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10月29日(金)

全国の知事、マドリッドに集まる

スペイン民主政初となる全国自治州知事会談が昨日マドリッドの上院で行われ、17自治州とメリジャ、セウタの自治2都市の知事全員が出席し、今後少なくとも年1回この会議を開き政治問題について話し合うこと、またこの会議での合意事項は法律に制定できることを決定した。次回の会議は来年春の予定で、全自治州の抱える社会保険システム赤字問題解決のための、財政モデルについて政府が提案を行う見通しで、この提案が議論の末承認されれば、2006年度予算にこの支出が組み込まれる。次期会議の開催先は、マラガル・カタルニャ州知事から申し出のあったバルセロナになる可能性が高い。この会議の模様を報道するために上院には史上最高の670人のジャーナリストが詰めかけた。
会談後、記者会見に応じたサパテロ首相は予定を1時間延長して3時間に及んだこの会議が“対話と尊重の空気”の中で行われたことを強調、「今日誕生したこの会議は、今後スペイン国家の統一性あり方について非常に好ましい結果をもたらしていくだろう」と述べた。また今回の会議で各自治州の間に意見の一致が見られたとし、首相は今年中に法改正により自治州のEU各機関会議への参加とEU最高裁判所への自治州からの直接提訴を可能にしたいと述べた。その他、2005年会議での議題として、すべての自治州から訴えのあった社会保険問題の他に、数自治州から提案のあった移民問題、治安問題、科学調査システムについても取り上げる予定であることを明らかにした。

中央管区裁判所テロ計画関与の疑いによりさらに13人を逮捕

サラマンカのトパス刑務所でモハメッド・アシュラフ容疑者により計画されていた中央管区裁判所テロに関与した疑いで、昨日13人のイスラム過激主義者が逮捕された。逮捕者のうち8人はマドリッド、カディス、バレンシアで、残り5人は服役中のエル・プエルト・デ・サンタ・マリア(カディス県)、ナンクラレス・デ・ラ・オカ(アラバ県)、ア・ラマ(ポンテベドラ県)の刑務所で逮捕されている。
8月28日からテロリストとしてスイスで収監されているアシュラフ容疑者がトパス刑務所で立ち上げた全国管区裁判所テロ計画関与の疑いで、2週間前にスペインではすでに18人が逮捕(うち10人はすでに収監)されているが、今回の逮捕はこの計画についてのさらなる捜査を担当判事バルタサール・ガルソン氏が進めた結果生じたもの。アシュラフ容疑者が作り上げたグループは当初判事が予想していたより広範囲に広がっており、捜査の結果、同容疑者は刑務所でイスラム教徒であり、身寄りのない貧しい者を集め、次第に彼らの思想を過激化していったことがわかっている。逮捕者のうち、すでにテロリストとしての前科を持ちGIA(武装イスラム集団)に所属していた1人を除く全員が、トパス刑務所でアシュラフ容疑者の立ち上げた過激原理主義団体に属していた。
200人以上の警官が参加した昨日の作戦では、家宅と監房の捜査が行われ、大量の書類、書簡、とアラブ語のオーディオテープ、ビデオテープが押収された。ガルソン判事は逮捕者全員に接見禁止令を出している。

アンゴラ人青年殺害容疑者に無罪の判決(マドリッド)

2002年7月20日マドリッド州南にあるアルコルコン市で当時16歳のアンゴラ人青年ンドンベレ・アウグスト・ドミンゲスさんが殺害された事件で、昨日判事は、フエルテス容疑者がンドンベレさんを刺したところを目撃した証人がおらず、証人の間での証言に食い違いがあるとし、現場でディスコInnのガードマンをしていたホセ・ダビ・フエルテス容疑者に無罪の判決を言い渡した。判決に際しては陪審員(男性5人、女性4人)全員が無罪の判断を下している。犯行に使われたとされるナイフは見つかっていない。
判決を聞いた直後、被害者の母親は泣き崩れショックで倒れ、救急車が呼ばれた。父親は判決が“不公正”であると繰り返し、「この国には正義がない」と抗議した。また、フエルテス容疑者は、人種差別による殺害の罪で同容疑者を告訴していた不寛容反対運動協会の会長に対し、侮辱と脅迫の言葉を記者の前で吐きかけた。不寛容反対運動協会、被害者の両親とも判決を不服とし、最高裁判所に上訴する用意があることを明らかにしている。


10月28日(木)

PNV党首、ETAの脅迫に応じないよう呼びかけ

昨日PNV(バスク民族党)党首ジョス・ジョン・イマス氏は、PNV本部で4ページにわたる声明文をバスク語とスペイン語で読み上げ、“革命税”を支払えばETAを経済的に支援することになり、“個人の決定を尊重する”としながらも、ETAの脅迫に屈しないよう企業家に呼びかけた。テロリスト組織に対しては“PNVを敵に回している”との警告を発した上、バタスナ党に対しても“マフィア的脅迫”に反対する声を共に上げるよう要求した。PNVがこのようにはっきりとETAを糾弾し、企業家への連帯を示す声明文を発表するのは初めて。
声明文発表の際には、記者からの質問は受け付けられなかったが、その後マスコミとの非公式の会談の席で、イマス氏はこの10日間にサン・セバスティアンとビルバオで3軒の不動産会社に爆弾が仕掛けられ、企業家に対し“革命税”を要求する脅迫の手紙の送付が続く現状では、断固としたETA糾弾の姿勢を示すことが必要であると述べた。

スペイン兵士200人がハイチに到着

ハイチでの治安維持活動と復旧作業に従事するため、スペイン人海兵隊歩兵部隊兵士200人が昨日、ハイチ第二の都市カパイシャンに到着した。首都ポルトープランスではいまだにアリスティド元大統領の支持者による銃撃戦が続いておりこの数週間で50人以上の首都が出ているが、スペイン軍の派遣先カパイシャンは比較的治安の安定した地域。
スペインからはすでに治安警備隊の隊員2人がハイチに赴き、ハイチ人警官にパトロールの仕方、警察署の運営、拷問なしに尋問を行う方法、市民からの敬意をどのようにして得るかなどの指導にあたっている。これまでにハイチには警官と軍人合わせて3000人ほどが派遣されているが、国連では決議1542条に基づいて最終的に兵士6700人と警官2400人が任務につくことを希望している。

外国人居住者から金銭受領の公務員逮捕(ハエン)

外国人居住者からの告発を受けて労働組合CCOO(労働者委員会)が警察に数ヶ月前に通報、以来調査が進められていたハエン県外国人事務所金銭受領に関与した疑いで、火曜日の午後、同事務所長J.B.S.容疑者が逮捕され、昨日法廷で供述を行った。共犯でターゲット探しを担当していたと見られるモロッコ人はすでに月曜日に逮捕されており、数時間内に法廷での供述を行う予定。逮捕の知らせを受け、政府ハエン駐在員のフェルナンド・カラオラ氏はJ.B.S.容疑者の罪状が確定するまで停職処分としたこと、また金銭受領は同容疑者が個人的に行っていたもので、ハエン県外国人事務所とは関係がないことを明らかにした。同事務所は昨日も通常どおりの業務を行っている。
事件が発覚したのは、居住許可の申請または更新の手続きを特別に早めるとの理由で金銭を払わされたとの告発が数人の外国人からCCOOに寄せられたため。捜査の結果、同容疑者が居住許可申請者には4000から6000ユーロ、更新者には3000ユーロを支払わせていたことが判明した。逮捕の決め手となったのは、警察による容疑者の電話盗聴だったと見られる。容疑者に対しては、公文書偽造、収賄、外国人人権侵害の容疑がかけられているが、勤務先の外国人事務所にさらに共犯がいる可能性が高いとして警察では引き続き捜査を進めおり、今後さらに逮捕者が出る可能性もある。


10月27日(水)

不法移民の滞在・就労合法化法案、大筋決まる

社会党政権は昨日、CEOE(スペイン経営者連合会)、UGT(労働者総同盟)、CCOO(労働者委員会)と不法移民の滞在・就労合法化を含む新しい外国人法についての合意に達した。新外国人法は来年の1月か2月頃に施行される予定で、施行から3ヶ月の間に、外国人法が定める不法滞在者を雇用していた雇用主は、罰金の対象となることなく労働者の就労許可を申請できる。申請するためには、雇用主は労働者に最低6ヶ月(農業従事者は3ヶ月)の雇用契約を与え、労働者は最低6ヶ月前から市役所に住民登録していることが条件。申請が認められた場合は、申請受理の通知から1ヶ月以内に社会保険に加入し、これにより1年間の労働許可が正式に授与される。社会保険への加入は不可欠で、特別な理由なく通知から1ヶ月以内に加入しなかった場合、申請受理の通知は無効となる。
これまでの議論の争点となっていた雇用契約期間の長さ(1年)は6ヶ月に短縮、ホテル・飲食業、建設業といった継続的に6ヶ月の雇用を得るのが難しい職業や、労働時間の短い家政婦については雇用期間に特例が設けられる。また、雇用主が労働許可取得に協力的でない場合、労働者が雇用主を告発することにより労働許可申請が行えるという条件についても削除された。
政府はこれにより、社会保険および所得税を払わない就労者の問題緩和を図ると共に、外国人労働力を必要としている分野のニーズにも応えることになるが、3ヶ月の申請期間後、外国人に対する労働許可受理条件を厳しくする方針。

イバレチェ知事、全国州知事会議出席へ

昨日の午後9時頃、バスク州知事フアン・ホセ・イバレチェ氏は、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相に、「会議の準備にサパテロ政権が用いた方法への不満を欠席により表すよりは、敬意と責任感を持って出席したい」と、明日上院で開かれる全国州知事会議に出席する旨を連絡した。
会議に先駆けて各州から代表者が出席し、すでにマドリッドで準備会議が開かれている。知事がPP選出者である各州は、会議後発表される声明文にスペインの国土の統合性を保証する文面を盛り込むよう明日の会議で提案する予定だが、昨日の準備会議でジョルディ・セビジャ行政大臣はこれについて会議の議題として正式に認めることを拒否している。

ソフィア王妃美術センターでタピエス展

昨年ベラスケス造形芸術賞を受賞したのを記念し、マドリッドのソフィア王妃芸術センターでアントニ・タピエス氏(1923年バルセロナ生まれ)の特別展“Tierras”が始まった。展覧会のタイトルが“Tierras”である理由について尋ねられたタピエス氏は「土は世界のあり様をよく表している。すべては土から始まり、土に終わる。」と述べた。同センターでは1990年と2000年にもタピエス氏の展覧会を開いているが、画家としてより知られているタピエス氏の1981年からの陶器の作品がこれだけの規模で展示されるのは初めて。会場の新館第二展示室には、陶器46点と絵画17点が展示される。
マドリッドで来年1月17日まで開催された後、この特別展はフェロールのカイシャ・ガリシア、バルセロナの陶器博物館でも開かれる予定で、この展覧会以外に、サンタンデールのマルセリーノ・ボティン財団(calle de Marcelino Sanz de Sautuloa,3)でも1950年から現在までのタピエス氏の様々な素材を使った作品70点を集めた展覧会“Antoni Tapies. Una arquitectura de lo visible”展も12月12日まで開かれる。


10月26日(火)

マドリッド州、虐待者対策のブレスレット発案

3月初頭にアギレ州知事が、接近禁止命令が出されている虐待者対策用の器具製作をコンプルテンセ大学に依頼したことを発表してから7ヶ月、昨日この器具の全容が明らかにされた。この器具は、携帯電話型の発信機(10センチ×4.5センチ、重さ120グラム)と腕時計型のブレスレットからなり、虐待者はブレスレットと発信機、被害者は発信機を常に携帯、虐待者が被害者に500M以上接近すると発信機が警報を 発する。この警報は警察で直接受信される仕組みになっており、虐待者がブレスレットを外そうとした場合にも警報を発する。虐待者は被害者に接近した場合だけでなく、ブレスレットを外そうとした場合や、発信機を携帯していない場合も、接近禁止命令を破ったのと同じ扱いを受けるという。発信機は毎日40分間の充電が必要で、虐待者の発信機のバッテリー残量がほとんどなくなった場合も警報を発する。
しかし、この発信機はGPSではなく特別な周波数のレーダーを使っているほか、警察への通報は携帯電話網を使って行われるため、被害者が地下鉄など携帯電話の電波の届かない場所にいる場合の対策が今後の課題として残っている。また、現在は500Mに設定されている、警報が発令される距離についても今後研究を続けるという。
このプロジェクト8万ユーロの予算で始められたもので、発信機2台とブレスレットのセットは1台につき700ユーロ(発信機がそれぞれ300ユーロ、残りはブレスレット)程度かかると見積もられており、特許はマドリッド州が所持している。

セラさん、ガン告白

「膀胱に癌があり、11月に手術を受けなければならない。」昨日、歌手のジョアン・マヌエル・セラさん(1943年バルセロナ生まれ)は、アメリカ、コスタリカ、ウルグアイ、メキシコ、アルゼンチンを回るツアーを中止し、11月4日以降しばらくの間、ステージから遠ざかることを発表した。癌が見つかったは1年半前で、以来治療を受けていたが思うような結果が出ないため、手術に踏み切るという。
食事制限がある以外は、特に肉体的苦痛もなく普通の生活を送っているというセラ氏は「手遅れになる前に癌が発見されたのはラッキーだった。癌を受け入れ、精神的にも安定している。人生で大切なのは自分の身に起こる出来事ではなく、どうやってそれと向き合うかだ。」と語ったセラさんは、ほぼ1年前からのスペインコンサートツアーで昨年リリースのアルバム“Serrat sinfonico”を演奏、各地のオーケストラをバックにこれまでのヒット曲を歌っている。これまで80回近くコンサートを行っており、ツアーは11月4日のジローナで終了する。


10月25日(月)

バスク州、カタルニャ州自治憲章制定25周年

バスク州自治憲章(ゲルニカ憲章)、カタルニャ州自治憲章が制定から今日で25周年を迎えるが、バスク州では、PNV(バスク民族党)、EA(バスク連盟)、IU(統一左翼)で構成されるバスク州政府が祝賀式典は一切行わず毎週火曜日の定例会を一日早めて今日開催、PP(国民党)とPSE(バスク社会党)はゲルニカで集会を開くという、ここ数年の両者の対立を浮き彫りにする25周年となった。対立が深まったのは2002年10月25日で、この日イバレチェ州知事は自治州憲章改正案について発表、昨年同日には新憲章の公式文章が州政府閣僚会議で承認された。先週金曜日には、PPとPSEが25周年を特別な形で祝うよう州議会で提案したが、この案はPNV、EA、IUと旧バタスナ党の票により否決されている。イバレチェ知事は1998年の知事就任以来、一度も自治憲章制定の日を祝ったことがない。
一方のカタルニャ州でも、2005年春の州議会承認を目指して自治憲章改正についての議論が活発に行われているが、同州では今週の水曜日に、自治憲章草案を作成した20人のカタルニャ出身議員表敬を含めた公式祝賀式典を州庁舎で行い、マラガル州知事もこれに出席する。

2004年度アストゥリアス皇太子賞授賞式

今年もアストゥリアス州オビエドのカンポアマール劇場でアストゥリアス皇太子賞の授賞式が行われた。結婚後初めての受賞式となる今年、フェリペ皇太子は「初めて妻に伴われて出席する今年の授賞式は私にとって特別な意味を持つものとなります。」と、妻となったレティシアさんへの言及から演説を始めた。授賞式にはこの他、ソフィア王妃とパルマ公爵、カルボ文化大臣、サンセグンド教育大臣、マリン下院議長、受賞者の出身地在スペイン大使も出席した。
今年の受賞者は以下のとおり:

文学賞:クラウデリオ・マグリス氏(イタリア人作家、トリエステ大学教授)
科学技術調査賞:ジューダ・フォークマン博士(アメリカ人、ハーバード大教授)、トニー・ハンター博士(イギリス人、ソーク生物学研究所)、ジョアン・マッサゲ博士(スペイン人、スローアン・カテリング記念ガン・センター細胞生物学研究室長)、バート・ボーゲルスタイン博士(アメリカ人、ジョンズ・ホプキンズ大学教授)、ロバート・ワインバーグ博士(アメリカ人、マサチューセッツ工科大学教授)の5人のガン研究者
社会科学賞:ポール・クルーグマン博士(アメリカ人経済学者、プリンストン大教授)
コミュニケーションとヒューマニティー賞:ジャン・ダニエル氏(フランス人ジャーナリスト)
国際協力賞:EUエラスムス・プログラム(EU加盟国間での大学生対象の交換留学システム)
文化賞:パコ・デ・ルシア氏(スペイン人フラメンコギタリスト)
博愛賞:カミノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼路)
スポーツ賞:ヒシャム・エルゲルージ氏(モロッコ人中距離陸上選手)

週末のスポーツの結果

F-1:今季最終戦ブラジルGP、8位から出走したフェルナンド・アロンソ選手は4位でゴール、この日優勝したフアン・パブロ・モントーヤ選手と1点差の総合成績4位で逃げ切り、今シーズンを終えた。
柔道:パリで行われた欧州選手権団体でスペイン男子が銀、女子が銅メダルを獲得した。


10月22日(金)

ボノ防衛相、Yak-42機事故調査結果を国会で報告

ホセ・ボノ防衛相は昨日、昨年5月にトルコで墜落し、62人のスペイン人兵士が犠牲となったYak-42機事故の調査結果について国会で報告した。ボノ大臣が明らかにしたところによると、ブラックボックスに重大な故障があったにもかかわらず同機が選ばれたのは、“6000ユーロを節約するため”だったという。乗組員が国際法で規定されている乗務時間を超えて23時間連続勤務していたほか、防衛省はチャーター機の検査を行わず、この飛行機の安全性を疑問視する16の訴えも無視していた。
また、犠牲者の身元確認については、3時間25分という短時間で62人の身元が調べられた結果、彼らの多くが名前の入った結婚指輪をつけていたにもかかわらずこの確認は行われず、30人の遺体の身元確認の結果が間違っていたことをボノ大臣は指摘。さらに、前防衛省高官たちが、トルコに遺体のDNAが保管されていることを意図的に遺族に隠そうとしたことについてもボノ大臣は糾弾した。
ボノ大臣は、Yak-42機のチャーター契約に関わった2人の中将を更迭することを発表、関係者すべてを対象に責任を追求していくことを約束した。一方、フェデリコ・トリジョ前防衛相はあらゆる責任を回避、議員辞職の意図もないことを言明している。

26%が義務教育終了できず

12歳から16歳までを対象としたESO(中等義務教育)を終了できない生徒の数は、引き続きEU平均(20%)を上回る26%となっている。この割合は自治州によって大きな差があり、最も高いカナリアス州が35%であるのに対し、最も低いアストゥリアス州では14%にとどまっている。これほどまでの差が出ている原因については、公共教育への投資額、1人あたりの収入、家族の教育レベルの違いなどが考えられている。
大学を含めない生徒1人あたりの公共教育への投資額は自治州により大きく異なる。最も多いパイス・バスコ州が4440ユーロを投資しているのに対し、最も少ないマドリッド、アンダルシア州では2300ユーロに達していない。全国平均は2989ユーロで、アラゴン、カンタブリア、エクストレマドゥラ州はほぼ平均額であるが、7州(カタルニャ、ムルシア、カスティジャ・ラ・マンチャ、バレアレス、ムルシアと前述2州)は平均以下。
これらのデータは、LOGSE(現行教育制度)の生みの親アルバロ・マルチェシ氏が執筆した“Que sera de nosotros, los malos alumnos”によるもので、マルチェシ氏は、「義務教育を修了できるかどうかは、生徒、両親、学校にかかっている。すべての要素が欠けていれば解決策はないが、このうちの1つでも機能していれば、中退は防げる」と述べている。

マドリッドに初めてサンティアゴ・カラトラバ氏のモニュメント設置

世界的に有名なスペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバ氏設計のモニュメントが初めてマドリッドにお目見えすることになった。昨日、マドリッド市役所により発表されたこのモニュメントは、カスティジャ広場に建てられる高さ120メートル、直径5〜6メートルのオベリスクで、背後に控えるプエルタ・エウロパより5メートル高く、トレ・エスパーニャ、トレ・ピカソに続き、マドリッドで3番目の高さ。モニュメントは2002年12月3日に300周年を迎えたカハ・マドリッドがこの記念にマドリッド市に寄贈するもの。
このオベリスクは、カラトラバ氏がブランクーシの『無限柱』にヒントを得た上で、現代性さらには未来をも表す作品で、鋼鉄製の筒を芯にし、10メートルごとにリングを設置、それぞれのリングの間に筒を囲むようにブロンズの棒をいくつも渡し、モーターでこれらのブロンズの棒を動かす。オベリスクの垂直性で男性を、動きで女性を象徴させているという。設置は2年以内の予定。


10月21日(木)

自治州知事会議、28日に開催

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、昨日書簡で、各自治州知事を10月28日上院で開催される第一回知事会議に招待した。スペイン民主主義の歴史の中で、このような形式の会議が行われるのは初めてで、会議は欧州サミットの形式を真似て非公開で行われ、議題について合意に達すれば、会議の後共同声明が発表される。会議は午前中に行われ、その後国王主催の昼食会が王宮で開かれる。
会議では社会保険医療財政問題と2月20日開催のEU憲法批准のための国民投票について主に話し合いが行われる予定だが、招待状には、EUと自治州の関係のあり方、会議のあり方についても話し合われることが記されている。また、共同声明には含められないため書簡には書かれていないが、首相は自治州知事からの憲法改正についての質問についても答える用意があるという。
書簡では、11月に開催が予定されていた会議が10月中に開かれることになった経緯について、「5月からセビジャ行政相が各州代表者と話し合って来た結果、開催を早めることが可能であることがはっきりしたため」と説明されている。しかし、昨日バスク州政府広報官のミレン・アスカラテ女史は、10月28日開催について前もって知らされていなかったため、イバレチェ知事にはフランスのビアリッツで行われるフォーラムに出席するという先約があり、出席は“難しい”と発表し、イバレチェ知事の出席についてははっきりと返答することを避けている。

カルロス・サインス選手引退

ラリー世界選手権の優勝回数記録を持つマドリッド出身のカルロス・サインス選手(42歳)が今日、今シーズン(残り2試合)限りで18年にわたる現役生活からの引退することを表明した。世界選手権の試合数を増やすこに不賛成だったサインス選手はこれまでは「状況によっては来シーズンも走るかもしれない」と述べていたものの、結局来シーズンも16試合が行われることが決定、これが引退を決意するきっかけとなった。「思い出に残るレース?」はとの質問に対し、同選手は、ゴールまで500Mの地点で棄権し、結果3度目の総合優勝を逃した1998年のイギリスラリーであると答えた。
これまでの出場ラリー数は193で、うち優勝26回、表彰台に上がったのは95回。世界選手権チャンピオンに2度輝いたほか、総合成績2位4回、3位5回の成績を残し、今シーズンも7度、表彰台に上がっている。


10月20日(水)

プラド美術館で特別展“El retrato espanol”開始

プラド美術館で今日から2月6日まで特別展“El retrato de espanol. De El Greco a Picasso”が催されるが、これに先駆けて昨日、アストゥリアス皇太子夫妻が同美術館を訪問、カルボ文化大臣、スガサ美術館長などが同行し、1時間にわたり作品を鑑賞した。この展覧会はBBVA(銀行)後援、マドリッド州協賛で、美術館中央ギャラリーと第12展示室を使って、エル・グレコ、ティツィアーノ、ベラスケス、リベラ、スルバラン、ムリリョ、ピカソなどの15世紀末から20世紀までの肖像画87作品が展示されている。一般公開は今日からで、開館15分前にはサパテロ首相も就任後初の訪問を予定している。

マスターズ・シリーズ、モデルのボールガール使用に労働省が抗議

マドリッドで現在開かれているテニスのマスターズ・シリーズ主催者が、ボール拾いに女性モデルを雇用したことについて、労働省男女同権政策書記官のソレダ・ムリジョ女史は「女性が単なる飾りとして扱われており、女性に対する差別的見方を増長させる」とし、このトーナメント主催責任者のマヌエル・サンタナ氏に女性モデルをコートから引き上げさせるよう書簡で要請した。これまでボール拾いをしてきた少年少女たちも、女性モデルの使用に抗議しているおり、朝9時から夜まで働きながら、テレビ中継が行われる重要な対戦のボール拾いはモデルが担当している上、少年少女には食事が支給されるだけであるのに対し、 ”経験がないどころか、テニスのルールも知らず、仕事ぶりは最悪”のモデルは2週間の研修期間を含めた17日間で900ユーロを稼いでいることに納得できないと述べている。
これに対し、AME(モデルエージェント協会)のフアン・ベルトラン氏は、「今回のようなスポーツイベントにふさわしい慎み深い態度でモデルは仕事をしており、我々はこれを性差別とは考えていない。今回のイベントに抗議が上がるようであれば、バスケットボールの試合での休憩中に女性ダンサーが踊ることも禁止しなければならなくなるだろう。」とコメント。マスターズ主催者側の態度もベルトラン氏と同様で、「他のスポーツイベントにも同じような形で女性モデルが働いているのに、マスターズシリーズにだけ労働省が抗議するのかわからない。選手側から不快であるとのコメントが出ているのなら別だが、現在のところ、この新しい試みへの反応は好意的である。自転車ロードレースやF1とは違い、マスターズ・シリーズでは、女性モデルはボールを拾うという仕事をしており、女性は単なる飾りとして扱われていない。」とし、女性モデルの使用を止める予定はないことを明らかにしている。

<タンザニアで交通事故、スペイン人3人が死亡、3人が負傷

昨日、タンザニア北部のアルーシャで起きた交通事故で、スペイン人3人が死亡、3人が負傷した。亡くなったのはセビジャ出身の男性2人、女性1人で、負傷者(女性2人、男性1人)の氏名は明らかにされていない。外務省によると、在タンザニアのスペイン領事がすでに現場に赴き、遺体の送還手続きを始めたという。負傷者のうち女性2人の怪我は軽く、明日にはナイロビに移送される予定だが、男性1人は重体。
事故に遭ったのは、玉ねぎと人間を乗せた軽トラックで10人が死亡、うち6人は外国人旅行者だったという。運転手が積荷の玉ねぎを盗み、制限速度をはるかに越えたスピードで運転していたのが事故の原因と見られている。セレンゲティ自然公園、キリマンジャロ、ンゴロンゴロ火口などのあるタンザニアは、アフリカ有数の観光国で、毎年世界中から多くの観光客が訪れている。

登山家シャビエル・オルマサバルさん死亡

10月13日にチョー・オユー(標高8201M)単独登頂を成功させたシャビエル・オルマサバルさんが、標高7800Mのテントで死んでいるのを調査隊の仲間が発見した。下山途中に吹雪に遭いベースキャンプに戻れなかったオルマサバルさんは、別の調査隊の残したテントまで辿り着いたものの、ここで衰弱死したと見られている。
23歳のオルマサバルさんは、この夏レーニン峰、コルジェネフスカヤ峰登頂に成功、2002年にコムニズム峰、昨年ハン・テングリ峰とポベータ峰も制覇し、旧ソビエト五大峰制覇を達成、スペイン人として初めて“雪山の豹”の称号を得ていた。


10月19日(火)

テロ計画の疑いでイスラム主義者7人を逮捕

中央管区裁判所、バルタサール・ガルソン判事の命により、アルメリア、マラガ、バレンシア、マドリッドで昨夜7人のイスラム主義者が逮捕された。捜査関係者の話では、この7人にはマドリッドの中央管区裁判所を標的にしたテロを計画していた組織に所属していた疑いが持たれているという。捜査は続行中で、警察ではさらなる家宅捜査を予定しており、逮捕者が増える可能性は大きい。
昨日逮捕された7人はスペイン合法居住のイスラム教徒で、大半は前科がある。刑務所でその他の活動家とコンタクトを取っていた疑いのほか、数人については、オーストラリアやアメリカといった外国のイスラム過激主義活動家とつながりがあったと見られている。警察が電話の盗聴により中央管区裁判所を標的としたテロを準備していることが発覚し、今回の逮捕につながったが、関係者の話ではテロはまだ計画の段階でテロ遂行に必要な物資の準備も始まっていない状態だったという。

ETAリーダー逮捕の結果、過去最高の量の武器を押収

10月3日のETAリーダー“アンツァ”逮捕後、フランス警察は隠れ家の家宅捜査を進めていたが、この結果、ETA30年の歴史の中で発見された最大の武器庫が暴かれたことが昨日発表された。フランス南部のBriscous、 Saint Pierre de Irube、Urrugneから押収されたのは、各種火器561丁、手榴弾238、臼砲30丁、バズーカ砲1町、ロシア製対空ミサイル2丁、各種火薬1300キロで、1982年に行われた捜査での押収量記録を塗り替えた。このほか、現金5.6万ユーロと48,640ドルも見つかっている。

アンゴラ人青年殺害容疑者、無罪を主張(マドリッド)

2002年7月20日、マドリッドのアルコルコン市にあるディスコ密集地帯“コスタ・ポルボランカ”で当時16歳のアンゴラ人青年が殺害された事件の容疑者、ホセ・ダビ・フエルテス・サンチェス被告(26歳)は、昨日裁判所で無罪を主張、殺害の犯人は“知り合い”で事件の2日後に自殺した男性であると主張した。
身長2m、ディスコInnのガードマンだったフエルテス被告に対しては、被害者ンドンベレ・アウグスト・ドミンゲスさんの顔と心臓を刺した罪により13年の刑が求刑されている。昨日マドリッド裁判所第六法廷で、同被告は「ディスコの入口でケンカが起きたと呼ばれ駆けつけたところ、自殺した男性と被害者がいた。2人はかなり酔っており、被害者が攻撃的だったのでビンタして『ここから立ち去れ』と言った。その後、自殺した男性が「あいつを刺してやる」と叫びながらンドンベレさんに襲いかかったので男性を引き離し、ディスコの中に戻った。ディスコに入る前に、ンドンベレさんが立って車にもたれているところは見たが、何もなかったと思った。」と証言。自殺した男性は、事件発生時、殺人未遂で服役中で、外泊許可中だった。検察官および被害者の弁護士はこの証言を信じておらず、男性の自殺をフエルテス被告が利用していると考えている。
一方、不寛容反対運動協会は、フエルテス被告が犯人であることを確信している上、この犯罪は同被告の“人種差別と外国人排斥思想”によるものであるとし、20年を求刑。さらに、自殺した男性は殺害されたとの見解を持っている。同協会が入手した検死記録によると、ピストル自殺した男性の手からは通常より少量の火薬が検出されており、銃弾の貫通経路から見ても自殺とは考えにくいとしている。


10月18日(月)

ダニ・ペドロサ選手、250CCクラス史上最年少チャンピオンに

オートバイ世界選手権オーストラリアGP決勝が行われた昨日、前日の激しい転倒に加え、レース前の調整中バイクが故障し、予備のバイクでの出場となったにもかかわらず、スペインのダニ・ペドロサ選手が4位に入賞。総合成績292ポイントとなり2位のアルゼンチン人セバスティアン・ポルト選手に36ポイント差をつけ、バレンシアでの最終戦を残し、総合優勝を確定させた。
1985年9月29日バルセロナのカステラール・デル・バレスに生まれたペドロサ選手は、これにより19歳と18日で250CCクラスの王座につき、これまでマルコ・メランディ選手が所持していた記録を塗り替えた上、昨年の125CCクラスに続いての優勝により、彼の憧れの選手であるバレンティーノ・ロッシ選手のもつ2階級制覇最年少記録も更新した。今季のペドロサ選手のこれまでの成績は、1位6回、2位5回、3位1回、4位2回で、棄権はヘレスでの1度きり。250CCでスペイン人が総合優勝を飾ったのは、1989年のシト・ポンス選手以来。

レガネスで自爆のテロリスト、7人目の身元が判明

4月にマドリッドのレガネス市のマンションで自爆死したテロリストのうち身元がわからなかった7人目の遺体は、アルジェリア人アレケマ・ラマリ容疑者のものであることが判明した。これは、アルジェリア政府の協力により入手できた同容疑者の両親の唾液のサンプルにより身元が確認されたもの。
ラマリ容疑者は1997年GIA(イスラム武装集団)に所属していた罪で逮捕され、14年の刑を宣告されていたが、最高裁判所が減刑し、2002年に出所していた。CNI(国家情報局)は、同容疑者がこの間に思想を過激化させ、テロの準備をしている可能性があるとの情報を得たが、マドリッドにいるとされていた同容疑者の居場所を突き止めるに十分な手段を持たないことから、2003年11月と2004年3月6日(テロ発生5日前)に人員の豊富な内務省に国家警察官を使っての捜索を要請。しかし、内務省はこの訴えを無視。その後、テロ発生5日後に開かれた最初の合同捜査会議の席でも、CNIはテロの背後にラマリ容疑者がいる可能性を強調し、緊急指名手配者リストの中に彼の写真を含めるよう要請したが、警察の捜査線上にはラマリ容疑者の名が挙がっていなかったため、この要請も無視。同容疑者捜索の必要性を内務省が認識したのは、4月3日にテロリスト7人が自爆死した後だった。

ルシア・エチェバリアさん第53回プラネタ賞受賞

第53回プラネタ賞最終選考の結果発表が金曜日に行われ、今年の受賞作はスペイン人女性作家ルシア・エチェバリアさんの“Un milagro en equilibrio”に決まった。最終選考に残ったのは、バレンシア出身作家フェラン・トレントさんの“La vida en el abismo”。
1966年バレンシア生まれのエチェバリアさんは、“Beatriz y los cuerpos celestes”で1998年ナダル賞も受賞しており、低迷しているスペイン文学界の新星として期待されている作家。Izar Benayasのペンネームを使って書かれた受賞作“Un milagro en equilibrio”は誕生と母性をテーマにしており、若い母親が出産したばかりの娘にあてて日記形式で手紙を書く物語。エチェバリアさんは「母性の部分については自分の自分の経験に基づいて書いたが、自伝的要素は薄く、全体の2割程度」と語っている。エチェバリアさんは受賞にあたり、涙ぐみながら「初聖体拝領以来、こんなに緊張したことはありません。」と述べた。賞金は60.1万ユーロ。

週末のスポーツの結果

ラリー:ラリー世界選手権は、コルシカ・ラリーで2位となったセバスティアン・ローブ選手がカタルニャ・ラリー、オーストラリア・ラリーを残し、総合優勝を決めた。チームメイトのスペインのカルロス・サインス選手(シトロエンチーム)は3位と4ポイント差で現在総合成績4位につけている。
テニス:ウィーン・オープンに出場していたフェリシアーノ・ロペス選手は、アルゼンチンのギジェルモ・カニャス選手を6-4、1-6、7-5、3-6、7-5で下し、ATPツアー初めての優勝を飾った。今日発表のランキング、スペイン人選手で30位以内に入っているのは、カルロス・モヤ選手(4位)、トミー・ロブレド選手(14位)、フェリシアーノ・ロペス選手(22位)、フアン・カルロス・フェレロ選手(30位)。


10月15日(金)

点数制運転免許、来年夏前に導入へ

今日の閣僚会議で道路交通法改正法案が承認されるが、この改正道路交通法では、来年夏前から点数制運転免許が導入される。点数制運転免許は、ヨーロッパではドイツ、イギリス、フランス、イタリアですでに導入されており、交通事故減少の顕著な成果が見られている。スペインでの昨年のの交通事故死者数は4032人で、政府は新免許システムにより交通事故の減少とドライバーの意識改革を期待している。
新免許システムでは、運転手は12点(免許をとったばかりの運転手と免許取り消し後再取得者は8点)からスタート。点数の更新は3年ごとで、この期間内に交通違反を犯していても、点数すべてを失っていなければ、3年後に点は12点に復活する。交通違反の種類は1回につき6点減点、4点減点、2点減点のものに分類されており、飲酒運転(吐いた息1リットル内に0.75ミリグラム以上のアルコールが検出された場合)、逆行、スピード違反(制限時速を30キロ以上越えた場合)は6点、飲酒運転(アルコールの量が0.25ミリグラム以上0.75ミリグラム未満の場合)、有効な免許証の不携帯、登録されていない車の運転、火のついた吸殻のポイ捨て、一旦停止無視は4点、運転中の携帯電話通話、シートベルトの不着用は2点の減点となる。減点によりすべての点数を失ったドライバーは、6ヵ月後に再講習を受け試験に合格すれば免許を再取得できるが、免許取り消しが2度目のドライバーは再講習まで1年待たなければならない。

ガジャルドン氏が降伏、PPマドリッド支部内紛に終止符

マドリッド市長アルベルト・ルイス-ガジャルドン市長は、自分の腹心の部下であるマヌエル・コボ副市長をPPマドリッド支部長選挙の候補から下ろすことを発表した。ピオ・ガルシア-エスクデロ現支部長が11月の支部大会で支部長に立候補しないことを表明した後、エスペランサ・アギレ・マドリッド州知事が候補に立ち、それに対抗する形でマヌエル・コボ氏も立候補してから1週間、両者の支持者は公に互いを糾弾、ついには党本部が介入するに至ったが、この内紛はルイス-ガジャルドン氏が降伏し、終結した。
ルイス-ガジャルドン氏がコボ氏の候補撤回に至ったのは、水曜日夜行われたPPマドリッド支部執行部会議において、圧倒的多数が党本部の推すアギレ女史を支持していることがはっきりしたため。土曜日、アンヘル・アセベスPP総書記長から「タダでは済まない」と警告を受けたルイス-ガジャルドン氏に対し、昨日の記者会見では今回の内紛敗北の結果がどうでるのか、2007年5月に開かれる市長選にルイス-ガジャルドン氏はPPの候補として立てるのかについての質問が出たが、これに対し同氏は今のところわからないと答えた。
一方のエスペランサ・アギレ知事は、ルイス-ガジャルドン氏の“責任感と民主主義尊重”に感謝の意を表し、マドリッド支部新執行部では「ルイス-ガジャルドンを大いに頼みにしている。」と述べ、コボ氏には寛大な措置を取ると述べている。

ETAに革命税支払いの容疑で4人の有名シェフ裁判所呼び出しの可能性

中央管区裁判所のフェルナンド・アンドレウ判事は現在、供述を取るために4人のバスク人有名シェフを裁判所に呼び出すことができるかについて検討中。これは、月曜日に逮捕されたETAメンバー、ホセ・ルイス・ベオテギ容疑者が、この4人、カルロス・アルギニャーノ、マルティン・ベラサテギ、ペドロ・スビハナ、フアン・マリア・アルザック各氏がETAに“革命税”を支払ったと供述しているため。4人のシェフが裁判所に出頭し、革命税を支払っていたことが確認された場合は、テロリストへの協力の罪に問われる可能性がある。
この供述によると、ベオテギ容疑者はこの4人に手紙で7.2万ユーロの“革命税”支払いを要求したという。これによりフアン・マリア・アルザック氏(夫人の親戚はETAメンバー)はベオテギ容疑者と接触、ペドロ・スビハナ氏とアルザック氏の名において、金額の値下げを嘆願し、両氏は最初にそれぞれ3.6万ユーロの支払い、残りの3.6万ユーロはその後毎年6000ユーロずつ支払うことになったという。ベオテギ容疑者は裁判所で、この2人はその後第一回目支払額3.6万ユーロずつをそれぞれ同容疑者に支払ったと述べているが、アルギニャーノ氏とベラサテギ氏が支払ったかどうかについては知らないと供述している。


10月14日(木)

5000の火薬庫閉鎖を提案

鉱業および火薬製造業関係者は、内務省と産業省にあて、スペイン全国にある5000の小規模火薬庫閉鎖を提案する書簡を送付した。11−Mに使用された爆薬は、アストゥリアスのコンチータ鉱山から盗まれたと見られており、政府は再発を避けるため、火薬管理者に対し、私営警備会社と契約し警備を厳重化することを要求するほか、刑法を改正し、保管、管理に不備がある者に対しては懲役刑を科す方向で話し合いを進めている。
これに対し、鉱業および火薬製造業関係者は、政府の要求は、コスト増につながる上、現在管理チェックにあたっている治安警備隊員と同質の警備は、私営警備会社の警備員からは得られないとし、鉱山の入口にあり、見張りもなく鍵が1つついている程度であることが多い小規模火薬庫(火薬の保管量は平均ダイナマイト50キロ、または起爆装置500個程度)を閉鎖し、火薬の製造および運搬は注文があるごとに行うことを提案している。提案発起団体の1つであるスペイン爆発物組合は、全国に12の工場と28の保管庫があり、工場、保管庫のいずれかは主要鉱山から40キロの地点にあるため、注文ごとの火薬配達への問題はないとしている。
11−Mについて治安警備隊員が作成した報告書でも、工場または大規模火薬保管庫からの火薬の盗難は、厳重な警備体制の上、鍵の保管が治安警備隊に任せられていることからほぼ不可能であるのに比べ、ひとけのない場所にあり施錠も一重であることがほとんどである小規模火薬庫からの火薬の盗難は容易であることが述べられている。

ピラールの連休、交通事故死者64人

DGT(交通総合局)の発表によると、先週金曜日の午後3時から12日午後12時までの交通事故発生件数は48件で、64人が命を落としたという。負傷者は重傷者が36人で、軽傷者は19人。亡くなった64人のうち、22人は17歳から30歳だった。今年の連休中に交通事故で死亡した人の数は、去年の連休より6人多い。

ハイネケン、ヨーロッパ最大の工場をセビジャに建設

昨日ハイネケン社は、100年前に建設されたクルスカンポ社のビール工場を売却し、セビジャに新たにヨーロッパ最大となる工場を建設することを発表した。現在の工場跡地19.63ヘクタールには、1962戸の住宅が建設される。
このプロジェクトに投資されるのは3.2億ユーロで、セビジャでの企業投資としては史上最高額となる。プロジェクトの発表には、エンリケ・フェルナンデス・アヤ・ハイネケン・エスパーニャ・テクニカルディレクターとアルフレド・サンチェス・モンテセイリン・セビジャ市長が出席、新たな工場は敷地面積30万uで、トレブランカ地区に建設され、新工場が軌道に乗る2008年初頭には現在より5000万リットル多い4億リットルのビールを1年間で製造するヨーロッパ最大のビール工場となる。この工場では1日ビール瓶5百万本、樽2.4万個、缶250万個以上を詰めることができ、1年間に工場で使われる大麦7.2万トンは全スペインで使用される量の20%にあたる。この工場がセビジャ県にもたらす経済効果は年間5.2億ユーロと見積もられている。


10月13日(水)

軍事パレードにアメリカ大使出席せず

毎年恒例の軍事パレードが昨日もマドリッドで行われたが、今年のパレードは、アメリカ大使とアメリカ軍のパレード不参加、青色旅団(フランコ支持者)とレクレルク旅団(共和制支持者)からの代表者出席といった話題の多いパレードとなった。
ジョージ・アージロス駐西アメリカ大使が昨日のパレードおよびその後の国王謁見に参加しなかったことは、アメリカとスペイン両国間の関係に距離が出来ていることを如実に示した。2001年には11-S犠牲者への連帯を示すため、アメリカ海兵隊がパレードへの招待され、昨年は米軍はポーランド軍、中央アメリカ軍(当時のスペイン軍とイラクで連合部隊を組織していた軍隊)と共にパレードに参加しているが、今年は参加の招待がなかった。スペイン防衛省の姿勢は、今月5日にホセ・ボノ防衛大臣が「アメリカは友好国で同盟国であるが、スペインは今後はいかなる国であろうとも外国政府の命令の前にひざまずくことはない」と明言し、その後フェリックス・サンス防衛長官がこの発言により関係悪化を防ぐためアメリカ大使館とコンタクトを取ったことにも明らかに現れている。アメリカ大使は自国軍が招待されていないパレードへの不参加は前もって表明していたが、外交官の大半が出席した国王への謁見も欠席した理由については「大使はスペイン国内にいるが、“移動の際に問題”があり、謁見に間に合うようにマドリッドに到着することができなかった」としている。昨日のパレードに参加した外国軍はイタリアとフランスだけだった。
昨日の国王による戦没者への献花には、ナチスからのパリ解放に参加したレクレルク旅団に従軍した4人の共和制支持者退役軍人、青色旅団(フランコ支持者)退役軍人のほか、ETAによるテロの遺族、11−Mの遺族、レガネスでのテロリスト自爆の際に殉職した警官夫人、ハイチで取材中に亡くなったジャーナリストの母、イラクで亡くなったCNI(国家情報機関)の諜報員遺族、Yak42機事故遺族も参加した。

ルイス-ガジャルドン氏、アセベス氏とも衝突

国家の祝日の昨日、軍事パレードの後、国王夫妻の招待によりおよそ1000人が王宮での謁見に出席した、国王夫妻、アストゥリアス皇太子夫妻、ルゴ公爵夫妻、パルマ公爵夫妻は王座の間で45分かけて招待者1人1人に挨拶した。
この席で、アルベルト・ルイス-ガジャルドン・マドリッド市長とアンヘル・アセベスPP総書記長がおよそ20分にわたり張り詰めた空気の中言葉を交わした。議論の始まりには、PP上下院広報官のエドゥアルド・サプラナ氏、ピオ・ガルシア-エスクデロ氏、党財務担当のミゲル・アリアス・カニェテ氏、前経済相ロドリゴ・ラト氏の右腕で前商務書記官のホセ・マヌエル・フェルナンデス・ノルニエジャ氏も同席していたが、議論が激化するに従って彼らは席を外し、ついにはルイス-ガジャルドン氏とアセベス氏の2人が残された。
アセベス総書記長は、ルイス-ガジャルドン氏がマドリッドPP支部長候補に腹心のマヌエル・コボ氏を立てたことに反対であることを公にしており、昨日はアギレ女史以外の候補を立てたことにより、党を混乱に陥れ、党にダメージを与えたとガジャルドン氏を非難したが、これに対し、ガジャルドン氏はこの非難を受け入れず、ガルシア-エスクデロ氏にが支部長を務めた11年間は党内に対立はなく平和であったのに、これをアギレ女史が壊したと反論。両者は互いの見解を一歩も譲らなかった。アセベス氏がもう1人の候補を立てることは認めないと主張する一方、ガジャルドン氏は、同氏の腹心の部下がアギレ氏と権力を分け合わない限り、同女史の支部長就任は拒否すると主張している。問題の渦中にいるガルシア-エスクデロ氏は、支部長選に出ないことはかなり以前から決めていたもので、支部長候補が1人になるよう働きかけると述べている。この問題については、昨日の午前中、軍事パレードの観覧席ですでにアギレ女史とガジャルドン氏の間の衝突が見られているが、アギレ氏はジャーナリストを前に、マドリッドでの支持の80%は自分が得ており、マヌエル・コボ氏を支持しているのは20%に過ぎないと強調している。

ビクトリア号、日本へ向け出帆

フアン・セバスティアン・エルカノが16世紀に初めて世界一周を達成してから5世紀、ビクトリア号のレプリカ船が昨日の午後7時、セビジャのデリシアス波止場から、2005年万博開催地愛知に向けて出帆した。ビクトリア号はパナマ運河とスエズ運河を通り18ヶ月で世界を一周する予定。船長にはバスク人の航海エキスパート、ホセ・ルイス・ウガルテ氏が就任、22人の男性乗組員は、エルカノの時代と同じ装置で航海するが、GPSシステムも搭載、船内ではインターネットの使用も可能。乗組員たちは、このプロジェクトに参加するために仕事を辞めたボランティア。航海中は、テレビ番組制作会社O Clockが乗組員に当時の衣装を着せ、16世紀にどのように航海していたかの番組を制作、その他船内では様々な調査が行われる予定。


10月12日(火)

イスパニア・デーの祝日のため、ニュースはお休みです。


10月11日(月)

アンダルシアとカナリアス諸島海岸線の警備に1.3億ユーロ投資

SIVE(対外警備完全システム)の成功により、スペイン内務省は現在ジブラルタル海峡付近にだけ設置されているこのシステムをアンダルシアすべての海岸線とカナリアス諸島、セウタにも設置することを決めた。このため今後4年間で投資されるのは1.3億ユーロ。
治安警備隊が南の国境警備に使用しているSIVEは世界唯一のシステムで、赤外線探知カメラ、温度探知カメラのレーダーを備えた海岸沿いに設置されたセンサーの基地を、コントロールセンターから捜査、そして密入国者が発見されるとコントロールセンターからの指令を受け、治安警備隊の部隊が逮捕に向かう仕組み。レーダー設置地域では、昨年同時期と比べると設置から9ヶ月間でスペインに密入国を企てたボートの数は17%減少しているほか、海上で逮捕されたボートの数は2002年の35%から今年は61%に上がったいる上、海上で発見しながらも逮捕できなかったボートの数も2002年の22%から今年は4%に大幅に減少しており、SIVE設置効果は証明済み。しかし、SIVEの設置により、密入国者のとるルートが東寄りのグラナダやアルメリアに移動していることも事実。内務省は2008年末までに投資する1.3億ユーロのうち60%をセンサー基地の設備投資に使い、40%を逮捕に必要な設備の拡大に使用する予定。

婦人警官殺し容疑者、判事の前で供述

先週火曜日、研修中の2人の婦人警官が自宅マンションで殺害された事件の唯一の容疑者で、事件当時刑務所の外泊許可を得ていたペドロ・ヒメネス容疑者(35歳)は昨日、バルセロナのロスピタル・デ・ジョブレガ裁判所第四法廷で供述、無実を主張した。ヒメネス容疑者は、殺された2人のマンション宛に送られた小包を引き取るために2人が殺害された朝、このマンションに行ったことは認めたが、小包は届いていないと言われ、すぐにその場を立ち去ったと供述、2人を殺害したことについて否認した。
昨日の午後1時に警察署から裁判所に移送されたヒメネス容疑者は午後3時45分から午後7時半までおよそ4時間にわたって供述したが、終始無罪を主張、しかし裁判所関係者によると、無罪を裏付けるいかなるアリバイも示すことはできなかったという。これまでに犯行に使われたと見られる刃渡り15センチのナイフと血のついた靴がバルセロナのレストランで発見され、警察がこれがヒメネス容疑者のものであることを認めているほか、犯行時刻直後の火曜日午前10時頃に現場から200Mの地下鉄駅の防犯カメラにヒメネス容疑者の姿が写っていることも確認されている。検察官はヒメネス容疑者に対し、殺人2件、恐喝窃盗、放火、脱獄の罪で仮釈放なしの拘置を要請、これに強姦の罪が加わるかどうかは検死の結果による。

軍事パレードにより一部の道路通行止め(マドリッド)

イスパニア・デーの明日、マドリッド市役所は345人の市警察官を動員、交通整理に当たらせる。明日行われる軍事パレードの影響が予想されているため、市民に対しては自家用車の使用はできる限り避け、公共交通機関を使うよう呼びかけられている。
マドリッド市警察は日曜日の午前4時45分から8時にかけ、コロン広場周辺を通行止めにし、予行演習を行った。明日は午前5時半からカスティジャ広場からホセ・オルテガ・イ・ガセット通りとの交差点までのカステジャーナ大通り(パセオ・デ・ラ・カステジャーナ)が通行止めとなるほか、シベレス広場からエンペラドール・カルロス5世広場までのプラド大通り(パセオ・デル・プラド)が午前7時から断続的に通行止め、午前10時45分からは完全通行止めになる。また、カステジャーナ大通りの脇道はサン・フアン・デ・ラ・クルス広場からホセ・オルテガ・イ・ガセット通りまで午前8時から通行止め、アルフォンソ12世通りは、ラ・インデペンデンシア広場からクラウディオ・モヤノ坂の区間で午前11時45分から通行止め、ヘノバ通り、ゴヤ通り(地下鉄セラノ駅からコロン駅までの区間)の通行止めは午前8時から開始される。通行止めはすべての行事が終了するまで。明日の軍事パレードには3500人の軍人と300台の車両、92機の飛行機が参加する予定。

週末のスポーツの結果:

F-1:雨のため予選と本選が同じ日に行われた日本GP、スペインのフェルナンド・アロンソ選手は11番手からのスタートとなったが、5位でフィニッシュ。総合成績で4位につけている。


10月8日(金)

婦人警官殺し容疑者を逮捕

バルセロナのロスピタル・ジョブレガのマンションで研修中の婦人警官2人が暴行を受けた後、殺害された事件で、昨日治安警備隊がジロナで容疑者のペドロ・ヒメネス・ガルシア容疑者(35歳)を逮捕した。逮捕されたのは、昨日の午後4時25分、ジロナにある半ば廃屋となった民家で、ヒメネス容疑者と一緒にいた刑務所仲間でトルコ人のムスタファ・カメル・トガン容疑者も逮捕された。ヒメネス容疑者は、逮捕に際し、抵抗、逃走を試みたという。
ヒメネス容疑者の居場所が判明した経緯については、通報があったとする説と、2人が友人であることを知っていた警察がすでにこの家を見張っていたとする説があり、はっきりしていない。身長1.57センチ、がっしりした体格のヒメネス容疑者は、16歳から強姦を始めとするいくつかの罪状により服役中で、家族とのつながりもほとんどない。逮捕された2人は今日、法廷で供述を行う予定。
この事件により、ヒメネス・ガルシア容疑者のような服役中の再犯者に外泊許可を与える基準についての再考を求める声があがっている。精神科医のハビエル・ウラ氏によると、強姦犯の42%は外泊許可中に再び同じ犯罪を起こしているという。バルセロナ州内務局長、法務局長は再考の必要性を認めているが、今は残忍な犯罪が起きた直後であるため、議論は事態が落ち着くのを待ってから始めるべきだとの考えを示した。

女性への暴力に対する法律、満場一致で下院で可決承認

昨日320票の賛成票により、満場一致で対性暴力完全保護措置法が下院で承認可決された。この法律は、配偶者、恋人、元配偶者、元恋人により虐待を受けている女性を保護し、加害者男性に対する法を重くするもので、来年1月から効力を発する。
しかし満場一致で可決されたにもかかわらず、現政権の公約が初めて実現することとなったこの法律のスピード承認については各政党から不満が上がっている。この法律はこの後上院で審議されるが、可決前にいくつかの修正が行われる可能性もある。
この法律が満場一致で承認されたことにサパテロ首相は満足の意を表し、「社会にはびこるマチスモ(男性優位主義)犯罪一掃のためにこの法律が役に立つと信じる」と述べた。

ルイス-ガジャルドン市長とアギレ知事の対立深刻化(マドリッド)

PPマドリッド支部の支配権をめぐるアルベルト・ルイス-ガジャルドン市長とエスペランサ・アギレ知事の対立は昨日、さらに深まった。アスナル前首相の提案により1993年からマドリッド支部長を務めており、ルイス-ガジャルドン市長とは友人関係にあるピオ・ガルシア-エスクデロ氏がPP上院広報官としての仕事に専任するという理由から次回立候補はしない旨を発表してから、次期マドリッド支部長の座をめぐる争いが、1年前から続いている両者の対立を表面化させた。
アギレ女史とルイス-ガジャルドン氏は話し合いのため水曜日の夜夕食を摂ったものの、幹部リストについて合意に達することはできず、ルイス-ガジャルドン氏はマドリッド支部長候補として、腹心の部下マヌエル・コボ副市長を候補に擁立、コボ氏がアギレ女史を「党員のことを考えず、すべての権力を手にしたがっている」と批判、アギレ女史が夕食の席でルイス-ガジャルドン氏から“脅し”を受けたが自分はそれには屈しないと述べる一方、ルイス-ガジャルドン氏は「アギレ女史には、別の候補者を提案したのであり、それは脅しとは呼ばない。リベラルで本部の意見に耳を貸す人間であれば対立は起こっていなかった」と述べている。
アギレ女史は先週の水曜日、立候補することを公に発表したが、彼女の支持者たちは数ヶ月前から他の州と同様、州知事が支部長を兼任する必要性を弁護してきていた。来月行われる予定のPPマドリッド支部大会では、11年の歴史の中で初めて、マドリッドのPP党員7.7万人が2人が候補者の支部長選挙投票を行う。


10月7日(木)

この夏の暑さによる死者は26人

エレナ・サルガード厚生大臣が昨日発表したところによると、熱波の襲来により141人の死者を出した昨年と比べ、今年は夏の気温があまり上がらなかったことと政府の予防策とにより、暑さが原因で亡くなった人の数は26人にとどまったという。
26人のうち半分はカナリアス州の住民で、残りはアンダルシア州が5人、カスティジャ・ラ・マンチャ州2人、エクストレマドゥラ州2人、バレアレス州1人、カスティジャ・イ・レオン州1人という結果だったという。亡くなった人の大半は高齢者で、この夏最も気温が高く警報の出た県が多かった日は7月23日だった。
発表にあたり、サルガード大臣は、現政権の予防策が功を奏したことを強調する一方で、例年より気温が高く、またその時期が長く続いた昨年、適切な処置を取らなかったとし、前政権を批判した。また、フランスで1.5万人が死亡したと発表されているにもかかわらず、昨年夏のスペインでの暑さによる死者数が150人にも満たないのはおかしいと指摘、死者数は数千人であったのではないかとの見方を示した。大臣に同席した赤十字社代表のフアン・マヌエル・スアレス氏は、昨夏の暑さによる死者数を2.2万人から3.5万人であったとの考えを述べた。

見習い婦人警官殺しの容疑者として脱獄囚の行方を捜索

一昨日、研修中だった2人の婦人警官が自宅マンションで殺害、放火された事件の容疑者として、バルセロナ州警察は現在、3日間の外泊許可が切れる昨日刑務所に戻らなかったペドロ・ヒメネス・ガルシア容疑者(35歳)の行方を追っている。同容疑者は、強姦2件(うち1件は未遂)の罪でクアトロ・カミンス刑務所に服役していた1992年4月にも6日間の外泊許可期間中に女性1人を強姦している。
ヒメネス容疑者が初めて刑務所に入ったのは16歳のときで、窃盗、強姦などの罪で刑法が定める最大服役期間の30年の刑を言い渡されている。これまで19年を刑務所で過ごしており、刑の見直しにより服役20年となる2005年には釈放される予定だった。
被害者の検死解剖は昨日から始まっているが、両者の受けている傷が多数のため、解剖は昨日一日では終わらなかった。2人はベッドに縛られ、体中を刺されていたが、2人の死因は最初に報道されたように首を切られたためではなく、絞殺の可能性が高いという。
警察では、シルビア・ノガレドさんが勤務から自宅に戻ったときは、すでにアウロラ・ロドリゲスさんは殺害されており、現場にいた犯人にノガレドさんも殺害されたとの仮説を立てている。殺害後、犯人は証拠隠滅のため現場の3ヶ所に火を放ったが、窓を開けていかなかったため室内の酸素が不足し、消防隊が駆けつけた時点では、火はほとんど消えていたという。ヒメネス容疑者が警察の容疑者リストに上った理由の一つは、現場から発見された電話の領収書に同容疑者の電話番号があったためであるが、残りの理由については警察は明らかにしていない。

ETA作戦本部、暴かれる

日曜日に行われた一斉捜査で押収された証拠により、フランス警察とスペイン治安警備隊は、家宅捜査を行った7軒の民家のうち、唯一武器も書類も見つからなかったDomezain-Berrauteの民家が2年前からETAの作戦会議の場として使われていたことを突き止めた。逮捕の際にスイッチが入っていたETA主要幹部2人の自宅のパソコンには、この家を訪れたETA幹部の名前のほか、アスナル前政権を始めとし、政党との接触のためのデータも収められていた。また、テロの対象となる人物が住む市町村の地図、標的となり得る人物のリストなども発見されており、治安警備隊は押収書類に名前が挙がっている人物に昨日から連絡を取り始めた。押収された証拠から、昨日はETAのメンバーとなることを承諾していたと見られる5人がギプスコア、ナバラの2県で逮捕されている。捜査は継続中で、今後さらに逮捕者が増えると見られる。


10月6日(水)

11−M調査委員会、サパテロ首相も証人喚問へ

国会11−M調査委員会は、アスナル前首相に続き、テロ当時は最大野党PSOE(社労党)党首であったサパテロ現首相の証人喚問も行うことを昨日の午前中の会議で決めた。しかし、2人がいつ証言するかについて具体的な日程は決まっていない。
出席した少数派政党関係者によると、PP(国民党)がアスナル前首相の次にサパテロ現首相が証言することに終始固執した一方、PSOEは両者の証言の間には少なくとも3名の証人喚問があるべきだと主張したという。これについて、パウリーノ・リベロ委員長は、解決策とし前現首相両者の間に1週間の期間を置くことを提案。最終的にPSOEは2人の間にアントニオ・ビトリーノEU法務内務委員の証言を挟むことに成功した。証人喚問の日程はアスナル氏、サパテロ首相の先約にもよるが、リベロ委員長は11月15日から20日頃になるとの見方を示している。
昨日は、新たに16人の証人を喚問することが確定した。このうち、マリアーノ・デ・シマンカス欧州警察長官、ヒス・デ・ブリースEU対テロ対策長官、イグナシオ・アスタルロア前国家保安書記官、ホセ・マリア・アスナル前首相、アントニオ・ビトリーノEU法務内務委員、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相、クララ・エスクリバノ11−M被害者協会会長の7人については、喚問の日が決まっていないが、喚問はこの順で行われることになっている。
サパテロ首相の証人喚問決定に際し、少数派政党で支持票を投じたのはIzquierda Verde(統一左翼と緑の党の連合)のみ。CiU(カタルニャ連合)は棄権、ERC(カタルニャ左翼共和党)、PNV(バスク民族党)、Grupo Mixto(自党の議会団体を作る人数を持たない少数政党の集団)は反対に投票した。反対政党は、「サパテロ首相の出頭は不要であり、信頼性に欠ける委員会の権威をこれ以上汚さないために反対」(PNV)」「両者の出頭は、委員会が両政党の政治的闘争の場であるというイメージを与える」(ERC)などの意見により、両政党が自党の見解とその正当性表明のためだけに委員会を利用するという危惧のもと反対を表明している。

フラガ氏、答弁席で気絶

ガリシア州知事マヌエル・フラガ氏が、昨日州自治問題年次審議が行われていたガリシア州議会ででの演説中に答弁席で気絶、野党の答弁は今日の午後に延期された。
知事が気絶したのは、内紛によるPPガリシア支部の危機を脱するための合意がPPオウレンセ支部所属議員との間に成立したことを発表した後。開会演説を読み始めてから70分ほどが経過したところで、フラガ氏の声は先細りしていき、その後垂れた頭が書見台の上に落ちた。数秒後、州政府保健局長ホセ・マヌエル・ゴンサレス氏が答弁席に駆け上がり、その後医者であるPP議員数人も知事の元に駆け寄った。知事は答弁席から降りることを拒んだが、周囲の人間が知事を車椅子に乗せ、議場から運び出し、知事は、心電図検査と血液検査を受けた後、1時間後に議場に戻った。議場に戻った知事は、議会に謝罪し、翌日までの審議延期を即座に了承した野党に対し感謝の言葉を述べた後、10分ほどで演説の残りの部分を要約し、話し終えた。ガリシア州政府は、この気絶は脱水症状と疲労から来ており、先週患ったウィルス性胃腸炎からまだ回復していないためであると発表している。
来月82歳になるフラガ知事は、ガリシア州議会内でPPが過半数を失いうる内紛のためこの2週間ほど緊張の日々を強いられており、先週の月曜日には執務室で失神、その後2日間の休養を取っている。

見習婦人警官2人殺害(バルセロナ)

バルセロナのロスピタレ・デ・ジョブレガのマンションで23歳と28歳の2人の研修中の婦人警官が死体で発見された。2人はレオン県の小村の出身で、バルセロナに研修に派遣され、同じマンションの部屋に住んでいた。
住民からの火災の通報により午前10時頃消防士が到着したところ、マンションの8階にある現場の別々の部屋で2人の焼け焦げた遺体を発見。火元は三ヶ所で、証拠隠滅のため、犯人が火をつけた可能性が高いと見られている。被害者の受けた多数の刺し傷により、遺体の周りは血の海と化していた。被害者は縛られており、性的に暴行を受けた跡が見られるという。
2人はアビラにある警察学校で訓練を受けた後、7ヶ月前からバルセロナで研修中で、来年2月には正式に警官となる予定だった。


10月5日(火)

ETAの武器爆薬倉庫もほぼ壊滅との見解

フランスとスペインの警察の協力により、日曜日、一斉捜査が行われETA主要幹部2人を含む21人が逮捕されたが、日曜から昨日にかけてフランス南部で行われた7軒の家宅捜査により、ETA武器弾薬の隠し場所に使っていた5ヶ所が暴かれた。この5ヶ所に隠されていたのは、ダイナマイト630キロ、爆発物640キロ、手榴弾112個、サブマシンガン74丁、銃弾6.6万発などで、サリー・ドゥ・ベアルンの民家の地下からは、テロリスト訓練のための射撃場も発見されているが、押収されたものの全容はまだ明らかになっていない。このほか、サリー・ドゥ・ベアルンの民家で押収されたパソコン2台からETAの詳しい情報が得られることが期待されている。
また、検事局では、ETAリーダーのミケル・アルビス“アンツァ”容疑者の身元引渡し要求をフランスに対し行えるすべての可能性について検討中。ETAリーダーにかけられている容疑はテロリスト組織への所属だけで、この容疑だけでは身柄引渡しは要求できない。一方の“アンツァ”容疑者の内縁の妻ソレダ・イバラギレ“アンボト”容疑者に関しては、中央管区裁判所で彼女にも容疑がかけられているいくつもの暗殺の裁判が現在進行中であるため、引渡し要求には問題はない。
サパテロ首相は主要幹部2人の逮捕に際し、「対テロ闘争と暴力の終結のための重要な一歩」と評価。フランスのシラク大統領に電話で、フランス警察の働きをたたえ、協力への感謝を伝えた。

EU憲法批准のための国民投票開催日は2月20日が濃厚

EU憲法批准のための国民投票開催日としてPSOEが提案していた2月20日がこのまま決定となる可能性が濃厚となった。ミゲル・アンヘル・モラティノス外務大臣は、昨日上下院の各政党代表者と非公式の会議を行った後、国民投票の際の質問文と開催日について政党間での合意があると述べた。
会議と同様この合意も非公式のものではあるが、今月18日に行われる両院合同EU委員会で承認される見通しで、法律により国民投票開催の告示は開催の30日から120日前に行うことが定められているため、委員会での承認を受ければ閣僚会議で告示についての最終決定が行われる予定。政府からゴーサインが出れば、公式の告示を国王が行う。
イラク派兵をめぐって国が分裂したアスナル政権時と異なり、サパテロ政権では国の重大な外交政策を決定する際は政党間の合意を重視している。7月にモラティノス外相がニューヨーク、ブラジリア、ボゴタ歴訪の際、希望するすべての政党からの代表者を同行し、帰国後、同行した政党間では概ね国民投票についての合意が見られた旨を明らかにしていた。しかし、この歴訪に同行していなかった政党については、話し合いが待たれており、この結果が明らかになったのが昨日だった。

バスク州警察、いじめに関与していた生徒を事情徴収

9月21日、ギプスコア県オンダリビアで14歳のジョキン・C.L.君が学校でのいじめを苦にして自殺した事件を捜査中のバスク州警察は、いじめに関与していたと見られる生徒8人の事情聴取を昨日から始めた。
8人の生徒は両親と弁護士に付き添われ昨日、警察に出頭、この後タライア中学の教員とジョキン君の両親も事情聴取を受けることになっている。8人は、ジョキン君のいじめの大半を行っていたグループのメンバーで、現在1週間の停学処分を受けている。
ジョキン君の自殺後、いじめに担任の女教員のほか、数人の教員の子供も加わっていたという噂が広まる中、タライア中学はマスコミに対する発表を一切行わないことを決めているが、一方のジョキン君の家族は、いじめに加わった生徒に自殺の責任を負わせる提訴はできないものの、少なくとも学校に対し、訴訟を起こす準備をしている。


10月4日(月)

ETA最高指導者をフランスで逮捕

スペイン治安警備隊からの情報を得たフランス警察は、1992年ビダールでのETA執行部壊滅以来最大の打撃をETAに与えた。昨日、テロリスト組織のリーダーとして知られるミケル・アルビス・イリアルテ“ミケル・アンツァ”(43歳)とその内縁の妻で、“革命税”管理者でありETAメンバーの中でも最も多くの暗殺に関与している、ソレダ・イバラギレ“アンボト”(43歳)の2人の容疑者が、フランスのバイヨンヌとポーの間に位置するサリー・ドゥ・ベアルンで逮捕、その他フランスの南部6ヶ所とスペインのブルゴスで19人のETAメンバーが逮捕された。
この作戦は、フランス警察の150人の警官にスペイン治安警備隊員も加わって行ったもので、ETAの4ヶ所の隠し場所発見に伴い、武器、弾薬、1000キロほどの爆薬と爆弾製作のための部品、大量の現金と書類が押収された。この4年間で蓄積されていた情報に、今年4月2日のフランスのダックスで逮捕された物資調達班最大のリーダー、フェリックス・イグナシオ・エスパルサ・ルリから得た情報を加えた結果、フランス南部にある数ヶ所の民家が、ETAにより武器の隠し場所、ETAメンバーの隠れ家、時にはメンバーの指導に使われていたことが判明し、これが今回の大量逮捕につながったという。このうち数軒の民家は8月から警察の監視下に置かれていたが、逮捕の機が熟すのを待っていたところ、今回、2人のETA幹部の思いがけない逮捕につながった。アンツァ容疑者はいかなるテロの容疑もかかっていないが、アンボト容疑者には1985年から1992年にかけて14件の暗殺に関与した疑いが持たれている。

プレステージ内残存石油の回収作業終了

2002年11月17日にガリシア州コスタ・ダ・モルテ沖200キロで沈没した石油タンカー“プレステージ丸”の船内タンクに残る石油抜き取り作業が6月5日よりレプソルYPF社により行われていたが、この作業が終了し、昨日の午後1.36万トンを積んだODIN丸がラ・コルニャ港に到着した。
この作業は、特別デザインの機械を使用し、51回にわたる抜き取り作業が、世界でも初のほぼ4000Mの深さで行われたもので、これにかかった費用9980万ユーロは政府の負担。抜き取られた石油はレプソル社のタンクに収められ、今後は微生物を使ってこの石油の浄化作業が行われるが、この石油が再使用できるかどうかは専門家による検査の結果を待たなければならない。

老人ホームで食中毒、4人が死亡

46人の老人が入居するパレデス・デ・ナバ(パレンシア県)のサン・マルコス老人ホーム(従業員17人)で、土曜日の昼食数時間後、入居者が高熱、嘔吐、下痢を訴えた。この日のメニューは1皿目が白インゲンかレンズマメ、2皿目が鶏の煮込んだもので、現在のところ食中毒の原因はまだわかっていない。診断した医師の判断により、症状を訴えた70歳から95歳の入居者13人は全員病院に運ばれたが、数時間後89歳の男性、72歳の男性と92歳の女性、昨日の午後90歳の男性の計4人が亡くなった。
同老人ホームの所長によると、この老人ホームは、カスティジャ・イ・レオン州の衛生検査を受けたばかりで、この検査では何の異常も見つからなかったという。また、死亡者が出た直後に同州衛生局長が行った記者会見でも、冷蔵庫、冷凍庫の食料まで調べた最初の検査では何の異常も見つかっていないことが明らかにされたが、衛星局長は調理に携わった2人の検査を含め、今後さらなる調査を進めると発表した。

週末のスポーツの結果

自転車:イタリアのベローナで行われた世界選手権(265.5KM)で、スペインのオスカル・フレイレ選手が6時間57分15秒(平均時速38.1キロ)で優勝し、1999年、2001年の優勝と合わせ、世界選手権3冠を成し遂げた。これまで世界選手権3冠を達成しているのは、アルフレド・ビンダ(イタリア)、リック・ファン・ステーンベルゲン(ベルギー)とエディ・メルクス(ベルギー)のみ。


10月1日(金)

ボノ防衛大臣、アフガニスタンを訪問

昨日、ホセ・ボノ防衛大臣はアフガニスタンを訪問、30分にわたり大統領官邸でハミド・カルザイ大統領と会談した。この席で大統領は、ボノ大臣にNATO軍のアフガニスタン駐屯をあと8年延ばすよう要請した。この要請は、大統領選挙開催まであと9日、依然として優位に立つカルザイ大統領の、中期間での同国での治安回復は難しいとの考えを表すもの。
一方のボノ大臣は、2002年から駐屯しているスペイン軍が引き続き治安維持に務めることは約束したものの、10月9日の大統領選挙警護のために特別に派遣された500人の兵士に関しては、選挙の再集計が終わればスペインに戻り、以降は選挙の警護のためという目的では決してアフガニスタンに戻らないことを説明した。したがって、来月以降もアフガニスタンに残るスペイン軍は540人の兵士からなる部隊で、この部隊はッ引き続き首都カブールにある病院の警護と物資支援に当たる。
ボノ大臣の8時間のアフガニスタン滞在には、上下院の防衛委員会からすべての政党の代表者が同行、一行はキルギスタンのマナスに空軍機で到着した後、そこから2台のヘリコプターに分乗してカブールを訪問、その後北部地域まで飛び、駐屯しているスペイン兵を訪問した。

書籍売上回復に光

1998年からスペイン国内での書籍売上の成長率はゼロを続け、低下すら危惧されていたが、2003年、スペインの書籍売上は27.9261億ユーロで、2002年に比べて4.4%上昇していることがわかった。昨年1年間に出版されたのは65,824の著作でうち半分強の34,294作品が新作、残りは再版。10年前には41,000作品が出版されている。またこのうちカスティジャ語で出版されたのは50,744作品、カタルニャ語が10,373作品(前年比9.8%増)、バスク語が1,487作品(前年比2.3%増)、ガリシア語が1,632作品(前年比2.4%増)となっている。書籍1冊の値段は平均12.02ユーロで、これは3年前から1セントしか上がっていないことから、出版社組合では、書籍の値上がりにより売上高が増えたのではないことを強調している。

国家スポーツ賞授賞式

昨日、パルド宮で2003年国家スポーツ賞授賞式が行われ、スペイン王室のほか、教育・科学・スポーツ省大臣マリア・へスス・サンセグンド女史も出席した。
その年最も活躍したスペイン人スポーツ選手に贈られるフェリペ皇太子賞とソフィア王妃賞には、テニスのフアン・カルロス・フェレロ選手と自転車のジョアネ・ソマリバ選手に、新人に贈られるクリスティーナ内親王賞にはF-1パイロットのフェルナンド・アロンソ選手、イベロアメリカ・コミュニティー賞にはサッカーのロナウド選手、団体競技のチームに贈られるグエル男爵杯は男子がスウェーデンのヨーロッパ選手権で銀メダルを獲得し、女子がギリシャのヨーロッパ選手権で銅メダルを獲得したバスケット・ボールのスペイン代表チームが選ばれた。スマリバ選手はイタリアのベロナで開かれる世界選手権出場中のため、アロンソ選手は日本GP出場のため調整中のため受賞式を欠席した。




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