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7月30日(金)

山火事、さらに焼失面積を拡大した後、ほぼ鎮火(アンダルシア)

火曜日にウエルバ県ミナス・デル・リオティントで出火したウエルバ県とセビジャ県にまたがる山火事は、昨日の時点でまだ消し止められておらず、死者2名、避難者1000名以上、焼失面積24700ヘクタールと、アンダルシアで史上最悪の結果をもたらし、今朝8時、ほぼ鎮火した。しかし、現在の気温と風の情況から、引き続き300人の人員と20〜25機の消火飛行機が待機する予定。
この山火事の被害を受けた市町村は10に上り、地域住民の多くが従事しているコルク樫栽培事業は大打撃を受けた。昨日、マヌエル・チャベス・アンダルシア州知事とクリスティーナ・ナルボナ・環境大臣は現場を訪れ、各市町村長グループと会談。アンダルシア州は、10〜20日以内の被害者援助金70万ユーロを支払い、この火事により事業が被害を受けた農業、畜産業、観光業者への特別ローンを組むことを決定した。
これまでアンダルシア州で起きた最悪の山火事は、1991年アルメリア県カンハヤルで起きたもので、このときは10346ヘクタールが焼失している。

調査委員会最後の証人、アロンソ内相が証言

国会11−M調査委員会の証人喚問最終日の昨日は、ホセ・アントニオ・アロンソ内務大臣が4時間半にわたって証言、、アロンソ大臣は「テロ発生から現在まで、私たちの手元に集められた捜査結果のすべてが、首謀者はイスラム過激派であると示しており、ETAが関わっていたことを示すものは全くない。」とETAのテロ参加の可能性を完全否定した。PPのマヌエル・アテンシア議員はアロンソ内相への質問に使われた半分の時間を使って執拗にETA関与の可能性について問いただしたが、内相は3度にわたってETAがこのテロの背後にいたことを示すものは1度もみつかっていないと答え、アテンシア議員に対し、国家の名において、これ以上の推測、計略、曲解を許容することはできないと述べ、「もし、誰も知らないデータをお持ちだとしたら、判事に知らせるべきであると警告した。
アルカラ・デ・エナレスで爆薬の運搬に使われた2台目の車の発見が遅れた件については、現在内部調査を急いで進めているところであり、この車両発見の判事への報告が遅れた理由については、生物学的解析には時間がかかり、車内からレガネスで自爆した7番目(身元不明)のテロリストのDNAが見つかった報告があったのは7月19日でその2日後にはフアン・デル・オルモ担当判事に報告を行ったと説明した。
7月6日から3週間、11回にわたり開かれた国会11−M調査委員会はこれでひとまず終了。国会夏休み明けの9月7日に開かれる次回の委員会までに各政党は委員会による調査結果報告書草案を各自で作成。この日は、各政党の草案からイスラム主義テロリストの脅威に対応するためにとられるべき対策提案が作成されるが、現在のところ、この日満場一致で提案が作成されるために必要であると見なされない限りはこれ以上の証人喚問は行われない予定。

過去14年で最長の熱波継続により9人が死亡(カナリアス)

カナリアス州政府衛生局は昨日、今月25日から29日の間に9人が熱波による影響で亡くなったと発表した。亡くなった9人の人々はいずれも持病を持っており、55歳以上。これに加え、さらに3人の死因が熱波の影響にあるものであったかどうかについての調査が現在行われている。また、この暑さにより、カナリアス州内で6万頭以上の家畜が死んでいる。
昨年の熱波でスペイン全土で多くの人が亡くなったのを受け、今年は厚生省との協力により各自治州が高気温による健康悪化を防ぐプランを適用、カナリアス州でも6月1日からこのプランを適用している。SUC(カナリアス緊急医療サービス)では、登録されている1人暮らしの持病を持つ人々に毎日電話をかけ健康状態をチェック、赤十字社でも気分がすぐれないときに高齢者が医者に相談できる電話サービスを開設している。
しかし、今日はカナリアス州内では最高気温が8度以上下がり、例年この時期に観測されている30度程度に戻ることが予想されており、熱波による被害が縮小することが見込まれている。これまでカナリアス諸島で記録された熱波の最長記録は1990年の9日で、今年は5日だった。テネリフェ島北部では最高気温は29度にとどまったが、ランサローテ島では43度を記録、フエルテベントゥラ島、グラン・カナリア島南部、テネリフェ島南部ではいずれも40度前後を記録している。


7月29日(木)

アセベス前内相、10時間にわたり証言

アンヘル・アセベス前内務大臣が昨日、国会11-M調査委員会に出頭、調査委員は昼食抜きで10時間にわたって尋問を行った。これまで証人喚問を受けた警察関係者たちがテロの首謀者がETAではなく、イスラム過激主義者であるとの考えに傾いていったのはテロ当日の午後からだったと証言してきたのに対し、アセベス前内相はあくまでも3月13日の最初の容疑者逮捕からだったと主張した。
国会にこれまで出頭した警察高官たちは、不発に終わった爆弾から見つかった携帯電話がテロ首謀者をつきとめる最初の手がかりとなり、13日土曜日朝にはETAが関与しているとする説へはほとんど消えていたとする点で証言が一致、これについて特に詳しく証言したのはホセ・マヌエル・ガルシア・バレラ前治安警備隊情報局長で、ガルシア・バレラ氏は13日午後2時、内務大臣出席のもと、内務省で会議が開かれ、この席で3人のモロッコ人と2人のスペイン国籍取得インド人の逮捕が近いことを内務大臣に報告したと証言。「この報告ですでに、イスラム過激派首謀者説が濃厚になった。」と述べた。にもかかわらず、内相はその直後に開かれた記者会見で「ETAを捜査の第一対象にしている。」と発言している。
この点に関し、アセベス前内相はこの会議が行われたかどうかについて明言することができず、イグナシオ・アスタルロア前国家保安書記官と話したことは覚えていると述べ、後に内務相にはガルシア・バレラ氏もいた可能性があると付け加えた。これほど重要な点について注意を払っていなかった理由について問われたアセベス前内相は、その日の朝、テロ犠牲者の援助について行われた会議と、テロの首謀者をめぐる口論により殺害されたパンプローナの男性のことで頭がいっぱいだったと答えた。
アセベス前内相は、テロの手口がETAの手口と似ていないことを認めたものの、これによりETA首謀者説が否定されるわけではなく、むしろETAの少数派の犯行と考えうると発言。しかし、この仮説は、ETAとイスラム過激派グループの間に協力関係があったと主張するPPの仮説と同様、警察の専門家からは支持されていない。

過去5年で最大規模の火災により14000ヘクタールが焼失(アンダルシア)

昨日の午後ほぼ鎮火したと見られていたウエルバ県とセビジャ県の県境での山火事は、その後風向きが変わったため、火が再び勢いを増し、パタ・デル・カバジョ国有地の一部を焼いた。アンダルシア州政府の発表によると、湿度20%以下、時速60KM以上の風が吹いたミナス・デル・リオティントから出火した山火事により、樫、コルク樫、ユーカリと草原が14000平方メートルにわたって焼け、焼失面積は過去5年で最大という。
飛行機12機、ヘリコプター19機とおよそ400人の消防員が消火にあたっているが、火の勢いは依然として強く、セビジャ県アスナルコジャール、カスティジョ・デ・ラス・グアルダス、エル・マドロニョの住民には避難命令が出されている。
出火原因の手によると見られ、治安警備隊では、現在2つの可能性を捜査中。うち1つは、ゴミを焼いていた農夫の線、もう1つはゴミコンテナを焼いていた2人の麻薬中毒者の線。3人とも身元は判明しているが、2人の麻薬中毒者については行方がわかっていない。

スペイン人男性K-2登頂最年長記録更新

この2年間誰も登頂に成功したことがなかった世界で2番目に高いK-2(標高8611M)に、TVE特別番組“Al filo de lo imposible(不可能の縁にて)”グループの4人が立ってから、好天が続いた24時間少しの間に、さらに7人のスペイン人登山家がこの山の登頂に成功した。
このうちの1人は、アビラ出身のカルロス・ソリアさんで、K-2登頂最年長者の記録、65歳を樹立した。ソリアさんが登山を始めたのは50歳からで、今回はシェルパ1人を連れ、酸素ボンベを使っての登頂成功。ソリアさんが征服した標高8000M以上の山はこれで8つ(2001年エベレスト登頂成功を含む)。
一方、月曜日に登頂に成功したTVEグループの4人、エドゥルネ・パサバンさん、フアニート・オイルサバルさん、ミケル・サバルサさん、フアン・バジェホさんは、昨日パキスタンの首都イスラマバードに到着、今日スペインに向け出発の予定で、彼らの凍傷は順調に回復しているという。


7月28日(水)

ハイチ派兵はモロッコと共同で

昨日、スペインとモロッコは、スペインから1部隊、モロッコから1部隊の2歩兵部隊を編成し、スペイン軍の指揮のもと、ハイチでの治安維持と復興任務にあたる旨の合意に調印した。当初、スペインではこの任務に治安警備隊を派遣する方向で準備を進めていた。防衛省によると、派遣されるのはスペイン、ハイチ合わせて200〜240人で、指揮、物資調達はスペインが担当する。モラティノス・スペイン外相との会談でアナン・国連事務総長から依頼があったとおり、大隊の中には工兵隊も含まれ、破壊された橋やインフラの再建に携わる予定。4月30日に国連安全保障理事会で採択された決議1542号では、ハイチの治安維持のために8000人強の人員が必要とされていたが、現在ハイチの治安維持活動にあたっているのは4000人強にすぎない。
今回の派遣は、人員不足のハイチに新たに派遣される人員の数よりも、2年前にはペレヒル島をめぐって交戦寸前だった両国が共同で派兵するということに大きな意味がある。スペイン政府は今回のモロッコとの共同派兵により、両国の絆がさらに強まるだろうとの見方を示している。

11−M犠牲者に勲章

昨日、エル・パルド宮で、11-Mの犠牲者に労働功労金勲章の授与式が行われ、このテロで犠牲となった191人のうち、151人の遺族が出席した。
11−Mの犠牲者への叙勲は、5月21日の閣僚会議でへスス・カルデラ労働大臣が提案したもので、“断ち切られた彼等の労働人生”を評価し、最高位の金勲章を授与することが決定されていた。厳かな雰囲気の中始められた昨日の授与式の空気は次第に緊張を増していき、犠牲者の代わりに勲章を受けとった遺族が涙するシーンが何度も見られた。エル・パルド宮の“ブルボン家の中庭”で開かれた式には、国王夫妻、サパテロ首相、カルデラ労相のほか、フェルナンデス・デ・ラ・ベガ副首相、ロペス・アギラル法相、アロンソ内相、アギレ・マドリッド州知事、ルイス・ガジャルドン・マドリッド市長、マリン下院議長、ロホ上院議長、カサス憲法裁長官、エルナンド最高裁長官のほか、各政党からも書記長、または国会広報官の出席があった。
また、内務省の発表によると、4217万ユーロが11-M犠牲者遺族に援助金または賠償金として支払われるほか、レガネスのマンションでテロリスト7人が自爆死した際に殉職したGEO(警察特殊部隊)のトロンテラス警部補の遺族には、終身年金が通常の倍の金額で支払われることが決定したという。

山火事で逃げ遅れた2人が死亡(ウエルバ)

日曜日に発生した2件を加えたウエルバ県での山火事3件は、昨日のうちにほぼ鎮火したが、午後3時40分、ミナス・デ・リオティント村近くで別の山火事が発生、住民に避難命令が出された。ラス・デルガーダス村では、焼けたライトバンの内部で2人の死体が見つかった。自動車のナンバープレートからこの2人は同村に住む60代の夫婦であることが判明。その後の治安警備隊の捜査により、この火事の出火原因は住人の焚き火であったことが明らかになっているが、昨夜の時点ではこの人物の身元は判明しているものの、逮捕はされていない。
消防飛行機・ヘリコプター30機以上が出動しているが、この火事は現在も鎮火されておらず、すでに3000ヘクタールを焼失。火はセビジャ県のエル・マドローニョ村にまで広がっている。


7月27日(火)

イバレチェ知事、3年ぶりに首相官邸訪問

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は昨日、首相官邸でフアン・ホセ・イバレチェ・バスク州知事と会談、エウスカディ(パイス・バスコ)の将来についての新しい対話の時代の一歩を踏み出した。中央政府とバスク州政府間で話し合いが持たれるのは3年ぶり。
昨日の会談では、サパテロ首相がこれまで各州知事と持った会談の中で最長記録となる2時間強にわたり、内容については両者とも満足の意を表しているが、両者の見解の相違点である“イバレチェ・プラン”(バスク州にさらなる自治権を与えるための自治憲章改正案)については、話題にすることは避けられた。イバレチェ知事が「今日は何かを頼みに来たのではなく、問題の解決法を見つけるための対話の場を提供しに来た。」と述べた一方、サパテロ首相も知事に対し、イバレチェ・プランを撤回するよう求めたり、このプランの承認をめぐって住民投票を行う意志の確認を行ったりはしなかった。しかし、昨日はイバレチェ知事が、現時点でイバレチェプランについて得られている同意は不十分であることを認め、一方的にイバレチェプランを推し進めることはできないとの考えを示すという新しい展開があった。また、知事はこの計画は知事1人が進めるものではなく、あくまでもバスク州議会が審議、承認するものであることを改めて強調、この採決については、来春のバスク州選挙前、12月から2月の間に行う予定であることを明らかにした。
昨日の会談では、首相が進める憲法・自治権改正計画についての話し合いに焦点が絞られ、知事は“バスク人の意志”を尊重するという条件において、この計画推進に協力することを約束、中央政府からの発表によると、イバレチェ知事は自治州知事会議に出席し、PNV(バスク民族党)は、憲法改正案審査に参加するという。

カディスで2時間にわたり停電、100万人に影響

電力の過剰消費により、昨日カディス県内44市町村のうち、30市町村がおよそ2時間にわたって停電、100万人が影響を受けた。同県には現在、高気温注意報が発令されており、7月の最高気温記録を更新したばかり。昨日は、故障トラブルによりセビジャで2000世帯が1時間にわたって停電、ロンダで2700世帯で2時間にわたって停電となったほか、ムルシア県アルカンタリジャでも1万世帯が2時間にわたって停電となっている。
カディスの停電が始まったのは午後1時47分。20分後にエンデサ社がカディス市と山間部市町村の電気を復旧させたが、残り80万人近くは午後4時ごろまで電気のないまま過ごした。午後遅くになってセビジャーナ・エンデサ社が発表したところによると、気温の上昇にともなって電力消費が急増、午前12時11分にバイア・デ・アルへシラス・センターが電気の供給をストップしたため、午後1時47分以降、電圧が下がったという。同社によると“適切な処置を前もって取っていたため”、停電の継続時間を最小限に食い止めることができたという。昨日の午後7時、アンダルシアでは電力消費の最高記録を再び更新している。

サンタンデール銀行、アビー・ナショナル銀行買収へ

スペイン最大のサンタンデール銀行(SCH)とイギリス第六位のアビー・ナショナル銀行は昨日、ロンドンで買収についての合意に達した。これにより、サンタンデール銀行の規模はEU圏内第4位、世界第8位となる。
最新3ヶ月間の両銀行の株価平均によって定められる買収金額は134億ユーロ前後、この96%は株式提供によって行われる。サンタンデール銀行は、アビー銀行1株に対し、同銀行1株を与えるが、このためサンタンデール銀行は今年末までに現資本金のほぼ3分の1にあたる額の増資を行う。また、アビー銀行株主にはすでに通常配当金6ペニーが出されることになっているが、これに加えてさらに1株あたり25ペニーの臨時配当金が出される。
9月にはアビー銀行が株主に対し、買収の詳細についての書類を提示、同月末にサンタンデール銀行が増資承認のための取締役会議を開き、10月にはアビー銀行も会議を開く。同月末にはイギリス当局の買収許可を受け、今年末にはスペイン当局の許可も受け、買収が成立する予定。
サンタンデール銀行のボティン頭取、サエンス副頭取とも、アビー銀行株主が、イギリスでは知名度が低く、ロンドン株式市場に上場する予定のない同銀行から150年の歴史を持つスペインの銀行の株主となることに納得すること、そしてサンタンデール銀行の営業方針をアビー銀行に植え付けることが当面の重要な課題となると述べた。アビー銀行の現状では、21億ユーロの投資を必要とする年金プランのほか、保険部門の強化も必要とサンタンデール銀行では見ているが、このためには、アビー銀行行員が新しい営業方針に慣れることが不可欠。現在、アビー銀行では1支店あたりの行員が17人であるのに対し、サンタンデール銀行は6人。サンタンデール・グループの今年度第一期の利益は19.1億ユーロで前年同期比48%増。これには、ボダフォン(0.46%)と新生銀行(4%)の持ち株を売却した特別利益2.41億ユーロが含まれている。一方のアビー銀行は同時期5.29億ユーロの利益。


7月26日(月)

内務省、11-M関与の盗難車発見報告遅れる

ホセ・アントニオ・アロンソ内務大臣は、テロに使われた第二の車発見されていたにもかかわらず、この車とテロとの関連を警察が確信するまでこの報告がフアン・デル・オルモ全国管区裁判所担当判事に行われていなかったことを昨日認めた。
アロンソ内務相によると、テロ当日、ライトバンが発見されたアルカラ・デ・エナレスの路上近くからに“長い間”車が停まったままになっていると住人から通報があったのは、6月13日。アルカラ警察の調べによりこの車は2003年9月、アリカンテ県ベニドルムで盗まれたレンタカーであることが判明。警察から連絡を受けたレンターカー会社がこの車を引き取った後、この会社の従業員が車の清掃を行う際に車内に手帳、カバン、テープ2本(うち1本はアラビア語のもの)が残されていることに気づいた。
この6月19日から科学警察と情報局が捜査を開始し、この車がレガネスで自爆した身元不明の7番目のテロリストと、現在指名手配中のモハメッド・アファラー容疑者により使用されたことが判明した。この報告が口頭でデル・オルモ判事に伝えられたのが7月19日、判事の要請により報告書が提出されたのが7月21日だった。
報告が遅れた理由についてアロンソ内相は捜査の流れを乱さないため、テロとの関与が確定するまで報告を行わないでほしいと警察側からの要請があったためと述べ、警察の仕事内容についてはすべきことをしたと賞賛したが、放置盗難車の発見に3ヶ月もかかっている原因については調査し、木曜日の国会審議で詳しい報告を行うと述べた。

サンティアゴの大司教、同性愛婚を批判

聖大ヤコブ使徒の日である昨日、サンティアゴ・デ・コンポステラのカテドラルで行われたミサで、国王夫妻、首相も出席する中、フリアン・バリオ大司教がPSOE(社労党)政権が進めようとしている同性愛者の婚姻合法化について批判する内容の説教を行った。
国王夫妻、サパテロ首相、フラガ・ガリシア州知事が出席するミサは、8人の大司教、8人の司教を含む32人の聖職者によって執り行われた。国王が聖人に献花を行い祈りを捧げた後、これに応えてバリオ大司教が説教を行った。この中でバリオ大司教はカトリック教会を社会から孤立させようとする宗教分離主義者の意図について触れ、人間の基本的権利、または“魂の救済”が要求する場合は、“政治に影響をもたらす事柄”にも教会は道義的判断をうながす力を持っていると述べ、「我々の歴史の豊かさを理解するカギとなるキリスト教の根を意識することなしには、スペインを理解し、スペインに仕えることは不可能である」と付け加え、「異性愛者間の婚姻は家族の基礎であり、この破綻は社会の破綻を促す」と異性愛婚を擁護した。
これを受け、Felgt(国立レズビアン・ゲイ・性転換者連盟)のベアトリス・ヒメノ代表は大司教の発言を“憤慨すべきもの”と定義、政府に対し“ただちに”カトリック教会と政府の分離を行うことを要求、国王も首相も国家行事のとして行われるいかなるカトリック教会行事にも参加すべきでないとの考えを述べた。
スペインにおける同性愛者の婚姻は、国会で民法改正が承認されれば、来年から合法となる。

ETAメンバー4人を逮捕

昨日アロンソ内務相は、ETAメンバー4人をビスカヤ県で逮捕したことを発表した。逮捕者のうち2人はリベラードスと呼ばれる報酬を受けているETA活動家のジョスネ・オニャ・イスピスア(28歳)、アシエル・マルドネス・エステバン容疑者(24歳)の2人の逮捕は、もう1人のETAメンバーであるアチャルテ・サルバドール・ナバロ容疑者の尾行により可能となった。このほか、サルバドール容疑者の恋人であるアルティス・ロペス・アンダ容疑者(23歳)も逮捕されているが、同容疑者とETAにつながりがあるのかは現在取調べ中。
オニャ、マルドネス両容疑者は昨年9月アラバ県エレラ峠でのバスク州警察待ち伏せ襲撃事件首謀者である疑いがかけられている。この事件では、警官2人が負傷、襲撃者1人が死亡しており、死亡したETAメンバーはオニャ容疑者の恋人であったと見られている。
逮捕時、両容疑者はピストル、偽造クレジットカード、偽造運転免許証、偽造身分証を所持、またマルドネス容疑者は現金6000ユーロも所持していた。警察では現在、この2丁のピストルがこれまでのテロに使用されたものかどうかの捜査を行っている。
アロンソ内務相は、今回の逮捕によりETAのビスカヤ部隊再建が再び阻まれたとの見解を示し、今回の逮捕の重要性について強調した。テロリスト組織ETAは2003年5月30日にナバラ県サングエサの爆弾テロで国家警察官2人を殺害して以来、テロを起こすことに成功していない。

6歳の男児が首を切られ死亡(ヒホン)

金曜日の午後、アストゥリアス県ヒホン市にのイサベル・ラ・カトリカ公園で母親と共に鳥小屋を見ていたボルハ・ソラール・エレラ君(6歳)に突然男が襲い掛かり、大きなナイフで首を切りつけた。救急車が現場に急行し蘇生を試みたが、ボルハ君は出血多量でその場で亡くなった。
周囲にいた人々の協力により、現場付近にいたラモン・デル・バリオ容疑者(33歳)が逮捕されたが、容疑者はボルハ君を襲った理由について“神の命によって”と述べている。容疑者には前科がないが、1999年5月から11月まで精神科の治療を受けていたが、その後社会保険医療により精神科の治療を受けていたというデータは残っていない。デル・バリオ容疑者は、裁判所出頭の前にヒホン市内の病院の精神科に送られた。

週末のスポーツの結果

ツール・ド・フランス:アメリカ人ランス・アームストロング選手(USポスタルチーム)が史上初の6連覇を達成。スペイン人最高位はフランシスコ・マンセボ選手(IBBチーム)の6位で、この他、CSCチームのカルロス・サストレ選手(8位)、フォナックチームのオスカル・ペレイロ選手(10位)が10位以内に入っている。
バイク:イギリスGP、モトGPクラスでセテ・ジベルナウ選手が3位、250CCでダニ・ペドロサ選手が優勝、125CCクラスでアルバロ・バウティスタ選手が2位、ホルへ・ロレンソ選手が3位に入った。
F-1:ドイツGPでフェルナンド・アロンソ選手が3位入賞。「23歳になる前の最後の試合で表彰台に上がれてよかった」と、来週の木曜日で23歳になるアロンソ選手は満足した様子。アロンソ選手が表彰台に上がるのはこれで7度目。


7月23日(金)

アスナル前首相、アメリカ議会での勲章獲得のために2百万ドル

昨日、ラジオ局Cadena SERにより、アスナル前政権、昨年12月26日に行われた閣僚会議において、アメリカのパイパー・ラドニック弁護士事務所への200万ドルの支払いが承認されていたことが明らかになった。これは、同事務所がアメリカにおけるロビー活動を行うために支払われたもので、ロビー活動の目的の1つには、アスナル前首相がアメリカ議会から勲章を授与されることが含まれている。
アスナル前首相がアメリカ議会から勲章を授与されるためには、“難しい”いくつかの条件(議会関係者談))の他に、200から300議員の署名が必要であったにもかかわらず、前政権がパイパー・ラドニック弁護士事務所との契約にサインをする直前、集まっていた署名はわずか数十人分。ところが、契約から2ヶ月後の2月末には290人分の署名が集まっていた。2003年5月15日に承認されたジム・ギボンス議員によるアスナル前首相への勲章授与提案は、昨日の時点で306人の署名を集めているが、現実には上院でのこのための手続きは一切開始されていない。
アナ・パラシオ前外務大臣は、EuropaPress通信社からの質問に対し、契約書の存在を認めたが、首脳のイメージアップのためにアメリカでこの種の契約を結んでいる国はイギリス、フランスなど、彼女が知っているだけでも70ヶ国はあり、またこの契約にあたっては、必要とされるすべての正式手続きが踏襲されていると述べた。パラシオ大臣は、この契約は現在のPSOE政権においても破棄されることなく続けられており、現与党もこの契約の必要性については理解しているものと考えると述べている。
Cadena SERの調べでは、この資金は外務省から出ており、当時のハビエル・ルぺレス・ワシントン駐在大使が窓口となって手付金として70万ドルを支払い、その後200万ドルに達するまで毎月10万ドルの支払いが続けられる契約内容となっており、契約書にはPPが政権を失った場合の対応については何の言及もされてない。
社会党現政権は、前与党PP(国民党)から事態の説明があるまでは、この件についてのコメントは行わない意向。IU(統一左翼)のジャマサレス代表は“公金横領”とこの支出を非難、CiU(カタルニャ連盟)のドゥラン書記長は「これが事実であれば、公金を個人の利益のために使用したアスナル氏は謝罪すべき」と述べ、ERC(カタルニャ左翼共和党)のカロ-ロビラ党首は現政府へ返金するよう要求している。

スペイン人の3人に2人は同性愛婚支持

CIS(社会学調査センター)が6月25日から30日の間に実施した調査によると、スペイン人の66.2%が同性愛者は婚姻できる権利を持つべきであると考えており、また48.2%が子供を養子に取る際、同性愛カップルに異性愛と同等の権利を与えるべきであると考えていることがわかった。同性愛者の婚姻に反対する人は26.5%で、同性愛カップルの養子縁組に反対する人は44.1%だった。
同性愛についてどう思うかという問いに関しては、76.6%の人が“単に他の大多数と違った好みを持っているだけ”と答えた一方、22.2%の人は“自然の摂理に反する”、13.3%が“一種の病気”、4.2%が“懲罰の対象とすべき”と回答している。また、自分の子供が同性愛関係を持つことを心配する親は30%で、別の人種の相手と結婚することを心配する親の17%のほぼ2倍。

レアル・マドリッドの紋章を盗みネットオークションにかけた5人を逮捕

サッカーチーム、レアル・マドリッドのホームスタジアム、サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムに20年以上も掲げられていたチームの紋章が盗まれた事件で、容疑者5人が逮捕された。
警察関係者の話では、7月21日にインターネットオークションサイトでこの紋章が3000ドルからの競売にかけられているのを発見、捜査の結果、オークション広告主を発見、その後紋章のありかとこの事件にかかわった容疑者全員の身元が判明、23歳、61歳、38歳、24歳、36歳のスペイン人5人が逮捕され、このうちの1人が所有する家から紋章も発見された。
1982年に建設されて以来、この紋章はスタジアムの入口に掲げられており、夜には光るようになっていたが、現在スタジアムでは工事が行われており、このため紋章は外され、スタジアム内部に保管されていたところを容疑者たちが持ち去ったものと見られる。


7月22日(木)

社会党政権、地方分権へ最初の一歩

パスクアル・マラガル・カタルニャ州知事と首相官邸で会談したサパテロ首相は、CMT(電話通信市場委員会)本部をマドリッドからバルセロナに移転させることで合意に達した。
ジョルディ・セビジャ・行政大臣が昨日、今後も他省庁の地方移転を行っていくことを発表したとおり、サパテロ政権は地方分権を推進する新しい民主主義の時代に移行していく考えで、AENA(国営の空港管理会社)やRenfe(国鉄)といった国営の運輸会社理事に自治州からの代表者を加える案も検討されている。また、フアン・カルロス・ロドリゲス・イバラ・エクストレマドゥラ州知事が首相との会談時に首相の外国訪問に自治州知事を同行させることを提案していたが、昨日、マラガル氏は秋の首相のフランス訪問に同行することを発表した。
マラガル氏は会談後の記者会見で、憲法改正の際には、カタルニャ、エウスカディ(パイス・バスコ)、ガリシア、ナバラの歴史的特異性についての言及を盛り込むことを首相に提案し、この提案に対し首相が“前向き”で“好意的”な姿勢を見せたと述べたが、その後セビジャ行政相が「首相はマラガル知事の提案に耳を貸したに過ぎません。」と知事の提案を訂正する発言を行っている。

同性愛者団体、カトリック教会に反撃

司教協議会が国会議員にカトリックなら同性愛の婚姻合法化には反対するよう求める声明を発表したのを受け、各同性愛者団体は政府に対し、カトリック教会への援助金を出さないよう要求し、反撃した。
Felgt(国立レズビアン・ゲイ・性転換者連盟)のベアトリス・ヒメノ代表は「国民の税金で生きている団体が厚かましくも国政に口を挟むことには腹が立ちます。」と述べ、カトリック教会が予定している反対運動を阻止する運動を開始し、7月8日に1500人が背教届を提出したのと同じ活動を再開すること宣言した。ヒメノ代表によると、法律上10日以内に返答しなければならないこの届けに対し、教会側はいまだ何の返事も出していないという。
また、同性愛者団体Colegas連盟は、カトリック教会の態度は“合成愛社憎悪礼賛”の罪に問われるべきであると国家検札局に告発、Triangulo協会は、「我々は、カトリック議員の皆さんが、現実に反したヒエラルキーに属する過激保守主義者の愚かさを超える信念を持っていることを確信しています。」とコメント、マドリッド・レスビアン・ゲイ団体宗教問題委員会は、13世紀まで“兄弟契約”という名において同性カップルの縁組を行っていた教会の“偽善”を批判した。
一方、フアン・フェルナンド・ロペス・アギラール法務大臣は「司教協議会が信者に対し行使する権威には敬意を表する」と述べながらも、同性の婚姻合法化はPSOEの選挙公約であるとし、カトリック教会に対し“議会の仕事への敬意”を求めた。ペドロ・セロロ・PSOE社会運動書記官は、「今回の司教協議会からの呼びかけによってPSOEの公約が変えられることはない」と明言、「スペイン社会の78%が同性婚を支持していることがわかっている今、PSOEのカトリック議員の中で、法改正案に反対するものはいないと確信している。」と述べた。IU(統一左翼)、CA(アラゴン党)、EA(バスク連盟)、アラバ連合、民主主義を求める判事の会はいずれもカトリック教会を“でしゃばり”と批判、PPはコメントを控えている。

アテナ五輪旗手に柔道のイサベル・フェルナンデス選手

2000年シドニー五輪で金、1996年アトランタ五輪で銅メダルを獲得した柔道のイサベル・フェルナンデス選手が昨日、8月13日のアテナ五輪開会式でのスペインチームでの旗手に選ばれた。女性がオリンピックでスペインチームの旗手を務めるのは1988年ソウルオリンピックでクリスティーナ王女以来。
アリカンテ生まれのフェルナンデス選手はヨーロッパチャンピオン5回、旗手に選ばれた知らせを受け、「スポーツ選手にとってはメダル獲得と同じぐらいうれしいことです。」とコメント、「旗手に選ばれたからにはメダルを取らなくては」と周囲を笑わせた。


7月21日(水)

アントニオ・ガデスさん死去

数週間前から入院していたマドリッドのグレゴリオ・マラニョン病院で昨日午後5時、舞踊家・振付師のアントニオ・ガデス(本名アントニオ・エステベ・ロデナス)さんが夫人と5人のうち3人の子供に看取られて亡くなった。享年67歳。死因は3年前から患っていた胃がん(2002年に公表)。
1936年11月16日、アリカンテ県エルダで左官の子として生まれたガデスさんは、闘牛士になろうとしていたところを舞踊家ピラール・ロペスさんにより才能を見出され、9年間を彼女の舞踊団でトップダンサーとして過ごす。1963年フランシスコ・ロビラ・べレタ監督の“Los Tarantos”で映画デビュー。1969年にはパリで最初の舞踊団を立ち上げるが、フランコ政権の圧力に抗議する意味で、1975年解散。フランコ死後の1978年、スペイン国立バレー団監督就任を引き受けるが、1980年同バレー団は政府により解散させられる。ガデス氏と彼を支持するダンサーは1980年半ばにGIAD(舞踊アーティスト独立集団)を結成、ガデス氏は1981年まで監督を務めた後、カルロス・サウラ監督の映画、1981年“Bodas de Sangre(血の婚礼)”、1983年“Carmen(カルメン)”、1986年“El amor brujo(恋は魔術師)”に主演。3作品はその後舞台で上演、世界中で大成功を収め、スペイン・モダン・バレーの変遷の時代の先鞭をつけた。現在『血の婚礼』は、世界の数々のバレー団のレパートリーに加えられている。
『ドン・キホーテ』をスペイン舞踊で表現するというガデス氏の生涯の夢は叶わなかったが、スペイン共産党党員でであるガデス氏は自身のヨットでキューバを訪問し、今年6月5日カストロ国家評議会議長からキューバ最高位の勲章であるホセ・マルティ勲章を、彼のキャリアとキューバ革命への忠誠を評価され授与されている。ガデス氏の葬儀は故人の遺志により行われない。遺体は火葬され、灰はガデス氏が生前愛したキューバにまかれる。

ボレル氏、欧州議会議長に選出

昨日、25ヶ国が参加する世界最大の民主主義議会(732議席)議長にスペイン人ホセ・ボレル欧州議会議員(PSE)が選出された。ポーランドのゲレメク議員(自由主義)、フランスのビュルツ議員(左翼)の2人の候補の得票はそれぞれ208票、51票で、ボレル氏は388票を獲得して当選。
この当選はあらかじめ予想されたもので、268議席を持つPPE(欧州国民党)と200議席のPSE(欧州社会党)が5年の任期中の勢力を2党で持つ同意が投票前になされていた。計468票のうちボレル氏に回らなかった80票は東欧出身議員がボレル氏ではなくゲレメク氏に投票したためと見られる。副議長にはこちらもスペイン人のアレホ・ビダル-クアドラス氏(PPE)が選ばれた。ボレル、ビダル-クアドラス氏ともカタルニャ出身。
ボレル氏の議長就任により、欧州議会議長にスペイン人が選出されるのはエンリケ・バロン氏(1989-1992年)、ホセ・マリア・ヒル-ロブレス氏(1997-1999年)に続き3人目。ボレル氏の任期は議会任期の前半2007年1月までで、合意が壊されなければ後半はPPE所属者が議長に就く予定。

司教協議会、カトリック議員に同性愛婚姻を認めないよう要求

スペイン司教協議会は、カトリック議員に向けて、9月に議会に提出される同性の婚姻を合法化する法改正案に反対票を投じるよう呼びかける文書を発表した。この中で協議会は「カトリックの国会議員には、この法改正に同意しない旨を公にする道義上の義務がある」と述べ、信者に対し「自分の手にある合法的なすべての手段を使って法律が唯一の本当の婚姻に味方するよう」呼びかけた。法改正案が承認されれば、スペインは、オランダ、ベルギーに続いてヨーロッパ3番目の同性愛婚合法の国となる。
一方、昨日、カタルニャ州議会では、異性愛カップルと同条件での同性愛カップルの養子縁組を可能にし、同性愛カップルの1人がもう1人の子供の後見人となることを可能にする法改正草案が承認されている。


7月20日(火)

CNI前長官、ライトバン発見をテレビで知ったと証言

国会11-M調査委員会で昨日、ホルへ・デスカジャール前CNI(国家情報局)長官は、「私には何の報告もなく、大臣がテレビに出るのを見て、アルカラ・デ・エナレスでライトバンが発見されたことを知った。」と、3月11日午後8時20分(警察がライトバンの内部を捜査してから5時間後)、アセベス内務大臣(当時)がテレビで発表するまでは、ライトバンの発見について知らなかったと証言した。また、CNIは総選挙の2日後の3月16日まで警察と治安警備隊で構成されていた捜査会議に参加を許されておらず、それまでの間、CNIにもたらされる情報は、CNIエージェントと警官の個人的なつながり、またはデスカジャール長官(当時)とイグナシオ・アスタルロア国家安全書記官(当時)間の会話からによるものに限られていたとも述べた。
デスカジャール前長官は、前政府への批判を避けるよう注意深く言葉を選びながらも、死者190人、負傷者1500人を出した大規模なテロ捜査には、最初からCNIを参加させるのが当然であると思ったと述べたほか、同様の事態に備えて今後は異なった機関間での協力体制を改良すべきだとの意見を述べた。

スペイン、ドイツ、フランスと前科者ファイル共有へ

スペイン、ドイツ、フランスの内務大臣は昨日ブリュッセルで会談し、前科者ファイルを共有することで合意に達した。技術面の調整は今年末にも終了の見込みで、来年からの導入が予定されている。現在、前科者ファイルの照会には8〜10ヶ月かかっているが、来年からは司法当局が国の前科登録センターにデータの問い合わせを行えば、このセンターが当該者についての前科データを他国の前科登録センターに照会するようになり、この方法だとデータ入手までの期間が数日に短縮される。3カ国は犯罪の種類を問わずファイルを共有、特にテロリスト、汚職、売春、麻薬密売、貨幣偽造などの犯罪において効果的な結果が得られると見られている。
これは、パリ-ベルリン枢軸にスペインが参加することを決定してから初の具体的な成果となるもので、関係者の話では、9月の3カ国首脳会談に向けての調整がかなり進んだ段階にあるというが、開催地、具体的な日付についてはまだ検討中という。

7県に高温度注意報

アルバセテ、アルメリア、シウダ・レアル、マドリッド、セビジャ、バレンシア、サラゴサとセウタの7県に対して昨日高温度注意報1が発令された。注意報1は、今後5日間の間に少なくとも2日以上が国立気象協会による最高最低気温の平均を上回ると発令されるもの。
専門家によると、健康に重大な影響を与えるのは、室内の気温が下がらないとの理由から、最低気温が下がらないこと。水曜日から日曜日にかけての5日間、サラゴサでは最低気温が21度を下がる日はなく、マドリッドでは水曜日と日曜日、アルメリアでは金曜日と日曜日(最低気温24.5度以上)、アルバセテも金曜日と日曜日(21度以上)、セビジャは週末(21.5度以上)、バレンシアとセウタは金曜日(22.7度以上)、夜間になっても気温が下がらないとの国立気象協会の予報が出ている。
また、セビジャでは最高気温42度、マドリッド、シウダ・レアル、アルバセテでは38度、サラゴサ、アルメリアでも37度まで上がる見込み。


7月19日(月)

新旧CNI長官、今日調査委員会で証言

CNI(国家情報局)のホルへ・デスカジャール前長官とアルベルト・サイス現長官が今日の午後、11−M調査委員会で証言を行う予定だが、この2人からテロ発生時の情報について得られるものは少ないと考えられている。というのも、テロ発生後、アスナル首相(当時)は、捜査にCNI必要なしとの判断を下し、CNIが治安警備隊、国家警察による捜査から得た証拠に接触することができるようになったのは、テロ発生から4日後、総選挙翌日の15日からであったと見られているからである。また、CNIが治安警備隊、国家警察との毎日の捜査会議に参加するようになったのは、その翌日16日からであった上、デスカジャールCNI長官(当時)はフェデリコ・トリジョ-フィゲロア防衛大臣(当時)と共に、テロ当日に首相官邸で非公式に召集された緊急会議にも呼ばれていなかった模様。
今週はこの他、 アグスティン・ディアス・デ・メラ前警察長官、サンティアゴ・ロペス・バルディビエソ治安警備隊長官の証人喚問も予定されている。

週末の交通事故死者34人

DGT(総合交通局)の発表によると、金曜日の午後3時から昨日日曜日の午後12時までに起こった死亡交通事故件数は27件で、この事故により34人が命を失い、22人が重傷、19人が軽傷を負ったという。最も事故件数の多かったのは昨日で、15件の事故で21人が死亡、19人が重傷、16人が軽傷を負っている。昨日だけで、26歳以下の死者が9人出ており、この5件の事故の発生したのはいずれも夜中から明け方にかけてだった。
DGTの調べでは、18歳から29歳の交通事故死者の8割を男性が占めていることがわかっている。この年代の死者数は2002年1342人だったが、うち271人、20.2%が女性、2001年は19.4%、2000年は19.9%、1999年は19.2%、1998年は20.5%といずれも死者数の80%は男性であった。男性の運転者数が女性を上回っている(男性運転者数はおよそ7割)のも確かではあるが、様々な調査により女性は男性よりも安全運転を心がけていることも明らかにされている。

バルセロナ・フォーラムに反対の300人が会場に乱入

陸からは柵を破壊して、海からはゴムボートと手作りのいかだで、そして空からはパラシュートで、バルセロナ・フォーラムに反対するおよそ300人が昨日正午頃会場に乱入した。反対者の集団は、この行事はフォーラムという名目においての投機であると糾弾、会場を練り歩く間、落書き、瓶を投げる、器物破損などの行為を行った。ジョルディ・オリバレス・フォーラム代表が集団と話し合おうとしたところ、同氏は罵声を浴びせられ、小突かれたほか、ミケル・ミロ・イベント運営監督も暴行を受けた。事態は集団とガードマンの間で、小競り合いにまで発展したが、集団は午後に入って会場を後にした。

週末のスポーツの結果

ツール・ド・フランス:カルカッソンヌ-ニーム間192.5キロで行われた昨日のレースで、スペインのアイトール・ゴンサレス選手(ファッサ・ボルトロチーム)が勝利。ゴンサレス選手は10人の集団からゴールまで7キロの地点で抜け出し、他選手の追随を許さず、そのまま単独ゴール。スペイン人として今年のツール初の区間勝利を飾った。今日は2度目の休息日で、明日はヴァルレア-ヴィラー・ド・ランス、180.5キロでレースが行われる。
バイク:ドイツGP、250CCクラスで昨年チャンピオンのダニ・ペドロサ選手が優勝。総合成績1位をキープした。125CCクラスでは、エクトル・バルベラ選手が2位、パブロ・ニエト選手が3位に入っている。
ラリー:アルゼンチン・ラリーでカルロス・サインス選手(シトロエンチーム)が優勝。1991年、2002年に続くアルゼンチンでの優勝により、勝利から遠ざかっていた503日間に終止符を打った。この優勝によりサインス選手のキャリア優勝回数は26回(参戦回数187)となり、昨年トルコ・ラリーで優勝した際に同回数で並んでいたイギリスのコリン・マクレー選手を抜いて世界記録樹立となった。
バスケットボール:スペインで開催されていたユース・ヨーロッパ選手権で、スペイン男子チームがトルコを89-71で破って優勝した。前回優勝した1998年ブルガリア大会で活躍したラウル・ロペス、フアン・カルロス・ナバロ、パウ・ガソル、フェリペ・レジェス各選手は現在スペインのみならず世界レベルで活躍しており、大会で活躍したセルヒオ・ロドリゲス、アンテロ、カルロス・スアレス・アルベルト・フフォンテ選手に今後の期待が高まっている。スロバキアで開催された女子の大会では、スペインチームは決勝でロシアに77-59で敗れている。


7月16日(金)

マドリッドの中心で変電所火災

昨日の午後、マドリッドのパセオ・デル・プラドから100MにあるAlmaden通りにある電力会社Union Fenosa社の変電所で火災が発生、周辺の住民は避難、煙を吸った4人が手当てを受けたほか、4万世帯が停電、一帯が通行止めとなり、首都はおよそ6時間にわたり混乱に包まれた。
火災が発生したのは午後1時40分。住民の話では、最初に3度、爆発音のような音が聞こえ、その後黒煙が上がったという。その後テロ当日と同じようにパトカーと消防車のサイレンが聞こえ出し、またテロが起きたという噂が一時広まった。アパート、ホテルを含め周囲の建物には避難命令が出され、パセオ・デル・プラドからアトチャ通りの区間は午後2時半から午後7時半までの間、完全に通行止めとなった。また、この火災により付近一帯が一時停電となり、国会、株式取引所、農業省、文部省なども被害に遭い、プラド美術館は煙により美術品が被害を受けるのを避けるため、閉館となった。立ち上る黒煙は50キロ先からも見えたという。
Union Fenosa社によると、出火の原因となったのは、この変電所地下にある4台の変圧器のうちの1台。変圧器の2台が古くなったため、1ヶ月ほど前に新しい2台を設置し、徐々に新しい2台へ流す電気を増やしているところだったが、昨日は新しい方の2台を始動させたところ、うち1台から出火、火災防止装置が作動せず、炎が4万リットルの冷却油に燃え移ったため火災が大きくなったという。本来この変電所には16人の従業員が勤務しているが、火災発生時は昼休みだったため、ガードマンが1人いるだけだったという。

フンガイリーニョ検事の証言に、11−M調査委員唖然

国会11−M調査委員会に出頭した全国管区裁判所最高検事エドゥアルド・フンガイリーニョ氏は、昨日の朝までアルカラ・デ・エナレスでテロ当日にライトバンが見つかっていたことを知らなかったと発言、調査委員達を驚かせた。CHA(アラゴン党)のホセ・アントニオ・ラボルデタ議員が「爆薬を運ぶのに使用されたと見られているライトバンの発見を今日までどうすれば知らないでいられるのか?」という質問に対し、フンガイリーニョ最高検事は「ライトバンや、テープ、隠れ家については、小耳に挟んだかも知れないが、私には“無関係”なことなので、記憶には残っていない。」と返答。最高検事によると、“精神衛生上”新聞は読まず、テレビもBBCのドキュメンタリー番組を見るだけなので、捜査の進行状態について知ることは出来なかったという。
オルガ・サンチェス担当検事から進行状況については報告を受けているのではないかとの委員会の質問に対しても、フンガイリーニョ最高検事はサンチェス検事からは進行状況の大まかな筋とそのために取った措置についての報告を受けるだけで、それ以外については何も知らないと言い切り、「自分に担当が回ってくれば、ライトバンについても、ナンバープレートについてもすべて把握しておきます。」と述べた。
また、11−Mとイラク攻撃の関連性については完全に否定、「テロリストが人を殺すには理由などいらない」と述べた。

全国管区裁判所、ヤコレフ機墜落事故の調査開始へ

昨日、全国管区裁判所は、2003年トルコのトラブゾンでアフガニスタンでの人道援助任務を終えたスペイン兵士を乗せたヤコレフ42機が墜落し、スペイン軍兵士62人が死亡した事故についての調査を開始することを決定した。テレサ・パラシオス判事が航空機の契約から遺体の身元確認までの不審な点についての調査を担当することとなったが、調査結果によっては、トリジョ前防衛大臣を始めとする防衛省幹部の刑事責任追及に発展する可能性も出てきた。
ヤコレフ42機事故犠牲者家族協会は、飛行前検査、飛行プラン、機内安全措置の不備など同機の数々の不審な点のほか、遺体の身元確認と搬送上のミスについても当時フェデリコ・トリジョ氏が大臣を務めていた防衛省を告発していたが、今回は、この告発が認められた形となった。、すでにトルコで捜査が進められているため、事故が発生した原因についてはパラシオス判事は調査を行わないが、事故前と事故後の調査の結果によっては、航空機契約契約者に対しては、必要な事前調査と契約後の検査の確認を行っていなかった義務遂行放棄の疑い、また身元確認書類にサインした上官に対しては、公文書偽造、背信など、いずれも刑事的責任が問われる可能性がある。


7月15日(木)

パコ・デ・ルシアさんにアストゥリアス皇太子賞

アストゥリアス皇太子賞選考委員会は“繊細で深みの極地に達した表現力を持つギターが、国境もスタイルの違いも超えて、世界規模の音楽を作り出した”ことを評価し、今年度のアストゥリアス皇太子文化賞受賞者にギタリストのパコ・デ・ルシアさん(1947年、アルへシラス生まれ)を選んだ。フラメンコ界からこの賞の受賞者が出るのは初めてで、デ・ルシアさんは、「今回の受賞は、これまで不当に扱われてきた音楽の公式な認知である。」と述べた。
デ・ルシアさんは現在新譜“Cositas buenas”のツアー中で、受賞を知らせる電話は、火曜日夜、ヒメナ・デ・ラ・フロンテラ(カディス県)でのコンサート開始直前にかかった。「ステージに出る直前はいつも集中しているが、昨日はその時に知らせを受けてすっかり動揺してしまったよ。」と述べたデ・ルシアさんは、「受賞は、フラメンコ界全体の名において行うつもり。フラメンコは人々が考えているよりさらに大きな価値を持つ音楽で、今回の受賞は人々がそれを知るためのさらなる一歩となるだろう。人々は偏見を捨て、もっとフラメンコを聞くべきだ。」と話し、数々のアルバムを共に録音した歌い手カマロン・デ・ラ・イスラさんに(故人)ついても言及した。今日はフランスのペルピニャンでコンサートを行う。

市民安全保安局長、「Tytadineであると言ったことはない」

テロ発生当日の12時30分に使用された爆薬について報告を行い、アンヘル・アセベス内務大臣(当時)はこの報告書に基づいてETA犯人説を発表したとされているが、この報告を行った前市民安全保安局長のサンティアゴ・クアドロ氏が昨日、国会11-M調査委員会で証言を行い、「100%の確信を持って言える。ダイナマイトとは言ったが、Tytadine(ETAがテロで常用しているダイナマイト)であると言ったことはない。」と述べた。
警察機構前副参謀ディアス-ピンタード氏が7月8日の証人喚問で、「クアドロ氏から爆薬の種類がTytadineであることを聞いた」と証言したのに反し、昨日、クアドロ氏は「テロ当日の12時半、現場の1つであるエル・ポソ駅にいたところ、警察の“ナンバー2”から電話が入り、使用された爆薬の種類について尋ねられたが、まだわからないと答えたところ、この人物が少しの情報でもいいから何かを知らせるよう固執したので“任務を遂行”し、数人の技術者と話したところ“導火線つきのダイナマイトの可能性が高い”との回答を得たので、12時45分にディアス-ピンタード氏にこれを報告した。」と証言。PPのハイメ・イグナシオ・デル・ブルゴ議員が深く考えずにTytadineの名前を出したことはなかったかと尋ねたのに対しても、クアドロ氏はきっぱりと否定した。同氏はその後14時30分に再びディアス-ピンタード氏にTedax(爆発物処理班)研究所から電話し、分析の結果爆薬はダイナマイトであることがわかったことを報告したが、このときもメーカーについては触れなかったという。ディアス-ピンタード氏の証言にはこの電話についての言及はなく、同日午後5時の会合でダイナマイトではあるが必ずしもTytadineであるとは限らないことを知らされたことになっている。

原子力潜水艦Tireless、ジブラルタル離れる

昨日の午前11時10分、イギリスの原子力潜水艦Tirelessは、5日間の滞在の後、ジブラルタル海軍基地を離れた。スペイン外務省はTirelessの滞在は無事故で短いものだったとコメントしながらも、敏感になっているスペインの感情をイギリス政府が理解しなかったことに深い遺憾の意を表明した。
Tirelessは、金曜日の到着時と同様、ジブラルタル警察と王立海軍の船2艘による護衛をつけてジブラルタルを離れたが、行き先は明らかにされていない。


7月14日(水)

CNI、イスラム主義者テロの危険性を6回にわたり警告

国会11−M調査委員会は昨日、非公開会議でCNI(国家情報局)の機密文書を分析、2003年2月21日から11月20日までの間6回にわたり、同組織がスペインでイスラム主義者によるテロの危険性が高まっていることを警告する内容の報告書を提出していたことがわかった。
これまでの証人喚問で、警察関係者は起爆装置、コーランのテープがアルカラ・デ・エナレス駅近くに停まっていた盗難車から発見されたのは、この車がマドリッドのカニジャスにある警察署に運ばれた15時30分頃と証言していたが、CNIがテロ発生4日後の3月15日に作成していた報告書によると、これら2つの証拠はライトバンの外から見える場所にあったと報告されており、CNIはライトバン発見時のテロ当日正午からテロの犯人をETAではなくイスラム過激主義者であると見ていたことが判明した。
3月16日、CNIはテロの犯人がETAではないことを改めて確認する内容の別の報告書を政府に提出、しかし調査委員会関係者の話では、この報告書も作成されたのは13日で、文書の内容は先に口頭で政府に伝えられていたという。

グアンタナモ基地からスペイン人釈放

米軍にパキスタンで逮捕され、グアンタナモ基地に2年間拘留されていたセウタ出身のスペイン人ハメッド・アブデラマン・ハメッド被告(29歳)が3000ユーロの保釈金を支払い、昨日、アルカラ−メコ刑務所から釈放された。担当のバルタサール・ガルソン判事は保釈を認める判決文の中で、グアンタナモ基地に拘留されている囚人に対するアメリカ合衆国の組織的人権侵害を厳しく非難した。
ハメッド被告は約3年前、アフガニスタンのタリバンに協力した罪で米軍に逮捕されたがスペインでは、2003年12月29日からイスラム過激主義テロリストグループに所属していた罪に問われている。同被告はアフガニスタンで4ヶ月、グアンタナモで2年、スペインで5ヶ月服役している。
昨日の午後7時15分、刑務所を出たハメッド被告は改めて自身の無罪を主張、11−Mについて「イスラムの教えに反する行為で、このような残虐行為にはどんな理由を持ってしても正当化することはできない」と述べた。ハメッド被告の弁護団はアメリカ政府に対し、法的措置を取る構え。

6月のIPC、前月比0.2ポイントアップ

昨日INE(国立統計局)が発表したところによると、2月、3月と2.1%に落ち着いていたインフレ率は、3ヶ月連続で上昇、6月には3.5%に達し、IPC(消費者物価指数)は5月から6月の間に0.2%の上昇したという。今年上半期のインフレ率は2.2%と欧州中央銀行の予想2%を0.2ポイント上回っている。
今年に入って燃料費の上昇はとどまるところを知らず、9.3%の上昇はIPC上昇の原因の1つとなっているが、6月は夏の始まりと共に、観光、飲食費が一番の上昇を見せた。飲食店は前月比0.4ポイント、1年で4ポイントの上昇、またパッケージ旅行が含まれる娯楽費は、6月に0.8ポイント上昇、ホテル・観光業は0.9ポイント上昇しているが、これらの部門は夏の休暇シーズンである7月、8月にさらに上昇が予想されている。このほか、主要メーカーの値上げにより、タバコもIPC上昇の原因となっている。


7月13日(火)

ハイチに警官28人を派遣へ

レイレ・パヒン国際協力書記官と共にハイチを視察訪問中の治安警備隊長官カルロス・ゴメス氏によると、スペインは10月に治安警備隊員18人、警官10人からなる28人の人員を、国連活動参加のためハイチに派遣するという。これら28人の任務は、ハイチ警察訓練指導と助言を与えることで、月曜日、ハイチ首相、大統領、警察長官と会見したゴメス氏は「我々全員が、ハイチに今必要なのは、市民の安全と、政治的影響を受けていないプロの警官であると言う点で意見の一致を見た」と述べた。最初に派遣されるグループの成果によっては、2005年に12〜15人の第二陣派遣もあり得るほか、将来的にハイチの警官をスペインで訓練するための相互協定締結も考えられているという。
国連によるハイチ治安維持活動には23カ国が参加、現在、指揮はブラジルのアウグスト・エレノ・リベイロ・ペレイラ将軍が執っており、活動の目的には、ハイチ暫定政権を支え、選挙開催の準備を行うことのほか、国内の設備発展援助と人権保護の促進なども含まれる。ハイチ治安維持活動への参加は、アフガニスタンへのスペイン軍派遣と共に、先週の水曜日国会審議によって承認されている。

エンシエロで負傷者18人

ハンディジャ牧場の牛が走った昨日(6日目)のサン・フェルミン祭りのエンシエロは、18人が負傷し、この17年で最高の負傷者数を記録した。負傷者18人は病院に運ばれたが、牛の角により負傷した8人(いずれも重傷との診断)、転倒などにより負傷した10人ともに命に別状はない。負傷者には26歳のアメリカ人男性と22歳のフランス人男性も含まれている。
最も重傷を負ったのは、33年間連続でエンシエロに参加しているベテラン、ジュレン・マディナさん(49歳)。有名参加者の1人となっているマディナさんは、闘牛場入口で転倒者の山につまづいたところを1頭の牛に襲われ、22秒間にわたってこの牛から攻撃を受け、角による刺し傷を5ヶ所に負ったが、手術の結果は良好だという。

試験管ベビー第一号、20歳の誕生日

1984年7月12日午後7時、妊娠37週間目に帝王切開により2400グラムで生まれたスペインにおける試験管ベビー第一号、ビクトリア−アナ・サンチェス・ペレアさんが昨日20歳の誕生日を迎えた。彼女の誕生を可能にした2人の医師に付き添われたビクトリア−アナさんは、両親が長年彼女をマスコミから遠ざけていたお陰でいたって普通の人生を送ってきたが、「たくさんの夫婦が私の誕生に希望を見出したことを誇りに思います」と述べた。
一時は小児科医になることを考えていたビクトリア−アナさんだが、「医師課程は長すぎる」ため、現在は大学で広報を勉強中。誕生に関わった2人の医師は人工授精のパイオニアとしてバルセロナのInstitut Dexeus病院に引き続き勤務し、これまでに5500人以上の人工授精児の誕生に携わっている。人工授精成功率も開始当初の15〜20%から40%以上に上がっているという。

若者に対し飲酒運転をやめるよう呼びかけ

先週金曜日の午後3時から日曜日の深夜12時までの交通事故死者38人のうち21人が30歳以下の若者であったことから、交通局長ペレ・ナバロ氏は若者に対し、ディスコや近くの町での祭りに夜、車で出かけるときに飲酒の上、スピードを出して運転するのはやめるよう呼びかけた。
ナバロ氏によると、昨年に比べて交通事故数は8.5%、死者数も9.5%減少したものの、依然として交通事故は国の抱える大きな問題で、25歳以下の若者の主要な死因の1つであるという。ナバラ氏は「悪いのはディスコや祭りではなく、アルコール、疲労、明け方の運転、整備状態のよくない非幹線道路で、これらの原因が重なって若者の死亡事故を引き起こしている」と述べ、1年以内に導入が予定されているポイント制運転免許証(違反を犯すごとに点数が引かれるシステム)が交通事故減少に役立つことを確信していると述べた。
また、コンプルテンセ大学夏期特別講座の席で交通局長補佐のへスス・ディエス・デ・ウルスルン氏は「週末に若者が交通事故で20人も命を落とす現状に社会的警鐘をもっと大きく鳴らすことが必要である」と述べた。同氏によると、交通事故死者の37%の体内からはアルコールが検出されており、警察では昨日から運転手のアルコール検査を通常の2倍行うことを開始している。


7月12日(月)

CDC書記長にマス氏再選

CDC(カタルニャ集中民主党)のアルトゥール・マス氏は昨日の党大会で、96.3%を得票し、同党の書記長に再選された。マス氏の提案する州政府政権の座を取り戻すための政策が支持され、CDCは前カタルニャ州知事ジョルディ・プジョール氏の時代を終え、新しい時代へと入ることとなった。プジョール氏は98.7%の支持率で引き続きCDC党首の座に就くが、実務的というよりは精神的な党の中心としての役割を果たすことになる。昨日の党大会では、予想どおり6人の副書記長も党員により承認され、新執行部誕生となった。
マス氏をリーダーとするCDCは、近年亀裂の深まっていたERC(カタルニャ左翼共和党)との関係修復を始めたほか、特に政治協定の分野で“スペイン従属的”政党との距離を広げており、PSOEであれ、PPでありその政府が“カタルニャという国家”をはっきりと認めない限りは、過半数政権との協定は結ばな\い姿勢を打ち出しており、独立主義思想は捨てたものの、は自治権主義を貫くことを確定した模様。

エルムアでブランコさん暗殺7周年記念追悼集会

PP所属市会議員ミゲル・アンヘル・ブランコさんがETAに拉致、殺害されて7年、ビスカヤ県エルムアで追悼集会が行われた。バスク人彫刻家アグスティン・イバロラ氏がテロの犠牲者の追悼のために3年前に制作したモニュメント前には“Ermua con Madrid(エルムアはマドリッドと共に)”のプラカードも掲げられ、集会にはブランコさんの両親、エルムア市長、テロ反対市民団体“Basta Ya!”代表、PPバスク支部長、イバロラ氏のほか、3月11日のマドリッドのテロで25歳の娘ミリアムさんが犠牲となったマリア・アンへレス・ぺドラサさんも出席した。
集会では、エルムア市役所が創設した反テロ市民団体Iniciativa Local Por la PazからLlama de la Libertad(自由の炎)賞がバスク人記者ホセ・マリア・カジェハ氏に贈られた。同氏は昨年ペドロサ賞(ドゥランゴでETAにより殺害されたPP市会議員ヘスス・マリア・ペドロサ氏の思い出のために創設された賞)も受賞している。

レアル・マドリッド会長にペレス氏再選

レアル・マドリッドの会長選挙が昨日行われ、現職のフロレンティーノ・ペレス氏がロレンソ・サンス氏(前会長)、アルトゥーロ・バルダサーノ氏を大差(得票率94.25%)で破って再選を決めた。投票権を持つソシオ(ファンクラブ会員兼株主)の今回の選挙への関心は高く、投票率は47.56%と史上最高を記録、投票時間も1時間延長された。投票率のほか、ペレス氏の得票数(23401票)も史上最高を記録、レアル・マドリッドが会長選挙制を導入して22年、これまで5回の選挙が行われているが、得票数が23000票を超えた会長はいなかった。
会長再選の知らせを受けたペレス氏は「私が選挙に勝ったのは、レアル・マドリッドのソシオをよくわかっているからだ。私自身が40年以上前からソシオであり、ここが私の家だ。」とコメント、レアル・マドリッドのソシオが“被害者精神”を好まないことをライバル(デル・ボスケ前監督呼び戻しを公約に掲げていた)たちはわかっていなかったと述べ、8月30日まで“急がずに”新選手契約を進めて行く予定であることを明らかにした。

週末のスポーツの結果

F−1:イギリスGP、スペインのフェルナンド・アロンソ選手(ルノー・チーム)は10位。総合成績では5位につけている。
後方からのスタートとなったアロンソ選手は本来の力を発揮できなかった上、同じチームのトゥルッリ選手の事故後のチームの対応次第では、アロンソ選手の成績がもっと上がったのではないかとの議論が起こっている。
テニス:フェデレーションカップ女子予選、スペインは初日の土曜日にベルギーに0−2と予想外のリードを許したものの、アナベル・メディナ、マリア・アントニア・サンチェス・ロレンソ両選手がそれぞれシングルで勝利、最後のダブルスでビルヒニア・ルアノ、アナベル・メディナ組も勝利を収め、結果3−2でスペインの準決勝進出が決まった。対戦相手はイタリアを下したフランス。


7月9日(金)

11−Mテロ当日、使用された爆発物がTITADINEであると内務省に 報告したのは市民安全保安局局長

昨日行なわれた11−M特別調査会議において証人出頭した警察機構前副参謀 ペドロ・ディアス・ピンタード氏は、彼に電話でTITADINEのことを 伝えたのは、市民安全保安局局長サンティアゴ・クアドロ氏であったと証言した。 同時に、電話で受けたこの情報を警察機構や当時内務大臣であったアンヘル・アセベス氏に伝えたのは自分であると認めた。 国家防衛のための主要人物が集まっていた会議で、防衛庁秘書であったイグナシオ・ アスタルロア氏が、ピンタード氏に爆発物の種類について尋ねたところ、同氏は 電話でサンティアゴ・クアドロ氏に同件についての情報を求めた。 その時点、クアドロ氏は、判断は慌てない方が良いと答えたが、同会議終了直前に 会議出席者の目前でクアドロ氏からピンタード氏へのコールバックが入り、その時の 電話で、今回のテロに使用された爆発物が2000年以降ETAが常用している 同じタイプのもの、つまりTITADINEであったと伝えたもよう。 ピンタード氏は同報告を内務大臣へ伝えたと証言。

ところが、17時に始まった会議中にクアドロ氏から再度電話が入り、先ほどの 情報は間違いで、使用された爆薬は極一般のダイナマイトであったと報告。 これを受けたピンタード氏はおよそ18時頃に改めてアンヘル・アセベス大臣に 報告したと言う。
 ピンタード氏の推測によると、クアドロ氏が勘違いをした背景には、近年、 スペイン国内で起きていたテロ事件は常にETAによるもので、2000年以降、 同テロ組織はいつもTITADINEを使用しており、全ての報告書には ダイナマイトと言う名称を使わず、その種類を確定出来る表現としてTITADINE と言う言葉が使われていたため、感覚的にダイナマイトの別称、或いは代名詞の ような形で捉える形となってしまい、大参事直後の異常な状況下でとっさに TITADINE(ダイナマイトの別称と言う感覚で使った)が使用されたと 報告したのではないかと言う。

これらピンタード氏の証言を受けて、11−M調査委員会の一部からクアドロ氏の 証人出頭を求める声があがっている。 クアドロ氏が今回の誤報の出所であったと言う事については、すでにTEDAX(スペイン 警察機構内において爆発物処理目的のために特別組織されているグループ)の 責任者サンチェス・マンサーノ氏が、間接的に述べている。

英国籍原子力潜水艦タイヤレス号、スペイン政府の再三に渡る要請にも関わらず アルヘシラス湾に到着

今朝9時45分、英国籍原子力潜水艦タイヤレス号がアルヘシラス湾に到着した。 同潜水艦は以前(2000年)、故障をきたした際、ジブラルタルに停泊 しながらその修理を行なったもので、寄航期間は実に1年間に至った。 英国が高度な危険を伴う原子力潜水艦の修理を自国の海で行なわず、スペインに 隣接した海で行なったため、大きな非難の的となったものである。  今回、同潜水艦が再びジブラルタルに寄港すると言う英国側の発表を受けて、 ジブラルタル住民や、自然環境保護団体、スペイン政府から英国政府に対して強い抗議を 行なっていたが、寄航取りやめを求める再三に渡る要請にも関わらず、今朝、 同潜水艦はアルヘシラス湾に到着した。 ここから英国領ジブラルタルの海軍基地へ けん引輸送され、同基地に5日間停泊する予定。

「カタルーニャ国」と言う名称は現実に反するものであるとイバラ氏の発言

エクストレマドゥーラ州長ロドリゲス・イバラ氏は、カタルーニャ自治州が作成した カタルーニャ州新労働法案の中で使われている「カタルーニャ国」と言う表現に ついて、非常にモダンな表現であり、事実とは全く反するものであると発言。 また、カタルーニャ自治州は、バスク自治州と同様、歴史上、一度たりとも 独立国家になった事はないと述べた。  いくつかの自治州が、Nacion{国家}と言う表現を使いたがるようだが これが単に一つの名称、つまりは苗字のような感覚で使いたいと言うのであれば それはそれで自由だが、言葉どおりの意味を表すと言いたいのであれば、これを 認める訳にはいかないとも付け加えた。


7月8日(木)

ディアス・ピンタード氏の証言、11−M に使用された爆発物鑑定疑惑解決の 鍵となるか

11−Mテロ事件について毎日開かれている特別調査会議は今日で3日目を 迎えるが、本日証人として出頭する顔ぶれの中に警察機構前副参謀を務めていた ペドロ・ディアス・ピンタード氏がある。彼の証言が「一体誰がテロに使われた 爆薬がETAの常用するものと同一物、TITADINEであると言い出したのか?」 と言う事件直後から広まった疑惑を解く何らかの鍵になるのではないかと期待される。 事件当日、警察側の報告が内務省へ提出される際、最後にこの人物の手を経由して いるため、今回、彼の証言は同疑惑解決のため非常に重要視されている。
また、同時に同氏の証言は11−Mが起きる前に、いつか起こり得るイスラム系テロに対して充分と言える対策がなされていたのかどうかが評価される材料にもなり得る。
 昨日水曜日に行なわれた調査の中で何人かの証人が行なった証言によると、 事件当日の正午頃、同氏に電話があり、誰かが彼に犯行に使われたダイナマイトが 近年ETAが常用しているTIDADINEであったと伝えたとしている。 そして、前警察情報局長ヘスス・デ・ラ・モレナ氏によると、ペドロ・ディアス・ ピンタード氏がこの電話を受けたその場には、10人ばかり警察機構の要人が 居合わせ、その中には国家防衛庁事務局長、治安警備隊や警察の役職につくものが 含まれていたと言う。
 PP(事件当時の与党)の議員ハイメ・イグナシオ氏の質問に対し、ヘスス・デ・ ラ・モレナ氏は、この電話をかけてきた主については断言しなかったが、おそらく 市民安全局最高責任者であったサンティアゴ・クアドロ氏ではないかとの見解を 述べた。

サパテロ首相、ガリシア計画について再確認

サパテロ首相、サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れ同市市役所が用意した 夕食会の前に、ガリシア計画を推し進める事についての再確認を行ない、 各省内で、ガリシア地方への援助、投資についての決定が行なわれる予定であると 告げた。 同計画について、首相は、単にプレスティジ重油タンカー沈没による 災害があったからだけではなく、スペイン国内における地域別発展レベルの差を 縮める意味合いもあると述べた。
 首相は、「ガリシアの未来は明るい。タンカー沈没事件の際に見せたガリシア民達の 結束と協力の姿勢は同地方の発展を保証するものであり、この時に集まった ボランティアが見せてくれたものは、ガリシアのみならずスペイン史に刻まれた 輝ける1ページである。」と付け加えた。

スペイン政府、原子力潜水艦タイヤレス号のジブラルタル再寄港について英国へ 深い憤慨の意を表明

英国籍原子力潜水艦タイヤレス号は、以前、その任務中に故障をきたした際、 その修理を自国で行なわず植民地として領有しているジブラルタルに寄港、修理を 行なったため、スペイン国民の強い反感をかうこととなった。 今回、同じタイヤレス号が再度ジブラルタルへの寄港を行なうにあたり、スペインが 英国に中止を求めたが、英国はこれを受け入れなかったため、スペイン政府は これについて深い憤慨の意を表明。 外務大臣ベルナルディーノ・レオン氏は 在スペイン・英国大使ステファン・ライト氏を通して、「スペイン国民の意思を 全く無視した行為であり、両国間の関係にマイナスをもたらすものである」と 警告。


7月7日(水)

爆発物特別処理班、11−Mに使用された爆弾についてTITADINEであったと 言う発言は一度も行なっていないと証言

昨日の11−Mテロ調査委員会で行なわれた複数の証人出頭及び証言の中で、 TEDAX(スペイン警察機構内において爆発物処理目的のために特別組織されて いるグループ)の責任者サンチェス・マンサーノ氏は、テロがあった3月11日、 同組織よりテロに使われた爆発物がTITADINE(ETAが過去に何度か使用 している爆薬)であったと言う発言も報告も一切行なっていないと証言した。  当時内務大臣を務めていたアンヘル・アセベス氏は、この日、警察当局からの 報告を受けたあと、13:30に行なわれた記者会見の中で、テロに使われた爆発物 がTITADINEであった事、更に、これがETAが常用する爆発物である所から 紛れも無くこのテロがETAによるものであると断言している。
 サンチェス・マンサーノ氏の証言によると、資料となり得る爆発物の残骸が 初めて警察の手に届いたのが3月11日の12:30で、同残骸調査後、最初の 見解が出されたのが14時頃であった。 そしてこの時に出された、テロに 使用された爆発物特定に関する見解と言うのは、恐らくダイナマイトの一種で あろうと言うもので、それが特にTITADINE であったとも、GOMA2 で あったとも、その種類については一切触れられていなかった。

サパテロ首相、軍の派遣は「議会での承認が必要」と法改正の必要性を提示

アフガニスタンやハイチへの更なる軍派遣について議会内における賛成派が多数を 占める中、サパテロ首相はスペイン軍の外国への派遣については、常に議会の 承認が必要とされるべきであるとし、法改正の必要性と、改正実現に向けての 政府の積極的姿勢を表明した。

スペイン赤十字、140周年を迎え、運営資金とボランティアの増強が不可欠

1864年、戦争による負傷者を助けるための団体がスペインに発足した。 それから140年経った今、スペイン赤十字は世界180カ国に活動拠点を持ち およそ1億人のボランティアが働く組織の構成メンバーとして活躍している。 近年では、その活動の範囲も広がり自然環境保護、移民援助、麻薬中毒患者看護など にも力を入れており、スペイン国内には約148000人のボランティアと 627000人の会員が、最も必要としている人々にこれらの援助が行き渡るように 働きつづけている。  スペイン赤十字副会長 ヘスス・モラ氏は言う。 「今後の最も大きな課題が、運営資金不足とボランティア不足問題の解消であり、 これらの解決がなくては、何も出来ない。」


7月6日(火)

11−Mテロ調査委員会でアルカラ・デ・エナレス在住のテロリスト目撃証人の 証言が始まる

アルカラ・デ・エナレス在住のルイス・ガルド氏は、3月11日にあった列車爆破 テロにかかわる人物を目撃したとして、同テロ調査委員会で初の証言が始まった。 同氏はテロの標的となった列車が発車したアルカラ・デ・エナレス駅の傍にある マンションの門番を務めており、その日の朝、特に寒くもないのに マフラーと帽子で顔を覆った3人組がワゴン車から降りるのを目撃している。 その後、同氏の通報により、このワゴン車が発見され、最初の手がかりとなった。 今回の証言を行なうにあたり同氏の顔が公表されることはないが、出頭証言は全て 公開される予定。

ヤコフレフ墜落事故の19遺族がADN鑑定を行なう意思を表明

ヤコフレフでスペイン軍を輸送していた機体が墜落した事故の遺族の中で 遺体確認のためのDNA鑑定が未だ行なわれていなかった19家族の身内について 鑑定が行なわれる。 事故当初、満足な遺体確認がなされていなかった事実が発覚した後、遺族の要望に より徐々にDNA鑑定が進められているが、現在まだ同鑑定が終わっていないのが 23家族残っている。

内務省、服役を終えたテロ組織ETAメンバーに対しバスク大学での修学を許可

内務省管轄の内赦局は服役を終えたETAのメンバーの修学について、 通信教育大学システムで学べない学科についてのみ、その修学をバスク大学において 行なう事が出来るよう同大学との合意を推し進める方針。 また、同局局長であるメルセーデス・ガジソ女史は、同様の合意をスペイン国内の 他の大学とも進めていく旨を発表した。

治安警備隊、イスラム系テロに備えて夏の特別警戒態勢に入る

治安警備隊は夏のバカンスの期間、特に多数の人が集まる場所での警備強化や 要所要所におけるコントロールの強化などを含めたテロに対する特別警戒を開始 した。 これは一般的な夏休みシーズンが終了する9月末まで続けられる。


7月5日(月)

第36回社会労働党大会幕を閉じる

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏は新しく選ばれた党幹部達に2008年以降 も政治を執り続けようと呼びかけ、また過去4年間の彼らの実績を改めて評価しつつ 大会の幕を閉じた。 今大会ではサパテロ氏が95%以上の票を獲得して再度、 同党の総書記長としてその任を更新、更に96%以上の賛成票によって新たな 幹部組織が選出された。 

勧業省とマドリッド市役所が共同で「11−M」の碑を建設

本日、勧業省、マドリッド市役所、RENFE(スペイン国鉄)らが、 3月11日のテロ被害者を偲ぶ記念碑のデザインと建設についての計画書に サインを交わす予定。 同記念碑は最も被害規模が大きかったアトーチャ駅の前に 置かれる予定。

バスク大学の教授、テロを恐れて授業を放棄

バスク大学で教える教授の中で、テロ組織ETAの脅迫を受けているものや バスク国民主義に賛同しないメンバーが、同大学で教えるのを拒否し始めている。 理由はETAメンバーで服役を終えた生徒が同大学での修学に戻ってくると言う 可能性が出てきたからである。ETAメンバーの同大学への再修学については バスク自治政府がスペイン中央政府に求めたもの。

スペイン検察庁、対イスラム派テロ対策において合衆国との協力体制

イスラム派テロ、アルカエダの活動に対して協力するため、共同で特別対策 グループを設置する計画が、11−S,11−Mと言う共に最悪のテロ被害に あったアメリカ合衆国、スペインの両国間で検討されている。 検察庁筋の発表によると、現在、国家裁判所最高検事であるエドゥアルド・フンガイリーニョ氏が作り上げた 提案書の内容を両国ともに目下検討中とのこと。


7月2日(金)

6月統計で失業者数28015名減。5ヶ月続けて失業者数は下降線を辿る

労働省調べによると、6月に雇用管理斡旋局(職安所)へ失業届を提出した人口が 28015名と前月比較1.69%減となり、現時点での失業者数は1626134名と なっている。今年2月より5ヶ月間にわたって減少を続けている失業者数は、 7590人の減少しかみられなかった前年度の同時期に比べるとそれを上回るものと なっている。また、失業者の中で、雇用管理斡旋局に登録した人の数は1.59%増の 25462名となった。
6月にはサービス業(15930人・1.67%減)、生産業(7619人・3.04%減)、 建設業(7497人・4.1%減)の3部門においてそれぞれ減少が見られた。 また男女別に見ると、男性が22438人(3.38%)減、女性が5577人( 0.56%)減となっている。

ほとんど全ての政党がアフガニスタンとハイチへの軍隊派遣に賛同

バスク国民党とバスク民族主義政党EAなど一部の政党をのぞいて、国会における ほとんど全ての政党がアフガニスタンとハイチへの軍隊派遣に賛成の意を表した。 また、PPを除く全ての政党が、こう言った国際的な問題について議会内全政党 への情報提供と意見交換を行なおうとする与党の姿勢を評価した。

夏のバカンス第1ラッシュ対策、本日午後始動

夏の休暇シーズン恒例、特別交通安全対策が、このバカンス最初のラッシュに 合わせて本日午後3時より実施される。 週末に合わせて7月からのバカンスに 入る人々、およそ700万台の車による大移動が予想され、同特別対策は4日の 日曜日まで続く。


7月1日(木)

今年初めての熱波による死者

気温が上昇し、厚生省がマドリッド、シウダ・レアル、アルメリア、アルバセテ、セビジャの5県で高気温注意報のレベル1を発令した昨日、シウダ・レアル県アルガマシージャ・デ・カラトラバで48歳の男性が自転車に乗っていたところ、亡くなった。この男性の直接の死因は持病の悪化による心臓発作だが、病院関係者によると、運ばれたときは意識不明で体温が42度と熱中症の症状を示していたという。
昨年、熱波により高齢者を中心に大量の死者が出たことで、PSOE新政権は気温の上昇による被害を防ぐため、3段階で注意報を出すシステムを導入した。この注意報が初めて発令された昨日は、注意報レベル1(今後5日のうち2日以上の最高気温と最低気温が平均を上回る)が出され、これによりすべての保健施設に対し、患者の大量流入に備えるよう勧告が行われ、伝染病監視サービスの活動と、住民登録所での熱波の影響のデータ収集が開始される。昨年はこの対応が遅れたため、熱波による死者数の発表が10月までずれ込む結果となっている。
労働社会問題省のほか、各自治州も熱波救護電話サービスを提供しているが、熱中症の予防には、各自が準備することが大切で、厚生省では水分をたくさん取る、最も気温が上がる時間には運動をしないなどのメッセージを盛り込んだポスターとパンフレットの配布を始めた。

セビジャ3日連続停電

電力の過剰消費のためセビジャで2日連続停電になったのを受け、昨日、Endesa社は緊急対応特別プランの始動を発表した。しかし、この発表後、セビジャはまたしても停電。グラナダの一部でも停電が起こったのと合わせて53,205戸に被害が出た。Endesa社は、電力消費量が当初の予想を多きく上回ったことを認めている。
スペインでの電気消費量が36,800メガワット、アンダルシアでも6,440メガワットと再び記録更新となった昨日、アンダルシア州政府はEndesa社の電力供給網の改良不備を指摘、同社に対し“本当の投資”を行うよう勧告した。しかしながら、同社はアンダルシア州における電力供給網の改良のため、1999年から2003年の間に10.357億ユーロを投資していることを明らかにし、今後4年間でさらに13.04億ユーロを投資すると発表、停電の原因は電力供給網不備ではないとしている。
昨日、アンダルシア州とEndesa社の会合により、新たな停電を避けるための緊急対応プランの基本ラインが決定、具体な内容は同社が詰めることになっている。アンダルシア州は同社に対し、今後15日以内に州電力供給網の点検を行い故障の可能性が高い場所を把握するよう要求、Endesa社も病院などの停電の影響が深刻な施設と配電施設に変電・発電装置を設置、またお客様相談室も補強し、顧客からの要求に対応することを決めている。

離婚した妻を路上で殺害後、自殺

昨日の午前11時頃、ナバラ県エステジャの隣村アヤギで、メルセデス・ガルデアノ・グレアさんが友人とスーパーマーケットに向かう途中、スーパーからおよそ300Mの場所で、元夫カルロス・ガルデアノ・スダイレ容疑者(67歳)の車が行く手を塞いだ。容疑者は車から降り、手にした12口径の猟銃でメルセデスさんに2度発砲した。目撃者の話では、その後容疑者は一旦車に戻ったが1、2分後に再び車を降り、車の横で同じ猟銃を自分の頭に向け引き金を引いたという。
カルロス容疑者からの家庭内暴力に対して、メルセデスさんから警察への通報は1度も行われていなかったが、これについて子供達は父親が「警察に通報すれば殺す」とメルセデスさんを脅していたためと供述。メルセデスさんは離婚後息子の家に住んでいたが、元夫の復讐を恐れ、1人で外に出ることを避けていたという。カルロス容疑者に対しては離婚後、月300ユーロの扶養費支払いが命じられていたが、未払いが続いており、先月パンプローナ裁判所が容疑者の銀行口座の6000ユーロを凍結したばかりだった。
昨日の事件により、今年に入って夫、恋人、元夫、元恋人の手により命を奪われた女性の数は32人となった。




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