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2月28日(金)

AVEマドリッド-ジェイダ開通遅れにより勧業省高官引責辞任

マドリッド-ジェイダ間の高速鉄道建設を担っている公的組織であるGIF(鉄道敷設局)の局長フアン・カルロス・バロン氏が、路線開通遅延の責任を取って昨日辞任を余儀なくされた。勧業省により現在発表されている遅延の原因は、安全運行管理システム納入を請け負っている2社が契約どおりの納期を守っていないためであるが、このシステムについては入札時から関係者の間では非難が上がっており、GIFはシステムの技術的価値よりも値段の安さを重視してこのシステムを買ったとされている。またGIF関係者の話によると、施設はまだ十分な試験を受けておらず、GIF側からは勧業省に何度も報告書を出し、重大な問題が起こるかもしれないため乗客を乗せての運行を行うのは時期尚早であると訴えているにもかかわらず、勧業省はプロモーション運行に踏み切っているという。
また昨日は、グアダラハラ県のブリウエガとラス・インビエルナスで、電線が切られているのが見つかり、その手口から鉄道関係者の仕業だと見られている。勧業省は今週の月曜日から始められているプロモーション運行を当面取りやめることを昨日発表し、開通可能時期を見定めるため、GIFとRenfe(国鉄)関係者からなる混成チームを作り、この新しいAVE施設の現状評価を行うことを決めている。

リアス・バハスで漁業再開

プレステージ事故から11週間、昨日リアス・バハスで漁業が再開された。しかし、ガリシア州政府が特定の漁法の2.5トン以下の船だけという条件つきで禁漁を解いたことから、リアス・バハスで操業できる漁船は全体のわずか8%。また、ビゴ、ポンテベドラ、アロウサの漁師たちにとって良好な漁場である大西洋諸島付近の海底には石油がたまっていることは政府も認めるとおりで、これをきれいにするには3ヶ月はかかると見られているため、今回の漁業再開が大きな喜びを持って迎えられるということはなかった。
昨日は50艘ほどの船が漁に出たが、収穫されたセントージャ蟹、小イカといったシーフードやマラゴタのような魚はどれもきれいで石油による汚れは全くついていなかった。地元住民達はすでに湾内の魚を食べおり、湾内の海産物には問題がないとわかっていたが、実際にきれいな魚を見て、地元住民達も安堵している。
しかし、最も深刻な被害を受けているコスタ・ダ・モルテでは以前のような塊ではなく、液状化した石油が岸近くの海上で虹色に光る毎日で、石油がすでに塊ではないため、漁船での回収が難しい状態となっている。こういった状況にもかかわらず、昨日フィニステレ近くでは5艘の漁船が700キロの石油を回収した。公式計算によると現在沈没しているプレステージから漏れる石油の量は1日2トン。沈没地点近くでは今でも波間を漂流する石油が見られる。

ZARAのオーナー、フォーブス誌長者番付18位に

アメリカの雑誌フォーブスが発表した長者番付は1位には9年連続で推定資産407億ドルのマイクロソフト社社長のビル・ゲイツ氏がで輝いたが、この長者番付第18位にスペインの服飾会社Inditexグループの創立者で筆頭株主のアマンシオ・オルテガ氏が入り、またオルテガ氏の妻ロサリア・メラさんも推定17億ドルの236位で初めての番付入りを果たしたことがわかった。オルテガ氏が表舞台に出ることを嫌うのはよく知られているが、現在の推定資産103億ドルのオルテガ氏は3年前には番付入りすらしておらず、2001年に初めて43位、翌年25位に入り、今年は18位と順位を上げ続けるオルテガ氏にフォーブス誌は注目している。またオルテガ氏は、資産家で知られるフランスのベルナール・アルノー氏(ルイ・ヴィトン社長)やイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ氏(首相、ACミラン会長)を上回る資産額でヨーロッパ長者番付では第5位に入った。
また今年の長者番付には去年と同様7人のスペイン人が入っているが、チュッパチャップスのオーナー、エンリック・ベルナ氏が番付から外れという変化があった。

反戦コンサートに1万人が参加(マドリッド)

昨日、マドリッドのビスタアレグレ闘牛場で戦争に反対するコンサートが行われ、1万人が詰め掛けた。コンサートはグラン・ワイオミングさんの司会で行われ、コンプリセス、レベレンド、アナ・ベレン、ミゲル・リオス、ホアキン・サビナ、シニエストロ・トタル、ホアキン・サビナ、アレックス・ウバゴ、エンリケ・モレンテ、ベロニカ・フォルケ、サンティアゴ・セグラさんらが出演、観客の中にはPSOE(社労党)のサパテロ書記長、IU(統一左翼)のジャマサレス代表らの顔も見られた。昨日は1970年代、民主政が始まったばかりの頃の集会を思わせる一夜となり、グラン・ワイオミングさんが与党PP(国民党)を除くすべての政党合意のもと、スペイン全土で戦争反対の署名運動を開始することを発表した。

カーニバルの女王決定(テネリフェ)

盛大にカーニバルを祝うことで知られているテネリフェ島のサンタ・クルスで昨日カーニバルの女王選考が行われ、19歳で生物学を勉強しているナタリア・ディエス・メサさんが女王に選ばれた。今年のテーマは“中国”で、これから10日間町は東洋ムードに包まれる。“La Fantasia de Laquesis(ラケシスとは運命の三女神の1人で、運命の糸を織り上げる者、つまり現在の運命を司る者とされる)”(ラケシスの夢)と 名づけられたサンティ・カストロ氏デザインの女王の衣装は重さ200キロ。高さ、幅ともに5メートルで、22000枚の孔雀の羽が使用され、車輪がつけられ女王の移動を助ける。16人が候補者となった昨日の選考会場には7000人以上が集まり、その模様はテレビで全国中継された。


2月27日(木)

アスナル-シラク会談、対イラク姿勢の差くっきり

昨日、パリでジャック・シラク・フランス大統領とホセ・マリア・アスナル・スペイン首相の昼食会が行われた。フランスの対イラク攻撃の姿勢を少しでも変えようと、シラク大統領を説得しようとしたアスナル首相の試みは失敗に終わり、1時間半きっかりで終了した昼食の後、マスコミの前に現れた両国首脳の口から出た言葉は、両国の姿勢に変化がないことを示すものであった。シラク大統領が「イラクを攻撃するかどうかを決定するために安全保障理事会で新らしい決議を採るに必要な理由はない。イラクの武装解除はあくまでも平和的方法、つまり査察団によるものであるべきだ。」と述べた一方、アスナル首相は「今回の危機対策の決定は安全保障理事会が行うということを確実にするため、他の国々と共に新決議案を提出した。イラクとフセイン大統領に圧力をかけつづけることが、平和的解決につながる。」と述べている。
こういった形で両者の間でテニスの試合のように言葉が交わされていったが、アスナル首相の口元に微笑が浮かぶことはあっても、シラク大統領は終始固い表情で、先週、アフリカ諸国首脳、シュレーダー・ドイツ大統領、プティン・ロシア大統領を迎えたときような暖かい表情がシラク大統領の顔に浮かぶことはなく、アスナル首相がフランスのテロ対策協力へ表した感謝の意さえも両者の間の氷を溶かすことはできなかった。

ナバラ、アラゴン、カスティジャ・イ・レオンで洪水

ここ数日降り続いている大雨の影響で、ナバラ、アラゴン、カスティジャ・イ・レオン州で川の決壊、道路通行止めなどの被害が出ている。エブロ川の水害から20日足らず、サラゴサ県は今度はハロン川、ヒロカ川とその支流による水害の被害を受けている。最初に被害が出たのはカタラユー郡のアテカで、マヌブレス川の洪水により学校は休校、1000戸が3時間にわたって停電し、現在も4箇所で道路が通行止めとなっている。
ナバラ州でも川の増水が心配されており、エガ川の増水によりエステジャの一部が浸水、カスティジャ・イ・レオン州でもドゥエロ川の増水により15ヶ所の道路で被害が出ている。

拷問の有無をめぐりバスク政府とスペイン内務省衝突

バスク語新聞Euskaldunon Egunkariaの局長マルチェロ・オタメンディ氏が釈放後の火曜日、逮捕期間中に治安警備隊から拷問を受けたと告発したことから、バスク政府とスペイン内務省の間で対立が起こっている。オタメンディ氏がラジオ局CadenaSERの番組の中で語ったところによると、逮捕後拘留されていた面会禁止の5日間に他の逮捕者が殴られているのを聞いたほか、彼自身何時間も裸で立ったままでいるよう命じられたり、警官から脅しの言葉をかけられたりしたという。このオタメンディ氏の告発を全面的に信用するとバスク州政府法政担当官ヨセバ・アスカラガ氏(EA-バスク連盟)、PNV(バスク民族党)国会広報官イニャキ・アナガスティ氏が述べ、これに対し昨日、アンヘル・アセベス内務大臣は「警察または治安警備隊の拷問について虚偽の告発をする者に対し、法的な措置をとる」と発表した。

野党結束して戦争反対

PSOE(社労党)、IU(統一左翼)、CiU(カタルニャ連合)、PNV(バスク民族党)、CC(カナリアス同盟)とその他6つの複合政党グループの計11政党が昨日、戦争に反対し、政府に軌道修正を要求する提案を国会に提出した。結束した全野党は、スペイン政府の外交政策がスペインの利益を損なうものであるとし、査察にさらに時間をかけることにより、イラクの武装解除は平和的に成し遂げることができると述べ、「スペイン政府がアメリカ、イギリスと共に提出したイラクに対する武力行使を容認する内容の新決議案は、正当性に欠ける。」としている。しかし、与党PP(国民党)が国会で過半数を握っている以上、この提案が国会で審議にかけられる可能性は極めて低い。


2月26日(水)

アスナル首相、新決議案提出は“平和のため”との姿勢崩さず

スペインがイギリス、アメリカと共に、国連安全保障理事会にイラク攻撃を容認する内容の新決議案を提出したことに対し、与党PP(国民党)を除くすべての政党から非難の声が上がる中、昨日アスナル首相は、新決議案提出があくまでも“平和のため”で“ヨーロッパの調和を乱すもの目的のものではない”と強調した。首相はドイツとロシアの支持を得たフランスの提案がヨーロッパ全体の提案ではないことを示唆し、スペインは今のところいかなる軍事同盟にも属していないことを保証した。
首相は明日、ローマに赴き法王ヨハネ・パブロ2世と会談し、国際社会共通の目標である国際法の遵守とイラクの武装解除の達成について最大限合意に達するよう話し合うという。

20以上の漁業組合、明日から操業再開

石油タンカープレステージの沈没事故後、初めて禁漁が解かれることがガリシア州政府により発表された。ビゴ、ポンテベドラ、アロウサ、ムロスの湾内で明日から20以上の漁業組合が漁を再開する。しかしながら漁は条件付での再開で、海洋資源局の取り決め基準をクリアしたトラスマジョ(三重になった網で主に小いか、毛蟹、イセエビを捕獲)、ブトロン(底引き網、主にうなぎ類、小いかを捕獲)を使って漁は行われなければならない。
現在のところ、仕事を再開した船主も乗組員も15日間にわたっては補助金を受給できることが決定されており、今回の事故により船体または機材に何らかの損傷を受けた者も政府からの補助金を受けることができる。

10時間で107人の密入国者逮捕

治安警備隊の発表したところによると、昨日の午後7時から今朝の午前4時半までの10時間足らずの間にカナリアス諸島のフエルテベントゥラ島に漂着した5艘の筏が発見され、女性2人を含む107人(モロッコ人4名、サハラ周辺諸国住民103名)が逮捕されたといい、逮捕者の中にうち2艘の筏の密入国手引き者も含まれているという。この107名の逮捕者を加えて、先週の水曜日から今朝未明までの約1週間で密入国を企て逮捕された者の数は295名にのぼる。
この中には先週の木曜に2週間の漂流後救出された6人も含まれる。テネリフェ島の病院に収容されている彼らの回復は順調で医師によると、今日明日中に退院許可が出されるという。

スペインの食生活変化

FUCI(独立消費者財団)が30歳以上のマドリッド市民1500人に対して行った調査により、彼らの66%(3人に2人)が昼食を家で食べていないことがわかった。昼食を家で食べられない第一の原因は仕事で、調査対象となった人々の大半が食事に使える時間は1時間だった。そのため、ほぼ半数の47%はファーストフードで昼食を済ませており、レストランの定食を食べていると答えた人はそれより少ない42%、その他6%の人がレストランでアラカルトで注文、5%が家から弁当持参と答えている。1ヶ月に外食に使う金額の平均は一人あたり155ユーロとの結果が今回の調査で出ているが、金額は人によって大きく異なっている。
最近の傾向として顕著なのは、家で食事をすることがかならずしも健康な食生活につながるものではないということで、73%、4人に3人のマドリッド市民は、自分で料理するかわりに日常的に出来合いの食べ物や冷凍食品を食べているという。


2月25日(火)

スペイン、米英とともにイラク攻撃容認の新決議案提出

昨日、スペインはイギリスとアメリカとともに、サダム・フセイン政権が武装解除のラストチャンスを利用しなかったとし、国連憲章第7条に基づいてイラク武装解除に必要なあらゆる手段を行使するよう決議することを求める新決議案を国連安全保障理事会に提出した。
イギリスのジャック・ストロー外相によると、この新決議案に対しては今後2週間少しの間に投票が行われるといい、外相はさる11月8日に安全保障理事会満場一致で承認した決議1411でイラクが武装解除を行わない場合はイラクは重大な事態に陥るとすでに警告されていることについて言及した。
スペイン政府関係者は国連安全保障理事会でこの決議案が採択されれば、スペインは必ず対イラク同盟に参加することを保証したが、アメリカが決議採択なしに攻撃に踏み切った場合のスペインの対応については明らかにしなかった。この新決議案に関しては今日の午後6時に国会で開かれる国会外務委員会特別会議において、パラシオ外相が説明を行うことになっており、野党が反対するのは必至の情勢。
米英西の3カ国が新決議案を提出したのと同時にフランス、ドイツ、ロシアは、3国共同で安全保障理事会に対しフセイン大統領に武装解除のための猶予を120日与えるよう提案している。ジャック・シラク・フランス大統領は、「戦争は常に最悪の解決法である」とし、ドイツのシュレーダー大統領とのベルリンでの晩餐の後、両国間で“イラクの平和的武装解除は可能である”という姿勢を保つことを確認したと述べた。この3国の提案では、「永遠に査察を続けることはできない」ことを強調した上で、決議が採択されてから4ヶ月の武装解除期間を設けることにしているが、この間にイラクが武装解除を完了しなかった場合の措置については記されていない。

マドリッド-ジェイダ間でAVEのお披露目運行

昨日、マドリッドとジェイダの間でAVEのお披露目運行が行われたが、この新しい路線に設置されることになっているセキュリティーシステムはまだ完成していないため、このシステムなしでの481キロメートルの走行となった。今週と来週にかけてRenfeはこのような宣伝運行を旅行業者、地方議員、、国会議員、商工会議所向けに行う予定だが、一般利用客向けに営業が開始される日はいまだ発表されていない。
時速350キロまで出せる車両の引渡しがまだ行われておらず、時速250キロ以上が出せる車両Siemens/ICEはドイツの要求してきた貸し出し料が高額すぎたため、当面の運行はマドリッド-セビジャ間のAVEで使われている車両Alstomと、Talgoの最新車両であるAltariaを使って時速200キロメートルで行われる。この新しいAVEの路線には1995年から41.98億ユーロが投資されているが、営業を開始した後実際に利益が出始めるのはこの時速350キロで走行できる新車両が導入される2003年末から2004年となる見込み。
現在開通している路線間では、すでにグアダラハラ駅とカラタジュー駅の工事がほとんど終了しているが、サラゴサとジェイダの駅舎が完成するにはあと数ヶ月かかると見られている。ジェイダ駅とカラタジュー駅は元の駅舎を改装したものだが、グアダラハラ駅とサラゴサ駅は新築。サラゴサ駅は新しいサラゴサのシンボルとなる建物で、2つのホテル、バスターミナル、1500台分の駐車場を備えたものになる。マドリッド-セビジャ間を結ぶAVEが利益を出し始めたのは1997年だったが、以後毎年利益は増大、2002年には5050万ユーロの収益(利用客数623万人)を記録、前年比23.17%の増収を揚げており、Renfeはマドリッド-バルセロナ間を結ぶAVEが同様の成功を獲得することを目標にしている。

判事、Egunkaria紙の口座凍結を命令

中央管区裁判所のフアン・デル・オルモ判事は、バスクの地方紙Euskaldunon Egunkaria紙とその関連会社のすべての銀行口座と、先週の金曜に逮捕された関係者10人の口座を凍結するよう命令を出した。判事が今回の事件がテロリストの資金組織に係わる重大な事件であると見たためで、判事は銀行に対し、口座の入出金の動きの詳細と過去にEgunkaria紙と関連会社の所有していた口座についても情報を提供するよう求めた上、車輌や不動産の移譲を防ぐためにバスク州交通総合局とバスク州の登記所にも情報提供を要請した。
金曜日に逮捕された10人のうちの5人に対し今日、デル・オルモ判事は刑務所に収監することを命じ、残りの4人には1.2万から3万ユーロの保釈金を課した。第一編集長のペイオ・スビリア容疑者は先週の土曜、体の調子を崩して病院に運ばれたため、まだ尋問が終わっていない。スビリア容疑者がその夜、枕カバーを使って首をつって自殺を企てたことを、昨日弁護団の1人が明らかにしている。

カラカスのスペイン大使館、コロンビア領事館で爆発

今日未明、現地時間午前2時30分頃、ベネズエラの首都カラカス市東部にあるスペイン大使館とコロンビア領事館近くで2件の爆発があり、3人が負傷、周りの建物、駐車されていた車が被害を受けた。チャベス大統領は日曜にアメリカ、スペイン、コロンビアに対し、ベネズエラ政府を尊重し、内政干渉をやめるよう要請しており、爆発現場付近にはベネズエラのウーゴ・チャベス大統領の推進する革命支持を表明している組織“モビミエント・ボリビアーノ”のパンフレットが落ちていた。
3人の負傷者のうちの1人はスペイン大使館前の建物のガードマンで、建物のガラス片で足と頭に切り傷を負って病院に運ばれた。残りの2人はスペイン大使館からおよそ2キロ離れたコロンビア領事館近くで負傷した大人1人子供1人だがどちらも軽傷。その他爆発音による聴覚障害を訴えて数人が手当を受けた。


2月24日(月)

プレステージ事故の責任追及デモ

2月15日の反戦デモと同じルートをたどるデモが昨日マドリッドで再び行われ、今回のデモでは、石油タンカープレステージ事故のような環境破壊を2度と繰り返さないよう、また事故の詳細と責任の所在を明らかにするようにとの要求が政府に対して行われた。エル・パイス紙の計算では参加者は24万人、しかし政府は10万人、主催者側は100万人としている。
デモの先頭にはプレステージを模したトラックが立ち、参加者たちは海賊の扮装や、石油回収作業に使われている白い作業着で行進し、PSOE(社労党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長、IU(統一左翼)のガスパール・ジャマサレス代表、BNG(ガリシア民族党)のショセ・マヌエル・ベイラ代表のほか、与党PP(国民党)を除くすべての政党から参加者があり、ホセ・マリア・フィダルゴ氏、カンディド・メンデス氏といった主要労働組合書記長のほか、俳優のハビエル・バルデム氏、フアン・ディエゴ・ボット氏、イマノール・アリアス氏、作家のマヌエル・リバス氏の顔も見られた。
デモ開始予定時刻の12時より2時間早い午前10時には深夜にガリシア州各地を出発したおよそ1200台のバスが詰め掛け、すでにアトチャ駅付近は人でごった返していた。13時半にはデモ隊の長さが2キロにも及び、行列の先頭がプエルタ・デル・ソルに入ったのは13時55分であった。マヌエル・リバス氏による演説が終わり、参加者たちがプエルタ・デル・ソルを後にしたのは午後4時ごろ。ガリシアからの参加者たちは7時間の旅の待つバスへと再び乗り込んだ。
このデモと平行してブリュセルとリスボンでも在住スペイン人によるスペイン政府への責任追求を求めるデモが行われ、およそ600人が参加した。

パーティーの騒音をめぐり17警官負傷、14人逮捕(バレンシア)

日曜日未明、音楽と人の叫び声がうるさいとバレンシア市ベニマクレ地区の住民から通報があり、警察が午前4時20分頃ベニマクレ広場に到着した。広場では毎年恒例のカーニバルを祝うパーティーが行われており、警官が責任者に音楽のボリュームを下げるよう要求したが責任者はこれを拒否、身元も明らかにしなかったため、別の警官がオーディオ機器を積んでいたライトバンのナンバーを書きとめようとしたところ、鈍器で頭を殴られ、半ば意識を失って地面に倒れた。ただちに応援部隊が呼ばれ、20人のパトロール隊が到着、これに対しパーティーの参加者たちが敷石を投げつけた。若者達は近くの工事現場から拾ってきた石、鉄くずなどを広場に入ろうとする警官隊へ投げつけ、17人の警官が負傷し、若者14人が逮捕された。逮捕された14人のうちの9人は自身も怪我をしており、医師の手当を受けた。逮捕者の数人は以前にも同様の騒ぎを起こし逮捕された前科があたという。

アルモドバル監督、イギリスのBafta賞も受賞

イギリスのアカデミー賞、第54回Bafta(ブリティッシュ・アカデミー・フィルム&テレヴィジョン・アーツ)賞の授賞式が昨夜行われ、スペインのペドロ・アルモドバル監督の“Hable con ella”(英国公開タイトル“Talk To Her”)が最優秀脚本賞と最優秀外国語映画賞を受賞した。Bafta賞の審査員の多くがアカデミー賞の投票権も持っていることから今回の受賞により、アルモドバル監督のアカデミー賞受賞の期待が膨らんでいる。監督は昨夜の受賞スピーチの場でも、対イラク攻撃反対の意を表している。その他の主要な賞は『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『ジ・アワーズ』、『ザ・ピアニスト』といった7作品の間でほぼ均等に分けられた形となった。

パリのオルセー美術館、ガウディの作品をまとめて購入

ガウディの建築物の多くは現在バルセロナの主要観光名所となっているが、ガウディは建築家としてだけでなく、インテリアデザイン、家具デザインを行っていたことでも知られている。今回パリにあるオルセー美術館がある収集家からガウディの家具、インテリア用品をまとめて200万ユーロで購入した。購入された作品は、今年いっぱい同美術館が最近手に入れた他の美術品とともに特別展示され、その後は“アール・ヌーヴォー、ユーゲントシュティール、セツェッションスティール、モダンスタイルまたはモデルニズム”という展示室に飾られる。オルセー美術館は19世紀末の現代デザイン作品についてはギマール、ガレ、ホフマン等の作品を所有している、ガウディの作品はベンチを1つ装飾博物館から借りているだけであった。今回の購入はまだガウディ作品が市場で高値をつけていなかった頃に購入したUhart夫妻の所有物で、夫妻は今回売却した以外にも数々のガウディ作品の所有者として知られる。

週末のスポーツの結果

テニス:アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたAT&Tカップでスペインのカルロス・モヤ選手が6-3、4-6、6-4で地元のギジェルモ・コリア選手を下して優勝した。
バスケットボール:コパ・デル・レイ(国王杯)の優勝決定戦がタウ対バルセロナで行われ、84-78でバルセロナが優勝した。


2月21日(金)

筏で2週間漂流の移民、6人が生存

昨日グラン・カナリア島の沖、南220キロでガリシアの漁船が、長さ6メートルの木製の筏が漂流しているのを発見した。中に男性5人と女性1人がいたことから、船長が海上保安庁に連絡、へリコプターが到着するまでこの漁船の乗組員が水と食べ物、コートを提供した。栄養失調、脱水症状、低体温症を起こし、皮膚に火傷を負っていたこの6人はガーナ出身者とマリ出身者で、15日前に西サハラの海岸からスペインのカナリアス諸島に向けて出発したこと、一緒に船に乗っていた12人が死亡したことを告げた。生存者の話では、出発した最初の日にモーターが止まり、携帯電話でカタルニャにいる家族とカナリアス諸島の112番に電話したという。
13日前に海上保安庁は救助を求める携帯電話からの通話を受けており、捜索活動を3日間にわたって行ったが何の成果もなく、警察と海上保安庁ではこの電話が今回の漂流者からのものであったとの見方を強めている。
ここ数日悪天候が続いていたためやんでいた移民の波は、昨日から天気が回復したことにより再びカナリアス諸島に押し寄せ始めた。昨日はフエルテベントゥラ島とランサローテ島で筏で不法入国しようとした66人のサハラ周辺諸国住民と4人のモロッコ人斡旋者が逮捕されている。

ボーダフォン利用者870万人、携帯電話不通の1日

昨日、携帯電話会社ボーダフォンの顧客870万人はほぼ1日携帯電話を使用することができなかった。会社側の発表によると、これは昨日の午前7時ごろ中央コントロールセンターのプログラムを変えようとしていたところ、メインコンピューターに故障が生じたため起こったもので、会社側は午後2時に故障が直ったことを発表したが、昨日は午後も夜間もボーダフォンの通話には支障が起きていた。
知らせを受けて直ちに調査を開始した科学通信省では、事態によってはボーダフォンに対し、年間総利益の1%、つまりおよそ3千万ユーロを罰金として課すこともありうるとしており、アンダルシア州、カタルニャ州も独自の調査を開始した。消費者組合は、顧客に賠償請求をするよう勧めており、ボーダフォンは罰金以外にこの賠償金の支払いもしなければならない。さらに2年前からスペインの市場に参入し、スペイン携帯電話市場の25%を占めるまでになった会社のイメージがこれにより傷つくことは必至。

“Egunkaria”休刊措置に対し抗議の声

昨日、中央管区裁判所フアン・デル・オルモ判事の命により、ETAの組織の一部を担っているとして、全紙がバスク語で書かれた唯一の新聞である“Euskaldunon Egunkaria”の活動が停止され、役員10人が逮捕されたが、バスク州政府を構成する3つの政党、PNV(バスク民族党)、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)からは強い抗議の声があがっている。PNVは今回の判事の措置を“バスク語とバスク社会に対する攻撃”、EAは“基本的権利である表現の自由を侵害する決定”、IUも“バスク語と表現の自由への攻撃”と定義した。

PP、同性同士の結婚に反対

昨日国会で、同性愛者の結婚を認めるため民法の5つの条項を変更するという野党からの提案について審議が執り行われたが、過半数を握る与党PP(国民党)とIU(統一左翼)のマヌエル・シルバ議員が反対票を投じ、提案は否決された。IUのその他の議員は棄権または賛成票を投じている。17ヶ月前には棄権したCC(カナリアス同盟)は今回は賛成に投票した。反対の根拠をPPは「憲法32条で擁護されているのは男性と女性の結婚だけであるため、同性同士の結婚は憲法に違反する」としている。しかし野党は「教会の認める形だけが結婚のあり方であると考えているのはPPだけだ」「同性愛者がカップルとして同棲し、また子供を持つという社会の現状を法的に認識することが必要で、同性愛者の結婚を認めることにより、彼らを“B級の市民である”とするような社会的差別をなくすことができる」などとし、今後も同性愛者の結婚承認運動を進める意向。


2月20日(木)

テロリストの卵、14人を逮捕

中央管区裁判所バルタサル・ガルソン判事の命により、昨日未明、バスク州とナバラ州で100人以上の警官を動員して17ヶ所で家宅捜査が行われ、14人が逮捕され、1人が逃亡した。今回の逮捕は11月5日にフランスで逮捕された2人のETAメンバーが所持していたリストに名前が載っていた者に対して行われたものであるが、その後逮捕されたイボン・フェルナンデス・イラディ、通称Susper容疑者によりリストが新たにETAメンバーとして勧誘する予定の人物の名前であることが確認されていた。現時点では昨日の逮捕者のうちの何人が実際にETAに加入することを承諾しているのかは不明であるが、候補者の大部分はすでに“kale borroka”(公共器物破損や銀行、警官の家への火炎ビン投げつけなどの総称)に参加しており、ETAでは家族構成などを綿密に調査した上でリストを作成したと見られる。
昨日、14人の逮捕を発表するにあたってアンヘル・アセベス内務大臣は、若者のETAへの加入を未然に防ぐことにより、ETA組織の再構築を防いだ価値ある逮捕であったと述べた。

憲法裁判所、ヒメネス・デ・パルガ長官に対する忌避要請を却下

2月4日にバスク州政府が提出した、政党法の違憲性をめぐる採決へのヒメネス・デ・パルガ長官に対する忌避要請は、昨日11人の憲法裁判所の投票により6対5で却下された。今回のバスク州政府の長官が採決に出席すると公正さを欠くことになると主張する根拠は、憲法裁判所長官としてバタスナ党の違法化が違憲かどうかの判断はまだ公の場で話すべきではないと話した直後、長官がうっかり口を滑らせ、自身の合憲であるとの考えを述べかけたため。
11月20日にも公正さの欠如という主張によりバスク州政府から出された忌避要請は却下されているが、このときは満場一致での却下だった。憲法裁判所が機能し始めてから22年で今回ほど忌避要請却下の採決が競ったことはないという。

プレステージ事故対応糾弾デモの準備進む

Nunca Maisが政府のプレステージ事故対応糾弾のため組織している今週の日曜、23日のマドリッドでのデモへのガリシア地方各地からの参加が予想を上回る規模となっている。ガリシア地方の各村からと300以上の団体からなる運動組織Nunca Maisからの参加者のために、すでに600台のバスがチャーターされており、これにより3.3万人がマドリッドに向かうと見られる。このデモへは各市町村役場や企業からの援助があり、参加者は1人6ユーロでマドリッドまで行くことができる。さらなるバス探しはポルトガルにまで及び、その他の被害地域であるアストゥリアス、カンタブリア、バスク州やそれ以外の州からの参加者も含めると当日参加する人数は膨大なものとなることが予想されている。
先週土曜日の反戦デモ規模とまではいかないが、今度のデモも政治家を主役にはしないデモで、先頭には作家のマヌエル・リバス氏や映画監督のフェルナンド・レオン氏などが立つことになっている。今回のデモでは政府の対応の不適切さが糾弾されるだけでなく、政府の判断ミスの責任も追求される。

バスク語新聞“Egunkaria”編集長と幹部9人を逮捕

今日午前4時頃、300人の捜査員を動員して治安警察によりバスク語新聞“Euskaldunon Egunkaria”社が捜査を受け、テロリストグループETAとのつながりがある疑惑により、バスク州3県とナバラ州にあるこの新聞社社屋の一時閉鎖と法人の活動停止が中央管区裁判所により言い渡され、編集長を含む10人が逮捕され、逮捕者の自宅も家宅捜査を受けた。

大雪の被害、緩和へ

昨日は明け方にバスク州でナバラ州との州境付近で高速道路N-Tが5時間にわたって閉鎖されたほか、カスティジャ・イ・レオン州では2.4万人の生徒が休校、一時風速100キロの強風を伴った大雪による被害がスペイン北部各地で相次いだ。高速道路も大雪による渋滞が相次いだが、雪と風は昨夜までには勢力を弱め、気温も上昇、スペイン全土で通常の状態が回復されている。


2月19日(水)

判事、勧業省の3高官のプレステージ牽引先決定責任を追求

石油タンカープレステージ沈没事故の調査を進めているア・コルニャ県コルクビオンのハビエル・コジャソ判事は、Nunca Maisが起こした刑事訴訟を昨日受理、勧業省の3高官に対し被告として出廷するよう命じた。この3高官とは11月13日に浸水が始まっているプレステージを沖に曳航するよう命じた勧業省危機対策室の3人で、商船総合管理局長ホセ・ルイス・ロペス-ソルス氏、ア・コルニャの海上保安局長アンヘル・デル・レアル氏、そして中央政府ガリシア州代表委員アルセニオ・フェルナンデス・デ・メサ氏。彼らは法定でプレステージを沖へ曳航することを決定した根拠について明らかにしなければならない。

イラク攻撃をめぐって団結していた野党勢力早くも分裂

昨日行われた国会討論で、アスナル首相は前日EU首脳会議で達した合意を引用、これを政府の方針として審議にかけ、CiU(カタルニャ同盟)が支持を表明、CC(カナリアス連合)、PNV(バスク民族党)、PSOE(社労党)は棄権し、昨日の国会審議は野党が一丸となって政府の提案を拒否した11日とは異なった様相を呈した。この合意は、戦争は避けられないものではないこと、査察団は国連安全保障理事会が必要と見なす時間と手段を持てるべきだということを表明しており、与党PP(国民党)と連立政権を組む2党のうちCiUはこの合意を支持することに投票した。議場にはイラク攻撃反対を唱え、14日前からハンガーストライキを行っている人々も詰め掛け、“No a la Guerra”のプラカードを掲げ、「国民の声を聞け!」とアスナル首相に叫んだが、議場から退出させられた。

全国で雪と強風の寒い一日

昨日は大雪と強風による被害のため、全国で12の自治州に注意報が出された。今日も注意報が出されているのはアストゥリアス、カンタブリア、カタルニャ、ガリシア、パイス・バスコ、アンダルシア、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、アラゴン、ラ・リオハ、マドリッド、カスティジャ・ラ・マンチャ、バレンシアの13州で、昨日は悪天候により地中海を運行する船は運休、カタルニャ州では103のスクールバスルートが雪のため通行不能となり、およそ6400人の生徒が学校に行くことができなかった。
また昨日の午後7時半には電力消費量が過去最大の1時間あたり37,600メガワットを記録している。

7キロのダイナマイトを搭載した爆弾を発見、解体

昨日午後、ビスカヤ県ムルエタで、ゲルニカとベルメオを結ぶ県道BI-2235沿いの高圧塔に結び付けられていた爆弾が発見、解体された。警察関係者の話によると、爆弾が見つかったのはこの付近で近所に住む女性が不審な若者を見かけ、この若者が爆弾を操作するためのリモコンを捨てて逃走したためだという。この爆弾は鍋に7キロのダイナマイトを詰めたもので、この爆薬はフランスで盗まれたものであることがわかっている。バスク州警察はこの未遂テロの標的についてあらゆる可能性を検討中であるが、付近に住む2人のバスク州警官ではないかとの見方を強めている。


2月18日(火)

EU諸国首脳、戦争回避のため、イラクに最大の協力を要請

昨日ブリュッセルで開かれたEU首脳特別会議で、EU諸国首脳はイラク問題に関して、最低レベルでの合意に達した。EU内の意見対立は深刻で、スペインを含む8カ国がその他の国々に内密でアメリカ支持の書簡にサインしていたこともあり、合意が得られるのかどうかが懸念されていたが、EU加盟15ヶ国はイラクに対し、査察が永遠に続くものではないことをあらためて通達、また戦争回避最後のチャンスを活かし、査察団に最大の協力をするよう求めることを決定した。先週の土曜に各国で行われた大規模な反戦デモによる国民の意見表明を受けて、EUはイラクの武装解除をあくまでも平和的な方法で求めていくこと、武力行使は最終的手段であることを確認した。

カンタブリア、バスク、ガリシアの漁船300艘、1500トンの石油を回収

石油タンカープレステージが沈没してから3ヶ月以上が経過した今も、漁師たちの石油との闘いは続いている。昨日は北西の強い風に吹かれ、大量の石油が特にビスカヤ、ギプスコア県の浜辺に漂着した。バスク州の海岸では165艘の漁船が沖で1210トンの石油を回収、また浜辺ではビスカヤ県で29.4トン、ギプスコア県で28.4トンの石油が回収された。
ガリシア州では60トンの石油が約30艘の漁船による作業で回収された。漁師たちの話によると、海上の石油の状態は日によっても場所によっても異なり、先日は石油が板状に固まり5メートルにもなったものを回収した船もあったという。コスタ・ダ・モルテ付近の海上は表面が虹色に光っているという。
カンタブリア州では昨日は165艘が沖に出て279トンの石油を回収、浜辺でも84トンが回収された。今日は南西の風向きが予想されているため、石油の大規模な漂着はない見通し。

石油汚染、一番の被害はセントージャ蟹

ガリシア州政府が行った調査の結果によると、今回のプレステージ事故による石油の流出、汚染で最も被害を受けたのはセントージャ蟹だという。この調査はリアス・バハス周辺で潜水夫を使って行われたもので、タコと養殖されている魚には被害がなかったが、この地域で腹部や脚が石油にまみれた何匹ものセントージャ蟹が見つかったと報告書には述べられている。
この報告書は事故による危機は沈静化したとの見解に基づいており、ガリシア州政府は漁全面解禁の必要性を訴えていく方針。

シベレス・コレクション開幕

マドリッドのカンポ・デ・ラス・ナシオネスの会場で昨日第37回シベレス・コレクションが開幕、2004年の秋冬コレクションが発表され、ジャッケッタ・ウィーラー(現在世界トップ10モデルの1人)、二エベス・アルバレスなどのモデルが、Duyos、Antonio Pernas、Miguel Palacio、Lemoniez、Larrainzar、Elio Berhanyerといったデザイナーの提案する、ビロード、繻子などの素材を扱い、ギャザーをたっぷりとったゴージャスな着こなしを披露した。
シベレス・コレクションの会場でもイラク攻撃反対のメッセージが見られ、コレクションの最後に“PAZ”(平和)と書いた黒いTシャツで登場したデザイナーもいた。


2月17日(月)

アスナル首相、ブッシュ大統領支持の考え変えず

土曜日にはスペイン全土で大規模な反戦デモが行われ、少なくとも3百万人が参加したと見られているが、アスナル政権はブッシュ大統領支持の方針を変えず、「平和への最も確実な道は厳しく圧力をかけることだ」としている。スペイン政府は土曜日から電話で各国首脳と会談、アメリカ支持国を増やす試みを行っている。今週末にはアスナル首相がメキシコでビセンテ・フォックス大統領と会談、その後アメリカでブッシュ大統領とも会談する予定。昨日は首相官邸でブッシュ大統領の弟、ジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事との晩餐が催された。今日はブリュッセルでEU15ヶ国首脳臨時会談が開かれ、首相は明日国会で報告を会談の結果報告を行う。

マドリッドの病院、同時消化器移植に成功

スペインでの移植パイオニア病院であるマドリッドのラ・パス病院によると、10日前に16歳の女性患者に胃、十二指腸、小腸、脾臓、肝臓の5つの消化器と腎臓の生体移植を行ったことを発表した。
この患者は、消化器の筋肉が蠕動運動を行わず、口から摂取した食べ物が結腸まで送り込まれない難病を患っていた。患者は4年前から点滴による栄養摂取を行っており、今回は同じドナーから5つの消化器の提供を受け、20時間にわたる移植手術が行われた。術後の感染症の可能性が高いため今回は大腸の移植は見送られている。消化器の移植では患者の50%が術後の感染症または拒絶反応により命を落としているため、手術が成功かどうかを見るにはあと1ヶ月必要だが、今のところ患者の経過は良好だという。

合法的居住移民数、10年ぶりに下降

1992年12月31日に195,013人を記録して以来上昇を続けていたスペインに合法的に居住する移民の数は2002年6月には839,714人となったが、同年12月31日の時点で826,956人、つまり6月から12,758人減少したことが移民局の発表によりわかった。
2002年6月から12月の移民の減少が最も大きかったのはマドリッド州(222,969人から201,131人へ21,838人の減少)で、これに続いてアンダルシア州で88,534人から77,465人へ11,069人の減少が見られた。カナリアス州、アラゴン州、カスティジャ・ラ・マンチャ州、メリジャでも移民は減少しており、その他の自治州ではわずかながら増加している。不法居住移民の数は、その性格上数を正確に把握することができないが、国境警備により逮捕、送還されている不法入国者の数を目安とするならば、その数は引き続き増加しているといえる。合法的居住移民減少の原因として考えられるのは、以前から居住していた移民が自身の滞在を合法化できる唯一の道であるレヒメン・へネラルの終了。

週末の交通事故死者32人

DGT(交通総合曲)の発表によると、この週末(金曜午後3時から日曜夜12時まで)、スペインで31件の死亡交通事故が起こり、32人が亡くなったという。この間の重傷者は19人、軽傷者は11人。

週末のスポーツの結果

自転車:今シーズンはオランダのRabobankで走るオスカル・フレイレ選手がブエルタ・ア・アンダルシア初日の昨日、コルドバをスタートし、コルドバでゴールする179.6キロの第一ステージを制した。
テニス:チリのビニャ・デル・マル・トーナメントでスペインのダビ・サンチェス選手がチリのマルセロ・リオス選手を1-6、6-3、6-3で下し、24歳にして国際トーナメント初優勝を飾った。


2月14日(金)

プレステージ事故発生から3ヶ月

7.7万トンの石油を積んだ一重船体タンカープテステージ事故発生から3ヶ月、スペイン政府は今回の被害への補償金申請のための報告書をFidec(炭化水素化合物汚染による被害への国際補償基金)に提出した。この報告書でスペイン政府はプレステージ事故による被害総額を少なくとも10億ユーロと計算しているが、Fidecの計算では5.7億ユーロとなっている。スペイン政府は被害範囲をポルトガルのミーニョ側以北からフランス国境までの2890キロが汚染されているとする反面、Fidec側は浜辺によって汚染状況は異なることを考慮に入れた上で、ビゴ以北フランス国境までの間のおよそ900キロを被害地域と算定している。禁漁解禁、観光の回復、沈没しているタンカーに残る石油の処理など今後の状況次第で被害額が大きく変わるため、支払い補償金額の決定はひとまず5月の会合まで持ち越されている。

首相、再び国会でイラク危機の現状説明へ

ホセ・マリア・アスナル首相は火曜日に再び国会に出頭、議長国ギリシャの召集で月曜にブリュッセルで開催される臨時EU首脳会議の結果報告、イラク危機に関する国際的現状説明のためである。すべての野党が首相への質問、さらには投票による採決を要求しているにもかかわらず、今回のアスナル首相の出頭も首相からの一方的な発言のみ、質問は一切受け付けない形がとられる。今日は国連安全保障理事会の会合が開かれ、国連査察団ブリックス団長から査察の報告が行われるが、15ヶ国のうちアメリカ、イギリス、スペイン、ブルガリアをのぞく11カ国は査察団にさらなる時間を与え戦争は避けるべきだとの意見で、安全保障理事会内でなんらかの合意に達するのは不可能だと見られている。

プエルタ・デル・ソルで2.4万人が反戦の署名

昨日正午から午後8時までプエルタ・デル・ソルで反戦を訴えるために、俳優、歌手、文化人が交代で詰め、24000人以上の署名が集まった。昨日参加したのは映画界からはイマノル・ウリベさん、ハビエル・バルデムさん、フアン・ディエゴ・ボットさん、ホセ・サクリスタンさん、フェレ・マルティネスさん、ホセ・コロナドさん、エドゥアルド・ノリエガさんらで、歌手のホアキン・サビナさん、ペドロ・ゲラさん、作家のルシア・エチェバリアさんなど。また、IU(統一左翼)のジャマサレス代表、PSOE(社労党)マドリッド市長候補のトリニダ・ヒメネスさんも駆けつけた。
また昨日はスペイン各地で6万人(主催者側発表)の学生たちによる反戦集会も開かれ、最も規模の大きかったバルセロナでは4000人(警察発表)が集まり、“Ni un soldado, ni un euro, ni una bala para la guerra(兵隊1人、1ユーロ、弾丸1個たりとも戦争に送るな)”のスローガンのもと反戦を唱えた。

IPC、0.4%下がる

昨日INE(国立統計局)が発表したところによると、昨年1月はユーロ導入による値上がりと税金の引き上げによりIPCは0.1%も下がらなかったが今年1月のIPC(消費者物価指数)はバーゲンの影響で0.4%下がり、1月現在のインフレ率は3.7%となっているという。IPCが下がったのは2002年7月以来(0.7%)で、このときも原因は夏のバーゲン。、部門別に見ると、イラク危機の影響で燃料が2.5%、プレステージ事故の影響で魚介類が生鮮・冷凍とも2.9%値上がりしている。


2月13日(木)

ランサローテ島で西独首脳会談

カナリアス諸島のランサローテ島で、昨日スペインのアスナル首相とドイツのシュレーダー首相との会談が行われた。両国首脳はスペインとドイツの関係が友好的なものであると評価、今後も協力してテロ対策を行うことで合意、また海上保安とEU国境警備についての共同声明に調印した。
しかし現在ヨーロッパをニ分しているイラク危機対応に関しては、スペイン、ドイツ両国とも国連の査察団の報告書を待つという点では考えが一致しているが、あくまでも平和的解決法でイラクの武装解除を行いたいドイツと、武力行使も辞さないとするスペインの間の溝は埋まらなかった。来週の月曜日にはブリュッセルでEU首脳会議が開かれる。

バスク州知事公邸前で反ETAの集会

昨日、バスク州知事フアン・ホセ・イバレチェ知事公邸前でETA反対運動を行うグループ“Basta Ya!”主催の抗議集会が開かれ、スペイン映画界からもマリサ・パレデスさん、アントニオ・レシネスさん、フアン・エチャノベさん、サンティアゴ・ラモスさん、ダビ・トゥルエバさんを始めとする参加があった。集会は先週の土曜日にテロの犠牲となったヨセバ・パガサウルトゥンドゥア氏への五分間の黙祷で始められ、バスク州政府がETAへ対策へ手をこまねいていることを非難した。

アダリ被告、刑務所入り

昨日タラゴナ裁判所で陳述を行った後、フェルナンド・アダリ被告は婚約者グロリア・サンスさん殺しの罪で、タラゴナ刑務所に収監された。
検察側は、何度もサンスさんの頭部を殴った後、ぐったりしているサンスさんの首をさらに締める悪質な殺人だとしているが、弁護側は、アダリ被告が殺害を後悔し、被害者の家族にも謝罪していることから、警報で15〜20年の刑が科せられる計画的殺人罪ではなく12〜15年の殺人罪を適用するよう要求している。
被告自身、殺意はなくかっとなって殺してしまったとすでに警察で供述しており、バジラナへ死体を遺棄したのもそのときの思い付きだったと述べている。しかし、事件の真相解明を複雑にしているのは1月31日にバジラナの1組の夫婦の証言で、同月4日にシャベルを持ったアダリ被告を見たと述べており、証言を受けて地元の警察が付近を捜索したが、そのときは何も見つかっておらず、またこの日はアダリ被告にはサンスさんとその両親と一緒にいたというアリバイもあるため、この証言の信憑性は薄い。さらに、遺体で発見されたサンスさんの着衣が乱れていたことから、アダリ被告が強姦による殺人、死体遺棄を偽装しようとしたとの見方もされているが、被告は森まで死体を引きずったためだと供述している。

4回の偽装結婚女性を逮捕

赤道ギニア出身で現在はスペイン国籍を持つニコラサ・ヌオ・アベメ容疑者(47歳)が、夫と死に別れた後、偽装結婚の目的で別の男性4人(うち3人とは昨年)と結婚届を出していたことがわかった。4人の男性はいずれもナイジェリア出身で、スペイン国籍を持つ女性と結婚して自身もスペインでの滞在を合法化するのが目的で、ヌオ容疑者は報酬として1回の結婚につき2500〜3000ユーロ受けとっていたと見られる。ヌオ容疑者はすでに釈放されており、その他この結婚の手引きをしていたナイジェリア人3人も逮捕されている。

エミリオ・ロメロ・ゴメス氏、死去

新聞記者で作家でもあったエミリオ・ロメロ・ゴメス氏が今朝未明、マドリッドの自宅で心不全のためなくなった。享年85歳。ロメロ・ゴメス氏はここ数年は健康状態がすぐれず、自宅での療養生活を余儀なくされていた。法律家への道を捨て新聞の世界に入り、1946年から52年まで在籍した“Pueblo”社では発行部数を2.5万から30万に伸ばし、Pueblo紙を当時のスペインの3大新聞の一つに育てた。

スペイン、ドイツに勝利

サッカースペイン代表チームとドイツ代表チームの親善試合がパルマ・デ・マジョルカで行われ、スペインが3-1でドイツを下した。この試合で2ゴールを挙げたラウル選手(25歳)が合計31ゴール(出場59試合)でスペイン代表選手のゴールランキングトップに立った。

ガスパール氏、会長職を正式辞任

昨日、FCバルセロナの臨時役員会が召集され、満場一致でジョアン・ガスパール氏の辞任を認め、後任にエンリク・レイナ氏が就任することを決定した。しかし、レイナ氏は暫定的に会長職を務めるだけで、正式な会長の選挙実施時期について、役員会ではチームがヨーロッパカップで優勝できる可能性のある間は行わないことで一致している。


2月12日(水)

戦争反対で野党団結

昨日の国会で再び与党PP(国民党)は孤立した。PPと連立政権を形成しているCiU(カタルニャ同盟)、CC(カナリアス連合)を含めた野党勢力が団結し、イラク危機を脱出するために平和的外交により、戦争を避けるためのあらゆる方法を探るよう政府に求める文書を提出したためであるが、この請願書は国会で議席の過半数を保持するPPによって却下された。また、スペインが軍隊を海外に送るのは常に国連、EUまたはスペインが調印している国際条約の規定によってのみであると国会で定めるべきだというIU(統一左翼)の提案もPPによって否決された。
今週土曜日には、PSOE(社労党)、IU(統一左翼)、UGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)と200以上の政治、社会団体の参加による55以上の戦争反対デモがスペイン各地で予定されている。

“Hable Con Ella”、アカデミー賞候補作品リスト入り

アメリカ映画芸術科学アカデミーが昨日、第75回アカデミー賞の正式候補作品リストを発表、ペドロ・アルモドバル監督の“Hable Con Ella(アメリカ公開タイトルは'Talk to Her')”が最優秀監督賞と最優秀脚本賞の2部門でノミネートされることが決定した。スペイン人が最優秀監督賞にノミネートされるのは初めて。授賞式は3月23日にハリウッドのコダック劇場で開かれる。

大西洋諸島国立公園の海底に厚さ40センチの石油

ガリシア沖にある大西洋諸島国立公園周辺は、政府によるとすでに石油タンカープレステージから流出した石油の回収・清掃作業が完了したとされていた。しかし、すでに清掃が済んでいたオンス島の北側で厚さ25〜30センチの石油が沈殿がみつかり、、その他の場所でも同様に石油が沈殿、所によっては厚さ40センチにもなるという。この回収ができるのは、海軍、治安警備隊、ビゴの消防隊、ポンテベドラの漁業組合の60人の専門潜水夫だけで、これまでに約80トンの石油を回収、今後も天候が許す日は作業が続けられる。国立公園の園長は春には公園内の海岸はほぼきれいになっているだろうとの楽観的な見方をしているが、リアス・バハスの漁師たちの考えは悲観的で、ガリシア政府の予定している来週の月曜日(17日)の漁業解禁に反対しており、アスナル首相に対し海底の様子を撮影したビデオを送ることを検討している。

アダリ容疑者、殴打の後、首を締めて殺害

タラゴナで23日間行方不明となった後、死体が発見されたグロリア・サンスさんの解剖が昨日行われた。検死の結果、サンスさんが頭部に数回殴打を受けた後、首を締められて死亡したことが確認された。すでに逮捕されている婚約者だったフェルナンド・アダリ容疑者の供述では、サンスさんの失踪当日、2人はサンスさん宅で激しい言い争いとなり、容疑者がサンスさんを殺害後車でバジラナにある森に死体を捨てたことがわかっている。殺人の14日前に死体遺棄現場でシャベルを持ったアダリ容疑者を見たという証言も出ており、殺人が計画的なものであった可能性もあるため、現在、警察が確認を急いでいる。アダリ容疑者は今日、裁判所に出頭する予定。

アンドアインの市長辞任要求ならず

土曜日のテロで警察署長の命が失われたギプスコア県のアンドアインの町長(バタスナ党)が、テロを糾弾する発言を行わなかったことから、町議会では野党が結集して町長に対し辞任を求める準備をすすめていたが、昨日PNVは正式に辞任要求に参加しないことを表明、野党全党の合意が必要なため辞任要求は出されないこととなった。アンドアインでは、殺害されたヨセバ・パガサウルトゥンドゥア氏の警察の同僚21人のうち18人が、昨日町長の辞任を求め、市役所に24時間立てこもった。

F18戦闘機、カナリアス諸島沖に墜落

昨日、試験運転中のF-18戦闘機がグラン・カナリアス島沖南東1000メートルに墜落した。原因は燃料切れで、パイロットは直前にパラシュートで脱出しており、ガンドの軍事空港管制塔からの連絡を受けてSAR(航空救助サービス)がヘリコプター2台、飛行機1台とおよそ100人で救助作業に向かい、墜落から40分後パイロットは無傷で発見された。軍用機の事故が起きたのは1月22日につづいて今年で2件目。


2月11日(火)

タラゴナの行方不明女医、遺体を発見

今月4日にアムステルダムで逮捕されたフェルナンド・アダリ・ペナス容疑者(32歳)が、昨日オランダから送還される飛行機の中で、1月18日から行方不明になっていた彼の婚約者だったタラゴナの女医、グロリア・サンスさん(28歳)を殺したと自供した。アダリ容疑者はサンスさんを撲殺した後、遺体をバルセロナから約25キロのバジラナの森の中に捨てたと供述、警察はサンスさんの遺体を供述どおりの場所で発見した。
警察関係者の話によると、遺体は茂みの中に隠されており、頭部に殴打を受けた後があった。死後23日経過しているため、遺体はすでに腐敗を始めていたという。検死解剖は今日行われる予定で、一方のアダリ容疑者も裁判所に出頭、サンスさんの失踪について陳述することになっている。
仕事用に使っていたタクシーのトランクからサンスさんの血痕が見つかったこと、警察の事情聴取の後オランダに逃げたことから、アダリ容疑者は警察から一番の容疑者と見られていたが、自身は終始無罪を主張、タラゴナの地方紙にも自分が無罪である旨のEメイルを送っていた。しかし、アダリ容疑者がサンスさんには英語の教師をしていると言っていたものの実際はタクシー運転手だったことなどから、警察は彼が常習的な嘘つきであると見て、彼をオランダからスペインに連れ戻す際に精神科医を同行させ、これがアダリ容疑者の自供を引き出すカギとなった。

アンドアインで町長に辞任を求める動き

土曜日のETAによるテロで地方警察署長ヨセバ・パガサウルトゥンドゥア氏が殺されたギプスコア県のアンドアインでは町長の辞任を求める声が高まっている。これは、アンドアインのホセ・ルイス・バランディアラン町長がバタスナ党所属で、党の方針に従い今回のテロを非難することを拒否しているためである。
アンドアインの町議会は現在EH(バタスナ党)5名、PSE(バスク社会党)5名、EA/PNV(バスク連盟/バスク民族党)5名、PP(国民党)2名という構成で、得票数差により過半数を取らないままバタスナ党が政権を握っている。今回のテロに対する反応に関し、PPがバランディアラン町長へ辞任を要求を提案、PSEもこれに協力する姿勢を見せているが、辞任は全野党一致でなければ要求できず、支持が不可欠のPNVはこれを拒否している。
バスク州には同様に過半数を占めずにバタスナ党が政権を握る市町村が17あり、今回のテロ後、これら市町村でもバタスナ党市町長辞任要求の動きが高まっている。昨日はスペイン各地でテロの犠牲となったパガサウルトゥンドゥア氏への追悼の黙祷が捧げられた。

エブロ川氾濫により深刻な農業被害

エブロ川の今回の氾濫によりアラゴン州の農耕地の5%が水浸しになった。サラゴサ県での被害地域は2.5万ヘクタールに上る。今回の氾濫は1961年のものより水量は少なかったが、政府、農業関係者とも被害額は大きく上回ると見ており、具体的な被害額の算出はまだ終わっていないが、総額9000万ユーロにはなると見られている。市町村や農業関係者は、今回の氾濫を川の清掃不足のせいだとしているが、サラゴサ大学の専門家は過去40年にわたって宅地開発などのため、川の流れが変えられてきたことを原因として指摘している。


2月10日(月)

土曜日のテロ現場となった町でETA反対デモ

土曜日の午前9時55分、ギプスコア県アンドアインで、アンドアイン地方警察署署長のヨセバ・パガサウルトゥンドゥア氏(42歳)が行きつけのバルで朝食を食べていたところをピストルで撃たれ、発射された4発の銃弾のうち2発が頭に、1発が肩に命中、パガサウルトゥンドゥア氏はサン・セバスティアンの病院に運ばれたが、9時間後息を引き取った。目撃者の話では、襲撃者はバルの客を装いコーヒーを飲んでいた若者で、パガサウルトゥンドゥア氏に発砲した後、その場から逃げ、もう1人が運転する車に乗ってパンプローナ方面に逃亡したという。ETAの暗殺の際によく行われるのと違い、暗殺者はマスクをかぶっていなかったという。
パガサウルトゥンドゥア氏は警察署長であったほか、PSE(バスク社会党)、UGT(労働者総同盟)、テロ反対市民グループ“Basta Ya!”のメンバーであることでも知られており、ここ数日はテロリストからの脅迫にさらされている人々への支持デモの召集準備をしていた。彼がETAからの脅迫を受けていることは周囲にも知られており、1990年には自家用車が焼かれ、2001年には自宅に火炎瓶を投げつけられているが、ボディガードはつけていなかった。
テロの翌日の昨日アンドアインでは、住民がテロリストグループETAへの強い拒絶を示すため、デモに参加、午前11時50分、スペイン語とバスク語で“ETA NO-ETA EZ”と書かれた垂れ幕を先頭に、ミチャビラ法務大臣、PSOE(社労党)のサパテロ書記長、PSEのロペス党首、UGTのメンデス書記長、イバレチェ・バスク州知事なども参加し、アンドアインの町を行進し始めたデモ隊の沈黙が唯一破られたのは、バタスナ党の事務所前を通過するときで、参加者たちは「asesinos(人殺し)!」「askatasuna(自由を)!」などと叫んだ。

ガリシアでは「きれいな海を返せ!」とデモ

昨日、NuncaMaisの召集によりア・コルニャでデモが開かれ、主催者側での発表で20万人、警察の発表で20500人が2.5キロのデモ行進に参加した。参加者たちは“Salvemos el mar, o solo nos queda la maleta(海を救わなければ、我々にはスーツケースが残るだけだ)”というスローガンのもと、自分たちの先祖のように国外に移民に出ることを象徴するスーツケースを持って行進した。
デモ行進にはIU(統一左翼)のガスパール・ジャマサレス代表、BNG(ガリシア民族党)のショセ・マヌエル・ベイラス広報官やPSdG-PSOE(ガリシア社会労働党)のメンバーも参加、プレステージ事故に対する政府の無責任ぶりに対し抗議の声を上げ、ガリシア沖に沈んでいるタンカー、環境回復のための対策を早急に行うよう要求した。

石油回収作業にあたった人のうち1087人に医師の診察

ガリシア州政府が発表したところによると、石油タンカープレステージから流出した石油の回収作業にあたった、ボランティア、軍人、清掃会社の職員のうち、11月29日から2月7日までの間に1087人が医師の診断を受けているという。彼らに見られた主な症状は、吐き気、目の不快感、喉の痛み、呼吸困難、頭痛であり、ガリシア州政府の公衆衛生担当官によると、これらの症状は以前の石油流出事故の際に見られたのと同じだという。自分の住む町に帰ってから医師の診断を受けたボランティアもいると考えられることから、ガリシア州政府では実際には今回発表した数字を上回る数の人々が医師にかかっていると見ている。

ドノバン少年、死因は事故

2002年2月から11ヶ月間行方がわからくなった後、浄化槽で遺体となって発見されたドノバン・パラガ君(当時12歳)の死因に関し、グアダラハラ裁判所の検死官が報告書を提出した。検死官は少年の死に第三者が関与していた痕跡はないと断定、自殺と事故の可能性でも彼が誤って浄化槽に落ちたという見解に傾いている。ドノバン君の父親のフランシスコ・パラガ氏は、「息子の死因について確かだと思えるよう」今日にも自身が雇った検死官が遺体の検死を行えるよう、裁判所に申請する見込み。

歴史家ミケル・バトロ−リ氏、死去

1909年、バルセロナに生まれ、ラモン・ルルとボルジア家研究の世界的権威として知られた歴史家、イエズス会のミケル・バトロ−リ神父が昨日、バルセロナのサン・クガットで亡くなった。93歳だった。

週末のスポーツの結果

陸上競技:ベルギーのガントで行われた室内競技会で、スペインのアルベルト・ガルシア選手が27年ぶりにヨーロッパ室内5000M走記録を塗り替え、13分11.39秒で優勝した。
テニス:デビスカップ予選でスペインチームはベルギーチームに3−0で快勝、準々決勝でクロアチアチームと対戦する。


2月7日(金)

エブロ川の増水、氾濫つづく

エブロ川の増水により、昨日はサラゴサの3つの村で浸水により住民が避難、非常警戒体制が敷かれているアラゴン州の州都サラゴサ市では明日の明け方エブロ川の水量が1秒当たり3000立方メートルになり、水位が5.77メートルまで上がることが予想されており、すでにエブロ川左岸にあたる地域では低地が浸水している。カタルニャ州ではミラベ、アルドベル、ガルシアで浸水があったが、水害は昨日沈静化している。またスペインでも有名な野菜の産地であるナバラ州のトゥデラは22年ぶりの大規模な浸水に見舞われ、被害総額は何百万ユーロにも上ると見られる。エブロ川の水量は普段の2倍以上となり、消防団が船を使って住民の避難を手伝った。

スペイン政府、天然痘ワクチン200万本を購入

スペイン政府は、防衛省、厚生省を通じて200万本の天然痘ワクチンを入手したことを明らかにした。WHO(世界保健機構)は1980年に地球上からの天然痘が根絶したことを発表しているが、水曜日、アメリカのパウエル国務長官が国連安全保障理事会会議において、イラク政府が天然痘を使った生物兵器を持っていると発言しており、9月11日のテロの後、アメリカで炭素菌が郵便で送られ5人が死亡していることから、スペイン政府は今回、ワクチンを入手した。この200万本のワクチンは、生物兵器による攻撃が予想される軍隊と専門家を守るために用意されたものである。

打ち寄せる石油の波と闘うスペイン北部

昨日は、ガリシア、アストゥリアス、パイス・バスコ、カンタブリア州に再び石油の波が押し寄せた。ビスカヤ湾ではこれまでの1日の回収量記録となる2000トンの石油が昨日海上で回収された。
数日前に海産物漁が解禁になったリアス・バハスの数ヶ所にも石油は漂着しているが、ガリシア州政府は今のところ、禁漁令を出していない。マヌエル・フラガ知事は「これからは石油と共存していくことが必要だ」と述べ、禁漁解禁の決定を修正しない考えを示した。州政府が漁解禁を決めた後もリアス・バハスではほとんどの漁業組合が自らの判断により漁を再開していない。これに対し州政府は「漁師たちはガリシアの海に石油がある状態に慣れるべきだ」とコメントしている。

2科目以上落第で中学留年へ

昨日、ピラル・デル・カスティジョ文部大臣は予告なしにLOCE(教育の質向上法)改正令のうち6つの発表を行い周囲を驚かせた。この6つの改正令は、適用開始時期の制定、新しい就学前教育と小中高等学校の教育内容についての変更についてで、来年度から2科目以上落第したESO(4年制の中等義務教育)の生徒は留年しなければならない。また2004年からは3年生は技術系(その後専門学校へ進む生徒向け)か文理系か、4年生は技術系、理系、文系の間でコースの選択を迫られることになる。
しかし、教育関係者、父兄、学生連合の大部分とPSOE(社労党)、IU(統一左翼)を初めとする主要野党勢力は、文部大臣が法律の内容を各自治州と教育関係者に十分に説明せず、この法令を実施するにあたり必要となる費用の捻出元も明らかにしないうちに適用開始時期を発表したことに不快感を表明している。


2月6日(木)

有名俳優たち、国会でイラク攻撃反対唱える

昨日は、アスナル首相がようやく国会でイラク攻撃へのスペイン政府の方針を説明したが、PSOE(社労党)とIU(統一左翼)の要請で、それに合わせて有名俳優たちが議場へ抗議のため駆けつけた。首相が発言している間、俳優たち(アイタ−ナ・サンチェス・ヒホンさん、イマノル・ウリベさん、ピラール・バルデムさん、グラン・ワイオミングさん、アナ・ベレンさん、ハビエル・バルデムさん他)は“NO A LA GUERRA(戦争反対)”のスローガンが胸に書かれたTシャツを着て無言で立ち、議長の命によりガードマンから退場させられた。議事堂の外には映画関係者を中心としたたくさんの人々が集まっており、その後彼らは一丸となってサン・ヘロニモ通りからネプトゥノ広場まで戦争反対のデモ行進を行った。

アスナル首相、孤立無援

アスナル首相は、昨日の国会演説でどの政党からも新たに援助を得ることができなかった。数週間以内に武装解除が行われないならイラクを攻撃すべきだと考えているのは依然として与党PP(国民党)のみ。PPと連立政権を組んでいるCiU(カタルニャ同盟)、CC(カナリアス連合)も好戦的な行動を起こす前に国連査察団にもっと時間を与えるべきだと要求している。また最大野党勢力であるPSOE(社労党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長は「イラクの武装解除に戦争はいらない」と国会で発言、査察団にさらなる時間と必要な手段すべてを与えるように国連で決議すべきだとも述べた上、もし国連決議でイラク攻撃を進めるようなことになれば、スペインは国家としてそれに反対すべきだとも述べた。

ETA収監者支持の違法グループ幹部、5人を逮捕

一昨日の夜、ETA収監者支持グループAskatasuna(バスク語で自由を意味)の幹部5人が逮捕された。このグループは2001年11月2日、ガルソン判事より活動停止令が出されたETA収監者支持グループGestoras pro Amnistiaの代わりとしてすぐに立ち上げられ、その後2002年2月にテロリストグループETA組織の一部であるという見解のもと、同様に活動を禁止されていた組織である。Askatasunaはその後フランスバスク地方のバイヨンヌに事務所を構え、フランス人ジャン・フランソワ・ルフォー氏がスポークスマンを務めていたが、昨年9月にビルバオで車に積んでいた爆弾の誤爆により死亡したETAメンバー2人の表敬追悼式以来活動が活発化、警察の捜査が入り、一昨日の幹部5人の逮捕となった。アンヘル・アセベス内務大臣は、昨日この組織はETAメンバーの勧誘、資金調達、メンバーの教育などに係わっていた可能性が極めて高いことを示唆、逮捕者の中にはETAメンバーとしてテロ活動に参加し、1982年から14年間刑務所にいたイニャキ・レタ容疑者も含まれていることを昨日発表した。

恋人のタクシーから見つかった血痕、行方不明女性のものと一致

火曜日にオランダのアムステルダムで逮捕されたタクシー運転手、フェルナンド・アダリ容疑者のタクシーのトランクから見つかっていた血痕が、1月18日から行方不明となっている彼の恋人で医師のグロリア・サンス・シルバさん(28歳)のDNAと一致した。アダリ容疑者はサンスさんの行方不明後の23日バルセロナからアムステルダムに向かい、その後アメリカ南部を旅行し、再びアムステルダムに戻った後、オランダの警察に逮捕された。アダリ容疑者の行動はクレジットカードの使用状況を追跡していたタラゴナ警察により把握されていた。この旅行について容疑者はサンスさんを探すためだったと供述している。
今日、アダリ容疑者は弁護士とともにアムステルダムの裁判所に出頭し、スペイン警察に協力するかどうか述べることになっている。自発的に協力する場合は数週間内に送還に必要な書類が整えられるが、協力を拒んだ場合は、スペイン政府からオランダ政府への送還要請手続きが始められるが、これには数ヶ月を要することになる。アダリ容疑者とサンスさんは今年の10月に結婚する予定だった。

リアス・バハス再び禁漁か

海産物の禁漁が解かれたばかりの地域(カレイロ岬からミーニョ川河口まで)での漁が再び禁止される可能性が強い。これは、再びこの地域にいくつものガジェタス(プレステージから流出した石油がビスケット状に固まったもの)が流れ着き始めたためで、現在は、ペルセベ(えぼし貝)、ウニ、ナバハ(まて貝)、海草以外の海産物漁が再開されているが、今後数日間この状態が続けば、ガリシア政府は再びこの地域での海産物漁を禁止せざるを得ない。
昨日はパイス・バスコ州で漁船が700トンの石油を回収したが、風光明媚なことで知られるサン・セバスティアンのコンチャ・ビーチは浜辺が漂着した石油により汚染されているため一般の立ち入りが禁止されている。また沈没しているプレステージについて専門家たちが「どうしても塞ぐことのできない亀裂が3つあるため今後も石油の流出は続くであろう」との見解を示している。

エブロ川、過去40年で最高の増水

エブロ川の今回の増水が1961年以来最大の量に達しているという。ブルゴス、アラバ、ナバラ県ではすでにいくつもの村で浸水が始まっており、サラゴサでは旧市街と農地を浸水から守るために浸水防止システムの強化が行われている。ナバラ州では昨日からエブロ川の増水による被害が顕著になっており、ノビジャス村では村の3分の2が浸水、25家族が避難した。エブロ川流域各地では浸水、停電などの被害が相次いでいるが、これから始まる降水量の少ない季節を前にし、ダムの貯水量を増やすことに貢献したのもまた事実である。昨年の2月4日にはスペインのダムの貯水量は可能貯水量の53%に満たなかったのが、今年の同日にはほぼ70%に達している。


2月5日(水)

シネマ・アカデミー、会長擁護

イラク攻撃反対を露にし、ゴヤ賞授賞式を政治的なものにしたとして、FAPAE(スペイン・オーディオビジュアル・プロデューサー協会)会長エドゥアルド・カンポイ氏から辞任が要求され、去就が注目されていたマリサ・パレデス・スペイン・芸術・映画協会会長だが、昨日開かれた役員会は会長を全面的に支持することを決定した。これは、ゴヤ賞での出来事はすべて表現の自由に基づくものであり、表現の自由こそが映画の真髄であるとアカデミーの役員たちが考えためである。
すでに映画界の大多数がパレデス会長に対する支持を表明しており、PP、TVEと強い結びつきがあることで知られるFAPAEの会長カンポイ氏に対し、昨日パレデス会長の支持表明にアカデミー本部にかけつけた女優のアイタ−ナ・サンチェス・ヒホンさんは、PPからの政治的影響を強く受けた人物である彼こそ辞任すべきだと述べた。

マドリッド近郊鉄道で追突事故、22人負傷

昨日の午前11時37分、トレス・カントス発アトチャ行きの列車が、エル・ゴロソ駅とフエンカラル駅の間で後ろから来たディーゼル列車に追突され、乗客45人のうち22人が負傷した。追突された電車はカーブにさしかかって徐行していたところで、国鉄RENFEは事故原因を人為ミスと見て調査を行っている。この事故によりマドリッド近郊鉄道セルカニアスのC-1、C-7、C-8線で数時間にわたりダイヤが乱れた。

行方不明女性の恋人を逮捕 (タラゴナ)

1月18日から行方不明になっているタラゴナの医師、グロリア・サンスさんの恋人、タクシー運転手のフェルナンド・アダリ容疑者が昨日、オランダのアムステルダムで逮捕された。サンスさんが失踪する前日、2人は激しく口論していたといい、失踪後、アダリ容疑者の部屋とタクシーから血痕が見つかっていたため、アダリ容疑者に嫌疑がかかり始めたが、容疑者がアムステルダムに逃げたため、スペイン警察からアダリ容疑者に対し国際捜索願が出されていた。アダリ容疑者は数日中にスペインに送還される見通し。

スペイン北部で河川の氾濫

ナバラ、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、アラゴン、ラ・リオハ州では昨日から河川の氾濫による被害が続いており、いくつもの道路が通行不能となっている。今回の河川の氾濫は先週降った雪が解け始めたことと、昨日の大雨によるもので、パンプローナではアルガ川が氾濫、アラバ県ではサドラ川が氾濫しトレスプエンテス村とビジョダス村が孤立した。またブルゴス県ミランダ・デ・エブロではエブロ川の氾濫が心配されている。ジェイダ、ウエスカ、ジローナの山間部では雪のためチェーンの使用が義務付けられており、スペイン北部の山間部では峠の通行止めも相次いでいる。

2002年、スペイン経済成長率、わずか2%

2002年度のスペインの経済成長率が前年を0.7%下回るわずか2%にとどまることが、昨日スペイン銀行の発表により明らかになった。この数字は1993年に1%を記録して以来最低の数字。スペイン銀行は経済成長が鈍化の傾向にあると見ており、早期に成長が加速するとの見解は出さなかった。成長鈍化の外的原因は世界的な経済不況で、それに加え国内での原因としてインフレ、家族当たりの収入減で、企業の負債増大も成長の足を引っ張っている。2%という成長率は、2002年度予算計上時に政府が予測した2.9%に程遠く、またその後の修正値2.2%にも届いていない。


2月4日(火)

リアス・バハスで貝漁再開

プレステージからの石油流出に伴う禁漁から2ヶ月。昨日、リアス・バハスで貝漁が再開され、10667キロの海産物が水揚げされたが、収穫があったのはハマグリ、ベルベレチョ(とり貝の一種)で、ペルセベス(えぼし貝)とナバハス(まて貝)は収穫されていない。以前漁に出ていた漁船2,776艘のうち、昨日漁に出たのはわずか450艘で、残りの船は海の水質がまだ保証されていないとし、漁を見合わせている。
この地域の漁業組合27のうち、昨日ガリシア州政府の決定を受けて漁を再開したのは、ビラノバ、カリル、ア・イジャ、カンバドスのアロウサ湾南側に位置する村とポンテベドラ、ラショ、ロウリサン、アルダンのポンテベドラ近郊の村にある漁業組合だけだった。昨日は漁再開初日とあって水揚げされた貝類には高値がつけられている。

駐スペインモロッコ大使、仕事を再開

モロッコのアブデサラム・バラカ駐スペイン大使がマドリッドにある大使館で昨日15ヶ月ぶりに仕事を再開した。これは先週の木曜日のモロッコのモハメド6世の決定によるもので、スペインの駐モロッコ大使であるフェルナンド・アリアス・サルガド氏もラバトに戻っている。再赴任にあたってバラカ大使はスペインとモロッコの新しい時代が始まったと述べ、両国間に誠実で深い関係を築くために働く決意を表明した。

カディスで不法入国者163人逮捕

昨日、治安警備隊はカディス県タリファで163人の不法入国者を逮捕した。逮捕された最初のグループは2人のマグレブ(チュニジア・アルジェリア・モロッコ)地域出身者と45人のサハラ周辺地域出身者からなる男性32人、女性13人のグループで、次に逮捕されたのは男性21人、女性32人からなるサハラ周辺地域出身者55人のグループ。その後さらに61人(男性29人、女性32人)が逮捕されている。また、昨日はセウタで泳いで越境しようとした不法入国者1人の死体が見つかっている。

スペースシャトル墜落によりグラナダ大学の実験結果失われる

スペースシャトル“コロンビア”の墜落は、グラナダ大学と、科学研究高等委員会の独立機関である結晶学研究所の研究員達にも長年の研究結果の喪失という被害をもたらした。墜落したスペースシャトルにたんぱく質の宇宙での結晶化についての5つの実験結果に相当する機材が積まれていたためである。
研究者の1人によると、たんぱく質の結晶化に関するすべての研究結果はAPCFと呼ばれる機材に搭載されており、一定期間中の宇宙空間でのたんぱく質の結晶化を記録し、のち地上で16日間にわたる実験が行われることになっていたという。宇宙での実験結果のデータはスペースシャトルに保存されていたため、今回の事故によりそのデータとそれに費やされた5年という年月が失われたことになる。

Banyolesの遊覧船事故、船主に懲役2年6ヶ月

1998年10月8日、ジロナ県のBanyoles湖で起き、フランス人観光客21人が死亡した遊覧帆船事故に対する判決が昨日出された。判事は、市議会議員は船主が市の規則に従っているかどうかの確認を怠ったこと、船主は老朽化していると知りながらその船で営業を続けていたことにより、両者に重大な過失があったとし、船主2人と元市議会議員1人に対し、2年6ヶ月の懲役と被害者115人への3百万ユーロの損害賠償の支払いを言い渡した。3人は上告する見通し。

プロデュ−サー協会会長、スペイン・シネマ・アカデミー会長の辞任求める

プロデュ−サー協会会長のエドゥアルド・カンポイ氏は昨日、マリサ・パレデス・スペイン・シネマ・アカデミー会長の辞任を求めた。糾弾の理由は、パレデス会長が先週の土曜日に行われた今年のゴヤ賞受賞式に政治色を加えすぎたためで、カンポイ氏はゴヤ賞の授賞式は政府を非難、攻撃する場ではないとし、パレデス会長が政治的に利用したため、スペイン映画界に深刻な被害が与えられたと述べている。「今日、人々はイラク攻撃反対についてばかり話し、スペイン映画の成功については話題に上っていない」とカンポイ氏は話している。昨日パレデス会長は辞表提出に傾いていたが、今日アカデミーの役員会が開かれることになった。


2月3日(月)

2002年度プレミオ・ゴヤ(ゴヤ賞)発表

土曜日、マドリッドでゴヤ賞の授賞式が行われ、失業をテーマに扱った映画“Los lunes al sol(月曜日にひなたぼっこ)”が2002年度ゴヤ賞に輝いた。“Los lunes al sol”は8部門にノミネート、最優秀監督賞、最優秀映画賞を含む5部門を受賞した。また主演のハビエル・バルデムさんは最優秀男優賞を受賞している。
今回のゴヤ賞ではフェルナンド・レオン・デ・アラノア監督のこの作品と、すでにゴールデングローブ外国語映画賞を受賞しているペドロ・アルモドバル監督の作品“Hable Con Ella(アメリカ公開タイトル“Talk To Her”)”の事実上一騎打ちとなったが、アルモドバル監督は、最も権威あるスペイン語の映画賞の授賞式には欠席、7部門ノミネートされながらも彼の作品は1部門での受賞に終わった。
今年のゴヤ賞授賞式はほとんどすべての出席者の間でスペインがアメリカのイラク攻撃を援助することへの抗議が声高に唱えられ、フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督もハビエル・バルデムさんもスピーチの際、“No a la guerra(戦争参加反対)”のスローガンを掲げた。

アスナル首相、サダム・フセイン大統領がスペインの脅威となる証拠を持っていると発言

昨日、エウロパ・プレスが行ったインタビューでホセ・マリア・アスナル首相は、イラク政府が“世界の平和と安全への脅威であることを示す秘密情報を持っていることを明らかにし、「世界の平和と安全が脅かされているということは、スペインの平和と安全が脅かされているということだ。」と述べた。昨日再びブッシュ大統領と電話での会談を行ったアスナル首相に対して、スペインからの軍隊派遣の可能性と時期についての質問が行われたが、首相は「状況の進展を見て決定する」と述べるに留めた。今回のインタビューでアスナル首相は繰り返し「我々は想像の世界で話をしているのではない。サダム・フセインが武装解除を行っていないと信ずるに足る十分な証拠を我々はすでに持っているのだから。」と強調した。また、イラク攻撃に反対を示している国民に対しては、彼の平和維持に対する責任への理解を求め、さらに最大野党勢力PSOE(社労党)にもイラク危機に対し責任ある行動を取るよう求めた。一方のホセ。ルイス・ロドリゲス・サパテロ・PSOE書記長は、アスナル首相がアメリカ合衆国にへつらって奴隷のような態度をとっていると糾弾、すべての国民に対しイラク攻撃反対運動を起こすよう呼びかけた。
エル・パイス紙の依頼によりオピナ協会が1月に行ったアンケートでは、PSOEへの支持率がついに与党PP(国民党)を抜いている。今回の結果ではPPに投票すると答えた人が40%だったのに対し、PSOEに投票すると答えた人が2%上回る42%で、プレステージ事故への政府の対応のまずさ、国民の大半が反対を示しているイラクへの攻撃により与党への支持率が下がっていることがはっきり現れる形となった。

プレステージ流出石油によりバスク地方、フランス南部の海岸汚染へ

カンタブリア地方の海岸を汚した石油タンカープレステージからの流出石油は、着々とバスク地方、フランス南部の海岸へ接近している。数日前から続いているしけが沖での回収作業を難航させている中、昨日は悪天候にも係わらずバスク地方の125艘が沖合い12マイルまで出て回収作業にあたり、290トンを回収した。

週末のスポーツの結果

サッカー:今季スペインリーグ開幕以来19試合無敗を誇っていたレアル・ソシエダが昨日、ビルバオ、サン・マメススタジアムで行われたアウェーの試合対アスレティック戦に0-3で敗れた。
ハンドボール:ポルトガルで行われていた世界選手権が終了。優勝したのはクロアチア、2位がドイツ。準決勝リ-グでクロアチアに37-39で負けていたスペインは3位決定戦でフランスに22-27で敗れ、4位に終わった。
テニス:今年初のATPランキングが発表され、男子トップ10にスペイン人選手3人(3位フアン・カルロス・フェレロ選手、4位カルロス・モヤ選手、8位アルベルト・コスタ選手)が入った。




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