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3月31日(月)

スペイン各地の基地にデモ行進

カディス県にあるロタ基地では第18回ロタ基地デモが行われた。このデモは毎年スペイン-アメリカ共同基地の撤収を求めて開催されているものだが、今回はイラク戦争への抗議とスペインがそこで担っている役割に対する社会的拒否が示される場ともなった。デモは、エル・プエルト・デ・サンタ・マリア市の中心から基地に向かう6キロの行程で行われ、主催者側の発表で6万人、警察の発表で2.5万人が参加した。デモの平和的ムードとは対照的に治安警備隊は基地から100Mの地点に鉄格子を設け、17台のバンを待機させ騎馬警官隊も配置する物々しさであった。デモにはIU(統一左翼)のジャマサレス代表も参加、代表はPSOE(社労党)の不参加を非難したが、PSOE側は戦争には反対だが、地域の1200家庭に職を与えている基地には反対ではないとし、数人のPSOEメンバーは個人の肩書きで参加した。
マドリッドのトレホン・デ・アルドス基地に向けては地下鉄カニジェハス駅からデモ隊が午前10時半に出発、傘を差してのデモ行進の参加者たちは“Fuera de Rota, fuera de Moron, fuera los yanquis tambien de Torrejon(ロタ基地から出て行け、モロン基地から出て行け、ヤンキーたちはトレホン基地からも出て行け!)”と叫んだ。基地に到着したのは午後1時、予定されていたコンサートは雨のため中止されたが、予定通り声明文が作家ルシア・エチェベリアさんによって読み上げられた。
昨日はこの他にもサラゴサで3000人、ムルシアでは1500人、アルバセテ、バレンシアでもそれぞれ200人ほどがその地にある基地に向けてデモ行進を行った。また、CCOO(労働者委員会)のホセ・マリア・フィダルゴ、UGT(労働者総同盟)のカンディド・メンデス両書記長は昨日マドリッドで会談、毎週木曜日に15分間のストを召集することで合意に達した。

反戦コンサートに3万人駆けつける(バルセロナ)

昨日はバルセロナで反戦コンサートが行われ、降りしきる雨にもかかわらず、各世代からおよそ3万人の聴衆が詰め掛けた。ホアキン・サビナさん、パコ・イバニェスさんのほか、フランセスク・ピ・デ・ラ・セラさん、パウ・リバさん、マリア・デル・マル・ボネットさん、ジョアン、アメリクさんなどフランコ時代に抵抗運動のシンボルとなっていた歌手達も参加、またカタルニャを代表する歌手でコンサートに出演できなかったジョアン・マヌエル・セラッさん、ルイス・リャックさんからもメッセージが寄せられた。コンサートは終了予定時間の午後3時を過ぎても続けられ、およそ4時間にわたって会場とステージが一体となり、普段のコンサートとは違い「アンコール!」の声の変わりに聞かれたのは「No a la guerra!(戦争反対)」 「Aznar, dimision(アスナル首相は辞任せよ!)」の声であった。
またカタルニャ州では230の自治体でイラク戦争と、スペインの参加についての是非を問う住民投票が行われており、バルセロナ市では木曜日から日曜日までに6万人が投票し、市民運動団体Aturem la guerra(戦争を止めよう)の発表によるとカタルニャ州第2の都市オスピタレッ・デ・ジョブレガッでも2.1万人が投票したという。

電話番号案内サービスの番号変更

4月5日から電話番号案内サービスがすべての電話会社に解禁になり、番号はすべて118から始まる5桁の番号に変更される。例えばTelefonica社の現行1003は11818、Telefonica社の子会社であるTPI Paginas Amarrillas社は11888で番号案内サービスを提供する。
またCMT(電話通信市場委員会)の電話通信市場での競合を活発化させるための決定により、Telefonica社の新しい番号案内サービスを利用しても、番号が提供された後、そのまま同社の回線で電話がつながることはなく、利用者が自由に電話会社を選べるようになる。

ホアキン・サビナさん、アトレティコ・マドリッド100周年記念応援歌を作曲

ウベダ出身のホアキン・サビナさんが、サッカーチーム、アトレティコ・マドリッド100周年記念応援歌の作曲を終わらせた。サビナさんが作曲に取り掛かったのは2月の初めてこの週末、信頼するギタリストパンチョ・バロナさんと最終の詰めを行い、応援歌には3つのバージョン、チリゴタ・バージョン、オーケストラ・バージョン、ロック・バージョンが作られることに決まった。ロックバージョンはマドリッドのカラバンチェル出身のRosendo風ロックで、サビナさんはRosendoさんの他、アトレティコのゴールキーパーでありロックアーティストでもあるヘルマン・ブルゴスさん、アトレティコファンであるラ・カブラ・メカニカのボーカル“Lichis”さんと共に演奏することを予定しており、今週にもこの応援歌が発表される見通し。

週末のスポーツの結果

サッカー:ヨーロッパカップ予選、スペイン対ウクライナがウクライナの首都キエフで行われ、2-2とスペイン代表チームにとっては苦い引き分けとなった。水曜日にはレオンで対アルメリア戦が行われる。
テニス:カジョ・ビスカヤ・トーナメント男子決勝が行われ、準決勝で昨年全仏オープンプ優勝のスペインのアルベルト・コスタ選手を6-2、6-4で下していた、今年の全豪オープン覇者、アメリカのアンドレ・アガシ選手がスペインのカルロス・モヤ選手を6-3、6-3で下して優勝した。


3月28日(金)

スペイン国民の91%は戦争反対

CIS(社会学調査センター)が2月22日から28日にかけて行った調査の結果が昨日、発表になった。調査が行われたのは攻撃開始のために国連安保理で2つめの決議の採択が行われるかどうかという議論が行われている時期であったが、攻撃も始まっていないその時期からスペインでは10人に9人がイラク攻撃へスペインが軍事的に参加することへの拒絶を示していたことがわかった。今回の調査でイラクへの武力介入に反対、またはほとんど賛成できないと答えた人が91%に上り、賛成はわずかに5.3%であった。また、スペインは中立の立場を守るべきであると答えた人が66.9%、21.3%は政府の決定を支持、1.2%がイラク支持で残りは無回答だった。
この調査結果に対し、昨日与党PP(国民党)のホルヘ・フェルナンデス氏は「政府とPPは次の選挙のことを考えてではなく、次の世代のことを考えて、彼らに平和で安全な世界を引き継ぐために今回の決定を下したのだ。」とコメントしている。
調査では国民の懸念材料として1位が失業で63.9%、2位テロリズム、ETA(47.9%)、3位イラク戦争(27.5%)となっており、1位と2位は12月の調査時と同じであるが、3位だったプレステージ事故は10位へと大きく後退している。

スペイン基地に最初のイラク攻撃による負傷兵到着

一昨日の午後23時42分、イラク攻撃で負傷した兵士5名と病気になった兵士2名を乗せたC-141スターリフターがカディスにあるロタ基地にクウェートから到着した。負傷兵5名のうち1名は自力で飛行機を降り、残り4名は担架に乗せられ、滑走路で待機していた救急車により全傷病兵は基地の共同使用スペースに米軍が設置した病院に運ばれた。
軍医のパット・ケリー隊長は彼らの怪我の状態、病名、所属部隊、氏名については明らかにすることは避けたが、怪我は機関銃や発砲時の砲弾の破片による負傷で、数名は外科的処置が必要との見解を示した。怪我、病気が全治した兵士は再び戦地の所属部隊に戻されるという。

ビルバオの水道水汚染源、いまだ特定できず

ビルバオでおよそ25万人が被害を受けた水道水汚染の原因をビルバオ市役所はいまだ突き止めることが出来ていない。ビルバオ市衛生・消費局のフランシスコ・デ・ラ・デエサ局長は、その後塩素消毒が行われているため、糞便に発生源を有するこのバクテリアEschirichia coliが貯水場で検出されたとはいえ、家庭までこのバクテリアが到達しているとは限らないと述べている上、バスク州政府衛生局もその判断を裏づけする通達を行っており、今日にも警告は解除されるとしているものの、市民の間での不信感はぬぐわれておらず、商店でのミネラルウォーターの売上は平常の9倍を記録している。

第4回ラス・パルマス国際映画祭開幕

グラン・カナリア島ラス・パルマスのアウディトリオ・アルフレド・クラウスで今日から4月5日まで第4回ラス・パルマス国際映画祭が開催される。映画祭では100本以上の映画が上映され、監督として長編映画デビューを果たしたデンゼル・ワシントンさんの“Antwone Fisher”がヨーロッパで初めて上映されるほか、ジム・ジャームッシュ、コルダ兄弟、マリオン・ハンセル各監督作品特集、ホラー映画特集、カナリアス諸島で製作された映画特集などのほか、女優のカトリーヌ・ドヌーヴさんへの名誉賞授与式も行われる。


3月27日(木)

スペイン各地で学生による反戦デモ−警官隊との目立った衝突なし

マドリッド:およそ3万人が3つのデモにわかれて参加。警官隊との衝突に備え、木製の盾を用意したり、ビデオカメラ持参で参加する者もあったが、週末のデモとは違い、1人の怪我人も出なかった。高校生のデモ隊はアトチャ駅を出発、シベレス広場を通ってプエルタ・デル・ソルに着くルートを取り、大学生の大部分はモンクロアのバスターミナルからグランビア、モンテラ通りからソルという週末と同じルートを取ったほか、一部のマドリッド自治大学の学生グループは最終目的地をレコレトス通りに決めた。許可が下りていたルートはアトチャ駅出発のものだけだったが、警察は他の2つのルートも容認、介入を控えた。デモ隊がプエルタ・デル・ソルに到着した後、予定外の座り込みもあった上、20人ほどの若者が警察のバンに空き瓶の投げつけたが、警察は黙認。午後になって国会近くで抗議集会が行われても、警察は介入せず、雨と疲労で人々が解散するのを待つ方を選んだ。
バルセロナ:3万人以上の高校生、大学生がデモに参加したバルセロナでも全般的に平和的雰囲気の中でデモが進められたが、プラサ・デ・カタルニャに到着した一部の集団が、「直接的にせよ間接的にせよ、このような会社たちがアメリカ政府に資金を提供している」とし、コルテ・イングレスの各入り口前に立ちふさがり、デパートは閉店することとなった。また、中央政府出張所の建物の窓ガラスが棒、石、ビンなどによって破壊された。
セビジャ:アンダルシアの8県都でおよそ1.5万人の学生が参加。セビジャでは6000人ほどの学生がプラサ・デ・エスパーニャまで2時間にわたってデモを行い、。セビジャ大学前にある与党PP(国民党)事務所には卵、オレンジ、ビール瓶が投げつけられた。セビジャ大学、パブロ・オラビデ大学とも昨日は大学がストで授業は行われなかった。
バレンシア:12000人の学生が参加、市役所前広場を目指したデモ隊がラッシュアワーに大規模な交通渋滞を引き起こし、ほぼ1時間にわたって市の中心では自動車、バスが身動きの取れない状態となった。バレンシア自治州内にある5つの公立大学でもイラク攻撃参加抗議ストが敢行された。
サンティアゴ・デ・コンポステラ:ガリシア州政府の発表では昨日のデモに参加した学生は全体のわずか18%。サンティアゴでは2500人、ビゴで1500人、その他ア・コルニャ、フェロルでもデモが行われた。デモは全般的に平和なムードの中で行われたが、一部の参加者がPPの事務所に卵を投げつけた。

ビルバオで市民25万人が水道水汚染被害

昨日からビルバオ市内とその周辺地域でおよそ25万人が飲料水のない状態に陥っている。これは、水道水がバクテリアに汚染されてたためで、ビルバオ市内では住民35万人のうちおよそ70%が被害を受けている。
市役所の発表によると最初に水の汚染が発見されたのはビルバオに水を供給する16の貯水所の1つであるエレハバリ貯水所で、通常検査で見つかった。その後検査を毎日続けたところ、昨日になってバクテリアの量が基準値を超えたため、10分以上煮沸した上で料理用に使うのと生活用水として洗濯などに使う以外での水の使用禁止を発令した。しかし、昨日は汚染の原因についても、なぜ月曜日に使用禁止にしなかったのかについても市役所は明らかにしなかった。汚染されている水はブルゴス県にあるオリドゥンテダムから取水されたもので、汚染が検出されている場所がビスカヤ県サジャにある浄水場以降であるため、この浄水場から水を引いているビルバオ市以外のサジャ(人口7800人)、ゴルデショラ(1511人)、グエニェス(5800人)も被害を受けている。昨日の午後現在ではこの汚染水による体の不調を訴える人は出ていない。市役所関係者は汚染度が低いため、たとえ体に不調が出たとしても、症状は軽いだろうと述べている。
昨日は市役所から水道水禁止の発表があって以来市役所の電話はパンク状態、スーパーではミネラルウォーターの品切れが相次いだ。住民の不安は飲料水に問題のない周辺地域にも及び、これらの地域でも一部、ミネラルウォーターが売り切れる事態となった。

舞台監督ホセ・タマヨ氏死去

昨日の午前10時、マドリッド市内の病院で、舞台監督ホセ・タマヨ氏(1920年グラナダ生まれ)が亡くなった。享年82歳。フランコの時代にバジェ・インクラン、アーサー・ミラー、ベアトルト・ブレヒト、ジャン・アノーイユの作品の舞台での上演を成し遂げ、後年はサルスエラの普及に尽力した。
タマヨ氏の遺体は今日の午後2時25分荼毘に付され、グラナダにある母親の墓に移されることになっている。

スペイン、FIFAランキング2位に

昨日FIFAの世界ランキングが発表になり、スペインはフランスに2ポイントの差をつけ、昨年のワールドカップ優勝国ブラジルに続く2位となった。特筆すべきはグアテマラで、27位アップの54位に上昇している。


3月26日(水)

PPのバルセロナ市長候補、反戦主張者から襲撃

カタルニャ州議会議員PP代表で、国会議員、バルセロナ市長候補でもあるアルベルト・フェルナンデス・ディアス氏が昨日レウス(タラゴナ県)で行われた党の集会に出席したところ、戦争に反対する者たちから突き飛ばす、蹴るなどの暴行を受けた。
事件が起こったのは昨日の午後8時15分頃でレウスの文化センターでPPの集会が開かれたが、警察が反戦主張者たちの建物への入場を阻んだところ、到着したPPのメンバーたちに卵、トマトが投げつけられた。当初集会は滞りなく進行したが、戦争反対のプラカードを掲げた反戦主張者の1グループを入場させたところ、彼らの叫び声によりタラゴナ市長候補のミゲル・アンヘル・ロペス・マジョル氏の演説がかきけされ、警察が反戦主張者たちを会場から追い出した。
この際、警察が反戦主張者たちを殴ったことで、建物の外にいたほかの反戦主張者たちの怒りに火がつき、警察のワゴン車はパンクさせられ、“asesino(人殺し)”といった落書きがされる騒動となった。集会出席者たちが建物を出る際にはフェルナンデス・ディアス氏とロペス・マジョル氏が暴徒化した反戦主張者の標的となり、植木鉢、ビン、ゴミ袋などが投げつけら、2人を突き飛ばし、蹴る者もいた。

パラシオ外相、アナン事務総長、パウエル国務長官と会談

スペインのアナ・パラシオ外務大臣は昨日、ニューヨークでコフィ・アナン国連事務総長と会談、イラクへのスペインからの人道的支援について話し合った。またパラシオ外相はこのアメリカ訪問を利用し、コリン・パウエル国務長官とも会談、イラク情勢のみならず、今後のパレスチナ平和プランについても話した。
昨日、パラシオ外相からは国連安全保障理事会での採決を無視して攻撃を始めたアメリカが、国連とどのようにイラクの戦後問題処理にあたるのかについては、具体的に述べられかったが、パウエル国務長官との間で、安保理の新しい採決内容として『石油の代わりに食糧を』プログラムの復活について話し合ったことを明らかにした。
またスペイン政府はイラクと国境を接するトルコ、ヨルダン、シリア、イランの4カ国に対しイラクからの避難民支援用にそれぞれ2000万ユーロの支援を行う予定で、緊急の資金援助として国連の世界食糧計画に150万ユーロ、世界保健機構に140万ユーロ、ユニセフに100万ユーロ、国連難民高等弁務官事務所に90万ユーロの支援を予定している旨がアナン事務総長に伝えられた。

不法就労のルーマニア人26人を逮捕(トレド)

労働監督局と治安警備隊は不法就労者がいるとの情報を得て、1月からトレド県アルカウデテ・デ・ラ・ハラにある繊維工場の調査を行っていた。立ち入り捜査許可を得た両者が、工場に入る人物を確認し、中に入ったところ、中にある機械のうち大部分の機械に人がいなかった。工場内部を捜索したところ、壁が二重になっているのを発見、2枚の壁の間の幅50センチほどの場所に26人のルーマニア人が隠れているのが見つかった。彼らは悪条件でこき使われていたわけではなく、給料は他の合法就労者と同額であったが、社会保険に加入しておらず、スペイン人工場主41歳が労働者の権利違反で逮捕された。逮捕されたのは20〜35歳のルーマニア人で、その他16人の従業員は合法的就労者だった。
繊維業界経営者組合はこの逮捕を聞いて、これは氷山の一角にすぎないとの声明を発表している。経営者側、労働者側共にラ・マンチャ州では行政機関と協力し、数ヶ月にわたって不法就労の取り締まりと情報の収集を行っている。

清掃員のストによりコンプルテンセ大学の3学部休講(マドリッド)

賃金の見直し、契約内容の改良、週辺りの労働時間の短縮を求めて株式会社CLECEが行っている無期限ストが7日目に突入。この会社が清掃を請け負っているコンプルテンセ大学の心理学部は昨日、法学部、経済・経営学部も今日休講を決めた。CCOO(労働者委員会)の発表では従業員の90%、およそ220人がこのストに参加しているという。法令で規定されている最低限サービスは行われているものの、大学の各学部にはゴミが山積みで、今後他の学部も休講に追い込まれる可能性もあり、学長はCLECE社、従業員、スト実行委員会に問題を早急に解決するよう求める声明文を出した。


3月25日(火)

マドリッド-ジェイダ間のAVE、5月31日に安全運転装置納入で合意

最初は昨年12月、次に3月中と言われていたものの、路線内で起こった様々な問題のため試乗会ですら2月27日以来中止され、GIF(鉄道敷設局)の局長引責辞任まで引き起こしたマドリッド-ジェイダ間のAVE営業開始時期をめぐり、安全運転装置の納入を請け負っているCSEE社(イタリアのAnsaldo社の子会社)、スペインのCobra社と勧業省の間で、昨日の朝、安全運転装置の納入は5月31日に済ませることで合意に達した。
工事は本来なら2002年6月に終了しているべきもので、3月12日にはGIFが各請負業者に工事の終了プランを提出するよう要求していた。安全運行装置納入期限が遅れていることにより、フランス国境までの全路線が影響を受けるが、GIFはバルセロナまでの開通の見通しを2004年内で今のところ固持している。しかし、これはペネデスを通るルートとバルセロナに乗り入れるルートの変更プランで合意に達することができるかどうかにかかっている。

防衛大臣、B-52の上空飛行許可、国会で認める

フェデリコ・トリジョ-フィゲロア防衛大臣は昨日国会で、20日に爆撃機B-52のスペイン領空内飛行を許可したことを明らかにした。許可した理由について防衛大臣は「フランスが拒否したため」としている大臣は爆撃機が市街地の上を飛んだことはないと明言したが、この爆撃機が燃料補給をスペイン領空内で行ったのかどうかについては言葉を濁した。つまり、スペイン政府としては危険を伴う爆撃機の空中給油に関してはアメリカに許可を与えていず、米軍が行ったとすればそれはスペイン政府の許可なしであったということになる。
トリジョ-フィゲロア防衛大臣は、爆撃機が金曜日にスペイン領空内で給油が行われたというエル・パイス紙による報道内容を土曜日にも日曜日にも否定していたが、昨日の朝、アナ・デ・パラシオ外務大臣が国営放送TVEでこの事実を認める発言を行い、最終的にトリジョ-フィゲロア防衛大臣も昨日の夜、国会でこれを認めることとなった。この件に関して大臣は「10月12日(イスパニア・デー)の軍事パレードの一環でも行われていることであるから、それほど騒ぎ立てる必要はない」と述べているが、この飛行中の給油はあくまでもシミュレーションである上、この飛行機には爆弾が詰まれていないという大きな違いがある。大臣が「危険はない」という飛行中での給油であるが、スペイン軍の飛行機は、市街地から遠く離れた場所、または海上で行うという事前の許可を取った場合を除いて、飛行中の給油を禁止されている。
さらにトリジョ-フィゲロア防衛大臣は、アメリカに基地使用許可を与えたことを発表、1月1日から先週の日曜日までに1370の物資輸送機とトミー・フランクス将軍を含むVIPを載せた特別機3機がスペインを経由したことも明らかにした。さらに、F-15、F-16、F-117の戦闘機454機もスペインを経由している。上空飛行に関しては、405回であることを報告し、サラゴサ、サン・ハビエル(ムルシア)、タラベラ・ラ・レアル(バダホス)、ロス・ジャノス(アルバセテ)、トレホン・デ・アルドス(マドリッド)基地の使用許可を軍事目的使用の民間機に対して与えたことも発表している。

ロタ基地、米軍負傷兵受け入れ準備体制整う

昨日はドイツのラムシュタイン基地に初めて12人の負傷兵が運び込まれ、カディス県にあるロタ基地でもいつでも米軍負傷兵を受け入れる準備が整っている。ロタ基地は現時点で救急用に116床を備えているが、さらに500床を受け入れるための病院施設を建設中。さらに、傷病兵空輸用施設の準備も進められている。


3月24日(月)

マドリッドの反戦デモ、118人負傷、7人逮捕

土曜日の夜、モンクロアを出てプエルタ・デル・ソルに向かう反戦デモが行われた。開始当時は何事もなく進んだデモ行進だったが、グランビアで一部の参加者が道路に座り込み、警官隊とのにらみ合いとなったところ、覆面をした参加者達が警官隊に向かって石、ビンなどを投げ始め、ゴミ箱を燃やす、電話ボックスの破壊などの暴行を働き始めた。これにより一時激しい警官隊とデモ参加者の衝突が起こり、騒ぎが収まったのは3時間半後で、駆けつけた救急隊員の手当を受けたのは118人(うち警官は37人)、7人が逮捕という結果となった。一番の標的となったのは、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンという2つのアメリカ資本の店で、ペンキによる落書きだけでなく、窓ガラスも破壊された。デモ隊と警官隊との衝突はこれより小さい規模ではあったが、バルセロナ、セビジャ、レオン、ジロナ、ログローニョ、パレンシアでも見られた。

アルモドバル監督、2つ目のアカデミー賞獲得

ペドロ・アルモドバル監督が、2つ目のアカデミー賞を獲得した。監督が今回、最新作"Hable con ella"(アメリカ公開タイトル“トーク・トゥ・ハー”)で獲得したのは、最優秀オリジナル脚本賞。スペイン人監督がこの賞を受けるのは初めて。1999年には"Todo sobre mi madre"(邦題“オール・アバウト・マイ・マザー”)で最優秀外国語映画賞を獲得している。アルモドバル監督がノミネートされていたもう1つの賞である最優秀監督賞は『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督が獲得した。
アルモドバル監督は受賞スピーチで、国際社会内の合法性、民主主義、人権の擁護を叫ぶ人々と自分が同じ考えであることを改めて述べ、またスペインでは国民の90%がブッシュ政権を支持する自国のアスナル政権に反対していると付け加えた。

ピメンタル元大臣、PPを離党

元労働大臣で、元PP(国民党)アンダルシア支部長のマヌエル・ピメンタル氏が、昨日、イラク攻撃に関する意見の相違を理由にPPを離党すると発表した。ピメンタル氏はPPの政策を“不法”で“歴史に残る過ち”であると定義している。
昨日はタイトルを“悲しみと共にさようなら”というしたピメンタル氏のコメントがアンダルシア州の6紙に掲載され、この中で元労働大臣は国連の支持なしで行われているイラクへの爆撃への反対を表明、「党の決定に従えないし、理解もできない。だから私は離党します。」と述べている。ピメンタル氏は2000年に労働大臣を辞職してからは、セビジャとコルドバに持つ自分の企業の経営に携わっている。

フェルナンド・アロンソ選手、マレーシアグランプリ3位の快挙

前日の予選でF1史上最年少記録(21歳7ヶ月と23日)でポールポジションを獲得したフェルナンド・アロンソ選手が、昨日マレーシアのセパンで行われたマレーシアグランプリ決勝で3位に入賞した。1位はキミ・ライッコネン選手(ルノーチーム)、2位はルーベンス・バリチェッロ選手(フェラーリチーム)。シューマッハー、モントーヤ両選手は、レース中の衝突事故に巻き込まれ、クルサード選手は電気系のトラブルと表彰台の常連に不幸が続いたレースとなった。
38度の熱を押して出場したアロンソ選手は14周目までトップをキープ、しかし15周目にピットインしタイヤの交換を行った後のアロンソ選手は4位に後退、彼の前を走っていたのはライッコネン選手、バリチェッロ選手とジェンソン・バトン選手(BARホンダチーム)。その後バリチェッロ選手とバトン選手がタイヤ交換した際にアロンソ選手は2位に浮上。しかし、最後にはバリチェッロ選手が底力を見せアロンソ選手は3位となった。F-1レースで表彰台にスペイン人が上ったのは初めて。

週末のその他のスポーツの結果

テニス:カジョ・ビスカイーノ・トーナメントに出場のカルロス・モヤ選手がスペインのフェルナンド・ベルダスコ選手を7-6、6-3で下し準々決勝進出を決めた。フアン・カルロス・フェレロ選手はチリのマルセロ・リオス選手に6-3、7-6で敗れている。明日はアルベルト・コスタ選手が準々決勝進出をかけ、チリのニコラス・マッス選手と対戦する。一方の女子は、マリア・アントニア・サンチェス選手が敗れ、スペイン勢は全員姿を消した。


3月21日(金)

イラク攻撃に国民の強い反発

スペイン政府首相、ホセ・マリア・アスナル氏は昨日、国民に向け改めてイラク政府の武装解除のための空爆の正当性を主張した。これを受けて国民、特に学生がデモ、抗議集会を行い反発を強く表明、また野党はアスナル首相からの合意の提案を退け、今回の攻撃を“非合法”であるとした。PSOE(社労党)のサパテロ書記長は、政府との合意を結ぶには攻撃停止が条件であるとし、スペイン国内の基地をアメリカ軍が使用していることも、スペインから軍隊が派遣されていることも非難した。
昨日の攻撃開始の知らせを受け、スペインの各大学では学長が5分間の黙祷を呼びかけ、平和が戻る日まで半旗が掲げられこととなった。各地では大学生がデモ行進を行ったが、マドリッドのデモではデモ隊が警官隊と衝突、およそ10人が警官に殴られ怪我をした。学連の発表では昨日マドリッドの国公立大学での抗議集会と街頭でのデモに参加した学生の数は5万人にも上るという。さらに、5千人以上の教授、大学関係者が戦争反対に署名している。バルセロナでは授業が休講となり、およそ3万人の大学生、2万人の高校生(市役所発表)がデモに参加した。その他セビジャ、バレンシア、サラゴサ、サン・セバスティアンといった各都市でもデモが行われ、カスティジャ・イ・レオンでは各県都で32000人以上がデモに参加、エクストレマドゥラ州、バレアレス州でもデモが行われ、スペイン全土で国民のイラク攻撃への反発が表明される形となった。

判事、アルカイダ関与疑惑メンバー8人のうち7人を釈放

全国管区裁判所のギジェルモ・ルイス・ポランコ判事は、昨日裁判所に出頭したアルカイダとの関与疑惑でカタルニャで1月25日に逮捕された8人のうち7人を、刑務所に拘置する十分な理由がないこと、また逃亡の危険がないことを鑑み、釈放した。逮捕された16人のうち残りの8人は今日出頭の予定。
判事が今回7人を釈放したものの、この7人はすべて武装集団との関与で告発されており、毎週近くの警察または裁判所への出頭が義務づけられている。昨日釈放されなかったMohamed Amine Benaboura被告については、フランスで逮捕されているイスラム・テログループメンバーとの関与疑惑も持たれており、判事はこれらのメンバーの尋問のためフランスに赴く予定。

アグスティン・イバロラ氏の作品、再びペンキの被害

ビスカヤ県オマにあるアグスティン・イバロラ氏(バスクを代表する現代芸術家)の作品であるBosque Pintado de Omaに再びETA支持派による落書きが書かれた。作品は白ペンキをかけられていただけではなく、イバロラ氏への脅迫文「イバロラ、スペインの犬。ETA、ヤツを殺せ。」や、イバロラ氏が所属している反テロリズム運動団体“Basta Ya!”に対する脅迫文もあった。イバロラ氏の作品となっているこの森が、ETA支持者によるペンキの被害を受けるのはこの3年間で3度目。

トランプ殺人犯被害者、重体の女性死亡-犠牲者6人に

火曜日の夜、夫と共に襲われ(夫は死亡)、左腕と頭部に銃弾を受け重体となっていたブルガリア人女性が44時間の昏睡状態ののち、昨日午後5時死亡した。至近距離から強力な銃で撃たれていたことが命取りとなった。
弾道学専門家によるとこの殺人事件の犯人は、その他5件の殺人事件で同じ銃、トカレフの7.62口径を使っているという。警察では犯人は証拠を残さないよう薬きょうが飛び散るのを防ぐために厚い手袋を使用し、足元に落ちた薬きょうを拾って現場から立ち去っていると見ている。現場に残されたトランプは他の2件の事件現場に残されたのと同じ組のトランプで、これでこのトランプ殺人犯による犠牲者の数は6人となった。


3月20日(木)

物資供給のため、スペインからペルシャ湾に戦艦派遣

昨日、石油タンカーMarques de la Ensenadaがカディス県のロタ基地からペルシャ湾に向けて出航した。また水陸両用攻撃船Galiciaと戦艦Reina Sofiaも今日にも出航の予定。火曜日にアスナル首相が国会で発表したように、これらの船は戦闘には参加しないが、いずれにせよ具体的な役割、、行き先については明らかにされていない。これら3艘で兵士700人が搬送され、さらに200人が飛行機でペルシャ湾に向かう予定で、Galiciaは負傷兵収容・看護のため、Reina Sofiaは米英軍に石油を供給するMarques de la Ensenadaの護衛に使われることが予定されている。それ以外にも陸軍からエンジニア、核・生物・科学兵器対応チーム、医師団がイラクに派遣され、米英軍制圧地域で働くことになっている。

欧州連合理事会の電話盗聴される

今日の午後からブリュッセルで欧州連合理事会会議が開かれるが、その会場となる理事会本部の建物で、スペインを始めとする6ヶ国(ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、オーストリア)の電話が盗聴されていたことが、昨日発表された。本部建物の7階の電話回線内に仕掛けられていた盗聴器が発見されたのは先月28日で、この階には欧州連合加盟各国がそれぞれ3、4室を持ち、執務室に使っており、各国大臣だけでなく、各国首脳もブリュッセル滞在時には使用することがあるという。盗聴されていた期間、犯人などの特定を現在シークレットサービスが急いでいる。
現在欧州連合国はイラク攻撃反対派(フランス、ドイツ、ギリシャ-現在EU議長国、フィンランド、アイルランド、オーストリア、ルクセンブルグ)とイラク攻撃賛成派(イギリス、スペイン、ポルトガル、イタリア、デンマーク、オランダ)に分かれているが、今日の午後から開催される会議では、これ以上の分断を避けるために、イラク攻撃後に人道的支援等EUが果たすべき役割にテーマが絞られる見込み。春の欧州連合理事会会議では常に経済問題を議題としていたEUにとって異例の会議となる。

トランプ殺人犯、5件目の犯行

現在、マドリッドで警察が全力で捜査を行っているトランプ殺人犯による犯行と見られる殺人事件が火曜日の夜にも起きた。このトランプ殺人犯というのは、殺人現場にトランプを残していく犯人で、最初の事件は2月5日未明に起き、バラハス空港近くのバス停で発見された28歳のスペイン人男性の銃殺死体のそばにスペイントランプのカップのエースが落ちていた。2件目は3月7日未明に27歳のエクアドル人男性が撃たれ、カップの2が残されていたものだが、男性は命を取り留めている。火曜日に事件が起きたのはアルガンダ・デル・レイで、40代のブルガリア人夫婦が襲われ、男性は死亡、女性が重体となっているが、現場にはカップの3と4が残されていた。
これ以外に1月24日にマドリッド、2月5日にアルカラ・デ・エナレスで起きた2つの殺人事件(トランプは見つからず)で使われた拳銃と弾痕が一致していることから、警察は犠牲者5人、負傷者3人を出しているこれら5件の犯人が同一人物だと見て捜査しており、これまでに集められた数少ない目撃証言から、犯人は25歳から30歳、黒髪でひげを生やしたヨーロッパ系男性である疑いがもたれている。

プレステージ事故原因究明のため、欧州議会に関係者出頭

昨日、欧州議会に船舶検査会社アメリカン・ビューロー・オブ・シッピングの代表者と勧業省副事務官が出頭した。検査会社の代表者ロバート・サマービル氏は、議会にプレステージが最後の検査(昨年5月)リストを提出、検査内容に間違いはなく、船に異常はなかったと述べた。また、プレステージ事故の翌日現場に到着した救出会社スミット・サルベージ社のJans vab Rooij氏もサマービル氏と同様、船が古かったのは事故の原因ではないという見解を示している。彼の到着時には船の傾きは45度で、彼の個人的見解では船を安全な港へ曳航することが必要と思われたという。彼が船長は熟練した船長であるよう見受けられたと答えている一方、自身も事故後すぐにプレステージに駆けつけているア・コルニャ港の保安官セラフィン・ディアス氏は、到着時の船の傾きは8度にまでなっており、船は岸から遠ざけるのがよいと判断したが、船長と乗り組み員の一部が船を沖へ曳航しようとするのを妨害したと述べている。欧州議会ではディアス氏がエンジンをかけたことにより、その振動で船体のひびが広がりこれが後の沈没につながったと糾弾されているが、ディアス氏は、エンジンをかけたときにはそのような危険につながる振動は起こっていないと主張した。
昨日、議会にアルバレス-カスコス氏もプレステージの船長が出頭していないことについて、具体的な説明が行われることはなかった。議事は今日も続行され、欧州連合理事会が欧州委員会より提出された対策案を検討することになっている。


3月19日(水)

サン・ホセの祝日のため、今日のトップニュースはお休みです。


3月18日(火)

最高裁判所、満場一致でバタスナ党非合法化を承認

16人の判事で構成されていた最高裁判所特別法廷は4日間にわたる審議の末、昨日満場一致でHerri Batasuna(エリ・バタスナ)、Euskal Herritarrok(エウスカル・エリタロック)、Batasuna(バタスナ)を非合法組織であると認めた。バタスナ党非合法化への法的措置は、6ヶ月前に国会からの要請により、政府と検察局の双方がバタスナ党の非合法組織であると認めるよう訴えて以来始められていたもの。
前回の地方選挙では急進民族主義政党であるバタスナ党は全体のおよそ20%にあたる228,147票を獲得しており、これによりバスク州の2,528人の市町村長のうち679人がバタスナ党所属という結果になったが、次回の地方選挙を2ヶ月と7日後に控えた今、バタスナ党が非合法組織と認定されたことにより、バタスナ党は選挙に候補者を立てることができなくなった。中央政府とPSOE(社労党)が「結果に満足している」とコメントする一方、バスクの民族主義者たちは、今回の判決を「民族主義の後退」であるとコメントしている。PNV(バスク民族党)は「連帯の権利という基本的自由の蹂躙」であると判決内容を非難した。

ガリシア州での漁業再開、さらに延期

金曜日、漁師たちから十分な水質調査が行われていないという抗議を無視して農林水産省により決定されたガリシア州での昨日からの漁業再開は、結局再び延期されることとなった。
ガリシア州の漁業組合からの代表者たちは昨日マドリッドの農林水産省に向かい、決定の根拠の釈明を求めた。彼らに応対したのは、カルメン・フラガ水産担当事務官(ガリシア州知事マヌエル・フラガ氏の娘)で、フラガ事務官は漁師たちの説明に納得、三度目の漁業再開延期となり、現時点では24日が予定されている。
一方、パイス・バスク州では昨日から漁業が再開。しかし、漁獲量は少なく、サイズも小さいため売り物にはならないという。昨日再開されたのは、釣り針を使った漁で、囲い網漁の解禁は4月1日の予定。

政府、条約無視しアメリカ軍に対し基地使用を許可

すでにアメリカ政府は、ロタ(カディス)、モロン・デ・ラ・フロンテラ(セビジャ)両基地をスペイン政府の許可なしにイラクへの軍派遣のために使用している両国間で締結されている防衛協力条約第2条3項では、今回のイラク危機のように両国間内という範囲を超えての任務では、アメリカは事前にスペイン政府からの使用許可を得ることが義務づけられており、2001年のアフガニスタンへの軍派遣などこれまでは常に事前に使用許可が与えられた上での基地使用であった。
また昨日アスナル首相は全国党幹部委員会で、イラク攻撃にスペインが軍隊を派遣することはアメリカに対し約束されていないことを保証している。

エイズ感染の産婦人科医から患者に感染、160人の患者が検査

バルセロナの私立産婦人科病院で1年半前に出産した女性が、エイズ感染を知らなかった担当医師からHIV感染していたことが明らかになり、この医師にかかっていた女性160人がエイズ検査を受けたが、この中から陽性は出ず、残り25人の結果が待たれている。医師から患者にHIV感染したケースが報告されるのはヨーロッパで始めて。
バルセロナ医師会会長の説明によると、感染した女性患者が危険を伴う性交渉や麻薬の使用を否定したため、分娩時の手術で感染したと考えるしかなく、彼女に接触したすべての病院関係者にエイズ検査を行ったところ、医師1人から陽性反応が出たという。現在もこの医師は同じ病院に勤務しているが、ビールス感染が起こり得る処置や外科手術には携わっていない。

ローリングストーンズのコンサートチケット購入者殺到、コンピューターがパンク

マドリッドで6月27日、バルセロナで6月29日に行われるローリングストーンズのコンサートチケットの販売が昨日から旅行代理店 Halcon Viajesで始まり、ファンが殺到、Halcon Viajesのコンピューターがパンクし、終日にわたりチケットの販売が行えなくなった。そのためファンはServi Caixaによる、ATMと電話によるチケット販売になだれ込み、こちらも回線がつながりにくい状態となった。
にもかかわらず、コンサートの主催会社の発表によると、マドリッドのチケットは、アトレティコ・ファンクラブ会員窓口販売用として残されている分(アトレティコ・マドリッドのホームスタジアムが会場となるため)を除いて、4.8万枚を昨日で完売したという。バルセロナのコンサートのチケットは昨日で2.3万枚が売れ、今日もHalcon Viajesで販売されるという。
25日に行われるビルバオでのコンサートチケットは、BBK銀行のATMかCaja VizcainaのHP、電話94-400-2208で来週火曜日(25日)からの販売となる。


3月17日(月)

ブッシュ-ブレア-アスナル三者会談

昨日ポルトガルのアゾレス諸島にあるテルセイラ島でブッシュ大統領、ブレア首相、アスナル首相の三者会談が行われ、国連安全保障理事会理事国に対しては今日中に決議案採択を迫り、イラク政府に対してはただちに武装解除を行わなければ三国共同で提出した新決議案が安保理で承認されなくても武力を行使するという両者に対する最後通牒を突きつけた。スペイン政府関係者は、昨日アゾレス諸島へ向かう途中、国連が行える外交的対話による解決法はすでに出尽くしているため、新決議案が承認されるかどうかに固執するのは意味がないと話している。
これに対し、昨日諸野党と各労組はスペインを「国際的合法性の外に置き、国連憲章を軽んじる国にした」とアスナル首相を非難した。現在、諸野党と各労組はアスナル政権へ抗議を示す方法として、内閣不信任案の提出、または総選挙の前倒し要求を検討している。

スペイン各地で再び反戦デモ

土曜日は、マドリッド、バルセロナだけでなく、バレンシア、マラガ、アリカンテ、パレンシア、カナリアス諸島などスペインでイラク攻撃に反対するデモが行われた。マドリッドでの参加者数は政府発表によると12万人、主催団体の1つである野党PSOE(社労党)によると100万人で、マスコミの計算では50万人程度と見られる。マドリッドでは声明文が1998年ノーベル文学賞受賞のポルトガル人作家ジョゼ・サラマゴ氏により読み上げられた。またバルセロナでは市民団体"Aturem la guerra"発表で50万人、市役所発表で30万人が小雨の降る中アメリカ領事館とPP(国民党)カタルニャ支部をつなぐ人の鎖に参加した。セビジャではモロン・デ・ラ・フロンテラ基地(米軍と共同使用)へ向かうデモ行進が行われ、舞踊家のクリスティーナ・オジョスさん、俳優のフアン・ディエゴさんらも参加している。

初のインターネット住民投票(アビラ)

造幣局と科学技術省の支援と内務省の協力により、アビラ県のエル・オジョ・デ・ピナレスで初めてインターネット投票が試験的に行われた。投票内容は、30年前から5月の最終日曜日に行われているナバセラーダの聖母巡礼を観光客や若者の要求に応えて土曜日に変更するかどうかで、インターネット投票の結果619票対400票で、巡礼の日は土曜日に変更されることが決まった。
自治体では数ヶ月前からこのインターネット投票の準備を始め、住民にはマイクロチップ内蔵の選挙カード、自宅で投票を希望する住民には字からなるカードの読み取り機とインストールのためのCD-ROMが事前に配布されている。投票日の昨日は市役所に20台のパソコンが設置され、電話会社職員から使用方法の説明を受けながら投票することもできた。
インターネットで行われたことにより、今回の住民投票では集計、再集計ともに以前より早く終わらせることができた。造幣局では今回の投票の成功からさらに人口の多い都市でも同様に将来的にはインターネットによる投票が行えると見ているが、コンピューター関係者の間では機密の保持システムがいまだ確立されていないとする声もある。

週末のスポーツの結果

陸上競技:金曜日から日曜日にかけてイギリスのバーミンガムで行われた世界室内陸上選手権で、スペインチームが金メダル1(マノロ・マルティネス選手-砲丸投げ)、銀メダル4(アルベルト・ガルシア選手-3000m走、ジャゴ・ラメラ選手-走り幅跳び、マルタ・ドミンゲス選手-3000M走、グローリー・アロシエ選手60M障害走))、銅メダル1(マイテ・マルティネス選手-800M走)の計6つのメダルを獲得、これまでのメダル獲得数を塗り替えた。
自転車競技:パリ-ニース間レース最終第7ステージ、スペインのダビ・ベルナベウ選手(ミラネーザチーム)が優勝。総合成績では2位にミケル・サラベイティア選手(オンセ-エロスキーチーム)が入った。


3月14日(金)

大学生による反戦デモ

昨日、マドリッドで大学生によるイラク攻撃反対デモが行われ、コンプルテンセ大学の4学部の教授も含め、参加者の数は5000人近くとなった。また、マラガでも大学生によるデモが行われ、この参加者は700人と発表されている。
また、今週の土曜日、15日には再びマドリッド各地で反戦デモが予定されているが、ポルトガル人ノーベル賞受賞作家ジョゼ・サラマゴ氏が、マドリッドの反戦デモ声明文作製とデモでの読み上げを承諾した。主催者たちは、政府が400万人の前回のデモを無視し、野党からの反対も無視し続ける今は、前回に増してデモ決起の理由があるとしている。Cultura Contra la Guerraの女優ピラール・バルデムさんは「サダム・フセインが独裁者であることは明らかだが、爆撃は国民を独裁者の手から解放するための最良の方法ではない。我々は40年間独裁政治下にあったが、誰も我々を爆撃しようとはしなかった。」と述べている。

4年前に逃亡したETAテロリスト、フランスで逮捕

昨日、フランスのHendayaでヘスス・マリア・ブラボ・マエストロフアン容疑者(43歳)が逮捕された。ブラボ容疑者は1997年11月13日に逃亡先のメキシコからスペインに送還された後、2件のテロについて裁判所から判決が下される前の1999年6月1日、保釈金を払って一時的に釈放されていたのを利用し、逃亡した。その後ETAのサヨア団に属していた他のメンバー3人とともにブラボ容疑者に対し、1983年ナバラ県サングエサの銀行、翌年サラゴサ県エヘア・デ・ロス・カバジェロスのスーパーに爆弾を仕掛けた罪で22年の懲役が言い渡された。さらに全国管区裁判所がこの4人に対し、1985年ナバラ県ウンスエで治安警備隊に対し数個の爆弾を仕掛けた罪で24年の刑を宣告したが、この刑は2002年、最高裁判所により17年に減刑されている。ブラボ容疑者は現在Hendayaの刑務所に一時的に収監されており、その後スペインに送還される。

カンタブリア海沖での漁業再開延期

月曜日に中央政府とガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ州の間で合意に達していた来週月曜日からのカンタブリア海沖での漁業再開は、ガリシアの漁業組合たちからの抗議により、延期となった。この漁業再開は石油タンカープレステージから流出した石油による汚染の最もひどい地域であるコスタ・ダ・モルテと、イワシ囲い網漁を除いて行われる予定だったが、政府が再開を許可しようとしている地域は海底にいまだに石油が堆積して残っているとし、漁業組合から再開決定に対し反発が起きた。
これを受けて政府は、さらなる海水の調査を行い、抗議内容が事実であるかどうかを確かめ、漁業再会の日程については今月24日に決定すると発表した。しかしながら、パイス・バスコ州政府関係者は、海底に石油が堆積しているのはガリシア州だけであるため、パイス・バスコ州では予定通り17日に漁業を再開させるつもりであると述べている。また、月曜日にはリアス・バハスでほとんどすべての漁法に対し、漁業再開が許可されることが昨日発表された。
漁業が再開されれば、操業できない期間中政府から支払われていた援助金の支給も止められる。タンカーの沈没から4ヶ月、今もガリシア地方ではおよそ8000人の漁業関係者が仕事の出来ない状態にある。最悪の時期には経済援助を受けていた人の数は18000人にも及び、これまでにガリシア州政府は約7000万ユーロを経済補償金として使っている。

欧州理事会、スペインの拷問防止対策を非難

欧州理事会に属する拷問防止委員会(CPT)がまとめた報告書で、警察での尋問の際に拷問を防止するための措置への勧告をスペインが守っていないと非難されている。2001年7月22日から26日までスペインを視察に訪れた委員会は、その報告書の中で、スペインの法律が拷問を防ぐに十分でないと述べ、逮捕の瞬間から弁護士をつけさせること、外界との交信禁止期間を現在の5日から48時間に短縮すること、その期間中は逮捕者が選んだ法務医をつけることを提案している。報告書では、殴打、頭にビニール袋をかぶせるといった拷問が警察で行われたという告発があったこと、また医師の診断書からも逮捕者への拷問、暴行が行われている疑いがもたれれると述べられている。
この報告書に対しスペイン政府は、拷問の事実はないとし、法改正の必要もないと考えると返答している。委員会は警察内部に調査機関を設け、告発があった際には拷問、暴行の有無を調べるよう提案もしているが、スペイン政府は“逮捕者からの告発は存在しないに等しいため”、そういった機関の設立も必要ないと考えている。


3月13日(木)

憲法裁判所、政党法を合憲と判断

バスク州政府は憲法裁判所に対し、政党法が憲法で保証されている基本的権利であるイデオロギーの自由、政治参加の自由を奪うもので、政党に対し活動内容を制限するのは憲法に記されている“政治の多様性”に反するものだとし、この法律は違憲であると憲法裁判所に訴えていたが、昨日、憲法裁判所の11人の判事は満場一致でこの訴えを退け、政党法は合憲であるとの判断を下した。今回の判断により、最高裁判所のバタスナ党違法化手続きが大きく前進することは確実となった。
憲法裁判所の判決を知ったPNV(バスク民族党)のイニャキ・アナガスティ氏は「今回の決定は法によるものではなく、政治的なものである。」とコメント、「これは民族主義にとって悪いニュースで、国民は裁判所が独立した機関ではないとの印象を持つことになるだろう。」と述べた。一方、ホセ・マリア・ミチャビラ法務大臣は「民主主義を擁護し、テロリズムと闘うために作られた政党法が合憲であるという判断に非常に満足している」と述べ、「今回の判決により、バスク州政府とイバレチェ知事がまたしてもテロ組織ETAの弁護士となろうとしたことがはっきりした。」と話した。

2001年度国勢調査結果発表

1.人口増加の速度を上回って新築住宅増加
昨日、INE(国立統計局)が発表した2001年度国勢調査の結果により、この10年間で新築住宅の数が21%増加し、住宅の数は20,823,369軒となった一方、人口は5%しか増加(4080万人)していないことがわかった。2082万軒の住宅のうち68.5%は居住用で、そのうち賃貸用となっているのは11.5%のおよそ1600万軒。新しい住宅の建設が進んでいるにもかかわらず10年前の1780万軒(全体の15%)より賃貸住宅が減っている現状が浮き彫りになった。その一方で、空家となっている住宅がこの10年間で2,475,639軒から2,894,986軒へと増加。マドリッドでは住宅の10.8%が空家となっている。
2.少子化、核家族化進む
また今回、同居家族の人数についての調査も行われているが、最も多かったのが2人で暮らしている家で25.5%、続いて4人(21.4%)、3人(21.1%)となっており、5人(7.7%)、6人(2.5%)、7人以上(1.4%)という結果が出た。この30年間で同居家族の平均人数は大きく減少しており、2001年度調査では平均2.8人となっている。INEではこの原因について1人暮らしの人が増えたことと、出生率が低下したことを上げている。
3.パラサイトシングル現象
最近のスペインで顕著な現象として、20歳以上で親と同居している若者の数の増加が上げられているが、この現象は今回の国勢調査で数字となってはっきり現れている。INEによると25歳以上では全体の73%、30歳以上では35%が両親と同居しているという。また、この20年間で25歳で独身の若者の数40%から85%に、30歳で独身の若者の数は20%から56%に増加していることもわかった。
4.離婚、別居の増加
この10年間で離婚、または別居した人の数はほぼ50%の増加。男性は181,028人から476,311人へ、女性は274,847人から673,998人へと増加している。女性で離婚、別居者と答えた人の数が多いのは、男性は離婚後再婚する場合が多いためだと見られている。その他寡婦220万人に対し寡夫46.1万人という結果が出ており、これは男性の方が平均寿命が短いため。
5.男女の人口に占める割合
男女が人口に占める割合は40代まででは女性がわずかに男性を下回っている。これは男児の出産率の方が女児より多いためと、20歳から40歳代にかけて男性の移民が女性の移民より多いことが影響していると思われる。40代で男女の比率はほぼ同じになり、その後年齢が上がるにつれ序々に女性の割合が増えていくる。現在スペインの平均年齢は男性が75歳、女性が82歳となっているが、85歳以上になると女性の人口が全体の70%を超えている。今回の調査で住民の平均年齢が高いことがわかったのは、ナバラ、パイス・バスコ、ラ・リオハ、カンタブリア、アストゥリアス、ガリシア、両カスティジャ、アラゴンの各州で、逆に平均年齢が低く、出生率が高かったのはアンダルシア、カナリアス、ムルシア、バレアレス州だった。
6.教育の普及進む
この10年間で16歳以上で読み書きのできない人の数は3.6%から2.6%に減少、初等教育を終えていない人も21.7%から12.9%に減っている。これは成人への教育施設の不足によるものだと思われる。この10年間で中等教育を終えた人の数は35.4%から48%へ、また大学卒業、修士、博士号取得者の数は7.7%から13%へと増加、スペインでの学歴が高くなっていることがわかる。
7.移民の増加
1991年から2001年の間に外国で生まれスペインに居住している人の数は353,367人から1,527,017人、ほぼ5倍に増加した。この移民の増加がスペインの出生率を上げ、住民の平均年齢を下げる要因となっている。これは25歳から34歳の移民が多いためと、彼らがスペインで家族を構成、または自国の妻子を呼び寄せているためである。移民の出身国は年代によって大きく2つに分かれ、20から39歳の移民の出身国はエクアドル、モロッコ、コロンビア、ルーマニア、アルゼンチンが多い一方、イギリス、ドイツとフランスからの移民はより高齢の移民が多い。これは前者のグル−プが主に仕事を探しにスペインに来るのに対し、後者は定年退職後の余生を気候の温暖なスペインで過ごすために来ていることがほとんどであるため。今回の調査で、人口12500人のアリカンテ県のL'Alfas del Piが、住民のほぼ半分の49.1%が外国人居住者であるスペインで最も外国人居住者の比率が高いことがわかったが、38.7%はEU圏内出身者。EU圏外からの外国人居住者の比率が最も高かったのはムルシア県のフエンテ・アラモで16.9%、1,812人。


3月12日(水)

治安警備隊、強盗2人を射殺

昨日の深夜午前3時ごろ、マドリッドのペドラスエラの国道沿いにあるパブJaldeにピストルを持ち覆面をした5人組の強盗が押し入った。強盗たちは売上金を渡すよう要求、従業員を乱暴に扱い、店内のコップ、ボトルを破壊、偶然倉庫の1つで仮眠を取っていた店主が物音に気づき、携帯電話から安警備隊に通報した。店主はこの通話により強盗に見つかり、ウェイターの1人と共に殴られ、カウンターに繋がれた。強盗たちはスロットマシーン、ジュークボックスも破壊、中のコインを盗み、その後女性従業員たちを一室に閉じ込めた。
通報を受けてまず治安警備隊員2人が現場に到着、応援を要請、5分後さらに4人が到着した。治安警備隊が現場が完全に包囲されていることをメガホンで強盗に伝え、投降するよう呼びかけたが、強盗たちは乗ってきていた車2台で逃走を図ろうとし、ピストルを乱射しながら建物を出て20メートルほど先に停めていた車に乗り込もうとした。このため治安警備隊は応戦、強盗の2人が死亡、3人が逮捕(うち1人は重傷で病院に運ばれた)という結果となった。のちに強盗たちの持っていたピストルは空砲であったことが判明している。死亡したのはスペイン人ホセ・マヌエル・ディエス(40歳)とコロンビア人アウグスト・オロスコ・レストレポ(29歳)で、前者は窃盗、文書偽造と誘拐により前科6犯、ブルゴス裁判所から指名手配されていた。

Iberdrola社、株式公開買い付けを拒否

月曜日にガス会社Gas Natural社がIberdrola社の株式100%を公開買い付けすると発表して以来、Iberdrola社は国内外市場に買い占めを阻止してくれる“白馬の騎士”を探し奔走している。Gas Natural社の主要技術パートナーの一社である石油会社Repsol YPF社はこの公開買い付けに反対しており、昨日午後緊急役員会を開いた。この会議には今回の公開買い付けの推進者である銀行La Caixa(レプソル社の株式12.5%とガス・ナトゥラル社の株式の26.1%を所有)の頭取であるジョセップ・ビララサウ氏、Gas Natural社社長のアントニ・ブルファウ氏も出席、Gas Natural社とIberdrola社が合併することの利点を訴え、買占めに反対するRepsol YPF社-Iberdrola社との激しい討論となり、議事は5時間に及んだ。

ルイス・ガジャルドン知事訪問で、学生から反戦抗議の嵐

昨日、マドリッドのコンプルテンセ大学に新しく作られる情報学部の校舎のオープンセレモニーが開かれ、ルイス・ガジャルドン知事が出席した。この機会を利用し、50人程度の学生、教授が集まり、“No a la Guerra”(戦争反対)の叫びを上げた。ガジャルドン知事は、集団に対話を求める、代表者の1人に声明文を読ませるなどし、現場の鎮静化を図ろうとしたが効果はなく、用意されていた知事のスピーチも行えない状況で、知事は予定を切り上げ、早々に大学を後にした。
公用車を返し、バスでプエルタ・デル・ソルにある州庁舎に戻ろうとした知事だが、生徒が道路に座り込みバスの発車を妨げたため、知事は地下鉄入り口に向かった。PP(国民党)の政策に抗議する生徒たちは、プラカードを持ったまま知事について地下鉄に乗り込み、プエルタ・デル・ソルまで同行した。

敵チームのファンに暴行を加えたバルサファン8人逮捕

昨日チャンピオンリーグ、FCバルセロナ対バイエルン・レバークーセン試合が行われたバルセロナのTravessera de les Cortsにあるバルで午後11時ごろ、若者数人が暴れているとの通報があり警察が駆けつけたところ、バルの窓ガラスは投石により割れており、店内で負傷者1人が保護された。警察の到着により、若者達は逃走を図ったが、警察の追跡により彼らは逮捕された。逮捕されたのは17歳から39歳までの8人で、うち4人は公務執行妨害、麻薬密売、窃盗、傷害などの前科があり、17歳の少年は過激グループBoixos Noisに所属していた。オーナーの話によると、若者達はまず外から石や瓶を店内に向かって投げ始め、中にいた客達がテーブルでバリケードを作ったところ、店内に入り込み中をめちゃくちゃにしたという。負傷したのは38歳のレバークーセンファンで、投石により耳に傷を負い病院に運ばれたが軽傷。


3月11日(火)

Gas Natural社、Iberdrola社の株式公開買い付けを発表

La Caixa(ラ・カイシャ-銀行)とRepsol(レプソル-石油会社)によって運営されているガス会社Gas Natural(ガス・ナトゥラル)社が昨日、電力会社Iberdrola(イベルドローラ)社の株式100%を公開買い付けすることを発表した。買い付けにあたってスペイン第2の電力会社には153.84憶ユーロ、株式1口あたり17ユーロ(先週金曜日の市場終値に20%の割増)の値がつけられた。この買い付けに応じるIberdrola社の株主は1口あたり6.8ユーロの現金とGas Natural社の新しい株0.58株を受け取ることになる。買い付けに必要な資金のうち40%、60憶ユーロは現金で、残り60%は株式で支払うことになっており、このためにはGas Natural社は増資をしなければならない。
この公開買い付けの決定は昨日のGas Natural社の取締役会で決定されたものだが、BBVA銀行(Gas Natural社、Repsol社、Iberdrola社に出資)とBBK銀行(Iberdrola社に出資)が取引銀行のRepsol社は、この乗っ取り計画とその実行時期に疑問を呈し、5人のRepsol社出向者取締役(12人の取締役のうちRepsol社出向者は6人)は公開買い付け反対に投票している。
この株式買い付けが成功すれば、顧客2430万人、資本金333.01憶ユーロのヨーロッパで3番目に大きな会社が誕生することになる。

アスナル首相、あくまでもイラク攻撃正当化

スペインのアスナル首相は昨夜テレビ番組のインタビューで、スペインがイギリス、アメリカと共同で提出した新決議案に対し、国連安全保障理事会理事国過半数の賛成票が得られることを確信していると述べ、国際社会の平和のために有益な軍事介入はフランスとロシアの拒否権行使によって妨げられないであろうとコメントした。首相のこの発言は首相の友人でもあり、数ヶ月前まで政府国際政治問題顧問官であったラモン・ヒル-カサレス外務問題事務官の発言の流れを汲むもので、ヒル-カサレス氏はラジオ局カデナ・スルで、安全保障理事会の過半数がイラクへの武力行使に賛成すれば、フランスとロシアが拒否権を行使しても、国連安保理の決議案は有効であると述べている。ヒル-カサレス氏がこう述べた根拠は、ロシアの拒否権行使予告にも係わらず、国連安保理で決議採択された1999年のコソボ問題軍事介入に基づいており、アスナル首相は1999年にはロシアの拒否権行使予告に対し異議を唱えたPSOE(当時のNATO事務総長ハビエル・ソラナ氏が所属)が今回は武力行使反対についていることを批判した。
これに対しPSOE(社労党)、IU(統一左翼)両政党の広報官はコソボ問題決議の際には、決議案内容の一部変更により最終的にロシアの拒否権行使が回避されていること、また当時は軍事介入に対し、NATOでもEU内でも意見の一致があったことに言及、今回とは状況が違うと反論している。
また、サダム・フセイン大統領をユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領、ヒトラーとも比較するアスナル首相は、日曜日、メキシコのフォックス大統領とチリのラゴス大統領と電話で会談したことを昨日明らかにしている。メキシコとチリは、安全保障理事会非常任理事国の中で、アンゴラ、ギニア、カメルーン、パキスタンと共に決議案投票への最終的決定がいまだなされていない国である。ブッシュ大統領は、どのような状況になっても安保理内で新決議案に対する投票は行うと述べ、拒否権の行使は、フランスとロシアに重大な事態を招くことになるだろうとコメントしている。

今週の土曜日に再び反戦デモ

スペイン全土で400万人が参加した反戦デモから1ヶ月、今月15日(土曜日)再び、世界各地とスペインの主要都市で反戦デモが開かれることが決定した。マドリッドのデモ行進は18時にアトチャ駅をスタート、プエルタ・デル・ソルまで行進する。すでに各労働組合、左翼政党、俳優、歌手、文筆家などが構成する団体Cultura Contra la Guerraと各NGO団体も参加を表明しており、Cultura Contra la Guerraは声明文を作成、読み上げるのにふさわしい人物として、スケジュールが合えば、ノーベル賞作家のジョゼ・サラマゴ氏に参加を依頼する予定。

スペイン内務省、Egunkaria紙役員を提訴

昨日、スペイン内務省はバスク語新聞Egunkaria紙編集長マルチェロ・オタメンディ容疑者と3人の役員イグナシオ・ウリア容疑者、ハビエル・アレグリア容疑者、ハビエル・オレアガ容疑者が治安警備隊から拷問を受けたと嘘の供述をしたとし、全国管区裁判所に彼らを提訴した。内務省は、彼らは虚偽の供述により治安警備隊を誹謗中傷したのみならず、テロリスト集団ETAの指示に従い、彼らの活動に協力するという犯罪を犯したとしている。逮捕された場合は拷問があったと供述するようにETAがメンバーに指導していることは1998年に押収された文書により明らかになっており、今回の提訴状には、これまでに逮捕されたETAメンバーが行った拷問に対する虚偽の供述21件も含まれている。


3月10日(月)

政府、イラク攻撃参加プランを話し合い

政府関係者筋の話によると、昨日午後、危機対策委員会が召集されたというが、官房局では国家機密法にかかわるとし、この事実を認める、または明らかにすることをしていない。この会議は金曜にトリジョ-フィゲロア防衛大臣により提出された参加プランの検討のためと見られており、このプランではイラク攻撃の際にスペインは陸軍は戦闘に派遣しないが、戦闘後は人道支援のために派遣、また航空母艦プリンシペ・デ・アストゥリアスのペルシャ湾への派遣とトルコへ少なくとも6機のF-18戦闘機の展開が予定されている。

PNVとEA、連立立候補で合意、調印

ハビエル・アルサジュスPNV(バスク民族党)党首とべゴニャ・エラチEA(バスク連盟)党首が昨日ビルバオで会談、5月の地方選で連立で候補を立てることに合意、調印した。この選挙で連立で候補が立つのはバスク州の102市町村(アラバ県22、ビスカヤ県31、ギプスコア県49)で、この地域の人口はバスク州全体の80%を超える。ナバラ州で連立候補を立てるのは8つの市町村だけだが、この中には州都パンプローナ市が含まれている。
また今回の合意では4年前と同様にバスク3県の県議会とナバラ州議会にも連立候補が送られる。両党は1999年にも連立候補を立てているが、このときは66市町村においてだけで、連立により選挙の結果は両党にとって前回よりも悪いものとなったにもかかわらず、イバレチェ知事のバスク州自治領化案の推進には連立が不可欠なため、PNV側がEAに働きかけ、今回の合意にこぎつけた。
昨日の会談においてPNVのアルサジュス党首は、現在裁判所の命により活動が停止されているバタスナ党に対し“倫理的援助”を行い、バタスナ党が地方選に参加できるようにPNVはできる限りのことすると述べたが、そのために具体的にどういった行動を取るのかについて、党首は明らかにはしていない。

スペイン、中国との国交樹立30周年

1973年3月9日にスペインと中国の間で国交が樹立されて30年になる。ソフィア王妃は先週北京でのエドゥアルド・ウルクロ・スペイン・中国国交樹立30周年記念展覧会の開会式に出席した。スペインでも数都市で西安の陶器の展覧会が予定されている。
現在、世界第6位の経済大国となり、2001年末にWTO(世界貿易機関)に加盟して以来、外国からの投資が30%以上増加している中国であるが、スペインからの投資は2001年550万ユーロ、対外投資の0.5%にも到達していない。2008年には北京でのオリンピック開催、2010年には上海での万博開催を控え、両国間でさらなる関係強化が期待されている。

ホセ・マヌエル・ブレクア氏、死去

スペイン黄金世紀研究の第一人者、特に詩人ケベド研究の世界的権威として知られたホセ・マヌエル・ブレクア氏が土曜日、バルセロナで亡くなった。享年90歳。作家、大学教授、スペイン王立言語アカデミー名誉会員でもあったブレクア氏は1月10日に家族友人と共に90歳の誕生日を祝ったばかりで、1週間前からバルセロナ市内の病院に入院していた。
ブレクア氏はアラゴン州アルコレア・デ・シンカ出身。サラゴサで勉強した後アルメリアで教鞭を取り始め、1959年バルセロナ大学スペイン語・スペイン文学教授に就任した。息子2人も文学の教授。ブレクア氏の著作で特に有名なのはケベドの詩についての評論、ホルヘ・ギジェンの“カンティコ”についての考察、ルネッサンス期のスペインの詩選集など。他にもロペ・デ・ベガ、ゴンゴラ、サン・フアン・デ・ラ・クルス、フアン・デ・メナ、フライ・ルイス・デ・レオンについての研究も残している。

週末のスポーツの結果

F-1:F1シーズン開幕戦のオーストラリア・グランプリで、スペインのフェルナンド・アロンソ選手(ルノー)がF1デビュー戦7位の大健闘。故郷オビエドのプリンシペ・フェリペ音楽堂に設けられた大スクリーンに1200人の観客が釘付けとなった。1位はクルサード選手(マクラ−レン・メルセデス)、以下2位モントーヤ選手(ウィリアムズBMW)、3位ライッコネン選手(マクラ−レン・メルセデス)という結果。昨シーズンチャンピオンのシューマッハ選手は4位に終わった。
競歩:メキシコのティフアナで開催された世界競歩週間50キロレースで、スペインのヘスス・アンヘル・ガルシア・ブラガド選手が3時間46分46秒で優勝。2位はニュージーランドのクライド・バレット選手、3位はメキシコのヘルマン・サンチェス選手。
サイクリング:ブエルタ・ア・ムルシア最終日、タイムトライアルが行われ、スペインのハビエル・ジョレンテ選手がツール・ド・フランスで4度優勝しているルイス・アームストロング選手に2秒差で勝ち、1位。総合成績も1位となり優勝。


3月7日(金)

サラマンカで行方不明の神父、遺体で発見−サモラの殺人事件と同一犯か

2月23日から行方不明となり捜索が行われていたフアン・ホセ・ゴメス・ロドリゲス神父(43歳)が昨日、サラマンカの下宿屋の一室で遺体で発見された。この部屋から神父の身分証、衣服、十字架がみつかっているが、遺体はビニール袋にくるまれ箪笥に隠されており、腐敗がかなり進行しているため、身元の正式発表はDNI検査ののち、行われる。
神父の遺体がみつかったこの部屋の借り主は、サモラでタクシー運転手を刺し、移民収容訓練センター職員女性を殺した罪で火曜日に逮捕され、昨日サラマンカのトパス刑務所に収監された19歳のモロッコ人Abdelhuajed Fatdar Nall容疑者で、昨日サモラ事件の捜査のためAbdelhuajed Fatdar容疑者の住居を捜査におとずれた警官により神父の遺体が発見された。容疑者は2つの事件の関係については供述していないが、警察ではサモラとサラマンカの両殺人事件の犯人がAbdelhuajed Fatdar容疑者であるとの見方を強めている。しかし、動機、犯行にかかわった者の人数など明らかにされていない点がいまだ多く残っている。

イギリス、スペインのEU域内予算カットを提案

対イラク攻撃に関して共同で国連安保理に新決議提案を提出したイギリスとスペインだが、両国の蜜月にひびを入れるEU予算改革案をイギリス政府が昨日発表した。
現在は、2100億ユーロが2000〜2006年度の域内予算と構造予算(80%)、予備費(20%)にあてられており、EU加盟国内の地域で住民一人あたりのGDP(国内総生産)がEU平均の75%に達しない地域に対し、地域予算の約3分の2が援助金として受給されている。しかし2006年までに交渉を終わらせることになっている2007年〜2013年のEU予算基準を、イギリスが住民一人あたりのGDP(国内総生産)がEU平均の90%に達しない地域に引き上げ、それ以外の地域へはそれぞれの国が援助を行うという提案を昨日イギリス政府が発表した。現在スペインは、2000〜2006年度にかけて540億ユーロの援助金を受けるEU最大の援助金享受国であるが、新たに10カ国の加盟が予定されているため、2006年には国民一人あたりのスペインのGDPはEU平均の92%に達すると見られており、この新提案が通れば、現在EUの地域援助金を受けている11州のうち、新基準でも援助金を受けられるアンダルシア州とエクストレマドゥラ州以外の州への援助はEUではなくスペインが行わなければならなくなる。イギリス政府は新提案発表に際し、「発展し、豊かになった国が援助金を受けつづける時代は終わった。」とコメントしている。

飛行機がヨーロッパで最も遅れるバラハス空港

AEA(ヨーロッパ航空会社協会)が加盟している22航空会社と27空港に対して行った調査により、2001年と同様、その中で最もフライトの遅延が多い(全体の30.2%)空港が前年(32.2%)よりわずかに確率が低くなっているものの、引き続いてマドリッドのバラハス空港であることがわかった。2位はダブリン(28.5%)、3位はローマ(28%)。調査対象空港の平均遅延率は20.76%で、最も遅延の少ないのはオスロ(11.5%)、続いてストックホルムとヘルシンキ(12.8%)との結果が出ている。
遅延するフライトの率が少なくなったものの、バラハス空港での平均遅延時間は2001年の38.9分から43.3分へと増加していることも今回の調査によりわかっている


3月6日(木)

文化人による戦争反対全国署名運動開始

俳優、作家、音楽家、芸術家が構成する反戦運動団体Cultura Contra la Guerraが昨日からスペイン全土で署名運動を始めた。マドリッドのプエルタ・デル・ソルでは特設ステージが設けられ、映画監督のペドロ・アルモドバル氏、俳優のフアン・ディエゴ・ボット氏、詩人のホセ・マヌエル・カバジェロ・ボナルド氏、作家のカルメン・ポサダさんを始めとするたくさんの文化人が集まった。プエルタ・デル・ソル会場にはヘスス・カルデラ氏(PSOE-社労党)、ガスパール・ジャマサレス氏(IU-統一左翼)など野党の政界人も署名に駆けつけた。今週の土曜日は午後8時ごろまで各地の市役所前で署名を集めることになっており、マドリッドでは午後5時ごろプエルタ・デル・ソルで様々なアーティストによるコンサートが行われる予定。反戦の署名はCultura Contra la Guerraのホームページでも受け付けられる。
昨日は大学、高校の学生による反戦デモも行われ、マドリッドでは3000人、バルセロナで6000人、セビジャで5000人、バレンシアで3000人、マラガで1000人(いずれも概数)が参加した。また各大学では反戦集会が開かれ、先週大学の学長たちが発表した声明文“A favor de la paz y en contra de la guerra de Irak(平和賛成、イラク戦争反対)”が読み上げられた。

国会でアスナル首相、サパテロ書記長と対決

昨日は国会の演壇にアスナル首相が立ち、国会で5時間近くにわたる討論が行われた。アスナル首相は「平和的武装解除のために3ヶ月以上の猶予をサダム・フセインに与えれば、その後数ヶ月間、我々は彼の嘘と証拠隠蔽を耐えることになる。」と、自身はイラク攻撃は3ヶ月以内に始められると考えていることを明らかにした。アスナル首相によれば、フセイン大統領はこの数日間武装解除を行っているのではなく、国際社会をだまし、分割しているのであり、与党の対イラク攻撃への姿勢に揺るぎは見られなかった。
一方のロドリゲス・サパテロ書記長(PSOE)は、アスナル首相とブッシュ政権とは反対に彼はイラクの平和的武装解除は進んでいると考えていると述べ、フランス、ドイツを代表とする国連査察団の仕事に信頼を寄せる多くの諸外国、政治勢力と同じ考えであるとした。また、サパテロ書記長は9月11日のアメリカでのテロは、大量破壊兵器を使ったものではなく、商業用航空機と激しい憎悪によるものであったことを指摘、「武力を行使後イラクに広がる憎悪こそが我々の平和への脅威となるのです。」とアスナル首相に返した。アスナル首相はサパテロ首相を「政党のリーダ−というよりは一日和見主義者である」と定義、選挙での得票と引き換えに国の安全を引き渡し、スペインの持つ国際的責任を行使しようとしないと厳しく批判している。

騒音被害でディスコのオーナーに懲役2年3ヶ月

パレンシア県のディスコのオーナーが定められた限度を超える音量で音楽を流し、近所の住民に精神的・肉体的被害を与えたとし、最高裁判所はこのオーナーに対し、懲役2年3ヶ月、罰金20194ユーロを科し、また彼に2年間同様の職業に就くことを禁止、このディスコは3年間閉鎖とする判決を出した。
パレンシアのこのディスコの騒音には1996年以来住民の苦情が寄せられており、警察の介入でこれまでに何度も営業停止、罰金などの措置が取られていたが、このディスコは音量制御装置を音響装置につけないばかりか、97年には音響装置を増やしてもいた。98年に警察が近所の住民宅数ヶ所で騒音の音量を測定したところ、最大限度の30デシベルを上回る数値が週末の午前2時、午前6時に計測され、住民はこの騒音により、精神的、肉体的被害を受けており、幼年者は睡眠障害、情緒不安定、老年者は不眠症、興奮性、慢性頭痛などを訴えており、通院、または引越しを余儀なくされた者もいた。
最高裁は住民の被害は明らかであるとし、刑法325条を適用、最高裁判所としては初めての騒音被害への判決となった。

スペイン一高いマンションは760万ユーロ

スペインで最も高い新築マンションはマドリッドにはない。これまで最も高かったマンションはマドリッドのサラマンカ地区セラノ通りにある150万ユーロのマンションだったが、この記録が大きく塗り替えられた。現在スペインで最も高いマンションとなったのはバルセロナのパセオ・デ・グラシアにあるマンションの700uのペントハウスで、ガウディ設計のカサ・ペドレラが一望でき、760万ユーロで購入された。


3月5日(水)

PP、野党の対イラク政策変更提案を国会で否決

国会全野党が署名していた提案が昨日、国会で与党PP(国民党)の過半数の投票により否決された。この提案とは、イラクへの武力行使には正当な理由がないとし、アメリカ合衆国とイギリスを支持するアスナル政権の姿勢を改め、査察団にさらなる時間を与えるよう求めるものであったが、昨日国会は不支持184票(PP議員全員と野党議員1人の票)、支持163票でこの提案を却下した。投票は挙手ではなく各自が投票箱に投票する形で行われ、野党議員は与党議員に“良心に基づいた投票”を訴えたが、PP所属の議員は全員、前日の党大会で確認された通り野党提案反対に投票した。
野党提案却下に成功したPP議員たちは喜びの空気に包まれ、不支持に投じられた野党の1票がこの日6ヶ月ぶりに議場に姿を現した前首相のフェリペ・ゴンサレス氏(PSOE-社労党)のものだったとの冗談も飛び出した。国会で孤立しながらもあくまで武力行使容認の姿勢を貫く政府対全野党の対立という構図はこの日も変わらず、昨日はPSOEのヘスス・カルデラ氏の答弁の後、予告なくマリアノ・ラホイ第一副首相が演壇に登り、スペイン政府の政策を擁護した上で、PSOEのサパテロ書記長に様々な質問をぶつけ批判した。ラホイ氏がサパテロ氏に「あなたはここ(演壇)に上がってこれらの質問に答える義務がある」と述べたとき、議場から“No A La Guerra”の叫びが野党議員たちの口から上がり、一時議場は騒然となった。ルイサ・フェルナンダ・ルディ議長が騒ぎを静めるのを待ってラホイ氏は「あなたが質問に答えなければならないのは、私が尋ねているからではなく国民があなたの考えを知る義務があるからです。」と答弁を結んだ。しかし、サパテロ氏は昨日は演壇に上がらず、アスナル首相と同じ今日答弁を行うことになっている。

マドリッド-バルセロナ間AVE用安全運転装置、テストにさらに4ヶ月

スペインのCobra社と共にマドリッド-バルセロナ間のAVEの安全運転装置を落札したイタリアの会社AnsaldoSignal社が明らかにしたところによると、この路線で使用される予定になっている安全運転装置ASFAのテストが完了するのは少なくともあと4ヶ月かかるという。マドリッド-バルセロナ間のAVEで最終的に使用される安全装置はERTMSという装置で、この装置は欧州連合がヨーロッパ全域の鉄道で使われるよう欧州委員会が補助金を出す装置であるが、現在のところは実用化にいたっていないため、GIF(鉄道敷設局)は当面はマドリッド-セビジャ間のAVEと同じ安全装置を使うことに決めている。
にもかかわらず、いまだにこの装置ASFAはマドリッド-バルセロナ間で実用化されていない。AnsaldoSignal社の説明によると、装置を実際に使用するまでには数々の実験を行う必要があるが、線路や駅舎建設の遅れが積もり、実験のための時間が取れていないためだという。通常、実用化までには列車を走らせる前の段階での実験と実際に走らせた上での実験が必要だが、列車なしでの実験は昨年末始まったばかり、列車ありの実験にいたってはいまだ始められていない。これには、勧業省が行っていたプロモーション運行で実験ができなかったことも影響している。現在プロモーション運行は一時的に休止されているが、今現在も1日6時間、列車の試運転が行われており、AnsaldoSignal社はGIFに対し、線路で自由に実験させるよう求めている。

チャベス・アンダルシア州知事、中央政府の移民対策を批判

昨日、アンダルシア州知事マヌエル・チャベス氏はアンヘル・アセベス内務大臣に書簡を送り、カナリアス諸島からの引きもきらないマラガ市への密入国者の移送に対する不快感を表明した。移送された密入国者の多くは、移送後すぐに拘留期限が切れて自由の身となるが、不法滞在者の身分では仕事に就くことができない。先週末にはウエルバ市の松林に住み着いていた97人のサハラ周辺地域住民がアルヘシラス市に移送されているが、移送後彼らは元の場所に戻っており、チャベス知事は政府の対策が“無分別で秩序のない”ものであると書簡で述べている。また、移民問題に対応するためのあらゆる機関の間での効率的な協力の必要性を改めて説き、協力体制を敷くためには各機関の合意が必要であるが、アンダルシア州はその用意があるとしている。


3月4日(火)

PP全国執行部大会開催、アスナル氏支持を表明

PPに所属する国会議員、地方議員563人が集まって、昨日マドリッドで党執行部大会が開催され、アスナル氏が国家首脳として取った決断は“的確で国の安全のために納得いく”ものであることが党全体により確認された。
アスナル首相は演説の中で「スペインは、もはや世界で重要な出来事が起こっているときに歴史の片隅に座っているような国ではない。スペインは、黙ったままで、役に立たず、決断をしないような国ではない。」とスペインが国際的に重要な位置を占める国となる第一歩を踏み出したことを強調した。具体的に“役に立たない”国がどの国であるかの言及はしなかったものの、“国連安全保障理事会や北大西洋軍、欧州連合を分裂させようとする国々”に対しては批判を行った。また、PSOE(社労党)に対しても「彼らにとって重要なのは平和でも安全でもなく選挙の票だ」と批判し、PPが今後後戻りするような決定を行えば、5月の地方選で勝つことは不可能であると述べ、会場からは拍手が沸き起こった。

野生化した牛をめぐる論争(レオン)

カスティジャ・イ・レオン州のラ・カブレラで昨年から捨てられた牛が野生化し、近隣の村の作物を荒らす被害が出たことから、州農業畜産局の許可によりこれらの牛を撃ち殺す作業が進められている。これまでに確認されている牛は250頭を超え、うち100頭弱がすでに撃ち殺されたが、問題の解決策が野蛮であるとして反発の声があがり、州政府は狩りの一時停止の検討を始めた。欧州連合内では屠殺の際の動物保護法が定められていることから、ソラヤ・ロドリゲス欧州議員(社労党所属)は、この件を欧州議会に持ち込む考えだが、州政府は「欧州連合の規定は、食肉など動物を何かに利用するために殺す際の殺し方について適用されるものであるため、今回の件にはあてはまらない。」としている。近隣の村の村長の1人は「村の近くの小川で死んだ牛も何頭かおり、放置された死体から伝染病が発生するのではないかと村人が心配している。」と述べており、州政府は早急な解決を迫られている。

Caja Surに対する汚職調査開始決定

検察庁は汚職防止局に対し、コルドバに本部を置く信用金庫カハ・スルの調査を開始することを決定した。カハ・スルはカトリック教会によって設立された金融機関で、アンダルシア州政府は2002年10月からカハ・スルに対する査察を進めており、先月20日、その結果として汚職防止局へカハ・スルを訴えた。アンダルシア州政府はカハ・スルが社会福祉事業用予算と信用金庫資本の総額1030万ユーロに上る不正流用を行ったと見ており、州政府経済局ではこれに伴い会計書類の偽造も行われたと見ている。

欧州連合、唯一の特許創立へ

昨日、欧州連合の競争力委員会で、特許を1つにすることで合意に達し、30年にわたる議論に終止符が打たれた。現在は主に翻訳にかかる費用の問題から、ヨーロッパでの特許申請にかかる費用はアメリカや日本の5倍で、これにより特許申請する会社のわずか14%しかミュンヘンにあるヨーロッパ特許局で特許申請を行っていなかった。今回の合意により、申請の要約となる全文だけがEUの全公用語を使用、本文は英語、ドイツ語、フランス語のいずれかでのみ書かれていればよいことになったため、特許申請にかかる費用は現在のおよそ3分の1になると見られる。統一の特許機関を持つことは、人口4.5億人を擁するヨーロッパ経済活性化のための重大なカギで、昨日の合意は歴史的なものだといえる。この合意は今月21日には正式承認される見通しで、実務段階に入るのは2005年と見られている。


3月3日(月)

ジャウメ・マタス氏の後任にエルビラ・ロドリゲス女史

バレアレス州知事立候補のため、金曜日に環境大臣を辞任したジャウメ・マタス氏の後任が発表された。今日から新環境大臣となるエルビラ・ロドリゲス女史(53歳)は、元政府予算担当官。
ジャウメ・マタス氏がいつの日か政府から去ることは、彼が環境大臣に就任した2000年5月から周知の事実であった。マタス氏の環境大臣就任はあくまでもバレアレス州へPP所属知事を送り込むためで、19年続いた政権を初めてPP(国民党)が失った1999年地方選以来、バレアレス州はアスナル首相にとって喉元にささった骨であった。現在バレアレス州政府は左翼と民族主義政党の連立政権となっており、知事はPSOEのフランセスク・アンティシュ氏。
ロドリゲス新環境大臣はこれまでロドリゴ・ラト経済相のもとで働いてきた経済のエキスパートであるが、環境問題の専門家ではないことから、野党からは批判が出ている。

バレンシアで灌漑プラン支持デモ

1年半前に承認されたPHN(国家灌漑プラン-バレンシア、ムルシア、アルメリア州がエブロ川から取水)を支持するデモが昨日バレンシアで行われ、バレンシア、ムルシア、アルメリア州から政府の発表で60万人(エル・パイス紙の計算では22万人)が参加した。デモにはエドゥアルド・サプラナ大臣を始めとし、バレンシア州議会議員、バレンシア州知事ホセ・ルイス・オリバス氏、ムルシア州知事ラモン・バルカルセル氏なども参加、ムルシア州からはPSOE(社労党)の参加者も多数集まった。このデモ開催のため、2000台のバスがチャーターされ、特別列車も運行、デモ後は12万人前のパエジャが振舞われた。
また昨日、ムルシアとバレンシアの州知事はそれぞれ、EUに対しこの灌漑プランへの資金援助を働きかけることを明らかにしている。

街頭で偽造定期券販売、調査へ

市交通局は、街頭で違法に定期券が売られていることを発見、調査に乗り出した。この定期券は、実際の定期券とほぼ同じ磁気テープを使ってあり、改札機は本物と偽物を判別することができない。市交通局は現在製造元の特定を急いでいる。この偽定期券の販売がよく行われているのは国鉄アトチャ駅近くの“Top Manta”(歩道に毛布を敷いてその上に商品を並べて売ることからこう呼ばれている)で、以前の主要商品はCDだったのが、取締りの強化によりDVDへ事業を拡大、さらに今回偽造定期券の販売にまで手を広げていることが明らかになった。マドリッドではおよそ50万人が定期券を使用、2000年度には定期券だけで3.05億ユーロの売上があった。定期券代は最も安いAゾーン(マドリッド市内のみ)用若者割引1ヶ月券が22.95ユーロ、最も高いE2ゾーン(マドリッド自治州全域とカスティジャ・ラ・マンチャ地方の一部)成人用1ヶ月券が81.20ユーロ。

週末のスポーツの結果

ラリー:トルコ・ラリーで、今シーズン限りで引退を表明している40歳のカルロス・サインス選手(シトロエンチーム)が優勝した。サインス選手が優勝するのは昨年5月のアルゼンチン・ラリー以来で、今回の優勝によりサインス選手は25回優勝(168回出場)となり、チームメイトでイギリス人のコリン・マクレ−選手と並ぶ記録を樹立した。




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