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11月28日(金)

ギリシャで逮捕のスペイン人2人、仮釈放

6月にギリシャのテッサロニキで欧州理事会開催中に逮捕されたアンチグロバリゼーション活動家5人が53日間のハンストを終えた。裁判所がようやく裁判の日付を1月12日と定め、それまでの間、逮捕されていた5人を、ギリシャ国外に出ないという条件で保釈金なしで仮釈放することを決定したため。
5人のうち2人はカルロス・マルティンさん(25歳)とフェルナンド・ペレスさん(21歳)で、現在はアテネの病院に入院しており、流動食を摂りはじめたという。

85%のスペイン人、イラク戦争は“無意味”

王立エルカノ協会が10月から11月の頭にかけて、1204人を対象に電話で行った調査によると、85%のスペイン人がイラク戦争を無意味だったと考えていることがわかった。これは、ヨーロッパで最も高い数字で、スペインの次には1ポイント差でフランスが続いている。調査対象となった人々の56%がスペインの対外政策にはアメリカよりヨーロッパの方が重要であると考えており、アメリカの方が大切であると考えている6%を大きく上回ったが、36%の人々は、ヨーロッパとアメリカは等しく重要であると考えていることもわかった。この数字はポーランドの2倍、その他の国々の3倍となっている。
また、スペイン軍のイラク駐留には38%が賛成、37%が反対。与党PP(国民党)支持者の67%はスペイン軍のイラク駐留を支持しているが、PSOE(社労党)支持者は24%、IU(統一左翼)支持者ではわずか15%との結果となった。

デビスカップ、カルロス・モヤ選手、フィリポウシス選手破る

オーストラリアのメルボルンで開かれているテニスの国別対抗トーナメント、デビスカップの決勝第2戦が行われ、スペインのカルロス・モヤ選手が6-4、6-4、4-6、7-6で、オーストラリアのマーク・フィリポウシス選手を破った。第1戦では、フアン・カルロス・フェレロ選手対レイトン・ヒューイット選手の試合が行われ、3時間50分の激闘の末、3-6、6-3、3-6、7-6、6-2で惜しくもフェレロ選手が破れていたが、モヤ選手の健闘により、スペインとオーストラリアの対戦成績は1対1のタイに戻された。
明日は、アレックス・コレチャ、フェリシアーノ・ロペス組対トッド・ウッドブリッジ、ウェイン・アーサーズ組のダブルスの試合、最終日の日曜には、フィリポウシス対フェレロ、ヒューイット対モヤの試合が行われる。オーストラリアは1999年から2001年まで3年連続、準決勝に破れており、今年こそは勝ちたいところ。2000年決勝で破れたスペイン相手に雪辱を果たせるかがみものとなる。

第50回オンダス賞発表

昨日、バルセロナで第50回オンダス賞の発表が行われた。各部門の主な受賞結果は以下のとおり。

ラジオ部門(カッコ内は放送局名)
最優秀国内放送賞  No es un dia cualquiera(RNE)
最終スペシャル番組  Servicios Informativos (SER) ガリシアでの一連の特別報道番組に対して。
最優秀オリジナル番組  Capital (Intereconomia)
審査員特別賞 Bienvenidos (Canal Sur)

テレビ部門 (カッコ内は放送局名)
最優秀連続ドラマ   Cuentame como paso (TVE)
最優秀娯楽番組     Las noticias del Guinol (Canal+)、La columna (TV3)
革新的番組賞      Me lo dices o me lo cuentas (Telemadrid)
社会貢献番組賞     Cobertura especial del desastre ecologio del "Prestige" (Tele5)

映画部門
最優秀男優賞   Javier Camara
最優秀女優賞   Candela Pena
最優秀映画賞   Te doy mis ojos (Iciar Bollain監督)
シネマニア賞   Marisa Paredes

音楽部門 (カッコ内は歌手名)
最優秀歌曲賞    No es lo mismo (Alejandro Sanz)
最優秀ビデオクリップ賞    Oju (Las Ninas) Joan Vallverdu作
最優秀スペイン歌手賞    Alejandro Sanz
最優秀ラテン歌手賞    Tribalistas
最優秀スペイン新人歌手賞   Andy & Lucas
最優秀ラテン新人歌手賞    Bacilos
最優秀アルバム賞    Lo que te conte mientras te hacias la dormida (La oreja de Van Gogh)
最優秀生演奏歌手賞    Antonio Orosco
最優秀音楽創造賞    Chambao
最優秀フラメンコ作品賞    Lagrimas Negras (Bebo y Cigala)
審査員特別賞    Rod Stewart, Phil Collins, Sting


11月27日(木)

ラホイ氏、さらなるアメリカとの関係強化を約束

3月の総選挙で与党PP(国民党)から首相候補として立つことが決まっているマリアノ・ラホイ書記長が昨日、カサ・デ・アメリカで演説を行った。当選した暁に彼が取る外交政策はホセ・マリア・アスナル首相の現在の政策を踏襲するもので、“テロリズムとの闘い”が政治家としての最優先事項であるとラホイ氏は述べ、アフガニスタン、イラクへの軍事介入は正しい決定であったとの見解を述べた。
また、イラクのように国連決議を尊重しない国が現れた今は、過去と同じ組織として国連を運営していくことには限界があるとし、アスナル現首相と同様、組織改編の必要性を説いたほか、所得額(現在はEU平均の86%)、雇用状況を10年以内にEU平均水準に持っていくことは、加盟国が増えることによりスペインへのEUからの補助金が減っても十分に可能であるが、この国家の目標への唯一の脅威としてのスペイン国内民族主義、分離主義の存在を忘れてはならないと述べている。
EU内での投票権の分配について、また財政収支の対GDP比が3%を超えた国には罰金が課されるはずだった安定成長協定の規定が守られないことに強い懸念を示している点でもラホイ氏の見解はアスナル首相と全く同じ。最後に、テロリズムとの闘いにおいて、スペインとアメリカ合衆国の結びつきをさらに強化することは不可欠であるとし、ヨーロッパ全体の安全を守るためにアメリカ合衆国は不可欠の存在であるとした。
昨日の演説にはアレナス副首相、アギレ・マドリッド州知事などのPP政府関係者のほか、BBVA(銀行)、ACS(建設会社)、GAS NATURAL(ガス会社)、ENDESA(電力会社)などの大手企業の社長も多数出席した。

接近禁止命令無視、恋人を刺殺

昨日、レオンで新たなDV(ドメスティック・バイオレンス)の犠牲者が出た。殺されたのはグロリア・パルミラ・ブランコさん(57歳)で、5年間一緒に住んでいたものの15日前に家を出た元恋人のセルバンド・ガルシア・ガルシア容疑者(56歳)に自宅で刃渡り11センチのナイフで6ヶ所を刺され死亡、その場に居合わせたグロリアさんの友人のベゴニャ・アラウホ・マルティネスさん(49歳)も4ヶ所を刺され重傷。
ガルシア容疑者は、グロリアさんが浮気をしたと疑っており、同棲していた家を出てから電話による脅迫を行っていた。グロリアさんがこれを訴え、裁判所から今月21日に6ヶ月の間、グロリアさんに近づいたり、コンタクトを取ったりすることを禁止し、20日間にわたって1日6ユーロの罰金を支払うよう命じる旨の判決が出されたばかりだった。判事はこの判決後ただちに警察に連絡を取ったが、警察がグロリアさんに護衛を申し出たところ、グロリアさんは必要ないと断っていたという。グロリアさんの死亡により、今年夫、恋人、元夫、元恋人の手により命を奪われた女性の数は65人となった。

9自治州に強風と雪の警戒呼びかけ

国立気象庁の予報を受け、スペイン国内9自治州に強風と雪への警戒が呼びかけられている。この9自治州はアンダルシア、アストゥリアス、アラゴン、カタルニャ、カスティジャ・イ・レオン、カンタブリア、ガリシア、ナバラとパイス・バスコで各自治州の予報は次のとおり。

アストゥリアス、パイス・バスコおよびカンタブリア州
標高800M以上で雪、最大瞬間風速は時速90〜100キロ。
ガリシア
最も警戒が必要なのはルゴとア・コルニャで、風速は時速90〜110キロ。特に海沿いでの強風に注意。
ナバラ
標高900M以上で雪。今後24時間以内に10センチの降雪の可能性あり。風速は時速80キロ。
カスティジャ・イ・レオン
レオン、パレンシア、ブルゴス、セゴビア、バジャドリッドの各県では最大風速時速80キロ、標高900〜1000M以上で雪となり今後24時間以内に3センチまでの積雪の可能性。
アラゴン
悪天候の被害を受けるのはウエスカ県のみ。標高1000M以上で雪。今後24時間以内に10センチの降雪の可能性。
アンダルシア
ハエン県、アルメリア県で風速80〜90キロが予報。
カタルニャ
風速が時速80〜100キロに達するとの予報。

各州の住民に対しては、必要でなければ高速道路を使った旅行は避けるよう、もしも車で長距離を移動する場合は、チェーンと携帯電話、コートを用意し、給油は100キロごとに行うよう勧告されている。


11月26日(水)

ETAメンバー、“ガダフィ”、法廷で大暴れ

1991年11月7日、ビスカヤ県のエランディオで治安警備隊員アントニオ・モレノ・チカさんの車に爆弾を仕掛け、息子の1人ファビオ君(当時3歳)が死亡、双子の兄弟アレクサンダー君とアントニオさんが重傷を負った事件に関与した罪に問われている元ETAの物資供給担当リーダーのフアン・カルロス・イグレシアス・チョウサス、通称“ガダフィ”被告は現在フランス政府より一時的にスペインに身柄を引き渡されているが、彼のスペインでの裁判2日目の昨日、ガダフィ被告が法廷で暴れ、判事の命により追い出される事件が起きた。
40歳のガダフィ被告に対しては検察側から82年が求刑されているが、昨日、被告は法廷に入るなり、取り囲んでいる強化ガラスを拳で殴り始め、その後、ガラスを蹴り始めた。2人の警官が被告に手錠をかけに“水槽”(危険な被告の場合取りつけられる強化ガラスの小部屋)に入ったが、被告はガラスを蹴り続け、判事が最終的に被告へ退廷を言い渡した6分42秒後までに被告は412回ガラスを蹴りつけた。
ガダフィ被告の退廷後、警官の証言が行われ、その後1995年1月にこの事件への関与ですでに懲役刑の判決を受けているハビエル・マルティネス・イサギレ、通称“アンドニ”被告が証人として入廷したが、ガダフィ被告同様、証言は拒否。このため、アンドニ被告がETAへの所属を認め、被告が見張っている間にガダフィ被告がモレノさんの車に爆弾をしかけたと証言した記録書類が読み上げられた。

アンチグロバリゼーション活動家、ハンスト1ヵ月

欧州理事会が行われていたギリシャのテッサロニキで6月21日に逮捕された130人のアンチグロバリゼーション活動家のうち、ギリシャ人3人、スペイン人2人、イギリス人1人、シリア人1人の7人だけが引き続き収監、彼らは10月5日よりハンガーストライキを行っている。このうち、スペイン人のカルロス・マルティンさん、フェルナンド・ペレスさんとギリシャ人活動家の1人は危険な状態にあるため、現在、アテネ郊外のニカイア病院に収容されており、予断を許さない状況にあるという。
裁判所は早急に、1.裁判の日時、保釈金の額を定め、ただちに仮釈放、2.裁判の日時を定め引き続き収監、3.当面は何の決定も行わない の判断を下さなければならない。決定が1または2の内容であった場合、スペイン人2人はただちにハンストをやめると表明している。
7人の罪状は“爆発物の所持と使用”、”傷害”、“官憲当局への抵抗”、“治安かく乱”、“武器の所持と使用”であるが、1週間前に行った記者会見の席でカルロス・マルティンさんの父親が「息子は乱暴に扱われ、殴られ、手を背中に回した状態で手錠をかけられ一晩中座らされた状態に置かれ、夜も眠らされていない。」とギリシャ警察の対応が非人道的であると糾弾している。マルティンさんの婚約者によると、この1ヵ月でマルティンさんの体重は20キロ以上も減っており、病院関係者から「いつ死亡してもおかしくない状態」であると宣告されているという。

2007年アメリカズカップ開催地はバレンシア

2007年に開かれるヨットレース、第32回アメリカズ・カップの開催地としてリスボン、ナポリ、マルセイユ、バレンシアが候補にあがっていたが、この中からバレンシアが開催地に選ばれた。2003年大会の優勝者であるアリンギチームがタイトル保持をねらう2007年大会は、初めてのヨーロッパでの開催となり、バルセロナ、マジョルカも立候補していたが第一次選考で落ちていた。


11月25日(火)

ELN、スペイン人の人質を解放

コロンビアのゲリラ組織ELN(コロンビア民族解放軍)に他の外国人6人と共に誘拐され、人質となっていたギプスコア県出身のスペイン人アシエル・ウエグンさんがドイツ人女性と共に73日ぶりに解放され、昨日の現地時間正午(スペイン時間午後6時)首都ボゴタの北東約1000キロにある町バジェドゥパルに赤十字社のヘリコプターで到着した。サンタ・マリアにあるネバダ山脈で誘拐された7人の外国人のうち、イスラエル人4人とイギリス人1人はいまだに人質となっている。
9月12日に8人の外国人(イギリス人1人は2日後脱走に成功)を誘拐した後、10月9日にELNは人質解放の交渉の用意がある旨の声明文を出し、その後、“中央政府から権利を蹂躙されているバスク人への連帯感”からウエグンさんを解放すると述べていたが、彼らの要求したバスク州議員により構成されるグループとの交渉をコロンビア、スペイン両政府が拒否、最終的にはカトリック教会の仲介により、解放の交渉が成立した。

Premio Naional de Danza受賞者にナチョ・ドゥアトさんとサラ・バラスさん

教育文化省が舞踊界で功労のあった人物に送るPremio Naional de Danza(国立舞踊賞)の2003年度の受賞者が昨日発表された。受賞したのは、国立舞踊団の監督ナチョ・ドゥアトさん(1957年バレンシア生まれ)と、フラメンコダンサーのサラ・バラスさん(1972年サン・フェルナンド生まれ)の2人。
“傑出した創造性”を評価されての受賞となったドゥアトさん率いる国立舞踊団は現在スペインツアーの最中で、この後ビルバオ、セビジャでの後、ドイツとフランス、ソウル、台北、香港でも公演する。ドゥアトさんは受賞を喜び、「もし、ダンサーたちが僕の振付けを高い技術で踊っていなければ受賞はなかった」と、今回の受賞はダンサーたちと分かちあうべきものだと述べた。
また、“マリアナ・ピネダ”でのパフォーマンスが高く評価されたサラ・バラスさんは、受賞の知らせを受けた瞬間泣いて喜んだという。受賞にあたってバラスさんは「これまでずっと常に五感を研ぎ澄ませてやってきた仕事が評価されてうれしい。自分のやり方が正しかったと評価された今は、これまで以上にがんばっていきたい。」と述べた。

コピート、死因は安楽死

昨日死亡が発表されたバルセロナ動物園の白ゴリラ、コピート・デ・ニエベの死は安楽死によるものだった。動物園の獣医チームリーダーのヘスス・フェルナンデス氏がマスコミ関係者に語ったところによると、2001年5月にコピートがガンと診断されて以来、コピートが通常通りの生活を続けられるよう最大限の努力が行われてきたが、最後の5日間は非常に難しい病状となり、世界の様々な動物園関係者にも相談した結果、苦しんで死ぬよりは、と安楽死が決定されたという。コピートを安楽死させるにあたっては、まず飲み薬により全身麻酔が施され、その後注射が行われたという。獣医チームは「あっという間の死の訪れで、コピートは何も気づかなかった。」と述べている。
バルセロナ市民のマスコットとして愛されたコピートを忘れないため、バルセロナ市役所は、コピート・デ・ニエベの名をつけた通りを作り、銅像を立てることを決定した。コピートは生涯で3匹のメスと21匹の子供、7匹の孫を持ったが白変種は1匹も生まれていない。


11月24日(月)

フェリペ皇太子の挙式の日取り決定

スペイン王室は、フェリペ皇太子とニュースキャスター、レティシア・オルティスさんの挙式を5月22日正午、マドリッドのアルムデナ大聖堂で行うことを土曜日発表した。挙式は、アントニオ・マリア・ロウコ・マドリッド大司教の手により行われる。
挙式の日取りは当初6月26日と予想されており、マドリッドの主要ホテルにはこの日の予約が殺到していた。しかし、世界各国からの招待客のスケジュール、6月12日から7月4日までポルトガルで開催されるサッカーの欧州選手権、5月14日のデンマーク皇太子の挙式などを考慮したほか、エレナ王女、クリスティーナ王女の挙式とも土曜日だったことも合わせて考慮した結果、最終的に5月22日が選ばれた。

白ゴリラのコピート、死亡

バルセロナ市役所の発表によると、今日の午前6時40分、世界で一匹の白ゴリラ、コピート・デ・ニエベが皮膚ガンにより死んだという。
この白ゴリラは37年前、赤道ギニアのジャングルで捕獲され、バルセロナに連れてこられた。推定40歳、人間の年齢に例えるとおよそ80歳だったコピートは数ヵ月前皮膚ガンの診断が下され、以来、抗鬱剤、鎮痛剤などの薬剤のカクテルが調合され、ガンによる苦しみを和らげる努力が行われていた。 バルセロナ動物園の人気者だったコピートが尊厳ある死を迎えられるようにとの関係者の計らいにより、体重140キロのコピートの死体は剥製にはされず、動物園の他の動物と同様に、DNA標本の採取とその他いくつかの実験の後、火葬される。

湾岸船舶博物館オープン(ビルバオ)

先週の金曜日、ビルバオに湾岸船舶博物館がオープンした。これは、1980年代まで造船が行われていたビルバオ市内のドックに、ビルバオが港湾・工業都市であったことを忘れないための都市計画の一環として作られたもので、博物館では年間10万人の入場者を見込んでいる。
この博物館は、フアン・フランシスコ・パス氏の設計による2階建て、フロア面積7千平方メートルの建物で、4車線のEuskalduna橋の下に位置する。内部には模型、旗、海図、羅針盤、磁針、漁業道具、航海道具、書類、写真、モーターなどが展示されており、パネル、スクリーンにより解説がつけられている。展示は、歴史の移り変わりに即して港での活動、またそこから起こった商業活動について行われており、造船作業の流れについての説明もある。
しかしながら、この博物館の目玉は内部の展示ではなく、屋外の、以前は造船ドックとして使われていた場所に展示されている11艘の船で、30年間にわたってビルバオで湾内の浚渫作業を行っていた浚渫船(港湾の水深を深くするため水底をさらって土砂などを取り除く船))ティタン丸(1923年建造)、造船所の廃棄物を運んでいた長さ38メートルの汽船ポルトゥ丸や、ホセ・ルイス・ウガルテさんが単独世界一周を成し遂げたヨットBBKエウスカディ・エウロパ93丸などがドックに接岸、展示されている。
金曜日のオープンに合わせ、オランダから3本マストの帆船、Oosterschelde丸が来航、12月初旬には18世紀にクック船長が南太平洋探検に使用したエンデバー丸の複製も来航する予定。


11月21日(金)

国家水路計画工事の入札開始

エブロ川からの水をアルメリア州まで引く水路工事計画の最初の工事区間として、環境省はムルシアとアルメリアの2区間での工事の入札開始を発表した。2区間での合計工事距離は15キロ、総工費は約2200万ユーロ。
最初に行われる工事のうちアルメリア県での工事は、エル・サルタドールからカミノ・デル・セロ・ミナドまでの8.2キロの距離にわたって直径2.1mの配管を10ヶ月で建設する予算1670万の工事で、ムルシア県での工事は400万ユーロの予算で6.5キロにわたってセグラ川とカンポス・デル・リオをつなげるために12ヶ月の予定で行われる工事。
EUがこの水路計画に資金援助をするかどうかをまだ決定していない中、反対運動の盛んなバルセロナ側ではなくアルメリア側から工事を始めたのには、3月の総選挙前に工事に入りたい与党の思惑が絡んでいると見られる。
ロドリゲス環境大臣は、既存の水路をできるだけ使用することによって、環境への被害を最小限に留める配慮を行った工事計画であることを強調した上で、15日以内にバレンシア州内での2工事の入札も行うことを発表した。

クリスマスに映画館ストの可能性(マドリッド)

映画館労働者の45%以上が所属するUGT(労働者総同盟)マドリッド支部は、12月21、25、28日と1月1日、6日の午後6時から10時までのストを呼びかけている。これは、7ヶ月にわたって行われている賃上げ交渉が暗礁に乗り上げているためで、労組関係者の話によると、マドリッドの映画館の座席案内係の平均月給は手取りで550ユーロ、映写係で700ユーロで、興行収入が20%低いバルセロナより35%少ない額となっているにもかかわらず、企業側がIPC(消費者物価指数)プラス1.5ポイントの賃上げを認めないため、議論が難航している。昨年、マドリッドの映画館が得た収入はほぼ1.38億ユーロに上り、新しい映画館が次々オープンしていることからも映画館が経営危機にあるとは考えられないという。

死後初のチジダ回顧展(バルセロナ)

バルセロナのミロ財団美術館で昨日から、死後初めてのエドゥアルド・チジダ(サン・セバスティアン出身。1924-2002)回顧展が始まり、初日の昨日は、サルスエラ宮にもチジダ氏の作品を所有する国王のほか、ジョルディ・プジョール・バルセロナ州知事、フアナ・ガルシア・バルデカサス・行政大臣、ジョアン・クロス・バルセロナ市長、展覧会のスポンサーであるBBVAのフランシスコ・ゴンサレス頭取などが駆けつけたほか、チジダ氏の未亡人ピラール・ベルスンセさんも子供、孫に付き添われ、美術館を訪れた。
1月25日まで開催される今回の回顧展では、彫刻、素描、焼き物など1948年から2000年にかけての作品102点を展示、作品の重さを支えるため美術館の床が特別に補強された1986年の展示に比べると、小さな作品が多いものの、より包括的な視点からチジダ氏の作品の流れを知ることができる内容になっているという。


11月20日(木)

スペイン、サッカー・ヨーロッパ選手権出場権ようやく獲得

来年ポルトガルで開催されるサッカーのヨーロッパ選手権の出場権をかけてオスロで行われたスペイン対ノルウェーの予選プレーオフ第2戦は、スペインチームへの寒さの影響が心配されていたものの、3−0でスペインが圧勝。第1戦でも2-1と勝利していたスペインは、来年6月12日から7月4日までポルトガルで開催されるヨーロッパ選手権への出場権を獲得した。
ノルウェー相手に苦戦した第1戦後、代表チームのイニャキ・サエス監督へのマスコミの批判が高まっていたが、昨日の勝利の後、RFEF(スペインサッカー協会)のアンヘル・ビジャール会長は、サエス監督に契約の2年延長を持ちかけた。サエス監督は即答を避けたという。

バニンコフ事件真犯人?

唯一の容疑者であるトニー・アレクサンダー・キング被告が「不動産利益をめぐるマフィアの抗争からロシオ・バニンコフさんを殺害した真犯人である」と証言してから6日後の昨日、フエンヒローラ裁判所は被告の友人ロバート・グラハムに被告として出頭するよう命じた。
グラハム被告は10日の証人喚問には、経済的理由によりロンドンから出頭することができない旨を書簡で通知し、裁判所に出頭していなかったが、判事の命により治安警備隊がグラハム被告の居場所を捜査した結果、イギリスではなくエジプトにいることが判明している。これはエジプトがスペインと犯罪者の引渡し条約を結んでいないためではないかと見られているが、必要であれば引渡し条約がなくても、スペイン政府とエジプト政府の間で交渉を行い、スペインに収監されているエジプト人との交換によりグラハム被告をスペインに連れてくることは可能だという。
グラハム被告は9月20日に一度、キング被告が殺人犯であることを知りながら通報しなかったため隠匿の罪で逮捕されているが、この罪は時効になっていたため、翌日釈放されていた。これまでキング被告が真犯人がグラハム被告であったことを述べなかった理由について、キング被告の弁護士は「自分と娘の身の安全確保のため」であったとしている。

ETA新メンバー、さらに2人逮捕

火曜日に行われた一斉捜査から2日、今日はギプスコア県エイバルとアスペイティアでさらに2人のETA新メンバーが逮捕された。昨年12月のイボン・フェルナンデス・デ・イラディ、通称“ススペル”逮捕の際に押収された証拠書類によりETAに新加入したことが判明、逮捕された人数はこれで55人となった。
また、昨日フランスで逮捕された2人のETAメンバーのうち、サン・セバスティアン出身のエネコ・アギレサロベ・オラゴイ容疑者(22歳)は、昨年6月23日に起きたゲチョのタマリセスホテル、7月27日のサンタンデール空港のほか、5件のテロ犯だったことが判明した。もう1人のランデル・フェルナンデス・アリンダ容疑者には前科はなかった。


11月19日(水)

12人のETA新メンバー逮捕

中央管区裁判所、バルタサール・ガルソン判事の命により150人の警官を導入した大規模な一斉捜査が昨日の未明行われ、テロリスト組織ETAに新メンバーとして加入したと見られる12人がギプスコア県、アラバ県、ナバラ州とセビジャで逮捕された。
この12人は昨年12月19日、ETAメンバー“ススペル”容疑者逮捕の際に押収されたリストに載っていた70人のうちの12人で、警察ではこの70人のうちこれまで59人がETAの新メンバーとして加入したと見ている。今回逮捕された12人にはすでに、テロの標的に関する情報収集、車両泥棒、アジトの借り入れなどの任務が課されていた。警察協力者が入りこまない様に、新メンバー加入の際には綿密な調査がETAにより行われ、その調査は時には1年以上にもわたっていたという。
また、昨日、フランスのトゥールーズの北50キロの村サン・ジュリアンでは、車を盗もうとしていたETAメンバー2人がフランス警察によって逮捕されている。逮捕されたうちの1人は、今年の5月から6月にかけてバカルチョ部隊のメンバーとしてテロに関与したとし、スペイン警察が行方を追っていたエネコ・アギレサロベ・オラゴイ容疑者と見られる。逮捕の際には拳銃2丁が押収されている。

イバレチェ・プラン訴訟、裁判所手続き開始を決定

パイス・バスコ高等司法裁判所は、アラバ県議会から出されていたイバレチェ・プラン提訴状の内容を検討した結果、5人の判事のうち3人が、パイス・バスコ州政府による政治憲章改正案承認が法にのっとったものであるかどうかを判断する権限が同裁判所にあると判断、手続きを開始することが決定された。これにより、PNV(バスク民族党)、IU(統一左翼)、EA(バスク連盟)で構成されているパイス・バスコ州政府は、イバレチェ・プラン承認に関する書類を裁判所に提出しなければならない。
しかし、国民党と社労党の連立が過半数を握るアラバ県議会が10月28日に訴状を提出した際には、イバレチェ・プランの審議一時停止を要求しておらず、政治憲章改正案の審議が停止されるかどうかは、中央政府が11月13日に提出した訴状を憲法裁判所が認めるかどうかにかかっている。

スペイン、モロッコ内務大臣会談

モロッコのサヘル内務大臣が昨日マドリッドを訪れ、スペインのアセベス内務大臣と移民問題についての会談を持った。1ヵ月前にマラガで両国の外交関係者が会談した際には、1年間におよそ8000人と見られるモロッコを出帆し、スペインに上陸するサハリ砂漠南部諸国民とアルジェリア人を、船主がモロッコ人の場合に限りにモロッコに送還することで合意に達していたものの、昨日の会談でサヘル内相は、来西の目的を「国王モハメッド6世が移民問題解決のためにとった対策について説明するため」とし、サハラ砂漠南部諸国民およびアルジェリア人の送還問題については、「何人かは受け入れるものの、組織立てて大掛かりな送還を行うのは、モロッコもアルジェリアとの移民問題をかかえている現状では難しい」とし、全員の送還は受け入れられないと述べた。
スペインとモロッコの間で共同の組織を作り、両国の警察が月に1度の会合でお互いの情報を交換することについては合意に達したものの、今回の会談はスペイン側にとっては満足とはいえない結果に終わったといえる。しかし、内務省では12月8日、9日に予定されている両国の関係修復を目的としたアスナル首相のモロッコ訪問の足がかりにはなったとの評価を下している。


11月18日(火)

20ヶ月の男児、犬に噛まれて死亡

日曜日、シウダ・レアル県カルサダ・デ・カラトラバの農家で、生後20ヶ月の男児が一緒に遊んでいたグレートデンに噛まれ死亡する事件が起きた。男児は8歳の兄、犬と共にボールで遊んでいる最中、犬からボールを取ろうとしたところ、いきなり犬が男児に襲いかかった。通報を受けた治安警備隊が医者と共に駆けつけたが男児はすでに死亡していた。グレートデンは一般的にはおとなしい性質の犬として知られており、これまでにも何度も子供たちと遊んでいたにもかかわらず、襲い掛かったことは一度もなかった。しかし、今回はいつもと違い子供たちが羊のそばで遊んでいたため、犬が過剰反応したのではないかと考えられている。
2000年からこれまで犬に襲われ亡くなった人の数は7人。うち2人が子供。2002年3月に政府では危険な犬の分類とその所持者の登録を定めた法律を制定したが、今のところ届け出は飼い主の決定に左右されており、多くの市役所では登録の準備も整っていないという。

セクハラ市長に最高裁の判決

昨日、最高裁判所は、カスティジャ・イ・レオン高等裁判所の訴えを認め、レオン県ポンフェラーダ元市長、イスマエル・アルバレス・ロドリゲス被告に3ヵ月にわたって2160ユーロの罰金を支払うことと、原告で市会議員のネベンカ・フェルナンデスさんへの賠償金1.2マンユーロの支払いを命じた。
高等裁判所ではアルバレス被告から市長としての権力を濫用した性的関係の強要があったとされていたが、最高裁ではこれは認められず、罰金額が5780ユーロから2160ユーロに減らされた。また、ネベンカさんからの“精神的苦痛”に対する賠償についても、「具体的に彼女が治療を要するほどの苦痛を受けたことが証明されていない」とし、却下されている。被告は昨日、憲法裁判所に上告すると発表している。

セファルディ博物館、リニューアルオープン(トレド)

2年間の修復作業を終え、明日、トレドのセファルディ博物館がリニューアルオープンする。カスティジャ王国財務大臣だったサムエル・レビにより14世紀に建てられたトランシト・シナゴーグの建物を利用したこの博物館は1253点に増えた収蔵作品のうちの250点を3つの展示室で展示するほか、トレド、サラマンカ、セビジャのユダヤ人墓地にあった、ヘブライ語で刻まれた墓碑の並ぶパティオも持つ。昨日は、リニューアルオープンを記念して午後にフェリペ皇太子、デル・カスティジョ文部大臣、ボノ・カスティジャ・ラ・マンチャ州知事、モリナ・トレド市長が博物館を訪問した。
博物館は1994年から2001年までの間に300万人の入館者を記録しているが、この間に館内の損傷が激しくなったため、修復、拡張のため2百万ユーロ強の金額が投資された。うち、45万ユーロは特別展示と事務室の付属施設購入、10万ユーロは新たな9点の作品購入に使われた。修復作業にあたっては、ムデハル様式の格天井に水が漏らないよう、天井全体の補強工事が行われたほか、漆喰細工とタイルの修復、清掃作業も行われ、照明装置もより温かみのあるものに変えられた。大展示室の床下からは、12世紀から13世紀にかけてのトレドの民家の遺跡と墓石が見つかっているが、これは調査研究が行われた後、元通り床下に戻された。リニューアル・オープンに際し、3月から11月の午後のオープン時間が4時から9時までと以前より延長されることも決まっている。


11月17日(月)

カタルニャ州選挙、CiU僅差で勝利

-議席135をめぐる州議会選挙、100%開票の結果‐
投票率…64.58%(1999年の前回選挙は60.3%)
CiU(カタルニャ同盟)       46議席(前回選挙では56議席)
PSC(カタルニャ社会党)     42議席(同50議席)
ERC(カタルニャ左翼共和党)  23議席(同12議席)
PP (国民党)           15議席(同12議席)
ICV-EUIA (カタルニャ緑の党とカタルニャ統一左翼の連合) 9議席(同5議席)

数字上ではジョルディ・プジョル現職知事から後を継いだアルトゥール・マス氏率いるCiUの勝利ではあるが、過半数は獲得できておらず、すべては選挙後の話し合いにかかっている。前回PPとの連合によりかろうじて政権を維持したものの、その結果今回の選挙で10議席を失うこととなったCiUは、今回は過半数に至らないためPPとの連立は不可能。過半数68議席のカタルニャ州議会でCiUと連立政権を組み69議席で民族主義政府を成立させるか、PSC、ICVと組み74議席で左翼政権を成立させるかの鍵は、前回選挙から2倍に議席を増やしたERCが握っている。

フランス南部でETAメンバー2人を逮捕

フランス警察は昨日、ETAの物資調達係と見られるスペイン人2人をフランス南部のアジャンで逮捕した。この2人はミケル・ウスクドゥン、イゴール・レトナ容疑者で、2人が逮捕されたアジャンから30キロの地点にある古い水車小屋からは、オートマチックのピストル6丁、装填されたマシンガン、手榴弾のほか、ナンバープレート偽造のための用具が押収された。
両容疑者はそれぞれ、ETAへの所属と公共物破損の罪の前科があり、レトナ容疑者は1990年中央管区裁判所から武装集団所属と爆発物所持の罪で5年の刑が宣告されたが、未成年者であることと後悔していることを考慮し、後減刑されている。
今回の逮捕は、フランス南部のボルドー、フランスバスク地方、トゥールーズを結ぶ三角地帯のETA支援組織を対象としたもの。昨日の逮捕で2002年1月以降フランス警察により逮捕されたETAメンバーは57人となった。

プレステージ1周年デモに4万人が参加

2日間降り続いた雨がやんだ昨日、サンティアゴ・デ・コンポステーラで市民団体Nunca Maisが“あの被害を忘れないために”主催したデモには4万人(警察発表。主催者側発表の数字は15万人)が参加、主催者側の予想を大きく上回る参加者でカテドラル前のオブラドイロ広場は人で埋まった。デモは、作家のマヌエル・リバス氏、俳優のルイス・トサール氏の声明文発表で締めくくられ、プレステージ事故が人々の記憶から消されていないことが示され、参加者から改めて住民不在の政府の対応への非難の叫びが上げられた。


11月14日(金)

中央政府、イバレチェ・プランを憲法裁判所に提訴

スペイン中央政府は昨日、バスク州政府と州議会評議会による、バスク州のさらなる自治化推進を目的としたイバレチェ・プラン承認手続き開始の決定を憲法裁判所に提訴した。中央政府はイバレチェ・プランが“数々の重大な憲法違反”を犯しているとし、承認手続き停止を要請、また決定を無効とするよう求めている。ミチャビラ法務大臣は「これが、分離主義、全体主義に対する、民主主義からの回答である」と述べている。
提訴状では憲法第161条第2項と憲法裁判所法令代77条にのっとり、違憲と見なされる地方自治体の決定を無効とすることが求められている。憲法裁判所は今後15日の間にバスク州政府、州議会に調査資料の提出を求め、裁判所が提訴の根拠ありと認めた場合には、その時点からイバレチェ・プランは一時棚上げとなり、判決が5ヶ月以内に出ない場合は、承認手続き停止命令は解除または追認となる。

10月のIPC発表

昨日、INE(国立統計局)により、10月のIPC(消費者物価指数)が発表された。10月のインフレ率は先月より0.3ポイント下がり、過去4年間で最低の数字2.6%を記録。これは、燃料費が下がり、生鮮食品の値上がりが落ち着いたためだが、しかしその一方、でバーゲンシーズンの終了により、衣服、履物が前月比7.8%と大幅な値上がりを見せている。今年10ヶ月のインフレ率は、ユーロ経済圏目標の2%より0.1%高い2.1%の増加となっている。この1ヶ月で大きく値上がり、値下がりしたものは以下のとおり。
値上がり:衣料品…婦人服(9.5%)、子供服(9.2%)、紳士服(7.2%)、履物…婦人物(7.5%)、紳士物(4.6%)、子供用(3.9%)、卵(7.1%)、大学授業料(4.9%)、油脂類(3.9%)、(豆、野菜類)2%
値下がり:鳥肉(6.2%)、魚(2.1%)、豚肉(1.8%)

ラポルタ会長宅に、脅迫メッセージの落書き

昨日の朝、サッカーチーム・FCバルセロナのジョアン・ラポルタ会長の玄関とその周りに、彼とその家族を殺すという内容に始まる脅迫と侮辱の内容で落書きが見つかった。落書きにはバルサの過激ファン組織 Boixos Noisのサインがあり、ラポルタ会長は、「彼らの脅迫には屈しない。暴力を終わらせるためには、忍耐は効果がない。」と、この事件を通報した。
Boixos Noisによる、会長への非難メッセージの落書きは数週間前から始まっており、落書きはバルサのホームスタジアム、カンプ・ノウの周辺だけでなく、バルセロナから164キロ離れたラ・セウ・ドルジェウも見つかっている。会長就任後、ラポルタ会長はカンプ・ノウからの暴力追放に対し、厳しい姿勢で臨んでいるが、一方のBoixos Nois側は、会長がこれまでの発言で、彼らがラポルタ会長を脅し、現金や試合のチケットを要求したと述べたことを訂正するよう求めている。


11月13日(木)

プレステージ事故から1年

プレステージ事故発生から1年、ガリシア州政府と環境保護団体の間では、いまだに地方では事故の後遺症をめぐる議論が続いている。石油タンカー沈没後に結成された市民団体Nunca Maisでは、今週の日曜日にサンティアゴ・デ・コンポステーラでの集会が予定されている。
公式発表では、1064の浜辺のうち、8つだけがいまだに被害を受けており、126万平方メートルにわたる岩場の清掃が完了したという。環境省によると、今年末までにガリシアとカンタブリアの海岸清掃にかかる費用は1.72億ユーロに上る見こみ。しかし、環境保護団体グリーンピースは、この船から流出した有害物質は今後10年以上にわたってスペイン北部海岸を汚染し続けると警告している。
被害地域で収穫された魚介類については、ガリシア州政府が「事態は、これまでのように消費されるまで回復している。」と報告する一方、WWF(世界自然保護基金)は、事故が漁業、観光、自然環境に与える影響は10年は続き、その被害額は50億ユーロと見積もっている。WWFは報告書のなかで、海底に沈んでいる有害物質が食物連鎖を通し、魚介類を汚染していく可能性も指摘、海上には依然として5千から1万トンの石油が漂流していると報告している。
政府の公式発表では、タンカーから流出した石油の量は6.3万トン。およそ30万羽の鳥が死んだという。昨年11月13日に船体の亀裂が見つかったプレステージ号は、曳航先をめぐって意見が分裂、ガリシア沖を1週間にわたって引きまわされた後、11月19日に船体が2つに折れ、水深4000メートルに沈没した。タンカー内部にいまだに1.4万トンの石油が残っている。

マドリッド州議会成立

昨日、マドリッド州議会は予定通り成立を見た。6月10日に議長選挙を意図的に欠席、州選挙再告知の原因となった元社労党議員エドゥアルド・タマヨ、マリア・テレサ・サエス両議員の姿は議席になく、出席した111人の議員のうち、気まずい思いをしていたのは、PP(国民党)のアルベルト・ロペス・ビエホ氏のみ。
ロペス・ビエホ氏は、前マドリッド市長清掃問題担当議員で、州議会第一副議長として、評議会入りが予定されていたが、市議員当時にロペス・ビエホ氏が清掃会社Cespaに、議員の父の会社からオフィス用家具を買うよう強要していたことが発覚(この後、Cespa社はマドリッドのいくつかの地域の清掃に関し10年契約を市と結んでいる。)、PPは、ロペス・ビエホ氏の変わりに、イグナシオ・エチェベリア氏を第一副議長に任命することを決めた。
10時から始まった審議では、予定通りPPのコンセプシオン・ダンカウサ女史が議長に再任、3人の副議長には前述のPPのエチェベリア氏、PSOE(社労党)のフランシスコ・カバコ氏、IU(統一左翼)のレジェス・モンティエル氏が就任した。

麻薬追放キャンペーン試合行われる

昨日、マドリッドのビセンテ・カルデロン・スタジアムで観衆1.5万人を集め、麻薬追放キャンペーンの慈善試合、リーグ代表対アトレティコ・デ・マドリッドが行われた。この試合は、エレナ王女の呼びかけにより行われたもので、試合前にシンクロナイズドスイミングのジェンマ・メングアル選手が声明文を読み上げた。
リーグ代表チーム監督には前レアル・マドリッド監督ビセンテ・デル・ボスケ氏と前アトレティコ監督で現在はマジョルカの監督のルイス・アラゴネス氏があたり、リーグ代表チームが3−2で勝利した。
また、この試合の前には、バルタサール・ガルソン判事、俳優のミゲル・アンヘル・ムニョスさん、歌手のフアン・ペレアさんなどの有名人に加えて、キコ、ブトラゲーニョ、見チェルなど往年の名選手も参加した試合が行われた。
入場料からの収益は、スペイン全土200の施設でこれまで1.6万人の麻薬中毒者を受け入れてきたNGO団体、Asociacion Proyecto Hombreに全額寄付される。


11月12日(水)

モロッコ新たな密入国対策導入へ

カディス県ロタ沖で50人近くの密入国者を乗せたボートが難破し、これまでに36人が遺体でみつかっているが、浜辺に打ち上げられた腐敗した遺体の映像はスペイン国内だけでなく、アラブ諸国でも流され、大きな反響を呼んでいる。
月曜日、モロッコのモハメッド6世は、警察、王立海軍から責任者を緊急に招集、今回のような悲劇を繰り返さないため新たに2つの密入国対策を取ることを決定した。1つは、移民監督局という名のもとに、新たな警察組織を作り、密入国の手引きをする組織の取り締まりにあたることで、もう1つは、大量移民流出に関するあらゆる情報を集め、対策を練る“移民観察所”の設置。
これまで家族により身元が確認された遺体は、家族の費用によりモロッコに送還されていたが、犠牲者の家族の多くは資金不足により送還を断念していた。しかし、この送還は、モロッコ王家とつながりのあるハッサン2世財団が費用を受け持つこともまた決定された。
このほか、7ヶ月前から来西を約束しながらも、具体的な日程が決まっていなかったモロッコ内相のスペイン訪問も、11月18、19日となることが決まっている。

1日で2人のDV犠牲者

マジョルカ島のソン・セルベラで昨日の午前6時、妻を殺したと兄弟に付き添われ男が自首した。妻のセシリア・ゲレロ・マルティネスさん(31歳)の首に締められた跡がなかったため、警察では毛布か枕で窒息死させられたものと見ている。犯人のクレメンテ・ロドリゲス・カベサ(31歳)容疑者とゲレロさんは別居しており、2人の間には5歳の息子が1人いる。このほかにも昨夜、バレンシアでも離婚手続き中の夫(56歳)が妻(50歳)を刺殺した後、首を吊って自殺した事件があった。
今年に入って、DV(ドメスティック・バイオレンス−夫、元夫または恋人、元恋人による暴力)により命を落とした女性の数は63人(うち、2人は娘を助けようとして犠牲となった母親)にのぼり、犯人のうち11人は犯行後自殺。去年1年間の犠牲者数は42人だった。

裁判所、宝くじ当選金の支払い一時停止を命令

バルセロナ県リポレットにある自動車部品工場シンテルメタルの従業員20人の間で、10年以上前から共同で購入しているONCE(国立スペイン盲人協会)発行宝くじが一等の600万ユーロに当選、しかし当選くじを持っている従業員が金曜日から行方不明となっており、従業員の残り19人は裁判所にこの男性を提訴したため、実態調査のため、この男性の銀行口座は現在凍結、当選金の支払いも止められた。
宝くじを持っているのは、アントニオ・ジョレダ被告(47歳)で、金曜日から工場に出勤していない。宝くじを共同購入していた仲間達は「仲間の誰が当選番号を持っていても全員で当選金は配布するという約束が口頭でなされていた。」としている。19人は各自3.5万ユーロの賞金をすでに手にしているが、口約束によれば、彼らにはさらに30万ユーロをもらう権利があることになる。
被告の兄は、「休暇を過ごしに数日タラゴナに行っただけで、逃げたわけではない。出勤しなかったのは、裁判所に訴えられたためで、あくまでも弁護士の指示にしたがったもの。」と述べている。これまでの同様のケースでは、口約束でも仲間と当選金をわけるよう命じる判例が多く、裁判はしばしば憲法裁判所までもつれこんでいる。


11月11日(火)

道路いきなり陥没(カラタジュー)

月曜日の午前1時、サラゴサ県カラタジューのフスト・ナバロ通り6番地と8番地の住民は避難を余儀なくされた。道路が幅20メートルにわたりいきなり陥没したためである。築30年の8番地のマンションの建物にはひびが入り、この陥没により停電が発生した。
道路はすぐに封鎖され、市役所から派遣された専門家が被害の状況を調べている。陥没した地盤は、粘土石膏質で、秋の長雨により侵食されたと見られる。この陥没により6番地、8番地の建物の基礎部分が被害を受けているため、住民が家に戻れるまでには数ヶ月、被害の状況によっては2度と戻れない可能性もあるという。

ガジャルドン市長、増税案一部変更を発表

マリアノ・ラホイPP(国民党)書記長との会談の後、マドリッド市長ルイス-ガジャルドン氏は、「市民から理解を得るための十分な説明ができなかった」とし、マドリッド市内で賃貸を促進するため空家となっている住居へ通常の固定資産税の50%を課すとしていた案を取り消すと発表した。
2週間前に市長が増税案を発表して以来、減税政策を掲げている与党PP内では「党の方針に反する」とし、批判が起こっていた。野党は、「市長は党の方針に従い、簡単に自分の意見を曲げすぎる」と非難、労働組合は「唯一の革新案が取り消されたのは残念だ。」とコメントしている。ルイス-ガジャルドン市長発表の、その他8つの増税については維持される。

同性愛カップルの婚姻届、却下

10月22日、マドリッド市役所に婚姻届を提出していた同性愛カップルの婚姻届は「生物学的に同じ性の婚姻は法的に認められていない」とし、却下された。婚姻届を提出したペドロ・セロロさん(社労党所属マドリッド市議)のカップルと、ベアトリス・ヒメノさん(同性愛者団体代表)のカップルは「提出時から予想された結果です。我々の意図は最初から、この決定を提訴することで、この差別を憲法裁判所に持ち込むつもりです。」と述べた。
ヒメノさんが代表を務めているFELGT(国立レズビアン・ゲイ・性転換者連盟)は昨日、市役所戸籍登録課を相手取り裁判を始めること、必要とあれば、憲法裁判所または、ストラスブールの人権裁判所にこの件を持ち込む用意があると発表している。

ロカ難破ボート救出までの所要時間は52分

カディス県ロタ沖で密入国者およそ50人を乗せたボートが10月25日に難破し、少なくとも36人が犠牲となった事故で、昨日、フランシスコ・アルバレス-カスコス勧業大臣はエル・パイス紙の取材に対し、ボートを見つけた船からの通報を受けてから海上保安庁の船が出帆するまでに52分かかったことを認めた。このボートの救助をめぐっては、治安警備隊と海上保安庁の間でどちらの担当かで意見が割れ、救助に出るのが遅れたとされている。カスコス大臣によると、通報があった17分後には船の用意が出来ていたものの、この船に乗り込む4人の警官が揃うのにさらに35分が経過したという。大臣は、カディス湾において、人材と設備が不足していることも認めている。
最初にこのボートを発見、通報した船の船長は、「我々が通報した午後7時の時点ではまだ明るかったし、雨も降っていなかった。数人は我々が助けたが、ボートの船長が逃げてしまった。あれから、事故のことが頭を離れない。近くにあったのに、ロタ基地からは船やヘリコプターを出すことができなかったのか。基地からの救助があれば、この悲劇は起こらなかったと考えずにはいられない。」と述べている。


11月10日(月)

パラシオ外相、イラク訪問

ディワニヤのスペイン軍基地に到着した後、ヘリコプターで昨日バグダッドに移動したアナ・パラシオ外務大臣は、イラク統治評議会のゼバリ外相、イラク暫定行政当局(CPA)のブレマー米文民行政官とそれぞれ会談、「スペインはイラク、イラク国民とその組織を支持します。」とし、スペインがイラク復興への支持を引き続き行っていくことを改めて表明した。
この発言は先週のスペイン外交官撤退と矛盾しているが、外相はあくまでもこの措置を「さらに安全なスペイン大使館への引越しのため」と説明、イラク戦争終了後3度目の訪問の昨日は、在バグダッド・スペイン大使館の新しい建物の視察も行い、さらに強化された安全対策に満足の意を表した。新しい建物は、2階建てで1階が事務所、2階が職員の住居となると見られるが、この新しい大使館での公務開始日は今のところ明らかにされていない。
パラシオ外務大臣はイラク訪問の後、非公式にイスラエルを訪問、シャロン首相とも会談を行ったが、首相は、パレスチナ自治政府の改革へ充分な措置を取っていないとEUを非難する発言を行っている。

モロッコ政府、エル・エヒドでのモロッコ人襲撃対策を要請

3年前に精神障害治療中のモロッコ人がスペイン人女性を殺害し、外国人排斥運動が起こったアルメリア県のエル・エヒドで数ヵ月前からモロッコ人への襲撃が相次いでいる。復讐を恐れ、これまでに警察に通報したのは10人ほどにとどまっているが、NGO団体では国道340号線沿いで鉄パイプによって襲撃されたモロッコ人の数は20人以上だという。被害者は頭や体を鉄パイプで強打されており、被害に遭った半数近くが病院に運ばれている。
事態を重く見たモロッコ政府は、金曜日、駐スペイン大使を通じ、スペイン政府に適切な対策を取るよう要請。スペイン外務省ではモロッコ大使から電話でこの要請があったかどうかについては発表していないが、金曜日の夜、襲撃に関わったと見られる18歳から22歳の若者3人が逮捕され、長さ82センチの鉄パイプも押収された。
治安警備隊が、この襲撃が組織化されたものとの見方は却下しているのに対し、NGO団体は、アルメリア県の人種差別主義者団体が襲撃を行っていると見ており、在アルメリア・モロッコ領事館も同様の見解を示している。
農耕地1.7万ヘクタールを持つエル・エヒドではおよそ2.5万人のモロッコ人が働いており、その5分の1は、不法滞在者であると見られる。アルメリア県全体でのモロッコ人居住者の数はおよそ4万人。

アルムデナの聖母の日(マドリッド)

町の守護聖母、アルムデナの聖母の日にあたる昨日、マドリッドでは、マジョール広場に6500の椅子が設置され、特別ミサが行われた。アントニオ・マリア・ロウコ・バレラ・マドリッド大司教が執り行うミサでは、慣習にのっとって、アルベルト・ルイス−ガジャルドン氏が初めてマドリッド市長として、マドリッド市の聖母への信仰の誓いを新たに行った。1646年9月、マドリッドを洪水から救ったとされるアルムデナの聖母へは、以来毎年、市長が信仰を新たに宣誓する儀式を行ってきている。
ミサの後は、聖母像(1500年製作)を中心とした行列がヘロナ通り、ラス・プロビンシアス広場、マジョール広場、プエルタ・デル・ソル、アレナル通りを通って、アルムデナ大聖堂まで行進、花びらのまかれる中、大聖堂に戻された。大聖堂前には、献花台がもうけられ、午後9時まで信者からの献花が受け付けられた。


11月7日(金)

結納の儀、行われる

昨日、エル・パルド宮とサルスエラ宮で、アストゥリアス皇太子ドン・フェリペ(35歳)とニュースキャスター、レティシア・オルティスさん(31歳)の間で結納の儀が行われた。
マスコミからの要求に応えてエル・パルド宮では報道陣300人の前に、12時半に2人が登場。皇太子は濃いグレーのスーツに紺のネクタイ、レティシアさんはアルマーニの白いスーツの装いで、皇太子は“2人以上5人以下”の数の子供がほしいと語ったほか、婚約者レティシアさんの“仕事に対する責任と根性、知性”に惹かれたと述べた。一方、レティシアさんは皇太子は“大変な読書家で、頭がよく、尊敬すべき類まれな人物”と評した。
この前にはサルスエラ宮で、両家の家族が初めて顔を合わせ、家族立会いの元で結納の儀が行われている。皇太子はレティシアさんにホワイトゴールドとダイアモンドの指輪を贈り、レティシアさんはホワイトゴールドとサファイアのカフスボタン、マリアノ・ホセ・デ・ララ著の15世紀の歴史小説“El doncel de Don Enrique el Doliente”の特別装丁本(1834年出版)を贈った。エレナ王女、クリスティーナ王女の結納の際には女性から男性への贈り物は腕時計であったが、フェリペ皇太子の腕時計のコレクションを考慮し、レティシアさんからの贈り物はカフスボタンとなった。
現在、王家のすでに予定されているスケジュールを考慮しながら、結婚式の日取りが検討されているが、最有力候補は6月26日。王家の挙式は土曜日に行われるのが常で、王家の慣習に則って式典は4日にわたって行われる。昨日の結納の儀により、皇太子とレティシアさんは正式に婚約者となった。

スペイン、アメリカ、クローン人間全面禁止決議承認失敗

昨日、国連総会法律委員会は、クローン人間全面禁止か、医療目的のヒトクローン胚(はい)研究は残す部分的禁止かについての議論を2005年まで延期することを決定した。スペインは、アメリカ、バチカンなどの国々と共に全面禁止を支持、これに対し、ベルギーを中心にイギリス、日本、中国などは部分的禁止を支持、両者の歩み寄りが全く見られない状況において、イランを中心としてイスラム諸国会議機構が議論の延期を提案し、これが賛成80票、反対79票と一票差で可決、一刻も早い全面禁止を目指していたアメリカ、スペインの努力は実らなかった。

カルロス・サインツ選手、リタイア

現在総合成績1位と同点ポイントで2位につけているスペインのカルロス・サインツ選手だったが、世界ラリー選手権(WRC)今季最終戦の英国ラリーで事故によりリタイア、サインツ選手、ナビゲーターのマルク・マルティ選手とも怪我はなかったが、総合優勝の夢は消えた。


11月6日(木)

工事現場事故、被害者本人の責任と判決

1999年、工事現場で3.5メートルの高さから落下、下半身付随となった大工、エンリケ・ポシニョスさん(44歳)に対し、バルセロナ県マタロ裁判所は、充分な安全対策のない現場で働いたポシニョスさんにも責任があるとしながらも、60%の責任は建築会社社長と建築家にあるとして、両者に懲役1年と賠償金381,548ユーロの支払いを命じていたが、2人はバルセロナ裁判所に控訴、ペドロ・マルティン裁判官は、「充分な安全対策を求めず仕事をした本人の“軽率な”行動に責任がある」と、事故の責任はほぼ全面的にポシニョスさんにあるとの判決を下した。
ポシニョスさんは、妻、20歳、16歳、10歳の5人暮らし。夫の介護のため、妻は仕事を辞めざるをえず、現在は月1800ユーロの障害者年金で生活している彼らにとって、賠償金支払いの必要性が否定された今回の判決へのショックは大きい。「『落下防止網がないので、仕事はできない』などと言っていれば、その場で解雇されていただろう。」とポシニョスさんは述べた。
刑事裁判の判決が出た今、ポシニョスさんに残された道は、民事裁判か労働裁判。2大労働組合UGT、CCOOは、今回の判決内容に対し、「容認できない。」「憤慨すべき」ものだとしている。

ラホイ書記長、マドリッド市長の増税に理解

ラホイ書記長を後継者として指名した後、ホセ・マリア・アスナル首相は与党PP(国民党)党内におけるすべての権限をラホイ書記長に移譲、9月1日以降、党本部には姿を見せておらず、毎週開かれる定例会にも出席していない。
しかし、来年度総選挙でのPPからの首相立候補者であるラホイ氏に対してはPP内部で2つの不安が持たれている。1つは、ラホイ氏の政治メッセージのインパクトの弱さで、もう1つは党内の不協和音。3人の副首相を始めとし、党内に複数のラホイ氏不服従派が現れている。第一副首相のロドリゴ・ラト氏は、ルイス・ガジャルドン・マドリッド市長の増税政策を「増税は問題の解決策ではない。」と公に批判、党内からはラト氏に対し多数の賛同が寄せられ、ルイス・ガジャルドン市長は、党書記長の支持を得られなければ市長を辞任すると発言。これに対し、ラホイ書記長は、状況に迫られたやむを得ない決断であると見なし、選挙時の公約にもすでに表明されていたことであるので、市長が市民にきちんと説明するならば、決断を支持すると述べた。すでにアスナル首相からも増税の根拠を説明するよう求められていたガジャルドン市長は昨日、4時間にわたっていくつかの会見を行ったが、彼の選挙公約には増税に関する明確な記述はない。
ラト-ガジャルドン両氏の税制をめぐる意見の不一致のほかにも、PP内には、ハイメ・マジョール・オレハ・バスクPP代表とジョセップ・ピケ・カタルニャPP代表の間での、パイス・バスコ、カタルニャの状況を巡る見解の相違も表面化しており、2004年総選挙で首相候補として立つラホイ氏の手腕が試されようとしている。

水道管が破裂、地下鉄9号線不通(マドリッド)

プラサ・デ・ペルーで昨日午前9時15分、地下に埋められていた水道管が破裂、地下鉄9号線の一部が5時間半にわたって不通となった。この破裂により漏れ出した水は、プラサ・デ・ペルーからプリンシペ・デ・ベルガラ大通りを通って、プラサ・デ・レプブリカ・ドミニカーナまで到達、プラサ・デ・レプブリカ・ドミニカーナのほか、通気孔から入りこんだ水により地下駐車場、地下鉄コロンビア駅も浸水した。この後水はさらに勢力範囲を広げ、結局地下鉄9号線のプラサ・デ・カスティジャ駅からプリンシペ・デ・ベルガラ駅までの区間が午後3時前まで不通となった。
破裂した水道管の事後処理には、水道局と消防署の職員が全力であたり、破裂箇所を捜し当てるためにいくつものバルブが締められ、1時間後にようやく破裂箇所がみつかった。破裂した水道管は30年前のものだったことがわかっている。この作業により付近一帯は断水、プラサ・デ・ペルーは1時間にわたり通行禁止となった。浸水はプラサ・デ・ペルーで最大30センチに上ったという。

民家の天井陥没で、AVEトンネル工事一時中断(バルセロナ)

昨日の午前5時45分、バルセロナ県カステルビスバルで、バルセロナ-マドリッドを結ぶAVEの建設中のトンネルから25メートルにある民家で、1回の天井が陥没し、ベッドで寝ていた女性が瓦礫の下敷きになった。怪我は軽傷ですんだが、GIF(鉄道敷設局)は昨日、この事故とトンネル工事の関連性を調査するため工事を一時中断した。
カステルビスバル市役所広報官が述べたところによると、7月に工事が開始されて以来、トンネル掘削に使われている爆薬による騒音、振動、亀裂など数々の苦情が市役所に届けられているという。すでに市役所では工事会社Copisaと話し合いを持っているが、「多分、爆薬の使用量が少し多すぎたのだろう。トンネル掘削には爆薬を使う以外の方法はない」というのが、工事会社側の説明だった。
また、昨日はマドリッドに16時39分に到着する予定だったジェイダ発のAVEに機関車の故障による30分の遅延が出ている。


11月5日(水)

レティシアさん、サルスエラ宮に仮住まい

フェリペ皇太子の婚約者レティシア・オルティスさんは、国王夫妻の賓客扱いで、国王夫妻の住居、サルスエラ宮に仮住まいすることとなった。レティシアさんの本来の家の所在地が世間に知られすぎ、保安上、またプライバシー確保の問題があることから現在、新しい住居探しが行われており、これが決まるまでの間、レティシアさんは、サルスエラ宮に住むことになる。
明日12時半には、皇太子が両家の家族出席のもと正式にレティシアさんにプロポーズをする儀式が行われるが、この会場は当初予定されていたサルスエラ宮から、エル・パルド宮または王宮に変更されることとなった。サルスエラ宮の庭園は、皇太子の姉2人、エレナ王女、クリスティーナ王女が公式プロポーズを受けた場所であるが、今回は、世界各国のマスコミからの出席依頼が殺到、国王が儀式をさらに盛大なものにするために変更を決めた。現在のところ、会場は正式に発表されていないが、王宮は結婚式後の晩餐会で使われる予定となっているため、広大な庭園がいくつかあるパルド宮となる可能性が高い。

スペイン大使館員、イラク退去

スペイン政府は4人を残し、駐バグダッド大使館員を一時的にヨルダンに移動させることを決定した。アナ・パラシオ外務大臣は、あくまでもこの措置が“一時的”なものであることを強調、大使館閉鎖の可能性については否定、ヨルダンに移動する職員たちは“すぐに”イラクに戻ることになるだろうと述べている。
一方、首脳会談のためドイツを訪問中のホセ・マリア・アスナル首相は、この措置が“避難”ではなく、イラクの状況について職員から話を聞く必要が生じたために行う“意見交換”のためのものであると述べている。
パラシオ外相によると、現在、スペイン政府はさらに安全な新たな大使館用の建物をバグダッド市内で探しているという。イラク戦争が終了してから、2人のスペイン人がイラクで命を落としている。

イバレチェ・プランを法改正案として処理することを決定

バスク州議会評議会は昨日、バスク州政府連立政権を組んでいるPNV(バスク民族党)、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)の賛成票により、新しい政治憲章を提案する“イバレチェ・プラン”を通常の立法手順に則って処理することを決定した。
通常の手順で進めるということは、承認のためには州議会内で絶対過半数が必要であるということを意味するが、この3党の持つ票は36票で、議席75のバスク州議会では2票足りない格好となっており、これに関しては、最終決定ではないとしながらも、違法化されたバタスナ党メンバー所属のSozialista Abertzaleak(愛国社会主義同盟)が、イバレチェプラン承認の阻止はしないことを表明している。
当初、バスク州議会評議会では、イバレチェ・プランは特別手順で処理することを考えていたが、予想しうる中央政府からの憲法裁判所提訴をかわすため、今回の決定となった。すでにアラバ県議会が、“イバレチェ・プラン”を承認したことに対し、州政府をバスク州最高裁に提訴しているほか、中央政府でも憲法裁判所への提訴が準備されている。
イバレチェ・プランの承認手続きは金曜日、州議会公報に掲載されて以来正式に始められ、その後15日の期間内にこの案に対する修正提案が各政党から出される。バスク州政府では、すべての手続き終了を来年9月に予定している。


11月4日(火)

アセベス大臣、沿岸警備強化をモロッコに強く要求

昨日、アンヘル・アセベス内務大臣はモロッコ政府に対し、国境警備へのさらなる努力を要求した。これは、10月25日に起きたような悲劇を防ぐのが目的。この事故はカディス県ロタの海岸から200メートルの場所でいかだが沈没、乗っていたのはおよそ50人と見られ、うち35人が遺体で見つかり、生き残ったのは5人、残り10人ほどは依然として行方不明となっている。
今年に入って、アンダルシアとカナリアス諸島の海岸から上陸する密入国者の数は18%の増加。治安警備隊に逮捕された人数はおよそ1.6万人に上っている。
アダン・マルティン・カナリアス州知事との会談の後開いた記者会見で、アセベス内務大臣はモロッコ政府内務大臣に移民問題についての会談を行うようもちかけているが、モロッコ側は肯定的な態度を見せながらも具体的な日程は未定で、少なくとも12月初旬に行われる両国会談前までには内相会談は予定されていないことを明らかにしている。

スペイン、アメリカと共にあらゆるクローン反対運動展開

クローンの是非を巡る議論が国連を2分している。アメリカとコスタリカは、すべてのクローンについて“倫理に反し、人間の権利を侵害する”として国連であらゆるクローンを禁止することを提案、この案は、スペインを始めとし、ナイジェリア、トルクメニスタンなど60カ国が支持。これに対し、ベルギーが提案しているのは、医療目的(治療目的で使用するのに有用な胚を取得するため受精後1週間の細胞からクローン産出)に限ってクローンを容認するという案で、この案はフランス、ドイツ、イギリス、日本、中国などおよそ15カ国のほか、アメリカ国立科学アカデミーを含む、世界66の科学者協会からの支持を得ており、クローン問題に関してはそれぞれの国が独自に境界を定める権利があるとしている。
現在、国連でのこの問題に関する議論は平行線を辿るのみで、モロッコ、ヨルダンをリーダーとするイスラム諸国は、何らかの歩み寄りが見られるまで2年間の審議持ち越しを提案したが、アメリカはこれを拒否。この案はもともと2年前にフランスが国連総会での審議に持ちこんだものだったが、結論の出せないこの状況にフランスは、もともとの議論発生地であったユネスコに審議を差し戻すことを提案。しかし、ユネスコ内では少数派となってしまうため、スペイン、アメリカはこの提案を支持していない。

RENFEの切符、日付変更手数料10%に変更

11月1日からRENFEの規則が一部変更となっている。これは、Grandes Lineas(400キロ以上の距離を運行する路線)とRegional(地方中距離列車)の日付変更手数料に関するもので、これまでは1.50ユーロの手数料だったものが、すでにAVEに適用されているのと同じ様に、運賃の10%に変更された。
RENFEによる乗客への事前の通知はなく、乗客は実際に切符を変更に行って初めて変更を知らされている状態。
RENFE側は、これまでは日付の変更は1度しかできず、2度目以降は切符を1度キャンセル(手数料は運賃の15%)しなければならなかったのが、これからは何度でもできるようになる利点を強調。同じ日であれば、発車時間の変更に関してはこれまでどおり無料で変更ができ、キャンセル料15%に関しても変更はないという。

「ジブラルタル国境閉鎖措置は不必要」とイギリス政府

昨日の午前7時半から午後8時10分までの間、スペインはイギリスの飛び地ジブラルタルとの国境を封鎖した。これは、乗客1800人乗員837人のうち少なくとも559人がノーウォーク・ビールス(極めて感染力が強く、消化器機能を攻撃するが、2日ほどで完治し、後遺症は出ない)に感染したイギリスのクルーズ船オーロラ丸の寄港によるもので、アナ・パラシオ外務大臣が“オーロラ丸の現状についてイギリス政府に日曜日に情報を求めたが、返答がなかったためやむなくとった措置”と説明する一方、イギリスのジャック・ストロー外務大臣は「スペイン政府の措置は大げさで不必要なものである」と、電話でパラシオ外務大臣に公式抗議を表明した。イギリスからの解答は昨日正午にスペイン政府に届き、これにより国境閉鎖は解除された。
アナ・パストール厚生大臣は、今回の措置は1986年に制定された法令に基づいたものであると、この決定を支持、厚相によると、昨日の時点でオーロラ丸内では11人が感染中であるが、この24時間内にはわずか4人が新たに感染したのみだという。


11月3日(月)

フェリペ皇太子、ご婚約発表

土曜日の午後、スペイン王家からフェリペ皇太子(35歳)のご婚約発表が行われた。お相手は国営テレビTVEのキャスター、レティシア・オルティス・ロカソラノさん(31歳)で、挙式の予定は来年初夏。国王の3人の子供の中で、マドリッドで結婚式を行うのはフェリペ皇太子が初めてで、場所にはアルムデナ大聖堂が決まっている。
なれ初めはレティシアさんの出演している番組“Documentos TV”のディレクター、ペドロ・エルキシア氏宅で1年以上前に開かれた夕食会。関係者の話によると2人の関係が急速に発展したのは今年の春で、夏には外国で数日のバケーションを共に過ごしたといい、皇太子が家族にレティシアさんを紹介したのはこの夏休み明け。以降、2人はマドリッドにある皇太子の友人所有の別荘や皇太子の姉クリスティナ王女の住むバルセロナで頻繁に会っていたが、過去に恋人として報道されたマリニョ侯爵の娘イサベル・サルトリウスさんや、ノルウェー人モデル、エバ・サンヌムさんの時のようにマスコミのプレッシャーを受けることを避けるため、この関係はごく少数の人間の間で秘密にされてきた。
2人の姿を一緒に見られるのは今週の木曜で、皇太子とレティシアさんにより公式に婚約が発表される。平民出身である上、離婚歴があるものの、マスコミ、国民を含めスペイン国内での未来の王妃となるレティシアさんに対する評価は良好で、2人を祝福するメッセージが各方面から次々と届いている。最初の結婚は市役所によるものであったため、皇太子とのカトリック教会による結婚には影響はない。
レティシアさんはアストゥリアス州オビエド出身。マドリッドのコンプルテンセ大学でジャーナリズムの学士号をとった後、メキシコに渡り、オーディオビジュアル・ジャーナリズム専攻で修士、博士課程を修了している。ABC紙、CNN Plusなどで働いた経験もあり2000年からTVE勤務。2001年にはその年最も活躍した30歳以下のジャーナリストに与えられるLarra賞を受賞している。

スペイン、ジブラルタルとの国境閉鎖

スペインにあるイギリスの植民地ジブラルタルとの国境が1985年以来初めて閉鎖された。この国境は1969年から統治権を巡る議論により閉鎖されたものが、1985年に開かれたものだったが、乗客の4分の1が伝染性の病気にかかっているクルーズ船の寄港をジブラルタル政府が認めたことから、スペイン政府は国境の一時閉鎖を決定した。
この船は10月20日にイギリスのサウサンプトンを出向したオーロラ号で、これまでの寄港地クロアチアとイタリアでは感染者の下船は認められず、ギリシャでは寄港が拒否されている。
現在乗客1900人のうち450人がこのノーウォーク・ビールスに感染しているが、「嘔吐と下痢が24時間続くだけなので心配はいらない。」と船会社では説明している。

グリーンピースメンバーに懲役合計12年を求刑

今年3月、カディスのロタ基地で、イラク攻撃反対を表明し、レインボー・ウォリアー丸に乗ってイラクへ向かうアメリカ軍艦の出向を邪魔した環境保護団体グリンピースのメンバー5人に対し、検察局は合計およそ12年となる懲役を求刑した。
3人の外国人(イタリア人、ニュージーランド人、アメリカ人)と2人のスペイン人には9ヶ月から5年の懲役が求刑されている。事件は3月14日午前9時から午後11時までロタ基地の港にレインボー・ウォリアー丸と4艘のゴムボートがイラク戦争反対のプラカードを掲げ、イラクへ武器を輸送するアメリカ軍艦の出港を邪魔したもの。訴状によると、船長はいかりを上げて立ち去るようにとの治安警備隊の命令を無視、他の乗組員は、逮捕に際し、船室に閉じこもって抵抗、ドアを閉める際、2人の治安警備隊員が14〜20日の怪我を負ったといい、罪状は不服従、抵抗と傷害。
5人のうちの2人を担当している弁護士は「彼らは他の市民と同様、自分たちの意見を表明する権利を行使しただけ」とし、即時釈放を求めている。カディスの刑事裁判所での裁判の日付は未定だが、グリーンピース側では4人のいずれもグリーンピース関係者、検察側では7人のいずれも治安警備隊関係者を証人として喚問することを要請している。

カディスで難破のいかだ、犠牲者34人に

10月25日にカディス県ロタで難破したいかだに乗っていたモロッコ人の犠牲者の数は現在のところ34人。一昨日深夜から昨日にかけて海上では8人の遺体が見つかっている。難破したいかだはゴムタイヤをつけたもので、50人近くのモロッコ人が乗っていたとみられるが、無事浜辺にたどり着いたのはわずか5名。さらに遺体が見つかる可能性があることから、捜索は今日も続けられる。

週末のスポーツの結果

ハンドボール:スーパーカップ決勝が行われ、スペイン代表は29−28でドイツに勝ち、優勝を飾った。シドニーオリンピックの代表チームメンバーは4人だけが残る新チームで臨んだ今回のスーパーカップ最終戦では序盤、地元ドイツの攻勢を許したものの、強固なディフェンスは崩れず、前回世界選手権での課題であった攻撃も改善され、残り30秒で28−28となったときも落ち着きを失わなかった若いチームはペナルティで勝利をもぎ取った。
ゴルフ:マラガのバルデラマ・ゴルフ・クラブで行われた欧州ツアー最終戦のボルボ・マスターズ・アンダルシア最終日、スペインのカルロス・ロディレス選手とスウェーデンのフレデリック・ヤコブソン選手の間での優勝決定は4ホールのプレーオフへと持ち込まれ、ヤコブソン選手が優勝。28歳のロディレス選手は初優勝を逃した。




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