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8月31日(火)

フラガ氏、州知事立候補の可能性を示唆

今年の11月で82歳になるマヌエル・フラガ・ガリシア州知事は、昨日自党(PP)が分裂せず、さらなる前進を続けるために、自分が5期連続でガリシア州知事候補に立つ“準備”ができてなければいけない義務を感じていると述べた。この発言により、フラガ氏は後継者を巡るPPガリシア支部の内紛を少なくとも10月の党大会までは休戦状態に持ち込んだ上、後継者を知事自らが選ぶための時間稼ぎも可能にした。最終的に知事が立候補しない場合のフラガ氏の後継者として有力視されているのは、ショセ・マヌエル・バレイロ州環境局長、アルベルト・ヌニェス・フェイジョー州土地政策・公共工事・住宅局長で、後者には当初アナ・パストール女史を後継者に考えていたマドリッド本部からの後押しがある。
ガリシア州知事選挙は2005年に行われる予定で、州知事は「不測のできごとが起こらない限り選挙の前倒しはありえない」と言明している。

仏独三者会議、9月13日開催へ

エウロパ・プレス通信社が明らかにしたところによると、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、来月13日、首相官邸で非公式の晩餐会を開き、シラク大統領、シュレーダー首相と国際問題について話し合うという。関係者筋の話では、この晩餐会はパリ-ベルリン-マドリッド枢軸を築くためではなく、あくまでも現在フランス、ドイツがイギリスと行っているような3ヶ国会議を今後定期的に開いていくことが目的であるという。
この晩餐会は、9月に首相が行う一連の国際活動の一環で、首相は8日にはチュニジアを訪問。7月にモロッコとアルジェリアを訪問したのに続き、北アフリカ地域とヨーロッパの関係を深め、不法滞在移民問題、 麻薬密売問題、イスラム主義テロ問題の解決への協力関係促進を狙う。また、15日にはバーレーンのイッサ・ビン・サルマン・アル・ハリファ国王、16日にはジャン・クロード・ユンカー首相が訪西するほか、19日から21日にかけて首相はニューヨーク国連本部で開かれる総会に出席、20日には国連、ブラジル、チリ、フランス、スペインが構成する“反飢餓クインテット”の1メンバーとして、初めての国連演説を行う。

スト中放置自動車の盗難すべてには保険金払わず

保険会社組合Unespaは昨日、レッカー車のストにより路肩に放置された結果車上荒らしにあった自動車のうち、全損害カバー保険に入っていなかった被害者には保険金を支払わない旨を通知した。
7月27日からパイス・バスコ州で始まったレッカー業者のストにより、事故車、故障車の持ち主は車両を路肩に放置することを余儀なくされ、このため放置車両の多くがラジオからモーターまで、車上荒らしに遭い、パイス・バスコ州だけで少なくとも7人が逮捕されている。しかし、保険会社は今のところ、全損害カバーの保険に入っていた顧客に対してのみ保険金を支払う意向。それ以外の顧客は、保険金受け取りのためには裁判所に訴えなければならず、裁判所がこの費用を払うべきは、保険会社なのか、レッカー会社なのかを決めることとなる。また、自分の保険会社が契約している以外のレッカー業者を頼んだ顧客に対しては、領収書の提示により、保険会社が返金を行うという。
今月26日、Unespaのピラール・ゴンサレス・デ・フルトス代表との会談後、経済省保険局長リカルド・ロサノ氏は、「保険会社はいくつかの例外を除いて、被害者に寛大な措置を取る意志がある」と発表しており、今回のUnespaの決定は、この発言と異なる形となっている。


8月30日(月)

レッカー業者スト一旦終結

金曜日の午後8時から6時間にわたって交渉が行われた結果、保険会社と道路救援サービス会社が合意に達し、11自治州とアンダルシアの8県を巻き込んだレッカー車ストは一旦終結した。合意により、両者の代表者により評議会が作られ、今後1ヶ月の間に現状の調査と今後の対応についての話し合いが行われれることと、夜間(午後8時から午前8時まで)、土日祝日に特別料金が適用されることが決まり、最初の会議が明日行われることになっている。また、あさっての会議では1台あたりの撤去コストの算出を依頼する中立的立場の機関が決定される予定。
法律により自由競争が擁護されており、道路救援サービス会社すべてに同じ料金を適用することはできない。このため、新料金の設定と適用時の決定は各会社が保険会社と行うことになっているが、道路救援サービス会社側では、この交渉に進展が見られない場合は、再びストを行う用意があると述べている。
DGT(交通総合局)が昨夜発表したところによると、スト終結後ただちに、DGTの管轄州内(パイス・バスコ、カタルニャ州除く)で高速道路で路肩に放置されていた事故車、故障車833台すべてが撤去され、夏休みのUターンラッシュを目前にして、放置車による事故、渋滞は回避されたという。

24時間以内に放火とみられる2件の山火事(ウエルバ)

昨日の午後3時半ごろウエルバ県エル・カンピニージョで出火した山火事により、200人が避難した。消火活動には消防士139人、消防飛行機、ヘリコプター18機、重機8台がアンダルシア州政府、環境省から出動、今日午前8時過ぎ、火災はコントロール下に入った。
また前日土曜日にはエル・カンピニージョから19キロのカラニャスでも山火事が発生し、2400ヘクタールが焼失している。2つの現場が近いことに加え、カラニャス、エル・カンピニージョとも出火時刻が15時頃であること、複数の火元から出火していること、数週間前から何度か放火を試みた後が付近で見つかっていることから同一犯による放火の疑いがもたれており、治安警備隊が捜査を開始した。カラニャスから25キロのリオティントでは先月末、放火による山火事で2.8万ヘクタールが焼けている。

オリンピック閉幕

第28回オリンピック・アテネ大会が閉幕。スペインは、土曜日に男子マウンテンバイク・クロスカントリーでホセ・アントニオ・エルミダ選手が銀メダル、男子カヌー・カナディアンシングル500Mで前日の金メダルに続きダビ・カル選手が銀メダルを獲得し、1992年のバルセロナ大会の22個に続くメダル獲得数19個(金3、銀11、銅5)という成績に終わった。


8月27日(金)

レッカー業者スト解決交渉に政府が介入

レッカー業者がストに入っているため、スペインのほぼ全土で事故車、故障車の撤去ができない状態が続いている中、政府は昨日、保険会社と道路救援サービス会社に問題解決のための交渉の座に着くよう要求した。これを受けて昨日はまずDGT(交通総合局)、続いて経済省で4時間にわたる話し合いが行われ、道路救援サービス会社は「話し合いに進展があり、両者の立場が近づいた。こちらが提示した条件が受け入れられれば明日にでもストは解決するだろう。」と話した。
ストには昨日、カナリアス州、クエンカ県、グアダラハラ県、ウエルバ県も参加し、ストが行われている15自治州の道路にはすでに800台以上の車が放置されている。保険会社は、放置した自家用車が盗難、破損などの被害を受けた人々に対し、賠償金を支払うことを発表している。

エンシエロで3人負傷、うち1人は重傷(マドリッド)

マドリッド州サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス市で開催されているエンシエロ3日目の今日は、20代の若者3人が牛の角により負傷、うち1人は頭部に“深刻な”外傷を負ったほか、臀部を角で突かれ、救急ヘリコプターでドセ・デ・オクトゥブレ病院に運ばれたが重傷。残り2人のうち1人は大腿を、もう1人は臀部を角で突かれ、いずれもラ・パス病院に運ばれた。
今日のエンシエロはハエンのアラウス・デ・ロブレス牧場の牛が走ったが、うち2頭が闘牛場に到着後、カジェホンに入りこみ、闘牛場はパニックとなった。この3人の負傷者のほか、およそ3000人が参加した今日のエンシエロでは合計21人が負傷している。

オリンピックの結果:

ヨット:セーリング49er級で、イケル・マルティネス-シャビ・フェルナンデス組が優勝。
カヌー:男子カナディアンシングル1000M決勝で、ダビ・カル選手がスペインにとって3つ目となる金メダルを獲得した。
陸上:男子走り幅跳び決勝で、1ヶ月前にスペイン国籍を取得したばかりのキューバ出身、ジョアン・リノ・マルティネス選手が記録8.32メートルで銅メダルを獲得。スペインにおける走り幅跳びの第一人者であるヤゴ・ラメラ選手は7.98メートルで11位に終わった。
女子バスケットボール:5-6位決定戦でチェコと対戦したスペインは、予選で接戦により勝利したチェコに対し68-79という揮わない結果で負け、6位が確定した。
男子バスケットボール:予選リーグをグループ1位(全勝)で通過したスペインだったが、準々決勝でアメリカと対戦し、94−102で敗退した。このため、スペインは明日、7-8位決定戦で中国と対戦することとなった。


8月26日(木)

政府によるレッカー業者スト緊急対策案

昨日の交渉決裂により、新たにガリシア、ナバラ、エクストレマドゥラの自治州でレッカー業者がストに加わることとなり、これで現在レッカー業者ストが行われているのは11州とアンダルシア州内8県のうちの4県となった。間近に迫るUターンラッシュを控え、政府はフェルナンデス・デ・ラ・ベガ副首相をまとめ役とし、内務省、勧業省、行政省、経済省の4つの省庁が協力してあたる対策案を作成した。
すでに政府は治安警備隊の8000人の交通課隊員に対し、撤去されていない車により危険のある道路上の地点を示すよう命じたほか、最悪の事態には、市町村役場、消防署のレッカー車を使って車両の撤去を行う予定。しかし、この撤去はあくまでも道路上からの撤去にすぎず、最終的には事故車、故障車の運転手が修理工場まで車を運ぶ手配を行わなければならない点では、レッカー業者が約束している最低限のサービスと同じ。消費者センターでは、修理工場まで運ぶ方法が見つからない場合は治安警備隊または地方警察に連絡するよう勧めている。

この夏最多となる310人の密入国者を1日で逮捕

火曜日の午後7時半から水曜日の午後8時までの間にアルメリア、グラナダ、カディスで265人、カナリアス諸島で45人が密入国を企て逮捕された。
現在PSOE(社労党)政府はスペインに不法居住・労働している外国人に対し、居住・労働の合法化を行う特別措置の準備を進めているが、今回大量に密入国者が逮捕されたことにより、最大野党PP(国民党)はこれが呼び水となって今回の大量密入国を呼んだと政府を非難している。

Diez Minutos誌、首相に謝罪

週刊誌“Diez Minutos”は今日、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相とソンソーレス・エスピノサ夫人に対し、夫妻の2人の娘ラウラちゃん、アルバちゃん(それぞれ8歳と10歳)の顔がはっきり判る写真を掲載した“ミス”について謝罪する内容の文を掲載した。
Diez Minutos誌は先週号に首相一家の夏休みの様子についての4ページにわたるレポートを掲載。この中の一家が船に乗っている2枚の写真で首相の娘2人の顔がはっきり写っており、8月23日に首相夫妻は同誌に対し、写真掲載により“不快感”を受けたことを編集長に伝えたほか、再び未成年者のプライバシー保護を尊重しない事態が起こった場合は法的手段に訴えることを通告していた。
これに関し同誌は顔の判別できる未成年者の写真については、両親の承諾がない限り顔がわからない処置を常に施してきたが、今回は未成年者のプライバシー保護のための内部チェックにミスがあったことを認め、謝罪。問題の写真はただちに同誌のインターネットサイト上から外され、オリジナルの写真にも修正が加えられたという。

オリンピックの結果

ビーチバレー:男子決勝でスペインのボスマ-エレラ組は強豪のブラジル、リカルド-エマヌエル組に勝てず。2-0で敗れたが、銀メダルを獲得した。
自転車:男子ケイリン決勝でホセ・アントニオ・エスクデロ選手が銀メダルを獲得。
馬術:馬場馬術個人でベアトリス・フェレル-サラ選手が銅メダル獲得。ラファエル・ソト選手も4位に入賞した。これでスペインのメダル獲得総数は14個となった。
男子ホッケー:準決勝に進出したスペインはオーストラリアと対戦。3-6で敗退したため、銅メダル獲得をかけて明日ドイツと試合を行う。
女子バスケットボール:スペインは、リバウンドで圧倒的な強さを誇ったブラジルに準々決勝で63-67で敗れた。
水球:スペインはセルビアに5-7で敗れ、準々決勝敗退。
シンクロナイズドスイミング:銅メダルが期待されていたデュオ、メングアル-ティラドス組だったが、僅差でアメリカに3位を譲った。この競技での審判の判定には出場国の多くが納得しておらず、スペインは書面で苦情申し立てを行う予定。フランス、ブラジル、日本がこれに参加する可能性もある。
陸上:男子800M一次予選でアントニオ・レイナが、110Mハードル走2次予選でフェリペ・ビバンコス選手が準決勝進出を決めた。


8月25日(水)

レッカー業者賃金交渉決裂、さらに6自治州でストへ

7月27日からパイス・バスコ州で、先週末からアストゥリアス州で始まっているレッカー業者のストが今日からマドリッド、カタルニャ、バレンシア、アラゴン、ラ・リオハ、カスティジャ・イ・レオンの6自治州とセビジャ、カディス、グラナダ、ハエンのアンダルシア州内4県に広がっている。これは、保険会社と道路救援サービス会社が昨日、4時間にわたる話し合いの後、交渉決裂との結論に達したためで、これにより夏期休暇Uターンラッシュを前にスペインの80%のレッカー車がストに入ることとなる。また、ガリシア、エクストレマドゥラ、ムルシア、カンタブリア州の道路救援サービス会社も今日、保険会社との交渉を行う予定。
道路救援サービス会社は、金額交渉の情報源として、勧業相の輸送賃金監視局のほか、アリカンテ大学に依頼した計算書も使用。「我々は公平な情報に基づいて値上げを要求しているのに、保険会社側がこれを理解しないのは、納得できない。」と道路救援サービス会社関係者の1人は語った。アリカンテ大学の調査によると、レッカー撤去にかかる経費をまかなうためには、業者は44〜56ユーロの支払いを受けなければならないとされているが、現在車1台をレッカー車で撤去するごとに道路救援サービス会社が受け取るのは25ユーロ。
道路救援サービス会社は、事故防止のために道路上の事故者を撤去することには同意しているが、修理工場まで運ぶことも、その場で修理することも拒否している。

国費ボディガードをケースごとに見直し

スペイン内務省では、現在ETAによる脅迫を受けているため、国家警察によるボディガード、または警備会社のボディガードを国費でつけているおよそ5000人の現状について1件ずつ調査を進めている。
今回の見直しは現状の改善と合理化のためで、6月に内務省が作成したテロリスト危険度マップに基づいて進められる。これにより、テロリストによる脅迫の度合いが小さくなっている人物に対しては、警備を弱め、逆に高くなっている人の警備を強化する予定で、ボディガード交替システムを見直す、スペイン他地方への旅行にボディガードをつけない、イベントによりボディガードをつける必要があるかを評価しなおす、などの点から見直しを行うが、いずれにせよ、脅迫されている人々がボディガードなしでいることをいつでも誰かが報告できる状態にあるナバラ州、パイス・バスコ州内においては、これまでのどおりの警備体制を保つという。
ボディガードを必要としている人々はパイス・バスコ州だけで、ジャーナリストから政治家までほぼ1200人にのぼり、この警備費用は中央政府とバスク政府で負担されているほか、内務省だけでスペインその他地域で4000人の警備費用を負担している。

オリンピックの結果:

自転車:男子ポイントレース決勝で、ジョアン・ジャネラス選手が銀メダルを獲得。これでスペインの獲得メダル数はシドニーと並ぶ11となった。
男子ハンドボール:2度の延長とペナルティゴールの末、スペインは準々決勝でドイツに32-30で敗れた。
陸上:男子3000M障害走は1位から4位までを黒人選手が占めたが、5位にスペインのルイス・ミゲル・マルティン・ベルラナス選手が入賞した。また男子走り幅跳びではヤゴ・ラメラ選手、キューバ出身スペイン人のジョアン・リノ・マルティネス選手が予選を通過した。
水泳:ジェマ・メングアル-パオラ・ティラドス組は女子デュエットフリー競技を終え、4位で決勝進出。


8月24日(火)

50万人以上の不法居住者が居住合法化の可能性

政府がスペインに一定期間以上不法居住・就労している移民に居住・就労許可を与える特別措置を適用する意向であるとのコンスエロ・ルミ・政府移民問題担当官の談話が昨日エル・パイス紙に掲載されたが、UGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)の試算によると、この特別措置の対象となる不法労働者の数はおよそ50万から80万人になるという。2003年のINE(国立統計局)の調べによると、スペインには現在250万人以上の移民が居住しており、このうち社会保険加入者は150万人以下。
労働組合は「初めて移民問題が治安問題ではなく、労働問題であると認識された」と今回の政府の決定を評価、政府に対し、今後の詳細の調整会議に経営者組合、労働組合も召集するよう呼びかけた。政府は、この特別措置を適用する会社に対しては、これまで雇用契約なしに移民を雇ってきたことに対する懲罰を行わない方針。労働組合では、今回の特別措置は不法居住者の居住状況改善だけでなく、ブラックマネーで給与を受け、社会保険、所得税を納めない労働者が多い現状の改善にも有効であると考えている。

トレントのイマームを釈放、シリア人は拘留延長

先週の金曜日、11-Mに関与している疑いで、アブデルクリム・バグダリ容疑者とサフワン・サバグ容疑者がバレンシアで逮捕されたが、デル・オルモ担当判事はこのうちトレントでイマームを務めるバグダリ容疑者を保釈金なしで釈放し、サバグ容疑者については、72時間の拘留延長を申請した。
2人は昨日法廷に出頭し、11-Mの実行犯と見られる7人のテロリストが自爆死したアパート跡から発見されたコーランに指紋が残っていたことについての説明を行った。スペインに15年居住しているアルジェリア人のバグダリ容疑者は、デル・オルモ判事に対し、レガネスで発見されたコーランは、1997年当時刑務所に服役中だったアルジェリア人アレクヘア・ラアマリ氏に贈ったものであると説明。このアルジェリア人は、イスラム主義テロリストグループGIAに属する容疑で、バルタサ−ル・ガルソン判事により収監されていた。バグダリ容疑者自身、この1年前にバレンシア州内のイスラム主義組織とのつながりを疑われ逮捕されている。また、逮捕時、自宅から15000ユーロが見つかった件については、バグダリ容疑者は建設業労働者斡旋業も営んでおり、従業員への支払いのために2日前に引き出したものだと説明。法廷での証言後、デル・オルモ判事はバグダリ容疑者が常に連絡の取れる住所と電話番号を提出するという条件のもと、保釈金なしでのの釈放を命じた。
一方のシリア人サバグ容疑者は、昨日3時間にわたり中央管区裁判所で尋問を受けた。アルカラ・デ・エナレスで発見された乗用車から発見された手帳に同容疑者の携帯電話と店舗の電話番号が残っていた理由については、アルジェリア人ラアマリ氏に教えたものであると供述。車内からは依然身元不明の7人目の自爆者のものと一致するDNAが発見されており、サバグ容疑者の供述から、7人目の自爆者がこのアルジェリア人である可能性が強くなった。

オリンピックの結果

体操:男子個人種目別跳馬決勝でスペインのヘルバシオ・デフェ−ル選手がスペインにとって今大会初となる金メダルを獲得。また女子も個人種目別ゆか決勝で16歳のパトリシア・モレノ選手が銅メダル獲得の健闘を見せた。
自転車:男子団体追い抜き3位決定戦でスペインチーム(カルロス・カスタニョ、アシエル・マエストゥ、カルロス・トレント、セルジ・エスコバル)はドイツに勝利、銅メダルを獲得し、スペインのメダル獲得数はシドニー大会での獲得数11に並ぶまであと1つとなった。
陸上:シドニー大会にはナイジェリア選手として出場し、銀メダルを獲得していたものの、女子ハードル100M準決勝にスペイン人選手として出場したグローリー・アロシエ選手は6位に終わり、決勝進出はならなかったほか、シドニーで銅メダルを獲得したマリア・バスコ選手は、女子20キロ競歩で7位に終わった。


8月23日(月)

サンヘンホとバイオナでテロ、3人が軽傷

これまでアストゥリアスとカンタブリアでETAが起こしたのと同様の、破壊力の小さな爆弾によるテロが土曜日午後1時ごろ、ポンテベドラ県のバイオナとサンヘンホで起きた。12時20分には、バスク地方紙Gara社あてにETAの名により予告電話があった。
爆発があったのは、サンヘンホの王立海洋クラブとバイオナの港で、まず最初にサンヘンホのガラスゴミ収集用コンテナで午後1時に爆発があり、その5分後、バイオナ港にあったゴミが爆発、爆発時刻は予告どおりで、警察では時限爆破装置を使ったものと見ている。
この爆発により、バイオナで爆弾の捜索を行っていた治安警備隊員1人が爆風により鼓膜に穴が開く怪我を負ったほか、サンヘンホでも2人が軽傷を負った。爆発の規模は小さく、コンテナの底が破れる程度だったという。
スペイン経済の主要動力源である観光業を標的にしたETAのテロはこれまでは地中海岸をねらったものであったが、今年は8月に入ってからリバデセジャ、サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ、サンタンデール、ヒホン、ジャネスで小さな爆弾によるテロが起きており、今回ガリシアで2件のテロが新たに起きたことにより、ETAの標的が北部にも広がっていることがはっきりした。アロンソ内務大臣は国民に対し、冷静になり、警察、治安警備隊の仕事に信用を置くよう呼びかけ、政府はETAの脅迫には屈しないことを改めて強調した。

300人ほどの若者が教会と倉庫を占拠(パンプロ−ナ)

先週の月曜日、10年以上にわたってガステチャ(青年会館)として使われていた建物の取り壊しのため、市役所の命令により強制立ち退きが行われて以来、パンプロ−ナ市内では警官隊との衝突で50人以上の若者が逮捕される事態となっているが、立ち退きに反対する若者のグループは土曜日にデモを行った後、2001年から使用されていないヘスス・イ・マリア教会の扉をこじあけ、この建物の占拠を始めた。また、別の不法占拠者たちのグループは、バスク民族主義政党HBが非合法政党と見なされるまでの間、この政党の事務所として使用されていた元マテサ社の倉庫を占拠。現在のところどちらの場所も目立った騒動は起きていないが、周囲には警官隊が待機しており、緊張した状態が続いている。
パンプロ−ナ市役所の市民安全担当官エラディオ・エスペレタ氏によると、土曜日から不法占拠者の活動支持のため、各地から支援者が駆けつけ、市役所側との緊張を高めようとしているというが、エスペレタ氏は、「市役所は、この挑発に乗るつもりはない」と明言した。市役所は今日会議を開いて今後の対策を練る予定。教会を占拠している若者たちは、各町内に1つの青年会館を作るのが彼らの意図であると説明、地域の住民たちは、彼らの運動を支持している。

週末のオリンピックの結果:

テニス:マルティネス-ルアノ組は決勝で中国の李-孫組に敗退し、銀メダル獲得にとどまった。
自転車:男子個人追い抜きでセルジ・エスコバル選手が銅メダル獲得。チームスプリントは7位。
馬術:男女区別なし馬場馬術でスペインチームが銀メダル。
ヨット:男子セーリングフィン級でラファエル・トルヒジョ選手、女子470級でナタリア・ビア-ドゥフレスネ-サンドラ・アソン組がそれぞれ銀メダルを獲得。
この週末のスペイン勢の活躍により、新たに銀4つ、銅1つのメダルが加わり、スペインのメダル獲得数は銀6、銅1となっている。

ビーチバレー:ハビエル・ボスマ-パブロ・エレラ組がカナダのチャイルド-ヘッセ組に勝ち、準決勝進出。
陸上男子:1500Mレジェス・エステベス選手が決勝進出、男子3000M障害ではエリセオ・マルティン、ルイス・ミゲル・マルティン・ベルタナス、アントニオ・ダビ・ヒメネス選手が決勝進出。また女子100M障害は、グローリー・アロシエ選手が決勝進出、女子棒高跳びでも、ダナ・セルバンテス、ナロア・アギレ選手が決勝進出を決めている。
ボート:女子シングルスカル決勝でヌリア・ドミンゲス選手が6位。
水泳:女子 4×100mメドレーリレー決勝でスペインは7位。
女子マラソン:スペイン人選手最高位はマリア・アベル選手(2時間40分13秒)で26位。
女子バスケットボール:スペインは64-61で韓国に勝利。
男子ハンドボール:クロアチアに30-22で敗れたスペインは予選リーグすべての試合を終了し、Aグループ2位で準決勝に進出。明日、ドイツと対戦する。
男子体操:種目別ゆか決勝でヘルバシオ・デフェ−ル選手は4位。シドニーに続きゆか競技でのメダル獲得を逃した。また、種目別あん馬決勝では、ビクトル・カノ選手が5位入賞。
水球:スペインはドイツに11-5で敗退。
ホッケー:男子はパキスタンに4-0で勝利。女子はニュージーランドに2-3で敗れ現在4戦全敗。


8月20日(金)

500人のアフリカ人を乗せ密入国を企てた船を逮捕

スペイン、シエラ・レオネ、ギニア共和国の協力により、シエラ・レオネのフリータウンで密入国に使われる予定だった古い貨物船が逮捕された。船長の話によると、目的地はカナリアス諸島で、国際法に従って救助されることを見越し、船はスペイン海域に入れば放置される予定だったという。
1966年進水のこの貨物船はガーナ船籍で、1996年から1998年の間は、シエラ・レオネ首都フリータウンに食糧、医薬品などの人道的支援物資を運ぶ船だった。その後この船をマフィアが買取、密入国手引きように船内を改造したと見られる。この船の船倉にはサハラ周辺諸国からの500人あまりの密入国希望者が乗せられる予定で、1人あたり1500〜2000ユーロを支払っていたという。
スペイン警察関係者の話では、モロッコでの警備が厳しくなったため、密入国者の出航地がギニア湾まで南下の傾向にあり、マフィアは経済状態のよくない国で整備状態の悪い船を買い、アフリカからの密入国者をカナリアス諸島まで運んでいるという。

行方不明になったモロッコ人サッカー選手6人を捜索

モロッコプロサッカー1部リーグチームのタンジェは昨日、アリカンテ県ロハレスの治安警備隊に6人の選手が行方不明になっていると届け出た。最初に選手がいなくなったのは先週の土曜日で、続いて火曜日にはアリカンテ市内での買い物と観光を行ったが、1時間の自由時間が終わった後も、5人の選手が合宿所となっているホテルに戻らなかった。
同チームは今週、バレンシア州内のチームとシーズン前の親善試合を数試合行うために来西している。パスポートはチーム用団体パスポートで、滞在許可も日曜まで。6人の選手はスペイン滞在に必要な書類を携帯していない。チームでは、選手たちが“自身の意志で”戻ることを期待しているが、現在、すべての可能性について捜査が行われているが、捜査関係者は、選手たちがこのスペイン遠征を利用してモロッコを脱出した可能性が強いと述べている。

4日間にわたる警察対不法占拠者の戦い(パンプロ−ナ)

パンプロ−ナ市内サン・アグスティン通りの旧フロントン(壁にボールを打ちつける競技)競技場エウスカル・ハイ内にあるガステチャ(青年会館)の取り壊しのため、警察が立ち退き作業を開始した月曜から、警察と若者の衝突が続いている。これまでに逮捕されたのは60人以上。若者は火炎瓶、意志、ロケット花火などで警官隊を攻撃、50以上のゴミコンテナが焼かれ、ショーウィンドーが壊され、ATM1台が焼かれるなどの被害が出たほか、6人が重傷を負って病院に運ばれた。
不法占拠者が立ち退かされた建物は、警察の監視のもと取り壊しが開始され、付近の道路は一般車両通行止め。住民は、自宅への出入りの際、身分証の提示を行わなければならない。度重なる衝突のため、商店、バル、レストランにも影響が出ている。パンプロ−ナ市役所とナバラ州政府によると、同州内には、プロ化した不法占拠者の組織が存在しており、逮捕者60人のうちパンプロ−ナ出身者は16人で、4人が外国人、残りはスペインの様々な土地の出身者だったという。市議会野党は事前の話し合いと準備が不適切でなかったために起きた衝突であるとしている。
1909年に建てられたこの建物は、フロントン競技場と3階建てのビルからなり、所有会社は1978年に営業をやめていたが、1994年から若者が不法占拠し、ガステチャとして社会的文化的活動に無許可で利用、電気、水道も不法に使用していた。昨年6月、市役所が住民のための温泉施設建設のため、この土地を120万ユーロで購入、建物の老朽化、許可なしの食品販売、違法政党バタスナ関係のイベント開催などの理由により、市役所は立ち退き要求を申請。今月12日に裁判所により立ち退き命令が出されていた。

昨日と今日のオリンピックの結果:

20キロ競歩:期待に応え、パキージョ・フェルナンデス選手が銀メダルを獲得。これでスペインの獲得したメダルは2つとなった。
水泳:女子800M予選、エリカ・ビジャエシハ選手が7位で予選通過。また、女子100M×4メドレーリレーも予選2組4位で決勝進出を決めた。男子50M自由形予選はエドゥアルド・ロレンテ選手が予選落ち、ハビエル・ノリエガ選手が準決勝進出。
男子バスケットボール:スペインはイタリアに71-63で勝利。第4Qでようやくエンジンのかかったスペインチームは、このクォーターでつけた12点の差が効いての勝利。Aグループ唯一の無敗チームとして1位のスペインは、同グループ3位のセルビア・モンテネグロ、4位のニュージーランドとの対戦を残しているが、メダルの期待は高まるばかり。
男子ホッケー:イギリスに5-1で勝ったスペインは1勝2引き分けでAグループ3位。明日グループ2位のパキスタンと対戦し、23日には最下位のエジプトと対戦する。
テニス:スペイン人男子選手で唯一勝ち残っていたカルロス・モヤ選手がチリのニコラス・マッス選手にストレート負け。残るは女子ダブルスのマルティネス-ルアノ組のみとなった。
水球:オーストラリアに8-4で勝利。現在グループ4位のスペインは予選通過への望みをつないだ。残るは、3位のドイツ、6位のエジプトとの対戦。
体操:女子個人総合で18歳のエレナ・ゴメス選手が8位入賞。この競技でスペイン人として歴代最高の成績を収めた。
柔道:前回世界選手権で3位だったエステル・サン・ミゲル選手は女子78キロ級一回戦敗退。


8月19日(木)

レッカー車が賃上げ要求デモ

バスク州内でレッカー業者組合が、保険会社に対し賃金引き上げを要求し、7月27日にストに入ってから3000台以上の事故車が州内の道路の路肩に放置されている。放置された車からは、カーステレオ、タイヤ、モーターまでが盗まれる事件も起こっており、これまでに警察は7人を現行犯で逮捕している。事故または故障により車を放置せざるを得ない場合には、車内に物を残さず、また、車上荒らしがカギをこじ開けたり、窓ガラスを割ったりするのを防ぐため、ロックはしないで出るよう呼びかけられているが、問題解決のため、在ビスカヤ中央政府副駐在員ミゲル・アンヘル・フェルナンデス氏は、路肩の車を撤去する作業を軍隊に昨日申請した。
また、昨日の午前中は、ビルバオ近郊道路でレッカー車が抗議デモを行った。バスク州のレッカー車に加え、他の自治州からも応援が駆けつけた結果、およそ400台のレッカー車が道路の一レーンを占拠し、一列縦隊でクラクションを鳴らしながら行進した。明日は、マドリッドで保険会社組合と6自治州のレッカー業者組合がマドリッドで値上げ交渉を行うが、この交渉の結果によっては、カンタブリア、カスティジャ・イ・レオン、アストゥリアス、ラ・リオハ、カタルニャ、バレンシアでもパイス・バスコと同様の事態が起こる可能性がある。

アルカラ−メコ刑務所所長を更迭

バネスト事件で有罪の判決を受けた元頭取マリオ・コンデ被告に対し、服役先の刑務所長が同被告に特別な待遇を取っていたことが発覚、これによりへスス・カルボ所長が免職処分を受けた。
同刑務所所長を12年間務めたカルボ氏の更迭は、昨日の午後内務省刑務局メルセデス・ガジソ局長によって決定された。局長が数日前に受けた報告により、2003年から2004年の間他の服役者より有利な待遇を受けていることがわかり、同被告の過去18ヶ月にわたる面会についての詳しい報告書の作成が命じられた。この結果、通常、服役者は月に1回、1時間半の範囲で家族の面会を午前中に受けているにもかかわらず、コンデ被告は平均月6回、ほぼ毎回3時間以上、しかも午後に面会を受けていることがわかった。この結果、内務省はカルボ氏の免職を決定し、アリカンテ県トレビエハで夏期休暇中のカルボ氏に電話で通達した。
エル・パイス紙の電話インタビューに対し、カルボ氏はコンデ被告を特別待遇したことはないと否定、「アルカラ-メコ刑務所では信頼がおけると見なされた服役者に対してはコンデ被告と同様の措置が取られており、現在も40〜50人の服役者がこの扱いを受けている。この措置は私が所長に就任する以前から取られていたので、この刑務所ではこういうシステムになっているものだと思っていたが、違ったようだ。」とコメントした。コンデ被告は、全国管区裁判所の判決が最高裁判所により10年引き上げられ、横領、詐欺、偽造の罪で懲役20年の刑により2002年7月29日より同刑務所で服役中。

昨日のオリンピックの結果:

水泳:女子200M×4リレー、スペインチームは6位の結果に終わったものの、スペイン記録を1秒以上縮める8分2秒11の新記録を樹立した。
男子ハンドボール:ロシアを29-26で破ったスペインチームは現在Aグループ1位で、2試合を残し、決勝リーグ進出が確定。残り試合対戦相手は、全勝でグループ2位のクロアチアと全敗でグループ最下位のスロベニア。
女子バスケットボール:ニュージーランドに91-57で快勝したスペインチームはBチーム2位で、決勝リーグ進出が確定。明日はグループ1位のアメリカ(全勝)と対戦、最後の試合は、韓国(全敗)と対戦する。
体操:男子個人総合で20歳のラファエル・マルティネス選手が5位に入賞。史上初めてこの競技で10位以内に入ったスペイン人となった。
柔道:女子70キロ級ヨーロッパチャンピオン、セシリア・アロンソ選手が敗者復活戦で敗退。今日は78キロ級でエステル・サン・ミゲル選手、明日は男子100キロ超級でアイタミ・ルアノ選手が戦う。昨日は男子90キロ級でダビ・アラルサ選手も1回戦敗退している。
射撃:女子ダブルトラップ競技に参加した、現在のところ今大会唯一のスペイン人メダリストマリア・キンタナル選手は13位に終わった。
テニス:フェリシアーノ・ロペス選手、トミー・ロブレド選手共に敗退。スペイン人男子選手は、クロアチアのイボ・カルロビッチ選手に4-6、7-6、6-4で勝利したカルロス・モヤ選手を残すのみとなった。
アーチェリー:メダルが期待されていたアルムデナ・ガジャルド選手は、準々決勝に進めず。
女子ホッケー:中国に3-0で敗れたため、準決勝進出は不可能となった。
陸上競技:砲丸投げでのメダルが期待されていたマヌエル・マルティネス選手は4位となり、これまでにスペインが獲得したメダルは依然として銀メダル1つ。


8月18日(水)

カステホンで治安警備隊員2人を殺害した男の写真を公表

内務省は、昨日、6月9日にナバラ県カステホンで治安警備隊員に発砲、殺害した容疑者として、ある銀行強盗の写真を公表した。この銀行強盗の氏名は不明で、1992年から少なくとも地中海岸を中心に20以上の銀行を襲っているほか、3人を殺し、4人を負傷させた疑いがもたれているが、これまで1度も逮捕されたことがない。
これまでこの強盗については、指紋も発見されておらず、銀行の防犯カメラがとらえた映像が残っているのみ。手口はプロで、失敗がなく、必要とみれば容赦なく発砲する。かつらとつけひげで変装しており、1回の強盗の後は6ヶ月ほどの沈黙を守る傾向がある。
6月9日カステホンで不審車を止めようとした治安警備隊員2人が銃撃され死亡した事件で、捜査員がこの銃撃に使われたサブマシンガンが2000年5月10日に警官1人が死亡、3人が負傷した銀行強盗事件に使用されたものと同じ銃であることを突き止めており、治安警備隊では、6月の事件の捜査に進展がないことから、今回、防犯ビデオに写ったこの容疑者の写真公開に踏み切った。男は身長180センチ程度、がっしりした体格で年齢は40〜45歳。写真の公開と同時に、情報提供用の通話料無料の電話番号も発表されている。

グラナダの民家で11-Mテロリストの指紋を検出

11-M実行犯がグラナダに借りていた民家から採取された指紋が2人のテロリストとその他身元不明の3人の指紋に相当することが判明した。この民家はグラナダ県アルボロテにあるもので、携帯電話の利用記録から、11−M実行犯の1人が偽のパスポートで1ヶ月の契約で借り、もう1人が保証人となっていたことがわかっている。
この民家から採取された指紋は8つだったが、うち2つは不完全だったため身元確認に使えなかったが、うち3つはジャマル・アーミダン“エル・チノ”、アシュリフ・リファアト・アノウアル(いずれも4月3日にレガネスのアジトで自爆死)のものと一致、残り3つは警察の過去の逮捕者指紋データにも、自爆テロリストたちの指紋にも一致しなかった。この民家は、テロ実行後、しばらく身を隠し、その後さらなるテロを実行するための隠れ家として使用するため借りられた可能性が考えられているが、テロリストたちが3月11日以降隠れ住んだのは、3月8日に1ヶ月の契約で借りたマドリッド州レガネス市のマンションで、このマンションは4月3日、警察特殊部隊によって包囲され、テロリストたちは自爆死している。

昨日のオリンピックの結果

水泳:スペイン代表選手で決勝進出を果たしたのは、ニーナ・ジバネフスカヤ選手(女子100M背泳ぎ)のみで、男子100M自由形のエドゥアルド・ロレンテ選手、男子100M背泳ぎのアシュウィン・ウィルデボーエル選手、男子200M自由形のオラフ・ウィルデボーエル選手、女子200Mバタフライのマリア・ペラエス選手、女子400M自由形のエリカ・ビジャエシハ選手、アランチャ・ラモス選手、女子200Mバタフライのロセル・ビベス選手、女子100Mリレーの残りすべてが決勝進出を果たせなかった。メダルラッシュとなった今年マドリッドで開かれた欧州選手権同様の成績が出せなかった原因として、スペイン選手の精神面での成熟さの不足が指摘されている。
男子バスケット・ボール:アルゼンチンと対戦しtスペインは、87-76で勝利、Aグループ唯一の全勝チームとしてグループ首位に立った。次の試合は19日に行われる対イタリア戦。
水球:前回イタリアに勝利し、準決勝進出への期待を高めていたスペインだったが、ギリシャに8-5で敗北。これによりグループB6チーム中5位となり、準決勝進出のためには、今後の対オーストラリア、ドイツ、エジプトの全試合で勝つことが必要となった。次の試合相手は2戦2勝のドイツ。
女子ハンドボール:スペインチームはフランスに27-20で敗れ、現在Bグループ最下位。
女子体操:床運動でエレナ・ゴメス選手のメダル獲得はならなかったが、団体競技で、シドニー五輪と同じ5位と健闘。
男子テニス:フアン・カルロス・フェレロ選手が世界ランキング22位のマーディ・フィッシュ選手(アメリカ)に敗れる波乱。フェリシアーノ・ロペス選手は、ロシアのマラット・サフィン選手を破り、次の試合ではフランスのセバスティアン・グロスジャン選手と対戦する。カルロス・モヤ選手、トミー・ロブレド選手もそれぞれ勝利し、第三ラウンドに進出を決めている。


8月17日(火)

ポンテベドラ県での山火事42件の犯人を逮捕

治安警備隊は土曜日、7月後半に起きた42件の山火事の犯人として、ポンテベドラ県サルバテラ・ド・ミーニョで、40歳の男性を逮捕した。治安警備隊自然保護舞台がガリシア州政府森林局と共同で放火魔の手口について綿密に行った操作が今回の逮捕に結びついた。サルバテラ・ド・ミーニョではこの数ヶ月山火事が続いており、7月後半になってこの数が急増していた。
一方、バレンシアのカルデロナ山脈での山火事は、セラ、ナケラ、セガル、アルバラ・デルス・タロンジェルスにまたがる716ヘクタールを焼いて土曜日に消し止められた。ウエルバでは日曜日に出火した山火事により、カラニャス、コルテラサルで草地、潅木、ユーカリ林が焼失した。また、エクストレマドゥラ州政府がこの夏の山火事による焼失面積を公式発表。それによると、同州では9400ヘクタールが焼けたと言う。

調停離婚成立まで2ヶ月に

9月の閣僚会議に提出すべく、現在法務省で民法改正原案が練られており、現在最短で1年かかっている調停離婚成立は、この改正が行われれば2ヶ月を要するのみとなる。昨年裁判所では、79423件の別居(うち67.6%は双方合意)、47319件の離婚(うち59.5%は双方合意)の申請があったが、この法改正により、裁判所の負担が軽くなることも見込まれている。
ルイス・ロペス・ゲラ法務書記官の話によると、最終調整段階に入っている原案では離婚の必要条件としての別居の義務付けを廃止する予定だと言う。 しかし、これはあくまでも離婚成立の条件としての別居を廃止するものであり、婚姻破綻としてカトリック教会で唯一認められている別居を望む夫婦は、離婚ではなく別居を申請することもできる。
現行民法では離婚を申請したい場合は、不貞、アルコール中毒など具体的な申請理由を示すか、別居することにより、現実には婚姻関係が存在しない事実を示すことが必要でその場合はまず別居の申請をおこない、その後、最低1年間継続して別居したあと、離婚を申請することが出来る。しかし法改正後は別居のプロセスなしに直接離婚の申請ができることになり、調停離婚の場合は申請後最長2ヶ月で成立することになるほか、離婚申請の理由の提示についても、「夫婦の少なくとも片方が婚姻生活を継続したくない場合に、婚姻の破綻はどちらのせいであるかを示す必要はない」とし、廃止する考え。協議離婚の場合についても、成立までに6ヶ月以内を見込んでいる。

これまでのオリンピックの結果

射撃:マリア・キンタナル選手がクレートラップで銀メダルを獲得。スペインにとってはこれが今大会初のメダルとなる。
水泳:メダルが期待されたニーナ・ジバネフスカヤ選手は昨日出場した100Mは背泳ぎで5位に終わった。
ハンドボール:スペインは31−23でアイスランドに勝利。
テニス:スウェーデンのトマス・エンクピスト選手(世界ランキング54位)と対戦したカルロス・モジャ選手は7−6、6−7、9−7で辛勝。トミー・ロブレド選手もアルジェリアのラミネ・オウハブ選手を6−3,6−4で下して第2ラウンド進出を決めたが、女子シングルはアランチャ・サンチェス、コンチータ・マルティネス、マギ・セルナ、アナベル・メディナ、マリア・アントニアの代表全選手が1回戦で退廃した。 女子ダブルスのマルティネス・ルアノ組はハンガリーのマンドゥラ・ナギ組みに6−4,6−0で勝利している。
柔道:ヨーロッパチャンピオンのイサベル・フェルナンデス選手(57キロ級)、キヨシ・ウエマツ選手(73キロ級)共にメダル獲得ならず。キヨシ・ウエマツ選手は初戦で敗退。フェルナンデス選手も敗者復活戦での巻き返しならず、ケンジ・ウエマツ、オスカル・ペニャ選手に続き、5位の結果に終わった。
バスケットボール:女子チームは1試合目の対チェコ戦に続き、2試合目の対中国戦も勝利。この試合、アマヤ・バルデモロ選手が30得点をあげる活躍。男子チームも1試合目の対中国戦で快勝。
バドミントン:セルヒオ・ジョピス選手が1回戦で敗退。
卓球:スペイン唯一の代表選手であるヘ・シーウェン選手は2回戦で敗退。


8月13日(金)

今日からオリンピック開幕

今夜からオリンピック競技が再び発祥の地ギリシャで行われる。スペインからは328人の選手(今大会参加選手数第5位)が参加、開会式では柔道のイサベル・フェルナンデス選手が旗手を務める。昨日は、クリスティーナ王女、イニャキ・ウルダンガリン夫妻、ソフィア王妃によりアテネのカサ・デ・エスパーニャで壮行会が開かれたが、スペイン選手団の間には、メダル獲得に向けての明るいムードが漂っていた。シドニーで合計11のメダルを獲得したスペインには、今大会で15から16個のメダルが期待されている。昨日の壮行会を主催したソフィア王妃にとって、生まれ故郷のギリシャに戻るのは1998年公式訪問以来。
マドリッド市は2012年の夏季オリンピック開催をめざしており、このプロモーションのため、壮行会にはスペインオリンピック委員会、選手団以外に、ガジャルドン・マドリッド市長を始めとするマドリッドからの代表団も参加した。また、昨日は11-Mの犠牲者の追悼の意を表し、オリンピック村のスペイン国旗の下に花束が捧げられた。

ヒホンとサンタンデールで小規模テロ

昨日の午後6時頃、サンタンデールのペレダ通りと、ヒホンのサン・ロレンソ・ビーチで破壊力の弱い爆発物が爆発したが、被害者は出ていない。Gara、El Diario Montanesの2つの新聞社に1時間前に匿名の予告電話があり、ガラ社あての電話ではETAの名前が出されたという。
爆発が最初に起きたのはサンタンデール。午後6時10分、カフェテリアの建ち並ぶ人の多い通りの緑地で爆発が起きたが、「ロケット花火のような音がしただけ。」と目撃者の1人は語っている。予告電話から、警察が付近を立ち入り禁止にすべく現場に向かっている途中だったが、警察の到着は間に合わなかった。爆発したのは4キロの爆薬で、物的被害もほとんどなかった。
その10分後、今度は海水浴客と祭りの客でごった返すヒホンのサン・ロレンソ・ビーチで第2の爆発が起き、近くにいた78歳の男性が軽い怪我を負った。この爆発に関しては、予告電話の声が不鮮明であったこと、また通りの名前は知らされていたが、町の名前は明かされていなかったことから、警察が現場に出動したのは爆発してからであった。予告電話ではテロリストグループETAの名前は出されなかったが、警察ではETAの犯行とほぼ確信し、捜査を進めている。ETAは観光に対するテロのキャンペーンを宣言しており、先週土曜日にもカンタブリア県とアストゥリアス県で同様の小規模のテロを起こしたばかり。

連休で650万台の移動が予想

8月前半の休暇を終えた人々と、後半の休暇を始める人の入れ替えに加え、アンダルシア、アストゥリアス、カナリアス、カンタブリア、マドリッド、セウタ、メリジャでは聖母被昇天の振り替え休日で月曜日が祝日となるほか、15日に祭りを開く市町村も多く、これにより夜間に主要幹線道路以外での交通量が増えることが見こまれている。この週末には650万台の移動が予想されており、6警察により特別警戒体制が敷かれる。この特別警戒体制では、スピード違反と飲酒運転の取り締まりが強化して行われるという。


8月12日(木)

14時間で15人の交通事故死者

15人(うち少なくとも6人は30歳以下)が14時間のうちに交通事故で命を落とした。そのうち11人が水曜日の明け方に全国で発生した5件の事故により亡くなっている。最も被害者数の多かったのは、サモラ県ガレンデで起きた交通事故で、水曜日の午前5時半頃、県道104号線90キロの地点のカーブから飛び出し、18歳から24歳までの女性3人と男性2人が乗った車が反転、炎上。1人はフロントガラスから飛び出し死亡、3人は焼死し、運転していた男性は車が燃え始める前に脱出に成功したが、重傷。ガレンデ町役場は犠牲者の追悼のため、4日の喪に服すことを宣言した。
バルセロナ県ガバでは午前6時、トラックに乗用者が衝突し、この車に男性2人と女性1人が死亡、事故に巻き込まれた別の乗用者の運転手も重傷を負った。アラゴン州では2件の交通事故で3人が死亡、その他パレンシア県ペニャで2人、カディスで1人、バレンシア県パテルナで1人が死亡。8月1日から10日までの間に交通事故により亡くなった人の数は126人となっている。

覆面者の集団が火炎瓶投げつけ(サン・セバスティアン)

セマナ・グランデの祭りが開かれているサン・セバスティアンで昨日、午後8時頃、30人ほどの覆面をした集団がゴミコンテナに火を付け始めた。祭りの開催中とあって、周囲はたくさんの人でごった返して居たが、この集団は消防隊が消火活動にあたり、人員整理に警察が当っているところに、ロケット花火、火炎瓶で攻撃を加え、14人が火傷・打撲などの怪我を負った。うち1人は6歳の男児。
この衝突の後、州警察は旧市街をパトロール、数人に身分証明を求めデータを取ったが、逮捕者は出ていない。

治安警備隊、イスラムテロ対策に3倍の人員

191人が死亡、およそ1500人が負傷した3月11日のテロで、治安警備隊および国家警察内部での情報伝達に大きな問題があることが浮き彫りになったほか、これらの機関がイスラム主義テロに対して充分に訓練されていないことも明らかになった。
この問題解決のため、ホセ・アントニオ・アロンソ内務大臣は、CEMU(単独指揮実行委員会)、CNCA(対テロ国立コーディネートセンター)の2つの組織を結成することを決定した。CNCAは、対テロ活動の指揮にはあたらないが、テロに関するあらゆる情報の分析を24時間体制で行う。、治安警備隊は、テロ発生後に一部組織変更を行い2100人の人員を情報活動に充てており、国家警察でも情報活動に従事する人員を150人増員する計画があり、このための配置換え、名称の変更は9月から始められる予定。


8月11日(水)

ナルボナ環境大臣の国会緊急召還、却下

昨日、PPの要請により下院議会が召集された。昨日の会議では、クリスティナ・ナルボナ環境大臣がミナス・デ・リオティント(ウエルバ県)の山火事を中心にこの夏起きた山火事について、政府が取った措置についての説明を求めるための緊急召還が必要であるとするPP(国民党)に対し、その他すべての政党がこれに反対、召還要請は却下された。
会議は2時間に満たない短いものであったが、会議では、PPがガリシア州での山火事とアンダルシア州での山火事を比較、ガリシア州政府(知事はPP所属)の適切な山火事対策と消火活動に対し、アンダルシア州政府(知事はPSOE所属)は、予防にも消火にも適切な処置を行っていない上、火災後の情報開示も充分でないと批判する一方、与党PSOE(社労党)がこれに反論する形で激しい議論が続き、PSOEはナルボナ大臣は9月9日に国会環境委員会で詳細な説明を行う予定であるため、緊急召還は必要ないとし、最終的に採決を取ったところ、賛成15票、反対22票、棄権1票でナルボナ大臣の緊急召還要請は却下された。
ウエルバ県からセビジャ県にかけての27,839ヘクタールを焼き、2人が焼死したアンダルシアでの史上最大規模の山火事の犯人については、日曜日に容疑者が逮捕されており、昨日、バルベルデ・デル・カミノ裁判所第一法廷のエレナ・コントレラス判事がこのエミリオ・ペルディゴン・パンデロ容疑者の拘置を命じた。同容疑者には放火による前科はないが、麻薬中毒者で、麻薬密売と公共物破損による6つの前科がある。同容疑者は犯行を否認しているが、これまでに数人が火災発生直後に現場で同容疑者を見たと証言している。

メリジャの警備に25人を増員

日曜日の夜、およそ500人の外国人が鉄柵を乗り越え、スペイン領内に入ろうとしたことにより、治安警備隊はメリジャでの国境警備を強化するため、今日と明日、総勢25人をモロッコとの国境警備にさらに配置する。また、モロッコ側からの梯子による進入を不可能にするため、鉄柵の高さも3メートルから6メートルに上げられた。
日曜日は、スペイン側とモロッコ側で警察が進入を阻止しようとしたが、40人ほどが越境に成功している。今回の越境は計画的なもので、外国人たちは木の棒で武装、警官数人が負傷している。今回の事件は、移民の間で、モロッコと自国間での新たな送還協定が結ばれるとの噂が流れ、また密入国者一時収容施設に現在収容されている移民がスペイン本土へ送られ、施設に空きが出ることを見越して行われたと見られ、再襲撃の可能性があるため、数週間は特別警備体制が取られる予定。

内務省、ガリンド元将軍の要請を却下

内務省刑務局は、エンリケ・ロドリゲス・ガリンド・元治安警備隊将軍からの刑務第三級申請を却下した。ガリンド元将軍は現在トレド県のオカニャ刑務所に収監中ですでに5年間服役しており、所内での態度も良好である上、過去に数度心臓病により病院に運ばれたという健康上の問題もあることから、刑務所側ではこの申請を許可していた。
PSOEが最大野党であったときは、ガリンド元将軍に対し刑務第三級を与えることに賛成で、これを与えないアスナル政権を批判していたにもかかわらず、今回内務省が申請を却下したことは、関係者に驚きを与えたが、今回の決定は、この夏ETAが停戦を宣言する可能性があるためと見られている。
ガリンド元将軍は、常に無罪を主張してきているが、1986年、ラサ、サバラの2人のETAメンバーの誘拐、暗殺を命じた罪に問われている。


8月10日(火)

400人が柵を越え密入国企て(メリジャ)

月曜日午前0時前、およそ400人がメリジャとモロッコを隔てる高さ3メートルの二重柵を手製の梯子を使って乗り越え、越境を試みた。スペイン側では治安警備隊が、モロッコ側ではモロッコ警察が群集の密入国を妨げようとしたが、少なくとも10人強がスペインに入ることに成功したと見られる。この衝突により外国人5人と治安警備隊員2人が軽い怪我を負った。
関係者の話によると、スペインとの国境近く、モロッコ側のグルグ山に不法居住しているサハラ周辺諸国民400から500人が大挙して国境に押し寄せたのは日曜日午後11時半頃。スペイン領メリジャ市は3メートルの鉄柵によって囲まれ、これがモロッコとの国境となっているが、群集はあらかじめ長さ3メートル以上の手製の木の梯子を用意、およそ1キロに広がって鉄柵を乗り超えようとした。これに対し、他の地区での任務に当たっていた治安警備隊も現場に急行、およそ50人の隊員が侵入を阻止しようと努力したが、少なくとも10人程度はメリジャ市内に逃げ込んだ模様。

群集を車ではねた男、仮釈放(アストゥリアス)

カンガス・デ・オニス裁判所判事は、日曜日の明け方、祭りが開かれていたリバデセジャで橋を渡ろうとクラクションを鳴らしたにもかかわらず、群集が道を空けなかったため車をそのまま進め、30人ほどに軽傷を負わせた男ラファエル・M.F.容疑者を仮釈放した。
この事件は、日曜日午前7時前に起こったもので、同容疑者が無理に車を群集の中に進めたところ、これに怒った群衆が、この車と同容疑者、そして同乗していた女性に対し暴行を加え始めた。中には車に火をつけようとする者もいたが、治安警備隊が駆けつけ、騒ぎは沈静化した。
調べに対し、容疑者は「群集の中で車を進められなくなり不安になっていたところ、群集が車を押し始めたので怖くなって早くその場から抜け出そうとし、アクセルを“少し”踏んだ。何人かをはねたことには気がついていたが、“何としてでも”その場を出たかった。」と供述。逮捕直後の同容疑者のアルコール検査の結果は陽性だった。30人ほどの負傷者はすべて軽傷だったが、彼らの多くは容疑者を告訴している。

イスタンブールでテロ、スペイン人4人負傷

トルコ現地時間午前2時、イスタンブールのホテル2軒で爆発があり、2人が死亡、7人が負傷した。スペイン外務省の発表によると、このうち4人はスペイン人で、残りの被害者の国籍については明らかにされていない。
負傷した4人は共に旅行していた友人どうしで、うち2人は爆発後、瓦礫の下敷きとなり、1人が両足を骨折、もう1人が片足と指1本を骨折したほか、捻挫、頭に軽い切り傷を負った。別の部屋に宿泊していた残り2人は軽い打撲傷を負っている。4人は現在入院中だが、帰国続きがすでに在イスタンブールスペイン領事館により進められているという。彼らの身元については、家族からの強い要望により明らかにされていない。


8月9日(月)

スペイン地中海における観光業、危機

外国人、特に景気が不調なドイツ人観光客の減少と、地中海岸その他の国々の競争力アップにより、スペイン観光業界は、史上最低の夏を迎えている。
世界観光機関(WTO)の調べでは、今年1月から5月にかけてエジプトが前年同期比71%、トルコ53%、ブルガリア25.3%と、地中海観光でスペインと競合している国々が大幅に観光客数を増やしているのに反し、6月にスペインを訪れた外国人観光客数は前年同月比3.2%減で、この傾向はその後も続くと予測されている。これに加え2004年最初の5ヶ月で4.8%客室数が増えたにもかかわらず、宿泊者数は2.1%の増加にとどまっており、バレアレス諸島、バレンシア州では、客室を埋めるために各ホテルが過剰な値引きを余儀なくされている。
CEHAT(スペイン観光ホテル宿泊施設連合)のラモン・エスタレジャ氏によると、同組織がアンケートしたうちの50%のホテルが2004年4月から6月の間に前年同月に比べて宿泊者数を減らしている上、この夏、前年より宿泊者数が増えるとの見通しを示したホテルが19%であったのに対し、41.2%は減少すると見ているという。最も悲観的なのはカナリアス諸島のホテル業者で、53.8%が昨年より宿泊者数が減ると見ている。これは、同諸島の主要観光客であるイギリス人とドイツ人観光客が大幅に減少しているため。 また、アンダルシアとバレアレス諸島のホテル業者もおよそ半数が前年より宿泊者数が減少すると予想している。エスタレジャ氏によると、クロアチア、トルコ、エジプト、チュニジアといった他の地中海諸国で2008年までに新しくオープンするホテルにより40万床ベッドが増えるにもかかわらず、同期間に需要が増加するのは年間1〜2%と見られており、今後は競争がさらに熾烈になるという。

外国企業のスペイン投資額3年連続で減少

Eurostat(ヨーロッパ統計局)の調べによると、外国企業のスペインへの投資額は昨年40%減少し、227.05億ユーロにとどまったという。スペインへの外国企業からの投資額が減少するのはこれで3年連続。世界的に景気が停滞しており、多国籍企業が保守的戦略を取っていることに加え、スペインでの賃金が上がっていることによる。
海外からの直接投資(株式投資は除く継続的投資で、企業合併、買収を含む)は2000年から減少の一途をたどり始めたが、2003年前年比40%減という急激な減少を見せた。専門家たちは、多国籍企業が経営建て直し計画に着手し始めたが、これから3年以内に再び海外投資が強化されると見ており、スペインは東欧、北アフリカ、東南アジア、中国といった強敵と競合できるための計画を練らなければならない。スペインは、ヨーロッパ諸国との差を詰めるにしたがって、多国籍企業にとっての魅力を徐々に失っていった。「スペインの平均賃金はいまだにヨーロッパ平均以下だが、東欧とは比較にならない。投資を促す材料となる技術のレベルも“及第点”ではあるが、“高度”とは言いがたい。」とある銀行家は言う。スペインは、今後も株式、国債に加え、不動産、サービス業で外国からの投資を受けていくが、産業への投資はずっと少なくなると専門家は見ている。
しかし、外国からの投資が減っているのはEU全体での現象で、2003年EUへの外国からの投資は前年比15%減、東欧でもわずかに減少が見られており、これは多国籍企業全体に現在見られる保守的な姿勢のためだという。
外国からの投資が減る一方で、スペインが投資国への転身を図っているわけでもなく、2002年対外投資額が334.83億ユーロだったのに対し、昨年は38%減207.09億ユーロにとどまっている。

ETA沈黙を破ってテロ

テロリストグループは、土曜日、アストゥリアスとカンタブリアのリゾート地に爆弾を仕掛けることにより、停戦への期待を打ち砕いた。この爆弾による目立った被害は人的、物的にも出ていないが、ETAがスペイン経済の中心である観光を狙ったことは明らか。しかし、11−M後初めてのテロ攻撃の前に、ETAによる予告電話があり、警察ではETAが被害者を出さないために取った措置であると見ている。
爆発があったのは、カンタブリア県サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラとアストゥリアス県リバデセジャで、それぞれ200グラムと300グラムの爆薬が使われていたが、爆発は小規模で現場での目だった動揺は見られなかった。


8月6日(金)

治安警備隊情報屋の母親宅を家宅捜査

11−Mで使用された爆薬の密売にかかわった疑いで3月19日に逮捕されたモロッコ人のラファ・ゾウイエル容疑者が昨日、フアン・デル・オルモ担当判事の命により一時的にアランフェス刑務所を出され、母親宅で行われた家宅捜査に立ち会った。
捜査の結果、ビジャヌエバ・デル・プラディジョのこの家のベッドのマットレスに小規模の爆発により開いたと見られる穴が見つかった。警察では、同容疑者が入手した爆薬を試す際に、このマットレスをカバーにつかった可能性が高いと見ている。同容疑者は昨年10月、ディスコでの乱闘で刺され、病院に運ばれており、このときの治療記録から当時同容疑者が片手に火傷をしていたことがわかっているため、爆薬が試されたのは昨年9月、または10月であると見られる。現在、警察ではこれ以前の同容疑者の治療記録すべてを集め、火傷をした時期の特定にあたっている。
3月の逮捕後、同容疑者は数年前から治安警備隊の情報屋として働いており、爆薬を密売しているグループの存在についての情報も治安警備隊に渡していたとの内容の手紙を国会に送った。このため、国会11−M調査委員会では、治安警備隊隊員を証人喚問し、うち1人が2003年1月にゾウイエル容疑者から爆薬Goma2の買い手を探しているエミリオ(ホセ・エミリオ・スアレス・トラショラス被告。テロリストに爆薬を売った容疑で逮捕。)という人間がアビレスにいるとの情報を受け取ったと証言している。しかし、治安警備隊本部はこの情報からテロリストにつながる手がかりを見つけることはできず、捜査はアストゥリアス支部の手に渡ったという。

密入国者の間に疥癬流行80人を隔離(セウタ)

バングラデシュ人65人、インド人15人からなる80人の密入国者が昨日、セウタの移民一時滞在施設に移された。バングラデシュ人は現在は使用されていない倉庫に、インド人は近くの山中に暮らしていたが、劣悪な衛生状態により彼らの間に疥癬が発生。発疹が認められるのは数人だが、彼らの世話をしているイエズス会修道士たちは、疥癬の感染力の高さからほぼ全員が感染していると考えており、数週間前から人のいない早朝に、海水浴場のシャワーを使って彼らを洗っていた。イエズス会士たちは、疥癬流行について数度にわたり中央政府セウタ支部、州政府に書簡で報告し、事態の改善を求めたが、何の反応も得られなかったため、今週水曜日午後7時頃、海水浴客でごった返すビーチに彼らを連れて行き、シャワーを使わせたところ、2時間後に中央政府セウタ支部とセウタ州政府からこの80人を移民一時滞在施設に隔離収容する旨通知があった。
しかし、収容人数450人のこの施設は現在満員で、何百人もの不法入国者が街路や港で寝起きしている状態。80人受け入れのため、当局は施設の80人を安宿に移動させることを余儀なくされた。一方、施設に収容された患者80人に対しては、今後2人の専門家が治療にあたり、毎日医師の診断を受けることとなった。

刑法強化により家族による虐待の逮捕者数1万人増

内務省の発表により、今年1月から6月の6ヶ月間における家族による虐待、傷害罪の逮捕者数が16,308人と、前年同時期の2倍を上回る数であったことが明らかになった。増加の原因の1つとしては、昨年10月の刑法改正により、家庭内暴力の扱いが共犯、軽度の脅迫を除いて犯罪扱いとなったことが挙げられる。逮捕者数増加と共に、家族(夫婦、恋人に限らず)による虐待の通報件数も激増しており、昨年上半期は8,605件だったのに対し、今年は21,865件となっている。
司法権統括委員会家庭内暴力監視局代表のモンセラ・コマス女史は、逮捕者数、通報件数の増加を「女性が1人で問題を抱え込まず、勇気を出して通報するようになった」と肯定的に捕らえている。同女史によると、刑法改正に加え、逮捕者数の増加には、今年4月から接近禁止命令を守らない人間の逮捕が警官に義務づけられたことも影響しているという。今年に入って7ヶ月間で、夫、元夫、恋人または元恋人の手にかかって命を落とした女性の数は39名。うち32人は虐待の通報を行ったことがなかった。コマス女史は虐待されている女性に対し、問題の解決には通報が必要であると訴えている。


8月5日(木)

アルカラで発見された2台目の車はテロ数日後駐車の疑い

テロ発生から2ヵ月後の6月13日にアルカラ・デ・エナレス駅近くでテロリストたちが使用したと見られる2台目の自動車(スコーダ・ファビア)が見つかった件で、この車両の発見までになぜこれほど時間がかかったkについて内務省は警察の内部調査を行っていたが、この調査の結果、スコーダ・ファビアが駐車されたのは、テロから数日後である疑いが濃くなった。
42人の警官に対する事情聴取のほか、内部調査官はライトバンが発見された周辺地域の写真を詳細に調査、しかし、ライトバンの周辺でスコーダ・ファビアの形跡は一切見つからなかったという。このため警察では、2台目の車はテロ発生後もしばらくの間テロリスト達により使用されていたと考えている。この車は、テロ当日にライトバンが見つかった現場から20メートルの場所で発見されている。

Hispasat社新衛星打ち上げ

スペインのHispasat社は、昨日、カザフスタンからの新衛星の打ち上げに成功した。この衛星はラテンアメリカを中心に、ヨーロッパ、アフリカ北部もカバーし、同社は従来の衛星電話サービスに加え、ブロードバンドインターネットサービスの提供も始める予定。この衛星の寿命は15年。
昨日の現地時間午前4時32分(スペイン時間午前0時32分)、カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた衛星が軌道に乗るまで5日、予定では9月半ばにはこの衛星を使ったサービス開始となる。この衛星はアマゾン川上空3.6万キロにとどまるところから“アマソナス”と名づけられている。重さ4.5トン、長さ35メートルのソーラーパネルを備えたアマソナスは、従来の電池よりはるかに軽いリチウム電池を搭載、部品の30%はスペイン製。

内縁関係のカップル56.3万組

INE(国立統計局)が2001年の国勢調査の結果から調べ、事実上は同居して婚姻関係にありながら、婚姻届を出していないために法律上の夫婦とは認められないカップルの数が563,723組であることを政府の公式データとして初めて発表した。これは、スペイン国内におけるカップル数全体の5.9%にあたる。56万組のうち、最も多いカップルは、2人ともが独身(295,722組)で、いずれかが結婚している、またはしていたカップルが268,011組。また、内縁カップル342,159組には子供がおらず、子供がいる221,564組のうち半分以上の132,781組は一人っ子、続いて2人(66,999組)、3人(16,532組)、4人(3,844組)となっており、5人以上の子供がいるが婚姻届を出していないカップルは1,408組にとどまっている。
自治州別に見た場合、内縁カップルが最も多いのはバレアレス州(12.1%)、続いてカナリアス州(11.8%)、カタルニャ州(9.3%)、マドリッド州(8.7%)となっており、逆に最も少ないのはエクストレマドゥラ州の2.8%でこれにカスティジャ・イ・ラ・マンチャ州の3.1%が続く。
80年代半ばから内縁カップルの変遷を研究してきたヘラルド・マイル・マドリッド自治州大教授によると、スペインでは婚姻届を出さないカップルが増加し続けているものの、他のヨーロッパ諸国に比べると確率は低い方(トップのノルウェー、フィンランドはいずれも23%)だという。


8月4日(水)

エル・エヒプシオの引渡し、10月の見通し

死者191人、負傷者1500人以上を出した3月11日のマドリッドでのテロの首謀者と見られイタリアで逮捕されたラベイ・オスマン・エル・サイェッド、通称“エル・エヒプシオ(スペイン語でエジプト人の意)”容疑者の弁護人が、同容疑者の釈放命令を提訴したため、昨日、イタリアのカステッリ法務大臣が同容疑者身柄引渡し許可にサインすることはならなかった。このため、同容疑者の身柄引渡しはイタリア最高裁判所がこの提訴を棄却するまで不可能となった。
カステッリ法相がスペインのロペス・アギラル法相に電話で伝えたところによると、スペイン同様イタリアも裁判所が夏休みに入るが、イタリア側では出来る限りエル・エヒプシオ容疑者の提訴の扱いを急ぎ、10月には最高裁の判決が出るようにすると約束したという。しかし、弁護人のビビアナ・ボッシ女史は、この後、送還命令についても最高裁に提訴する旨を明らかにしており、「裁判手続きは尊重されるべきであり、政治的圧力が司法に影響を及ぼさないことを望む」と述べた。

メリジャ沖での石油試掘についてモロッコ政府に説明求める

スペイン政府は、モラティノス外務大臣を通し、モロッコ政府がオーストラリア2社、イギリス1社の石油会社に対し、メリジャ沖での石油試掘許可を与えたことについての説明を求めた。モロッコ政府が12ヶ月にわたっての試掘許可を3社に与えたのは、メリジャからアルジェリアとの国境までの地中海の6355kuにわたる範囲で、この範囲内にはメリジャ沖、チャファリナス、アルボラン両島のスペイン領が含まれる。
スペイン外務省は、回復に向かっている両国間の関係に再び亀裂が入ることを避けるため、正式な抗議の形は取らず、モロッコ政府に対し説明は求めるにとどめた。一方のモロッコ政府側も、モハメッド6世からスペインとの衝突はどんな犠牲を払ってでも避けるようにとの指示を受けているベナイサ外務大臣が、関係悪化を避けようと努力。この許可は、エネルギー省の管轄ではあるが、この件について調査を行い、スペインの国益に関わる場合は、試掘の停止もありうることを約束した。
石油の試掘許可をめぐっては、2000年にメリジャとタンジェ間海域での試掘をモロッコ政府がアメリカの石油会社に出した際に、アスナル政権がモロッコ政府に正式抗議を行っている(この試掘では原油は見つかっていない)ほか、2001年末にはフエルテベントゥラ島とランサローテ島近くでスペインの石油会社が試掘権を得た際、モロッコ政府からスペイン政府に抗議が行われている。

公立病院最後の11−M負傷者退院

3月11日マドリッドで起きた列車テロで重症を負い、グレゴリオ・マラニョン病院に入院していた24歳の男性が月曜日退院、これで、このテロにより公立病院に入院していた患者はすべて退院となった。マドリッド州政府の発表によると、社会保険医療システムで治療を受けたこのテロによる負傷者数は1570人だったという。一方、11−M被害者の会の発表によると、26歳の女性が今も重体で、マドリッドのマハダオンダ市にある私立病院に入院している模様。
191人が死亡、2062人が病院で手当てを受けたこのテロの1ヵ月後も入院していた人の数は46人。2ヵ月後にはこれが18人、3ヵ月後には9人となり、7月末から8月にかけてドセ・デ・オクトゥブレ病院、防衛省中央病院の2つの病院からも最後の入院患者が退院していた。
マドリッド州衛生局では3百万ユーロを使って、精神科医35人、心理学者15人がテロにより精神的ショックを受けた人々の精神治療に当たっているが、これまでに治療を受けた人の数は2700人以上という。


8月3日(火)

イギリス防衛相、侵略記念式典出席のためジブラルタル訪問

イギリス政府は昨日、イギリスのフーン防衛相のジブラルタル侵略300周年記念式典出席へのスペイン政府による“感情的な言葉遣い”に遺憾の意を表した。一方、スペインのモラティノス外相はイギリス政府に対し「我々が伝えるのは、このような開催されるべきでなかった式典に対するスペイン国民の感情である。」とこれに返答。
イギリス政府関係者は明日開催される300周年記念式典はジブラルタル政府主催で行われるものであり、「イギリス政府とジブラルタル住民のこれまでのつながりを考慮すれば、式典への防衛相出席は当たり前」と弁護、「ジブラルタルはイギリスの領土で、領有権については、住民の合意なしには変えられない」と締めくくった。
また、ジブラルタルのカルアナ首長は、BBCラジオでのインタビューで、「我々は1704年の戦いでイギリスが勝ったことを祝うのではなく、これまでの300年にわたるイギリスとジブラルタルの関係を祝うために式典を行うものであり、これに関係のないスペイン政府から我々がどのように行動すべきかを指図されるいわれはない。」とスペイン政府の介入についての不快感を露にしている。
ジブラルタル問題をめぐってスペインとイギリスの関係が緊張化するのは、6月のアン王女のジブラルタル訪問(別の300周年記念式典出席)、7月の原子力潜水艦タイアレスのジブラルタル寄港についで、この2ヶ月で3度目。

6ヶ月連続で失業者数減少

INEM(国立職業機関)に登録されている失業者数の数は、7月に40,959人減少、6月から比べると2.52%の減少となり、失業者総数が1,585,175人になるこtが、労働・社会問題省の発表により明らかになった。失業者数が減少するのは、今年2月以来6ヶ月連続で、前年同月は27,177人の減少だった。この12ヶ月間にINEMに失業者登録した人の数は11,680人(0.74%)増加している。
サービス業(21,482人減少)を筆頭に、7月に失業者数はすべての部門で減少しており、これに工業(3,892人)、農業(2,894人)が続く。また、男女どちらとも失業者数を減らしているが、減少数では前月比27,237人(2.77%)減の女性が、13,722人(2.14%)減の男性を上回っている。
自治州別に見た場合、失業者数は14自治州で減少。最も減少数が大きかったのはガリシア州(9,443人)で、続いてカスティジャ・イ・レオン州(6,553人)、アンダルシア州(6,486人)となっているが、逆にカタルニャでは7,908人、ナバラでは510人失業者数が増加している。
こうした流れを受けて、社会保険加入者数の数も124,216人増えて、7月末日時点で17,280,888人となり再び歴代記録を更新している。

今月8日にアフガン派遣兵増員

現在137人の兵士が派遣されているアフガニスタンのISAF(国際治安支援部隊)に540人までスペイン兵を増やす計画に基づき、今月8日、9日にスペインから兵士の一部がアフガニスタンに派遣されることが防衛省から発表された。今回派遣されるのはテント病院での任務にあたる衛生兵で、この後、ヘリコプター4機、飛行機2機も派遣されるほか、これ以外にも今年10月の選挙開催援助のため、最大500名の兵士を90日までの期間にわたってアフガニスタンに派遣することも決められている。
これらすべての兵士は3回にわけてアフガニスタンに向けて派遣される。8日、9日に出発する最初の衛生兵グループの後は、8月半ばに物資補給班が出発、選挙監視のための兵士は9月に出発の予定。


8月2日(月)

各地高速道路、この夏一番の交通量を記録

夏休みラッシュが始まったこの週末、金曜日午後3時から昨日午後12時までの交通事故死者数は31人。この数は例年より19人少なく、DGT(総合交通局)では、新しく設置したメッセージボード(“Lo importante es llegar(大切なのは到着すること)”“la velocidad puede matar(スピードの出しすぎは命取り)”など運転者向けのメッセージを表示)とスピードレーダーの増設が交通事故防止効果を上げたと見ている。
また、7月15日からアルへシラス港では特別体制が敷かれているが、これまでに84万人、20万車両が海峡を渡っている。この週末は、ジブラルタル海峡をモロッコへと渡る車の数も急増。およそ7万人のマグレブ地域(チュニジア・アルジェリア・モロッコ三国の総称)出身者がヨーロッパ各地からセウタ、またはタンジェ行きのフェリーに乗るため、アルへシラス港に集まった。タンジェ行きの船を待つ人々の待ち時間は最高6時間にもなったという。

ネルハで新たな山火事

今日午前1時50分にネルハ県で新たな山火事が発生、現場には100人強の消防士と消防車6台、飛行機、ヘリコプター10機以上が出動し、現在も消火活動が進められているが、火の勢いは収まっていない。焼失面積は現在のところ不明。
この夏、スペイン各地で山火事が発生してるが、最も被害を受けたのは、セビジャ県とウエルバ県で26000ヘクタールが焼失。またガリシア州でも山火事の被害は深刻で、オレンセ県では現在8つの山火事が焼失面積を広げている。環境省では、この火事の消火活動に充てる人員を拡大、レオン、アストゥリアス、サンティアゴ・デ・コンポステ―ラからもヘリコプター3機と消防飛行機1機が応援に駆けつけているが、この山火事による煙のため、付近の道路が一部通行止めとなっている。
一方、ムルシア県ロルカで昨日正午に出火した山火事は今日未明ほぼ鎮火したが、この火事による焼失面積はおよそ200ヘクタールと見られている。

政界の夏休み

閣僚の多くは8月の夏休みをスペインで過ごし、家族との時間と休息に充てる。今月は、各閣僚が1人ずつ交代でマドリッドに詰めることになっている。
サパテロ首相は休暇をメノルカ島マオンで、夏休み明け最初の閣僚会議前日の今月26日まで妻、娘2人と過ごす。一方、PP(国民党)のマリアノ・ラホイ書記長は、バレアレス諸島で数日間休暇を過ごした後は、妻、息子と出身地ガリシアのサンヘンホ滞在の予定。
フェルナンデス・デ・ラ・ベガ第一副首相がカタルニャ州ビラノバ・イ・ラ・ジェルトゥルで休暇を過ごす一方、ソルベス第二副首相兼経済・大蔵大臣は、ヨーロッパを旅行。カルデラ労働大臣は自身の運転で家族と中欧をドライブ旅行した後、数日をスペイン地中海岸で過ごし、その後出身地のサラマンカ県べハルに滞在、モラティノス外務大臣、サン・セグンド文部大臣はアテナへオリンピック観戦へ、サルガド厚生大臣とナルボナ環境大臣の休暇先は山、ロペス・アギラル法務大臣、セビジャ行政大臣は地中海岸で、アロンソ内務大臣とアルバレス勧業大臣はマラガ、カルボ文化大臣はコルドバに所有する別荘、エスピノサ・農業・漁業・食糧大臣はビゴで夏休みを過ごす。
IU(統一左翼)のジャマサレス代表は、2週間の夏休みを出身地オビエドで妻子と共に休暇を過ごし、マリン下院議長はアルメリア、ロホ上院議長は別荘を所有するマラガ、ルバルカバ社会党国会広報官はカンタブリア、サプラナPP国会広報官はベニドルムとバレアレス諸島で夏休みを過ごす予定。




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