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6月30日(月)

ガルソン判事、アルゼンチンの元軍人収監命令

元アルゼンチン海軍少佐で1976年から83年の間、軍事独裁政権下において集団殺戮にかかわったとしメキシコで2000年8月26日に逮捕されたリカルド・ミゲル・カバジョ被告(52歳)に対し、スペインの全国管区裁判所バルタサール・ガルソン判事は身柄引渡し要求を行っていたが、同被告は昨日メキシコからトレホン・デ・アルドス基地に到着、その後すぐに全国管区裁判所に護送された。しかし、カバジョ被告が陳述を拒否、ガルソン判事は被告の一時的収監命令を出し、被告はソト・デル・レアル刑務所(マドリッド)に収監された。
アルゼンチンの法律により軍人として命令に従ったまでとみなされるため、アルゼンチンではカバジョ被告を起訴することができない。しかし、同被告は軍事独裁政権下におよそ5000人が殺されたとされる収容所で拷問、失踪、殺人に関わったとされており、多数の証言や証拠書類により、被告が犠牲者の財産を盗んだ容疑もかけられている。しかし、全国管区裁判所検事局と弁護側はスペインに同被告を裁く権限なしとして、カバジョ被告の釈放を求めている。

州知事候補シマンカス氏、2回目の議会内投票

マドリッド州議会は1回目の投票から48時間後にあたる今日の午後9時前から、2回目で最後の知事投票を行う予定。土曜日の投票で知事就任必要票数が獲得できなかった候補者ラファエル・シマンカス氏は、今日10分を限度に再び演説を行い(この10分は質疑応答の形で使うこともできる。)、その後各政党は投票前に5分間の時間を与えられる。
2回目の投票でシマンカス氏が知事として議会の承認を受けるためには、就任賛成票が反対票を上回らなければならない。土曜日の投票は、賛成票54(社労党45票、統一左翼9票)、反対票55(国民党)、棄権票2(グルポミスト−タマヨ、サエス両議員)という結果であった。2回目の投票でも知事が決まらなかった場合は、マドリッド州議会法第184条“最初の投票から2ヶ月経っても議会の承認を得られる知事候補者がいない場合は、議会は解散、ただちに再選挙が行われること”に基づき、再選挙となる。

週末のスポーツの結果

サッカー:土曜日にアリカンテのエルチェで行われた国王杯(コパ・デル・レイ)決勝でマジョルカがレクレアティボ・デ・ウエルバに3-0で勝利、優勝を飾った。
F-1:ドイツ・ケルンで行われたF1世界選手権第9戦ヨーロッパGPで、フェルナンド・アロンソ選手が4位でゴール。現在、総合成績5位につけている。
テニス:ウィンブルドン選手権、ベスト16に残っているスペイン人選手は今年、全仏オープンで優勝したばかりのフアン・カルロス・フェレロ選手とフェリシアーノ・ロペス選手。スペイン人女子選手は全員姿を消している。


6月27日(金)

治安悪化の原因は移民?

CIS(社会学調査センター)が5月に18歳以上のスペイン人男女2500人を対象に行った自宅訪問によるアンケート調査によると、調査対象となったスペイン人の83%が自分の子供が移民と同じ教室で学習しても構わない、88%が誰もが自国以外の国に住む権利を有すると答えている反面、“治安の悪化と移民の増加に関連性があると思う”という質問に対して“とてもそう思う”と答えた人が13.9%、“かなりそう思う”と答えた人が44.2%という結果が出た。
また、地域別に移民への親近感を10点満点で尋ねたところ、最下位は北アフリカ出身者5.3ポイント、続いてアメリカ人5.5ポイントとの結果となった。点数が高かったのは西ヨーロッパおよびEU加盟国出身者7.1ポイントで、それに中南米出身者が6.6ポイントで続いている。
移民問題に焦点を当てて行われた今回のアンケートで出されたその他の回答は以下の通り。
スペインには移民が必要である−53.1%
移民はスペインのためとなる−43.9%(反対意見23.7%)
スペインには移民が多すぎる−47.8%
移民には不信感を抱いている−45.5%
移民問題以外の質問として、スペインの抱える主要問題は何かという質問も行われた(複数回答可)が、これには67.6%が失業、47.4%がETA、テロ、27.7%が治安の悪化、16.3%が住宅問題、14.7%が移民問題と答えている。

EU、農業補助金カットを承認

昨日CAP(共通農業政策)の改正内容が決定された。フランス、ドイツがフィシュラ−EU農業担当委員に採用を求めていた改正案では、19%の補助金削減が提案されていたが、EU加盟各国農相会議での難しい交渉の末、劇的な削減は見送り、EUからの農業補助金は2005年3%、2006年4%、2007年以降は5%と2013年まで段階的に減額されることが決定された。減額の目的は環境保護を視野に入れ、生産者に量よりも質を要求するため。
これによりスペインがEUから受ける農業推進補助金は減額となるが、羊、山羊、ナッツ部門での補助金額は据え置き、またカナリアス諸島は改正適用外となることをアリアス・カニェテス農業大臣は説明し、改正内容に満足であるとしたが、農業従事者組合、諸野党は激しい反発を示している。

カタルニャ州、14歳以下の闘牛観戦禁止

カタルニャ州議会で昨日、満場一致で動物保護法が承認された。2007年1月1日より実施されるこの法令により、野良犬、野良猫の保護センターでこれらの犬猫を殺すことが禁止され、センターでは死ぬまで犬猫の世話をすることが義務づけられる。(昨年バルセロナ市で保護された野良犬は1491匹、野良猫は1052匹。)飼い主が飼い犬、飼い猫の登録も義務づけられ、この義務を怠った場合には100〜400ユーロの罰金、飼い犬猫の世話の義務を果たさない(餌を十分に与えない、捨てる、許可なく売却する等)飼い主に対しては最高で2万ユーロの罰金が課される。
この動物保護法の承認をめぐって、ERC(カタルニャ左翼連合)とICV(カタルニャ主導緑の党)はカタルニャ州内での闘牛禁止を法案内に盛り込もうとしていたが、これは結局14歳以下の闘牛場入場禁止に落ち着いた。1998年にすでにカタルニャ州議会では14歳以下の闘牛場入場禁止を決定していたが、2000年にこれが見直され、成人の同伴者つきであれば入場できることになっていたのが、昨日の動物保護法案審議で再び禁止されることとなった。


6月26日(木)

レアル・マドリッド新監督決定

今年のスペイン・リーグ優勝チーム、レアル・マドリッドの新監督が昨日発表された。2シーズンにわたってチームの指揮を取るのは、ポルトガル人のカルロス・ケイロス氏(50歳)。2年の契約を残すイギリスのマンチェスター・ユナイテッド、サブ・コーチからの転身となったケイロス氏は体育学学部卒業で、80年代後半にポルトガルのユースチームを世界選手権で2度の優勝に導いたほか、ポルトガル代表チーム監督、サウジアラビア代表監督、南アフリカ代表監督も務め、Jリーグの名古屋グランパス・エイトでも1年間 指揮を取っている。95年には当時フィーゴのプレーしていたスポルティング・リスボアの監督としてポルトガル・リーグ優勝も飾った。
昨日の就任発表記者会見にはフロレンティーノ・ペレス会長、ホルヘ・バルダーノGMも出席、理想とするチームとしてフランス代表チームを挙げる新監督は、規律とフィジカル・トレーニングを重視することで知られており、「サッカーは芸術でありまた、厳しさに創造性と想像力を混ぜたもの」と述べた。またケイロス新監督は記者会見の場で将来についての約束は一切せず、「約束をしないで結果を出すのが私のやり方です。」と述べている。

スペイン、イラクへさらなる兵士派遣

イラク南部でイギリス兵6人が死亡したのを受け、現在スペイン政府はアメリカ国防省と8月に新たに派遣される1300人のスペイン兵の任務について話し合いを進めている。国連文書第7条によりイラクへの兵士派遣の目的は、復興のための治安の回復と維持であると定められているが、イギリス兵6人がイラク国民に殺害された原因は、住民の所持する武器の捜索だった疑いが強いため、スペイン政府はイラクでの武力行使をあくまでも自己防衛に留めたい意向。
9月1日から任務につくためのスペイン−中米4国(ニカラグア、エル・サルバドル、ホンジュラス、ドミニカ共和国)共同部隊“プルス・ウルトラ”の派遣がすでに決定されており、スペインから1300人、中米4国から1200人の兵士がイラクの治安維持のために派遣される。スペインはアルゼンチンにも参加を要請し、説得に失敗しているが、スペイン政府イラク問題担当官ディアス・モレノ氏は、さらに南米の国から兵士の派遣がある可能性も示唆している。部隊の指揮官には英語が堪能でイスラム教徒が住民の多数を占めるコソボでの勤務経験もあるビセンテ・ディアス・デ・ビジェガス将軍があたり、指揮本部はd-Diwaniyah(シーア派の聖都)におかれる。
アメリカが中米4国からの兵士の軍備、資金援助、移動の担当を約束しているため、兵士の訓練はスペインではなくドイツで行われる模様。防衛大臣は、旧ソビエト機の使用を避けるため、スペイン兵の移動にもアメリカの所持する大型輸送機の使用を要請している。

バレアレス、カタルニャ、パイス・バスコで記録的な暑さの6月

“北アフリカにまで伸びる熱い空気のかたまりが上空に停滞”これがスペインの現在の気象状況で、最悪の時期(21日、23日)は過ぎたと言うものの、昨日の予報では「今日から2、3日は今日と同じような天気が続き、月末には多少気温が下がる可能性があります。」となっていた。この熱い空気のかたまりによる影響で、スペイン全土で平均気温が例年より4度から5度高い状態が今月初めから続いている。
最も影響を受けているのはスペインの北東部で、マジョルカ島のソジェールでは3日前に40度を記録、スペイン気象協会は「6月が終わるまで待たなければ断定はできないが、スペイン全土で今年の6月がこれまでで最も暑かった6月になる可能性は高い」としている。
厳しい暑さに苦しむのはカタルニャ州とパイス・バスコ州も同様で、今月22日と23日にはバルセロナで36.3度、ジローナで39.9度とこれまでの6月の最高気温の記録(バルセロナ32.4度、ジローナ35.4度)が塗り替えられたほか、サンセバスティアンでは38.1度、フエンテラビアで39.8度とこちらも記録的暑さとなっている。
スペイン北部では暑さだけでなく、21日から24日にかけては気温の急激な変化の影響も受けている。ガリシア州のルーゴでは23日の最高気温が30.4度であったのが、翌日は17.8度に急降下、サン・セバスティアンでは土曜日28.8度、日曜日38.1度、月曜日23.4度と最高気温が日により全く異なっている。

エレナ王女、流産

フアン・カルロス国王は、妊娠3ヶ月目だった長女エレナ王女が流産した旨を報告した。エレナ王女はニューヨークから帰国後、主治医エミリオ・エステバン氏の定期検診を受けたが、その結果稽留流産(けいりゅうりゅうざん−流産の症状がなく死亡した胎児が子宮内に残っている)していることがわかった。妊娠14週目だったエレナ王女の健康に異常はないが、大事をとって昨日1日入院した。


6月25日(水)

シマンカス氏、前言撤回マドリッド知事候補に

マドリッド州議会社労党広報官のラファエル・シマンカス氏は昨日、コンセプシオン・ダンカウサ州議会議長と会談、州知事候補として名乗りをあげることを通知、議長は金曜日に任命審議を召集した。知事立候補とりやめを先週、PP(国民党)のエスペランサ・アギレ女史とともに通達していたシマンカス氏が前言を撤回したのは、再選挙までの時間稼ぎのため。
金曜日の午後6時、マドリッド州議会知事任命審議が行われ、シマンカス氏が候補者として演説、翌日投票が行われるが、シマンカス氏が知事に任命されるためには州議会111票のうち56の支持票を獲得しなければならない。第一次投票でシマンカス氏が必要票数を獲得できなかった場合は、48時間後(火曜日)に第二次投票が行われ、この投票でシマンカス氏が知事として議会から任命されるためには、支持票が反対票を上回ることが条件。6月10日の議長選挙を欠席、PP所属議長誕生の原因となった元PSOE(社労党)、現グルポ・ミスト所属エドゥアルド・タマヨ議員、マリア・テレサ・サエス両議員ともシマンカス支持票投票を宣言しているが、シマンカス氏は「汚職議員の票により知事の座に就きたくない」と表明しており、シマンカス氏知事任命を避けるため、一部PSOE議員の白紙投票が予想されている。
知事候補者が1人もいなければ、議長はいつでも議会の解散を命じることができ、PPの望みどおりに早期再選挙召集が行われるが、PSOEの戦略どおりに投票結果が出れば、適任候補不在として新たな立候補者探しのために2ヶ月の猶予が設けられることが議会法により定められており、PSOEのねらいはこの2ヶ月という期間を獲得すること。PSOEはこの2ヶ月を不動産と政治がらみの汚職調査に充てたいとしている。2ヶ月の期間は9月2日で切れるが、この時点で候補者不在であれば議会は解散、55日以内に州議会再選挙が召集される。

ベツレヘム立てこもりのパレスチナ人3人、スペイン政府からの扱いに抗議

2002年5月にイスラエル軍の包囲するベツレヘムの生誕教会に39日間篭城、国外退去処分となった後EUの調停によりスペインに受け入れられた3人が、居住先サラゴサとソリアを出て、マドリッドにあるパレスチナ自治区事務所で月曜日から立てこもりを始めた。
篭城していた13人の受け入れ期間は当初1年間と定められていたが、これが5月19日、EU閣僚会議でさらに1年延長されることになった。毎週月曜日、受け入れ先都市の警察に出頭しなければならないイブラヒム・ムサ、アジズ・アバヤット、アーメット・ヘマムレの3氏は、スペインでの現状を“抑留状態”に等しいと抗議している。海岸と空港の近辺への居住許可を与えられていない彼らは、スペイン国内での自由な移動許可のほか、赤十字社に対し、毎月の手当(現在は1人ずつにアパートの1室が割り当てられているほか、結婚している2人には月額461ユーロ、独身の1人には250ユーロの手当が赤十字社から支給されている。)の増額も求めている。3人の現在の資格は難民でも政治亡命者でも移民でもないため、仕事に就くことも大学に通うこともできない。3人の立てこもり抗議は、来月2日に予定されているパレスチナ自治区の外務大臣訪西をねらったもの。

サンタンデールでこの22年最大の嵐

カンタブリア州州都のサンタンデールを、昨日の午前11時半から12時にかけて雨と大粒の雹が襲った。この22年間サンタンデールをこれほど短時間に激しい雨(10分間に1平方メートルあたり27リットル)が降ったことはなく、消防署にはおよそ100件の通報があったほか、低い地域で浸水が起こった。
アストゥリアスでも同様の大雨の被害があり、昨日の午前6時半頃、この雨が原因で発生した交通事故により2人が死亡、5人が負傷している。

フェリペ皇太子、サンクト・ペテルブルグ訪問

昨日、スペインのフェリペ皇太子はロシアのサンクトペテルブルグを訪問。300周年を迎える同市でべタンクールの銅像とスペイン関連の3展覧会−アグスティン・べタンクール、アントニオ・ガウディとエドゥアルド・アロジョ−のオープンセレモニーに出席したほか、ペトロパヴロスク要塞、国立図書館、エルミタージュ美術館も訪問された。


6月24日(火)

レアル・マドリッド、イエロ選手、デル・ボスケ監督との契約更改せず

昨日、サッカーチーム、レアル・マドリッドの役員会が開かれ、満場一致で6月30日に失効するキャプテン、フェルナンド・イエロ選手の契約を更改しないことを決定した。ホルヘ・バルダーノGMは「限界の年齢(イエロ選手は35歳)にいるキャプテンを抱えることにより生じるテクニカル問題」を理由に挙げているが、レアル・マドリッドで14年間プレイしたイエロ選手の契約が更改されなかった本当の理由については、日曜のリーグ優勝時の選手の反抗的な態度と関連があると見られている。
優勝が決まり、グラウンドを2周するはずだったウィニングランを1周で切り上げた上、恒例の祝賀行事であるシベレス広場の噴水に上がることを禁止したガジャルドン新市長への抗議のしるしとして昨日の午前7時まであらゆる公式祝賀行事への参加拒否を表明していたチームだが、フロントはこの首謀者としてイエロ選手に責任を取らせた形のようだ。昨日正午からの州、市役所とアルムデナ大聖堂訪問は結局行われたが、マクマナマン選手とロナウド選手は欠席。チームは彼らに対してもなんらかの処罰を与えるとしている。
また、昨日の会議ではチームをヨーロッパ・チャンピオンズリーグ2度の優勝に導いているデル・ボスケ監督の契約も更改しないことが決定されている。現在後任として有力視されているのは、マンチェスターのサブコーチであるポルトガル人カルロス・ケイロス氏。

ETA、ホテルに爆弾

昨日の午後3時ごろ、GARA新聞社に、ビスカヤ県ゲチョにあるホテル、ロス・タマリセスに仕掛けた爆弾が午後3時半に爆発すると予告電話があった。通報を受けてバスク州警察はただちに現場に急行、43室あるホテルから宿泊客と従業員全員を非難させたため、爆発による人的被害は出なかった。
その後の捜査により、爆弾は15キロ強の爆薬を使ったもので、1階の男性用トイレに仕掛けられていたことがわかった。このホテル1階には2台の防犯カメラが設置されていたため、このカメラの映像から犯人の手がかりが得られることが期待されている。ホテルが標的となった原因ははっきりしていないが、ホテル創立者(故人)の知り合いによると、20年ほど前にこのホテルはETAから“革命税”要求の手紙を2度受け取っているという。
ETAは最近のメンバー向け新聞“Zutabe”で、“金持ち、銀行化と経済関係者に関係する娯楽施設を標的に加えることを決定した”と発表している。ロス・タマリセスはゲチョの高級住宅地ネグリ地区の住民が週末を過ごす場所として知られている。

タマヨ氏、サエス女史、州議会出席

左翼政党の恐れていたことが起こった。昨日、マドリッド州議会で常設議員団(議会の権力監視機関)議員を選出するための第二回目の審議が行われ、PSOE(社労党)所属で選出されながらも議長選挙を意図的に欠席した2人、エドゥアルド・タマヨ氏、マリア・テレサ・サエス女史の2人が出席、両氏は宣誓を行い、グルポ・ミスト所属議員として議員団に名を連ねた。
こうして汚職の疑惑もあるニ議員がこの機関のカギを握る2人となった。現在の権力構成はPP(国民党)18人対左翼政党18人(PSOE15人、IU−統一左翼3人)と議員数は同数。現在PPが握る投票権55に対し、左翼政党が54(PSOE45、IU9)であるため、新政党グルポ・ミストの出現により二議員は通常議会内でのカギも握ることになる。
欠席二議員は昨日すでに常設議員団議員として投票。ニ議員の議員としての登録が認められないよう左翼政党が要求していた議会法改正却下にPPと共に投票、この改正要求は却下された。これにより、グルポ・ミストは年間15万ユーロの団体への補助金のほか、議員一人当りにつき年間4.8万ユーロを受け取ることになり、両議員は給与、運転手つきの車などの特典を受け、さらに現行犯以外で逮捕されることがなくなる。
サエス、タマヨ両議員が議会のカギを握る今、このような状態で州政府政権を取ろうと思う候補者がいないため、議会再選挙が行われる見通しがさらに強くなった。


6月23日(月)

レアル・マドリッド、29回目の優勝

スペインプロサッカーリーグ最終日の昨日、4試合が行われ、注目の優勝争いは2位のレアル・ソシエダがアトレティコに3−0で勝利したものの、首位のレアル・マドリッドがアスレティックに3−1で勝利、自らの手で優勝を獲得した。昨日の試合の立役者はロナウド選手で、ワールドカップと同じ“お守りカット”の前髪で試合に臨み、2ゴールをゲット。しかしながら今季通算ゴール数は23とシーズン前の約束に2ゴール届かなかった。また、レアル・マドリッドに敗れたアスレティックはUEFAカップ出場権を逃した。

モロッコ政府、カサブランカテロ関与者の逮捕をスペインに依頼

5月16日にモロッコのカサブランカで起き、43人が犠牲となったテロに関し、モロッコ政府はスペインに居住または隠れていると見られるテロ関係者16人の逮捕をスペイン政府に依頼した。モロッコ政府によると、この16人はAl Oussoud al Khalidine(永遠のライオン)というフランス人ピエール・ロベール(テロの首謀者としてモロッコですでに逮捕)の組織するグループに所属しているという。
逮捕されたピエール・ロベール尋問の結果、広範囲にわたって張り巡らされた急進イスラム主義者網が明らかになり、またカサブランカでのテロのほか、リヨンの石油精製所へのテロ計画も発覚し、またこの16人のメンバーの名前も明らかにされたという。

暑さにより山火事続発

ここ数日間スペインで全国的に続いている暑さによりカタルニャ州35箇所でほぼ同時に小規模の山火事が発生、飛行機6台とヘリコプター14台の出動により、いずれの火事も消し止められた。また、カルタヘナのカベソ・デ・ガレラスで1.6万本の木が燃えたほか、サラマンカのペドラサ・デ・アルバでも土曜日に山火事が起こっている。マドリッドでは、昨日の午後5時頃からマンサナレス州立公園で火災が発生、消防隊14部隊とヘリコプター4台、飛行機2台が出動し、7時間にわたり消火活動が行われ、午後23時40分頃、火はほぼ鎮火された。この火災により少なくとも松林150ヘクタールが焼失している。

国王夫妻、ガリシア訪問

国王夫妻のガリシア公式訪問が今日から予定されていたが、“公式訪問は嫌というほどあるが、観光を行う機会はめったにない”とこの予定を2日早めて土曜日、国王自らの運転で国王夫妻はサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着された。夫妻はロス・アンカレス自然公園、ソブラド・デ・ロス・モンへスを訪問の後、サンティアゴに戻られ、翌日の日曜日は大聖堂でのミサに出席、参列者を驚かされた。
公式訪問は今日から始まり、ビゴとコスタ・ダ・モルテを訪れられる予定。今回の訪問は、国王夫妻のプレステージ事故の後遺症に苦しむ地域の人々への支援と連帯を示すためのもので、国王は今年の自分の守護聖人の日をムシアで祝われる。

週末のスポーツの結果

ラリー:キプロス・ラリーでスペインのカルロス・サインス選手が5位でゴール。総合成績2位につけ、1位との差はわずか1ポイント。
陸上競技:フィレンツェで行われたスーパーリーグ、スペインは男子が団体で7位の成績に終わり、ランク落ちしたが、女子は団体成績5位でランク落ちを免れた。男子でメダルを獲得したのは800Mのアントニオ・レイナ選手(金)、3000Mのカルル・カスティジェホ選手(銀)のみ。一方の女子は、1500Mのナタリア・ロドリゲス選手(金)、100M障害のグロリー・アロシエ選手(金)、走り高跳びのルス・ベイティア選手(銀)、走り幅跳びのコンチャ・モンタネール選手(銀)と健闘。
トライアスロン:チェコのカールスタッドで行われたヨーロッパ選手権で男子はイバン・ラニャ選手(24歳)、女子はアナ・ブルゴス選手(36歳)と共にスペイン人選手が優勝。
自転車:ボルタ・ア・カタルニャ優勝は、ホセ・アントニオ・ペチャロマン選手。


6月20日(金)

キリスト教、進級必須科目に

2004年度から実施が決定されている新しい教育法令LOCEの新たな一面が昨日ピラール・デル・カスティジョ文部大臣より明らかにされた。法改正後は2科目以上で落第点を取ると、留年することになっているが、この対象となる科目に新たに「宗教」またはその代替科目「宗教問題」の科目が加えられる上、さらに大学進学への内申書の成績評価科目にもこの科目が入る。(現行法令では「宗教」は内申書作成の際には選択科目の1つである上、進級にも関係がない。)
また、今回の法改正では、義務教育ではない3歳から6歳までの幼児教育期間中も、両親が希望すればその施設で、宗教教育が施されなければならない、つまり義務教育外の施設でもそのための人材を用意していなければならないとされている。
司教協議会の会長であるアントニオ・マリア・ロウコ枢機卿はこの決定について、「1976年にスペインとバチカンで相互協力協定が結ばれて以来、初めてこの協定を尊重した決定が下された。」と満足の意を表している。枢機卿によれば、宗教という科目は科学科目で、言うなれば数学とも同じように表されるべき科目だといい、スペインとバチカンとの協定は憲法の枠を越えたものだと述べている。
一方、PSOE(社労党)は「宗教の歴史でイスラム教とユダヤ教に少し言及し、“宗教問題”という名をつけても、内容はどちらの科目もカトリック教の授業である。これは、憲法で保証された“宗教の自由”を侵害する決定である。」として、法令の撤回を求める意向。また、CCOO(労働者委員会)、UGT(労働者総同盟)も「違憲であり、最高裁の過去の判例にも反する」として法令撤回を求める。

シマンカス氏、アギレ女史とも知事立候補とりやめ

PSOE(社労党)の2議員の意図的欠席により混迷するマドリッド州政府の行方だが、昨日、ラファエル・シマンカス氏とエスペランサ・アギレ女史の両マドリッド知事候補者は、この汚職の疑いのある2議員在職中の議会での選挙開催を拒否、現時点では候補者とならないことをコンセプシオン・ダンカウサ・マドリッド州議会議長に伝えた。これにより候補者不在となったマドリッド州知事選挙は再選が必要となったが、アギレ女史(PP)が即時選挙開催を求めているのに対し、シマンカス氏(PSOE−IU)は選挙まで2ヶ月の猶予を求めている。PSOEはこの2ヶ月の間にエドゥアルド・タマヨ氏、マリア・テレサ、サエス女史の欠席2議員と話し合い、議員当選証の返還を求め、マドリッド州左翼政権誕生のため再選を避けたい考え。
地方自治法令代18条には、知事擁立のための最初の選挙から2ヶ月経って州議会が適任と認められる候補者がいない場合は議会は解散、新たに選挙が告知されると定められており、左翼政権はこの条項に猶予2ヶ月の根拠を求めている。しかしながら、アギレ女史はこの条項は、知事擁立のための選挙が行われることが大前提であり、候補者がいない現在には適用できないと反論しており、州議会に対し、合法的に再選挙が行われるよう修正法案を満場一致で可決したいとしており、左翼両党に「全員が納得する時期での選挙開催」に向けての話し合いを持ちかけている。

4人の麻薬密輸入者、保釈期間中に逃亡

昨日、全国管区裁判所で開かれた裁判で、ガリシア海岸を縄張りとする麻薬密輸入組織のリーダー弁護士パブロ・ビオケ被告に対し懲役18年、罰金135万ユーロの判決が言い渡された。しかし、逮捕後保釈金を支払い仮保釈されていたこの裁判に出頭する予定の4人は出頭せず、裁判所では4人が逃亡したと見て警察が行方を追っている。
この4人はマヌエル・カルバジョ、ルイス・フエゲン・ビラス、フランシスコ・パス・ロドリゲス、ホセ・アントニオ・パディン・ビエイテスの4被告で、昨日は被告人不在のままそれぞれ懲役17年と罰金120万ユーロ、懲役15年と罰金96万ユーロ、懲役14年と罰金96万ユーロ、懲役10年と罰金96万ユーロの判決が言い渡された。唯一出頭したビオケ被告は他の嫌疑により拘留されていた。
事件は1991年に起こったもので、ビオケ被告は2トンのコカインをガリシア沖に停泊した船からグライダーを使ってスペイン国内に持ち込もうとしたが、包みの量が多すぎ、輸送を担当した仲間が300キロだけを指定の方法で運び、残り1400キロはア・コルニャ県のセデイラ湾入り口に隠した。この後嵐となり荷を縛っていた縄が解け、コカインのパックが湾内に流出、治安警備隊の発見するところとなった。これにより、輸送を担当していた2人が逮捕、この2人の供述によりリーダーのビオケ被告が捕まっている。


6月19日(木)

マドリッド近郊電車で衝突事故、14人が軽傷

昨日の午前8時17分、国鉄セルカニアス(近郊電車)5号線(モストレス−アトチャ−フエンラブラダを運行)のモストレス駅から300メートルの地点で電車の衝突事故が起こった。
この事故は、モストレス駅へ入る許可を待って停車していた列車に後続の電車が時速約10キロで追突したもので、衝突のショックで追突した列車の前3両と追突された列車の最後尾車輌が脱線した。この事故により14人がムチ打ち、または膝への打撲により病院に運ばれたが、全員午前中のうちに退院している。
事故の影響でモストレスとサン・ホセ・デバルデラス間は昨日終日運休。ミゲル・コルシーニRENFE総裁は事故の原因を「運転手の不注意による人為的ミス」であると発表し、列車の安全システムの問題ではないとしている。

ローマのスペイン人学校爆弾設置犯判明

火曜日の未明、ローマにあるスペイン人学校に爆弾を設置し、物的被害を与えた犯人が捜査班の読みどおり、シンコ・セスの犯行であることが判明した。このグループの“シンコ・セス”(「5つの"C"」)は、資本主義(Capital)、刑務所(Carcel)、獄吏(Carcelero)、監獄(Celda)に反対する組織(Celula)を意味しており、昨日、イタリアの新聞 “イル・マニフェスト”に犯行声明を送りつけている。この組織は、昨年12月にイタリアのイベリア航空オフィスとエル・パイス紙バルセロナ支局に爆弾を送ったのと同じ組織で、スペインに収監されているイタリア人の釈放を求めている。

プレステージ被害地域の魚、99.69%は消費に問題なし

マリアノ・ラホイ副首相は昨日、石油タンカープレステージからの石油流出により被害を受けた地域で採集された魚介類を調査した結果、99.69%が基準値を下回る石油含有量で消費に問題がなく、また基準値を上回ったのはいずれも依然として漁業が再開されていない地域のものであったと発表した。
検査は被害地域とマドリッドの市場を対象に1004のサンプルを取って行われ、うち609のサンプルは魚市場と商店、残りが捕獲地点で採集されている。ラホイ副首相は「魚、シーフードとも消費のための品質は保証されている」と述べている。

バスク地方のビーチ、閉鎖の可能性も

ここ数日、バスク州には再び大量のプレステージからの流出石油が漂着しているが、昨日州政府はもしこの状態が続けば、夏の休暇シーズン真っ最中でのビーチ閉鎖もあり得ると発表した。今月に入ってから、海水浴解禁日の15日までの間にバスク州で回収された石油の量は54トンで、一日平均3.7トン。しかしながら、ここ数日の悪天候により漂着する石油の量が増大し、月曜から昨日までの3日間に回収された石油の量は63.5トン(浜辺51.5トン、海上12トン)となっている。
州政府広報官のジョス・ジョン・イマズ氏は、昨日の時点では浜辺は海水浴ができる状態に保たれていることを強調しながらも、この状態が続けば州政府は1年で最も観光客が多い期間(7月31日から8月15日)に海水浴を躊躇なく禁止すると述べている。

ルラ・ブラジル大統領にアストゥリアス皇太子賞

昨日、アストゥリアス皇太子国際協力賞にブラジルのルラ大統領が選ばれた。労働党党首で、労働組合出身者としてはブラジルで初めて大統領となったルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏(1945年ペルナンブコ生まれ)の受賞は、政治家、経済家、企業家、外交官、教会関係者と科学関係者で構成されている選考委員会により“正義を勝ち取るための過去の飽くなき闘争を評価すると同時に、未来への希望のシンボルとして”決定された。賞金5万ユーロとジョアン・ミロ氏デザインの彫像は10月の授賞式で授与される。


6月18日(水)

治安警備隊中佐発砲、死者2名負傷者1名

昨日午前10時半頃、アルバセテの治安警備隊駐屯所でアントニオ・ペニャフィエル・フェルナンデス中佐(51歳)が発砲、同僚2人を射殺、1人を負傷させた後、自身も自殺を図った。
中佐はまずイシドロ・トゥロン・リエラ(40歳)少佐の頭と背中に発砲、次に軍医のフランシスコ・ナアロ氏(70歳)にも発砲し2人を殺害した後、現在の駐屯所所長であるアントニオ・ロベルト・ラサロ・ガバルドン中佐(55歳)にも発砲、重傷を負わせ、次に自殺を図って自身の頭にも発砲、昨夜の時点では生命が危ぶまれていた。
ペニャフィエル中佐は2月25日までこの駐屯所の所長を務めていたが、部下のリコールによりこの職を解かれ、今回の被害者の1人、アントニオ・ロベルト・ラサロ中佐が後任となっていた。治安警備隊本部の命により精神鑑定中だったペニャフィエル中佐はすでに自分のピストルは徴収されていたが、駐屯所内の様子を把握していたため、事務室の机の1つからピストルを容易に手に入れることができた。
所長職解任後、ペニャフィエル中佐は地元メディアに対し、自分は策略によって職を解かれた犠牲者であるとのキャンペーンを行っており、殺害の際、中佐はトゥロン少佐に関し「ほかの17人と策略を練り、自分を陥れ職を失わせた。」と述べている。ナアロ医師は中佐の精神鑑定を担当していた。

レアル・マドリッド、ベッカム選手獲得を発表

スペインのサッカーチーム、レアル・マドリッドが昨日、マンチェスター・ユナイテッドのデイビッド・ベッカム選手の獲得に関し、チーム間での合意に達したと発表した。レアル・マドリッドのフロレンティーノ・ペレス会長は数日前にすでにベッカム選手から移籍合意を取り付けており、昨日選手の所属チームとも合意に達し、移籍金2500万ユーロが5年間に渡って支払われ、ベッカム選手の活躍次第ではさらに1千万ユーロが加算される。ベッカム選手の契約期間は4年で、年俸は6百万ユーロでそれに成績次第でボーナスが加わる。今のところレアル・マドリッドからマンチェスターUへの選手の移籍はなく、ベッカム選手は7月1日にメディカルチェックを受け、翌日入団が正式に発表される。
一方、ベッカム選手の獲得を公約に掲げ会長に当選したばかりのFCバルセロナのジョアン・ラポルタ会長はすでにマンチェスター・ユナイテッドと合意に達していたとし、FIFAに対し訴えを起こす構え。しかしベッカム選手獲得は断念せざるをえず、別の選手の獲得に乗り出す意向。

スペインの新生児誕生数、1988年以来最高を記録

INE(国立統計局)発表によると、昨年のスペインの新生児誕生数が416,518人(前年比3.1%増)と1988年以来最高人数を記録した。これには移民流入が大きく貢献している。
国勢調査によるスペインの居住外国人数が人口の4%を占めるのに対し、昨年出産した女性の10%(43,369人)が外国人で、2000年のおよそ2倍の数字となっている上、スペイン人の母親による出産が前年比2,266人増なのに対し、外国人の母親は10,393人増と外国人による影響が数字にはっきり現れている。
1976年から下がりつづけているスペインの出生率は移民の流入により、これで4年連続上昇となったが、スペインの女性一人あたりの子供の数は1.26人と1993年以来最も高い数値であるものの、EU諸国内では依然として最下位の数字。スペインで子供の誕生数が少ない理由について科学調査最高委員会の人口学者マルガリータ・デルガード女史は、「スペイン人夫婦は希望より少ない子供の数に甘んじているケースが多く、その理由は主に経済的問題、仕事、住居問題による。また母親が第1子を設ける年齢が高くなっている(出産する女性の10人に6人が30歳以上)のも一因。」と分析している。
スペインで出産した居住外国人で最も多いのは地域別で見ると中南米出身者で45.7%、続いてアフリカ(26.1%)、ヨーロッパ(22.3%)となっており、国別では1位がモロッコ(8,375人)、続いてエクアドル(8,273人)、コロンビア(4,832人)、ルーマニア(2,002人)、中国(1,553人)、アルゼンチン(1,360人)となっている。


6月17日(火)

マドリッド検事局、2議員の汚職疑惑について捜査開始

マドリッド地方裁判所最高法廷検事局は、マドリッド州議会議長選挙を意図的に欠席したエドゥアルド・タマヨ・バレナ、マリア・テレサ・サエス・ラグナ両議員の不動産に絡んだ汚職の疑いありとのIU(統一左翼)ガスパ−ル・ジャマサレス代表からの告発を受けて、昨日捜査を始めることを決定した。これに加え、先週の水曜日に提出されている両議員に対する収賄疑惑による訴えの調査も国家検察庁により開始される。また、PSOEも今日、マドリッド州刑法民法最高裁判所(TSJM)に対し、両議員への法的措置を要請する意向。
6月10日の州議会議長選挙では、5月25日の選挙でPSOE(社労党)とIU(統一左翼)の左翼両党を合わせた当選議員数がPP(国民党)の当選議員数を上回っていたにもかかわらず、PSOEの2議員の意図的な欠席により、PPのコンセプシオン・ダンカウサ議員が議長に就任している。タマヨ、サエス両議員は議長選挙欠席の後、土地開発業者フランシスコ・ブラボ氏の予約していたホテルにボディガード付で身を隠しており、PSOE、IU両党とも選挙運動で、土地違法開発防止の目的ですでに着手されている宅地開発とマドリッド州土地法の見直しを行うことを公約に掲げていたため、この土地開発業者がらみの汚職の可能性が疑われている。

PP、シマンカス氏を提訴

与党PP(国民党)のハビエル・アレナス幹事長は昨日の午前中、FSM(マドリッド社会主義連盟)代表のラファエル・シマンカス氏を提訴することを発表し、“マドリッド州でのPSOEのスキャンダルとPPを関連付けようとするすべての人間”に対して今後も提訴を続ける考えであることを示した。午後にはマドリッド地方幹部会がPP本部で開かれ、地方選の結果の分析とマドリッド州議会の現状考察が行われたが、この席で「PSOEは自党の問題をPPの責任にしようとしている。今回もPSOEはプレステージ問題、イラク危機同様、問題のすりかえで与党政権に揺さぶりをかけようとしているが、PSOEとの闘いでは、我々は闘い、勝つだろう。」と述べた。アレナス幹事長は「このようなスキャンダルを起こした今、PSOEとIUにできることは、もう一度有権者の意見を聞くことだ」とし、マドリッド州再選挙が必要であると述べた。

貿易赤字前年比126%増

スペイン経済の輸出入のバランス不均衡がさらに大きくなっている。昨日のスペイン銀行の発表によると、今年1月から3月までの経常収支(モノやサービスの経常取引による収支)は55.05億ユーロの赤字で前年同時期(24.32置くユーロ)比126%増。原因は観光の伸び悩み(前年の同時期比0.1%成長)と輸入の増加で、輸入が9.4%増加しているのに対し、輸出は5.9%増に止まっている。また石油の高騰、ユーロ高や世界的経済停滞、観光停滞も影響を及ぼしている。

今年度青空書籍市、売上昨年比4%増(マドリッド)

例年マドリッドのレティロ公園で開かれている第62回フェリア・デル・リブロ(青空書籍市)が日曜日に閉幕、開催期間中17日間の訪問者は昨年から15万人ほど多い3百万人強で、売上も910万ユーロと4〜5%の伸びを見せた。しかし依然として平日と休日の訪問者数の開きは大きく、会場の大きさの問題からこれ以上の訪問者を獲得するためには、平日に人を集める方法を考えなければならない。
今年度のテーマは“Encuentro de las Tres Culturas”(三文化の出会い)で中近東、スペイン文学へのユダヤ人の影響、アル・アンダルス、モロッコ、がテーマにとりあげられたが、来年度のテーマはヨーロッパに置かれる予定。今年のフェリアでは2023人の作家がサイン会を行い、最後の日曜日にはアントニオ・ガラ氏、ジョセ・サラマゴ氏のほか、テレビの人気番組オペラシオン・トリウンフォの出身者も自伝のサイン会を開いている。
3年前からマドリッド書店組合はフェリアの開催に合わせて最優秀小説を選んでいるが、2002年度最優秀小説賞にはドゥルセ・チャコン女史の“La voz dormida”が選ばれた。


6月16日(月)

タマヨ氏、汚職疑惑の調査進む

マドリッド州議会議長選挙を欠席、マドリッド州左翼政権誕生を不可能にした2人の議員、エドゥアルド・タマヨ氏、マリア・テレサ・サエス女史がしばらく身を隠すためのホテルを予約した人物、土地開発業者フランシスコ・ブラボ・バスケス氏がPPとマドリッド州の一都市町長選出について交渉していたことがラジオ局カデナ・セ−ルにより明らかにされた。
マドリッドの南西部を中心とする50近くの土地開発会社グループを所有するフランシスコ・ブラボ・バスケス氏とその伯父フランシスコ・バスケス氏は今回の両議員欠席事件との関与を全面的に否定しているが、PP(国民党)マドリッド支部長リカルド・ロメロ・デ・テハダ氏はこれまでバスケス氏と2度会ったことがあることを告白。最後に会ったのは先週水曜日で、バスケス氏が無所属選出議員1人を伴って、PSOEが最多得票を占めているマドリッド州のセビジャ・ラ・ヌエバにPP所属町長を立てようと持ちかけ、マドリッドにあるPP本部で話し合いが持たれたが、同町のPP議員達の拒否により、合意には至らなかったという。タマヨ氏が所属していたPSOE(社労党)のサパテロ書記長は、タマヨ氏とバスケス氏のつながりを完全に明らかにさせるよう、検事局に要請している。

スピード裁判導入から1ヶ月…お粗末な結果

マドリッド検事局が国家検察庁に提出した報告書によると、逮捕から裁判までの過程を迅速にする、4月28日導入の新しい犯罪裁判法によりマドリッドで114人の誤認逮捕があったという。政府が犯罪率減少の目玉として導入したこの“スピード裁判法”は少なくともマドリッド州では効果を上げていない。
裁判数が少ない原因を検察庁はマドリッド州法務局に帰しているが、報告書によると導入から1ヶ月以上経っているにもかかわらず、いまだに担当裁判官の執務室に電話すら用意されていない状態であるという。
スピード裁判法導入により逮捕した警官がまず法務的立場から犯罪を検証し、犯罪の場合は犯人を逮捕し、翌日裁判所に連行、過失の場合は犯人と被害者に裁判所への出頭命令を翌日送付することになっているが、スピード裁判用として提出されるべき報告書の多くが通常手続きによる報告書提出となっていることも原因。これによりマドリッド市では予想の半分、マドリッド州では3分の1の裁判件数にとどまっているという。

プレステージの船主、残存石油くみ上げに反対

昨年11月にガリシア沖で沈没した石油タンカープレステージ号の船主は、スペイン政府が残存石油4万トンくみ上げ費用を船主に課することを恐れ、勧業省相手に石油くみ上げを取りやめを求め訴えを起こした。
船主会社Marc Shipping Inc の弁護団の「沈没しているタンカーの石油タンクから今後石油が漏れる危険性は極めて低く、タンクからの石油くみ上げの必要はないと判断する」というコメントが昨日ガリシア地方紙“La voz de Galicia”に掲載された。
くみ上げ作業を担当するRepsol社の最終見積もりによると、くみ上げにかかる費用は5000万から1億ドルで、来春引力を利用した方法でタンクからの石油くみ上げに挑戦することになっている。この方法は、政府の諮問機関である科学委員会が提案したポンプくみ上げ方式の半分の費用で済むが、これほどの深さ(4000メートル)で適用された前例がないため、成功するかどうかは不明。

バルサの新会長にラポルタ氏

昨日、フットボール・クルブ・バルセロナの新会長選挙が行われ、40歳のジョアン・ラポルタ氏が61歳のルイス・バサッ氏を27,138票対16,412票で破って当選した。今回の選挙では得票数、投票率(クラブの歴史上最多の53.79%)とも記録更新。
ラポルタ氏は弁護士、会長立候補者の中で最もチームの改革を唱えていた人物で、選挙運動中マンチェスターユナイテッドのデイビッド・ベッカム選手獲得を公約、これから3年間、2.2億ユーロの負債を抱えるチームの運営にあたる。

週末のスポーツの結果

F−1:カナダ・グランプリでフェルナンド・アロンソ選手(ルノーチーム)が4位入賞。1位と2位は、ミハエル(フェラーリチーム)、ラルフ(ウィリアムズチーム)のシューマッハ−兄弟、3位にはパブロ・モントーヤ選手(ウィリアムズチーム)が入った。現在フェルナンド・アロンソ選手が総合成績で3位につけている。
バイク:カタルニャ・グランプリ、125CCでダニ・ペドロサ選手が優勝。250CCでフォンシ・ニエト選手が2位、トニ・エリアス選手が4位、モトGPでセテ・ジベルノー選手が3位、カルロス・チェカ選手が4位と今週もスペイン勢が活躍。
陸上競技:ドイツのBad Langensalzaで行われた走り幅跳び競技会で、スペインのヤゴ・ラメラ選手が8.44メートルと今季世界第2位の記録で優勝した。またポーランドのワルシャワで行われたクゾチンスキー・メモリアル競技会で、室内砲丸投げ世界チャンピオンのマヌエル・マルティネス選手が20.30メートルの記録で優勝。


6月13日(金)

カストロ議長、アスナル首相を糾弾

キューバのフィデル・カストロ議長は昨日テレビに出演、アメリカにへつらい、EUをもアンチ・キューバ体制に持ち込もうとしているアスナル首相こそがEUがキューバに対する政策を硬化させた元凶であると、昨日激しくアスナル首相を批判した。この発言によりキューバのスペイン大使館が閉鎖されても構わないという。
カストロ議長のこの発言の数時間後、工場、学校を休みにし、スペイン大使館前で大規模なデモ行進が行われた。このデモ隊の糾弾の的になったのは、スペイン大使館に加え、先月キューバとの4000万ユーロの協力プログラムを延期したイタリア大使館。カストロ議長がスペイン大使館、弟のラウル・カストロ国防相がイタリア大使館でのデモの先頭に立った。スペイン大使館デモ参加者たちの掲げるプラカードにはアスナル(AZNAR)首相の名前のZの文字の代わりに、ナチスの鍵十字が書かれ、カストロ議長は“ピエロ”、“ファシスト”、“臆病者”など様々な表現でアスナル首相を罵倒した。
キューバ政府が75人の反体制者を刑務所に入れ、ボートジャック犯3人を銃殺刑にしたことを受けてEUが決定した政策変更とは、キューバへの政府高官公式訪問の制限、EU諸国のキューバでの文化デモ参加縮小、対キューバ政策の見直し、EU各国大使館での公式式典への反体制者の招待で、EU諸国がハバナに設置している自国大使館を通じて反体制主義者と緊密な接触を維持し、人権擁護に務めるとしている点について、カストロ議長は「ある外国政府がバタスナ党幹部と会合を持ち、彼らに資金援助するのと同じではないか」と、EUの干渉を糾弾、また、EU各国大使館の公式式典に反体制者が招待されていれば、キューバの政府関係者、大使館関係者のいずれもその式典に出席しない旨を通知した。

SA解散命令不服従のバスク州議会に法的措置

バスク州議会と議長フアン・マリア・アトゥチャ氏が、議会内の元バタスナ党、現SA(愛国社会主義同盟)を解散させることを拒否したことにより、この命令を下した最高裁特別法廷は検察庁に告発、法的措置に 踏み切ることを決定した。一方、PNV(バスク民族党)ギプスコア支部代表者フアン・マリア・フアリスティ氏は「アトゥチャ氏の行動に何ら罪に問われるものはない。」と述べ、またバタスナ党は今日憲法裁判所にSA解散命令を提訴する。
昨日の午後、約2時間にわたって行われた最高裁判所特別法廷での会議では満場一致で法的措置を取ることが決定され、またこの具体的な内容については来週18日から話し合いが行われるが、SAの補助金差し押さえ、同グループの事務所、資産没収などが考えられている。この告発を受けた検察庁は今後、最高裁命令に従わないアトゥチャ議長と数人の議員に対し、具体的にどのような法的制裁を取ることができるのかを調査する。

ミケル・バルセロ氏、2003年度アストゥリアス皇太子芸術賞

第23回アストゥリアス皇太子賞選考会は昨日、本年度の受賞者に画家、ミケル・バルセロ氏(1957年マジョルカ島生まれ)を選んだことを発表した。建築家、映画関係者、舞踏家、彫刻家、音楽家、画家とその他人類の遺産となる芸術的表現を対象に授与されるこの賞の賞金は5万ユーロ。
幼少の頃から画家の母親の影響でマジョルカの伝統風景画に親しんできたバルセロ氏は現在拠点をパリ、マジョルカ、マリに持っており、特にアフリカは氏の作品に大きな影響を与えた。年を経るにつれ余分な要素を削ぎ落としていった彼の作品は、近年真っ白で巨大な茫漠としたキャンバスに代表されている。絵画、彫刻だけでなく、舞台装置、陶器の作成も手がけるバルセロ氏は現在パルマ・デ・マジョルカのサン・ペレ礼拝堂の改修作業に携わっている。
今回発表された芸術賞以外に明らかになっている2003年度アストゥリアス皇太子賞その他の受賞者は、社会科学賞が哲学者で社会学者のユルゲン・ハーバーマス氏(ドイツ)、文学賞がファティマ・メルニシ女史(モロッコ)とスーザン・ソンタグ女史(アメリカ)、コミュニケーション・ヒューマニティ賞がジャーナリストのリシャルド・カプシチンスキ氏(ポーランド)と神学者グスタボ・グティエレス・メリノ氏(ペルー)、スポーツ賞がツール・ド・フランス(フランス)、科学研究賞が野生のゴリラ、チンパンジーの研究で知られるジェーン・グドール博士(イギリス)。


6月12日(木)

PSOE、投票欠席議員2人に汚職の疑い

PSOE(社労党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長は、マドリッド州議会議長投票を欠席し、マドリッド州左翼政権擁立を事実上不可能にしたエドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員に汚職の疑いありと見て、マドリッド検事局に訴えることを昨夜決定した。
これ以外にも、タマヨ氏に対しては、エンリケ・デ・ベネディクト氏(マドリッド州知事就任まであと一歩だったラファエル・シマンカス氏の右腕として働くルス・ポルタ女史の夫)から“タマヨ氏の事業と政治活動は両立性”に疑問を投げかける告発がPSOE倫理委員会に出されていたが、地方選挙間近だったことから、この調査の開始は一時中断。今日6月12日から行うことがすでに1ヵ月半前に決められていたこの調査が再開される見込み。タマヨ氏はバレンシア出身の実業家ホセ・ルイス・バルバス氏の会社の法律顧問だが、このバルバス氏はマドリッドに強い政治的影響力を持つことで知られている。
一方のPPは、今回のPSOE2議員と自党の関係を完全否定。マドリッド州知事自党候補のエスペランサ・アギレ女史の知事就任が確実となっているにもかかわらず、身の潔白を示すため、秋に州選挙の再選を行うことを提案している。

首相、国会ウクライナ機墜落事故調査委員会設置を拒否

昨日、国会でPSOE(社労党)とIUは先月26日にトルコで発生し、スペインの軍人62人が犠牲となったウクライナ機墜落事故の国会調査委員会の設置を提案したが、現在行われている調査が間もなく完了することを信じている首相はこの設置の必要なしと返答した。PSOEのサパテロ書記長が「わが国の軍人の移動の安全性への不信感が拭われるためにはすべてを明らかにすることが不可欠である。ひとかけらの疑念も残さないためには、国会による独立した調査機関があるべきだ。」と述べたのに対しアスナル首相は、「疑念を残したくなければ、最初から種をまかなければいい」と返し、「知られるべきことはすべて明らかにされるであろうし、この事故を自己の利益のために利用しようとするものは痛い目に遭うだろう。」と述べた。
事故の原因究明の調査は、現在トルコ政府の主導のもと、ウクライナ政府、ロシア政府からの関係者とスペインの軍関係者も参加して行われている。しかし、与党と野党間には、墜落した直接の原因の究明を事故調査の目的とし、トルコ政府がパイロットのミスであることを確認すればすぐに調査を終了しようとしている与党と、なぜ防衛省が自国の軍人を運ぶ飛行機の点検をしなかったのか、また事故以前に士官から軍人搬送飛行機の整備状態についての告発が複数あったにもかかわらず、なぜそれを無視し続けたのかについて明らかにしたい野党という決定的な姿勢の違いがある。

テアトロ・レアル、200万ユーロの赤字

昨日、テアトロ・リリコ財団が発表した2002年度決算報告書によると、1997年10月にリオープンしてからテアトロ・レアル(王立劇場)の抱える赤字の額は200万ユーロに上るという。この報告は定款に定められている決算報告会議で行われたもので、会議には財団代表者であるデル・カスティジョ文部大臣、ルイス・ガジャルドンマドリッド自治州知事も出席した。例年はこの会議で来年度の予算案の審議、決定も行われれるが、5月25日に地方選挙が行われたことを鑑み、来年度予算の審議については、7月に新たに会議が招集されることになった。
王立劇場マネージャーのイネス・アルグエジェス女史は決算報告に際し、ここ数年深刻な増大傾向にあった赤字額が支出の引き締めなどにより、減少方向に向かっていること、またこのリズムを保てれば2004年度内には収入と支出のバランスが取れる見込みであることを発表した。
王立劇場の年間予算額は4200万ユーロ。この金額は教育・文化・スポーツ省、マドリッド自治州からの直接補助金のほか、マドリッド市からも受けるこれよりも少額の補助金、入場券の売上、スポンサー収入によるもの。

スペイン代表チーム、ヨーロッパカップ第6グループ首位落ち

イニャキ・サエス監督率いるサッカースペイン代表チームは、昨日北アイルランドのベルファストで行われた2004年ヨーロッパカップ予選対北アイルランド戦を0-0で引き分け。勝ち点11に終わり、首位は土曜日スペインに勝ち、昨日もウクラニアに勝ったギリシャの手に1点差で渡った。北アイルランドは勝ち点2で現在第6グループ最下位、昨年10月にスペインで行われた試合ではスペインが3−0で勝っている相手。9月にウクライナ戦(ホーム)、10月にアルメニア戦(アウェイ)を残すスペインチームにとって、この夏は復活にむけた反省のための厳しい夏となりそうである。
ヨーロッパカップ予選は、50チームを10のグループに分けて行われ、各グループの首位チームは自動的に開催国ポルトガルと共に出場決定、2位の10チームは11月にアウェイとホームで1試合ずつを行い、ここから5チームが出場決定となる。


6月11日(水)

マドリッド州、左翼政府擁立の危機

昨日開かれた、マドリッド州議会会議でPPに予期せぬ勝利が転がり込んだ。州議会の議長を決めるこの会議にPSOE(社労党)の2議員が欠席したため、議長は予想されたPSOEのフランシスコ・カバコ氏ではなく、PPのコンセプシオン・ダンカウサ女史に決定した。カバコ氏は副議長就任を余儀なくされ、ラファエル・シマンカス氏のマドリッド州知事就任も危ぶまれている。
欠席した2議員はエドゥアルド・タマヨ氏、テレサ・サエス女史で、欠席理由を「マドリッド州連立政府擁立のためのIU(統一左翼)とPSOE(社労党)の合意を受け入れられないため」としているが、FSM(マドリッド社会主義連盟)代表のシマンカス氏、PSOE書記長のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏の両氏ともタマヨ氏から事前に何の連絡もなかったことを明らかにし、「両議員欠席の理由は政治的なものではなく、“別の性質”のものである」と述べた。PPは両議員の買収を否定している。両議員は党からすでに除名処分を受け、サパテロ書記長は彼らに当選証明書の返却を求めている。
タマヨ、サエス両議員の票を失ったことによりシマンカス氏は州知事就任のために必要な過半数を獲得できず、PPのエスペランサ・アギレ女史が自党の55議員の投票により知事に就任する可能性が出てきた。2ヶ月が経過しても知事が決まらない場合は、選挙が行われる。

イラクの大量破壊兵器の有無をめぐり、野党、首相に国会出頭要請

PSOE(社労党)、IU(統一左翼)と混合政党の3グループは、アスナル首相が国会に出頭し、イラク攻撃支持の根拠として首相が用いた“大量破壊兵器の存在”について明らかにするよう求めている。昨日は各政党スポークスマン会議が行われ、与党PP(国民党)スポークスマンのルイス・デ・グランデス氏はアスナル首相はイラクの大量破壊兵器について言及したことはなく、攻撃を支持したのは国連安全保障理事会の1441採択を支持してのことであると述べた。
これに対しIUのスポークスマンであるフェリペ・アルカラス氏は、「あれだけ大量破壊兵器について首相が確信を持って述べ、嘘で塗り固めた根拠に基づいて不必要な武力行使を行ったのなら、その説明を国会でする必要がある。」と述べており、国会規則に基づいて80人以上の議員による公式機密委員会の招集要請の可能性も示唆した。この委員会が招集されれば、政府はイラクの大量破壊兵器の存在について入手したあらゆる情報について報告しなければならなくなる。

行方不明の密入国者7人の遺体を発見

昨日未明、カナリアス諸島フエルテベントゥラ島沖で転覆したボートに乗っていた密入国者で行方不明となっていた9人の捜索が昨日治安家媚態のパトロール艇2艘、ヘリコプター1台、潜水隊と海上保安局のヘリコプター1台と船1艘、カナリアス州政府のヘリコプター1台を使って行われた結果、7人の遺体が見つかった。またこの7人が見つかった場所の北でもう1人の遺体が見つかっており、こちらは先週転覆したボートに乗っていてた1人だと見られている。この事故ではすでに行方不明となった12人のうち9人の遺体が発見されている。今年に入ってカナリアス諸島付近で起きた密入国者のボート転覆事故はこれで6件、49人が死亡または行方不明となっている。


6月10日(火)

3自治州でSelectividad始まる

マドリッド、バレンシア、エクストレマドゥラの3自治州で今日から全国共通大学入試試験セレクティビダが始まった。明日は、アラゴン、カンタブリア、ガリシア、ナバラ、パイス・バスコで始まり、アンダルシア、カナリアス、セウタ、メリジャ、ラ・リオハ、ムルシアでは今月16日から18日、アストゥリアス、カスティジャ・ラ・マンチャ、カタルニャでは17日から19日、カスティジャ・イ・レオンでは18日から20日の日程で試験が行われる。今年は6月の1度目の試験と9月の2度目の試験を合わせて20万人強の受験が見込まれている。6月の試験で合格しなかった生徒、さらに得点を上げたい生徒は9月にもう一度試験を受けることができるため、最終合格率は80%を超えると見られる。
試験は3日間かけて行われ、1日の試験時間は最高4.5時間。試験は2つの部門に分かれており、第一部門では共通科目の試験が行われ、文章の読み取りと分析問題、外国語の試験、文章を読んで自分の意見を書く試験で、生徒の理解力が問われ、第二部は選択科目で専門知識が問われる。カタルニャ州では今年も、テープを5分間聞いてその内容に関する質問に答える外国語の試験が行われる。
大学を決める際の成績は、この試験の結果が40%、高校の成績が60%の割合で評価されるが、セレクティビダで5以下の成績しか取れなかった場合は、自動的に不合格となる。結果が不服であった生徒は3日の期間内に異議申し立てをすることができる。
教育システムの改正に伴い、セレクティビダが行われるのは、来年が最後。今年度6月の試験を受験する生徒数が最も多いのはアンダルシア(約3万人)、カタルニャ(約2.7万人)、マドリッド(約2.6万人)で、反対に少ないのはラ・リオハ(1500人)、ナバラ(2千人)、バレアレスとムルシア(2500人)、エクストレマドゥラ(4200人)となっている。

ボートが転覆、密入国者9人が行方不明

治安警備隊の発表によると、今朝未明、カナリアス諸島フエルテベントゥラ島沖でボートが転覆、16人は無事救出されたが、9人が行方不明で海と空からの捜索が行われているという。
フエルテベントゥラ島では先週の月曜日にも密入国者のボートが転覆し、乗っていた23人のうち11人が救出されたほか、5人いまだに行方不明、昨日遺体が見つかった4人を合わせて7人が死亡している。

アルバセテ列車事故犠牲者追悼のスト

昨日の正午から30分、アルバセテ県チンチジャで6月3日に起きた列車事故の19人の犠牲者の追悼のため、スペイン全土で国鉄RENFEのストが行われ、すべての列車は最寄駅に停車、窓口係、事務員、技術者等すべての職員が30分間仕事をとりやめた。
このスト開催の時間について一部の運転手の間で勘違いがあり、アルカラ・デ・エナレス線でラッシュアワーまっただなかの午前8時からストが行われ、この路線で電車に15〜20分の遅れが出たが、それ以外はこのストによる大きな影響は出ていない。

ワニの捜索打ち切り(マドリッド)

マドリッドのガラパガールとコルメナレホの間にあるバルマジョール貯水池でワニを見たとの情報が多数寄せられたことから治安警備隊は先週の火曜日から貯水池を立ち入り禁止にして捜索を続けていたが、ワニは発見されず捜索は昨日で打ち切られた。しかし、この貯水池にウォータースポーツクラブを持っているイサベル・セグンド水道局は、長さ12キロメートルにわたるこの貯水池の捜索に十分な時間がかけられなかったとし、博物学者ルイス・ミゲル・ドミンゲス氏をリーダーとした調査班に調査の続行を依頼している。


6月9日(月)

全仏オープン男子、2年連続スペイン人が優勝

昨日行われた全仏オープン男子決勝でスペインのフアン・カルロス・フェレロ選手(23歳)がオランダのマルティン・フェルカーク選手(24歳)を6−1、6−3、6−2で破り初優勝。昨年のアルベルト・コスタ選手(準決勝でフェレロ選手に敗退)に続き、2年連続でスペイン人が優勝を飾り、フェレロ選手は7人目の全仏オープン、スペイン人優勝者となった。昨日の優勝はフェレロ選手にとっては今季3回目のトーナメント優勝で、グランドスラムのトーナメント制覇は初めて。選手は優勝を、16歳の時に亡くなった母親に捧げた。

アルバセテ列車事故の犠牲者、無言の帰宅

先週の火曜日にアルバセテ県チンチジャで起きたこの30年で最悪の結果となった列車事故の犠牲者19人のうち16人の遺体が昨日、自宅に運ばれた。DNA判定による遺体の身元確認は、治安警備隊中央研究所により土曜日の午後に終了、昨日の午後7時から遺族への遺体の引渡しが行われた。16人の遺体のうち8人がムルシア、3人がマドリッド、2人がアリカンテ、1人がアビレス(アストゥリアス州)、カディス、サラゴサに運ばれ、残りの3人のうち2人もそれぞれ今日マドリッド、シウダ・レアルに運ばれ、残り一人はアルバセテの火葬場で荼毘に付される。
アルバセテ総合病院に引き続き入院している3人の負傷者については、2人が順調に回復しているものの、残り1人は人工呼吸器をつけ集中治療室に入っており重体。ムルシア、マドリッド、バレンシアの病院に入院中の負傷者たちも順調に回復しているという。
事故の犠牲者を追悼し、鉄道の安全確保要求のため、今日の午後0時から30分間のストライキが国鉄RENFEで予定されている。このストには特にムルシア駅とマドリッドのチャマルティン駅で大規模に行われる見込み。

国王夫妻、ブルガリアとルーマニア訪問

昨夜、国王夫妻はブルガリアの首都、ソフィアに到着した。これは3月に予定されていたがイラク戦争勃発のため延期となっていたブルガリア、ルーマニアのEU加盟支援のための訪問で、国王夫妻は2日間のブルガリア滞在の後、ルーマニアに火曜日から木曜日まで滞在される。
スペインとそれほど強い通商関係を持っていない両国だが、スペイン政府は両国のEU加盟を重要視している。これは、今年の4月16日にアテネで承認された10カ国の新たな加盟により、EUの比重が中央ヨーロッパよりに傾くことを懸念しているためで、スペイン政府は地中海沿岸諸国のブルガリア、ルーマニアの加盟によってバランスを取り戻したい意向。両国とも一人あたりのGDP(国内総生産額)が1900ユーロ前後である上、EU加盟のためには政治システムにもいまだ問題が山積しているが、2007年のEU加盟を目指している。
また、今回の訪問では両国間の経済交流の発展を促進するため、ソフィアとブカレストでスペインの建設、通信、電気産業界の大手企業とブルガリア、ルーマニアの大手企業からの代表者を集めたフォーラムも開かれる。

バルセロナで7千人参加のヌード写真撮影

1995年から世界中で集団ヌード写真シリーズ“Nude adrift”を撮り続けていることで知られるアメリカの写真家スペンサー・チュニック氏(1967年ニューヨーク生まれ)の撮影が昨日の朝、バルセロナで行われ、6,997人が参加、これまで氏が持っていた参加者記録を大きく塗り替えた。
集団ヌード写真の撮影によって過去に留置所入り、裁判沙汰も経験しているチュニック氏だが、今回はバルセロナ市文化協会の協力をとりつけ、撮影は昨日の午前4時からからモンジュイック見本市会場にあるマリア・クリスティーナ通りで行われた。この撮影の様子のビデオはバルセロナで10月に見られるという。参加者は記念に写真のコピーをもらった。

週末のその他のスポーツの結果

ラリー:ギリシャで行われたアクロポリス・ラリーでスペインのカルロス・サインス選手(シトロエン・サラチーム)が2位でゴール。総合成績も2位に浮上した。優勝はエストニアのマルコ・マルティン選手。
バイク:イタリアGP、125CCクラスで2位にダニ・ペドロサ選手(ホンダ・チーム)、3位にパブロ・ニエト選手(アプリリア・チーム)が入った。また250CCの2位にフォンシ・ニエト選手(アプリリア・チーム)、モトGP3位にセテ・ジベルナウ選手(ホンダ・チーム)が入り、スペイン勢の好調が続いている。


6月6日(金)

バタスナ党、EUによりテロ組織リストに加えられる

EU加盟15ヶ国とこれから加盟する10ヶ国の内務相、法務相は昨日、満場一致でバタスナ党をテロ組織ETAの一部と見なし、すでに1ヶ月前にアメリカ合衆国が行ったようにテロ組織リストにバタスナ党の名前を加えた。EU内で一政党が違法組織とみなされるのは初めて。昨日新たにこのリストに加えられたのは、国際テロに関与があると見られる個人53人と、33団体。Kas、Ekin、Jarrai-Haika、Segi、Gestoras pro Amnistia、Batasuna(またの名をHerri Batasuna、Euskal Herritarrok)の団体がETAの一部であると見なされ、この中に含まれている。
昨日のこの25カ国での決定により、EU加盟国司法機関が持つバタスナ党に関する情報にスペイン司法機関は自動的にアクセスする権利ができ、また加盟国間で警察の共同捜査の組織も行われるようになる。現在バタスナ党所属の欧州議会議員コルド・ゴロスティアガ氏は任期終了まで務める。

アルバセテ列車事故、死者19人、行方不明3人との発表

火曜日の夜、貨物列車と正面衝突したカルタヘナ行きタルゴ特急の遺体回収作業が昨日の午後1時半終了し、タルゴ特急の乗客14人と両列車の運転席にいた5人の計19人の遺体を回収したことが発表された。国鉄は、この列車の切符を購入したものの乗車しなかった人が2人、また事故発生前、最後に停車したアルバセテ駅で下車していた人が2人いることを把握しているが、アルバレス-カスコス勧業大臣は、国鉄の情報による乗客数と照らし合わせるといまだに3人が行方不明であることを明らかにした。しかし、昨日までのところ家族が行方不明であるとの申し出はないという。
この事故による負傷者のうち3人はいまだにアルバセテ総合病院に入院中。2人は重傷だが安定した病状で、もう1人の病状は今のところ不安定。

モロッコ-スペイン首相会談

昨日、トレドにある政府所有の農場でモロッコのドリス・ジェットゥ首相とスペインのホセ・マリア・アスナル首相の会談が行われた。今回の会談についてジェットゥ首相は「過去の誤解が今日は広範囲にわたって解かれた」と両国間で続いた緊張はすでに解けたものと楽観的な見通しを示し、アスナル首相がモロッコの2010年サッカーワールドカップ開催地立候補の支持を約束したことに満足を示したほか、「両国の政治的緊張は経済関係に悪影響を及ぼしていなかった」と述べ、その例として1998年からモロッコの対スペイン輸出が60%、昨年のスペインからの対モロッコ輸出も30%成長していること、スペインの電力、タバコ会社によるモロッコへの投資などをあげた。
しかし、一方のアスナル首相は慎重な姿勢を示し、1991年にモロッコとスペインの間で締結された友好協力条約によると毎年開催されることになっているものの1998年から開かれていない、両国政府高官会議(RAN)が今回の両首相の合意通り今年の10月半ばに開かれれば、その結果を見て両国間の関係が改善されたかどうかがわかるだろうと述べている。
3時間にわたる会談で両国共通の懸念としてあがったのは、テロリズムと西サハラ問題。スペイン、モロッコ両国とも元スペイン植民地である西サハラの独立については、国連の決議は必要ないという見解で一致している。ジェットウ首相は西サハラには広範囲にわたる自治権を与えるが、それはあくまでもモロッコの領土としてであると重ねて強調した。


6月5日(木)

アルバセテの列車事故死者数、少なくとも21人

火曜日の午後9時40分、アルバセテ県にあるチンチジャ駅から3キロの地点で貨物列車と正面衝突したタルゴ特急からの遺体回収作業が昨日と今日にかけて行われ、これまでに少なくとも21人の遺体が確認されているが、炎上時には内部の温度が1800度にもなった列車内から発見される遺体は小片化しており、まだ、正確な死者の数を特定できていない。身元調査はDNA検査で行うしかなく、2,3日はかかるという。昨日は事故現場に集まった遺族、行方不明者の家族から検査のための唾液が採取された。
ここ30年間で最悪の列車事故となった今回の事故原因は、チンチジャ駅の信号係の人為的ミスとみられる。すでに単線に運転手2人を乗せた貨物列車が入っていたにもかかわらず、信号係がタルゴ特急に青信号を出したために、20人以上の命が失われた。スペインの鉄道は75%が単線で、しかも列車の緊急停車装置は自動ではなく、駅の信号係が電話回線を使って行うというチンチジャ駅の安全システムは1942年からの採用されているもので、いまだに単線区間の44%で採用されている。チンチジャ駅の信号係は、駅の信号を青にしたものの線路上の貨物列車の存在に気づき、出発を許可する笛を吹かずに旗を振ってタルゴ特急に合図したが間にあわなかったと事故後報告している。

バスク州議会内バタスナ党解散までの猶予期間5日間

昨日、最高裁判所はバスク州議会に最後通牒を突きつけた。バスク州議会が5日間以内に議会内のバタスナ党後継グループSA(愛国社会主義同盟)を解散させるか、さもなくばアトゥチャ議長以下議会執行部メンバーが裁判所命令に背いた罪に問われるか。
最高裁判所特別法廷からの判決文は昨日FAXでまずバスク州議会に送られたが、その中には「最高裁判所がSAの即時解散命令を出して15日経ってからも命令が遂行されず、その理由も明らかにされいない。この結果、最高裁判所はフアン・マリア・アトゥチャ・バスク州議会議長と議会執行部に対し、最高5日間以内でのSAの解散を要求する」と記されている上、「この要求が受け入れられない場合は、解散反対に投票したアトゥチャ議長と執行部に対し“法的措置”を取る」とされている。
SAが期限内に解散させられない場合の措置として、最高裁判所は刑法410条に基づき、裁判所命令不服従の罪で国家検察庁に提訴する予定。この罪が確定すると3〜12ヶ月の懲役、罰金が科されるほか、6ヶ月〜2年の間公職に就くことができなくなる。猶予期間の5日は、バスク州議会が書簡で裁判所命令を取ってから数え始められる。

トリジョ防衛大臣、ウクライナ機墜落について国会答弁

事故発生から1週間以上経ってようやく、トリジョ・フィゲロア防衛大臣は国会に出頭、トルコで墜落し、62人が犠牲となった航空機墜落事故の説明を行った。大臣は答弁席に立ち、チャーター機契約の際の選考で、NATOの正式物資供給機関であるNAMSAがスペインの航空会社イベリアとエアーエウロパを落としたことを明らかにした。大臣は終始ウクライナ機の整備状態は良好であったと主張し、事故機は4月に点検を受けたばかりだったと述べたほか、ウクライナ政府からの安全保証も取り付けていたことも発表、また事故機を所有しているUMエアーの社長による安全を保証する書簡の引用も行った。
4時間半続いた発言の間、大臣は自身を非難する言葉は一度も口にせず、ただ、発言の最後に調査の結果が防衛省の決定にミスありと出れば、責任は取ると述べたにすぎなかった。アスナル首相もトリジョ大臣を支持、「閣僚の交代は予定していない」と述べている。

マルガリータ・サラス女史、王立アカデミー入り

スペインの分子生物学の先駆者であるマルガリータ・サラス女史が昨日、初めて女性化学者として王立アカデミーの椅子に座ることとなった。サラス女史の席は、アストゥリアス出身の詩人ホセ・ガルシア・ニエト氏が亡くなって以来空席となっていたI席。
アカデミー入りするにあたって女史はその演説で、分子遺伝学の父であるノーベル生理医学賞受賞者マックス・デルブリュック氏の言葉「もし、その人がアーティストになる才能に恵まれていないのなら、研究者になる以外どんな道があるというのだ?」を引用し、アーティストであったガルシア・ニエト氏の後は。研究者である自分が継ぐと述べた。彼女自身もアストゥリア出身。(1938年生まれ。)演説の初めには声を震わせながら亡くなった夫に「あなたがいなければ今の私はなかった。」と感謝の意を述べ、その後50分にわたって、DAN、リボ核酸、たんぱく質など遺伝子が織り成す世界について話、聴衆を魅了した。

全仏男子準決勝でスペイン人対決

昨日の試合で、昨年優勝者のアルベルト・コスタ選手がフルセットの末スペイン人同士の対戦でトミー・ロブレド選手を下し、もう1試合ではフアン・カルロス・フェレロ選手がチリのフェルナンド・ゴンサレス選手をこちらもフルセットの末下し、準決勝でコスタ選手対フェレロ選手のスペイン人対決が行われることになった。試合は明日行われる。


6月4日(水)

アルバセテで列車事故、少なくとも5人が死亡

昨日の午後9時40分、アルバセテ県チンチジャで貨物列車とマドリッド発カルタヘナ行きタルゴ特急が正面衝突、今朝4時現在確認されているだけで5人が死亡、50人以上が負傷(うち3人は重体)しているが、87人が乗っていた10両編成のタルゴ特急先頭車両4両は黒焦げ状態で、依然として行方不明の乗客が21人いるため、犠牲者の数はさらに増える可能性がある。現在確認されている5人の犠牲者は貨物列車の運転手が2人と、タルゴ特急の運転手1人、車掌1人とエンジニア1人。
近くに高圧電線があるため、危険を伴う行方不明者の捜索と事故車輌の撤去は昨夜は見送られ、今朝から始められている。衝突のショックで貨物列車がタルゴ特急に覆い被さる形となった事故車輌を冷やすため朝から消防士たちが作業にあたっている。
事故現場は単線で、国鉄RENFEでは、事故の原因をチンチジャ駅信号係のミスではないかと見ている。アルバセテ県で今年に入ってから列車の死亡事故が起こるのはこの事故が2件目。スペイン全土での列車事故発生件数は13件にのぼる。

5月の失業者数、前月比5万人減

昨日、労働省は、5月の失業者数が1,608,262人と前月と比べて49,689人、3%減となり、これでスペインの職業安定所登録失業者は4ヶ月連続減となったことを発表した。しかし、昨年後半から数ヶ月続いた失業者増の影響で、前年同月比との比較では19,275人増となっている。これによって失業率は8.64%となったが、労働力人口内だけで見ると失業率は11.4%。
また社会保険加入者数も147,516人の増加があり、加入者数16,707,449人の新記録が樹立された。うち4.67%は外国人。前年同月比では552,732人増で、そのうちの27.63%を外国人が占めている(EU圏外者は4.39%)。
一方、ブリュッセルでも昨日はヨーロッパ統計局による4月の欧州連合加盟国の失業率が発表されている。欧州連合では調査対象を労働力人口に絞っているが、これによるとスペインの失業率は横ばいで、依然としてEU平均8.1%、ユーロ導入国平均8.8%との差が縮まっていないという。今回の結果発表では、特にスペインの労働力人口内の女性の失業率の高いことが指摘されており、男性の失業率は8.0%とEU内ではドイツ、フランス、フィンランドよりは低い数字となっているのに対し、女性は16.5%と最下位で、次に数字の高いフランス10.1%とも大きく差が開いている。

マドリッドに初めて聖火到着

6月20日から29日までアイルランドのダブリンで開かれる第六回知的発達障害者世界選手権“Special Olimpics”が開かれ、スペインの首都マドリッドは、聖火の中継地となる。アテネを出発した聖火は、今日の午後9時50分頃バラハス空港に到着予定で、聖火はプエルタ・デ・アルカラに運ばれる。明日は、プエルタ・デ・アルカラを出発した聖火隊がベラスケス、ゴヤ、コロン広場、レコレトス、グラン・ビア、モンテラ、プエルタ・デル・ソル、アレナル、イサベル2世広場、バイレン通りのルートでデボッド神殿に移され、そこで聖火歓迎セレモニーが開かれる。

モヤ選手、全仏オープン準々決勝敗退

全仏オープン開幕9日目の昨日、準々決勝の試合が行われ、スペインのカルロス・モヤ選手(1998年優勝)がオランダのマルティン・フェルカーク選手の強烈なサーブに屈して敗れる波乱があった。今日は、準決勝もう一組への出場を賭けて、オーストラリアのレイトン・ヒューイット選手、ブラジルのグスタボ・クエルテン選手という強豪を倒して勝ち上がってきた21歳のトミー・ロブレド選手対昨年の優勝者アルベルト・コスタ選手の両スペイン選手対決と、チリのフェルナンド・ゴンサレス選手対スペインのフアン・カルロス・フェレロ選手の試合が予定されており、いずれにせよスペイン選手が1人は準決勝に出場することが確実となっている。


6月3日(火)

パンプローナでのETA糾弾デモに4万人参加

金曜日にサングエサで2人の警察官を暗殺したETAを糾弾するデモ行進が昨日ナバラ州の州都パンプローナで行われ、警察の発表でおよそ4万人の参加があった。デモ行進は沈黙の中進められたが、犠牲者の娘の1人であるアナ・エンビッドさんが声明文を読み上げ、テロリズム被害者財団のCM放送を拒否したETB(バスク公共放送)を非難したとき、会場の緊張が高まった。エンビッドさんの声明文読み上げの直後、スペインとナバラの旗を持っていた何人もの人間がETBのテレビカメラの設置されている場所を取り囲み、テレビカメラを倒そうと、鉄柵などを投げつけながら、ETBの記者やカメラマンに「ETBは出て行け!」「テロリスト」などと罵声を浴びせた。ナバラ州知事がステージに上がり、彼らに襲撃をやめるように語り掛ける一方、EA(バスク連盟)のべゴニャ・エラスティ代表は自らへ襲撃の目標が移ることを恐れて、足早に会場を去った。
昨日は、バスク地方を含むその他スペイン各地市役所前でも、テロへの拒絶を示し、犠牲者の冥福を祈るための15分間の黙祷が捧げられている。

NATO、ウクライナ機墜落の責任は感じず

今日から開かれるNATO外相会議に出席のためマドリッドに昨日到着したジョージ・ロバートソン事務総長は、先週のスペイン軍兵士62人が死亡したウクライナ機墜落事故に関して北大西洋軍は何の責任も感じていないと改めて述べた。ロバートソン事務総長はすでに先週の金曜日ブリュッセルで、今回の事故に対しても、またNAMSAに関してもNATOは調査を開始する考えがないことを明らかにしており、「NAMSAは飛行機の点検を行う機関でも整備を行う機関でもない」と述べている。
NATOの職員の中には、トリジョ-フィゲロア大臣からのNATOへの非難を“お門違い”だと認める声も多く、「政治家として大きな失敗だ」と定義する職員もいる。「大臣は責任をなすりつけられる先を探しているだけで、その矛先をNATOに向けようとしている」とする職員のほか、「大臣は事故調査が終われば直ちに辞任するべきだ」と言う声もあがっている。

11人の難破した密入国者を捜索(フエルテベントゥラ島)

昨日の午前2時頃、治安警備隊に発見され、直後に海に落ちた12人の移民のうち11人の捜索が、ヘリコプター4機、船3艘と潜水夫チームを使って、カナリアス諸島にあるフエルテベントゥラ島のトゥイネへ浜エンタジャダ灯台沖1.5マイルで引き続き行われている。残り1人はすでに昨夜遺体が漁師により発見されている。
警察関係者の話では、昨日の夜治安警備隊レーダーが2艘の船をエンタジャダ灯台沖で発見、ボートで発見地点に向かったところ、このボートを見て船に乗っていた全員が立ち上がり手を振り始めたため、船が激しく揺れ始めバランスを失った彼ら全員が海に落ちたという。11人がただちに救出されたが、彼らの話では後12人が船に乗っていたといい、捜索が続けられている。救出された11人の国籍はマリ(5人)、ガンビア(3人)、モーリタニア(2人)、スリランカ(1人)。
一方、昨日明け方グラナダのモトリル近くで上陸寸前のところを逮捕されたモロッコからの密入国者66人は、モトリル警察留置場(収容人数10人)に収容しきれないためマラガ警察に移送され、強制送還待ちとなった。

マドリッド−ジェイダ間AVE、また営業開始延期

昨日勧業省は、マドリッドとジェイダ間のAVEの営業開始時期の延期を発表した。建設と路線の発展を担当しているGIF(鉄道敷設局)は、3月24日にGIF、勧業省と交わした作業計画を請負会社CobraとAnsaldoが守らなかったためだと説明している。
両社は先週の金曜日報道機関Efeに対し、すでに成功裏に工事を終了、線路の安全装置も期限内に納入したと発表していたが、昨日GIFがこれを否定。現在、契約不履行に伴う両者への制裁措置を検討しているという。

セビジャ大聖堂のコロンブスの遺骨、DNA調査へ

昨日の午後、多数の記者、教会関係者、そしてコロンブスの子孫である歴史家アヌンシアーダ・コロン・デ・カルバハルさんと弟のハイメ氏が見守る中、セビジャの大聖堂に納骨されていた航海者クリストバル・コロン(コロンブス)の骨が箱から出され、また同大聖堂に眠る息子エルナンドの遺骨も出された。この2人の遺骨は、昨年9月17日にセビジャ近くにあるカルトゥハ−ピックマン陶器工場敷地内から掘り出されたコロンブスの弟ディエゴの遺骨とともに、グラナダ大学に送られ、同大学身元調査研究所のホセ・アントニオ・ロレンテ教授をリーダーとし、歴史家マルシアル・カストロ氏、生物学者セルヒオ・アルガラダ氏、法医学者でグラナダ大教授のミゲル・ロレンテ氏の参加する調査団によりDNA鑑定が行われる。
息子エルナンドに関してはすべての歴史家がセビジャの大聖堂に埋葬されていると認めており、弟ディエゴについても90%以上の歴史家が元修道院だったカルトゥハ−ピックマン陶器工場の場所に埋葬されていると考えている。グラナダ大は3人の遺骨からはDNA鑑定のために必要なかけら数片を取り、金曜日には3人は元の場所に再び埋葬される。
コロンブスの遺体はセビジャの大聖堂にあるのが本物か、それともドミニカ共和国の大聖堂のものが本物か?鑑定には少なくとも6ヶ月はかかるという。


6月2日(月)

金曜日のテロ犠牲者、地元で埋葬

金曜日、ナバラ県サングエサで起きたETAによる車輌爆弾テロの犠牲者となった国家警察官ボニファシオ・マルティンさん(56歳)の埋葬式が昨日、出身地のサンチョレハ(アビラ県)で行われ、人口140人の村での葬儀に1000人以上が出席した。
もう1人の犠牲者で同じく国家警察官のフリアン・エンビッド・ルナさん(53歳)の埋葬式は土曜日、出身地のサビニャン(サラゴサ県)行われ、1500人以上が参列、重傷を負った国家警察官のラモン・ロドリゲス・フェルナンデスさん、テレフォニカ職員のカルロス・ガジョ・ビルチェスさんはいずれも引き続きパンプローナのナバラ病院に入院しているが、快方に向かっているという。
またナバラ州議会は、すべてのナバラ州住民に対し、今日の午後8時からのETA反対デモへの参加を呼びかけている。土曜日にはPernando Barrena(元バタスナ党)を除くバスク州議会所属すべての政党がETAのテロへの糾弾声明を出し、犠牲者の家族、同僚への弔意を表した。

スペイン防衛省、NAMSAとの飛行機チャーター契約保留

先週の月曜日、トルコで墜落した飛行機の犠牲者の合同葬儀が行われた翌日の先週木曜日、イラクからスペインに帰国した兵士たちも自分たちの乗ったイリュ−ジン76機の状態を告発している。“着陸用タイヤ16個のうち擦り切れていないのは2個だけで、2個のタイヤからは針金が飛び出していた”“乗組員から救命ジャケットがあるかどうか、非常口についての説明が全くなかった”“一部の搬送貨物が固定されていなかった”等の批判にとどまらず、一部の兵士は飛行機の状態をカメラで撮影、その写真は、軍上層部に提出されたという。
スペイン人62人が犠牲となった事故機は、スペイン防衛省がNATOの物資、設備補給正式機関であるNAMSAを通したイギリスのチャップマン・フリーボン社との契約によりチャーターされたものであったが、昨日アスナル首相とフェデリコ・トリジョ防衛大臣が会談、原因の究明が終了するまでの契約保留が決定された。

コスタ・ダ・モルテの囲い網漁解禁

ガリシア州漁業局は、石油タンカープレステージ沈没事故以降禁止されていた囲い網漁を、今日からコスタ・ダ・モルテの2つの地域−ランゴステイラ岬からラソ岬、ウンスア岬からトゥリニャン岬で解禁する。しかし、同地域でのその他の漁法による漁の禁漁令はまだ解かれていない。
今回の解禁は、今月6日から生物学者チームがこの地域に生息する120種を調べ、石油汚染による被害がなかったことから決定されてたもの。これにより沿岸深さ15〜100メートル地域で囲い網漁が再開解禁される。

ルイス・アンヘル・ロホ氏、王立アカデミー入り

1992年から2000年までスペイン銀行総裁を務め、スペイン経済へのユーロ加入準備を担った経済学者ルイス・アンヘル・ロホ氏(1934年マドリッド生まれ)が昨日、王立アカデミー入りした。ロホ氏の席は2001年アルバ公ヘスス・アギレ氏が亡くなって以来空席となっていたF席。
スペイン銀行総裁退職後は、再びマドリッドのコンプルテンセ大学で経済学の教授を務めているロホ氏は同時にプラド美術館の友協会、ティッセン財団、オルテガ・イ・ガセット財団のメンバーも務めている。

週末のスポーツの結果

テニス:全仏オープン男子、スペインのカルロス・モヤ選手はジリ・ノバック選手を破って準々決勝進出を決めた。次の対戦相手は今日はさらなる準々決勝進出をかけて前年優勝者のアルベルト・コスタ選手、トミー・ロブレド選手、フアン・カルロス・フェレロ選手とフェリックス・マンティジャ選手の試合が予定されている。一方の女子はマグイ・セルナ選手が敗退したものの、コンチータ・マルティネス選手がリンゼイ・ダベンポート選手(アメリカ)を破って準々決勝に進んでいる。
F−1:モナコ・グランプリ(第七戦)優勝はコロンビアのフアン・パブロ・モントーヤ選手(ウィリアムズチーム)。スペインのフェルナンド・アロンソ選手(ルノーチーム)は5位入賞。
自転車:ジロ2003最終日、スペインのアイトール・ゴンサレス選手(ファッサ・ボルトロチーム)が3位でゴールしたが、総合成績は19位。イタリアのジルベルト・シモーニ選手(サエコチーム)が2年振りの優勝を果たしている。スペイン人としての最高成績はアドルフォ・ガルシアイア・ケサダ選手(ケルメチーム)で18位。




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