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7月31日(木)

フランス警察、ETA爆薬供給係3人逮捕

昨日、フランス警察はフランス南部のカオールで3人の男性をテロ組織に所属する疑いで逮捕し、車両爆弾20個分を製造することができる量にあたるソジウム塩素酸塩448キロを押収した。逮捕された3人は、スペイン人のホセ・カンディド・サガラス・ゴメス容疑者、ホセ・ミゲル・イジャラメンディ・サバレタ容疑者とフランス人のクロード・ルカ−容疑者。
スペイン内務省によるとこの3人は、ETAの各部隊への爆薬、偽造書類、偽造ナンバープレートの供給係であったと見られるという。
警察の突入は昨日の午前6時に行われた。カオール南部の借家を6月初めから借りていた3人は武器を携帯していたが、警察は抵抗する隙を与えなかった。爆弾製造の原料のほかにも、警察はピストル1丁、リボルバー1丁、サブマシンガン1丁、猟銃2丁、偽造ナンバープレート作製のための道具、偽造書類、車1台も押収している。今回の作戦はパリのローレンス・ルベール判事のもと、フランス警察とスペイン治安警備隊が共同で進めてきた捜査の成果によるもので、今年に入ってフランス警察が逮捕したETAメンバーの数はこれで28人となった。
サガラス・ゴメス容疑者(28歳):ギプスコア県イツァソンド元町会議員(当時Euskal Herritarrok所属)で、スペインでは1999年ETAのドノスティ部隊に参加した容疑で逮捕され、5年の懲役を言い渡されている。警察では容疑者が1995年2月から1996年10月にかけての40件以上の公共物破損に関与していると見ている。
イジャラメンディ・サバレタ容疑者(36歳):1990年初頭にギプスコア県オニャティの自宅から逃走。以後、ラテン・アメリカの国を数年間点々とした後、199年メキシコからフランスに戻っている。
ルカ−容疑者(33歳):バイヨンヌ出身。

ドメスティック・バイオレンス被害者保護法、国会で承認

昨日の特別国会審議で、満場一致でドメスティック・バイオレンス被害者保護法が承認された。一部の内容に関しては議員間で合意に達しておらず、また加害者への刑を重くするための刑法改正もまだという状況の中、昨日の審議ではホセ・マリア・ミチャビラ法務大臣がドメスティック・バイオレンス対策を一刻も早く開始するための同意を求め、これに議員が応え、満場一致の承認となった。
新法令は政府広報が発行された翌日に施行されるが、刑法が改正されていないため、法令の内容の一部は改正が行われるまで適用されない。
夫婦、恋人間での暴力行為は近年スペイン社会の深刻な問題となっており、今年に入ってすでに43人の女性が配偶者または恋人の手により命を落としている。

スペイン軍兵士最初の143人がイラクに到着

バソラの南にあるアメリカの物資供給基地から車で9時間の旅を終え、昨日スペインから派遣された最初の兵士143人がバグダッドの南約200キロの地点にあるディワニヤに到着した。この143人は後から派遣されてくる少なくとも14カ国で構成される治安維持軍“プルス・ウルトラ”受け入れ準備のための部隊で、部隊を統率するアルフレド・カルドナ将軍は今日にもバビロニア中央兵舎に赴き、ポーランドのアンドレ・チスキエビッツ将軍と仕事の分担について話し合いを持つ予定。「アメリカ兵と共にパトロール勤務に就くのか?」という新聞記者からの問いに対して将軍は「今後数日内に仕事の分担が具体的に決まるだろう」と述べるにとどめた。


7月30日(水)

スペイン北部海岸にひき続き“チャパポテ”漂着

Adeac(環境教育協会)は昨日、フランス南西部からルーゴ、コルーニャ県境までのすべての浜辺から一時的に青旗(遊泳問題なし)を引き上げることを決定した。これは、7月の間にこの地域にある青旗の浜辺34のうち33ヶ所で昨年11月に沈没したタンカー、プレステージ号からの“チャパポテ”(石油のかたまり)が確認されたため。
昨日の時点で、石油が漂着したアストゥリアス州の海岸の数は70になった。この季節特有の北風が石油を浜に運んでくるため、昨日も192の浜辺のうち、26ヶ所に石油の漂着が認められた。数ヶ月前からアストゥリアス州では800人が漂着した石油の回収作業にあたっているが、ここ数日まとまった量の漂着があり、海水浴客が回収作業に参加する光景も見られている。

マルリ町司祭に異動命令

ビルバオ司教区が明らかにしたところによると、ビスカヤ県マルリ町の、ハイメ・ラリンガ氏に異動命令が出たという。ラリンガ氏はETAの脅迫により生命の危険にさらされているという理由で教区司祭としては初めてボディガードのついている司祭。
ラリンガ氏の新しい赴任先は9月に発表され、司教区は「あくまでも通常教会内で行われている人事異動の一部」であると強調しているが、ラリンガ氏の創設した団体“エル・サルバドール”はこの異動を“民族主義による圧力”によるものだとしている。この団体はバスク州内で働く非民族主義者の司祭が構成するグループで一貫してラリンガ氏を支えてきたが、この団体はPNV(バスク民族党)を「自分たちのイデオロギーと異なっているという理由だけで、一司祭を標的にし、社会から排除しようとし、町内の社会関係を汚染した」と激しく非難している。
ラリンガ氏がバスク内務局にボディガードの派遣を申請してから1年、ラリンガ司祭をめぐる議論は対立を増すばかりで、司祭がミサを行う日曜日には反対集会、支持集会が行われるまでになっていた。ビルバオ司教区司祭の勧めにも関わらず、ラリンガ司祭はマルリ町にとどまり自分に与えられた仕事を続ける道を選んでいたが、一部の父兄が自分の子供への公教要理指導、後には初聖体拝領を行わないよう要請し、最近になって司祭は周囲に「無力感を抱えている」ともらしていたという。司祭の最後のミサはこの日曜日に行われる。

クライファート選手、今日アメリカ再入国

所属チームFCバルセロナの一員として先週の金曜日、ボストンに到着したものの、外国人で前科のある者がアメリカに入国する際要求される特別ビザを持っていなかったため入国を拒否され、スペインに戻っていたFWのスター選手、パトリック・クライファート選手に昨日特別ビザが下り、今日にもアメリカに向かう模様。クライファート選手は、アヤックスに所属していた1996年、交通事故を起こし、この事故で1人が死亡。裁判所で有罪判決を受け、社会奉仕活動の刑に服役している。
バルサは、プレシーズンの合宿と練習試合をアメリカで行っており、クライファート選手は対ユベントス戦と対ミラン戦を欠場しているが、特別ビザを獲得したことにより、8月5日にアメリカで行われる最後の練習試合対マンチェスター戦には出場する見込み。

マドリッド市役所、中央郵便局の建物獲得へ

マドリッドの新市長アルベルト・ルイス・ガジャルドン氏は、シベレス広場にある中央郵便局に市役所を移すという願望を叶える。今日にも市役所と財務省の間で購入契約がまとまる見通しで、マドリッド市はこの代金としてマドリッド市北部にある土地と、BSCH銀行の建物であった通称“ラス・カリアティデス”として知られるアルカラ通り49番地の建物−将来的に憲法裁判所として使われる予定−を移譲し、さらに電信局移動費用として900〜2100万ユーロを支払う予定。


7月29日(火)

サエス議員、調査委員会出頭

6月10日、マドリッド州議会議長選挙を2議員が意図的に欠席、不動産がらみの汚職疑惑により創立された調査委員会の第2回目の尋問が行われ、投票欠席2議員のうちのもう1人で、元PSOE所属のマリア・テレサ・サエス議員が昨日、州議会調査委員会に出頭した。
これまでの沈黙を破って、初めて公の場で口を開いたサエス議員によると、エドゥアルド・タマヨ議員と共に議長選挙を欠席したのは、マドリッド州議会連立政権擁立に関して当時所属していたPSOE(社労党)がIU(統一左翼)と結んだ合意への拒絶を表明するためだったという。また、この欠席はPSOE内部で交わされていた両議員との取り決めをPSOEが守らなかったことにもよると見られている。
しかし、IUのスポークスマン、ルイス・スアレス氏の質問に対し、サエス議員はこのPSOEとIUの合意内容を読んだことはないことを認めており、「タマヨ氏がそう言ったため、彼を信じました。」と答えている。また、タマヨ議員が欠席の前後に土地開発業者やPP所属弁護士とコンタクトを取っていたことについて質問されると、サエス議員は「タマヨ議員とは仕事上のつきあいがあるだけで、彼の個人的な交友関係については一切関知しません。」と答えた。
4時間にわたって行われた昨日の尋問で、サエス議員は政治家の発言と言うよりも主婦のおしゃべりという印象を出席者に与え、PP(国民党)議員の間からは「なぜ、彼女が州議員となり、テレマドリッドの監視委員会の副委員長となることができたのか?」との声が聞かれるほどであった。

井戸の中で3人死亡

日曜日の午後10時ごろ、シウダ・レアル県のピエドラブエナにある一軒家の井戸で3人が死亡、1人が重体となった。この日、家の住人が庭にある深さ2メートルの井戸のポンプ修理のため電気屋を呼んだ。修理が済んだ後、この電気屋が井戸の中に何かを落とし、それを拾いに井戸に戻ったところ、井戸から上がって来なかったため、家主の妻が助けに井戸に入ったが、彼女も上がってこず、次に親類の男性が井戸に入った。
最後に井戸に入ったのは家主(41歳)で、体にロープを巻きつけて入ったお陰で唯一命を落とす前に治安警備隊から救出された。残りの3人の遺体を井戸から出す作業には4時間以上が費やされた。警察では死亡の原因を調べているが、この地域は元火山地帯であったため、地中に溜まっていた何らかの毒ガスが原因ではないかと見られている。

妻を殺し、死体を箱詰めにしていた警官逮捕

日曜日の午後、バルセロナ県プレミア・デ・ダルで、同町警察署勤務の警官フアン・アントニオ・グラナダル・ガリド容疑者(37歳)が殺人および死体損傷の容疑で逮捕された。殺されたのは妻のマリア・デル・マル・ニニャ−ナ・アベルさん(34歳)で、グラナダル容疑者は妻を殺害した後、死体をばらばらにし、数枚の袋にわかて入れた後、プラスチック製の箱にこの袋を入れコンクリート詰めにしていた。容疑者は26日土曜日の午後4時頃警察に妻の失踪届けを出し、最後に妻を見たのは23日で仕事に出かけると言っていたこと、また夫婦仲に問題はなかったが、妻が6000ユーロと夏物の洋服全てを持ち出していることを供述していた。
その後、容疑者は警察には妻を捜しにマラガに、家族にはアリカンテに行くと述べていたが、容疑者が姉の携帯電話を持っていたことを被害者の弟が怪しみ、警察に連絡。日曜の正午過ぎにこの弟の依頼で警察が家宅捜査に入ったところ、外の階段の下にセメントが詰められた箱があるのに気づき、まだ柔らかかったセメントを取り去ったところ下から遺体の入ったビニール袋が現れた。容疑者は帰宅直後に逮捕されている。
この日はサンタンデールでも、元恋人に37歳の女性が刺殺されており、今年に入って夫、恋人または元夫、元恋人により殺害された女性の数は少なくとも42人となり、昨年1年間の犠牲者数に並んだ。


7月28日(月)

ETA、再び観光地狙いテロ、負傷者なし

アリカンテとベニドルムのテロから5日しか経たない昨日の午後5時、サンタンデール空港の駐車場で25〜30キロの爆薬を積んだ車両爆弾が爆発した。爆発時刻が1時間前にガラ新聞社に予告されていたため、空港ターミナルと駐車場にいた60人ほどは避難が済んでおり怪我人は出なかったが、駐車場の車およそ50台ほどが被害を受けた。
テロに使われた車はビルバオで盗まれたもので、偽造ナンバープレートがつけられていた。この爆発により午後に出発が予定されていたフライト4便がキャンセル、7便の到着先がビルバオに変更になった。このテロによる被害の申告センターが今日にも設置され、被害の規模が見積もられる予定。
アンヘル・アセベス内務大臣はテロ発生2時間後にはマドリッドからサンタンデールに到着。新聞記者を前に「我々は必ずETAを壊滅させる」と述べた。内務大臣は、今回のテロはパイス・バスコとナバラにETAが設置しているグループが犯人であると見ている。
爆発当時、たまたま現場の近くを車で通りがかり、爆発音を聞いたカンタブリア州知事のミゲル・アンヘル・レビジャ氏はPNV(バスク民族党)とバスク州政府を批判。「誰もがわかっていることで、PNVだけが理解していないことがある。他にもっと重大な問題があるときに、なぜPNVがスペインからの分離政策を最重要視するのか私には理解できない。100年の歴史ある政党が、ETAを壊滅させる以外の問題を懸念しているということが私にはわからない。」と述べた。

カストロ国家評議会議長、アスナル首相を再び批判

革命の発端となったモンカーダ兵舎襲撃50周年を記念する式典が土曜日に行われ、フィデル・カストロ国家評議会議長の演説が1時間半にわたって行われた。今年の演説が例年と違った内容となったのは、これまでキューバの永遠の敵として扱われていたアメリカ合衆国に対する批判がほとんど行われなかったことで、その代わりに欧州連合が標的となった。
キューバ政府が75人の反体制者を逮捕、収監し、遊覧船ジャックの犯人3人を処刑したことから、EUはキューバ政府の人権侵害を批判し、先月21日に政治的対話の道は残しつつ、外交的処罰対象とすることを決定しているが、土曜日、カストロ議長は1万人の式典への招待者を前にEUの援助は必要なく、今後は人道的援助を拒否すると宣言した。また、演説の中でカストロ議長はEUとキューバの関係悪化の責任者であると指摘、アスナル首相を「ファシスト」と呼び、EU加盟国に対し「我々を批判する前に、スペインのミジメな教育レベル向上のための援助を行うべきだ。バナナ生産の国から見ても、あのレベルはヨーロッパの恥だ」と述べた。

週末のスポーツの結果

ツール・ド・フランス:記念すべき100周年大会で、アメリカのランス・アームストロング選手が、ミゲル・インドゥライン選手と並ぶ5連覇を達成。土曜日のタイムトライアルの結果、タイラー・ハミルトン選手が4位に入り、スベルディア、マジョの両スペイン選手はそれぞれ5位と6位でレースを終えた。
水泳:バルセロナで行われていた世界選手権が閉幕。スペインは金メダル1(ニーナ・ジバネフスカヤ選手−女子50メートル背泳ぎ)、銀メダル2(女子シンクロナイズドスイミングチーム−コンボ競技、ダビ・メカ選手−オープン・ウォーター25キロ)、銅メダル3(ジェマ・メングアル選手−シンクロ・ソロ競技、パオラ・ティラドス選手、メングアル選手−シンクロ・デュオ競技、ダビ・メカ選手−オープンウォーター10キロ)を獲得、メダル獲得数で13位の成績。
バイク:ドイツGP、モトGPクラスでセテ・ジベルナウ選手が優勝、250CCクラスでフォンシ・ニエト選手が2位、125CCクラスではダニ・ペドロサ選手が4位、パブロ・ニエト選手が5位でゴールしている。


7月25日(金)

スペイン、初の金メダル

バルセロナで行われている世界水泳選手権で、火曜日の100メートル背泳ぎ決勝では4位に終わったスペインのニーナ・ジワネフスカヤ選手が女子50メートル背泳ぎ決勝で優勝。世界選手権、オリンピックを通じて初の女子金メダルをスペインにもたらした。優勝タイム28.48はスペイン新記録。ジワネフスカヤ選手はモスクワ生まれの26歳。1999年にスペイン国籍を取得している。

タマヨ氏、調査委員会に出頭

6月10日にマドリッド州議会議長選挙を欠席した2議員のうちの1人、エドゥアルド・タマヨ議員は昨日、この欠席にからむ不動産汚職疑惑調査委員会の一人目の証人としての喚問を受け出頭、およそ12時間にわたり質問が行われた。
証言にあたり、タマヨ氏は一貫して自身の潔白を主張。議長選挙欠席はPSOE(社労党)とIU(統一左翼)が選挙前にすでに交わしていた統一政権擁立の合意内容への反対表明のためであったと繰り返したが、その合意がもたれたとするFSM(マドリッド左翼連合)の会議にタマヨ氏は出席しておらず、またその合意内容の文書を証拠として提出することもできていない。タマヨ氏の携帯電話に残っていたPP所属の開発業者フランシスコ・ブラボ氏、弁護士ホセ・エステバン・ベルデス氏との多数の通話記録について質問された際は、通話の内容は「職業的、法律的なものと、友情によるもの」と答えるにとどめ、また2人がPPに所属していることを知らなかったと述べている。
この日はもう1人の欠席議員テレサ・サエス議員も出頭することになっており、彼女は朝の10時から自分の番を待っていたが、午後11時になって、彼女の召喚を月曜日の午後5時に延期することが決定された。

24時間で200人の密入国者(アンダルシア)

治安警備隊と海上保安庁は水曜日の深夜から昨日にかけて、アンダルシア州で200人の密入国者を逮捕したと発表した。内訳はタリファ56人、バルバテ55人、アドラ(アルメリア県)27人、ラ・マモラとポロポス(グラナダ県)で62人。
PSOEは、カディス県海岸にSive(海峡監視システム)が設置されたことにより、密入国者がグラナダ県上陸へルートを変更していると指摘。この3年間でグラナダでの密入国者数は500%増になっているとし、「警察の手だけでは、現状のコントロールは不可能」とし、モトリル(グラナダ県)への密入国者収容センターの設置の必要性を訴えた。

リーガ、来シーズンの日程決まる

8月31日から始まるスペインのプロ・サッカーリーグの試合日程抽選会が昨日行われた。初日はレアル・マドリッド対ベティス、セビジャ対アトレティコ・マドリッドというマドリッド−セビジャ対決2試合が行われることとなり、レアル・マドリッドとセビジャががそれぞれホームで試合をする。
今年は12月がレアル・マドリッドにとっては厳しい日程で、3日にアトレティコ・マドリッドとの“ダービー”の試合が行われ、4日後の7日にバルセロナと敵地で対戦。翌週14日にはホームにデポルティボを迎える。
ベッカム選手に続く、シーズンオフ中の大物契約選手、ロナウジーニョ選手のデビュー戦はビルバオ。また、興味深い対戦として、メディカルチェックの結果、レアル・マドリッドとの契約が見送られ、その後サラゴサと契約したアルゼンチンのミリート選手が、マドリッドを相手にする10月29日のレアル・マドリッド−サラゴサ戦、昨シーズンの1位チーム対2位チームのレアル・マドリッド対レアル・ソシエダなどがある。


7月24日(木)

スペイン軍、イラクへ出発

中米4カ国と共同で、治安維持にあたるためイラクに派遣されるスペイン兵士の一部(サラゴサから60人、ポンテベドラから450人)が昨日イラクに向けて出発した。
サラゴサ基地へはマスコミ関係者だけでなく、60人の兵士の家族の入場も許可されておらず、防衛省はマスコミ向けに報告書を配布するに留めた。また、ポンテベドラ基地では出発式への家族の参加は認められたものの、マスコミ関係者の入場はここでも許可されず、その後開かれる予定であった記者会見も“マドリッドからの命により”突然中止となっている。

ルイジアナ州、ゴヤの作品修復費用負担

マドリッドのラサロ・ガルディアーノ財団は昨日、修復中のゴヤの作品『キリストの埋葬』を披露した。この作品は20世紀初頭までサラゴサにある礼拝堂にあったもので、昨日は修復費用4.9万ユーロを負担しているアメリカのルイジアナ州からフィリップ・ジョーンズ文化局長も駆けつけた。
ルイジアナ州ではルイジアナ州買い上げ200周年を記念して9月から宗教的テーマの展示会“EL CORAZON DE ESPANA”が開かれ、1772年ソブラディエル伯爵のために描かれたこの作品はここに出品される予定であったが、損傷具合がことのほか激しいため、出品は見送られることとなった。財団のマリア・ドローレス・フステル修復部長によると、作品の損傷の原因は、1970年代に著名な専門家により行われた修復作業。しかし、フステル部長は専門家の名前は明らかにしていない。
ルイジアナ州は出品されない作品の修復費用を負担しているが、ジョーンズ氏は財団と州との良好な関係に満足の意を表し、「ゴヤの作品の修復費用を負担できるのは名誉である」と述べている。この展覧会には、ラサロ・ガルディアーノ財団のほか、プラド美術館、バジャドリッド彫刻博物館も協力する。

14歳から18歳のマリワナ消費量増加

2年ごとにPND(国立麻薬計画)が行っているアンケートの2002年度調査の結果が昨日、サンタンデールでアンヘル・アセベス内務大臣により発表された。
調査は2002年11月に公立、私立の567の学校で14歳から18歳の25,770人を対象に行われたもので、この結果、アルコールは1994年から、タバコも2年前から消費量が減少の傾向をたどっているものの、マリワナの消費が増加傾向にあることがわかった。
1994年に常習的にマリワナを吸っていると答えた生徒が12.2%だったのに対し、2002年には22%に増加、2000年の調査時と比べても2.6%の増加となっている。このうちおよそ半分にあたる46.4%の生徒がマリワナを吸って記憶の喪失、食欲減退、悲壮感などの症状を経験したことがあると答えており、政府では「マリワナには害がない」とする誤った情報が若者のマリワナ消費を増やしているとし、早急に専門家チームを作って対策にあたりたいと述べた。


7月23日(水)

ETA、観光地テロを再開

昨年夏に引き続き、今年もETAの地中海リゾート地を狙ったテロが起きた。爆弾が仕掛けられたのは、アリカンテにあるホテル・バイアとベニドルムにあるホテル・ナダル。ガラ新聞社とレバンテ新聞社に予告電話があったため、警察はホテルの宿泊客と従業員を避難させることができたが、アリカンテでは予告時刻12時半の30分前、ベニドルムでは15分前に爆発があり、ホテル・バイアに隣接する語学学校で外国人生徒7人とスペイン人教師1人の計8人(うちオランダ人1人が意識不明の重体)、ベニドルムでホテル内部を捜索していた警官5人が負傷した。
受付係の証言で、ホテル・バイアには顔に包帯をした若者が現れ、二日分の宿泊料を前払いしていたことがわかっており、ホテル・ナダルも同様に月曜日、若者が二日分の宿泊料を前払いしていることから、警察では爆弾は同一犯により仕掛けられたと見ており、その他数人の証言から内務省は昨日爆弾を設置した犯人の疑いがもたれているジョン・ジョセバ・トロイティノ・シリア容疑者の写真を公開、犯人逮捕のための市民の協力を仰いでいる。両ホテルはいずれも町の中心にありビーチもすぐそば。

密入国ボート1艘に73人

治安警備隊と海上保安庁の発表によると、昨日の午前6時頃、カディス県タリファで密入国者73人の乗ったボートを発見、逮捕したという。73人全員が長さ8メートル幅2メートルのゴムボートに乗っており、この大きさのボートの通常の定員は15人。1艘のボート発見でこれほどの人間が逮捕されたのは初めて。
このボートにつけられていたエンジンは60馬力で、このサイズのボートが必要とするのは少なくとも90馬力。「大波を1度受ければ船は転覆していただろう」という条件にも関わらず、73人の男性は、良好な健康状態で命を失うことなくスペインに到着している。
昨日は午前1時半頃にマラガ県ネルハでも25人のモロッコ人密入国者が逮捕されており、24時間以内にアンダルシア州内で逮捕された密入国者の数は197人にのぼった。

バレアレス諸島、電力消費量記録、今年8度目の更新

月曜日にマジョルカ、メノルカ島で7時間にわたる停電があったばかりのバレアレス諸島で、昨日電力消費量が今年8度目の最大記録更新となった。Endesa社の100%子会社Gesa社が唯一の電力会社であるバレアレス諸島の電力供給量に限界があることからほぼ20年前からバレアレス州では本土との安定した電力供給網を設立する議論が行われているが、政治的合意の問題から事態の解決にはいたっておらず、新たな停電の可能性を前に、この議論が再び再燃している。
スペインに限らずヨーロッパ各地から観光客が押し寄せるバレアレス諸島が停電により受けるダメージは大きい。商店ではレジが使えなくなり、ホテル、レストランで冷蔵庫の中身が腐り、エレベーターが止まった。ソン・サン・ジョアン空港は、自己電力供給システムを持っているため停電は15分しか続かなかったが、観光地としてのイメージが停電により受ける間接的被害も計り知れない。5月25日で州政府がPP政権に変わったバレアレス州であるが、元知事のフランセスク・アンティチ氏(PSOE)は、現PP州政府に早急な対応を求めているほか、PSOEはロドリゴ・ラト経済相の国会召喚を要請。今年の夏の電力供給状況についての報告を要求している。

昨日の水泳世界選手権の結果

水球男子準々決勝でスペインはセルビア-モンテネグロに3-7で敗退。世界選手権3連覇を目指すスペインの夢は打ち砕かれた。また、100メートル背泳ぎ決勝でもメダルの期待されていたニーナ・ジバネブスカヤ選手が4位に終わっている。


7月22日(火)

マジョルカ島で数時間にわたり停電

昨日の午後6時頃マジョルカ島で停電が起きた。停電は、ソン・サン・ジョアン空港とメノルカ島の一部にも影響を及ぼし、バレアレス州州都のパルマ・デ・マジョルカでは2時間後に電気が復旧したが、一部地域では真夜中頃まで停電が続いた。マジョルカ島は夏場の人口が2倍に膨れ上がる上、昨日は暑い一日となり、電力使用量が急上昇していた。しかし、島の電力供給会社Gesaが停電が始まって5時間後に開いた記者会見では、原因は定かではないが電線の故障と見られると述べ、電力不足が原因ではないとの見解を示している。

アタプエルカ遺跡で150万年前の石器発見

ブルゴス県にあるアタプエルカ遺跡では毎年7月に1ヶ月間発掘調査が行われ、残りの11ヶ月は出土品の研究、解析に充てられている。今年はおよそ120人が発掘に参加、今年度の発掘終了まで1週間ほどとなった昨日、これまでの出土品の発表が行われた。
この発表によると、今年アタプエルカ遺跡では、推定125万年から150万年前にナイフ代わりに使われていたと見られる火打石を使った石器4つ、40万年前の化石化した人間の骨260、80万年前のものと見られるヨーロッパでは最も古い人類の化石2つが見つかったという。これらの化石が、これまで見つかっている化石の一部である可能性も高いため、古生物学者の間では今後の調査への期待が高まっている。

ロナウジーニョ選手、お披露目

パリ・サンジェルマンから3000万ユーロの移籍金、5年契約で移籍が決まったロナウジーニョ選手(23歳)の入団記者会見が昨日、カンプ・ノウ・スタジアムで行われた。入団記者会見はTV-3(カタルニャ語放送局)で生中継され、スタジアムにはロナウジーニョ選手の姿を一目見ようとおよそ2万人のファンが詰めかけた。選手は今日、初めての練習を新しいチームメイトと行い、一度ブラジルに戻った後、来週の金曜日から始まるバルサのアメリカ遠征に加わる。
ロナウジーニョ選手の新しい背番号は10。これは、昨シーズン、アルゼンチンのボカ・ジュニオルズからの目玉契約選手であったロマン・リケルメ選手のつけていた番号で、ロナウジーニョ選手の入団によってEU圏外選手が規定の5人を超えるため、リケルメ選手はバルサ退団となった。リケルメ選手の今後についてべヒリスタイン技術部長は、チームがEU圏外選手問題をクリアできたときに再びリケルメ選手を取り戻せる可能性を残す契約内容で移籍を考えていると述べた。リケルメ選手はジョアン・ガスパール前会長の獲得した選手だが、ファン・ハール監督、アンティッチ監督の期待に添う活躍が出来ていなかった。

レアル・マドリッド、ミリート選手の契約見送り

先日、アルゼンチンのインデペンディエンテとの間で移籍合意に達していたディフェンダー、アベジャネダ・ガビ・ミリート選手(22歳)は、レアル・マドリッドの医師団によるメディカルチェックの結果、2度の手術を受けている右膝の状態に問題ありとして、契約を見送られることになった。レアル・マドリッド関係者の話によると、4年間の契約にはリスクが大きすぎるとして、インデペンディエンテとの間で1年間のレンタル移籍の交渉を行ったが合意に達しなかったという。一方、インデペンディエンテ関係者の話によると、ミリート選手の今後の移籍先としてサラゴサとパリ・サンジェルマンが挙がっているという。


7月21日(月)

スペイン政府、イラクへスパイ派遣

スペインと中米4ヶ国で構成され、イラクの治安維持のために派遣される混成軍“プルス・ウルトラ”の派遣先であるアルカディシヤとナヤフに、スペインの諜報機関CNIからエージェントが派遣される。
この2都市はイラクの中央部南寄りにあり、人口はイラク全体の7%にあたる約150万人。住民の大半は、イラク国民の大半を占め、サダム・フセイン政権時代には抑圧を受けていたシーア派で、フェデリコ・トリジョ防衛大臣の言葉によると「比較的安全な地域」。少数派でフセイン政権下において実権を握っていたスンニ派に比べると住民の抵抗は少ないと見られているが、予断を許さない状況で、スパイ派遣は、アメリカ軍のようにイラク国民の抵抗による死傷者が出るのを防ぐのが目的。

ツール実行委員会、バスクアカデミーとバスク語使用で合意

ツール・ド・フランス、今週の水曜日のステージはフランスバスクのパウとバイヨンヌ間で行われるが、このステージで第2公用語としてバスク語が使用されることが決まった。実行委員会は2週間前にバタスナ党メンバーの代表者を持つ文化協会と同様の取り決めを締結し、これがスペイン政府の強い反発を引き起こした結果、この取り決めを破棄していた。しかし、今回の合意はバスク語アカデミーとバイヨンヌ市役所が実行委員会と締結したもので、この合意により、水曜日の競技ではゴールに設けられたスピーカーからフランス語のほか、バスク語でもレ−スの解説が流される。

週末のスポーツの結果:

ツール・ド・フランス:土曜日の第13ステージでスペインのカルロス・サストレ選手(CSCチーム)がステージ優勝。3位にもアイマール・スベルディア選手(エウスカルテルチーム)が入った。
昨日の第14ステージでは、7位にトップから41秒遅れでイバン・マジョ選手が入ったほか、スベルディア選手も1分24秒遅れの9位でゴール。現在総合成績では、スベルディア選手がトップのランス・アームストロング選手(USポスタルチーム)から4分16秒遅れの4位、マジョ選手が4分37秒遅れの5位につけている。
水泳世界選手権:オープンウォーター25キロでダビ・メカ選手が銀メダル獲得。シンクロナイズドスイミング、ジェマ・メングアル選手とパオラ・ティラドス選手のデュオ競技で銅メダルを獲得したものの、団体競技では4位で惜しくもメダルを逃した。水球では、男子が予選全勝でベスト16入り、女子はベスト16入り後ドイツに9−6で勝って準々決勝入り、今日カナダと対戦する。
F−1:イギリスGP、スペインのフェルナンド・アロンソ選手(ルノーチーム)は電気系統の故障により52週目でリタイア。優勝したのはブラジルのルーベンス・バリチェッロ選手(フェラーリチーム)。
テニス:フェデレーションカップ女子準々決勝が行われ、スペインはフランスに1−4で敗退。準決勝はフランス対ロシア、ベルギー対アメリカの組み合わせで行われる。またシュツットガルト・オープン決勝ではスペインのトミー・ロブレド選手が2−6、2−6、1−6でアルゼンチンのギジェルモ・コリア選手に敗れている。


7月18日(金)

アルゼンチン大統領、スペイン訪問

昨日、アルゼンチンのネストル・キルチネル大統領はマドリッドにあるCEOE(スペイン経営者連合会)本部でスペインの大企業関係者との朝食会に出席した。最初に口を開いたキルチネル大統領は、企業関係者の期待を大きく裏切って、スペインの企業がアルゼンチンの汚職に関わってきたと非難。「スペイン企業は、アルゼンチン政府のことではなく、アルゼンチン社会のことを考えて行動するべきだった。結果として、アルゼンチンに今の混乱がもたらされた。」と大統領が述べたのに対し、出席者の1人、BSCHのラテンアメリカ部長フランシスコ・ルソン氏は「スペインの銀行がアルゼンチンへの投資を始めたのは1999年であり、アルゼンチンの経済危機の主要原因を引き起こすほどの時間はなかった」と反論。この朝食会には政府通商関係者の他BBVA(銀行)、テレフォニカ(電話会社)、レプソルYPF(石油会社)、エンデサ(電力会社)、OHL(建設会社)などの大企業からも社長、重役の出席があったが、「将来の見通しも、何の具体的な約束も得ることができなかった。」と、出席者たちは朝食会のネガティブな結果に失望の表情を隠し切れなかった。
キルチネル大統領はその後アスナル首相と会談、首相は「スペインが餓えに苦しんでいたときにアルゼンチンは我々を救ってくれた。」とアルゼンチンの復興への全面的支援を約束、キルチネル大統領はこの言葉に感謝の意を表した。

一人暮らし老女狙い専門の女強盗逮捕

火曜日の朝、逮捕された女が、証言と現場に残されたタバコの吸殻、指紋により、4月からマドリッド市内で一人暮らしの老女ばかりを狙って家に押し入っていた強盗であることが確認された。警察が昨日発表したところによると、エンカルナシオン・ヒメネス・モレノ容疑者(38歳)がこれまでに強盗を働いたのは20件。手口はいつも同じで、古いアパートを探し、夫や息子が仕事に出ている可能性が高い午前中に、古着や宝石の訪問販売を装ってインターホンを1軒ずつ鳴らし、ドアを開けた住人が老女であった場合は、1人でいるかどうかを尋ね、一人だと答えれば老女を突き飛ばして家の中に入るというものであった。
容疑者の手口は乱暴で、被害者は殴られたり突き飛ばされたりした後、手をしばられ、ナイフで脅された後、猿ぐつわをかまされた。猿ぐつわによる窒息で2人の女性が亡くなっている。強盗を重ねるにつれ経験をつんだ容疑者は徐々に犯行のペースを上げ、7月8日には1日で3件もの強盗をはたらいている。

シンクロソロで銅メダル

昨日行われた水泳世界選手権シンクロナイズドスイミング・ソロ決勝で、スペインのジェマ・メングアル選手が銅メダルを獲得した。抜群の演技で1位に輝いたのはフランスのビルジニー・ドデュ選手。演技に『サロメ』を選んだメングアル選手は豊かな表現力で観客の心を揺さぶった。2位のアナスタシア・エルマコバ選手とのわずか0.083ポイントの差は技術点によるもの。今日メングアル選手は、もう1つのメダル獲得をかけてパオラ・ティラドス選手とのデュオ決勝に臨む。

ツール・ド・フランス、今年2人目のスペイン人ステージ優勝

フランスで行われている自転車レース、ツール・ド・フランス第11ステージの昨日はナルボンヌ−トゥールーズ間で行われ、iBanesto.comチームのフアン・アントニオ・フレチャ選手が優勝、イバネストチームとしては2000年以来のステージ優勝、今年のツール・ド・フランスでは日曜日のイバン・マジョ選手に続く2人目のステージ優勝となった。集団から逃げ切り単独でゴールする際、フレチャ選手は自身の苗字(フレチャ−矢)にちなんで弓を引くジェスチャー。アルゼンチンに生まれ、3歳で父親を事故で亡くし、スペイン人と再婚した母親と11歳のときにスペインに来たフレチャ選手の名がツールの歴史に刻まれることとなった。昨日は、もう1人のスペイン人イシドロ・ナサル選手(ONCEチーム)も3位でゴールしている。


7月17日(木)

スペイン、シンクロで銀メダル

バルセロナで行われている水泳世界選手権第4日、シンクロナイズドスイミング新種目のフリールーティン・コンビネーションでスペインがアメリカと並んで銀メダルを獲得した。優勝は日本。
スペインが世界選手権女子水泳団体競技でメダルを獲得するのは初めて。この新種目の“コンビネーョン”は、ソロ、デュオ、団体競技を1つにまとめ5分間で演技を行う。スペインチームは水着にサグラダ・ファミリア教会、髪かざりにグエル公園のモチーフ、使用した曲もフレディ・マーキュリー作曲の『バルセロナ』を使用、1992年のバルセロナ・オリンピックをノスタルジックに思い起こさせる演出だった。
昨日はこのほか、男子オープンウォーター10キロでダビ・メカ選手が3位。期待通りメダルを獲得している。

スペインとブラジル、関係強化の同盟締結へ

スペインを訪問中のルラ・ブラジル大統領は昨日、アスナル首相の提案を受け入れた。この提案とは両国間で2年ごとに計画を立てて、政治、経済、社会的相互協力を進めるための同盟の締結で、これにより、スペインとブラジルの協力関係は、スペインがすでに確立しているメキシコ、アルゼンチンとのレベルに達することになる。昨日行われた共同記者会見でアスナル首相は、同盟調印のため10月末頃ブラジルを訪問すると述べている。
ブラジル大統領はスペインとの関係強化により、スペインがメルコスール(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ加盟の関税同盟)とEU間取引促進の橋渡しとなることを期待。ブラジルがスペインの投資対象として信頼のおける国であることを強調した。この数年間のブラジルへのスペインの投資額は250億ドルを超える。

スペインの二酸化炭素排出量、京都議定書目標の2.5倍

CCOOとワールドウォッチが環境省に先んじて行った公式データを元にした報告によると、二酸化炭素とその他の5種類の温室効果をもたらすガスのスペインにおける2002年の排出量は前年比4.5%増、都議定書で基準年と定められている1990年と比べると38%増であった。昨年EUはこれらのガスの排出量を90年比15%増までにとどめると約束しているが、スペインの排出量の増加がこのペースで続けば、削減計画実行期間に定められている2008年から2012年には排出量は60%増になっていることになる。アメリカが90年比16%、ドイツが19%増に抑えている中、スペインはヨーロッパの中で最も温室効果をもたらす気体の排出量が増加した国であるという。議定書はロシアが批准し次第発効される。
わずかながらも減少傾向を見せた2001年と比べて2002年、大幅に二酸化炭素の排出量が増大した原因について、ワールドウォッチでは、昨年は降水量が少なく水力エネルギーの代わりに石炭の使用料が増大したためであると見ているが、排出量が増加傾向にあるのは第一次エネルギーの使用料の増加と効率的なエネルギー使用システムの欠如にあるとの指摘もされている。設定基準が守れない場合は二酸化炭素排出許容量をEU内で購入することになり、この価格は15億から40億ユーロにのぼると見込まれているほか、EUからの罰金も課されることになるため、環境省に対し、早急に有効な対策をとることが求められている。


7月16日(水)

ブラジル大統領、スペイン訪問

ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ・ブラジル大統領は昨日からスペインを公式訪問中。昨日はウニオン・フェノサ(電力会社)、テレフォニカ(通信会社)、サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行、BBVA銀行、イベリア航空といった大会社の役員クラスがCEOE(スペイン経営者連合会)主宰のフォーラムに出席、また国王主宰でサルスエラ宮で開かれた公式歓迎晩餐会にもブラジルに大規模投資しているほとんどの会社社長が出席、大統領が宿泊しているエル・パルド宮では、UGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)の書記長2人とPSOE(社労党)のサパテロ書記長の訪問もあり、初めての左翼政権大統領として経済、社会改革を進めるルラ大統領へのスペインの期待の高さをうかがわせた。

テロ準備のETA一部隊壊滅

内務省の発表によると、火曜日午前3時過ぎ、パンプローナに隣接する人口6500人の村ベリオサルでイバイ・アヒナガ(22歳)とジョセバ・セグロラ(24歳)の2人が逮捕されたという。2人はETAのナファロア部隊の中心メンバーと見られており、2人の逮捕と同時に、警察は武器と爆薬150キロを押収している。
警察関係者の話によると、数ヶ月前からナファロア部隊の捜査が行われており、先週の土曜日にアジトと見られるアパートが発見されてから警察は張り込みを開始、火曜未明の突入となったという。武器と爆薬のほかにも偽造書類や爆弾製造のための材料なども見つかっており、アンヘル・アセベス内務大臣は記者会見でテロを未然に防いだことを強調、「この1年半に起きたETAによる暗殺の大部分はナバラで発生しており、今回の逮捕はナバラで活動するグループを壊滅、ETAに大打撃を与えた」と満足の意を隠し切れなかった。この1年間半にナバラでは7件のテロがあり、これにより3人が死亡(全員警官)、12人が負傷している。

マドリッド州議会内調査委員会大モメ

マドリッド州議会議長選挙を意図的に欠席した2議員の裏に不動産をめぐる汚職ありとして、マドリッド州議会内に設けられた調査委員会が早くも暗礁に乗り上げた。昨日から調査過程についての話し合いが始められ、委員会に出頭すべき人間のリストとスケジュール調整が行われていたが、PSOEがPPの幹部12人の出頭を提案したのに対し、PPがうち10人の出頭を拒否、また委員会から税務署への書類閲覧要請も拒否したため、これに対し午後になってPSOE(社労党)とIU(統一左翼)がこの調査プランに反対票を投じた。欠席2議員のうちの1人で現在はグルポ・ミスト代表となっているエドゥアルド・タマヨ氏も反対に投票したため、結果19対18でプランは却下された。左翼政党は調査委員会特別会議を招集し、新たな調査プランを提案する意向だが、これをPPが受け入れなければ調査を行うことは不可能となる。

イラク人道支援派遣のスペイン軍帰還

4ヶ月間のイラクでの人道支援活動を終え、昨日、ガリシア、レイナ・ソフィア両艦で750人のスペイン軍兵士が帰還、2000人の家族がカディス県ロタ基地で出迎えた。歓迎セレモニーにはトリジョ-フィゲロア防衛大臣も出席したが、先週の木曜日に予定されていたものの2度にわたって予定が変更延期となった家族の到着に抗議する口笛とヤジが飛んだ。到着が遅れた理由について何人もの軍人とその家族が、「大臣が出席する予定になっていたもう1つの行事と重なるように調整した結果」だと述べているが、大臣はこれに関しては今のところ声明を出していない。


7月15日(火)

ベロキ選手、無念のリタイア

ツール・ド・フランス5連覇を狙うランス・アームストロング選手(USポスタルチーム)の最大のライバルで、昨年の総合成績2位のジョセバ・ベロキ選手(オンセ・エロスキーチーム)が昨日の弟9ステージ、ゴール4キロ手前で落車、腰骨、ひじ、手首を骨折する大怪我を負い、リタイアした。ベロキ選手はアームストロング選手と共に集団から抜け出したビノクロフ選手(テレコム・チーム)を追いかけていたが、下り坂でバランスを崩し、ブレーキをかけた瞬間、後部車輪がアスファルト上ですべり、ベロキ選手の体は空中に投げ出され、そしてアスファルトにたたきつけられた。ベロキ選手のすぐ後ろを走っていたアームストロング選手はとっさの機転で、転倒し痛みに絶叫するベロキ選手をかわし、道路わきの野原に入り、これを横切って再びコースに戻った。のち、アームストロング選手の措置は開催委員会から正当であると見なされている。
アームストロング選手は「自分の最大のライバルがこのような形でレースから姿を消すのは残念だ」とコメント。この日は、ビノクロフ選手が1位でゴール、前日の第8ステージ1位だったイバン・マジョ選手(エウスカルテル・チーム)が3位でゴールしており、アームストロング選手は4位だった。
弟9ステージ終了時点でアームストロング選手の総合成績は1位は変わらず。ビノクロフ選手が2位、イバン・マジョ選手が3位となっている。

ヤコレフ機事故、乗組員の休息不足が事故原因?

5月26日にトルコのトラブゾンで飛行機が墜落し、乗っていたスペイン人兵士62名全員が死亡した事故で、乗組員が少なくとも28時間は休息をとらずに業務についていたことが判明した。スペインの規則では最高でも連続18.5時間の勤務までしか認められていない。事故原因調査委員会の委員長ウミット・センデック氏によると、飛行機の機能や空港の機能に問題は見られず、また気象条件も悪くはなかったという。
唯一記録が残っていたフライトレコーダーの記録によると、事故機はウクライナのカルキフ空港を5月25日の真夜中に出発してから、墜落する26日の午前4時15分までの28時間に、トレホン、サラゴサ、イスタンブール、アシュガバード(トルクメニスタン)、カブール(アフガニスタン)、ビシュケク(キルギスタン)の6ヶ所を経由、これは直線距離にして1.3万キロメートルに上るが、上空飛行許可の問題などから実際の飛行距離はさらに長い。
事故機では乗組員を2チーム搭乗させ交代で勤務にあたらせていたが、スペインのすべての航空会社の遵守が義務づけられている規定では飛行機内の寝棚、またはイスでの仮眠は搭乗時間に含まれるとされており、乗組員の疲労が事故原因である可能性が高くなっている。

サン・フェルミン祭り終わる

8回のエンシエロ(牛の囲い込み)が行われた2003年のサン・フェルミン祭りで、牛の角により負傷した人は11人、その他46人が入院治療を受けている。角でケガをした11人のうち4人がアメリカ人、3人がパンプローナ出身者、その他イギリス、オーストラリア、マドリッド、バレンシア出身者が1人ずつという結果となっている。
しかしながら、最も重傷を負った人の怪我は牛の角によるものではなかった。この人は、8日、転倒により頭部外傷を負い、昏睡状態となって現在もナバラ病院の集中治療室に入院中の62歳のパンプローナ出身男性で、14歳のときからサン・フェルミン祭りの期間中は毎朝エンシエロに参加していたという。この次に重傷を負っているのは10日に牛の角に突かれたアメリカ人男性で、わき腹を骨折したものの容態は安定しているという。3番目に重傷なのもアメリカ人。エンシエロによる負傷者を治療しているナバラ病院とビルヘン・デル・カミノ病院の発表によると、入院中の57人はいずれも安定した容態だという。
これらの57人のほかに、祭りの期間中、およそ400人が赤十字のテントで切り傷、脱臼などで治療を受けている。


7月14日(月)

マジョ選手、アルプ・デュエーズ制覇(ツール・ド・フランス)

エウスカルテル・チーム所属、25歳のスペイン人、イバン・マジョ選手がツール・ド・フランス第8ステージの昨日、伝説の山岳コース、アルプ・デュエーズを制覇した。
昨日のコースは最後の14キロが21のカーブのジグザグ道が傾斜平均8度の上り坂で続く難コース。ゴールまで14キロの地点の下り坂でまず、アスタルロサ(A2Rチーム)、ルース(ラブランジェール・チーム)両選手が抜け出したが、上り坂が始まる残り13キロでベルトラン、ルビエラのUSポスタルの両選手が猛チャージ。これでこのペースについていけない選手が次々にふるいにかけられ、結局11キロの地点では先頭の2選手の後に、今年ツール・ド・フランス5連覇をめざすランス・アームストロング選手(USポスタル)を含む6選手からなる第2集団が形成され、その後残り10キロ地点で、昨年のツール総合成績2位のジョセバ・ベロキ選手(オンセ・エロスキー・チーム)が集団から抜け出し、先頭のアスタルロサ、ルース両選手に追いつき、追い越した。
しかしベロキ選手の単独首位は長く続かなかった。アームストロング選手の集団がすぐにベロき選手に追いつき、残り8キロの地点でイバン・マジョ選手が集団を抜け出す。残り5キロの地点でビノクロフ選手(テレコム・チーム)がマジョ選手に追いつこうと集団を抜け出すが、マジョ選手のペースは落ちず、結局2位と1分45秒という大差をつけてマジョ選手がスペイン人としては1987年のフェデリコ・エチェべ選手以来2人目のアルプ・デュエーズ制覇を達成した。
ベロキ選手は5回にわたってアームストロング選手の集団から抜け出そうとしたが、アームストロング選手はライバルから離れず、3位でゴール。ベロキ選手は同タイム6位でゴールした。
第8ステージ終了時点で今回のツールで初めてアームストロング選手がマイヨ・ジョーヌ(総合成績1位の選手が着る黄色いシャツ)を獲得、ベロキ選手は40秒差で総合成績2位、3位にマジョ選手が1分10秒差でつけている。

パンプロ-ナのホテルに仕掛けられたETAの爆弾、解除

昨日、警察は、土曜日にパンプロ-ナのホテルに仕掛けられた4キロの爆薬を詰めた爆弾を解除した。爆弾は女性用トイレのゴミ箱に仕掛けられていたが、土曜日にホテルの受付に「ETAの名において電話している。革命税を支払わなかったため、30分後に爆弾を爆破させる。避難を始めるように。」との予告電話があり、警察がホテル内を捜索、しかし爆弾は見つからず、避難命令は解除された。
ところが、昨日の午後12時25分、再び電話があり、爆弾が女性用トイレのゴミ箱に仕掛けられていると述べた。警察がホテルに急行したが、すでにトイレは清掃された後で、爆弾はホテルの地下で発見。清掃係の女性は「普段よりゴミ箱が重いとは思った」と述べ、黒っぽいプラスティックのものを見たことも証言、これが爆弾で、午後5時15分、警察により起爆装置は解除された。
爆弾が仕掛けられたホテルマイソンナーべは、パンプロ-ナ旧市街の中心にある3ツ星ホテル。1998年から1999年にかけては、同じ通りに事務所を構えていたEHが記者会見を行うのによく利用していた。

ブルゴスのイマーム、モロッコで死刑宣告

先週の金曜日、カサブランカの刑事裁判所が死刑判決を下した10人のイスラム主義者の中に、ブルゴスのモスクのイマーム、ブシャイブ・マグデール氏(35歳)が含まれていることがわかった。
マグデール師は昨年12月29日、夫人のアリカンテ出身、エバ・マリア・モンフォールさん(30歳)、2人の子供と共に年末の休暇を利用してモロッコへ里帰り。タンジェに到着した途端、逮捕され、数日間行方がわからなくなった。妻モンフォールさんは賄賂を使って、夫がカサブランカのマアリブ警察署にいることを突き止め、夫の側にいるため、カサブランカに移住した。ブルゴスでイスラム教徒用肉屋を営んでいたモンフォールさんは、結婚前の経験を生かしてカサブランカで工業デザインの仕事も見つけた。
金曜日に判決を受けたイスラム主義者は31人で、マグデール師を含むうち10人が死刑宣告、21人が10年から終身刑の宣告を受けているが、この中に5月のテロにかかわった人間はいない。モンフォールさんの現在の頼みの綱は、弁護士による上告。1993年からモロッコでは死刑宣告はあっても執行は行われていないことにも希望をつないでいるが、テロからほぼ2週間後の5月29日にモハメッド6世は刑の引き締めを宣言しており、死刑執行が再開されることが懸念されている。
スペインの合法的居住者であるマグデール師のほか、もう1人のイスラム主義者でスペイン国籍を持つ、アブデラジズ・ヒチュ氏が盗難車売買に関わり、それにより得た資金をカサブランカでのテロに関わったグループへの資金援助に使っていた罪で近く、モロッコで裁かれる予定。

週末のスポーツの結果

バイク:イギリス・グランプリ、125CCクラスで16歳のエクトル・バルベラ選手が初優勝を飾ったほか、250CCクラスでフォンシ・ニエト選手が優勝、モトGPクラスでもセテ・ジベルナウ選手が2位と健闘した。


7月11日(金)

エンシエロ4日目、怪我人12人

昨日の記録は4分半。しかし、これは闘牛場前に着いた牛の群れは囲い場に入るのに手間取ったための記録で、闘牛場までは群れは猛烈なスピードで走り抜け、3人が牛の角により負傷、合計12人が病院で手当を受けた。牛の群れがブレーキをかけることなく通りを駆け抜けたため、うち1頭は角を曲がりきれず防護壁に激突。角が木製の壁に突き刺さり、この牛は午後の闘牛に使用できなくなった。
12人の負傷者のうち3人はパンプロ-ナの住民。1人は重傷。残りの9人に、参加資格のない14歳のアメリカ人の少年が含まれている。エンシエロでは数少ない規定の1つとして参加者の年齢が18歳以上であることが定められている。

マドリッド州議会内に調査委員会設置

昨日、マドリッド州議会は議長選挙を意図的に欠席した2議員の調査委員会の始動が承認された。諸政党の州議会議員16人(PP8人、PSOE6人、IU2人)で構成されるこの委員会から出頭命令を受けた人物はすべて命令に従わなければならないことが刑法に定められている。委員会構成メンバー発表は来週火曜日、最初の証人召喚は金曜日の予定。
また、ラファエル・シマンカス・州議会社労党スポークスマンは税務署にエドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員と2議員の投票欠席を手伝った土地開発業者フランシスコ・バスケス、フランシスコ・ブラボ両氏の税金申告書類の閲覧を要求する意向。このほかにもナバルカルネロ検事局で調査中の宅地開発をめぐる汚職問題に関与していると見られるセビジャ・ラ・ヌエバとビジャビシオサ・デ・オドンの地主、政治家の税金申告書類も要求する考えであると述べている。

猛暑の7月(マドリッド)

今月1日から1日1度ずつ、日中の最高気温が毎日上昇している。気象庁の公式記録では日陰で測定された昨日の最高気温は38度。しかし午後、マドリッド市内では日なたの温度計が47度を示した。マドリッド市民の間では “Que calor!”(なんて暑いの!)が合言葉のようになっているが、7月のこの暑さは特筆すべきものでないと気象予報士は述べている。事実、水曜日にレティろ気象観測所で測定された最高気温は36度で、これまでの記録39.6度には及んでいない。
気温が一日のうちで最も高くなるのは午後6時頃。国立気象協会ではこの暑さは少なくとも日曜日まで続くと見ているが、月曜日からは多少気温が下がり、我々も一息つけるという。

同時消化器移植の患者、死亡

2月にスペインで初めて5つの消化器(胃、十二指腸、小腸、脾臓、肝臓)の同時移植を受けた16歳の女性患者が一昨日死亡した。この患者は、消化器の筋肉が蠕動運動を行わず、口から摂取した食べ物が結腸まで送り込まれない難病を患っており、マドリッドのラ・パス病院で移植手術を受け、その後引き続き入院していたが、肺感染症のため亡くなった。


7月10日(木)

アスナル首相、2005年までPP党首

党組織コーディネーターに就任したばかりのアナ・マト女史が昨日発表したところによると、現在PP(国民党)の党首を務めているアスナル首相が首相後継者を決め、総選挙(来年3月の予定)が終了した後も、次の党大会が開かれる2005年1月まではPPの党首を務めるという。
最後にPPの党大会が開かれたのは2002年1月26日で、この時アスナル首相は党首を務めるのはこれが最後であると宣言した。しかし昨日マトコーディネーターが「党首の任期は3年と決まっており、PP執行部は日程を前倒しした党大会の開催は予定していない」と発表したことから、総選挙後もアスナル首相が党首の座にいることになり、PP党内に首相と党首という2人のリーダーが誕生する可能性が懸念されている。昨日アスナル首相は滞在先のエル・サルバドルで「党が2人のリーダーを持つ状態にはならない」と述べているが、具体的にどのような措置をとるのかは明らかにしなかった。

2人のETAテロ実行犯に懲役1500年以上

全国管区裁判所は昨日、ETAの実行部隊元隊長サンティアゴ・アロスピデ・サラソラ“サンティ・ポトロス”被告とマドリッド部隊メンバーのイドイア・ロペス・リアニョ“ティグレサ”被告に対しそれぞれ懲役1920年と1572年の判決を言い渡した。これは1986年7月14日にマドリッドのレプブリカ・ドミニカ−ナ広場に駐車した爆弾を仕掛けたバンを駐車し、治安警備隊のバス1台、ミニバス1台、4輪駆動車1台に分乗した73人の治安警備隊がバンの横を通過したときにリモコンで爆弾を起爆させ、12人を殺害、78人を負傷させた(被害者の43人が治安警備隊員)テロに関し、前者を立案者、後者を実行犯とみなしたもの。両者に課された賠償金総額は180万ユーロに上る。

タマヨ議員、新政党立ち上げ

先月10日の州議長選挙を欠席し、州議会解散、再選挙告知の原因となった元PSOEのエドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員は、昨日の午前中、新しい政党立ち上げを発表。
“Nuevo Socialismo(新社会主義)”と名づけられたこの新しい政党の書記長タマヨ氏は、新政党創立の理由を「社会の要求に応えるため」と説明、自身の貯えで当面は政党を運営すると述べたタマヨ氏の新政党発表会場にはおよそ35人の党員が出席。
タマヨ書記長によると、FSM(マドリッド社会主義連盟)の穏健派の流れを汲むこの政党に対し、すでに少なくとも5人の州議会議員が参加の意思表示をしているというが、5人の名前を公表することは避けた。

スペインの4分の3の領土内で6月の暑さ記録破り

国立気象協会(INM)は昨日、「スペインのほぼ全域で記録的な暑さの6月」であったことを確認。イベリア半島北西部とカナリアス諸島を除く、スペイン領土の4分の3の地域で平均気温が記録を塗り替えたと発表した。
これまでの記録との差も大きく、カタルニャ州では平均2.9度(ジローナでは3.5度)、エブロ川流域とバレアレス諸島で平均2.1度(パンプロ−ナで3.5度、マオンで2.6度)、ドゥエロ川流域、タホ川流域、レバンテ地方でも80%以上の観測所で6月の平均記録が過去最高を記録しているが、北部(平均1度)、南東部(平均0.8度)、南部(平均0.5度)、グアダルキビール川流域(0.3度)では過去の記録と大差ない6月だった。


7月9日(水)

首相、エル・サルバドルを訪問

アスナル首相は昨日午前11時半(スペイン現地時間19時半)頃、エル・サルバドルに到着。首相は、内戦後復興への支援だけでなく、2001年の地震とハリケーン“ミッチ”の救済支援も含め、常にスペインはエル・サルバドルへの強い連帯感を示してきたことを強調、スペインからの支援により立てられた体育館の除幕式に出席した首相は、人口650万人のエル・サルバドルが今後もスペインにとって優先的援助国となるだろうと約束した。昨年スペインがエル・サルバドルへ行った資金援助は6000万ユーロに上る。
来年で任期の終了するフランシスコ・フローレス大統領はアメリカで教育を受けたリベラル右翼タカ派の若手政治家で、アスナル首相同様、イラク攻撃の際にはアメリカを全面的に支持していた。一人あたりの収入が500ドルに満たないエル・サルバドルだが、400人の兵士をイラクに派遣、スペインと共同で治安維持の任務に就くことになっている。

マドリッドで明日から医療関係者スト

マドリッド州内にある24の病院と350の保健施設で働くおよそ8万人が明日とあさってにかけてストライキを予定している。医療関係者の各労働組合は、今年の終わりまでに週35時間勤務の新しい体制を採用すること、保健施設で新しい従業員の雇用を行うことを要求しており、このストによりおよそ1200件の手術と10万件以上の診察、検査が延期されると見積もられている。
スト予告に際し、州政府は最低限の医療サービスの実施を要求。これには準備に数日を要する手術、ガン治療、臓器移植、救急診療が含まれている。しかし、今回の要求についてはすでに厚生省が実行に向けて準備を進めていると見なす労働組合Imsaludがストに参加しないため、SATSE(看護士組合)、CESM(医師組合)、SAE(病院技師組合)、CSI-CSIF(公務員組合)は「Imsaludもストに参加していれば、我々は最低限の医療サービスを提供しただろうが、そうでないためスト期間中の医療サービスはImsaludの責任において行えばよい」と述べている。

ミリート選手、レアル・マドリッドに移籍

アルゼンチンのインデペンディエンテ所属、ガブリエル・ミリート選手のレアル・マドリッドへの移籍が成立したと昨日ホルヘ・バルダーノGMが発表。レアル・マドリッドがインデペンディエンテに支払う移籍金は350万ユーロ。イタリア系の血を引くため外国人枠が適用されないミリート選手のスペイン入りは今月17日の予定。健康診断の後、正式入団となる。ミリート選手の加入により、イエロ選手の穴が埋められることが期待されている。


7月8日(火)

ツール・ド・フランス協会、バスク語使用協定をキャンセル

ツール・ド・フランス開催協会のジャン・マリー・ルブラン会長は昨日書面で、フランスに事務所を置く文化協会Euskal Herrian Euskaraz(EHE)とバタスナ党の2団体との協定を取り消すことを決定したと発表した。この協定とは、今年度のツール・ド・フランスのパウ−バイヨンヌ、第16ステージ(7月23日)で、バスク語による解説をゴールに設置したスピーカーで行うというものであったが、スペイン政府から協定を取り消すよう強い圧力がかかっていた。
これまでツール・ド・フランスは、1996年にエンダヤ、1992年にサン・セバスティアンのゴールで同様にバスク語による解説を行っていたが、今回は開催協会がEUのテロ組織リストに載っている組織と協定を結んだことが問題視されており、スペイン政府は「バスク語はすでにスペインで公式言語として認められており、第16ステージでバスク語が使われるのが問題なのではない」と改めて強調している。
使用協定解消について、バスク州のPP(国民党)、PSE(バスク社会党)とも満足の意を表明しているが、PSEは「バタスナ党との協定を解消した上で、バイヨンヌでゴールするステージでは開催協会はバスク語の使用を行うべきである」との見解を示している。

エンシエロ二日目、怪我人4人

パンプロ−ナのサンフェルミン祭り、エンシエロ(牛の囲い込み)2日目の今日は、4人の負傷者が病院に運ばれた。1人は左わき腹に20センチの傷を受けた29歳のオーストラリア人、1人は頭部に傷を負ったパンプロ−ナ出身者、1人は右モモに2ヶ所、すねに1ヶ所の傷を負った57歳のアメリカ人、そして左腕を負傷した27歳のアメリカ人でいずれも牛の角による傷。オーストラリア人とスペイン人の2人は重傷。

アストゥリアス州、17のビーチにプレステージの石油

アストゥリアス州のビーチに新たにプレステージからの石油が漂着したという。被害を受けたのは州中央部と東部の以下のビーチ。
Penarronda(Castropol村)、Arnelles(Coana)、NaviaとFrejulfe(Navia)、Antromero、Banugues、Carniciega、Verdicio Xago、Luanco(Gozon)、Palmera(Carreno)、Concha de Artedo(Cudillero)、 Torimbia(Llanes)、La Griega、Lastres、La Isla(Colunga)、Atalaya(Ribadesella)。
この石油の清掃回収作業のために市と州の職員330人が駆り出された。石油タンカープレステージ号沈没1ヶ月後の12月からこれまでにアストゥリアスの海岸で回収された石油は3740トンに上る。

マドリッド中心地で地下トンネル工事開始

マドリッドの北の玄関口チャマルティン駅と南の玄関口アトチャ駅を結ぶ8.4キロの国鉄地下トンネル工事が今日から始まる。工事の予定終了時期は2007年の夏で、この4年間、周辺地域の商店には大きな影響が出るにもかかわらず、この間の損害賠償を何らかの形で受ける商店は、地下鉄ソル駅の9店舗を含むわずか56ヶ所。一方、IU(統一左翼)は、マドリッド市の住民で影響を受けるのは25万人に上ると見積もっている。
この工事の総工費は2.59億ユーロ。チャマルティン駅を出た電車はヌエボス・ミニステリオス駅、アロンソ・マルティネス駅、ソル−グランビア駅を経て、アトチャ駅に到着する。ソル-グランビア駅が、グランビアとプエルタ・デル・ソルに改札口を持つ長さ240メートルにわたる駅となる予定。
今年の12月にはプエルタ・デル・ソルでの工事が始まり、ここにある市バスの停留所はすべて撤去、およそ40の路線が影響を受ける。また、来年11月にグランビア地域で工事が始まり、以降地下鉄グランビア駅は30ヶ月閉鎖される。


7月7日(月)

昨日の正午、パンプローナ市役所正面バルコニーからロケット花火を打ち上げ、祭りの始まりを告げる恒例の行事“チュピナソ”が行われ、市役所前の広場は例年どおり赤いハンカチを持った群集で埋め尽くされた。パンプローナ市の守護聖人である聖フェルミンの祭りは14日まで開催、その間毎朝8時スタートで有名な“エンシエロ”(闘牛場までの牛の囲い込み)が行われ、848.6メートルを牛と人間が走り抜ける。
今日はすでに第一回目のエンシエロが行われたが、赤十字社によると、転倒により2人が軽い怪我で病院に運ばれただけで、牛の角に突かれた人間は出なかったという。スタートからゴールまでの今日の記録は2分45秒。

自宅から発見された薬莢により、トランプ殺人犯と断定

木曜日に自首したアルフレド・ガラン・ソティジョ容疑者(26歳)が、今年の2月から3月にかけてマドリッドで6人が殺された“トランプ殺人事件”の犯人であると断定された。土曜日の午後、警察庁科学捜査研究所がプエルトジャノの容疑者の自宅で見つかったトカレフ7.62ミリ口径の薬莢とトランプ殺人事件で使用された薬莢が同じものであるとの結論を下したためで、これ以外にも証人の1人が容疑者の写真を見て、犯人だと証言している。
自首後、ガラン容疑者からそれぞれの犯行についての供述は取れていたものの、科学的証拠が欠けていたが、この薬莢の一致によって容疑は確定した。ガラン容疑者は2,3ヶ月前にすでに凶器のピストルは自宅近くのゴミコンテナに捨てて処理したと供述している。
ガラン容疑者は昨日、プエルトジャノ裁判所のイサベル・サンチェス裁判官によりシウダ・レアル県マンサナレスにあるエレラ・デ・ラ・マンチャ刑務所収監命令が下された。

ビスカヤ県で今年5件目のテロ

昨日午前2時半、ビスカヤ県べディアの工業地帯でスペイン有数の運送会社Azkar社のトラックに仕掛けられていた爆弾が爆発、トラック3台が被害を受けたが、怪我人は出ていない。バスク州政府内務局によると、爆発の30分前に匿名の予告電話が消防局にあったという。
ETAがバスク州内にある企業を標的にしたテロはこの1週間で2件目。火曜日にビルバオ市郊外で電力会社イベルドロラ社の駐車場で車輌爆弾が爆発したばかり。

トルコで墜落した飛行機の原因究明、暗礁に乗り上げ

5月26日にトルコで墜落、乗っていた62人のスペイン人兵士全員が亡くなった事故の原因究明が暗礁に乗り上げた。コックピット・ボイス・レコーダーと呼ばれるコックピットでの会話を記録するブラック・ボックスが故障していたと見られ、墜落前のパイロット同士の会話が全く記録されていないという。トルコ、ウクライナ、スペインからのメンバーも加わり、事故の原因究明は2週間前からモスクワで行われているが、ブラックボックスの故障により、なぜパイロットが誤った方向へ機首を向けたのかについて正確に知ることができなくなった。

週末のスポーツの結果

ツール・ド・フランス:Montgeron-Meaux間の168キロで行われた第一ステージは平地のコースだったため、スプリンターの活躍が期待されていた。1位でゴールしたのはアレッサンドロ・ペタッキ選手(ファッサ・チーム)。スペイン人選手ではスプリンターのオスカル・フレイレ選手(ラボバンク・チーム)が7位に入った。総合成績1位は前日のプロローグ・タイムトライアル1位のオーストラリア人ブラッドリー・マギー選手。
F−1:フランス・グランプリ、ルノー・チーム所属のスペイン人フェルナンド・アロンソ選手はエンジントラブルにより45周目でリタイア。優勝はラルフ・シューマッハ−選手(ウィリアムズ・チーム)。


7月4日(金)

トランプ殺人犯と見られる男、自首

今年の1月24日から3月18日にかけて6人を殺害し現場にトランプのカードを残していた:“トランプ殺人犯"だという男が昨夜、兄弟に付き添われプエルト・ジャノ(シウダ・レアル県)の警察に出頭した。この男はかつて軍隊に所属し、ボスニアでの勤務経験もある26歳。警察は今のところこの男が本当に犯人であるかどうかを確信しておらず、現在尋問が行われているが、容疑者はマスコミには明かされていなかったいくつかの事件のカギを知っているという。また、この男は目撃者の証言と人相も似ているが、プエルト・ジャノ出身で現在はアルカラ・デ・エナレスに住んでいるこの男は、過去に精神障害の診断を受けた記録がある上、凶器も持参しておらず、現在のところこの男が犯人であるという決めてとなる証拠も不充分であるため、尋問が引き続き慎重に行われている。

ウベダ、バエサ、ユネスコ世界遺産に登録

ハエン県にあるルネッサンス都市ウベダ市とバエサ市がユネスコの世界遺産都市に選ばれた。スペインはすでに37ヶ所が世界遺産として登録されており、ユネスコが登録の少ない国を優先するよう方針を変えていたため両都市の登録は難しいと見られていたが、スペイン南部の代表的ルネッサンス都市としての価値を認めるよう行われていた14年間にわたる両市の働きかけが今回実った。世界遺産登録会議はパリで先月30日から開かれ、25カ国からの45候補の登録を巡って話し合いが行われていたが、これにより、ウベダ、バエサ市のほかに、世界各国の他の23ヶ所が新たに登録リストに名を連ねることとなった。世界遺産に登録されると、ユネスコから世界遺産修復・維持のための補助金が支給される。

調査委員会からタマヨ氏排除

昨日PP、PSOE、IUの代表者が会合を開き、6月10日に議長投票を意図的に欠席したタマヨ、サエス氏の調査委員会に両氏を加えないことで合意に至った。現行州議会法にのっとると、調査委員会はPP(国民党)から8議員、PSOE(社労党)から6議員、IU(統一左翼)から2議員、グルポ・ミスト1議員により構成されなければならないが、昨日の会合では“共通の見解”により、委員会には利害が関係する者は入れないことで意見がまとまり、議会法改正なしにタマヨ、サエス両議員の委員会入りの可能性はなくなることとなった。調査委員会は数日中に結成され、州議会が解散する8月28日までに調査が終えられることになっている。

青少年法改正へ1万人署名

5月17日にレガネス(マドリッド州)の道路脇で、強姦、ひき逃げ後焼死体となって見つかったサンドラ・パロさん(当時22歳)の遺族が、青少年法改正を求めて署名運動を行っている。遺族の目的は、「娘を殺した未成年の少年3人が大人と同様の罰を受けるようにすること」と母親のマリア・デル・マル・ベルムデスさんは語った。現行法では刑法が適用されるのは18歳以上であるが、遺族はこれを16歳に改正するよう求めており、この1週間で1万人の署名が集まった。法改正のためには500万人分の署名が必要で、遺族は今週の日曜日、プエルタ・デル・ソルで署名運動を行う。
サンドラ・パロさん殺害に関与した犯人は現在のところ4人逮捕されており、うち3人が未成年(14、16、17歳)で1人が18歳。犯行の首謀者は17歳の少年だった。


7月3日(木)

赤道ギニアでスペイン人女性撃たれて死亡

現地スペイン大使館に入った情報によると、火曜日の夜、赤道ギニアモンゴモ市付近で長距離バスに兵士が発砲、1人が死亡2人が負傷したという。死亡したのはピアス派伝道団体識字ボランティアとして月曜日に同国に到着したばかりだったスペイン人のアナ・イサベル・サンチェス・トラルバさん22歳。
事件の発端はモンゴノ市到着3キロほど手前の軍の検問。サンチェスさんの乗っていたバスの運転手は前のタクシーに続いてゲートを通過、一度乗客は下車し、兵士と運転手との短いやりとりの後バスは再び乗客を乗せて発車した。しかし、このバスを1人の兵士がタクシーに乗って追跡、バスがモンゴノ市バスターミナルに到着する数百メートル手前でこの兵士がバスに追いつき停車を命令、バスの後部に向けて発砲した。最後尾座席に座っていたサンチェスさんは、腹部に銃弾を受けただちに病院に運ばれ手術を受けたが、銃弾は肺と肝臓を貫通しており、2時間半後に亡くなった。
発砲した兵士、検問担当軍曹、バスの運転手とも逮捕され、赤道ギニアのテオドロ・オビアング大統領はスペイン政府に対し、法的責任追及のためにあらゆる手を尽くすと約束、サンチェスさんの遺体は昨日深夜赤道ギニアを経ち、今日の午後、出身地オカニャ(トレド県)で埋葬式が行われる。

2議員汚職疑惑の訴え棄却

マドリッド州最高民事刑事裁判法廷の判事は昨日賛成3、反対1でPSOEによるタマヨ、サエス両議員の汚職疑惑の訴えを棄却することを決定した。
この訴えは、6月10日に州議会議長選挙を欠席し、マドリッド州左翼政権誕生を不可能にしたPSOE所属(当時)のタマヨ、サエス両議員欠席の影に不動産がらみの汚職ありとするものであったが、マドリッド州法廷が訴えを棄却した今、ヘスス・カルデナル検察庁長官が対汚職検事局に調査を開始させるかどうかに注目が集まっている。

地域による所得差60%

金融機関ラ・カイシャが作成した“2003年経済年間白書”によると、ナバラ、パイス・バスコ、バレアレス、カタルニャ、マドリッド州の住民の平均所得はアンダルシア、ムルシア、エクストレマドゥラの住民の60%増だという。
1996年から2001年の間のナバラまたはパイス・バスコ州の住民の年間平均所得額が一人あたり12500〜13500ユーロでスペインで最も住民一人あたりの所得が高い州であったのに対し、最下位エクストレマドゥラ州では7300〜8225ユーロ。バレアレス、カタルニャ、マドリッド各州は住民一人あたり11500〜12500ユーロでナバラ、パイス・バスコ州に所得の高い州として続き、アンダルシアが8225ユーロ、ムルシア州が8800ユーロで所得の低い州としてエクストレマドゥラ州に続いている。この両極の間に位置する諸州では、アラゴン、ラ・リオハ、カンタブリア、カスティジャ・イ・レオン、バレンシアが所得の高い方のグループに属し、アストゥリアス、カナリアス、カスティジャ・ラ・マンチャ、ガリシア各州が低いほうのグループを形成している。
県別に見た場合、住民一人あたりの年間平均所得額が高い(13000ユーロ以上)のは、アラバ、ギプスコア県(パイス・バスコ州)、ジロナ、ジェイダ県(カタルニャ州)とナバラ県で、その反対(年間平均所得額8500ユーロ以下)はカセレス、バダホス県(エクストレマドゥラ州)、カディス、コルドバ、グラナダ、ハエン県(アンダルシア州)。
住民5万人以上の町別に見ると、住民一人あたりの年間平均所得額が高い町(13500ユーロ以上)としてアルコベンダス(マドリッド)、バルセロナ、ビルバオ、サン・セバスティアン、ジロナ、ゲチョ(パイス・バスコ)、ジェイダの名が挙がっており、最も低いのはアンダルシア州カディス県のサンルカル・デ・バラメダ。

ベッカム選手、背番号は23

サッカーチーム、レアル・マドリッドの新しいスター選手、デイビッド・ベッカム選手の移籍発表公式記者会見が昨日行われた。記者会見に集まった記者は544人、テレビカメラは45台でBBCとCNNは生中継を行った。フロレンティーノ・ペレス会長と往年のレアル・マドリッドの名選手であるアルフレド・ディ・ステファノ名誉会長と共に12分遅れで会場に現れたベッカム選手が新しいユニフォームを披露すると会場からはどよめきが漏れた。
選手の移籍正式発表と共にレアル・マドリッドグッズのオフィシャル・ショップで新しいユニフォームの販売が開始、定価78ユーロのユニフォームは、すべてのオフィシャルショップで午後6時半には完売した。レアル・マドリッド関係者筋は「ベッカム選手選手商品化のために契約したように見えるがそうではない」とし、昨日の売上枚数の発表は行っていないが、この日の売上は8000枚程度であると見られている。


7月2日(水)

ベッカム選手、マドリッド入り

レアル・マドリッドに移籍したデイビッド・ベッカム選手が昨日の午後1時、チャーター便で夫人ビクトリアさん、長男ブルックリン君と共にトレホン・デ・アルドス空軍空港に到着し、ロナウド選手到着時よりさらに厳重な警備(治安警備隊の車3台に分乗した治安警備隊員10人、国家警察の白バイ4台、警備会社のボディガード19人)の中選手はただちに病院に向かった。2時間にわたる健康診断の後、デル・コラル・チームドクターに問題なしと診断された選手はホテルで家族と合流。その後、フロレンティーノ・ペレス会長とホルヘ・バルダーノGMの待つサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムに向かい、契約書にサインした。
ベッカム選手のお披露目は公式には今日の正午、パベジョン・デ・ライムンド・サポルタで行われる。選手は24日まで休暇を取った後、他の選手と合流、レアル・マドリッドのアジア・プロモーションツアーに参加する予定。

ビルバオ郊外で車輌爆弾解除

この2週間で4件目のETAによるビスカヤ県におけるテロは未遂に終わった。昨日の午後、ビルバオ市郊外にある電力会社イベルドロラ社に仕掛けた車輌爆弾が14時45分に爆発するとガラ新聞社に予告電話があり、バスク州警察が解除に出動した。
爆弾が仕掛けられていたのはビルバオナンバーのプジョー306で、ナンバーは偽造されていた。車内には15キロのダイナマイトを詰めた鍋があったが、バスク州内務局関係者の話では、時限装置は起動されておらず、爆弾解除にあたっていた警官が鍋の底に別の起爆装置が隠されているのを見つけたという。この起爆装置は水銀アンプルを使ったもので、爆弾を動かせば爆発する仕掛けになっていた。アンプルの横には警察を罵る内容のメモが残されており、2000年8月に現場から2キロほど離れた場所で輸送中の爆弾が爆発して亡くなったETAメンバーのうちの2人の名前も書かれていた。
車が壁にぴったりつけて駐車されていたため、通常のように爆弾解除ロボットを使った作業が行えず、警官による爆弾解除作業は4時間にも及んだが、午後6時半、爆弾は無事に解除された。
ビスカヤ県でETAがテロを企てたのは今年で5回目だが、犠牲者は出ていず、うち3件は未遂に終わっている。5件のうち4件がこの2週間以内に起こっているため警察ではETAのビスカヤグループが活動を活発にしていると見ている。

スペイン勢姿消す−ウィンブルドン選手権

前日に日没順延となっていた男子シングルス4回戦が行われ、今年の全仏オープン優勝者であるスペインのフアン・カルロス・フェレロ選手がフランスのセバスチャン・グロジャン選手に2−6、6−4、6−7、6−7で敗れ、スペイン人選手全員が敗退となった。

読み取り、数学、科学で相変わらず冴えない成績のスペイン人生徒

“各国政府が自国生徒の学業成績を知ることにより、教育システムの良い点、悪い点を知るため”の目的で、15歳の生徒を対象にアルバニア、アルゼンチン、ブラジル、ブルガリア、チリ、香港、インドネシア、イスラエル、リトアニア、リヒテンシュタイン、マケドニア、ペルー、ルーマニア、ロシア、タイの所得額中級クラス15ヶ国で行われたPISA報告書の結果が昨日発表された。
この結果とOECD(経済協力開発機構)が加盟国に対して2000年に行った結果を総合して比較したところ、スペイン、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、ルクセンブルグは引き続き調査対象の三科目(数学、科学、文章の読解力)での成績が平均以下であることがわかった。成績は5段階評価されており、スペイン人学生の平均成績は2と3の間、また優を取った生徒の割合も平均が9%前後なのに対し、スペインはぎりぎり4%との結果が出た。
15歳の読解力は国によって大きな差が出ており、スペインの成績は19位。その他の国々の成績は、イタリア21位。ドイツ22位、アメリカ16位、フランス15位、イギリス9位、日本5位、中国3位、韓国2位で1位はフィンランドとなっている。数学、科学では、香港、日本、韓国が成績のよい3カ国で、スペインはOECD加盟国間の調査で32カ国中23位だったが、今回15ヶ国の調査結果が加えらでたことにより、香港、リヒテンシュタイン、ロシアがスペインより上位に入り、順位が3つ下がった。科学の成績でも同様の結果が得られており、スペインは引き続き平均点以下。


7月1日(火)

国会国政討論始まる

昨日から国会でアスナル首相にとっては最後となる国政討論が始まった。首相はすでに次期選挙では首相候補に立たないことを表明しているが、昨日の討論では、この7年間で自身がスペイン経済の発展、国の財政建て直し、テロ対策への国の権限の増大、世界の中でのスペインの重要性の拡大を成し遂げたと発言。これに対し、最大野党PSOE(社労党)のサパテロ書記長は、「政治を嘘で塗り固めた」と首相を批判、またプレステージ沈没事故とイラク攻撃での政府の姿勢についても厳しく糾弾したほか、マドリッド州議会の混乱の根底にはPPも絡んだ汚職問題があると非難した。
また、民族主義各政党もアスナル首相の行政を批判。PNV(バスク民族党)と政府の間の溝は深まるばかりで、スポークスマンのイニャキ・アナガスティ氏は「我々は首相にスペインから追い出された」とコメント。「我々は引き続き自治権拡大を要求していくつもりです」とアナガスティ氏が述べたところ、首相は「それは認められない」と即答。
昨日首相は改めて、次期選挙では立候補しない事を述べた上、総選挙は3月に行う予定であることを明らかにした。

州知事承認投票でシマンカス氏承認ならず

マドリッド州議会で、昨日第2回目の州知事候補承認投票が行われた。候補者シマンカス氏(PSOE)が議会の認める知事として就任するためには就任賛成票が反対票を1票でも上回ればよかったが、州議会議長選挙を意図的に欠席し、今回の州議会の混乱の発端となった2議員が第1回目投票と同様、今回も棄権したため、シマンカス氏の州知事はならなかった。州知事該当者のいない州議会はこれから2ヶ月の期間内に解散、再選挙が10月末に行われる予定。
この2ヶ月の間に、PSOEはエドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員に当選証の返還を交渉する意向だが、もし両議員が返還を承諾しなければ、再選挙ということになる。この場合は8月27日にコンセプシオン・ダンカウサ州議会議長がルイス・ガジャルドン現職州知事に知事候補該当者のいない旨を報告、これにより正式に議会は解散、55日以内の選挙開催が求められるため、再選挙が行われるのは10月26日の見込み。

“アルディスティル・シンドローム”原因の工場主に懲役6年

最初の死者発生から11年、アリカンテの繊維工場で従業員6人が死亡、その他多数の被害者を出した呼吸器障害“アルディスティル・シンドローム”訴訟が結審し、公害の名前となった工場の持ち主フアナ・ジャセル被告に懲役6年、労働監督官に6ヶ月、その他6人の被告に罰金刑が宣告されたほか、バレンシア州政府も民事責任ありとの判決が出された。
この事件の原因は、アリカンテ県アルコイ、ムロダルコイ、コセンタイナの8繊維工場で1989年から1993年にかけて試された新しい生地プリントの方法。業界では初めて霧状のインクを生地に吹き付ける方法が取られたが、判決文によると工場内の換気施設は充分ではなく、また従業員の呼吸器官を保護するためのマスクの着用もきちんと行われていなかったという。このインクで出来た染みを取るために使用された溶剤は有害物質で、1995年モントリオール会議で販売禁止になっている。
工場に勤務していた従業員が呼吸器障害を訴え、国立毒物研究所のラファエル・カブレラ氏の調査でも呼吸器障害を訴えている患者の症状が同じであることが証明されているほか、アリカンテ州立病院でも診察した72人の患者がカブレラ氏の報告書内容に該当する症状を訴えていたことを確認している。
昨日判決文が読み上げられたアリカンテ地方裁判所第3法廷には被害者が詰め掛けたが、ビルトゥデス・ロペス裁判長は、被告に対し、被害者への総額およそ410万ユーロの賠償金支払いも命じている。




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