行われた統計の中での最低値に達した。
今回の調査はバルセロナの住民1120名、ジロナの住民140名、ジェイダの住民85名、タラゴナ住民154名の計1500名を対象に、6月26日から7月11日にかけて行われたもの。


2017年7月20日(木)

バルセロナ市長、州民投票の会場提供を拒絶

バルセロナ市のコラウ市長は、市議会において、10月1日に予定されている州民投票のための会場提供を拒絶する構え。
市長は、カタルーニャ民族が自民族の将来を選ぶ権利があるとする考え方を維持してはいるが、10月1日の州民投票については、公式に発表されたものではなく、バルセロナ市として、これの開催について正式な要請を受けた訳でも無いとして、市議会に持ち込まれる州民投票に関する全ての提案を拒否する見通し。
また、同時にPP党やCiutadans党などからの州民投票妨害要請に対しても、拒否の姿勢を維持している。

スペインにおける外国人労働人口、2010年時レベルに復帰

今年6月に、外国人の社会保険加入者数は13822名増加し、前月比0.7%のプラスとなり、1.875.413名となった。
また、年間比較した場合、前年度同時期と比べると127.612名、7.3%の増加となった。
これで外国人加入者数は5カ月連続でのプラス値となり、2010年のレベルに戻った。
内訳を見ると、1.572.877名が一般被雇用者となっており、297.601名が自営業者、4789名が漁業関連、146名が炭鉱関連の労働者となっている。
国籍別に見た場合、1.074.995名がEU以外の国からの移民で、モロッコ人が230.470名と最も多く、これに中国人99.437名、エクアドル人71.104名、コロンビア人56.629名が続く。
またEU諸国の中では、ルーマニア人が最も多く340.086名で、これにイタリア人100.816名、英国人65.360名が続いた。


2017年7月19日(水)

ダリの遺体のDNA採取作業、明日の20時に開始

ダリの娘であると主張する女性、ピラール・アベル氏の主張が正しいかどうかを判断するためのDNA鑑定が行われるが、 同目的のための作業が明日の20時に開始される事が決まった。
この作業中、報道陣やカメラマンの入場は禁止され、翌日の金曜の朝、ガラ・サルバドール・ダリ財団より調査の経過についての発表が行なわれる予定。

カタルーニャ州政府、投票箱の入手ルートについてノーコメント

カタルーニャ州政府は、10月1日にスペインからの独立の賛否を問う州民投票開催を予定しているが、中央政府はこれが開催されることは決してあり得ないであろうとしつつも、それを阻止する方法について未だ、手の内を見せていない。
この非開示策を真似る形で、カタルーニャ州政府は州民投票に使用する投票箱の購入時期を延期し、その入手方法や入手ルートなどの詳細については、最後まで非開示とすることを発表した。
これにより、中央政府や独立反対勢力からの妨害を避けようと言うもの。


2017年7月18日(火)

スペインサッカー連盟会長、汚職容疑で逮捕

本日スペイン市民警備隊は、スペインサッカー連盟のアンヘル・マリア・ビジャール会長と、その息子らを逮捕した。
容疑の詳細はまだ明らかにされていないが、収賄、着服、脱税や文書偽造など、多岐に渡っているとみられる。
容疑はいずれもサッカーの試合開催など同連盟の運営に関連しており、スペイン代表の親善試合も含まれている模様。
今後さらに逮捕者が出る見通しで、個人宅の家宅捜索も行われる模様。
尚ビジャール会長は現在、FIFAの副会長やUEFAの役員なども兼任している。

100万台以上の車両がタイヤに問題を抱えたまま走行

総合交通局は昨日より、夏の特別キャンペーンの一環として、走行する車のコンディションのチェックを行っているが、同局によると、100万台以上の車がタイヤに問題を抱えたまま使用されているという。
特に劣化したタイヤで走行している車両が多く、基準値以下の物が多かった。
またライトやウィンカーに不備がある車も多かった。
さらに車検を通らないまま走行している車も18%程度あるとみられる。
同局では、事故を防ぐために適正なメンテナンスを行うことの大切さを訴えている。

柴崎選手、ヘタフェに移籍決定

サッカースペインリーグ1部に復帰したヘタフェは、2部のテネリフェに所属していた柴崎岳選手の獲得を発表した。
柴崎選手はテネリフェ移籍当初は現地やチームに適応するのに時間がかかったが、1部昇格をかけた試合で得点するなど最後は活躍できた。
テネリフェは最終的に昇格できなかったが、移籍先のヘタフェは奇しくもテネリフェがプレーオフで競り負けた対戦相手であった。


2017年7月17日(月)

バルセロナ地下鉄、スト継続

バルセロナ地下鉄労働組合は、本日11回目となるストライキを行う。
時間帯はこれまでどおりで、午前7時〜9時までと午後4時〜6時までは40%、同8時半〜10時半までは20%のミニマムサービスとなる。
カタルーニャ自治州は、同労組と地下鉄の仲介役を試みたが交渉は決裂し、失敗に終わった。
尚バルセロナでは、公共レンタサイクルの従業員らも先週水曜日よりストを開始しており、市民の移動はさらに混乱を極めている。

王立アカデミー、来秋よりiros採用へ

スペイン語の標準を規定する組織であるスペイン王立アカデミーは、今秋からirosという表現を正式に採用する方針であると、作家でアカデミー会員のアルトゥーロ・ペレス・レベルテ氏が自身のツイッターで明かした。
irosは動詞irse(行ってしまう、などの意)の2人称複数形の命令形として使われているが、正しくはidosであり、irosは誤った用法である。
しかしながら口語表現での浸透率が非常に高いため、採用に踏み切った模様。
ただしアカデミーとしては、特に文語表現においてはidosを推奨するとしている。
また、2人称複数の命令形では、これ以外の動詞でも間違った言い方が多数浸透しているが、採用されるのはあくまでirosだけであるという。

ガルビニェ・ムグルサ、ウィンブルドン女子初優勝

土曜日に英国で行われたテニスのウィンブルドン女子決勝で、スペイン国籍のガルビニェ・ムグルサが米国のビーナス・ウィリアムズを破り初優勝し、スペイン女性としては二人目の快挙となった。
スペインテニス界にとって歴史的一戦となったこの決勝には、フアン・カルロス前国王も観戦に訪れ、ムグルサはウィリアムズを7−5、6−0で撃破した。
ムグルサはスペイン人女子として初めて、全仏オープンとウィンブルドンの2冠を手にした。
尚、ムグルサのコーチを務めたコンチータ・マルティネスは、23年前のウィンブルドンで、やはり米国出身のマルチナ・ナブラチロワを破ってスペイン人女子として初優勝を飾った。


2017年7月14日(金)

プーチデモン州知事、州民投票に向けて内閣改造

カタルーニャのカルレス・プーチデモン州知事は、カタルーニャ独立の是非を問う州民投票の実施に向けて、州政府の内閣改造を行う。
同州知事による会見は本日午前11時より行われるが、報道によると広報担当のネウス・ムンテ氏、内務大臣のジョルディ・ジャネ氏と教育大臣のメリチェル・ルイス氏が退任する。
ジャネ氏とルイス氏は、それぞれ独立問題に関連して批判を受けたことが理由とみられ、選挙に向けて不利な材料を削除していく模様。
一方ムンテ氏に関しては、次期バルセロナ市長選において、現職のアダ・コラウ市長の対抗馬として出馬させる意向とみられる。

コルドバで46.8度、史上最高記録

今夏2度目の熱波は昨日ピークを迎え、アンダルシアのハエンとコルドバでは特別警戒警報が発令されていた。
特にコルドバでは最高気温が46.8度に達し、計測始まって以来の最高値となった。
また、セビージャではアスファルトの舗装工事に携わっていた54歳の男性が不調を訴え、病院に搬送されたが死亡した。
現在死因は調査中であるが、熱中症の疑いが強いとみられる。
セビージャの労働組合は、熱波による警報が出されていた午後のセビージャで舗装工事をさせていたことは、労働基準法に違反している可能性もあるとみて調査を開始した。
本日は地域によっては多少気温が下がるものの、熱波は日曜日まで続くと予測されている。

フィゲラス、ダリの遺体発掘停止を要求

先日カタルーニャの最高裁がサルバドール・ダリの遺体発掘とDNA鑑定を命じたが、フィゲラス市はこの作業の一時停止をガラ・サルバドール・ダリ財団に要請した。
この裁判所命令は、ダリの娘であると主張する女性の訴えを受けたものであるが、同市はダリが埋葬されているのはダリ美術館の敷地内であり、この建物自体が重要文化財として保護されていることを指摘。
発掘するには工事計画書の提出が必要で、許可が下りるまでは発掘はできないと主張した。
また現在は夏のバカンスシーズンで多くの観光客が訪れるため、この時期を避けるべきであると訴えている。


2017年7月13日(木)

フェリペ国王、英議会でジブラルタル問題に言及

レティシア王妃と共に英国を公式訪問中のフェリペ6世国王は、昨日、同国議会で演説を行った。
英語で演説したフェリペ国王は、英国のEU離脱を踏まえて、両国に居住しているスペイン及び英国人が不安を抱くことなく住み続けられるために、両国政府が努力するよう求めた。
また、同国で連続して起きたテロ事件に触れ、スペイン国民の心は英国国民と共にあると述べ、先月3日にロンドンで起きたテロで、警官を助けようとして死亡したスペイン人男性、イグナシオ・エチェベリア氏を追悼した。
さらに、ジブラルタルの領土問題にも言及し、解決に向けて両国が努力していく必要があると述べた。
しかしながら英政府は、ジブラルタルの統治権は住民の意志により英国が保有しているもので、交渉の余地はない、と断言している。

ダリの遺体掘り起こしは20日

フィゲラス市役所によると、同市出身の画家サルバドール・ダリの遺体発掘は今月20日に行われるという。
これはダリの娘であることを主張している女性の訴えを受けて、DNA鑑定のために行われる。
同市は、本日午後に市長が詳細の説明会見を行うとしているが、DNA採取はその場で行われ、遺体をどこかに移動する予定はないという。
尚、この女性はすでにマドリッドの専門機関に出頭し、自身のDNAを採取されている。

二転三転のビトーロ移籍、結局アトレティコが獲得

カナリアス出身のサッカー選手、ビトーロことビクトル・マチン・ペレス選手は、昨日スペインリーグ1部のアトレティコ・デ・マドリッドと契約を交わした。
当初から、来季はアトレティコと契約と噂されていたが、やはり1部のセビージャが獲得に名乗りを上げ、同クラブの会長が会見を行ってビトーロとの契約を断言したが、実際には本人のサインがなかった模様。
そこでアトレティコのディエゴ・シメオーネ監督が再交渉に乗り出し、セビージャよりも良い条件を提示して、契約に漕ぎつけたという。
ただし、アトレティコはFIFAの制裁により1月まで新規選手と契約できないため、それまではラス・パルマスでプレーする事となる。
セビージャはこれに対し、契約違反であると主張し、法的手段に訴えるとコメントした。


2017年7月12日(水)

ブランコ議員殺害から20年、各地で追悼式

ビスカヤ県エルムアで、同市の市会議員であったミゲル・アンヘル・ブランコ氏の誘拐・殺害事件から昨日で20年となり、地元エルムアを中心に各地で追悼式典が行われた。
この事件は1997年7月11日、バスクの独立を謡うテロリスト集団ETAが、出勤途中のブランコ議員を誘拐し、全国の刑務所に収監中のテロリスト達を一か所に集めるよう要求したが、当時のアスナル政権はこれに応じなかった。
期限とされた48時間が過ぎたころ、負傷した同議員が見つかり、病院に搬送されたが死亡が確認された。
誘拐が報道された直後から、エルムアをはじめ、国中の都市でETA の行為を糾弾する、これまでにない大規模な集会が行われた。
昨日の追悼式で同市の市長はETAに対し、完全な解体と、被害者やその家族に対する公式な謝罪を要求した。
尚、本日もマドリッドなどで関連の式典が行われる。

国王夫妻、初の英国公式訪問

フェリペ6世国王夫妻は、昨夜ロンドンに到着し、本日午前より公式訪問を開始する。
国王夫妻は3日間同国に滞在するが、初日のホテル滞在以外はバッキンガム宮殿に宿泊する。
本日の昼食会にはエリザベス2世女王夫妻の他、テレサ・メイ首相や両国の経済界の要人らが出席する。
訪問のメインイベントはフェリペ6世による英国議会での演説で、フアン・カルロス1世前国王が外国の要人として初めて演説を行って以来、31年ぶりのスペイン国王演説となる。
尚、エリザベス女王は在位64年で91歳、フェリペ国王は在位3年で49歳である。

アントニオ・バンデラスに国民映画賞

近代のスペイン映画界で、最も世界的に活躍している俳優のアントニオ・バンデラスが、今年のスペイン国民映画賞を受賞した。
1960年にマラガで生まれたバンデラスは、1982年にペドロ・アルモドバル監督作品でデビュー。その後同監督の作品に多く出演し、アルモドバル・ボーイと呼ばれた。
1992年に「マンボ・キングス」でハリウッドデビュー後は様々な作品に出演し、ブロードウェイのミュージカルや監督業にも挑戦した。
現在はロンドンに移住し、ファッションデザインを勉強中という。


2017年7月11日(火)

明日より再び熱波到来か

気象局によると、イベリア半島南部及び中央部を中心に明日から再び熱波が訪れ、最高気温が44度に達する地域もあるという。
特にグアダルキビル峡谷沿い、エクストレマドゥーラ及びラ・マンチャ南部では気温の上昇が顕著で、熱波は3日程度続く見込み。
バダホス、ウエルバ、セビージャ、シウダ・レアルとアルバセテでは、ほとんどの地域で40度以上となる見込み。
さらにハエン、コルドバとグラナダでは42〜44度に達する模様で、これらの地域では最低気温も22〜24度を下らないという。
これらの地域の気温は土曜日あたりから下がっていく模様。

バルセロナ市長、州民投票協力も、疑問視

バルセロナのアダ・コラウ市長は、カタルーニャ州政府が10月1日に行うと発表したカタルーニャの独立の是非を問う州民投票に協力すると発表した。
自身のフェイスブックアカウントでコメントした同市長は、協力はすると述べたものの、この投票は中央政府からは認められていない一方的なもので、準備もできておらず、投票箱があるかもわからない、不明瞭な点が多いと批判。
行われたとしても、その有効性は低いであろうと述べた。

バルセロナタクシー、新たなストを発表

バルセロナのタクシー組合は、今月27日に新たな24時間ストライキを行うと発表した。
当初は31日を予定していたが、この日はバケーションに向かう人と帰ってくる人で最も移動が多い日であるため、これを避けたという。
ただし27日も7月最後の金曜日であり、バケーションでバルセロナに到着する観光客も多いとみられる。
このストは、運転手付き配車サービスのタクシーに対する割合の維持を求めたもので、勧業大臣が労働組合との話し合いに応じないことに抗議したもの。
当日は同省管轄のプラット空港やバルセロナ港に集結して付近に大混雑を起こし、大臣の注目を惹くつもりであるという。
同組合では当日、今後もストを続行するかどうか決めるとしている。


2017年7月10日(月)

サラのオーナー、欧州の長者番付1位

スイスの経済誌によると、昨年のヨーロッパの資産家ランキングで、サラなどを展開するインディテックス・グループのオーナーであるアマンシオ・オルテガ氏が1位だった。
同誌によるとオルテガ氏の資産は730億ユーロに上ると推定される。
スペイン人資産家でこれに次ぐのは、スーパーチェーン大手のメルカドナを経営するフアン・ロッチ氏とその夫人だが、順位は68位だった。
さらにオルテガ氏の娘であるサンドラ・オルテガ氏も、下位ながらランクインしている。
尚、2位はフランスのファッションブランド経営者、3位はスウェーデンの家具大手経営者がランクインしているが、最も多かったのは、自動車や消費財などの大手企業が多いドイツの経営者だった。

Uberマドリッド市内ー空港料金セール、タクシー激怒

アメリカ発の自動車配車サービスUberは、7、8月のバカンスシーズンを対象に特別セールを開始した。
これはバラハス空港とマドリッド市内(環状道路M30の内側)を結ぶ料金を15ユーロ均一で提供するというもの。
しかしながら、タクシーにおける空港と市内間の料金は一律30ユーロに設定されており、この料金はその半額ということになる。
これに対し主要タクシー組合は、価格破壊であると非難し、この料金では人件費などのコストを賄うこともできないと訴えた。
尚、Uberは、市内から空港に向かう地下鉄8番線が工事で不通となった際にも、このサービスを提供している。

バルセロナ地下鉄、本日10度目のスト

バルセロナ地下鉄労働組合は、本日10度目となるストライキを行う。
時間帯は午前7時〜9時、午後4時〜6時と午後8時半〜10時半の3回。
ミニマムサービスは40%に設定されているが、午後8時半〜10時半に関しては20%となっている。
このため市の交通局では、この時間帯には地下鉄以外の交通手段を利用するよう呼び掛けている。


2017年7月7日(金)

マドリッド地下鉄、本日より新チケットを導入

マドリッドの地下鉄は、本日よりムルティと呼ばれるプラスティック製の課金可能なカードの導入を開始した。
これまでの使い捨て紙製チケットも10月末まで販売が続けられるが、それ以降は廃止となる。
ムルティ・カードは各地下鉄駅に置かれた券売機で購入する事が出来、費用は1枚につき2,5ユーロ、有効期限は10年。
また、導入開始となった本日より100日間はwww.tarjetamulti.crtm より申し込む事が可能で、この場合、カード代も送料も無料で郵送してくれる。

マドリッドで大雨の影響

昨日に続き、今日も首都マドリッドでは大雨が続き、各地で被害が出ている。
アドルフォ・スアレス・バラハス国際空港のターミナル4では、昨日も今日も深刻な雨漏りがあった他、悪天候により同空港に着陸予定であったフライトが今日だけで8便、他の空港へルート変更しているとのこと。
また、市内でも特に午後3時以降、降り続いた大雨の影響で地下鉄7番線のカルタヘナ駅に浸水が見られ、同線が運行不能となるなどの影響が出た模様。


2017年7月6日(木)

ビルバオ、偽爆弾通告により空港が一時麻痺

昨夜22時30分ごろ、スペイン空港事業団AENAに、「ビルバオのロイウ空港に着陸予定であったKLM航空、アムステルダム発のフライトに、爆弾が積み込まれている」との電話による通報があった。
ただちに緊急体制が布かれ、通報のあったフライトを空港ターミナルから離れた位置に着陸させ、搭乗者を避難させたあと、機内のチェックが行われたが、爆発物は見つからず、偽の通報であったことが判明した。
これにより、サンティアゴ発ビルバオ行きの便がサンタンデール空港に着陸するなど、ロイウ空港での離着陸に影響が生じた模様。

AVE バルセロナーバレンシア路線、2019年より工事を開始

バルセロナとバレンシア間を鉄道で移動すると、現時点では約3時間を要するが、2019年より新幹線AVEの開通工事が開始され、開通後には2時間での移動が可能になるとのこと。
2019年には一部の工事が完了し、所要時間が30分短縮されて2時間半での移動が可能となり、全ての工事が終われば時速350キロでの走行が可能となり、更に30分短縮されて2時間になる模様。


2017年7月5日(水)

カタルーニャ: プーチデモン州知事、カタルーニャ独立法を公表

「カタルーニャの独立の賛否を問う住民投票を行ない、投票した人数とは無関係に賛成票が1票でも多かった場合、自動的に48時間以内にカタルーニャはスペイン国家より切り離され、独立国家となる。」 
これが、プーチデモン州知事が発表した「一方的な独立法」で、これをスペイン国憲法を含む何者も犯す事の出来ぬ「カタルーニャ最高法」と称した。
 この発表内容について、独立賛成派議員の中にも疑問を持つ者が多く、そう言った議員に対して州知事は、「我らと共に最後まで戦う意思の無い者は、現時点で立ち去れば良い」と述べた。
この「一方的な独立法」は、発表があったものの、憲法裁判所による無効判決を受けるのを防ぐため、施行されるのは8月末か9月に入ってからになると見られるが、ソラヤ・サエンス副首相は、これを無効化する手続きを取るには、24時間あれば充分であるとコメント。

憲法裁判所、カタルーニャの住民投票予算に対し違憲判決

カタルーニャ州議会が、去る4月4日に可決した独立投票予算について、中央政府はその違憲性を訴えていたが、本日、憲法裁判所は全員一致で「カタルーニャ州政府が10月1日に設定した独立賛否を問う住民投票に充てるための予算は、違憲である」との判決を下した。


2017年7月4日(火)

6月の失業者数、9万8317人減少

雇用・社会保健省の発表によると、先月の失業者数は前月比9万8317人減少した。
6月は夏のバカンスシーズンに向けて雇用が伸びる時期であり、事実、最も失業者数が減少したのはサービス業、これに続くのが建設業と工業だった。
一方、春の収穫期が終了した農業、及び学年末を迎えた教育関係では上昇した。
男女別ではどちらも減少したが、男性の減少率(マイナス3.7%)が女性の数値(マイナス2.2%)を上回った。
自治州別では、全ての州で下がったが、最も下がったのはバレアレス、カンタブリアとカスティージャ・イ・レオンだった。
同省ではこの数値を評価しているが、野党や労働組合は短期雇用など脆弱な雇用体系が多いことを指摘している。

13県で高気温や強風による注意報

気象局は本日、13県に高気温や強風による注意報を発令している。
それによると、コルドバ、ハエン、バジャドリ、レオン、サモラ、バダホス、ポンテベドラ、ルーゴ、ラ・コルーニャ、オレンセ、サラゴサとビスカヤに高気温による注意報が出ている。
尚、コルドバとハエンでは、水曜日には最高気温が39度に達すると予測されている。
一方、強風注意報は、カディス、ガリシア沿岸部、アンダルシア東部沿岸部とカナリアス諸島西部に発令されている。

マドリッド地下鉄5番線閉鎖、一部で混乱も

マドリッド地下鉄5番線は、改修工事のため昨日より全線閉鎖された。
初日の朝、代替バスが発着するマヌエル・べセラ駅とカニジェハス駅周辺では長蛇の列ができ、40分待ってもバスに乗れない事態が起きた。
また多くの人が自家用車の利用に切り替えたため、一部地域では渋滞も起こった。
特にスアンセス駅周辺では駅の改修も行われているため、アルカラ通りの車線が上下一本ずつ閉鎖され、渋滞を悪化させた。
一方、代替バスは3路線用意されているが、いずれもディエゴ・デ・レオンとラ・ラティーナ間をカバーしておらず、その事に対するクレームも多く上がっている。
一方、マドリッド自治州の交通担当官は、利用者がまだ慣れていないが、初日の運行はスムーズであったと述べた。
尚、同線は9月2日に再開される予定。


2017年7月3日(月)

ワールド・プライドのパレード、100万人以上が参加

12日間に渡ってマドリッドで開催されたワールド・プライド。
そのクライマックスともいえるデモ行進とパレードが先週土曜午後に行われ、主催者発表では100万人以上が参加した。
パレードはアトーチャ駅に面した広場から北上してコロン広場まで続いた。
開始前には著名人らによってマニフェストが読み上げられ、LGTBIの人権擁護を訴えた。
世界では、現在でも約80カ国で同性愛は違法であり、国によっては死刑が科せられる地域もある。
参加者らはこれらの国出身のLGTBIを難民として保護するよう訴え、これらの国の人々がすべて人権を認められるまで戦うと主張した。
今回のデモ行進には初めて保守系の民衆党(PP)も正式参加し、これですべての主要政党が参加したこととなった。
尚、3500人の警官が動員された今回のイベントで、は目立った事故や心配されたテロ行為なども起きず、むしろ通常の土曜日よりも事件が少なかったくらいであるという。

同性婚施行12年、女性同士の結婚増加

スペインで同性同士の結婚が認められてから本日で12年を迎える。
当時国家として同性婚を認めていたのはオランダとベルギーのみで、スペインは3番目の国であった。
カナダや米国のマサチューセッツなどでも認められていたが、それはその地域のみ有効というものであった。
国家統計局(INE)の発表によると、施行直後から2015年までに3万5323組の同性婚が成立、このうち男性同士は2万1305組で、60%を占める。
最も婚姻件数が多かったのは2006年で男性が3000組、女性が1313組だった。
数値は常に男性の方が優勢であるが、このピークを境に男性同士は減少傾向にあるのに対し、女性同士は増加しており、2005年と比較すると2015年は410%伸びた。
尚、2016年は4259件の婚姻届けがあった。

バカンスシーズンの交通特別警戒開始、事故死者は5名

総合交通局(DGT)は、先週末より夏のバカンスシーズンの特別警戒態勢を開始した。
同局によると、最初の週末の交通事故による死者は5名、重軽傷者は4名だった。
また死亡者のうち2名はバイクを運転していた。
最も死亡者が多かったのは土曜日で、3名が亡くなっている。
一方、今年に入ってから昨日までの累計数は559名だった。
同局では8月末まで特別警戒キャンペーンを続ける。


過去のニュ−ス
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