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2月27日(金)

バルセロナで反ETA集会

選挙運動期間が公式に開始となる数時間前、バルセロナで、民主主義擁護、自治政治擁護、反ETAを表明する集会が開かれ、およそ5000人が参加、終日激しく降り続いた雨の下、参加者たちは5分間、サン・ジャウマ広場でETAに沈黙の抗議を行った。
集会には、UGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)の労働組合のほか、PNV(バスク民族党)、BNG(ガリシア民族党)、CC(カナリアス同盟)といったカタルニャ州以外の民族主義政党も参加し、不参加はPP(国民党)のみであった。PPカタルニャ支部のジュセップ・ピケ代表は、この不参加が選挙に響くかもしれないことを認めた上で「しかし、私はカロ氏(ERC党首。ETAと秘密裏に会談し、今回のカタルニャ州政府危機の発端を作った。)と腕を組み、市民を欺くことはできない。我々は、集会に参加し、参加者全員が同じ意見を持っていると思われたくない。それは真実ではないからだ。」と述べた。

12自治州で、雪、雨、みぞれ、強風により注意報発令

気象庁の今後の予報を受けて、ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、ラ・リオハ、アラゴン、カタルニャ、マドリッド、バレアレス、アンダルシアの12自治州で、雪、雨、みぞれ、強風に対する注意報が発令された。各地の予報は次のとおり。
ガリシア州:標高300M〜700M以上で雪との予報
アストゥリアス州:200M〜400M以上で雪、10〜30センチの積雪が予想されているほか、所によっては雪はみぞれの嵐を伴う。
カンタブリア州:100M〜400M以上で雪、5〜35センチの積雪が予想されているほか、海岸沿いでは時速90キロ以上の強風に注意が必要。
パイス・バスコ州:ビスカヤ県で標高50M〜200M以上で雪、10〜35センチの積雪が予想されているほか、風速90キロ以上の強風をともなったみぞれの嵐も予想されている。また、アラバ県では、35センチの積雪のほか、みぞれの予報も出ており、ギプスコア県では、標高50M以上で雪、また標高500M以上の場所では40センチ程度の積雪が予想されており、また今後12時間以内の降水量は一平方メートルあたり60リットル、時速90キロ以上の強風にも警戒が必要。
カスティジャ・イ・レオン州:レオン、サモラ、パレンシア、ブルゴスの各県では10〜20センチの積雪。高地では時速80キロの強風。ソリア、バジャドリ、アビラ、セゴビア、サラマンカの各県では平地で5〜10センチの積雪が予想されている。
ナバラ州:5センチの積雪。みぞれと強風の可能性もあり。
ラ・リオハ州:5センチの積雪。嵐となる可能性も。
アラゴン州:標高300M以上で5センチの積雪。
カタルニャ州:5センチの積雪。標高ゼロM地点でも雪が降りそう。
マドリッド州:降雪の確率は30%。雪が降った場合は3センチほど積もるとの予測。
バレアレス州:注意報発令はマジョルカ島のみ。標高800M以上で10センチの積雪。
アンダルシア州:グラナダ、アルメリア両県で時速80〜90キロの強風に注意が必要。

この雪の影響で、アストゥリアス、ブルゴス、カンタブリア、グラナダ、マドリッド、バルセロナ、サラマンカでおよそ20ヶ所の峠が通行禁止、アルバセテ、アストゥリアス、バルセロナ、ブルゴス、カセレス、カンタブリア、グラナダ、ハエン、レオン、ルゴ、マドリッド、パレンシア、セゴビア、ジェイダ、オレンセ、ソリアの40ヶ所の峠でチェーンの着用が義務付けられている。

ハイチからスペイン人4人とスペイン人の養子となる女児3人出国

国連職員100人とイギリス人、ドイツ人、イタリア人、スペイン人を乗せたバスは、ハイチ国軍とアメリカ国務省の警備兵の護衛のもと、無事ハイチの首都ポルトープランスに到着、スペイン人4人とスペイン人家族との養子縁組手続きが終了した女児3人(2才、18ヶ月、16ヶ月)は特別チャーター機でドミニカ共和国入りした。ハイチに居住しているおよそ80人のスペイン人のうち14人はすでにハイチを脱出済み。昨日出国した4人のうち居住者は1人で残り3人はドキュメンタリー映画撮影中だったロンドン在住のマドリッド出身者と、ハイチの取材に訪れていた新聞記者の夫婦。現在およそ30組のスペイン人夫婦がハイチ人の子供の養子縁組を申請しているが、手続きには平均半年から1年かかっており、唯一今回脱出した3人の女子のみ、書類が整い、ハイチ出国となった。


2月26日(木)

スペイン経済、2003年度2.4%の成長

個人消費拡大と建設業界の好調が原動力となって、スペイン経済が2003年度に2.4%の成長率を記録したことがINE(国立統計局)の発表により明らかになった。この数字は、スペイン政府が2003年度予算案作成時に見積もっていた3%には届かないが、前年比0.4%増で、スペイン経済は10年連続で成長を続けていることがわかった。
しかし、依然として対外部門の弱さが目立ち、国際的経済危機とスペインの競争力の弱さが原因で、マイナス1.1%の成長率(2002年は0.6%の成長)が全体の足を引っ張る格好となっている。また、2003年には28万人分の雇用が創設されたが、これは建設業、サービス業においてのみの増加で、産業、エネルギー、農業では雇用の減少が見られている。

住宅の値段の上昇、止まるところを知らず

スペイン経済が成長を続ける一方、住宅の値段の上昇も止まるところを知らず、昨年は新築住宅が18.5%と1990年以来最高の値上がりを記録、また中古住宅の値上がりも16.5%となり、新築住宅1平方メートルあたりの価格は全国平均1625.2ユーロ、中古住宅は1330.5ユーロとなっている。
特に値上がりが激しいのが各県都での住宅の価格で、平均21.8%の値上がり率(県都以外の値上がり率は15.6%)。
査定会社ディレクターは、県都での値上がりに続いて、その周辺地域にまで値上がりが波及していっていることを指摘しているものの、「不動産業界関係者からは前より売れるまでに時間がかかるようになっていると聞いている。」と述べている。2004年は10%前後の値上がりが予測されているという。
昨年度、最も中古住宅の値上がりが激しかったのは、ムルシア州(26%)、カスティジャ・ラ・マンチャ州(23%)、アンダルシア州(21%)で、一平方メートルあたりの平均価格が最も高いのはマドリッド州の2368.1ユーロ(前年比19%の上昇)。都市別に見ても、マドリッド市が2802.2ユーロで最も高く、続いてバルセロナ(2385ユーロ)、ビルバオ(2224ユーロ)、パンプローナ(1897.1ユーロ)となっている。反対に最も安いのはルゴ(654.4ユーロ)で、続いてバダホス(886.6ユーロ)、ポンテベドラ(924.9ユーロ)、ポンテベドラ(924.9ユーロ)、サモラ(949.6ユーロ)の順に安い。2003年度最も中古住宅の値段が上昇したのはウエスカ市(32%)で、レオン市は唯一安くなった県都(マイナス5%)。

サポーター同士の衝突で死亡した男性の恋人、殺害される

昨年10月7日、国王杯の試合後におきたサポーター同士の衝突の際、同じチームのサポーターにより受けた暴行が原因で亡くなったマヌエル・リオスさん(31歳)のの恋人が昨日、自宅玄関で刺殺された。
殺されたのはクララ・カストロさん(38歳)で、ア・コルニャ県カンブレにある自宅玄関で午前8時頃、複数の人間により刺され、叫び声を聞いた近所の住民が通報、病院に運ばれた時にはすでに死亡していた。カストロさんの母親がリオスさん殺害の証人であったものの、警察ではこの事件と今回の殺人事件への関連を否定。事件は麻薬密輸がらみだとの見方を示している。

テルエルで世界最大クラスの恐竜の化石発見

県都テルエルから43キロ離れたリオデバで中生代白亜紀の恐竜の化石群が見つかったことが昨日、発表された。今回の発見の中で最も注目を集めているのは、今から1.1億から1.3億年前のものと推定される長さ1.78メートルの恐竜の骨で、世界でこれまでに見つかって最も大きい骨の1つ。見つかった骨の大きさからこの恐竜は体長30〜35メートル、重さ40〜50トンであったと推定される。これまでに中生代白亜紀最大の恐竜として知られているのは、エジプトで発見されたパラリティタンであるが、この恐竜のものとして見つかっている骨は最大のもので長さが1.69メートル。今回発見された骨の大きさはこれを上回っている。また、見つかった化石の大きさだけでなく、ヨーロッパではこの時代の化石の発見がほとんどないというのも今回の発見の重大さを物語っている。
テルエルのテーマ・パーク“ディノポリス”に本部を置いているテルエル古生物学者財団のルイス・アルカラ代表によると、今回400平方メートル以上の範囲にわたって見つかったこの化石群内では、恐竜だけでなく、時代の異なる肉食動物、草食動物の化石もみつかっているという。


2月25日(水)

PPを除く全ての政党、明日バルセロナで反ETA集会

日曜日に予定されていた反ETA集会は選挙運動への影響を考え、明日木曜日に繰り上げ開催されることが、昨日、PP(国民党)を除く全てのカタルニャ州議会政党の合意により決まった。“En defensa de la democracia, el autogobierno de Cataluna y en solidalidad con todos los ciudadanos del Estado. ETA no, ni aqui ni en ningun lugar.(民主主義、カタルニャ自治の保護のために、そしてスペイン国民すべての団結もとに。ここだけでなく、すべての場所においてノーETA)”をモットーに集会は午後7時半、バルセロナのサン・ジャウマ広場で行われる。
この集会の発案者は、反イラク戦争運動から生まれた団体“専門家・知識人・アーティスト会議”で、当初は開催を日曜に予定していたが、諸政党は選挙運動への影響を懸念。そこでPPを除くすべての政党代表が集まり、公式に選挙期間に入る数時間前の明日、開催することで意見が一致した。
PPと共に集会参加に難色を示していたCiU(カタルニャ連合)だが、集会はETAへの抗議を表明するもので、カタルニャ州左翼連立政府への支持を表明するものではなく、そのため抗議は沈黙で行うとの主催者側の説明により、参加を決定した。一方のPPに対しては、マラガル州知事がPPカタルニャ支部のジョセップ・ピケ代表に電話で直接参加を依頼したものの、党首がETAと秘密裏に会合を持ったERC(カタルニャ左翼共和党)と共に集会に参加することに不快感を改めて表明、不参加の意思は変わらなかった。

国連、スペインにおける不法滞在外国人の増加を懸念

ガブリエラ・ロドリゲス・ピサロ・国連移民の権利特別調査官がスペインに居住許可も仕事もなく住んでいる外国人の現状についてまとめた22ページにわたる報告書によると、スペインは“不法滞在外国人が急増、彼らの到着も送還も難しくなっている状態”であるとされている。彼女が昨年9月15日から27日まで2週間にわたってスペインの8大都市とその移民収容施設を訪問し、中央政府、地方政府、警察のメンバーとも会談した結果、スペインには合法的に居住しておらず、職にも就いていない外国人が推定60万人(スペイン内務省の計算では85.3万人)いるという。
この報告書ではまた、不法密入国者の増加以外にもスペイン政府が頻繁に外国人法を改正することも理由となって、許容範囲を超えた役所、警察での手続きが遅れていること、このため多くの外国人が不法滞在の身分となっていることにも懸念が示されている。

ミューレッグ選手、スペイン代表として競技続行を希望

ドイツナショナルチームに所属していたが、チーム仲間やコーチとの折り合いがうまく行かず、1999年にスペイン国籍を取得、2002年のソルトレーク冬季オリンピックに出場し、クロスカントリースキーでスペインに3つの金メダルをもたらしたものの、その後の検査でドーピングが発覚、オリンピック委員会からメダルの1つを没収され、国際スキー協会から2年間の出場停止処分を受けていたヨハン・ミューレッグ選手がスペインウィンタースポーツ協会とCSD(スポーツ高等委員会)に書簡でスペインチームで競技を続行したい旨を連絡していたことがわかった。CSDは選手の受け入れを認める意向を示している。
オリンピックでの検査で陽性との結果が出たものの、ミューレッグ選手は終始無罪を主張。しかし、オーストリアとノルウェーは国際オリンピック委員会に対し、オリンピック憲章にのっとり、ミューレッグ選手の残り2つのメダルも没収するよう要請。同委員会では今週アテネで開かれる会議でこの件について話し合う予定であるが、スペイン・オリンピック委員会では最初の2競技に関しては検査で陽性となっていなかったとし、選手の弁護をしている。


2月24日(火)

バルガジョ氏、新"conseller en cap"就任

昨日、カロ・ロビラ氏の後任として"conseller en cap"(代表議員)にERC(カタルニャ左翼共和党)にジョセップ・バルガジョ氏が就任した。バルガジョ氏が務めていた教育担当官の後任には、ERCのマルタ・シッド女史が就任した。
カタルニャ州知事のマラガル氏はこの機会を利用し、ETAによるカタルニャ州限定停戦発表に言及、再度カタルニャ州の住民に対し、「与える資格のない者から与えられた許しにはNOを示そう。」と呼びかけ、“平和的、民主的に独立主義を支持する人々”から“PPの施政を支持する人々”まで、すべての人々に対し、一丸となってテロリズムと闘うことを提案した。
しかし、すべての政党が一丸となってテロと闘うのは難しいと見られる。ETAのカタルニャ州限定停戦発表後、この発表への拒絶を示した声明文への署名を拒否したPPは、日曜日にカタルニャで予定されている反ETAの集会への参加も拒否。マラガル知事がERCとの連立協定を破棄しなかったことを非難しているPPのエドゥアルド・サプラナ広報官は先週、「カタルニャ州政府は三党連立ではなく、ETAを加えた四党連立だ」と発言している。また、前州政権を握っていたCiU(カタルニャ連合)のアルトゥール・マス代表もPPと同様、カタルニャ州政府の危機はまだ終結していないとの見方を昨日出演したテレビ番組で示し、危機解決の方法として、州政府へのCiUの参加を提案した。
昨日の就任式に、カタルニャ州危機の発端となったERC党首、カロ・ロビラ氏は出席していない。

アルカエダメンバーと見られる2人を逮捕

スペイン治安警備隊は昨日、トレビエハ(アリカンテ県)とムルシアで2人のアルジェリア人を逮捕した。逮捕されたのは、カレッド・マダニ容疑者(33歳)とモウッサ・ラオウアル容疑者(36歳)で、関係者筋の話では、パスポートとビザを偽造し、NY双子ビルテロの協力者と見られるイェメン人ラムジ・ビナルシブに2001年7月、タラゴナまたはアリカンテでこの偽造パスポートを渡した容疑がもたれているという。
今回の逮捕は、2001年7月、スペインのタラゴナで自爆テロの犯人モハメッド・アッタがビナルシブと会った際に何が行われたかを明らかにする捜査の過程で中央管区裁判所のギジェルモ・ルイス・ポランコ判事により命じられたもので、逮捕された2人が、モハメッド・アッタにも偽造パスポートを渡した可能性について捜査が続いている。
2人はスペイン・アルカエダの物資調達班メンバーである疑いが強く、警察は、偽造書類作成のプロとしてマダニ容疑者がアルカエダメンバー以外の人物にもパスポートを偽造した証拠も握っているという。

Premio Alfaguara、コロンビア女流作家に

昨日、第7回Premio Alfaguara de Novela(アルファグアラ小説賞)の受賞者が発表された。スペイン語で書かれた未発表の作品に対して贈られる最も有名な文学賞の1つであるこの賞の今年の受賞者はコロンビア出身の作家ラウラ・レストレポさん(1950年ボゴタ生まれ)で、受賞作“Delirio”は、多彩な様相を見せるコロンビアの現実を扱ったもので、審査委員長のノーベル賞作家ホセ・サラマゴ氏は「レストレポ女史の言葉の扱いの巧さは脱帽ものだ。」と高く評価した。その他の審査員はホセフィーナ・アルデコア女史、フアン・クエト氏、ダビエル・サンペール氏、アリシア・パス・ガルシアディエゴ氏、ハビエル・セルカス氏とフアン・ゴンサレス氏。4月20日、マドリッドで授賞式が開かれ、レストレポ女史には賞金17.5万ユーロと彫刻家マルティン・チリーノ氏作製の記念の像が贈呈される。受賞作品は、スペインとラテン・アメリカ18ヶ国で出版される。
今回は応募作品が635作と最多記録を達成、国別応募数ではスペインが191作品でトップ、続いてアルゼンチンの178作、メキシコ73作、コロンビア32作となっており、選考会の模様はスペイン、アメリカ、コロンビア、チリ、コスタ・リカ、メキシコ、パナマ、ウルグアイにラジオ生放送された。


2月23日(月)

首相、コロンビアを訪問

昨日午後、アスナル首相が訪問先のカルタヘナ・デ・インディアス(コロンビア)から帰国した。首相は、カルタヘナ沖にあるエル・ロサリオ島でアルバロ・ウリベ・コロンビア大統領と会談、ウリベ大統領を支持したほか、コロンビアがヨーロッパに対テロ対策の確固としたつながりを持つ仲間がいることを保証した。首相はまた、同じくコロンビアを訪問中のアベル・パチェコ・グアテマラ大統領とも会談した。
この訪問に際し、コロンビア防衛省は、1億ドルを投じてスペインから戦車40台を購入することを発表。この購入は、1年前ヨーロッパの国としては初めてスペインがコロンビアと結んだ軍事協力協定に基づくもので、アスナル首相は「ウリベ大統領の政策は的を得たものであり、私の考えでは、大統領は的確な決断により国を統率している。スペイン同様、コロンビアでもテロ撲滅への闘いが最優先事項である」と述べ、コロンビア第二のゲリラグループELN(国民解放軍)が、最大グループFARC(コロンビア革命軍)と同様EUのテロリストグループリストに載せられるよう、最大の努力を行うことを約束した。
今回の訪問の目的は、スペインが400万ドルを投資し修復したカルタヘナのサント・ドミンゴ修道院に作られたイベロアメリカ最大のスペイン協力訓練センターの開会式出席。

悪天候により、カディスのカーニバルパレード中止

この週末はスペイン各地で荒れ模様の天気となったが、カーニバルで有名なカディスでも昨日の午後6時出発が予定されていたパレードが雨と強風のため中止となった。パレードに出る予定の9台の山車は、午後5時15分から準備が整っており、インへニエロ・デ・ラ・シエルバのロータリーを出て、埠頭まで行進するはずだったが、出発予定時間を15分過ぎた時点で降っていた激しい雨が止む見込みがないことからパレードは中止となった。
全国的に悪天候となったこの週末、スペイン北部は大雪に見舞われ、現在もカスティジャ・イ・レオン州内26ヶ所で積雪のため道路の通行規制が行われている。また、週末はマドリッド州内でも霧、雨、雪のため、渋滞、事故が相次いだ。

イベリア航空、機内飲み物サービス有料化

エア・エウロパがすでに機内での飲み物サービスを有料化しているのに続き、3月1日からイベリア航空の国内便、ヨーロッパ便のツーリストクラスでの飲み物サービスが有料化する。スペイン航空会社残り1社のスパンエアーは今のところ無料飲み物サービス中止は予定していないという。

週末のスポーツの結果

自転車:バレンシア−ベニドルム間195キロで行われたルイス・プイグ・クラシックで、オスカル・フレイレ選手(ラボバンクチーム)が2位のアレハンドロ・バルベルデ(バレンシア自治州/ケルメチーム)に4秒の差をつけて優勝。フレイレ選手はブエルタ・マジョルカに続いて今季2勝目。
バレーボール:東京で行われた抽選会の結果、5月28日から30日までマドリッドで開催されるオリンピック代表選考会の男子スペインチームの対戦相手がオランダ、キューバ、カメルーンに決定した。
テニス:ロッテルダム・トーナメント決勝で、スペインのフアン・カルロス・フェレロ選手はオーストラリアのレイトン・ヒューイット選手に6-7、7-5、6-4で敗退。
スキー:スウェーデンのオーレで開かれたアルペンスキーワールドカップ女子大回転の試合が行われ、グラナダ出身のマリア・ホセ・リエンダ選手が総合成績2位を収めた。現在29歳のリエンダ選手は冬季オリンピック94年リレハンメル大会から大会ごとに順位を上げており、有力女子選手不在のスペインアルペンスキー界は、リエンダ選手の2006年トゥリン大会でのメダル獲得に期待を膨らませている。


2月20日(金)

マラガル知事、“conseller en cap”後任認め、危機終結

昨日、ERC(カタルニャ左翼共和党)党首カロ・ロビラ氏が総選挙後もカタルニャ州政府に戻ることはないとし、“conseller en cap”(代表議員)の後任として腹心の部下ジョセップ・バルガロ氏を任命したことにより、PSC(カタルニャ社会党)のマラガル・カタルニャ州知事は滞在先のブリュッセルで、このERCの決定を容認、カタルニャ州連立政権の危機は終了したとの判断を下した。
ETAのカタルニャ州限定停戦発表によりカタルニャ州政治危機が再燃したにもかかわらず、カタルニャ州政府が正常に機能していることをアピールする目的で、昨日マラガル知事は予定通りブリュッセルを訪問。ブリュッセル到着後の午後12時半頃、カロ・ロビラ氏から電話があり、総選挙後カタルニャ州政府に戻る意思のないことを表明、後任としてバルガロ氏の名前に触れたという。マラガル知事は1日の訪問で、欧州委員会のペドロ・ソルベス経済委員、ロマノ・プロディ委員長、ハビエル・ソラナ外交委員長、ミシェル・バルニエ地域政策委員と会談。カタルニャ州知事に就任してから初めてとなる記者会見で、「危機終結に満足している」とコメント、ERCの取った措置に満足の意を表し、カロ・ロビラ氏の党首辞任、総選挙出馬辞退などの措置は求めないことを明言した。
カロ・ロビラ氏の後任、バルガロ氏は現在カタルニャ州政府教育担当官を務めているが、彼を後任とし、カロ・ロビラ氏が州政府を去ることについては、PSOEも容認。しかし、マラガル氏の帰国を待って行われる正式発表を前に、PSOEは長続きする政府を確立するよう十分な調査を行うことを求めている。
カタルニャ州連立政権を構成するPSC、ERC、ICV(カタルニャ緑の党)は昨日、「ETAの停戦は我々に対する侮辱であり、PPからの攻撃と闘いながら我々は左翼政権を存続させる。」と共同声明文に署名、この中で、カロ氏のETAとの秘密会談は“個人的過ち”と定義されている。

民族主義3政党代表が会合

バルセロナ宣言に署名している民族主義政党3党代表者が昨日、マドリッドで会合した。バルセロナ宣言とは、カタルニャのCiU(カタルニャ連合)、パイス・バスコのPNV(バスク民族党)とガリシアのBNG(ガリシア民族党)の3民族政党が1998年9月に作成したもので、“共同で多様民族国家を推進すること”を目的としている。
昨日集まった代表者は3党とも5年前の作成時(CiU-ジョルディ・プジョール氏、PNV-ハビエル・アルサジュス氏、BNG-ショセ・マヌエル・ベイラス氏)と全く異なった顔ぶれとなった。数週間前に決定された今回の会合は、ETAのカタルニャ限定停戦宣言の影響を受けることなく開催され、3政党は共同声明文において「(ETAの停戦宣言は)対話の可能性をつぶし、民族主義の共生を破壊するものでしかない。」とETAを厳しく糾弾し、ETAの目的は民主的民族主義への評価の可能性を壊すことであると述べた。
PNVのジョン・ジョス・イマス党首は、「この停戦宣言によりスペイン政界に混乱が起きたのは各政党間に対話が欠けているためである」と述べ、CiU、BNGと共に現行政権が“この国に存在している政治の多様性、民族の多様性を無視し、単一国家を強制”していることを非難、“疎外はなく対話のある本当の民族主義”への転換を求めた。

テレフォニカ・モビレス、年間純利益額新記録

テレフォニカグループが、テレフォニカ・モビレスからの利益に頼る傾向が年々強まっている。昨年は、マルチメディア携帯UMTSのライセンス獲得のための準備金を見積もり計上し、37.245億ユーロの純損失を出したが、その後ライセンス獲得を諦めた同社の2003年純利益が、16.078億ユーロの市場最高額を達成したことがわかった。
家庭用電話など他の企業活動からの収益が成長を止めている一方、携帯電話からの収益は増加の一途をたどっており、昨年、テレフォニカ・モビレスはテレフォニカグループ全体の収益のおよそ60%を稼いだ。UMTSのライセンス獲得準備金を除外した収益増加率は前年比14%。収益の増加は、顧客の増加によるもので、現在同社はスペイン、ラテンアメリカ諸国で前年比25%増の5200万人の顧客を抱えているが、主要収入源はスペインの顧客で全体の88%。さらに、顧客数だけでなく、顧客1人あたりからの収入も月額30.1ユーロと増加している。
この結果により、テレフォニカモビレスは株主に対し、2004年6月に一株あたり0.1838ユーロの配当金を出す予定。


2月19日(木)

ETA、カタルニャ州限定停戦を発表

昨日、ETAはビデオ録画映像を使って、カタルニャ州においてのみ武装活動を2004年1月1日以降停止していることを発表した。2人の覆面をかぶったETAメンバーが声明文を読み上げるこのビデオは午後2時、パイス・バスコの放送局で放映された。当時カタルニャ州政府代表議員であり、カタルニャ州政府連立政権を構成する3党のうちの1党ERC(カタルニャ左翼共和党)の代表でもあるジョセップ・ルイス・カロ・ロビラ氏が秘密裏にフランスのペルピニャンでETA幹部と会合を持って1ヵ月半後、総選挙開催まで1ヶ月を切った今、カタルニャ州限定停戦発表にスペイン政界は大きく揺れている。
3党連立新政権が誕生してから56日。PSC(カタルニャ社会党)とPSOE(社労党)の亀裂が再び開いた。PSOE書記長のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏は、ERCが党首の責任追及を行わない場合はPSCは同党との連立合意を解消する必要があると述べているが、カタルニャ州知事パスクアル・マラガル氏(PSC)は「ETAの停戦発表によっても、総選挙の結果によっても、州政府の構成が影響を受けることはない」と明言。ERC内部でもカロ氏の今後の処遇をめぐって議論が続いているほか、与党PP(国民党)は、マラガル氏がERCとの連立を解消しなければ、PPとPSOEが結んだテロ対策共同条約破棄もやむをえないと発表した。
昨日の声明文発表の際、ETAは停戦を決定したいくつかの理由を挙げたが、その中には「カタルニャ州が独立主義勢力の拡大を後押しした」ことも挙がっており、ビデオは覆面の2人のカタルニャ語による「自由なカタルニャ万歳!」で締めくくられている。
カタルニャ州は1975年以来ETAによる75件のテロにより54人の死者(民間人31人、軍人4人、警官19人)を出しており、その中にはETAによる無差別テロで犠牲者数最多の1987年のスーパーマーケット、イーペルコールテロ(死者21人負傷者45人)も含まれている。昨日のETAの声明文発表を受け、アルナルド・オテギ氏が代表を務める非合法政党バタスナ党以外のすべての民主主義政党は、「声明は嫌悪すべきもので、受け付けることはできない」と発表している。

小型軍用飛行機墜落、乗っていた2人死亡(マドリッド)

スペイン空軍のルイス・デル・バリオ・マルトレル(33歳)、エンリケ・パニアグア・モラ(31歳)両隊長の乗った小型飛行機C-90が昨日、マドリッドのパルラ市郊外の平地に墜落、訓練飛行を行っていた2人ともが死亡した。
墜落地点の近くでは、毎週水曜日露天市が開かれているが、目撃者の話では、事故機はこの露天市上空を低空飛行した後、突然不審な動きを見せた後、落下し始めたが、その後操縦者は飛行機の体勢を立て直すことに成功、工業地帯の外れの平野まで到達し、この平野を通る線路からおよそ50Mの地点に墜落したという。現場に最初に到着したのは消防車で、炎に包まれていた飛行機の消火活動が終了した後、2人が機内で死んでいるのを確認した。事故機は尾翼だけを残して完全に破壊焼失。死亡した2人は経験を積んだパイロットで、防衛省では事故原因の調査を開始した。

最高裁、ポンテベドラの司祭への刑期引き上げ

最高裁判所は、ポンテベドラのエデルミロ・リアル・フェルナンデス教区司祭に対し、15年の懲役刑を21年に引き上げる判決を下した。刑期の引き上げは、ポンテベドラ裁判所による強制わいせつ罪との判断を、最高裁判所が強姦罪に訂正したため。
ポンテベドラ県バイオナで2つの教区の司祭を務めるほか、プリメロ・デ・マルソ高校で宗教の科目の教師も務めていたリアル・フェルナンデス教区司祭が2000年に14歳から16歳の生徒6人(うち5人はミサの助手)にわいせつな行為を行ったとし、ポンテベドラ裁判所は司祭に対し、昨年3月セクハラの罪9件(1件につきそれぞれ懲役1年)、職権濫用の罪でさらに4年、強姦未遂2件の罪でさらに2年の計15年の懲役刑の有罪判決を下していた。(司祭はすでに服役中。)しかしこの判決に対し、被害者の1人が上告、最高裁が強姦が未遂に終わったのは被害者たちの抵抗によるものであったことを考慮し、強姦未遂2件への刑期をそれぞれ1年から4年に引き上げたため、司祭に対する懲役刑は合計21年となった。また、監督不行き届きとして被害者に合計4.4万ユーロの賠償金支払いを命じた判決に対し、「犯行が行われたのは司祭宅であり、今回の犯行は司祭の地位を利用したものではなく、宗教の教師として行われたものである」と訴えていたトゥイ−ビゴ司教区からの上告は最高裁により棄却されている


2月18日(水)

セビジャとカディスの造船所で従業員、警官隊と衝突

2003年-2004年の労使交渉が決裂している造船会社IZARのセビジャとカディスの造船所で、昨日も従業員と警官隊の衝突があり、従業員50人(セビジャ40人、カディス10人)、警官22人(セビジャ12人、カディス10人)が負傷した。
衝突が3時間にわたったセビジャでは、従業員たちが警官隊に向かって石、ネジ、発煙瓶を投げる一方、警官隊はゴム弾で応戦、怪我人のうち3人の従業員が病院に運ばれた。造船所の駐車場まで入った警官隊は駐車されていた従業員の車の窓ガラスを次々に“意図的に”破壊したと、従業員側は証言している。衝突終了後は、警察により造船所を出る車に対し入念なコントロールが敷かれたため、午後のシフトで勤務する従業員たちの一部が仕事に遅れるという事態となった。
またカディスでは、カディス市内へ入るための2つの橋のうちのホセ・レオン・デ・カランサ橋が従業員により封鎖されたため、大規模な渋滞が起こった。ビルバオでは従業員300人がPP事務所前で集会、ア・コルニャでも3000人が事態の解決を求めてデモを行った。
IZAR側は昨日、2003-2006年の4年間分の労働条件についての話し合いを提案、今日から明日にかけての労働組合との交渉が行われることになっているが、労組側は、給与引き上げ率を下げる代わりにこの4年間の間に“リストラなし、工場閉鎖なし”を要求している。

カトリック教会、同性愛カップルの養子縁組に反対

ナバラ州裁判所が同性愛者の女性に対し、同居している女性の子供の養子縁組を認めたことについて昨日、カトリック教会は全面的にこれに反対する旨の意見を表明した。司教協議会のフアン・アントニオ・マルティネス氏は「母親または父親の欠如でも子供の発育には重大な影響を及ぼす。それが、同じ性の親を2人つことになれば、子供にとって正常な性の確立へさらに重大な努力を要求することになるのは明白」とし、さらに「同性愛者に子供の養子縁組を認めないのは法律の同性愛者差別ではない。我々は、そういった環境で育てられる子供の不公平さについて考えるべきだ」と述べた。
これに対し、カタルニャ州小児科医組合のジョセップ・マリア・マウリ氏は「司教協議会の発言には科学的根拠が全くない」と反論、また、国立レズビアン・ゲイ・性転換者連盟のベアトリス・ヒメノ代表も「マウリ氏の発言は、アメリカとヨーロッパで行われた100以上の調査結果と一致している」とマウリ氏の発言を後押し。この調査では同性愛者家庭で育った子供と異性愛者家庭で育った子供の間には違いはなく、強いて言えば前者が後者より少し開放的であるぐらいであるという。
また、バスク州政府のミレン・アスカラテ広報官は、憲法裁判所に対し、同性愛者の養子縁組許可を含む同州の未婚カップルに対する法律の施行停止を解除するよう要請した。ナバラ州も同様の法律を承認し、この法律は憲法裁判所に提訴されているが、バスク州と違い原告が中央政府ではなくPPの83人の議員であるため、法律の施行停止は行われておらず、そのため、今回州裁判所により養子縁組許可が可能となった。

コンセプシオン病院のスト終了

マドリッドのラ・コンセプシオン病院で今月2日から続いた清掃員のストが終了した。これは、病院を経営するヒメネス・ディアス財団からの提案が昨日の午後従業員会議で承認され、午後11時新しい雇用契約がサインされたためで、同病院の清掃を担当していたエウロリンプの従業員155人のうち82人が同病院で雇用され、43人は自主退職、27人はエウロリンプが現在と同じ雇用条件で別の勤務地を探すこととなった。
ストの結果、病院にはゴミが溜まり、衛生状態に問題ありとして手術、診察ともに中止されていた。清掃は昨日の午前0時から再開されたが、マドリッド衛生局によると、病院の機能が正常に戻るには2、3日かかるという。

ソフィア王妃芸術センターでぺルテガス展

フェリペ王子の婚約者レティシア・オルティスさんのウェディング・ドレスのデザインを担当することになったデザイナー、マヌエル・ぺルテガス氏(1918年テルエル県オルバ生まれ)のデザインしたドレス75点が展示される“ぺルテガス展”が昨日、ソフィア王妃芸術センターで始まった。
ぺルテガス展開催の案が出たのは3年前。展覧会責任者はその後ぺルテガス氏デザインの衣装を所有すると思われる有名人に連絡、結果彼の顧客44人がスーツ15着、カクテルドレス26着、イブニングドレス30着、ウェディングドレス4着を展覧会用に貸し出した。会場には衣装のほか、靴、帽子、髪飾りも展示されている。
レティシアさんのウェディング・ドレスについていち早く情報をキャッチしようと、昨日の記者会見にはゴシップ関係記者も多く出席したが、ぺルテガス氏は将来の王妃の花嫁衣裳については明らかにしなかった。昨日は同センター絵画館閉館日であったにもかかわらず、“時の人”ぺルテガス氏の展覧会初日とあって芸術センター前には入場待ちの行列ができた。


2月17日(火)

レスビアンカップル、同等の親権を獲得(ナバラ)

ナバラ州パンプローナ市近郊で1999年から同棲している38歳と42歳のレスビアンのカップルに対し、ナバラ裁判所は1年前に生まれた双子に対する同等の親権を与える判決を下した。この双子はカップルのうちの1人が人工授精を受けて出産したものであるが、産みの母親ではない女性が誕生後双子の養子申請を出し、この申請が認められたため、2人は双子の親として同等の親権を持つこととなった。同性のカップルに対し同等の親権が与える判決が出たのはスペインで初めて。ナバラ州議会では2000年7月に、同性愛カップルにも養子縁組の権利を与える未婚カップルに対する法律が承認されているが、この法律は現在PP議員83人から憲法裁判所に提訴されている。PPはバスク州、アストゥリアス州でも同様の法律に対し、憲法裁判所に提訴しているが、いずれのケースも判決はまだ出ていない。カタルニャ州ではすでに、新政権が同性愛カップルに対しても養子縁組の権利を与えるよう、法改正を行うと発表している。

フィゲラスとエンダヤで新たなDV被害者

昨日午前7時45分、ジロナ県フィゲラスで出勤するため車に乗ろうとしていたロサ・べタンクールさん(36歳)に、数日前に別れた元恋人のホセ・アンドレス・オルモス容疑者(48歳)がガソリンをかけ火をつけた。全身を炎に包まれたロサさんが車から降り、燃えている衣服を脱ごうとしているところに現場近くのカフェテリアからウェイターが駆けつけ、彼がジャケットで火を消し止めた。体の40%に2度と3度のやけどを負ったロサさんは、フィゲラスの病院で応急処置を受けた後、ヘリコプターで火傷治療科のあるバルセロナの病院に運ばれた。犯人も体の26%に火傷を負って同じ病院に救急車で運ばれている。昨日の時点で、ロサさんの病状は重態だが、犯人は順調に回復に向かっているという。オルモス容疑者は1999年から2001年の間に当時の恋人からDV(家庭内暴力)により4度警察に通報されており、裁判所の接近禁止命令を破って1度逮捕されている。ロサさんからオルモス容疑者に対する通報は行われていない。
また、フランス・バスク地方のエンダヤでは、37歳のフランス人クリストフ・デュバリー容疑者が同棲していたスペイン人ベレン・ムロ・エチェガラルさん(34歳)と、ベレンさんとの間に生まれた5歳の娘を殺害した罪で逮捕されている。デュバリー容疑者は土曜日の午後、仕事から帰って2人の遺体を発見したと警察に通報していたが、その後の警察の取り調べにより、ベレンさんを枕で窒息死させた後、娘の首を電気コードで絞め殺したことを自供して逮捕された。

清掃員ストにより、診察と手術、ストップ(マドリッド)

昨日午後、ヒメネス・ディアス財団役員会は満場一致で、2週間前から清掃員のストが続いているラ・コンセプシオン・クリニックでの診察、手術を中止することを決定した。同病院の手術室の衛生状態には問題はないが、患者を運ぶ際に通る廊下は全く清掃されていないため何らかの感染症が起こる可能性もあり、今回の決定となった。
清掃が行われなくなって15日、病院内部にたまったゴミ袋からは悪臭が立ち込め、トイレの多くは使用不可能な状態。一日およそ400件を受け付けていた救急センターは別の2病院で分担して受け付けられる。
今日労組代表者と病院側で労働条件についての話し合いが行われることになっており、この話し合いで両者が合意に達すれば、ストは終了する予定。

バルセロナでタピエス展

昨日、国王、マラガル・カタルニャ州知事、デル・カスティジョ文部大臣出席のもと、バルセロナの現代美術館でアントニ・タピエス展がオープンした。タピエス氏自らが作品の展示方法を監督したこの展覧会では60年のキャリアをもつ芸術家の代表的作品180点が展示され、これまで開催された展覧会の中で最も規模が大きく、最も包括的な内容となっている。
展覧会は、タピエス氏が家具、日用品を用いた70年代の作品から始まり、同じスペースには駆け出しの40年代に描かれた自画像、ミロ、クレー、マックス・エルンストと同じ流れを汲むシュールレアリスト時代の作品も展示。続いてタピエス氏が世界的に認知されるようになった50年代の作品が展示され、次の展示室では氏が新しいスタイルを確立し始めた60年代の作品、そして民主主義者としての政治色が濃く打ち出されるようになった70年代の作品を展示、その上の階では80年代以降のタピエス氏の芸術家として熟成した作品を展示している。この時期からタピエス氏はそれまでの作品のカタログ制作を開始し、また財団設立準備を始めたため、氏が過去の作品を見直した後、芸術家としての経験に基づきながら、以前用いた手法を再び取り入れ、新しい作品へと昇華させているのが作品の中に見られる。
一般公開は明日からで5月9日まで開催され、バルセロナでの展覧会の後は、規模を縮小してバジャドリッドのパティオ・エレリアーノ(6月から9月)、マドリッドのIOC財団(10月から来年1月)でも開かれ、その後は海外の美術館での開催も予定されている。


2月16日(月)

イラク派兵終了を求めるデモ

4百万人のスペイン人がイラク攻撃参加反対を唱えて行ったデモ行進の1周年を記念し、マドリッド、バルセロナ、バレンシアでイラク派兵終了を求めるデモが行われた。およそ4万人が参加したマドリッドではスペイン広場で俳優のフアン・ディエゴ・ボットさん、ペドロ・シモンさんと作家のロサ・レガスさんにより声明文が読み上げられ、バグダッドで取材中に亡くなったテレビカメラマン、ホセ・コウソさんへの表敬が行われ、デモ参加者からは「サダムの大量破壊兵器はどこだ?」との叫びが上がった。
バルセロナでは主催者側発表1万人、警察発表6千人がカタルニャ広場に集まり、戦争を支持者には投票しないよう呼びかけた。また、バレンシアの参加者は主催者側発表2万人、警察発表4千人。イラク戦争が始まった3月20日には世界各地でデモ、集会が予定されている。

ERC、EAと国会で合同議員グループ結成で合意

ERC(カタルニャ左翼共和党)とEA(バスク連盟)は、3月14日の総選挙後、下院での勢力を最大限に高めるため、合同議員グループを結成することで合意に達した。これまでは両党ともそれぞれ下院では1議席しか持たないため、“その他の政党グループ”に所属していたが、カタルニャ州連立政権を組むに至ったERC、元バタスナ党支持者の票が流れてくることが予想されるEAともに、今回の総選挙では得票数大幅アップが見込まれており、2党が一緒になれば自分たちの議員グループ結成が可能となる可能性が高いとし、今回の合意となった。議会法では、一議員グループ結成のためには、少なくとも5人の議員がいること、または立候補した選挙区で15パーセントの得票があることが必要と決められている。

パリ、オルリー空港管制塔ストでスペイン発着便にも影響

パリのオルリー空港管制塔ストにより、同空港では今週、60%の便がキャンセルされてる見込み。今日、バルセロナ-パリ間5便、マドリッド-パリ間6便、セビジャ-パリ間4便、バレンシア-パリ間2便を予定しているイベリア航空が、シャルル・ド・ゴール空港を利用し、キャンセル便を出さない努力を行っている一方、エア・エウロパは、マドリッド発2便とマドリッド着1便の計3便をキャンセルさせている。
今日のところ、シャルル・ド・ゴール空港では目立った混乱は見られていないが、パリ全体の空の便を担当しているAthis-Monsの管制塔職員のストが予定されている明日とあさっては、パリの両空港で大幅な混乱が予想されている。


2月13日(金)

麻薬密輸に関与した治安警備隊員9人、拘置所行き

火曜日と水曜日にアリカンテ県サンタ・ポラで6人、マラガで3人の治安警備隊員が、密輸に密売網に協力した疑いで逮捕され、昨日、判事はこの9人の収監を命じた。
麻薬捜査特別班の9人が逮捕されたのは、治安警備隊と国家警察が船を使ったヨーロッパへの大麻密輸最大組織の共同捜査中、密輸人の電話の通話内容から治安警備隊員が密輸品陸揚げに協力していることが発覚したため。逮捕者のうち2人は、アリカンテ海岸で5度、大麻の陸揚げに協力したことを認めており、1人は密輸組織との関与は否定したものの、2001年同僚3人と、押収した大麻の一部を盗んだことを自供している。
カディス、マラガ、ジブラルタルでの警備強化により、ここ数年、アリカンテ県サンタ・ポラは大麻の陸揚げ主要地点となっていたため、特別部隊が組織され、人口の少ない海岸地帯50キロにわたって警備が行われていた。密輸組織に協力していた治安警備隊員は、現金での報酬と引き換えに警備が行われていない地点、または警備が行われている地点についての情報を密輸組織に渡していたという。9人の治安警備隊員が逮捕された今回の共同捜査により、大麻3800キロ、レジャーボート3艘、クレーン付トラック2台、車18台、現金3.3万ユーロが押収された。

陸軍、イラク派遣兵増員を準備

昨年12月12日閣僚委員会で決定されたスペイン兵士1300人のイラク派遣期間は6月30日で終了する。3月14日の総選挙後、新政府が最初に取らねばならない決定の1つが7月1日以降のイラク派兵についてであるが、スペイン陸軍は、新政府からゴーサインが出た場合に備えてすでに1000人の増員を準備を始めた。
6月30日には現在、スペイン軍と共にイラク中央-南部に展開しているポーランド軍兵士2500人の撤退期限でもあり、スペインはこれを機に派兵数第2位のウクライナ(1800人)を超える人員を駐屯させ、同地域の指揮を取りたいと考えている。増兵が決まれば、現在毎月2000万ユーロの派兵費も倍増することとなる。
一方、最大野党勢力PSOEのサパテロ書記長は、昨日テレビ局テレ5との会見で、現政権の決定した派兵期間は尊重するが、総選挙でPSOEが勝利し政権を握った場合、その時点で国連がイラクに介入していなければ、7月1日にスペイン兵をイラクから撤退させると述べている。

バスク地方行きAVEの入札承認へ

政府閣僚委員会は、今日にもマドリッドとバスク地方を結ぶAVE工事15区間のうち8区間の入札を今日にも承認する見通し。この8区間内には46キロメートルにわたる陸橋または橋の建設が含まれ、工事予算は8.0741億ユーロが見込まれている。
マドリッドとビトリア、ビルバオ、サン・セバスティアンのパイス・バスコ州3県都を結び、路線の形から“Y”として知られているこのAVEは、スペインとヨーロッパの結びつき強化、スペインとパイス・バスコの結びつき強化を目的とし、2010年の終了を目指す2000-2007インフラ計画の一部で、近郊列車の整備なども含まれるこのインフラ計画には総額35.888億ユーロが投資される。
マドリッドとバジャドリッド、ブルゴスを結ぶAVEから延長されるこの路線が完成すれば現在5時間40分かかっているマドリッド-ビルバオ間の移動は2時間10分、マドリッド-ビトリア間は4時間45分の所要時間が1時間35分、マドリッド-サン・セバスティアン間は5時間51分が2時間15分に短縮される。 また、バスク地方内での移動時間は、ビルバオ-サン・セバスティアンが1時間38分から38分、ビルバオ-ビトリアが1時間50分から27分、ビトリア-サン・セバスティアンが1時間39分から34分となる。


2月12日(木)

テロでイラク派遣スペイン兵5人負傷

スペイン防衛省の発表によると、昨日の現地時間午後6時15分頃、イラクのディワニヤにあるスペイン基地に、500Mほど離れた建物から爆発物が投げ込まれた。この爆発により、パトロールから徒歩で戻ったところだったスペイン兵5人とイラク人通訳1人が負傷した(4人の兵士は散弾による負傷、残りの兵士1人と通訳は爆発のショックによる聴覚障害)が、ヘルメットと防弾チョッキを着用していたため、負傷は顔面と両手両足のみで、全員軽傷であるため、本国送還の予定はない。負傷者のうち1人は昨日のうち退院、残りの負傷者は経過を見るため引き続き入院中。イラク警察はすでに容疑者と見られるイラク人2人を逮捕しているが、この2人の身元は明らかにされていない。
アメリカ陸軍憲兵がディワニヤを撤退して以来、スペイン軍の警察としての任務が次第に増大しており、スペイン防衛省は、治安警備隊のイラク派遣を要請しているが、スペイン内務省は「スペイン国内での人員不足」を理由に派遣を拒否しつづけている。

逮捕のETAメンバー2人の身元が判明

月曜日に逮捕した2人のETAメンバーからの情報により、昨日フランス警察が新たに逮捕したETAメンバー2人は、ジョン・ケパ・プレシアド・イサラ、通称“オイエル”容疑者(28歳)と、ジョン・ゴンサレス・ゴンサレス容疑者(29歳)であることが判明した。2人はビスカヤ県サントゥルシの出身で、20020年のビスカヤ県での社会党員エドゥアルド・メディナ氏とエステル・カベスド女史へのテロの実行犯との疑いが持たれている。
2人が逮捕されたのは、リモージュの学生街にあるアパートで、このアパートは月曜に逮捕されたイボン・エロリエタ容疑者が今年1月から借りていたもの。月曜のETAメンバー2人の逮捕後から、このアパートは警察の監視下に置かれており、火曜日の夜このアパートにプレシアド、ゴンサレス両容疑者が戻った後、警察は対テロ担当判事からの逮捕状を待って翌朝、2人を逮捕した。フランス警察の発表によると、このアパートからはETAに関する情報書類が大量に押収されたという。現在、フランス警察では昨日逮捕された2人が、月曜逮捕の2人が所持していた爆薬の受け取り人であったのかどうかについて捜査を進めているほか、ゴンサレス容疑者が、ビルバオでのテレビ局アンテナ3と税務署、電力会社イベルドロラ、ゲチョでのタマリセスホテル、サンタンデール空港でのテロに参加した可能性についても捜査が進められている。

グアンタナモ基地に拘留中のスペイン人、今日スペインへ引渡し

昨日、スペイン外務省とアメリカ国務省は、“スペイン政府からの要請により”アルカエダに協力したと見られグアンタナモ基地に拘留されているスペイン人ハメッド・アブデラマン・アーメッド容疑者をスペインに引き渡す旨の声明を発表した。セウタ出身の同容疑者の身柄受け取りにはすでにスペイン警察がキューバに向かっており、機内で取り調べが行われ、飛行機は明日マドリッドのトレホン・デ・アルドス基地に到着し、その後ただちに中央管区裁判所第5法廷に出廷の予定。


2月11日(水)

フランスで、ETAメンバー4人を逮捕

月曜午後5時半頃、フランス南部コニャック近郊でETAの物資調達メンバーと見られる2人が逮捕された。逮捕時に2人は、爆薬38キロ、爆破装置9、サブマシンガン1丁、銃弾4箱、ピストル2丁、手榴弾1つを所持していたといい、この爆薬はテロを10件起こせる量に相当するという。
逮捕されたのは、ルイス・エンリケ・ガラテ・ガラルサ容疑者(46歳)とイボン・エロリエタ・サンス容疑者(27歳)。数日前に盗んだ白のライトバン、ルノー・カングーに乗った2人は、コニャック近郊の国道で敷かれていた検問を回避しようとしたところをフランス警察に追跡、逮捕された。ETAメンバーとしてはベテランのガラテ・ガラルサ容疑者は、1980年代に少なくとも4件の暗殺と1件の誘拐に関わったと見られており、その後メキシコで逃亡生活を送った後、ETAに復帰した。一方のエロリエタ容疑者は、2000年からETAの物資調達メンバーとして活動しており、昨年テロ組織所属の罪により懲役5年をフランスの裁判所から言い渡されているほか、1件の暗殺事件への関与も疑われている。 その後、2人が居住していた家宅の捜査が行われ、フランス中央部にあるリモージュのこのアパートで今朝、さらにETAメンバー2人が逮捕されたというが、現在のところフランス警察から身元の発表は行われていない。

セクハラ神父に懲役11年

コルドバ裁判所は、コルドバ県エル・サルバドール・デ・ペニャロヤ教区のホセ・ドミンゴ・レイ・ゴドイ神父の上告を退け、コルドバ刑事第一法廷での昨年5月2日一審の判決を支持し、6人の女児に対しわいせつな行為を行ったとし、懲役11年慰謝料2100ユーロの判決を言い渡した。
神父が有罪判決を受けたのは、2000年10月から2001年6月の間、神父が初聖体拝領を控え教理問答をを教えていた同教区の女児6人の体を繰り返し触った罪によるものであるが、コルドバ司教教区は「判決は尊重するが、司教に対して、『やましいことは何もしていない』と答えた神父を支持する」と声明文を発表している。
今後、神父が憲法裁判所に上告すれば刑の執行は中断されるが、被害者の家族は、引き続き同教区の神父を続けているレイ・ゴドイ神父の神父としての職を解くか、少なくとも他の教区に異動するよう司教区に対し要求している。

2003年の家庭内暴力による死者、前年比54%増し

司法統轄委員会のまとめによると、2003年、家庭内暴力により命を失った人の数は103人で、前年(66人)に比べて54%増加しているという。103人のうち81人が女性で、そのうち夫、恋人または元夫、元恋人の手にかかって殺されたのは65人で、2002年と比べて20人多い。
家族または恋人により殺された人数を自治州別に見ると、トップはアンダルシア州で17人、続いてカナリアス州14人、マドリッド州12人となっているが、住民10万人あたりの統計を取ると、トップはラ・リオハ州、その後バレアレス州、カナリアス州という順になっている。
また、家庭内暴力保護法が施行された昨年8月以降、裁判所に申請された保護要請は7869件(1日あたり51件)で、うち6004件(1日あたり39件)が保護の適用を受けていることも明らかになっている。要請を行った95.7%が女性で、保護の適用を受けた被害者からは死者は出ていない。


2月10日(火)

イバレチェ・プランに対し、部分修正案135、全体修正案4提出

バスク州知事イバレチェ氏により昨年10月25日、州議会で改正提案が行われ、州政府で連立政権を形成する3政党PNV(バスク民族党)、IU(統一左翼)、ES(バスク連盟)が支持しているバスク自治憲章改正案“イバレチェ・プラン”に対する修正案提出期限が昨日で切れた。提出された修正案は州与党3党とSA(愛国社会主義同盟-元バタスナ党)から出された部分修正案が135、PP(国民党)、PSE(バスク社会党)、IU(統一左翼)とSAからの全体修正案が4。
イバレチェプランへの対応は大きくわけて3つのグループにわかれる。PP、PSOEの憲法擁護2党は、自治憲章改正案を“一方的”、“分離主義”、“違憲”、“反民主主義”として、それぞれ全体修正案を提出、2つめのグループは自治州政府を形成するPNV、IU、EAの3党で、改正案は支持しているものの、独立主義路線を強めた自党独自の要素を改正案に盛り込みたいEAは42の部分修正案を提出、IUは全体修正案1と部分修正案69、PNVも17の部分修正案を提出したほか、孤立するもう1つのグループSAも7つの部分修正案を提出した。
今後の手順としては、来週火曜日には州議会評議会で部分修正案の審議、その後法改正プロジェクトとして議論をするための審査会設立が控えており、修正案審議に入るのは3月14日の総選挙後と見られるが、中央政府からのイバレチェ・プランに対する訴状を憲法裁判所が受け付けた場合は、プランの審議は5ヶ月の間中断されることとなる。

欧州人権裁判所、バスク州政府からの訴えを棄却

バスク州政府はスペイン憲法裁判所での判決を不服とし、バタスナ党を違法政党と決定した新しい法律、政党法を昨年9月10日に欧州人権裁判所に上告していたが、7人の判事からなる法廷は、一国の政府ではなく、その一部を構成する自治州政府には上告の権限がないとし、政党法の内容を深く審議するこことなく、2月5日、州政府からの訴えを棄却、判決が郵便で通告された。
今回の棄却の基礎とされた欧州人権保護協定には、誰がどのような条件において提訴できるかが定められており、それによると、欧州人権裁判所に提訴できるのは、個人、NGO団体、国家またはこの協定により人権侵害の直接的被害者と認められる人々のグループの3つに限られている。今回の棄却により、スペインの最高裁判所がバスク州議会評議会に対して強く要求しているSA(愛国社会主義同盟-元バタスナ党メンバーで構成)解散命令を妨げようというバスク州政府を構成する3政党の目的は達成不可能となった。ミチャビラ法務大臣は欧州人権裁判所からの判決を聞き、「スペイン民主政治の勝利で、テロ撲滅への闘いの新たな一歩だ。」とコメントしている。

“アニョ・シャコベオ 2004”公式に始まる

昨日、ピレネー山脈の裾野に広がる標高949Mのロンセスバジェス(ナバラ県)は、特別な日であるのを知っていたかのような晴天に恵まれた。サンタ・マリア・ラ・レアル教会では、“アニョ・シャコベオ 2004”(ヤコブ聖年2004)の公式オープンセレモニーが開かれ、フェリペ皇太子、デル・カスティジョ文部大臣とサンティアゴ巡礼路が通る8つの自治州(ナバラ、アラゴン、パイス・バスコ、ラ・リオハ、カスティジャ・イ・レオン、カンタブリア、アストゥリアス、ガリシア)の知事などが出席した。セレモニーの前にはイバニェタ峠(標高1057M)から教会までの1300メートルを出席者が歩き、先頭を歩いたフェリペ皇太子が教会に到着すると、教会の鐘の音が盛大に鳴らされ、ヤコブ聖年が公式に始まったことを告げた。
聖地サンティアゴ・デ・コンポステラの守護聖人の日7月25日が日曜日にあたる今年は、21世紀最初の聖年で、例年を大幅に上回る巡礼者数が予想されている。ロンセスバジェスからサンティアゴ・デ・コンポステラまではおよそ800キロ。昨年は65カ国からの巡礼者が住民28人のこの村を巡礼のスタート地点として選んでいる。


2月9日(月)

ETAにより暗殺されたパガサウルトゥンドゥアさんへの表敬式典

1年前、ETAにより暗殺された警察署長ジョセバ・パガサウルトゥンドゥア氏への表敬式典が昨日、ギプスコア県アンドアインで行われた。式典には、遺族、テロの被害にあった人、テロリストからの脅迫下にある人が出席、市役所横で彫刻家アグゥスティン・イバロラ氏から寄贈された彫像の除幕式が行われ、夫人のエスティバリス・ガルメンディアさんにメダルが贈られた。
アンドアインはPSE(バスク社会党)とPP(国民党)の連立政権により運営されているが、数日前の町議会ではパガサウルトゥンドゥア氏への表敬にPNV−(バスク民族党)EA(バスク連盟)は反対票を投じており、昨日の式典では「町議会満場一致で表敬できなかったのが残念」との声が聞かれたほか、パチ・ロペスPSE代表は、“テロ犠牲者への連帯”を掲げたばかりにもかかわらず、今回の表敬式典に関し、何らのコメントも出していないイバレチェ・バスク州知事を批判した。
一方、県都サン・セバスティアンでは、旧バタスナ党、現Sozialistas Abertzaleak(愛国社会主義同盟)支持者200人ほどが集まり、出所したばかりの伝説的元ETAリーダーのエウヘニオ・エチェベステ“アンチョン”氏への表敬式典を行った。式典は最初体育館で行われる予定だったが、サン・セバスティアン市役所から使用を禁止されたため、参加者は道路でバタスナ党メンバー出席のもと、ETA支持の叫びを上げた。

領空侵犯は悪天候のため

5日、モロッコ領空を侵犯したスペインの飛行機2機は、“実習用飛行機”で「いかなる種類の兵器、カメラ、監視システム積んでおらず、悪天候のため、方向を誤った」と、土曜日の夜OID(外交情報事務所)が書面で発表した。
2機のスペイン攻撃機領空侵犯に関しては、モロッコ外務大臣から在ラバットスペイン大使フェルナンド・アリアス-サルガド氏に対し苦情が申し立てられていたが、スペインは公式文書でメリジャへ向かう途中だったこの2機は演習中で、「悪天候により予定ルートを外れた」とモロッコ政府に釈明。トレド訪問中のアナ・パラシオ外務大臣は、昨日、スペイン側は要求された情報をすべて提供し、モロッコ政府はスペイン政府からの釈明をすでに受け入れ、、両国間に何らの問題も残っていないことを改めて強調した。

スペイン、デ杯第二ラウンド進出決定

スペイン対チェコで6日から行われていたデビス・カップ第一回戦、昨日はフェリシアーノ・ロペス選手対トマス・ベルディッチ選手、ラファエル・ナダル選手対ラデック・ステパネク選手のシングルス2試合が行われた。
第一試合、当初のチェコ出場選手は世界ランキング14位のジリ・ノバク選手の予定だったが、前日のダブルスの試合で右太もも筋肉を傷めたため、代わりにランキング98位のベルディッチ選手が出場、世界ランキング33位のロペス選手と対戦した。最初のサーブでいきなり時速209キロをマークしたロペス選手は、その後もサーブが冴え、得点の72パーセントをサーブで取り、終始落ち着いて試合をコントロール、第二セットをタイブレイクで失ったものの、6-4、6-7、6-3、6-2でゲームを制した。
ロペス選手のこの勝利により、スペインとチェコの対戦成績は2-2となり、次のナダル選手の試合に期待がかかった。世界ランキング40位ながらも弱冠17歳8ヶ月と3日でスペインチーム最年少記録を塗り替えたナダル選手は負傷したカルロス・モヤ選手の代わりに出場、7-6、7-6、6-3でステパネク選手を破り、スペインチームの第二回戦進出が決まった。
次の対戦相手はオランダで試合は4月9日から11日にかけて行われる。


2月6日(金)

ペレス・ガルシア氏の葬儀営まれる

昨日、マドリッドの治安警備隊本部で、イラクで負傷し、一昨日亡くなった治安警備隊長ペレス・ガルシア氏の葬儀が営まれた。治安警備隊長官サンティアゴ・ロペス・バルディビエルソ氏につきそわれ、ペレス・ガルシア氏の妻と3人の子供は治安警備隊本部に到着、午後1時半から始まった葬儀には、アスナル首相を始めとする閣僚、治安警備隊関係者、警察関係者から多数の参列があったほか、イラクで殺害されたCNI(国家情報局)のホセ・アントニオ・ベルナル氏の両親の姿もあった。亡くなったペレス・ガルシア氏には、軍十字功労賞と治安警備隊の金十字功労賞が授与されることが決まっている。
葬儀後、ペレス・ガルシア氏の遺体は出身地のトレド県ナバエルモサ(住民4000人)に移送され、住民達は午後5時頃到着した遺体を拍手で迎えた。その後、治安警備隊長官や遺族出席のもと埋葬式が行われ、ペレス・ガルシア氏の遺体は、父親と祖母の眠る家族の墓に埋葬された。

母親を殺害後、石膏漬けにし1年間保管していた男逮捕

警察は昨日、エスプルゲス・デ・ジョブレガッ(バルセロナ)で、エンリケ・ルス容疑者(46歳)を逮捕した。警察の調べに対し、ルス容疑者は当時70歳の母親を2002年11月に殺害し、以降自宅の一室に石膏漬けにして保管していたことを認めた。
ルス容疑者は、殺害の動機は子供のときから受けてきた身体的虐待の復讐が殺害の動機であると供述している。容疑者の母親は売春宿を経営しており、自宅も売春に使っていた。ルス容疑者によると、子供の頃から強制的に母親に売春をさせられていたという。
しかし、警察の調べではそれ以外に経済的問題という動機もあり、飲酒癖がある息子に対し、母親は24万ユーロの預金を持っていたにもかかわらず、その預金を息子に分け与えようとしなかったという。同じマンションの同居人たちから母親について尋ねられると、「アルツハイマーを患って老人ホームに入居している。」と答えていたが、母親失踪後、容疑者はロレックスの腕時計、メルセデス・ベンツなどを購入し、これに加え不審に思った被害者の妹が警察に通報したことから、今回の逮捕となった。容疑者は、母親のうなじをナイフで刺して殺した後、死体をビニールでくるんだが、死体からの腐敗臭がひどくなったため、石膏漬けにしたと供述している。

皇太子とレティシアさんの人形、ろう人形博物館にお目見え

昨日からマドリッドのろう人形博物館に手をつないだフェリペ皇太子と婚約者レティシアさんの人形が登場した。お2人の人形は結納の儀の日の装いで、ヒールを履いたレティシアさんの人形は実際より10センチ背が高い168センチ、皇太子の人形も実物よりやや太めで老けている。現在、お2人の人形は王室メンバーから1メートル離れた場所に設置されているが、結婚式の前日5月21日には王室メンバーと共に展示されるようになるという。


2月5日(木)

アスナル首相、米国会で演説

昨日、上下院両院合同審議が行われたアメリカの国会で、スペイン人としては1976年の国王フアン・カルロス1世につづいて2人目、スペインの首相として初めて、アスナル首相が演壇に立った。1824年からアメリカ国会で演説した外国人首脳はわずか93人。
首相としての訪米が今回で16回目となるアスナル首相は、スペイン語で25分にわたってスピーチ、その間23回拍手による中断(うち4回はスタンディングオベーション)があった。首相は演説の開始にあたり、まずアメリカ国会を“世界中から自由と民主主義の象徴として尊敬を集めている”と賞賛、続いて28年前のスペイン国王の米国会演説について触れ、「28年間でスペインは大きな進歩を遂げ、世界第八番目の経済国となった。」と、スペインの発展についても言及したのち、スペインはアメリカと共に引続き国際的テロ組織と戦いつづけることを約束した。この発言で出席者たちは立ちあがって拍手を送ったが、その後首相が国連でのテロリスト組織についてのリスト作成についての支援を求めたときは、会場からの反応はほとんどなかった。アスナル首相はこれまでにもこの提案を繰り返し行っているが、テロリストの定義づけについていまだに世界共通の見解がないため、この案については進展が見られていない。首相はまた、演説終了前に、先月のワシントン訪問の際に提案した2015年までにヨーロッパとアメリカ合衆国の間に経済圏を確立するという提案についても再び触れている。
演説が終了すると、議場は拍手に包まれ、出席議員たちは立ち上がり「ブラボー」の叫び声を送った。スペイン政府関係者によると、この後、ワシントン出発直前のアスナル首相に、ブッシュ米大統領から演説成功の祝福の電話があったという。

銃撃から13日、重体の治安警備隊長死亡

1月22日、赴任先のイラクのアルハムザで任務遂行中、額に銃弾を受け、スペインに運ばれ防衛省中央病院に入院していた治安警備隊長ゴンサロ・ペレス・ガルシア氏(42歳)が昨日の午後9時過ぎ、収容先の病院で亡くなった。銃弾が脳に埋まっていたため摘出はできず、銃撃後はずっと意識不明の状態が続いており、回復の見込みはほとんどないと見られていたペレス氏だが、頑強な体は医師団の予想を超える生命力を見せ、先週の感染症も乗り越えていたが、昨日容態が急変、夜になって死亡が確認された。ペレス氏の臓器は移植用に提供された。
治安警備隊からイラクに派遣されている4人のうちの1人であるペレス氏はトレド出身で、妻と3人の子供がおり、11月にプルス・ウルトラ第二師団の保安顧問として赴任していた。ペレス氏の死により、スペインが昨年夏にイラクに派兵して以来亡くなった兵士の数は11人となった。

スペイン、家庭内暴力の血にまみれた1日

昨日、マジョルカ島のプンティロで、ビニールハウスのビニールに包まれた女性の死体が発見された。大きな石のようなもので何度も殴打されたと見られる死体の頭部は原形を留めない状態だった。警察の捜査により、この遺体は数ヶ月前に家庭内暴力の被害者としてテレビ出演してこともある34歳の女性のものであることが判明。6日前から失踪届が出されており、警察は女性の失踪と同時に姿を消しているモロッコ人の恋人を国際指名手配した。
グラン・カナリア島のラス・パルマスでは、町の中心地で57歳の男が妻(50歳)に背後から襲いかかり、女性の頚動脈と気管を刃渡り15センチのナイフで切った後、自身も首を切って自殺を計ったが、通行人の通報により救急車が出動、2人は重傷ではあるが、病院で手当を受け、容態は安定したという。
テネリフェ島サン・イシドロでは、36歳の男が元恋人の7歳の娘を刺殺し逮捕されているほか、日曜日にカディス県アルへシラスで、恋人を刺し、強姦した罪で逮捕された23歳の男性は昨日、刑務所に収監された。家庭内暴力で警察に逮捕されたことのあるこの男には、被害者の女性に対する接近禁止命令が11月に出されていたが、双方の合意により再び同居を始めていた。
また、昨日は、ビルバオで夫との口論後5階から転落死した女性の娘が目撃者として事情聴取を受けたが、警察では、転落が夫の手によるものなのか、事故なのかについて、まだ確認できていない。


2月4日(水)

政府、イラク大量破壊武器情報調査委員会設置の意思はなし

アメリカに続き、イギリス政府もイラクが大量破壊武器を所持していたという情報についての調査委員会を設置したが、スペイン政府は昨日、「設置の意義全くなし」とし、スペインは本当にイラクが大量破壊兵器を所持していたのかどうかについての調査を新たに行わないことを発表した。
エドゥアルド・サプラナ政府広報官は昨日、スペイン政府のイラク攻撃参加は国連決議に基づいたものであって、アスナル首相がイラクが大量破壊兵器していることについて言及したことはなかったと述べた一方、アナ・パラシオ外務大臣もスペイン政府がイラク攻撃を支持したのは“サダム・フセインの武装解除の必要性について国際社会全体が同意見であった”ことに基づいたものであると述べた。
また、PSOEのヘスス・カルデラ広報官は昨日、「サダム・フセインが逮捕され、イラクが我々の脅威ではなくなった今、CNI(国家情報局)の情報を機密扱いにしなければならない理由はない」とし、政府に対し、情報の開示を求めたが、これに対しトリジョ防衛大臣は、CNIが独自に作成した報告書は存在しないと述べている。

Basta Ya スペイン縦断バスツアー終了

バスク自治領化を提案するイバレチェ・プランへの反対を全国でアピールするため、土曜日にサン・セバスティアンを出発した市民団体Basta Yaが昨日、カディスに到着、縦断バスツアーを終了した。
“自由のバス”と名づけられたこのバスにはBasta Yaの代表である哲学者フェルナンド・サバテル氏を始め、PSE(バスク社会党)、PP(国民党)議員やテロの被害者とその家族およそ30人が乗り、イバレチェ・プランへの反対にとどまらず、反急進民族主義、反テロリズム、自由支持のアピールや、バスク地方で自由なく生活している人々がいることをスペイン全土に知らしめるのも目的としており、バスは、ブルゴス、マドリッド、トレド、コルドバ、セビジャを訪問した。
カディス到着後の記者会見でサバテル氏は、目的は達成されたとし、「色々な人とバスで数日間を過ごすという貴重な体験ができただけでなく、訪問した各地で政治団体や無名の人々たちから温かく迎え入れられたという点で、この縦断ツアーの結果には我々自身が驚いている。人々の厚意に感謝したい。」と述べた。

口論後、妊娠7ヶ月の女性、5階から転落死(ビルバオ)

昨日未明、ビルバオで妊娠7ヶ月の女性(33歳)がマンションの5階にある自宅の窓から転落、病院に運ばれたが数時間後に死亡した。隣人たちは、女性が転落する前に彼女の家から口論と激しい殴打の音が聞こえていたと証言、数時間後に警察は被害者の夫(36歳)を逮捕した。
被害者、加害者の2人はナイジェリア人で、家庭内暴力でこれまでに何度も警察が出動していた。昨年8月には夫に対し、妻に500M以上の接近禁止命令が裁判所から出され、9月にはこの命令を破ったとして夫は逮捕され、接近禁止距離が1000Mに上げられていたが、11月に女性が接近禁止命令の取り下げを申請、今年1月14日に申請が受理されていた。警察では、女性が窓から落ちた原因の究明を急いでいる。


2月3日(火)

PSOE内で広がる亀裂

ETA幹部と秘密裏の面会を行ったERC(カタルニャ左翼共和党)党首のカロ・ロビラ氏は、昨日カタルニャ州政府代表議員を正式に辞職、3月14日の総選挙にERC筆頭候補として出馬するが、ERCと連立政権を組むPSC(カタルニャ社会党)のパスクアル・マラガル知事は、「カロ・ロビラ氏がETAとの面会の詳細について報告すれば、総選挙後州政府に戻る可能性はある」と述べた。これに対し、PSOE(社労党)のカスティジャ・ラ・マンチャ州知事ホセ・ボノ氏、エクストレマドゥラ州知事フアン・カルロス・ロドリゲス・イバラ氏から非難の声があがった。
しかし、PSCの第一書記ホセ・モンティジャ氏は「ボノ氏もイバラ氏もPSOEの代表者ではない。マドリッドでさえカタルニャ州政府幹部を決める権限をもたないのに、トレド(カスティジャ・ラ・マンチャ州州都)やメリダ(エクストレマドゥラ州)に口出しする権利はない。」と、PSCの党としての自治権を再び主張した上で、カロ・ロビラ氏とカタルニャ州政府の間に氏が総選挙後に復帰する取り決めが行われた事実はないとした。
PSOE党首でアンダルシア州知事でもあるマヌエル・チャベス氏も昨日はラジオ局カデナ・セールに出演し、「現在彼が州政府を去らねばならない理由があるなら、同様の理由が総選挙以後も必ず存在するであろうから、カロ・ロビラ氏の復帰は受け入れることはできない。もし、氏を復帰させれば市民は州政府にだまされたと思うだろう。」と述べている。
総選挙まで1ヶ月少しとなった今、PSOEからの首相候補ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ書記長は、選挙運動に専念すべくPSOEとPSCとの関係修復に努めているが、亀裂は修復されるどころか、さらに深まる様相を見せている。

ヤコレフ機事故の遺族が航空会社を提訴

昨年5月26日、アフガニスタンでの任務を終えてスペインに戻る兵士を乗せ、トルコで墜落したヤコレフ42機の犠牲者62人のうち、12人の遺族がウクライナの航空会社UMエアーに対し、民事訴訟を起こした。
墜落機のブラックボックスと、事故現場であるトラブゾンの管制塔とパイロットの会話を調査したオルランド・ヒメネス・フォレロ氏の報告書に基づく訴状では、事故の原因はパイロットの度重なる人為ミスにあるとし、その責任を事故機の所有会社であるUMエアーに求め、1250万ユーロの賠償金を要求している。
原告側弁護士のカルロス・ビジャコルタ氏は、防衛省に対し訴訟を起こすのに十分な理由は見つからず、現在のところ事故の責任者は唯一、UMエアーであるとの見方を示しながらも、防衛省に対して訴訟を起こすことのできる期日である5月25日までには、将来、防衛省になんらかの責任があると考えるにいたった場合に備え、“なんらかの”措置は取ると述べている。また、賠償金の金額に関しては、航空会社の7000万ユーロ以上の保険金を考慮に入れれば、十分に支払い可能な金額であるとの考えを示した。

殺人事件の犯人逮捕−手がかりは現場に残された菓子

昨年12月29日、マドリッド州コジャド・メディアノの民家で建設会社社長ラモン・ルケさん(59歳)と娘のエバさん(27歳)が殺害された事件で、警察は容疑者としてダニエル・モンソン・ムニョス容疑者(28歳)を逮捕した。モンソン・ムニョス容疑者のほかに3人が容疑者として逮捕されているが、そのうちの1人はモンソン容疑者の父ダニエル・モンソン・リコ容疑者(54歳)で、30年前から国家警察に勤務する警官。警察の調べに対し、モンソン・ムニョス容疑者は犯行を認めている。
事件発生後1ヶ月での逮捕となった手がかりは、現場のテーブルの上に残された菓子箱。“Toledanos”と呼ばれるこのマサパンに似た菓子は、トレド県イェペスの名産品で、被害者の家族がこの菓子を買ったことを否定したことから、警察ではルケさんの会社従業員と関係者でイェペスとつながりのある者を重点的に捜査、結果モンソン・ムニョス容疑者の逮捕となった。
父親のモンソン・リコ容疑者に対しては、息子の偽のアリバイを供述した罪と殺害に使われたピストルをポルトガルで購入した容疑がかけられている。モンソン・ムニョス容疑者容疑者はルケさんの建設会社の元従業員でルケさんに6000ユーロの借金があった。


2月2日(月)

ゴヤ賞発表

土曜日の夜、マドリッドで第18回ゴヤ賞授賞式が開かれた。2003年に公開された映画の中で最も高い評価を受けたのは、夫から暴力を受ける女性が主人公の、イシアル・ボジャイン監督の“Te doy mis ojos”で、最優秀監督賞、最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀主演俳優、女優賞、最優秀助演女優賞の7部門を獲得した。“Mortadel y Filemon”が特殊効果賞などの5部門を獲得し予想を超える健闘をしたほか、“Carmen”(衣装デザイン賞)と“Soldados de Salamina”(最優秀撮影賞)が前評判を大きく裏切って、それぞれわずか一部門での受賞に終わった。
昨年、イラク攻撃反対を叫ぶ人々で埋められた会場前は今年は、バスク地方の人々へのインタビューで綴ったフリオ・メデム監督のドキュメンタリー“La Pelota Vasca”への抗議を叫ぶテロの犠牲者協会メンバーにより埋められた。しかし、会場前の群集の声に賛同を寄せた昨年とは異なり、今年、壇上に上がった映画関係者たちの多くは「表現の自由の権利を守ろう」とメデム監督への支持を表明した。

フラガ氏「スペインから独立する考えをもつ政治家をスパイするのは当然」

昨日、ポンテベドラ県ラ・トハ島にあるホテルで、マリアノ・ラホイ書記長のもとにPP(国民党)の筆頭候補者52人と中央政府閣僚の大部分が集まった。この席では、ERC(カタルニャ共和左翼党)のカロ氏とETAとの会見をどのようにしてPPが知ったのか、また誰がこの情報をマスコミに流したのかについて閣僚、PP党幹部ともに言及を避けていたにもかかわらず、ガリシア州知事であるマヌエル・フラガ氏は1人、国家情報局が独立に傾く政党をスパイする正当性を主張した。
この発言があったのは、ラホイ書記長の演説が終わり、ラホイ書記長とフラガ氏の間で短い会話が交わされた後で、PP創立者の周りに集まった記者に対しフラガ知事は「カロ-ロビラ氏が公共の場で堂々と、カタルニャはスペインから独立しなければならないと述べ、憲法第二条を破ろうとするならば、情報局員が彼がどこにいるかを把握しているのは当然だ。」と述べた上、情報のリークに関しても「当たり前のことだ。すべてのスペイン人が知らねばならないことだ。以上。」と話した。
フラガ氏は、ア・コルニャ県トケス町長のセクハラ事件に関しても、党全体の方針と異なる町長を擁護する発言をして物議をかもし、その後発言内容を辞任要求へと変更している。

オリーブオイル生産量最高を記録

今シーズンのオリーブオイル生産量は、140万から150万トンとなる見通しであることが業界と政府、両方のデータにより明らかになった。国内需要量の予想はおよそ60万トンだが、業者の戦略と輸出の拡大により、オリーブオイルの価格は下落ではなく上昇すると見られている。
この要因の1つには、生産量は140万から150万トンであるものの、ストックがわずか9.5万トンであったことがあげられるが、もう1つの要因として、国内需要60万トンに対し、輸出用に54万トンの需要が見込まれていることがあげられる。ギリシャでは国内需要も満たせない状態で、輸入は必至。また、イタリアでも生産量は不十分で、チュニジアからの輸入交渉が終了した段階で、不足分をスペイン産オリーブオイルでまかなわなければならない。結果、スペイン国内でのシーズン終了時のオリーブオイルのストックは30万トン程度にとどまる見込みで、来年はオリーブの収穫量が少ないと予測されていることを考慮すれば、ストックの量は多いとはいえない。また、オリーブ栽培業者も市場での供給過剰を防ぐため、オリーブを段階的に売りに出している状態で、オリーブ栽培者組合には現在、5万トンのオリーブが貯蔵されており、最終的にこの量は20万トンになる予定。
一時期キロ当たり1.8ユーロまで落ち込んだオリーブオイルの原価だが、ここ数週間は2.10ユーロに上がっており、当面この金額で落ち着く見込み。




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