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8月31日(水)

国境越えで亡くなった少年の事件、調査へ

8月29日夜、モロッコ−メリージャ(スペイン)間の国境を越えてスペインに入国しようとした移民が殺到し、その中の1人、17歳の少年が死亡した事件について、政府代表団はこの事件に関する事件当時のスペイン市民警察の行為に対し「何も証拠はない」と説明、亡くなった少年はモロッコ領土側で亡くなっており、事件を解明のためスペイン市民警察はモロッコ警察と協力していると述べた。
事件当日は約300人のアフリカ系移民が手作りの梯子を持ち国境線のさまざまな場所から同時に固まってモロッコとメリージャの国境にある二重鉄線を昇り国境越えを試みていた。国境越えはこの1週間で2度目、今回のスペイン市民警察と移民間の衝突ではスペイン市民警察の警察官10人が怪我を負い、移民の3人が軽傷を負った。
少年の死に対するスペイン市民警察の責任をめぐりアフリカ人移民側は告訴を起こしたが、市民警察の情報筋はこれに対して語ることを拒否した。
少年の権利を主張する団体の委員長であるホセ・パラソン氏は。亡くなった少年は鉄線を超えようとしたときに警察が使用していた多数の妨害用の道具に阻止され鉄線を超えられなかったと説明した。
一方、スペイン市民警察は移民を静止する目的で妨害用の道具を使用しなければならず、移民がスペイン領土側に入っているのを避けるために間に入っていた警察官の要請に注意を払えなかったと説明した。
CiU(カタルーニャ連合)所属のカルラス・カンプサノ議員は国会において、少年の死がスペイン市民警察の行為によるものかどうかを解明するため内務大臣の出頭を要求、同議員は人種差別に反対する団体の申し立ての反響に伴い亡くなった少年の状況の徹底的な調査を要求した。
警察の情報筋によるとモロッコ警察は、今回の事件でスペイン領域に入ろうとした87人のアフリカ系移民を逮捕した。

4件の強奪事件実行犯5人を逮捕

警察最高指導者の情報筋は、29日から30日の深夜にかけてわずか1時間半の間にマドリッド市内のホテル3件とコンビニエンス・ストア1件を襲った実行犯5人を国家警察が逮捕したと語った。逮捕された5人のうち4人が男性、1人が女性で、この5人は上記の4件を襲ったあとアルコベンダス(マドリッド)の住居に入ろうとしたところを逮捕された。
銃撃発砲の末、モロッコ国籍の16歳の少年が足に怪我を負い、グレゴリオ・マラニョン病院に運ばれ手当を受けている。
その他4人の逮捕者エンリケ.G.R.(20歳)はマドリッド出身、エドウィン.リカルド.B.B.(28歳)とボリス.アンドレス.V.P.(18歳)はコロンビア出身、マヌエラ.M.E.(18歳)はアルゼンチン出身で全員に前科がある。
この組織は事件当夜、ブルーのBMWを乗り回し、29日23時5分頃マドリッド市内シウダ・リネアル地区にあるホテル・ノボ・マドリッドを皮切りに、その20分後同グループは武器を所持してフエンカラル地区にあるホテル・ビジャ・デ・マドリッド、23時41分、サンタ・マリア・デ・ラ・カベサ通りにあるホテル・アラモ、23時57分、フエンカラル地区セロ・ミンゲテ通りにあるコンビニエンス・ストアのオープンコールに押入った。
これらの強奪事件が発生に伴い、国家警察は「ケンタウルス」と呼ばれる捜査官の参加により首都全域に捜査網を配置、私服警官がアロジョ・フレンソ通りのホテル・モンテ・レアル内より手配中のBMWを発見した。
捜査官たちはBMWに乗りあわせていた強奪実行犯に対し武器を持ったまま車から降りるよう指示、その中の1人16歳のモロッコ人少年を取り押さえ、次に別の2名が車から降りようとしたが、他の2名が車で逃げようとした。逃亡の際この2名はグロック製の9mmのピストルを発砲、アストゥリアス通りにBMWを乗り捨てたがその際に16歳のモロッコ人の少年が左足に銃弾を受け、脛骨と腓骨の骨折と顔に多数の打撲を負ったが、マドリッド救急隊のスポークスマンによると命に別状はない。
5人の容疑者はマドリッドのホテル4件、ガソリンスタンドとコンビニエンス・ストア23件、合計27件の強奪罪で告訴された。

「スペイン、臓器移植数世界トップ

厚生省は腎臓移植のドナーを臓器移植手術数全体の10%まで増やすことを提案した。
ヨーロッパ理事会臓器移植委員会はヨーロッパ諸国、米国、オーストラリア、ラテンアメリカのデータを元に2004年の文書を発表したが、その中でスペインは他の西洋諸国との差を広げ続けトップを維持している。スペインでは人口100万人中34.6人の割合で臓器提供者があり、逆に臓器提供に否定的な人の割合は世界で一番低く17.8%となっている。
厚生省は雑誌「臓器移植ニュースレター」誌の文書を分析した結果、腎臓数は不足しているものの西洋諸国における生体腎臓移植数の増加を強調、2004年にはスペインでは2215件の腎臓移植手術が行われており、人口100万人中47.8人と腎臓移植手術数では世界トップであるが、生体移植手術数は臓器移植手術の全体の2.8パーセントにすぎない。
生体腎臓移植手術は、スカンジナビア諸国、ドイツ、オランダ、オーストリア、ベルギー、スロベニア、ルクセンブルグなど、亡くなった人からの臓器提供が最近減少している国々で行われており、生体臓器移植手術数は少なくても臓器移植手術全体の25%にあたる。
西洋諸国で生体臓器移植技術がブームとなっている理由は、ドナーからの腎臓の摘出に内視鏡開腹手術が導入されたおかげで危険性が大幅に減少したこと、一般的に若いドナーからの腎臓提供が多いため取り出した腎臓が機能する時間が長いなどが考えられる。
腎臓移植手術を行った人の平均生存年数は10.2年と、一般的に腎臓移植手術を行った人の平均生存年数は大変よくなってきており、ドナーから移植された腎臓は少なくても16年、特に二卵性双生児からの腎臓は40年に渡り機能していることがわかっている。
厚生省の説明によると、高齢者の場合健康体であっても若者と比較すると同じ数字にはならないが、これは年齢と共に尿を作ったり液体をろ過する役割が衰えているためである。
スペインではこの15年間で腎臓移植手術数は2倍に増えたが、4200人の患者が移植手術を待っているため、臓器移植国内協会は生体移植提供者数を臓器移植手術数全体の10%まで増やす意向である。


8月30日(火)

スペインのパイロット、ブラックリストを要求

スペインの航空会社のパイロットたちはスペイン政府に対し、安全基準を満たしていない航空会社のブラックリストの公表を要求した。SEPLA(航空会社パイロット労働組合)は、フランスやベルギー、英国などヨーロッパ連合の他の国々に続き、スペイン空域を飛ぶフライトの安全を保障するよう公共事業省に要請した。
現在スペインでは英国が既に離着陸を拒否しているエア・モーリタニア航空(ヌアクチョット(モーリタニア)−カナリアス諸島間を運航)とエア・メンフィス航空(マドリッド−カイロ(エジプト)間でチャーター便を運航)の少なくても2社が運航しており、SEPLAはスペインは安全の基準を満たさない航空会社を放任している国の1つであると非難した。
他の国々がブラックリストの公表している中、スペインの航空会社のパイロットも長期にわたり要請しているにも関わらずブラックリストの公表が実現していないため、SEPLAは、スペインは他の国に遅れをとっており、乗客に対し情報を隠匿しないよう要請した。
2004年にはわずか3人の調査官がスペイン国内の空港に発着した1700万のフライト中213フライトをチェックしただけだという。
一方、今回のスペインのパイロット達の行動はカナリア緑の党にも影響を及ぼした。同党は民間航空国際情報課に対し、英国のブラックリストに載っているエア・モーリタニア航空の火、木、土曜日の週3回のグラン・カナリア島間の運航を公然と非難した。エア・モーリタニア航空は荷物の超過積み込み、メンテナンスの不履行、管制塔の指示に従わないなどで、Pajaro Loco(狂った鳥)というニックネームが付けられている。
これに対し民間航空国際情報課は。今年末にブリュッセルでの次回の会合でヨーロッパ間で意見が一致するまでブラックリストの公表を待つとくりかえし述べた。

この夏の山火事数、最高記録を達成

今年1月1日から8月21日までに発生した山火事の数は10年間で最高の2万952件、焼失面積は合計12万9438.6ヘクタールであることが環境省の最新データでわかった。
1月以降500ヘクタール以上焼失した大規模な山火事の数は2003年の39件に続く33件と、昨年の19件、この10年間の平均17件と比較すると大変大きい数字となっている。8月21日までにイベリア半島北西部(ガリシア州、アストゥリアス州、カンタブリア州、バスク州、レオン県、サモラ県)で発生した山火事の数は全体の62.01%を占める。
今年の山火事数が増えた原因のひとつはスペインの雨不足であるが、 環境庁の長期気象予報によると雨不足は当分長く続きそうで、今後数ヶ月で雨は降るものの降水量は例年並であり貯水池のレベルが回復するには充分でないと見ている。
クリスティーナ・ナルボナ環境大臣は昨日、今後3ヶ月の気象予報の信頼性は今のところ低いが、この数ヶ月では多くの地域が被っている現在の状況を和らげる降水量の予報はないと強調した。

「エル・チノ」の家族や親戚3人を逮捕

昨年のマドリッド列車爆破テロの実行犯の1人で、その後レガネス(マドリッド)の自爆テロにより死亡した「エル・チノ」ことジャマール・アーミダンの兄弟2人と従兄弟1人が昨日、所属グループが誘拐したモロッコ人男性の身代金の取り立ての容疑で逮捕された。
警察の情報によると、このグループはモロッコ人4人、オランダ人1人、パレスチナ人1人、スペイン人1人という7人で構成されている。
今回の事件は25日の早朝1時半頃マドリッド市テトゥアン地区に住むモロッコ人の男性を自宅から誘拐したことから始まった。 その後、誘拐された男性の親戚の家には男性の釈放にあたり身代金要求についての電話が何回もかかった。 マドリッド情報作戦陸上部隊の捜査官たちは27日捜査を開始、誘拐犯の身元を確認し、同日20時45分頃、誘拐された男性の家族の1人が身代金の引渡しのために犯人と接触した場所で3人の容疑者を逮捕した。
逮捕されたのはマドリッド州出身のホセ・カルロス.S.D.(40歳)、オランダ出身のアディル.A.(21歳)、モロッコ出身のムスタファ.A.(37歳)の3人で、その中の1人、アディル.A.は「エル・チノ」の従兄弟で、暴力や脅迫による窃盗や当局に対する襲撃、スペインにおける不法滞在など多数の前科があり、ムスタファ・A.は「エル・チノ」の兄弟で、テロ組織への協力や家族に対する暴力などでやはり前科がある。また、ムスタファ.A.は、昨年のマドリッド列車爆破テロに関連し、テロの数日後に治安部隊に逮捕され中央管区裁判所のフアン・デル・オルモ裁判長によって尋問を受けた事があり、テロ組織への協力の罪が推測されたがその後釈放された。
8月27日夜21時15分頃、警察のGEO(作戦行動特別班)は誘拐された男性がかくまわれていたマドリッド市内のアセウチャル通りにある住居に突入、同男性を救出し、監視役としてその場にいた2人を逮捕した。逮捕されたのはモロッコ出身のモハメド・E.Q.(24歳)とパレスチナ出身のファディ.A.(22歳)で2人ともスペインでは不法滞在の身であった。住居からはシャックルやピストルが発見された。
警察の捜査は29日早朝クライマックスを迎え、6時10分頃他2名を逮捕、その1人は「エル・チノ」の兄弟で、スペイン不法滞在中で麻薬の売買や暴力や脅迫による窃盗、文書偽造の前科のあるモロッコ出身のアブデリラ・A.(33歳)である。 警察は最初に逮捕した3人が所有している3台の車を回収、他の容疑者の逮捕や身元の確認など、今回の事件の全体的な解明のために捜査を続ける予定。


8月29日(月)

アストルガで17歳の女性殺害

警察は、ビクトリア・セリア・フラデ.シルバさん(17歳)の殺人容疑で5人の容疑者を逮捕した。
セリアさんは先週土曜日、アストルガ(レオン県)郊外の荒地で頭を強く殴打され死亡していたところを通りがかりの近所の住人によって発見された。
セリアさんはアパートに同居している友人と一緒に金曜日の早朝早朝4時頃までアストルガの盛り場で本日まで開催されている地元のお祭りを楽しんでいたが、その後セリアさんがアパートに戻らなかった為友人が不審に思い警察に捜索依頼を出していた。
その1日後の土曜日に女性の遺体が発見され、その遺体がセリアさんであることが確認された。
昨日ポンフェラダの法医学解剖機関で行われた解剖の結果、死因は強い殴打による頭蓋骨外傷で、顔はひどく外観を損なわれていた。
容疑者たちは全員若者で被害者とは顔なじみ、殺人の動機に関しては警察側は他にも重要な要因は考えられるものの、男女間の感情のもつれが原因であると考えている。
昨日はセリアさんの出身地バニェサ近郊のサンタ・マリア・デ・サン・マルティン・デ・トーレスの教会で葬儀が行われ、友人、親戚、隣人など約1000人が葬儀に参加した。

レジネオラ菌で死亡者

アラゴン州政府はサラゴサ市のミゲル・セルベット病院で治療を受けていた16人のレジオネラ菌感染者のうち1名が昨日死亡したと発表した。亡くなった患者は44歳の男性で、同病院の集中治療室で治療を受けていた。
同市内では12名の患者が引き続き入院中で治療を受けており、そのうち9名はミゲル・セルベット病院に入院、そのうちの3名は容態は安定しているものの重篤症状が続いているため集中治療室で治療を受けており、その他の6名の容態は良好で一般病棟で治療を受けている。その他の3名は、それぞれサラゴサ市内の大学病院、陸軍病院、ムルシアの病院に入院、治療を受けている
同州政府はサラゴサ市の15症例以外に他の県でも同市の症例とは関連性のない症例が報告されていると説明している。
同州環境衛生局は今回のレジオネラ菌感染原因は冷蔵施設にあると考えこれまでに約50個所の冷蔵施設を検査官が訪れたが、そのうち17個所の冷蔵施設を閉鎖した。

マドリッド州サン・セバスティアン・デ・レジェスの牛追い祭りで63人の怪我人

マドリッド州サン・セバスティアン・デ・レジェスで開催中の牛追い祭り4日目の昨日、闘牛場の入口付近で牛と参加者が殺到し閉塞状態となり63人が重軽傷を負った。このためマドリッド州の司法内務局の情報筋は、昨日の事件について調査を開始すると発表した。
昨日の牛追い祭りでの63人の怪我人中2名は重体となっており、その中の1人、16歳の少年はあごや首の組織の骨折や切り傷を負い、引き続き重体、SUMMA(マドリッド自治州所属の病人運搬サービス)により病院に収容されたときは呼吸が停止していたため、直ちにヘリコプターでドセ・デ・マジョ病院に移送され、その後の挿管措置が施され呼吸が回復した。
もう1名の重体患者も16歳の少年で、胸部の打撲や頭蓋骨の骨折により病院に移送される前に容態を安定させるために挿管処置が行われ、SUMMAによってラモン・カハル病院に移送された。少年は容態が好転し、手術の必要性は回避された。
大腿部挫傷の怪我を負った2名は市民安全部隊によりそれぞれラモン・カハル病院とプリンセサ病院に収容された。
その他59名は打撲を負い、SUMMAと市民安全部隊によりサン・セバスティアン・デ・ロス・レジェスの闘牛場のそばに設置された仮設病院で手当を受けた。
昨日の牛追いでは闘牛場に到着するまでは何事も起こらなかったが、入口付近で参加者と牛がもつれ合い、牛が参加者を踏みつけたり、扉に参加者が激しくぶつかったりするなど大惨事に発展した。ちょうど牛の誘導係が闘牛場に入ろうとしていた最後の数頭の牛をうまく誘導したおかげで通り道が出きたため牛たちは闘牛場内に入ることができ、何とか騒ぎは落ち着いた。 牛追い祭りの開催組織は今回の事件を遺憾に思い、今後同様の事件が発生したとき今回のような痛ましい状況を回避するよう努力すべきであると述べた。

週末のスポーツの結果

オートバイ:昨日行われたチェコGPで250cc部門でダニエル・メドロサ選手が優勝、合計ポイントを206ポイントに伸ばし、ランキングトップを維持。
テニス:昨日コネチカット州(米国)で開催されたコネチカット・テニス・トーナメントの決勝でスペインのフェリシアノ・ロペス選手はジェームス・ブレーク選手(米国)に3-6、 7-5、 6-1で敗れた。


8月26日(金)

中国製衣類、ヨーロッパ各国の税関で差し止め

2005年1月にブリュッセル−北京間の協定で取り決められた割当数量を超えたため、中国製衣類がヨーロッパ連合各国の税関で差し止められている。
この協定で取り決められたヨーロッパ連合への輸入割当数量はセーター6890万枚、ズボン1億405万枚、シャツ2470万枚であるが、スペインの産業観光商業省のデータによると、今回の割当数量超過によるヨーロッパ連合全体への差し止めの影響は、セーター530万枚、ズボン116万枚、シャツ1686万枚となっている。
昨日北京にてヨーロッパ連合と中国の間でこの問題に関する話し合いが開かれたが、今のところ合意には達していない。
この差し止めの影響はスペインでも始まっており、卸業者によって注文された衣類が税関でどんどん山積みとなっておりその数は700万枚に上る。
多くの商業団体が否定的な予測をしているのに対し、昨日大型スーパーCARREFUR、ALCAMPO、CORTEFIELといった大型ス−パーマーケットのスポークスマン達は一致してこの状況に対し衣類に関する問題の影響がでるのは今シーズンであり、来シーズンはカバーされているため供給には影響しないだろうと指摘、冷静さを見せていた。

“レグラリサシオン”承認外国人の95%、社会保険加入手続き終了

今年の2月7日から5月7日に行われた“レグラリサシオン”(昨年8月7日以前からスペインに居住していることを証明できる不法滞在者は、雇用契約書があれば滞在を合法化することができるという措置)で8月上旬までに労働省により滞在の合法化を承認された移民のうち43万5990人の社会保険の加入手続きが終了した。
この数字は“レグラリサシオン”承認数51万7617件の95%にあたり、残りの5%は夏休み中のため、または雇用主あるいは外国人雇用者の環境が変わった関係で加入手続きが正式に行われていない。
外国人雇用者の社会保険の加入手続きは雇用主が承認の通知が届いてから1ヶ月以内に行うことになっている。
69万件以上に渡る申請数の中で、現在までその85.62%にあたる59万2192件が決議されており、それ以外の9万9400件に関しては調査が未決、または提出書類待ちとなっている。

アルカエダを名乗りバチカンを脅迫した男性逮捕

警察はテロ組織アルカエダを名乗り、いろいろな国の領事館やマスコミにバチカンに対するアラビア語の脅迫文書を送付していた容疑でセビージャ出身の48歳の男性をバルセロナにて逮捕した。
同容疑者は、電話ボックスからFAXでこの脅迫文書を送付していたが、ときにはカタルーニャ州政府の事務局から発信するなど送信元を変え、捜査を霍乱しており、同容疑者は逮捕後脅迫文書の作成を認めた。
警察情報筋によるとこの文書は「バチカン作戦」や「イラク、世界テロ攻撃」というタイトルで、日刊紙「ABC」紙やカタルーニャ州のTVE(スペイン国営放送)、ハンガリー領事館をはじめ、いろいろな国の領事館に送付されていた。
この文書の中で「イラク戦争で資本主義国はバチカンの援助を獲得した。全てはイラクの原油を巡るもの。これら国の支配者たちはその援助を得るため人を殺し、その行為に対し報いがくるだろう。イラクやアフガニスタンでのテロ行為に対する自己防衛行為としてマドリッド、ロンドンのテロ攻撃を正当化する」と語っていた。
情報筋は同容疑者は特にイスラム過激派グループには所属しておらず、「空想癖」があり、送付された文章も大変一般的で具体的な脅迫内容は記述されていないと語った。


8月25日(木)

アルメリアの清掃業者のストライキに終止符

アルメリア市のゴミ収集業者Urbaser社の従業員たちが7日間に渡り行っていたストライキに終止符が打たれた。ストライキの終結はアルメリア市役所が3000トンに渡るゴミによって市民の健康に関して「深刻な危険」を考慮し、公衆衛生緊急事態を宣言し、街中に山積みとなった3000トンのゴミを収集するようスペイン軍隊に支援を求めた後に発表された。合意に至るまでの長時間に渡る会議の後、ゴミ収集の作業者は今朝から1週間分の街中のゴミの収集を開始する予定。
現在のストライキ委員会の委員が退陣し、後任の委員に代わった後で全体的な交渉が行われる予定。 従業員の会議で承認された合意内容は、ストライキ委員会のメンバーの退陣以外にも、最小限の業務を行わなかったことで従業員に対し起こされた訴訟についても記述があると推測される。
ストライキ委員会の委員には2ヶ月に渡る業務停止と業務不履行により給与停止の制裁措置が施される。
CCOOやUGTの両労働組合は、Astilua(アルメリア郊外清掃個人労働者協会)によって運営されていた同社のストライキ委員会の委員の退陣の後、これよりUrbaser社の従業員のための新労働協約の交渉を行う担当となる。
アルメリア市長はストライキ終結を喜び、市の公衆衛生緊急事態はまだ続くものの24〜48時間以内に市内は平常に戻ると説明した。
ストライキ委員会の委員の退陣という結果になった今回のストライキが解決したのは、社会的援助がなかったこと、最小限の業務の不履行が違法であったことが大きいと見られている。

新学期の準備費用、6%上昇

夏休みも終盤に入り、9月中旬から子供達の新学期が始まるが、スペインの親の子供の新学期準備にかかる出費は上昇し続け、2004年より6%増えたことがFUCI(個人消費者連合会)の調査でわかった。この調査は公立、私立約100校を対象に行われたもので、その平均費用は763ユーロとなっている。
その費用は家庭や公立、私立によって差はあるものの、公立の学校に通う子供を持つ家庭の平均出費は500ユーロ、私立は1000ユーロ以上となっている。
制服や靴が出費の大部分を占め、私立の学校の制服は250〜270ユーロ、公立の学校の制服は125ユーロである。FUCIは公立・私立を問わず、有名メーカーにこだわらなければ制服にかかる費用は30%節約できると説明している。また教科書にかかる費用は165ユーロで、FUCIは法律で認められている最高25%の値引き制度の利用を推奨している。

バスク州政府、ビルバオでのデモを禁止せず

バスク州政府内務部は、今週初めに違法政党バタスナの元党員を中心とする団体が発表した明日ビルバオでのデモについて、特に禁止する合法的要素は見当たらないと説明、バスク州警察もこのデモが公の秩序を乱すような事件に発展するとは予測で推測できないと説明し、デモを禁止しないことを発表した。
このデモは、元違法政党バタスナの党員であったタシオ・エルキシア氏とチョミン・シルアガ氏を中心するグループによって要求されたもので、今月14日に行われたサン・セバスティアンでのデモと同じ「今国民に、今平和を」をスローガンとしている。サン・セバスティアンのデモは同州政府内務局や裁判所により禁止命令が出されていたにも関わらず行われ、逮捕者や怪我人がでる事件に発展した。
同州政府内務部は、今回のサン・セバスティアンのデモが以前公の秩序を乱す結果となったデモを要求したのと同じ人間によって要求されたため、公共活動を求める違法政党バタスナの能力を停止する目的と偶発的な事件が予想されるという理由から、中央管区裁判所の裁判所命令に基づきデモを禁止した。
今回のデモの発表時の記者会見には違法政党バタスナに関わりを持つ多くの人が参加していると指摘しながらも、今回のデモを発表した人間はそうような活動を求める法的権利を拘束するにあたらず、例の記者会見の内容に関してもデモの阻止について規制措置を必要とする要素は見つからないと説明した。


8月24日(水)

アルメリアの清掃業者、6日間に渡りストライキ

ルイス・ロヘリオ・ロドリゲス・アルメリア市長はミゲル・コルパス政府副代表者に対し、清掃職員のストライキにより山積みになった何トンにもわたる街中のゴミを軍隊が処理するよう要請した。 6日間のストライキとフェリアの開催によりアルメリアの衛生状態は大変悪く、暑さも手伝って街中は悪臭が立ち込め、虫やネズミなどが出現し始めている。
アンダルシア州雇用関係代理人であるクレメンテ・ガルシア氏を仲裁人としてアルメリア市とゴミ収集業者Urbaser社の間で昨日行われた話し合いの結果、同ゴミ収集業者は昨晩23時、街中に放置されているゴミの最低限の収集を開始し、これまでに800〜900トンのゴミが収集された。
同代理人は、今回は合意に至らなかったため最終的にストライキの終結にはならなかったが、数週間以内には合意に達する可能性があると語った。今回の決定により昨晩から一日おき週3回のゴミ収集を開始し、フェリアの期間中、市内の病院、市場、蚤の市では毎日収集する予定となっている。
アルメリア市長は、今回のストライキにより、市の衛生だけでなくアンダルシア州の衛生が悪化したため、 桁外れの方法を採用して衛生面の悪化緩和を行う必要があると述べ、そのため防衛庁に対し時機にかなった即刻の協力を要請した。
ストライキを実施し清掃サービスを怠ったUrbaser社には1日当たり6000〜3万ユーロの制裁が課される見込みで、その制裁金は本日深夜0時までに12万6000ユーロに達している。同様に、毎日5万4000ユーロの同業者への支払いを停止する。
一方、同市内では昨日未成年者3人が放火の容疑で逮捕された。この3人は市内の何個所ものゴミのコンテナに火をつけたため警察に連行されたがその後釈放された。
昨晩、市内に設置されているゴミのコンテナへの放火が約30件発生したことが確認されている。

別れ話から相手の女性を殺害

オビエド市内に住む27歳の男性が、恋人であるエレナ・エビアさん27歳の殺害容疑で昨日逮捕された。2人は数ヶ月前からつきあっていたが、別れ話をするためにエレナさんが同容疑者の自宅マンションを訪れてたところ、同容疑者に喉を切られ殺害された。
亡くなったエレナさんの家族の親しい友人エミリオ・シエラさんの話では、エレナさんの両親はエレナさんが数時間前から電話にでないことを不審に思い、月曜日の夜同容疑者の自宅に駆けつけたという。
エレナさんの父親は同容疑者の自宅付近で同容疑者と偶然会ったが様子がおかしく血まみれで、同容疑者は自宅の鍵を被害者の父親に渡し、すぐにその場を立ち去ったという。
被害者の両親はすぐに友人であるシエラ氏に警察に電話するよう要請、同容疑者はまもなく逮捕され、エレナさんを自宅で殺害したことを告白した。
同容疑者の住むマンションには110世帯が入居しており、同容疑者の隣の住人はここ3、4ヶ月に渡って、夜中など暴力と思われる物音は聞こえなかったという。
エレナさんの遺体はアレナレス遺体安置所に移され、葬儀はサン・ティルソ教会で本日行われる予定。
同容疑者はサンタ・クルス・デ・テネリフェの出身でオビエド在住、明日法的決断が行われる。
警察によると、以前に被害者から同容疑者に対する異性間暴力の訴えはなかったが、同容疑者は著作権を巡って2回逮捕された事があるという。

7月のホテル占有率65.3%

7月のホテルの部屋の占有率は65.3%と、昨年の同月と比較すると3.2%増えたことがINE(国立統計局)の発表でわかった。INEによるとこの占有率の上昇は今年5月に始まり7月に今年最高の数字に到達した。
宿泊料金の変動を検討するIIH(ホテル料金指数)は、今回の7月の3.8%という宿泊料金の値上げに反映していると見ているが、宿泊者の増加も理由の一つと考えられている。7月の1ヶ月間でスペイン国内のホテルには3100万人が宿泊し、昨年の7月と比較して6.6%増加、スペイン以外に住む人の宿泊者数は9%増加、スペイン国内に住む人の宿泊者数も5%増加した。
国別に見ると、7月のホテル宿泊者は英国人とドイツ人で合計1050万人と、スペイン以外に住む人の宿泊者数全体の57.6%を占め、以下フランス、イタリア、ベルギー、オランダが続いており、その滞在地はバレアレス諸島が人気で、7月最も宿泊者が多く全体の41%を占めている。
観光業協会Excelturによると、今年スペインには2004年より3.2%多い5530万人の観光客が訪れる見込みであるが、観光客1人当たりの滞在期間中の出費は約2%落ち込み、638.02ユーロとなっている。


8月23日(火)

ガリシア州で38件の山火事

ガリシア州全体で少なくても38件の山火事が続いている。その大部分はオウレンセ県とポンテベドラ県で、その中の6件は人間や建物を脅かす危険レベル1に指定されている。
ガリシア州火災連携センターの最新の情報によると、オウレンセ県が14件と最も被害を受けており、その中の3件、コルコレス、ガレス、コバスの山火事が危険レベル1に指定されている。その他11件の火事のうち、アス・マラビージャス、コルビジョン、ベイガ、ソウトマイロ、サン・ロレンソでは消火のめどがついが、トラサルバ、アグサンタス、ビラルデボス、シロンドでの火災では現在陸上、空中の両方から消火活動にあたっている。
ポンテベドラ県でも現在9件の山火事が発生しており、その中の2件は危険レベル1に指定されている。 ア・コルーニャ県ではオ・ピントで一昨日の日曜日に発生した山火事が最大危険レベルで、それ以外にも5件、ルーゴ県ではビラキンテの1件が未だに燃えつづけている。
エミリオ・ペレス・トウリーニョ・ガリシア州知事は昨日、山火事対策の州議会を開き、 自治州間山火事対策常設委員会はスペイン市民警察農村部のガリシア州部員を現場に向わせることを決定、同部員たちはできるだけ迅速に消火活動を行い、カスティージャ・レオン地方の山火事の救援も行う予定。
また同州農村環境局は、消火活動用には最高性能のヘリコプターが加わり、水陸両用の飛行機の数も2倍に増やし、火事の拡大を食い止めるためのショベルの数を以前より20台増やして30台としたと発表した。
今週最も山火事の被害が大きかったオウレンセ県の南に位置するベリンとモンテレイの市長は、放火魔の逮捕要員を増員するよう要請した。
環境省の最近のデータによると今年1月1日から8月14日の間に合計10万7524ヘルタールの森林が焼き尽くされたが、この数字は昨年の同時期の数字10万5852ヘクタールとほぼ同じである。500ヘクタール以上の火事は22件、雑木林や剥き出しの山が5万9506ヘクタール、森林が4万3909ヘクタール、牧草地が4109へクタール焼失している。
ガリシア州では8月1日から昨日までの間に1万3369ヘクタールが焼失、今月だけで1920件の山火事が発生したと同州農村局は発表した。
また、山火事ヨーロッパ情報システムの最近の情報によると、2004年、ヨーロッパ連合の地中海沿岸諸国(スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、フランス)5カ国のうち、山火事の81%がスペインとポルトガルで発生している。

5人の刑務所職員、中央管区裁判所にて証言

デ・フアナ・チャオス受刑囚の事件で、5人の刑務所職員が昨日中央管区裁判所に証人として出頭した。職員達は、ホセ・イグナシオ・デ・フアナ・チャオス受刑囚が昨年12月の日刊紙「GALA」紙に掲載した2通の手紙の中で実名を出されるなど「直接的に脅迫された」と証言した。
法廷側の情報筋によると、昨日出頭した5人の刑務所職員は同受刑囚が所属していたバルデモロ刑務所(マドリッド)、ハエン刑務所、プエルトU刑務所(カディス)の所長3人、副所長1人、 元所長1人で、同職員達は、同受刑者は刑務所内では他のETA受刑囚たちのグループの中でもリーダー的、スポークスマン的な存在であったと証言した。また、手紙の中で同受刑囚が同職員たちに対し秘密に脅迫を行っていた事や、彼らをテロ組織の対象にしていた事を付け加えた。
証人喚問を行う前にサンティアゴ・ペドラス裁判長はデ・フアナ受刑囚に対し、テロ組織の所属メンバーであること、昨年12月に日刊紙「GALA」紙に掲載した2通の手紙に関連するテロリストとしての脅迫の罪による審理について伝えたが、同容疑者はこの審理には同意できないと主張、日刊紙「GALA」紙に掲載した2通の手紙の内容については表現の自由であるとし、同手紙の中で実名で触れた人物を脅迫したことを否定した。

国際養子縁組を行うスペイン人の半数以上が大学卒

外国人の子供を養子にするスペイン人の半数以上が大学卒、30%が中等教育終了者であることが「スペインにおける国際養子縁組」の調査でわかった。
この調査はスペインで最近増えている国際養子縁組に関する初めて調査で、この調査によると、2004年、スペインでの国際養子縁組の数は5541件、その大部分が中国人やロシア人の養子であり、前年と比較すると40%の増加率となっている。この調査は1997年から2000年の間に正式登録された国際養子縁組のデータに基づいて行われており、この間にスペインに到着した外国人養子数は7497人にのぼる。


8月22日(月)

24人のスペイン兵、本日アフガニスタンへ出発

先週火曜日のヘリコプター墜落事故で亡くなった17名に代わり、フィゲイリード基地(ポンテベドラ)、エル・コペロ基地(セビージャ)に所属する24人で構成される派遣部隊が本日、トレホン・デ・アルドス(マドリッド)の空軍基地よりアフガニスタンに向けて出発する。
24人のうち10名はセビージャのエル・コペロ基地の所属、14名は、Brilat(軽空中輸送歩兵部隊)の所属で、FAMET(陸軍空中輸送部隊)のヘリコプター、クーガー2機も同基地より出発する予定。
同派遣部隊の出発時間はまだはっきりしていないが、アフガニスタンに本日中に到着する予定で、その任務は来月18日にアフガニスタンで行われる選挙の警備である。
今回の派遣部隊の中には、部隊の監督をつとめる大尉1名、派遣隊の指揮者をつとめる軍曹1名が含まれおり、両名はこの数日間、新派遣部隊編成の準備に追われていた。
一方、土曜日には亡くなった17名の国葬が行われ、その後半数以上の遺体の埋葬が行われた。昨日はガリシア出身の7名、アンダルシアとアストゥリアスの出身の2名の合計9名の遺体がそれぞれ地元に戻り埋葬が行われた。本日は最後の1名、リベリラ(ア・コルーニャ)出身のホセ・アンヘル・マルティネス・パラダさんの葬儀が行われる予定で、本日の葬儀となったのは、パラダさんの父親が事故当時ペルーで漁を行っていた関係で帰国が遅れた為であるという。

ERC、4言語を公式言語とする法案を提出

ERC(カタルニャ左翼共和党)のジョセップ・ルイス・カロ−ロビラ氏は昨日、言語新法案を作成し議会に提出する予定であることを語った。
この提案では、スペイン語以外にカタルーニャ語、ガリシア語、バスク語をスペインの公式言語とすることについて述べ、これに関連しマス・メディアに対する変更事項にも触れており、スペイン全土の国営、民営のラジオやテレビで放送では少なくとも番組の半分をカステジャーノ以外の公式言語で放送する許可を要求している。
この提案の許可手続きに関するPSOE(社労党)の協力についての質問について同氏は、ヨーロッパ内の多様性の擁護に関して協力的でない政府が、スペイン国内でも協力的にはならないであろうと答え、協力を否定した。
CiU(カタルニャ連合)のジョルディ・ヴィラホアナ上院議員は昨日、CiUはこの言語法案を指示する意向であると断言した。

スペイン人の若者の平均テレビ視聴時間減少

スペインの若者はテレビを見る時間が少なく、ラジオや音楽を聴いたり、文化的な活動に専念する時間の方が多いことがわかった。
若者のための協会組織であるInjuveにより1984年より定期的に発表されているスペインの若者に関する報告書のデータによると、1984年ではスペイン人の若者の平均テレビ視聴時間は週14時間であったが、最近のデータでは週12時間半とこの何年間で下降しており、スペイン人の若者にはテレビを見ることよりも文化的なことに熱中することの方が重要であることを示している。
読書時間に関しては、勉学に励み、仕事を持ち、政治的に左寄りの考えを持つ大学生たちは読書の時間が長く、逆に初等教育だけを受けた人、社会人、既婚者、イデオロギーを持たない人、田舎に住んでいる人は読書の時間が少ないことを示している。
また、この調査によるとインターネット利用は最近若者にとって大きな情報源となっており、テレビや読書、ラジオ、音楽や映画など他の情報源にとって代わり唯一の文化媒体となっている。 この調査結果は学校教育が明確な資格や技術だけでなく、新しい情報の取得や文化的な活動の実践に関して違いをもたらすことを示している。

週末のスポーツの結果

F-1昨日のトルコGPでライッコネン選手(マクラーレン)が優勝、フランスのルノーチームに所属するフェルナンド・アロンソ選手は2位で合計ポイントを95ポイントとし、2位のライッコネン選手と差は24ポイント。次回レースは9月4日に行われるイタリアGP。
ゴルフオハイオ州のファイヤーストーンカントリークラブで行われたWGC NECインビテーショナルでタイガー・ウッズ選手(米国)が優勝、スペインのセルヒオ・ガルシア選手は13位に終わった。


8月19日(金)

スペイン兵17人の遺体、スペインに到着

16日にアフガニスタンのHerat南部で墜落したヘリコプター「Cougar」に乗っていた17人のスペイン兵の遺体を乗せた飛行機が昨日午後8時5分、マドリッドのヘタフェ空港に到着した。空港には遺族約140名、フアン・カルロス国王、フェリペ王子、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相、亡くなった17人が所属する基地がある自治州、ガリシア州知事、アンダルシア州知事、マドリッド州知事などが遺体を出迎えた。ホセ。ボノ防衛大臣は到着早々国王に対し、任務を無事に終了したことを報告した。
式典は亡くなった17人の棺が下ろされるところから始まった。各棺にはスペイン国旗がかけられ、フアン・カルロス国王、フェリペ王子、軍隊の兵士たちは、一つ一つの棺に向って敬礼、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は他の関係者とともに頭を深く下げていた。式典は「死は終わりではない」という賛美歌で終了した。
サパテロ首相とサンス・ロルダン将軍は同日、亡くなった兵士達が所属するポンテベドラのフィゲイリド基地、セビリアのコペロ基地、マドリッドのコルメナル・ビエホ基地を訪ね、遺族たちと対面、哀悼の意を表した。
尚、亡くなった17人の葬儀は明日20日陸軍総合指令部に行われる。

ZARA、世界トップ100へ

Inditexグループのメーカーの1つであるZARAが世界のトップ・メーカー・ランキングで77位となり、初めて100位以内に登場した。
これは雑誌「Business Week」誌の年間ランキングによるもの。 世界中の消費者たちにもこのスペインのメーカーの価値を認められ、ついにエルメス、プラダ、アルマーニといった有名なブランドと肩を並べるようになった。
ZARAの所有者であるアマンシオ・オルテガ氏も国際的なランキングに名を連ねるようになり、雑誌「Forbes」誌の今年の世界所得番付リストにも登場している。
「Business Week」のこのトップ・メーカー・ランキングの100位に載るには10億ドルの純利益が必要で、ZARAの場合は37億3000万ドル(30億5100万ユーロ)である。
ファッション・メーカー部門でZARAを上回っているのは、ルイ・ヴィトン(160億7700万ドル)、グッチ(66億1900万ドル)、シャネル(47億7800万ドル)で、ZARAはエルメス(82位)、プラダ(94位)、アルマーニ(95位)、リーバイス(96位)といった大手メーカーを上回っている。
ファッション・メーカー以外でもZARAはPanasonic、Audi、Duracell、Hyundai、日産、ING、Shell、Johnson&Johnson、LG、Nivea、Starbacs、Heinekenを上回った。
一方、ランキングの上位5Coca-Cola、Microsoft、IBM、General・Electrics、Interであった。

国際的テロリストのメンバー2人、スペインで逮捕

国際指名手配のテロリスト・メンバー2人が、昨日スペイン国内で逮捕された。
逮捕されたのはJoseph H容疑者とFikret K容疑者で、Joseph H容疑者は昨日、トレモリーノス(マラガ)で、国家警察により逮捕された。同容疑者はIRA(アイルランド共和軍)のメンバーで、1989年に英国軍の兵士の殺人未遂や他にも同年ドイツ国内のOsnabruck-Eversburgの英国軍の建物に5つの爆弾を仕掛けた疑いで指名手配されていた。
一方、Fikret K容疑者は昨日午後マジョルカ島のLlucmajorにて市民警察によって逮捕された。同容疑者はPKK(クルド労働者党)に所属する容疑で国際指名手配されており、トルコのCermikの検察庁よりインターポール(国際刑事警察機構)サービスを通じて指示がでていた。
市民警察は、国内、特に観光地での事件防止や治安向上のためこの夏捜査を厳しく進めていたが、これが役立ち、同容疑者の居所をつかみ、Llucmajorのホテルで他の人間と一緒にいる同容疑者を逮捕した。逮捕当時同容疑者はベルギーの身分証明書を所持していた。
同容疑者は現在活動中のテロ組織PKKに所属する容疑で12年半の求刑を受ける。


8月18日(木)

男性3人に1人、女性5人に1人が癌に羅患

スペイン人の癌の羅患率はスペイン人男性の3人に1人、女性の5人に1人の割合であることが昨日エレナ・サルガード厚生大臣により発表された。
同大臣は、癌の羅患率は1999年に心臓疾患を抑えスペイン人の死亡原因のトップになり、2003年には24%が癌で亡くなっている。この20年間で生存率は高くなったが、癌はスペイン国民の健康の重要な問題であると説明した。
「スペインにおける癌事情」という報告書によると、1997〜2000年の間に16万2000人の癌の症例が報告され、その半数が平均5年間の生存率となっている。
最もスペインで多いのは直腸癌で、2万5600症例、続いて最近特に女性に増えている肺癌、3番目が乳癌となっている。
性別で見ると男性では肺癌が一番多く、次に直腸癌、前立腺癌が続き、女性では乳癌が一番多く、次に直腸癌、子宮癌が続いている。
同大臣は、この調査によると直腸癌がスペイン人の中で大変増えており、同大臣は信頼できる確かな治療法が必要であることを示していると説明、喫煙率の上昇による女性の肺癌の増加についても強調した。
また肺癌については、男性の羅患率は減少したがスペインでは女性の間で最も増加しており、スペインの肺癌羅患率はヨーロッパ平均を上回っていると説明した。
同大臣は、癌の早期発見と適切な治療を提供のため厚生省は各自治省の協力のもとに健康国民システム癌対策計画を作成したと説明した。

マドリッド列車爆発テロの実行メンバー、ベルグラードで逮捕

内務省は、昨日ベルグラード市内で昨年のマドリッド列車爆発テロの実行メンバーの1人で、同年4月マドリッド州レガネスのアパート自爆テロの直前に逃亡していたAbdelmajid Bouchar容疑者をセルビア警察が逮捕したことを発表した。
今回の逮捕は同容疑者がMidhat Salahという名前でイラン人になりすまし偽造パスポートを所持していたため、セルビアの外国人法侵害罪によるもの。
ホセ・アントニオ・アロンソ内務大臣は、調査進展の不可欠要素である情報交換の重要性など、テロ対策の効果をより強固にするための国際協力の必要性を強調した。
内務省によると、同容疑者は7人のマドリッド列車爆破テロに関与したと思われる7人のテロリストが亡くなったレガネスのアパート自爆テロの直前に逃亡し、中央管区裁判所により国際召喚されていた。
同容疑者はレガネスのアパート自爆テロの当日、ゴミを捨てに外に出た際にアパート周辺を包囲していた警察の存在に気づき、そアパートに同居していた他のテロメンバーたちにのことを知らせるためアラビア語で叫び、自分は逃亡した。その直後テロメンバーは自爆テロを実行、GEO(国家警察特殊部隊員)1名が死亡した。
同容疑者は1983年、モロッコのAit Lahcen Oualla生まれ、警察は同容疑者の引渡し手続きを進めており、アロンソ内務大臣はサパテロ首相に引渡し手続きを最優先するよう申請する予定。

スペイン兵17人の遺体、本日帰国

ホセ・ボノ防衛大臣は本日早朝アフガニスタンにて会見を行い、一昨日ヘリコプターの墜落で亡くなったスペイン兵17人全員の遺体が本日帰国することを発表した。
この会見で同大臣は既に17人全員の遺体の確認は終了しており、イスタンブール経由でスペインに向かい、マドリッドのヘタフェ空港に21時頃到着予定であると発表した。
遺体確認作業はスペイン市民警察の遺体確認部門チーム12名によって行われ、DNA鑑定の必要はなかったという。遺体はスペインに到着次第、マドリッドのHospital General de la Defensa Gomez Ullaで検死が行われる。
この発表後、同大臣はただちに軍機ヘルクレスでイスタンブールへと向った。
また事故原因について、事故現場に飛んだ専門家はヘリコプターの撃墜の「痕跡は見つからない」とし、最も可能性が高いのは、当時その地域に起こった「強い突風」が原因であると考えているが、ボノ防衛大臣は昨日のサパテロ首相とのテレビ会議で今のところはまだどんな仮説も排除できないと述べた。


8月17日(水)

スペイン軍ヘリコプター、アフガニスタンで墜落

9月に行われるアフガニスタンでの選挙の治安維持のためにアフガニスタンに駐留していたスペイン軍のヘリコプターの1台がアフガニスタン時間の昨日11:01(スペイン時間の昨日8:30)、アフガニスタン西部を旋回中に墜落し、乗っていた17人のスペイン軍兵士全員が死亡、200mの距離をおいて旋回していた別のヘリコプターも緊急着陸し、5人が怪我を負った。
ランサロテ島で夏期休暇中のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は休暇を中断し急遽マドリッドに戻り、今回の悲劇に対し内閣より「哀悼の意」を表し、スペイン軍がアフガニスタンやハイチ、コソボ、ボスニアで行っている任務をたたえ、ホセ・ボノ防衛大臣に17名全員の遺体の確認と引き取りに全力を尽くすよう要請、遺体がスペインに戻り次第、数日間公式に喪に服すことを発表した。
フアン・カルロス国王も今回亡くなったスペイン軍兵士に対し、「スペイン王家全員が深い悲しみを覚えている」いると哀悼の意を表した。
ISAF(NATOの国際治安支援部隊)側は「特に敵側のものと思われる明かり等はなく、事故だと思われる」と説明、国家情報センターは否定しているもののタリバンの指揮者の1人はヘリコプターが撃墜されたと語っている。
別のヘリコプターの話によると墜落の6秒前に事故機のパイロットと無線で話したが何も変わった様子はなかったという。
ホセ・ボノ防衛大臣はサパテロ首相との会談後記者団を前に、まず初めにスペイン国と政府から亡くなった兵士の家族に対し哀悼の意を表し、今回の事件について説明、事故機は最高のコンディションであり、外部攻撃の可能性を含む憶測を捨てておらず、今回の事故で事故機のプロペラが200m後を旋回していたヘリコプタと接触した可能性については「絶対的に不可能」と否定した。
同大臣は犠牲者の遺体の確認と引き取りに参加するため昨日20:20にアフガニスタンに向ってスペインを出発、物的証拠、目撃者、医学的分析などを元にこの1週間以内に徹底的に遺体の確認を行う予定。

3連休の交通事故犠牲者、3人に1人がシートベルト未着用

DGT(交通総合局)は8月13日〜15日の聖母被昇天の3連休で起きた39件の事故の死亡者の3人に1人がシートベルト未着用で、死亡者の35%は18〜30歳の若者であったことを説明した。
DGTの説明によると、先週末の事故件数は39件、死亡者数は48人、主な事故原因は今までとまったく変わっておらず、死亡者の約半分の事故現場は道路の出口付近であり、スピードの出しすきに関係していると付け加えた。
死亡者の3人に1人がシートベルト未着用で、事故件数の45%が夜間に発生、4件中3件が周辺道路で発生、死亡者の約35%が18〜30歳という結果となっている。
DGTは「我々DGTだけでなく、スペイン社会全体が取るべき態度ははっきりしている」と説明、 ここ3年間の同時期の数字と比較すると、死亡者の数は2003年は57人、2004年は43人で、DGTは、「はっきりした減少が傾向が見られる。今年は昨年より死亡者数は増えたが、今年はスペインの全自治州が3連休だったが、昨年はわずか5自治州だけだった」ためと述べた。

スペイン人の若者のアルコール消費減少

2003年の調査では15〜29歳の若者の43%がアルコールを飲まず、1989年の同調査の結果の9%と比較するとアルコールを消費する若者が大幅に減ったことが労働社会問題省の調査でわかった。
若者のための協会組織であるInjuveによって最近発刊されたスペインの若者に関する報告書のデータによると、「スペインの若者のアルコールの消費は1990年代から減少傾向にある」ことを示している。
アルコール消費が一番多いのは、19歳と20歳でその後年齢が上がるにつれて消費量が下がっている。 アルコールを一度も口にしたことのない若者の割合は、女性は3人に1人、男性は5人に1人の割合となっている。
また、同省は喫煙は若者の健康を害する一番の原因であると考えている。ヨーロッパではたばこの消費量は減少傾向にある一方、スペインではその傾向は見られず、若者の喫煙、特に女性の喫煙傾向が続いている。 喫煙開始年齢の平均は女性が15歳、男性は16歳で、4.5%の若者が12歳で喫煙を開始、4人に1人が15歳になる前に喫煙を開始している。
若者の全体的死亡原因のトップは交通事故で、年間1800人の若者が交通事故で命を落としており、特に20〜24歳の男性が多くなっている。


8月16日(火)

ETA受刑囚118人、4年以内に出獄へ

中央管区裁判所がETA受刑囚の出獄リストを準備していることが、ヨーロッパ・プレスの情報により明らかとなった。同情報によるとこの4年以内にETA受刑者数全体の約1/4にあたる118人が出獄する予定となっている。
このリストは、フアナ・カオス受刑囚のケースのような不当な出獄を避ける目的で開かれた種々の会合で、拘置所最高指導部が検察側に提供したものである。
釈放予定のETA受刑囚の118人のうち、半分は旧刑法時代の受刑者、残りの半分は新刑法が施行されてからの受刑者で、今回の釈放者リストにはETAの伝説的メンバーで1000年の求刑を受け19年間に渡り服役中のドミンゴ・トロイティーニョや、元ETAメンバーのYOYESの殺人の罪で服役中のホセ・アントニオ・ロペス・ルイス・クバティ、マドリッド支部のメンバーで、同市内のドミニカ共和国広場での市民警察官12人の殺害などさまざまな罪で服役中のイネス・デル・リオ・プラダが含まれている。
今回の釈放リストに載っている旧刑法時代に求刑を受けた受刑囚の大部分は1980年代に逮捕され何百年にわたる求刑を受けたが、その後いろいろな検討が重ねられ、その大部分が減刑されて2014年から2021年に出獄予定となっていたが、今回また出獄が早まった。
リストではこの4年以内に釈放することが記述されているが、今後も担当裁判長によって修正される可能性があり、釈放が取り消されたり逆に早まることもありえるという。

この夏の消費者クレーム件数、130%増

消費者のクレーム件数がこの夏130%増加したことがわかった。
Fuci(個人消費者連合会)によると、消費者の月平均のクレーム件数は9183件であるが、7月1ヶ月間だけで2万1121件のクレームが寄せられた。特にこれはローストチキンに含まれていたサルモネラ菌による食中毒に関連しているという。しかし、クレームの10件中7件は観光サービスに関連しており、その内容は特に遅延、オーバーブッキング、荷物の紛失や破損などとなっている。
自治州別に見ると、バレンシア州、アンダルシア州、カタルーニャ州でクレーム件数が多くなっている。
Fuciは消費者に対し、クレームや不満を文面にし請求書や書類を添付して提出することを奨励している。
一方、カナリアス諸島のランサローテ島の空港では昨日、イベリア航空の地上職員がストライキを起こし、荷物が山積みとなった。この影響で、地上職員が荷物の積み下ろしを拒否した為、約6000個の荷物が機内に積まれずその場に放置され、別の約4000個の荷物が機内から下ろさずに出発地に戻された。

バスク州政府代表、違法政党バタスナのデモの事件の報告書を高等裁判所へ提出

パウリーノ・ルエスマ・バスク州政府代表は国家警察隊と市民警察の担当として、違法政党バタスナが14日にサン・セバスティアンで行った違法デモで起きた事件に関する報告書を作成することを発表した。この報告書は直ちにバスク州の高等裁判所の検察局に直ちに送られる予定。
今回のデモはバスク州政府やバスク州高等裁判所により禁止されていたが、日曜日の午後サン・セバスティアンの旧市内付近で行われ、その後憲法広場に場所を移して活動を行っていたが、多くのデモ集団がバスク州警察により追われ、いくつかの覆面集団が指令部隊に対抗し、ゴミ用コンテナをいくつも焼き払った。今回のデモでバスク州警察は今回のデモ後7人を逮捕し、逮捕者はこの口論への参加、バスク州のデモを阻止する隊員に対する投石、交通妨害、コンテナへの放火の罪で告訴された。
今回のデモ中に起きた事件では12人以上が怪我を負い、そのうち4人が病院に運ばれている。

週末のスポーツの結果

テニス:モントリオール・オープンシリーズでスペインのラファエル・ナダル選手は米国のアンドレ・アガシ選手を破り優勝した。


8月15日(月)

聖母被昇天の日のため、ニュースはお休みです。


8月12日(金)

ライトバン、交通整理中の警察官2名に衝突

事故が起こったのは昨日12:40で、高速道路A−2(サグント−フランス間)のウエスカ(アラゴン州)付近で、ライトバンが交通整理中の警察官2人に衝突、警官の1人は重体、もう1名の警察官とライトバンに乗っていた少女1人が重傷をおった。
この事故により、1人の警察官はサラゴサ市内の病院で手当を受けているが左腕切断、打撲、足首骨折の重体、もう1人も頭蓋骨損傷、右手首脱臼、全身打撲でウエスカのサン・ホルヘ病院で手当を受けている。
また事故を起こしたライトバンに乗っていたセルダニョラ・デ・バレス(バルセロナ)に住む10歳の少女も重傷を負ったが、運転していた39歳の男は軽傷で両名ともウエスカ市内の病院で手当を受けている。
事故現場は見晴らしのよいところで道路状態もよかったと情報筋は語っている。
怪我を負った警察官はウエスカの交通セクタの所属で、7;00から14:20の勤務時間で職務を行っていた。両名とも反射ベストは使用していた。

エル・コルテ・イングレス、ローマに進出

スペインの大型百貨店チェーンであるエル・コルテ・イングレスがローマに進出予定であることがわかった。
イタリアの日刊紙「Corriere della Sera」紙によると、同チェーンは現在ローマ市役所と最終同意の段階で、同意が得られれば同チェーン初のイタリア店舗となり、現在ローマ市内でも有数の目抜き通りに場所を購入する予定であるという。
ローマ市役所は同チェーンが同市内に進出するところまでは同意しているが、その場所を市の中心部にするか郊外にするかはまだ決定していない。
同紙の情報によると、イシドロ・アルバレス同チェーン社長はローマ市の中心部に店舗の候補地を探しており、その候補地の1つは前産業再建協会本部、現在は金融機関Fintecaが入っているシンボル的ビルであるが、同金融機関の弁護士は、この本部は2007年まで賃貸契約があり、その契約期間の終了前に建物から出て行く予定はないと説明した。
その他の候補地としては、市の中心部にあること、パリのショッピングセンター、Lafayette を彷彿させる建築であることから日刊紙「Il Messagero」の本社が入っているビルや、Largo Chigi通りにあるイタリアの百貨店La Rinascenteのビルも上がっている。エル・コルテ・イングレスは同チェーンのイタリア市場への進出に関する調査をするためイタリア側のコンサルタントとしてスペイン・フィアット社のルイジ・ミチェッティ前社長と話し合いをもっている。
一方、「Concomercio y Confersecenti」などのイタリアの小売店協会はローマ市内に最近広がっている「大型ショッピングセンター誘致」や「商業都市化」に反対する抗議キャンペーンの実施を宣言している。 同チェーンは既にポルトガル進出には成功、米国市場進出には失敗している。

IPC今年上半期で3.3%上昇

IPC(消費者物価指数)は7月の1ヶ月間だけで0.6%下がったものの、今年7ヶ月間で蓄積したインフレ率は1.5%、今年上半期の数字は燃料の値上げ等の影響で0.2%上り3.3%の上昇率であることがINE(国立統計局)の情報でわかった。
燃料の値段の上昇に伴い、交通機関や住居の物価指数もそれぞれ年間で6.9%、5.8%上昇、6月の1ヶ月間だけと比べ1.5%、0.6%上昇した。
その他ホテル、バル、レストランなどの分野も観光客用の宿泊施設の値段の上昇により年間4.3%上昇したが、唯一コミュニケーション、レジャー・カルチャーの分野では、それぞれ−2%、−0.1%物価指数は下がった。
上半期の数字と同様、6月の1ヶ月間で物価指数が下がったのは、衣類や靴類の−1.018%、家財道具の−0.8%で、これはバーゲン時期に重なったことによる。
自治州別では、7月の1ヶ月間でほとんどの分野の物価指数が下がり、特にバダホスやシウダー・レアルで−1%以上、ハエンの−1.4%下がった。逆にこの1年でインフレが激しかったのはアルバセテの2.3%、バレアレス諸島の2.1%、タラゴナの2%であった。


8月11日(木)

エア・マドリッドの乗客、空港で抗議

航空会社エア・マドリッドの乗客が昨夜、同航空会社のカウンターの前で抗議を行った。
抗議を行ったのは同航空会社を利用しコロンビアのカルタヘナ・デ・インディアからマドリッドのバラハス空港に到着した約60人の乗客で、空港警察の情報筋によると、これらが乗客の搭乗した便は昨日の正午にマドリッドのバラハス空港に到着する予定であったが、大幅に遅れ実際に到着したのは夜中の12時で、乗り継ぎ便に間に合わなかった乗客もいたため今回の抗議となったという。
同情報筋はこの到着遅延について、「バラハス空港では夏のこの時期には珍しくないこと」と語った。
空港のフライト・インフォメーションでは、今回のエア・マドリッド122便の乗客たちの抗議が認められ、現在は各乗客の状況の解決に対しエア・マドリッド側の対処を待つことになっている。
同航空会社は今回の到着便の遅れ以外にもバラハス空港からの出発便が欠航しているが、航空会社側からの説明はまったくない状態となっており、乗客たちは不安と憤りをおぼえている。

ペドラス裁判長、デ・フアナ・カオス受刑囚に起訴命令

中央管区裁判所のサンティアゴ・ペドラス裁判長は、日刊紙「Gara」誌に2つの記事を掲載したことに関連し、テロリスト組織への加入とテロ行為の罪でETAのメンバーであるホセ・イグナシオ・デ・フアナ・カオス受刑囚の起訴を命じた。
同裁判長は同受刑囚の仮入獄を追認し、同受刑者は来る8月22日に起訴内容に関する供述調書を受け取る予定で、同22日には、同裁判長は日刊紙「Gara」誌に2つの記事を掲載したことに関連し、刑務所の責任者や所長など5人の証人の証言を取る予定となっている。
刑務所施設の最高責任者であるメルセデス・ガジソ女史に関連して「Gara」誌に書かれた「El Escudo」、「Gallizo」というタイトルの記事の中で同受刑者は「敵は成長した」と説明、「パイス・バスコからお前達の汚い手を取り除け、そうしないと別の道はもっと苦しくなるであろう」と語っていた。
同裁判長の前任者であるフェルナンド・グランデ−マルラスカ前裁判長は1月10日に同受刑者の入獄を命じたが、ペドラス裁判長は審理の間疑惑はないと判断して前裁判長の決定を覆し、デ・フアナ受刑者を起訴しないことを6月10日に決定していたが、7月7日に中央管区裁判所の決定ではこれが再び覆され、同受刑者に対する仮入獄を決定し、今回の起訴命令となったもの。

エステファニア・ロペス裁判長、ロケタス・デル・マルの事件を辞任

7月24日の警察官による傷害致死事件を扱っていたロケタス・デル・マル(アルメリア)のエステファニア・ロペス裁判長は、昨日、ストレスにより健康状態を崩したためこの事件の担当から外れることになった。
ホセ・ルイス・レケーロ司法権総協議会委員の話によると、同裁判長は病院で治療を受けているという。
裁判長の交代に伴い、検察側は同裁判長が行った「事件に関与した9人の警察官の保護監督つき釈放」という決定に対する上告提出の可能性について検討することになった。
ホセ・アントニオ・アロンソ内部大臣は本日国会で今回の事件について説明する予定。
UPGC(市民警察専門組合)は昨日、今回の事件に対する「受身的な行動」と「軽視した態度」によりカルロス・ゴメス・アルーチェ最高指揮者の辞任を求めた。
UPGCは法医学報告書の脱落している7つの段落のに対し「明確化」を要求したが、これに対しホセ・ルイス・レケーロ委員は「コピーのし忘れ」と説明した。
エステファニア・ロペス裁判長の辞任は偶然にも法医学報告書の発表と時を同じくしており、法医学報告書によると、被害者であるフアン・マルティネス・ガルデアノさんの死亡原因は蘇生措置中の胸骨の骨折ではないと記述されているが、死亡原因についても触れられていない。
同報告書の第2部、毒物学の検査結果によると、被害者はコカインとヘロインを使用した形跡があり、その量はストレス状態での死亡を引き起こすのに充分な量であると記述されている。 これは同被害者が多数の全身外傷を受けたとしても、コカインの量が少なければ死亡しなかったことを示している。


8月10日(水)

道路安全法、一部改定

本日より道路安全法の一部が改定される。今回の改定では、今まで軽度の違反とされていたものが、重度に修正されるなど違反度の修正や、罰金制度の改定などが行われている。
違反度は新安全法第65条により軽度、中度、重度の3段階に分類される。
違反度中度では、従来のスピード違反、道路の方向変更時や車線変更時の追い越し、危険な場所での一時停止、駐車、飲酒運転、交通整理中の警察官の指示に従わないこと、信号無視、事故や火事の原因となる物を運転中に車から捨てることなどの他に、今回から車検のない乗用車での運転、イヤホンや携帯電話を使用しながらの運転、レーダー探知装置を使用しの運転などが追加された。
違反度重度では従来の基準以上のアルコール量での飲酒運転、麻酔が切れていない状態での運転、飲酒運転チェックの拒否、制限速度を50%以上超過したスピードでの運転、明らかに無謀な運転、特別職務のドライバー用の休憩場所での休憩などの他に、今回から違反時に本人確認の要請に応じないこと、運転免許不携帯、未登録の車での運転、技術的条件を満たしていない車での運転、高速道路を禁止されている車での故意の運転などが追加された。
制裁手段については、軽度の違反は90ユーロまで、中度は91〜300ユーロ、重度は301から600ユーロの罰金となっている。制裁手段として運転免許停止を課すこともあり、その停止期間は中度の場合1〜3ヶ月、重度の場合は運転免許取消となる場合もある。
これらの制裁手段に加え今回の安全法改定では、ポイントのシステムについても述べられており、各ドライバーが持っているポイントから違法内容に応じてポイントが引かれていく。
AEA(ヨーロッパ・ドライバー組合)は、本日より違反は大変厳しくなりスペイン人ドライバーは減点つきの罰金を払うと控訴ができなくなると語った。AEAはヨーロッパ各国を車で旅行する際に必要な書類、事故のときの対処法などの情報が書かれた「ヨーロッパ車旅行便利ガイド」とい無料誌を発刊した。

バタスナ党、サン・セバスティアンでデモ

違法政党バタスナ党のスポークスマンであるアルナルド・オテギ氏は昨日、サン・セバスティアンのお祭りセマナ・グランデが始まる来週の日曜日に同市内でデモを行うことを発表した。
デモのモットーは「今国民に、今平和を」で、同氏によればこのデモの主旨は、バタスナ党の合法化の解決のめどがたち、過去に戻ることなくこの国が声と言葉を取り戻すことであると語り、同氏は記者団を前に「バタスナ党は新しい場面を作るために努力しているが、この運動を通して国民の皆さんの支援を請う」と国民に呼びかけた。バタスナ党所属前市会議員イニゴ・バルダ氏は昨日、サン・セバスティアンの市役所において、日曜日のデモの他にセマナ・グランデのお祭りの開催中、バスク州旗ikurinaに敬意をしめす儀式も行う予定であると語った。
PSOE(社会労働党)のディエゴ・ロペス・ガリード書記長は国会において、暴力を非難したりETAの撲滅を要求しないかぎり、バタスナが唱える「平和、国、民主主義」はどれも信用できないと語った。
一方、ギプスコア県PP(国民党)のマリア・ホセ・ウサンディサガ議長はバスク州政府に対し、このデモを阻止するためには必要な手段を使うことを要求した。同議長は「オテギ氏は違法組織という名前で話をしており、デモを合法的に行う事は出来ない」と述べた。

テンポラリー契約増加

テンポラリー契約はスペインで最も多く行われている雇用形態であることが、労働力人口のアンケート結果でわかった。UGT(労働総同盟)の報告によるとスペインのテンポラリー契約の労働者数は、イタリア、英国、スウェーデンと並び500万人に到達し、実際、テンポラリー契約数は2年間で2.5%増加し、この10年間で最高の数字であった。UGTのアンヘル・フェルナンデス同盟事務書記長は、この数字は考えられないことであり、徹底的解決や労働調査管理を増やすことを強要するものであると述べた。
正社員という雇用形態は過去のものとなり、スペインは全労働契約の33%がテンポラリー契約という不安定な雇用形態が第1位の座を占めている。
  テンポラリー契約数が全雇用契約数に占める割合のヨーロッパの平均は13.6%で、1人当たりの所得がスペインより低いポーランドではテンポラリー契約は24%を占め、ポルトガルでは19%となっている。


8月9日(火)

ロケタス・デ・マル、9人の警察官釈放へ

7月24日にロケタス・デ・マル(アルメリア)の警察署内で同市内に住む男性が警察官の暴力によって死亡したとされる事件に対しエステファニア・ロペス裁判長は、指揮をとっていた警部補や警察官1人に対し保護監督つきの釈放を決定した。他の警察官たちも「必要と認められるときに法定に出頭する義務つきの仮釈放」と語った。
今回の決定に対し同裁判官は、事件に関与した警察官たちには「確かにビデオでの映像や証言を聞く限り職務の遂行に行き過ぎがあった」としながらも、同警察官たちの行為が被害者の死亡原因となっているかどうか「はっきりと断言できない」とし、被害者の最終的な死亡原因の法定結果を待っているところであると語った。
今回の同裁判官の決定は農業に従事するホセ・マルティネス・ガルデアノさん(39歳)が、警部補の指揮のもと複数の警察官の暴力により死亡したと推測される事件で、事件に関与した警察官全員の証言のあとで行われたものである。
昨日裁判所の前では警察官の支援グループや被害者側の支援グループなど多数の人々が集まっていたが、事件に関与した警察官たちが現れたときには、突然ピストルを持った男性が現れるなど緊張が走った。 同男性が腰に持っていたピストルを取り出したのは、ちょうど20人ほどの女性が市民警察との団結を叫んでいたときであったが、すぐに地元の警察に取り押さえられ、その後ピストルは偽物である事が判明した。

スペイン人家庭の70%が借金

低利子も手伝い、借金を抱えているスペイン人家庭やスペイン企業の割合はこの15年間で最高であることが、スペイン銀行のデータでわかった。
労働者団体UGT(労働者総同盟)の銀行部門の書記長であるホセ・アントニオ・グラシア氏によるとスペイン人家庭の70%が借金を抱えており、4人に3人がクレジットカードを所有したり借金や抵当物件を抱えており、これは家庭が抱える問題の1つであると説明した。
クレジットの申請は19%増加し、アンダルシア州、カスティージャ・ラ・マンチャ州、ムルシア州では23%以上の増加率だという。逆にアストゥリアス州やカンタブリア州は借金は少なく、マドリッド州やカタルーニャ州は相変わらずクレジット申請のランキングのトップを走っている。また、今年の第1四半期で民間企業の借金総額は1億ユーロとなっている。

ラファエル・ベガ、毎日6時間の外出許可

機密費横領の罪で7年の実刑判決を受け、セゴビア刑務所に入獄している前国家公安局政務次官のラファエル・ベガ受刑者は、刑務所内での孤立からうつ病となったため月曜から木曜の6時間の外出を許可され、今年4月の入所以来初めて昨日刑務所の外へ出た。
フアン・ルイス・ゴルド政府代理人補佐の説明によると、同受刑者の外出時間は10時〜16時で、2人の護衛兵が警備や監視のために付き添うという。 刑務所内では第2級の制度が続けられ、これ以外の許可、例えば週末の外出の許可などは認められない。
今回の措置はベガ受刑者を診察した医者の最近の報告書をもとに同受刑者が全面孤立状態にあるという特別な心理的環境を考慮し、処理手続委員会が決定した。
7月30日、マドリッドの全国管区裁判所は同受刑者に対する刑務所規定第3級の適用を拒絶していた。
尚、同受刑者はフェリペ・ゴンサレス政権時代の国家公安局政務次官在籍時、内務省の公金6億4500万ペセタを使いこんだ罪で逮捕され、7年の実刑と400万ユーロの返済を課されている。


8月8日(月)

今年上半期、売春組織の摘発相次ぐ

国家治安部隊は今年上半期、外国人売春組織に関与する518人を逮捕した。そのうち82の売春組織に関与する427人が国家警察の手で、13の売春組織に関与する91人が市民警察の手で逮捕された。これらのマフィアの逮捕に関してさまざまな作戦が行われた。
2月、不法滞在組織対策中央部隊は外国人女性の国際売春組織の1つを摘発、39人の売春組織の人人間を逮捕、その内訳はルーマニア人29人、スペイン人8人、ドイツ人1人、スロベニア人1人。この組織によりスペインに送り込まれカナリアス諸島のクラブで働いていた女性の中には未成年も含まれていた。
3月、アルメリアのUCRIF(不法滞在と偽造組織対策部隊)とロケタ・デル・マル(アルメリア)の市民警察は、アルメリア県沿岸部のクラブにロシア人女性を送りこんでいた国際売春組織を摘発、ロシア人15人、スペイン人5人、キルギスタン人1人を逮捕、その組織の元では49人の女性が働いていた。
4月、国家警察はブラジル国家警察の協力のもと、カンタブリア州のクラブにブラジル人女性を送り込んでいた国際売春組織を摘発、12人を逮捕。
5月、移民組織対策中央部隊はブラジル人女性をスペイン国内の各地域のクラブ(エストゥレマドゥーラ州とアンダルシア州)に送り込んでいたグループを摘発、スペイン人10人、ブラジル人3人を逮捕、この組織の元では55人のブラジル人女性が働いていた。
同5月、ラスパルマスのUCRIF(不法滞在と偽造組織対策部隊)はグランカナリア空港警察とカボ・ベルデ(ポルトガル)警察の協力のもと、ヨーロッパ中に女性を送り込んでいた若者主体の売春組織を摘発、逮捕者の中にはカボ・ベルデ出身の未成年者も何人か含まれている。同組織はカボ・ベルデ、セネガル、ガンビア、スペイン、フランス、ポルトガル、オランダに支部を持っており、カボ・ベルデのある学校の生徒 達をヨーロッパ、特にフランス支部に送り込もうとしており、この組織では国籍の異なる12人が逮捕された。

テレフォニカ、11818の料金値上げ

テレフォニカは国内電話番号案内11818の利用通話料金の値上げを発表した。
政府が5月27日に決定したこの種類のサービスの料金自由化により11818の1回の通話料金は明日以降これまでの35センティモから57%上がり55センティモ(プラス消費税)となる。
とはいえ11818の料金はスペイン市場では最も安く、ヨーロッパ内でも3番目に低い料金を維持することになる。テレフォニカによるとこの料金は「消費者の手に届く料金」であり、1997年以来このサービス業務が抱えている1億9100万ユーロの赤字を償えると判断している。テレフォニカのデータによると11818と競合する電話番号案内の45秒あたりの利用通話料金は、11822(同様にテレフォニカのサービスで、交通、レジャー、公共サービスの電話番号案内)が67センティモ、11824(MgA)が1.039ユーロとなっている。
11818は、電話帳やインターネットによるアクセスでは無料を維持する予定。
今回の値上げは去る5月27日に開かれた政府代表委員会の決議で決定したテレコミュニケーションの世界的サービスを含むテレフォニカの狭周波数帯のインターネット・アクセス料金や11818のオペレータを利用した電話番号案内サービス料金の自由化に基づくもの。

今年の山火事の犠牲者増える

先週土曜日、アビラ県とガリシア州オレンセ県では山火事の消火活動中に2名が亡くなるという悲劇が起こった。カスティージャ・レオン州環境局の情報筋によると亡くなったのは、土曜日アビラ県カサビエハスの山火事の消火活動にあたっていた29歳のセビリア出身の消防団員で、活動中岩から転落し死亡した。この火事で付近の村に被害はなかったが、約600ヘクタールが焼失した。オレンセ県モンテレイでは消火活動にあたっていた小型飛行機のパイロット1名が操縦中に墜落して亡くなったとガリシア州のホームページで発表された。
カスティージャ・レオン州ではあくる日曜日も4つの山火事が燃えつづけ、4000ヘクタール以上が焼失、同州環境局は、レオン県ではポンブリエゴで発生した山火事が消火の兆しをみせずこれまでに山間部や雑草地など3100ヘクタール、トラバデロでは180ヘクタール、ポブラドゥーラ・デ・シエロでは150ヘクタール焼失したと発表、ガリシア州全県でも未だに火事は続いている。火事の消火に困難を期している原因としては、この夏は雨不足で大変空気が乾燥していること、また先週末から気温が再び高くなっていることなどがあげられる。
先月はグアダラハラの山火事により1万3000ヘクタールが焼失、消火活動に当たっていた消防団の11名が炎に飲み込まれ命を落としている。
昨日、エレナ・エスピノーザ農林大臣は記者団を前に「山火事の原因の多くが故意によるものであり、焼けてしまったところが元通りになるのは大変時間を要する。全市民に対し責任の呼びかけを行いたい。」と述べた。
尚、カサビエハの山火事で消火活動中に亡くなった男性の葬儀は昨日、モンテレイの山火事で亡くなった男性の葬儀は本日行われる。

週末のスポーツの結果

陸上:世界陸上ヘルシンキ大会で20km競歩でスペインのパキージョ・フェルナンデス選手が銀メダル、マヌエル・モリナ選手が銅メダルに輝いた。金メダルはエクアドルのジェファーソン・ロペス選手。


8月5日(金)

カタルーニャ州で約4000個の商品を流通停止

カタルーニャ消費者機関は1000ボルトを放電するボールペン、ライター、チューインガムのパッケージなど、合計3996項目にわたるジョーク商品を流通停止とした。
その停止の理由についてカタルーニャ州の情報筋は、特に子供やお年寄りの健康に害を及ぼす危険性があるためと説明、バルセロナ市内だけでライター2213個、ボールペン1415個、チューインガムのパッケージ338個が流通停止となった。これらの商品は中国製で、電気回路機能の部分を押すことで700〜1000ボルトを放電する強力な機能を持っているという。
ボタンを押すと放電が起こるしくみで、ライターに火をつけたり、ボールペンの先端をノックしたり、ガムをパッケージから取り出そうとすると始動するしくみになっている。

アフリカ大陸からの熱波、今週末スペイン上陸

国内地域気象研究所によると、乾いた空気を伴うアフリカからの熱風がこれから数日間イベリア半島全体を襲い、地域によっては最高気温が摂氏43〜44度まで到達する見込みで、猛暑が長く続いた2003年夏を上回るのは難しいが、気象観測至上最高の数字を記録する地域もでてくると説明した。
このアフリカからの熱風による暑さが始まるのは本日金曜日で、特に明日土曜日から来週水曜日まで暑さが続き、アラゴン地方、カタルーニャ地方、バレアレス諸島はこの猛暑の該当地域から外れるものの、それでも気温は高くなる予測。同研究所の予測では、アフリカからの熱風はイベリア半島南部・南西部から流れ込み、その後北部へと広がる見込みで、アンダルシア地方内陸部、エストゥレマドゥーラ地方、イベリア半島内陸部では40度を超えて44度まで到達し、北部でも普段より気温が上昇し35度を超える地域もある見込み。地中海沿岸や大西洋沿岸、カンタブリア海北部などの沿岸部では海上からの冷たい空気の関係で若干気温は緩やかであるがそれでも特に夜間の最低気温はかなり高くなるという。
ガリシア地方内陸部の気温も著しく上がる予測で、オレンセなど内陸部は通常暑さが厳しいが、今回は再び41度まで上昇する気配である。カナリアス諸島では今回のアフリカからの熱風は特に東側の島(ランサロテ島、フエルテベントゥーラ島、グランカナリア島)に影響を及ぼす模様。今回の猛暑は雨不足が特徴で、アラゴン地方、カタルーニャ地方、バレアレス諸島のみが雷雨の予報となっている。

スペイン兵200人アフガニスタンに到着

アフガニスタン西部Herat地区の基地に駐留している650人のスペイン兵と合流するためスペイン兵200人が昨夜アフガニスタンに到着した。これでアフガニスタンに駐留するスペイン軍の兵隊の数は850人、数日後には100人の追加派遣が予定されている。
このスペイン軍の目的はアフガニスタンで9月18日に行われる議会選挙に向けての治安の確保で、これはNATOの指令の元に行われれているISAF(NATOの国際治安支援部隊)の拡張第2フェーズの一環で現在のところ世界37カ国、約1万人の兵士が参加している。
スペイン軍が担当する地域は14万5740kmに渡り、衛生設備の設営や米国、イタリア、リトアニアなどアフガニスタン内の各地域に駐留しているグループの安全確保を行う予定。
去る8月1日にはホセ・ボノ防衛大臣がQala-i-nawとHeratに駐留するスペイン軍を訪問し、アフガニスタン駐留のスペイン軍兵隊の給与の引き上げを約束している。


8月4日(木)

警察官、容疑者を暴行で傷害致死

ロケタス・デル・マル(アルメリア)のエステファニア・ロペス・ムニョス裁判長は昨日、容疑者を暴行、死亡させた疑いの警察官3人に対する陳述を行った。今週金曜日には電気警棒などの法的に認められていない道具を使用し3ヶ月の休職となっている別の3人の警察官の陳述が行われる予定。
事件が起こったのは7月24日で、警察官が交通事故をめぐって他人と口論していたフアン・マルティネス・ガルデアノ容疑者を署に連行、そこで飲酒運転検査を行おうとしたが、同容疑者が急に精神的に動揺し警察官に暴力を振るおうとしたため、複数の警察官たちが同容疑者を押さえつけた。その後パトカーで市警察署に移送中、飲酒運転検査を行おうとしたことろ再度同容疑者が心筋梗塞に似た症状に苦しみ始めたため病院に向ったが、到着したときにはすでに同容疑者は死亡していた。その時の抵抗で、警察官3人が噛み付かれたり、手の指の骨折などの怪我を負い、病院で手当を受けている。
情報筋によると、警察署内での暴行の様子を録画した映像が裁判長の手に渡っており、この映像の中で警察官は容疑亡者に対し、3度に渡り法的に認められていない電気警棒などを使用していたという。
一方、グスタボ・アルドゥアン・ペレス被告側弁護士は、同容疑者の死亡は偶発的なものであり警察官の暴力によるものではないこと、容疑者は大変暴力的になった瞬間もあったため自傷行為や警察官への暴力を避けるため、同容疑者の手足を縛る事を余儀なくされたこと、まだ最終的な検死結果はでていないことなどを説明した。同容疑者は身長186cm、体重108キロであった。
また、被告側の個人弁護士のホセ・ラモン・カンタレホ弁護士は、検死の結果、死亡原因は窒息死ではなく心筋梗塞であり、法的に認められていない電気警棒を使用したのは容疑者をおとなしくさせる為であったと説明した。
ムニョス裁判長は法医学的立場から特に遺体の保存の必要はないと判断し、亡くなった容疑者の埋葬を許可、死亡から11日後の本日同容疑者の葬儀が行われれ約200人が出席した。

スペイン人、ATVやテロ対策協定を支持

スペイン人の61%が「武器を放棄するならETAとの交渉を支持する」と考えていることがFVT(テロ 被害者財団)が行った「テロと被害者に関する市民の知識」アンケートでわかった。
このアンケートによるとスペイン人の60%がテロ被害者や個人的状況の政治化を支援する人たちには納得いかないという結果がでているが、57%がさまざまな被害者協会や団体の活動を評価しており、スペイン人の71%はAVT(テロリスト被害者協会)は内部での連携や協力に欠けるものの同協会が最近行っているデモ活動を支援しており、81%がテロ対策の協定が不足していることを批判している。

校内暴力防止計画決定

マリア・ヘスス・サンセグンド文部大臣は昨日、文部省はこの夏の終わりに向けて校内暴力に対する計画を準備中であることを発表した。
CIS(社会学調査センター)の最近のアンケートによると校内暴力はスペイン人が心配している問題の中でも最も重要なものの1つとなっている。同大臣はこの問題をなくすためにたくさんの行政機関が働いており、根本的な解決には学生、教諭、学校、家庭全部の協力が不可欠であると述べた。


8月3日(水)

銀行家ボティン氏、スペインで最も影響力のある人物へ

BSCH(Banco Santander Central Hispano)会長であるエミリオ・ボティン氏がスペインで最も影響力のある人物に選出された。これは雑誌「Actualidad Economica」誌に掲載されたRECOLETOSグループの経済セミナーが行ったアンケートの結果よるもので、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は昨年は首位だったものの今年は第4位と、ホセ・マリア・アスナル前首相やフェリペ・ゴンサレス元首相が何年にも渡り首位の座を維持したのとは違い、わずか1年で首位から転落した。
エミリオ・ボティン氏は10年前は4位だったが少しずつその順位を上げ昨年は2位、今年は見事首位に輝いた。マリアノ・ラホイPP(国民党)書記長は昨年6位、今年はバスク州やガリシア州選挙で同党が苦戦を強いられたにもかかわらずボティン氏についで2位へ上昇、日刊紙 El Pais紙やLa cadena Ser、Canal Satelite Digital などを所有するPRISAグループのヘスス・ブランコ会長は昨年同様3位を維持した。
10年前、上位3位を占めたのはプジョール前カタルーニャ州知事、フェリペ・ゴンサレス元首相、ホセ・マリア・アスナル前首相であったが、5年前はアスナル前首相とPPのロドリゴ・ラト前大蔵大臣氏、今回はPPのラホイ書記長だけという結果でもわかるように、このアンケートは、ゆっくりではあるがリスト上位者が政治家から経営者へ変化していることを示している。
サパテロ首相に次いで第5位はBBVA(Banco Bilbao Vizcaya Argentaria)会長のフランシスコ・ゴンサレス氏、次にレアル・マドリッド会長のフロレンティノ・ペレス氏、日刊紙「El Mundo」社長のペドロ・J.ラミレス氏、パスカル・マラガル・カタル−ニャ州知事が続く。前述のロドリゴ・ラト前大蔵大臣は第9位で、現在米国ワシントンにてFMI(国際通貨基金)を率いており、その関係でスペインでもその影響力を維持していると思われる。第10位は国際的に事業を行っているTelefonica社長のセサル・アリエルタ氏。
政党別に見ると、PSOE(社会労働党)所属の政治家はあまり影響力を持っておらず、サパテロ首相以外の大臣は5名、それ以外に9名が、PPはラホイ書記長、アスナル前首相を筆頭に8名が上位100位に名を連ねている。その他の政党ではERC(カタルニャ左翼共和党)のジョセップ・ルイス・カロ・ロビラ・リーダーが11位、フアン・ホセ・イバレチェ・バスク州知事が29位、IU(左翼連合)のガスパル・ジャマサレス代表が41位、違法政党バタスナ党のスポークスマン、アルナルド・オテギ氏が56位、ジョルディ・プジョール前カタルーニャ州知事が65位。
その他、F1レーサーのフェルナンド・アロンソ選手は13位、ホセ・マリア・ロウコ・バレラ司教が35位、バルタサル・ガルソン裁判長が37位、料理家のフェラン・アドリア氏が45位、同じく料理家のカルロス・アルギニャノ氏が66位、歌手のダビ・ビスバルが73位、テレサ・パラシオス裁判長が84位であった。

PIB第2四半期で3.4%の上昇

最近のスペイン銀行の経済報告によると、2005年第2四半期のPIB(国内総生産)の成長率は第1四半期を0.1%上回る3.4%であった。今回の数字は5.5%の成長率である国内需要の景気の結果に関係しており、国外需要のPIBがかなり否定的な数字であることはまったく対照的となっている。
第1四半期と同様今回も個人消費と固定資産への投資といった国内需要の精力的な要素が大きく、今年最初の2ヶ月(4.8%)同様、各家庭での消費が大変高い成長率を維持している。
分野別にみると、建設業が今期も際立って大変活気のある分野となっており、第1四半期同様5.6%の成長率であったが、逆に農業は第1四半期同様(−1.8%)1%を下回り、唯一後退した分野となった。
雇用市場は今後も拡大すると推測されるが、今年2〜3月に行われた不法移民の滞在・就労合法化措置の影響でその拡大幅は若干狭まってきた感もあるという。

ローストチキンによる食中毒で初の死亡者

先週末から発生しているローストチキンによる食中毒の患者数は昨日現在で700人を超え、昨日バレンシア州衛生局は90歳の男性が1人死亡したと発表した。家族の話によると亡くなった男性は食中毒の原因となっているローストチキンを食べており、衛生局はまだ確定はできないものの死亡原因をこれから調査する予定であると述べた。厚生省の発表によると患者は脱水症状や下痢などの症状を訴えおり、その症状は軽く、入院患者は少数であるという。
食中毒患者は10つの自治州に広がり、ムルシア州で140人、そのうち10人が入院中、アンダルシアでは108人、バレンシア州で107人、カスティージャ・ラ・マンチャ州では88人、そのうち4人が入院中で1名はICU(集中治療室)で治療中、カタルーニャ州で68人、アラゴン州63人、カスティージャ・レオン州で54人、バレアレス諸島で52人、マドリッド州で27人、ナバーラ州で22人、バスク州で13人、エストゥレマドゥーラ州で10人、リオハ州では食中毒の疑いのある人が25人となっている。


8月2日(火)

サパテロ首相、本日より夏休み

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相とその家族は夏休みのバカンスを過ごすため本日カナリアス諸島ランサロテ島へ出発するが、バカンスを前に昨日、同首相はマジョルカ島にフアン・カルロス国王を訪問、その後記者団を前に会見を行い、来たる11月バレアレス諸島にて「文明国間協力」のための首脳会議を開くことを発表した。これは数ヶ月前に首相自ら考案したもので、同首相は「マジョルカはトップレベルの人たちを迎えて初めて開催されるこの会議にふさわしい土地である」と説明した。この首脳会議にはコフィ・アナン国連事務総長も参加することになっており、ヨーロッパ地中海会議に関連して開かれるバルセロナ首脳会議の直前に行われる予定。
また、サパテロ首相はカタルーニャ州新法案をめぐるPSC(カタルーニャ社会党)とERC(カタルニャ左翼共和党)間の意見のくい違いに関する記者団からの質問に対し、この話し合いの最後には「意見の一致」があると主張し、そのために説得を行うつもりであると述べ、「カタルーニャ州の自治の前進」を支持することを主張したが、「あくまでもそれはスペイン国憲法の範囲内で」と付け加えた。
パイス・バスコ州についての質問に対しては、最近PSOE(社会労働党)とPNV(バスク国民党)間で会談が行われたことは「政治勢力間では普通のこと」で、来月9月にはバスク州知事の訪問を受けいれると述べ、最近の同自治州内のkale borroka(公共器物破損や銀行、警官の家への火炎ビン投げつけなどの総称)を非難し、「暴力は民主主義では受け入れられない」と強調して述べた。
サパテロ首相の夏休みは25日まで、ランサロテ島滞在中はアダン・マルティン・カナリアス州知事との会談が予定されており、これにはフアン・フェルナンド・ロペス・アギラール法務大臣も参加する予定。

トゥリーニョ・ガリシア州知事本日誕生

エミリオ・ペレス・トゥリーニョ・ガリシア州知事が本日誕生するが、この任命式にはジョルディ・セビージャ行政大臣、エレナ・エスピノーサ農業大臣、カタルーニャ州、アストゥリアス州、アラゴン州の各知事など、多数の政界関係者が出席する予定。
PSdeG(ガリシア社会党)のトゥリーニョ氏は7月29日に行われた州議会の投票で、PSdeG−PSOE25票とBNG(ガリシア民族党)13票の合計38票を得て、対立候補のマヌエル・フラガ前州知事の37票を抑え見事州知事に選ばれた。
州議会は本日正午に始まりその場でトゥリーニョ氏は州知事として任命される予定で、その後オブラドイロ広場に場所を移し同知事は初心演説を行うが、これにはガリシア州元知事のヘラルド・フェルナンデス・アルボル氏、フェルナンド・ゴンサレス・ラシェ氏、マヌエル・フラガ氏も出席する予定。会場にはじゅうたんがしかれ、招待者用の椅子、ビッグ・スクリーン、オーディオ装置が設置され、式の準備は万端となっている。トゥリーニョ氏は「新しい時代」をモットーに「民主主義、近代的で透明なガリシア」をめざしているが、ガリシア州民に政治をよりいっそう理解してもらうため式の前に音楽や詩を流すなど、さまざまな工夫を凝らしている。本日の式の模様はテレビでも全国ネットで放映される予定。

スペイン人のテレビ視聴平均時間223分

2004年9月〜2005年6月のスペイン人1人あたりの1日のテレビ視聴平均時間は223分であることがテレビ・アカデミーの調査でわかった。今回の結果は至上最高だった前回の結果より3分少なくなっているものの、今年1月と2月の視聴時間は1日あたり240分と大変高い数字となっている。
自治州別に見ると、ガリシア州、カタルーニャ州、マドリッド州は平均より低く、逆にバスク州、カナリアス州や自治州のチャンネルがない州は平均より若干高くなっている。例年通りアンダルシア州、バレンシア州は視聴時間は長く233分、ガリシア州では190分、カナリアス州では201分という結果がでている。
年齢別に見ると特に4〜12歳のグル−プの平均視聴時間は前回より10分減り144分、13〜24歳のグループは1分減り146分であった。


8月1日(月)

インターネット詐欺で15人逮捕

スペイン市民警察と国家治安部隊はスペイン国内でも最大規模のインターネット詐欺組織の摘発、解体に成功した。これはマドリッド、バルセロナ、パレンシア、バレンシア、アルゼンチンのサンタ・フェまで拡大して行われたパンパ−タスマニア作戦によるもの。サンタ・フェ市カルカラニャで行われた発表によると、今回の摘発はマドリッド州アルカラ・デ・エナレス市とインタ−ポール(国際刑事警察機構)の要請に基づきアルゼンチンのヘルマン・スッテル連邦裁判官の命令で実現した。家宅捜索によりスペイン、ルーマニア、エクアドル、アルゼンチン、イタリア国籍の15人が逮捕されたが、そのうちスペイン国籍のJ.M.G.R容疑者(23歳)は、スペインでも有数のハッカーで「タスマニア」という名で知られていた。
この詐欺組織はTROYANOS、あるいはGUSANOといったコンピュータ・ウイルスや、パスワードの提供を求めるメールを大量にユーザーに送信するなどの方法でインターネット使用者のパスワードを手に入れ、合計約8万ユーロを手にしたと言われている。
2003年の初頭、スペイン警察は犯行手口の一部を解読し銀行システムへのアクセスを封鎖するプログラムを完成させ銀行側にその情報を提供していたが、その後この犯行手口がうまくいかなったJ.M.G.R容疑者は警察が犯行に気づいたことを知り、偽造パスポートを使ってブラジルへ逃亡、その後アルゼンチンのカルカラニャに落ち着きインターネット・カフェを経営していたが、インターポールはEXACALIBURというプログラムを使って通話記録の捜査を行っていた。現在同容疑者はサンタ・フェ市内の留置場に拘留されている。

PSOEとPPの支持率の差5.5ポイントへ

CIS(社会学調査センター)のアンケート結果によると、7月現在PSOE(社会労働党)の支持率は41.9%、PP(国民党)の支持率は36.4%と、両党の差は5.5ポイントで、前回4月の結果と比べ0.9%広がったことがわかった。
各政党のリーダーの10段階評価では、PSOEのサパテロ首相が前回の5.32から5.48へ上昇しトップを維持、以下PPのマリアノ・ラホイ書記長は前回より0.06%上がり4.36ポイント、CiUのアルトゥール・マス代表(4.08)、IUのガスパール・ジャマサレス代表(3.92)、CC(カナリアス同盟)のパウリーノ・リベロ代表(3.87)、PNV(バスク国民党)のジョス・ジョン・イマス代表(2.82)と続き、一番評価が低かったのは、ERC(カタルニャ左翼共和党)のルイス・ジョセップ・カロ・ロビラ代表(2.58)。
内閣各大臣の評価では、5点以上の合格点を得たのは、ホセ・ボノ防衛大臣(5.41)、ペドロ・ソルベス経済大臣(5.36)、マリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ副首相(5.26)、ホセ・アントニオ・アロンソ内務大臣とフアン・フェルナンド・ロペス・アギラール法務大臣(共に5.18)と16人中わずか5人で、その他の11人は合格点に至らなかった。
前回PSOEの支持率は41.2%でPPとの差は4.6ポイントであったが今回その差は5.5ポイントに広がった。IU(左翼連合)の支持率は前回より0.1%下がり5.1%、CiU(カタルーニャ連合)は0.1%上がり2.3%、PNV(バスク国民党)も0.1%上がり1.8%であった。
また現政府への信頼度については、「ほとんど、あるいはまったく信用していない」と答えた人が48.7%、「大変信頼している」が前回より3.1%上がり45.5%であった。PPのマリアノ・ラホイ書記長については「ほとんど、あるいはまったく信用していない」が67.9%、「大変信頼している」が25%で、それぞれ前回の68.4%、26.8%を少々下回った。
現政府の仕事ぶりについては、「普通」と答えた人が40.1%、「よい、大変よい」が35.9%、「悪い、大変悪い」が18.3%であった。野党第1党のPPについては、「普通」が38.6%、「よい、大変よい」が16.2%だったのに対し、「悪い、大変悪い」と答えた人は37.7%にも及んだ。
今回のアンケートは7月13日〜21日に2500人を対象に行われたもの。

ローストチキンで食中毒者164人

Sada社が販売する真空パックのローストチキンに含まれていたサルモネラ菌が原因で、7月31日現在、同社の製品を食べた164人が食中毒に感染したとの届けがあった。感染者がでたのは、ムルシア州、カタルーニャ州、バレンシア州、リオハ州、カステージャ・レオン州、アンダルシア州などで、特に昨日だけでムルシア州では新たに27人、アンダルシア州では18人と両自治州に患者が集中している。患者の症状はいずれも軽症で、既に店頭から同社の製品は撤去されているが、ムルシア州衛生局では今後も患者数が増加する恐れがあるため警戒を強めている。

週末のスポーツの結果

F-1:昨日のハンガリーGPではフィンランドのライッコネン選手(マクラーレン)が今季4度目の勝利で、合計ポイントを61ポイントとした。フランスのルノーチームに所属するフェルナンド・アロンソ選手はマシントラブルで11位。
テニス:クロアチアで行われたUmag杯決勝でカルロス・モヤ選手はアルゼンチンのギジェルモ・コリアに敗れ、惜しくも優勝を逃した。
オートバイ:ドイツGPのMotoGPではイタリアのロッシ選手が優勝、スペインのセテ・ジベルナウ選手は2位。250ccではダニ・ペドロサ選手が優勝。




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