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1月30日(金)

スペイン-アルゼンチンペア、全豪オープン優勝

全米オープンと全仏オープンでそれぞれ2回ずつ優勝しているスペインのビルヒニア・ルアノ・パスクアル選手とアルゼンチンのパオラ・スアレス選手のペア(第一シード)が今日、全豪オープン女子ダブルス優勝を飾った。
決勝での対戦相手はロシアのスベトラナ・クズネツォワ、エレーナ・リホフツェワ組で、ルアノ-スアレス組はこのペアに6-4、6-3で勝利、全米オープンに続くペアでの優勝となった。昨年はウィリアムズ姉妹ペアに決勝で敗れたが、今回の優勝で両選手とも全豪複のタイトルを初めて獲得、賞金33万ドルを手にした。

フェリペ皇太子、36歳のお誕生日

今日、36歳の誕生日をお迎えになるスペインのフェリペ皇太子は、婚約者レティシア・オルティス・ロカソラノさんと共にコバドンガを訪問(到着予定時間12時半)される。
今回のご訪問は、昨年11月6日にエル・パルド宮で正式に婚約発表を行われた際の約束に基づいて行われるもので、フェリペ皇太子がコバドンガを訪れられるのは、2001年9月7日以来。この地は1977年11月1日に皇太子が“Principe de Asturias(アストゥリアス皇太子)”の称号を受けられた場所でもある。予定ではお2人は、コバドンガの御堂で行われる祈祷に参加され、その後カンガス・デ・オニスで昼食を摂られることになっている。婚約発表後、お2人がアストゥリアスを訪問されるのは12月に続いて2度目。前回は、レィティシアさんの祖父の病気見舞いのため、祖父母の住むサルデウを訪問されている。

親権のない母親に対し、未成年者拉致で身柄引渡し要求

バルセロナ第31法廷裁判官は、イタリアで逮捕され、現在拘留されている34歳のスペイン人女性マリア・ソリア容疑者に対し、身柄引渡しを要求した。ソリア容疑者と、内縁の夫であるサルバドール・フォルナスさん(44歳)との間には3歳の息子がいるが2人は昨年別れ、裁判の結果、住所不定で、イタリア居住権を持つ男性と交際しているソリア容疑者ではなく、定職に就き、安定した生活を送っていると主張したフォルナスさんに親権が与えられた。ところが、1ヶ月の夏休みを過ごした後、期日の昨年8月1日にソリア容疑者は息子をフォルナスさんに返さず、このためフォルナスさんは未成年拉致の罪でソリア容疑者を告発した。その後バルセロナ裁判所によりインターポールにソリア容疑者の捜索・逮捕命令が出され、容疑者は1月14日ナポリで逮捕されている。
2002年12月11日から適用された改正刑法により、現在ではスペインでは未成年拉致は2〜4年の刑務所行きとなり、拉致した未成年者を国外に連れ出した場合は、刑期は3〜4年に増える。両親の離婚後、親権を持たない親が子供を連れ去ることは、刑法改正前は刑法による処罰の対象とならず、民法でしか解決できなかったが、改正後、未成年者拉致が適用できるようになった。通常、この対象となるのは母親でなく父親であるケースが圧倒的に多い。


1月29日(木)

2003年度、失業者8900人増

建設業とサービス業が好調なため雇用改善状況は3年前のリズムを取り戻しつつあるが、一昨年と比べ8900人増の失業者数に終わったことが、INE(国立統計局)の行ったEPA(労働力人口対象アンケート)により明らかになった。
2003年度の失業率は11.2%。1996年にPP(国民党)が政権に就いた当時の失業率(22.5%)の半分となったが、依然としてEU加盟15カ国内では最悪の数字。スペインの労働力人口はおよそ1900万人で、うち200万人強が失業中。労働力人口は前年に比べて49.3万人増えた(2.67%増)が、そのうち33万人は女性。しかし、女性の失業率は現在15.56%で男性の8.20%のほぼ倍となっている。また、家族全員が失業中の家は、49.8万家族と、前年比7800家族増となった。
自治州別で見ると、最も失業率が高いのはアンダルシア州(18.46%)で次がエクストレマドゥラ州(17.11%)。逆に失業率が低い(7%以下)自治州は、ナバラ、アラゴン、ラ・リオハ、マドリッドの各州との結果が出ている。

カロ氏ETA面会に同行した人物が発覚

エル・パイス紙の独自の調査によると、1月4日、ペルピニャンでのETAメンバーとの面会に赴いたカロ氏には同行者がいたという。その人物は、カロ氏が所属するERC(カタルニャ左翼共和党)のメンバーで、カタルニャ州政府諮問理事会のメンバーでもあるジャウマ・レニエル氏。
諮問理事会とは、州の法律が憲法に違反していないかどうかをチェックする高等機関で、法律家でありRovira y Virigili大学教授でもあるレニエル氏はERC所属としてこの理事会のメンバーとなっている。1991年、当時、ETAとのつながりのあるカタルニャ州の独立政党Catalunya Lliure(カタルニャ自由党)のメンバーだったレニエル氏は、カロ氏と接触、同年6月27日のカロ氏とETAの会合の用意をしたとされる。
レニエル氏は、昨日、カタルニャ州政府諮問理事会事務所でエル・パイス紙記者に面会、しかし「法律諮問以外の用件でない限り質問には答えない。」と述べ、カロ氏を含むERCのその他のメンバーも沈黙を通している。

フェレロ選手、全豪オープン準決勝進出

昨日行われた準々決勝でモロッコのヒチャム・アラジ選手を6-1、7-6、7-6で破ったスペインのフアン・カルロス・フェレロ選手(第3シード)は、準決勝でスイスのロジャー・フェデラー(第2シード)と対戦する。フェレロ選手は両腿をテーピングしての出場だったが、サーブ力の差が物を言った。フェレロ選手がこの試合で取ったサービスエースが18だったのに対し、アラジ選手はわずか2。
また、女子ダブルスにアルゼンチンのパオラ・スアレス選手とペアを組んで出場しているマドリッド出身のビルヒニア・ルアノ・パスクアル選手は、準決勝で杉山-フーバー組を6-4、7-6で破り、決勝進出を果たしている。


1月28日(水)

カロ・ロビラ氏、代表議員職辞職

カタルニャ州で連立政権を組む3党のうちの1党ERC(カタルニャ左翼共和党)所属で、州議会でConseller en cap(代表議員)を務めているカロ・ロビラ氏が1月4日にETA幹部と会合を持ったことにより、PSOE(社労党)は、PSC(カタルニャ社会党)所属で州議会知事のパスクアル・マラガル氏に対し、カロ・ロビラ氏から提出された辞表を受理するよう圧力をかけていたが、マラガル氏はいったん受理を拒否したカロ・ロビラ氏の辞表を昨日受理した。
マラガル氏は昨日の午後記者会見を行い、カロ・ロビラ氏の辞表を受理したことを発表、しかし「カロ・ロビラ氏は良いことをするつもりで誤りを犯したに過ぎない。」と述べ、カロ・ロビラ氏の行動に理解と擁護を示した。PPはPSCとERCの連立政権合意破棄を要求していたが、マラガル氏は合意破棄はないとした。
その後、カロ・ロビラ氏が記者会見を行い、「私は平和を信じ、平和への道は対話にあると考えたためETAとの会合を持った。これについては、隠し立てすることもなく、また謝罪も考えていない。政治的問題の解決には対話しかなく、話すことによって人々の理解は得られる。私はこれ以上ETAの犠牲者が出てほしくない、これ以上ETAのテロがあってほしくない、これ以上ETAによる死者がでてほしくない、との思いからETAと会合を持った。」と再びETAと会合を持った理由について説明したのち、3月14日の総選挙にERCからの筆頭候補として出馬することを明らかにした。

カステジョン県議会議長に出廷命令

カステジョン県ヌレス裁判所は、カルロス・ファブラ・カステジョン県議会議長に対し、被告として来週火曜日出廷するよう通知した。PP同県支部長でもある被告は、農薬製造会社社長ビセンテ・ビラール氏に、厚生省、農林水産省からの許可取得のための手続き代として4.8万ユーロ以上を払わせたとし、告訴されている。両省では、ファブラ被告と話し合いがあったことは認めたが、この話し合いが、ビラール氏への農薬製造許可付与が早まった事実はないとしている。
ファブラ被告は、職権濫用、収賄、背任、詐欺などの容疑に問われているが、判事はこれと並行して公衆衛生と事業監督に関してのいくつかの容疑で別の審議も開く予定。PSOEは、ファブラ被告の議長職即時辞任を要求している。

トケス町長、辞任の意向はなし

先週、未成年者に対するセクシャル・ハラスメントの罪で有罪判決を受けたア・コルーニャ県トケス市のヘスス・アレス・バスケス町長(71才)は、昨日辞任する意思はないことを改めて表明した。
判決後、アレス町長を擁護していたマヌエル・フラガ・ガリシア州知事も、月曜午後にはPP本部との会合の結果、アレス町長に対して辞任を正式に求め、「野党からのリコール要求により開催された昨日の臨時町議会で責任はとるだろう」と述べたものの、アレス町長は辞任を拒否した。
アレス氏は1981年から町長を務めているが、当時16歳だった少女にキスをし、胸を触ったとし告訴されていたものの、先の選挙では60%の得票率だった。今回の事件に関し、町長は「原告とその家族が私にダメージを与えるためだけに仕組んだこと」と、原告とその家族を非難、「私は自身の血をこの町に捧げる」と発言したとき、支持者の間からは歓声があがった。
臨時議会が開かれた町役場にはおよそ50人ほどの報道陣が集まったが、議場に入った町長はカメラマンの退場を求め、支持者たちがカメラマンを議場から力づくで押し出し、これによりラジオ局オンダ・セロのリポーターのマイクが壊れた。22人の記者たちは支持者から受けた暴力をその後、警察に訴えた。


1月27日(火)

カロ氏、ETAと会合、広がる波紋

カタルニャ州議会conseller en cap(議員代表)を務めるERC(カタルニャ左翼共和党)のジョセップ・ルイス・カローロビラ氏が、今月初めフランス南部でETA幹部と会合を持っていたことが発覚した。
カローロビラ氏は、辞表をカタルニャ州政府知事であるPSC(カタルニャ社会党)のパスクアル・マラガル氏に提出、決定を知事の手に委ねていたが、知事は辞表は受理せず、カローロビラ氏を外務担当官としての職務から外すに留めた。これに関し、PSOE(社労党)のサパテロ書記長は「州政府知事に無断でテロリストと会合を持った議員代表の行動は、州政府への背信にほかならない」と議員代表を厳しく非難、マラガル知事に対し、ただちにカローロビラ氏の辞表を受理するよう要求し、PSOE執行部とPSC執行部の関係に大きな亀裂が入った。
昨日、質問なしという条件で記者の前に姿を現したカロ-ロビラ氏は、ETAとの会合の目的は、カタルニャをテロ対象から外す約束をテロリストからとりつけるためではなく、ETAに武器を捨てるよう説得するためだったと述べている。「会合については、 停戦の可能性があった頃、ETA側から申し出があったため、話し合いに応じた。」とカロ-ロビラ氏は述べているが、PP(国民党)のアスナル首相は「カロ-ロビラ氏がテロ組織に対し、殺してもいいのは誰で、殺してはいけないのは誰かを指示しようとした。」と議員代表を非難、ラホイ書記長と共に、PSCに対しカロ-ロビラ氏の辞職とERCとの連立政権合意破棄を求めている。

マドリッドでテロ犠牲者国際会議

昨日、マドリッドでテロ犠牲者国際会議が開幕、フェリペ皇太子が開幕演説を行った。 この中で皇太子は、犠牲者がテロ撲滅に果たす役割の重大さを強調、各国政府に対し、協力とテロへの厳しい姿勢を求めながら、「近いうちにテロ撲滅を祝う会議を開けることを望みます。」と希望をつなぐ言葉で演説を締めくくった。
また、欧州議会議長のパット・コックス氏は、ポルトガル、ベルギー、フィンランド、ギリシャ、デンマークの5カ国に対し、テロリストの資金調達、資金洗浄を阻止するためにEU規則を遵守するよう求めた。会議にはアイルランド、コロンビア、アルジェリア、イスラエル、アメリカといった国からテロの犠牲者150人が出席、テロ撲滅のために国際社会が一丸となって前線を作る必要性を訴えた。

スペイン、火星探査でEEUUと協力協定調印へ

2007年より火星探査プログラムに参加するための協力協定がスペインとNASAの間で数週間以内に調印される予定であることが昨日、フアン・コスタ・科学技術相により発表された。
スペイン人宇宙飛行士ペドロ・ドゥケ氏出席のもと開かれた記者会見では、分野はまだ確定していないものの、スペイン政府がロシアとも協力協定を結ぶ準備中であることが明かにされたほか、大臣は「スペイン人飛行士が国際宇宙ステーションに常駐するようになる(現在はロシア人、アメリカ人のみが常駐)ための努力は惜しまない。」と、今後さらにESA(ヨーロッパ宇宙機関)へのスペインの参加規模を増大することも発表した。
同席したドゥケ氏は、月と火星探査のカギは予算で、ヨーロッパでの現在の予算はNASAの10パーセントであることを指摘、コスタ大臣によると、スペインは今年度ESAに1.3億ユーロを投資し、スペインの投資額は全体の3.5%から5%になるという。


1月26日(月)

アンケート結果ではPP、PSOEに5.5ポイントの差

エル・パイス紙の依頼によりオピナ協会が行ったアンケートによると、3月14日に行われる総選挙で、現与党PP(国民党)は、過半数を取得した2000年選挙に比べると、2.3ポイントの後退であるものの、最大野党であるPSOE(社労党)に5.5ポイントの差をつけ、171〜175議席(得票数42.5%)を獲得する見こみだという。
このアンケートでは、PSOEは2000年の結果を2.65ポイント上回り、下院で135〜138議席(得票率37%)の獲得、IU(統一左翼)は、前回選挙と同じ5.5%の得票率との結果も出ている。
また、首相候補に対する評価では、PPのマリアノ・ラホイ氏が5.25点とPSOEのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏の4.59点を上回る結果を出した。政党の評価では、PPが5.18点、PSOEが4.8点、IUが3.62点となっている。

PP、総選挙立候補者リストを発表

PP選挙委員会は、昨日満場一致で国会選挙各県筆頭候補リストとアンダルシア州議会選挙リストを承認した。52県の立候補者のうち、29人は前回選挙と同じだが、44%にあたる23人は新しい顔ぶれとなった。
2000年の前回選挙が8人だったのに比べ、3月の総選挙ではPPの各県筆頭候補に14人の女性(前回比75%増)が名を連ねており、これはPSOEが予定している11人を上回る。女性筆頭候補者が増えたことについて選挙委員会委員長であるアンヘル・アセベス内務大臣は、「女性だからという点で特に選んだわけではなく、各人の能力を考慮した結果、自然に女性が増えた。」と述べ、女性の社会進出支持をアピールし、女性候補者の増大をうたっているPSOEとの相違点を強調した。
PP各県筆頭候補の平均年齢は49歳。最年長はレオンのフアン・モレノ氏(62歳)で、最年少はバレアレスのマリア・サロム女史(36歳)。候補者の職業は、弁護士、外交官、経済学者、公務員、農業技術者、土木技術者、医者、大学教授など。

沈没船から漏れたとみられる燃料が海上で発見(ビルバオ)

今月17日にビスカヤ県シエルベナのルセロ岬沖で沈没した“DIANAT”丸から流出したと見られる燃料が海上保安庁地方センターにより発見された。しかし海上保安庁は、沈没している船の燃料タンクが壊れたのではなく、船内の機械用に使われていた油が海上に上ってきたものであると考えており、周辺汚染の可能性は小さいとの見方を示した。流出した燃料の量については正確な量は把握されていないが、海上保安庁の発表では量は多くはないという。この燃料は後に、化学製品と混ぜられ、溶解させられた。
海中に沈んでいる船には燃料45トンと3000リットルの油が残っており、バスク州政府環境局では今後も沈没地域の監視を続けるという。

週末のスポーツの結果

テニス:全豪オープン出場スペイン選手中、唯一勝ち残っている第3シードのフアン・カルロス・フェレロ選手は、ルーマニアのアンドレイ・パベル選手を6-4、3-6、6-3、6-2で破り準々決勝進出。フェレロ選手は試合中に左太ももを負傷、テーピングをしての戦いとなったが、全仏オープン優勝者の貫禄を見せた。
ラリー:ラリー世界選手権今シーズン最初のレースであるモンテカルロ・ラリーに出場していたカルロス・サインス選手(シトロエンチーム)は土曜日、車がコースを外れ脱輪したため、リタイア。このレースの優勝者はサインス選手と同じチームのフランス人セバスティアン・ローブ選手。


1月23日(金)

イラク派遣の治安警備隊員重体、今日にも帰国

昨日、イラクでの任務中に重傷を負った治安警備隊のゴンサロ・ペレス・ガルシア指揮官を乗せた飛行機は、すでにバグダッドを出発、今日の午後5時頃、スペインに到着する予定。飛行機には、スペインから急行した医療チームが同乗しているほか、防衛事務官フェルナンド・ディアス・モレノ氏、治安警備隊長官のサンティアゴ・ロペス・バルディビエルソ氏と負傷者の兄弟2人も乗っている。
ペレス・ガルシア指揮官をスペインに帰国させる決定についてバルディビエルソ長官は、バグダッドで治療にあたったアメリカ人医師団とスペイン人医師団が、負傷者の兄弟と共に下した決定であり、「患者の容態は今のところ安定しているが、今後24〜48時間内に脳内の血圧が上がり、デリケートな状態に陥るこが予想されている。」と説明した。
8月からイラクに派遣されているペレス・ガルシア指揮官は、昨日未明、スペイン基地から南におよそ40キロ地点にある村アル・ハムザでイラク警察と共同でゲリラと見られる人物を追跡中に額に銃弾を受けた。指揮官はスペイン基地で応急処置を受けた後、ヘリコプターでバグダッドの米軍病院に移送されたが、銃弾は額の骨に埋まっているため摘出することができなかった。指揮官は深い昏睡状態にあり、容態は安定しているものの危険な状態。

カラトラバ氏、グラウンドゼロの地下鉄駅設計プラン発表

スペインを代表する建築家の1人であるサンティアゴ・カラトラバ氏(1951年バレンシア県ベニマメ生まれ)が昨日、ニューヨークのワールド・ファイナンシャル・センターで、グラウンドゼロに建設する地下鉄ターミナルの設計プランを発表した。
鋼鉄、ガラス、セメントで作られるこの建物は、テロの犠牲になった人々とテロのダメージを乗り越えようとするニューヨーク市の努力に敬意を表し、ハトを形どったガラス張りとなる。ターミナルの天井は開閉式で、天気の良い日と毎年9月11日には開かれる予定。「ターミナル内には9月11日のテロを思い出させるような文字、彫刻の類は一切置かず、建物自体が9月11日の思い出を象徴することとなるだろう。」と数年前に自宅を購入、パーク・アベニューに事務所を構え、現在は家族と共にニューヨークに暮らしているカラトラバ氏は述べている。
2005年初頭に建設開始が予定されているこのターミナルが完成すれば、ニュージャージーとニューヨークを結ぶ14本の地下鉄と鉄道が通ることになり、1日あたりおよそ10万人が利用すると見られている。

2003年プレミオス・アミーゴ発表

今年から新しく最優秀音楽ビデオ賞と最優秀クラシック音楽アルバム賞が加えられたAFYVE(スペイン音声・ビデオ協会)主催のプレミオス・アミーゴ(アミーゴ賞)の第7回授賞式が昨日、マドリッドで行われた。受賞者は次のとおり:
最優秀スペイン男性アーティスト:アレハンドロ・サンス
最優秀スペイン女性アーティスト:パシオン・ベガ
最優秀ラテン男性アーティスト:ベボ・バルデス
最優秀ラテン女性アーティスト:ドゥルセ・ポンテス
最優秀スペイングループ:ラ・オレハ・デ・バンゴッホ
最優秀ラテングループ:ベボ・イ・シガラ
最優秀スペインアルバム:“No es lo mismo”(アレハンドロ・サンス)
最優秀ラテンアルバム:“Tribalistas”(トリバリスタス)
最優秀インターナショナルアルバム:“Dangelously in love”(ビヨンセ)
最優秀音楽ビデオ:アレハンドロ・サンス
最優秀男性新人賞:ディエゴ・エル・シガラ
最優秀女性新人賞:ナジワ・ニムリ 最優秀スペイン新人グループ:アンディ&ルーカス
最優秀ラテン新人賞:カルリーニョス・ブラウン
最優秀フラメンコアルバム:“Lagrimas Negras”(ベボ・イ・シガラ)
最優秀クラシック音楽アルバム:シューマン4つの交響曲(ダニエル・バレンボイム)

今回もアレハンドロ・サンスが実力を見せつけ3部門での受賞となったが、昨年大ヒットしたキューバのピアニスト、ベボ・バルデスとマドリッド出身カンタオール、ディエゴ・エル・シガラの2人が合わせて4部門の最多の受賞となった。


1月22日(木)

カスコス大臣、総選挙不出馬を表明

現在、勧業大臣を務めているフランシスコ・アルバレス-カスコス氏(56歳)が昨日、地元アストゥリアスで3月に行われる総選挙に出馬しないことを発表した。
カスコス氏は1989年から99年にかけてPP(国民党)の書記長を務めたほか、1996年から2000年のにかけては、第一副首相も兼任。アスナル政権内で継続して官僚職についているのは、唯一ロドリゴ・ラト経済相とカスコス勧業相のみ。18分にわたってカスコス氏は用意していた4ページの声明文を読み上げ、その後記者からの質問は受け付けなかった。発表の席には、恋人のマリア・ポルトさんと、前々妻との間の3人の子供も出席したが、対立しているPPアストゥリアス支部執行部からの出席者はなかった。
カスコス氏が大臣を務めている期間の勧業省は、プレステージ事故の対応の悪さ、マドリッド-ジェイダ間AVEの開通の遅れ、住居の高騰など批判の的となっていた。氏の今後について、政界から永久に引退するのかどうかについての言及は昨日の発表では行われていない。カスコス氏は、「後進に道を譲る目的で2年前に行った『アスナル首相と行動を共にする』という言葉を守り出馬はしない」と述べているが、PP内部では首相候補のマリアノ・ラホイ氏がカスコス氏の入閣を予定していないという噂も聞かれ、PP内での勢力を失ったことが理由ではないかとの声が上がっている。

PP議員宅に火炎瓶(サン・セバスティアン)

サン・セバスティアンにあるPP(国民党)選出議員ゴンサロ・キロガ氏の自宅に水曜の午前3時、火炎瓶が投げつけられた。この爆発物は、正面玄関のバルコニーに当ったがガラスは割れず、また住宅内部にも被害はなく、火炎と酸により壁、床が黒くなった程度の被害にとどまった。同議員宅に攻撃が加えられるのはこれで5度目。
バスク州知事のイバレチェ氏は知らせを受け、キロガ氏に見舞いの電話をかけた。イバレチェ氏は月曜にマドリッドを訪問、テロリズムからの脅迫下にある人々や犠牲となった人々への援助を惜しまないというバスク州政府の姿勢をアピールしたばかり。キロガ氏がイバレチェ氏からの見舞いを受けるのはこれが初めてだという。

ルイス・クエンカ氏、死去

俳優のルイス・クエンカ氏が昨日、肺疾患のためマドリッドで亡くなった。享年82歳。
1921年12月6日、カセレス県ナバルモラル・デ・ラ・マタで演劇一家に生まれたクエンカ氏の初舞台は7歳のとき、その後レビューで活躍、1944年に映画初出演。以降1980年までは映画は出演数も少なく、特に目立つこともなく、舞台演劇を中心に活動していた。
しかし、1995年ホセ・ルイス・ガルシア・サンチェス監督が自作『Suspiros de Espana y Portugal』でクエンカ氏を起用し、氏は映画界に復活。1997年にはダビ・トゥルエバ監督の『La buena vida』でゴヤ賞を受賞、この7年間での映画出演作品数はそれまでのキャリアの出演作品数を超えている。名脇役として知られるようになったクエンカ氏はテレビドラマにも出演、TVEの大ヒットドラマ『Cuentame como paso』にも出演していた。


1月21日(水)

スペインとポルトガル、共同電力市場設立で調印

昨日、ポルトガルの首都リスボンで両国首相、経済相が出席し、共同電力市場設立条約が調印された。Mibel(Mercado Iberico de la Electricidad)と呼ばれるこの共同電力市場は、1993年スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークが設立した共同電力市場に次ぐもので、規模ではこの電力市場を凌いで利用者5300万人とEU内最大のものとなる。
4月20日から効力が発生するこの条約により、スペイン、ポルトガルの消費者の電力会社の選択肢は2カ国に広がる。これにより両国の電力会社が競争を余儀なくされるため、電気代の値下がりが予想されている。現在、ポルトガルでの企業用電力費はスペインよりおよそ10%、家庭用は14〜24%高い。

中央選挙委員会、労働省の広告を禁止

中央選挙委員会は昨夜、PSOE(社労党)とIU(統一左翼)からの抗議内容を検討した結果、労働省が現在展開している広告を3月14日の総選挙が終了するまで禁止することを決定した。
PSOE、IU両党は、政府公報で総選挙の日取りが3月14日と発表され、国会が解散された昨日から公式には選挙期間に入るとの考えから、この広告の撤回を要求していた。また、この広告の宣伝文句と現与党PP(国民党)の宣伝文句が酷似していることも“公共広告を特定政党の宣伝に利用している”とし、抗議の対象となっていた。
この抗議を受けて、昨日国会議事堂で行われた会議で、中央選挙委員会は、この労働省の広告が“公共利益の擁護または公共サービスの正しい理解に不可欠なものではない”と判断、選挙期間に入った昨日から選挙終了まではこの広告は禁止という決定が下された。
この労働省の広告については、選挙を2ヶ月後に控えた今になって広告展開を始めた理由説明のためのサプラナ労働大臣への国会特別答弁が野党から先週要求されていたが、この要求は与党の反対票によって却下されている。

病院で暴動、1人重傷(マドリッド)

昨日の午後5時、マドリッドのラ・パス病院集中治療室で30歳の男性が亡くなった。医師が彼の死亡を集まっていた家族に伝えたところ、50人近い家族が集中治療室のドアを蹴りガラスを割る、看護人と口論を始めるなど暴れ始めたため、病院側は警察に通報。フエンカラアル地区担当警察署からパトカー数台が出動したが、騒ぎは収まらず、数人が刃物を持っていたことから最終的に対暴動専門部隊が出動することとなった。この暴動の結果、死者の兄が頭蓋骨骨折の重傷を負ったほか、男性2人も腕を骨折した。
しかし、死者の父親は調べに対し、「我々は何もしていない。これは、明らかに我々ロマ族に対する人種差別だ。」と述べている。重傷を負った男性はラ・パス病院に入院中。


1月20日(火)

スペインとモロッコ、2月半ばから共同で海上パトロール

スペイン、モロッコ両政府は、2月半ばから西サハラのエル・アーイウンとカナリアス諸島の間の海上を共同でパトロールすることで合意に達した。この地域では2003年に9212人の密入国者が逮捕されている。共同パトロールは6ヶ月の期限つきで試験的に行われ、この結果を検証したのち、ジブラルタル海峡でも同様のパトロールが行われる。
金曜日、マルベジャに両国代表が集まり極秘で行われた会談では、このほかにも両国間での密入国者に関する迅速な情報交換のための専門官の交換を行うことが決定されており、マドリッド、ラス・パルマス(グラン・カナリア島)、アルへシラス(カディス県)に赴任するモロッコ警察からの専門官は今週中、モロッコに派遣されるスペイン警察からの専門官は2月の第1週目に決定される予定。

85歳の男性、82歳の妻を刺殺

昨日未明、フアン・ヒル・デルガード容疑者(85歳)が妻、マティルデ・アゲダ・モレノさん(82歳)を刺殺する事件がバダホス県アルメンドラレホの老人ホームで起きた。2人は5日前に結婚したばかりだった。
事件が起きたのは、エクストレマドゥラ州立のヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ピエダ・老人ホームで、月曜の午前4時、職員が悲鳴を聞きつけ、ヒル容疑者とマティルデさんの部屋に駆けつけたところ、マティルデさんがベッドの上に血まみれで倒れており、横にヒル容疑者が立っていた。後に見つかった凶器のナイフは柄がプラスティックの刃渡り15センチのもので、このナイフでマティルデさんは5ヶ所を刺されていた。ナイフはヒル容疑者が肉屋で働いていたときのもの。通報を受けた警察が到着し、容疑者は抵抗することなくその場で逮捕された。
2人の息子がいるヒル容疑者は知人によると“カッとしやすい性格”だったというが、これまで老人ホームで問題を起こしたことはなかったという。しかし、被害者の家族は、意見を異にしており、娘のマティルデ・サンチェス・アゲダさんはヒル容疑者が「所有欲が強く、嫉妬深かった。」とし、容疑者への精神鑑定を求めている。ヒル容疑者は、マティルデさんが誰とも話さないように、最近彼女の携帯電話を破壊したばかりだったという。このほか、被害者の家族は室内にナイフを所持することを許可していた老人ホームも非難しているが、これに対し老人ホーム所長のマリオ・ガルシア氏は「ホームは病院や刑務所ではないので、こちらで危険がないと判断した人物は自分の家にいるのと同様の行動が許可されている。入所者が買ってきた食品を室内で食べることもあるので、通常ナイフを室内に所持することは問題視していない。」と反論した。
ヒル容疑者とマティルデさんは数ヶ月前に同老人ホームで知り合い、1ヶ月前から交際を始めていた。交際から1ヶ月少しでの結婚は、家族だけでなくホームの仲間や職員も驚かせたが、分別ある2人の大人の決定を周囲は尊重、結婚式は同ホームで行われた。幸せそうに見えた2人の関係がこのような形で終わったことに周囲はショックを受けており、同老人ホームには精神科医が派遣された。

トマト運搬トラックから17トンの大麻押収

先週の金曜日治安警備隊が行った捜査により、アルへシラス港で17.5トンの大麻が押収されたことが判明した。この大麻はモロッコから上陸したトマト運搬トラックに隠されていたが麻薬探知犬により発見された。警察関係者の話によると、近々トラック運転手を含む2人のモロッコ人の逮捕が予定されているという。今回の押収量はこれまでの警察の大麻押収記録第3位となる量で、1位は1996年にアルボラン海上でボルガI丸から押収された36トン、2位は昨年アルへシラス港で押収された26トン。この26トンを発見したのは、今回17トンを発見したのと同じ麻薬探知犬“ダゴ”で、この犬は昨年1年間で39615キロの大麻を発見している。
このほか、昨日スペイン国家警察が明らかにしたところによると、この週末にはマラガ県ベナルマデナで行われた別の捜査により、オランダ産エクスタシー(合成麻薬MDMA)をコスタ・デル・ソルで密売していた国際組織が壊滅させられ、警察は5万錠のエクスタシーを押収したほか、コロンビア人3人とスペイン人2人を逮捕したという。この組織は毎週末マラガのバルやディスコで1000〜3000錠のエクスタシーを1錠6〜10ユーロで売っており、押収されたエクスタシーの市場価格は30万から50万ユーロにのぼるという。逮捕者の自宅からはこのほか少量の大麻も押収されている。


1月19日(月)

PNV新党首にイマス氏就任

土曜日、ビルバオでPNV(バスク民族党)党大会が開かれ、ハビエル・アルサジュス氏の後継者として新党首にジョス・ジョン・イマス氏が正式に任命された。
昨日は、イマス氏の就任式が行われたが、就任演説でイマス氏は23年間党首を務めたアルサジュス氏とバスク州知事フアン・ホセ・イバレチェ氏に対し、彼らが党とバスクのために尽くしてきたことを感謝、また聴衆に対しイバレチェ・プランにのっとって、バスク国家を建設するために一丸となって進もうと呼びかけたほか、反ETAを表明、平和と人権を擁護していきたいと述べた。

サパテロ氏、PSOE連立政権の可能性を否定

PSOE(社労党)はこの週末、マドリッドで政治集会を開き、PSOEの政策についての討論が行われた。この集会にはおよそ3000人が出席し、聴衆を前にサパテロ書記長は、3月の総選挙で現与党PP(国民党)を上回る得票がなければ、他政党と連立して政権に就くことはないと表明した。
集会ではこの他当選後の政策として、最低給与額を月額460ユーロから600ユーロへ引き上げ、イラク再建を国連が指揮しない場合はスペイン軍を撤退、外科手術待ち期間を最高45日までに短縮するなどを挙げた。2月頭の党執行委員会会議で、政策の最終修正が行われる予定。

スペイン人とモロッコ人若者グループの衝突で1人死亡

土曜日の未明、ハエン県バエサにあるディスコ前でスペイン人の若者とモロッコ人のグループが衝突、乱闘となり、22歳のスペイン人1人がナイフによる刺し傷により死亡した。警察ではすでに居住許可を持つモロッコ人2人を殺人の容疑で逮捕している。
昨日の埋葬にはおよそ2000人が駆けつけた。参列者の中からは“Fuera los moros.(モロス-北アフリカ系住民の蔑称-は出ていけ”という声も一部で聞かれたが、この声が全体に広まることはなかった。この日の夜には犠牲者の友人が自発的に集まり、移民も人それぞれであるから、ひとくくりにして評価しないように訴え、あらゆる種類の暴力への拒絶を表明した。
しかし、バエサ市内では移民の姿がほとんど見られない状態となっている。バエサ市民ボランティアにより運営されている移民用食堂は土曜から閉鎖されており、この理由を「利用者がほとんどいないため」と責任者が説明する一方で、ほかの関係者は住民との紛争を避けるための措置であると述べている。

週末のスポーツの結果

ラリー:カタルニャ州フォルゲロレス出身のジョアン・ナニ・ローマ選手がダカールラリーのバイク部門で2位に12分半の差をつけて優勝を飾り、スペイン人として初めての優勝者となった。1996年から参戦しているローマ選手のこれまでの最高記録は2000年の17位で、これまで事故、故障によりリタイアが続いていたが、9度目の挑戦にしてついに優勝をつかんだ。
テニス:シドニー・インターナショナル・トーナメント決勝に進出したスペインのカルロス・モヤ選手だったが、オーストラリアのレイトン・ヒューイット選手との対戦中第1セット第7ゲームで右足首を捻挫、棄権した。その後治療が施されたが、今日開幕の全豪オープンへの出場は断念せざるをえなくなった。
全豪オープンには10人のスペイン人選手(男子6人、女子4人)が出場するが、すでに行われている第一回戦で、男子はダビ・フェレール選手、ガロ・ブランコ選手、女子はアナベル・メディナ選手が1回戦突破、トミー・ロブレド、オスカル・エルナンデス、アルベル・ポルタス、フェルナンド・ベルダスコの男子4選手とマルタ・マレロ、マギ・セルナ、ガラ・レオンの女子3選手は1回戦敗退している。


1月16日(金)

年間インフレ率、1998年以来最低を記録

昨日、2003年度の年間インフレ率が発表となり、政府の予想(2%)を0.6ポイント上回る結果となったものの、昨年度は1998年以来最低の2.6%のインフレ率だったことがわかった。ユーロ導入最初の年であった2002年度のインフレ率は4%であったが、関係者は、このユーロ導入によるショックが収まったとの見解を示した。
INE(国立統計局)が発表したところによると、2003年12月のインフレ率は前月比0.2ポイントダウン、前年同月比からは1.4ポイントのダウン。1998年以来最低のインフレ率となったものの、5年連続で政府の目標である2%には収まらなかった。各部門の年間インフレ率は以下のとおり:
食品-4.1%、タバコ-2.8%、衣料品-2.5%、住宅-2.8%、薬品-2.0%、交通-1.0%、通信-マイナス0.2%、教育-4.3%、ホテル-4.1%
ロドリゴ・ラト経済大臣は、「2002年度のインフレ傾向が収束し、スペインのインフレ率がEU圏内平均レベルに近づいている。(現在の差は0.6ポイント。)」とし、この結果に満足の意を表したが、PSOE(社労党)、IU(統一左翼)は教育費と食品の値上がりによって最も購買能力の低い人々が影響を受けているにもかかわらず、政府が特にインフレ対策を講じなかったことを非難している。

内務省、強制送還担当特別チームを編成

昨日、スペイン内務省のチャーターした飛行機で70人の不法滞在ルーマニア人が自国に送還された。送還が無事終了するよう、飛行機には暴動対策に160人の警官が同乗したほか、ルーマニア到着後の書類手続きを担当する警官も同乗。内務省ではほぼ1週間おきに、ルーマニアのほか、コロンビア、ナイジェリアなどにも同様のシステムで不法滞在者の送還を行っているが、内務省では手続きがスムーズに行われるよう、送還特別担当者のチームを現在編成中だという。
不法滞在者を送還する際にチャーターされる飛行機の大半はエア・エウロパ社の飛行機。移民1人につき2人の警備用警官がつくほか、送還者の書類手続き担当警官、15人程度の警備補強用警官も飛行機に同乗する。国外に出るため警官は武器携帯許可を持たず、そのため警官は棍棒を携帯するのみ。送還者には手錠、足かせはつけられず、機内では警官が移民の両脇に座る。送還者は犯罪者ではないため、これまでのところ、特に警官の介入を必要とする出来事は起こっていないという。
ルーマニアや、アフリカ諸国への送還の際は警官は飛行機から降りないが、送還先がコロンビアやエクアドルの場合は宿泊が必要となる。この費用に加え、機内で出される送還者への機内食、帰国後の警官への2日の休暇の付与などによる内務省の負担は大きい。この送還にかかる費用の増大により、内務省予算は昨年の4倍に膨れ上がっている。

国王杯抽選会行われる

16強が出揃ったサッカー国王杯の抽選会が今日行われた。1試合目は1月20日から22日の間、2試合目は同月27日から29日の間に行われる。組み合わせは以下のとおりで、現在リーグ1位のバレンシアが2位のレアル・マドリッドと対決する好カードとなった。

レアル・マドリッド−バレンシア
セビジャ−アトレティコ・デ・マドリッド
F.C.バルセロナ−レアル・サラゴサ
アラベス−セルタ


1月15日(木)

女性への暴力行使を正当化したイマームに有罪判決

バルセロナ第三刑事法廷は昨日、フエンヒローラのイマーム(イスラム教で、モスクで行われる礼拝を指揮する導師)モハメッド・カマル・モスタファ被告に対し、懲役15ヶ月、2160ユーロの罰金の判決を言い渡した。被告は著書“La mujer en el islam(イスラムの中での女性)”の中で女性への暴力行使を正当化、またどのように殴打すれば跡が残らないかについての指導も行っており、これにより女性への暴力挑発と、差別を行った罪に問われていた。被告は、問題となった部分の記述に関しては自分の意見ではなく、コーランの章句の解釈であるとしていたが、裁判官はこの反論を退け、憲法で保障されている宗教の自由について認めたものの、この宗教の自由が女性への暴力への口実になることはないとの判断を下した。
刑法第510条第1項では性別、人種、宗教が理由で、差別、憎悪、暴力を引き起こした人物に対し、最高で懲役3年の刑を科すことが定められている。スペインで、この罪で有罪判決を受けたのはバルセロナのエウロパ書店店主ペドロ・バレラ被告(上告中)以来2人目。

アルムニェカル、ネルハの山火事、ほぼ鎮火

昨日グラナダ県アルムニェカルとマラガ県ネルハの間で発生した山火事によりおよそ100ヘクタールの松林が焼失した。強風にあおられて広がったこの火災により、昨夜は農家2軒が避難を余儀なくされたが、結局この2軒には被害は出なかった。グラナダ側では火はコントロールされているが、ネルハ側では依然として火災が続いているが、順調に鎮火へ向かっているという。出火の原因は現在調査中だが、電気系統の故障による可能性が高い。

フェリペ皇太子、グアテマラで交通事故、無傷

オスカル・ベルガル新大統領の就任式出席のため、月曜からグアテマラを訪れていたスペインのフェリペ皇太子が昨日、首都南部で交通事故に遭った。皇太子は近代美術館に向かわれる途中で、この事故で4台の車が衝突したが、王室発表によると事故の規模は小さく、皇太子は無傷で、車を変えて予定通り美術館を訪問されたという。

カルロス・モヤ選手、シドニー・トーナメント準決勝進出

スペイン人同志の対戦となったテニスのシドニー・トーナメント準々決勝は、6-1、6-2でカルロス・モヤ選手がトミー・ロブレド選手に圧勝。先週マドラス・オープンも制しているモヤ選手が好調であるところを見せつけた。準決勝では地元出身トッド・リード選手を破った南アフリカのウェイン・フェレイラ選手との対戦となる。


1月14日(水)

ラホイ書記長、ブレア首相と会談

与党PP(国民党)書記長で、3月の総選挙におけるPPの首相候補でもあるマリアノ・ラホイ氏は昨日ロンドンでブレア首相と会談、総選挙でラホイ氏が首相として当選した場合は、ジブラルタル問題解決にむけてイギリスとの会談が再開されるだろうと述べた。
ラホイ氏によると、彼が英語を話さないため、1時間にわたる会談はフランス語とスペイン語で行われたというが、この会談でブレア首相が、ジブラルタル統治権問題についてスペイン政府との会談を再開することを了承したという。
イギリスとスペインの間でのジブラルタル統治権問題は、1984年、マーガレット・サッチャー首相時代に交渉が開始したが、その後一時中断、2001年ジャック・ストロー・英外相とジョセップ・ピケ・西外相の間で交渉が再開されたものの、スペインの外相がアナ・パラシオ女史に変った2002年7月以降凍結されている。スペイン政府側は、交渉が決定的に決裂したとの見解は一度も公式には表明していないが、イギリス政府側は昨年夏、ジブラルタル統治権問題について両国間で合意に達するあらゆる可能性を否定しており、イギリスのデニス・マクシェーン・ヨーロッパ問題事務官は「イギリス、スペイン間にはジブラルタル問題よりも重要な話し合うべき課題がある。」と述べていた。
ブレア首相との会談後、ラホイ氏は保守党党首のマイケル・ハワード氏とも会談、これで総選挙前のラホイ氏の対外プレゼンテーションは終了した。

元町長に環境破壊で有罪判決

アリカンテ地方裁判所は、同県内ペゴ町のカルロス・パスクアル元町長に対し、懲役6年の刑を言い渡した。これは、町長時代にパスクアル被告が農耕地獲得のため、ペゴ-オリバル沼沢地を燃やし、道路、堤防の建設を行ったためで、これにより同沼沢地のおよそ50%にあたる600ヘクタールが被害を受けた。
この1250ヘクタールにおよぶ沼沢地はアリカンテ県とバレンシア県の境界にあり、スペインにある沼沢地の中でも最も水質のすぐれた場所として知られており、1971年からは国際的重要湿地としてラムサール条約の保護下にあるほか、1994年には自然公園に登録もされている。水質がすぐれていることから、スペイン唯一の水中植物群生地となっており、この植生が絶滅の危機に瀕している数種の鳥類、魚類の保護の役割を果たしている。
1994年の自然公園登録に反対していたパスクアル被告は、1995年から1997年にかけて助役のホセ・オリウエル被告と共に農耕地に転用するため、湿地内の一部に火をつけたほか、堤防を作り、自動車の通行ができるようにした。この環境破壊の罪により両被告は懲役6年と120万ユーロの損害賠償を言い渡されたが、パスクアル被告の弁護士はすでに最高裁への上告を表明している。

臓器移植、前年比2.1%の伸び

昨日、アナ・パストール厚生大臣が発表したところによると、昨年度に行われた臓器移植手術は前年比2.1%の伸びだったという。臓器提供者の数も2002年より37人増えて1446人となった。これを自治州別住民100万人あたりの数で見ると、パイス・バスコ46、カンタブリアとカナリアス40、アストゥリアス38、カタルニャとバレンシア36、ムルシア35、バレアレス34、ガリシア、アンダルシアとマドリッド33、アラゴン30、カスティジャ・イ・レオン29、ナバラ28、カスティジャ・ラ・マンチャ20、ラ・リオハ7となり、自治州間で大きな違いがあることがわかる。
提供臓器別に見ると腎臓が前年比5%、脾臓が7%増加しているが、心臓と肺はどちらも7%減少している。これは、昨年度は提供者の平均年齢が高かったためと心臓発作による死亡が多かったためであるという。提供者に最も多いのは50代で脳内出血により亡くなった男性。
現在スペインでは臓器移植を待つ人が4900人おり、移植までの平均待機期間は心臓が75日、肝臓が109日、肺が139日となっているという。移植手術後の患者の生存期間は肝臓が20年、心臓が14年、腎臓が16年と薬品の改良により大幅に伸びているという。


1月13日(火)

アスナル首相、訪米

スペインのホセ・マリア・アスナル首相は、2日間の日程で今日から訪米、今朝未明、ワシントンに到着した。今回の訪米の最大の目的は、ブッシュ大統領とイラク情勢について話し合うことだが、それ以外にもたくさんの予定が組まれている。
首相の最初の予定は、商工会議所でのアメリカの企業家との昼食会。その後、ラファエル・モネオ氏設計の在ワシントン・スペイン大使公邸の公式開館式を行う。
明日は、記者会見とジョージタウン大学での講演、大学関係者との昼食会が行われ、その後、政府要人が訪米の際には滞在するブレア・ハウスでアメリカ開発銀行のエンリケ・イグレシアス氏と会談、その後、ホワイトハウスでブッシュ大統領と会談し、イラクとアフガニスタン問題などについて話し合う。会談の後は、晩餐会が行われ、その後首相はスペインへの帰国の途につく予定。

パラシオ外相、在バグダッド新スペイン大使館訪問

昨日、アナ・パラシオ外相はバグダッドを訪問、新しいスペイン大使館を訪問した。この新しい大使館には以前より強力な保安措置が取られており、代表者1人をのぞいてすべての外交官がここで居住する。新大使館はその他の西欧諸国大使館や、イラク政治家も居住する地区にある1600平方メートルの建物で、周囲の道路が狭いことから警備がしやすいという。
建物は高さ8メートルの外壁で守られているほか、ベランダ、屋上には鉄条網が張り巡らされており、内部の警備はスペイン国家警察特殊部隊の8人があたるほか、電子防犯システムも作動している。
パラシオ外相は大使館訪問後、イラク暫定行政当局(CPA)のブレマー米文民行政官、その後イラク統治評議会のゼバリ外相、パチャチ議長とも会談した。

ジョアン・レベントス氏死去

カタルニャ州議会元議長(1995〜99年)のジョアン・レベントス・カルネル氏が今日未明、バルセロナ市内の病院で亡くなった。享年76歳。2001年2月に脳内出血を患って以来、政治の一線からは退いていたレベントス氏だが、日曜日心筋梗塞の発作を起こし、帰らぬ人となった。
大学時代から非合法大学組織で活動していたレベントス氏は、法律の教授となっても組織でも活動を続け、独裁政終了後、PSC(カタルニャ社会党)の最初の党首の座についた。フランス大使、国会議員などを歴任したほか、“Missio a Paris”、“Amics i Mestres”などの著者としても知られるほか、ペンネームを使ってカタルニャ語での詩集も出版している。死体が安置されているバルセロナのLes Corts葬儀所には、偉大なカタルニャ左翼政治家の死を悼んで、氏の友人でもあるパスクアル・マラガル州知事を始めとする、カタルニャ州左翼政党所属政治家が次々と弔問に駆けつけた。葬儀は明日、同葬儀所午前11時45分から行われる。


1月12日(月)

アトゥチャ議長、政界からの引退を表明

昨日、“El Diario Vasco”紙、“El Correo”紙に掲載されたインタビュー記事で、バスク州議会議長を務めるフアン・マリア・アトゥチャ氏(PNV)は現在の任期が終了する2005年に政界を引退することを改めて発表した。政界引退後は、BBK(ビルバオ・ビスカヤ信用金庫)で働く予定。
アトゥチャ氏は、州議会内にある元バタスナ党議員により構成されているグループSozialistas Abertzaleak(愛国社会主義同盟)解散命令を履行しなかったとし、バスク州最高裁から提訴されているが、アトゥチャ議長の顧問役によると、アトゥチャ氏は定年退職の年齢に近くなることと、後継者に跡を譲りたいとの意向により、2001年の選挙立候補時にすでに今期限りでの政界引退を決めており、今回の引退表明はその再確認のためであって、提訴とは何の関係もないという。
ビスカヤ信用金庫ドゥランゴ支店長だったアトゥチャ氏が政界入りしたのは1987年。バスク州政府内務大臣を経て1998年から現職。これまで少なくとも2回、ETAは彼の暗殺を企てている。

遺体で発見のトラック運転手、検死結果に暴力の跡なし

12月8日から行方不明となり、先週木曜日に遺体が発見されたマドリッドのトラック運転手、ヘスス・ヒメネス・ゴンサレスさん(28歳)の検死が土曜日に行われたが、その結果、遺体には事故による損傷しかなかったことが地元紙の発表により明らかになった。警察からの公式発表はまだ行われていない。
ヒメネス・ゴンサレスさんは、12月8日、2.2万リットルの潤滑油を積んだトラックでマドリッドを出発し、バルセロナに向かったがサラゴサで消息を絶っていたが、先週木曜日、200キロ離れたバレンシア県チェルバの崖から転落しているトラックの中で遺体となって見つかっている。積荷の潤滑油がなくなっていることから、警察では盗難の可能性が高いとし、捜査を進めている。

バルサ、ダヴィッツ選手獲得

日曜日の深夜過ぎまで行われた移籍交渉が終了、スペイン時間の今日の午後6時、FCバルセロナから正式にオランダ人ダヴィッツ選手の加入が発表される。今日の健康診断も無事に終了し、選手のバルサデビューは水曜日の国王杯レバンテ戦の予定。健康診断を行ったバルサのチームドクターは「31歳という年齢、これまでの激しい運動量を考えると、健康管理には十分な注意を配ってきた選手だということがわかる。」と述べており、1997年と2000年の負傷後の結果も良好だったという。
選手は年俸の額を下げたと見られており、契約は今期終了まで。両者の合意があればもう1シーズン延長される。


1月9日(金)

アスナル首相、マラガル知事と初会談

昨日の午後、ホセ・マリア・アスナル首相は首相官邸でカタルニャ州知事パスクアル・マラガル氏と知事就任後初の会談を行ったが、第二副首相のハビエル・アレナス氏も同席したこの会談では、首相と知事の見解の違いが改めて確認された。
会談終了後、マラガル知事はアスナル首相の「オープンな姿勢」に感謝の意を表し、「三党連立のカタルニャ新政権が過激民族主義でも革新主義でもないことについては理解を得られたと思う。」と述べたが、同時に自治政府憲章改正を含むカタルニャ新政府が提案する多くの懸案について、両氏の間に見解の相違があることも認めた。
一方、マラガル知事の後で記者会見に応じたアレナス大臣は、「中央政府は自治政府の決定を尊重するが、自治政府に対しても、同様に中央政府と国会の決定への尊重を求める。」と述べ、マラガル知事が見せた楽観的姿勢とは異なり、あくまでもカタルニャ州政府への厳しい態度を維持した。

パラシオ外相、グアンタナモ基地拘束のスペイン人引渡しに手応え

昨日ワシントンでラムズフィールド国防長官と会談したアナ・パラシオ外務大臣は、グアンタナモ基地に拘束されているセウタ生まれ、スペイン国籍のハメッド・アブデラマン・アーメッド氏の身柄引渡しが近々行われる手応えがあったと会談後述べた。身柄引渡し要求は、バルタサール・ガルソン判事から行われているもので、外相は「今回の会談で進展があった手応えを感じている。この進展が近いうちに現実のものとなることを願っている。」と述べたが、会談の細かい内容について言及することは避けた。スペイン大使館はこれまでに三回、グアンタナモ基地でアーメッド氏と接見を行っているが、今後も接見は続けられるという。実際に引渡しが行われれば、アーメッド氏はスペインの中央管区裁判所で裁判を受けることになる。

ブラジルで誘拐のスペイン人宣教師、解放

6日の未明、ブラジルのロライマ州で誘拐されたスペイン人、コロンビア人、ブラジル人の3人の宣教師が釈放され、州都ボア・ビスタで警察に無事保護された。
3人はボア・ビスタの北西およそ200キロ、ベネズエラ国境近くのスルム伝道区で布教活動を行っており、ログローニョ出身のスペイン人フアン・カルロス・マルティネス氏(39歳)は、同区内でインディオ職業訓練センターを運営している。
今回の誘拐は、インディオ保護区設置をめぐって起きたもの。ブラジル政府が今月にもこの保護区設置を認可する予定で、カトリック教会もこの計画を支持していたが、この保護区設置により賠償金をもらって立ち退きとなる農場主が設置に反対。従業員のインディオを使って宣教師を誘拐した。反対者たちは、誘拐のほか、ボア・ビスタ市内への道路封鎖も行っていた。この保護区が設置されれば、総面積175万ヘクタールのブラジル最大のインディオ保護区となる。


1月8日(木)

サパテロ氏、政権獲得へ向け、政策準備チームを発表

最大野党PSOE(社労党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長は今日、スペイン政府首相候補として彼をサポートするチームを発表した。このチームは10人のメンバーで構成されており、カスティジャ・ラ・マンチャ州知事ホセ・ボノ氏、エクストレマドゥラ州知事フアン・カルロス・ロドリゲス・イバラ氏のほかEU経済委員ペドロ・ソルベス氏も含まれている。
今日、マドリッドで行われた講演でサパテロ氏は、このチームが「高い能力を備えた政治的に重要な人物で構成されている」とし、チームの働きは“陰の政府”として活動することではなく、PSOEが政権運営できる状態を選挙前に整えるため、国のあり方の方向を見定めることであると述べた。
その他のチームメンバーには、中近東でEU代表を務めたミゲル・アンヘル・モラティノス氏、カルロス三世大学学長グレゴリオ・ペセス-バルバ氏、副学長マリア・ヘスス・サンセグンド女史、元文部大臣カルメン・アルボシュ女史、アンダルシア州議員マグダレナ・アルバレス女史(経済問題担当)、カルメン・カルボ女史(文化・教育問題担当)と経済学者のミゲル・セバスティアン氏が任命されている。

隕石のかけら、サモラで発見か?

CSIS(科学調査高等委員会)は、先週の日曜日スペイン数ヶ所で火の玉が飛ぶのが見られたが、この隕石の一部だったと見られるサモラ県で発見されたかけらを入手、これから調査が始められる。
このかけらは、一昨日フエンテス・デ・ロペルを散歩中の住民が見つけたもの。テニスボール大のこの石は真っ黒で、周辺の石と全く異なったものだという。発見者のアンヘル・ロペスさんはこの石を割り、うち最も大きかったかけら2片が治安警備隊により保管され、昨日CSISの手に渡った。
日曜日、スペイン各地で見られた隕石は、フエンテス・デ・ロペルも見られ、住民が付近を捜索していたが、かけらと見られる石が見つかったのはこれが初めて。レオン天文学協会では、この隕石はレオン県バルデラドゥエイ村近くで爆発したと見ているが、この付近は森で覆われているため、金属探知機を使わない限りは隕石のかけらを発見するのは難しいであろうとの見方を示している。この協会もカスティジャ・ラ・マンチャ科学博物館の見解と同様、この隕石は1月4日に飛来した流星群の一部ではないかと考えている。スペインの国土内では1947年以来、隕石のかけらは発見されていない。

イタリア管制塔職員ストでスペインからの7便が欠航

イタリアで管制塔職員のストが行われた影響で今日、アリタリア航空は334便をキャンセル、72便を時刻変更し、およそ2.2.万人の乗客に影響が出た。スペインではマドリッドとバルセロナからローマ、ミラノ、ボローニャに出発が予定されていたイベリア航空との共同運行フライト7便が欠航となった。19日には会社のリストラ計画反対のアリタリア航空職員のストも予定されているほか、2月9日にはアリタリア航空パイロット、20日には管制塔職員の2度目のストが予定されている。

県都のマンション平均15.8%の値上がり

2003年12月時点での1平方メートルあたりの各県都の新築マンションの値段は1931ユーロと前年同時期と比べて平均15・8%の値上がりをしていることがわかった。2002年から2003年にかけての値上がり(14.7%)を0.9ポイント上回るこの上昇率は、25.7%の値上がりを見せた1999年以来最高の値となった。今回の調査により、現在新築マンションは、1985年12月より5.92倍高くなっていることがわかっている。


1月7日(水)

エル・ニーニョ宝くじ、1等当選番号販売はマドリッド

昨日、エル・ニーニョ宝くじの当選発表が行われた。1等当選番号19459はマドリッドの2地区、カラバンチェル、クアトロ・カミノスの販売店で売られた400枚で、賞金総額は6400万ユーロ。2等(当選番号44031)はラス・パルマス、3等の当選はカタルニャで販売されたくじだった。スペインでこの宝くじに費やされた金額は6.4億ユーロ。

フエルテベントゥラ島、ランサローテ島で203人の密入国者逮捕

今年に入って、カナリアス諸島のフエルテベントゥラ島とランサローテ島で密入国者203人と手引者5人が逮捕されている。
このうちフエルテベントゥラ島で逮捕されたのはボート6艘、176人で、このうち2日月曜日の午後10時に見つかったのが54名(サハラ周辺地域住民31人、インド人19人、モロッコ人4人)、同じ場所で昨日さらに2人のサハラ周辺地域住民が見つかっている。また、昨日の午前7時には治安警備隊がボート2艘に乗った63人(全員がサハラ周辺地域住民成人男性)を逮捕、12時半には27人のサハラ周辺地域住民(男性26人、女性1人)とボートの操縦をしていたモロッコ人1人を逮捕、午後5時には30人のサハラ周辺地域住民が逮捕された。
一方、ランサローテ島では、昨日の午前8時半頃、27人のサハラ周辺地域住民成人男性と密入国手引者の4人のモロッコ人が逮捕されている。

ナダル賞受賞者にアントニオ・ソレール氏

昨日、バルセロナのホテル・リッツでナダル賞の発表が行われ、アントニオ・ソレール氏の“El camino de los ingleses”が第60回の受賞作に決定した。この作品は大人の世界へと足を踏み入れる直前の思春期最後の夏を過ごす人物たちを描いたもの。1956年マラガ生まれのソレール氏の作家はホルヘ・オネッティ、ウィリアム・フォークナーと大江健三郎。巧みに言葉を操る彼の作品には常にマラガでの幼少時代の再構築が見られる。文壇デビューは1992年発表の“Extranjeros en la noche”で、1996年エラルデ賞、翌年国立批評家賞を小説“Las bailalinas muertas”で受賞、1999年には“El Espiritista melancolico”で小説の春賞を受賞している。
第60回ナダル賞次点には、1958年マドリッド生まれのハビエル・プエブラ氏の“Adios, Delgado”が選ばれた。


1月5日(月)、6日(火)

主顕節の連休につき、スペインニュースはお休みです。


1月2日(金)

2004年の生活費は?

3ヵ月後に総選挙を控えた2004年の物価の値上がりはここ数年に比べるとゆるやかなものとなっている。今月中に昨年度のインフレ率が発表になるが、これは政府の予想2%を上回って3%前後となる見通し。2004年、主要な値上がりは以下の通り。

電話:政府はテレフォニカに対し、毎月の電話使用料0.55セント、4.35%の値上げを許可したが、実際の値上げは総選挙後に行われる見通し。通話料は4%ほど下がるがこれも実行されるのは数ヶ月先になる見込み。その他の電話会社は通話料を自由に決定することができる。
電気:電気代は2年連続で値上がり。値上がり率は家庭用1.5%、業務用1.6%。
郵便:切手は1セントずつ値上がり。これにより20グラムまでの郵便物の送料は、国内は27セント、ヨーロッパは52ユーロ、それ以外の地域は77セントとなる。
中・長距離バス:年初は値上がりはなく、4月1日に値上がりが予定されている。
市内公共交通機関:都市によって値上がり率は異なる。マドリッドでの切符は平均2.8%の値上がりで、メトロの1回券は1.15ユーロ、10回回数券は5.35ユーロとなる。バルセロナでは平均3.08%の値上がり。
飛行機:今のところ航空会社の値上がりは予定されていないが、空港サービス会社AENAは空港使用料を2%値上げする。
国鉄:平均2%の値上げで、近郊電車と中距離列車はすでに値上がり。長距離列車とAVEは1月6日から値上がり。
高速道路通行料:IPC(消費者物価指数)と交通量を考慮した上で道路によって値上げ率は異なるが平均して3%の値上がり。

値下がりするものは以下のとおり
ガス:家庭・商業用は0.8%、工業用は2.5%の値下がりだが、ガス代は2ヶ月ごとに見直される。
薬品:2000以上の薬品が政府の製薬会社への補助金により値下がりする。値下がり率は15〜80%。

また税金と給料の変化は次のようになっている。
車の買い替え:製造後10年以上経っている車を新車、または中古車(自家用車の場合は製造後5年以内、社用車の場合は3年以内の車に限る)に買い換える場合は、政府から補助金が出る。
タバコ、アルコール、燃料税:増税は凍結。
年金:受給額が2.8%から14.8%の値上がりをするほか、2003年のインフレ率修正に伴って、差額の支払いが行われる。
最低保証給与:2%の上昇でこれにより最低保証給与は月460.5ユーロ、日当15.35ユーロとなり、また年間給与額は14か月分と計算し、6447ユーロとなる。
失業保険料:月額最低402.9ユーロ、最高1181.95ユーロに値上がり。

2004年最初の赤ちゃんは移民の子供

現在、スペインにはおよそ200万人の移民が合法的に居住しているが、これらの移民は低下が深刻な問題となっているスペインの出生率上昇に重要な役割を果たしている。今年最初に生まれた2人の赤ちゃんはいずれも移民の子で、この現実が反映される形となった。
2004年最初に生まれた赤ちゃんは、サラゴサのミゲル・セルベット病院で生まれたアロナス・ポパちゃん。マドリッド、プエルタ・デル・ソルの2つめの鐘の音が鳴っている途中に生まれた。ルーマニアからスペインに6ヶ月前にやってきた母親のラミッタ・ポパさんの6人目の子供となる。アロナスちゃんとほぼ同じときにアリカンテ県ビジャホヨサではウルグアイ出身夫婦のもとにパウラ・アナちゃんが生まれた。州別に見ると、マドリッド、メリジャ、ウエスカでも今年最初の赤ちゃんは移民の子供だった。
2004年3人目、男児としては今年最初の赤ちゃんはスペイン人の両親のもとにジローナで生まれたイサックくんだった。

冬のバーゲン始まる

アラゴン、エクストレマドゥラ、カスティジャ・ラ・マンチャ、マドリッドの各州では今日から、その他の自治州では7日から(カナリアス州のみ12日から)公式に冬のバーゲンが始まる。
消費者委員会では、バーゲンで売られる商品はバーゲン前と同じ商品であること、傷ものでないこと、割引前の価格と割引後の価格の両方を表示するか、割引率を表示することを要求しているほか、ユーロ導入から2年が経っているものの、旧貨幣ペセタによる値段表示も求めた。

サン・シルベストレ10キロマラソン行われる

大晦日にはスペイン各地でサン・シルベストレマラソンが行われるが、中でも最も有名なサン・シルベストレ・バジェカナ・マラソンが昨年もマドリッドで行われた。3年連続優勝、優勝回数4回を誇る昨年優勝者のパレンシア出身、イサック・ビシオサ選手は3位に終わり、26回大会男子の部で優勝したのは、1万メートル欧州チャンピオンでマドリッド出身のチェマ・マルティネスで、4回目の出場にして初優勝。女子の部は2年連続でマルタ・ドミンゲス選手。マルティネス選手がスペイン新記録での優勝となったほか、一般の部の参加者数も12.5万人と過去最高を記録した。


1月1日(木)

元旦につき、スペインニュースはお休みです。




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