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8月29日〜9月12日までの間、スタッフの休暇により、ニュースの更新が 毎日行なわれない事があります


8月28日(木)

スピード裁判導入により仕事量が増加した警察、見返り要求

4月28日にスピード裁判が導入されてから警官の仕事量が増大したにも関わらず、それに見合った経済的措置が取られていないとし、警官労働組合はアスナル首相とアセベス内務大臣に対し、書簡で給与の増額を要求した。要求が受け入れられない場合は“逮捕数を減らす”と警官側は述べている。
労組側は新しいシステムを“効率的で必要なものである”としながらも、スピード裁判の導入により、裁判所に何時間も待機したり、午後、週末、8月に裁判所に出頭するなど、本来は司法関係公務員の職務である仕事が警官に回ってきていることに不満を述べている。
スピード裁判導入以降4.5万件が結審(スペイン全土で一日平均375件)しており、特にそれまで最高1年かかっていた過失事件の結審が72時間に短縮されるなど導入の効果は明らかで、法務省、内務省は警察との話し合いに応じることを表明している。

グラナダでスペイン初のヘロインを使った薬物依存症治療開始

これまで、ヘロイン中毒患者の治療にはメタドンだけが使われるのが最も一般的な治療法であったが、ヘロインを併用する方が効果があるとし、アンダルシア州が5年前に構想をスタートさせたヘロインを使った実験的な治療法が昨日、最初の2人の患者に施された。
このプロジェクトには、薬物依存症患者120人が参加、半分はメタドンのみ、残りの半分はメタドンとヘロインを使って彼らの社会復帰を助ける。プロジェクトの正式開始日は9月5日だが、昨日は、リハーサルとして、医師の監督のもと、2人の患者にヘロインが注射された。参加者は9ヶ月にわたり、毎週病院で注射を受けることになる。ヘロインの注射は日中2回、夜間には禁断症状を抑えるためのメタドンが注射される。このプロジェクトの目的は、患者を完全に薬物から離すのではなく、患者と保健機関を結び付け、患者の生活の質を向上させることにある。昨日の2人に注射された量は15ミリグラムだが、注射される量はそれぞれの患する。患者の状態により医師が決定する。
同様の治療法はすでにオランダ、ドイツ、スイスでも行われており、効果的な結果が報告されている。治療に使われるヘロインは厚生省経由でスコットランドのある研究所から購入される。医師、看護士、精神科医、ソーシャルワーカーなどおよそ30人が支えるこのプロジェクトの予算は500万ユーロ。治療と平行して、彼らの社会復帰を助けるための職業訓練も行う予定。
2003年初頭のデータによると、グラナダのヘロイン中毒患者の平均年齢は36.6歳(最高齢者59歳)、ヘロインを摂取した期間は平均14.38年であるという。

レアル・マドリッド、スーペルコパ制覇

リーグ優勝チームと国王杯優勝チームが対戦するスーペルコパの第2戦が昨日、レアル・マドリッドの本拠地サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムで行われた。第1戦、アウェーの試合でマジョルカに2−1で敗れていたレアル・マドリッドの弱点は引き続きディフェンス。ラウル、フィーゴ、ジダン、ロナウド、ベッカムという世界最高の選手5人が集まる前線を後ろから支える中盤の選手がいない。チームとに不満のあるマケレレには頼れず、カンビアッソには荷が重過ぎる。
にもかかわらず、昨日の試合ではカシージャスのファインセーブにも助けられ、レアル・マドリッドはベッカムのレアル移籍後公式ゴール第一号(ヘディング)を含む3ゴールをあげ、3−0でマジョルカを破り、スーペルコパを制覇した。


8月27日(水)

バスク州警察、バタスナ集会を容認

中央管区裁判所のバルタサール・ガルソン判事によりバタスナ党が非合法組織と認定されて1年が経ったのを記念し、昨日、バスク州3県都とナバラ州パンプローナで支持者が集会を招集した。これは、違法左翼組織バタスナが“政治的アパルトヘイト反対”を唱え、支持者に集会の招集を呼びかけたためであるが、3県都とパンプローナを合わせても、参加者は300人程度にすぎなかった。
唯一事前に予告があり、バスク州政府から開催禁止を言い渡されていたバスク州州都ビトリアの集会では、バタスナ党元事務所前におよそ30人が集まったが、バスク州警察の介入により集会は解散させられた。しかし、100人ほどが集まったビルバオの集会では、ジョネ・ゴイリツェライア議員が警官隊と交渉。バタスナ党元事務所から100メートル離れた地点で、15分にわたって集会が行われた。参加者は“アパルトヘイト・NO!民族自決を!”と書かれた垂れ幕を掲げ、集会の最後は「バタスナ万歳!」の叫びで締めくくられた。サン・セバスティアンでも警官隊の介入は行われず、集会は30分にわたり警官隊の目前で開催された。
PSE(バスク社会党)、PP(国民党)ともに、バスク州政府の非合法組織へのあいまいな対応を非難しているが、バスク州連立政府内の一党であるPNV(バスク民族党)は、「バスクの複雑な現状を考慮した的確な対応であった」と述べている。

3人殺人の容疑者、一旦釈放

1999年にアリカンテ県ベニファイリム村の民家でエルビラ・モンロールさん(当時54歳)、フランシスコ・ミロさん(72歳)、リゴベルト・エステベさん(45歳)の3人を殺した罪に問われ、フォンカレン刑務所に公判中収監されていたフランシスコ・ゴメス・シモン被告(31歳)が、公判中の被告に対し法律で認められている収監期間の4年間服役したため、昨日釈放された。
この事件は1999年8月20日に、人口140人のベニファイリム村の民家で男性2人と女性1人が殺害されているのが見つかったもので、犯行後証拠隠滅のため、民家には火がつけられ、この火災に気づいた森林消防隊員により死体が発見された。その後警察は60人以上を尋問、モンロールさんに昔雇われていたことのあるフランシスコ・ゴメス・シモン被告が犯行を自供したため、逮捕した。
事件を担当しているアルコイ裁判所では人員は不足しており、これまでに判事が3度変更、これが裁判を長引かせる原因となった。被告の公選弁護人は無罪を主張、仮釈放期間中フランシスコ・ゴメス・シモン被告は9月か10月の対審開始まで毎日裁判所に出頭することが義務づけられている。

陸上世界選手権で銅メダル

パリで開かれている陸上世界選手権でスペインのエリセオ・マルティン選手が、強豪アフリカ勢がひしけmく3000メートル障害走で銅メダル獲得の快挙。その他、2001年のエドモントン大会で銀メダルを獲得しているマルタ・ドミンゲス選手が女子5000メートル決勝進出、グローリー・アロシエ選手も女子100メートルハードル決勝に進出している。


8月26日(火)

プレステージから漏出した石油、政府発表を2.4万トン上回る量

ガリシア州ビーゴに滞在中のスペイン政府第一副首相のマリアノ・ラホイ氏が昨日発表したところによると、9ヶ月前にガリシア海岸沖に沈没した“プレステージ号”の石油タンク内に残っている石油の量は、プレステージ号が運んでいた7.7万トンの18%にあたるわずか13800トンで、タンクから漏出した石油の量が6.4万トンに上ることが判明した。政府はこれまで漏出した石油の量を4万トンと発表しており、昨日、両者の差にあたる23,700トンのその後の行き先を把握していないことを認めた。
ラホイ副首相は昨日、多くを語らなかったが、プレステージの積載石油量が7.7万トンであったこと、これまでに海上で5.1万トン、海岸で7.9万トンの合計13万トンの石油付着物を回収しているが、そのうちどれぐらいが石油なのかはいまだに把握できていないことを明らかにした。
海底4000メートルに沈むプレステージ号には船首に13100トン、船尾に700トンの石油が残っているが、このくみ上げ作業が開始されるのは来年春の予定で、6000万〜1億ユーロの費用がかかると見積もられている。

がけ崩れで海水浴客1人死亡 (ジローナ)

ジローナ県セニョール・ラモンの浜辺で、昨日がけ崩れがあり、浜辺唯一の海の家を直撃。1人が死亡、3人が負傷した。
事故が起きたのは昨日の午後3時半で、多くの海水浴客が強い日差しから逃れて、海の家のテラスで休息していたところ、突然、浜辺の後ろに控えている崖から大きな岩が落ちてきた。これらの岩は大きなもので、直径50センチほどもあり、そのうちの1つが元パラフジェル町議員で書店経営のジョアキム・トゥロ氏(59歳)の頭部を直撃。トゥロ氏は即死した。
事故現場は、車での到着が難しい場所で、へリコプターで救急隊が到着するまでの間、たまたま休暇でこの場に居合わせた緊急医療担当のドイツ人女医が、応急手当を行い、負傷者のうち54歳の男性1人はこの応急処置のお陰で命は取り留めたが、引き続き危険な状態が続き、病院に入院している。その他、44歳と、29歳の女性がそれぞれ軽傷を負った。その後降り始めた雨により再び崖崩れの恐れがあるとして、この浜辺は現在立ち入り禁止となっている。

エレナ・ゴメス選手、銅メダル

アメリカのカリフォルニア州アナハイムで開かれていた世界体操選手権で、スペイン代表として唯一決勝進出を果たしていたエレナ・ゴメス選手が床運動で銅メダルを獲得した。演技を終えた時点では、それまでの最高得点9.675を獲得していたゴメス選手に、ハンガリーでの優勝が繰り返されるとの期待が周囲に高まった。ヘスス・カルバジョ・コーチも「最高の演技」と述べる出来だったが、その後に演技したルーマニアのカタリーナ・ポノール選手とブラジルのダイアン・ドス・サントス選手がこれを上回る得点を獲得し、それぞれ2位と1位に輝いた。


8月25日(月)

フェルナンド・アロンソ、スペイン人初F−1優勝の快挙

前日、ポールポジションを獲得していたオビエド出身のフェルナンド・アロンソ選手(22歳)が、昨日のハンガリーGPで初優勝。スペイン人として初めてのF−1優勝となるだけでなく、これまでの記録22歳104日(ニュージーランドのブルース・マクラ−レン選手)を44年ぶりに破る22歳と26日での史上最年少での優勝という快挙を成し遂げた上、ルノーチームにとっても20年ぶりの優勝となった。
母方の祖母にこのレースでの勝利を約束してきたというアロンソ選手は「約束が守れてうれしい」とコメント。優勝の1時間後にはフアン・カルロス国王一世が直々に祝福の電話をかけたほか、アストゥリアス州知事からも電話があった。レースの模様をテレビ観戦していたという知事は「彼はアストゥリアスの誇りだ」とコメントしている。
世界選手権は、イタリアのモンツァ、アメリカのインディアナポリス、日本の鈴鹿での3レースを残すのみで、現在総合成績5位のアロンソ選手の総合優勝は難しく、アロンソ選手は「僕は若いし、未来はこれからです。」と来シーズンでの優勝を目指すと述べた。

スペインサッカーリーグ、予定通り開幕

テレビ放映権を獲得できてない一部、二部リーグのチームからなるグループG-30(一部リーグ8チーム+二部リーグ22チーム)が、放映権交渉が成立するまでリーグ開幕を延期するとし、来週のリーグの開幕が危ぶまれていたが、昨日招集された緊急会議で、LFP(プロサッカーリーグ)代表がソヘカブレ社と包括放映権を締結。この契約は今日、LFPテレビ放送委員会により承認される見通しで、リーグは予定通り開催されることとなった。3シーズンに渡る契約の内容は、30日に開幕する今季が8400万、翌季が8800万、翌々季が9200万ユーロを30チームで分けるというもの。
リーグ開幕への問題が解決された今、LPFは政府との交渉を開始する。これは、サッカーへの課税を緩和することとサッカーくじの収益分配率を上げることが目的で、すでに今年の4月にLFPからマリアノ・ラホイ副首相に要求が提出されている。スペインプロサッカーの経済状況は非常に厳しく、4月の時点で全体で16.25億ユーロの負債があることが発表されている。

マドリッド州議会調査委員会、調査終了を審議

マドリッド州議会議長選挙を2人の議員が欠席、その背景を調査するために7月15日に結成され、会議を24日から開始、先週の木曜日で28人すべての証人喚問が終わったマドリッド州議会調査委員会は、今日の会合で調査を終了するかどうかを決定する。
今回の騒動の原因となった欠席2議員の所属するグルポ・ミストを除く、PP(国民党)、PSOE(社労党)、IU(統一左翼)の調査委員会の3つの政党は今日、調査報告書を提出、報告書が審議にかけられ、その後午後6時から開催が予定されている臨時会議で承認される見通し。この臨時会議では、現行選挙法の改正が決定され、州議会解散後の再選挙を10月26日に行うことも決定される予定。

週末のその他のスポーツの結果

サッカー:アンダー17世界選手権の試合で、スペインがポルトガルに5−2で快勝。準決勝に進んだ。次の試合は水曜日で、スペインはアルゼンチンと対戦。この試合で勝てば、コロンビア対ブラジルの勝者と優勝を争うことになる。
陸上競技:パリで行われている世界選手権、男子400メートル走でスペインのダビ・カナル選手は8位。惜しくも決勝進出はならなかった。円盤投げのマリオ・ペスターノ選手は予選Aグループ7位で決勝リーグ進出。女子20キロ競歩では、マリ・クルス・ディアス選手は失格、マリア・バスコ、マリア・テレサ・ガルガジョ選手は棄権している。


8月22日(金)

マルティン−オアル大佐死亡状況をめぐり、異なった見解

バグダッド国連事務所爆破テロの犠牲者となった、マルティン−オアル大佐(56歳)の死亡時の状況をめぐって、外交官筋と防衛省筋が異なった発表を行っている。CPA(連合国暫定当局)のスペイン最高責任者であるエドゥアルド・デ・ケサダ氏は、マルテリン-オアル大佐は、病院に運ばれる前に付き添いもなく担架の上で亡くなったと発表。エル・パイス紙は、この情報の確認を、ミゲル・ベンソ氏と、同局の別の関係者からも取っている。デ・ケサダ氏の発表によると、大佐は腕以外にひどい外傷が見られなかったため、他のもっと重傷に見える患者の手当が優先され、救急車に乗せられることもなく、現場近くで担架に乗せられている状態で息を引き取ったと考えられるという。大佐が生きているのが最後に確認されたのが午後5時半頃で、午後7時半には現場から車で1時間の死体安置所に運ばれていたことから、亡くなったのは午後6時半頃ではないかと推測されている。これに対し、防衛省は、大佐はアメリカ軍により、救急車でバグダッド市内の病院に運ばれたが亡くなったと発表している。
マルティン-オアル大佐の遺体は昨日、カディスのロタ基地に到着、午後7時に葬儀が執り行われた。今日、彼の検死が行われる予定となっている。

ソニアさん殺害容疑者として6人が浮上

治安警備隊は、先週の木曜日に行方不明となり、今週の火曜日に遺体で見つかったソニア・カラバンテスさん殺害の犯人を6人の若者に絞り込んだという。この6人は、ベレン・ペレス・フエンテス判事の監督のもと、治安警備隊の監視下に置かれている。人口2万人のコイン町では、ソニアさん殺害犯への恐怖心と復讐心で緊迫した状態が続いており、治安警備隊は、この緊迫した状態に耐えかねて、2人または3人と見られる殺害実行犯が自首するのを待っている。
腐敗により指紋が消失していたため、ソニアさんの身元確認には48時間以上を要したが、検死の結果により、ソニアさんは絞殺されたことが明らかになっている。また、殺される前には全身に激しい殴打も受けており、捜査員たちは、犯人たちが泥酔していたか、何らかのドラッグを摂取していた可能性が高いと見ている。

レプソル精製所の安全システムに多くの欠陥

先週の木曜日にプエルト・ジャノで起きたレプソルYPF社石油精製所での爆発事故消火活動に携わった消防士による報告書がまとめられた。6人の下請け会社従業員が亡くなったこの事故現場に急行した消防士は、“安全装置の明らかな不備”を数多く報告している。これらの不備は例えば、非常事態にどういう行動を取るべきかの従業員への指導の欠如、十分な水圧のない消火ポンプなどで、また消防士たちは、レプソル職員達の消火活動への協力の欠如も指摘している。
一方、下請け会社の従業員たちは、昨日、水曜日からのスト開始の合法的通知を会社に提出した。このストを回避するためには、前日までに従業員側からの14の安全システム強化要求を会社が無条件で承諾しなければならない。従業員側は「交渉の余地はない」としている。事故後病院に運ばれた4人の従業員は引続き重体。


8月21日(木)

国連事務所テロでスペイン人犠牲者

火曜日にイラクのバグダッドで起きた国連事務所テロで、イラク攻撃後初めてのスペイン人犠牲者が出たことが昨日確認された。犠牲者となったのは、マヌエル・ホセ・マルティン-オアル・フェルナンデス-エレディア氏。マルティン-オアル氏は、イラクの政治経済復興のために組織されたCPA(連合国暫定当局)に参加している13人のスペイン人の1人で、この13人のうちの大半(10人)と同様に軍人。
マルティン-オアル氏は、爆発後1階のホールに倒れているところをスペイン人道路建設技師に見つけられ救急車に運び込まれたが、爆発後は情報が混乱しておりそれを最後に行方がわからなくなっていた。昨日の午前10時半(スペイン時間朝8時半)、イラクのアメリカ当局からスペインの最高責任者であるルイス・フェリウ・オルテガ将軍に、バグダッド市内154の病院にマルティン-オアル氏の姿はなく、バグダッド空軍基地の死体安置所に類似した死体があるとの連絡が入り、フェリウ将軍が身元を確認。マルティン-オアル氏の遺体を乗せた飛行機は今日スペイン入りする。
爆発直後、マルティン-オアル氏は片腕に重傷を負っていたほか、もう片方の腕と片足にも負傷していたが、命には別状はないと見られていた。死因はスペインでの検死を待たなければ確定できないが、脳髄に損傷を受けていた可能性が高いと見られる。フェリウ将軍は、アメリカ軍にマルティン-オアル氏が救急車で運ばれた後、亡くなるまでに受けた治療の報告書の提出を求めた。
イラク攻撃中に亡くなった2人の新聞記者に続いて、攻撃後初の犠牲者が出たことにより、スペインのイラク復興参加への討論が再燃。野党は、スペイン軍のイラクでの役割の見直しを政府に要求している。

発見の遺体、ソニアさんのものと断定

マラガ法務医協会会長のアントニオ・ガルシア・デ・ガルベス氏は昨日、火曜日にモンダ町で発見された死体が、先週の木曜日から行方不明になっていたソニア・カラバンテス(17歳)さんのものであると断定されたと発表した。検死医チームは同時に、殺害後数日間が経過したことによって腐敗が進行していたにもかかわらず、“明らかな”証拠を遺体から採取できたことも発表している。治安警備隊は、ソニアさんの交友関係に的を絞って捜査を進めており、結果が出るまでには時間がかからないだろうと述べている。

厚生省、熱波による死者は多くても100人と言及

7月中旬から8月中旬にかけて暑さが原因による死亡件数の報告を厚生省が各自治州に求めたところ、昨日までですでにおよそ100件の死亡が報告された。うち54件はすでに確認済みで、これまでの政府による公式発表18人を大幅に上回る結果となった。
厚生省では熱波による死者の調査をカルロス3世保健協会に委任、最終的データが出る時期についてははっきりしないが、いずれにせよ、フランスやポルトガルで報告されているような千人単位の死者数にはならないと厚生省では見ている。この理由についてアナ・パストール厚生大臣は「スペイン人はフランス人と違って暑い気候に慣れており、暑い時期にどう対応すればいいかを心得ている。しかも、学校での指導も徹底している。」と述べている。

一部リーグの11チーム、リーガの開始は予定通り決行

スペインプロサッカー一部リーグの11チーム(レアル・マドリッド、バルセロナ、デポルティーボ、バレンシア、アトレティコ・デ・マドリッド、レアル・ソシエダ、アスレティック・デ・ビルバオ、セビジャ、エスパニョール、ビジャレアル、ムルシア)は、昨日、残りの一部リーグチームと二部リーグチームが不参加でも、予定通り今月の30、31日にリーグ戦を開始することを決定した。
上記11チーム以外の一部リーグチームと二部リーグのチームは、テレビ放映権を売却するまでリーグを開始しないと宣言、リーグ開始が危ぶまれていた。テレビ放映権をいまだ獲得できていないG-30と呼ばれるグループは、明日、臨時会議を開くことを提案しているが、一部リーグのすでにテレビ放映権売却が済んでいるチームで構成されるG-12はこの会議へは出席しないことを表明している。


8月20日(水)

マラガの行方不明女性、遺体で発見か

先週の木曜未明からマラガ県コイン町で行方不明になっているソニア・カラバンテスさん(17歳)の捜索に多くの人間が携わる中、昨日正午頃、ソニアさんの失踪したコイン町から5キロのモンダ町の山道わきで、全裸の女性の死体が半分埋められた状態で見つかった。
死体が見つかったのは、モンダ町とコイン町を結ぶ国道沿いの建設中の工場地帯で、昼食を摂りに村に戻る途中の捜索隊の1人が肉の腐臭のような甘い臭いに気がついた。すぐそばで放置された車が見つかり、車の内部に縛られたまま死亡したと見られる猟犬2頭の死骸があった。しかし、数百メートル先でさらに強く同じ腐臭がしており、ここで全裸の女性の死体が半分埋められているのが見つかった。
発見後、ソニアさんの両親は現場に急行、30分ほど発見現場にいたが、死体の腐敗がかなり進んでいるため、ソニアさんの父親はソニアさんであるかどうかを判別できなかった。死体はマラガ検死解剖局に運ばれ、第1回目の検死が終わった時点でアントニオ・ガルシア・デ・ガラベス局長は、「さらに詳しい解剖が必要だが、ソニアさんである可能性が高い」と述べている。

プエルト・ジャノ石油精製所の事故原因は警報の故障

従業員6人が死亡、4人が依然として重体となっている先週の木曜日にシウダ・レアル県プエルト・ジャノのレプソルYPF石油精製所の爆発事故の原因解明が3つの組織によりそれぞれ行われている。この3つの組織とは、カスティジャ・ラ・マンチャ州工業労働局と労働監督官による組織、レプソル社の技術者7人と労組関係者5人で構成される調査委員会と刑事責任の有無を追及する目的の司法機関による組織で、いずれの機関も自動と手動の二重システムになっていたガス漏れ警報機が作動しなかったことが、この後の爆発の原因であるとの見方を示しているが、作動しなかった理由についてはさらなる調査を要する。
また、このガスがどうして引火したのかについての調査も行われているが、爆発後の火事が高温であったため、発火場所の特定は難航している。この石油精製所は今年の5月28日に50周年を迎えており、この記念式典でレプソルYPF社の社長が「環境と安全への配慮」を改めて約束したところだった。

イラク現状説明のためのアスナル首相の国会出頭要請却下

左翼政党と民族主義政党が要求していたイラク現状説明のためのアスナル首相臨時国会出頭は、与党PP(国民党)とCC(カナリアス連合)による過半数票により、昨日、国会常任委員会で却下された。
委員会での審議で口火を切ったのは、PSOE(社労党)のヘスス・カルデラ氏で、イラクにおける抵抗運動が激しさを増し、住民の憎悪も増大している上、国会を無視し、国連決議の後ろ盾のないイラク駐屯をやめ、ただちにスペイン軍を帰還させるよう要求した。カルデラ氏はまた、2月5日にアナ・パラシオ外務大臣が「イラク攻撃は国連査察官の報告書ではなく、アメリカ国務省の報告書に基づくものである」と発言したことを引用し、政府が今となってイギリス、アメリカの報告書を元にイラク攻撃参加を決定したことを否定していることを非難した。
IU(統一左翼)のガスパール・ジャマサレス代表も、米軍、スペイン軍をイラクから引き上げ、治安維持活動には国連主導のもと、多国籍軍があたるべきであるとの見解を表明。イラクの現状と、イラク攻撃正当化の根拠について説明するためのアスナル首相の緊急出頭を求めた。
これを受けて、PPのグスタボ・アリステギ氏は国際情勢は外交使節団の組織に向け準備を行っているところで、大量破壊兵器はそのうち発見されるだろうと発言。スペイン政府は国連決議と国連査察官の報告書に沿ってイラク攻撃を決めたのであって、アメリカ、イギリスの報告書は関係していないと述べた。バグダッドでの国連事務所テロのニュースが入った後には、マリアノ・ラホイ第一副首相がスペイン軍兵士が“ある程度の危険”にはさらされていることを認めた上で、「駐留は世界の安全のために不可欠である」と述べたほか、改めてスペイン軍のイラク駐留は国連の要請によるものであり、期間は6ヶ月、延長もありうると話した。


8月19日(火)

レプソル従業員、安全対策を求め抗議集会とスト

先週の木曜日に爆発・炎上事故があり、これまでに従業員6人が亡くなっているレプソルYPFの石油精製所(プエルト・ジャノ)で昨日、従業員が安全対策を求め抗議集会を開催、3日間の“服喪”ストを決行することを宣言した。レプソルYPF側は、すでに7人の技術者と5人の労組関係者からなる内部調査委員会を構成しており、今日にも事故の原因究明に乗り出す用意をしていたが、このスト決行によって同社のこの石油精製所は事実上、機能しないことになる。
企業、労組関係者は「会社は必要な事故防止措置を取っていた」としているが、労働者側は「会社は事故が起こるまで腰をあげない」と抗議、昨日は午後8時にプエルト・ジャノ市内でUGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)の書記長、支部長出席の抗議集会も開かれ、およそ3000人が出席したが、両労組の支部長の共同声明文読み上げは、レプソル従業員たちの抗議の叫びにかき消され、カンディド・メンデス、ホセ・マリア・フィダルゴ両書記長も群集に押されながらの退場となった。
木曜日の事故で負傷し、現在も4人の従業員が入院しているが、この4人の容態はかなり悪いという。亡くなった6人はいずれもレプソルYPFの下請け会社従業員だった。

猛暑により、各地で死亡率アップ

エル・パイス紙の調査によると、スペインが記録的猛暑に見舞われた今年の7月15日から8月15日の間の死亡率が各地で前年を大幅に上回っているという。バルセロナでは、昨年同時期の死亡者が770人だったのに対し、今年は1148人と49%増、サラゴサ(アラゴン州)、ビトリア(パイス・バスコ州)、コルドバ(アンダルシア州)でも前年比30%を超え、ビゴ(ガリシア州)では56%、ハエン(アンダルシア州)では86%増の死亡率となった。カタルニャ州のマンレサ、マタロ、サバデルでは死亡率が前年比60%アップとなっている。
また、この熱波の襲来により亡くなった人の数は8月8日時点での政府の公式発表では18人だが、各州保健機関の発表では熱中症または暑さにより持病が悪化し亡くなった人の数は46人となっている。

行方不明の女性の捜索活動続く

先週の木曜日未明からマラガ県コインで行方不明になっているソニア・カラバンテス・グスマンさん(17歳)の捜索活動は引続き行われている。ボランティア、警察、消防関係者を含めると700人にもおよぶ人々がグループに分かれ、各グループのリーダーの指示に従って1日平均2時間の捜索活動を行っているほか、企業、慈善団体、個人からの寄付により、ボランティアのための食堂も備えられているが、現在のところ見つかっているのは、髪の毛一房、血の付いたハンカチと、ソニアさんが行方不明になった日にはいていたものと類似しているジーンズのみ。ソニアさんの母親は、ジーンズは娘のものではないと警察に証言している。
行方不明となっているソニアさんは、スイス生まれで2年前に両親とコインに引っ越していた。兄2人はスイス在住で、ソニアさんが行方不明となった知らせを受けて土曜日にコイン入りしている。


8月18日(月)

プレステージ事故の影響、10年は継続

40人以上の専門家の分析によると、ガリシアでの海の生態系が、ガリシア沖でタンカー『プレステージ号』が沈没し重油漏れを引き起こす前の状態に戻るまで、10年はかかるという。この“プレステージのインパクト”と名づけられたこの分析調査には、1992年の『エーゲ海号』沈没調査に携わった人物が協力、彼らが特に懸念を示したのは、野鳥の死亡数で、およそ25万から30万の野鳥が“黒い波”の影響で死んだと見積もられており、これはヨーロッパで最大規模の被害と言える。
経済的見地から分析すると、1989年にアラスカで起きたエクソン・バルディス号沈没事故でアメリカが要した費用を上回る25億ユーロ以上がスペインの海岸清掃に必要と見られている。
スペイン北部海岸は有数の夏の休暇先だが、今年は避暑客は石油の塊が漂着する海での海水浴を余儀なくされている。ガリシア地方では、“チャパポテ”と呼ばれる石油の塊が体についたと訴える海水浴客は1日平均200人、多い日は500人。政府発表の公式発表データでは、“ガリシアのホテルの集客状況は昨年と変わらず”となっているが、7月の込み具合が前年比25%落ち、40%落ちを訴えているホテルもある。
パイス・バスコでは石油の塊は“ガリポ”と呼ばれるが、このガリポを落とすための有機石鹸と紙タオルが浜辺の赤十字社のテントに常備されている。パイス・バスコでは、7月の1ヶ月間で186トンの石油を回収、8月11日までに回収された石油の総量は1186トンに上っている。
サンタンデールでは、夜は砂を機械で篩いにかけ、昼間は回収員がグループで作業しているため、この地方で“ピチ”と呼ばれる石油の塊は、主要海水浴場では海水浴客の目にはつかない。しかし、海から上がった後、体には石油の塊がついている。例えばサンタンデールの最も有名なビーチ“サルディネロ”では、石油の塊は南京豆大で、サンタンデール市役所は、紙ナプキンをオイルにつけた汚れ落としを、設置したスタンドで配布している。表面上清掃が済んでいるのは、主要海水浴場だけで、地元の人間がよく利用するあまり有名でない浜辺ではいまだに清掃作業が進んでおらず、岩は真っ黒で、石油のにおいがするという。

カタルニャとバレンシアで嵐による停電と洪水

昨日、カタルニャ州とバレンシア州が嵐に襲われた。特に被害が大きかったのはバルセロナ県オソナで、午前11時ごろ雨を伴った竜巻が起こり、数分間の間に住宅およそ10件、工場およそ20軒の屋根が壊れたほか、ゴミコンテナが飛び、木々も根元から倒れた。住民は一時パニック状態となったが、死者、負傷者ともに出ていない。
この竜巻により停電が起こり、バルセロナで国鉄近郊電車が30分以上の間運休したほか、大雨のため、国道が6ヶ所で遮断された。カステジョンでも落雷による停電が起こり、このため、バルセロナと地中海地方を結ぶ長距離列車に平均して4時間の遅れが出た。また、午前6時から10時までの集中豪雨でカステジョン、バレンシアの低地が浸水する被害もあった。

レガネスのエンシエロで1人重傷

マドリッド州レガネス市ブタルケの聖母の祭りで行われたエンシエロ2日目の昨日、牛を追い込んだ後の闘牛場で30歳の男性が右足の太ももを牛に突かれた。運よく角が大腿動脈に刺さることは避けられたが、重傷。現在ヘタフェ病院に入院しているが順調に回復しているという。599メートルを1分47秒で走ったこの日のエンシエロの参加者は2400人、その他5人の男性も負傷したがいずれも軽傷。市役所の発表では見物客はおよそ3万人。土曜日のエンシエロでは37人が救急治療を受けたが、病院に運ばれた1人を除いて軽傷。

週末のスポーツの結果

バイク:チェコグランプリ、125CCクラスでダニ・ペドロサ選手が優勝、250CCクラスでトニ・エリアス選手が2位、モトGP2位にセテ・ジベルナウ選手が入った。ダニ・ペドロサ選手は現在125CCクラスの総合成績でも1位につけている。


8月15日(金)

今日は、聖母被昇天の休日にあたるため、トップニュースはお休みです。


8月14日(木)

マルベジャ市長リコール成立

昨日、マルベジャ市長リコール要求審議、投票が行われ、賛成14票、反対11票で、リコールが成立。新市長には元GIL(独立自由団体)のマリソル・ジャグエ女史が就任した。
先週、フリアン・ムニョス氏へのリコール要求を表明した14人の議員は、昨日、厳重な警備の中、全員一緒に市役所に現れた。この14人はGIL創設者に忠実で、GIL党を離れグルポ・ミストを立ち上げた8人、PSOEから除名された3人、PA(アンダルシア党)執行部からからリコールを支持した場合は除名対象とすると通知されている3人で、ジャグエ新市長は、GIL創設者で判決により公職に就くことが禁止されている元ヘスス・ヒル市長の忠実な部下であることで知られている。
フリアン・ムニョス氏は審議において、「今回のリコール要求の裏には、不動産利益のために動いたヘスス・ヒル氏がいる。」とジャグエ女史を糾弾。これに対し、ジャグエ女史は「リコールを支持した人間の唯一の目的はマルベジャがきちんと機能し、発展することです。」と答えた。
ムニョス氏は、前市長ヘスス・ヒル氏が裁判所から公職に就くことを禁じられた2002年4月から後任としてマルベジャ市長に就任しており、今年5月25日の選挙でもGIL党から出馬、市長当選していた。

カタルーニャで新たな山火事

日曜日に発生したバルセロナ県の山火事がほぼ鎮火した昨日の午後、今度はコスタ・ブラバ内陸にあるジロナ県のトルデラとマサネ・デ・ラ・セルバで新たな山火事が発生した。この火事により、2900人が自宅を捨てて避難、バルセロナとフランスを結ぶ高速道路A-7と国道2号線が一部通行止めとなった。この他にもバルセロナ県オレルドラでも昨日は火災が発生したが、昨夜のうちに鎮火された。 トルデラとマサネ・デ・ラ・セルバでそれぞれ発生した火災は5時間後に1つにまとまり、さらに勢いを増した。このため、日曜日にバジェスで発生した火事の消火活動に向かうヘリコプターと消火用飛行機の大半は、行き先を変更し、ヘリコプターと飛行機合わせて7機が空から、地上ではおよそ500人が消火活動にあたっている。
昨日、カタルニャ州議会議長のアルトゥル・マス氏は、バルセロナ県の火災はほぼ鎮火されたと発表したが、一部の炎は日中の暑さでいつ勢いを取り戻すか予断を許さない状態。公式発表は完全に火災が鎮火されるのを待って行われるが、およそ5000ヘクタールにのぼると見られる。

暑さによる農家の損失、5億ユーロ

COAG(農業・畜産業協同組合)のミゲル・ロペス氏によると、今年の夏の異常な暑さにより、スペインの農家の損失額は5億ユーロを超えるという。「今のところ、農家の損失が4億ユーロ、畜産家の損失が1億ユーロと見積もられているが、これを超える可能性もある。」とロペス氏は述べている。
暑さと山火事によるダメージの大きいエクストレマドゥラ州では、この暑さによる影響がほとんど出ておらす、例年どおりの穀物の収穫量が予測されているカスティジャ・イ・レオン地方に、飼料用の藁の提供を申し出る予定。また、ブドウの収穫も例年より20〜30%落ちる見込み。
アラゴン地方では原産地呼称ワイン“ソモンタノ”の収穫が早められ、月曜日から始まった。これは、気温の高い日が続いたことによって、ワインが例年より早く熟したため。同様にサラゴサ県のカタラジュ−でも収穫が早められるが、いずれの地方でもブドウの出来は例年並だという。
被害が最も大きいと見られるのは果物と畜産で、アラゴン地方では果実に甘味がなく、また重さも十分でないという。養鶏業ではおよそ20%のニワトリを暑さで失っている。


8月13日(水)

熱波による死者、30人超す

7月末に始まった熱波の襲来により、スペインでこれまでに少なくとも31人が命を落としている。気象庁ではこの暑さは今週末には終息に向かうと見ているが、最も被害の多いアンダルシアでは昨日までに23人が亡くなっている。亡くなった31人のうち熱中症による死者は14人、残りの17人は暑さにより持病が悪化したため亡くなったと見られる。
他のヨーロッパ諸国と違い、スペインでは最高気温記録を更新することはなかったが、今年の暑さはほぼ1ヶ月にわたるという前例のない長さ。7月15日からほぼ毎日、最高、最低気温とも過去30年間の平均記録より高かったという。

ホセ・コウソ氏攻撃の理由は“正当防衛”とアメリカ政府発表

4月8日、イラク攻撃取材中に滞在していたホテルがアメリカ軍戦車の砲撃を受けたために亡くなったスペイン人ホセ・コウソ氏とウクライナ人タラス・プロツィウク氏を砲撃した理由について、昨日、アメリカ政府は「調査の結果“正当防衛”であった」とウクライナ、スペイン政府に報告した。
しかし、最初に報告書の内容発表を行ったのは、ウクライナ政府からであってスペイン政府からではなく、午後になって、アナ・パラシオ外務大臣は、報告書を受け取ったとこと、報告書はコウソ氏の家族に大臣からの私信を添えて送られたことを発表した。
報告書によると、報道関係者の大半が宿泊していたパレスティナ・ホテルに砲撃が加えられたのは、同ホテル内にイラク側に加担する狙撃者がいるとの情報を得たためで、砲撃は“正当防衛”だったという。しかし、ホテルに宿泊していた報道関係者には狙撃者を見たものも、銃撃の音を聞いた者もいない。コウソ氏の家族は午後9時半ごろ報告書を受け取ったが、報告書は英語で書かれており、翻訳もつけられていなかった。弟のハビエル氏は「根拠にかけ、虚偽に満ちた報告書の送付は、あの日本当に起こった出来事を隠す方法にほかならず、我々は日ごとにあの砲撃は予告なしでの民間人攻撃という戦争犯罪にあたるという気持ちを強めている。」と述べている。
コウソ氏が亡くなってから、スペイン政府はアメリカ政府に対して、正式に事態の解明を要求していない一方、多くの報道関係者がこの砲撃を戦争犯罪と定義、アメリカ政府に頼らない事実調査を求めている。

7月のIPC、0.6ポイント減少

INE(国立統計局)の発表によると、7月のIPC(消費者物価指数)は0.6ポイント減少し、この12ヶ月のインフレ率は2.8%となったという。燃料と生鮮食品を除いたインフレ率は2.9パーセントと先月から安定している。7月にはバーゲンの影響で、衣料品、靴が10.2%さがったほか、家庭用品、電話代もわずかなら下がった。教育費は変わらず。
反対に7月に最も値上がりしたのは娯楽、ホテル、コーヒー、食事代で、1〜0.9パーセントの上昇で、休暇シーズン最初の格安旅行パックはIPCを下げるのに役立たなかったことがわかっている。このほか、値上がりしたのは交通費(0.7%)、食料と非アルコール飲料(0.6パーセント)、アルコール飲料とタバコ(0.5%)と住居、薬品(0.1%)となっている。
この12ヶ月で見ると、昨年同月比で値下がりしているのは唯一通信費のみ(2.5%)で、最も値上がりしているのが教育費(5%)、ホテル、コーヒー、レストラン(4.2%)、衣料品と靴(3.9%)、食料と非アルコール飲料(3.6%)、サービス業(3.3%)、アルコール飲料とタバコ(2.7%)、住居(2.6%)となっている。


8月12日(火)

山火事で一家5人死亡

バルセロナ県サン・ジョレンス・サバルで日曜日の午後に発生した山火事で、火の手から逃げようとした一家5人が煙により窒息死した。発生原因は放火による可能性が高いと見られているこの火事で、すでに2250ヘクタールが焼失。付近の住民およそ300人はヘリコプターなどを使って早急に避難させられたが、犠牲者の自宅に治安警備隊員が到着したときは、外から厳重に鍵がかけられており、家族は休暇旅行に出ていると判断された。
ところが実際にはこの家にいた5人は自家用車で避難した後で、警察の調べでは車がぬかるみにはまったため、車を捨て徒歩で逃げ始めたところで煙に巻かれ死亡したと見られる。死亡したのは、この町で社会党から議員として立候補したこともあるフェリップ・フェルナンデス・クロサス氏とその妻、娘、祖母と伯母の5人と見られているが、検死と家族の確認を待ってから身元は正式に発表される見込み。警察の発表によると、遺体が発見された場所から窒息死を免れる開けた場所まではわずか2メートルであった上、5人が逃げ出した家には、結局火の手は到達しておらず、5人は自宅内に残っていれば命を失わずにすんだという。

防衛省、イラク攻撃正当化のためのシナリオ作成

イラク攻撃が始まった3月20日からバクダッド陥落2日後の4月11日までの間に150以上の記者会見が行われたが、この記者会見を担当した19人の軍高官が前もって防衛省から質問への返答の仕方マニュアルを手渡されていたことが“エル・パイス”紙の調べにより明らかになった。
このマニュアルには予想される質問62に対する答え方が書かれており、返答内容は常に政府のイラク攻撃参加決定を正当化するため、イラクの大量破壊兵器所持、サダム・フセインとテロの関連性を肯定するものとなっており、マニュアルはイラク攻撃が開始される1ヶ月前の2月中旬に作成されていたことがわかっている。

マルベジャ市長リコール支持議員、警察の護衛を要請

マルベジャ現職市長フリアン・ムニョス氏に対するリコール要求にサインし、“周囲からの圧力を避けるため”6日間にわたりマルベジャ市を離れていた市会議員のうち12人は、明日のリコール案審議を控え、今日にもマルベジャ市に戻る予定だが、彼らへの護衛要請が警察に出されている。警察側では、「警察の任務の詳細は明らかにする習慣がない」とし、明日は特別体制で警護に臨むと発表するに留めている。PA(アンダルシア党)マルベジャ支部広報官のカルロス・フェルナンデス氏によると、署名議員は今日はコスタ・デル・ソルのある場所に滞在し、明日、審議出席のため全員でバスでマルベジャ入りするという。

サン・セバスティアンのデモ主催者を提訴

全国管区裁判所は昨日、日曜日のサン・セバスティアンのデモ主催者とスペイン国旗を焼いた人間に対し提訴状を提出した。このデモで行われたテロ支持、称賛は、法的にはテロの称揚または正当化の罪にあたり、刑法578条に則って1〜2年の懲役刑、国旗を焼くことは国旗侮辱罪にあたり、7〜12ヶ月の懲役と罰金刑に処すことができる。また、バスク州警察に対し、スペイン国旗を焼いた覆面の人物、デモの開催要請を提出した人物、デモ中テロ称賛を行った人物、デモに参加したバタスナ党幹部の身元を解明するよう要請が出されている。


8月11日(月)

サン・セバスティアンのデモ、ETA支持デモに発展

サン・セバスティアンの夏祭り“セマナ・グランデ”初日の昨日、バスクの民族自決運動推進デモが行われれ、強制解散させられた違法政党バタスナ党のアルナルド・オテギ氏、ジョセバ・アルバレス氏を始めとし、およそ3000人が参加した。このデモは、バタスナ党メンバーが開催に関与しているとしてバスク州政府内務局が開催を禁止したものの、バタスナ党メンバーは開催を支持しているだけで、開催者の名前はバタスナ党メンバーではない一個人となっているとし、バスク州最高裁判所から開催許可を与えられたもの。およそ45分間のデモ行進中、参加者はパイス・バスコの独立を求め、ETAの収監メンバー支持の叫びを上げた。行進終了後は、バタスナ党スポークスマンのアルナルド・オテギ氏が壇上に上がり演説を開始。途中、3人の覆面者が壇上に上がりスペインのスペインの国旗を焼き、デモ参加者は独立支持、ETA支持の叫びでこれに応えた。
オテギ氏は、「1977年にPNVが民族自決を支持していれば、死者も爆弾も存在しなかっただろう」と述べ、左翼民族主義政党を追放しようとする者に対しては厳しい姿勢で臨むことを宣言、またすべての民族主義団体に対し、“スペインのファシスト達と戦うため”に協力を惜しまないと述べた。

アンダルシア党議員、マルベジャ市長リコール支持続行

PA(アンダルシア党)が党の方針としてマルベジャ市長フリアン・ムニョス氏のリコール支持を取り下げると先週の火曜日に発表したものの、PA選出3議員は、GIL(独立自由団体)離脱8議員、PSOE追放3議員と共に、ムニョス市長リコール後の市政組織について話し合いを続けている。
PSOEを除名処分となったイサベル・ガルシア・マルコス元広報官は、リコール成立後の動きについて「まず、市の財政状態を明らかにすることから始めるつもりです。これまで、常に我々が要求してきたにも関わらず、この市の財政状態の情報開示はなされておらず、不透明な状態です。市営31団体の財政チェックを皮切りに、我々は透明な市政を目指します。」と述べている。

さらに70人のスペイン兵、イラクに向け出発

防衛省の発表によると、イラクのアル・カディシヤに派遣されるバレンシアとマドリッドの兵士70人を乗せたボーイング707機が今朝、マドリッドのトレホン・デ・アルドス基地からクウェートに向け飛び立ったという。
一方、スペインと中米の兵士により構成される部隊“プルス・ウルトラ”の指揮官であるアルフレド・カルドナ将軍は昨日、ホンジュラスとエル・サルバドールからの部隊が駐屯しているアン・ナヤフのアメリカ海兵隊駐屯地を訪問、付近の状況について報告を受けた後、ヘリコプターでナヤフ市とその近郊を視察した。また、アメリカ海兵隊の市民−兵士間のコーディネーターは、カルドナ将軍と地域の政治的、宗教的リーダーとの会談を設定するための準備を始めている。
すでにイラクに派遣されている兵士は、1300人のスペイン兵用の施設建設を引き続き行っており、すでに500人分がディワニヤに完成しているほか、彼らはこれまでにクウェートと結ばれる幹線道路の偵察、物資輸送団の護衛などの任務を遂行しており、核、生物、化学兵器防衛ユニットは基地周辺を調査、爆弾2つを発見、解除した。

週末のスポーツの結果

ラリー:フィンランド・ラリーでスペインのカルロス・サインス選手が4位でゴール。総合成績2位は維持しているが、1位のリチャード・バーンズとの差が5ポイントに広がった。


8月8日(金)

ジローナの山火事で2500人が避難

カタルニャ州で昨日の午後2時過ぎ、新たな山火事が発生した。山火事が起こったのはジローナ県マサネッ・デ・ラ・セルバで、この火事によりバルセロナ−ジローナ間の鉄道が運行停止、道路が通行止めになり、およそ100ヘクタールの森林が焼失した。火災発生現場の近くでは子供向けのサマーキャンプが開かれており、このキャンプの参加者と近くの住宅地の住民あわせて2450人が避難した。
消火活動にはカタルニャ州政府消防団35部隊、飛行機、ヘリコプター11台が出動し、火は午後7時45分ほぼ鎮火、避難勧告を受けていた2450人は午後8時頃から自宅、またはキャンプ場に戻り始めた。

PP、タマヨ氏とともに州議会法改正に反対票

昨日、マドリッド州議会の常任理事会が開かれた。すべての政党により10日前にすでに、全ての市町村行政で施行されている離党者対策を州政府でも適用する合意に達していたが、PSOEはこれを実行に移そうと、州議会法改正審議のための臨時会議招集を提案。しかし、PPがタマヨ氏とともに反対に投票し、提案は否決された。PSOEはPPが10日前の合意を破ったとして非難しているが、PP側は「改正は必要であるが、急いで行われるものではない」と述べている。
州議会法改正が否決されたため、PSOE所属議員として選出されたものの、州議会議長選挙欠席によりPSOEを除名処分になったエドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員は、除名後新しく立ち上げた政党グルポ・ミスト所属のままとなり、グルポ・ミストは、3ヶ月で12万ユーロの補助金受給、他の政党と同等の権利を有することになる。

偽の爆破予告

バスク州政府内務局が発表したところによると、昨夜9時45分、エル・コレオ紙にETAの名前でドゥランゴのマグダレ−ナ広場にあるエウスカルテル社の前に設置した車両爆弾が30分後に爆発すると予告する電話があり、警察は広場を立ち入り禁止にしたが、午後12時ごろ、警察が持ち主と連絡を取ることに成功、この車が偽のナンバープレートをつけていないことを確認。車内にも爆弾がみつからなかったため、マグダレーナ広場の立ち入り禁止は12時15分、解除された。
11時5分にデイア紙にも電話があり、ドゥランゴのエスクルディ広場にあるPNV(バスク民族党)の事務所近くに車両爆弾を設置したとの予告があったが、最初の予告電話と違って車種を明確にしなかったため、警察ではいたずらと見なしているが、付近の住民は避難、広場は立ち入り禁止付近にされ、駐車されている車の捜査が行われている。


8月7日(木)

工事中のAVEのトンネルで火災、5時間後に34人を救出

マドリッド−バジャドリッドを通るAVEの建設が進められているが、昨日の午後3時過ぎ、この路線のグアダラマ山脈(セゴビア県)を貫通する工事中のトンネルで火災が発生した。火災が発生したのは、北入り口から1キロの地点で、従業員のシフト交代のため掘削地点に向かう途中の列車が脱線、炎上した。運転手がすぐに消火器で火を消そうとしたが火は消えず、その後通報を受けた消防車が現場に急行し、火はただちに消し止められた。
しかし、消火後、トンネル内に閉じ込められた34人の救出作業が難航。火災現場から従業員の閉じ込められている場所までの3キロは煙が立ち込め、酸素ボンベなしでは中に入れない状態にもかかわらず、セゴビアの消防署には3キロの距離を往復できる酸素ボンベが備えられていなかった。このため、レオンとマドリッドからヘリコプター3台で酸素ボンベを搬送、火災発生からボンベの到着まで4時間を要した。酸素ボンベの到着を受けた後、シフト交代に使われる列車に消防士が乗り込んで従業員の閉じ込められている場所に向かい、およそ30分後、全員無傷で救出された。火災の原因はいまだ解明されていない。
政府が国会に提出した報告書によると、今年に入って最初の4ヶ月に鉄道工事で起きた事故は277件で、うち4件が死亡事故。最も事故の多いのは、マドリッド−バルセロナ間のAVE建設工事で、今年に入って130件の事故が報告されている。

PPマドリッド支部長、調査委員会に虚偽の供述

エドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員の議長選挙欠席後、土地開発がらみの汚職疑惑がもたれている件で、水曜日、マドリッド州議会調査委員会に出頭したPPマドリッド支部長リカルド・ロメロ・デ・テハダ氏が虚偽の供述を行っていたことがラジオ局カデナ・セールの調査により明らかになった。
調査委員会で、元PP所属地方議員で現在はコピー会社を経営するフェルナンド・サンチェス・ラサロ氏について質問を受けた際、ロメロ・デ・テハダ氏は「友人で、牧畜関係の事業で関係がある」と述べるにとどめていたが、調査の結果、ラサロ氏の会社に“財務顧問”として無期限雇用契約で雇われ、毎月1200ユーロの給料を受け、この会社がロメロ・デ・テハダ氏の社会保険も納入していること、ラサロ氏が兄弟で経営しているおよそ20の会社の中に不動産会社も含まれていることが判明した。
これに対し、ロメロ・デ・テハダ氏は「忘れていた」とコメント、調査委員会の社労党広報官モデスト・ノエジャ氏は「普通の人間は、あなたが誰から給料をもらっているのか覚えていないという発言を信じることはできませんよ。」と反論した。
フェルナンド・サンチェス・ラサロ氏は、ロメロ・デ・テハダ氏が従業員となっているコピー会社がマドリッド市役所から市場相場をはるかに上回る金額で契約を受注した件で1996年に取り調べを受けている。

炭坑に閉じ込められていた2人、2日後に無事救出

レオン県ラ・グランハ・デ・サン・ビセンテのアルバレス炭坑で火曜日の午前9時過ぎに起きた土砂崩れにより炭坑内部に閉じ込められた2人の従業員オスカル・フェルナンデスさん(32歳)とエルデル・フランシスコ・マグロさん(42歳)が今朝10時15分、無事救出された。やつれてはいるものの、50時間以上飲まず食わずだったにもかかわらず、2人の健康状態は良好で、2人は歩いて炭坑から出て、待ち受けていた350人に歓声で迎えられた。
2人を救出するための事故現場に平行するトンネルを掘る作業が15〜20人のグループにわかれて交代制で行われており、閉じ込められた2人は坑内の鉄パイプを叩いて、生存中である知らせを仲間に送っていた。二次災害を防ぐため、土砂を撤去する作業は1時間に1メートルというゆっくりとしたペースで慎重に進められ、土砂崩れの後、脱出することができた8人の従業員とともに、この炭坑の経営会社社長も作業に参加していた。
事故の原因はいまだに不明。炭坑の安全設備が不十分なため起きた事故なのか、避けようのない事故だったのかの調査がこれから行われる。


8月6日(水)

PA、マルベジャ市長リコール要求支持を撤回

PA(アンダルシア党)中央執行部はマルベジャとマラガの責任者たちを集め昨日、マラガで緊急会議を開き、先週木曜日にリコール要求に署名したときから状況が変わったことを理由に、PAの党の方針としてリコール要求支持を取りやめることを決定した。PSOE(社労党)とアンダルシア自治州連立政府を構成しているPAは、PSOEがリコール要求に署名した自党の市議会議員を即刻除名処分にするというリコール不支持の厳しい姿勢を取って以来、リコール支持取り下げの姿勢を見せていたが、これが昨日ようやく公に発表された。
PAは、今後はPSOE、PPと対話を重ねながら、マルベジャ市役所に代替連立政権を擁立する道を模索すると述べているが、PA(3人)、PP(4人)、PSOE(2人)と27人の市議を抱えるマルベジャ市で政権擁立に必要な14票にはほど遠い状態。

失業者数27,177人減少

全国のINEM(国立職業安定局)に7月に登録されている失業者の数が前月比で27,177人減少し、これにより失業者数の数は1,573,495人となった。しかし、前年同月比では失業者数は25,046人多く、労働力人口における失業率は8.39%。
失業者数の減少はこれで6ヶ月連続となったが、減少が顕著に見られるのは男性労働者に対してで、女性の失業率は引き続き男性の2倍(12.49%)となっている。さらに、契約内容を見ると、無期限契約を結んだ人の数は全体の7.37%に過ぎず、2000年8月以来最も低い数字となっており、一方の一時契約が全体の92.6%を占めている。スペインでは30.6%の人々が一時契約で就労しており、欧州連合内平均(11%)の3倍にもなるこの一時雇用の多さが、現在スペイン労働市場の最大の問題で、欧州委員会、スペイン銀行を始めとする各機関がこの状況に警鐘を鳴らしている。

山火事の原因、わずか3割が自然現象

先週末にスペインで多発した山火事のうち、落雷が原因だったものは3割に過ぎないという。これは、昨日国立気象協会の調査結果が発表になり明らかになったもので、ウエルバ県とバダホス南部以外に週末に落雷があったところはなかったという。国立気象協会で12年間雷の観測に携わっているペレス・プエブラ氏によると、先週の土曜日にスペイン南部で観測された落雷はおよそ1200件で、これがシエラ・モレナでの山火事の原因となった可能性はかなり高いという。
バレンシア・デ・アルカンタラ(カセレス県)、エル・テハド(アビラ県)の山火事はコントロールされたが、ブルゴス県シエラ・デ・テスラでは住民200人が避難。シウダ・レアルでは、消火活動に参加していた49歳の消防団員が帰宅後死亡。死因は心臓発作と見られている。

暑さによる死者12人に

スペインのほぼ全域で見られている真夏日は今後数日間続きそうである上、ガリシア、ナバラ、アラゴン、ラ・リオハ州でもこれから40度を超える日になるとの予報が出ている中、先週の木曜日からの猛暑による死者の数が12人となった。セビジャとコルドバの病院には熱中症による入院患者があと5人、シウダ・レアルに1人入院中でいずれも重体。
気象庁の天気予報中央センターによると、アンダルシア、エクストレマドゥラ州では気温が42度を超えるところもあり、海からの風があるため、気温自体は上がらないバレンシア州内陸部でも蒸し暑い一日となるという。
すでにコルドバ(45.8度)、セビジャ(45.2度)、バダホス(44.4度)、マドリッド(40.6度)、バジャドリッド(38.6度)の各地で8月の最高気温の気象庁記録が塗り替えられたという。昨年同時期より平均して3度気温が高くなっている地中海岸ではクラゲが発生しやすくなっており、海水浴客に対し、注意が呼びかけられている。


8月5日(火)

マルベジャ汚職疑惑、現職、元市長とも召喚

マラガ検察局は、マルベジャ市現職市長フリアン・ムニョス氏、元市長ヘスス・ヒル氏の2名を金曜日に事情聴取のため、召喚することを決定した。両氏は先週の土曜日にテレシンコのある番組に出演、互いに贈賄、公金横領、職権濫用、土地法違反、背任の罪で非難しあっており、マラガ県検察局のアントニオ・モラレス主任判事はこれらの件について両氏を尋問する予定。また、マラガ県検察局は、マルベジャ市に対し、14市議会議員中8人が署名したリコール要求書類の提出を求めている。
今回の尋問により、今後、すでに審理の開始されている裁判との関連も予想されることから、マラガ検察局では調査が長期化すると見ている。マラガ検察局は、ヒル氏に対し、別のいくつかの嫌疑で捜査を進めている中央汚職検事局と協力する予定。
ムニョス氏は昨日、テレシンコでの出来事は「まるで見世物のようだった」としながらも、「マルベジャ市民がテレビによってコントロールされ、誤った情報を信じないために、出演は必要であった」と述べている。ムニョス氏は、土曜日の自身の振る舞いが「模範的ではなかった」とし、ラ・トリブナ紙に市民に宛てた手紙を掲載、市民に謝罪している。

山火事各地で続く

雨が降らず気温の高い日が続く上、風向きが頻繁に変わるため、スペイン各地では山火事の被害が引き続いている。アビラ県フンシアナ、カサス・デ・ラ・ベガ付近で発生していた山火事は昨日、サラマンカ県エル・テハドにまで勢力範囲を伸ばした。火災地域は60〜80キロの範囲にわたり、周辺地域の住民に避難勧告が出された。火災地域は煙が立ち込め、消火活動にあたっている飛行機の視界が悪く効果的な消火活動が出来ていない状況で、この火災の完全鎮火には数日を要すると見られている。
昨夜の時点でカセレス県バレンシア・デ・アルカンタラの火災はいまだに猛威を振るっていた。この火災により、国鉄マドリッド−リスボン、メリダ−カセレス、プエルト・ジャノ−メリダの路線が被害を受け、列車の乗客は代替バスでこの区間を移動した。ウエルバ県アルモナステル・ラ・レアルの火災では、火は完全に消し止められていはいないが、すでにコントロール下に置かれている。しかし、風向きの変化で、火が煽られ、新たな火災の発生する可能性が充分あり、予断を許さない状況。
週末から立て続けにスペイン各地で発生した山火事による焼失面積はすでに2万ユーロに達しており、これは、今年に入って7ヶ月間で焼失した面積に匹敵する。

妻を殺し、娘と姑を刺した男、逮捕

テネリフェ島のマタンサ・デ・アセンテホで日曜日、今年44人めのドメスティック・バイオレンス犠牲者が出た。1ヶ月前から別居中の妻カンデラリア・パディジャ・ガルシアさん(37歳)が17ヶ所刺されて亡くなり、止めに入ったカンデラリアさんの母と18歳の長女も腕に切り傷を負った。犯人のフェルナンド・マヌエル・ルカス・バティスタ容疑者(37歳)は、叫び声を聞いた隣人の通報により、犯行の数分後に現場で逮捕された。
亡くなったパディジャさんの家族によると、警察に届けは出していなかったが、パディジャさんは、夫からのドメスティック・バイオレンスに苦しんでおり、1ヶ月前に子供を連れて家出したものの、保護先のアパートを夫に突き止められ、実家に移り住んでいたという。
マタンサ・デ・アセンテホでは木曜日まで聖サルバドールの祭りが開かれる予定であったが、事態を重く見た市役所では祭りを中止した。カナリア州女性協会のノエリア・ガルシア会長は、ドメスティック・バイオレンスを“家庭内テロ”と定義。各政党に対し、夫または恋人の手により命を落とす人の数を減らすため、刑法改正を早急に進めるよう要求した。


8月4日(月)

スペインとポルトガルで大規模の山火事

気温の上昇にともなってスペイン各地で山火事の被害が相次いでいる。昨日は特にエクストレマドゥラ州で多くの人々が避難を余儀なくされ、防衛省は同州内の3件の火事の鎮火のため、陸空軍を出動させ、軍人40人と消火用飛行機4機、ヘリコプター1機も消火活動にあたっている。隣国ポルトガルでも山火事が発生しており、少なくとも9人が死亡、15000ヘクタールが焼失している。
カスティジャ・ラ・マンチャではシウダ・レアル件のサセルエラで土曜の午後山火事が発生、昨日の午後の時点ではまだ鎮火されていなかったこの火事で7000ヘクタールが焼失。うち2000〜3000ヘクタールはオリーブ畑。この地域は鳥類特別保護区で、絶滅の危機にあるクロハゲワシのヨーロッパ有数の生息地でもある。また、一昨日クエンカ県ブエンディアで発生し、グアダラハラ県にまで広がった火事は鎮火、しかし再発の危険性があるため、近くのヌエバ・シエラ・デ・マドリッドの住民は昨日の午後も自宅に帰ることができなかった。
アンダルシア州では、先週の金曜にウエルバ県アルモナステル・ラ・レアルで発生した山火事が1640ヘクタールを焼き、この夏最大の被害となった。現在のところ、火はシエラ・デ・アラセナ・ピコス・デ・アロチェ自然公園までは到達していない。

熱波により少なくとも7人死亡(アンダルシア)

アンダルシア保健局関係者によると、木曜日からの熱波の影響でアンダルシア州でこれまでに少なくと7人が死亡、8人目が現在検死結果待ちだという。最も被害の大きいコルドバ、セビジャのほか、マドリッドでも機能は16人が失神、脱水症状により手当を受けた。
気温の上昇により最も影響を受けるのは呼吸器、心臓系の持病のある70歳以上のお年よりだが、小児、中年にも被害の出ることがある。熱中症にかからないためには、水をたくさん摂り、果物、野菜の摂取をこころがけ、日なたに長時間いない注意が必要。風通しのよい服を着用し、気温が最も高くなる正午から午後5時までの間は運動をさけるよう保健局では呼びかけている。

フエルテベントゥラ島でインドとアフガニスタンからの密入国者を逮捕

治安警備隊は昨日、インド人19人とアフガニスタン人2人の計21人のアジアからの密入国者と、手引き者と見られるモロッコ人2人の乗ったボートをカナリアス諸島フエルテベントゥラ島沖で発見、波の高いこの日、治安警備隊は危険を避けるため上陸を待った。21人は上陸後治安警備隊員の姿を見て逃亡を試みたが、長旅による疲労で逃げ切れず、治安警備隊は全員を逮捕した。逮捕者の供述から、彼らが自分の国を出てからモロッコに到着するまでにおよそ1.5〜2ヶ月かかっていることが判明している。カナリアス諸島でアジア系密入国者が逮捕されたのは今年で3度目。通常密入国を企てるのはモロッコ、モーリタニア、サハラ砂漠周辺諸国出身者がほとんど。昨日はその他にグラナダで36人の密入国者が逮捕されている。

休暇ラッシュ開始日からの交通事故死者数42人

木曜日の午後3時にDGT(交通総合局)が事故防止特別体制に入ってから昨日の深夜までの間に、交通事故で命を落とした人の数は42人にのぼる。DGT関係者の発表によると、最後の24時間で発生した死亡事故は13件、これらの事故で亡くなった人は17人で13人が重傷、11人が軽傷を負ったという。

週末のスポーツの結果

F−1:ドイツGP、スペインのフェルナンド・アロンソ選手は4位。現在総合成績で6位につけている。
テニス:セゴビアで行われたエル・エスピナル・トーナメントで、6-2、7-6でチェコのトマス・ジブ選手を破って、スペインのラファエル・ナダル選手(17歳)がATPツアー初優勝を飾った。


8月1日(金)

会計監査院、AVE工事契約を監査

会計監査院がマドリッド−バルセロナを結ぶAVEの工事に関し、2001年までにGIF(鉄道敷設局)が結ばんだ契約の監査を行った結果、監査した契約73のうち63の契約に不履行があったことが判明した。
不履行の内容は、工事開始の遅れ、工事の中止、契約の延期、契約内容の変更などで、工事開始が遅れた36件の理由は土地の買収が済んでいなかったため。これによる工事の遅延は平均4.6ヶ月(0.9〜13.9ヶ月)。工事が延期になった74件、契約内容が変更になった57件では、延期の理由がGIFにより明らかにされていないものが多いという。
契約内容通りに工事が運んでおらず、工事必要経費も当初の見積り額を大幅にオーバーしているこの路線では、マドリッド−ジェイダ間の開通がすでに7ヶ月遅れており、今回の会計監査院の監査報告書では、工事を遅らせる原因の多くはGIFの責任外であるとしながらも、同時に他の多くの原因がGIFの全面的責任であることを指摘、「遅延の原因は迅速に対応していれば防げることのできたものが多い」としており、会計監査院は「的確な工事計画により、この遅延は防げた」との結論に達している。

休暇ラッシュ始まる

昨日の午後3時からDGT(交通総合局)では特別体制を敷いて、事故防止にあたっている。8月3日(日)までに移動すると見られるのはおよそ850万人。1年で最も交通渋滞の起きる時がやってきた。今日の午前8時の時点ですでに全国各地の高速道路でノロノロ運転、渋滞が見られた。

マルベジャ市長に不信任案

マルベジャ市市会議員のうち、PSOE(社労党)とPA(アンダルシア党)所属の全員、GIL(独立自由団体)の8人が今朝、フリアン・ムニョス市長に対し、不信任案を提出、辞任を要求した。
マルベジャ市議会は27人の議員からなり、15人がGIL、5人がPSOE、4人がPP(国民党)、3人がアンダルシア党所属。16人という人数は市で決められている必要人数を超えるもので、この16人はフリアン・ムニョス氏の後任として、元市長のマリソル・ジャグエ女史を推している。

猛暑により50人が手当(マドリッド)

昨日は、首都で気温が40度を超え、暑さでダウンした人の救急車への通報は午前9時から午後7時の間44件にのぼった。うち15件が午後6時半から午後7時の間の通報で、患者の多くは気分が悪くなった人で、その他2人が失神、3人が脱水症状を起こしている。
その他、昨日ビセンテ・カルデロン・スタジアムで行われたエホバの証人の集会でも暑さのため6人が手当を受け、うち2人は病院に運ばれた。




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