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1月31日(月)

“Mar Adentro”、ゴヤ賞史上最多の14部門獲得

昨日、スペインで第19回ゴヤ賞授賞式が行われ、四肢不随となり尊厳死の権利を求めて闘ったラモン・サンペドロ氏についてのアレハンドロ・アメナバル監督の映画“Mar Adentro”(日本公開予定タイトル『海を飛ぶ夢』)が、ノミネートされていた15部門のうち、14部門を獲得、史上最多の獲得数を記録した。
32才のアメナバル監督は、監督賞、オリジナル脚本賞、オリジナル映画音楽賞の3部門で賞を獲得、これまでに獲得していた7つのゴヤ賞と合わせ最多の賞獲得者(10)となった。このほか、“Mar Adentro”は、最優秀映画賞、主演男優(ハビエル・バルデム)、女優賞(ロラ・ドゥエニャス)、助演男優(セルソ・ブガジョ)、女優(マベル・リベラ)賞、新人男優(タマル・ノバス)、女優(ベレン・ルエダ)賞、撮影賞、音響賞、プロデューサー賞、メイク賞を獲得、授賞式を欠席したペドロ・アルモドバル監督の“La mala educacion(日本公開予定タイトル『バッド・エデュケーション』)”は、獲得賞数ゼロに終わった。
ノミネートされていながら“Mar Adentro”が唯一受賞を逃した美術賞は、ホセ・ルイス・ガルシ監督の“Tiovivo c. 1950”のヒル・パロンド氏が獲得した。“Mar Adentro”の14部門獲得に続くのは、テロリスト組織ETAにおとり捜査官として潜入した実話をとりあげたミゲル・クルトワ監督の“El Lobo”と、ミュージシャン、カルリーニョス・ブラウンの出身地であるスラム街カンデアルを撮ったフェルナンド・トゥルエバ監督のドキュメンタリー“El milagro de Candeal”で、それぞれ2部門の獲得と、今年のゴヤ賞は予想どおり“Mar Adentro”が独占に終わった。

バスク州議会、明日の国会審議出席者を決定

バスク州議会は、明日、国会においてバスク州自治憲章新案、通称“プラン・イバレチェ”を擁護する州議会からの代表者として、フアン・ホセ・イバレチェ氏のみを送ることを今日行われた臨時議会で決定した。
今日の審議では、まず州議会の代表者を1人にすることが、賛成36票(PNV-バスク民族党、EA-バスク連合、IU-統一左翼)により決められた。国民党PP(19議員)は、代表者を3人にすることを提案、PSE(バスク社会党)の11議員は白紙投票、SA(愛国社会主義同盟)の5議員は無効投票だった。この後、代表者を決める投票が行われ、バスク州政府連合3党35票によりバスク州知事イバレチェ氏が選ばれた。よって、明日、イバレチェ氏は1人で国会に赴き、“プラン・イバレチェ”を擁護することになるが、すでにPPとPSOE(社労党)が反対を明確に表明しているため、この案が国会で否決されることは確実となっている。

ETA設置の小型爆弾が爆発、負傷者なし(デニア)

昨日の午後3時10分、アリカンテ県デニアで、ETAの設置した小型爆弾が爆発した。この爆発による負傷者は出ていない。
爆弾が設置されたのは、デニアにあるホテルPort Deniaで、爆弾は道路から入り、ホテルのレセプションを通らずに行くことができる非常階段の下に置かれていた。使用された爆薬の量は3〜5キロとみられるが、爆薬の種類はまだ特定されていない。爆発の45分前にビルバオのDYA(ロードサービス協会)にETAの名を使った女性により予告電話があり、ホテルの宿泊客170人(大半はイギリス人)と従業員20人ほどがすみやかに避難させられた。また、予告の内容が不明確であったため、このホテルの近くにある別のホテルの宿泊客50人ほども避難させられた。
爆発により、ホテルの食堂の壁に大きな穴が開いたほか、ホテルの隣の民家にも軽い被害が出たが、ホテルの建物自体には大きな被害は出ていない。宿泊客は、ベニドルムにある同じチェーンのホテルに移った。


1月28日(金)

事故から613日、Yak-42機犠牲者の21遺体、遺族の元へ

トルコでの軍用チャーター機墜落事故から1年8ヶ月と1日、身元確認の正しくない遺体を受け取っていた遺族が、遺体の掘り起こしとDNA検査の後、ついに身元の正しい遺体を受け取った。身元確認が誤っていたことがわかっているのは30遺体だったがうち9人は火葬されているため、今回、本来の遺族の元に返された遺体は21人の犠牲者のもので、昨日マドリッドのアルムデナ墓地で葬儀が営まれた。マイナス5度の中、午前9時から始められた葬儀には、遺族、友人のほか、フェリックス・サンス・ロルダン将軍を始めとする防衛省からの代表者も出席した。
葬儀の後は、2人の遺体がマドリッドの別の墓地、6人の遺体がバレンシア、2人の遺体がブルゴスに運ばれ、4人の遺体が火葬のためアルムデナ墓地に残り、残りの遺体は、アルバセテ、ポソオンド(アルバセテ県)、ラリン(ポンテベドラ県)、アルへサレス(ムルシア県)、モラレハ(カセレス県)に移送された。アビラとラ・リオハから遺体の引き取りに向かった2遺族は、悪天候のためマドリッドに来ることができなかった。
今後、中央管区裁判所のテレサ・パラシオス判事は、身元確認の大規模な間違いがなぜ起こったのか、身元が不明確な遺体を遺族に返すよう命じたのは誰か、なぜ遺族に事実を明かさなかったのかについての捜査を続けるが、これまでのところ判事はこの件について徹底的に捜査を進める姿勢を見せていない。62遺族のうち40遺族が所属する遺族団の代表者カルロス・リポレス氏は、身元確認に誤りがあったことが完全な事実とわかった今、判事がこれまでの態度を変えるものと信じていると述べた。

地下鉄工事により地面が陥没、850人以上が避難(バルセロナ)

昨日の午前9時30分、地下鉄5号線の延長工事が行われていたバルセロナのカルメル地区で、直径30メートル、深さ35メートルにわたって地面に穴があき、地上にあったアパートとそのガレージが飲み込まれた。前夜に地面に亀裂が入っていたため、ガレージ、アパートの住民25人ともすでに避難しており、負傷者は出ていない。この陥没により、まず周囲25メートル、続いて50メートル、最終的には100メートル以内の84の建物と学校2つに緊急避難命令が出された。
陥没部分をコンクリートで埋める作業には少なくとも3日かかり、避難命令を受けた住民が帰宅できるのは、安全が保証されてからになるという。バルセロナ市地区整備担当のジョアキム・ナダル氏は、詳細に行われた専門家による事前調査では、工事には問題がないとの結果が出ていたことを強調、今回の陥没のような前例はこれまでなかったと述べた。この事故が新たに3つの駅が増やされる予定の5号線の工事計画に影響を与えるかどうかについての質問に対し、同氏はこの地域の地質再調査を行い、工事は続行すると述べた。

各地で20年ぶりの寒さ

国立気象協会によると、現在スペインが見舞われている寒さは過去20年で最も厳しいものであるという。バルセロナのように通常あまり気温が下がらない海沿いでも昨日はマイナス5度から9度と記録的な寒さが観測された。昨日、スペインで観測された最低気温はグアダラハラ県モリナ・デ・アラゴンのマイナス14.5度。
スペイン北部では引き続き凍結による影響が道路、鉄道で見られており、1500台以上のトラックが木曜日の未明、停車を余儀なくされたが、“市民の協力と特別警戒態勢のおかげ”でクリスマスのように道路上に取り残された車はなかったという。昨日は、スペイン全国で300以上の道路(うち51は主要幹線道路)が影響を受け、国鉄はアストゥリアスとその他の州を結ぶ全線のほか、ミランダ・デ・エブロ-パンプローナ、ミランダ・デ・エブロ-オルドゥニャ(ビスカヤ県)、マドリッド-ブルゴス、パレンシア-バルセナ(カンタブリア県)、ミランダ・デ・エブロ-ログローニョ間も不通となった。また、マドリッドとカンタブリア、エウスカディ、ヒホン間、バルセロナとヒホン、エンダヤ、ビルバオ間、イルン-リスボンを結ぶ夜行列車も昨日は運休となった。
昨日はアフリカ大陸のメリジャでも雪が降り、バルセロナでマイナス5度、バレンシアでマイナス1度、グラナダマイナス9.1度を記録、カディスでは1960年の記録1.5度を更新し、1度を記録した。国立気象協会ではこれほどの寒さは1985年以来との見方が強まっており、確認のため現在全国各地のデータが収集されている。予報では、今日と明日の日中の気温は昨日より2度から3度上がるものの、夜間の冷え込みは引き続き厳しく、日曜日には寒気の戻りがあり再び気温が下がるという。


1月27日(木)

政府、法王からの批判に対する不快感をバチカン大使に伝える

ルイス・カルボ外務副書記官は、昨日、バチカン大使のマヌエル・モンテイロ・デ・カストロ大司教と会談、月曜日、ローマ法王がスペインの政策について批判し、政府が宗教の自由を制限していると発言したことについて、スペイン政府の不快感を表明した。
月曜日の発言とは、ad limina(高位聖職者が義務づけられている5年に1度のバチカン訪問)のためスペイン人司教団がローマ法王に謁見した際、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、昨年の春社会党が政権について以来、政府が急激な宗教離れを進め、宗教教育についてのカトリック教会との協定を守らず、同性愛者の婚姻と妊娠中絶を認め、離婚手続きを簡略化し、人間の胚を使った研究を許可したことにより従来の習慣とモラルを破壊していると厳しく批判したもの。カルボ外務副書記官は、この発言に対するスペイン政府の不快感を表明した後に、「今後も、スペインと法王庁間の協定により定められているお互いの権限を深く尊重しあった上で継続的な対話を持ちながら、バチカンとの理解関係が保持されることを望みます」と結んだ。
このような形でスペイン政府がバチカン大使を呼び会談を持つのは2002年6月以来。このときはパイス・バスコ州の4人の司教がバタスナ党非合法化に反対する声明を出したことへの政府の不快感を表明するためのものだったが、外務省の呼び出しによりバチカン大使との会談が持たれたのは1975年11月のフランコの死後以来このときが初めてだった。

ペセス-バルバ氏、テロ被害者2団体と会合

テロ被害者支援担当高等委員グレゴリオ・ペセス-バルバ氏は、昨日、AVT(テロ被害者協会)、11-M被害者協会の2団体と個別に会合を持った。同氏は午前中、AVTと、午後に11-M被害者協会と会談し、両団体に対し特定政党の主義から被害者を遠ざけるのを手伝うよう求めた。「これは協会が政治的関心を持っていると私が考えているための発言ではなく、協会は、被害者の感情が利用されることのないよう最大限の努力を払うべきだと考えたための発言である。」と会合の後同氏は述べた。
AVTのフランシスコ・ホセ・アルカラス会長は、被害者団体が共同で召集したものでないためという理由により土曜日のデモに参加しなかったペセス-バルバ氏に対し、AVTに同氏の辞任を求めるたくさんの声が寄せられたことを高等委員に伝えたことを明らかにした。会長は、これからは高等委員との連携を正式に始め、誤解が生じないようにしていきたいと述べたが、今後も辞任を要求する声が続くようであれば、そのときは何らかの措置をとらねばならないとも述べている。
昨日の会合は、AVTの召集したデモが政府の糾弾と参加していた防衛大臣への暴力行為に終わったため開かれたものだったが、11-M被害者協会はこのデモの発起人でもなく、参加もしていないため、同協会との会合は、一部の会員の未解決の問題についての話し合いにあてられた。
会合の後、ペセス-バルバ氏はセマナサンタ後、すべてのテロ被害者団体を集め、被害者としていくつかの活動目的を定めるための会合を開く予定であることを明らかにした。また、11−Mの1周年に開催する行事についても現在検討中であるというが、11-M被害者協会は、「3月11日は、我々にとって追悼の日でしかない」とし、何も行わないことを昨日発表している。

スペイン北部、凍結または雪による被害拡大

スペインを襲っている寒波は、昨日さらに勢力を増した。治安警備隊がこれ以上の走行は危険と見て高速道路A-1を通行中のトラックおよそ400台と大型バス4台を停車させたほか、DGT(交通総合局)によると、26ヶ所の峠が通行止め、56ヶ所ではチェーンの装着が義務づけられたという。凍結または雪による被害の出た道路は100以上に上り、うち46が主要幹線道路。ログローニョとアロでは、ビルバオ方面へ向かう高速道路AP-68が午後8時半通行止めとなり、109人がホテルで夜を明かした。
交通局では引き続き、どうしても必要な場合を除いてはスペイン北部への車での移動は避けるよう呼びかけた。バジャドリッド県で25、カンタブリアで35の村が孤立、またはアクセスが困難な状況となっているほか、国鉄はビトリア-ブルゴス、ビトリア-パンプローナ、バジャドリッド-サンタンデール、ミランダ・デ・エブロ-オルドゥニャ間で不通となった。パイス・バスコ州では、特にアラバ県の被害が大きく、県都ビトリアでは積雪25〜30センチ、気温も内陸部ではマイナス8度に達し、全県でトラックの通行が禁止され、25の学校が休校となった。また、マジョルカ島、メノルカ島では、ビーチが雪で覆われ、凍結の恐れから午前3時より路線バス、トラック、スクールバスの運行が両島で禁止となっている。今回の降雪は、この100年間で3度目のもので、メノルカ島の空港が5時間半にわたり閉鎖されたほか、強い北風の影響で海上交通はすべて運休となっている。
雪による注意報が引き続き発令されているのは、アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、バレアレス、ラ・リオハ、アラゴン、カタルニャ、ナバラの9自治州で、このほかラ・リオハ、アラゴン、カタルニャ、ナバラとマドリッドに対しては、強風注意報が発令されている。INM(国立気象協会)発表の予報によると、新たな寒波の到来により寒波の勢力は今日が最大となるが、明日からは強風がやむため、厳しい寒さもいくぶん和らぐという。しかし、風がやむため冷たい空気が夜間、地上に残り、夜間の寒さは引き続き大変厳しいものとなり、特に土曜日の明け方はスペイン南部、地中海岸でも厳しい冷え込みとなることが予想されている。


1月26日(水)

バスク州政権連合3党、プラン・イバレチェ国会審議中止を申請

バスク州自治憲章改正案、通称“プラン・イバレチェ”は来週火曜日に国会で審議にかけられその後否決されることが確実と見られているが、バスク州政府与党のPNV(バスク民族党)、EA(バスク連合)、IV(統一左翼と緑の党の連合)3党は、国会評議会が決定したプラン・イバレチェの国会での扱いを不服とし、憲法裁判所にこの決定を告訴することを決めた。
各政党代表からの意見を聞いたのち、国会評議会はプラン・イバレチェを自治憲章改正案として国会で審議することをすでに決めていたが、バスク州与党3党はこれを不服とし、プラン・イバレチェを自治憲章改正原案として扱い、まず国会とバスク州議会の代表者による委員会を創設しプラン・イバレチェの内容について2ヶ月にわたり話し合いを行った後、国会に自治憲章改正案として取り上げられることを希望していた。しかし、CiU(カタルニャ連合)、ERC(カタルニャ左翼共和党)の他州民族政党の支持を得ていたにもかかわらず、この訴えは、PSOE(社労党)、PP(国民党)、CC(カナリアス同盟)の票により、昨日国会評議会で却下された。これにより、プラン・イバレチェについての審議は、改正案の内容を討議することからではなく、まずこの改正案について今後国会で審議を続けるかどうかを決定することから始められることになり、憲法裁判所が審議の一時停止を命じない限り、プラン・イバレチェは国会審議初日に否決されることとなる。
今日は、バスク州議会評議会が臨時会議を行う予定で、この席で議長が来週月曜日にバスク州議会特別審議を召集することを発表する。州議会特別審議では、翌日国会でプラン・イバレチェについての説明を行うバスク州議会代表者が1名から3名選出される予定。

スペイン北東部で寒波と雪の影響

スペイン北東部およびバレアレス諸島は昨日、寒波の影響で、寒さ、風、凍結、雪に見舞われた。昨日の夜には42ヶ所の峠で通行が困難になっていたほか、10ヶ所が通行止め、32ヶ所ではチェーンの装着が義務づけられていた。各地では雪による大規模な渋滞が発生し、パンプローナ空港では4便がキャンセルとなったほか、国鉄はブルゴス-ビトリア間、ビトリア-パンプローナ間が不通となった。
予報どおり寒波がスペインに上陸し、勢力範囲を次第に全国に拡大している。この影響が最も大きくなることが予想されているのは今日と明日だが、アストゥリアス、カンタブリア、パイス・バスコ、カスティジャ・イ・レオン、ナバラ、ラ・リオハ、アラゴン、カタルニャ、バレアレス、アンダルシアでは、すでに昨日から気温が急激に低下しており、レリダ県ピレネー山麓では雪により300人の児童が、ブルゴス、レオン、パレンシア、ソリアでも1400人の子供が登校できなかった。雪はバレアレス諸島でも観測されている。この寒さの影響で、昨日午後7時には1月11日の記録40,724メガワットを超える41,430メガワットの史上最大の電力消費量を記録した。
一方、先週の金曜日から始まっているレッカー車の無期限ストは昨日の話し合いが決裂したため続行が決定、道路上にはすでに400台ほどの事故車、故障車が放置されているが、今後雪の被害が広がり、放置車両の数がさらに増えることが危惧されている。

“Mar Adentro”2部門でオスカー候補に

第77回アカデミー賞の正式ノミネート作品が昨日発表になり、アレハンドロ・アメナバル監督の新作“Mar Adentro(日本公開タイトル『海を飛ぶ夢』)”が最優秀外国語映画賞と最優秀メーキャップ賞の候補に選ばれた。スペイン映画として5つ目のアカデミー賞獲得が期待されている“Mar Adentro”の最優秀外国語映画賞のライバルは、“As it is in heaven”(スウェーデン)、“Yesterday”(南アフリカ)、“Downfall”(ドイツ)、“コーラス”(フランス)。このうちールデングローブ賞候補にも挙がっていたのは、“コーラス”のみで、このときは“Mar Adentro”が受賞している。“Mar Adentro”に主演したハビエル・バルデムは、惜しくも主演男優賞候補候補入りを逃した。授賞式は2月27日に開催される。
このほか、カンタブリア出身ナチョ・ビガロンド監督の8分の短編映画“7:35 de la manana(午前7時35分)”も最優秀短編映画賞候補として選出された。バスク州政府の援助により1.8万ユーロの予算で作られたこの映画は、これまで国内外で58の賞を受賞している。


1月25日(火)

ローマ法王、スペイン政府の政策を批判

昨日、アントニオ・マリア・ロウコ・バレラ枢機卿らスペインの司教団がバチカンを訪問し、ローマ法王に謁見、法王ヨハネ・パウロ2世は、スペインの政策について“宗教の自由を制限”し、“信心深くあることに対する無関心または軽蔑”を引き起こすものであると厳しく批判した。
司教は少なくとも5年に1度、使徒ペテロとパウロの墓を訪ね、バチカンを見学し、ローマ法王に謁見することが義務づけられており、昨日バチカンを訪問していない司教も1月から3月の間にローマを訪れる予定。昨日は、スペインからの最初の司教団2グループが謁見した後、トレドのアントニオ・カニサレス大司教、ハカのへスス・サンス司教、タラソナのデメトリオ・フェルンナンデス司教が記者会見を行い、法王がサパテロ政権の社会政策に反対であること、同性愛者の婚姻、妊娠中絶手術を批判したほか、避妊具の使用をめぐる論争については、“受胎から自然死までの命に対する敬意”を求めたことを明らかにした。
一連の法王の発言について、昨日、フアン・フェルナンド・アギラール・ロペス法務大臣は、法王への敬意を表した上で、政府と教会は2つの全く異なる機関であり、教会がカトリック信者に対し権力を行使するのと同様、政府は市民からの要求に応え、政策を決定、これを実行に移すのが仕事であると述べている。

土曜日のデモからテロ被害者協会間対立が浮き彫りに

先週の土曜日AVT(テロ被害者協会)が主催したデモは、与党PSOE(社労党)と最大野党PP(国民党)の間にだけではなく、2つの主要テロ被害者協会であるAVTと11−M被害者協会の間にも対立をもたらした。
このデモに参加しなかったテロ被害者支援担当高等委員グレゴリオ・ペセス-バルバ氏は、欠席の理由についてデモが被害者団体共同主催でなかったことを挙げ、デモで発生した“政治的・イデオロギー的情報操作”を非難、ペセス-バルバ氏ば明日AVTと、木曜日に11−M被害者協会と会合を持ち、“両協会間の見解の相違を超えるための最大限の努力”を要請する予定だが、11−M被害者協会のピラール・マンホン氏は、この会合を別々ではなく両者出席のもと行うよう求めている。
AVTのホセ・アルカラス会長は、11−M被害者協会は“内部の問題”を持つため、デモに召集しなかったと述べ、11−M被害者協会のへスス・ラミレス会長代行は、「最初からすべての被害者協会を招集すべきで、今のように問題が起こってから支援を求めるべきではない」と述べている。
また、ACVOT(テロ組織被害者カタルニャ協会)のロベル・マンリケ会長は、エウロパ・プレス社の取材に対し、同団体がAVTから分離したのは、AVTが“ある特定の政治思想”に傾倒していくのを感じたためであるとし、AVTの右翼化を指摘、AVTのメンバーの一部が総選挙前に11−Mの犯人がETAであるとの発言をテレビ、ラジオなどで行ったほか、カタルニャ左翼連合政権反対デモにも参加していたことに言及、「テロの犠牲者として全員同じ袋に入れられるのは許容できない」と述べた。ACVOTは土曜日、11−M被害者協会と共同でAVTを糾弾する声明文を出している。

タクシー運転手営業免許試験、内容変更へ(マドリッド)

マドリッド市でのタクシー利用客の数は1日およそ60万人。現在、マドリッド市役所が交付しているタクシー運転手営業免許は2種類で、所有する車両をタクシーとして使い営業活動を行うことができる免許と、この免許を有する他人の車両を運転し、営業活動を行うことができる免許に分かれている。前者は15,600人、後者は2万人が所有しているが、これ以外に引退、または別の職業への従事などの理由から、免許を所持しているが営業活動を行っていない者が9.5万人いる。
しかし、後者の試験内容は、試験中に地図を利用することが許されているほか、出題されるルートにも代わり映えがなく、受験に際し特別な知識が要求されていないことから、タクシー運転手という職業に尊厳を与えたいとする組合はマドリッド市役所と合意に達し、営業免許取得試験の内容を変更することが決定された。
新試験では、受験者は目的地に到着するための正しいルートを選ぶ(単に距離が近いというだけでなく、マドリッドの場合、渋滞が少ない道を知っていることが必須)だけでなく、病院、競技場、役所など主要施設の場所も知っていることが要求されるほか、簿記、マーケティング、人事についても基本的な知識が求めらる。これらの基本的知識については、タクシー運転者組合で1ヶ月ほどの準備コースが用意されているほか、組合では今後、基礎レベルの英語についてもコースを設け、サービスの充実をはかっていきたいとしている。


1月24日(月)

テロ被害者主催デモに参加の防衛相に一部参加者が暴力行為

土曜日、ETA所属テロリストが刑期を完全に勤めるよう求めるデモをAVT(テロ被害者協会)が主催、これに参加したホセ・ボノ防衛大臣らが一部の参加者から罵られ、暴行を受けた件について、内務省は調査を開始することを発表した。
これは、およそ3.5万人が参加した土曜日のデモの一部の参加者が、防衛大臣を小突き、政府代表として出席していたジョルディ・セビジャ行政大臣、11−M被害者協会のピラール・マンホン代表などに罵声を浴びせた後、ラジオ局SER社屋前に集まり、抗議を続けたもので、デモに参加したセビジャ大臣は、エル・パイス紙記者に対し「デモ参加者からの反ETA、反テロリズムの叫びは一切聞こえず、聞こえたのは政府を糾弾し、PP(国民党)のアンヘル・アセベス総書記長を称賛する叫びだけだった。」と述べている。政府は、今回のデモがパイス・バスコに平和をもたらすためのサパテロ政権の試みを妨げようとする最大野党PPの過激派によるものだと見ており、デモを欠席したテロ被害者支援担当高等委員グレゴリオ・ペセス-バルバ氏は、今日、一部の政党により世論が操作されることを防ぐため、各テロ被害者団体と緊急に会合を持つことを決めた。

首相、初の南米訪問

昨日、ブラジリアに到着したホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、この後、サン・パウロ、ブエノス・アイレス、サンティアゴを訪問する。サパテロ首相の南米訪問は首相就任後初めてだが、スケジュールの都合で訪問期間は4日のみ。11月の訪問時にウゴ・チャベス大統領が船の建造発注を約束したことから、この約束を具体化するためスペイン政府は大統領との再会談を望んでいたが、ビセンテ・フォックス・メキシコ大統領訪西の2日前にあたる2月7日にはアルバロ・ウリベ・コロンビア大統領が訪西するため、現在コロンビアとの関係が緊張状態を迎えていることを考慮し、3ヶ月以内に2度となるベネズエラ訪問は見送られた。
今回の訪問先であるブラジル、アルゼンチン、チリの3ヶ国は、合計人口、領土の大きさだけでなく、スペイン企業のラテンアメリカ投資額の83%を占めており、対投資額835億ドルは、アメリカに次いで第2位の金額。ブラジル訪問の目的は、2003年11月にホセ・マリア・アスナル前首相と、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領の間で締結されたものの、実質的にはほとんど機能していない相互利益共同宣言を機能させること。南米訪問には首相の妻ソンソーレス・エスピノサさん、外務大臣、産業大臣のほか、国家書記官が数人同行、首相の帰国は金曜日未明の予定。

寒波の到来により、内陸部ではマイナス15度の予想

国立気象協会の予報によると、寒波の到来にともなってスペイン全土で今後数時間以内に急激に気温が低下するという。寒波は、今週の金曜日までスペインに停滞すると見られ、この影響により内陸の一部地域では、最低気温マイナス15度、最高気温0度が予想されている。寒波は気温の低下だけでなく、雪、強風も伴う見込み。
寒波は北からスペインに入り、まず北極、続いてシベリアからの冷たい空気が流れ込み、スペイン全土で寒い1週間となることが予想されている。特にスペイン東部とバレアレス諸島では、冷たい強風が吹く見込み。寒さが最も厳しくなると思われるのは水曜日と木曜日で、スペイン北部、バレアレス両州では、海抜0メートルで雪の予報。
すでに各州関係当局には政府より大雪に備えるよう通達が行われているほか、先月の大雪時のような事態の再発を防ぐため、スペイン内務省は、国民に対し、道路情報に注意を払い、必要時以外の自動車の使用を避けるよう呼びかけている。


1月21日(金)

服役ETAメンバーへの減刑措置見直しへ

中央管区裁判所刑事法廷総会は、昨日服役中のETAメンバーが刑期を務め釈放されるための条件をさらに厳しくすることで合意に達した。今回の決定は、25人を殺害した罪で懲役およそ3000年を宣告されたにもかかわらず、ETAメンバーのフアン・イグナシオ・デ・フアナ・チャオス服役囚がわずか18年の服役後釈放される見通しとなり、釈放寸前に別件起訴により服役期間が延ばされたほか、今後も同等の罪に問われているETAメンバーが減刑措置により18〜20年の服役のみで釈放されることについて社会的警鐘が鳴らされた結果。
これにより、減刑措置が適用されるかどうかの最終的判断は、2003年5月に設置された刑務監視中央裁判所が下すことになり、これまで地方裁判所などにより認められていた減刑措置はすべて一旦白紙に戻される。

71%は点数制免許を受け入れ

CIS(社会学調査センター)が昨年12月に行ったアンケートによると、調査対象となった71%の人が、点数制運転免許証の導入に同意、64%はこの制度により交通事故の数が減少すると考えていることが明らかになった。また、67.9%の人が、スペインの最大の問題としてテロを挙げている。
アンケート実施期間が12月15日から20日と12月の連休をねらったETAの直後であったためか、スペンの抱える問題については、失業(57.1%)がテロ(58.3%)に1位の座を譲る結果が出た。(11月の調査結果では、失業が61%で1位、テロが44.8%で2位。)失業、テロに続くスペインの抱える問題としては、移民問題(18.8%)、治安の悪化(18.7%)、住宅問題(16.5%)も挙がっている。また、配偶者または元配偶者により命を奪われた女性のニュースが頻繁にマスコミに登場しているにもかかわらず、“女性に対する暴力”と回答した人は4.7%に過ぎなかった。
さらに、今回特別に行われた点数制運転免許証に関するアンケートでは、71%が“よい”または“大変よい”と答えている上、22.5%が交通事故減少には効果がないと答えたのに対し、64%は効果があると考えていることも明らかになっている。

スペインの宇宙旅行会社、2007年サービス開始を発表

スペイン最初の宇宙旅行会社、ギャラクティック・エアウェイズ社は、2007年から1人17万ユーロで宇宙船による旅行を提供することを発表した。最近設立された同社によると、使用する宇宙船は地上100キロの高さまで上り、乗客は5分間無重力状態を体験することができるほか、宇宙から地球を眺め“宇宙飛行士の気分”を味わえるという。トータル飛行時間は3時間の予定。
同社は、宇宙事業に関わるその他の企業と現在合意を取り付けているところで、将来的にはホテルまたはミニ宇宙ステーションのような形で、およそ20人ほどが数日間無重力状態で生活できる可能性についても検討中だという。

自動車生産台数、スペインはEU3位

Anfac(自動車・トラック生産協会)の発表により、2004年スペインにおける自動車の生産台数は前年より0.62%増え、301万台となったことがわかった。最も生産台数が多い自家用車部門は、0.11%の伸びでおよそ240万台だった。
この生産台数によると、スペインは自動車生産台数でEU圏内第三位、工業用車両生産台数では第一位となっているほか、世界規模で見ると生産台数第七位の国となっている。Anfacのデータによると、スペインで生産される車両の82.4%は輸出用で、輸出先の大部分はヨーロッパであるという。


1月20日(木)

バチカン、スペインカトリック教会に対し発言訂正を強制

スペイン司教協議会は昨日、“カトリック教会の線を越えないように”命じるローマからの電話を受け、“避妊具の使用はモラルに反するため推奨できない”とする声明文を発表、一昨日の司教協議会の代弁者を務めているフアン・アントニオ・マルティネス・カミノ神父の、避妊具の使用がエイズの予防に効果があると認めた発言を訂正した。
通信社EFEの取材に対し、法王庁健康問題担当長官のハビエル・ロサノ・バラガン枢機卿は、キリスト教教理は明白であり、マルティネス・カミノ神父は避妊具の使用を後押ししたのではないとコメント、避妊具は“セックスに歯止めの利かない人生へのパスポート”であると述べた。また、同書記官でナバラ出身のレドラド・マルチテ司教は、「避妊具の使用は、禁欲よりも簡単な解決策だろう。人によっては、禁欲の実践が苦痛となることもある。しかし、カトリック教徒は、自らの信仰に忠実でなければならず、したがって、信徒は、カトリック教会がモラルに反すると糾弾している避妊具の使用は拒絶しなければならない。」と述べた。
今回のスペインでのケースと同様、こうしたバチカンの姿勢には、フランス、ブラジル、アルゼンチンの司教協議会からも反論が出たことがあったが、いずれも法王庁の介入により発言訂正を余儀なくされている。バチカンの公式新聞“L'OSSERVATORE ROMANO”は昨日の新聞にはこの件に関するコメントを掲載していない。

プラン・イバレチェをめぐりConfebask内部分裂の危機

昨日、マドリッドでConfebask(バスク企業家協議会)ロマン・クノール会長が「2002年10月にConfebaskが、『プラン・イバレチェに完全に批判的』とした宣言は、今も有効」と述べたことに対し、同団体に加盟している2つの団体、Adegi(ギプスコア県)とCebek(ビスカヤ県)が、「最近になってこの問題が話し合われたことはなく、この発言は、会長の個人的なものである。」と批判の声を上げた。
この発言があったのは、マドリッドで開催されPSE(バスク社会党)のパチ・ロペス代表が講演したフォーラム“Nueva Economia”で、出席者にはクノール会長のほか、企業家サークルのクラウディオ・ボアダ会長、Iberdrola社のイニゴ・オリオール社長などの顔も見られた。講演の席でロペス氏は、プラン・イバレチェにより経済が被りうる“否定的な結果”を避けるため、、現在のところ沈黙を守っている企業家たちに対し、行動を起こすよう呼びかけた。
この呼びかけに対し、発言を求めたクノール会長は、企業家、自治憲章そして経済界での調和により、パイス・バスコが1人あたりの所得額などでスペインのトップに立っていることに言及、パイス・バスコの企業家は脅迫や暗殺などの恐怖にさらされながらも、スペインに大きく貢献していると述べた上で、2002年10月にConfebaskはプラン・イバレチェに反対の姿勢をすでに示しており、「パイス・バスコの外の人間には現在企業家が守っている沈黙については理解しづらいだろうが、2002年のConfebaskの発言は引き続き有効であり、現在のところこれに付け加えることはない。」とした。また、ボアダ会長も、最近企業家サークルバスク支部により発表されたプラン・イバレチェに反対する声明を全面的に支持すると発言した。
2002年10月以来、Confebask加盟の企業家たちは新たな声明を出さないよう圧力をかけられており、プラン・イバレチェに関するいかなる声明も出していない。2002年バスク企業家がイバレチェ知事と会談した後には、特にビスカヤ県とギプスコア県で、プラン・イバレチェに対する姿勢をめぐり、企業家間で緊張が高まった時期もあり、昨日、AdegiとCebekがクノール会長の発言に反論したことにより、Confebaskが多様な意見をもつ企業家の集合であることが改めて明らかになった。アラバ県の企業家団体であるSeaは、プラン・イバレチェに対し、一貫して反対の姿勢を貫いている。

国会評議会、プラン・イバレチェ審議開催を決定

下院議員評議会は、バスク州政府から提出された自治憲章改正案、通称“プラン・イバレチェ”を国会審議の議題としてとりあげることを決定した。これは、予想された通り、PP(国民党)代表4人は反対、PSOE(社労党)代表3人とCiU(カタルニャ連合)代表1人、IU(統一左翼)代表1人が賛成に投票した結果。審議の日については、来週の火曜日決定されるが、2月1日となる可能性が高い。評議会では、IUが提出し、CiUが支持した、プラン・イバレチェについて議論し、修正を加える特別委員会を国会内とバスク州議会内に設立すべきだとする案については否決した。
4時間にわたる話し合いの後の記者会見で、PPのガブリエル・シスネロス氏は、プラン・イバレチェが憲法の秩序を乱し、法律を犯すものであるとの見解から、国会審議として取り上げれることを拒否したPPの立場を擁護、「改正により予見される事柄についての法律、経済報告書も提出されず、バスク自治憲章そのものを踏みにじるものだ。」と述べた。一方、PSOEのカルメ・チャコン氏は、改正案は討議を経た後、国会で否決されるべきであるという見解を改めて示した。


1月19日(水)

ビスカヤ県でETAのテロにより警官1名が負傷

昨日、ビスカヤ県ゲチョ市の住宅街ネグリ地区で、40キロの爆薬を積んだ車が爆発、予告通報により現場に急行していたバスク州警察警官1人が軽い怪我を負った。
爆発の予告はバスク地方紙GARAへの匿名の電話で、ETAが爆弾を積んだプジョー306を同地区に設置したことは告げたが、爆発予告時刻、自動車のナンバー、色については知らせず、この電話から20分後の午後2時半に爆発が起きた。後の捜査により、この車は昨日の午前10時頃、ETAメンバーと名乗る2人組の武装した男たちが奪われたものであったことが判明。車の持ち主は、両手を縛られビルバオのアルチャンダ山駐車場に置き去りにされたが、自力で手を自由にした後、警察に通報している。
昨日の自動車爆弾は、ETAがこの5年間にゲチョ市に設置した5台目の自動車爆弾で、いずれのテロも高級住宅地ネグリ地区またはラス・アレナス地区で起きており、5年間で14人が負傷している。非合法政党バタスナ党をのぞくすべての政党は、昨日このテロを糾弾する声明を出した。

スペインカトリック教会、エイズ防止手段として避妊具の効果を認める

スペイン司教協議会から“誤解を解き、病気との闘いに協力し立ち向かうため”との依頼により昨日行われたエレナ・サルガド厚生相との会談後、同協議会のフアン・アントニオ・マルティネス・カミノ書記長が避妊具がエイズの予防に対し効果を持つことを認める発言を行い、これまで長らく続けられた教会による避妊具への糾弾に終止符が打たれた。
マルティネス・カミノ書記長は、カトリック教会のエイズに対する姿勢は、イギリスの臨床医学全般の論文雑誌で、世界で最も権威がある雑誌の1つ『ザ・ランセット』の提唱するABC(abstinence−禁欲、be faithful−貞節、condom−コンドーム)に基づくものであるとし、「スペインカトリック教会は、この重大な問題に大きな関心を持ち、大変憂慮している。」と述べた。厚生省の発表によると、現在スペインにはHIV陽性患者が約12.5万人いる。
スペインのカトリック教会関係者がこれほどはっきりとコンドームの使用を認める発言を行ったのは初めて。昨年11月末に厚生省が行った避妊具使用推進キャンペーンの際には、マルティネス・カミノ書記長自信がエイズ感染を避妊具が防止するという考えは“重大な間違い”であると述べていた。このキャンペーンは、エイズを引き起こすHIVウィルス感染を防ぐためにコンドームを使用するよう呼びかけるものであったが、マルティネス・カミノ書記長は、このキャンペーンは人々が節操なく性交渉を行うことを推進するものであるとし、常にバチカンが使用してきた言い分、“コンドームはエイズ感染を防止するのに効果的な方法ではない”を繰り返し、この発言は、現在のところエイズの蔓延を防ぐ唯一の方法は避妊具の使用であると主張する厚生省、WHO(世界保健機構)、NGO団体から厳しい批判を受けていた。

アグスティン・ゴンサレスさんの遺体、埋葬される

日曜日、74歳で亡くなったアグスティン・ゴンサレスさんの遺体は、昨日マドリッドのラ・アルムデナ墓地で荼毘に付された。月曜日はゴンサレスさんが死の数日前まで“Tres hombres y un destino”の舞台に立っていたレイナ・ビクトリア劇場で終日弔問受付が行われ、遺体を乗せた車はここから昨日午前11時頃墓地に向かった。スペイン演劇界の名脇役として知られたゴンサレスさんの葬儀は、今月28日、マドリッド州ポスエロ市のサンタ・マリア・デ・カナア教会で営まれる。
月曜から昨日にかけてレイナ・ビクトリア劇場には、ゴンサレスさんに最後のお別れを告げようと、カジェタナ・ギジェン・クエルボさん、ペドロ・オシナガさん、ルイサ・マルティンさん、トリスタン・ウジョアさん、カルメロ・ゴメスさんなどの俳優や、ルイス・ベルランガ、フェルナンド・トゥルエバ両監督、ピラール・デル・カスティジョ前文化大臣、スペイン映画協会会長メルセデス・サンピエトロさんなど、たくさんの人々が駆けつけた。
“Tres hombres y un destino”は、昨日から公演を再開、ゴンサレスさんが肺炎により病院に運ばれてから48時間で代役に立つ準備をしたフアン・へスス・バルベルデさんがこのまま2月6日の千秋楽まで代役を務める。


1月18日(火)

国王、モロッコを訪問

モロッコを訪問しているスペイン国王夫妻は、訪問1日目の昨日、晩餐会の席でスペイン国王フアン・カルロス一世は、「テロ対策に対するモロッコ当局の堅い支持と効果的な協力に感謝の意を表します。」と述べたほか、モロッコ王室から支援の要請があった密入国問題について「さらなる両国間での努力が必要」とコメントした。また、西サハラ領土問題については、ポリサリオ戦線が受け入れ、モロッコが拒否しているベーカー和平プランについて言及、「スペインは、両者に対し正当で、両者が受け入れられる決定的解決への道を、国連の決議範囲において模索することを決心しています。」と述べた。この問題について、モロッコ国王モハメド六世は、両者が受け入れることのできる決定的解決について検討する前向きな姿勢があるとしながらも、西サハラ領土の統治権を放棄する考えがないことを改めて表明した。
モロッコに到着した国王夫妻は、モロッコ王家全員に空港で迎えられた。昨日はまず、両国王だけで会談が行われ、午後にフアン・カルロス一世とドリス・ジェットゥ・モロッコ首相の会談が行われ、この会談にはスペインのミゲル・アンヘル・モラティノス外相も同席。外相によると、モハメド六世は、カナリアス諸島への密入国対策として、モロッコ南岸配置警官数を増やす考えがあることを明らかにしたという。モロッコがジブラルタル海峡からの密入国を大幅に減少させることに成功した現在、カナリアス諸島への密入国は両国間の解決すべき最大の問題で、モハメド六世は、フアン・カルロス一世にこのための支援を要請した。またこの席では、具体的な日程については今後調整が行われるが、今年の9月か10月頃にスペイン-モロッコ首脳会談を行うことも決定され、モロッコ各紙は今回の国王訪問についてアスナル政権時代と違う方向へ向けた新たなスペインとモロッコの関係が始まったとの見方を示す記事を載せている。

シリンゴ被告、供述を一変、容疑を否認

1997年、スペイン中央管区裁判所のバルタサル・ガルソン判事に“死のフライト”に2度関わったと告白、大量殺人、テロ、拷問などの容疑で懲役6626年の刑に問われているアルゼンチンの元海軍将校アドルフォ・シリンゴ被告が、供述を一変させ昨日、容疑を全面的に否認した。
裁判1日目の先週金曜日、被告は2人の警官に支えられながら入廷、被告席でも毛布にくるまり病人を装っていたが、被告のねらいどおりに裁判は中止にならなかった。そこで被告は戦略をがらりと変え、昨日は警官の介助なしに堂々と入廷、供述の口ぶりもなめらかで、金曜日の病状から“奇跡の回復”を見せた。被告は1997年の供述(宣誓なし)で、アルゼンチン独裁制時代の1977年、尋問、拷問を受けた破壊分子を飛行機から大西洋とラ・プラタ川にに投げ落とす“死のフライト”に2度参加し、1度目は13人、2度目は17人を海に投げ落としたと述べていたが、昨日“死のフライト”は、新聞や雑誌、本からの“作り話”だったとこれを否定、97年の供述は、アルゼンチン海軍により行われた犯罪について調査させ、海軍の最高責任者だったエミリオ・マッセラ将軍の責任追及を行うための“ショー”で、嘘の供述により、さらに軍関係者が告発、召喚されると思っていたと述べた。被告は、1度目の“死のフライト”が行われたとされる1977年7月前半はブエノス・アイレスの病院に入院中、2度目の8月は家族と休暇をとっていたため参加は不可能だったと述べたほか、数千人におよぶ逮捕者への尋問、拷問が行われたことで知られる被告の配属先であったESMA(海軍機械高等学校)でも、トラックの頻繁な出入り以外、不審な出来事は目撃しなかったと述べている。

第三の無料新聞、今日から配布開始

スポーツ紙マルカ、経済紙エクスパンシオンなど、専門分野での新聞をもつレコレトス社が、今日から無料新聞“QUE!”の配布をスペインの12都市で始めた。発行部数は100万部で、取材にはおよそ140人の新聞記者があたる。
これまでスペインの無料新聞市場は、“20 Minutos”(ノルウェー資本の国際的通信社Schibsted発行)、“Metro”(スウェーデン資本の同名会社発行)の2社競合で、マドリッド、バルセロナ、セビジャ、サラゴサ、アリカンテ、バレンシア、マラガの7都市で配布されている“20 Minutos”紙が読者数186.2万人でトップ、2005年には配布都市をさらに2都市増やすほか、経済専門無料紙“20 Negocios”の配布も予定している。一方の“Metro”は、アリカンテ、バレンシア、マドリッド、バルセロナ、サラゴサ、セビジャとコルーニャで配布されており、160.5万人の読者を持っている。
これら2社に加え今日から配布を開始した“QUE!”は、アリカンテ、オビエド、バルセロナ、ビルバオ、コルーニャ、マドリッド、マラガ、マジョルカ、セビジャ、バレンシア、ビーゴ、サラゴサの12都市の7500ヶ所以上で100万部を配布するが、既存の2紙にない新しい点として、インターネットサイトwww.quediario.com で読者から地域のニュースを募集し、その中の特筆すべきニュースを載せるスペースを設けている。


1月17日(月)

ETA、対話を求める声明文

日曜日の未明、テロリスト組織ETAが声明文を発表したが、この内容は土曜日のサン・セバスティアンでのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相の停戦の呼びかけではなく、昨年11月14日でのバタスナ党集会での呼びかけに応えるものだった。11月のこの集会で、非合法政党バタスナ党は、バタスナ党を含めたすべての政党がETAと中央政府を相手に2つの対話の道を持つことを提案しているが、アルナルド・オテギ代表は先週金曜日にもサパテロ首相に、“ETAに武器を置かせ、民族主義者と非民族主義者を平和へと導く道を模索するため”すべての政党が参加したETAとの対話の開始を呼びかけている。
フェリペ・ゴンサレス政権時代の1989年アルジェ会議、ホセ・マリア・アスナル政権時代の1999年チューリッヒ会議の2度にわたって政府とETAの停戦交渉会議は失敗しているが、これはETAが政府との政治交渉を求めたためで、今回の声明ではETAは政治交渉の役割はバタスナ党に任せるとしており、弱体化しているとされるETAとの交渉が本格的に始められる可能性に期待が寄せられているが、政府との交渉を開始するためには、ETAが武器を置くことが不可欠。これまでは、復活の日曜日でもあるアベリ・エグナ(バスク祖国の日)にバスクの民族主義者が重大な政治的決定を発表を行う習慣があったが、バタスナ関係者はそれより前にETAが停戦を宣言する可能性もあると示唆している。
しかし、この呼びかけはバタスナ党の政治的戦略の一環に過ぎないとする楽観的でない見方もあり、バタスナ党の呼びかけは、支持者がプラン・イバレチェを掲げているPNV(バスク民族党)や、EA(バスク連合)に流れるのを防ぐのが目的で、ETAの停戦によりバタスナ党が再び合法政党と認められた後、2007年の地方選挙に候補を立てるか、前科のない支持者を利用し新たな組織を作り、今年5月の選挙に候補を立てるのではないかとの憶測も流れている。

“レグラリサシオン”目前、各国領事館前に長蛇の列

改正外国法の適用により、2月7日から3ヶ月の期間限定で行われる“レグラリサシオン”(8月7日以前からスペインに居住していることを証明できる不法滞在者は、雇用契約書があれば滞在を合法化することができる)が、この申請に必要な書類である“無犯罪証明書”取得のため、一部の国の領事館前には昼夜を問わず長蛇の列ができている。スペイン外務省から2ヶ月前に通知を受けていたにもかかわらず領事館では、無犯罪証明書交付が追いつかず、スペイン政府は15日以内に原本を提出できるのであれば、無犯罪証明書交付申請控えを提出することにより、“レグラリサシオン”の申請ができるよう特別措置を取ることを決めた。
スペインに現在居住していると見られる不法滞在者は100万人強だが、このおよそ3分の1を占めるエクアドル人が大挙しているエクアドル領事館では、職員を増やし受付時間を延長しているものの、領事館前の行列は日ごとに長くなるばかり。ウィルソン・Mさんは、エクアドルにいる家族に送付する委任状をもらうため、マドリッドにあるエクアドル領事館前で20時間並んだという。この後、ウィルソンさんの家族は、郵送されてきた委任状を持ってキトの外務省に並び無犯罪証明書の交付を受け、これを再びスペインのウィルソンさんへ送付。ウィルソンさんが、これを持ってマドリッドのエクアドル領事館に赴き、領事館印をもらって初めて、無犯罪証明書はスペインにおける効力を発する。このすべての手続きにかかる費用は130ユーロだが、現在の状況では、滞在合法化特別措置受付期間終了の5月7日までに彼が無犯罪証明書を手に入れられるかは微妙だという。

ゴールデングローブ最優秀外国語映画賞に“Mar adentro”

スペイン時間の今日未明発表された第62回ゴールデングローブ賞で、アレハンドロ・アメナバル監督の『Mar adentro(アメリカ公開タイトル“The Sea Inside”)』が最優秀外国映画賞に選ばれた。この映画で、事故により首から下が不自由で寝たきりとなっている主人公ラモン・サンペドロを演じたハビエル・バルデムに期待がかかっていた最優秀主演男優賞は、『アビエイター』のレオナルド・ディカプリオが獲得した。
授賞式にハビエル・バルデムとその母親のピラール・バルデム、主演女優のベレン・ルエダと出席、受賞スピーチでアメナバル監督は「この賞はたくさんの人々、特に俳優としては天才、人間としても素晴らしいハビエル・バルデムと分かち合いたい。」とコメント。最優秀外国賞その他の候補作は、クリストフ・バラティエ監督(仏)の『Les Choristes(コーラス)』、ヴァウテル・サレス監督(ブラジル)の『The Motorcycle Diaries(モーターサイクル・ダイアリーズ)』、ジャン=ピエール・ジュネ監督(仏)の『Un long dimanche de fiancailles (ロング・エンゲージメント)』、チャン・イーモウ監督(中国)の『Lovers』だった。
ゴールデングローブ賞は、ハリウッド外国人映画記者協会の会員93人の投票によって決められるものだが、この結果は2月に開催されるアカデミー賞の最良のバロメーターとして知られている。


1月14日(金)

サパテロ首相、イバレチェ知事と会談

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は昨日、首相官邸でフアン・ホセ・イバレチェ・パイス・バスコ州知事との会談を行った。今回の会談は、サパテロ首相が初めてイバレチェ知事を首相官邸に迎えた昨年7月26日の会談と全く雰囲気が異なり、官邸に到着した知事を待っていたのは首相の厳しい表情で、到着した知事を迎えるのに玄関の階段を下りない首相の態度から、到着時にいくぶん微笑みがちだった知事も、表情を硬くした。会談は4時間にわたって行われたが、パイス・バスコの将来と自治憲章改正をめぐる両者の見解の相違を際立たせただけだった。
マリア・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ副首相が会談後の記者会見で明らかにしたところによると、首相は知事に、バスク州議会において非合法政党バタスナの票により承認を受けたプラン・イバレチェについて「話し合うことは何もない。私が首相を務める限り、この改正案が承認されることはなく、したがって適用されることも決してないだろう。」と伝えたという。また首相が、プラン・イバレチェは、“行き止まりへと導く誤り”で、「政治的指導者の第一の義務は住民を一つにまとめることであるのに、このプランは住民を分裂させており、知事の役目は法を尊重することであるのに、このプランは憲法を蹂躙している。」と、断固として否定的な姿勢を示したにもかかわらず、イバレチェ知事は「もし、中央政府が話し合いを拒みつづけ、バスク州議会での承認を国会が否決するなら、私は決定権を住民に与えよう。私がバスク州知事である限り、バスク人の意思はPPやPSOEの方針に取って代わられることはない。」と、あくまでも住民投票を召集する考えを変えなかったという。
会談中もその後の記者会見でも、知事は、会談で扱われるのは、知事の提案ではなく、バスク州議会からの提案であることを強調、この住民投票は法律的には有効ではないことはわかっているが、政治的には大きな価値をもつだろうと述べたが、住民投票召集までのプロセスについて具体的に明らかにすることは避けた。首相もまた、知事が住民投票を召集した場合、政府がどういう措置をとるかについては明らかにしていない。

バスク州議会議長、プラン・イバレチェを国会審議に登録

非合法政党バタスナの支持票によりバスク州議会で承認されたプラン・イバレチェを国会審議として登録するため、今日、バスク州議会議長フアン・マリア・アトゥチャ氏が上京、プラン・イバレチェ登録後の会談で、バスク州議会と下院の代表によって3月に予定されている国会審議の前にプラン・イバレチェの内容を理解把握するための委員会を創設することをマヌエル・マリン下院議長に提案した。
しかし、会談後行った記者会見でアトゥチャ氏が明らかにしたところによると、この提案に対し、マリン氏は、バスク州自治憲章改正案を採用するかどうかが国会で審議されるまではこの委員会を作るのは不可能であると答え、提案を受け入れなかったという。アトゥチャ氏は、提案を行ったのは、バスク州政府の対話の精神と交渉の意思表示によるもので、「内容について深く理解することなく国会がプラン・イバレチェを頭ごなしに否決することを、バスクの住民は決して理解することはないだろう。」と述べた。
アトゥチャ氏が下院に到着する30分ほど前から、議事堂前にはファランヘ党の旗を掲げた抗議者20人ほどが集まり、公用車で到着したアトゥチャ氏に対し様々な罵声を浴びせたが、それ以上の騒ぎには拡大しなかった。

建設現場で火災、7人が死亡(ブルゴス)

昨日の午前8時半、ブルゴス市の建設現場で起きた火災により、7人が死亡、5人が負傷した。火災現場は市の自転車用道路建設を請け負っていた建築会社Arranz Acinasの従業員が着替えに使っていた空き店舗。火災の原因については、現在調査中だが、現場に保管されていた機械用燃料が何らかの原因で引火した可能性が高いという。
負傷した5人は集中治療室で手当てを受けており、2人は危険な状態、2人は重態だが容態は安定に向かっており、残り1人は重傷。また、警官2人を含む14人が煙を吸って病院に運ばれたが昨日のうちに退院している。火災が起きたのは、従業員が燃料を別の容器に移し替えているときだったという。
火災が発生したのはドアの近くで、犠牲者の遺体は全員ドアから最も離れた部屋の奥で見つかっているが、これが火を逃れるためだったのか、彼らが最初からこの場所にいたのかは不明。火は建物の壁を壊すにはいたらなかったが、天井を覆っていたポリウレタン(燃えやすく、燃えると有毒ガスを発生させる材質)が焼けており、この有毒ガスの吸引を防ぐため、空店舗の上階および隣接する建物の住人が一時避難させられた。
昨日の火災は、ブルゴス県における過去最大の労災事故で、犠牲となった7人の追悼のため、ブルゴスのプラサ・マジョールでは昨日の午後8時、集会が開かれ、およそ2000人が集まった。ブルゴス市役所は3日間の服喪を決め、今日の正午、プラサ・デル・シッドで追悼集会を開くほか、ブルゴス県では正午に5分間の黙祷が捧げられる。


1月13日(木)

イバレチェ知事、各政党代表と個別会談

今日のマドリッドでのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相との会談を前に、昨日バスク州知事フアン・ホセ・イバレチェ知事は各政党代表と個別に会談を持った。
PSE(バスク社会党)のパチ・ロペス代表との1時間15分にわたる会談は、ロペス氏が現職に就いた2002年からこれまでに行われた両者の会談の中で最も緊迫したものとなった。会談後の記者会見でロペス氏は、中央政府との交渉を求める前に、パイス・バスコ内でさらなる合意の道を探るべきであるとのPSEの見解をイバレチェ知事に示したが、知事の態度はこれまでになく閉鎖的であったと述べ、今日のマドリッドでの会談で何らかの結果が出る可能性はきわめて低いとの見方を示した。国会の承認なしに住民投票を召集する権限が知事にないことを重ねて伝えたロペス氏に対し、知事もまた、国会でプラン・イバレチェが否決されても自分はこれを受け入れず、パイス・バスコでの住民投票を行う所存であることを改めて明言、この住民投票で自治憲章改正の提案が承認されることを確信していると述べたという。「知事の提案は、我々バスクの住民が飽き飽きしている対立と分裂の新たな要素となるだけだ。知事は、敵はパイス・バスコの外にいると思わせたがっているのだろうが、現実には対立と分裂はパイス・バスコにある。」とロペス氏は述べている。
一方、バスク州議会唯一の地方政党で、プラン・イバレチェが実際に動き出すことになった場合アラバ県がパイス・バスコ州から分離することを支持しているUA(アラバ連盟)のエンリケタ・ベニート議員に、知事は、住民投票でプラン・イバレチェに対し否定的な結果がアラバ県(県都ビトリア)で出た場合、プラン・イバレチェ適用をアラバ県には強要しないと述べた。ベニート議員は合意できる点が見つかったという点において、会談は興味深く、気分のよいものだったと述べたものの、国会でプラン・イバレチェが否決されても住民投票を行うという知事の考えは批判している。
また、12月30日の州議会における投票で、プラン・イバレチェが承認されるに必要な票を投じたSA(愛国社会主義同盟在は非合法政党の元バタスナ党メンバーで構成)のアルナルド・オテギ代表は知事に対し、議会で賛成票を投じたのは、中央政府との交渉を開始するためではなく、バスク内での紛争の根本的解決のための基礎を模索するためで、これから知事はパイス・バスコ内で“ゲームの基本的ルール”について合意を確立しなければならないと通告した。オテギ代表との会談はほぼ2時間と昨日最も長いものとなったが、会談後、記者団の前に現れた代表は記者からの質問を受け付けず、簡潔に会談の結果を述べるに留めた。
PSEと共にプラン・イバレチェ反対に投票したPPは、非合法の自治憲章改正案について話し合う会談には出席しないとし、会談を欠席した上で、マリア・サン・ヒル・PPパイス・バスコ支部長が、出席したPSEのロペス代表を批判する発言を行っている。

団地で爆発、2人が死亡(マドリッド)

昨日の午後21時半頃、マドリッド州南部のヘタフェ市(人口15.8万人)にある団地でガス爆発が起き、2人が死亡、重体の4ヶ月の乳児を含む6人が入院、15人が軽傷により現場で手当てを受けた。爆発の規模は大きく、被害にあったのは近隣の85戸と道路に駐車されていた車両47台で、44家族およそ100人が自宅から避難を余儀なくされた。
爆発の原因については、警察とガス会社の専門家の調査結果を待たなければならないが、現場からは爆発物の類は見つかっておらず、ガス漏れにより起きた爆発である可能性が高い。

モリエンテス選手、リバプールへ移籍

昨日の午前、スペインサッカー一部リーグのレアル・マドリッドは、2006年6月まで契約の残っているフェルナンド・モリエンテス選手(28歳)をイングランド・プレミアシップのリバプールに900万ユーロで移籍させることで合意に達した。昨年8月、フロレンティーノ・ペレス会長がオーウェン選手の獲得を決定し、さらに出場時間の増加を約束したカマチョ氏が約束を守らなかったばかりか、リーグ開幕早々辞任、モリエンテス選手にとっては望ましくない環境が続いていた上、リバプールが11月からモリエンテス選手の移籍を要請しており、選手は8年間のレアル・マドリッドでの選手生活に幕を下ろすことを決めた。
リバプールにはゴール決定力のある選手が欠けており、昨シーズンまでバレンシアの監督を務め、現在はリバプールで指揮をとるラファ・ベニテス氏は「君にとっていいチームだと思う。」とモリエンテス選手を説得、選手も「監督を知っているし、スペイン人の選手も多い(シャビ・アロンソ、ホセミ、ヌニェス、ルイス・ガルシア選手が所属)ので魅力的なオファ−だった」と述べている。しかし、モリエンテス選手にとって決断は容易ではなく、昨日の記者会見では、この決断が自分と家族が熟考した結果であることを強調、「マドリッドのユニフォームを着たこと、偉大なチームに貢献できたことを誇りに思う。」と述べると共に、「8年の自分のキャリアと人生を後に、僕は悲しみと共に去る。自分の家を出て行くような気分だ。」とも述べた。選手は昨日イギリスに飛び、ベニテス氏、チームの幹部と夕食を共にした。モリエンテス選手のリバプールとの契約は2008年6月まで。


1月12日(水)

国会、満場一致でEU憲法批准国民投票開催を決定

下院は昨日、満場一致(ミスにより棄権一票)で、政府首相にEU憲法批准のための国民投票を開催する許可を与えた。ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、EUについて「人類の歴史上最も発展した自由と連帯の空間」であると述べた。最大野党PP(国民党)のマリアノ・ラホイ党首は、国民投票開催については賛成に投票したものの、首相はもう少しスペインにとって良い内容で憲法を受け入れることが可能だったと非難したほか、国民投票の開催には賛成しているものの、与党PSOE(社労党)の政策を常に支持することで先日合意に達したERC(カタルニャ左翼共和党)とIU(統一左翼)はEU憲法に反対を、バスク州議会でのプラン・イバレチェ承認を達成したバスク州政府与党PNV(バスク民族党)は賛成を表明している。
国民憲法開催の決定が議題であった昨日の国会審議だが、最終的にはプラン・イバレチェをめぐる各政党の非難の場となった。ラホイ党首は、政府の政策を“未熟で優柔不断、無能”であるとし、首相はERCの囚人で、プラン・イバレチェへの対応については連合を組んだばかりの政党の神経を逆なでしないことしか考えていないと非難、これに対しサパテロ首相は、国会で改めてプラン・イバレチェへの拒絶を改めて表明した上で、「民主主義における基本は、定められた手順を尊重することであるため、バスク州の自治憲章改正案は国会で審議された上で否決されることになるだろう。」と発言した。また、バスク州住民の決断により住民投票が開催されるのは合法であると述べたPNV国会代表のジョス・エルコレカ氏に対しても、住民投票は唯一国会での承認により召集することができると念を押した上で、「PNVのように長い民主主義の伝統を持つ政党は、この点について理解を示し、国会の承認のない住民投票は召集すべきでない」と言い渡した。

中央管区裁判所、Yak-42機犠牲者の身元鑑定ミス認める

中央管区裁判所の検死官は、2003年5月26日トルコで墜落したYak-42機の犠牲者の身元鑑定に重大な過ちがあったことを確認した。テレサ・パラシオ判事に提出された報告書では、判事の命により11月22日から30日にかけて9自治州で21人の遺体を掘り返して身元の再鑑定を行ったところ、防衛省が通知していた身元と合致しなかったことが報告されている。国立毒物学研究所の鑑定によると、亡くなった62人の軍人のうち、少なくとも21人は身元が誤っていたことがわかっている。鑑定が間違っていた可能性があるのは30人だったが、9人はすでに遺体が火葬されていたため、再鑑定が行えなかった。
現在、再鑑定が行われた遺体はマドリッドのラ・アルムデナ墓地で保管されており、報告を受けたパラシオス判事が本当の遺族への遺体返却を命じるのが待たれている。

スペイン訪問観光客数前年比1.1%の伸び

具体的な数字の発表は来週水曜日まで待たなければならないが、2004年スペインを訪れた観光客の数はおよそ5300万人で、前年より1.1%伸びたことがライモン・マルティネス・フライレ観光局長の発表により昨日、明らかにされた。2005年は5600万人の訪問を期待しているが、この数字の増加は滞在日数と観光客のスペインでの出費額が増加すればという条件においてで、政府としては観光客数増加よりも観光による収入増加を重視している。
観光局長は昨日、2005年のトゥールエスパーニャのスローガン“Sonria, esta en Espana(微笑んで、あなたはスペインにいるのだから)”を発表、スペイン観光の目玉商品(スペイン訪問観光客の80%が利用)“Sol y playa(太陽とビーチ)”のプロモーションを優先的に行う方針であると述べた。
このプロモーションに使われる費用は3200万ユーロで、うち2700万ユーロはテレビ、印刷物に投資、残り500万ユーロはインターネットに投資される予定。投資額の82.6%は主要市場であるヨーロッパ向けで、その中でもスペインを訪れる観光客出身国の45%を占めるイギリスとドイツに特に重点が置かれる。また、11.8%はアメリカ大陸向けで、特にブラジルが重視されるほか、アジア向け投資5.6%は日本と中国に的が絞られる。観光局長によると、今後スペインは価格でなく、バランスのとれた品質と価格を目標に観光客誘致を図っていくという。


1月11日(火)

デ・フアナ・チャオス受刑囚、別件による刑期延長で2月の釈放見送り

テロリスト組織ETAのメンバーとし、マドリッドのレプブリカ・ドミニカーナ広場での治安警備隊バス爆破テロ(犠牲者12人)を含む11件のテロに参加し、25人を暗殺した罪で懲役3000年以上の刑を宣告され、これまでに18年服役しているホセ・イグナシオ・デ・フアナ・チャオス受刑囚(49歳)は、刑期の短縮を受け来月にも釈放する見通しとなっていたが、昨日中央管区裁判所のフェルナンド・グランデ-マルラスカ判事は同受刑囚から供述を取った後、テロリスト組織所属と脅迫の罪により、検事の要求どおり保釈金なしでの同受刑囚の予防的拘置を命じた。
判事は、12月1日と30日にバスク地方紙GARAに投稿されたデ・フアナ・チャオス受刑囚の2通の手紙は、引き続き同受刑囚がテロリスト組織に属している明白な証拠であり、その内容はテロリストによる脅迫にあたると判断、予防的拘置に対し、受刑囚は控訴することができるが、判事は拘置を最高4年まで延長することができる。

ラモン・サンペドロさんの友人、自殺幇助を告白

事故により首から下が不随となり、尊厳死の権利を求めて闘ったものの権利が認められず、親しい者の手を借り、不随となってから29年後にラモン・サンペドロさんが自殺してから明日で7年が経つが、昨日、サンペドロさんの親しい友人であったラモナ・マネイロさん(44歳)が、致死量の青酸カリ水溶液を準備し、彼が死ぬまでをビデオに撮影したと、無報酬で出演した民放テレシンコの番組“El programa de Ana Rosa”で告白した。
「台所のコップに彼の指示した量の水を入れ、必要量の青酸カリを溶かしました。その後、コップにストローを刺し、彼の言う場所に置きました。」と述べたマネイロさんは、サンペドロさんと視線が合っているうちはビデオカメラの後ろにとどまったが、彼が苦しみながら死んでいく様子を見ていられず、トイレに逃げたことも明らかにし、自分は彼を愛していたがために自殺を手伝い、そのことについて満足してはいるが、誇りには思っていないと述べた。彼女は1998年のサンペドロさんの死後、逮捕されたうちの1人だったが、証拠不十分で釈放されている。自殺幇助の時効は5年であるためマネイロさんが刑事的に罪に問われることはない。
アレハンドロ・アメナバル監督がラモン・サンペドロさんの生涯をつづった映画“Mar Adentro”を製作し、尊厳死をめぐる議論がスペインでは再燃しているが、国会ではPP(国民党)をのぞく全ての政党がこの問題について研究する委員会の設置で合意に達したのみ。同様の委員会は1998年から1999年にかけて上院でも組織されたことがあるが、この委員会は何らの法改正も行うに至らなかった。

ダカールラリーで事故のスペイン人死亡

木曜日、参戦していたダカールラリーで事故を起こしたスペイン人ライダーのホセ・マヌエル・ペレスさん(40歳)が昨日、入院先のアリカンテ総合病院で死亡した。
“エル・カルニ”というあだ名で知られるペレスさんは、ダカールラリー参戦5回目で、来年は車で挑戦することをすでに表明していた。しかし、悪天候に見舞われた第6ステージ(660キロ)、スタートから261キロの最初のチェックポイント到達前に転倒、ヘリコプターによりモーリタニアのズエラに運ばれ、ラリー専属医師により、脾臓と腎臓1つを摘出する手術が行われた。全身を強く打っていたほか、肝臓も大きなダメージを受けており、手術後、ペレスさんと電話で話した妻クリスティーナ・アルメリアさんの話では出血もひどく、医師によると“死ぬか生きるか”の重態で、アルメリアさんはモーリタニアに飛ぶ準備をしていた。
しかし、術後の経過が良好で、病状が安定したためペレスさんはスペインへ送られることになり、まずモーリタニアの首都ヌアクショットに、その後セネガルの首都ダカール、そしてアリカンテへと飛行機で搬送された。ペレスさんは土曜日にアリカンテに到着する予定だったが、他の参加者が事故に遭い、この手当てのため飛行機が使用され、到着は日曜日明け方となった。アリカンテに到着した時点でペレスさんは高熱を出しており、半時間後に亡くなった。ラリー主催者側は昨日、この件について説明することは避け、ペレスさんへのお悔やみを述べるに留めている。家族は死因究明のため一刻も早い検死を判事に要求、検死は今日行われ、遺体は午後、ペレスさんの出身地エルチェに埋葬される。


1月10日(月)

殺された警官、麻薬密売組織の手先だったことが判明(マドリッド)

水曜日、マドリッド州ビカルバロで警官が射殺された事件について捜査が進められているが、事件が起きた日、被害者は非番であったにもかかわらず、警棒、銃、手錠を携帯していたなど不審な点が見られたため、警察が内部捜査を行ったところ、殺されたホセ・マヌエル・アルバレス・パシオス巡査が、コロンビア人麻薬組織のため情報入手、集金、盗聴などを行っていたほか、ロマ族の複数の家族にコカインを供給していたことが判明、事件は麻薬組織の集金のもつれから起こったことがわかった。
事件は、1月5日水曜日、ビカルバロの路上で、被害者と2人の男がロマ族の40歳の男性を警察のバッジを見せて車に乗せようとしたところ、男性が抵抗、この際被害者の携帯していたピストルが落ち、このピストルをロマ族の男性に同行していた妻が拾い、被害者に発砲、ロマ族の2人が逃走したもの。発砲した女性は土曜日自首し、すでに拘置所に入れられている。また、被害者の同僚でレガネス警察署勤務の45歳の警官を含む3人が逮捕されているが、現場から車で逃走した他の2人は現在指名手配中で、うち1人は警官、1人は被害者と働いていたコロンビア人だと見られている。
被害者の勤務していたレガネス警察に対しては、現在国家警察本部の内部捜査課が他にもこの事件に関わった警官がいないかどうかを捜査している。国家警察では毎年、10〜15人の警官を汚職、麻薬密売などの罪により免職されている。

デ・フアナ受刑囚、今日、中央管区裁判所に出頭

25人を殺害した罪で懲役3000年以上の刑を宣告されているETAメンバーのホセ・イグナシオ・デ・フアナ・チャオス受刑囚は、素行の良さや、社会復帰への意欲を示すための通信大学への登録などにより旧刑法の定める最高服役期間30年から減刑を受けた結果、18年の服役で来月にも釈放される見通しとなっていたが、中央管区裁判所は同受刑囚に対し、テロ称揚容疑で今日出頭することを命じた。
テロ称揚の容疑がかけられているのは、12月1日に同受刑囚がバスク地方紙GARAに掲載した記事で、“El escudo”(盾)と名づけられたこの記事に、デ・フアナ・チャオス受刑囚は「“敵”が何をしようと、ETAとその支持者を打ち負かすことはできない。我々には道理とは異なる無敵の盾があることに諸君は気づいていないのか?」「諸君の汚れた手を出せ。別の方法は我々を苦しみへと導くだけだ。」などと書いている。このほか、12月30日、受刑囚が服役中の刑務所所長と責任者5人に対し、刑務所で拷問が行われていると糾弾した書簡にもテロリストによる脅迫の容疑がかけられている。イグナシオ・ゴルディジョ検事は、フェルナンド・グランデ-マルラスカ判事に対し、デ・フアナ受刑囚の拘置を要求するが、これに加え、AVT(テロ被害者協会)も同じ容疑で受刑囚を告訴する予定。土曜日、ビルバオで行われたETA服役囚支持デモにAVTは激しい怒りを表明しており、今月、マドリッドで大規模なETAテロ犠牲者支持デモを開催し、ETA受刑囚が宣告された刑期をすべて務めることを要求することを発表した。

クリスマス特別警戒期間中の交通事故死者数は過去17年で最低

12月23日から昨日の夜12時までのクリスマス交通特別警戒期間中の交通事故数は111件で、この事故で139人が亡くなったことがDGT(交通総合局)の発表により明らかになった。この数字は過去17年間で最低。重傷者の数は71人、軽傷者は66人で、昨年は特別警戒期間が今年より2日長かったものの、今年の死者は56人、重傷者は30人少ない。
最も死亡者が多かったのはクリスマスイブと元旦でそれぞれ15人、これに2日の13人、クリスマスと先週金曜日の10人が続く。自治州別に見ると、事故死者数が最も多かったのはアンダルシア州で25人、続いてカスティジャ・イ・レオン州の21人、カタルニャ州18人で、ナバラ州は1人も死者を出していない。これまでで最も交通事故死者数が多かったクリスマス特別警戒期間は1991-1992年で、321人が死亡している。


1月7日(金)

サパテロ−イバレチェ会談は今月13日

昨日のパスクア・ミリタル(陸空海軍の始業式)の式典の後、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相はプラン・イバレチェの内容についての詳細な説明を受けた後、このプランの撤回を要求するためのフアン・ホセ・イバレチェ・バスク州知事との会談を、来週の木曜日13日に行うことを発表した。プラン・イバレチェを受け入れられない理由のうち、主な3つとして、サパテロ首相はこの自治憲章改正案がバスク社会での共存を脅かしていること、中央と地方の行政組織間での対立を生むこと、そしてテロリスト組織ETAが引き続き活動中であることを挙げている。
PNV(バスク民族党)のジョン・ジョス・イマス党首と州議会審議の2日前に話した首相は、党首は非合法組織バタスナがプラン・イバレチェを支持することを知らなかったと考えており、15日前にEU憲法支持を表明していたことから見て、イバレチェ知事が知ったのも早くても前日夕方だったと見ている。会談当日、首相は知事とこの問題について深く掘り下げて話し合いたいとしており、PNVとバスク州政府の現状からすれば最終的に民主主義の道理が知事を納得させることを確信してると述べた。
首相はまた民主主義の道理がPP(国民党)にも通ることを期待してると述べ、PPが要求しているようなスペインの団結を保証するためのPPとPSOE間での合意は、現在の状況では必要ないとの考えを改めて表明した。当初、イバレチェ知事との会談前に行われると見られていたPP党首マリアノ・ラホイ氏との会談は、“知事との会談後、その内容をラホイ氏に伝える方が理にかなっている”ため、知事との会談の後、行われる予定。

エル・ニーニョ宝くじ、1等当選はカタルニャの町

昨日発表されたエル・ニーニョ宝くじ、1等当選番号は56139で、40シリーズ(宝くじ10枚で1シリーズ)のうち36シリーズが販売されたカタルニャ州のサン・ポル・デ・マル(人口4500人)で当選賞金5760万ユーロが分けられた。町で唯一の宝くじ販売所のマリア・ロサ・ヌアラルさんは、この番号の40シリーズすべてを買っていたが、売り切れず4シリーズを返却したという。購入者の大半は、町の住民もしくはこの町にセカンドハウスを持っているバルセロナの住民で、小口購入者がほとんどであるため、賞金(宝くじ1枚あたり16万ユーロ)は多くの人に行き渡った格好となった。
2等(当選番号81534)は人口4000人の町、システィエルナ(レオン県)に3200万ユーロをもたらした。こちらも購入者のほとんどは小口で購入しており、町長は、「この町にとって、鉱山閉鎖後の現在の厳しい状況を乗り切るための酸素ボンベともなるすばらしいニュースだ」とコメントしている。

ナダル賞にペドロ・サラルキ氏

昨日バルセロナで第61回ナダル賞授賞式が行われ、ペドロ・サラルキ氏(1954年バルセロナ生まれ)がルイス・モンテマジョールのペンネームで発表した“Un encargo dificil”が選ばれた。受賞作は、市民戦争直後のマジョルカ県カブレラ島を舞台に、フランコの抑圧、陰謀、国際スパイなどを織り交ぜて書かれたもの。賞金は1.8万ユーロ。次点には、1970年マドリッド生まれの二コラス・カサリエゴ氏がホセ・カンタラピエドラのペンネームで発表した“Cazadores de luz”で、賞金は6000ユーロ。
受賞者のサラルキ氏は1979年“La decima sinfonia”で文壇デビュー。“El responsable de las ranas”(1990年)でバルセロナ市賞とスペイン国営ラジオ批評の目賞、“La Historia del silencio”(1995年)でエラルデ賞を受賞している。執筆に専念するため、サラルキ氏は数年前からバルセロナのグラシア地区にカフェ・サランボを開き、このカフェテリアは作家の溜まり場となっている。次点の二コラス・カサリエゴ・コルドバ氏は、有名な作家一家(兄のペドロ、マルティン、アントン共に作家)に生まれ、1998年“Dime cinco cosas que quieras que te haga”でデビュー、マルティン・カサリエゴの小説“El chico que imitaba a Roberto Carlos”、“Y decirte alguna estupidez, por ejemplo te quiero”の脚本化にアントンと共に参加している。
授賞式には、カタルニャ州政府第一議員ジョセップ・バルガロ氏、バルセロナ市長ジョアン・クロス氏などおよそ800人が出席した。


1月6日(木)

主顕節の休日のため、ニュースはお休みです。


1月5日(水)

イバレチェ知事、サパテロ氏との交渉に固執

パイス・バスコのフアン・ホセ・イバレチェ知事は昨日、先月30日に非合法政党バタスナ党員が構成するSA(愛国社会主義同盟)の票によりプラン・イバレチェがバスク州議会で承認可決されて以来初めてマスコミの前に姿を見せ、記者会見を開いた。知事は、バスク人社会の意志は州議会または州での住民投票においてのみ表現されるものであり、それ以外の方法においてはこれを変更または利用することはできないため、国会でプラン・イバレチェを否決することはできないと述べ、必要なのは中央政府とバスク州政府間での話し合いであるとし、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相との交渉を要求した。知事は、首相と“開かれた柔軟な”姿勢で話し合いに望むと述べているものの、知事側はプラン・イバレチェをどのように中央政府が民主主義の枠内で受け入れるかが話し合いの焦点であるとの考えを明確に打ち出している。
イバレチェ知事のこの発言を受け、全国政党3党であるPSOE(社労党)、PP(国民党)、IU(統一左翼)は協調性に欠けるそれぞれ異なった見解を出した。PSOEのホセ・ブランコ組織部長は、「バスク州議会内で半数の支持しか得られていないイバレチェ知事は、政府との交渉を望む前にバスク内での支持を得るための対話を持つべきだ。プラン・イバレチェは、パイス・バスコでの分裂と対立をさらに深めた。プラン・イバレチェの内容は中央政府と交渉されるものではなく、国会での手続きを経るべきものであり、我々はこれに反対する。なぜなら憲法の枠外にあるからだ。プラン・イバレチェの支持に投票したのは、ピストルを持った人間で、ピストルを持った人間から守られべき人々ではなかった。今、パイス・バスコが必要としているのは、プラン・イバレチェではなく、バスク人の共存を保証し、スペイン、ヨーロッパと共通のプロジェクトを持つ、パイス・バスコに平和をもたらす別のプランである。」と述べた。
一方、PPは、憲法の定める範囲内での共存に安定性を持たせ、“スペインの団結”を保証するため、新たに国土問題についての協定を結ぶことを政府に提案する予定。IUのガスパル・ジャマサレス代表は、バスク州議会での承認へのPPの“ヒステリック”な対応や、違憲問題としてしか扱わないPSOEの対応と異なり、IUは対話をもってこの問題に対処したいと述べている。

ガルソン判事、米国でテロについて研究のため9ヶ月休職へ

中央管区裁判所のバルタサール・ガルソン判事は、CGPJ(司法権統括委員会)に3月1日から9ヶ月のキャリアアップのための研究許可を申請した。この期間、ガルソン判事はニューヨーク大学法学部法律・保安センターでテロリズムについての研究を行うかたわら、同大学と提携しているフアン・カルロス1世大学で教鞭を取る。今後、この申請について調査が行われ、申請理由が妥当であると認められた場合は休職が許可されるが、関係者はこれまでの判事の仕事ぶりから判断して申請は下りるだろうと述べている。
判事が手がけている事件は、現在のところ4件が結審していないが、いずれも結審に向かっている。ガルソン判事は、初めて資金部門からETAを追い詰めた判事であると共に、アメド事件(GAL関連)、シリンゴ事件(独裁制アルゼンチンにおける大量虐殺)ネコラ作戦(初めての麻薬密売組織に対する大規模裁判)、バタスナ事件、ノバ作戦(対イスラムテロリスト組織)のほか、アルカエダ、アルゼンチンとチリの独裁政権についての裁判も担当した判事で、2002年にはラテンアメリカ人権協会、イベロアメリカ原住民文化知識人財団、ハエン県トレス(判事の出身地)市役所の推薦で、ノーベル平和賞候補にも挙がったことがある。

金曜日からEU憲法批准国民投票キャンペーン開始

スペインでは2月20日にEU憲法批准のための国民投票が行われるが、この知名度を高めるためのキャンペーンとして、あさって7日からテレビCMの放送が始まり、学校ではヨーロッパデーが祝われ、批准対象となっている憲法の無料冊子500万部が1月16日の新聞についてくるほか、日曜日のサッカー試合“マドリッドダービー”も宣伝に利用される。
CMは30秒のものが3本、20秒のものが8本の計11本作成され、ジャーナリスト界からイニャキ・ガビロンド氏、ルイス・デル・オルモ氏の2人、サッカー界からエミリオ・ブトラゲーニョ氏、ヨハン・クライフ氏、歌手ロキージョさん、俳優ナタリア・サンチェスちゃん(テレビドラマ“ロス・セラノス”の子役)、エドゥアルド・ガルシアくん(テレビドラマ“アキ・ノ・アイ・キエン・ビバ”の子役)、作家アントニオ・ガラ氏が出演し、憲法の一文を読み上げる。キャンペーン期間中は、憲法の要約冊子とピンバッジも配布、2月10日にはシラク・フランス大統領とシュレーダー・ドイツ首相がバルセロナを訪問し、サパテロ首相と共に国民投票への参加を呼びかけることになっている。
国民投票の正式な召集は、来週火曜日に国会で行われる。召集の提案は国会で承認可決された後、14日の閣僚会議でも承認され、ただちに国民投票を召集することのできる国王により召集決定に署名が行われる予定。

東方三博士のパレード

明日がイエス・キリストの誕生を知った東方の三博士が贈り物を持って、ベツレヘムを訪れた日にあたるため、今日スペインの大部分の町では、東方三博士のパレードが行われる。各地でのパレードの内容は以下のとおり。
マドリッド:今年がアンデルセンの生誕200周年となるため、テーマをアンデルセン童話に定め、19台の車がパレードに参加する。パレードは17時45分にレティロ公園を出発、カジェ・アルカラをプエルタ・デ・アルカラ、プラサ・デ・シベレス、プエルタ・デル・ソルと通ってカジェ・マジョールに入り、終点のプラサ・マジョールに到着するのは19時40分の予定。パレードでは3000キロ以上のキャンディが沿道にまかれる。
バルセロナ:500人以上が参加、15台の車で15000キロのキャンディがまかれるバルセロナのパレードは、18時にシウタデッラ公園を出てモンジュイックのフエンテ・マヒカまでを行進する。今年のパレードの車は、『長靴をはいた猫』、『白雪姫』、ジュール・ベルヌの『月世界旅行』や『ドン・キホーテ』をモチーフにしている。
コルドバ:プラサ・デ・サンタ・テレサを17時に出発するパレードの終点は、アベニーダ・デ・バルセロナで、到着は21時の予定。通過するのは、アベニーダ・デ・カディス、プラサ・デ・アンダルシア、プエンテ・デ・サン・ラファエル、ロンダ・デ・ロス・テハレス、ロンダ・デル・マルビアルで、パレードの行進と共に3.5万キロのキャンディと6万個の小さいおもちゃが配られる。コルドバ市役所では10万人の人手を予想している。
セビジャ:パレードは17時にTussam旧車庫を出発、パレードに参加する35台の車は、フェリペ・セグンド、ラモン・カランデ、ペドロ・デ・カストロ、オルドニェス・デ・ラ・バレラ、エンラマディジャ、カルロスキント、パサレラ、メネンデス・ペラヨ通りを通って、ロンダ・デ・マリア・アウクシリアドラに18時25分到着予定。この後、ロンダ・デ・カプチノス、アンダルシア州議会、レソラナ・フェリア、アラメダ・デ・エルクレスなどを通って、レジェス・カトリコス通りに20時に到着予定。プエンテ・デ・イサベルセグンダ、プラサ・デ・クバなどに向かった後、21時25分にスタート地点に戻る。
グラナダ:昨年より5トン多い22,000キロのキャンディーがまかれる。パレードには本物のフタコブラクダ2頭、ヒトコブラクダ1頭も参加、闘牛場を18時半に出発し、プラサ・デル・カルメンに到着するのは20時半の予定。パレードには240人が参加、グラナダ市の旗の色である緑と赤の風船1万個も配布される。パレード終了後、三博士は市役所のバルコニーから子供達に挨拶、その後音と光のショーが広場に設置された大画面を使って行われる。
サンタンデール:11台の車、300人からなるパレードは19時にムエジェ・デ・ガマソを出発、カステラール、プエルトチコ、パセオ・デ・ペレダ、カルボ・ソテロを通って、20時に市役所に到着の予定。三博士は市長に迎えられ、市役所のバルコニーから市役所前に集まった子供達に挨拶する。
ビルバオ:パレードは18時にカジェ・プリンシパルを通り、市役所で終わる。パレードに伴い、路面電車は18時35分から20時までの間、アバンド駅とピオ・バロハ駅の間運行を停止する。


1月4日(火)

収賄の元判事に懲役9年の判決

カタルニャ州最高裁判所は昨日、元判事ルイス・パスクアル・エステビル被告(70歳)に対し、収賄、背任、不法逮捕などの罪で懲役9年4ヶ月の判決を言い渡した。また、弁護士のジョアン・ピケ・ビダル被告(71歳)には、同じ罪状で7年の判決が言い渡された。
350ページにわたる判決文によると、エステビル被告は、テラサとバルセロナで判事を務めていた1990年から1994年の間に、判事の捜査対象となっていた企業家、銀行家に対し、刑務所行きを免れるために具体的な金額を提示、企業家たちの弁護士だったビダル被告と共謀し、7件の贈賄、ゆすりを行い、少なくともうち2件から7500万ペセタ(450,759ユーロ)をスイスにある銀行口座に受け取ったことが明らかにされているという。懲役9年の刑に加え、エステビル被告には罰金180万ユーロのほか、背任により6年間の業務停止、4ヶ月の資産差し押さえが、ビダル被告には罰金100万ユーロと3年間の業務停止命令が言い渡された。この判決により、スペイン史上最大の判事汚職事件は一旦終結、被告2人の年齢を考慮し、2人の刑務所収監は要求されていない。

交通事故による死者数前年比ほぼ13%減少

2004年交通事故による死者の数は1980年以来最少を記録した。12月31日までの記録により、前年に比べ交通事故発生件数は11.76%、死者数は12.73%の減少となったことがわかった。内務省では減少の原因について、道路安全についての意識改革により、ドライバーの運転マナーが向上したことを挙げている。
2003年に比べて2004年は交通事故発生件数11.76%(3443件から3038件)、事故発生から24時間以内の死者数が12.73%(4029人から3516人)、重傷者数21.57%(2077人から1629人)、軽傷者数20.86%(1970人から1559人)と減少、過去25年間で最低の記録となったことが昨日、アロンソ内務大臣により発表された。内務大臣はこの数字について“好ましい”とコメントしたものの、数字はまだ下げられるとの見方を示し、今後も努力を続けることを表明した。3月の総選挙に勝利し、政権についたPSOE(社労党)は2005年から2010年の間に交通事故死者数を40%減らすことを目標として掲げており、この目標達成のため、点数制運転免許証の導入、スピード違反、飲酒運転取締りキャンペーン、シートベルトおよびヘルメット着用キャンペーンなどを行ってきている。

新築住宅の価格、12.5%の上昇

スペインにおける新築住宅の価格は依然として上昇を続けており、2003年は1平方メートルあたり平均1931ユーロだったのが、2004年は平均2286ユーロと12.5%の値上がりを見せた。しかし、上昇率は2001年以来初めて前年より緩やかなものとなっている。2003年は前年比上昇率15.8%で、過去14年間で最高を記録、1997年から始まった不動産ブームが最高潮に達したことを示していた。
調査対象となった各県都の中で、マンションの購入が最も難しいのはバルセロナ。1平方メートルの価格は3442ユーロでこれにマドリッドの3379ユーロ、サン・セバスティアンの3358ユーロが続く。逆に購入し易いのはバダホスで1平方メートルあたり1109ユーロ、続いてルゴ(1106ユーロ)、ポンテベドラ(1168ユーロ)となっている。新築住宅はすべての県都において値上がりしているが、2004年最も値上がりが大きかったのはジロナで前年比21.8%、続いてウエスカ21.5%、マラガ20.3%となっている。反対に値上がりが小さかったのはオビエド(前年比1.7%)、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(2%)、ポンテベドラ(3.6%)となっている。


1月3日(月)

プラン・イバレチェ阻止方法について政府とPPの間に溝

政府と最大野党PP(国民党)は、国会でプラン・イバレチェ(パイス・バスコにさらなる自治権を与えるための自治憲章改革案)を否決することで意見が一致しているが、どのように阻止するかについて、見解の相違が生じている。PPは憲法裁判所に告訴しプラン・イバレチェの手続きをストップさせ、政府の許可なく国民投票を召集した場合にはイバレチェ州知事が刑事的に責任を追及されるようすべきで、政府はイバレチェ知事を首相官邸に招くべきではないとの見解を示しているのに対し、サパテロ首相は今月7日または10日に首相官邸で知事と会談を持ち、その席で知事にプラン・イバレチェへの拒絶を示す考え。
昨日PPバスク支部のマリア・サン・ヒル支部長は、サパテロ首相に、プラン・イバレチェへの確固たる拒絶を示すために、知事を首相官邸に招かないよう要求、これに対しPSOEのホセ・ブランコ組織部長は会談の席で、首相と知事の間にはいかなる交渉も生じず、首相は知事の話を聞いた後、バスク州政府により支持された自治憲章改正案についてのはっきりとした拒絶を示すのみであるとし、「政府とPSOE(社労党)は、バスク社会の一部だけを満足させるためだけに作成され、非民族主義者を排除する違憲改正案については、いかなる交渉も持たない点で見解が完全に一致している。」と述べた。首相は、プラン・イバレチェについての知識を深めた後、PPのラホイ党首と会談、今後どのようにこのプランを阻止するかについての戦略を練る予定。

カサブランカ行きバスが事故、5人が死亡

パリを出発し、モロッコのカサブランカに向かっていたバスが昨日午前2時、有料高速道路AP−1で車線から飛び出し、中央分離帯に衝突、この事故で乗っていたモロッコ人5人が死亡、17人が負傷した。負傷者のうち10人は重傷で、そのうち3人はブルゴス市の病院にある集中治療室に入院中。
事故が起きたのは、ブルゴス県ルベナとキンタナパジャの間で、見通しのよい場所である上、道路の状態も良好であったことから治安警備隊では、運転手がよそ見、または気絶したのが事故の原因であると見ている。また、今のところバスに何らの故障も見つかっていない。バスは、まず中央分離帯に衝突、反対車線に飛び出した後、横転したまま数メートル進んだ。事故にあったバスは、パリとカサブランカを結ぶ長距離路線バスで、交代用運転手3人が乗っていた。死亡した5人はほぼ即死だった。
現場にはモロッコ大使館により通訳が派遣され医師の仕事を補佐すると共に、在スペイン・モロッコ大使、移民相、モロッコ王室からの代表が被害者を訪問した。運転手は無傷で、今日ブルゴスで法廷に出頭、供述を行う。

津波後、タイで引き続き3人のスペイン人が行方不明

これまでにおよそ15万人が犠牲となっているインド洋津波発生から1週間、地震発生当時タイの被災地付近にいたと見られるスペイン人3人の消息が依然として行方不明となっている。スペイン人の負傷者1名が入院しているバンコクの病院とは緊密に連絡をとっているという。
また、スペイン内務省は、今日スペイン警察から専門家4人がタイのプーケット島に赴き、犠牲者の遺体の身元確認作業に協力することを発表した。


2005年1月1日(土)

新年明けましておめでとう御座います。
皆様にとりまして、平和で恵み多き年となりますこと、心よりお祈り致します。

スペインニュース・ドット・コム スタッフ一同




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