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4月30日(金)

サパテロ首相、訪仏

昨日夜、サパテロ首相との会談後、フランスのジャック・シラク大統領は、EUの新しい中心軸“ベルリン-リ-マドリッド”が設立されたと述べた。水曜日の会談ですでにドイツのシュレーダー首相がスペインをヨーロッパの主要原動力の1つとして迎え入れる可能性について示唆しており、昨日のシラク首相の発言はこれを正式に認めたものとなった。シラク大統領が記者会見で述べたところによると、フランス、スペイン両国首脳は、今後3カ国の閣僚が緊密な協力関係を築いていくことで意見が一致したという。また、両首相は、西サハラ問題についても話し合い、モロッコ、ポリサリオ戦線の両者が納得する形で6ヶ月以内に合意を取り付けるため協力していくことを約束した。

イバレチェ−セビジャ会談

ジョルディ・セビジャ・新行政大臣は、昨日ビトリアでフアン・ホセ・イバレチェ・バスク州知事と会談、およそ1時間にわたる話し合いの中では中央政府とバスク州政府の間にある数々の問題には具体的に触れられなかったが、イドイア・、セナルサベイティア副知事は「会談が行われたことがすでにニュース」と、前政権との間で悪化した関係が修復されることに期待を見せた。中央政府の閣僚がバスク州政府を訪れるのは、2000年1月のロドリゴ・ラト経済大臣(当時)以来。
中央政府とバスク州政府の間には、バスク州警察200名の増員、3250万ユーロ返却問題、プレステージ問題処理費用、そしてバスク州自治領化案“イバレチェ・プラン”など様々な問題が未解決のまま残っているが、昨日の会談では、これらの問題の解決について具体的な話し合いは一切行われていない。昨日は、イバレチェ州知事、セナルサベイティア州副知事とセビジャ大臣、ホセ・ルイス・メンデス地域協力担当書記官の間で、行政に関する問題は現在未解決のもの、今後発生するものを問わず両政府の副首長府間で話し合われ、政治に関する問題である自治憲章改正問題、“イバレチェ・プラン”については、イバレチェ知事とサパテロ首相との間で話し合いが行われることが決められた。問題解決を急かさなかったセビジャ大臣は、サパテロ首相が今年中に開催することを考えているスペイン各自治州知事会議へのイバレチェ知事の出席を約束させることもしなかった。

バレンシア州、ムルシア州、PHN代替案を拒否

クリスティーナ・ナルボナ環境大臣は昨日、フランシスコ・カンプス・バレンシア州知事、ラモン・バルカルセル・ムルシア州知事とそれぞれ会談、前政権PPが推進していたPHN(国家水路計画)は財政的問題により実行が不可能であると通知し、代替案を提案した。
欧州投資銀行が行った調査によると、エブロ川からバレンシア、ムルシア、アルメリアに供給される水は、前政権が発表していた年間1050平方ヘクトメートルではなく、620平方ヘクトメートル程度であり、この水の使用料もPHNで見積もられていた1平方メートルあたり31セントではなく、91セントと試算されている。真水化した海水の使用料が現在、1平方メートルあたり55セントであることを考えると、1平方メートルあたり91セントという使用料は農業従事者には払えない金額。
このため、新環境大臣は、半分は真水かした海水を使用し、バレンシア県に340平方ヘクトメートル(フカル川流域に240、セグラ川流域に100)、ムルシア県、アリカンテ県に294平方ヘクトメートルを供給することを提案、これにかかる費用は、バレンシア県9.9億ユーロ、ムルシア、アリカンテ県12.19億ユーロ。
しかし、両州知事は大臣からの提案書類の詳しい内容を調査してみると約束したものの、地中海沿岸の水不足を解消できるのはPHNだけであるとの考えを変えず、“代替案の内容は不十分”との意見をすでに表明しており、カンプス知事は「バレンシア州は裁判所でエブロ川灌漑計画を守るだろう」と予告した。


4月29日(木)

サパテロ首相、訪独

スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、首相就任後初めてのヨーロッパ訪問国であるドイツの首都ベルリンで、昨日シュレーダー首相と会談した。シュレーダー首相は、「スペイン新政権がヨーロッパ統合のための新たな活力をもたらしてくれるもの思う。我々は満足をもってスペインを迎えたい。」と述べ、サパテロ首相は、ドイツとフランスを中心軸とするEUの確立に参加する意思を改めて表明した。
昨日の会談はEU憲法制定問題とイラク再建問題を中心に行われ、EU憲法については両国とも現在の議長国アイルランドの任期が切れる前、つまり6月中には基本的内容についての合意に達したいという考えで意見が一致、11−Mの犠牲者追悼の意味を込めてこの条約調印をマドリッドで行うという案については、イタリアが自国首都での調印を強く希望していることもあり、あえて固執しない旨をサパテロ首相は表明した。
またイラク再建問題については、スペインが軍事分野ではなく、政治分野でアメリカ、ドイツ、フランスと協力していく意向であることを強調。ドイツ側は、安全保障理事会理事国であるフランス、ドイツ、スペインの3カ国の協力は、イラク人政府への権力委譲への道をさらに開くもので、新たに採択される国連決議案では、アナン国連事務総長特使ラジュダル・ブラヒミ氏の和平プランが後押しされるべきだとの考えを示した。サパテロ首相は今日はフランスを訪問。パリでシラク大統領と会談する。

皇太子の結婚式準備進む

マドリッド市長ルイス・ガジャルドン氏は、5月22日に祝われるフェリペ皇太子とレティシアさんの挙式の際に、お2人がパレードを行われる沿道沿いの装飾を行う責任者として装飾家のパスクア・オルテガ氏(53歳)を選んだ。オルテガ氏は、在ワシントン・スペイン大使館、王立劇場を始めとし、パラドールチェーンのホテルの多くの装飾にも携わっており、姪のパトリシア・オルテガさんはサルスエラ宮敷地内に建設されたフェリペ皇太子邸内の装飾を担当した室内装飾家。
マドリッド市の温室では数週間前から皇太子の結婚式用の花の栽培が行われている。オランダを始めとする数カ国から花の提供の申し出があったが、新郎新婦の希望により花はすべてスペインのものが使われることになっている。使用される花の色は、白、様々なトーンのばら色、黄土色、銀色で、沿道の装飾にも同じ色が使われ、挙式当日は、パレードの沿道にある足場、宣伝幕などはすべてトクセイの装飾幕で隠される。挙式が行われるのは午前11時であるが、装飾のいくつかはイルミネーションを使ったものとなるという。
両内親王の結婚式のときと同様、今回はマドリッド市が結婚式の特別ロゴタイプの製作をグラフィックデザイナーに依頼。このロゴタイプは市長が挙式準備についての記者会見を開く5月5日に発表される予定。保安上の理由により、新郎新婦のパレードルートは式当日まで明らかにされないが、パレードにはアストゥリアスから数百人のバグパイプ吹きが参加する。
挙式のために、元メカノのメンバーであるナチョ・カノさんが特別に作曲している曲“Musica para una boda(結婚式のための音楽)”は現在最終調整段階に入っている。この曲は、5月10日にマドリッド・シンフォニー・オーケストラの演奏で初披露され、この席には皇太子とレティシアさんも出席する予定。マドリッド市役所は、ご成婚を記念して王立劇場の協力により、モンセラ・カバジェさん、プラシド・ドミンゴさんによるコンサートをオリエンテ広場で開く予定だったが、この企画は11−Mの犠牲者への追悼の意を表したいという新郎新婦の希望により中止、コンサート資金は、アトチャ駅に作られるテロで亡くなった人々の追悼モニュメントの資金に使われる。

ラ・パケラ・デ・ヘレスさんの葬儀行われる

月曜日、血栓症で69歳で亡くなったフラメンコのカンタオーラ、ラ・パケラ・デ・ヘレス(本名フランシスカ・メンデス・ガリド)さんの葬儀が昨日、出身地へレス・デ・ラ・フロンテラで行われた。
カンテ・ホンド界の伝説的歌い手であったラ・パケラさんがプロとして歌い始めたのは17歳のとき。1950年代からマドリッドとヘレスのタブラオで頭角を現し、特にブレリアの名歌い手として有名で、“フラメンコ”(1994年カルロス・サウラ監督)、“ベンゴ”(2000年トニー・ガトリフ監督)の映画にも出演。糖尿病を患っていたラ・パケラさんの公演は、2002年の日本公演が最後となった。
葬儀には、ディエゴ・カラスコさん、ランカピノさんなどフラメンコ界から多数の出席があり、贖罪の聖母墓地のラ・パケラさんの墓にはアレハンドロ・サンス、ファルーコ家、フローレス家、アンダルシア州政府、文化省などからの25の花輪が飾られた。


4月28日(水)

サパテロ首相、5月27日までのイラク撤退を発表

昨日、国会答弁席に立ったホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、首相就任2日目でイラクからのスペイン軍即時撤退を決めたのは、軍の安全問題によるものだったと述べた。「最初から軍は派遣されるべきではなかった。だから、できるだけ早く軍の撤退は行わなければならない。」と述べた首相は、イラク駐屯中のスペイン軍は5月27日には完全に撤退していることを約束、また、“様々な条件下においての”国外への軍隊派遣に関し、国家防衛法の改正提案を国会に提出することを明らかにした。
最大野党となったPP(国民党)のマリアノ・ラホイ党首は、首相候補者として国会で演説した際に行った“外交政策に関し、政党間での合意を模索する”との約束をサパテロ氏が守っていないと非難、スペイン軍の撤退は諸外国との団結を壊し、またテロリストの望みどおりの状況を作ることに他ならないとアスナル前首相がすでにインタビューで明らかにしていたのと同じ見解を示した。PP以外の諸政党は、サパテロ氏の決定を支持しており、イラク派兵を決定した前政権を批判している。

スペイン軍、ナヤフから撤退

スペイン軍撤退プランに基づき、昨日、ナヤフのアル・アンダルス基地に駐屯していたスペイン軍のディワニヤへ(ナヤフの東40キロ)の移動が無事完了した。スペイン軍が撤退した後はアメリカ軍がカバーする。しかし、ディワニヤの状況も決して安全なわけではなく、昨日の午後にはスペイン軍基地に4つの手榴弾が投げ込まれたが、幸運にも被害は出ていない。抵抗組織のメンバーによる攻撃は日々、大胆さを増しており、政府はイラクからのスペイン軍完全撤退を急がせている。
昨日は、12月にイラクに派遣されたプルス・ウルトラU部隊の最後の260人がクウェートに到着、アルメリアからConapre(撤退支援部隊)として派遣された最後の148人を乗せてクウェートに飛んだ飛行機で、今日スペインに向けて出発する予定。Conapreは1300人の兵士と整備兵からなり、撤退の準備と安全確保の任務についている。兵士はチャーター便でスペインに戻り、資材は2艘のチャーター船を使って搬送。うち1艘はすでにクウェートに向かっているところで、クウェートでは武器輸送のためにチャーターされたデンマーク船籍の船が待機している。

スペイン人の懸念第一位にテロ

CIS(社会学調査センター)が、18歳以上成人2500人に対し、総選挙の翌週にアンケートを行ったところ、スペイン人が最も心配しているのがテロであるとの結果が出た。アンケートでは、ETAによるテロとテロ全般を区別していないが、回答者のうち77%がスペインの3大問題の1つとしてテロを挙げ、個人的に直接影響を与える問題としても、37%の回答者がテロを挙げた。また、3大問題の1つは“3月11日のテロ”と具体的に答えた回答者もが4.3%、個人的に直接影響を与える問題として同テロを挙げた回答者も2.9%に上った。テロがスペイン人の懸念事項の第一位となるのは、ETAによるテロが頻発していた2001年7月の調査以来。


4月27日(火)

再びスペイン兵待ち伏せ、イラク人6人死亡

一昨日に続いて、昨日再びイラクのディワニヤでスペイン兵に対するイラク人抵抗組織“マハディ軍”からの攻撃が加えられた。この待ち伏せにより、抵抗組織とスペイン人部隊の間でおよそ3時間にわたり交戦状態となり、イラク人6人が死亡、7人が逮捕(うち3人は負傷者)された。スペイン人側には負傷者は出ていない。
待ち伏せがあったのは現地時間午後0時45分(スペイン時間午前10時45分)ディワニヤ東部、クウェートにつながる国道沿いで、2台の装甲車に分乗し、撤退ルートの調査を行っていたスペイン兵15名に対し、20〜25名の民兵がマシンガンと手榴弾で攻撃を加えた。ただちに救援が呼ばれ、8台の装甲車が現場に急行した。30人の兵士が到着するのを見た攻撃者たちは、国道下のトンネルに逃げ込み、スペイン軍は彼らに対して降伏を呼びかけたところ、人数は明らかにされていないが数人が降伏したという。その後、攻撃者たちの逃げ込んだトンネル内で抵抗組織が掘ったと見られる地下武器庫が見つかっている。

シベレス像の手を壊した6人の公判始まる

2002年9月21日未明、マドリッドシベレス広場にある女神シベレス(セレスまたはデメテル)像の左腕を壊した6人の青年の公判が昨日始まった。6人の青年は、シベレス広場の噴水に入ったことを認めたが、女神像の腕が壊れたのはあくまでも“事故”で、持ち去った左腕を翌日プエンテ・デ・バジェカス地区のゴミコンテナに左腕を入れ、警察に通報したのは「左腕を盗む意図はなく、返却したかったから」だったと主張している。検察側は主犯格の青年に対し、歴史的遺産破壊の罪で懲役2年、罰金2700ユーロを求刑、残りの5人に対しては友人の罪を隠した罪で懲役1年、罰金1800ユーロを求刑している上、6人全員に対し、左腕の修復費用23918ユーロをマドリッド市役所に支払うよう求めている。

RTVE会長にカファレル女史就任

昨日、RTVE(スペイン国営ラジオ・テレビ)の会長にカルメン・カファレル女史が就任した。俳優の故ホセ・マリア・カファレル氏を父に持つカファレル女史は1953年バルセロナ生まれ。スペイン言語学博士で、マドリッドのコンプルテンセ大学、レイ・フアン・カルロス大学でオーディオビジュアル・コミュニケーション学の教鞭をとっていた。すでに国会でRTVE定款の改正を行うことが予定されており、RTVE会長の決定は政府でなく国会で決定することになるため、女史の会長としての職務はこの改正承認までとなる。
就任にあたり、女史は“倫理的、民主的および文化的再生、独立性、多様性”の3つを局の目標として揚げたが、国営放送が抱える莫大な負債という深刻な問題については触れなかった。現在、国営放送の赤字額は62億ユーロで、今年度末には68億ユーロとなる見込み。


4月26日(月)

ディワニヤでスペイン兵待ち伏せ、イラク人2人が死亡

昨日の現地時間午後5時15分(スペイン時間午後3時15分)頃、イラクのディワニヤをスペイン部隊の3台の装甲車がパトロールしていたところ、駐車されていた車が爆発し、停車した先頭車両に対し、マシンガンと手榴弾で攻撃が加えられた。襲撃者に対し、後続車両は25ミリメートル砲で砲撃、少なくとも襲撃者のうちの2人が死亡した。スペイン兵士にけが人は出ていない。スペイン防衛省は今回の攻撃はあくまでも“正当防衛”であったと主張している。スペイン軍の攻撃によりイラク人死者が出たのは今回が初めて。
全員が黒装束に身を固めていたことから、襲撃者は過激シーア派指導者ムクタダ・サドル師が率いるマハディ軍の犯行であると見られている。サドル師は、スペイン兵撤退の決定後、スペイン兵に対する襲撃を止める呼びかけを行っていた。ディワニヤは、スペイン軍のもう1つの展開地であるナジャフに比べると治安が安定している場所で、スペイン軍の撤退はナジャフからディワニヤ、そしてクウェートという手順で行われる予定であるが、撤退時の襲撃を避けるため、スペイン防衛省では撤退の具体的な日程について明らかにすることを避けている。

アンダルシア州第7期政府発足

土曜日、サパテロ首相出席のもと、マヌエル・チャベス氏が知事就任式を行ったアンダルシア州政府は昨日、14局長(男性6人、女性8人)が知事の前で宣誓式を行った。宣誓式にはマグダレナ・アルバレス勧業大臣、フェリペ・ゴンサレス政権で広報官を務めていたロサ・コンデ女史、人権擁護委員ホセ・チャミソ氏、アンダルシア州の3信用金庫頭取などが出席した。
この席でチャベス知事は、局長たちに“すべてのアンダルシアの住民”のために働くよう激励のメッセージを送ったほか、新政権がアンダルシアがすべての人々に平等な地となるよう共に働こうと呼びかけた。1945年セウタ生まれのマヌエル・チャベス・ゴンサレス知事は、PSOE党首でもあり、これで連続5期目の知事就任。

マドリッド・マラソン史上最高の参加者を記録

晴天に恵まれた昨日、第27回マドリッド市民マラソンが行われ、史上最高の参加者数12758人を記録し、完走者数も8474人の最高記録となった。しかし、特に35キロ地点を過ぎてから救急隊員の手当てを受ける参加者が増え、15人が救急車で病院に運ばれ、うち1人(34歳の男性)は熱中症により重態。快晴の昨日は気温が上がったため、手当てを受けた人の症状は、肉離れ、関節の故障のほか、、呼吸困難、脱水症状、目まいなどだった。
“Por la paz, contra el terrorismo, todos juntos(平和のため、テロと闘うため、みんな一緒に)”というスローガンのもと行われた今大会では、参加者は喪章をつけて走った。カノバス・デル・カスティジョ広場に設けられたゴールに最初に到着したのは、男女ともケニア勢で、スペイン人の最高記録は男子が6位(ホセ・ラモン・トレス選手)、女子が2位(クリスティーナ・ゴメス選手)だった。


4月23日(金)

第八期民主政権発足

昨日国会で第八期民主政権が発足、式典にはスペイン王室、憲法裁判所長官、最高裁判所長官、国務院長官などが出席、またパイス・バスコ州のフアン・ホセ・イバレチェ氏を含む8つの自治州からも知事が出席がした。
発足演説の中で国王フアン・カルロス1世は、サパテロ政権が進めようとしている憲法改正が、1978年の現行憲法制定時と同様、各党合意のもとに行われることを新政権に依頼した。現行憲法は、345議員中賛成325票、反対6票、棄権14票で制定されている。
昨日は、国務院長官の就任式も行われたが、この席でサパテロ首相は改めて、新政府が進める憲法4項目の改正は、対話と合意なしでは行われないことを約束、必要票数を獲得しているからと言って、多数決で無理に制定することはしないと述べた。
首相として初めての訪問先はすでにモロッコ(今週土曜日訪問)に決まっており、この訪問にはモラティノス外務大臣に加え、アロンソ内務大臣も同行、特に移民問題、テロ問題について話し合われる予定となっているが、昨日、新聞記者との非公式会見の席でサパテロ首相は、ヨーロッパの最初の訪問先はベルリン、続いてパリとなること、その後の訪問先としてはイタリア、ポルトガル、イギリスを予定していることを明らかにした。

サパテロ氏、首相として初めての訪問先はレオン

選挙期間中、首相就任時にはまず出身地を訪問すると約束したサパテロ首相は昨日その約束を守り、出身地レオンを訪ねた。午後5時30分、レオン空港に到着した首相はその足でレオン市役所に向かい、野党PP(国民党)を含むレオン市議全員の歓迎を受けた後、レオン王国の王家の墓となっているサン・イシドロ教会の装飾のレプリカを市長から贈られた。
首相の生まれはバジャドリッドだが、その後はずっとレオンで生活してきた。市役所前は首相を見ようと人々が押し寄せ、首相が通ると群集から「首相!」「期待してるよ!」などと声がかかった。群集を前にサパテロ首相は「この数週間は私にとって神経の張り詰めた日々だったが、今日の訪問はその緊張を和らげる意味深いものとなった」と述べ、夏には、閣僚委員会をレオン市で開くことを約束し、演説を「ビバ・レオン!」の言葉で締めくくった。

フィエスタ・デル・リブロ開幕講演は、サラマゴ氏

“サン・ジョルディの日”(4月23日)にちなみ、昨日からバルセロナで始まった恒例の書籍市の開幕にあたり、ノーベル文学賞受賞ポルトガル人作家ジョゼ・サラマゴ氏が講演を行った。この講演の中で、友人で昨年10月に急死した作家のバスケス・モンタルバン氏に最新作“Ensayo sobre la lucidez(明晰さについてのエッセイ)”を捧げたサラマゴ氏は、聴衆に対し、氏を忘れないよう呼びかけた。本の日を祝うカタルニャ州では、街頭にたくさんの書店が出店するほか、150人以上の作家が自作へのサイン会を開く。
昨日はまた、マドリッドで恒例となっているシルクロ・デ・べジャス・アルテス(芸術協会)での『ドン・キホーテ』の朗読リレーが行われ、2003年度のセルバンテス賞受賞者であるチリ出身の詩人、ゴンサロ・ロハス氏(86歳)が第一朗読者を務めた。朗読の前には、同氏の詩にチリ人の画家ロベルト・マッタ氏がイラストをつけた最新作“Reninez”のお披露目も行われた。
同賞の授賞式は、今日、セルバンテスの生誕の地であるアルカラ・デ・エナレスにあるアルカラ大学大講堂で例年どおり国王夫妻出席のもと行われ、カルメン・カルボ文化大臣、エスペランサ・アギレ・マドリッド州知事などが出席した。


4月21日(月)

モラティノス外相、イラク撤退後のスペイン軍の展開先は未定と発表

ワシントン訪問中のスペインのミゲル・アンヘル・モラティノス外務大臣は、現在イラクに駐留しているスペイン軍がイラク撤退後にどこに展開されるかは未だ決まっていないが、米国との協力関係において必要とされる場所へ派遣される可能性があり、そのひとつにアフガニスタンが挙げられる、と述べた。 モラティノス外相はコリン・パウエル国務長官と1時間に渡る会談を持ち、イラクの現状および今後の米西関係について話し合った。スペイン外相は「撤退後のスペイン軍の派遣先や、米国に対するイラク撤退の代償に関して突っ込んだ話し合いは持たれなかったが、「国連の主導による反テロリズムの戦いおよび人道的支援にスペインが今後も積極的に協力していく路線を確認した。」と述べた。

治安警備隊と国家警察の統一組織長官にバスク社会党のビクトール・ガルシア・イダルゴ氏任命される

現在までバスク社会党の治安担当責任者であったビクトール・ガルシア・イダルゴが、サパテロ新内閣が実現しようとしている治安警備隊と国家警察を統一した組織の長官に任命される事が、政府スポークスマンによって今日発表された。 PSOE(社労党)は選挙公約の一つとして、スペイン国家の治安を担うこの2つの組織の命令体系を統一し両組織間の連携を改善しその機能性を高めると共に、その機構を統一する事によって経費を節減するという事を掲げていたが、さっそくその実現に取りかかった。内務省の政務次官アントニオ・カマチョ氏のもと、ガルシア・イダルゴ氏はこの新しい国家治安統一組織を束ねる国家治安長官となる。 この他にも社労党政府は、その選挙公約にあった行政機関の再編成による機能性アップと経費節減をはかるべく、政府高官の数を大幅に削減した。

新国家検察長官にカンディド・コンデ・プンピド氏

去る19日月曜に行われた新内閣最初の閣僚会議にて、PP(民衆党)によって任命されたヘスス・カルデナル国家検察長官の解任が決議されていたが、その後任として現最高裁判事のコンデ・プンピド氏が任命される事が判明した。 同氏は現在最高裁判所刑事法廷の判事であり、リベラルな判事らが組織する「民主政治のための判事」協会の幹部でありスポークスマンでもある。23歳で判事となり、10年間セゴビア管区裁判所の裁判長を務めた後、45歳で史上最年少の最高裁判事となった同氏は、現在までの軌跡から厳格、堅実、対話型の判事という評価を得ている。 1981年コンデ・プンピド判事がサン・セバスチャンに赴任した当時は「対ETA汚れた戦争」が始まった頃で、同判事も国家権力によるETAに対するコントラ・テロリスム犯罪に関わった被告の裁判を担当した。 最高裁において同判事は、第一次社会党政府の時代の国家権力による対ETA犯罪「セグンド・マレイ事件」の裁判が行われた際、事件当時の内務省トップ2(ホセ・バリオヌエボ内務大臣とラフェエル・ベラ内務長官)に対して有罪票を投じているが、事件当時のフェリペ・ゴンサレス首相を最高裁法廷へ被告として召喚する事には反対票を投じている。

レアルマドリxバルサ対決まであと4日、1300件のバルに対しDigital+配信停止

今週日曜25日にはサンティアゴ・ベルナベウスタジアムにてレアル(Real Madrid)対バルサ(F.C.Barcelona)の試合が予定されている。当然TV放送は有料で、Digital+(有料チャンネル)で放映が予定されている。この様な人気の高い有料放送の試合がある時は、それらの試合を大型画面で見る事ができるバルやカフェテリアはかきいれ時となる。 ところがこの人気対決戦があと4日と迫った今日、スペインリーグとスペイン国王杯の試合の放映権を所有する会社AS(Audiovisual Sport)は、1300件におよぶバル・カフェテリアに対して、同社との契約に明記されている“商業用受信料”を支払っていないのに同社の配信する映像を商業用に使用しているとして、リーグ試合の配信停止に踏み切った。 Digital+チャンネルの放送番組の内、影響を受けるのは”Pago por Vision”と呼ばれる別枠のサッカー試合の有料番組のみ。2002年7月、AS社は個人向けDiginal+の受信料とは別に、その番組放映を商業目的に使用するバル・カフェテリアに対して“商業用受信料”を設定する事で合意を取り付け、Super Futbol(月額180ユーロで全ての試合見放題) Futbol 1 ( 月額100ユーロで週にリーグ戦1試合と国王杯戦1試合受信可能 )の2つのタリフを設定した。ところが契約を商業用に変更しないでASの映像を商業用に使用し続けるバル・カフェテリアが多い為、同社は今回の強硬手段に訴えた。同社は、4日という猶予は、これらバル・カフェテリア側が契約を変更して、日曜日のレアル対バルサをお客様に楽しんで頂ける為に十分な時間と考えているとしている。


4月19日(月)

サパテロ首相、イラク駐留スペイン軍の撤退決定を発表

4月18日(日)午前、ザパテロ新内閣の16人の閣僚は、サルスエラ宮殿にて国王の前で各省の大臣への就任を誓った。その後、首相として初めて首相官邸での記者会見に、ホセ・ボノ防衛大臣とフェルナンデス・デ・ラ・ベガ副首相を伴って現れたサパテロ氏は、イラクに駐留しているスペイン軍の即時撤退を決定した旨発表した。サパテロ首相は、3月14日の総選挙後現在までのイラク情勢を鑑みると、イラク国内のコントロールが米英主導の占領連合軍から国連の手に6月30日までに移行する事は難しいと判断し、スペイン軍撤退を決断したと説明。 サパテロ首相は同時にこの決定に際し、国会にて全ての政党を前に説明する為に、国会出頭許可を副首相経由で下院議長に提出した。 新首相のこの早急な決断に対して、野党PP(民衆党)のラホイ書記長は、サパテロ氏は自ら掲げていた公約である「政党間の合意に基づく外交政策路線」を最初から反古にしたと非難し、副書記アセベス氏は、サパテロ氏が首相就任後最初に行った事は「最初に不可逆的な決断を下し、その後に他の政党との対話を持つ」というやり方であり、これでは他政党の信用を得る事はできないと述べた。 このサパテロ首相の決断は、新外務大臣ミゲル・アンヘル・モラティノス氏によって18日米国務長官コリン・パウエル氏に伝えられた。新外務大臣の初仕事は20日に米国に渡り、スペイン軍撤退を説明し、今後の米西関係を模索する事となる。 4月19日(月)、新内閣初の臨時閣僚会議が開かれた。同会議の重要議題はイラクからのスペイン軍撤退関連事項であったが、前アスナル内閣によって任命されたヘスス・カルデナル国家検察長官の解任も決議された。 閣僚会議後の記者会見において、ボノ防衛大臣はスペイン軍のイラクからの撤退は既に開始されており、できる限り速やかに全面撤退を遂行する意向である事を発表した。 又モラティノス外務大臣は、サパテロ首相がスペイン軍撤退の決断を下す前にコフィ・アナン国連事務総長の使節との長時間に渡る会談を持ち、その中でイラクのコントロールを6月30日までに国連の指揮下に移行する事は不可能であると判断するに至った事を説明した。

レガネスのテロリスト自爆事件で犠牲となったGEO(国家警察特殊部隊員)の墓が荒らされる

去る4月3日、マドリッド近郊レガネス市内のマンションに隠れていた11−M列車同時爆破テロ関係者を、スペイン国家警察特殊部隊が包囲し突入しようとした所、7人のテロリストが大量の爆薬を爆発させ自爆した際、同テロリスト7名の他に特殊部隊員1名も死亡した。翌4月4日の葬儀の後マドリッド南墓地に埋葬されいた故フランシスコ・ハビエル・トロンテラス隊員の墓所が4月19日未明荒らされた。同隊員の遺体は何者かによってその墓所から取り出され、700メートル近くも引きずられた後、可燃性の液体をふり掛けられ火を放たれたと見られ、黒焦げの状態となって発見された。同墓地の警備員が午前7時頃、墓地の一角から煙があがっているのに気付き現場へ急行し、この異変を警察に通報した。警察が同墓地内を検分した所、この墓所荒しの犯人を特定する様な書置きやその他の手がかりも今のところ見つかっていない。この状況下において警察捜査当局は、イスラム過激テロリストによる国家警察への復讐を示唆する行動という線から、ネオナチなど過激思想グループによる蛮行という線まで全ての可能性を視野に入れて捜査にあたっているが、一方でイスラムの教義では死者冒涜は堅く禁じられている事も考慮に入れている。黒焦げとなった死体は国立検死解剖所へ移送されDNA鑑定によってトロンテラス隊員のものであるかの確認が行われる。 レガネス自爆テロの際のGEO(国家警察特殊部隊)側の犠牲者は、トロンテラス隊員が死亡した他、11名が怪我を負ったがその内2名は現在も重体。

バルセロナ市内の病院で床が崩れ、16名が怪我

バルセロナ市内にあるサン・パウ病院の産婦人科病棟待合室の床が抜ける事故があり、16名が怪我を負い、内2名が重体である。病院側の発表によると、本日4月19日午前10h50頃、同病院内の産婦人科病棟内地下一階部分の丸屋根造り天井が崩れ、その上の階に位置していた待合室の床が抜け落ち、同待合室にて別室で分娩中の妊婦を待っていた家族らが下の階に落ちた。地下の部屋は診療室だが、現在は丸屋根の修復工事中の為、部屋の壁から天井にかけて作業用の足場が組まれ作業員が働いていた。この事故によって作業員には一切怪我はなかった。 本日午後の時点で、16名の怪我人の内依然重体のままの2名は、頭蓋骨脳髄破損・硬膜内出血の20歳の女性と腹部外傷と脾臓破裂の54歳の女性。 病院側はこの事故の原因究明を急いでいる一方で、バルセロナ市消防署から20人の消防士が派遣され現場の瓦礫を排除する作業と更なる崩壊を防ぐ作業を行っている。 この産婦人科病棟であるNuestra Senora de Merceパビリオンが属するサンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院の建物は、カタルニア・モデルニスム建築様式を代表する建築家であるルイス・ドメネク・イ・ムンタネール氏の作品の一つであり、カタルーニャに現存する公共施設の中においてはその建築的価値が最も高く評価されている建造物の一つである。複数の病棟からなる病院で、2001年には創立600年を祝った由緒ある病院である。


4月17日(土)

サパテロ氏、183票の賛成票を得て時期スペイン首相に選出される

15日、16日の2日間に渡る国会首相選出審議の末、昨日16日の午後1時50分、下院全350議席中183票の賛成票を獲得して、PSOE(社労党)書記長であり首相候補であったホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏は、アドルフォ・スアレス、レオポルド・カルボ・ソテロ、フェリペ・ゴンサレス、ホセ・マリア・アスナル諸氏に継いで第5代目スペイン首相に選出された。
賛成票183票の内訳は、PSOE164票、ERC(カタルーニャ左翼共和党)8票、IU(統一左翼)5票、CC(カナリアス同盟)3票、BNG(ガリシア連合)2票、CHA(アラゴン党)1票。
棄権票はCiU(カタルーニャ連合)10票、PNV(バスク民族党)7票、EA(バスク統一党)1票、NafarroBai(ナバラ民族党)1票。サパテロ氏は2日間に渡る国会答弁の中でERCとCCとを説得し賛成票に導き、反対票に投ずる可能性のあった4政党を棄権に踏みとどまらせる事を達成した。
唯一反対票を投じたのはPP(民衆党)1党のみで148票。歴代のスペイン首相選出において反対票を投じたのが1政党のみというのは今回が初めて。
首相選出決議には350人の下院議員が全員出席し、議長が議員名を順に呼び一人一人がSIかNOの返答を返す形で行なわれた。決議結果が発表されサパテロ氏選出が判明すると、傍聴席にいたサパテロ氏の家族は嬉し涙を必至に堪えていた。

サパテロ氏、首相就任後初仕事は、11−Mテロ犠牲者とDV犠牲者の病院見舞い

17日(土)、朝10時、サルスエラ宮殿にてサパテロ氏は、ホアン・カルロス国王の前で、聖書と憲法に則り、スペイン首相就任を誓った。この就任式は暫定司法大臣であるミチャビリャ氏の立会いの下、退任するアスナル前首相、マルエル・マリン下院議長、ハビエル・ロホ上院議長、フランシスコ・ホセ・エルナンド最高裁判所長官、マヌエル・ヒメネス・デパルガ憲法裁判所長官が列席して行われた。
就任式の後、サパテロ氏は首相として始めて、内閣官房長官ホセ・エンリケ・セラノ氏や首相府書記長ニコラス・マルティネス・フレスノ氏らが待つモンクロアの首相官邸に向かい、正式に前任者から首相官邸を引渡された。その後、サパテロ首相は、マドリッド市内のドセ・デ・オクトゥブレ、グレゴリオ・マラニョンの2大病院へ向かい、現在も入院している11−Mテロ犠牲者らおよびDVの犠牲となった女性を見舞った。病院を後にしたサパテロ氏はアトーチャ駅に向かい、11−M犠牲者を追悼する多くのロウソクの傍らに赤いバラの花束を捧げた。首相官邸に戻り、PSOE組織書記ホセ・ブランコ氏と打ち合わせの後、再度サルスエラ宮殿に向かい、新内閣の人事を国王に正式に伝えた。これら新内閣諸大臣らは明日朝09h30サルスエラ宮殿にて国王の前でそれぞれの担当省大臣への就任を誓った後、それぞれの担当省へ向かい前大臣からの引継ぎを行う。19日(月)には新内閣最初の臨時閣僚会議が開かれる。そして23日(金)の第1回定例閣僚会議では早速DV関連の法案が提出審議される予定になっている。

フランスにてETA“エンジニア”の研究・作業所が見つかる

フランス警察とスペイン治安警備隊の協力の下、フランス南部の都市シャトゥリュロにて、ETAがそのテロ活動に必要な爆発物を製造していたと見られる研究・作業所が発見された。この作業所はLos Dinosと呼ばれるETA爆発物製造部隊の活動の拠点であり、電子工学エンジニアであるイニゴ・エリセギ・エルビティの指揮の下稼動していたと見られる。この作業所は、2001年9月ETA物資調達部隊の責任者であったアスィエル・オイアルサバル(通称Gazte)が逮捕されて依頼警察当局がずっと探していたETAの拠点であった。警察官らは12日(月)未明この作業所に突入し内部で作業していたETAメンバー3名を逮捕した。その場で逮捕されたのは、イノセンテ・ソリア・バルデラマ(通称Tente), ホセ・ルイス・カンポ(通称Fabrice)とイニゴ・エリセギ・エルビティ(通称Txispi)だが、その後エリセギ・エルビティの妻とソリア・バルデラマの愛人も逮捕されている。これらLosDinosのメンバーは、時限爆破装置・遠隔操作装置・携帯電話など爆発物およびそれらを爆発させる為に必要な装置を、ETAの物資調達部隊からの注文に従って製造しており、ソリア・バルデラマとカンポの二人は必要な材料調達を行い、電子工学エンジニアであるエリセギ・エルビティがそれらの素材から爆発物を製造および操作をしていたと見られている。この作業所は、今月2日にやはりフランスフランス南部のサン・ミシェルにて発見された大量の爆薬を使用して多種の爆発物を製造した模様で、24時間営業で稼動し、10から15日おきに製造物を取りにETAのメンバーが出入りしていたと見られている。

スペイン警察、11−M関連でさらに3名を逮捕

スペイン警察当局は、16日(金)未明、11−M爆破テロに関連する疑いで、モロッコ人、エジプト人、サウジアラビア人の計3名を新たに逮捕したと発表した。 既に逮捕されている大量虐殺テロ容疑者との関連性により逮捕されたこの3名は、今後直接爆破テロに関わっていたかどうかをという点の取り調べを受ける。
内務省は現時点で逮捕された3名の身元を伏せているが、逮捕されたエジプト人が、レガネスの自爆テロの一人で11−Mテロの首謀者であるEl Tunecinoの友人であり、アルカエダの幹部El Aziziの古くからの知己でもあるエジプト人Rabei Osman El Sayed Ahmedである可能性は否定している。一方で、未だDNA鑑定で結果が確定されていないレガネス自爆テロの7人目の死体がこのRabei Osman El Sayed Ahmedである可能性が指摘されている。
この3名のほかに、16日夜、マドリッド空港にて、スペイン在住のイスラム過激派テロ組織に所属している疑いで国際指名手配されていたボスニア人Sanei Sjekirikaが逮捕された。
これらの逮捕で、11−M関連の逮捕者は36名となり、そのうち18名が現在拘留されている。レガネスにて自爆したテロリスト7名に関しては、自爆死した時点でその罪状が消滅している。


4月15日(木)

*本日より、当コーナーのスタッフが1週間の休暇に入りますため、毎日のトップニュースの更新が出来なくなる事があります。どうぞご了承下さい。


4月14日(水)

サパテロ氏、金曜日の首相選出はERC次第

昨日、国会議員10人を抱えるCiU(カタルニャ連合)が国会で行われる首相選出審議で棄権票を投じると発表したことから、PSOE(社労党)のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏が金曜日に首相として選ばれるためには、ERC(カタルニャ左翼共和党)の8票が不可欠となった。金曜日の投票でサパテロ氏が過半数の得票を成し得ない場合は、48時間以内に第二回目の投票が行われる。この投票は多数決投票であるため、PSOEの持つ164票でサパテロ氏が首相に就任するのは確実。
今日、PSOEはERCと再び会合を持つ予定だが、同党関係者はERCからの支持票はほぼ確実との楽観的な見解を示している。現在のところ、IU(統一左翼)5票、CHA(アラゴン党)1票は支持票、CC(カナリアス同盟)3票は支持または棄権の可能性、PNV(バスク民族党)は棄権または反対の可能性で両党とも、金曜日のサパテロ氏の演説内容次第でどちらに投票するかを決めると述べている。

11−M:マラガでモロッコ人3人を逮捕

月曜夕方、マラガで3人のモロッコ人が逮捕された。この3人には大麻の密売により得た資金をテロで使用された爆薬の購入資金にあてた疑いがもたれている。逮捕者のうちの1人は、テロ発生数日前に他の逮捕者のアパートに泊まっていたとされているが、詳しい情報は明らかにされていない。容疑者3人は昨日の午前中、飛行機でマドリッドに移送された。
容疑者のうちの1人が逮捕されたマラガ県コインでは別件で治安警備隊が鉱山での爆薬盗難未遂事件を捜査中であるが、この事件と今回の逮捕に何らかの関係があるかについては明らかにされていない。

遺伝子組み換え食品の表示を義務付け

月曜日から欧州連合加盟国内で、遺伝子組替材料を使用している食品は、その表示を行うことが義務付けられる。この義務付けは人間の食料だけでなく家畜の飼料、ペットフ―ドも対象。
これにより、ある食品を製造するにあたって使用した材料が遺伝子組み換え農産物だった場合(例:大豆油を製造するための大豆が遺伝子組み換え大豆)は“producto modificado geneticamente(遺伝子組み換え食品)”の表示、また材料の一部に遺伝子組み換え農産物を使用している場合は“modificado geneticamente(遺伝子組み換え)”の表示を、その材料名のすぐ後ろか米印をつけて欄外に記載することが義務付けられる。
使用されている材料が遺伝子組み換え農産物であるかどうかは、検査により調べることが不可能であるため、遺伝子組み換え農産物を使用した場合、種生産者は農家に、農家は食品生産者にその旨報告することが必要で、この監視にはスペイン食品安全局があたる。
遺伝子組み換えの表示の義務付けに至ったのは、食品製造業者との交渉の成果によるものだが、この交渉により以下の点の取り決めがされている。
−0.9%が限度:何らかの事故などにより種子、農産物の中に遺伝子組み換え農産物が混入する可能性もあるため、材料に含まれる遺伝子組み換え農産物が0.9%以下の場合は表示は行わなくてもよい。
−食肉と牛乳:“第二世代”と呼ばれる食品(食肉、牛乳など)に対しては表示が義務付けられない。これは、飼料に遺伝子組み換え農産物が使用されていても、食肉や牛乳にはその影響が及ばないため。
−酵母・酵素:パンを生産する際、遺伝子組み換え小麦を使用している場合は表示が必要だが、遺伝子組み換えイーストを使用しているが小麦は遺伝子組み換えではない場合は、表示の必要はない。酵母、酵素など、1つのプロセスを促進、または助けるために使用されるが、使用される量は少量で製品には最終的にほとんど影響を与えないものに関しては、表示の義務はない。
−ヨーグルトのバクテリア:ヨーグルトのバクテリアも上記の酵母、酵素と同じような働きを持つものではあるが、このバクテリアの場合は、牛乳の中で急速に数を増やすこと、また消費者の多くがこのバクテリアの体内摂取を目的としてヨーグルトを購入するため、EU規定の中に明記はされていないものの、ヨーグルトは表示義務対象になると考えられる。
レストラン:現在のところ、レストランに対し、遺伝子組み換え食品の使用についての表示は義務付けられていない。


4月13日(火)

11−M:逮捕3度目のモロッコ人を収監

3月11日にマドリッドで起きたテロ捜査担当のフアン・デル・オルモ中央管区裁判所判事は、昨日モロッコ人フアッド・エル・モラビット容疑者(28歳)の収監を命じた。同容疑者はこれまで2度にわたってテロ関与の疑いにより逮捕されたものの、2度とも釈放されていた。同容疑者は、11−Mの犯人たちに、テロ当日を含め何度も電話をしていたことが確認されている。
昨日の逮捕後、判事は2時間にわたる取り調べを行ったが、現在のところエル・モラビット容疑者にかけられているのは、携帯電話による通話と金策により“テロ幇助”の容疑にとどまっており、それより罪の重い“テロ関与”の容疑ではない。容疑者は「自分の友人がテロリストだとは知らなかった」とし、一貫して無罪を主張しているが、工事現場で時々働く程度だった同容疑者が、どのようにしてスペインでの家賃や大学の学費(航空工学)を捻出していたのかについては明らかでなく、またレガネスで自爆死したテロリストたちや、すでに逮捕されているテロ関与容疑者たちにテロ前後(当日を含む)に電話をかけていることから、捜査当局では同容疑者とテロ実行犯との間に密接な関係があるとにらんでいる。

サパテロ氏、PPとのテロ対策協定維持を表明

日曜日、パイス・バスコ州で祝われたAberri Eguna(祖国の日)において、PNV(バスク民族党)が「PSOE(社労党)がPP(国民党)とのテロ対策協定を破棄すれば、PNVからの支援を得ることができるだろう」と述べたのに対し、今週金曜日に次期首相として国会から選任される予定のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ・PSOE書記長は昨日、首相就任前最後の自党の会議で、2000年にPPと結んだこの協定を破棄する考えはないことをはっきりと表明した。
また、同党のホセ・ブランコ・スポークスマンは、これまでテロ対策として有効に機能してきたと同協定を評価、テロ対策には協力と対話が不可欠であるとし、新政権はより効果のあるテロ対策を講じるために、情報と作戦を共有する意向であると述べ、同協定にさらなる政党の参加を求めていく姿勢をた。
これに対し、PPのアンヘル・アセベス・書記長補佐は、同対策にERC(カタルニャ左翼共和党)、IU(統一左翼)を加えることは許容できないと反発。また、サパテロ氏の首相候補国会演説の際、同党のマリアノ・ラホイ書記長がサパテロ氏に対し、テロ対策協定を新政権が4年間維持することを確約させる予定であると述べた。
サパテロ氏は今日の午前中、首相官邸でアスナル暫定首相と1時間強にわたり政権交代について対談した。アスナル暫定首相は今日、首相として最後の閣僚会議を開く予定。

イラクで負傷した兵士、帰還

今月8日、派遣先のイラクのディワニジャで顔面と頚部負傷したハビエル・ディアス・ドゥランさん(21歳)が昨日予定より3時間遅れて午後8時45分、軍用機でマドリッドのヘタフェ基地に到着した。
ディアスさんは、同僚2人とパトロール中の8日午後23時45分、シーア派抵抗組織の待ち伏せに遭い、顔面と頚部を負傷。数ミリの差で手榴弾の破片が脳には届かなかったため、命は取り留めたが、右目を失明。今後、ゴメス・ウジャ陸軍病院で顔の形成手術を受け、右まぶたの再生と視力の回復が試みられるが、視力が回復する可能性は低いという。

フアニ―ト・バルデラマ氏、死去

フラメンコとコプラの歌い手として名を馳せたフアン・バルデラマ氏が昨日午後、セビジャ県エスパルティナスの自宅で亡くなった。享年87歳。
コルドベス帽がトレードマークだったバルデラマ氏は1916年5月24日、ハエン県トレデルカンポ生まれ。14歳で舞台デビューを飾った彼が1940年代にコプラ(スペイン演歌)歌いに転向すると、正統派フラメンコ歌手たちからは非難を浴びたが、これが彼の転機となり、数々のレコード録音、7本の映画出演へとつながった。
1994年、バルデラマ氏は60年に渡る芸能活動引退を宣言、今年の2月23日には、アンダルシア州政府によりマドリッドで表敬行事が行われ、カルメン・リナレス、ホセ・エル・フランセス、ミゲル・ポベダ、ディエゴ・エル・シガラなどが駆けつけたが、これがバルデラマ氏が公の場に姿を見せた最後となった。


4月12日(月)

連休終了にともない、大規模の渋滞

聖週間の連休最終日となる自治州が多かった昨日は全国各地で大規模の渋滞が見られた。マドリッド、バルセロナ、セビジャなどの大都市への入り口では高速道路が平均して20〜30キロの渋滞、2日から始められた交通安全特別警戒体制中の交通事故死者数は昨日の午後8時現在で94人、負傷者は72人となっている。今日月曜日が祝日の自治州もあるため、この特別警戒体制は今日いっぱい続けられる。

11−M:3宗教による犠牲者への表敬集会

3月11日のマドリッドでのテロから1ヶ月、Comunidad de San Egidio(国際紛争仲裁運動への貢献によりノーベル平和賞候補)の主催により、 イスラム教、キリスト教、東方正教の3つの宗教合同で死者190人、負傷者1500人近くを出したテロの犠牲者への表敬集会が開かれ、およそ2000人が出席した。
テロの現場の1つであり、現在も献灯、献花の絶えないアトチャ駅ホールから300Mの場所では、ろうそくに火が灯された後、犠牲者の冥福を祈って1分間の黙祷が捧げられた。その後亡くなった人々の名前が1人ずつ読み上げられ、「原理主義は、宗教のもつ病気であり、いかなる文化もいかなる信仰も暴力を正当化することはない」と、テロに反対する声明文が読まれた。

11−M:スペイン警察、捜査の手を6カ国に広げる

現在のところ、スペイン警察は思想的または経済的に3月11日のテロ支援を行った可能性があるとし、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、デンマーク、モロッコの6ヶ国を捜査の対象にしている。テロ発生から1ヶ月にわたって続けられている捜査によりこのテロの実行犯グループは4月3日にマドリッドのレガネスで自爆死した“エル・トゥネシーノ”を思想的リーダーに持ったグループだったことが解明されたが、現在スペイン警察は、このグループと外国のイスラム過激派グループとのつながりに焦点を移した捜査を行っている。
スペイン警察が行方を追っている人物の1人は、イギリス在住のイスラム主義リーダー、ベン・サラウィ容疑者で、3月3日に自爆死した6人(3人の身元は依然として不明)のうちの1人が携帯電話から自爆の直前にかけた電話がイギリスに住む人間であったことから、この人物とグループの間に何らかのつながりがあった可能性が高まっている。今後数日以内にさらなる人物の国際指名手配が行われる見通し。
また、イギリスのデイリー・テレグラフ紙は、フランスで偽造キャッシュカードを使ってATMから預金を引き出していたモロッコ人犯罪者グループがスペインでのテロの実行犯グループに資金援助を行っていたと報道している。また、スペイン内務省ではテロに関与したと見られ現在国際手配中のサイッド・べラフ、モハメッドとラシッドのオウラッド・アクチャ兄弟の3人について引き続き、市民からの情報提供を呼びかけている。

週末のスポーツの結果

テニス:パルマ・デ・マジョルカで行われたデビスカップ準々決勝対オランダ戦、初戦のダブルスでロブレド−ナダル組がロットゥム-ベルカーク組に逆転負けしたスペインだが、2戦目のシングルス、フェレロ選手対ベルカーク選手は序盤ベルカーク選手の強力なサーブに苦しめられたフェレロ選手だったが、全仏王者の貫禄でゲームを立て直し、6-4、6-7、4-6、7-5、6-1と4時間2分の厳しい試合を制した。シングルスもう一試合のモヤ選手対シャルケン選手は6-3、6-4でモヤ選手が1時間6分で勝負を決め、この勝利でスペインは準決勝進出が決まり、フランスと対戦することとなった。


4月8日(木)9日(金)

聖木曜日、聖金曜日の祝日にあたるため、スペインニュースはお休みです。


4月7日(水)

IUとERC、条件付でサパテロ氏支持へ

国王の各政党との謁見2日目の昨日は、CC(カナリアス同盟)、IU(統一左翼)、PNV(バスク民族党)、ERC(カタルニャ左翼共和党)、CiU(カタルニャ連合)がサルスエラ宮殿を訪れた。この中でサパテロ氏の首相就任支持を公表した政党は1つもなかったが、IUとERCは条件付でサパテロ氏を支持する方向に傾きつつあると表明した。
ERCのリーダー、ジョセップ・ルイス・カロ・ロビラ氏は、同党上院スポークスマンであるカルレス・ボネ氏を伴って謁見に臨んだ。1時間にわたる謁見で、両者は国王に対し、今月15日と16日に行われる就任審議において同党(8議員)がサパテロ氏を支持する姿勢であると述べたが、支持のためにはカタルニャ州政府が進めている州自治憲章の改正を承認し、”多様性”を尊重した新しい時代を始めること、またPHN(国家水路計画)を中止することが必要であると述べた。ERCは、「政治の変換の阻害物となることは望まない」との理由から、サパテロ氏反対票投票の可能性については否定している。
議員グループIU-ICV(カタルニャ緑の党)はガスパル・ジャマサレス代表と同グループ国会スポークスマンであるジョアン・エレラ氏が国王に謁見。45分の話し合いで、スペイン兵のイラク撤退が不可欠としながらも、同グループの5人の議員はサパテロ氏の首相就任を支持する意向であることを示した。
CiUのジョセップ・アントニ・ドゥラン・ジェイダ氏は、ERCと同様の理由からサパテロ氏に対し反対票を投じる可能性は否定したものの、同党が選挙運動中にラホイ氏(PP候補者)もサパテロ氏も支持しないことを公約にあげていたため、公約どおり賛成票は投じず、同党の10議員は棄権票に回る見込み。
PNVのジョス・エルコレカ・スポークスマンは、国会就任審議におけるサパテロ氏の演説内容が民族主義に対し、好戦的な内容であった場合は、反対に投票する可能性もあると述べているが、その逆であった場合には棄権票にとどまると述べた。サパテロ氏はバスク州にさらなる自治権を要求する“イバレチェ・プラン”に反対しているが、これに対しエルコレカ氏は、サパテロ氏がカタルニャ州に対する態度と同様の歩みよりの姿勢をバスク州に対しても示した場合は反対票は投じないと表明している。
IUとERCがサパテロ氏を支持するのがほぼ確実と見られる現在、PSOEはすでにサパテロ氏が首相として国会で選出されるのに必要な過半数を確保している。謁見最後の日となる今日は、PPとPSOEがサルスエラ宮を訪れる。


4月6日(火)

強盗12時間立てこもり(アリカンテ)

昨日の朝9時半、アリカンテにあるポプラル銀行に強盗が行員3人、客5人の計8人の人質をとって立てこもった。12時間以上にわたる立てこもりの間、犯人は手榴弾を爆発させると脅しながらも人質を徐々に解放、最終的には2人の人質が残った。犯人は麻薬中毒者で、父親がマドリッドからかけつけ説得にあたったものの、これに応じず、午後10時過ぎ、犯人の要求により警察が用意したバイクに乗り逃走したが、覆面パトカーに行く手をさえぎられ、このときの衝突により重傷を負い、逮捕された。
警察がこの銀行に到着したのは午前9時半過ぎ。犯人は当初2人組で、もう1人は銀行の入り口を見張っていたが、警察の到着を見て逃走。現在のところ逮捕されていない。解放された人質の話では、犯人はピストルと手榴弾のようなものを持っていたというが、本物であったかどうかは確認されていない。犯人が手榴弾を爆発させると脅したため、市警察のほか、国家警察と特別捜査班の捜査員も現場に急行、銀行上空にはヘリコプターが旋回する物々しさだった。
犯人の説得には警察の精神科医があたり、人質は4度にわけて徐々に解放。最初の人質は、食料、タバコと交換された。1グラムのコカインを要求したという警察関係者の話もあるが、公式には発表されていない。犯人は、窃盗により刑務所収監中で近くの裁判所に出頭する際に、警備の隙をついて共犯者と共に逃亡していた。犯人は現在アリカンテの病院に重傷を負って入院しているが、詳しい病状についても公式発表は行われていない。

11−M:自爆したテロリストは6人であったことが判明

土曜日の爆発により破壊されたマドリッド、レガネスにあるマンションの瓦礫の中から、昨日警察は新たに6人目となる死体を発見した。この現場で自爆したテロリストの数は結果6人となったが、うち身元が判明しているのは、3月11日のテロの首謀者、ベン・アブデルマジド・ファクヘット“エル・トゥネシノ”、ジャマール・アーミダン“エル・チノ”の2人を含む4人。現場では瓦礫の撤去作業が始まっているが、さらに爆発物がある可能性もある上、捜査をさらに進める上で証拠となりそうなものを探しながら行われているため、撤去作業は非常にゆっくりと進められている。昨日は作業中に爆発物が見つかったとし、3度付近の住民が避難させられた。

11−M:マドリッド市警察、地下鉄でのパトロールを開始

3月11日のテロ以降、軍隊は治安警備隊と国家警察の支援のもと、駅、原子力施設、空港やスポーツ競技場などにおける警備を強化しているが、これに加え、スペイン内務省からの要請を受け、マドリッド市警察が市内での地下鉄(一日の利用客数165万人)のパトロールを昨日から開始した。
マドリッド市役所では“保安上の理由”により警備にあたっている警官の数は明らかにしていないが、制服警官のみならず、私服警官も地下鉄営業時間内(朝6時から夜1時半まで)警備についており、爆発物探知犬も動員されている。これらの警官は必要に応じ、乗客に身分証の提示を求めたり、荷物を開けるよう命じる。また、特別警戒態勢により、地下鉄ヌエボス・ミニステリオス駅における機内預け荷物チェックインサービスは休止となった。マドリッド市長ルイス・ガジャルドン氏は「今回の措置は、市民の安全を脅かす存在に対し、我々が一丸となって立ち向かう所存であることを示すためのものである。」とコメントしている。

アスナル首相、ジョージタウン大学で講義

今秋から、アスナル現首相がアメリカの首都ワシントンにあるジョージタウン大学エドムンド・A・ウォルシュ学舎で“現代ヨーロッパ政策と大西洋間外交”についての講義を行うことが決まった。同大学は世界各地にあるイエズス会経営の大学の中で最も有名な大学で、フェリペ皇太子も1993年から1995年にかけて同大学で国際関係を学んでいる。
同大学は2学期制をとっており、新学期は8月末に始まり、5月末に年度終了となる。詳細についてはまだ決まっていないが、首相が持つのは2講座で、各学期に2度の訪米が予定されているが、「1度につき1週間以上の滞在はない」との大学の話により、1学期につき2週間、計4週間にわたって授業が行われる見通し。授業を受けることができるのは、国際学センター、ヨーロッパおよびゲルマン学BMWセンター、ラテンアメリカ学センターの3つの学科の学士課程および修士課程の生徒に限られているが、これ以外に出席自由の講演も予定されているという。大学側では、首相に対する報酬の額については明らかにすることを避けている。


4月5日(月)

11−M:首謀者を含む5人が自爆死

土曜日の夜、マドリッド州南にあるレガネス市のマンションの一室で3月11日のテロの首謀者と見られていた人物を含む5人が自爆死した。
土曜日の午後4時頃、この5人のいたマンションをスペイン国家警察特別捜査班が包囲、武装した犯人たちはアラビア語でのコーランの章句を唱えながら警察に発砲、近づけばマンションを爆破すると述べたため、警察は付近の住民を全員避難させた。2時間にわたるこう着状態の後、テロリストたちが降伏する意思があると述べたため、特別捜査班の一部がマンションのドアに近づいたところ、午後9時過ぎ、室内で爆発が起こり、この爆発によりドアの近くにいた特別捜査班のフランシスコ・ハビエル・トレンテラス氏(42歳)が死亡、その他11人の警官が負傷した。
昨日の正午過ぎに記者会見を行ったアセベス内務大臣によると、5人の死体のうち1体は、マドリッドでのテロ捜査を担当しているフアン・デル・オルモ判事により国際指名手配されているベン・アブデルマジド・ファクヘット、通称“El Tunecino(スペイン語でチュニジア人の意)”であることが確認されたという。その他2体が、これもアグデナビ・コウンジャ、通称“Abdallah”(11−M関与容疑により国際指名手配中)とアスリ・リファアト・アノウアルの2人のものであることが確認されているが、残り2体は損傷が激しく、身元はまだ判明していない。しかしながら、同マンションの住民の証言などから、うち1人は国際指名手配中で、エル・トゥネシノと並んでマドリッドのテロ首謀者のもう1人と見られていたジャマール・アーミダン、通称“El Chino(スペイン語で中国人の意)”である可能性が非常に高いという。
警察は昨日、爆発のショックにより半壊状態となっているマンションから雷管200本、武器、爆弾ベルト、マドリッドでのテロで使用され、金曜日にAVEの線路で見つかった不発爆弾で使用されていたのとも同じ爆薬GOMA2が10キロ、さらにテロ関与の容疑ですでに逮捕、収監されているジャマル・ゾウガム容疑者の店で購入した携帯電話5台を発見した。爆薬はすでに爆弾としての準備がほぼ終了しており、雷管を取り付けるだけで新たなリュックサック爆弾になったといい、テロリストたちがさらなるテロを計画していたことを物語っている。スペイン警察は、11−M容疑者として昨日さらにアメル・エル・アジズ、サネル・スジェキリカ、ラベイ・オスマン・アメッドの3人の指名手配者の写真を公表、すでに指名手配されている6人のうち3人は土曜の爆発で死亡しているため、これにより現在指名手配されているのは6人となった。
昨日の記者会見でアセベス内務大臣は「テロの中心人物は死亡したか刑務所収監中で、一連のスペインにおけるテロを組織したイスラム過激派グループは事実上壊滅した」との見方を示した。

上下院、議長選出

金曜日、上院と下院の議長がそれぞれPSOE(社労党)のハビエル・ロホ、マヌエル・マリン両氏に決まった。マリン氏は、下院での審議の後、PP(国民党)をのぞく他政党全党から支持を獲得、PP議員は白紙投票、欠席1、無効3と、PSOE組織書記官のホセ・ブランコ氏への投票が2票あったものの、202票を獲得し、第8期民主政権において下院の議長に選出された。
また、上院では、過半数を2票超える128票を得て、PPをのぞくすべての政党からの支持を獲得したロホ氏が議長に選出された。
今日から国王は3日間にわたり、下院議員を有するすべての政党と謁見を行う。サルスエラ宮で、議席数の少ない政党から始められるこの謁見は、ナファロア・バイ(ナバラの民族主義連合政党)から始まり、水曜日にPSOEで終わる予定で、この謁見の後、国王フアン・カルロス1世は、マリン下院議長に政府首脳候補にふさわしいと思われる人物を提案、4月15、16日に就任審議が国会で行われ、19日に新政権閣僚が発表、その後22日に国王により第8期民主主義政権のスタートが宣言される予定。

フランス警察、ETAの大規模な武器庫発見

フランス警察が進めている一連の捜査により、先週の金曜日、フランスのサン・ポール・ル・ダックスでイニャキ・エスパルサ・ルリ(41歳)が逮捕、アングレーマでフェリックス・アルベルト・ロペス・デ・ラ・カジェ、通称“モンブトゥ”とメルセデス・チビテが逮捕されたのに続き、モンブトゥの所持していた書類が手がかりとなって、昨日、人口250人のサン・ミシェルでこれまでに見つかった中でも最も大きなものの1つに数えられるETAの武器庫が発見され、ここでホセチョ・サベリオ・アイエルベ(38歳)と武器庫に使われていた民家の持ち主であるジャン・マリー・サンペエが逮捕された。
この村はサン・ジャン・ピエ・デ・ポーから5キロ、先週の金曜日爆弾2つと鍋2杯分の爆薬が見つかったアパートのあるバグネレ・デ・ビゴールから100キロの場所にあり、住民はフランス語とバスク語を話す。フランスの法律にのっとり、逮捕後、サベリオ、サンペエ両容疑者は家宅捜査に立ち会ったが、この民家からは武器、あらゆるタイプの爆薬、対戦車砲、雷管、銃弾などが見つかっている。サベイロ容疑者は、1991年、中南米に逃げ活動を続けていたETAメンバーで1996年、コスタリカで公文書偽造の罪で逮捕、収監されたが、スペインに送還はされず、1年後に釈放されていた。

バルセロナで路面電車営業開始

1872年から1971年までバルセロナ市内を走っていた路面電車は、ティビダボ遊園地行きの“トランビア・アスル(青路面電車)”を除き、廃止されていた。しかし、今日からフランセスク・マシア広場を基点に、大学都市を横切ってL'Hospitalet, Esplugues, Cornella, Sant Joan Despiを結ぶ15.2キロの距離を5分間隔で運行する路面電車が営業を開始した。
周辺の住民は地下鉄の開通を要求していたが、資金問題を始めとする色々な利点を考慮した結果、前州政権CiUは路面電車の開通を決定した。2ヶ月の試運転の間に起きた事故は21件。うち、2件が怪我人のないわずかな脱線事故で、残り19件は、信号無視または禁止地点での右左折により、トラック、乗用車と路面電車が衝突したもので、2人の重傷者を出している。
今日からの営業開始を前に、土曜日と日曜日は無料で路面電車に乗ることができ、11万人(土曜日5万人、日曜日6万人)が試乗を楽しんだが、予想を大きく上回る市民の関心に、この両日に乗れなかった市民も多かったという。運賃は、地下鉄、市バスと同じで、地下鉄、市バスに乗り継ぐ場合は、同じ切符をそのまま利用することができる(逆の場合も同様)。


4月2日(金)

11−M:首謀者を確定

3月11日にマドリッドで起きたテロ事件の担当フアン・デル・オルモ判事は、このテロの首謀者は現在逃亡中のセルハネ・ベン・アブデルマジド、通称“El Tunecino(スペイン語でチュニジア人の意)”であると見ている。El Tunecino容疑者(35歳)は、1996年からスペイン在住で、マドリッド・テトゥアン地区のモスク近くにある不動産会社に勤務していた。これまでの捜査によると、イスラム過激派アル・カイダによるイラク派兵諸国への声明文の影響により、昨年半ば頃から思想が過激化し始めたといい、他のイスラム教徒を小さなモスクや集会所に集め、ビデオなどを使ってジハード(聖戦)について説くようになったという。
同容疑者と共に、今回のテロ遂行にあたって中心的役割を果たしたと見られるのが、ジャマル・アーミダン、通称“El Chino(中国人)”容疑者(33歳)で、ベルギー在住のユッスフ・ベン・サラという男性名義のパスポートを使ってマドリッド郊外に民家を借りたことがわかっている。市役所の許可なく建設されていたことがわかっているこの民家は、テロの後、3月20日まで犯人たちの隠れ家として使われていたという。
上記の2人はいずれもすでに国際指名手配されているが、この他にも、モロッコ人のモハメッド・オウラッド・アクシャ容疑者(テトゥアン生まれ)とその兄弟のラシッド・オウラッド・アクシャ容疑者(1971年テトゥアン生まれ)、アブデナビ・コウンジャ容疑者(1975年タオウリット生まれ)、サイド・べラジ容疑者(1972年生まれ)の4人がデル・オルモ判事により国際指名手配されている。べラジ容疑者は、3月9日に住んでいたマドリッドの家を離れ仕事も辞め、テロの翌日12日に知り合いに妹の埋葬のため、モロッコに戻ると話していたが、スペイン警察により同容疑者には妹はいないことが確認されている。また、オウラッド兄弟には、アブデルマジド容疑者と共に爆薬の入手と爆弾の組み立てに関わった容疑が持たれている。

サラゴサで3つの手紙爆弾解除

昨日の午後、サラゴサ中央郵便局のスキャナーが探知したことにより、3通の手紙爆弾が発見されたが、アラゴン警察爆発物処理班により1つはコントロール下において爆発、2つは解除された。
この手紙爆弾は3通ともマドリッドのマスコミ宛で、1通はテレビ局アンテナ3の情報局長(グロリア・ロマナ女史)宛、1通は新聞ラ・ラソン紙のルイス・マリア・アンソン社長宛、もう1通はラジオ局コペの番組“ラ・マニャ―ナ”のフェデリコ・ヒメネス・ロサントス・ディレクター宛だった。封筒の中にはVHSビデオテープの箱が入っておりその中に爆薬60グラムを使った爆弾が仕掛けられていた。差出人の住所はサラゴサ県ビジャロブレドという実際には存在しない地名が使われていた。
3通の手紙とも、2002年12月エル・パイス紙バルセロナ支局に手紙爆弾を送った無政府主義組織シンコ・セス(「5つの"C"」という意味で、資本主義(Capital)、刑務所(Carcel)、獄吏(Carcelero)、監獄(Celda)に反対する組織(Celula)。)の手紙爆弾に似ているという。

カタルニャ州、売春合法化へ

PSC(カタルニャ社会党)、ERC(カタルニャ左翼共和党)、ICV(カタルニャ緑の党)が3党連立を組むにあたって昨年12月に決めた合意の中での約束事項のひとつに、カタルニャ州における売春の合法化および売春に従事する人々の社会保険加入があるが、昨日カタルニャ女性協会のマルタ・セルバ会長は州議会において、カタルニャ州政府がこの約束を実行に移すことを改めて確認した。
カタルニャ州政府はすでに、CiU(カタルニャ連合)前政権時代に売春を営む場所に対し、衛生、営業時間、場所についての規則を定めているが、現政権はこれをさらに進め、自営であれ雇用であれ、売春に従事する人々も社会保険に加入できる、オランダを真似た形での売春合法化とそれに伴う法改正を進めるという。ただし、売春を合法化するだけではなく、人身売買、未成年者の強制労働を避けるために警察の協力のもと、監視の強化も並行して行い、カタルニャ女性協会としては、女性の性的搾取に関わった人間に対する刑法を厳しくすることも政府に要求していくという。
同協会が2年前に行った調査によると、当時カタルニャ州では売春は年間70億ユーロを生み出す事業で、治安警備隊とNGO団体の協力により進められたこの調査では、カタルニャ州で売春を営む女性の半分はスペイン国籍だが、外国人就労者が年々増加している傾向が確認されている。


4月1日(木)

PP、上院議長の座、失う

CC(カナリアス同盟)との交渉に失敗し、下院評議会のポストの1つを少数派政党に譲ることを拒否したPP(国民党)は、過半数に4議席足りない上院の議長の座を失うことが決まった。これは、PPより獲得議席が30少ないにもかかわらず、PSOE(社労党)が昨日の午後、すべての少数派政党から上院議長の座をPSOEが占めることについて同意を得たため。議長には、アラバ社会党書記長でPSOE執行部のメンバーであるハビエル・ロホ氏が就任する。
昨日、PSOEのルバルカバ議会広報官が発表したところによると、PSOEは下院評議会におけるポストの1つをIU(統一左翼)に、もう1つをCiU(カタルニャ連合)に譲り、これによって評議会構成メンバーは、PSOE3人、PP4人、IU1人、CiU1人となる。下院議長には、マヌエル・マリン氏が就任予定。また、上院評議会においては、PSOEのポストの1つがPSC(カタルニャ社会党)とERC((カタルニャ左翼共和党)、ICV(カタルニャ緑の党)で構成されるグループEntesaに譲られ、結果上院評議会の構成は、PSOE1人、PP3人、Entesa1人、PNV(バスク民族党)1人、CiU(カタルニャ連合)1人となった。下院で2、上院では3の評議会ポストを少数派政党に譲ったPSOEは、上院では議長ポストのみを有することになり、下院ではPPを16議席上回っているにもかかわらず、同党よりポストが1つ少なくなるが、少数派政党とのこの合意により、PPを両議会で完全に孤立化させることに成功した。

新政権閣僚全員揃う−公約どおり男女同数

昨日、農業水産大臣と厚生大臣が決まったことにより、PSOEのサパテロ書記長が首相となる次期政権における閣僚が全員揃った。閣僚の選出にあたってサパテロ氏は、ベテラン政治家と能力ある専門家のバランス、また出身地方の偏らない選出という点にこだわったという。
閣僚の平均年齢は48.6歳で、最年長は副首相兼経済・大蔵大臣のペドロ・ソルベス氏62歳で、最年少は法務大臣のフアン・フェルナンド・ロペス・アギラル氏42歳。サパテロ氏は43歳。また、公約どおり閣僚の数は男女同数の8人ずつとなっている。16人の閣僚は以下の通り。

第一副首相兼官房長官:マリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ女史(1949年バレンシア)。法学博士で元判事。前社労党政権では、国会広報官を務めていた。女性として初の副首相就任。
第二服首相兼経済・大蔵大臣:ペドロ・ソルベス氏(1942年アリカンテ)。弁護士で経済学者。現在EU経済金融問題担当委員。
外務大臣:ミゲル・アンヘル・モラティノス氏(1951年マドリッド)。法学学士で外交官。1996年から2003年までEU中東特使。
保安大臣:ホセ・アントニオ・アロンソ氏(1960年レオン)。国会議員。元CGPJ(司法権統括理事会)所属判事。
防衛大臣:ホセ・ボノ氏(1952年アルバセテ)。法学学士。現カスティジャ・ラ・マンチャ州知事。
法務大臣:フアン・フェルナンド・ロペス・アギラル氏(1961年ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア)。政治学学士、社会学学士、法学博士。1993年から1998年までPSOE副広報官。
労働社会問題大臣:ヘスス・カルデラ氏(1957年サラマンカ)。法学、政治学、社会学学士。選挙キャンペーン調整担当。下院PSOE広報官。
行政大臣:ジョルディ・セビジャ氏(1956年バジャドリッド)。経済学者。PSOE経済政策事務官。
観光商業大臣:ホセ・モンティジャ氏(1955年コルドバ)。PSC(カタルニャ社会党)第一書記官。
インフラ大臣:マグダレナ・アルバレス女史(1952年カディス)。経済学者。財政監督官。アンダルシア州政府経済局長。
教育科学大臣:マリア・ヘスス・サン・セグンド女史(1958年バジャドリッド)。経済学博士。カルロス3世大学副学長
住宅大臣:アントニア・トルヒジョ女史(1960年バダホス)。法学博士、法学教授。エクストレマドゥラ州政府勧業局長
文化大臣:カルメン・カルボ女史(1957年コルドバ)。法学博士。アンダルシア州政府文化局長
環境大臣:クリスティーナ・ナルボナ女史(1951年マドリッド)。経済学者。PSOE環境問題担当官
厚生大臣:エレナ・サルガード女史(1949年オウレンセ)。工学学士、経済学学士。ゴンサレス政権で、通信局総書記長、テアトロ・リリコ財団代表。現在は、ドイツの電話会社Telegateスペイン支社長。
農業水産大臣:エレナ・エスピノサ女史(1960年オウレンセ)。経済経営学士。ビゴ港湾局長。

Azkoyen社元役員を保釈金つきで釈放

中央管区裁判所のバルタサ―ル・ガルソン判事は、保釈金2万ユーロを支払った元Azkoyen社役員のへスス・マルコス・カラオラ・ムニョス被告を釈放した。同被告は、2001年11月、総額3700万ペセタ(22.2万ユーロ)をETAに“革命税”として支払った罪に問われていた。
ガルソン判事は、フランス警察が入手したリストに基づいて、ETAに資金提供した疑いのある企業を取り調べており、このうちの一社がAzkoyen社だった。同社は、ナバラ県で自動販売機を製造している会社で、ガルソン判事の取り調べを受け、2週間前に株式市場での同社の株取引は中止された。3月20日、当時社長であったフアン・フェリックス・イリオンド氏はCNMV(国立証券取引委員会)に対し、支払いの事実は認めたものの、社員が個人の責任において行ったものであるとの説明を行っていたが、この説明を不服として役員2人が辞任している。3月22日、同社は役員を総替えし、社長にミゲル・イラバル氏が就任、同社の株取引は再開された。昨夜のうちにイラバル氏は、カラオラ氏解雇と外部機関による会計監査の開始を発表した。
また昨日は、サン・セバスティアンでアルフォンソ・マルティネス・リサルドゥイコア・パイス・バスコ大学教授が、“調停役”として、ETAの“革命税”取り立てに協力していた疑いがあるとし逮捕され、午後には、容疑者立会いのもとに自宅で家宅捜査が行われた。




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