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5月31日(水)

国家情勢に関する国会討論開始

国家情勢に関する国会討論の第1回が昨日行われ、政府とPP(国民党)間ではスペインのモデルについて不快な討論が交わされ、平和プロセスやETAとの話し合いについては避けられた。
国会討論は本日も引き続き行われる予定。
昨日の国会討論での各政党の主張をまとめると、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は青少年に対するさまざま案を発表、その中には35歳以下の賃貸家賃のIRPF(個人所得税)の免除、2007年度の奨学金の倍増、1人あたり1000ユーロまでの英語コースなどが含まれる。サパテロ首相はPPのマリアノ・ラホイ書記長を信用を失った野党第1党を率いているとして非難した。
一方PPのマリアノ・ラホイ書記長は政府の領土モデルや自治州法改正を批判、「目的や明確な計画」に欠け「スペイン人を様々な派閥に分割する」種をまいたとして政府を非難、移民問題、治安、外交政策についてのディベートを提案した。
CiU(カタル−ニャ連合)のジョセップ・アントニ・ドゥラン・イ・ジェイダ・スポークスマンはサパテロ政権の後半2年間、政府に協力する姿勢であることを発表したものの無記名小切手は与えないと指摘した。
ERC(カタルニャ左翼共和党)のジョアン・プチセルコス・スポークスマンはサパテロ首相に対し政権開始直後から行っている政府への協力関係の持続を伝え、カタルーニャ州法を巡っては2党間で相違はあるものの前進の余地はたくさんあると語った。

国会、スペイン兵のコンゴ派遣を承認

ホセ・アントニオ・アロンソ防衛大臣は昨日、国会はIU−ICV(カタルーニャ緑の党)の棄権票があったものの、130人のスペイン兵をコンゴに派遣することを決定したことを発表した。このスペイン兵の派遣はEU(ヨーロッパ連合)の特別任務の1つで6月30日にコンゴで行われる選挙での治安を約束するためのもの。
この特別任務の費用は1900万ユーロでその期間は4ヶ月、派遣される130人のスペイン兵のうち90人はLa Legionキャンプの所属、10人は軍本部所属、それ以外は補助人員。
特別任務にあたるスペイン兵達は選挙の1週間前にコンゴのキンシャサ空港に配備し、スペイン代表団が活動を開始するまで待機することになっている。
アロンソ防衛大臣は任務中の危険性についても触れ、武装部隊と共に活動する地帯では脅迫などが考えられること、公衆の健康状態や医療条件は大変困難であると語った。

実業家一家、Legionarios de Cristo教団へ600万ユーロの寄付

実業家のホセ・マリア・ルイス・マテオス氏は昨日、教団の1つLegionarios de Cristoへ600万ユーロの寄付を行ったと発表した。
声明文の中で同氏は今回の寄付金について、65年以上に渡る教団の異常なほど巨大なおかつ広範囲に渡る人道的なキリスト教活動に対するもので、寄付金は青年達教育のため愛情と強さを持って働いているLegionarios de Cristoの全司祭や信徒のために使われると記述されている。
Legionarios de Cristoは20ヶ国以上に650人以上の司祭と、2500人以上の神学校生徒を持つ教団で6万5000人の信者がいる。
つい1週間前バチカンは、未成年の神学校生徒へのセクシャル・ハラスメントのスキャンダルにより同教団の創設者であるメキシコ人のマルシアル・マシエル氏の教会での全地位の放棄命令を行ったばかりであった。


5月30日(火)

司法審議委員会のエルナンド委員長、退職か

IU(左翼連合)は司法改正のための修正案を国会に提出した。この修正案では「司法審議委員会(CGPJ)の委員長は定年に達した場合やそれ以外の理由によりその任期を終える」と記述されており、この修正案が承認された場合、今年11月に70歳を迎える司法審議委員会の現委員長であるフランシスコ・ホセ・エルナンド委員長は退職することになり、同時に最高裁判所長官の座からも退く予定。
同委員長の後任にはPSOE(社労党)推薦のフェルナンド・サリナス現副委員長が就任する予定。
現行の司法法規は前PP(国民党)政権時代のもので、その中で「司法審議委員会の委員長は新内閣が後任者を指名するまではその任務に留まる」と記載されている。
今回の修正案は政府が主導権を握っていると考えられているが、フアン・フェルナンド・ロペス・アギラール法務大臣は昨日、エルナンド委員長の辞職を政府が扇動しているという噂を否定した。

スペインとEU9カ国、不法入国目的の小型船の出発地域を警備

昨日スペインはEU(ヨーロッパ連合)9カ国とともに、アフリカ大西洋岸地域を警備するための集団警備隊を設置することを決定した。これは同沿岸地域から多くの不法移民がヨーロッパ、特にカナリアス諸島を目指して小型船で漂着している事実を受けての措置。
昨日アントニオ・カマーチョ治安副大臣は、ヨーロッパ委員会の代表者、Frontex(ヨーロッパ国境局)やポルトガル、オーストリア、フィンランド、フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、英国、ギリシャといった関係諸国との会談後に今回の決定を発表、この集団警備隊には少なくてもパトルールカー5台、ヘリコプター5台、飛行機1機、連絡窓口の職員や乗務員が必要になると語っている。
警備はスペインとFrontexが協力して指揮を取り、特にセネガル、モーリタリア、カボ・ベルデなど、不法移民を乗せた小型船が多く出発する地域を中心に行われ、9月末まで続けれらる予定となっている。

非番の警察官、強盗に襲われ発砲

昨日昼、マドリッド州ペルラの銀行の入口付近で非番の警察官が強盗グループに襲われ諌止のため発砲、その中の1人の頭部に弾が命中し、撃たれた強盗は死亡した。
事件が発生したのは昨日14:30過ぎで、パルラ市内の銀行で2万4000ユーロを下ろし別の銀行に入ろうとした非番の地元警察官を3人の強盗グループが首に刃物を突きつけるなどして暴行を加え怪我をさせ、下ろしたお金を渡すよう脅した。もがき争ったあと警察官は所持していたピストルを発砲したものと考えられる。
このピストルは個人所有で、合法、許可を得たものであった。発砲したうちの1発が強盗グループの1人の頭部に命中、他の2人は奪った金を持って逃亡した。
刃物で刺され怪我をした警察官はヘタフェ市内の病院に収容され、現在手当てを受けている。
死亡したのは29歳のペルー国籍の男性で窃盗、武器の不法所持、外国人法違反など数多くの前科があったという。


5月29日(月)

フランス政府、ETAの活動停止を確認

フランス・テロ対策機関はスペイン当局に対し調査報告書を送付、この報告書の中ではテロ組織ETAのフランス国内での活動が完全中止したことが確認されたと記述されている。
フランス国内におけるETAの活動は実際に3月22日にETAが停戦を発表して以来ゼロであり、そのためフランスのテロ対策最高警察組織であるUclat(アンチテロ調整部隊)は昨日スペイン当局に対し今回の発表を行ったもの。
但しUclatが確認したETAの活動の減少はETAによる盗難車の発見数の減少、調達やロジスティックの任務の発見の減少に限定されており、事実、フランス警察は昨日フランス南東部のDordogneでETAが放置した車を発見している。
ETA内の過激派グループは経済的困窮のため、テロ組織の存続または住居の賃貸を保証する行動をとるようETAに対し強制しており、このためUclatは対ETAのスペインの責任者に対し、ETAの周囲の状況は特にフランスにおけるMLNV(バスク国土解放運動)に属する組織の会合を通じてその活動の増加が記録されたと説明している。
一方、違法政党バタスナのペルナンド・バレナ氏は昨日、今週水曜日と木曜日に中央管区裁判所にて同党の指揮者8人と面会する予定となっているフェルナンド・グランデ−マルラスカ裁判長の最近の言動を暴力の兆候と表現、もし政府が政治的な道を閉ざすのであれば、自分達はETAと何を話し合うのかを自問しなければならないと語った。

アンチタバコ法施行によりタバコの販売数減少

今年の1月1日にアンチタバコ法が施行されてから5ヶ月が経過するが、4月30日までの4ヶ月間で昨年の同時期と比べタバコの販売量は18億本減少したことがわかった。またタバコの販売箱数も顕著に減少、この4ヶ月間で販売された20本入りのタバコは13億2800万箱と、昨年の同時期と比べ9000万箱減少したことがわかった。タバコ以外の葉巻、パイプの販売数も9%減少した。
販売数の減少はスペイン国内全体で見られたが、自治州別に見ると最も減少したのはバレアレス州で、タバコの本数は12%減少、箱単位での販売数は15%減少した。逆に減少率が低かったのは、カタルーニャ州、ナバーラ州、ムルシア州、エストゥレマドゥーラ州でその減少率は4%。
CNPT(喫煙防止国内委員会)はこれらの数字はアンチタバコ法が当初の目的を果たしていることを意味し、職場における禁煙の順守という市民の見本的な態度に大きく関係していると考えている。
CNPTは医者や科学者により構成されており、多くの自治州の研究者たちは声を揃えて職場環境で多くの変化が見られたと指摘、職場環境では90%のニコチンや煙が無くなったと説明している。
CNPTは、この結果に満足することなくアンチタバコ法を徹底的に順守し、社会的調和の変化を恐れないよう各自治州の知事に対し要請している。

「Volver」、カンヌ映画祭で2賞受賞

昨日カンヌ映画祭の授賞式が開催され、英国のケン・ローチ監督の「The wind That Shakes The Barley」が最高賞であるパルムドールを獲得、次点のグランプリにはフランスのB.デュモン監督の「Flanders」が選ばれた。
スペインのペドロ・アルモドバル監督の「Volver」はパルムドールは逃したものの、最優秀脚本賞と最優秀女優賞(出演女優6人のグループ授賞)の2賞を受賞した。
最優秀女優賞に選ばれた6人のうちチュス・ランブレアベさんを除くカルメン・マウラ、ペネロペ・クルス、ジョランダ・コボ、ローラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョの女優たち5人は全員一緒にステージに昇り、フランス人俳優ジャン・ロシェフォルより賞を受け取り、ペネロペ・クルスは「大変感激している、この賞は実際には師であるペドロ・アルモドバル監督のもの」と受賞の喜びを語った。
アルモドバル監督はその後最優秀脚本賞授賞のスピーチを英語で行い、今年の映画祭ではすばらしいスペイン語の映画がたくさんあったと語り、作品「バベル」により最優秀監督賞を授賞したメキシコ人監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリツ監督を称えた。

週末のスポーツの結果

F−1:昨日モナコで行われたモナコGPでスペインのフェルナンド・アロンソ選手は見事優勝、今季4勝目を飾り、合計ポイントを64ポイントに伸ばした。


5月26日(金)

バタスナ党、平和プロセス中止

違法政党バタスナのホセバ・ペルマッチ・スポークスマンは昨日、来週中央管区裁判所で宣言する予定となっている同党所属の8人の国内審議会メンバーが入獄したままである場合は、平和と正常化のプロセスは封鎖状態となるであろうと注意を促した。
ETAの停戦宣言から2ヶ月が経ち、バタスナ党は声を上げ同党の合法化に対する言い訳や同党の指揮者への司法手続により平和プロセスを崩壊寸前の状態にしたとして、現在の状況に対し政府を非難している。
これに対し政府側の回答としてフアン・フェルナンド・ロペス・アギラール法務大臣は、政党法は有効であり続け、民主主義社会におけるプロセスに参加するためには法律を尊重しなければならないとバタスナ党に強く釘をさし、ペレマッチ・スポークスマンに対しては、司法は主体性とともに機能し、他の種類の命令には従わないと指摘した。
PP(国民党)のマリアノ・ラホイ書記長はペルマッチ・スポークスマンに返答するにあたって国家に対し法律上分別のある態度を要求した。ラホイ書記長はマドリッドで開かれた式典を利用し、政府にテロを打ち倒すためにPPは政府に対する支援を惜しまないと述べたが、これはETAとの話し合いに賛成するものではないと語った。

国会、Afincaの被害者のための基金設置を却下

国会は昨日、CiU(カタルーニャ連合)が提案した切手収集の2つの団体、AfincaとForum Filatelの詐欺行為の被害者を支援するためのさまざまな措置を承認した。
しかしながらCNMV(証券マーケット委員会)の投資用に存在する有形資産のための保証基金の設置というPP(国民党)の要求に関しては却下した。
ペドロ・ソルベス政府第2副首相兼大蔵大臣は昨日、被害者のための賠償金の基金を設置することはまったく意味がないと語り、この種類の売買のケースは刑法の条例に従属していると説明した。

アフリカ諸国、移民問題の抑制のため経済的援助を要求

アフリカ諸国はヨーロッパに入国する不法移民の抑制のため経済的援助が必要である。これは昨日マドリッドで行われたアフリカ諸国27カ国の代表者たちとスペイン政府間の会談でアフリカ諸国側が要求する内容である。
ミゲル・アンヘル・モラティノ外務大臣はそのうち12カ国の代表者と会談したが、アフリカ諸国の代表者側はスペインやEU(ヨーロッパ連合)に対し、不法移民を低減するための効果的な方法として、自国の生産物や農業輸出を発展させるため一層の経済的援助を行うよう要求した。
モラティノ外務大臣はスペイン側はアフリカ諸国に対する援助金を今後3年間で9000万ユーロから1億2000万ユーロに増やす予定でこの援助金を雇用の促進に役立てるよう説明、その代わり援助を受ける国に対しヨーロッパに入国する不法移民の本国送還に同意するよう求めた。カボ・ベルデ、カメルーン、ギネア・コナクリ、ギネア・ビサウ、シエラレオネはこれに対する同意の意志を表明し、 約50万人がヨーロッパへの扉であるカナリアス諸島に向け出航する機会を待っているモーリタリアは既に同意している。


5月25日(木)

15ヶ月の女児に対し臓器6個の移植手術成功

マドリッドのラ・パス病院は15ヶ月の女児に対し臓器6つの移植手術を施した。
移植手術を受けたのはクリスティナちゃんで、3月25日に手術を受け、今月9日に退院、現在は自宅で回復を待っている。
ラ・パス病院の移植責任手術医であるマヌエル・ロペス・サンタマリア医師によると移植された臓器は胃、腸、膵臓、十二指腸、肝臓、脾臓の6つで臓器提供者はクリスティナちゃんと同じ体重の赤ちゃんであるという。
クリスティナちゃんの症例については、母親のマリア・ホセ・ガルシアさんが妊娠8ヶ月のとき胎児にこぶが発見されたが、嚢腫と思われたこのこぶは腹部腫瘍であった。クリスティナちゃんは生後すぐに手術を受けることになり、合計で5回の手術を受けたが、これらの手術によりクリスティナちゃんの臓器が傷ついてしまったため、事態は複雑なものとなり消化器官全体の移植が唯一の解決法となった。
クリスティナちゃんの母親は臓器提供者の両親に対し心から感謝の意を表している。
現在自宅療養中のクリスティナちゃんであるが、ロペス・サンタマリア医師はモニタリングがあるため移植臓器はまだ最終的に全快を申し渡されたわけではなく、未だに拒絶反応の可能性が残されていると語っているものの、クリスティナちゃんには未来があると自信を持って語っている。

PPのキャンペーンに対し論争湧き上がる

PSOE(社労党)は昨日、不快感を伴いマチスタであるとして、マドリッドのPP(国民党)が若者の加入者獲得に向けホームページにて掲載した新世代加入キャンペーンを訴えると発表した。
このキャンペーンでは2枚折り絵像3万枚、ポスター1000枚が近日マドリッドで配布される予定となっているが、社労党が最も問題としているのは若い男性がバラを1本手に持ち社会主義を象徴しているポスターで、このポスターは左右に別れており、左側では男性が女性のウエストを片手で抱えバラを持った腕で女性の目を覆い隠し、「目を開けなさい」というフレーズが書かれている。引き続き同ポスターの右側部分では男性が女性を抱きしめ、2人が微笑んでおり、「自由になりなさい」というフレーズ書かれており、ポスター中央下部には「今こそ新世代への加入の時期」と書かれている。
PSOEはこのポスターでは女性を男性より劣っており男性に操られる存在であると表現しているとして非難、これに対しPPは「この批判はばかげており、度を越えている」と語っている。

プリンシペ・デ・アストゥリアス賞科学技術調査賞に物理学者のサストゥラインさん

カタルーニャ州マンレサ出身で物理学者のホセ・イグナシオ・シラク・サストゥラインさんが今年のプリンシペ・デ・アストゥリアス賞を受賞することが決定した。
サストゥラインさんは現在ドイツのマックス・プランク機関の光学量子部門を統率しており、21世紀の新科学の指揮という功績で昨日プリンシペ・デ・アストゥリアス賞の2006科学技術調査賞の授賞が決定した。
シラクさんは量子メカニズムを基本とした将来的にアルゴリズムの計算をより迅速に行うという新情報化システムを展開した。
シラクさんは1965年生まれで科学技術調査賞の受賞者としては最年少、生物学者のジネス・モラタさんやピーター・ローレンスさん、化学者のアベリノ・コルマさんやジェームス・フラサー・ストダーさんといった他の候補者を押しのけ、今回の授賞となった。
プリンシペ・デ・アストゥリアス賞の授賞式は10月にオビエドで行われる予定。


5月24日(水)

アンダルシア州法改正手続き、国会で承認

アンダルシア州法改正の手続きが昨日予想通り国会にて承認された。
昨日行われた投票ではPSOE(社労党)、IU(左翼連合)、他に2党が手続きに賛成、PP(国民党)は公式に発表していた通り反対票を投じた。
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相はPPに対し州法改正を支援しないことは「同じ石に2度つまずく」ことであると、1980年、現在の州法に関してPPが同様に拒否したことを引用して勧告した。
一方、PPのマリアノ・ラホイ書記長は、アンダルシア州法改正はカタルーニャ州法の悪い模倣であるとして再度批判、改正案の内容ではアンダルシア州を「国家的な実態」と記述しているものの、これは「国家」の同意語であり、これはアンダルシア州にはふさわしくない表現であると強く語った。
しかしながらラホイ書記長は憲法の枠内で新しい同意を獲得するための政府への援助は惜しまないと語っている。

司法審議委員会、デル・オルモ裁判長の過失に対し制裁措置を要求

CGPJ(司法審議委員会)は昨日、2004年3月に発生したマドリッド列車爆破テロで起訴された1人であるサエド・エル・ハラク被告を釈放したことに関し、これはその予審判事である中央管区裁判所のフアン・デル・オルモ裁判長の「司法訴訟手続きにおける大変重篤な不注意」であるとして、同裁判長に制裁措置を要求した。
司法審議委員会のホセ・マリア・ヒル・サエス委員長の500ページ以上にわたる調査報告書では、エル・ハラク被告を釈放したことはデル・オルモ裁判長の不注意であると記述している。
エル・ハラク被告は最高2年間の仮入獄を5月10日に終了するため本来なら出獄延長手続きが行われるはずであったが、デル・オルモ裁判長が同被告の出獄延長手続きの期限を5月6日ではなく16日と勘違いしたため出獄延長手続きを行わなず、当時病気療養中であった同裁判長の代理であるテレサ・パラシオス裁判長が同被告を釈放した。現在エル・ハラク被告は保護観察付きで釈放されている。
デル・オルモ裁判長に対する制裁措置の提案内容は来月6月7日に司法審議委員会の規則委員会で調査される予定で、1ヶ月から最高3年の停職処分、あるいは離職、強制異動措置が課される可能性がある。

スペインのPIB(国内総生産)、2006年第1四半期に3.5%の成長率

スペイン経済は2006年1月〜3月の第1四半期で前年同時期と比べ3.5%の成長率を維持したことがINE(国家統計局)の公式発表の数字でわかった。この成長率は過去2回の四半期と同じ数字で、スペイン銀行など他の統計の予想数字とも一致しており、またヨーロッパの平均成長率1.8%を上回っている。
この成長率は増加率5%という国内需要増加の結果であり、逆に国外需要は1.5%とわずかな増加率となっている。
INEによるとスペイン経済のこの3ヶ月間での成長率は0.8%でこの数字は前の3ヶ月より0.1%低くなったが、過去12ヶ月間では57万5000件の雇用が行われた。
国内・国外需要の結果でわかるように、統計ではスペイン経済は1年の最初の3ヶ月としては「安定した結果」となっており、また国外需要は1.5%の成長率との消極的ではあるものの若干好転していることを示している。
また、INEはこれまでの四半期と違って輸出入ともに急速な変動が見られると語っており、輸出は9.1%の上昇率で、特に資産の売却が増加、観光業は前回の7.4%の上昇率に対しわずか1.7%の上昇率にとどまり、輸入は12.4%と2000年第1四半期以来最高の上昇率となっている。


5月23日(火)

カナリアス州、政府に対し海軍の派遣を要求

カナリアス州政府は昨日の関係閣僚会議で、アフリカからカナリアス諸島沿岸部に漂着する不法移民の押し寄せ現象の状況について話し合いを行い、これ以上の小型船の漂着を避けるためには海軍がカナリアス諸島沿岸を警備し、EU(ヨーロッパ連合)に対しても移民の押し寄せによる人道的な危機に向かい合うための緊急資金を規定(構築)するよう中央政府に強く要請した。
カナリアス州政府が現在の状況の解決策を探している昨日も、78人の不法移民を乗せた小型船がテネリフェ島南部のロス・クリスティアノ港に漂着するところを発見された。
一方ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は6月第1週、不法移民問題に関しアダン・マルティン・カナリアス州知事の訪問を受け入れる予定となっている。
またマリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ第1副首相は本日、ブリュッセルにてカナリアス諸島に漂着する不法移民の問題についてCE(ヨーロッパ委員会)の委員長らと会談を持つ予定で、CE側も「この問題はスペインだけの問題ではなくヨーロッパ全体の問題である」と強く語っている。

PP、アンダルシア州法改正に再び「No」

関係閣僚会議は本日、アンダルシア新州法手続きを承認する投票を行う予定で、投票ではPP(国民党)以外の全政党の賛成票が得られる見込みとなっている。
本日朝PSOE(社労党)所属のマヌエル・チャベス・アンダルシア州知事は、PSOEによる州法改正計画の一般方針を説明、その後行われた記者会見ではどんな政党が反対してもPSOEは常に憲法の範囲内で州法改正を支持していく意向であると述べた。
一方、PPは昨日、セビージャで開かれた会合で本日の投票では反対票を投じることを決定した。
しかしながらアンダルシア新州法内容はPP以外の国会を構成する政党から支持を得ているため、手続き開始の承認を得ることは間違いない。
マヌエル・チャベス知事を筆頭とするアンダルシア州議会の議員代表団約40人は13時に開始する討議に参加する予定で、本日午後にも結論がでる予定。

マドリッドの地下鉄3番線と8番線の一部6月3日より閉鎖へ

マドリッドの地下鉄3番線は来月3日より改良工事ならびにホーム拡張工事のため閉鎖される。路線が再開される9月には3番線は全面的にリフォームされ路線は現在のLegazpi駅からVillaverde駅まで延長される予定となっており、1日の乗客数も現在の1万4000人から2万2560人へと増加が見込まれている。
3番線の工事は2年前から3年計画で毎年6月から9月に行われており、今年で工事は終了することになる。
また、マドリッド・バラハス空港を通る8番線の1部も来月3日より閉鎖される予定となっている。閉鎖理由は新しくPinar del Rey駅を建設するためで、約1万人の周辺住民がこの駅を利用すると予想される。
閉鎖されるのはColombia駅からMar de Cristal駅までで、これによりバラハス空港へのアクセスが問題となるが、代替方法としては、1)4番線でMar de Cristal駅まで行き、そこから8番線に乗り換える、2)Nuevos Ministerios駅からColombia駅まで8番線を使い、そこからMar de Cristal駅までバスを利用する、3)地下鉄Avenida America駅からバス200番を利用、新ターミナル4には同駅からバス204番を利用する、などが上げられる。


5月22日(月)

サパテロ首相、来月ETAと会談予定

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は昨日、ビルバオ見本市センターで開催されたFiesta de la Rosa を祝う式典に参加、ETAの停戦宣言以来初めてバスク州を訪問、その場で暴力行為の終結に向け来月ETAとの話し合い開始を警察部隊に伝達することを発表した。
サパテロ首相はETAの停戦宣言から2ヶ月経った今でも未だに疑問や不安を抱いている人が多数いることを残念に思うと述べ、バスク州での暴力行為の終結のための政府の誓約や決意は絶対不変なものであると断言した。
また、テロの被害者についても触れ、民主主義はテロの被害者に対する義務が1つあると主張、テロの被害者に対し出来る限りの敬意を表し、これを憲法の序文に含める意志を表明した。
一方、AVT(テロ被害者協会)はETAとの話し合いに反対するデモを開催する予定で、このデモはこの2年間で同協会が開く4回目のデモとなる。

スペイン警察、コカインの密輸に関与する国際犯罪組織の解明に成功

警察は2001年から3億6000万ユーロの資本のローンダリングや麻薬取引に関与していた国際組織犯罪グループの解明に成功した。
今回の捜査は昨年3月に開始、マドリッド、トレド、グアダラハラ、マラガでスペイン人、コロンビア人合計21人が麻薬売買、詐欺行為、賄賂、売春などの罪で逮捕された。
経済専門の捜査官は今回の調査で、幽霊会社の名前でさまざまな銀行の支店に口座が開かれ中国、米国、韓国、ドイツ、さまざまな南米の国々などの架空の団体に大金が送金されていたことを突き止めた。資本の一部はマラガ県エスポテナにある1200万ユーロの高級売春宿の購買用に使われており、家宅捜索では193キロのコカインも発見され、高級車32台、オートバイ2台、時計28個、宝石多数、携帯電話42台、パソコン16台、船舶1隻、多数の武器が押収された。

未成年者による殺人犯罪増加

未成年の犯罪を厳しく取り締まることを主旨とした未成年法改正案は現在国会にて手続き中であるが、2001年〜2005年の5年間で未成年者の逮捕者数の総合計はこの未成年法改正により1万6034人から1万3122人と減少したものの、未成年による殺人犯罪数が63.5%増加、内務省が発表したデータによると昨年は103人が殺人罪で逮捕された。
逆に減少が著しいのは資産や集団保障に対する犯罪で、このデータでは喧嘩、傷害など対人間の罪が増加していることも示しており、性の自由に反する犯罪も2001年より22.2%増加の347人の逮捕者を出しており、そのうち性的嫌がらせによる逮捕者は2001年の272人から295人と増加している。
未成年の犯罪で特に増加が顕著に見られるのは家庭内暴力で、その逮捕者は2001年の31人から454人と14.6倍となった。
未成年法の改正内容では殺人、性的暴力などに対する罪を重くすることを目的としており、逮捕される少年の年齢が14、15歳の場合には少年院への収容年数を現行の5年から6年へと延長、16歳以上の場合には現行の8年から10年へと延長する予定。

週末のスポーツの結果

オートバイ:フランスで行われたフランスGP のMotoGPクラス でイタリアのメランドリ選手が優勝、スペインのダニ・ペドロサ選手は3位に終わった。
テニス:ドイツのハンブルグで行われたテニスのマスターズ・シリーズでスペインのトミー・ロブレド選手はチェコのラデック・ステパネック選手を6−1、6−3、6−3で破り優勝した。


5月19日(金)

メキシコで逮捕されたETAのメンバー、スペインに到着

メキシコで2003年に逮捕されたETAへの資金調達の下部組織に所属する6人の容疑者が本日朝スペインに到着した。
これは当時の中央管区裁判所のバルタサル・ガルソン裁判長が開始した約3年に渡る犯人の身柄引渡しがようやく実現したもの。
6人を乗せたスペイン空軍機はメキシコ・シティを現地時間昨日15:20(スペイン時間22:20)に出発、本日8時15分、マドリッドのトレホン・デ・アルドス基地に到着した。
2003年7月17日、18日に逮捕された6人の容疑者は、フアン・カルロス・アルトラ、アシエル・アロナテギ、マリア・アスンシオン・ゴロチャテギ、ホセ・マリア・ウルキホ、エルネスト・アルベルディ、フェリックス・サルスティアノで、このうちの何人かは10年以上メキシコに在住している。
6人はスペイン到着後、不法団体やテロ組織への関与、テロ行為を目的とした資金の入手、テロ活動に必要な資本のローンダリングの罪に問われることになる。
1994年以来メキシコ当局はこれまでにETAのメンバーと思われる26人を追放、1996年末に逮捕されたオスカル・カデナス容疑者は19件の殺人罪で起訴されたが2000年2月にスペイン当局に身柄を引き渡された。

カナリアス諸島に昨日これまで最高の647人の不法移民が漂着

昨日木曜日、カナリアス諸島には647人の不法移民をのせた9隻の小型船が漂着、この数字は先週土曜日の6隻456人を超え最高記録を塗り替えた。
昨日23時にはイエロ島に9隻目の小型船が漂着、船には68人の不法移民が乗船しており、全員が成人男性、その中の2人が低体温や低血糖症状を起こし手当てを受けるため病院に移送された。
イエロ島はカナリアス諸島の中でも一番小さい島で、位置的に一番西側(アフリカ大陸から一番遠い)に位置しているため、不法移民が漂着したのは今回が2隻目。
ゴメラ島には昨日それぞれ85人、94人を乗せた2隻の小型船が漂着、テネリフェ島にはそれぞれ57人、37人、59人、96人を乗せた4隻が漂着、グランカナリア島には53人を乗せた1隻が漂着した。
ゴメラ島とイエロ島には不法移民の収容施設がないため、同島に漂着した移民たちはそれぞれテネリフェ島、グラン・カナリア島、フエルテベントゥーラ島に移送される。
関係閣僚閣議は本日、マリ共和国へのスペイン大使館設置やアフリカ大陸におけるスペインの存在を拡大することを目的とする「アフリカ計画2006−2008年」と名づけられたミゲル・アンヘル・モラティノ外務大臣の調査報告書に青信号を出す予定である。
一方、テネリフェ島のPP(国民党)のクリスティナ・タビオ代表は昨日、スペイン中央政府に対し各島にSIVE(対外警備完全システム)の設置を要求した。現在フエルテベントゥーラ島には固定レーダー4台、テネリフェ島には移動レーダーが1台あるが、タビオ代表は他の島にもその措置を広げるよう主張している。

今月、真夏と春が同居する「狂った5月」へ

今年の5月は真夏と春の2つの季節が同居した「狂った5月」となっている。
INM(国立気象協会)によると今週の水曜日には8都市で5月としては史上最高の暑さを記録、コルドバでは39.5度まで上昇、これまでの最高記録の1965年の39度を超えた。また、グラナダやセビージャでもそれぞれ38.5度を記録した。
この暑さは来週月曜日には和らぐ予報となっており、史上最高の暑さを記録した8都市では10度以上気温が下がり、コルドバでは27度、グラナダは28度、セビージャは29度の予報となっている。この気温の下降はスペイン全土で予想されるが、これは日曜日にガリシア地方に冷たい空気が入り込むためで、イベリア半島北西部では特に月曜日に気温が下降することが予想される。
しかし気温の下降は月曜日、火曜日の2日間だけで、また来週水曜日には暑さはぶり返す予報となっている。
このような異常な気温の変化を快適に過ごすには、熱中症を避けるために水分を充分に取ること、重ね着をして気温の変化に対応すること、夜の寒さに備え常に毛布を用意しておくこと、日中は扇子、夜はストーブを用意しておくこと、常にサンダルとそうでない靴の2種類の履物を用意しておくことなどを推奨している。


5月18日(木)

バスク州高等裁判所、違法政党バタスナのオテギ・スポークスマンの求刑を延期

バスク州の高等裁判所は、違法政党バタスナのアルナルド・オテギ被告に対する刑の執行を3年間延期することを決定した。
2003年にオテギ被告はサン・セバスティアンで行った公開宣言の中で「君主は拷問を与える人間たちへの責任がある」と語ったことで法律への侮辱行為の罪で起訴された。
バスク州高等裁判所はこれに対し2005年3月に「表現の自由」によりオテギ被告に無罪判決を下したものの、同年10月最高裁判所側はこれを覆す1年の求刑を言い渡していたが、今回のバスク州の高等裁判所の判決はこれをまた覆すものとなった。
同裁判所は検察の調査報告書や、これ以上同被告が罪を重ねないという見込みがある場合は刑の執行を行わないという憲法裁判所の教理のもとに今回の判決を下した。

FACUA、スペイン国内の各航空会社に対し発券手数料に関し訴訟

スペインの消費者団体の1つであるFACUAは昨日、航空券発券手数料の値上げに関しスペインの航空会社3社(イベリア航空、Spanair、Aireuropa)を相手に訴訟を起こした。
航空券発券手数料は現在12〜96ユーロで、到着地や搭乗クラス、航空券の種類(電子航空券かそれ以外か)、購入方法(インターネット、電話、旅行代理店など)によっても料金が違っている。
また、イベリア航空やSpanairは航空券購入の際に購入者が電子航空券ではなく従来の紙による航空券を選択した場合には別途15ユーロの手数料も取っている。
FACUAは、時により手数料が航空券の値段を上回ることがあるため、航空券の発券による追加手数料を定める条項を無効にするよう申請した。

FCバルセロナ、欧州チャンピオンズ・リーグ2度目の優勝を飾る

昨日フランスのパリ、スタット・ド・フランス・スタジアムに8万人の観客を集め行われたサッカーの欧州チャンピオンズ・リーグ決勝で、スペインのFCバルセロナは英国のアーセナルに2−1で勝ち、1992年に続き14年ぶり2度目の優勝を飾った。
試合は前半18分、アーセナルのゴールキーパー、レーマンがレッドカードを受け退場、アーセナルは10人で試合を戦うことになったが、前半37分、キャンベルのゴールでアーセナルが先制、前半はそのまま0−1で終了した。その後後半32分、バルセロナのエトーが同点ゴールを決め、その4分後の後半36分には同じくバルセロナのベレッチが逆転ゴールを決め、このまま2−1で逃げ切った。
昨日の試合にはスペインのフアン・カルロス国王夫妻、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相も応援に駆けつけた。
試合後のインタビューで、バルセロナのライカールト監督は「大変嬉しい。選手たち、指導陣、そしてファン全員に大変感謝している」と述べ、「アーセナルはよいスタートを切ったが、ゴールキーパー・レーマンの退場により試合の流れが変わった。」と語り審判の判定へのコメントは避け、「アーセナルファンにとってはとても残念なことである。アーセナルは良い試合を行ったが、我々は勝利を目指し続け、同点が両チームにとって精神的に重要ポイントとなった」と語った。
優勝を飾ったFCバルセロナは本日午後5時半よりバルセロナ市内で優勝パレードを行う予定で、パレードはドラサネスを出発し、市内中心部を抜け、ホームスタジアムであるカンプノウ・スタジアムに到着する予定となっている。


5月17日(水)

マルベージャ市の汚職事件で容疑者2名が証言

元マルベージャ市都市計画コンサルタントであるフアン・アントニオ・ロカ容疑者と元マルベージャ市第1助役のイサベル・ガルシア・マルコス容疑者は昨日、同市内の裁判所に出頭し、司法手続きのため証言を行った。
マラヤ事件と呼ばれるこの事件を指揮するミゲル・アンヘル・トーレス裁判長は、SAQUEO 1と呼ばれる公共資金の横領事件で押収された書類について証言を行うため事件の陰謀者であるロカ容疑者を呼び出した。また、マラヤ作戦に関連する捜索で発見された書類も徹底的に点検され、昨日ロカ容疑者の自宅からは絵画や美術品が押収された。同容疑者は、公的資金に対する資本のローンダリングやインサイダー取引、その他の罪で3月29日より仮入獄している。
一方イサベル・ガルシア・マルコス容疑者は、いくつかの工事の承認に関連する汚職の罪の容疑者として証言を行った。
マラヤ作戦では27人が逮捕され、26億ユーロ相当が押収されている。

シャレー強盗の犯罪組織解明

警察は昨日、暴力を行使して住居に侵入し強盗を働き、自動車盗難、書類偽造など80余りの犯罪に関与していたと思われるアルバニア・コソボ系の犯罪組織の解明に成功した。
捜査はバルセロナ、マドリッド、マラガ、グラナダで行われ、合計18人が逮捕、その大部分が旧ユーゴスラビア出身者で軍隊経験者。
同犯罪組織の活動はスペイン全土に渡っており、隠れ家や精巧な情報機関、夜間ファインダーなどを所持し、小集団に分かれ大変組織的に動いていた。
ここ最近のスペインの強盗事件の特徴は暴力行為とその犯罪の素早さで、先週土曜日、ジローナ県パラフルジェルでは実業家の住居を強盗グループが襲撃、5月2日にはカタルーニャ州シッチェスのシャレーの住人を別の強盗グループが襲撃、その数日前にはサラゴサで別の強盗組織が何軒ものシャレーを荒らしまわった。カタルーニャ州ではこの1ヶ月だけで12件以上の強盗事件が発生している。

若者のコカイン摂取量、10年間で4倍へ

この1年間で16万〜17万人のスペインの若者がコカインを摂取したことが麻薬国内計画により編纂された「コカイン中毒」の結果でわかった。この本の内容は昨日エレナ・サルガド厚生大臣により発表されたもので、同厚生大臣は若者間で異常なほど増加している麻薬の摂取は大変警戒感を抱かせるものであり、麻薬を摂取した14〜18歳の学生の割合は1994年から2004年のこの10年間で4倍の1.8%から7.2%まで膨れ上がったと述べている。
同大臣の意見ではこの摂取量の異常な増加は、コカインは値段的に安い麻薬で手を出しやすいため危険の認識度が低いことに関係すると見ており、コカインはさまざまな麻薬の中でも2番目に健康上の問題を引き起こしやすい麻薬であることを強調した。
コカイン反応により病院の緊急窓口に駆けつける人の数は増えており、1992年には26%だったものが2002年には49%となっている。
麻薬摂取者の傾向としては若いときから摂取し始め、アルコールや大麻など他の薬物も摂取する傾向があると同大臣は語っている。
また、麻薬依存治療依頼数も1992年にはわずか932件だったのが2002年には7125件と増えている。


5月16日(火)

スペイン政府、新人工衛星による不法移民監視を決定

先週末はわずか3日間で約1000人の密入国者がカナリアス諸島に漂着したが、この事実を重く見たマリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガ第1副首相は昨日モンクロアにて、ヘスス・カルデラ労働大臣、ペレス・ルバルカバ内務大臣、移民問題の責任者たちと緊急会談を行った。
同副首相は会談後、空と海の両方からの国境警備を強化するため、不法移民の流入を追跡しより多くの情報が得られるよう新人工衛星を使用することを発表した。
この新不法移民政策はセネガル、マリ、ナイジェリア、ガーナとの不法移民強制送還のための協定により実施される予定となっており、スペイン沿岸部に漂着する不法移民の出身地であるアフリカのサハラ砂漠周辺諸国との連絡を固めるため、10人からなる外交団の派遣やマリ国内へのスペイン大使館の設置も予定されている。
ベガ第1副首相は、より多くの情報を入手しスペイン領土への警備を強化することで我々は元来の問題を迅速に解決できるであろうと語り、スペインでは合法移民だけがいることを全員が理解することを望むと付け加えた。

アリカンテ県にてリアルIRAのリーダー的人物を逮捕

スペイン国家警察は昨日、アリカンテ県ロハレスでリアルIRA(アイルランド共和軍の派生グループ) のメンバーと思われるショーン・オフィーチを逮捕した。
オフィーチ容疑者はレバンテ地方沿岸部に定住しているリアルIRAメンバーの中ではリーダー的人物と考えられており、同地のメンバーたちはタバコの密輸を行いその利益をリアルIRAへ資金提供していたと思われる。
今月7日にはマラガにて同組織のメンバーが逮捕されたことや今回のオフィーチ容疑者の逮捕により、警察はスペイン国内におけるリアルIRAの解明が一段落したと考えている。
今回の捜査はブーミング作戦と呼ばれ、スペインの地中海沿岸部にて続けられてきた。

ガス爆発により1家4人が怪我

マドリッドのフエンラブラダ市内のマンションで電力のショートによりガス爆発が発生し、爆発元の住居に住んでいた一家4人が怪我を負った。
ガス爆発が発生したのは月曜日の朝7時45分で、住人の1人であるマノリさんが電気をつけた瞬間に住まいに充満していたガスが爆発を起こしたと同市のロサリナ・ギハロ安全局長は語っている。
この爆発によりマノリさんは全身90%の火傷で重体、マノリさんの夫であるアントニオさんも全身50%の火傷で重傷、同夫妻の子供2人も軽傷でヘタフェ市内の病院に収容された。
これによりマノリさんとアントニオさんの住まいは全焼、建物全体も大きな損害を被った。
また消防隊はこの爆発により近接するマンションの建物にも被害が及ぶと判断、地元警察は近くに住む住民に避難命令を出したが、同日正午には自宅に戻ることが許された。


5月15日(月)

マドリッド市はサン・イシドロの日の休日のため、ニュースはお休みです。


5月12日(金)

カタルーニャ州3党連立政権崩壊

パスカル・マラガイ・カタルーニャ州知事は昨日、カタルーニャ州3党連立政権の決裂と、ERC(カタルニャ左翼共和党)所属の6人の州政府審議官の解任し、年末までに選挙を行うことを発表した。
マラガイ州知事はERCが今週水曜日に下院で承認されたカタルーニャ州法改正案への反対の態度に関し、PSC(カタルーニャ社労党)のマヌエラ・デ・マードレ代表、ERCのジョセップ・ルイス・カローロビラ代表、ICV(カタルーニャ緑の党)のジョアン・サウラ代表、CiU(カタルニャ連合)のアルトゥール・マス代表と会談の行い、この決断を行ったもの。
ERCのカローロビラ代表は「これは正しい決断ではない」とし、ERCのおかげでマラガイ州知事とサパテロ首相は政治を行えてきたと語っている。また同代表はカタルーニャ州政府からERCが抜けることはサパテロ首相とCiUのアルトゥール・マス代表間での経済的関心の意味合いを持つ協定により刺激を受けたと付け加えている。
CiUのアルトゥール・マス代表とPSCのマヌエラ・デ・マードレ代表は、「これでカタルーニャの財産を傷つけられることは避けられる」として今回のマガライ州知事の決断を前向きにとらえており、ICVのジョアン・サウラ代表は今回のERCの排除に対しては同意できないと表明しているものの、選挙の開催を早めることについては同意している。
PSOE(社労党)はホセ・ブランコ組織部長を通じ今回のマラガイ州知事の決断を尊重していることを表明、PP(国民党)の議員たちは住民投票の前に選挙を行うよう要求しているが、ジョセップ・ピケ議員は次回の選挙が10月以降に延期されることはないと語っている。

国家検察庁、マドリッド列車爆破テロの検事に対し審理開始

国家検察庁は昨日、2003年のマドリッド列車爆破テロ担当のオルガ・サンチェス検事に対し審理を開始した。
この審理はサンチェス検事が被告人の1人であるサエド・エル・ハラク被告の入獄延長措置を取らなかったため同被告が2年間の規定入獄を終了し今週の水曜日に釈放されたことに関係するもの。
担当裁判長のデル・オルモ裁判長が現在療養中で出獄の延期が行われなかったため、検察庁、中央管区裁判所、CGPJ(司法審議委員会)はマドリッド列車爆破テロで起訴された29人の1人であるエル・ハラク被告の釈放が行われた状況を明確にするための手続きを開始した。
サンチェス検事は水曜日の夜、テレサ・パラシオス裁判長に対しエル・ハラク被告の入獄延長を要求したが、すでに期限切れであったという。

イベリア航空、機内に隠しカメラ設置

イベリア航空は2001年9月のニューヨーク爆破テロ以来米国の航空会社が多数使用している賛否両論の安全措置を実施することを決定した。
これは昨日発行された雑誌「Expansion」誌の記事によるもので、イベリア航空は機内に隠しカメラを設置、このカメラはインターフォンに似ているが乗客の様子を録画することはできないという。
飛行機は機内へのアクセス可能場所内にのぞき穴3つを持っており、1つは入口ドアあとの2つは横についていると予想され、その設置時期については不明。
現在のところこのシステムはイベリア航空が所有するB747型機3機と最近同社に導入されたエアバスA321機1機に設置されており、イベリア航空はヨーロッパの航空会社の中で、このシステムを実施する最初の国の1つとなる。


5月11日(木)

カタルーニャ州法改正案、上院にて承認

カタルーニャ州法改正案が昨日上院で承認された。
賛成票はPSOE(社労党)、PSC(カタルーニャ社労党),ICV(カタルーニャ緑の党)、PNV(バスク国民党)、CiU(カタル−ニャ連合)、BNG(ガリシア民族党)、IU(左翼連合)、CC(カナリアス同盟)の128票、反対票はPP(国民党)の125票、棄権票はERC(カタルニャ左翼共和党),EA(バスク民族主義政党の一つ),PA(アンダルシア党)の6票。
今後新州法の内容はカタルーニャ州に戻り、今度は6月18日に住民投票により裁決される予定。
昨日の投票を前にホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、新州法の内容はカタルーニャ州やスペイン全土にとって全体的な成功であり、その内容は衰えたものではなく承認されたものであるとその長所を強調して説明した。
ERCをカタルーニャ州政府3党連立政権から除外するという噂が政界で飛び交っているが、これについてパスカル・マラガイ・カタルーニャ州知事は本日カタルーニャ州連立政権を形成する3政党の代表者と会談を開く予定となっており、その中で新州法承認に向け昨日の投票で棄権したERCが6月の住民投票にて反対票を投じないよう話し合いが行われる予定。

「ボノ事件」、国会で騒動を巻き起こす

2005年1月テロ犠牲者支援デモの参加中に当時のホセ・ボノ防衛大臣が暴力を受けた「ボノ事件」でPP(国民党)の党員2名の不法逮捕により警察官3人が有罪判決を受けたが、昨日国会ではこのことで騒ぎが沸き起こった。
PPのマリアノ・ラホイ書記長は国会でPPは誰が同党の党員2名の逮捕命令を下したのかを明確にするため、国会内に調査委員会を設置するよう要求した。
今回の警察官3人の有罪判決後マドリッド州のコンスタンティノ・メンデス前政府代表が辞任したが、ラホイ書記長は同代表の辞任だけでは充分ではなく、政府に政治上の責任があることは大変重大であり、少なくても当時の内務大臣ホセ・アントニオ・アロンソ現防衛大臣の辞任も必要であると主張している。
昨日午後の国会開廷前には、同大臣の辞任を求めるPP所属議員による罵声、拍手、地団駄が聞かれ、これを静めるため下院のマヌエル・マリン議長は「国会では足を踏み鳴らしてはならない」と声を大きくして喚起する一幕も見られた。

セビージャFC、UEFAカップ優勝

昨日オランダのアイントホーフェンで行われたサッカーUEFAカップ決勝で、スペインのセビージャFCが4−0で英国のミドルスブラを破り、初優勝を遂げた。スペインチームのUEFAカップ優勝は2004年のバレンシア以来2年ぶり。
前半26分セビージャはルイス・ファビアノのゴールで先制、後半33分、39分にはマレスカのゴールでミドルスブラを突き放し、試合終了間際の後半43分にはカヌーテの駄目押しゴールで優勝を確実なものとした。
試合会場となったフィリップススタジアムは3万2000人の観客が集まったが、そのうち1万2000人はセビージャから駆けつけたセビージャファンで、赤白のセビージャカラーで染まった観客席は終始セビージャを応援する歓声で湧き上がり、まるでホーム試合のような雰囲気となった。
2ゴールを決めたマレスカ選手は試合後のインタビューで「今日は選手にとってもセビージャの人たちにとっても完璧な日だった」と喜びを語り、フアンデ・ラモス監督は「試合中の緊張感は相当なものであったが、大勢の人に幸福感を味あわせる値打ちがあった」と語った。


5月10日(水)

警察、35万人に被害を及ぼす切手収集詐欺を解明

警察は昨日、スペイン全土で35万人に被害を及ぼすと思われる大規模な詐欺の解明に成功した。
組織のメンバーは1998年から2001年の間、切手収集の2つの団体、AfincaとForum Filatelicoを通じ多数の預金者に詐欺を働いていた。この犯罪は2003年に税金関連の捜査で摘発されており、汚職対策の検察は両企業が投資者に対し所有以上の切手を売っていたかどうかを調査している。
両企業は300ユーロ以上という少額を切手に投資すれば年間6%の利子が手に入り切手の価値が上がると説明して預金者を獲得し、新しい投資者の投資金を利用して古い投資者の利子を払っていたと思われる。
今回の捜査はマドリッド、カタルーニャ、カスティージャ・レオン、バスク、ガリシアの各州で開始、これまでのところ9人が逮捕、警察は昨日マドリッドにある両企業の本部を封鎖、バルセロナ、ビーゴ、バジャドリッドで21個所を捜索、1000万ユーロの現金を押収した。
中央管区裁判所は不可避の破産であるとして両企業の預金口座を止めた。
消費者・利用者団体のOCUは2004年にこの状況を届け出ており、両企業が用意している切手の価値は投資金の16%でしかないと警告していた。もし投資者がその切手を売却しても、実勢市場ではわずか5%しか回収できないという。

労働法改正案昨日承認

昨日モンクロアにて労働法改正案が承認された。
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相により主宰された調印式には、ヘスス・カルデラ労働大臣、労働組合CCOOやUGTの総書記のホセ・マリア・フィダルゴ氏、カンディド・メンデス氏、CEOE(スペイン経営者連合会)のホセ・マリア・クエバス会長、Cepyme(スペイン中小企業連合会)のヘスス・バルセナス会長などが参列した。
サパテロ首相は関連する社会福祉機関の「その模範的な態度と国との約束への意欲」に対して祝いの言葉を述べ、7月に施行予定である労働法改正の内容を「社会的対話と雇用のための立法議会の重要な達成である」と評価、我々が生きている長い成長時期に貢献するであろうと考えている。
一方、労働組合側はその視点から均衡の取れた協定であると説明、CCOOとUGTは、スペインの企業の正社員の33%が臨時雇用である実態を念頭におくことが今回の改正の優先事項であると語っている。
今回の労働法改正では全員が賛成しているわけではなく、ATA(国内自営業者協会連合)など改正内容に批判的なグループもある。

スペインの婚姻継続年数、EU中トップ

スペインはこの10年間で離婚が増加した国のベスト3に入っているにも関わらず(その離婚増加率は59%)、EU(ヨーロッパ連合)の中で結婚持続年数が最も長い国となっており、その平均年数は13.8年であることがわかった。
このデータはIPF(家庭行政機関)が昨日発表したもので、このデータによると結婚持続年数が長い国は、第1位がスペイン(13.8年)、第2位がスロベニア(13.3年)、第3位がオランダ(12.9年)で、逆に一番短いのがキプロス(7年)、オーストリア(9年)となっている。
またこのデータによるとヨーロッパでは婚姻件数はこの20年間で23.5%減少、初婚年齢の高年齢化(男性30歳、女性27.7歳)が進んでいることが顕著に見られる。またこの23年間で平均初産年齢も約30歳と高年齢化が進み、スペインでは30.84歳となっている。
一方、ヨーロッパでの離婚数の増加により婚姻外出産の出生率はこの25年間で9.6%から32.8%へと増加、出生した子供の3人に1人が婚姻外出産によるものになっている。


5月9日(火)

「ボノ事件」で警察官3人に有罪判決

マドリッドの政府代表コンスタンティノ・メンデス氏は昨日、「ボノ事件」の判決発表の後に辞職を発表した。
この「ボノ事件」は2005年1月に開催されたテロの犠牲者を支援するデモの最中に起きた事件で、当時の防衛大臣ホセ・ボノ氏がデモの際に暴力を受けたとして訴え、スペイン国家警察の警察官3人がPP(国民党)の党員2人を犯人として逮捕したものの、同2名は逮捕した警察官と警察に対し逮捕は不法であるとして告発していた事件。
中央管区裁判所は昨日の判決で不法逮捕の罪で3人の警察官に対し3年から5年の刑を言い渡した。この判決はまだ最終的なものではないがPPのアンヘル・アセベス総書記は、メンデス政府代表の辞職発表前にこの事件の政治的責任者として同氏と当時の内務大臣ホセ・アントニオ・アロンソ氏(現防衛大臣)の辞職を要求していた。
メンデス政府代表の辞職発表を聞いたPP側は「良いことであるが充分ではない」と述べ、明日国会にてPPのマリアノ・ラホイ書記長はホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相に確固とした証拠を突きつける予定となっている。

違法政党バタスナ、自分たちの間違いを認める

違法政党バタスナのアルナルド・オテギ・スポークスマンは昨日カタルーニャ州の日刊紙「AVUI」紙のインタビューの中で、「他の人たちの痛みに無関心であったことは間違いであった」と語り、バタスナ党がテロの犠牲者に対し敬意を持って対処しなかったことを認めた。
今回のオテギ氏の言葉についてホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、バタスナ党がETAの停戦により自分達の間違いを認めているとして前向きに捉えており、PSV(バスク社労党)のパッチ・ロペス代表やPSOE(社労党)のホセ・ブランコ組織部長は共に今回のオテギ氏のコメントは将来的に続くよい傾向であると述べ、バタスナ党が暴力行為をやめ、ETAに永久的に武器の放棄を行うよう要求するよう求めた。
一方これに対しPP(国民党)のアンヘル・アセベス総書記は、オテギ氏のコメントはバタスナ党の合法化を勝ち得るために国を鎮めることを目的としていると述べ、PSOEと違ってPPはバタスナ党は自分達の目的を捨てていないと考えていると語った。

政府と労働組合、本日労働法改正案承認へ

2年前に話し合いが開始した労働法改正案が本日承認される予定となっている。
これを前に昨日ヘスス・カルデラ労働大臣はラジオ局SERのインタビューで、労働法改正が実施された場合100〜150万人の臨時雇用契約労働者が正社員雇用契約労働者になることが予想されると語った。
同大臣によるとこれは労働者が1つの会社に2年以上雇用されている場合の臨時雇用契約の維持が制限されるためであるという。
また同大臣は今後雇用主に対し「雇用の不安定さはマイナスであり、企業にとっても都合がよくないこと、費用的にも大変重要である」ことを納得させ、少しずつ雇用者側が正社員雇用契約カルチャーに変わっていった場合には正社員雇用契約数はもっと増加すると説明、今回の労働法改正は大変広く深いものでありその有用性は全員の意欲次第であることを強調、同様に改正案の中では解雇費用については触れていないと説明した。


5月8日(月)

カナリアス諸島に再び密入国者殺到

昨年政府が実施した“レグラリサシオン”(居住・就労許可のない外国人の居住・滞在の合法化措置)では約70万人の移民が居住許可の申請を行った。この措置が終了してから1年が経過するが、未だにPateraと呼ばれる小型船でカナリアス諸島に漂着するアフリカ系密入国者は後を絶たず先週末も50万人以上が漂着した。
その中のひとつで60人以上の密入国者が乗船していた小型船はグランカナリア島南部のモガン沿岸で発見され、市民警察により近辺のアルギネギン港まで誘導され低体温症状のある者は手当てを受けた。
今回の不法密入国者のカナリアス諸島への押し寄せ現象は今年に入り3番目で、テネリフェ島やフエルテベントゥーラ島の移民収容所は収容制限人数を超えたたため、カナリアス州政府は1ヵ月半前の前回の押し寄せ現象以来閉鎖されていた軍施設を再び使用することを決定した。
今年わずか4ヶ月間でカナリアス諸島が受け入れた不法密入国者数は昨年1年間の受け入れ合計人数と同じ4800人となっており、このためカナリアス州政府は昨日、カナリアス諸島の海の国境警戒体制は非常に無防備で、スペイン−モーリタニア2国統一パトロール体制を作るというサパテロ政権が提案した措置が未だに実施されていないと勧告、昨日小型船がカナリアス州沿岸部より4マイルのところにいたことや小型船の接近を知らせたのは地元の漁船であったと主張した。

リアルIRAのメンバー2人マラガで逮捕

スペイン警察は昨日深夜、マラガでリアルIRA(アイルランド共和軍の派生グループ)のメンバーと思われる2人を逮捕した。
逮捕された2人はタバコの密輸を通じて同テロ組織の資金調達の役割を担っていたと思われると警察側は語っている。
逮捕されたのはトーマス・フィリップ・P(32歳)とアーロン・ウイリアム・J(42歳)で、それぞれサン・ペドロ・デ・アルカンタラ、ベナルマデナ(共にマラガ県)の在住、両者とも北アイルランド出身、リアルIRAの所属容疑で2004年中半から捜査が開始されていた。
捜査では約50万箱にわたるタバコのパッケージが押収され、その額は100万ユーロを超えると思われる。
さまざまな捜査の結果、リアルIRAに協力していた北アイルランド出身の英国人が多数地中海沿岸部に居住していることが判明、これらの人間は特に武器の不正売買やタバコの密輸を通じてリアルIRAへ資金調達を行っていた。
逮捕された2人は海路を通じてコスタ・デル・ソルの港に到着するタバコを受け取り、マラガ県グアルダオルセ工業団地内の安全な倉庫に保管、その後英国に輸送する役割を受け持っていた。
押収されたタバコのパッケージは倉庫内の家具の間に隠されており、その値段は105万8000ユーロ相当、英国ではタバコの値段が高いため英国内ではその倍の金額に相当する。収益の一部はリアルIRAの資金調達用になっていた。

アトーチャ駅で警備員に捕まえられた男性死亡

昨日朝6時30分頃、マドリッドのアトーチャ駅近郊線駅で27歳の男性が同駅の警備員4人に捕まえられた後死亡した。
Renfe(スペイン国鉄)の発表によると死亡した男性はアントニオ・メナ・サンスさんで、目撃者の1人の話によるとアントニオさんは、AVE−プエルタ・デ・アトーチャ駅に見たからに酔っ払った状態で入ってきて、同駅の警備員と口論となり、警備員が落ち着くよう説得したにも関わらずその後アントニオさんは叫びながら近郊線の電車の方に向かいその後警備員に取り押さえられたもののひきつけを起こし嘔吐、その後意識を失った。
6時30分過ぎに目撃者の1人の通報により治安隊SAMURの医療団が現場に駆けつけたとき、警備員が蘇生措置を行っていたが呼吸は停止しており、医者団の30分間の蘇生措置にも関わらず結局アントニオさんは死亡した。アントニオさんの遺体は警備員に取り押さえられた場所、切符の自動販売機の脇に放置されていたが、その後9時に遺体は裁判長の命令により法医学解剖学機関へ移送され、同日正午解剖が行われた。
スペイン国家警察は事件発生直後アトーチャ駅の現場に駆けつけ4人の警備員を逮捕、アルガンスエラの警察に移送した。
マドリッド高等警察本部殺人第5課はこの事件の担当となり逮捕された4人の警備員のアントニオさんに対する暴力的行為の有無やアントニオさんの死因への関与の有無を捜査することになっている。またアントニオさんが以前アトーチャ駅の警備員として働いていたことから4人の警備員がアントニオさんと顔なじみであったかどうかも捜査することになっている。

週末のスポーツの結果

F−1:昨日ドイツのニュルブルクリンク行われたヨーロッパGPでドイツのミヒャエル・シューマッハ選手(フェラーリ)が優勝、スペイン人フェルナンド・アロンソ選手(ルノー)は2位に終わった。合計ポイントではアロンソ選手が44ポイントで1位。


5月5日(金)

中央管区裁判所、ビスカヤ県のherriko tabernaに2年間の閉鎖命令

中央管区裁判所のフェルナンド・グランデ−マルラスカ裁判長は昨日、サムディオ(ビスカヤ県)にあるherriko taberna(バル兼独立主義者集会所)を2年間に渡り閉鎖することに同意した。herriko tabernaはETAの債券の配給に関係していると考えられている。
同裁判長は今回閉鎖したherrika tabernaでは違法政党バタスナの選挙キャンペーンの資金提供のための債券が売られており、去る4月18日に逮捕されたETAの協力者と思われるイボン・メニカ容疑者はそこでETAの主要メンバーたちと会合を持っていたと語っている。
一方ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は平和プロセス前進に向けての情報提供のためさまざまな政党と接触を行っているが、その一環として昨日、PNV(バスク国民党)のジョス・ジョン・イマス党首と会談を行った。その会談の中でイマス党首はサパテロ首相に対し恒久の平和獲得へ向けての協力を約束、スペイン政府は全政党間で同意が存在することに対し満足の意を表明した。
また内務省が実施した第3回の検証調査報告書の中では、ETAはスペイン国内では活動を停止しており、フランスでもETAの活動は減少傾向にあると記述されている。

4月の失業者数、史上最低

昨日労働省が発表したデータによると、INEM(職業安定所)に登録された4月の失業者数は史上最低を記録、前月3月より7万2854人減少、前年同月より2万269人減少したことがわかった。この数字は3月のデータと比較して3.39%減少、スペイン全体の失業者数は207万5676人と、ここ2ヶ月間同様失業者数は減少傾向を見せている。
ヘスス・カルデラ労働大臣は今回の結果は大変満足のいくものであることを強調、雇用促進もスペインの歴史上最良の結果となり、ヨーロッパ内でも大変良い結果となっていると力説した。
しかし女性の失業率は3月と比較して3%減少したものの、未だに失業者数は127万人以上とEU(ヨーロッパ連合)圏内では最悪の数字となっている。
また4月には130万4213件の雇用契約が行われたが、そのうち14万5658件が正社員契約でこの数は前年2005年4月と比較して9.4%増となっている。

サラゴサ基地でデモンストレーション中に事故発生、兵士1人が死亡

昨日サラゴサ県ポントネロス・デ・モンサルバルバ基地でのデモンストレーション中にBMR装甲車の1台が転倒し兵士1人が死亡、14〜16歳の生徒11人が怪我を負った。
亡くなったのはサラゴサ出身の19歳の兵士で入隊してわずか1年たらず、同兵士はデモンストレーションの間生徒たちの案内役を務めていた。今回のデモンストレーションは軍隊の毎日の活動を少年少女に紹介する目的の公開デモンストレーションであった。
事故は昨日正午近くに基地内で発生、15トン近い重さの装甲車が急にUターンし転倒、装甲車内には兵士3人と生徒11人がいたが、兵士の1人が装甲車の下敷きとなった。多数の消防士が事故現場に駆けつけ転倒した装甲車を起き上がらせ、兵士の救出作業にあたった。
怪我を負った男子生徒の1人は腰部骨折と足の骨折で重傷、女子生徒の1人はICU(集中治療室)で治療中であるが重体となっている。事故の原因は今のところ不明。


5月4日(木)

性別の変更、今年末に合法化へ

政府は昨日、性倒錯者、性転換者の性別変更の合法化を暗示する発表を行った。この発表はフアン・フェルナンド・ロペス・アギラル法務大臣が行ったもので、これはPSOEの選挙公約の1つであったが、昨日まで性倒錯者、性転換者に対するこの公約はスペイン市民警察を非武装化するという公約とともにまったく実行に移される気配がなかった。
同法務大臣はトレドの新裁判所の落成式の場を借りてこの発表を行い、その中でこの改正案は大変有効なものになるであろうと語り、 性倒錯者は医学的に証明されており、今年は自己の性別を誤って生まれた人たちの性別認識の変更を可能にする年となるであろうと述べた。
PSOE(社労党)の性倒錯者分野コーディネーターであるカルラ・アントネッリさんは、政府が性別変更を認める法改正を実現していないことに対し5月15日からハンガー・ストライキを行う予定であることを4月下旬に発表したが、アギラル法務大臣はこのことに関する記者団からの質問に対しこのように答えたもの。

ヨーロッパ委員会、国家エネルギー委員会の権限拡大法令に対しスペイン政府に制裁措置

ヨーロッパ委員会は昨日、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相がドイツのE.ON社のEndesa社に対する公開株式買付を調査できるようCNE(国家エネルギー委員会)の権限を拡大したという賛否両論の法令改正に関し、スペインに対する処置を発表した。
ヨーロッパ委員会はスペインに対しこの規定に納得のいく修正を行うよう2ヶ月の猶予を与え、もしスペイン側の回答が満足のいくものでない場合には、スペイン政府に対しこの法令改正を再検討するよう正式に要請する予定となっている。
ヨーロッパ委員会はCNEは現在不当に幅広く自由裁量の力を持っており、これは資本の自由流通の原則や機関の権利を侵害していると考えている。
今回の制裁措置によりEU(ヨーロッパ連合)はスペインのGas Natural社のEndesa社買収計画発表から5ヶ月後の今年2月に公式発表されたE.ON社のEndesa社の買収計画にまた少しだけ道を開くことになる。

FCバルセロナ、2005−2006年スペインリーグ制覇

昨日スペインリーグ第36節9試合が行われ、現在リーグ第1位のFCバルセロナは1−0でセルタに勝ち、第2位のバレンシアがマジョルカに2−1で負けたため、残り2節(34節のセビージャ−FCバルセロナ戦が5月20日に延期となったためFCバルセロナの残り試合数は3)を残して今季の優勝が決定した。
昨日の試合はビーゴのバライドス・スタジウムにて2万2000人の観衆を集めて行われた。
前半は0−0だったものの後半9分FCバルセロナのエトゥ選手がゴールをマーク、FCバルセロナはこの1点を守りきった。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ビーゴのバライドス・スタジアムにいたFCバルセロナのファンたちは大歓声に湧いた。
その数分後マジョルカ−バレンシアの試合も終了、バレンシアが負けたためこの瞬間バルセロナの優勝が決定した。
FCバルセロナのロッカールームでは歓喜の声と抱擁の嵐となった。
FCバルセロナの優勝は前年に続き2年連続、チームとしてはトータルで18回目の優勝。


5月3日(水)

アンダルシア州法改正案、多くの反対票のあるまま国会へ

アンダルシア州議会は昨日、全体の40%を占めるPP(国民党)とPA(アンダルシア党)の反対票があったものの、PSOE(社労党)とIU(左翼連合)の賛成票(109票中65票)によりアンダルシア州法改正案を承認した。
マヌエル・チャベス・アンダルシア州知事は「この改正案はアンダルシア州民の関心や強い願望に答えるものである」と語っており、この州法改正案は今週金曜日下院にて発表され、今月23日に討論される予定となっている。
チャベス知事は昨日、全体の3/5の賛成票により承認された州法改正案の内容の合法性を擁護、PPを引き合いにだし、自分の立場について少数派をうまくまとめられなかった州法案の反対者に対し異議を申し立てた。
一方、アンダルシア州議会のPPスポークスマンであるアントニオ・サンス氏はチャベス知事を「不統一と分裂の父」としてアンダルシア州民の歴史に残るであろうと警告した。

フランチャイズ・ビジネス急成長

米国やフランスで成功したフランチャイズ・ビジネスは10年前まではスペインではまったく知られていなかったが、現在スペイン国内は大きく発展し、フランチャイズ経営の店舗数は4万8302件まで増え、そこで働く人は20万人を越え、スペイン・フランチャイズ協会のデータによると昨年2005年フランチャイズ・ビジネス業界全体では180億ユーロの売上高を記録した。
フランチャイズ・ビジネスの成長ぶりは、明日5月4日より5月6日までバルセロナにてフランチャイズ・ビジネス・ショーが開催されることからもわかる。
今回のビジネス・ショーでの呼び物の1つは、積極的でやる気のある人間なら誰でもフランチャイズ・ビジネスを始められるということで、1万8000ユーロから30万ユーロとその資金額に応じてさまざまなビジネスがあるという。
今回のビジネス・ショーには、スペイン国内のみならず世界22カ国の飲食業界を始めさまざまな分野の300メーカー以上が出展する予定となっている。

パンプローナで3件の爆竹爆発事件

5月1日月曜日深夜から2日火曜日早朝にかけてパンプローナ市内の保険会社2ヶ所と派遣会社1ヶ所にて爆竹が爆発、メーデーに暗い影を落とす結果となった。スペイン国家警察は今回の爆発事件の犯人究明に関し様々な可能性から捜査を開始した。
今回の爆発事件で特に人的被害はなく、建物に被害があったに留まっているが、アンチ・グロバリゼーションやアンチ体制運動に導く「資本主義への説教」と書かれたパンフレットが現場から発見された。
ナバーラ州政府は昨日州議会にて2件の爆発事件を非難、現在内務省による爆発事件の主謀者の解明待ちとなっている。


5月2日(火)

マドリッド州の日の休日のため、ニュースはお休みです。


5月1日(月)

メーデーの休日のため、ニュースはお休みです。




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