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10月31日(金)

カタルニャ州選挙、選挙運動開始

11月16日のカタルニャ州選挙の選挙運動が今日午前0時に公式に開始となった。各政党の知事立候補者は次のとおり。
Pasqual Maragall−PSC(カタルニャ社会党)党首。1941年バルセロナ生まれ。元バルセロナ市長。知事選立候補は2度目。
Artur Mas−CiU(カタルニャ連合)書記長。1956年バルセロナ生まれ。知事選立候補は初めて。
Josep Pique−PPカタルニャ代表。1955年ビラノバ・イ・ジェルトゥ(バルセロナ県)生まれ。前科学技術省大臣。知事選立候補は初めて。
Josep Lluis Carod Rovira−ERC(カタルニャ左翼共和党)書記長。1952年カンブリス(タラゴナ県)生まれ。2度目の立候補。
Joan Saura-ICV(カタルニャ緑の党)代表。1950年バルセロナ生まれ。初立候補。

1980年代半ばから90年代前半にかけて独立過半数を維持していたCiUだが、以降カタルニャ州内での勢力は年々弱まっており、前回選挙ではプジョール氏知事就任のため、州議会でのPP(国民党)との連立政権を余儀なくされた。現在、カタルニャ州議会は右翼グループ対左翼グループの2つにはっきりとわかれており、議席数(総数135)はそれぞれ68(CiU56議席、PP12議席)と67(PSC50議席、ERC12議席、ICV5議席)。CiUが民族主義的傾向を強める中、カタルニャ人であると同時にスペイン人でもあると感じる有権者が穏健な左翼政党であるERCに流れる傾向が見られている上、前回選挙でCiUがPPと連立政権を組んだことは、CiU支持者の間に不評で、23年続いたジョルディ・プジョール・現職知事主導の後継者、マス氏にとっては厳しい選挙が予想されている。現在のところ世論調査の結果では、2〜4ポイント差でPSCがCiUをリードしているが、接戦となることは必至。

来年度の全国の祝日発表

労働局が発表したところによると、来年、2004年の全国の祝日は8日。この8日は、1月1日(新年)、1月6日(主顕節)、4月9日(聖金曜日)、5月1日(メーデー)、10月12日(イスパニア・デー)、12月6日(憲法記念日)、12月8日(無原罪の聖母の受胎記念日)と12月25日で、カンタブリア、カタルニャ、バレンシア州以外では4月8日(聖木曜日)も祝日扱い。

フェレロ選手、世界ランキング1位の座転落

パリで行われているマスターズ・シリーズで、ベスト8進出をかけてチェコのジリ・ノバク選手と対戦したスペインのフアン・カルロス・フェレロ選手が7-5、7-5で破れた一方、アメリカのアンディ・ロディック選手がスペインのトミー・ロブレド選手に6-3、6-4で勝ったことにより、ロディック選手がATP世界ランキング1位となった。フェレロ選手はランキング1位の座を、先月8日の全米オープン決勝進出(しかし、ロディック選手に敗れ準優勝に終わる)時に獲得していた。


10月30日(木)

ユーロ圏、経済成長率“期待はずれ”

昨日欧州委員会は、今年のユーロ圏経済成長率を0.4%と発表。ユーロ導入から3年連続で“期待外れ”の結果となることがわかった。昨日発表されたユーロ圏経済状況は以下のとおり。
継続的頭打ち:2001年以来ユーロ圏全域で経済成長が頭打ちとなっている。今年はイラク戦争に加え、不安定な石油価格の影響、将来賃金と年金への不安、不活発な株式取引、企業の経済再建計画などが重なり、投資を手控える傾向となった。
経済大国の成長鈍化:ドイツは今年経済成長率ゼロ、フランスは0.1%、イタリアは0.3%とユーロ圏内経済大国の成長が鈍化している。オランダ、ポルトガルも今年の経済成長率はそれぞれ0.9%、0.8%で、この全般的鈍化の傾向から外れている国はスペイン(2.3%)、ギリシャ(4.1%)のみ。
失業者数の増加:ギリシャ、スペイン、イタリアをのぞくユーロ圏内の国々では軒並み失業者数が増加。来年もドイツ、フランス、ポルトガル、オランダでは厳しい状況が予測されており、現在の就業率は、2005年までをメドに掲げられた就業率67%の目標達成には遠い62.5%にとどまっている。
国家赤字:ベルギー以外のすべての国は、国家予算収支決算結果が前年より悪化している。最悪のドイツとフランスは、安定条約の3%枠を守れずGDP4.2%の赤字、イタリア、オランダ、ポルトガルもこの枠すれすれの数字を出すと見られており、ギリシャ、アイルランド、ルクセルブルグ、オーストリアは1.75%以下となる予想。今年度の予算収支決算で赤字を出さない国はスペイン、ベルギー、フィンランドのみ。しかし、2005年にはさらに状況は悪化することが予想されており、ドイツ、フランスのほか、イタリア、ポルトガルが安定条約3%枠を越えると見られる。
欧州委員会経済問題委員のペドロ・ソルベス氏は「企業、消費者間に信頼感の回復が見られることなどを例に挙げ、最悪の事態は過ぎたとの兆候が見られる」と楽観的な見通しを発表。ソルベス氏によると、ユーロ圏の経済状態は“ゆっくりだが着実”に改善されており、来年度は1.8%、2005年度には2.3%の成長が予想されているという。しかしながら、アメリカの成長率(今年度2.8%、来年度3.8%)は大きく下回っており、ソルベス氏は「さらなる構造改革が必要である。」と述べた。
スペインの今年度の成長率は2.3%。来年度は2.9%が予想されており、安定した経済成長を続けているという評価が出た一方で、欧州委員会では、スペインの住居の値段の高騰を危惧している。

マドリッド市来年度予算26.2%の増収

マドリッド市役所の来年度の予算案が発表となった。これによると、2003年度の収入3,471,730,153ユーロから来年度は26.2%の増収が見込まれている。
所得税、固定資産税などからなる直接税からの収入はホセ・マリア・アルバレス・デル・マンサノ前市長(PP所属)政権の2003年度予算では8.06億ユーロだったのに対し、アルベルト・ルイス-ガジャルドン新市長(PP所属)の2004年度予算では9.933億ユーロと21%の増加、また消費税、アルコール税、タバコ税、ガソリン税などの間接税からの収入は2003年度が1.49億ユーロ、来年度は1.93億ユーロと29.5%の増加、さらに市役所手数料(レッカー車移動費用など)は3.16億ユーロから3.95億ユーロへ25%増加する。
このほか、交通規則違反の罰金からも増収が見込まれており、前市長時代には2280万ユーロだったのが、5千万ユーロへ増加、またレッカー車移動手数料による収入も750万ユーロ見込まれている。
ルイス-ガジャルドン新市長の大幅な増税政策は、これまでのアルバレス・デル・マンサノ市長の政策と対極をなす。2002年から2003年の増税率は直接税が5.2%、間接税が10.8%、市役所手数料が0.3%だった。

ラウル・ロペス選手、念願のNBAデビュー

昨日のユタ・ジャズ対ポートランド・トレイルブレイザーズで、パウ・ガソルに続くスペイン人NBA選手となったガードのラウル・ロペス選手が念願のNBAデビューを果たした。
名ガード、ジョン・ストックトン選手引退後のチームの現在のスタメンガードはプエルトリコ人ガードのカルロス・アロジョ選手。ジェリー・スローン・コーチはこのアロジョ選手を休ませるため、代わりにロペス選手が第2クォーターに出場し6分間プレイした。ロペス選手の記録は、3アシスト、1リバウンド、1ターンオーバー、1ファウル。


10月29日(水)

マレマグヌム事件、3被告に懲役13年の判決

2002年、バルセロナの娯楽集合施設マレマグヌムで、エクアドル人のウィルソン・パチェコ氏がディスコの店員から暴行を受けた後、海に投げ込まれ死亡した事件の判決が昨日下された。検察側から要求されていた“人種差別による犯行”との見方は却下、しかし丸腰のパチェコ氏に対し警棒を持った3人で暴行を加えた“優勢による犯行”であったことを判事は認め、殺人の罪で保安責任者のアントニオ・フェルナンデス・キンコセス、ガードマンのジェイムス・アングラダ、マリアノ・ロメロの3被告に対しそれぞれ懲役13年が言い渡された上、パチェコ氏の未亡人に96,789.30ユーロ、息子それぞれに40,328.62ユーロ、母親に8,065.72ユーロの賠償金の支払いが命じられた。
この事件は、2002年1月27日、ディスコ“カイピリニャ”へのパチェコ氏とその従兄弟、義弟の入店をガードマンが拒んだことが発端で起こったもので、暴行の様子はマレマグヌムの防犯カメラに詳細に記録されていた。弁護側の「殺意はなかった」という申し立てに対し、判事は「殺意がなかったとしても、ひどい暴行を加えた後で海に放り込めばどういう結末になるかは容易に想像できたはずである」としている。弁護側は上訴する意向。

2003年度予算は黒字

クリストバル・モントロ大蔵大臣は昨日、2004年度国家予算案審議において、2003年度予算がGDP(国内総生産)0.5%、35億ユーロの黒字計上となり、これを国債返済に充てることを発表した。
これに対し、PSOE(社労党)は、「“社会的負債”があり、我々がEU内での発展度で後方につけているうちは喜べる内容のニュースではない。」と反論、「予算案は月並みな内容で、スペイン企業の生産性、競争力を向上させる、住宅を手に入れやすい環境を整えるなど、スペイン社会が抱える問題に対し、何らの解決策も示していない。また、科学技術分野への予算が、防衛費に食い潰されている。」と述べ、サパテロ書記長は、今日の予算案審議での自党PSOEの反対票投票を表明した。この8年で初めてCiU(カタルニャ連合)も予算案を承認しないことを表明しているが、来年度予算案は与党PP(国民党)とCC(カナリアス同盟)の票により承認される見通し。

アラバ県議会、“イバレチェ・プラン”訴状を提出

PP(国民党)が過半数を占めているアラバ県議会は、先週の土曜日にバスク州政府が、パイス・バスコの政治憲章改編案“プラン・イバレチェ”を承認したことに対し、パイス・バスコ最高裁判所に訴状を提出した。県議会は、パイス・バスコ州内3県に全面的な影響を及ぼす内容の決定であるにも関わらず、事前に県議会への知らせがなかったこと、また政治憲章の改編は憲法の一部変更にもなり、バスク州政府にはこの権限がないことを法的根拠に訴えを起こしたもので、通常の手順どおりであれば、裁判所は今後1〜2ヶ月の間に審議を行い、年内にはこの訴えを棄却するかどうかの決定が下される。
パイス・バスコ最高裁が訴えを認めた場合は、1〜2年で判決が出る見込みで、棄却された場合、県議会では憲法裁判所への提訴を予定している。


10月28日(火)

ピカソ美術館オープン

パブロ・ルイス-ピカソの死後30年、生誕地マラガにピカソ美術館がオープンした。昨日の開館式典には国王夫妻、マヌエル・チャベス・アンダルシア州知事のほか、3人の子供マヤ、クロード、パロマさんを含むピカソの遺族35人が出席した。美術館は、ピカソの生家のすぐそばにあるルネッサンス様式のブエナビスタ宮殿を中心とし、別館も含めると8300uの広さ。
オープン最初の展示“El Picasso de los Picassos”は、ピカソの息子の未亡人である陶芸家クリスティーヌ・ルイス-ピカソさんと孫のベルナールさんからの寄贈と貸与による美術館の所蔵作品204点の中からの75点と、ペルナールさんからの貸与作品40点で構成されており、ピカソの家族に焦点を当てたものとなっている。
1年間にわたり行われる予定のこの展示作品の中には、ピカソの古典主義時代のモデルとして有名で、息子ポール(1921〜1975)の母であるオルガ・コクロヴァを描いた“Olga Kokhlova con mantilla”(1917)、“La maternidad”(1922)のほかにも、娘マヤの母親マリー・テレーズ・ウォルターを描いた“Retrato de mujer con cuello verde”(1938)、クロードとパロマの母親フランソワ-ズ・ジロを描いた“Mujer en un sillon”(1946)、1936年から1943年にかけてピカソの恋人だった写真家ドラ・マールがモデルとなっている“Busto de mujer con los brazos detras de la cabeza”(1939)、最後の妻ジャクリーヌ・ロックを描いた“Jacqueline sentada”(1954)など、ピカソが愛した女性達の肖像画が多く展示されている。
昨日までは、ピカソ美術館としては、バルセロナとパリにあるものが有名であった。バルセロナのピカソ美術館は1963年にオープン。ピカソの友人で私設秘書でもあったジャウメ・サバルテス氏がピカソ本人の協力のもとに開館したもので、現在の所属作品数はおよそ3500点。中世の屋敷5棟を利用した美術館のフロア総面積は10,600uで、ピカソの初期作品を知るためには不可欠の美術館となっている。
一方、パリのピカソ美術館は、画家の死後、相続税の支払いにあたってフランス政府の手に渡った絵画、彫刻、陶器などの作品にジャクリーヌ・ロックさんの娘からの寄贈を加えた、およそ3500点が所蔵されており、1985年にオープンしている。

ペドロ・ドゥケ飛行士、地球に帰還

スペイン人宇宙飛行士ペドロ・ドゥケ氏は今日、ロシア人ユーリ・マレンチェンコ飛行士、アメリカ人エドワード・ルー飛行士と共に無事、ISS(国際宇宙ステーション)からカザフスタンに着陸した。3人の飛行士を乗せたソユースTMA-2は、予定着陸地点であったアルタリク市近郊の草原に予定時刻に着陸、3人は衛星電話で常にアスタナ基地と連絡をとっていたため、軍人150人と医師団が参加し、軍用ヘリコプター11機、飛行機3機を使って行われた着陸宇宙船の発見は難航せず、発見後3人は、ヘリコプターでアスタナ基地に移送された。この後、3人は飛行機でモスクワのトレーニングセンターに飛行機で向かう予定。着陸までの間、3人は、着陸後医師の診察を受けたが、3人とも健康状態は良好だという。
ペドロ・ドゥケ飛行士にとって今回は2度目の宇宙滞在にあたり、10日間にわたる滞在中、生物学、生理学、技術の分野の20以上の実験をこなしている。

暴発事故で死亡の軍曹の遺体搬送明日に延期

手入れをしていた同僚の武器の暴発事故により日曜日の午後、派遣先のイラクのディワニヤで亡くなったルイス・プガ・ガンダル軍曹(29歳)の遺体の搬送は今日の午前10時にビゴのペイナドール空港に到着する予定だった。その後死体解剖が行われ、ポンテベドラ県ラ・ブリラで告別式が行われ、明日埋葬される予定だったが、軍用機エルクレスC-130の故障により到着が24時間遅れると、防衛省から発表があった。
故障は、バグダッド到着前に経由したクウェートで見つかったもので、この修理のために昨夜遅くサラゴサ基地からエルクレスAla31がクウェートに向かったという。


10月27日(月)

マドリッド州再選挙、PPが過半数獲得

2議員の議長選挙欠席により議会が解散されたマドリッド州議会の再選挙が昨日行われた。投票率は前回(69.3%)を下回る64.02%(史上3番目の低さ)で、111議席中、与党PP(国民党)が5月25日の前回選挙から2議席増やして過半数の57議席を獲得、PSOE(社労党)は2議席減らし45議席、IU(統一左翼)は前回と同じ9議席という結果となり、PPのエスペランサ・アギレ女史が史上初の女性州知事に就任することが決まった。アギレ女史の州知事就任が確実となったのは、94%開票時(午後11時)という伯仲した内容の選挙であった。
州議会は11月12日水曜日に始動し、15日以内に議長候補が選ばれ、就任演説は遅くても11月30日か12月6日に行われる予定だが、ルイス・ガジャルドン現職議長は記者会見で11月21日または22日なるとの見解を示している。
アギレ女史の主な公約は以下のとおり:
1.治安の改善のためのパトロール警官増員−国家警察から2500人、地方警察から3000人の警官を動員した“特別部隊”を編成し、街頭パトロールにあたらせる。
2.病院の建設−マハダオンダのプエルタ・デ・イエロ病院の工事を終了させ、アルコベンダス、バジェカス、アランフエス、パルラ、アルガンダとコレドール・デ・エナレスの6地区に新たに病院を建設するが、目的は増床ではなく、一部屋あたり2床以上の病室をなくすこと。また、アギレ女史は2年経っても外科手術待ちが30日以上であれば辞任すると約束している。
3.60.2キロの地下鉄の建設−3年半で60.2キロの地下鉄を新たに建設し、北のアルコベンダスとサン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス、東のコスラダとサン・フェルナンド、西のボアディジャとポスエロに地下鉄を開通させるほか、ビジャベルデ、ラ・エリパ、アラメダ・デ・オスナ、ピナール・デル・レイ、ピナール・デ・チャマルティン、カラバンチェル・アルトに新たな地下鉄駅を建設する。
4.79000軒の賃貸マンション−若者が対象の、10年以上住めば買い取りもできる低家賃賃貸マンションを79000軒建設する。購入する際には、それまでの期間支払った家賃がマンション最終価格から差し引かれる。
5.バイリンガル学校の建設−住民5万人あたりに1校、英語とスペイン語でのバイリンガル教育を施す学校を建設するほか、保育所にあらたに5万人の受け入れ枠を作り、生徒10人につき1台のパソコンを各学校に設置する。

タマヨ氏の政党、議席獲得ならず

今回再選挙が行われる原因となった6月10日にマドリッド州議会議長選挙を欠席した2人エドゥアルド・タマヨ氏、マリア・テレサ・サエス女史(PSOEから除名)が新しく立ち上げた政党“Nuevo Socialismo(新社会主義)”の得票数は、100%開票後6221票(0.23%)で、議席獲得はならなかった。“保安上の理由”から、予定より1時間早く昨日、チャンベリ地区の投票所に姿を現したタマヨ氏には、野次と罵声が浴びせ掛けられた。

イバレチェ・プラン、パイス・バスコ州政府で承認

ゲルニカ憲章制定24周年記念の先週の土曜日、バスク州政府執行部は“イバレチェ・プラン”を承認した。9月26日にフアン・ホセ・イバレチェ・バスク州知事が州議会で発表したこの提案は、ゲルニカ憲章を改定し、バスク州にさらなる自治権を与え、パイス・バスコをスペインの関係を“自由連盟”にする新憲章制定を呼びかけるもの。この中には、独自の司法機関の設置、バスク国籍の認定、バスク社会保険組織の設立などが含まれ、最終決定は住民投票によって行われる予定。
しかしこの案には、アラバ県議会が昨日、パイス・バスコ最高裁判所に州政府執行部を緊急に提訴することを発表したほか、ナバラ州も反対を表明している。

週末のスポーツの結果

ゴルフ:マドリッド・オープン最終日の昨日、14アンダーで優勝したのはアルゼンチンのリカルド・ゴンサレス選手。スペインのセルヒオ・ガルシア選手は6位、フェルナンド・カスタニョ選手は10位。
ラリー:スペインで行われていたカタルニャ・ラリー、総合優勝が期待されているスペインのカルロス・サインツ選手(シトロエン・チーム)はマシンの故障により7位に終わり、総合成績1位の座には、この日フランスのジル・パニッツィ選手(プジョー・チーム)に次いで2位でゴールしたセバスティアン・ローブ選手(シトロエン・チーム)と同点で並ぶこととなった。最終戦のグレートブリテン・ラリーは11月7日から9日にかけて行われる。


10月24日(金)

マドリッド州議会選挙まで2日

2議員の投票欠席により、議会解散となったマドリッド州議会の再選挙が今週の日曜日に行われる。もともと、マドリッド州はPP(国民党)への支持が根強い土地柄であることから、棄権する人数が増えると結果がPPへ有利に働くと見られている。専門家は、前回5月25日の選挙時(69.27%)と同程度の投票率であった場合はPSOE(社労党)とIU(統一左翼)の連立政権が今度こそ樹立されるが、逆にそれより低く、60%前後であればPPが勝つと予想。前回選挙よりも暗くなる時間が早くなっていることもあり、投票率が下がる可能性が高いと専門家は見ている。これまでの最低投票率記録は1991年の58.8%。
選挙運動最終日の今日、PPはカサ・デ・カンポのロッコドロモで集会を開き、アスナル首相、ラホイ書記長、ルイス・ガジャルドン・マドリッド市長、ラト第一副首相も応援に駆けつける。一方、PSOE(社労党)はレガネス市のラ・クビエルタでおよそ1.1万人参加の集会。サパテロ書記長も出席するほか、IU(統一左翼)はマドリッド市アルガンスエラ区の植物公園で集会を行う。

アストゥリアス皇太子賞、今日オビエドで授賞式

今日、オビエドで開かれる2003年度アストゥリアス皇太子賞の授賞式を前に、昨日は受賞者たちが様々なイベントに参加した。モロッコのファティマ・メルニッシ女史とともにアストゥリアス皇太子文学賞を受賞したアメリカのスーザン・ソンタグ女史は、ヒホンで講演会を開き、会場は800人の聴衆で満員となった。また、芸術賞受賞者のミケル・バルセロ氏は、オビエドで開かれている自身の展覧会に皇太子と赴いた後、大学で講演を行った。その他の受賞者は下記のとおり:
社会科学賞:ユルゲン・ハーバーマース氏(ドイツ人哲学者)
国際協力賞:ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏(ブラジル大統領)
コミュニケーションとヒューマニティー賞:グスタボ・グティエレス・メリノ氏(ペルー人神学者)、リシャルド・カプシチンスキ氏(ポーランド人ジャーナリスト)
スポーツ賞:ツール・ド・フランス
博愛賞:ジョアン・キャサリン・ローリング(イギリス人児童文学者)
科学技術調査賞:ジェーン・グドール博士(イギリス人動物学者)

マラガにピカソ美術館開館

来週月曜日、パブロ・ルイス−ピカソ(1881〜1973)の生誕地であるマラガに、彼が自身の家族に贈った絵画204点を集めた美術館がオープンする。この美術館のオープンは、ピカソの息子ポールの未亡人、クリスティーヌ・ルイス−ピカソさんからの133点、ピカソの孫(ポールとクリスティーナの息子)ベルナールさんからの22点の寄付と10年間(延長可)にわたる49点の貸与により可能となったもので、この個人財産にはオークション会社ササビーが1.76億ユーロの値をつけている。
作品のほとんどはこれまで未公開またはほとんど公開されたことのないもので、彫刻、陶器のほか、キュービズムの素描作品も含まれている。
美術館はユダヤ人街にある16世紀に建てられたブエナビスタ宮殿を利用しており、年代順に作品を展示した常設展がここで開かれるほか、特別展の開かれる別館もあり、フロア総面積は8300平方メートルにのぼり、アンダルシア州政府は6600万ユーロを投資している。


10月23日(木)

イラク復興支援国会議、今日からマドリッドで開催

今日からマドリッドでイラク復興支援国会議が開かれ、59カ国と19の国際機関、200以上の企業から代表者が集まって、イラク復興のための支援金額について協議が行われる。
世界銀行は2007年までにイラクの復興に緊急に必要な金額を360億ドルと見積もっており、昨日今後5年間に30〜50億の拠出を発表したほか、現在のところ日本、イギリス、スペイン、欧州委員会が計30億ドルの拠出を決定している。しかし、イラク再建に関わる大口の契約はすでにアメリカの企業が受注してしまっていることから、今回の支援国会議開催に際しては強い不満の声も聞かれている。
昨日、アスナル首相はコフィ・アナン国連事務総長と会談、「これが終点ではなく、この会議は再建プロセスの始まりで、国際社会がイラク国民のために努力を行うことを願う」とコメントした。会議には5000人以上の警官が警備にあたる。

同性愛カップル3組、婚姻届を提出

昨日、マドリッドでゲイのカップル1組、レズビアンのカップル1組と、バレンシアでゲイのカップル1組がそれぞれ婚姻届を市役所に提出した。届けは受理されたものの、判事によって後に却下されることが見込まれており、FELGT(国立レズビアン・ゲイ・性転換者連盟)は憲法裁判所に提訴する予定。
3組は、同性愛者の婚姻の権利を要求するため、午後1時に婚姻届を提出。マドリッドでは、IU(統一左翼)とPSOE(社労党)のマドリッド市議会広報官、イネス・サバネス女史とトリニダ・ヒメネス女史が、バレンシアでもPSOEのカルメン・モントン女史、ラモン・カルドナ氏が証人として立会った。
左翼政党が同性愛カップルへの支持をはっきりと示しているものの、今年2月の投票時にも同性愛カップル婚姻の合法化に反対を投じた唯一の政党が与党PPであったことから見て、PP政権下では同性愛カップルの婚姻が認められる可能性はないに等しい。「カナダで最高裁が認めたように、スペインでも我々は行政ではなく司法に訴える意向です。」CIS(社会学調査センター)の調べでは、スペイン人の60%が同性愛カップルの婚姻に賛成を示しており、今後の市役所、裁判所の反応が注目される。

スペイン、コカインの消費EU第1位

欧州連合により10年前に創設されたEMCDDA(欧州薬物および薬物依存監視センター)の調査結果が昨日、ストラスブールで発表され、15歳から34歳対象で行われた調査の結果、最近12ヵ月以内にコカインを摂取した人の数が全体の4.6%と欧州連合加盟国にノルウェーを加えた調査対象国の中で最多だったことが判明した。2位はイギリスで4%だった。国民全体の割合で見た場合は、それぞれスペイン2.6%、イギリス2%とアメリカの1.9%を上回っていたことも判明している。スペインでコカインの摂取が多い原因の1つとしては、売値の安さが挙げられている。2001年スペインで1グラムあたりのコカインが47ユーロであったのに対し、ノルウェー、フィンランドでの値段は187ユーロだった。
EU全体でおよそ100万から150万の重度薬物中毒者がいると見られる中、スペインでは、うち34%がHIV陽性で、これもEU内で最多。
2000年にはEU内で8756人が薬物の過剰摂取により命を落としている。EMCDDA代表は、薬物を混ぜて摂取する傾向が強まっていること、若者の間での摂取が急増していることに強く懸念を示しているが、EU加盟国間に共通の対薬物政策はない。


10月22日(水)

エル・エヒド、外国人排斥の原因となった殺人犯に判決

アルメリア県裁判所は26歳のモロッコ人レスビル・ファヒム被告に対し、懲役11年10ヶ月の判決を言い渡した。ファヒム被告は2000年2月5日、アルメリア県エル・エヒドの露天市で買い物に来ていたエンカルナシオン・ロペスさんを刺殺した罪で犯行の数時間後に逮捕されたが、この事件の2週間前に別のマグレブ地域(チュニジア・アルジェリア・モロッコ三国の総称)出身者によって2人の農夫が残忍な殺され方をしていたことから、移民農業従事者の多いエル・エヒドでの外国人排斥の動きが一気に高まり、この年2月は市内で外国人所有の車が焼かれたり、移民に関連のある商店が襲われたりと、外国人排斥暴動の原因となった。
被告側弁護人アグスティン・ラサロ氏は、「犯行当時、被告が妄想を見ており、パラノイアの発作が起こっていたことは専門家により明らかにされているにもかかわらず、情状酌量がなかったのは不服だ」とし、最高裁判所に上告する考えを示している。検事局は、懲役15年、裁判所により責任能力なしと判断された場合は精神病院収容20年を求刑、原告側は懲役21年を求刑していたが、原告側弁護人のエミリオ・ルカス氏は責任能力ありの殺人と認めた判決に満足を示しながらも、懲役年数が不十分であるとの見解を述べている。

ヤコレフ42機、乗組員が酔っ払っていた可能性

5月26日にトルコのトラブゾンで墜落し、スペイン人兵士62人が犠牲となったヤコレフ42機の墜落原因調査委員会代表、トルコのウミット・センデック運輸大臣が、「ウクライナ人パイロットのうちの1人が酔っ払っていた可能性がある」と述べたと“エル・エラルド・デ・アラゴン”紙が報道し、大半の犠牲者の家族の弁護を務める弁護士も「乗組員1人とスチュワーデス1人の体内から国際飛行規定基準値を上回るアルコールが検出されたという確かな筋からの情報を得ている」と述べている中、スペイン防衛省は「そのような内容のいかなる公式発表も防衛省は受けていない」と検死結果の新しいデータは受け取っていないことを強調、事実調査のため、調査委員会スペイン代表のサンチェス・ボラジョ将軍が昨日トルコに派遣された。
事故機は墜落前に経由したアゼルバイジャンのマナス空港で予定を大きく上回る6時間を過ごしており、この間に乗務員が飲酒したという噂が絶えないが、犠牲者の検死がすでに夏前に終わっているにもかかわらず、13人の乗組員の検死結果はいまだに公式に発表されておらず、乗組員の体内から検出されたアルコール量をめぐる議論は当分続きそうである。

AVEの故障により最大3時間の遅れ

昨日、ジェイダとバルセロナの間で懸垂線の故障が起こったため、AVE路線を利用してマドリッドまで運行のアルタリア特急を含む16本に最大3時間の遅延が出た。
RENFEの発表によると、最初の故障が起きたのは午前7時45分で、この故障によりフネダとビラベルド間が4時間にわたって運休、午後にも修理の継続のため、再び一時運休となった。この間、乗客は代替バスを利用しての移動となった。
また、昨日カスコス勧業大臣はマドリッドとバレンシアを結ぶAVEの開通が2010年になるとの見通しを発表している。


10月21日(火)

ELN、誘拐したスペイン人青年を釈放すると発表

9月12日に7人の外国人と共にコロンビアのサンタマルタにあるネバダ山脈で誘拐されたギプスコア県出身のスペイン人、アシエル・ウエグンさん(29歳)を数日以内に釈放すると昨日、コロンビア第2のゲリラ組織ELN(コロンビア民族解放軍)が発表した。
釈放の理由についてELNは「我々と同じように政府に蹂躙されているパイス・バスクが民族自決と独立のために戦っていることへの共感の姿勢を示すため」としている。釈放にあたって、ELNはコロンビア・カトリック教会とバスク州政府の代表者、左翼よりのマスコミによる団体が釈放に居合わせることを要求しているが、バスク州政府は、何らかの行動を起こすのは、コロンビアのウリベ政権により唯一認められている交渉人であるカトリック教会と話し合ってからにしたいと述べている。

アラバ県、エウスカディからの脱退をイバレチェ知事に示唆

昨日、アラバ県県議会はバスク州の独立性を強めようとする“イバレチェ・プラン”へ反対することをPSE(バスク社会党)とPP(国民党)による賛成票26対PNV(バスク民族党)、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)、Unidad Alavesa(アラバ党)による反対票23で決議した。
この決議では「アラバ県とビスカヤ、ギプスコア県とを政治的に結びつけるものは、23年前に締結されたゲルニカ自治憲章であり、知事によるこの憲章の破棄は、自治州としてのバスク州の崩壊を意味する」とし、知事がイパレチェ・プランを推進すれば、アラバ県はバスク州から脱退すると表明した。

パロマレス海岸のプランクトン放射能汚染

1966年1月17日米軍の爆撃機と給油機が空中衝突、搭載されていた原子爆弾2個が爆発したアルメリア県パルマレス海岸でバルセロナ自治大学環境科学調査協会が調査を行い、海中のプランクトンが含む放射性物質プルトニウム、アメリシウムの量が地中海その他の地域に比べると5〜20倍であることがわかった。しかし、この放射能含有量はWHO(世界保健機構)が定めている範囲内である上、食物連鎖の結果、さらに大きな動物に摂取されるに従って汚染度は低くなるという。
爆発した2個の爆弾のうち1つは地上で爆発し、周囲2.3キロが放射能に汚染され事故後、アメリカ軍は1000立方メートル以上の土を回収している。現在のところ住民への影響は報告されていないが、大学では今後も状況を注意深く見守る必要があるとしている。


10月20日(月)

ナイル川クルーズ船火災で行方不明のスペイン人、遺体で発見

エジプト警察は、先週水曜日に炎上したナイル川クルーズ船“ケンピンスキー丸”の残骸から土曜日遺体を発見、在カイロ・スペイン大使館が写真と指紋を送ったところ、この遺体が行方不明となっていたスペイン人ホセ・ルイス・カルピオさんのものであることが、警察から大使館に口頭で伝えられた。正式な遺体送還手続きは書簡で身元確認が通達されてからになるが、大使館はすでにカルピオさんの遺族に連絡を取っている。
この火事は、イタリア人夫婦の船室でタバコの火が絨毯に燃え移ったことから起きたもので、乗客140人のうち94人がスペイン人だった。シウダッド・レアル県アルカサル・デ・サン・フアン出身のカルピオさん(34歳)はこの火事で唯一の犠牲者。このほか、カルピオさんの同行者だったハビエル・ブランコさんが重度の火傷を負い、ヘタフェ病院に入院しているほか、数人が軽い火傷を追ったが、残りのスペイン人はすべて金曜日に飛行機でスペインに戻っている。

マヌエル・バスケス・モンタルバン氏の遺体、今日スペイン到着

金曜日真夜中、シドニーからマドリッドに戻る途中、バンコクのドン・ムアン空港で心臓発作のために亡くなった作家のマヌエル・バスケス・モンタルバン氏(64歳)の棺は今日正午頃にもローマ、マドリッド経由でバルセロナに到着する予定。明日の午前中はバルセロナのコルセロラ墓地で密葬が行われ、午後7時半からバルセロナ大学講堂で表敬式典が行われる。
バスケス・モンタルバン氏は4週間にわたるオーストラリアとニュージーランドでの講演ツアーを終えたところで、持病の心臓病を持っていたものの、この4週間はいたって健康だったといい、文学界は突然の訃報にショックを受けた。
バスケス・モンタルバン氏の“刑事カルバリョ”シリーズは映画化、テレビドラマ化もされており、現在公開中の映画“El misterio Galindez”もバスケス・モンタルバン氏の作品からインスピレーションを得たもの。このシリーズは最新刊“Milenio”の出版が準備されている途中で、バスケス・モンタルバン氏は今回の旅行に最終チェックのため原稿を持って行っていた。1000ページにもわたるこの作品は上下巻にわけて予定通り、上巻来年1月、下巻3月に出版されるという。

ソユース、国際宇宙ステーションとドッキング

土曜日にスペイン人ペドロ・ドゥケ、ロシア人アレクサンドル・カレリ、アメリカ人マイケル・フォールの3宇宙飛行士を乗せてカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から発射された宇宙船ソユースTMA3は、モスクワ時間午前9時16分(スペイン時間7時16分)、ISS(国際宇宙ステーション)と無事ドッキングを終了した。
ペドロ・ドゥケ飛行士はスペイン科学技術省が1280万ユーロを投じた実験を10日間行った後、4月から6ヶ月間ISSに滞在していたロシア人、アメリカ人飛行士2人とともに10月28日、地球に帰還する。

週末のスポーツの結果

テニス:開催2年目を迎えたマドリッド・マスターズ・シリーズが終了。決勝戦はチリのニコラス・マッス選手対スペインのフアン・カルロス・フェレロ選手で行われ、3−6、4−6、3−6で現在世界ランク1位の貫禄を見せ付けて、フェレロ選手が世界ランク21位のマッス選手を下した。
ラリー:コルシカ島で行われたレースでスペインのカルロス・サインス選手(41歳)が2位でゴール。総合成績で1位だったイギリスのリチャード・バーンズ選手が8位に終わったため、サインス選手は2位に3ポイントの差をつけてトップに立った。過去に2度総合優勝の経験があるサインス選手が総合成績1位の座に就くのは1998年10月12日以来。残るレ−スは来週のカタルニャ・ラリーと11月7日から9日にかけて行われる最終戦イギリス・ラリー。


10月17日(金)

プレステージ号からの石油抜き取り模擬実験

およそ1.4万トンの石油を積載したまま、水深4000メートルの地点に昨年11月から沈んだままになっている石油タンカープレステージ号から石油を抜き取る作業が来春に予定されているが、これに先駆けてこの作業を担当することになったレプソル−YPF社の技術者が模擬実験を行い、その結果が昨日、政府により発表された。
実験では、今月1日、左舷にあるタンク1に直径70センチの穴をあけ、石油の流入量をコントロールするためのバルブが取り付けられた袋が設置された。この袋は石油流入量の増加にしたがって最大幅6.3メートル、長さ27メートルまで拡大するもので、一杯になると自然に海面に浮かび上がる仕組み。昨日の政府の発表によると、この袋の引き上げが昨日行われたが、引き上げ、輸送担当のドック・ワイズ・エンタープライズ丸に無事午後2時に引き上げられた袋は“引き上げ時の何らかの操作のミス”により6時間後に破れたという。船は袋から流出した石油を自船の貯蔵庫に収納したまま、フェロール港に入港している。

Egunkaria紙関係者新たに8人逮捕

今回の捜査は、3月の捜査で押収された3万点の書類、とパソコン100台を調べた結果、会計上の不正が見つかったためで、治安警備隊は8人の逮捕にあたり、14ヶ所を家宅捜査、多数の書類を押収している。治安警備隊の発表によると、1990年以降、Egunkaria社には出所が不明な1500万ユーロの収入があり、この収入を隠して同社は900万ユーロの補助金を得ていたという。Egunkaria社ではこの収入をごまかすため、虚偽の発行部数の申告をしており、その数は時に実際の発行部数の倍以上だったという。治安警備隊ではこの収入がETAがらみのもので、Egunkaria社はETAの資金洗浄を行っていたと見ている。

バルデベニャスのカップル殺人犯、もう1件の殺人事件を自白

恋人への暴力により逮捕された後、1993年6月20日にアンヘル・イバニェスさん(当時24歳)とサラ・ドトールさん(当時20歳)を殺害した犯人であることがわかったグスタボ・ロメロ・テルセロ容疑者(31歳)が警察の取り調べに対し、1998年6月25日に行方不明となったロサナ・マロト・キンタナさん(当時21歳)も殺害していたことを自白した。
容疑者の供述に従ってロサナさんが行方不明となった現場から4キロの地点にある井戸を捜索した結果、底から完全に白骨化した女性の遺体が見つかった。正確な鑑定結果は検死の結果を待たねばならないが、ほぼ間違いなく遺体はロサナさんのものであると見られる。ロメロ容疑者は、ロサナさんを車でひき殺した後、井戸に死体を捨てたと供述しており、現場近くで見つかったロサナさんのリュックサックに付着していた血液のDNA鑑定を行った結果、ロメロ容疑者のものと一致した。犯行の動機は関係者から明らかにされていない。

バレンシア州で大雨

昨日から続いている暴風雨の影響で、バレンシア州では各港が閉鎖、スクールバスは運休となっている。昨夜から特に目立った被害は出ていないが、カステジョン県ベニカルロでは県道340の地下道が50センチ浸水したほか、カステジョン県北部で大雨により一部の道路が一時的に通行止めとなった。
各地の降水量は、シェルトで1平方メートルあたり68リットル、べナサルで62リットル、カティで61リットル、海上の波は5メートルの高さに達した。


10月16日(木)

密入国者大量に到着、沿岸警備の強化をモロッコ政府に要求

アンダルシアとカナリアス両州で24時間で528人(アンダルシア州385人、カナリアス州143人)がボートによるスペインへの密入国を企て逮捕された。この中には妊婦8人、乳児3人、幼児6人が含まれている。今回の逮捕人数は2001年8月18日の記録567人に次ぐ記録。
一度にこれほどまでの人数が逮捕されたため、テネリフェ島では衣服、毛布が足りなくなり、赤十字社が住民からの寄付を募ったほど。スペインの外国・移民問題担当事務官イグナシオ・ゴンサレス氏はモロッコ政府に対し、「我々は密入国問題解決のためにあらゆる手段を講じているが、モロッコ政府に対してもこの問題解決への協力強化をここで改めて要求したい。本来これらのボートを逮捕しているのはモロッコ政府であるべきだ」とさらなる沿岸警備強化を強い姿勢で求めた。

バスク州議会、最高裁判決にあくまでも抵抗

昨日、バスク州議会代表者委員会は、PNV(バスク民族党)、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)の賛成票により、Sozialistas Abertzaleak(愛国社会主義同盟)解散命令執行を阻止するためのバスク州議会の5決議を最高裁が無効とした判決に対し、控訴することを決定した。PP(国民党)とPSE(バスク社会党)は反対票を投じている。
最高裁判所は数ヶ月前から様々な判決により前身がバタスナ党で現在はSozialistas Abertzaleakと名前を変えている州議会議員グループを解散させるよう州議会に対して要求してきているが、バスク州議会は昨日の決定で、あくまでも最高裁の判決に抵抗する姿勢をはっきりと示した。州議会議長のフアン・マリア・アトゥチャ氏は昨日、バスク州議会の自治権を侵害しているとし、最高裁を批判した。

ナイル川クルーズ船火事、スペイン人を含む外国人観光客負傷

スペイン時間今朝未明、およそ140人の外国人観光客を乗せてナイル川をクルーズしていた客船で火災が発生、少なくともスペイン人16人が負傷した。
火災が発生したのは、エズナの南およそ25キロの地点で、出火の原因はまだわかっていない。船にはカタルニャ、マドリッド、アンダルシア、アラゴン出身のスペイン人のほか、イタリア人とメキシコ人が載っていたという。怪我人は救急車で病院に運ばれ手当を受けたが命に別状はなく、死者は出ていない。

プラネタ賞にアントニオ・スカルメタ氏

スペイン語文学対象の賞の中で最も賞金金額の高い(60.1万ユーロ)プラネタ賞の発表が昨夜行われ、下馬評どおり、チリのアントニオ・スカルメタ氏(1940年アントファガスタ生まれ)が第52回の受賞者に輝いた。スカルメタ氏はマイケル・ラドフォード監督アカデミー賞作曲賞受賞映画『イル・ポスティーノ』の原作者で、チリで最も有名な作家の1人。受賞作品はマリア・トルネスのペンネームで執筆した“El baile de la victoria(勝利のダンス)”で、スカルメタ氏によると、この小説は“2人の男と1人の女が自らの感情に忠実であろうとすべてを投げ出す愛と友情の物語”だという。
バルセロナのパラウ・サン・ジョルディで開かれた晩餐会兼授賞式には、カタルニャ州知事、バルセロナ市長を始めとし、与党PPからも多数が出席した。次点にはガリシア出身のスサナ・フォルテスさん(1959年ポンテベドラ生まれ)がエバ・コルティソのペンネームで発表した“El amante albanes〈アルバニア人の恋人)”が選ばれている。


10月15日(水)

イラク派遣スペイン軍、初めて応戦

スペイン軍が駐屯しているディワニヤ基地から南へ30キロメートル、武器、車のブラックマーケットで知られる町アル・ハムザへの道路の検問所で昨日、1台の車がわき道に反れ、検問を回避しようとした。スペイン軍がこの車に停車を求めたところ、車に乗っていた男が発砲、これにスペイン・パトロール兵が応戦し、イラク人の男1人が腹部に銃弾を受け負傷、もう1人は逃亡した。スペイン兵士に負傷者は出ていない。スペイン防衛省では、これ以上の情報を開示することは拒否している。8月27日にスペイン軍のディワニヤ駐屯が始まって以来、スペイン兵が攻撃されたのはこれが初めて。

9月のIPC発表

INE(国立統計局)が昨日、9月のIPC(消費者物価指数)を発表した。食料品の大幅な値上りがあったにもかかわらず、夏の観光シーズンの終了と石油の値下の影響で、昨年9月からの12ヵ月間のインフレ率は前月比1%減の2.9%となっている。 食料品の値上がりがとくに顕著で、魚(2.9%)、野菜、豆類(2.7%)、羊肉(6.5%)、鶏肉(1.7%)、獣肉(8.8%)、果物(1%)など各食料品は軒並み値上がりしており、労働組合は政府に対し、食料品の値上がりに歯止めをかける対策を講じるよう求めている。一方、食料品価格管理会議で議長を務めている農業省事務次官のマヌエル・パチェコ氏は、農家からの買い上げ価格と市場価格に大きな差があることを認め、今後も調査を続けていくものの、「政府レベルで直接講じられる対策には限界がある」と述べている。
値上がり、値下がりしたそのほかの費用は以下の通り。
値上がり:教育費(前月比0.7%増、前年同月比5%増)、住居、薬品(前月比0.1%増、前年同月比それぞれ2.5、2.2%増)、衣服(前月比2.8%増、前年同月比3.9%増)
値下がり:娯楽費(前月比.6%減、前年同月比0.5%増)、ホテル、飲食費(前月比0.8%減、前年同月比3.9%増)、交通費(前月比0.1%減、前年同月比1.5%増)

電子メイル詐欺関与でナイジェリア人123人逮捕

電子メイルを使った詐欺が横行しているとの各国大使館からの注意を受け、昨日までにスペイン国家警察は123人のナイジェリア人をこの詐欺グループに関与していた罪で逮捕している。この詐欺は、特にアメリカとカナダを中心として世界中に電子メイルを送って行われていたもので、これまでに50万人以上が被害に遭い、被害総額は3000万ユーロを超えている。詐欺の手口は、電子メイル受取人にアフリカ、またはイラクに預けられている多額の資金を引き出すために必要なコミッションを受取人が負担すれば分け前を与えるというもの、電子メイル受取人は宝くじに当選したが、当選金を受け取るのに保管金、税金などを支払わなければならないとするもの、また被害者に米ドル札の詰まったアタッシュケースを見せ、特別な化学薬品で洗浄してからでないとこのドル札を流通させられないが、その高価な薬品代を負担してくれれば分け前を与えるというものの3つ。
123人は詐欺と不法滞在の罪で逮捕されており、首都マドリッドでの大掛かりな捜査と逮捕が今月8日と10日行われたほかにも、昨日はバルセロナ、サラマンカ、バレンシア、サラゴサでも逮捕者が出ている。警察では現金25万ユーロを押収したほか、60以上の銀行口座に預けられていた100万ユーロを凍結したほか、コンピューター30台、携帯電話50台、書類、偽造パスポート、偽造身分証明書なども押収している。ナイジェリア人たちは、ロクトリオ(主として海外に安く電話できるのが売りの公衆電話屋)を隠れ蓑にしていた。


10月14日(火)

漁船からコカイン8トンを押収

昨日セネガル船籍の漁船“South Sea”の船首に秘密の部屋があるのが見つかり、そこに隠されていたコカイン8トンが押収された。この船は、土曜日の午前中ポルトガル沖で逮捕、ポンテベドラ県ビラガルシア・デ・アロウサまで曳航された後、捜査を受けていたもので、警察の麻薬捜査特別チームはこのほか、31人を逮捕している。
この船はコロンビアのマフィアとガリシアの密輸団が共謀して、南アメリカから麻薬を運んでいたもので、輸送に2グループ、ヨーロッパ内での販売に2グループ、マネー-ロンダリングに1グループが関わっていた。逮捕された31人のうち、5人は漁船の乗組員(スペイン人1人、ウクライナ人1人、アルメニア人1人、セネガル人1人、ガンビア人1人)で、マドリッドでの2人のコロンビア人逮捕のほか残りは全員ア・コルニャ県とポンテベドラ県での逮捕だった。
昨日押収されたコカインを合わせると、今年に入ってスペインでの麻薬の押収量は38.227トンに上り、これまでの記録を上回っている。

老女2人が自宅で撲殺

日曜日の昼過ぎ、バルセロナ県ルビで、69歳と89歳の女性2人が自宅で殺害される事件が起きた。死亡したのは、ロセール・ルグニーさん(89歳)とその娘ロサ・マリア・ボラスさん(69歳)で、死体を発見したのは同居していたロサ・マリアさんの娘ネウスさんだった。2人は頭部を鈍器で殴られており、顔面は原形を留めない状態。しかし、自宅が盗難に遭った形跡はなく、警察ではあらゆる可能性を調べているものの、隣接する宝石店への強盗を企てた者の犯行である可能性が高いと見ている。
ネウスさんは午後4時に帰宅、午後2時にはロサ・マリアさんのもう一人の娘夫婦が来ていたことから、犯行はこの間の時間に行われた模様。隣接する宝石店はかつてはこの家の倉庫として使われていたが、両家の間の扉は何年も前に完全に塞がれている。
人口6万人のルビでは、警官の数が不足しており、市民の安全が確保されていないとし、2年前から市役所が国家警察官の増員を繰り返し要請していた。

トラック運転手、国境道路封鎖

高速道路のさらなる安全性、最長労働時間48時間制限などを求めて、7年連続でヨーロッパ、アフリカ、アメリカの65カ国のトラック運転手25万人が参加し、各国で国境道路封鎖が行われた。この道路封鎖により、ギプスコア県イルンで6キロ、ジロナ県ラ・ジョンケラで8キロのほか、ポルトガルとスペインの国境でも渋滞があったが、待ち時間10分ほどの小規模なものにとどまった。


10月13日(月)

イスパニア・デーの軍事パレード開催

イスパニア・デーの昨日、マドリッドでは毎年恒例の軍事パレードが行われ、国王夫妻、アメリカ訪問中のフェリペ皇太子を除く王族が見守る中、軍隊、治安警備隊から3000人が参加した。今年の新たな話題は、スペイン軍と共に多国籍軍“プルス・ウルトラ”を構成する中米4カ国(エル・サルバドル、ドミニカ共和国、ホンジュラス、ニカラグア)と、スペイン軍1300人が参加する師団を率いるポーランド、そして連合占領軍の指揮をとっているアメリカ合衆国の国旗が行進に掲げられたこと。これには、イラク派兵の反対した社労党、統一左翼から抗議の声が上がった。
  雨が時折ぱらつく中行われたパレードだったため、上空の視界は悪く、戦闘機50機が参加した空中でのパレードはあまりよく見えなかった。本来ならこの中での花形となっているはずだった、先週の木曜日にスペインに到着したばかりの空軍が購入した最新鋭戦闘機“スパニッシュ・ツイン001”は使用されている部品と同シリーズの欠陥が別の機械で見つかったため、飛行が見送られた。
この日、バルセロナでは市民団体反ファシスト主催のデモが行われ、“10月12日を祝うな。我々はファシズムに抵抗する”というプラカードを掲げ、およそ1000人が参加してサンツ地区からカタルニャ広場まで行進が行われた一方、モンジュイックの丘では毎年恒例の極右グル−プによる国旗表敬式典が行われ、300人が参加している。

ETA、運送会社駐車場に爆弾

昨日の午前5時20分、ギプスコア県イルンの駐車場に止められていたナバラの運送会社オジョキエギ社トラック2台に仕掛けられていた爆弾が爆発、この爆発により起きた火災で同社のトラック12台が焼けたが、怪我人はなかった。焼けたトラックは1台が15万ユーロ相当。
ETAの標的となったオジョキエギ社はスペインを代表する国際運送会社で、トラック1000台を所有し、フランス、ドイツ、イギリスに展開。2000年にもETAから要求された“革命税”の支払いを拒否したため、同様のテロを受けている。
また、治安警備隊の守護聖母の日である昨日、ビトリア県での式典に参加したパイス・バスコ・中央政府派遣官のエンリケ・ビジャール氏は、最近ETAが新たに革命税の要求の手紙を大量に送付しており、200人以上がこの手紙を受け取っていることを明らかにした。大半の人々はETAの脅迫に屈指ないという信念から、また一度支払いに応じると、ETAから資金源と見なされ、繰り返し資金調達源に利用されることから、支払いに応じない。ETAの資金繰りが苦しいのは、ETAが刑務所に収監されているメンバーに送っている毎月の仕送り額が数ヵ月前の3分の1減の100ユーロに落ちたことからも明らかになっている。

マドリッド‐ジェイダ間AVE運行開始

11日土曜日、マドリッド‐ジェイダを結ぶAVEが開通、マドリッド午前7時発の最初の電車は乗客189人を乗せて午前9時58分、予定通りの時刻にジェイダに到着、平均時速は175キロで一時最高速度時速200キロで走行した。RENFEはすでに30200枚の切符を売り上げており、2ヵ月前から前売り券が購入できるAVEの込み具合は平均71.2%だという。
しかし、初の上り列車は出発時刻が早かったこともあり、6時45分にサラゴサ駅から乗りこんだ乗客数はわずか24人。空席の目立つ出発となり、鳴り物入りでスタートしたAVEとしてはお寒い初日だった。

週末のスポーツの結果

自転車:カナダのハミルトンで行われていた自転車競技世界選手権最終日の昨日、スペイン選手が金、銀メダル獲得の快挙に輝いた。ゴールまで5キロの地点でスパートをかけたイゴール・アスタルロア選手(27歳)はそのままライバルたちを振り切って単独ゴール。それに続くイタリア、ベルギーの選手を中心とする集団内での激しい2位争いの結果、2位にはもう1人のスペイン人選手アレハンドロ・バルベルデ選手が入った。
バイク:マレーシアGPが行われ、125CCクラスでダニ・ペドロサ選手が優勝、総合成績2位のペルジーニ選手との得点差が64とさらに開き、総合優勝が確定した。ペドロサ選手は先週18歳になったばかり。250CCクラスではトニ・エリアス選手が優勝。26点差で総合成績2位につけている。また、フォンシ・ニエト選手も3位でゴールしたほか、モトGPクラスでセテ・ジベルナウ選手が2位でゴール。総合成績も2位。このクラスではイタリアのバレンティーノ・ロッシ選手が5度目の総合優勝を決めている。


10月10日(金)

デポル・サポーター殺害犯を逮捕

火曜日に国王杯の試合後サポーター同士の喧嘩に巻き込まれ31歳の男性が死亡した事件で警察は昨日、自首してきたガブリエル・ロドリゲス・ペレス容疑者(27歳)を逮捕した。
警察はデポルティボ・ラ・コルニャの過激派サポーターグループ“リアソル・ブルース”を捜査し始めて以来、ロドリゲス容疑者が犯行に関わった可能性があると見ていたが、警察が自宅に逮捕に向かったときは姿を消していた。その後警察の捜査網が狭まったのを見て、容疑者は自首したと見られる。
容疑者はフル・コンタクト武術の達人で、サンティアゴ県フォンティニャスの警察署に自首した後、調書が取られ、判事は留置所拘留を命じた。容疑者が加入していたサポーターグループ“リアソル・ブルース”は昨日、解散を発表している。

イスパニア・デーの軍事パレードのため、セントロ通行止め(マドリッド)

イスパニア・デーの軍事パレードが開催されるため、あさって日曜は、カステジャーナ大通り、パセオ・デ・レコレトス、パセオ・デ・プラド(カルロス5世広場まで)が通行止めになる。また、ゴヤ、ヘノバ、オルテガ・イ・ガセット、グラン・ビア、アルカラの各通りも通行止めで完全駐車禁止となる。通行禁止となるのは土曜日の午前5時から日曜日の午後2時半まで。軍事パレードは日曜日の12時に始まり、コロン広場に巨大スペイン国旗が掲揚される。国旗への敬意を表するために毎月最終水曜日に国旗を掲揚することの賛否をめぐる議論は、結局5月15日(サン・イシドロの日)、6月24日(国王の誕生日)、10月12日(イスパニア・デー)、12月6日(憲法記念日)だけに国旗を掲揚することで落ち着いている。

キング容疑者、黙秘権を行使

ロシア・バニンコフさん、殺害容疑者として逮捕されているイギリス人トニー・キング容疑者の調書作成のため、今日、担当のマリア・ヘスス・デル・リオ判事が午前9時半過ぎ、マラガ県のアラウリン・デ・ラ・トレ刑務所を訪れたが、キング容疑者は憲法で保障されている黙秘権を行使、調書作成は別の日に持ち越された。


10月9日(木)

史上最大のETA捜査で34人逮捕

2002年の12月19日にイボン・フェルナンデス・イラディ“ススペル”容疑者を逮捕した際に押収したリストにより、昨日スペインとフランス合同で350人の警官が動員され、ETAに対する史上最大の捜査が行われた。この結果、ETAに協力した容疑で34人(うち29人はスペインで逮捕)が逮捕された。
捜査は昨日未明3時から開始、パイス・バスコ、ナバラ、アラゴン各自治州とフランス南部の38ヶ所で家宅捜査が行われた。この捜査は昨年12月にススペル容疑者が逮捕(のち脱獄に成功)された際、フランス南部のアパートで押収された書類から得た情報に基づいて進められたもので、中央管区裁判所のガルソン判事昨日の捜査を含めてすでに3度の捜査を行っており、これまでに60人がテロ組織ETAへの協力容疑で逮捕されている。
アセベス内務大臣は「昨日の大量逮捕によって、ETA組織内での基盤の一部である徴兵部門がほぼ壊滅させられた。この再建にはかなりの時間がかかるだろう。」と述べた。

スペイン大使館付き武官、バグダッドで暗殺

在バグダッドスペイン大使館付き武官のホセ・アントニオ・ベルナル・ゴメス空軍一等軍曹が、今日自宅を出たところで狙撃され、死亡した。
事件を目撃した警官の話では、今日の現地時間午前8時(スペイン時間午前5時)頃、男4人が乗った外国ナンバーをつけた茶色のオペルが武官宅に到着。イスラム教聖職者らしき男が車から降り、武官の家のドアをノックした。家から出た武官はこの男と 二言三言言葉を交わした後、「NO、NO」と叫びながら軍曹が走りだし、その後車から残り3人の男が降り、「止まれ」とアラビア語で叫んだ。武官は家の玄関から30メートル離れた地点でうなじに銃弾を受けて倒れたという。男4人は狙撃後、すぐに車に乗って逃走したという。30代のベルナル・ゴメス軍曹は、イラク攻撃期間中もバグダッドに残ったスペイン大使館員2人のうちの1人だった。5月にイラク攻撃終結宣言が出された後イラクで亡くなったスペイン人の数は、8月19日の国連事務所テロの犠牲となったマヌエル・マルティン・オアール氏に続き2人目となった。

ダライ・ラマ、5度目の訪西

チベットの精神的リーダーであるダライ・ラマ氏が昨日マドリッドに到着したが、「単なる宗教指導者ではなく、国家の分裂を推進している政治亡命人物」とする中国政府からの強力な圧力により、スペインのいかなる政府機関もダライ・ラマ氏を受け入れていない中、ダライ・ラマ氏本人は「今回の訪問は政治的なものでは全くなく、平和と対話の推進が目的である」と述べている。
ダライ・ラマ氏の講演を企画した21世紀クラブ、FRIDE協会共に、中国大使館からの圧力を受けたことを認めているが、前回4回の訪問ではマドリッド入りすら許可されなかったラマ氏は、今回の訪問に「スペイン政府の姿勢の変化が見られる」と述べた。ダライ・ラマ氏の訪西を企画したCAT(チベット支援委員会)のカルロス・ムンディ氏は、ダライ・ラマ氏がスペインを訪れることを書簡で外務大臣、首相府、マドリッド市長、スペイン王家、マドリッド州知事候補のエスペランサ・アギレ女史とラファエル・シマンカス氏、社労党のサパテロ書記長に知らせたが、誰からも返事がなかったという。今日は、マドリッドのアウディトリオホテルでダライ・ラマ氏の講演が開かれる。


10月8日(水)

正式開通を前にAVEのプロモーション運行

乗客を乗せての正式開通を土曜日に控えたマドリッド-サラゴサ-ジェイダを結ぶAVEのマスコミ向けプロモーション運行が昨日行われた。昨日はグアダラハラ県ハドラケで一時的に電圧が下がり、2分間の停車があっただけで、マドリッドとジェイダ間の上り、下り線(各線の乗客およそ170人)とも予定通り2時間40分で終着駅に到着した。運行平均時速は171キロで、新しい安全システムRTMSが機能し、時速350キロでの運行が可能になるまでにはおよそ1年かかると見られる。また、この路線用に発注されている車両シーメンス社のICEとタルゴ社のBombardierもまだで、現在はAlstom車両(マドリッドからジェイダまで運行)とAltaria車両(マドリッドからバルセロナまで運行)が使用されている。
金曜日には国王夫妻の試乗が予定されているため、昨日のプロモーション運行は上空に治安警備隊のヘリコプター1台、飛行機2台が飛び、警護リハーサルが行われた。
サラゴサ駅新駅舎の工事とジェイダ駅の改装工事は終了しているが、ジェイダ新駅舎の完成は2005年まで待たねばならない。そのほかの問題としては、すでに現在でも許容量を越えているマドリッド、アトチャ駅の駐車場問題がある。RENFEは新たに400台が駐車できるスペースを作ったが、この駐車場は駅入り口から500メートル離れているため、スーツケースを持っての移動は困難。さらに、新しいAVE路線では携帯電話アンテナ敷設がまだ行われておらず、マドリッド−バルセロナを結ぶ空の便プエンテ・アエレオにはない、“携帯電話が使用できる”という利点も活用できるようになるまでにはあと最低6ヶ月はかかる見込み。
これらの問題にもかかわらず、すでにこの路線の切符は14000枚売れているという。マスコミ対象のプロモーション運行は今日、明日も行われる。

国王杯観戦のサポーター衝突で死者1名

昨日、サンティアゴ・デ・コンポステラで行われた国王杯の試合コンポステラ対デポルティボで過激派サポーター同士の衝突があり、31歳の男性1人が死亡した。
サン・ラサロ・スタジアムの観客数はわずか4000人で観客席の3分の1しか埋まらない状態。これが、サポーター同士の衝突を容易にした。両チームの過激派ファングループはスタジアムの真反対に集められていたが、試合中から緊迫した空気が続き、1−0でデポルティボが勝った後、コンポステラのサポーターがデポルティボのサポーターの方に向かった。デポルティボのサポーターたちは、スタジアムのイスをもぎ取ってコンポステラのサポーターに応戦、警察の介入により騒ぎは収まったかに見えたが、その後スタジアムの外で再び喧嘩となり、またしても警察が介入、少なくとも6人が逮捕された。
この騒ぎの中、男性1人が倒れるのを見たガードマンが救急車に通報、男性は病院に運ばれたが、全身に打撲を受けており、1時間半後に亡くなった。詳しい死因は検死の結果を待たないと明らかにはならないが、病院関係者は、肝臓に受けた打撲が原因だと見ている。男性は結婚しており、2児の父。
昨日は、バレンシア対カステジョンの試合でも、試合中にバレンシアのサポーターが、バレンシアにペナルティを出した審判に携帯電話のバッテリーを投げ、審判が額を切る怪我を負っている。この後次々にスタンドからピッチに物が投げ込まれ、1対1で進んでいた試合は、6分を残し中止となった。ペナルティからの試合の続きを行う日程はまだ決まっていない。

“憲法の父”集まる「いかなる憲法改正も合意のもとに」

昨日、憲法制定25周年式典の一環として、政府の招待により、アビラ県のナバレドンダ・デ・グレドスのパラドールに1978年のスペイン憲法の草案者7人のうちホセ・ペドロ・ペレス-ジョルカ、ミゲル・エレロ、ロドリゲス・デ・ミニョン、ガブリエル・シスネロス、グレゴリオ・ペセス-バルバ、マヌエル・フラガ、ミケル・ロカ各氏の6人が集まった。ジョルディ・ソレ・トゥラ氏は健康上の理由により欠席。
6人は「憲法のいかなる改正も、制定時と同じように大多数または満場一致の合意のもとによって行われるべきである」との共同声明を発表、PNV(バスク民族党)を除くすべての主要政党(国民党、社労党、統一左翼、カタルニャ連合、カナリアス同盟)がこれを支持した。1978年には憲法承認投票で棄権しているPNVは、式典への招待にも応じていない。
グレドスのパラドールは25年前の2月、憲法草案の最後の詰めが行われた場所で、声明発表は12月6日の憲法記念日の国会での特別式典で終わる憲法制定25周年式典行事の一つとして行われた。


10月7日(火)

ダリ・イヤー始まる

来年がスペインを代表する芸術家の1人サルバドール・ダリの生誕100周年にあたることから、昨日国王夫妻出席のもと、ダリ・イヤー開催記念晩餐会が開かれた。ダリ・イヤー期間中には15の特別展覧会を始め、様々な催し物がスペインのみならず世界規模で開かれるが、スペインのみならず、世界のコレクションから集められた150点の作品によりダリの作風を時代ごとに展示する生誕100周年記念展覧会は、スペイン国内では開かれず、2004年9月からベネツィアのPalazzo Grassiで、その後2005年2月からアメリカのフィラデルフィア美術館で開催される。また11月にはプラネタ出版社よりダリの著作全集が発行される。
ダリ・イヤー、その他の主な催し物は以下の通り。
バルセロナ:展覧会『Dali. Cultura de masas(ダリ。造形の文化)』、展覧会『Dali. Afinidades electivas(ダリ。選択的類似性)』ダリが与えた文学的、美学的影響について、『Dali-Gaudi』ガウディの再評価に対するダリの貢献について、『Dali&Lorca』ダリとロルカの友情について、『El Manifesto Marillo』、ダリが製作に参加した映画、影響を受けた映画の上映、記念コンサート等
マドリッド:展覧会『Dali. Cultura de masas(ダリ。造形の文化)』、ダリの舞台装置を使った『ドン・フアン・テノリオ』公演、シンポジウム
フィゲラス:写真を中心としたダリの少年時代についての展覧会
カダケス:素描の展覧会
アンプルダン城(プボール):『ドン・キホーテ』の挿絵展
ペララダ(ジローナ):ダリの舞台装置と衣装を使ったバレーとオペラの公演(7月のペララダ・フェスティバルにて)
ブルゴス:ダリの舞台装置を使った『ドン・フアン・テノリオ』公演
バジャドリッド:ダリの舞台装置を使った『ドン・フアン・テノリオ』公演
セントピーターズバーグ(フロリダ):展覧会『Dali. Cultura de masas(ダリ。造形の文化)』
ロッテルダム(オランダ):展覧会『Dali. Cultura de masas(ダリ。造形の文化)』
ペルピニャン(フランス):ダリとレコードに関した展示

ダリ・イヤー最初の行事として今日は、バルセロナで国際講演会が開かれる

サンドラ・パロさん殺害事件裁判

今年5月17日に、サンドラ・パロさん(当時22歳)の殺害に関わった4人のうち未成年者3人の裁判が昨日開かれた。この事件は、4人がサンドラさんを車に乗せ、レガネス市の空き地に連れて行き、そこでサンドラさんを強姦した後、車で轢き、まだ息のあるサンドラさんに火をつけ焼死させたもので、容疑を認めた3人のうち17歳の2人に対しては懲役8年、保護観察処分5年、14歳の1人には懲役4年、保護観察処分3年が宣告された。もう1人は21歳で成人であるため、裁判は別に行われる。
17歳の少年2人に言い渡された刑は2001年から施行されている少年刑事責任法での最も重い刑であるが、昨日も裁判所の前で、被害者の家族と友人は、未成年に対し、さらなる刑事責任を取らせるよう法改正を求める署名運動を続けた。署名は国会での法改正案立案に必要な60万人分を超えたという。

“エクスタシー”摂取で3人重体

昨日の午前9時半頃、道路に3人の男性が倒れていると通報があった。チャンベリ地区にあるアフターアワーディスコ(午前6時に開店)に救急車が駆けつけると、麻薬(エクスタシーとケタミン)を過剰摂取した29歳から31歳の3人の男性が、道路で意識を失って倒れていた。この麻薬はそれぞれ興奮作用と鎮静作用を持つもので、2人は運び込まれた病院で昏睡状態に陥り、低体温症を併発、一時は命が危ぶまれていた。もう1人はイギリス人で、同様に集中治療室に運ばれたが昨日の午後に意識を取り戻した。
現場のディスコには警察が急行し、コカインと見られる包みを押収、また液状エクスタシーも見つかったが、逮捕者は出ていない。このディスコに対しては住民からの苦情も多数出ており、何度も警察の捜査対象になり麻薬売買が見つかっていたが、閉店命令が出されるたびオーナーが会社の名前を変えていたため、閉店させることができていなかった。


10月6日(月)

サラゴサで国家水路計画反対集会

サラゴサのピラール広場で初めて40万人の反対集会が開かれて4年、昨日同じ場所で改めて政府の推進するPHN(国家水路計画)に反対を表明する集会が開かれ、アラゴン州知事、アラゴン州内3県都市長を始めとし、労働組合、農業組合、環境団体や一般市民が参加、エブロ川の水をムルシア、バレンシア州に流す水路建設にきっぱりとNOを示した。
今月16、17日にはブリュッセルで欧州議会環境委員会技術者が主催する会合が開かれ、スペイン環境省、環境団体、アラゴン政府関係者が招待されているが、これに対し、招待されていないバレンシア州とムルシア州(水路計画に賛成)が抗議、今週環境委員との会合を持つことになっている。スペイン政府は工事の開始を2004年の1月から3月の間とすでに発表しているが、この工事が欧州議会の資金援助を受けられるかどうかはまだ決まっていない。

8千メートル超の高山登頂回数世界記録樹立

昨日、アラバ県出身ビトリア市在住のフアン・オイアルサバルさん(47歳)が、ネパール・ヒマラヤのチョー・オユー(8201メートル)の登頂に成功、8000メートル超クラスの高山登頂回数20回で、シェルパのアング・リタさんを1回上回る登頂回数世界記録保持者となった。
1986年にイタリアのラインホルト・メスナーさんが成し遂げた14大高山登頂記録ではすでに1999年に達成しているフアン・オイアルサバル“フアニート”さんの次の登山は、来年春のK2征服50周年記念登頂の予定。

ピラールさん大集合、ギネス新記録達成(マドリッド)

マドリッドの北、エル・パルド−フエンカラル地区で発行されている地域新聞Vaguada.net紙の主催で、バリオ・デ・ピラールにマリア・デル・ピラールさんが集合、これまでのギネスブックの同名集合人数記録122人(オーストラリアのシャーリーさん)を塗り替える449人のピラールさんが集まった。最年少は生後8日、最年長は91歳で、いずれも賞品を獲得した。また、フリアン・デル・ピラールさんという名の男性として唯一の参加者もあった。
この日はピラールの聖母を守護聖人とするサラゴサの民族舞踊が披露されたほか、スポンサーからの賞品抽選会があり、集まった人々にコシド(煮込み料理)も振舞われた。登録開始は11時からだったが予想を大きく上回る参加者の数に主催者側の対応が間に合わず、パソコン1台で登録が出来たのは449人まで。実際にはさらに多くのピラールさんが集まっており、登録の順番を巡って諍いが起こる一幕もあった。

週末のスポーツの結果

ラリー:イタリアのサン・レモで行われたレースでスペインのカルロス・サインス選手は4位入賞。総合成績では3位につけており、1位との得点差は4ポイント。この先残るコルシカ、カタルーニャ、イギリスでの3レースに望みをつないだ。
バイク:日本GP、125CCクラスでエクトール・バルベラ選手が16歳にして優勝、250CCクラスでもトニ・エリアス選手が優勝したほか、モトGPクラスでセテ・ジベルナウ選手が4位に入った。


10月3日(金)

西独首脳会談、将来のEU構想の食い違い解決せず

明日からローマで開かれるEU政府間協議を前に、昨日ドイツのシュレーダー首相とアスナル首相が会談し、EUの将来をめぐる両国の意見の違いが改めて確認された。シュレーダー首相は、シラク・フランス大統領と共に人口を基準として投票権を割り与え、多数決で採決を取る方法への変換を提案している一方、アスナル首相は、スペインのEU内での影響力を保持するため、ニース条約で決められた現在の投票権数に固執している。両国首相はこの10ヶ月間言葉を交わしておらず、ここ数週間はマスコミを通しての互いへの攻撃が続いていた。
スペインとドイツの投票権数の振り分けへの意見は食い違ったままだが、シュレーダー首相は政府間協議での審議されるEU憲法案でもドイツが引き続きEU内で最も分担金を支払う国となっていることから、ドイツ政府が必ずしも憲法案に満足しているわけではないことを表明。しかしながら、ヨーロッパ憲法の承認は1月までに行われるべきだとの見解を示した。アスナル首相は、ニース条約は、EU拡大を前提として各国政府が政治的合意に達した結果であるのだから、これを尊重すべきであるとの見解を崩していない。

AVEの線路近くの新たな穴出現に地質学者が警鐘(サラゴサ)

マドリッドとジェイダを結ぶAVEの線路から650メートル離れた農地で直径8メートル深さ15メートルの穴が見つかった。アラゴン地質学者会会長ホアキン・ラオス氏は、この穴の突然の出現は異例だとしながらも、サラゴサ付近でこの1年半にすでに同様の大きさの穴が5つ見つかっていることを指摘。今後もフエンテス・デ・エブロからサラゴサの間のAVEの線路近くまたは線路下で地面の突然の陥没により穴が開く可能性があると述べ、「私も私の家族もAVEには乗らないだろう」という発言まで飛び出した。
昨日の午後、カスコス勧業大臣は「スペインの技術者のレベルはヨーロッパ一に匹敵し、そのスペインの技術者の誇りである」と答え、AVE工事の直接の責任機関であるGIF(鉄道敷設局)も「実際にはAVE路線には全く何の影響も及ぼしていないにもかかわらず、このような情報が定期的に流され、不公正にAVE工事が非難されるのは嘆かわしいことだ」とコメントしている。
しかし、この地域に関しては、すでにサラゴサ大学を始めとする幾つかの研究機関が報告書を作成しており、その中で、サラゴサ付近は“石膏と粘土の地盤であるため、雨水による深い地盤沈下が起こりやすい。地盤沈下は雨水や地下水が地下粘土を溶かし、地表が耐え切れなくなったときに、突然起こり、深い穴が出来る。地盤沈下が起こりやすい地域についてはすでに把握されているが、地震と同じでいつ起こるかを予測することはできない。”と報告されている。

国会で外国人法改正案承認

すでに政府とPSOE(社労党)の間で合意に達していた外国人法改正案が昨日、国会で95%の支持を受け、承認された。外国人法が改正されるのはPP(国民党)政権となってから3度目。承認決議は賛成が254票、反対または棄権が14票で、CiU(カタルニャ連合)は同党のいくつかの修正案が上院で承認されることに希望を残した。この改正案が変更なしに上院で承認されれば新しい法案は来年1月から施行されることになる。
IU(統一左翼)がすでにスペインにいる60万人に対し“レグラリサシオン”(すでにスペインに合法的でなく居住している人々の居住を合法化する特別措置)を求めていたが、今度の法改正では不法移民へのこの特別措置は行われない。また、外国人の入国管理が厳しくなり、ビザを居住許可とすることによって、在諸外国スペイン大使館、領事館が密入国防止の最初の防壁となる上、合法的居住外国人家族への居住許可が制限され、航空会社のデータ、市役所の住民登録への警察からのアクセスが容易になる。


10月2日(木)

バスク州議会のバタスナ党解散命令拒否合意決議は無効

バスク州議会執行委員会が元バタスナ党で現在はSotialista Abertzaleak(愛国社会主義同盟)と名前を変えている議員グループに対する裁判所からの解散命令を実行しないことで達した5つの合意内容に関し、最高裁判所特別法廷は、昨日、この決議は無効であるとの判決を下し、ただちにSotialista Abertzaleakを解散、この政党に属する議員を無所属議員扱いとするよう求めた。
PNV(バスク民族党)所属のフアン・マリア・アトゥチャ・バスク州議会議長は裁判所からの命を受け、一議員グループを解散できるようにするための議会法改正決議を提案したが、この提案は州議会政党代表者会議において却下された。この却下決議も今回の最高裁判所により無効決議の1つである。アトゥチャ議長に対しては、国家検察庁が命令違背の容疑で提訴しており、この裁判はバスク州最高裁判所が担当することがすでに決まっている。
バスク州連合政府を構成しているPNA、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)は、今回の最高裁判所の判決を“公正さを欠く”ものだとしているほか、議会の主権を侵害するものであると抗議の声を上げている。

アセベス内務大臣、潜在的危険人物のデータベース作成を提案

アンヘル・アセベス内務大臣は、昨日国会で“スペイン国内外での前科はすでに取り消されているとしても、性犯罪やその他犯罪を犯す存在的可能性のある人物”のデータを官憲当局のデータベースに登録するためのデータ保存法改正を提案した。
アセベス大臣は国会で「なぜ警察は、ロシオ・バニンコフさん、ソニア・カラバンテスさん殺害犯のトニー・アレクサンダー・キング容疑者について、インターポールから送られていた情報を活用しなかったのか?」という問いを受け、「インターポールからの情報は、あくまでもキング容疑者が女性にとって“潜在的に危険であり、ロンドンでの強姦事件で彼が容疑者の1人に上がっているということにとどまり、それ以上の具体性には欠けていた」と答えた。

フラガ知事、心臓手術

来月で81歳になるガリシア州知事マヌエル・フラガ氏が昨日、心臓にペースメーカーをつけるための手術を受けた。手術は局部麻酔で行われ、所要時間は40分。昨日はア・コルーニャ市内の病院で一夜を過ごしたが、特に異常がなければ今日中に退院する予定。
知事は昨日はいつもどおりに出勤、予定されていた2件の会合を済ませた後、定期検診のためア・コルーニャのフアン・カナレホ病院で心臓外科医カルロス・ベイラス氏の診断を受けたところ、心臓を動かす神経組織に異常が見られ、この異常が不整脈を引き起こす可能性があることと、高齢でありながら、公務についていること 考慮し、ただちに手術が行われた。
フラガ知事は今年の1月、マドリッドの国際観光見本市で演説中に目まいを訴え、病院に運ばれているが、このときの医師の診断は血圧の低下だった。以降、仕事量を減らすよう医師から勧められているものの、知事は精力的に知事の仕事をこなしている。

マドリッドの王立劇場スト

午後8時になっても労働者側との話し合いの決着がつかずストが決行され、昨日、ヘスス・ロペス・コボス氏指揮のオペラ“ラ・トラビアータ”はコンサート形式で行われた。聴衆のおよそ60%がチケットの払い戻しを行ったと見られる昨日の公演には、ピラール・デル・カスティジョ文部大臣、アルベルト・ルイス・ガジャルドン・マドリッド市長が駆けつけ、劇場支配人への支援を示した。労働者側の要求は、IPC(消費者物価指数)プラス2%の昇給と保険、託児システムの充実、労働シフトの新しい編成。
払い戻しを行わなかった人々はノラ・アンセレム、ホセ・ブロス、レナート・ブルゾンの熱のこもった歌唱にいつにも増して拍手を送ったが、一方払い戻しを行った聴衆の1人は「ただのリサイタルにしてはこのチケット金額は高すぎるよ」とコメントしている。王立劇場は払い戻しを11月30日まで受け付ける。


10月1日(水)

来年度予算案国会提出

昨日、アスナル政権最後となる予算案が国会に提出された。今年度の目標であったインフレ率2%は達成される見込みがなく、この達成は来年度に持ち越されるほか、財政赤字ゼロ、経済成長率3%という今年度と同じ目標が引き続き掲げられている。また国家収入と社会保険収入を合わせて2168.32億ユーロ(5.2%の増収)の収入の一方、2205.16億ユーロの支出(4.3%増)が見込まれているほか、新たに30万人の雇用を創出する目標も掲げられた。2年連続のIRPF(所得税)減税に加え、ガソリン、タバコ、アルコールの消費にかかる特別税は凍結されるにも関わらず、税収入の増加が見込まれている。

大雨により交通事故で20人が死亡

昨日、スペインは全国的に大雨に見舞われ、各地で渋滞と事故が多発した。ブルゴスで女性3人と男性2人が死亡、トレドで子供2人を含む4人、タラゴナで若者3人、セゴビアで2人など合計20人が命を落としたほか、今年最初の秋雨が到来したマドリッドでは、朝のラッシュアワーに高速道路から首都に入る渋滞が153キロにもなった。昨日1日のマドリッドでの雨量は、この3ヶ月間を合わせた雨量を超え、交通事故件数は400件(前日比310%増)に達し、87人が重軽傷を負っている。昨日最大のマドリッドでの事故は、国道4号線での市バス2台の衝突事故で、乗客28台が負傷した。

チリで逮捕のスペイン人夫婦、引き続き拘留

15000ユーロで生後2ヶ月の乳児を違法に購入した罪で、チリに拘留中のカナリアス諸島在住の2人のスペイン人盲人夫婦は、引き続きチリに拘留されている。この夫婦は過去にもチリから合法的に子供を養子にしようとしたことがあったが、必要条件を満たしていないとして、却下されていた。
所持していた養子縁組書類が偽造されたものだったことにより逮捕されたこの夫婦は、最初は乳児が自分たちの子供であると主張していたが、今はあるチリ人に違法の養子縁組を持ちかけられたことを認めている。警察ではこの男が違法乳幼児売買網に関与しているとみて捜査を始めた。乳児は現在、病院に収容されている。
ONCE(国立スペイン盲人協会)は、夫婦が盲目であることをチリ人が利用したと考えており、夫婦に対し、できる限りの援助を約束した。

男性長寿世界一はスペイン人

一昨日、男性長寿世界一だった日本人の中願寺雄吉さんが114歳で亡くなったのを受け、男性長寿世界一はメノルカ島のジョアン・リウダベッツ・モルさんとなったことが昨日、ギネスブックにより発表された。リウダベッツさんはこの12月15日で114歳になる。
リウダベッツさんは長寿の秘訣を“節制のとれた生活を送ること”だそうで、以前はタバコを吸っていたがそれも少し、食事はオリーブオイルとトマト、魚とパン中心の典型的地中海式で、睡眠は1日14時間とるという。




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